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特開2023-41485スピーカシステム、サウンドバー、ワイヤレススピーカ、およびスピーカシステムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041485
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】スピーカシステム、サウンドバー、ワイヤレススピーカ、およびスピーカシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20230316BHJP
   H04R 1/06 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R1/06 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148887
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】309039716
【氏名又は名称】株式会社ディーアンドエムホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸弘
【テーマコード(参考)】
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
5D017AH10
5D220AA12
5D220DD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サウンドバーとワイヤレススピーカとのグループ化およびグループ解除を簡単な操作で行えるようにするスピーカシステム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】方法は、ユーザがコントローラ3をサウンドバー1に近づけると、サウンドバー1は、RFIDタグリーダ10によりコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み込んで、ユーザによりコントローラ3をサウンドバー1に近づける操作が行われたことを検知し、自身のグループ状態を確認する。グループ形成中の場合、このグループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2にグループ解除通知を送信してグループを解除するとともに、解除したグループのスレーブに関する情報を直前スレーブ情報として記憶する。一方、グループ解除中の場合、直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカ2にグループ形成通知を送信して、ワイヤレススピーカ2とグループを形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムであって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記サウンドバーは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、自サウンドバーがグループを形成しているならば、当該グループに属しているスレーブである前記ワイヤレススピーカにグループ解除通知を送信して当該グループを解除するとともに、当該グループに属しているスレーブに関する情報を直前スレーブ情報として記憶し、自サウンドバーがグループを形成してないならば、前記直前スレーブ情報により特定される前記ワイヤレススピーカにグループ形成通知を送信して当該ワイヤレススピーカとグループを形成するマスタ制御手段と、を有し、
前記ワイヤレススピーカは、
グループ加入中に当該グループのマスタである前記サウンドバーから前記グループ解除通知を受信したならば、当該グループから脱退し、グループ脱退中に前記サウンドバーから前記グループ形成通知を受信したならば、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入するスレーブ制御手段を有する
ことを特徴とするスピーカシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のスピーカシステムであって、
前記サウンドバーは、
最後に再生したオーディオデータの情報を記憶する再生情報記憶手段と、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、自サウンドバーをマスタとするグループが前記マスタ制御手段により解除されたならば、前記再生情報記憶手段に記憶されている情報により特定されるオーディオデータを単独で再生し、自サウンドバーをマスタとするグループが前記マスタ制御手段により形成されたならば、前記再生情報記憶手段に記憶されている情報により特定されるオーディオデータを、当該グループのメンバとともにグループ再生するマスタ再生制御手段と、をさらに有する
ことを特徴とするスピーカシステム。
【請求項3】
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムであって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記ワイヤレススピーカは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、自ワイヤレススピーカがグループに加入しているならば、当該グループのマスタである前記サウンドバーにグループ脱退要求を送信して当該グループから脱退するとともに、当該グループのマスタに関する情報を直前マスタ情報として記憶し、自ワイヤレススピーカがグループから脱退しているならば、前記直前マスタ情報により特定される前記サウンドバーにグループ加入要求を送信して、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入するスレーブ制御手段と、を有し、
前記サウンドバーは、
前記ワイヤレススピーカから前記グループ脱退要求を受信したならば、自サウンドバーをマスタとするグループから当該ワイヤレススピーカを脱退させ、前記ワイヤレススピーカから前記グループ加入要求を受信した場合に、自サウンドバーをマスタとするグループに当該ワイヤレススピーカをスレーブとして参加させるマスタ制御手段を有する
ことを特徴とするスピーカシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のスピーカシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
最後に再生したオーディオデータの情報を記憶する再生情報記憶手段と、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、前記スレーブ制御手段により前記サウンドバーをマスタとするグループから自ワイヤレススピーカが脱退したならば、前記再生情報記憶手段に記憶されている情報により特定されるオーディオデータを単独で再生し、前記スレーブ制御手段により前記サウンドバーをマスタとするグループに自ワイヤレススピーカが加入したならば、前記再生情報記憶手段に記憶されている情報により特定されるオーディオデータの再生要求を前記サウンドバーに送信して、当該オーディオデータを当該グループのマスタおよびメンバとともにグループ再生するスレーブ再生制御手段と、をさらに有する
