(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004160
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】ポンプ装置及びケーシングカバー
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20230110BHJP
F04D 29/62 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
F04D29/42 A
F04D29/62 A
F04D29/42 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105693
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山下 英吾
(72)【発明者】
【氏名】木下 達也
(72)【発明者】
【氏名】小島 達也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利造
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA95A
3H130BA97A
3H130BA98A
3H130CA21
3H130CA22
3H130CA23
3H130DD01Z
3H130EC03A
3H130EC11A
3H130ED01A
3H130ED02A
(57)【要約】
【課題】簡素な形状であって、且つ、機種が異なっても一部兼用化が可能なポンプ装置及びケーシングカバーを提供すること
【解決手段】ポンプ装置1は、ポンプケーシング31と、モータブラケット22を有するモータ11と、ポンプケーシング31と接続し、ポンプケーシング31を覆うカバー部材41、並びに、モータブラケット22及びカバー部材41と接続するブラケット部材42を有し、カバー部材41及びブラケット部材42が締結部材100で締結されるケーシングカバー33と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシングと、
モータブラケットを有するモータと、
前記ポンプケーシングと接続し、前記ポンプケーシングを覆うカバー部材、並びに、前記モータブラケット及び前記カバー部材と接続するブラケット部材を有し、前記カバー部材及び前記ブラケット部材が複数の締結部材で締結されるケーシングカバーと、
を備えるポンプ装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記ポンプケーシング内の流体と当接する接液部、前記接液部の周囲に設けられ、前記ポンプケーシングと締結する第1フランジ部、及び、前記接液部の前記ブラケット部材側に設けられた第2フランジ部を有し、
前記ブラケット部材は、前記モータと締結する第3フランジ部、前記第2フランジ部と締結する第4フランジ部、及び、前記第3フランジ部及び前記第4フランジ部を連結する連結部材を有し、
前記第2フランジ部及び前記第4フランジ部は、前記複数の締結部材の一部を非等配として締結される、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記カバー部材及び前記ブラケット部材は、異なる材料で形成される、請求項1又は請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記ポンプケーシング内を流れる流体に耐食性を有する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記カバー部材及び前記ブラケット部材の締結位置は、前記ポンプケーシング及び前記カバー部材のインロウ、並びに、前記ブラケット部材及び前記モータのインロウの少なくとも一方よりも、径方向で内方である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
ポンプケーシングを有するポンプ、及び、モータブラケットを有するモータを備えるポンプ装置の前記ポンプケーシング及び前記モータブラケットに接続されるケーシングカバーであって、
前記ケーシングカバーは、
前記ポンプケーシングと接続し、前記ポンプケーシングを覆うカバー部材と、
前記モータブラケット及び前記カバー部材と接続するとともに、前記カバー部材と複数の締結部材で締結されるブラケット部材と、
を備えるケーシングカバー。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記ポンプケーシング内の流体と当接する接液部、前記接液部の周囲に設けられ、前記ポンプケーシングと締結する第1フランジ部、及び、前記接液部の前記ブラケット部材側に設けられた第2フランジ部を有し、
前記ブラケット部材は、前記モータと締結する第3フランジ部、前記第2フランジ部と締結する第4フランジ部、及び、前記第3フランジ部及び前記第4フランジ部を連結する連結部材を有し、
前記第2フランジ部及び前記第4フランジ部は、前記複数の締結部材の一部を非等配として締結される、請求項6に記載のケーシングカバー。
【請求項8】
