(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041547
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】合成スラブ構造の構造計算装置、構造計算方法及び構造計算プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20230316BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20230316BHJP
E04B 5/40 20060101ALI20230316BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/20
E04B5/40 A
E04B1/94 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148980
(22)【出願日】2021-09-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)JFE建材株式会社のウェブサイト掲載,2021年9月13日 https://decks.jfe-kenzai.co.jp/ (2)JFE建材株式会社のメーリングリストの登録者へのメール,2021年9月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正行
(72)【発明者】
【氏名】奈良本 光太
【テーマコード(参考)】
2E001
5B146
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001EA02
2E001FA13
2E001GA12
2E001GA13
2E001HB02
5B146AA04
5B146DC05
5B146DE12
5B146DG03
5B146DG07
(57)【要約】
【課題】設計する合成スラブ構造と耐火範囲との関係を可視化する。
【解決手段】設計者側の端末PCから入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得する通信部10と、規格化された複数の認定合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火を含む規格データD_1~D_nとを比較して、複数の認定合成スラブ構造の中から設計合成スラブ構造に適した認定合成スラブ構造を判定する判定部20と、規格データに基づく認定合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ設計データがプロットされたグラフを端末PCに出力する出力制御部30と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得する通信部と、
前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する規格データとを比較して、前記複数の規格合成スラブ構造の中から前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造を判定する判定部と、
前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされた二次元座標を前記端末に出力する出力制御部と、
を備えることを特徴とする合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記規格合成スラブ構造のうち、前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造と、前記設計合成スラブ構造に適していない前記規格合成スラブ構造とを区別して前記端末に前記グラフを出力することを特徴とする請求項1に記載の合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項3】
前記端末において、前記設計合成スラブ構造に適していない前記規格合成スラブ構造が選択された場合、前記出力制御部は、前記規格合成スラブ構造に適していない前記設計データの内容を前記端末に出力可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項4】
前記設計データに基づいて構造計算をして、前記設計合成スラブ構造の設計計算書データを作成する設計計算書作成部を備え、
前記出力制御部は、前記設計計算書データに基づいて設計計算書を前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項5】
複数の前記規格合成スラブ構造ごとの前記規格データが記憶されており、新たな規格合成スラブ構造の規格データを追加的に記憶可能である記憶部を備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記グラフを記憶し、任意に出力可能であることを特徴とする請求項5に記載の合成スラブ構造の構造計算装置。
