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▶ 湯口 史朗の特許一覧

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  • 特開-オーバーヘッドドアの構造 図1
  • 特開-オーバーヘッドドアの構造 図2
  • 特開-オーバーヘッドドアの構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041573
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】オーバーヘッドドアの構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/02 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
E06B9/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021168422
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】516169411
【氏名又は名称】湯口 史朗
(72)【発明者】
【氏名】湯口 史朗
(57)【要約】
【課題】木製のパネルを使用したオーバーヘッド式のガレージドアは、ガレージの扉サイズが大きくパネルの重量が重く連結されたパネルの昇降時の負荷が高く騒音が発生する。そのため木製のパネル連結部の形状に加工を施し騒音の発生を低下させるがパネルの昇降の繰り返しや、湿潤、乾燥により、パネルの横フレームや連結部に木材の変形が生じ、騒音を発生させる欠点があった。
【解決手段】木材では変形が生じやすい横フレームと連結部をアルミニウム合金などの軽合金を使用し、連結部を押出成形で嵌合しても騒音が発生しにくい形状にした横フレームに木の縦フレーを組み合わせた枠を作り、その建物開口部側に木の板を接着剤で貼りつけたパネルを連結させ木製ドアの風合いを残しながら騒音の発生を防ぐ構造にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部の両側に立設され、開口部の上部から天井内面に沿って湾曲部を有するガイドレ-ルにより連結されたパネルが昇降自在に案内されるオ-バ-ヘッドドアにおいて、パネル(PA1、PA2)の上部横フレーム(1)および下部横フレーム(2)は、アルミニウム合金などの軽合金で形成されていて、上部横フレーム(1)はフレームの下側(1b)、下部横フレーム(2)はフレームの上側(2b)に、木の縦フレームを差し込み接着材で固定することが可能な形状に形成されている。角柱状の木の縦フレーム(Q1)を、上部横フレーム(1)と下部横フレーム(2)の差し込み固定する形状の部分(1b,2b)に合わせて切削加工し、フレームの左右両端に差し込み、接着し、枠組みしたパネル保持枠を作り、その建物開口部側に、木の板(P1a)を接着し物開口部側全体を覆うようにしたパネル(PA1)をつくる。また同様にして、木の縦フレーム(Q1)と同一サイズの木の縦フレーム(Q2)および木の板(P1a)と同一のサイズの木の板(P1b)を使用し、もう一つのパネル(PA2)をつくる。
パネル(PA1)の上部横フレーム(1)はフレームの上側(1a)の断面は凸状部を有するように形成されている。またパネル(PA2)の下部横フレーム(2)の下側(2a)の断面は凹状部を有するように形成されている。パネル(PA1)の上部横フレームとパネル(PA2)の下部横フレームを丁番(3)で、丁番回転軸を(3a)に入れて連結した場合、パネル(PA1)の上部横フレームの凸状部とパネル(PA2)の下部横フレームの凹状部は軸(3x)を中心に、はまるように回動するが、パネル(PA1)の上部横フレームの凸状部とパネル(PA2)の下部横フレームの凹状部は、回動中に接触しない形状に形成されている。
また、パネル(PA1)とパネル(PA2)が地面に対して垂直状になったオーバーヘッドドア閉鎖時、パネル(PA1)の建物開口部側に固定されている木の板(P1a)の上部端面部と、パネル(PA2)の建物開口部側に固定された木の板(P1b)の下部端面部が(R)で接したとき、パネル(PA1)の上側横フレームの凸状部とパネル(PA2)の下側横フレーム凹状部は接触しない状態でとどまり、騒音の発生を防げる構造であることを特徴とするオーバーヘッドドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建物開口部の両側に立設され、開口部の上部から天井内面に沿って湾曲部を有するガイドレ-ルにより連結されたパネルが昇降自在に案内されるオーバーヘッドドアの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部の両側に立設され、開口部の上部から天井内面に沿って湾曲部を有するガイドレ-ルにより連結されたパネルが昇降自在に案内されるオーバーヘッドドアにおいて、木製のパネルを使用したオーバーヘッド式の木製ガレージドアは、木の風合いや暖かみにより独自の意匠性を醸し出す。しかし、木の部材を組み合わせて作るため熟練した建具職人の技術が必要になり製造コストが高くなる。また、オーバーヘッドドアは、扉サイズが大きく連結されたパネルの重量が重くなり、パネルの昇降時の負荷が高いためパネル間の連結回転部分に騒音が発生する。その対策として、特許文献1には、木製パネルの連結部に精巧な成形加工をすることにより騒音を低下させる発明が記載されている。
