(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004159
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法及び壁の仕上げ用埋込定規
(51)【国際特許分類】
E04F 13/06 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
E04F13/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105692
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】391051278
【氏名又は名称】清水 豊
(71)【出願人】
【識別番号】511283860
【氏名又は名称】山下 正則
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】清水 豊
(72)【発明者】
【氏名】山下 正則
(57)【要約】
【課題】 壁の仕上げ用埋込定規を使用することが禁じられている場所においても、取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して壁の角部を仕上げることができるようにする。
【解決手段】 壁の角部を綺麗に仕上げる目的でモルタル等の塗り壁装材Mに埋め込んで用いる壁の仕上げ用埋込定規1を用いた面取り仕上げ工法において、壁の角部縁面に添設される取付部3と、壁の角部から張り出される定規部の首部2bと、壁Wの角部に面取りを施すための取り外し可能な面仕上げ材2aからなる定規部2を備えた壁の仕上げ用埋込定規1を用いて、前記取り外し可能な面仕上げ材2aに沿って塗り壁材Mを塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材2aを取り外す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁の角部縁面に添設される取付部と、壁の角部から張り出される定規部と、壁の角部に面取りを施すための取り外し可能な面仕上げ材を備えた壁の仕上げ用埋込定規を用いて、前記取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して壁の角部を仕上げることを特徴とする壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法。
【請求項2】
前記取付部が三角形状に設けられ、前記定規部の首部は前記取付部の三角形状の一辺の延長線上に所定長さに設けられて、その長さ方向先端部が壁の角部の一方側のモルタル等の塗り壁装材の厚さとされる第1のコテ当て調整部とされ、前記取り外し可能な面仕上げ材は前記定規部の首部の先端側から折り曲げるようにして設けられて、その折れ曲がり先端部が壁の角部の他方側のモルタル等の塗り壁装材の厚さとされる第2のコテ当て調整部とされていることを特徴とする請求項1記載の壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法。
【請求項3】
前記定規部の首部と前記取り外し可能な面仕上げ材との連結部において、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すための切断用溝部がその外周側か又は内周側に形成されて、前記内周側の切断用溝部に対してはモルタル等の塗り壁装材を充填しないことを特徴とする請求項1記載の壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法。
【請求項4】
前記定規部のうち前記定規部の首部が少なくとも透明樹脂材料で構成されて、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すと、前記透明な定規部の首部を介して塗り壁装材が認識されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法。
【請求項5】
壁の角部を綺麗に仕上げる目的でモルタル等の塗り壁装材に埋め込んで用いる壁の仕上げ用埋込定規において、壁の角部縁面に添設される取付部と、壁の角部から張り出される定規部の首部と、前記定規部の先端部に壁の角部に面取りを施すための取り外し可能な面仕上げ材を備え、前記定規部の首部に対して前記取り外し可能な面仕上げ材が取り外し可能に設けられることを特徴とする壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項6】
前記定規部の首部と前記取り外し可能な面仕上げ材との連結部に、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すための切断用溝部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項7】
前記取付部が三角形状に設けられ、前記定規部の首部は前記取付部の三角形状の一辺の延長線上に所定長さに設けられて、その長さ方向先端部が壁の角部の一方側のモルタル等の塗り壁装材の厚さとされる第1のコテ当て調整部とされ、前記取り外し可能な面仕上げ材は前記定規部の首部の先端側から折り曲げるようにして設けられて、その折れ曲がり先端部が壁の角部の他方側のモルタル等の塗り壁装材の厚さとされる第2のコテ当て調整部とされていることを特徴とする請求項5又は6記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項8】