ことを特徴とするスピーカシステム。
【請求項5】
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーであって、
通信可能距離まで近づいたRFID(Radio Frequency Identification)タグからタグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報がコントローラの識別情報を含む場合に、自サウンドバーがグループを形成しているならば、当該グループに属しているスレーブであるワイヤレススピーカにグループ解除通知を送信して当該グループを解除するとともに、当該グループのスレーブに関する情報を直前スレーブ情報として記憶し、自サウンドバーがグループを形成してないならば、前記直前スレーブ情報により特定される前記ワイヤレススピーカにグループ形成通知を送信して当該ワイヤレススピーカとグループを形成するマスタ制御手段と、を有する
ことを特徴とするサウンドバー。
【請求項6】
スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカであって、
通信可能距離まで近づいたRFID(Radio Frequency Identification)タグからタグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報がコントローラの識別情報を含む場合に、自ワイヤレススピーカがグループに加入しているならば、当該グループのマスタであるサウンドバーにグループ脱退要求を送信して当該グループから脱退するとともに、当該グループのマスタに関する情報を直前マスタ情報として記憶し、自ワイヤレススピーカがグループから脱退しているならば、前記直前マスタ情報により特定されるサウンドバーにグループ加入要求を送信して、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入するスレーブ制御手段と、を有する
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項7】
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムの制御方法であって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記サウンドバーは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダを有し、
当該RFIDタグリーダが前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取った場合に、当該タグ情報が前記コントローラの識別情報を含んでいるか否かを判断し、
当該タグ情報が前記コントローラの識別情報を含んでいる場合に、
自サウンドバーがグループを形成しているならば、当該グループに属しているスレーブである前記ワイヤレススピーカにグループ解除通知を送信して当該グループを解除するとともに、当該グループのスレーブに関する情報を直前スレーブ情報として記憶し、
自サウンドバーがグループを形成してないならば、前記直前スレーブ情報により特定される前記ワイヤレススピーカにグループ形成通知を送信して当該ワイヤレススピーカとグループを形成し、
前記ワイヤレススピーカは、
グループ加入中に当該グループのマスタである前記サウンドバーから前記グループ解除通知を受信したならば当該グループから脱退し、
グループ脱退中に前記サウンドバーから前記グループ形成通知を受信したならば、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入する
ことを特徴とするスピーカシステムの制御方法。
【請求項8】
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムの制御方法であって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記ワイヤレススピーカは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダを有し、
当該RFIDタグリーダが前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取った場合に、当該タグ情報が前記コントローラの識別情報を含んでいるか否かを判断し、
当該タグ情報が前記コントローラの識別情報を含んでいる場合に、
自ワイヤレススピーカがグループに加入しているならば、当該グループのマスタである前記サウンドバーにグループ脱退要求を送信して当該グループから脱退するとともに、当該グループのマスタに関する情報を直前マスタ情報として記憶し、
自ワイヤレススピーカがグループから脱退しているならば、前記直前マスタ情報により特定される前記サウンドバーにグループ加入要求を送信して、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入し、
前記サウンドバーは、
前記ワイヤレススピーカから前記グループ脱退要求を受信した場合に、自サウンドバーをマスタとするグループから当該ワイヤレススピーカを脱退させ、
前記ワイヤレススピーカから前記グループ加入要求を受信した場合に、自サウンドバーをマスタとするグループに当該ワイヤレススピーカを参加させる
ことを特徴とするスピーカシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウンドバーおよびワイヤレススピーカのグループ化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のスピーカを用いてオーディオデータをグループ再生するグループ化技術が知られている。例えば、特許文献1に記載のワイヤレスオーディオシステムは、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカのうちの一つがマスタ(グループリーダ)となって、メディアサーバ等からオーディオデータをダウンロードして再生・出力するとともに、その再生データを、同じグループに属する他のワイヤレススピーカ(スレーブ)に送信して、これらのスピーカからも出力させる。これにより、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカを用いて、オーディオデータをグループ再生することができる。
【0003】
また、近年、サウンドバーが普及している。サウンドバーは、複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成されたスピーカシステムであり、各チャンネルのスピーカを個別に設置する場合に比べて、設置スペース効率がよく、設置作業が容易である。このため、サウンドバーを用いることで、スペースに制約のある一般家庭でも簡単にサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7987294号明細書