しかし、パネルとパネルの連結部に精巧な成形加工が施されても、素材は木材であるため、連結された木製パネルの昇降を繰り返すことにより、荷重により横フレームや連結部に木材の変形を生じさせ、また降雨などによる湿潤や好天による乾燥の繰り返しにより木材の変形が生じ、成形加工の寸法が狂い、騒音を発生させる欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開特許公報 2009-293302(段落番号0005~0006、図2a、図2b)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物開口部の両側に立設され、開口部の上部から天井内面に沿って湾曲部を有するガイドレ-ルにより連結されたパネルが昇降自在に案内されるオ-バ-ヘッドドアにおいて、木製のパネルを使用したオーバーヘッド式のガレージドアは、木の風合いや暖かみにより独自の意匠性を醸しだせるが、ガレージの扉サイズが大きくパネルの重量が重くなるため連結されたパネルの昇降時の負荷が高く、昇降を繰り返すことにより、パネルの横フレームや連結部に木材の変形が生じさせ、また降雨などによる湿潤や好天による乾燥の繰り返しにより木材の変形が生じ、成形加工の寸法が狂い、騒音を発生させる欠点があった。
木の風合いや暖かみにより独自の意匠性を残しながら、重量を軽くし、パネルの横フレームや連結部が変形しない、低音性を確保できる、製造コストが安い、ガレージドアをつくる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
木の風合いや暖かみにより独自の意匠性を残しながら、重量を軽くし、横フレームや連結部が変形しない、低音性を確保できる、製造コストが安い、ガレージドアをつくるために、木材では変形が生じやすい横フレームや連結部をアルミニウム合金などの軽合金を押出成形した上下の横フレームを使い、木の縦フレームを組み合わせた枠を作り、その建物開口部側に木の板を接着剤で貼りつけたパネルを作る。建物開口部側は、全体が木の板で覆われるので木の風合いや暖かみを作りだすことができる。
また横フレームと連結部をアルミニウム合金などの軽合金にすることによりパネルを軽量化できる。
【発明の効果】
【0006】
木製パネルの連結部の騒音を低下させる横フレームの形状と連結方法を持つ木製パネルのオーバーヘッドドアは、ガレージの扉サイズが大きくパネルの重量が重くなるため連結されたパネルの昇降時の負荷が高く、昇降を繰り返すことにより、パネルの横フレームや連結部に木材の変形が生じさせ、また降雨などによる湿潤や好天による乾燥の繰り返しにより木材の変形が生じ、成形加工した部分の寸法が狂い、騒音を発生させる欠点があった。
本発明においては、横フレームと連結部に、アルミニウム合金などの軽合金で形成されたものを使用し、全体の重量を低下させ、横フレームと連結部の変形を防いで、騒音の発生を防ぐことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例で、2枚のパネルを連結した断面図
図2】本発明の実施例で、パネル回動中のパネル連結部の断面図
図3】本発明の実施例で、閉鎖時のパネル連結部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0009】
上部横フレーム1および下部横フレーム2は、アルミニウム合金などの軽合金で形成されていて、上部横フレーム1はフレームの下側1b、下部横フレーム2はフレームの上側2bに、木の縦フレームを差し込み、接着材で固定することが可能な形状に形成されている。
角柱状の木の縦フレームQ1二本を、上部横フレーム1と下部横フレーム2の差し込み固定する形状の部分1b,2bに合わせて切削加工し、建物開口部側の左右両端に差し込み、接着し、枠組みしたパネル保持枠を作り、その建物開口部側に、建物開口部側全体を覆うようにした木の板P1aを接着し、パネルPA1をつくる。また同様にして、Q1と同一サイズの木の縦フレームQ2および木の板P1aと同一サイズの木の板P1bを使用し、もう一つのパネルPA2をつくる。
パネルPA1の上部横フレーム1はフレームの上側1aの断面が凸状部を有するように形成されている。またパネルPA2の下部横フレーム2の下側2aの断面は凹状部を有するように形成されている。パネルPA1の上部横フレームとパネルPA2の下部横フレームを丁番3で、回転軸受を3aに入れて連結した場合、パネルPA1の上部横フレームの凸状部とパネルPA2の下部横フレームの凹状は、軸3xを中心に、はまるように回動するが、パネルPA1の上部横フレームの凸状部とパネルPA2の下部横フレームの凹状部は、回動中に接触しない形状に形成されている。
パネルPA1とパネルPA2が地面に対して垂直状になった、オーバーヘッドドア閉鎖時、パネルPA1の建物開口部側に固定されている木の板P1aの上部端面部と、パネルPA2の建物開口部側に固定された木の板P1bの下部端面部がRで、接したとき、パネルの上側横フレームの凸状部とパネルの下側横フレーム凹状部は接触しない状態でとどまり、騒音の発生を防げる構造になる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、建物開口部の両側に立設され、開口部の上部から天井内面に沿って湾曲部を有するガイドレ-ルにより連結されたパネルが昇降自在に案内されるオーバーヘッドドアを製造する産業の中で利用される。木製のパネルを使用したオーバーヘッドドアの、木の醸し出す風合いや暖かみを残しながら、軽量で、コストが低減され、騒音が発生しにくいオーバーヘッドドアの提供が可能となった。
【符号の説明】
【0012】
1 上部横フレーム
1b 縦フレーム差込部
1a 凸状部
2 下部横フレーム
2b 縦フレーム差込部
2a 凹状部
Q1 パネル(PA1)縦フレーム
Q2 パネル(PA2)縦フレーム
P1a パネル(PA1)建物開口部側の木の板
P1b パネル(PA2)建物開口部側の木の板
PA1 パネル
PA2 パネル
R P1aの上部端面部とP1bの下部端面部が接するところ
3 丁番
3a 丁番回転軸受
3x 丁番回転軸
図1
図2
図3