前記取り外し可能な面仕上げ材の内周面がR面形状、角部形状、又は、台形状に形成されているか、及び/又は、壁の角部の延長線上の中央に前記取り外し可能な面仕上げ材の内周面の中央が位置することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項9】
前記壁の仕上げ用埋込定規は合成樹脂製であり、前記取り外し可能な面仕上げ材が前記定規部の首部よりも柔らかい材料で構成されて、その折り曲げ角度が調整可能に構成されていることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項10】
前記定規部の首部と前記取り外し可能な面仕上げ材との連結部において連結用テープを備えているか、及び/又は、前記取り外し可能な面仕上げ材の内周側に仕上げ面用テープを備えていることを特徴とする請求項5ないし9のいずれか一項に記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【請求項11】
前記取り外し可能な面仕上げ材に、指でつまむつまみ部と、前記つまみ部をつまむと前記取り外し可能な面仕上げ材が吊り上げられるとともに、前記定規部の首部から外れるように構成されている請求項5ないし10のいずれか一項に記載の壁の仕上げ用埋込定規。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスなどの壁装材を壁面に貼り付けて仕上げるクロス仕上げ工事において、コーナー(出隅角)部を綺麗仕上げる目的で壁下地に貼り付けて用いる場合や、左官仕上げ工事において、塗り壁の角部を綺麗に仕上げる目的、また、端部起し等、壁の端部を綺麗に仕上げる目的でモルタル等の塗り壁装材に埋め込んで用いる壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法及び壁の仕上げ用埋込定規に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の埋込定規は、建造物の出隅壁を形成する壁の角部縁面に添設される取付部と、壁の角部から張り出される定規部とを有し、前記取付部と前記定規部とが合成樹脂材にて一体成形されており、上記定規部の頭頂部を規準にしてモルタル等の塗り壁材を塗布することにより厚み出しと角出しを行ない、該塗材の乾燥固化後、その表面に吹き付け塗装を行なっている。上記頭頂部表面(頭頂面)は上記塗布された塗り壁材表面より露出されて角出しと角部補強とが図られ、該露出された頭頂部表面は上記吹き付け塗装により上記塗り壁材表面から連続する塗膜で覆われ隠蔽される。
【0003】
特許文献1には、住宅におけるモルタル壁の角部分に埋め込まれて施工される角部材において、モルタル表面角部に現われる足の先端部のみを白又は仕上げ壁面色のプラスチックで形成し、その他の足をより安価な材料のプラスチックで形成した住宅モルタル壁の角部材が開示されている。
特許文献2には、2つの壁面が交わる出隅部又は入隅部のコーナー部に沿って貼着される壁装用コーナー材であって、前記壁装用コーナー材を、透視が許容される透明性を有する帯状のプラスチックシートで構成するとともに、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部に配置され、該プラスチックシートに沿って長手方向に連続して付設した溝条の折り曲げ罫線と、該折り曲げ罫線の両側部に形成され、該折り曲げ罫線に沿って表裏両方向に対して折り曲げ可能に連設した左右一対の平板とを備えた壁装用コーナー材(請求項1)と、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部付近に配置され、前記折り曲げ罫線に沿って長手方向に付設された視認可能な色を有する可視線部を備えた請求項1に記載の壁装用コーナー材(請求項2)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-232262号公報
【特許文献2】特開2015-232260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の目的は、壁の仕上げ用埋込定規を使用することが禁じられている場所においても、前記取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して壁の角部を仕上げることができるようにする壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、壁の角部縁面に添設される取付部と、壁の角部から張り出される定規部と、壁の角部に面取りを施すための取り外し可能な面仕上げ材を備えた壁の仕上げ用埋込定規を用いて、前記取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して壁の角部を仕上げることを特徴とする壁の仕上げ用埋込定規を用いた面取り仕上げ工法である。