【特許文献2】特開2009-55450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、サウンドバーは、複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成されたスピーカシステムであり、サウンドバー単体でサラウンドオーディオの再生環境を実現することができるが、グループ化技術によりサウンドバーをワイヤレススピーカとグループ化して、オーディオデータをグループ再生することができれば、より高品質のサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる。
【0006】
ところで、サウンドバーとグループ化したワイヤレススピーカを、サウンドバーが設置された部屋とは別の部屋に移動して単独で使用したいことがある。このような場合、このワイヤレススピーカをグループから脱退させる必要がある。しかしながら、従来のグループ化技術では、グループの加入・脱退が頻繁に繰り返されることが想定されておらず、ユーザは、グループの加入・脱退を繰り返す都度、そのための設定を行う必要があり煩雑である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サウンドバーとワイヤレススピーカとのグループ化およびグループ解除を簡単な操作で行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様では、ワイヤレス端末等のコントローラに、このコントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを設けるとともに、サウンドバーにRFIDタグリーダを設ける。そして、ユーザがコントローラをサウンドバーに近づけると、サウンドバーは、RFIDタグリーダによりコントローラのRFIDタグからタグ情報を読み込んで、ユーザによりコントローラをサウンドバーに近づける操作が行われたことを検知し、自身のグループ状態を確認する。
【0009】
サウンドバーは、このときグループを形成しているならば、このグループに属しているワイヤレススピーカにグループ解除通知を送信してグループを解除するとともに、解除したグループのメンバに関する情報を直前スレーブ情報として記憶する。この際、最後に再生したオーディオコンテンツをメディアサーバからダウンロードしてサウンドバー単独で再生するようにしてもよい。
【0010】
一方、サウンドバーは、このときグループを形成していないならば、記憶されている直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカにグループ形成通知を送信して、ワイヤレススピーカとグループを再度形成する。この際、最後に再生したオーディオコンテンツをメディアサーバからダウンロードしてグループ再生するようにしてもよい。
【0011】
例えば、本発明の第一の態様は、
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムであって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記サウンドバーは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、自サウンドバーがグループを形成しているならば、当該グループに属しているスレーブである前記ワイヤレススピーカにグループ解除通知を送信して当該グループを解除するとともに、当該グループに属しているスレーブに関する情報を直前スレーブ情報として記憶し、自サウンドバーがグループを形成してないならば、前記直前スレーブ情報により特定される前記ワイヤレススピーカにグループ形成通知を送信して当該ワイヤレススピーカとグループを形成するマスタ制御手段と、を有し、
前記ワイヤレススピーカは、
グループ加入中に当該グループのマスタである前記サウンドバーから前記グループ解除通知を受信したならば、当該グループから脱退し、グループ脱退中に前記サウンドバーから前記グループ形成通知を受信したならば、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入するスレーブ制御手段を有する。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、ワイヤレス端末等のコントローラに、このコントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFIDタグを設けるとともに、ワイヤレススピーカにRFIDタグリーダを設ける。そして、ユーザがコントローラをワイヤレススピーカに近づけると、ワイヤレススピーカは、RFIDタグリーダによりコントローラのRFIDタグからタグ情報を読み込んで、ユーザによりコントローラをワイヤレススピーカに近づける操作が行われたことを検知し、自身のグループ加入状態を確認する。
【0013】
ワイヤレススピーカは、このときグループに加入しているならば、このグループのマスタであるサウンドバーにグループ脱退要求を送信してグループから脱退するとともに、脱退したグループのマスタに関する情報を直前マスタ情報として記憶する。この際、最後に再生したオーディオコンテンツをメディアサーバからダウンロードしてワイヤレススピーカ単独で再生するようにしてもよい。
【0014】
一方、ワイヤレススピーカは、このときグループから脱退しているならば、記憶されている直前マスタ情報により特定されるサウンドバーにグループ加入要求を送信して、このサウンドバーをマスタとするグループに加入する。この際、最後に再生したオーディオコンテンツのグループ再生要求をサウンドバーに送信してグループ再生するようにしてもよい。
【0015】
例えば、本発明の第二の態様は、
マスタとしてのグループ再生機能を有するサウンドバーと、スレーブとしてのグループ再生機能を有するワイヤレススピーカと、コントローラと、を備えたスピーカシステムであって、
前記コントローラは、
当該コントローラの識別情報を含むタグ情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを有し、
前記ワイヤレススピーカは、
通信可能距離まで近づいた前記RFIDタグから前記タグ情報を読み取るRFIDタグリーダと、
前記RFIDタグリーダにより読み取られた前記タグ情報が前記コントローラの識別情報を含む場合に、自ワイヤレススピーカがグループに加入しているならば、当該グループのマスタである前記サウンドバーにグループ脱退要求を送信して当該グループから脱退するとともに、当該グループのマスタに関する情報を直前マスタ情報として記憶し、自ワイヤレススピーカがグループから脱退しているならば、前記直前マスタ情報により特定される前記サウンドバーにグループ加入要求を送信して、当該サウンドバーをマスタとするグループに加入するスレーブ制御手段と、を有し、
前記サウンドバーは、
