IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲コウ▼心科技股▲分▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041648
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】人体のリアルタイム監視デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022143019
(22)【出願日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】17/892,121
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/243,108
(32)【優先日】2021-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522358157
【氏名又は名称】▲コウ▼心科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】蔡富吉
(72)【発明者】
【氏名】黄繼徳
(72)【発明者】
【氏名】洪如郁
(72)【発明者】
【氏名】郭承儀
(72)【発明者】
【氏名】呂志堅
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB02
4C117XC15
4C117XE13
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE28
4C117XE60
4C117XE62
4C117XG05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】同時に生理学的パラメータ(例えば、心拍数と呼吸数)を測定し、人体(例えば、乳児)の体調を決定するためのリアルタイム監視デバイスを開示すること。
【解決手段】リアルタイム監視デバイスは、センサモジュール1Sとプロセッサモジュール1Pを含み、センサモジュールは、乳児のような人体に接触してセンシング作業を行う。プロセッサモジュールは、体温検知信号、第1の音声信号、及び体動検知信号を受信するためにセンサモジュールに結合され、体から発せられる音を収集することによって第2の音声信号を生成するように構成されている。プロセッサモジュールは、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号及び体動検知信号を処理して解析する後、乳児の体調を決定するように構成される。また、プロセッサは乳児の生理学的パラメータを推定するように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体のリアルタイム監視デバイスであって、
第1の本体と、前記第1の本体に設けられた、第1のマイクロフォン、温度センサ及び慣性センサを含む第1の回路ユニットとを含むセンサモジュールと、
第2の本体と、前記第2の本体に設けられた、第2のマイクロフォン、マイクロプロセッサ、メモリ及び無線伝送インターフェースを含む第2の回路ユニットとを含むプロセッサモジュールと、を含み、
前記第1の本体がその本体接触面を介して人体に接触することを可能にし、前記メモリは、命令を含むアプリケーションを記憶して、前記アプリケーションを実行する場合に、前記マイクロプロセッサが
前記人体からの体温を測定ように前記温度センサを制御して、体温検知信号を生成し、
前記人体から発する音を集音するように前記第1のマイクロフォンを制御して、前記第1の音声信号を生成し、
前記人体の動き及び/又は振動を監視するように前記慣性センサを制御して、体動検知信号を生成し、
前記人体から発する音と環境音とを集音するように前記第2のマイクロフォンを制御して、第2の音声信号を生成し、
前記第1の音声信号と前記第2の音声信号及び前記体動検知信号とを比較することにより、前記人体が少なくとも1つの体調を有するか否かを判断し、
前記体調が排泄、異常心拍数(HR)、異常呼吸数(RR)、異常腸音の発信、気道閉塞、深い眠りへの進入、軽度睡眠への進入及び異常睡眠への進入からなる組から選択した少なくとも一つを含むを決定するように、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号を解析するように構成される、人体のリアルタイム監視デバイス。
【請求項2】
前記アプリケーションは複数のサブプログラムで構成され、前記複数のサブプログラムは、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記温度センサを制御して前記人体から体温を測定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第1のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、第1のマイクロフォンを制御して前記人体から発せられる音を集音するよう、前記第2のマイクロフォンを制御して前記人体から発せられる音と前記環境音を集音するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第2のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記慣性センサを制御して前記人体の動き及び/又は振動を監視するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第3のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び/又は前記体動検知信号を処理するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第4のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号にそれぞれ含まれる4つのタイムスタンプに基づいて、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号に信号同期処理を適用するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第5のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号及び前記体動検知信号とを比較して、前記人体が少なくとも1つの体調を持っているかどうかを判断し、前記体調を決定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第6のサブプログラムと、を含む、請求項1に記載の人体のリアルタイム監視デバイス。
【請求項3】
前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号から推定された体温を計算し、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号を処理することによって、前記人体の少なくとも1つの心拍数(HR)と呼吸数(RR)から選ばれる生理学的パラメータを推定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第7のサブプログラムを含む請求項2に記載の人体のリアルタイム監視デバイス。
【請求項4】
前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記体動検知信号、前記第1の音声信号の第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を解析することによって前記第1の本体と前記人体との間の良好な接触の有無を判断するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第8のサブプログラムを含む請求項3に記載の人体のリアルタイム監視デバイス。
【請求項5】
前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、通常の範囲を超える前記体調及び/又は少なくとも1つの前記生理学的パラメータがある場合に警告信号を生成し、前記警告信号を前記無線伝送インターフェースを介して電子デバイスに送信するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第9のサブプログラムを含む請求項4に記載の人体のリアルタイム監視デバイス。
【請求項6】
前記電子デバイスは、信号送受信機装置、タブレットコンピュータ、クラウドサーバ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、一体型コンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラスから選択される請求項5に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項7】
前記メモリは、内蔵フラッシュ(eFlash)メモリ、フラッシュメモリチップ、ハードディスクドライブ(HD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びUSBフラッシュドライブから選択される請求項5に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサには、アナログ-デジタル(A/D)変換器が内蔵されている。前記A/D変換器は前記第1の音声信号を直接デジタル化し、前記第2の音声信号を第1のサンプリングレートでデジタル化し、前記体動検知信号を第2のサンプリングレートでデジタル化する請求項5に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項9】
前記第1のサンプリングレートは4kHz以下であり、前記第2のサンプリングレートは120Hz以下である請求項8に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項10】
前記第1の本体は、前記第1の回路ユニットを収容するための第1の収容空間を有し、第1のカバーは、前記第1の回路ユニットを遮蔽するように前記第1の収容空間の第1の開口に接続されている請求項1に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項11】
前記第1の収容空間の底部に孔が形成され、前記孔を介して前記第1のマイクロフォンが前記第1の本体の外に露出する請求項10に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項12】
第1の本体の本体接触面に円形凹部が形成され、前記円形凹部は、深さに対する直径の比率が6以下となるように、4.5MM~20MMの範囲内の深さと直径を有している請求項11に記載の人体リアルタイムモニタ装置。
【請求項13】
前記深さの最小値は1.5MMである請求項12に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項14】
前記第2の本体は、前記第2の回路ユニットを収容するための第2の収容空間を有し、第2のカバーは、前記第2の回路ユニットを遮蔽するように前記第2の収容空間の第2の開口に接続されている請求項12に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項15】
前記第1の本体と前記第2の本体との間に本体接続部材が接続され、前記本体接続部材には、電気接続部材が設けられることによって、前記第1の回路ユニットが前記電気接続部材を介して前記第2の回路ユニットに結合される請求項12に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項16】