本発明によれば、前記取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して壁の角部を仕上げることができるので、綺麗に仕上げることができるとともに、仕上げた後の乾燥工程が十分に済むまで(養生が十分に済むまで)、前記取り外し可能な面仕上げ材を被せたままにしておくことができる。したがって、例えば古民家の再生や城の修復作業等において、壁の仕上げ用埋込定規が露出することが好ましくないとされる場合においても、その露出部分を仕上げ面として綺麗に仕上げることができるとともに、見えない個所では、壁の仕上げ用埋込定規が使用されているので、壁の補強が図られることとなる。
【0007】
本発明としては、前記定規部は、所定長さの首部を介して前記取り外し可能な面仕上げ材が取り付けられ、これら前記首部と前記取り外し可能な面仕上げ材との連結部に、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すための切断用溝部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記取り外し可能な面仕上げ材に沿って塗り壁材を塗布した後に、前記切断用溝から前記取り外し可能な面仕上げ材を容易に取り外すことができるとともに、取り外した痕跡を残さないようにできる。また、前記取り外し可能な面仕上げ材が除去された後の定規部の首部は透明部材にしておくと、定規部の首部が目立たなくなり、塗り壁材の色であると認識されるようになる。
また、本発明としては、前記定規部のうち前記定規部の首部が少なくとも透明樹脂材料で構成されて、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すと、前記透明な定規部の首部を介して塗り壁装材が認識されることを特徴とする。
本発明によれば、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外して、前記透明な定規部の首部が露出したとしても、前記透明な定規部の首部を介して塗り壁の色が認識される。例えば、漆喰の塗り壁の場合は、前記透明な定規部の首部が漆喰の色(白)で認識されるようになる。
【0008】
また、本発明は、壁の仕上げ用埋込定規壁の角部縁面に添設される取付部と、壁の角部から張り出される定規部と、前記定規部の先端部に壁の角部に面取りを施すための取り外し可能な面仕上げ材を備え、前記定規部に対して前記取り外し可能な面仕上げ材が取り外し可能に設けられることを特徴とする壁の仕上げ用埋込定規である。
本発明によれば、例えば古民家の再生や城の修復作業等において、壁の仕上げ用埋込定規が露出することが好ましくないとされる場合においても、前記取り外し可能な面仕上げ材で面取りを仕上げてからこれを取り外すと、その露出部分を仕上げ面(面取り)として綺麗に仕上げることができるとともに、見えない個所では、壁の仕上げ用埋込定規が使用されているので、壁の補強が図られることとなる。
【0009】
本発明としては、前記取り外し可能な面仕上げ材の内周面がR面形状、角部形状、又は、台形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、モルタル等の塗り壁装材に埋め込んでから、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すと、壁の角部に対して所定の面取り形状を施した壁の角部が形成できる。
【0010】
本発明としては、前記取付部が三角形状の2辺を構成するように設けられ、前記定規部が前記取付部の三角形状の一辺の延長線上に設けられるとともに、前記定規部の先端側から壁の角部を広く覆うように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、壁の角部を広く覆うように形成された前記取り外し可能な面仕上げ材により壁角部の面取りを形成することができる。
【0011】
本発明としては、前記壁の仕上げ用埋込定規は合成樹脂製であり、前記取り外し可能な面仕上げ材が前記定規部の首部よりも柔らかい材料で構成されて、その折り曲げ角度が調整可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、モルタル等の塗り壁装材に埋め込んでから、前記取り外し可能な面仕上げ材を取り外すと、壁の角部に対して所定の面取りを施した壁の角部が形成できるが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図である。
【
図2】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図3】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例1を壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図4】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例2を壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図5】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例3を壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図6】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を壁面に取り付けて取り外し可能な面仕上げ材を取り外した状態を示す図である。