【請求項7】
設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得するステップと、
前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する規格データとを比較して、前記規格合成スラブ構造の中から前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造を判定するステップと、
前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされたグラフを前記端末に出力するステップと、
を含むことを特徴とする合成スラブ構造の構造計算方法。
【請求項8】
設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得するステップと、
前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する規格データとを比較して、前記規格合成スラブ構造の中から前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造を判定するステップと、
前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされたグラフを前記端末に出力するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする合成スラブ構造の構造計算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成スラブ構造の構造計算装置、構造計算方法及び構造計算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、複数の階層からなる建造物の床構造として設けられる合成スラブが知られている。合成スラブは、建造物の各階層の水平方向に延びる複数のH形鋼等において支持される。合成スラブは、デッキプレートと、デッキプレートの下方に設けられた金属製の金属板と、デッキプレートの上方に設けられたコンクリートとを備える(例えば、特許文献1)。
【0003】
建造物の各階層において、例えば、矩形状に形成されており、各階層において水平方向に延びている複数のH形鋼等により形成された鉄骨梁に合成スラブが支持されて合成スラブ構造を形成する。
【0004】
合成スラブ構造の設計は、適用対象となる床構造の許容積載荷重及び許容スパンに基づくと共に、建築基準法第2条第七号に定義されている耐火構造(耐火条件)に基づき、国土交通大臣の認定品を選択するなど耐火性能も考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、所定の耐火条件を有する、例えば、建造物の柱、壁、床、梁等の構造部分は、耐火構造と称呼され、要求される耐火性能は、建造物の階層によって異なることがあり、また、使用目的によって床構造の構造条件も異なる。さらに、例えば、建造物の同じ階層又は異なる階層においてそれぞれ、構造条件及び要求される耐火条件が異なるものの、施工性及び施工コスト等の理由から、複数の認定された合成スラブ構造の中から、同じ合成スラブ構造を使用したほうが施工効率が高くなることがある。
【0007】
しかしながら、構造条件及び耐火条件が異なる床構造に対して、同じ合成スラブ構造を選択する場合、それぞれ異なる耐火条件を有する合成スラブ構造の中から、設計しようとする合成スラブ構造の構造条件、耐火条件等を変更して設計計算をしなければならず、構造設計をより簡単かつ迅速にしたいという需要があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、設計する合成スラブ構造と耐火認定ごとの設計可能な範囲との関係を可視化することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る合成スラブ構造の構造計算装置は、設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得する通信部と、前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する前記規格データとを比較して、前記複数の規格合成スラブの中から前記設計合成スラブに適した前記規格合成スラブ構造を判定する判定部と、前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされたグラフを前記端末に出力する出力制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様に係る構造計算装置は、前記出力制御部は、前記規格合成スラブ構造のうち、前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造と、前記設計合成スラブ構造に適していない前記規格合成スラブ構造とを区別して前記端末に前記グラフを出力してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る構造計算装置は、前記端末において、前記設計合成スラブ構造に適していない前記規格合成スラブ構造が選択された場合、前記出力制御部は、前記規格合成スラブ構造に適していない前記設計データの内容を前記端末に出力可能であってもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係る構造計算装置は、前記設計データに基づいて構造計算をして、前記設計合成スラブ構造の設計計算書データを作成する設計計算書作成部を備え、前記出力制御部は、前記設計計算書データに基づいて設計計算書を前記端末に表示さてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係る構造計算装置は、複数の前記規格合成スラブ構造ごとの前記規格データが記憶されており、新たな規格合成スラブ構造の規格データを追加的に記憶可能である記憶部を備えてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係る構造計算装置は、前記記憶部は、前記グラフを記憶し、任意に出力可能であってもよい。
【0015】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係る合成スラブ構造の構造計算方法は、設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得するステップと、前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する規格データとを比較して、前記規格合成スラブ構造の中から前記設計合成スラブ構造に適した前記規格合成スラブ構造を判定するステップと、前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされたグラフを前記端末に出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係る合成スラブ構造の構造計算装置は、設計者側の端末から入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得するステップと、前記設計データと、規格化された複数の規格合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する規格データとを比較して、前記規格合成スラブ構造の中から前記設計合成スラブに適した前記規格合成スラブ構造を判定するステップと、前記規格データに基づく前記規格合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ前記設計データがプロットされたグラフを前記端末に出力するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設計する合成スラブ構造と耐火認定ごとの設計可能な範囲との関係を可視化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】コンクリート部を部分的に除いて合成スラブを示す斜視図である。
【
図1B】幅方向に沿って断面にした合成スラブの断面図である。
【
図2A】長手方向に沿った単純合成スラブ構造の断面図である。
【
図2B】長手方向に沿った連続合成スラブ構造の断面図である。
【
図3】本実施の形態に係る構造計算システムの全体構成を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る構造計算装置の構成を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る構造計算システムの動作フローを示すフローチャートである。
【
図6A】端末の表示部に表示された耐火認定範囲を示すグラフ及び入力項目を示す概略図である。
【
図6B】不適合の原因となる入力項目がグラフ上に表示された表示部を示す図である。
【
図7】新たな設計データに基づいて生成されたグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0020】
本実施の形態に係る構造計算装置1は、合成スラブの構造500,600を設計する際に用いられるものである。合成スラブ100は、デッキプレート200と、コンクリート部300と、を有する。合成スラブ100は、デッキプレート200にコンクリートを打ち込む際には型枠として機能し、コンクリートの硬化後は、コンクリート部300と一体になり支持梁400上にて支持されて床構造として機能する合成スラブ構造500,600を構成する。
【0021】
まず、合成スラブ100及び合成スラブ構造500,600について説明する。
図1Aは、コンクリート部300を部分的に除いて合成スラブ100を示す斜視図である。
図1Bは、幅方向Yに沿って断面にした合成スラブ100の断面図である。
【0022】