前記カバー部材及び前記ブラケット部材は、異なる材料で形成される、請求項6又は請求項7に記載のケーシングカバー。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記ポンプケーシング内を流れる流体に耐食性を有する、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載のケーシングカバー。
【請求項10】
前記カバー部材及び前記ブラケット部材の締結位置は、前記ポンプケーシング及び前記カバー部材のインロウ、並びに、前記ブラケット部材及び前記モータのインロウの少なくとも一方よりも、径方向で内方である、請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載のケーシングカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を増圧するポンプ装置及びそのケーシングカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体を増圧するポンプ装置が知られている。このようなポンプ装置は、モータとポンプのケーシングとを接続する構成として、カップリングタイプとコモンタイプが知られている。例えば、カップリングタイプは、モータの軸受箱とポンプのケーシングカバーとの2つ部品によって構成されている。コモンタイプは、所謂モータ直結型であり、ポンプのケーシングカバーの1つの部品により構成される。
【0003】
このようなケーシングカバーは、鋳造により製造される。しかしながら、国内の鋳物産業において、人口減少が顕著であり、製造が困難になりつつあり、量産や納期に影響が出ている。例えば、調達先を海外に変更することも考えられるが、海外では品質のバラツキや低品質の問題があり、また、調達面でも困難となりうる。このため、異なる種類のポンプでのケーシングカバーの兼用化や、形状の簡素化が求められている。
【0004】
また、例えば、ケーシングカバーの一部構成を鋳物ではなく、プレス成型によって製造する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したポンプ装置は、機種毎にケーシングカバーの形状がポンプケーシングやモータ等の形状に基づいて設定されることから、機種が増えると、製造する部品が増える、という問題がある。即ち、モータとケーシングとを、1つの部品で構成すると、モータの寸法やケーシングの寸法によって、ケーシングカバーを新規設計する必要が有る。また、モータの出力が異なると、モータブラケットのインロウが異なるため、ポンプが同一機種であっても、それぞれのモータブラケットインロウに併せて寸法を変更する必要がある。即ち、ポンプのケーシングインロウ及びモータのモータブラケットインロウの組み合わせ毎に、新規でケーシングカバーを製作する必要が有る。
【0007】
また、1つの部品でケーシング及びモータを接続する構成では、流体に接続する接液部のみ材料を変更したい場合であっても、要求されていない範囲まで材料変更する必要がある。
【0008】
また、鋳物でケーシングカバーを製造するためには、中子が必要な構造であるため、形状が複雑となる要因となり、品質や調達面が劣る、という問題がある。
【0009】
そこで本発明は、簡素な形状であって、且つ、機種が異なっても一部兼用化が可能なポンプ装置及びケーシングカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、ポンプケーシングと、モータブラケットを有するモータと、前記ポンプケーシングと接続し、前記ポンプケーシングを覆うカバー部材、並びに、前記モータブラケット及び前記カバー部材と接続するブラケット部材を有し、前記カバー部材及び前記ブラケット部材が複数の締結部材で締結されるケーシングカバーと、を備える。
【0011】
本発明の一態様によれば、ケーシングカバーは、ポンプケーシングを有するポンプ、及び、モータブラケットを有するモータを備えるポンプ装置の前記ポンプケーシング及び前記モータブラケットに接続されるケーシングカバーであって、前記ケーシングカバーは、前記ポンプケーシングと接続し、前記ポンプケーシングを覆うカバー部材と、前記モータブラケット及び前記カバー部材と接続するとともに、前記カバー部材と複数の締結部材で締結されるブラケット部材と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素な形状であって、且つ、機種が異なっても一部兼用化が可能なポンプ装置及びケーシングカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るポンプ装置の構成を一部省略して示す断面図。
【
図2】同ポンプ装置に用いられるケーシングカバーの構成を示す斜視図。
【
図4】同ケーシングカバーのカバー部材の構成を示す斜視図。
【
図8】同ケーシングカバーのブラケット部材の構成を示す斜視図。
【
図11】同実施形態の他の例のポンプ装置の構成を一部省略して示す断面図。
【
図12】同ポンプ装置のブラケット部材の構成を示す斜視図。
【