【
図7】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を壁面に取り付けて取り外し可能な面仕上げ材を取り外した状態を示す図である。
【
図8】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を壁面に取り付けて取り外し可能な面仕上げ材を取り外した状態を示す図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図である。
【
図10】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規の定規部を示す図である。
【
図11】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
【
図12】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例1を示す斜視図である。
【
図13】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例1の定規部を示す図である。
【
図14】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例2を示す斜視図である。
【
図15】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例2の定規部を示す図である。
【
図16】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例3の定規部を示す図である。
【
図17】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例4の定規部を示す図である。
【
図18】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例5の定規部を示す図である。
【
図19】本発明の第3の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図である。
【
図20】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規の定規部を示す図である。
【
図21】上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
【
図22】本発明の第4の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための一形態について図面を引用しながら説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図であり、
図2は、壁の仕上げ用埋込定規を壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【0016】
本実施の形態の壁の仕上げ用埋込定規1は、合成樹脂製であり、壁Wの角部縁面に添設される取付部3と、壁(出隅壁)Wの角部から張り出される定規部2とを備えており、定規部2は取り外し可能な面仕上げ材2aと定規部の首部2bを備える。取り外し可能な面仕上げ材2aは、壁Wの角部に面取りを施すためのR形状を備え、取り外し可能な面仕上げ材2aに沿って塗り壁材(モルタル等)Mを塗布した後に取り外し可能な面仕上げ材2aを取り外して壁の角部を仕上げる。なお、定規部の首部2bは、透明性を有する材質で構成してもよい。
壁の仕上げ用埋込定規1は、取付部3を壁Wの角部を跨装するように角縁面に添設され、この添設によって定規部2を角部前方へ張り出し、取り外し可能な面仕上げ材2aを規準にしてモルタル等の塗り壁材Mを塗布する。壁の仕上げ用埋込定規1は、取付部3の背面を接着剤を介して、壁Wの角部に添着、又は、釘打ち等にて取り付ける。
【0017】
取付部3は三角形状に設けられ、定規部の首部2bは取付部3の三角形状の一辺の延長線上に所定長さに設けられて、その長さ方向先端部が壁Wの角部の一方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第1のコテ当て調整部4とされ、取り外し可能な面仕上げ材2aは定規部12の先端側から折り曲げるようにして設けられて、その折れ曲がり先端部が壁Wの角部の他方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第2の先細り形状になっており、第2のコテ当て調整部5とされている。なお、取付部3は三角形状ではなく、平面状に設けてもよい(
図1(b))。
【0018】
また、取付部3には塗り壁材が入り込む前記貫通穴3aが形成される。貫通穴3aとしては、円形状や楕円形状でもよく、パンチング加工等により容易に形成可能である。貫通穴3aを有することで、塗り壁材Mを繋ぎ合わせる効果を高めることができる。
【0019】
図3~
図5は、上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例を示す図である。
図3の例は、定規部の首部2bを突出させて設けている。
図4の例は、取り外し可能な面仕上げ材2aのR形状の頂点と壁の角部の位置を一致させるように、定規部の首部2bを三角形状の一辺の延長線上からずらして設けている。