前記ワイヤレススピーカから前記グループ脱退要求を受信したならば、自サウンドバーをマスタとするグループから当該ワイヤレススピーカを脱退させ、前記ワイヤレススピーカから前記グループ加入要求を受信した場合に、自サウンドバーをマスタとするグループに当該ワイヤレススピーカをスレーブとして参加させるマスタ制御手段を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第一の態様では、ユーザがコントローラをサウンドバーに近づける操作を行うことにより、このサウンドバーをマスタとし、ワイヤレススピーカをスレーブとするグループを解除したり、あるいは、このようなグループを形成したりすることができる。また、本発明の第二の態様では、ユーザがコントローラをワイヤレススピーカに近づける操作を行うことにより、このワイヤレススピーカを、サウンドバーをマスタとするグループから脱退させたり、あるいは参加させたりすることができる。このように、本発明によれば、サウンドバーとワイヤレススピーカとのグループ化およびグループ解除を簡単な操作で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係るスピーカシステムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、サウンドバー1によるグループ形成・解除処理を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、サウンドバー1によるグループ形成・解除処理を説明するためのシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、本実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、ワイヤレススピーカ2によるグループ加入・脱退処理を説明するためのシーケンス図である。
図5図5は、本実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、ワイヤレススピーカ2によるグループ加入・脱退処理を説明するためのシーケンス図であり、図4の続きである。
図6図6は、サウンドバー1の概略機能構成図である。
図7図7は、サウンドバー1のグループ形成・解除動作を説明するためのフロー図である。
図8図8は、サウンドバー1のグループ加入・脱退受付動作を説明するためのフロー図である。
図9図9は、ワイヤレススピーカ2の概略機能構成図である。
図10図10は、ワイヤレススピーカ2のグループ加入・脱退動作を説明するためのフロー図である。
図11図11は、ワイヤレススピーカ2のグループ形成・解除受付動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係るスピーカシステムの概略構成図である。
【0020】
図示するように、本実施の形態に係るスピーカシステムは、HDMI(登録商標:High Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースによってテレビジョン受信機等のAV(Audio Visual)機器4に接続されたサウンドバー1と、1台以上のワイヤレススピーカ2-1、2-2(以下、単にワイヤレススピーカ2とも呼ぶ)と、サウンドバー1およびワイヤレススピーカ2を遠隔操作するためのコントローラ3と、を備えている。
【0021】
サウンドバー1およびワイヤレススピーカ2は、アクセスポイント6およびWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク7を介してメディアサーバ5に接続されている。また、サウンドバー1、ワイヤレススピーカ2、およびコントローラ3は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により互いに接続されている。
【0022】
サウンドバー1は、センターチャンネルスピーカ、レフトチャンネルスピーカ、ライトチャンネルスピーカを含む複数チャンネルが同じ筐体に収容されて構成されたスピーカシステムであり、これ1台でサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる。すなわち、メディアサーバ5から取得したオーディオデータ、あるいはAV機器4から受信したオーディオデータを再生して、自サウンドバー1が備える複数チャンネルのスピーカから出力する。また、サウンドバー1は、マスタとしてグループ再生機能を備えており、ワイヤレススピーカ2とグループを形成している場合、メディアサーバ5から取得したオーディオデータ、あるいはAV機器4から受信したオーディオデータを、ワイヤレススピーカ2とグループ再生する。すなわち、オーディオデータを再生して、自サウンドバー1が備える複数チャンネルのスピーカから出力するとともに、この再生データを近距離無線通信によりワイヤレススピーカ2に送信し、ワイヤレススピーカ2から出力させる。これにより、より高品質のサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる。
【0023】
また、サウンドバー1は、RFID(Radio Frequency Identification)タグリーダ10を有している。
【0024】
ワイヤレススピーカ2は、メディアサーバ5から取得したオーディオデータを再生して出力する。また、ワイヤレススピーカ2は、スレーブとしてグループ再生機能を備えており、サウンドバー1とグループを形成している場合、サウンドバー1からオーディオデータの再生データを受信して出力することにより、このオーディオデータをサウンドバー1とグループ再生する。
【0025】
また、ワイヤレススピーカ2は、RFIDタグリーダ20を有している。
【0026】
コントローラ3は、例えばスマートホン、タブレットPC(Personal Computer)等のワイヤレス端末であり、自コントローラ3の識別情報であるコントローラIDを含むタグ情報が記憶されたRFIDタグ30を有する。
【0027】
上記構成のスピーカシステムにおいて、ユーザがコントローラ3を用いてサウンドバー1あるいはワイヤレススピーカ2にタッチ操作する等、コントローラ3をサウンドバー1あるいはワイヤレススピーカ2に近づける行為を行って、コントローラ3のRFIDタグ30に記憶されたタグ情報をサウンドバー1のRFIDタグリーダ10あるいはワイヤレススピーカ2のRFIDタグリーダ20に読み取らせることにより、サウンドバー1とワイヤレススピーカ2とのグループ化およびグループ解除を簡単に実施することができる。
【0028】
図2および図3は、本実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、サウンドバー1によるグループ形成・解除処理を説明するためのシーケンス図である。
【0029】
サウンドバー1をマスタとし、ワイヤレススピーカ2-1、2-2をスレーブとするグループが形成されているものとする(S100)。ユーザがコントローラ3を用いてサウンドバー1にタッチ操作を行ったものとする(S101)。これにより、コントローラ3のRFIDタグ30がサウンドバー1のRFIDタグリーダ10の通信可能範囲内に進入して、サウンドバー1のRFIDタグリーダ10が、コントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る(S102)。
【0030】
サウンドバー1は、RFIDタグリーダ10が読み取ったタグ情報に含まれているコントローラIDに基づいて、コントローラ3によってタッチ操作されたことを認識すると(S103)、自サウンドバー1のグループ状態「グループ形成中」を確認する(S104)。この場合、サウンドバー1は、自サウンドバー1をマスタとするグループに加入中のワイヤレススピーカ2-1、2-2にそれぞれグループ解除通知を送信して(S105、S106)、グループを解除する(S107)。それから、サウンドバー1は、解除したグループの参加メンバであったワイヤレススピーカ2-1、2-2の情報を直前スレーブ情報として登録する(S108)。
【0031】