図15】他の実施形態に係るポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。
【
図16】他の実施形態に係るポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係るポンプ装置1について、
図1乃至
図14を用いて、以下説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプ装置1の構成を一部省略して示す断面図である。
図2は、ポンプ装置1に用いられるケーシングカバー33の構成を、ケーシングカバー33のカバー部材41側から示す斜視図である。
図3は、ケーシングカバー33の構成を、ケーシングカバー33のブラケット部材42側から示す斜視図である。
【0016】
図4は、カバー部材41の構成をブラケット部材42側から示す斜視図である。
図5は、カバー部材41の構成をブラケット部材42側から示す平面図である。
図6は、カバー部材41の第1フランジ部52の座部52a及び孔部52bの構成を示す断面図であり、
図7は、カバー部材41の第2フランジ部53のボス部53aの構成を示す断面図である。
【0017】
図8は、ブラケット部材42の構成をカバー部材41側から示す斜視図である。
図9は、ブラケット部材42の構成をカバー部材41側から示す平面図であり、
図10は、ブラケット部材42の構成をモータ11側から示す平面図である。
【0018】
図11は、実施形態の他の例として、
図1に示すポンプ装置1よりもモータ11の出力が小さいポンプ装置1の構成を一部省略して示す断面図である。
図12は、
図11のポンプ装置1に用いられるブラケット部材42の構成を示す斜視図であり、
図13は、
図11のブラケット部材42の構成をカバー部材41側から示す平面図であり、
図14は、
図11のブラケット部材42の構成をモータ11側から示す平面図である。
【0019】
図1に示すように、ポンプ装置1は、モータ11と、ポンプ12と、を備える。ポンプ装置1は、横形の横軸ポンプであってもよく、立形の縦軸ポンプであってもよい。また、ポンプ装置1は、単段ポンプであってもよく、多段ポンプであってもよい。本実施形態においては、横形の単段ポンプの例を用いて説明する。
【0020】
図1に示すように、モータ11は、モータケーシング21と、モータブラケット22と、固定子と、回転子と、モータ軸23と、軸受24と、を備える。また、モータ11は、例えば、放熱用のフィンと、フィンに送風するファンと、を備える構成であってもよい。
【0021】
モータケーシング21は、固定子及び回転子を収容する。モータケーシング21は、内部に固定子を固定する。
【0022】
モータブラケット22は、モータケーシング21のポンプ12側の開口を閉塞する。モータブラケット22は、ポンプ12と締結されるモータフランジ部22aを有する。モータブラケット22は、軸受24を支持するとともに、軸受24に軸支されたモータ軸23を挿通させる開口22bを有する。モータフランジ部22aは、ポンプ12とボルト等の締結部材100と締結するための複数の雌螺子部22cが形成される。
【0023】
雌螺子部22cは、締結部材100が螺合可能にモータフランジ部22a(モータブラケット22)に形成されたネジ穴であるが、例えば、締結部材100を挿通し、そして、締結部材100と螺合するナットを受ける座面が周囲に形成された孔であってもよい。
【0024】
モータ軸23は、例えば、ポンプ12の後述するインペラ32が固定される回転軸である。なお、モータ軸23は、インペラ32が固定されず、インペラ32が固定される別体の回転軸と継手等を介して接続される構成であってもよい。
【0025】
ポンプ12は、ポンプケーシング31と、インペラ32と、ケーシングカバー33と、密封部材34と、を備える。
【0026】
ポンプケーシング31は、インペラ32を収容する。ポンプケーシング31は、ポンプ装置1を設置する設置面やベースにボルト等で固定される脚部31aと、吸込口31bと、吐出口31cと、を備える。また、ポンプケーシング31は、モータ11側の端部が、インペラ32を内部に収容可能な開口31dと、開口31dの周囲に設けられたケーシングフランジ部31eと、を備える。
【0027】
ケーシングフランジ部31eは、ポンプケーシング31とボルト等の締結部材100と締結するための複数の雌螺子が形成される。なお、ケーシングフランジ部31eは、雌螺子部ではなく締結部材100が挿通される孔が形成される構成であってもよい。
【0028】
インペラ32は、裏シュラウド32aと、表シュラウド32bと、裏シュラウド32a及び表シュラウド32bの間に設けられる複数の羽根32cと、を備える。裏シュラウド32aは、回転軸であるモータ軸23を固定するためのボス部を有し、モータ軸23に固定される。表シュラウド32bは、水をインペラ32内に吸い込むマウス部を有する。
【0029】
図1乃至
図3に示すように、ケーシングカバー33は、ポンプケーシング31に固定されるカバー部材41と、モータブラケット22に固定されるブラケット部材42と、を備える。ケーシングカバー33は、別体に形成されたカバー部材41及びブラケット部材42が、ボルト等の締結部材100を複数用いることで、一体に形成される。
