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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041528
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】作業補助装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20230316BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20230316BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20230316BHJP
   B66F 19/00 20060101ALI20230316BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B66F9/06 Q
B25J19/00 D
H02G1/02
B66F19/00 D
B66F11/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148950
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】高島 正
(72)【発明者】
【氏名】塩屋 勝志
(72)【発明者】
【氏名】上之門 一重
(72)【発明者】
【氏名】須田 一成
【テーマコード(参考)】
3C707
3F333
5G352
【Fターム(参考)】
3C707BS22
3C707CY23
3F333AA09
3F333AC13
3F333AC20
5G352AE05
5G352AJ01
5G352AJ03
(57)【要約】
【課題】支持対象物の姿勢を変更可能であって便利に利用可能な作業補助装置のニーズがあった。
【解決手段】アーム部と、アーム部によって支持されたリスト部5とを備え、リスト部5は、アーム部側に配置されているリスト基部51と、リスト基部51に対してリスト回転軸58を中心に回転することにより上下方向において変位可能であるリスト回動部52と、リスト基部51に設けられた支持面及びリスト回動部52に設けられた接触面を含み、リスト基部51に対してリスト回動部52が所定の位置にある場合において接触面が支持面に接触するように構成されている回転規制構造とを有する、作業補助装置1により、支持対象物の姿勢を変更可能にすることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム部と、
前記アーム部によって支持されたリスト部とを備え、
前記リスト部は、
前記アーム部側に配置されているリスト基部と、
前記リスト基部に対してリスト回転軸を中心に回転することにより上下方向において変位可能であるリスト回動部と、
前記リスト基部に設けられた支持面及び前記リスト回動部に設けられた接触面を含み、前記リスト基部に対して前記リスト回動部が所定の位置にある場合において前記接触面が前記支持面に接触するように構成されている回転規制構造とを有する、作業補助装置。
【請求項2】
前記リスト回転軸に平行な方向において、前記支持面及び前記接触面の外側に前記リスト部の部材が位置している、請求項1に記載の作業補助装置。
【請求項3】
前記リスト部は、前記リスト回動部の前記リスト基部に対する位置を固定する固定機構をさらに有する、請求項1又は2に記載の作業補助装置。
【請求項4】
前記リスト部は、少なくとも前記リスト回動部が前記リスト基部に対して所定の方向に回転する場合に前記リスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成された緩衝機構をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項5】
前記緩衝機構は、前記リスト回動部が下方に変位する場合において前記リスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成されたワンウェイ方式のロータリーダンパである、請求項4に記載の作業補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーム部にリスト部が取り付けられている構造を有する作業補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者により所定の作業を行う場合に、作業者の手のほかに、工具等の用具や対象物等を支えるための作業補助装置があると便利である。このような装置としては、例えば、いわゆるホットスティックを利用した間接活線工法による電気工事に利用するための装置が提案されている。なお、この種の電気工事では、一般的に、作業者は、高所作業車のバケット等に乗って電線に近づいて、ホットスティックを用いて電線を取り扱うことにより作業を行う。
【0003】
例えば、下記特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、操作棒のバランス支持装置の構造が開示されている。このようなバランス支持装置として、アームのバランスを支持するためのガススプリングと、操作棒を傾斜させる補助を行うためのガススプリングとを備えた構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-225407号公報
【特許文献2】特開平11-18227号公報