つぎに、サウンドバー1は、アクセスポイント6およびネットワーク7を介してメディアサーバ5に、自サウンドバー1が最後に再生した曲(ラスト再生曲と呼ぶ)の指定を伴う配信要求を送信し(S109)、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S110)。そして、取得したラスト再生曲をサウンドバー1単独で再生する(S111)。すなわち、ラスト再生曲を再生して、自サウンドバー1が備える複数チャンネルのスピーカから出力する。
【0032】
ラスト再生曲の再生終了後、しばらくしてから、ユーザがコントローラ3を用いてサウンドバー1にタッチ操作を再度行ったものとする(S112)。これにより、コントローラ3のRFIDタグ30がサウンドバー1のRFIDタグリーダ10の通信可能範囲内に進入して、サウンドバー1のRFIDタグリーダ10がコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る(S113)。
【0033】
サウンドバー1は、RFIDタグリーダ10が読み取ったタグ情報に含まれているコントローラIDに基づいて、コントローラ3によってタッチ操作されたことを認識すると(S114)、自サウンドバー1のグループ状態「グループ解除中」を確認する(S115)。この場合、直前スレーブ情報を確認して、近距離無線通信により、現在のグループ状態前に形成していたグループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2-1、2-2にそれぞれグループ形成通知を送信して(S117、S118)、サウンドバー1をマスタとし、ワイヤレススピーカ2-1、2-2をスレーブとするグループを形成する(S119)。
【0034】
つぎに、サウンドバー1は、アクセスポイント6およびネットワーク7を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し(S120)、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S121)。そして、取得したラスト再生曲をグループ再生する(S121)。すなわち、ラスト再生曲を再生して、自サウンドバー1が備える複数チャンネルのスピーカから出力するとともに、このラスト再生曲の再生データを近距離無線通信によりワイヤレススピーカ2-1、2-2に送信してワイヤレススピーカ2-1、2-2から出力させる。
【0035】
図4および図5は、本実施の形態に係るスピーカシステムにおいて、ワイヤレススピーカ2によるグループ加入・脱退処理を説明するためのシーケンス図である。
【0036】
サウンドバー1をマスタとし、ワイヤレススピーカ2-2をスレーブとするグループが形成されているものとする(S130)。ユーザがコントローラ3を用いて他のワイヤレススピーカ2-1にタッチ操作を行ったものとする(S131)。これにより、コントローラ3のRFIDタグ30がワイヤレススピーカ2-1のRFIDタグリーダ20の通信可能範囲内に進入して、ワイヤレススピーカ2-1のRFIDタグリーダ20がコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る(S132)。
【0037】
ワイヤレススピーカ2-1は、RFIDタグリーダ20が読み取ったタグ情報に含まれているコントローラIDに基づいて、コントローラ3によってタッチ操作されたことを認識すると(S133)、自ワイヤレススピーカ2-1のグループ加入状態「グループ脱退中」を確認する(S134)。この場合、ワイヤレススピーカ2-1は、近距離無線通信により、グループのマスタとして機能するサウンドバー1にグループ加入要求を送信する(S135)。これにより、サウンドバー1をマスタとし、ワイヤレススピーカ2-1、2-2をスレーブとするグループが形成される(S136)。
【0038】
つぎに、ワイヤレススピーカ2-1は、グループのマスタであるサウンドバー1に、自ワイヤレススピーカ2-1のラスト再生曲の指定を伴う再生要求を送信する(S137)。これを受けて、サウンドバー1は、アクセスポイント6およびネットワーク7を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し(S138)、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S139)。そして、取得したラスト再生曲をグループ再生する(S140)。すなわち、ラスト再生曲を再生して、自サウンドバー1が備える複数チャンネルのスピーカから出力するとともに、このラスト再生曲の再生データを近距離無線通信によりワイヤレススピーカ2-1、2-2に送信して、ワイヤレススピーカ2-1、2-2から出力させる。
【0039】
ラスト再生曲の再生終了後、しばらくしてから、ユーザがコントローラ3を用いてワイヤレススピーカ2-1にタッチ操作を再度行ったものとする(S141)。これにより、コントローラ3のRFIDタグ30がワイヤレススピーカ2-1のRFIDタグリーダ20の通信可能範囲内に進入して、ワイヤレススピーカ2-1のRFIDタグリーダ20がコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る(S142)。
【0040】
ワイヤレススピーカ2-1は、RFIDタグリーダ20が読み取ったタグ情報に含まれているコントローラIDに基づいて、コントローラ3によってタッチ操作されたことを認識すると(S143)、自ワイヤレススピーカ2-1のグループ加入状態「グループ加入中」を確認する(S144)。この場合、ワイヤレススピーカ2-1は、自ワイヤレススピーカ2-1が加入中のグループのマスタであるサウンドバー1にグループ脱退要求を送信して(S145)、グループから脱退する。これにより、サウンドバー1をマスタとするグループの参加メンバ(スレーブ)がワイヤレススピーカ2-2のみとなる(S146)。
【0041】
つぎに、ワイヤレススピーカ2-1は、アクセスポイント6およびネットワーク7を介してメディアサーバ5に、自ワイヤレススピーカ2-1のラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し(S147)、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S148)。そして、取得したラスト再生曲をワイヤレススピーカ2-1単独で再生する(S149)。
【0042】
つぎに、本実施の形態に係るスピーカシステムを構成するサウンドバー1およびワイヤレススピーカ2の詳細を説明する。なお、コントローラ3には、RFIDタグを有するスマートホン、タブレットPC等の既存のワイヤレス端末を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0043】
まず、サウンドバー1の詳細を説明する。
【0044】
図6は、サウンドバー1の概略機能構成図である。
【0045】
図示するように、サウンドバー1は、RFIDタグリーダ10と、無線ネットワークインターフェース(IF)部11と、近距離無線通信部12と、オーディオインターフェース(IF)部13と、スピーカ部14と、再生情報記憶部15と、マスタ再生制御部16と、マスタ制御部17と、を有する。
【0046】
RFIDタグリーダ10は、通信可能距離内まで近づいたコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る。
【0047】