さらに、
前記第2の収容空間に設けられ、前記第2の収容空間の底部に対向するテーブル及び複数の支持棒とを含み、前記第2の回路ユニットが、前記複数の支持棒と前記テーブルの底面とで形成される空間に位置される物品支持ユニットを含む請求項14に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサモジュールはさらに、
前記テーブルの上面に設けられ、前記第2の回路ユニットに結合された無線充電モジュールと、
前記第2の回路ユニットに接続される電池とを含む請求項16に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項18】
前記第2の本体、前記本体接続部材及び前記第1の本体は、装着キットに固定され、人体に装着される物品に前記装着キットを装着した後に、前記第1の本体がその本体接触面で人体に接触するように設定される請求項15に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項19】
第1の本体が人体に接触するように設けられる場合には、機器固定部材を用いて前記第2の本体を前記物品にさらに固定する請求項18に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【請求項20】
前記第2の本体と前記第1の本体とを機器固定部材に接続させ、前記第2の本体と前記第1の本体とが前記機器固定部材を介して前記人体に接続されることで、第1の本体がその本体接触面を介して人体に接触する請求項15に記載の人体リアルタイム監視デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の体調及び/又は生理学的パラメータを監視するように構成される電子デバイスの技術分野に関し、より具体的には、人体のリアルタイム監視デバイスに関する。
本出願は、2021年9月21日に提出された、名称が「Real-tiMe Monitoring systeM for Babies」である米国仮特許出願No.63/243,108の優先権を主張している。当該出願の全内容は引用により全ての目的のためにここに組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
多くの乳児監視システムが提案されている。例えば、米国特許第9,402,596 B1には腸音分析システムが開示されており、米国特許第8,094,013 B1には乳児モニターシステムが開示されており、米国特許第8,461,996 B2には乳児モニターが開示されており、米国特許公開第2005/0195085A1にはおむつの湿度、運動、温度、音の無線監視システムが開示されている。
【0003】
米国特許第9,402,596B1号の開示によれば、腸音分析システムは腸運動信号を収集して分析するだけで乳児の腸管の健康状態を決定するように構成されており、同時に生理学的パラメータ(例えば心拍数と呼吸数)を測定し、及び/又は乳児の体調を決定することはできない。一方、米国特許第8,094,013B1号の公開内容によれば、乳児監視システムは、子供の呼吸速度を測定し、子供の身体的配向を決定するために構成されており、排泄などの少なくとも1つの体の動きを監視することは許されていない。また、米国特許第8,461,996B1号によれば、乳児モニターは、呼吸、心拍、体温などをモニターするように乳児の体の動きを測定ために構成されている。しかし、乳児モニターは、まだ乳児の少なくとも1つの体の動き(例えば、排泄)を監視又は決定することはできない。
【0004】
以上の説明を踏まえると、従来の乳児監視システムには改善の余地があることが理解されるべきである。この事実に監み、本願発明者は、進歩的な研究を行うために多大な努力をしてきた結果、人体(乳児の身体)のリアルタイム監視デバイスを提供するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、同時に生理学的パラメータ(例えば、心拍数と呼吸数)を測定し、人体(例えば、乳児)の体調を決定するためのリアルタイム監視デバイスを開示することである。このリアルタイム監視デバイスは、乳児の体に接触して体温を測定し、体から発せられる音を収集し、体の動き及び/又は振動を監視して体温検知信号、第1の音声信号及び体動検知信号を生成するためのセンサモジュールと、プロセッサモジュールを含む。他方、このプロセッサモジュールはセンサモジュールに結合され、身体から発せられる音と環境音を収集した後、第2の音声信号を生成し、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号、体動検知信号に信号解析処理を適用した後、乳児が体調を持っているかどうかを決定するように構成されている。この体調には、排泄、異常心拍数(HR)、異常呼吸数(RR)、異常腸音の発生、気道閉塞、深い睡眠への進入、軽度睡眠への進入、異常睡眠への進入が含まれる。また、プロセッサモジュールは、第1の音声信号、第2の音声信号及び体動検知信号を処理及び分析した後、心拍数及び呼吸数を含む乳児の生理学的パラメータも推定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の主な目的を達成するために、本発明は、
第1の本体と、前記第1の本体に設けられた、第1のマイクロフォン、温度センサ及び慣性センサを含む第1の回路ユニットとを含むセンサモジュールと、
第2の本体と、前記第2の本体に設けられた、第2のマイクロフォン、マイクロプロセッサ、メモリ及び無線伝送インターフェースを含む第2の回路ユニットとを含むプロセッサモジュールと、を含む人体のリアルタイム監視デバイスであって、
前記第1の本体がその本体接触面を介して人体に接触することを可能にし、前記メモリは、命令を含むアプリケーションを記憶して、前記アプリケーションを実行する場合に、前記マイクロプロセッサが