【特許文献3】特開平10-94126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業補助装置としては、リスト部がアーム部に取り付けられている構造を有するものを用いることができる。ここで、リスト部は、工具等の用具やその他の支持対象の構造物等の支持対象物を支えるためのハンド部や、当該支持対象物自体(以下、ハンド部や支持対象物自体などの、リスト部により支持される構造物を、ハンド部等ということがある)が取り付けられる部位である。このような構造の作業補助装置において、リスト部に対するハンド部等の姿勢を変更することができると便利である。例えば、リスト部に対して、ハンド部等を所望量だけ回転させることができるようにすることで、作業補助装置により支持する支持対象物の姿勢を、作業に適した状態に保持することができるようになる。他方、支持対象物の姿勢が意図しない姿勢になってしまうことを防止するため、リスト部に対してハンド部等が回転可能な範囲は、適当な範囲になるように規制されていることが望ましい。なお、このようなニーズに関して、例えば上述の各特許文献においては、開示も示唆もされていない。
【0006】
本開示は、支持対象物の姿勢を変更可能であって便利に利用可能な作業補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第一の発明の作業補助装置は、アーム部と、アーム部によって支持されたリスト部とを備え、リスト部は、アーム部側に配置されているリスト基部と、リスト基部に対してリスト回転軸を中心に回転することにより上下方向において変位可能であるリスト回動部と、リスト基部に設けられた支持面及びリスト回動部に設けられた接触面を含み、リスト基部に対してリスト回動部が所定の位置にある場合において接触面が支持面に接触するように構成されている回転規制構造とを有する、作業補助装置である。
【0008】
かかる構成により、支持対象物の姿勢を所定の位置に至るまで変更することができ、作業補助装置を便利に利用可能なものとすることができる。
【0009】
また、本第二の発明の作業補助装置は、第一の発明に対して、リスト回転軸に平行な方向において、支持面及び接触面の外側にリスト部の部材が位置している、作業補助装置である。
【0010】
かかる構成により、回転規制構造が正常に機能する状態を維持することができる。
【0011】
また、本第三の発明の作業補助装置は、第一又は二の発明に対して、リスト部は、リスト回動部のリスト基部に対する位置を固定する固定機構をさらに有する、作業補助装置である。
【0012】
かかる構成により、支持対象物の姿勢を固定することができる。
【0013】
また、本第四の発明の作業補助装置は、第一から三のいずれかの発明に対して、リスト部は、少なくともリスト回動部がリスト基部に対して所定の方向に回転する場合にリスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成された緩衝機構をさらに有する、作業補助装置である。
【0014】
かかる構成により、支持対象物の姿勢が急激に変化することを防止することができる。
【0015】
また、本第五の発明の作業補助装置は、第四の発明に対して、緩衝機構は、リスト回動部が下方に変位する場合においてリスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成されたワンウェイ方式のロータリーダンパである、作業補助装置である。
【0016】
かかる構成により、支持対象物の重量により支持対象物の姿勢が急激に変化することを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による作業補助装置によれば、支持対象物の姿勢を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態における作業補助装置の側面図
図2】同作業補助装置のリスト部及びハンド部を示す斜視図
図3】同リスト部及びハンド部の分解斜視図
図4】同リスト部の斜視図
図5】同リスト部のリスト基部とリスト回動部とを示す分解斜視図
図6】同リスト部の動作を説明する図
図7】同リスト部の固定機構を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る作業補助装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
なお、以下の説明において、図面において示される座標は、各図同士で共通している。座標のZ方向は、水平面に対して垂直な方向であり、基部に対して関節部及びリスト部(先端部といってもよい)が変位可能な方向である。X方向は、Z方向に対して垂直な方向であり、基部に対して関節部及びリスト部が変位可能な方向である。Y方向は、Z方向に垂直な方向であって、X方向に垂直な方向である。なお、Z方向を上下方向(原点から見てZ軸で正となる方向が上)ということがあり、X方向を前後方向(原点から見てX軸で正となる方向が前)ということがあり、Y方向を左右方向ということがある。作業補助装置について、基部からリスト部に向かう方向を「先端方向」といい、その反対の方向を「基端方向」ということがある。すなわち、図1に示されるように、各アーム部の長手方向が水平であるとき、先端方向は前であり、基端方向は後である。以下において、このように各方向を示して各部の形状や位置関係を説明することがあるが、これらはあくまで説明の便宜のために定義したものであって、本発明に係る作業補助装置の使用時における向きや姿勢などを限定するものではない。
【0021】
(実施の形態)
【0022】