無線ネットワークIF部11は、アクセスポイント6を介してネットワーク7に接続するためのインターフェースである。
【0048】
近距離無線通信部12は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によりワイヤレススピーカ2およびコントローラ3に接続するためのインターフェースである。
【0049】
オーディオIF部13は、AV機器4からオーディオデータを受信するためのインターフェースであり、HDMI(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースが用いられる。
【0050】
スピーカ部14は、センターチャンネルスピーカ、レフトチャンネルスピーカ、およびライトチャンネルスピーカを含んで構成される。
【0051】
再生情報記憶部15には、自サウンドバー1によって最後に再生されたオーディオデータ(ラスト再生曲)の情報が記憶される。
【0052】
マスタ再生制御部16は、自サウンドバー1のグループ状態に応じてオーディオデータの再生を制御する。具体的には、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ形成中」である場合、再生対象のオーディオデータを、グループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2とともにグループ再生し、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ解除中」である場合、再生対象のオーディオデータを自サウンドバー1のみで単独再生する。
【0053】
マスタ制御部17は、グループの形成および解除を制御する。具体的には、RFIDタグリーダ10により読み取られたタグ情報がコントローラ3のコントローラIDを含む場合、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ形成中」ならば、グループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2にグループ解除通知を送信してグループを解除し、この解除したグループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2の情報を直前スレーブ情報として記憶する。一方、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ解除中」ならば、登録されている直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカ2にグループ形成通知を送信して、自サウンドバー1をマスタとし、直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカ2をスレーブとするグループを形成する。
【0054】
なお、図6に示すサウンドバー1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタと、ブルートゥース(登録商標)アダプタ等の近距離無線通信装置と、RFIDタグリーダと、複数のスピーカと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0055】
図7は、サウンドバー1のグループ形成・解除動作を説明するためのフロー図である。
【0056】
RFIDタグリーダ10は、通信可能範囲に位置するRFIDタグ30を検出すると(S200でYES)、このRFIDタグ30からタグ情報を読み取ってマスタ制御部17に渡す(S201)。これを受けて、マスタ制御部17は、このタグ情報にコントローラ3のコントローラIDが含まれているか否かを確認することにより、このRFIDタグ30がコントローラ3のものであるか否かを判断する(S202)。そして、このRFIDタグ30がコントローラ3のものであるならば(S202でYES)、自サウンドバー1のグループ状態を確認する(S203)。
【0057】
自サウンドバー1のグループ状態が「グループ形成中」である場合(S204でYES)、マスタ制御部17は、近距離無線通信部12を介して、自サウンドバー1をマスタとするグループにスレーブとして参加しているワイヤレススピーカ2にグループ解除通知を送信して、グループを解除する(S205)。それから、マスタ制御部17は、解除したグループにスレーブとして参加していたワイヤレススピーカ2の情報を直前スレーブ情報として登録する(S206)。
【0058】
つぎに、マスタ制御部17は、マスタ再生制御部16にラスト再生曲の単独再生を指示する。これを受けて、マスタ再生制御部16は、再生情報記憶部15に記憶されている情報に基づいて、無線ネットワークIF部11を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲情報の指定を伴う配信要求を送信し、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S207)。それから、マスタ再生制御部16は、取得したラスト再生曲を単独再生する(S208)。すなわち、ラスト再生曲を再生してスピーカ部14から出力する。
【0059】
一方、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ解除中」である場合(S204でNO)、マスタ制御部17は、直前スレーブ情報を確認して、直前スレーブ情報が登録済みであるならば(S209でYES)、近距離無線通信部12を介して、直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカ2にグループ形成通知を送信し、自サウンドバー1をマスタとし、直前スレーブ情報により特定されるワイヤレススピーカ2をスレーブとするグループを形成する(S210)。
【0060】
つぎに、マスタ制御部17は、マスタ再生制御部16にラスト再生曲のグループ再生を指示する。これを受けて、マスタ再生制御部16は、再生情報記憶部15に記憶されている情報に基づいて、無線ネットワークIF部11を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S211)。それから、マスタ再生制御部16は、取得したラスト再生曲をグループ再生する(S212)。すなわち、ラスト再生曲を再生してスピーカ部14から出力するとともに、このラスト再生曲の再生データを、近距離無線通信部12により、グループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2に送信して出力させる。
【0061】
一方、直前スレーブ情報が未登録であるならば(S209でNO)、近距離無線通信部12を介してコントローラ3に、グループ形成の実績がないので手動によるグループ形成を推奨するメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S213)。
【0062】
図8は、サウンドバー1のグループ加入・脱退受付動作を説明するためのフロー図である。
【0063】
マスタ制御部17は、近距離無線通信部12を介してワイヤレススピーカ2からグループ加入要求を受信すると(S220でYES)、自サウンドバー1をマスタとするグループへの、このワイヤレススピーカ2の加入を許可する(S221)。この際、自サウンドバー1のグループ状態が「グループ解除中」ならば、自サウンドバー1をマスタとするグループを形成し、それから、自サウンドバー1をマスタとするグループへの、このワイヤレススピーカ2の加入を許可する。