以下において、合成スラブ100が梁400に架け渡される方向を、合成スラブ100の長手方向Xとし、長手方向Xに交差して合成スラブ100が延びる方向を幅方向Yとする。合成スラブ100のデッキプレート200は、それぞれ長手方向Xに延在する山頂部210及び谷底部220が傾斜部230を介して互いに短手方向Yに連続して波形状をなしている。
【0023】
デッキプレート200は、構造物において互いに対向して配置された、例えば、H型鋼からなる梁400間に架け渡される。デッキプレート200は、薄板状の鋼板をロールフォーミング等することによって形成した波型鋼板である。デッキプレート200は、山頂部210と、谷底部220と、傾斜部230と、を有する。なお、デッキプレート200にはめっき処理が施されていても、施されていなくてもよい。
【0024】
デッキプレート200は、複数の山頂部210と、複数の谷底部220と、2組の一対の傾斜部230とからなり、幅方向Yに沿った断面において波型形状に形成されている。デッキプレート200は、長手方向Xの両端部においてエンドクローズ加工が施されていてもよい。
【0025】
山頂部210は、合成スラブ100が梁400に架け渡された状態において、梁400に対して上側に位置する平坦に形成された部分であり、長手方向Xに延在する板状の部分である。
【0026】
谷底部220は、山頂部210に対して平行又は略平行であり、梁400に架け渡された状態において、山頂部210に対して梁400に載置される平坦に形成された部分である。谷底部220は、長手方向Aに延在する板状の部分である。谷底部220は、幅方向Wにおいて山頂部210とは重ならない。
【0027】
傾斜部230は、山頂部210と谷底部220とを連結する部分であり、長手方向Xに延在する板状の部分である。傾斜部230は、幅方向Yにおいて山頂部210の両端部の側から斜めに谷底部220に向かって斜めに延びている。傾斜部230は、山頂部210及び谷底部220に対して所定の角度、例えば、鈍角を形成するように傾斜している。
【0028】
コンクリート部300は、デッキプレート200上に設けられている。コンクリート部300は、コンクリートが山頂部210から所定の高さ(以下、「山上厚」ともいう)まで打設されることにより形成されている。コンクリート部300を形成するコンクリートの種類は、特に限定されず、例えば、普通コンクリート、軽量コンクリート1種、軽量コンクリート2種等の公知のコンクリートであってよい。
【0029】
コンクリート部300の内部には、ひび割れの拡大を防止する異形鉄筋350が設けられている。複数の異形鉄筋350が長手方向X及び幅方向Yに交差して設けられ、デッキプレート200の山頂部210と、コンクリート部300の表面との間に設けられている。なお、合成スラブ100は、異形鉄筋350の代わりに、コンクリート部300の内部に、例えば、溶接金網又は耐火補強筋を有していてもよい。
【0030】
合成スラブ100が梁400に架け渡されて支持されることにより合成スラブ構造500,600が構成される。
図2Aは、長手方向Xに沿った単純合成スラブ構造500の断面図である。
図2Bは、連続合成スラブ構造600を示す図である。
【0031】
一の合成スラブ100がその長手方向Xにおいて2つの梁400により支持された場合には、単純支持された単純合成スラブ構造500が構成される。また、一の合成スラブ100がその長手方向Xにおいて3つ以上の梁400により支持された場合には、連続支持された連続合成スラブ構造600が構成される。
【0032】
なお、梁400は、例えば、H形の鉄骨梁として形成されており、合成スラブ100が梁400間に支持された状態において、梁400の梁芯の間の距離は、「スパンL(m)」と称呼される。
【0033】
合成スラブ100と梁400との接合形態は、公知の方法により接合されて、特に限定されない。例えば、合成スラブ100と梁400とは互いに頭付きスタッド410により接合されていてもよく、その他、焼抜き栓溶接、打込み鋲によって互いに接合されていてもよい。
【0034】
以上のような合成スラブ100は、例えば、重量、荷重、断面性能等の構造条件に加えて、耐火性能が要求されている。耐火性能は、建築基準法第2条第1項第七号において、「耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」と規定されている。
【0035】
合成スラブ構造500;600を建造物において耐火性能が求められている個所に使用する場合には、例えば、所定の使用条件(耐火区分(床1時間耐火構造又は床2時間耐火構造)、支持条件(単純支持又は連続支持)、許容スパンL(m)、許容積載荷重(kN/m2)、デッキプレートの板厚(mm)、コンクリート(山上厚(mm)、普通コンクリート又は軽量コンクリート、設計基準強度(N/mm2))、配筋(溶接金網又は異形鉄筋の仕様、耐火補強筋の要否)、合成スラブ100と梁400との接合形態(頭付きスタッド410、焼抜き栓溶接、打込鋲))等の設計データを基にした仕様に応じた国土交通大臣の認定を受ける必要がある。以下、耐火認定を受けた合成スラブ構造500;600は、規格化された認定合成スラブ構造ともいう。
【0036】