本実施の形態において、作業補助装置は、2つのアーム部が直列に接続されたものであり、2つのアーム部を展開させることにより、基部からリスト部までの距離を長く確保することができるように構成されている。2つのアーム部のそれぞれに対してガススプリングが設けられており、ガススプリングにより発生する力を用いて、容易に、アーム部を折り畳んだり作業補助装置の姿勢を保持したりすることできるようになっている。リスト部は、リスト基部に対してリスト回転軸を中心に回転することにより上下方向において変位可能なリスト回動部を有しており、リスト回動部側に設けられる支持対象物の姿勢を変更可能としている。リスト基部とリスト回動部とは、それぞれに設けられた支持面と接触面とが接触することにより、リスト基部に対してリスト回動部が回転可能な範囲が規制されている。以下、このように構成された本実施の形態に係る作業補助装置1について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態における作業補助装置1の側面図である。
【0024】
以下の各図において、説明の便宜上の都合により、隠線が実線として示されていたり、隠線が省略されていたり、細部の描写が簡素化されていたり、特定の部材の図示が省略されていたりする場合がある。
【0025】
図1に示されるように、本実施の形態において、作業補助装置1は、大まかに、基部3、関節部4、リスト部5、ハンド部6、基台部8、第一アーム部11、及び第二アーム部21を備える。第一アーム部11、関節部4、第二アーム部21、リスト部5、及びハンド部6は、基部3から先端側に向けて、この順に並んでいる。基部3は、基台部8の上方に取り付けられている。
【0026】
基台部8は、例えば高所作業車のバケットの一部である取付壁80に取り付けられる。基台部8は、例えば、取付壁80を両面から挟み込むクランプのように構成されているが、これに限られるものではない。取付壁80に取り付けられた基台部8を基礎として、作業補助装置1のその他の部位が機能可能に支持されている。
【0027】
基部3は、基台部8から上方に延びている部材である。基部3は、略垂直な柱状に構成されている。なお、基部3は、斜めに傾いていてもよい。基部3は、基台部8に対して水平方向に回動(旋回)可能である。すなわち、作業補助装置1は、基台部8に対して水平方向に回動可能である。なお、基部3の旋回をロックする機構が設けられていてもよい。
【0028】
第一アーム部11は、基端側において基部3に接続されている。基部3の上部に、第一アーム部11の基端側の部位が接続されている。
【0029】
関節部4は、第一アーム部11の先端側に接続されている。すなわち、第一アーム部11は、先端側において関節部4に接続されている。関節部4は、例えば、金属製のブロックを切削することにより形成されたものであるが、これに限られない。
【0030】
第二アーム部21は、基端側において関節部4に接続されている。すなわち、関節部4の先端側の部位に、第二アーム部21の基端側の部位が接続されている。
【0031】
リスト部5は、第二アーム部21の先端側に接続されている。すなわち、第二アーム部21は、先端側においてリスト部5に接続されている。
【0032】
ハンド部6は、リスト部5に取り付けられている。ハンド部6は、リスト部5の本体に着脱可能なものであるが、これに限られない。ハンド部6は、リスト部5により支持される構造物であるということができる。
【0033】
なお、本実施の形態において、作業補助装置1による支持の対象となる支持対象物は、間接活線工法に用いられる工具90である。工具90は、例えば、いわゆるホットスティックと呼ばれるものである。ホットスティックは、例えば、絶縁性を有する素材で構成されている棒状部(図示せず)と、棒状部の上端に取り付けられており例えば電線を把持する把持部(図示せず)とを有する。本実施の形態において、工具90は、ハンド部6により保持されて、リスト部5により支持される。なお、支持対象物は、ホットスティックに限られず、その他の作業用用具や、作業対象となる部材(例えば、高所の電気工事の場合においては、電線やそれに付随して用いられる部材など)などであってもよい。例えば、支持対象物は、整備対象の構造物に対して塗料を塗布するための塗布具等であってもよい。また、ハンド部6を支持対象物であると表現してもよい。また、ハンド部6とは異なる構成の先端構造物などがリスト部5に取り付け可能であってもよい。
【0034】
本実施の形態において、第一アーム部11は、第一上側リンク12と、第一下側リンク13とを有している。各リンク12,13は、例えば、梁状の部材やこれをカバーする部材などで構成されているが、その他の構造を有するものであってもよい。
【0035】
第一上側リンク12と第一下側リンク13とは、上下に並び、平行リンクを構成する。すなわち、第一アーム部11は、平行リンクを構成する2つのリンク12,13を有している。第一上側リンク12は、基端側において基部3に接続されており、先端側において関節部4に接続されている。第一下側リンク13も、基端側において基部3に接続されており、先端側において関節部4に接続されている。各部材同士を接続するジョイントは、回転軸が左右方向となっている。基部3側の2箇所のジョイント間の距離と関節部4側の2箇所のジョイント間の距離は等しく、第一上側リンク12の先端側のジョイントと基端側のジョイント間の距離と、第一下側リンク13の先端側のジョイントと基端側のジョイント間の距離とは等しくなっている。このようにして2つのリンク12,13を介して基部3と関節部4とが接続されているため、関節部4は、基部3に対して上下に変位可能であり、関節部4が変位しても、関節部4の水平面に対する姿勢は変わらない。