【0064】
その後、マスタ制御部17は、近距離無線通信部12を介して、グループに加入したワイヤレススピーカ2から、ラスト再生曲の指定を伴う再生要求を受信すると(S222でYES)、マスタ再生制御部16にラスト再生曲のグループ再生を指示する。これを受けて、マスタ再生制御部16は、無線ネットワークIF部11を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S223)。それから、マスタ再生制御部16は、取得したラスト再生曲をグループ再生する(S224)。すなわち、ラスト再生曲を再生してスピーカ部14から出力するとともに、このラスト再生曲の再生データを、近距離無線通信部12により、グループの参加メンバであるワイヤレススピーカ2に送信して出力させる。
【0065】
また、マスタ制御部17は、近距離無線通信部12を介してワイヤレススピーカ2からグループ脱退要求を受信すると(S225でYES)、自サウンドバー1をマスタとするグループからの、このワイヤレススピーカ2の脱退を許可する(S226)。この際、自サウンドバー1をマスタとするグループに他の参加メンバがいないならば(S227でNO)、自サウンドバー1をマスタとするグループを解除する(S228)。
【0066】
つぎに、ワイヤレススピーカ2の詳細を説明する。
【0067】
図9は、ワイヤレススピーカ2の概略機能構成図である。
【0068】
図示するように、ワイヤレススピーカ2は、RFIDタグリーダ20と、無線ネットワークIF部21と、近距離無線通信部22と、スピーカ部24と、再生情報記憶部25と、スレーブ再生制御部26と、スレーブ制御部27と、を有する。
【0069】
RFIDタグリーダ20は、通信可能距離内まで近づいたコントローラ3のRFIDタグ30からタグ情報を読み取る。
【0070】
無線ネットワークIF部21は、アクセスポイント6を介してネットワーク7に接続するためのインターフェースである。
【0071】
近距離無線通信部22は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によりサウンドバー1およびコントローラ3に接続するためのインターフェースである。
【0072】
スピーカ部24は、少なくとも1つのスピーカを含んで構成される。
【0073】
再生情報記憶部25には、自ワイヤレススピーカ2によって最後に再生されたオーディオデータ(ラスト再生曲)の情報が記憶される。
【0074】
スレーブ再生制御部26は、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態に応じてオーディオデータの再生を制御する。具体的には、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ加入中」である場合、自ワイヤレススピーカ2がメンバとなっているグループの他のメンバとともに再生対象のオーディオデータをグループ再生し、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ脱退中」である場合、再生対象のオーディオデータを自ワイヤレススピーカ2のみで単独再生する。
【0075】
スレーブ制御部27は、グループへの加入および脱退を制御する。具体的には、RFIDタグリーダ20により読み取られたタグ情報がコントローラ3のコントローラIDを含む場合、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ加入中」ならば、グループのマスタであるサウンドバー1にグループ脱退要求を送信してグループから脱退し、この脱退したグループのマスタであるサウンドバー1の情報を直前マスタ情報として記憶する。一方、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ脱退中」ならば、登録されている直前マスタ情報により特定されるサウンドバー1にグループ加入要求を送信して、このサウンドバー1をマスタとするグループに加入する。
【0076】
なお、図9に示すワイヤレススピーカ2の機能構成は、図6に示すサウンドバー1の機能構成と同様、ASIC、FPGA等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタと、ブルートゥース(登録商標)アダプタ等の近距離無線通信装置と、RFIDタグリーダと、複数のスピーカと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0077】
図10は、ワイヤレススピーカ2のグループ加入・脱退動作を説明するためのフロー図である。
【0078】
RFIDタグリーダ20は、通信可能範囲に位置するRFIDタグ30を検出すると(S300でYES)、このRFIDタグ30からタグ情報を読み取ってスレーブ制御部27に渡す(S301)。これを受けて、スレーブ制御部27は、このタグ情報にコントローラ3のコントローラIDが含まれているか否かを確認することにより、このRFIDタグ30がコントローラ3のものであるか否かを判断する(S302)。このRFIDタグ30がコントローラ3のものであるならば(S302でYES)、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態を確認する(S303)。
【0079】
自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ加入中」である場合(S304でYES)、スレーブ制御部27は、近距離無線通信部22を介して、自ワイヤレススピーカ2が加入しているグループのマスタであるサウンドバー1にグループ脱退要求を送信し、グループを脱退する(S305)。それから、スレーブ制御部27は、脱退したグループのマスタであるサウンドバー1の情報を直前マスタ情報として登録する(S306)。
【0080】
つぎに、スレーブ制御部27は、スレーブ再生制御部26にラスト再生曲の単独再生を指示する。これを受けて、スレーブ再生制御部26は、再生情報記憶部25に記憶されている情報に基づいて、無線ネットワークIF部21を介してメディアサーバ5に、ラスト再生曲の指定を伴う配信要求を送信し、メディアサーバ5からラスト再生曲を取得する(S307)。それから、スレーブ再生制御部26は、取得したラスト再生曲を単独再生する(S308)。すなわち、ラスト再生曲を再生してスピーカ部24から出力する。
【0081】
一方、自ワイヤレススピーカ2のグループ加入状態が「グループ脱退中」である場合(S304でNO)、スレーブ制御部27は、直前マスタ情報を確認し、直前マスタ情報が登録済みであるならば(S309でYES)、近距離無線通信部22を介して、直前マスタ情報により特定されるサウンドバー1にグループ加入要求を送信し、このサウンドバー1が形成するグループにスレーブとして加入・参加する(S310)。
【0082】
つぎに、スレーブ制御部27は、スレーブ再生制御部26にラスト再生曲のグループ再生を指示する。これを受けて、スレーブ再生制御部26は、近距離無線通信部22を介して、参加中のグループのマスタであるサウンドバー1に、再生情報記憶部25に記憶されている情報により特定されるラスト再生曲の指定を伴う再生要求を送信する(S311)。それから、スレーブ再生制御部26は、近距離無線通信部22を介して、参加中のグループのマスタであるサウンドバー1からラスト再生曲の再生データを受信してスピーカ部24から出力する。これにより、グループの参加メンバによるラスト再生曲のグループ再生が実施される(S312)。