図5の例は、取付部3が三角形状ではなく平面状に設けられている。取付部3を三角形状に設けると、壁Wに取り付ける位置が決まってしまうが、平面状に設けることで壁Wに取り付ける位置を調整できる。
そして、
図4の例では、壁の角部の中央に対応するように定規部の首部2bが配置されているか(図中矢印O)、取り外し可能な面仕上げ材2aの折り曲げ角度を(図中矢印Oの位置に対応させることで、壁の角部にR形状が綺麗に仕上げられることとなる。なお、
図3~
図5のいずれにおいても、定規部の首部2bの長さを調節することで、取り外し可能な面仕上げ材2aの中央に壁の角部に位置するように(図中矢印Oの位置に対応)設けることができる。
【0020】
図6~
図8に示すように、壁の角部に壁の仕上げ用埋込定規1塗り壁材Mを塗布した後、取り外し可能な面仕上げ材2aを取り外すと、所定の面取りを施した壁の角部が形成できる。
【0021】
(第2の本実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図であり、
図10は、壁の仕上げ用埋込定規の取り外し可能な面仕上げ材を示す拡大図であり、
図11は、上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
【0022】
本実施の形態の壁の仕上げ用埋込定規11は、合成樹脂製であり、壁Wの角部縁面に添設される取付部13と、壁(出隅壁)Wの角部から張り出される定規部12とを備えており、定規部12は取り外し可能な面仕上げ材12aと定規部の首部12bを備える。取り外し可能な面仕上げ材12aは、壁Wの角部に面取りを施すためのR形状を備え、取り外し可能な面仕上げ材12aに沿って塗り壁材(モルタル等)Mを塗布した後に取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外して壁の角部を仕上げる。なお、定規部の首部12bは、透明性を有する材質で構成してもよい。
壁の仕上げ用埋込定規11は、取付部13を壁Wの角部を跨装するように角縁面に添設され、この添設によって定規部12を角部前方へ張り出し、取り外し可能な面仕上げ材12aを規準にしてモルタル等の塗り壁材Mを塗布する。壁の仕上げ用埋込定規11は、取付部13の背面を接着剤を介して、壁Wの角部に添着、又は、釘打ち等にて取り付ける。
【0023】
取付部13が三角形状に設けられ、定規部の首部12bは取付部13の三角形状の一辺の延長線上に所定長さに設けられて、その長さ方向先端部が壁Wの角部の一方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第1のコテ当て調整部14とされ、取り外し可能な面仕上げ材12aは定規部12の先端側から折り曲げるようにして設けられて、その折れ曲がり先端部が壁Wの角部の他方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第2のコテ当て調整部15とされている。
【0024】
また、取付部13には塗り壁材が入り込む前記貫通穴13aが形成される。貫通穴13aとしては、円形状や楕円形状でもよく、パンチング加工等により容易に形成可能である。貫通穴13aを有することで、塗り壁材Mを繋ぎ合わせる効果を高めることができる。
【0025】
また、定規部の首部12bと取り外し可能な面仕上げ材12aとの連結部において、取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外すための切断用溝部16がその内周側に形成されて、内周側の切断用溝部16に対しては塗り壁材Mを充填しない。これにより、定規部の首部12bから取り外し可能な面仕上げ材12aを容易に取り外すことができる。
【0026】
図12、13は、上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例1を示す図である。
壁の仕上げ用埋込定規11の取り外し可能な面仕上げ材12aの内周面が角部を有する形状に形成されており、壁の角部に対して角部を有する面取りを施した壁の角部が形成できる。また、取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外すための切断用溝部16がその外周側に形成されている。
【0027】
図14、
図15は、上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例2を示す図である。
壁の仕上げ用埋込定規11の取り外し可能な面仕上げ材12aの内周面が台形形状に形成されており、壁の角部に対して台形形状の面取りを施した壁の角部が形成できる。また、取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外すための切断用溝部16がその外周側に形成されている。
【0028】
図16~
図18は、上記実施形態の壁の仕上げ用埋込定規のその他の例を示す図である。
図16の例は、取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外すための切断用溝部16がその内周側と外周側の両方に形成されていることで、定規部の首部12bから取り外し可能な面仕上げ材12aをより取り外しやすくなる。