【0030】
例えば、カバー部材41は、ポンプケーシング31の流体が存する液室に配置される接液部51と、接液部51の周囲に設けられた第1フランジ部52と、接液部51のモータ側の端面に設けられた第2フランジ部53と、を備える。
【0031】
接液部51は、液室側に配置され、モータ軸23を配置する開口部51aを有する。接液部51は、開口部51aの周囲で密封部材34を支持する。例えば、接液部51は、ポンプケーシング31側に突出し、モータ11側で窪む皿状又は椀状に形成されるとともに、接液部51の中央において、ポンプケーシング31側からブラケット部材42側に有底円筒状に窪むとともに、該窪みの端面中央に開口部51aが形成される。また、接液部51は、ブラケット部材42側の内周面と開口部51aの外周面との間に複数のリブ51bを有するとともに、第2フランジ部53が配置される。
【0032】
第1フランジ部52は、ボルト等の締結部材100によって、ポンプケーシング31のケーシングフランジ部31eと締結する。第1フランジ部52は、例えば、円環状に形成される。また、第1フランジ部52は、
図2、
図4乃至
図6に示すように、円環状の一部から径方向外方に突出する締結部材100を支持する複数の座部52aと、複数の座部52aのそれぞれに形成され、締結部材100を挿通する複数の孔部52bと、を有する。ここで、複数の座部52a及び複数の孔部52bは、ケーシングフランジ部31eの雌螺子部と同数設けられる。
【0033】
複数の座部52aは、第1フランジ部52の周方向で複数箇所に、板状に径方向に突出することで形成される。例えば、複数の座部52aは、半円板状又は矩形板状に形成される。具体例として、座部52aは、6つ設けられ、そのうち4つの座部52aは半円板状に形成され、残り2つの座部52aは矩形板状に形成される。
【0034】
図2乃至
図5において、半円板状の座部52aを52a1とし、矩形板状の座部52aを52a2として示す。複数の孔部52bは、同一ピッチ円上に配置される。例えば、半円板状の座部52a1に形成される孔部52bは、第1フランジ部52の周方向で座部52a1の中央に配置され、矩形板状の座部52a2に形成される孔部52bは、第1フランジ部52の周方向で、座部52a2の一端側に配置される。
【0035】
第2フランジ部53は、ボルト等の締結部材100によって、ブラケット部材42と締結する。
図4乃至
図6に示すように、第2フランジ部53は、締結部材100を支持する複数のボス部53aと、複数のボス部53aのそれぞれに形成され、締結部材100を挿通する複数の雌螺子部53bと、有する。
【0036】
ボス部53aは、軸方向に対して直交する方向に沿った座面を有する。ボス部53aは、一つの締結部材100と螺合する一つの雌螺子部53bを配置し、そして、ブラケット部材42の後述する第4フランジ部62のボス部62aを当接できる強度を確保できる面積に設定される。複数のボス部53aは、例えば、一部が非等間隔(非等配)となるように、周方向に配置される。
【0037】
具体例として、ボス部53aは、4つ設けられ、このうち、3つのボス部53aは、等間隔である90°間隔で配置され、ポンプ装置1を横軸となるように配置した姿勢において、重力方向で上方、及び、水平方向に配置される。なお、
図5に示す中心線C1は、重力方向に沿って配置され、中心線C2は、水平方向に沿って配置される例を示す。また、4つのボス部53aのうち、残り一つのボス部53aは、周方向で隣り合う2つのボス部53aと90°以外の非等間隔で配置され、重力方向で下方であって、且つ、下端側から周方向にずれて配置される。
【0038】
図5に示す下方のボス部53aの中心線C1に対する角度θは、例えば、20°に設定される。換言すると、
図5に示す下方のボス部53aは、第2フランジ部53の中心及び下端を通る中心線C1に対して周方向で20°ずれた位置に配置され、周方向で隣り合うボス部53aからの角度がそれぞれ110°及び70°となる。なお、下方のボス部53aの中心線C1に対する角度θは、これに限定されない。
【0039】
複数の雌螺子部53bは、同一ピッチ円上に配置される。また、ボス部53aは、カバー部材41の径方向で中心側の端部に、ブラケット部材42の端面の一部が当接する溝部53cを有する。溝部53cは、ボス部53aのカバー部材41の径方向で中心側の端部に形成された切欠である。溝部53cは、カバー部材41の軸方向の端面がブラケット部材42の当接する部位の端面の一部と同様の平面状に形成されるとともに、カバー部材41の径方向の端面が、ブラケット部材42の当接する外周面の一部と同様の曲面状に形成される。複数のボス部53aは、モータ11側の端面によって、ブラケット部材42の後述する第4フランジ部62を支持し、そして、溝部53cの端面によって、ブラケット部材42の端面の一部を支持する。
【0040】