【0036】
第一アーム部11には、第一ガススプリング16が接続されている。本実施の形態において、第一ガススプリング16は、圧縮されたときに略一定の反力を発生させる(発生する反力の変動が比較的小さい)圧縮タイプのものであるが、これに限られず、例えば引っ張られたときに反力を発生させる引張タイプのものであってもよい。また、圧縮量に応じて反力の変動が大きいものであってもよい。
【0037】
第一ガススプリング16の両端部にある2つの取付部は、第一アーム部11の2つのリンクのうち一方と、基部3とに、それぞれ接続されている。本実施の形態においては、第一ガススプリング16は、第一上側リンク12と、第一上側リンク12と基部3とのジョイント部よりも下方の位置との間に接続されている。すなわち、第一ガススプリングの反発力は、第一アーム部11を重力に抗して押し上げる方向に作用する。なお、第一ガススプリング16が引張タイプのものであり、2つの取付部が第一下側リンク13と基部3とにそれぞれ接続されていてもよい。また、第一ガススプリング16は、第一アーム部11と関節部4との間に設けられていてもよい。
【0038】
第二アーム部21は、第二上側リンク22及び第二下側リンク23を備える。各リンク22,23は、例えば、梁状の部材やこれをカバーする部材などで構成されているが、その他の構造を有するものであってもよい。
【0039】
第二上側リンク22と第二下側リンク23とは、上下に並び、平行リンクを構成する。すなわち、第二アーム部21は、平行リンクを構成する2つのリンク22,23を有している。第二上側リンク22は、基端側において関節部4に接続されており、先端側においてリスト部5に接続されている。第二下側リンク23も、基端側において関節部4に接続されており、先端側においてリスト部5に接続されている。各部材同士を接続するジョイントは、回転軸が左右方向となっている。関節部4側の2箇所のジョイント間の距離とリスト部5側の2箇所のジョイント間の距離は等しく、第二上側リンク22の先端側のジョイントと基端側のジョイント間の距離と、第二下側リンク23の先端側のジョイントと基端側のジョイント間の距離とは等しくなっている。このようにして2つのリンク22,23を介して関節部4とリスト部5とが接続されているため、リスト部5は、関節部4に対して上下に変位可能であり、リスト部5が変位しても、水平面に対するリスト部5の基端側の姿勢は変わらない。すなわち、リスト部5は、基部3に対して上下に変位可能であり、リスト部5及び関節部4の位置にかかわらず、水平面に対するリスト部5の基端側の姿勢は保たれる。
【0040】
第二アーム部21には、第二ガススプリング26が接続されている。本実施の形態において、第二ガススプリング26は、略一定の反力を発生させる圧縮タイプのものであるが、これに限られず、引張タイプのものであってもよいし、圧縮量に応じて反力の変動が大きいものであってもよい。
【0041】
第二ガススプリング26の両端部にある2つの取付部は、第二アーム部21の2つのリンクのうち一方と、関節部4とに、それぞれ接続されている。本実施の形態においては、第二ガススプリング26は、第二上側リンク22と、第二上側リンク22と関節部4とのジョイント部よりも下方の位置との間に接続されている。すなわち、第二ガススプリングの反発力は、第二アーム部21を重力に抗して押し上げる方向に作用する。なお、第二ガススプリング26が引張タイプのものであり、2つの取付部が第二下側リンク23と関節部4とにそれぞれ接続されていてもよい。また、第二ガススプリング26は、第二アーム部21とリスト部5との間に設けられていてもよい。
【0042】
なお、本実施の形態においては、第一アーム部11が基部3に対して変位しないようにする固定機構や、第二アーム部21が関節部4に対して変位しないようにする固定機構が、それぞれ設けられている(図示せず)。このような固定機構は、例えば、アーム部11,21の回転に伴って回転する固定プレートと、当該固定プレートを基部3又は関節部4との間で挟み込むロック部材との組み合わせなどにより実現可能である。
【0043】
図2は、同作業補助装置1のリスト部5及びハンド部6を示す斜視図である。図3は、同リスト部5及びハンド部6の分解斜視図である。
【0044】
リスト部5は、本実施の形態において、リスト部5は、リスト基部51と、リスト回動部52と、固定機構54と、緩衝機構56とを備える。リスト基部51及びリスト回動部52は、それぞれ、例えば金属製のブロックを切削することにより形成されたものであるが、これに限られない。
【0045】
リスト基部51は、アーム部21側に配置されている。本実施の形態において、リスト基部51の基端側には、アーム取付部519が設けられている。アーム取付部519には、第二上側リンク22及び第二下側リンク23の先端側の部位が取り付けられる。
【0046】
リスト回動部52は、リスト回転軸58を中心にリスト基部51に対して回転可能に、リスト基部51に支持されている。リスト回動部52の先端側には、支持板部527が設けられている。これにより、ハンド部6の姿勢を調整して、工具90を作業に適した状態にすることができる。本実施の形態において、支持板部527は、通常の状態(ハンド部6により支持される工具90が略垂直な姿勢である状態をいう)において略垂直な姿勢となるように設けられている。支持板部527の下端近傍部位には、前方に突出した突出部529が形成されている。
【0047】