前記人体からの体温を測定ように前記温度センサを制御して、体温検知信号を生成し、
前記人体から発する音を集音するように前記第1のマイクロフォンを制御して、前記第1の音声信号を生成し、
前記人体の動き及び/又は振動を監視するように前記慣性センサを制御して、体動検知信号を生成し、
前記人体から発する音と環境音とを集音するように前記第2のマイクロフォンを制御して、第2の音声信号を生成し、
前記第1の音声信号と前記第2の音声信号及び前記体動検知信号とを比較することにより、前記人体が少なくとも1つの体調を有するか否かを判断し、
前記体調が排泄、異常心拍数(HR)、異常呼吸数(RR)、異常腸音の発信、気道閉塞、深い眠りへの進入、軽度睡眠への進入及び異常睡眠への進入からなる組から選択した少なくとも一つを含むを決定するように、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号を解析するように構成される、人体のリアルタイム監視デバイスの実施形態を提供する。
【0007】
一実施形態では、前記アプリケーションは複数のサブプログラムで構成され、前記複数のサブプログラムは、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記温度センサを制御して前記人体から体温を測定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第1のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、第1のマイクロフォンを制御して前記人体から発せられる音を集音するよう、前記第2のマイクロフォンを制御して前記人体から発せられる音と前記環境音を集音するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第2のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記慣性センサを制御して前記人体の動き及び/又は振動を監視するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第3のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び/又は前記体動検知信号を処理するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第4のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号にそれぞれ含まれる4つのタイムスタンプに基づいて、前記体温検知信号、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号に信号同期処理を適用するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第5のサブプログラムと、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号及び前記体動検知信号とを比較して、前記人体が少なくとも1つの体調を持っているかどうかを判断し、前記体調を決定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第6のサブプログラムと、を含む。
【0008】
一実施形態では、前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号から推定された体温を計算し、前記第1の音声信号、前記第2の音声信号及び前記体動検知信号を処理することによって、前記人体の少なくとも1つの心拍数(HR)と呼吸数(RR)から選ばれる生理学的パラメータを推定するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第7のサブプログラムを含む。
【0009】
一実施形態では、前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、前記体温検知信号、前記体動検知信号、前記第1の音声信号の第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を解析することによって前記第1の本体と前記人体との間の良好な接触の有無を判断するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第8のサブプログラムを含む。
【0010】
一実施形態では、前記複数のサブプログラムは、さらに、
一種のプログラミング言語でコンパイルされて前記アプリケーションに統合され、通常の範囲を超える前記体調及び/又は少なくとも1つの前記生理学的パラメータがある場合に警告信号を生成し、前記警告信号を前記無線伝送インターフェースを介して電子デバイスに送信するように前記マイクロプロセッサを構成するための命令を含む第9のサブプログラムを含む。
【0011】
一実施形態では、前記電子デバイスは、信号送受信機装置、タブレットコンピュータ、クラウドサーバ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、一体型コンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラスから選択される。
【0012】
一実施形態では、前記メモリは、内蔵フラッシュ(eFlash)メモリ、フラッシュメモリチップ、ハードディスクドライブ(HD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びUSBフラッシュドライブから選択される。
【0013】