このようなカバー部材41は、鋳造によって製造された鋳物品か、又は、射出成形等によって製造された成形品である。接液部51を有するカバー部材41は、ポンプ12で用いられる流体に耐食性を有する材料で形成される。カバー部材41は、例えば、SCS(ステンレス鋳鋼:Steel Casting Stainless)や樹脂材料により形成される。なお、カバー部材41は、表面にナイロンコーティング処理が施される構成であってもよい。また、カバー部材41は、ポンプケーシング31及びブラケット部材42のそれぞれと締結部材100により締結できる強度に形成される。
【0041】
また、カバー部材41及びポンプケーシング31は、径方向で係合する凹凸を有することで、ポンプインロウ91を構成する。具体的には、ポンプケーシング31の開口31dの内周面と、カバー部材41の接液部51の外周面とが、径方向で係合する。
【0042】
即ち、ポンプケーシング31の開口31dが形成される部位及びカバー部材41の第1フランジ部52と連続する接液部51の外周面が、ポンプケーシング31及びケーシングカバー33を径方向で係合させるポンプインロウ91を構成する。
【0043】
図3、
図8乃至
図10に示すように、ブラケット部材42は、例えば、モータ11のモータブラケット22に設けられる第3フランジ部61と、第2フランジ部53と接続される第4フランジ部62と、第3フランジ部61及び第4フランジ部62を連結する連結部63と、第4フランジ部62に設けられた保護部64と、を備える。
【0044】
第3フランジ部61は、ボルト等の締結部材100によって、モータブラケット22のモータフランジ部22aと締結する。第3フランジ部61は、例えば、円環状に形成されるとともに、円環状の一部から径方向外方に突出する締結部材100を支持する複数の座部61aと、複数の座部61aのそれぞれに形成され、締結部材100を挿通する複数の孔部61bと、を有する。
【0045】
複数の座部61aは、第3フランジ部61の周方向で複数箇所に、半円板状に径方向に突出することで形成される。具体例として、座部61aは、4つ設けられる。
【0046】
第4フランジ部62は、締結部材100によって、カバー部材41の第2フランジ部53と締結する。第4フランジ部62は、例えば、円環状に形成されるとともに、円環状の一部から径方向内方に突出する締結部材100を支持する複数のボス部62aと、複数のボス部62aにそれぞれ形成され、締結部材100を挿通する複数の孔部62bと、を有する。
【0047】
複数のボス部62aは、第2フランジ部53の複数のボス部53aと同数である。複数のボス部62aは、複数のボス部53aのそれぞれと対向可能に、第4フランジ部62に設けられる。ボス部62aは、軸方向に対して直交する方向に沿った座面を有する。
【0048】
ボス部62aは、一つの締結部材100と螺合する一つの孔部62bを配置し、そして、孔部62bに挿入された締結部材100の頭部を配置できる大きさに設定される。複数のボス部62aは、第2フランジ部53の複数のボス部53aと同様に、例えば、一部が非等間隔(非等配)となるように、周方向に配置される。
【0049】
具体例として、ボス部62aは、4つ設けられ、このうち、3つのボス部62aは、等間隔である90°間隔で配置され、ポンプ装置1を横軸となるように配置した姿勢において、重力方向で上方、及び、水平方向に配置される。なお、
図10に示す中心線C1は、重力方向に沿って配置され、中心線C2は、水平方向に沿って配置される例を示す。4つのボス部62aのうち、残り一つのボス部62aは、周方向で隣り合う2つのボス部62aと90°以外の間隔で配置され、重力方向で下方であって、且つ、下端側から周方向にずれて配置される。
【0050】
図10に示す下方のボス部62aの中心線C1に対する角度θは、対応する第2フランジ部53の下方のボス部62aと同様に、例えば、20°に設定される。換言すると、
図10に示す下方のボス部62aは、第4フランジ部62の中心及び下端を通る中心線C1に対して周方向で20°ずれた位置に配置され、周方向で隣り合うボス部62aからの角度がそれぞれ110°及び70°となる。なお、下方のボス部62aの中心線C1に対する角度θは、これに限定されないが、対向して当接する第2フランジ部53の下方のボス部53aと同じ角度に設定される。
【0051】
また、ボス部62aは、ブラケット部材42の径方向で中心側の端部であって、カバー部材41側に突出する、第2フランジ部53のボス部53aに形成された溝部53cと当接する突起部62cを有する。
【0052】
複数の孔部62bは、同一ピッチ円上に配置される。複数の孔部62bは、複数のボス部62aが第2フランジ部53の複数のボス部53aと対向したときに、第2フランジ部53の複数のボス部53aにそれぞれ形成された雌螺子部53bと対向する。
【0053】
複数のボス部62aのカバー部材41側の端面が第2フランジ部53の複数のボス部53aと当接するとともに、突起部62cが第2フランジ部53の複数のボス部53aに形成された溝部53cと径方向で係合することで、ブラケット部材42は、カバー部材41の軸方向及び径方向の位置が規定される。
【0054】
連結部63は、第3フランジ部61及び第4フランジ部62に設けられ、周方向に開口を有して間欠的に形成された筒状に形成される。換言すると、連結部63は、複数の接続片63aが、周方向で離間して配置されることで構成される。
【0055】