なお、本実施の形態において、リスト回転軸58は、リスト回動部52と一体に設けられている。リスト回転軸58は、左右方向に平行である。すなわち、リスト回動部52は、リスト回転軸58を中心に回転することにより、リスト基部51に対して上下方向において変位可能となっている。なお、リスト回動部52が上下に変位可能であるとは、支持板部527が上下に変位可能であることをいう。また、リスト回動部52が上下に変位可能であるとは、リスト回動部52が前傾方向及び後傾方向にそれぞれ回転可能であるといってもよい。リスト回転軸58は、リスト回動部52やリスト基部51とは別体に構成されているものであってもよいし、リスト基部51と一体に形成されているものであってもよい。
【0048】
固定機構54は、リスト基部51の右側面に配置されている。固定機構54は、リスト基部51に対するリスト回動部52の位置を固定する部位である。
【0049】
緩衝機構56は、リスト基部51の左側面に配置されている。緩衝機構56は、少なくともリスト回動部52がリスト基部51に対して所定の方向に回転する場合において、リスト回動部52に反力をもたらすように構成された部位である。換言すると、緩衝機構56は、少なくともリスト回動部52がリスト基部51に対して所定の方向に回転する場合において、リスト回動部52の回転を妨げる方向に力を加えるように構成されている。
【0050】
なお、固定機構54と緩衝機構56とのそれぞれの位置はこれに限られない。例えば、固定機構54がリスト基部51の左側面に配置されており、緩衝機構56がリスト基部51の右側面に配置されていてもよい。
【0051】
ハンド部6は、本実施の形態において、大まかに、筐体61と、筐体61の一側面に設けられたハンド支持部67とを有している。ハンド支持部67は、ハンド回転軸68を中心に回転可能に、支持板部527に対して取り付けられている。ハンド支持部67は、突出部529の上方に配置されている。すなわち、ハンド部6は、ハンド回転軸68周りに回転可能となるように、リスト部5により支持されている。ハンド支持部67には、ハンド支持部67が所定の位置にあるときに支持板部527に係合することにより筐体61の回転を防止する回転ロック機構69が設けられている。回転ロック機構69は例えばプランジャであるが、これに限られない。
【0052】
なお、本実施の形態において、支持板部527には孔部528が形成されており、ハンド回転軸68は孔部528に取り付けられる。ハンド回転軸68は、支持板部527に対して略垂直な姿勢となる。すなわち、ハンド回転軸68は、支持板部527が略垂直な通常の状態において前後方向に略平行である。
【0053】
本実施の形態において、筐体61には、上下方向に開口する開口部62と、開口部62から側方に開口するスリット部63とが設けられている。開口部62は、工具90が配置可能な部位である。すなわち、開口部62を通して上下方向に伸びるように、棒状の工具90を配置することができる。スリット部63は、工具90の外径より若干広い幅寸法を有しており、スリット部63を通して工具90を筐体61に配置することができるようになっている。ハンド部6には、4つのローラ65,66が設けられている。すなわち、ハンド部6には、開口部62よりも後側に回転軸がある2つの可動ローラ65と、開口部62よりも前側に回転軸がある2つの支持ローラ66とが設けられている。また、筐体61には、位置調整機構64が設けられている。
【0054】
2つの可動ローラ65は、位置調整機構64により筐体61に対して前後方向に変位可能に配置された支持部(図示せず)により、回転可能に支持されている。2つの可動ローラ65は、左右に並んで配置されている。位置調整機構64は、ねじを用いた直動機構により、支持部を筐体61に対して変位させることができる。すなわち、本実施の形態において、2つの可動ローラ65は、位置調整機構64により、その回転軸に対して垂直な方向に変位可能となっている。2つの可動ローラ65は、支持ローラ66に対して近づいたり離れたりする方向すなわち前後方向に変位可能となっている。
【0055】
2つの支持ローラ66は、筐体61に回転可能に支持されている。2つの支持ローラ66は、左右に並んで配置されている。
【0056】
4つのローラ65,66は、それぞれ、上下方向の寸法が比較的長い円柱形状を有している。4つのローラ65,66のそれぞれの回転軸は互いに平行であり、各回転軸は上下方向に平行である。4つのローラ65,66の外周面は、例えばゴム等の樹脂製である。4つのローラ65,66は、ハンド部6により保持される工具90の棒状部の周囲を囲むように、平面視で開口部62の周囲に配置されている。
【0057】
ハンド部6は、位置調整機構64により、2つの可動ローラ65を他の支持ローラ66に対して近づいたり離れたりする方向すなわち前後方向に変位させることで、棒状部の太さが異なる様々な工具90を保持可能である。工具90のハンド部6への取付は、次のようにすることができる。すなわち、可動ローラ65を後退させる。スリット部63を通して可動ローラ65と支持ローラ66との間に工具90を配置する。そして、その状態で、可動ローラ65を前方に移動させ、4つのローラ65,66に工具90の棒状部の外周面が接するようにする。このように工具90が配置されると、工具90は、上下方向には変位しないように保持される。各ローラ65,66は筐体61に対して回転可能であるため、ハンド部6により保持されている工具90は、上下方向周り(水平方向)には、ハンド部6に対して回転可能となる。これにより、作業補助装置1により支持されている工具90を、作業内容に応じて水平方向に回転させて作業を行うことができる。
【0058】