一実施形態では、前記マイクロプロセッサには、アナログ-デジタル(A/D)変換器が内蔵されている。前記A/D変換器は前記第1の音声信号を直接デジタル化し、前記第2の音声信号を第1のサンプリングレートでデジタル化し、前記体動検知信号を第2のサンプリングレートでデジタル化する。
【0014】
一実施形態では、前記第1のサンプリングレートは4kHz以下であり、前記第2のサンプリングレートは120Hz以下である。
【0015】
一実施形態では、前記第1の本体は、前記第1の回路ユニットを収容するための第1の収容空間を有し、第1のカバーは、前記第1の回路ユニットを遮蔽するように前記第1の収容空間の第1の開口に接続されている。
【0016】
一実施形態では、前記第1の収容空間の底部に孔が形成され、前記孔を介して前記第1のマイクロフォンが前記第1の本体の外に露出する。
【0017】
一実施形態では、第1の本体の本体接触面に円形凹部が形成され、前記円形凹部は、深さに対する直径の比率が6以下となるように、4.5MM~20MMの範囲内の深さと直径を有している。
【0018】
一実施形態では、前記深さの最小値は1.5MMである。
【0019】
一実施形態では、前記第2の本体は、前記第2の回路ユニットを収容するための第2の収容空間を有し、第2のカバーは、前記第2の回路ユニットを遮蔽するように前記第2の収容空間の第2の開口に接続されている。
【0020】
一実施形態では、前記第1の本体と前記第2の本体との間に本体接続部材が接続され、前記本体接続部材には、電気接続部材が設けられることによって、前記第1の回路ユニットが前記電気接続部材を介して前記第2の回路ユニットに結合される。
【0021】
一実施形態では、本発明に係るリアルタイム監視デバイスによれば、さらに、
前記第2の収容空間に設けられ、前記第2の収容空間の底部に対向するテーブルと複数の支持棒とを含み、前記第2の回路ユニットが、前記複数の支持棒と前記テーブルの底面とによって形成される空間に位置される物品支持ユニットを含む。
【0022】
一実施形態では、前記プロセッサモジュールは、さらに、
前記テーブルの上面に設けられ、前記第2の回路ユニットに結合された無線充電モジュールと、
前記第2の回路ユニットに接続される電池とを含む。
【0023】
一の実行可能な実施形態では、前記第2の本体、前記本体接続部材及び前記第1の本体は、装着キットに固定され、人体に装着される物品に前記装着キットを装着した後に、前記第1の本体がその本体接触面で人体に接触するように設定される。また、第1の本体が人体に接触するように設けられる場合には、機器固定部材を用いて前記第2の本体を前記物品にさらに固定することができる。
【0024】
もう一つの実行可能な実施形態では、前記第2の本体と前記第1の本体とを機器固定部材に接続させ、前記第2の本体と前記第1の本体とが前記機器固定部材を介して前記人体に接続されることで、第1の本体がその本体接触面を介して人体に接触するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明ならびにその好ましい使用形態及び利点は、図面と併せて例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
図1A】本発明による人体のリアルタイム監視デバイスの第1斜視図を示す。
図1B】リアルタイム監視デバイスの第2斜視図を示す。
図2】リアルタイム監視デバイスの応用を説明するための図である。
図3A】リアルタイム監視デバイスの第3斜視図を示す。
図3B】リアルタイム監視デバイスの第4斜視図を示す。
図3C】リアルタイム監視デバイスの第5図を示す。
図3D】リアルタイム監視デバイスの第6斜視図を示す。
図4A】リアルタイム監視デバイスの第7斜視図を示す。
図4B】リアルタイム監視デバイスの第8斜視図を示す。
図5A】リアルタイム監視デバイスの第1分解図を示す。
図5B】リアルタイム監視デバイスの第2分解図を示す。
図6】第1のマイクロフォン、温度センサ、慣性センサ、第2のマイクロフォン、マイクロプロセッサ、メモリ及び無線伝送インターフェースのブロック図を示す。
図7】体動検知信号、体温検知信号及び第1の音声信号の測定データを示す図である。
図8】気道閉塞特性を含む第1の音声信号のFFTスペクトログラムを示す。
図9】第1の音声信号、第1の音声信号のFFTスペクトログラム、第2の音声信号、第2の音声信号のFFTスペクトログラム及び体動検知信号の測定データチャートを示す。
図10】第1の音声信号、第1の音声信号のFFTスペクトログラム、第2の音声信号、第2の音声信号のFFTスペクトログラム及び体動検知信号の測定データチャートを示す。
図11】心拍数信号、呼吸数信号及び体安静信号の測定データグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る人体リアルタイム監視デバイスをより明確に説明するために、以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
図1A図1Bを参照して、本発明に係る人体のリアルタイム監視デバイスの第1斜視図と第2斜視図が提供されている。リアルタイム監視デバイス1は、特に、生理学的パラメータ(例えば、心拍数及び呼吸数)を同時に測定し、人体(例えば、乳児)の体調を決定するように設計される。図1A及び図1Bに示すように、リアルタイム監視デバイス1は、センサモジュール1Sと、プロセッサモジュール1Pと、センサモジュール1Sとプロセッサモジュール1Pとの間に接続された本体接続部材1Bとを含む。また、図2は、リアルタイム監視デバイスの応用を説明するための図を示す。図1A図1B及び図2から理解するように、センサモジュール1S、プロセッサモジュール1P及び本体接続部材1Bは、本体接続部材1Bが第1の曲率を有するように屈曲するように装着キット1Kに固定可能である。
【0028】