複数の接続片63aは、第3フランジ部61及び第4フランジ部62を連結する。複数の接続片63aは、第3フランジ部61及び第4フランジ部62を一体に連結する。具体例として、複数の接続片63aのうち二つの接続片63aが、複数のボス部62aのうち一つのボス部62aを第3フランジ部61に連結する。
【0056】
即ち、1つのボス部62aに対して2つの接続片63aによって第3フランジ部61にボス部62aが連結されることから、本実施形態において、ボス部62aが4つ設けられるとともに、接続片63aは8つ設けられ、そして、これら8つの接続片63aは、周方向に所定の間隔を開けて配置される。複数のボス部62aの一部が非等間隔で配置されることから、複数の接続片63aは、一部において非等間隔で配置されるとともに、非等間隔のボス部62aに設けられる接続片63aは、他の接続片63aよりも周方向で異なる大きさに設定される。
【0057】
このようなボス部62a及びボス部62aを第3フランジ部61に連結する2つの接続片63aは、例えば、締結ボルトの組立性を向上するために、汎用性のある工具が入る形状、大きさ及び寸法等に設定される。即ち、第3フランジ部61、ボス部62a及び2つの接続片63aの間には、締結部材100を配置可能、且つ、配置した締結部材100を締結する工具が配置可能な空間(隙間)が形成される。
【0058】
保護部64は、第4フランジ部62に設けられる。具体的には、保護部64は、ブラケット部材42の径方向で中心側の端部であって、モータ11側に突出する複数の保護片64aを有する。そして、これら複数のボス部62aにそれぞれ形成された複数の保護片64aによって、周方向で間欠的に離間する保護部64が形成される。
【0059】
これら複数の保護片64aの内接円(保護部64の内接円)の直径は、モータ軸23の外径よりも大径である。保護部64は、連結部63の周方向に設けられた複数の開口のうち、保護片64aと同数の開口の一部と径方向で対向して配置される。即ち、保護部64は、保護片64aがポンプ装置1のモータ軸(回転軸)23と連結部63の開口との間に配置されることで、異物等がモータ軸23の回転に巻き込まれることを抑制する。
【0060】
このようなブラケット部材42は、鋳造によって製造された鋳物品である。また、ブラケット部材42は、カバー部材41と異なる材料で形成される。ブラケット部材42は、例えば、FC(ねずみ鋳鉄)等の安価な鋳鉄等のカバー部材41と異なる材料で形成される。ブラケット部材42は、カバー部材41及びモータ11のそれぞれと締結部材100により締結できる強度を有する。
【0061】
このようなブラケット部材42及びモータブラケット22が径方向で係合する凹凸を有することで、モータインロウ92を構成する。
【0062】
具体的には、モータブラケット22は、環状の突起22dを有し、ブラケット部材42は、第3フランジ部61の内周面がモータブラケット22の突起22dと係合する。即ち、モータブラケット22の突起22d及びブラケット部材42の第3フランジ部61がモータ11及びポンプ12を径方向で係合させるモータインロウ92を構成する。
【0063】
また、このようなブラケット部材42は、カバー部材41と締結される第4フランジ部62の複数のボス部62aの孔部62bを、一部非等配とすることで、カバー部材41とブラケット部材42とを締結したときに、カバー部材41及びブラケット部材42の組み間違いを防止できることから、高い作業性(組み立て性)を有することができる。
【0064】
このように構成されたポンプケーシング31は、例えば、第2フランジ部53及び第4フランジ部62の締結位置がポンプインロウ91及びモータインロウ92の少なくとも一方よりも径方向で内方(中心軸側)に配置される。
【0065】
密封部材34は、例えばメカニカルシールである。密封部材34は、モータ軸23とケーシングカバー33の接液部51との間を密封する。
【0066】
このように構成されたポンプ装置1は、モータ11及びポンプ12を、ポンプ12が有するカバー部材41及びブラケット部材42の2部品によって形成されるケーシングカバー33によって接続する。このため、異なる機種であっても、モータ11又はポンプケーシング31に接続されるカバー部材41及びブラケット部材42の一方を兼用することができる。例えば、あるシリーズのポンプ装置1において、ポンプ12が同じであっても、モータ11の出力が異なる場合が有る。モータ11の出力が異なる機種や型式が異なっても、カバー部材41及びブラケット部材42を、複数の機種や型式に用いることができる。
【0067】
具体的に説明すると、例えば、ポンプ装置1を製造又は販売している会社の同一機種において、同じ口径(種類)のポンプ12においても、異なる出力(種類)のモータ11を使用することがある。または、異なる機種において、異なるポンプ12に同じ出力(種類)のモータ11を使用することがある。
【0068】
このため、口径が同じポンプ12においては、同じカバー部材41を用いることができ、そして、異なる出力のモータ11においては、異なるブラケット部材42が用いられる。
【0069】
例えば、
図11乃至
図14に、他の例の実施形態として、
図1乃至