以下、リスト部5の構造について、より詳細に説明する。
【0059】
本実施の形態において、緩衝機構56は、ワンウェイ方式のロータリーダンパであり、例えば、ワンウェイクラッチを内蔵したロータリーダンパである。緩衝機構56は、リスト回動部52が下方に変位する場合においてリスト回動部52の回動を妨げる方向に力を加えるように構成されたものである。緩衝機構56は、リスト回動部52が上方に変位する場合には、リスト回動部52の回動を妨げる力を加えないように構成されている。このような緩衝機構56が設けられていることにより、リスト回動部52により比較的質量のある支持対象物が支持されている場合や、外力によりリスト回動部52が下方に変位する方向に付勢されている場合においても、リスト回動部52が急激に下方に変位するような事象が発生することを防止することができる。また、リスト回動部52を上方に変位させるときには、緩衝機構56による抵抗力が加わること無しに、比較的小さな力で、容易にリスト回動部52を回転させることができる。
【0060】
なお、緩衝機構56の構造は、これに限られない。緩衝機構56は、2ウェイのロータリーダンパであってもよい。また、緩衝機構56として、リスト回動部52を上方に変位する方向に付勢するように配置されたトーションばね等が用いられてもよい。また、緩衝機構56として、一端がリスト回動部52側に取り付けられ、他端がリスト回動部52よりも基端側の部位に取り付けられた、リニア型のダンパやガススプリング等が用いられてもよい。この場合においても、緩衝機構56は、リスト回動部52が少なくとも所定の方向に回転する場合においてそれを妨げる方向に力が発生するように構成されていればよい。
【0061】
図4は、同リスト部5の斜視図である。
【0062】
図4に示されるように、本実施の形態において、固定機構54は、固定プレート541及び固定ねじ545を有する。固定プレート541は、リスト回転軸58に対して略垂直な板状の部材であり、リスト回転軸58に固定されている。すなわち、固定プレート541は、リスト回動部52と共にリスト基部51に対して回転するように設けられている。固定プレート541は、リスト基部51の右側面の近傍に位置している。固定プレート541には、リスト回転軸58を中心とする円弧に沿って形成された長穴部542が設けられている。固定ねじ545は、長穴部542を貫通するようにして、固定プレート541の側方からリスト基部51にねじ込まれている。すなわち、固定ねじ545は、固定プレートに係合するように配置されている固定部材であるといえる。固定ねじ545をリスト基部51にねじ込むことにより、固定プレート541の側面に固定ねじ545の座面(座金であってもよい)が押し付けられて、固定プレート541と、固定ねじ545及びリスト基部51との間の摩擦力が強くなる。これにより、リスト基部51に対してリスト回動部52が固定される。
【0063】
なお、本実施の形態において、固定ねじ545は、例えばいわゆるクランプレバーであるが、これに限られない。例えば、ノブ付きのボルトや、単なるボルトであってもよい。また、カムレバー等のクランプ機構を有する部材で固定プレート541を固定するようにしてもよい。また、固定プレートには複数の位置決め穴が設けられており、当該位置決め穴を貫通するようにして位置決めピン等をリスト基部51に嵌め込むことにより、リスト基部51に対してリスト回動部52が回転しないように構成されていてもよい。
【0064】
このように固定機構54が設けられていることにより、リスト回動部52のリスト基部51に対する位置を容易に固定することができる。したがって、作業補助装置1をより便利に利用することができるようになる。
【0065】
図5は、同リスト部5のリスト基部51とリスト回動部52とを示す分解斜視図である。
【0066】
図5に示されるように、リスト基部51には、リスト回動部52の回転本体522が嵌入するように形成された凹部512と、凹部512の内部から左右側方に貫通する軸受部518とが設けられている。凹部512の内側に回転本体522が嵌り込み、軸受部518をリスト回転軸58が貫通するようにして、リスト基部51に対してリスト回動部52が取り付けられている。凹部512は前方に開口するように形成されている。すなわち、リスト回動部52は、凹部512から前方に突出するように配置されている。
【0067】
本実施の形態において、リスト回転軸58は、回転本体522の左右両側方において、リスト基部51に支持されている。このように、リスト回動部52は、リスト基部51に「両持ち」で支持されているので、リスト基部51とリスト回動部52との間に力が加わっても、安定して動作可能となる。
【0068】
また、本実施の形態において、リスト部5には、リスト基部51に対するリスト回動部52の回転可能な範囲を規制する回転規制構造5B(図6に示す)が設けられている。回転規制構造5Bは、リスト基部51に設けられている支持面514(図6に示す)と、リスト回動部52に設けられている接触面524とを含んでいる。回転規制構造5Bは、リスト基部51に対してリスト回動部52が所定の位置にある場合において接触面524が支持面514に接触するように構成されている。すなわち、回転規制構造5Bは、接触面524が支持面514に接触した状態になることによりそれ以上のリスト回動部52のリスト基部51に対する回転を規制している状態となる。
【0069】
本実施の形態において、支持面514は、凹部512の内部に設けられ、法線が前方に略一致する略平面状の面である。支持面514は、略平面であるが、曲面であってもよい。
【0070】