一方、図3A図3B図3Cは、それぞれリアルタイム監視デバイスの第3斜視図、第4斜視図、第5斜視図を示す。このリアルタイム監視デバイス1を使用する際には、第2の本体13、本体接続部材1B及び第1の本体11を装着キット1Kに固定し、その後、装着キット1Kを人体に装着された物品(例えば、乳児の身体2に装着されたおむつ21)に設置できるようにすることができる。この場合、リアルタイム監視デバイス1は、装着キット1Kを介しておむつ21の上端開口縁に吊り下げられ、センサモジュール1Sがその本体接触面を介して人体(例えば、乳児の身体2)に接触するように設置される。さらに、図3Dはリアルタイム監視デバイスの第6斜視図を示す。図3Dに示すように、センサモジュール1Sが身体2に接触するように設置される場合、第1の機器固定部材1PTを用いてプロセッサモジュール1Pを身体2の物品(すなわちおむつ21)にさらに固定することができる。
【0029】
図4A及び図4Bは、それぞれリアルタイム監視デバイスの第7斜視図及び第8斜視図を示す。別の応用例としては、図4A及び図4Bに示すように、リアルタイム監視デバイス1を展開して、本体接続部材1Bが上記第1の曲率よりも小さい第2の曲率を有するようにすることができる。この場合、リアルタイム監視デバイス1は、第2の機器固定部材(未図示)に接続された後、第2の機器固定部材を介して身体2に取り付けて、センサモジュール1Sがその本体接触面を介して身体2に接触するようにすることができる。
【0030】
図5A図5Bは、それぞれリアルタイム監視デバイスの第1分解図と第2分解図を示している。図5に示すように、センサモジュール1Sは、第1の本体11と、第1の本体11内に設けられた、第1の回路基板120、第1の回路基板120に設けられた第1のマイクロフォン12M、温度センサ12T及び慣性センサ12Iとを含む第1の回路ユニットとを含む。一方、プロセッサモジュール1Pは、第2の本体13と、第2の本体13に設けられた、第2の基板140、第2の基板140に設けられた第2のマイクロフォン14M、マイクロプロセッサ14P、メモリ14S及び無線伝送インターフェース14Wを含む第2の回路ユニットとを含む。
【0031】
詳細は後述するが、第1の本体11は、第1の回路ユニットを収容するための第1の収容空間11A1を有し、第1のカバー11C1は、第1の回路ユニットを遮蔽するように、第1の収容空間11A1の第1の開口に接続されている。また、第1の収容空間11A1の底部には、孔111Oを介して第1のマイクロフォン12Mが第1の本体11の外に露出するように孔111Oが形成されている。可能な実施形態では、孔111Oには、環境中に存在する水及び/又は水蒸気が孔111Oへの侵入を阻止されるように、撥水音声メッシュをさらに設けることができる。一方、第2の本体13は、第2の回路ユニットを収容するための第2の収容空間13A2を有し、第2のカバー13C2は、第2の回路ユニットを遮蔽するように第2の収容空間13A2の第2の開口に接続されている。特に、第1の本体11と第2の本体13との間に本体接続部材1Bが接続され、本体接続部材1Bには、電気接続部材が設けられることによって、第1の回路ユニットが電気接続部材を介して第2の回路ユニットに結合される。
【0032】
本発明では、第1の本体11の本体接触面に円形凹部111Rが形成され、円形凹部111Rは、深さに対する直径の比率は6以下となるように、4.5MM~20MMの範囲内の深さと直径を有している。特に、本発明では、第1の本体11の製造材料は、液状シリコーンゴム(LSR)、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(Pu)又はポリジメチルシロキサンPDMSであってもよく、第1の本体11はA20~A50の間のショア硬度を有するように設計されている。これにより、第1の本体11が本体接触面を介して人体(例えば乳児の腹部)に接触するように設置された後、円形凹部111Rは本体接触面が乳児の腹部の皮膚に気密性よく接触するのに役立ち、第1の本体11と乳児の音源部分(例えば、腹膜腔)との間に音声結合経路が形成される。さらに説明すべきことに、人体は低周波共振器である。したがって、心臓、肺、気道、腸及び/又は排泄物(すなわち、音源部)から発せられる音がある場合、25Hz未満の音声信号を含む低周波数帯域の振幅が低周波共振器によって増幅される。また、第1の本体11と人体の音源部との間に形成された音声結合経路があるため、人体から発せられた音は音声結合経路を通って第1のマイクロフォン12Mで直接集音される。
【0033】
具体的な実施形態では、深さは1.5MMの最小値を持つように設計することができる。一方、第1の本体11が本体接触面を介して人体に接触するように設けられる場合には、円形凹部111Rによって孔111O(すなわち、第1のマイクロフォン12M用の集音孔)が乳児の腹部で塞がれることを防止することもできる。物品支持ユニット14Fは、後で詳しく説明するように、第2の収容空間13A2に設けられている。図5A及び図5Bに示すように、物品支持ユニット14Fは、第2の収容空間13A2の底部に対向するテーブル14F1及び複数の支持棒14F2で構成され、第2の回路ユニットが、複数の支持棒14F2とテーブル14F1の底面とで形成される空間内に位置される。また、第2の本体13には、第2の回路ユニットに接続するようにテーブル14F1の上面に設けられた無線充電モジュール1P1が存在し、バッテリ14Bは第2の回路ユニットに接続されている。これにより、リアルタイム監視デバイス1を特別に設計された信号送受信機装置に設けて、第2の本体13がその機器接触面を介して信号送受信機装置に接触するようにすることができる。この場合、信号送受信機装置は、電磁誘導により無線充電モジュール1P1に電力を伝送することによって、バッテリ14Bを電力で充電する。
【0034】