例えば、建造物の床を設計する場合、階層ごと、使用用途ごとに異なる合成スラブ構造500;600を設計する必要がある。本実施の形態に係る構造計算装置1は、ユーザとしての設計者Uが要求する設計合成スラブ構造に適合する、耐火認定を受けた認定合成スラブ構造(規格合成スラブ構造)の選定に用いられる。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る構造計算システムSysの全体構成を示す図である。構造計算システムSysは、端末PCと、サーバである構造計算装置1と、を備える。端末PCと構造計算装置1とは、インターネット等のネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。端末PCは、設計合成スラブ構造に関する設計構造及び耐火性能等を少なくとも含む設計データを、ユーザである設計者Uが入力可能に構成された、例えば、コンピュータである。端末PCは、後述する構造計算装置1と通信可能であり、設計データを構造計算装置1に送信可能である。
【0038】
本実施の形態における端末PCは、例えば、パーソナルコンピュータである。端末PCは、入力部Enと、表示部Disと、を有する。入力部Enは、例えば、キーボードであり、設計者Uが設計データを入力する際に使用し、設計合成スラブ構造の具体的な仕様等を入力可能に構成されている。
【0039】
なお、端末PCは、パーソナルコンピュータに限定されず、例えば、携行可能なタブレット端末、スマートフォン等であってもよい。
【0040】
表示部Disは、後述する構造計算装置1から送信され情報を表示可能なディスプレイとして構成されている。
【0041】
本実施の形態に係る構造計算装置1は、設計者U側の端末PCから入力された設計したい設計合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火に関する設計データを取得する通信部10と、規格化された複数の認定合成スラブ構造の少なくとも構造及び耐火を含む規格データD_1~D_nとを比較して、複数の認定合成スラブ構造の中から設計合成スラブ構造に適した認定合成スラブ構造を判定する判定部20と、規格データに基づく認定合成スラブ構造ごとの耐火範囲が表示されかつ設計データがプロットされたグラフを端末PCに出力する出力制御部30と、を備えることを特徴とする。以下、構造計算装置1について具体的に説明する。
【0042】
図4は、本実施の形態に係る構造計算装置1の構成を示す図である。構造計算装置1は、設計者Uが入力した設計データに基づいて、設計合成スラブ構造に適合した認定合成スラブ構造を特定する。構造計算装置1は、通信部10と、判定部20と、出力制御部30と、計算書作成部40と、記憶部50と、を備える。
【0043】
通信部10は、端末PCと通信を行うための機能部である。通信部10は、端末PCから送信された設計データを受信して判定部20及び計算書作成部40に出力するとともに、出力制御部30において生成された各種出力データ等を端末PCの表示部Disへ送信する。また、通信部10は、端末PCから送信されてきた指令に基づいて、判定部20、出力制御部30、計算書作成部40及び記憶部50を統括的に制御する機能部である。
【0044】
判定部20は、設計データと、後述する記憶部50に格納されている認定合成スラブ構造ごとの規格データD_1~D_nとを比較する機能部である。判定部20は、プロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit又はMPU:Micro-Processing Unit)及びメモリを含むプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)によるプログラム処理によって実現される。
【0045】
判定部20は、記憶部50にアクセスして認定合成スラブ構造ごとの規格データD_1~D_nを読み込む。判定部20は、読み込んだ規格データD_1~D_nに基づいて、設計データに適合する認定合成スラブ構造を判定するように構成されている。
【0046】
判定部20は、設計データと規格データD_1~D_nとを比較して、複数の認定合成スラブ構造のうち、どの認定合成スラブ構造が設計データに適合するか等の判定データを生成する。判定部20は、生成した判定データを出力制御部30に送信する。
【0047】
出力制御部30は、判定部20によって生成された判定データに基づいてグラフを作成する。出力制御部30は、プロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit又はMPU:Micro-Processing Unit)及びメモリを含むプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)によるプログラム処理によって実現される。
【0048】