また、接触面524は、リスト回動部52のうち、回転本体522の後端部に設けられた面である。すなわち、接触面524は、リスト回転軸58よりも後にある。接触面524として、第一接触面5241と第二接触面5242とが設けられている。第一接触面5241は、回転本体522の後端部のうち、下方に位置している。第一接触面5241は、リスト回転軸58に平行な平面であって、支持板部527との間の角度が所定の角度(角度A3という)となるように形成されている。また、第二接触面5242は、回転本体522の後端部のうち、上方に位置している。第二接触面5242は、リスト回転軸58に平行な平面であって、支持板部527との間の角度が所定の角度(角度A2という)となるように形成されている。
なお、接触面524は、略平面であるが、曲面であってもよい。接触面524は、リスト回転軸58周りの方向(回転方向)において、支持面514に対向する面であるといってもよい。
【0071】
図6は、同リスト部5の動作を説明する図である。図7は、同リスト部5の固定機構54を説明する図である。
【0072】
図6においては、リスト基部51については側断面が示されている。図6及び図7において、支持板部527が垂直となる通常状態(S11)と、通常状態から支持板部527が上方に変位した後傾状態(S12)と、通常状態から支持板部527が下方に変位した前傾状態(S13)とがそれぞれ示されている。
【0073】
本実施の形態において、リスト部5は、通常状態から支持板部527が上方に変位する後傾方向に最大で角度A2だけ変位可能である。角度A2は、例えば15度であるが、これに限られず、適宜設定可能である。図6に示されるように、通常状態から後傾方向に角度A2だけ回転した位置(所定の位置の一例)にリスト回動部52がある場合において、第二接触面5242が支持面514に接触するようになっている。これにより、これ以上後傾方向に回転しないように、リスト回動部52の回転が規制される。ここで、第二接触面5242と支持板部527との間の角度が所定の角度A2であるため、第二接触面5242は、支持面514と平行な状態で支持面514に接触する。すなわち、回転規制構造5Bにおけるリスト基部51とリスト回動部52との接触面積は大きいため、もしもリスト回動部52に後傾方向に回転する方向の強い力が加えられても、リスト基部51やリスト回動部52の接触部分に発生する応力は小さくなる。したがって、コンパクトな構造で、確実にリスト回動部52を支持し、大きな荷重を支えることができる。
【0074】
他方、リスト部5は、通常状態から支持板部527が下方に変位する前傾方向に最大で角度A3だけ変位可能である。角度A3は、例えば35度であるが、これに限られず、適宜設定可能である。図6に示されるように、通常状態から前傾方向に角度A3だけ回転した位置(所定の位置の一例)にリスト回動部52がある場合において、第一接触面5241が支持面514に接触するようになっている。これにより、これ以上前傾方向に回転しないように、リスト回動部52の回転が規制される。ここで、第一接触面5241と支持板部527との間の角度が所定の角度A3であるため、第一接触面5241は、支持面514と平行な状態で支持面514に接触する。すなわち、回転規制構造5Bにおけるリスト基部51とリスト回動部52との接触面積は大きいため、もしもリスト回動部52に前傾方向に回転する方向の強い力が加えられても、リスト基部51やリスト回動部52の接触部分に発生する応力は小さくなる。したがって、コンパクトな構造で、確実にリスト回動部52を支持し、大きな荷重を支えることができる。
【0075】
なお、図7に示されるように、リスト回動部52が通常状態から後傾方向に回転し回転規制構造5Bによる規制が行われるまで、また固定プレート541の長穴部542内を固定ねじ545がスライドする。リスト回動部52が通常状態から前傾方向に回転し、回転規制構造5Bによる規制が行われるまでも同様である。すなわち、長穴部542は、リスト回動部52が回転可能な範囲を規制しないように形成されている。固定機構54によりリスト回動部52が回転可能な範囲を規制しないため、比較的小型に固定機構54を構成することができる。なお、回転規制構造5Bに加えて、長穴部542によってもリスト回動部52が回転可能な範囲が規制されうるようにしてもよい。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態においては、リスト部5に角度調節機構が設けられているため、リスト部5に対するハンド部6の姿勢を決められた範囲で任意に調整できる。したがって、作業補助装置1により支持する支持対象物の姿勢を、作業に適した状態に保持することができる。また、回転規制構造5Bにより、リスト部5に対してハンド部6が回転可能な範囲が適当な範囲になるように規制されているので、支持対象物の姿勢が意図しない姿勢になってしまうことを確実に防止することができる。したがって、作業補助装置1をより便利に利用可能にすることができる。
【0077】
本実施の形態においては、回転規制構造5Bを構成する接触面524及び支持面514は、凹部512の内部にある。すなわち、リスト回転軸58に平行な方向において、支持面514及び接触面524の外側に、リスト部5の部材が位置しており、支持面514及び接触面524は、少なくとも左右方向から見てリスト部5の外部に露出していない。したがって、支持面514と接触面524との間に異物が噛み込まれるなどしてリスト回動部52の回転が妨げられるというようなトラブルが発生しにくくなっている。したがって、作業補助装置1は、より使いやすく信頼性の高いものとなっている。