図10と異なる出力のモータ11を用いたポンプ装置1及びブラケット部材42の例を示す。なお、
図11乃至
図14に示す他の例のポンプ装置1は、上述した
図1乃至
図10に示すポンプ装置1と、寸法が異なるだけであることから、同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0070】
図11乃至
図14に示すように、他の例のブラケット部材42は、第3フランジ部61を、対応するモータ11のモータフランジ部22aの複数の雌螺子部22cのピッチ円に合わせたピッチ円上に孔部61bを配置する構成とするが、他の例のブラケット部材42のうち、第4フランジ部62は、
図1乃至
図10のポンプ装置1のポンプ12のカバー部材41と接続できる形状、即ち、
図1に示すポンプ装置1のブラケット部材42の第4フランジ部62と同じ形状を有する。
【0071】
このため、
図11乃至
図14の他の例のブラケット部材42は、
図1乃至
図10のポンプ装置1とは異なるモータ11に締結できる構成であるが、
図1乃至
図7に示すカバー部材41に締結できる構成となる。
【0072】
なお、
図11の他の例のポンプ装置1に用いられるモータ11は、
図1のポンプ装置1に用いられるモータ11よりも出力の小さい小型のモータ11であることから、他の例のブラケット部材42の第3フランジ部61は、
図1のポンプ装置1に用いられるブラケット部材42の第3フランジ部61よりも小さい。また、他の例の第4フランジ部62の大きさは、
図1のポンプ装置1に用いられるブラケット部材42の第4フランジ部62と同じ大きさである。
【0073】
このため、例えば、他の例の第4フランジ部62は、環状に形成されるとともに、複数のボス部62aが径方向外方に配置される。また、第3フランジ部61及び第4フランジ部62を接続する連結部63は、例えば、等配のボス部62aが二つの接続片63aにより第3フランジ部61に連結され、そして、非等配のボス部62aが一つの接続片63aにより第3フランジ部61に連結される。
【0074】
また、異なる機種又は異なる口径のポンプ12において、同じ出力のモータ11を使用することがある。このため、異なる機種又は異なる口径のポンプ12には、異なるカバー部材41が用いられ、そして、同じ出力のモータ11には同じブラケット部材42が用いられる。
【0075】
このように、モータ11及びポンプ12を接続するケーシングカバー33を、カバー部材41及びブラケット部材42の2部品とし、そして、カバー部材41及びブラケット部材42を締結する第2フランジ部53及び第4フランジ部62を、異なる機種、異なる口径及び異なる出力のモータ11及びポンプ12に接続する場合であっても、同じ形状とする。このため、カバー部材41及びブラケット部材42の一方をモータ11又はポンプ12が同じ機種において兼用することができる。
【0076】
また、ポンプ装置1のケーシングカバー33をカバー部材41及びブラケット部材42の2部品とすることで、簡素な形状とすることができる。このため、カバー部材41及びブラケット部材42を鋳造で製造するときに、中子を用いる必要がないか、又は、簡単な形状の中子を用いればよい。このため、ポンプ装置1及びケーシングカバー33は、容易に製造することが可能となる。また、カバー部材41及びブラケット部材42が簡素な形状であるから、品質の低下を抑制でき、精度のばらつきを抑制することができる。また、カバー部材41及びブラケット部材42を容易に製造可能とすることで、調達も容易となる。
【0077】
また、ケーシングカバー33を、ポンプケーシング31を覆い、且つ、ポンプケーシング31内の流体に接触する接液部51を有するカバー部材41と、流体に接触しないブラケット部材42とを別体とすることで、カバー部材41に、流体に対して腐食耐性を有する材料や、流体を汚染することを抑制できる材料を用いることができる。また、流体に接触しないブラケット部材42は、流体を考慮した材料を用いることを要しないことから、生産性やコストを考慮した材料を用いることができる。
【0078】
また、カバー部材41の複数のボス部53a、及び、ブラケット部材42の複数のボス部62aは、一部が非等配となるように配置される。このため、ポンプ装置1が横軸ポンプであるため、カバー部材41及びブラケット部材42の90°間隔で配置された三つのボス部53a、62aを重力方向で上方及び水平方向で左右となるように配置し、そして、下方のボス部53a、62aは、重力方向で下方から周方向にずれて配置される非等配である。
【0079】
このため、下方のボス部53a、62aが重力方向に対してずれて配置されることから、該ボス部53a、62aは、モータ軸(回転軸)23の下方に存しないか、又は、モータ軸23の下方からずれて配置される。よって、結露水、ドレン水、雨水及び漏水等が、該ボス部53a、62aに溜まることを防止できる。また、カバー部材41及びブラケット部材42のボス部53a、62aが非等配であることから、所定の位置関係を規定することができることから、組み間違い等を防止できる。
【0080】