出力制御部30は、縦軸を合成スラブ構造の許容積載荷重とし、横軸を合成スラブ構造が支持されるスパンLとする二次元座標系のグラフを作成する。さらに、出力制御部30は、作成したグラフ上に設計合成スラブ構造の設計データのうち、特に、許容積載荷重(kN/m2)及びスパンL(m)を印Sにしてプロットした出力データを作成するように構成されている。以下、グラフ上の印Sは、単に「設計合成スラブ構造の印S」ともいう。
【0049】
また、出力制御部30は、後述する計算書作成部40において生成された計算データを受信して、所定のフォーマットにおいて設計合成スラブ構造の構造計算書の計算書データを作成するように構成されている。出力制御部30は、通信部10を介して出力データ及び計算書作成データを端末PCの表示部Disに表示させる。
【0050】
計算書作成部40は、設計合成スラブ構造の設計計算書を作成するように構成されている。計算書作成部40は、プロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit又はMPU:Micro-Processing Unit)のプロセッサ及びメモリを含むプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)によるプログラム処理によって実現される。
【0051】
計算書作成部40は、記憶部50にアクセスして構造計算に関する式(以下、「構造計算式」ともいう)を読み込む。計算書作成部40は、読み込んだ構造計算式を使って設計合成スラブ構造の構造計算を実施する。
【0052】
記憶部50は、構造計算装置1の動作を制御するための各種プログラムやパラメータ、複数の認定合成スラブ構造それぞれに関する各規格データD_1~D_n、構造計算式等を記憶するための機能部である。なお、以下の説明において、各規格データD_1~D_nを特に区別しない場合には、単に、「規格データD」と表記する。
【0053】
記憶部50は、非一過性であり、かつ、コンピュータ読取り可能な記憶媒体で構成されてもよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、フラッシュメモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、この記憶媒体は、短時間にかつ動的にプログラムを保持するものであっても、一定時間だけプログラムを保持するものであってもよい。
【0054】
記憶部50に記憶された規格データDは、耐火構造認定・設計に関する情報を含む。規格データDは、例えば、認定合成スラブ構造におけるデッキプレート200の仕様(サイズ、質量、断面性能、材質、規格等)、認定合成スラブ構造の耐火構造認定・設計用資料(耐火認定範囲、合成スラブ100の断面性能及び重量等)、認定合成スラブ構造の使用条件(耐火区分(床1時間耐火構造又は床2時間耐火構造)、支持条件(単純支持又は連続支持)、許容スパンL(m)、許容積載荷重(kN/m2)、デッキプレート200の板厚(mm)、コンクリート(山上厚(mm)、普通コンクリート又は軽量コンクリート、設計基準強度(N/mm2))、配筋(異形鉄筋又は溶接金網の仕様、耐火補強筋の要否)、合成スラブ100と梁400との接合形態(頭付きスタッド410、焼抜き栓溶接、打込鋲))等を含む。
【0055】
ここで「耐火認定範囲」とは、例えば、合成スラブ構造の許容積載荷重(kN/m2)及びスパンL(m)、耐火時間、支持条件(単純又は連続)、支持梁との接合条件、コンクリートの種類(普通又は軽量)、デッキプレートの種類、ひび割れ拡大防止筋の仕様、並びに耐火補強筋の要否等を考慮して決定されて、国土交通大臣によって認定された認定合成スラブ構造の耐火認定ごとの設計可能な範囲を意味する。
【0056】
例えば、各認定合成スラブ構造の耐火認定範囲は、縦軸を許容積載荷重(kN/m
2)とし、横軸をスパンL(m)とするグラフ上に表示される。各認定合成スラブ構造はそれぞれ、耐火認定範囲を有しているが、異なる認定合成スラブ構造が同じ耐火認定範囲を有している場合(例えば、
図6A中の記号「a1」、「a2」及び「a4」参照)であっても、耐火仕様、支持条件、コンクリートの種別、耐火補強筋の要否等の耐火構造が異なっていることがある。
【0057】
<構造計算システムの動作>
以下に、本実施の形態に係る構造計算システムSysの動作について、
図5及び
図6A~
図6Cを参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る構造計算システムSysの動作フローを示すフローチャートである。
図6Aは、耐火認定範囲を示すグラフ及び入力項目が表示された表示部Disの概略図である。
図6Bは、不適合の原因となる入力項目がグラフ上に表示された表示部Disを示す図である。図中の入力項目は、例示であり、実際の入力項目と異なる場合がある。
【0058】
なお、図中においてグラフ上に示されている耐火認定範囲は、認定合成スラブ構造ごとに与えられたものであり、説明の便宜上、グラフにおいては各認定合成スラブ構造を記号「a1」~「a8」により示す。また、記号の傍らに表示されている「単」又は「連」はそれぞれ支持条件を意味し、「単」は、単純支持合成スラブ構造を意味し、「連」は、連続支持合成スラブ構造を意味する。
【0059】