図17の例は、取り外し可能な面仕上げ材12aと定規部の首部12bの連結部に連結用テープTを備えている。取り外し可能な面仕上げ材12aと定規部の首部12bを連結用テープTrを用いて連結することで、定規部の首部12bから取り外し可能な面仕上げ材12aを容易に取り外すことができ、これにより連結用テープTrで仮連結されていた取り外し可能な面仕上げ材12aを取り外すことができる。
図18の例は、取り外し可能な面仕上げ材12aの内周面側に仕上げ面用テープTsを備えている。これにより、塗り壁材(モルタル等)Mを取り外し可能な面仕上げ材12aに沿って塗布しやすくなるとともに、養生用テープとしての役割を果たす。
【0029】
(第3の実施形態)
図19は、本発明の第3の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す斜視図であり、
図20は、壁の仕上げ用埋込定規の取り外し可能な面仕上げ材を示す拡大図であり、
図21は、壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
【0030】
本実施の形態の壁の仕上げ用埋込定規21は、合成樹脂製であり、壁Wの角部縁面に添設される取付部23と、壁(出隅壁)Wの角部から張り出される定規部22とを備えており、定規部22は取り外し可能な面仕上げ材22aと定規部の首部22bを備える。取り外し可能な面仕上げ材22aは、壁Wの角部に面取りを施すためのR形状を備え、取り外し可能な面仕上げ材22aに沿って塗り壁材(モルタル等)Mを塗布した後に取り外し可能な面仕上げ材22aを取り外して壁の角部を仕上げる。なお、定規部の首部22bは、透明性を有する材質(透明樹脂材料)で構成してもよい。
壁の仕上げ用埋込定規21は、取付部23を壁Wの角部を跨装するように角縁面に添設され、この添設によって定規部22を角部前方へ張り出し、取り外し可能な面仕上げ材22aを規準にしてモルタル等の塗り壁材Mを塗布する。壁の仕上げ用埋込定規21は、取付部23の背面を接着剤を介して、壁Wの角部に添着、又は、釘打ち等にて取り付ける。
【0031】
取付部23が三角形状に設けられ、定規部の首部22bは取付部23の三角形状の一辺の延長線上に所定長さに設けられて、その長さ方向先端部が壁Wの角部の一方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第1のコテ当て調整部24とされ、取り外し可能な面仕上げ材22aは定規部22の先端側から折り曲げるようにして設けられて、その折れ曲がり先端部が壁Wの角部の他方側のモルタル等の塗り壁装材Mの厚さとされる第2のコテ当て調整部25とされている。
【0032】
また、取付部23には塗り壁材が入り込む前記貫通穴23aが形成される。貫通穴23aとしては、円形状や楕円形状でもよく、パンチング加工等により容易に形成可能である。貫通穴23aを有することで、塗り壁材Mを繋ぎ合わせる効果を高めることができる。
また、定規部の首部22bと取り外し可能な面仕上げ材22aとの連結部に向かって取り外し可能な面仕上げ材22aが先細り形状に形成されている。これにより、定規部の首部22bから取り外し可能な面仕上げ材22aを容易に取り外すことができる。
【0033】
(第4の実施形態)
図22は、本発明の第4の実施形態の壁の仕上げ用埋込定規を示す断面図である。
本実施の形態の壁の仕上げ用埋込定規31は、合成樹脂製であり、壁Wの角部縁面に添設される取付部33と、壁(出隅壁)Wの角部から張り出される定規部32とを備えており、定規部32は取り外し可能な面仕上げ材32aと定規部の首部32bと定規部のつまみ部32cを備える。取り外し可能な面仕上げ材32aは、壁Wの角部に面取りを施すためのR形状をその内周側に備え、取り外し可能な面仕上げ材32aの内周側に沿って塗り壁材(モルタル等)Mを塗布した後に、定規部のつまみ部32c,32cを矢印の方向に摘まむと、取り外し可能な面仕上げ材32aが上方に吊り上げられるとともに(
図22(b))、連結部に形成された切断用溝部36から外れるように構成されている。なお、定規部の首部32bは、透明性を有する材質で構成してもよい。
そして、本実施形態では、取り外し可能な面仕上げ材2aが壁の角部の中央に配置されているので(図中矢印Oの位置)、壁の角部にR形状が綺麗に仕上げられることとなる。
壁の仕上げ用埋込定規31は、取付部33を壁Wの角部を跨装するように角縁面に添設され、この添設によって定規部32を角部前方へ張り出し、取り外し可能な面仕上げ材32aを規準にしてモルタル等の塗り壁材Mを塗布する。壁の仕上げ用埋込定規31は、取付部33の背面を接着剤を介して、壁Wの角部に添着、又は、釘打ち等にて取り付ける。
【0034】
以上、本実施の形態の壁の仕上げ用埋込定規は、硬質の合成樹脂製以外の材質を使用する等、種々変更可能である。また、取付部や取り外し可能な面仕上げ材、定規部の首部でそれぞれ材質を変更しても良い。また、取り外し可能な面仕上げ材の内周面の形状は、本実施の形態のR面形状、角部形状、及び台形状以外に、どのような形状にも変更可能である。
【符号の説明】
【0035】
1、11、21、31 壁の仕上げ用埋込定規、
2、12、22、32 定規部、
2a、12a、22a、32a 取り外し可能な面仕上げ材、
2b、12b、22b、32b 定規部の首部、
3、13、23、33 取付部、
4、14、24 第1のコテ当て調整部、
5、15、25 第2のコテ当て調整部、
16、36 切断用溝部、
M 塗り壁材(モルタル)、
W 壁、
Tr 連結用テープ、
Ts 仕上げ面用テープ
0 壁の角部の延長線上の中央