上述したように、本発明の一実施形態に係るポンプ装置1及びケーシングカバー33によれば、分割され、そして、締結できるカバー部材41及びブラケット部材42により、モータ11に締結されるケーシングカバー簡素な形状であって、機種が異なっても一部兼用化が可能となる。
【0081】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述したポンプ装置1の例では、インペラ32を一枚有する単段ポンプの例でポンプ12を説明したが、これに限定されない。例えば、ポンプ装置1は、複数のインペラ32を備える構成であってもよい。例えば、
図15に、二枚のインペラ32を備えるポンプ装置1の例を示す。なお、
図115に示す他の例のポンプ装置1は、上述した
図1及び
図11に示すポンプ装置1とインペラ32の数及びインペラ32の数による構成の違いがあるが、同様の構成であることから、同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0082】
また、上述した例では、ポンプケーシング31のカバー部材41は、接液部51として、第1フランジ部52からポンプケーシング31側に突出する形状の例を説明したがこれに限定されない。例えば、
図15に示す例のように、接液部51は、ポンプケーシング31及びインペラ32の形状や、ポンプケーシング31に形成される室の形状に応じて、適宜形状を設定可能である。また、カバー部材41の第2フランジ部53及びブラケット部材42の第4フランジ部62の位置についても上述した例に限定されない。
【0083】
例えば、第1フランジ部52よりも径方向で外方に第2フランジ部53が配置されていてもよい。即ち、ケーシングカバー33は、異なるモータ11又は異なるポンプ12に接続される場合であっても、カバー部材41及びブラケット部材42を締結する第2フランジ部53及び第4フランジ部62が同じ形状に形成されていればよい。
【0084】
また、上述した例では、ポンプ装置1は、横軸ポンプの例を説明したがこれに限定されない。例えば、
図16に示すように、ポンプ装置1は、縦軸ポンプとしてもよい。なお、
図16に示す他の例のポンプ装置1は、上述した
図1、
図11及び
図15に示す横形のポンプ装置1と縦形である点が異なるだけであり、同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0085】
なお、立形のポンプ装置1とした場合であって、且つ、密封部材34がメカニカルシールである場合に、例えば、メカニカルシールのエア抜き用のフラッシング穴をカバー部材41に設けることがある。
【0086】
しかしながら、このとき、ポンプケーシング31の吸込口31bと連通するフラッシング穴は、フラッシング効果向上のために、ポンプケーシング31の周方向で吸込口31bと同方向に配置することが望ましい。
【0087】
なお、ポンプケーシング31の吐出口31cと連通するフラッシング穴は、フラッシング穴と吐出口31cとの圧力差が生じる位置であればフラッシング効果が得られるので、ポンプケーシング31の周方向で吸込口31bとずれていてもよい。
【0088】
また、ボス部53aがあると、フラッシング穴が設けられないことがある。しかしながら、カバー部材41の複数のボス部53aは、一部を非等配であることから、吸込口31b側のフラッシング穴を吸込口31bと周方向で同方向に配置し、非等配のボス部53aを該フラッシング穴と周方向とずれて配置させる。また、カバー部材41の複数のボス部53aのうち、等配のボス部53aを吐出口31cと周方向で同位置に配置し、フラッシング穴を吐出口31cからずらして配置する。このような構成とすることで、立形のポンプ装置1は、高いフラッシング効果を得ることができる。また、ケーシングカバー33は、立形のポンプ装置1及び横形のポンプ装置1の双方で、兼用化が可能となる。
【0089】
なお、上述した例においては、ポンプ装置1の構成を一部省略して説明しているが、ポンプ装置1の機能を発揮する為に必要な構成は適宜追加、変更することも可能である。
【0090】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0091】
1…ポンプ装置、11…モータ、12…ポンプ、21…モータケーシング、22…モータブラケット、22a…モータフランジ部、22b…開口、22c…雌螺子部、22d…突起、23…モータ軸(回転軸)、24…軸受、31…ポンプケーシング、31a…脚部、31b…吸込口、31c…吐出口、31d…開口、31e…ケーシングフランジ部、32…インペラ、32a…裏シュラウド、32b…表シュラウド、32c…羽根、33…ケーシングカバー、34…密封部材、41…カバー部材、42…ブラケット部材、51…接液部、51a…開口部、51b…リブ、52…第1フランジ部、52a、52a1、52a2…座部、52b…孔部、53…第2フランジ部、53a…ボス部、53b…雌螺子部、53c…溝部、61…第3フランジ部、61a…座部、61b…孔部、62…第4フランジ部、62a…ボス部、62b…孔部、62c…突起部、63…連結部、63a…接続片、64…保護部、64a…保護片、91…ポンプインロウ、92…モータインロウ、100…締結部材、C1…中心線、C2…中心線、θ…角度。