合成スラブ構造を設計する設計者Uが、設計したい合成スラブ構造の構造及び耐火に関する条件を入力することにより、構造計算システムSysは動作を開始する。ステップS1において、構造計算装置1の通信部10は、端末PCから設計合成スラブ構造の構造及び耐火に関する設計データを取得する。通信部10は、取得した設計データを判定部20に送信する。
【0060】
通信部10が取得する設計データとしては、例えば、耐火時間(床1時間耐火構造)、デッキプレート200の板厚及び表面処理、デッキ支持(連続スパン(2連続又は3連続等)及びスパンL(m))、コンクリート(種類(普通又は軽量)、厚さ(mm)及び耐火補強筋の有無)、積載荷重(N/m2)等がある。
【0061】
なお、通信部10が取得する設計データは、これに限定されず、例えば、建物種別、梁との接合形態(頭付きスタッド、焼抜き栓溶接、打込鋲)等の情報を取得するようになっていてもよい。
【0062】
ステップS2において、判定部20は、記憶部50に記憶されている規格データD_1~D_nと、通信部10から送信されてきた設計データとを比較する。判定部20は、規格データD_1~D_nと設計データとを比較することにより、どの認定合成スラブ構造が設計合成スラブ構造に適しているかを判定する。判定部20は、判定データを作成して、判定データを出力制御部30に送信する。
【0063】
ステップS3において、出力制御部30は、記憶部50にアクセスして耐火認定範囲に関するデータを読み込み、耐火認定範囲に設計合成スラブ構造の印Sをプロットした出力データを生成する。出力制御部30は、通信部10を介して端末PCに出力データを送信し、出力データに基づくグラフを端末PCの表示部Disに表示させる。
【0064】
出力制御部30が生成する出力データにおいては、設計データに基づく設計合成スラブ構造の条件に適合する認定合成スラブ構造の記号と、適合しない認定合成スラブ構造の記号とをグラフ上において区別して表示するようになっている。例えば、適合する認定合成構造の記号をカラー(適合)、適合しない認定合成スラブ構造の記号をモノクロ(不適合)にして区別して表示してもよい。なお、
図7においては、「適合」を表す記号にはハッチングをし、「不適合」を表す記号は白抜きにして表示した。
【0065】
図6Aにおいては、設計合成スラブ構造の印Sは、全ての耐火認定範囲の外側に位置しているため、適合する認定合成スラブ構造は存在せず、設計合成スラブ構造に対して全ての認定合成スラブ構造が不適合となっている。
【0066】
設計者Uは、表示部Disに表示されたグラフ上において、各認定合成スラブ構造の記号a1~a8に対応する耐火認定範囲と、設計合成スラブ構造の印Sとの関係を確認する。具体的には、設計者Uは、設計合成スラブ構造が、選択したい認定合成スラブ構造に適合しているかを確認する。設計者Uは、表示部Dis上において、例えば、選択したい認定合成スラブ構造を示す記号a1~a8のいずれかにカーソルを合わせる。
【0067】
設計者Uが表示部Disにおいてカーソルによって、少なくとも1つの不適合な認定合成スラブ構造から選択したい使用予定の認定合成スラブ構造の記号(例えば、記号a2)を選択した場合(ステップS3:不適合)、通信部10に選択した認定合成スラブ構造についての情報が送信される。
【0068】
ステップS4において、判定部20は、記憶部50にアクセスして設計合成スラブ構造としては不適合である選択された記号a2の認定合成スラブ構造に関する規格データD2を読み込む。判定部20は、設計データと規格データD2とを比較して、設計データのうち不適合となった原因となる入力項目を判定した原因判定データを出力制御部30に送信する。
【0069】
ステップS4において、出力制御部30は、通信部10を介して端末PCの表示部Disに原因判定データを表示させる。具体的には、出力制御部30は、選択された記号a2の認定合成スラブ構造に対して、不適合となった原因となる入力項目を表示する(
図6B参照)。
【0070】
出力制御部30は、記号「a2」の傍らに、設計データとして、連続スパンの項目として選択された「3連続」、コンクリート厚さの項目に入力された「80(mm)」、耐火補強筋の項目として選択された「無」、ひび割れ拡大防止筋(異形鉄筋)の項目として選択された「φ6-150×150」及び耐火許容積載荷重判定値として入力された積載荷重「15000(N/m2)」及び仕上荷重「1000(N/m2)」を、記号「a2」の認定合成スラブ構造に対して不適合であるNG項目として表示部Disに表示する。
【0071】
設計者Uは、NG項目に表示された項目を適宜修正する。NG項目が修正されると、端末PCから修正された設計データが通信部10に送信され、ステップS1~ステップS3を実行する。
図7は、新たな設計データに基づいて生成されたグラフを示す図である。
【0072】
図6A及び
図6Bに示されたグラフとの比較において分かるように、設計データ(入力項目の数値等)を修正した新たな設計合成スラブ構造の印Sの位置が移動している。印Sは、記号「a1」、「a2」及び「a8」に対応する耐火認定範囲の内側にある。これにより、新たな設計合成スラブ構造として、記号「a1」、「a2」及び「a8」の認定合成スラブ構造を使用することができる。