【0083】
一方、直前マスタ情報が未登録であるならば(S309でNO)、近距離無線通信部22を介してコントローラ3に、グループ加入の実績がないので手動によるグループ加入形成を推奨するメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S313)。
【0084】
図11は、ワイヤレススピーカ2のグループ形成・解除受付動作を説明するためのフロー図である。
【0085】
スレーブ制御部27は、近距離無線通信部22を介してサウンドバー1からグループ形成通知を受信すると(S320でYES)、このサウンドバー1をマスタとするグループに加入・参加する(S321)。その後、スレーブ再生制御部26は、近距離無線通信部22を介して、参加中のグループのマスタであるサウンドバー1からラスト再生曲の再生データを受信すると(S322でYES)、これをスピーカ部24から出力する。これにより、グループの参加メンバによるラスト再生曲のグループ再生が実施される(S323)。
【0086】
また、スレーブ制御部27は、近距離無線通信部22を介してサウンドバー1からグループ解除通知を受信すると(S324でYES)、このサウンドバー1をマスタとするグループから脱退する(S325)。
【0087】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0088】
本実施の形態では、ユーザがコントローラ3をサウンドバー1に近づける操作を行うことにより、このサウンドバー1をマスタとし、ワイヤレススピーカ2をスレーブとするグループを解除したり、あるいは、このようなグループを形成したりすることができる。また、ユーザがコントローラ3をワイヤレススピーカ2に近づける操作を行うことにより、このワイヤレススピーカ2を、サウンドバー1をマスタとするグループから脱退させたり、あるいは加入させたりすることができる。このように、本実施の形態によれば、サウンドバー1とワイヤレススピーカ2とのグループ化およびグループ解除を簡単な操作で行うことができる。
【0089】
また、本実施の形態において、サウンドバー1は、RFIDタグリーダ10により読み取られたタグ情報がコントローラ3のコントローラIDを含む場合に、自サウンドバー1をマスタとするグループを解除したならばラスト再生曲を単独再生し、自サウンドバー1をマスタとするグループを形成したならばラスト再生曲をグループ再生する。したがって、本実施の形態によれば、ユーザがコントローラ3をサウンドバー1に近づける操作を行うことにより、グループの形成・解除に加えて、ラスト再生曲のグループ再生・単独再生を自動的に行わせることができ、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0090】
また、本実施の形態において、ワイヤレススピーカ2は、RFIDタグリーダ20により読み取られたタグ情報がコントローラ3のコントローラIDを含む場合に、自ワイヤレススピーカ2がグループから脱退したならばラスト再生曲を単独再生し、自ワイヤレススピーカ2がグループに加入したならば、このグループのマスタであるサウンドバー1のラスト再生曲の再生要求を送信し、サウンドバー1およびこのグループのメンバとともにグループ再生する。したがって、本実施の形態によれば、ユーザがコントローラ3をワイヤレススピーカ2に近づける操作を行うことにより、グループの加入・脱退に加えて、ラスト再生曲のグループ再生・単独再生を自動的に行わせることができ、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0091】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0092】
例えば、上記の実施の形態において、サウンドバー1は、ユーザがコントローラ3を自サウンドバー1に近づける操作を行うことにより、グループの形成・解除に加えて、自サウンドバー1が最後に再生した楽曲であるラスト再生曲のグループ再生・単独再生を自動的に行っている。しかし、本発明はこれに限定されない。ラスト再生曲に代えて、予め登録された所望の楽曲を再生するようにしてもよい。同様に、ワイヤレススピーカ2は、ユーザがコントローラ3を自ワイヤレススピーカ2に近づける操作を行うことにより、グループの加入・脱退に加えて、自ワイヤレススピーカ2が最後に再生した楽曲であるラスト再生曲のグループ再生・単独再生を自動的に行っているが、ラスト再生曲に代えて、予め登録された所望の楽曲を再生するようにしてもよい。
【0093】
また、本実施の形態において、サウンドバー1は、ユーザがコントローラ3を自サウンドバー1に近づける操作を行うことによりグループを形成した場合に、このグループ形成に続けて楽曲のグループ再生を自動的に行っているが、本発明はこれに限定されない。自サウンドバー1に単独再生が優先設定されているならば、楽曲をグループ再生ではなく単独再生するようにしてもよい。同様に、ワイヤレススピーカ2は、ユーザがコントローラ3を自ワイヤレススピーカ2に近づける操作を行うことによりグループに加入した場合に、このグループ加入に続けて楽曲のグループ再生を自動的に行っているが、自ワイヤレススピーカ2に単独再生が優先設定されているならば、楽曲をグループ再生ではなく単独再生するようにしてもよい。
【0094】
また、上記の実施の形態において、サウンドバー1は、ユーザがコントローラ3を自サウンドバー1に近づける操作を行うことにより、グループの形成・解除に続けて楽曲のグループ再生・単独再生を自動的に行っているが、楽曲のグループ再生・単独再生は行わず、グループの形成・解除のみを行うようにしてもよい。同様に、ワイヤレススピーカ2は、ユーザがコントローラ3を自ワイヤレススピーカ2に近づける操作を行うことにより、グループの加入・脱退に続けて楽曲のグループ再生・単独再生を自動的に行っているが、楽曲のグループ再生・単独再生は行わず、グループへの加入・脱退のみを行うようにしてもよい。
【0095】
また、上記の実施の形態では、サウンドバー1とコントローラ3との間の通信をBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により行う場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。アクセスポイント6経由で行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1:サウンドバー 2、2-1~2-2:ワイヤレススピーカ
3:コントローラ 4:AV機器 5:メディアサーバ
6:アクセスポイント 7:ネットワーク
10:RFIDタグリーダ 11:無線ネットワークIF部
12:近距離無線通信部 13:オーディオIF部
14:スピーカ部 15:再生情報記憶部 16:マスタ再生制御部
17:マスタ制御部 20:RFIDタグリーダ
21:無線ネットワークIF部 22:近距離無線通信部
24:スピーカ部 25:再生情報記憶部
26:スレーブ再生制御部 27:スレーブ制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11