【0078】
ハンド部6の構造と独立して、リスト部5のみで、ハンド部6を上下方向(前傾、後傾方向)に変位させることができる。したがって、リスト部5のリスト回転軸58に関する構造をシンプルにすることができ、故障等の発生可能性を低減することができる。また、ワンウェイ式の緩衝機構56や、固定プレート541を締め付ける構造の固定機構54を用いることができ、作業補助装置1の利便性を高めることができる。
【0079】
(その他)
【0080】
リスト部の構造は、上述のものに限られない。リスト基部に対してリスト回動部が、いわゆる片持ちの回転軸により回転可能に支持されていてもよい。この場合、例えば、リスト部は、左右方向の一方の側面にリスト基部があり、他方の側面にリスト回動部があるように構成することができる。このようなリスト部が「片持ち」形式の構造を有する場合においても、リスト基部側の支持面とリスト回動部側の接触面とで回転規制構造が構成されるようにすればよい。なお、この場合においても、左右方向において、支持面と接触面との側方にリスト基部又はリスト回動部があるように構成することができる。これにより、作業補助装置を、より使いやすく信頼性の高いものとすることができる。
【0081】
ハンド部は、上述のように4つのローラを有するものに限られず、他の方法で工具を保持可能であってもよい。複数のローラを用いる場合、回転軸が互いに平行である3以上のローラを有しているのが好適であり、これらの3以上のローラが、ハンド部により保持される工具の棒状部の周囲を囲むように配置されていればよい。このとき、3以上のローラのうち1以上のローラが、その回転軸に対して垂直な方向に変位可能にすることにより、棒状部の太さが異なる様々な工具をハンド部に保持させることができる。
【0082】
また、ハンド部は、ローラを有しない構造を有するものであってもよい。例えば、ハンド部は、ハンド部に対して変位しないように工具を保持可能に構成されているものであってもよい。また、リスト部に対してハンド部が取り付けられず、リスト部の先端側に直接的に工具等の支持対象物が配置されるように構成されていてもよい。
【0083】
アーム部の数は、2つに限られない。関節部は設けられていなくてもよい。すなわち、作業補助装置は、例えば、基部により、1つのアーム部を介してリスト部が支えられているような構造であってもよい。なお、アーム部は、ガススプリングを有していないものであってもよい。また、各アーム部は、平行リンク構造を構成しているものに限られない。各アーム部は、1つのリンクのみを有するものであってもよい。
【0084】
基部や基台部の構造は、上述の実施の形態のものに限られない。アーム部を支持する土台やフレーム等(基部の例)にアーム部が取り付けられている構造であってもよい。すなわち、作業補助装置の用途は、高所作業に限られない。例えば、工場や倉庫等において作業台等に設置して用いられるようなものであってもよい。
【0085】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0086】
上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、本発明にかかる作業補助装置は、支持対象物の姿勢を変更可能であって便利に利用可能であるという効果を有し、作業補助装置等として有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 作業補助装置、3 基部、5B 回転規制構造、5 リスト部、6 ハンド部、11 第一アーム部、21 第二アーム部、51 リスト基部、52 リスト回動部、54 固定機構、56 緩衝機構、58 リスト回転軸、512 凹部、514 支持面、524 接触面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム部と、
前記アーム部によって支持されたリスト部とを備え、
前記リスト部は、
前記アーム部側に配置されているリスト基部と、
前記リスト基部に対してリスト回転軸を中心に回転することにより上下方向において変位可能であるリスト回動部と、
前記リスト基部に対する前記リスト回動部の回転可能な範囲を規制する回転規制構造とを有し、
前記回転規制構造は、前記リスト基部に設けられた支持面及び前記リスト回動部に設けられた接触面を含み、前記リスト基部に対して前記リスト回動部が所定の方向に回転して所定の位置にある場合において前記接触面が前記支持面に接触した状態になることにより前記リスト回動部が前記リスト基部に対してそれ以上当該方向に回転しないように規制するように構成されてい、作業補助装置。
【請求項2】
前記リスト回転軸に平行な方向において、前記支持面及び前記接触面の外側に前記リスト部の部材が位置している、請求項1に記載の作業補助装置。
【請求項3】
前記リスト部は、前記リスト回動部の前記リスト基部に対する位置を固定する固定機構をさらに有する、請求項1又は2に記載の作業補助装置。
【請求項4】
前記リスト部は、少なくとも前記リスト回動部が前記リスト基部に対して所定の方向に回転する場合に前記リスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成された緩衝機構をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の作業補助装置。
【請求項5】
前記緩衝機構は、前記リスト回動部が下方に変位する場合において前記リスト回動部の回転を妨げる方向に力を加えるように構成されたワンウェイ方式のロータリーダンパである、請求項4に記載の作業補助装置。