【0073】
設計データの修正により、支保工が必要な範囲が変化しており、設計者Uは、設計合成スラブ構造の印Sの位置が「要支保工」の範囲内にあるか否かも容易に確認することができる。
【0074】
なお、設計合成スラブ構造の印Sは、記号「a3」、「a4」及び「a5」の耐火認定範囲内にあるが、記号「a3」、「a4」及び「a5」の認定合成スラブ構造は、適合する認定合成スラブ構造として、構造計算装置1によって判定されていない。これは、入力したデータ等に、記号「a3」、「a4」及び「a5」に対応する認定合成スラブ構造の規格データDに適合しないものがあるからである。この場合、設計者Uがカーソルを記号「a3」、「a4」及び「a5」のいずれかに合わせることにより、選択された記号の認定合成スラブ構造に対して不適合であるNG項目が表示部Disに表示される。
【0075】
なお、ステップS4における処理は、端末PCから出力制御部30に不適合である認定合成スラブ構造についての情報が送信されてもよく、この場合、ステップS2において受信した判定データが用いられる。
【0076】
修正された設計データに基づいて実施されるステップS3において、設計者Uが表示部Disにおいてカーソルによって、記号a2の認定合成スラブ構造を選択した場合(ステップS3:適合)、ステップS5において、設計者Uが表示部Dis上の「設計計算書」のボタンを選択する(ステップS4:YES)と、通信部10は、計算書作成部40に設計計算書の作成を指示する。
【0077】
計算書作成部40は、記憶部50にアクセスして、記号a2の認定合成スラブ構造の規格データD2及び構造計算式を読み込む。計算書作成部40は、読み込んだ規格データD2及び構造計算式に基づいて設計計算書に関する設計計算書データを生成し、設計計算書データを出力制御部30に送信する。
【0078】
ステップS6において、出力制御部30は、通信部10を介して設計計算書データに基づく設計計算書を表示部Disに表示させる。なお、設計者Uの指示により、表示された設計計算書の設計計算書データは、記憶部50に保存することができ、また、設計計算書は、印刷することができる。以上ステップS1~S5により、構造計算システムの動作は終了する。
【0079】
ステップS5において設計精算書の出力指示がない場合(ステップS5:NO)、構造計算システムSysは、動作を終了する。
【0080】
本実施の形態に係る構造計算装置1を備えた構造計算システムSysによれば、設計者Uが入力する設計データに基づく設計合成スラブ構造と、各認定合成スラブ構造の耐火認定ごとの設計可能な範囲との関係を、一覧性をもって可視化することができる。これにより、複数ある認定合成スラブ構造の中から、設計合成スラブ構造に適した認定合成スラブ構造を容易に選択することができるようになる。
【0081】
さらに、端末PCの表示部Disには、設計合成スラブ構造に適合した認定合成スラブ構造の記号と、適合しない認定合成スラブ構造の記号とが区別して表示されるので、設計者Uは、設計合成スラブ構造に使用できる認定合成スラブ構造を容易に認識することができる。
【0082】
さらに、設計者Uが適合しない認定合成スラブ構造を表示部Disにおいて選択した場合、表示部Disに不適合となった理由(項目)が表示されるので、設計者Uによる設計データの修正が容易になる。これにより、統一した認定合成スラブの選択が容易になる。
【0083】
さらに、設計者Uの指令により、設計合成スラブ構造の構造計算を実施して、簡単に構造計算書を作成することができる。
【0084】
さらに、記憶部50には、新たに認定を受けた認定合成スラブ構造に関する規格データDを追加的に記憶させることができるので、設計者Uは、本実施の形態に係る構造計算システムSysを利用すれば、常に最新の情報(耐火認定等)に基づいて合成スラブ構造を設計することができる。例えば、通信部10と記憶部50との間で直接的にデータの送受信ができるようになっていてもよい。
【0085】
さらに、記憶部50には、過去に使用した設計データに基づくグラフが記憶可能であり、繰り返し過去の設計データを呼び出すことができるので、設計データの再度の入力を省略することができ作業負担が軽減される。
【0086】
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、本実施の形態に係る構造計算装置1は、デッキプレート200を使用した合成スラブ100に対して使用されたがこれに限定されない。上面がフラットなデッキプレートを用いたスラブや、デッキプレート200を使用してコンクリートを打設しない工法等に対しても本実施の形態に係る構造計算装置1、構造計算方法及び構造計算システムSysを使用することもできる。
【符号の説明】
【0087】
1・・・構造計算装置
10・・・通信部
20・・・判定部
30・・・出力制御部
40・・・計算書作成部
50・・・記憶部
500・・・単純合成スラブ構造
600・・・連続合成スラブ構造