図1A図1B図2図5A及び図5Bに示すように、センサモジュール15は、身体2から体温を測定する、身体2から発せられる音を集音する、身体2の動き及び/又は振動を監視することにより、体温検知信号、第1の音声信号及び体動検知信号を生成するように構成されている。一方、プロセッサモジュール1Pはセンサモジュール1Sに結合され、身体2から発せられた音及び環境音を集音した後、第2の音声信号を生成するように構成されている。その結果、プロセッサモジュール1Pは、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号、体動検知信号に対して信号解析処理を行う後、身体2が体調であるか否かを決定する。体の状態には、排泄、異常心拍数(HR)、異常呼吸数(RR)、異常腸音の発生、気道閉塞、深い睡眠、軽度睡眠、及び異常睡眠が含まれる。また、プロセッサモジュール1Pは、第1の音声信号、第2の音声信号及び体動検知信号を処理及び分析した後、心拍数(HR)及び呼吸数(RR)を含む乳児の生理学的パラメータも推定する。もちろん、プロセッサモジュール1Pは体温検知信号から推定体温を算出することもできる。
【0035】
本発明によれば、プロセッサモジュール1Pはまた、正常範囲を超える前記体調及び/又は少なくとも1つの前記生理学的パラメータが存在する場合に警告信号を生成し、次いで無線伝送インターフェース14Wを介して前記信号送受信機装置と同様の電子デバイス3に警告信号を送信するように構成される。信号送受信機装置のほか、電子デバイス3は、クラウドサーバ、病院、産後センター、又は乳児看護センターに属するローカルサーバであってもよいし、乳児の両親に属する個人用電子デバイスであってもよく、個人用電子デバイスは、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、一体型コンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、またはスマートグラスであってもよい。
【0036】
図6は、図5A及び5Bに示した第1のマイクロフォン12M、温度センサ12T、慣性センサ12I、第2のマイクロフォン14M、マイクロプロセッサ14P、メモリ14S及び無線送信インターフェース14Wのブロック図を示す。一実施形態では、メモリ14sは、アプリケーションが実行された場合に、(心拍数及び呼吸数)生理学的パラメータの測定と乳児の体調の監視を実現するように、第1のマイクロフォン12M、温度センサ12T、慣性センサ12I、第2のマイクロフォン14M、及び無線送信インターフェース14Wを制御するように構成された命令を含むアプリケーションを記憶する。図6に示すように、アプリケーションは複数のサブプログラムから構成され、複数のサブプログラムは、第1サブプログラム14S1、第2サブプログラム14S2、第3サブプログラム14S3、第4サブプログラム14S4、第5サブプログラム14S5、第6サブプログラム14S6、第7サブプログラム14S7、第8サブプログラム14S8、第9サブプログラム14S9を含む。もちろん、メモリ14Sは、マイクロプロセッサ14P内に設けられた内蔵フラッシュメモリ(eFlash)メモリだけでなく、フラッシュメモリチップ、ハードディスクドライブ(HD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、又はマイクロプロセッサ14Pに連結されたUSBフラッシュドライブであってもよい。
【0037】
本発明によれば、第1サブプログラム14S1は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、温度センサ12Tを制御して人体(例えば)乳児の身体2の体温を測定して体温検知信号を生成するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。さらに、第2のサブプログラム14S2は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、第1のマイクロフォン12Mを制御して人体から発せられる音を集音するよう、第2のマイクロフォン14Mを制御して人体から発せられる音と環境音を集音して第1の音声信号と第2の音声信号をそれぞれ生成するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。加えて、第3のサブプログラム14S3は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、慣性センサ12Iを制御して人体の動き及び/又は振動を監視して体動検知信号を生成するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。また、第4のサブプログラム14S4は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号及び/又は体動検知信号を処理するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。以下でより詳細に説明するように、第5サブプログラム14S5は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号、及び体動検知信号にそれぞれ含まれる4つのタイムスタンプに基づいて、体温検知信号、第1の音声信号、第2の音声信号、及び体動検知信号に信号同期処理を適用するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。
【0038】
図6に示すように、第6サブプログラム14S6は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、第1の音声信号と第2の音声信号と体動検知信号とを比較して人体が少なくとも1つの体調を持っているかどうかを判断し、体調を決定するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。一方、第7サブプログラム14S7は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、体温検知信号から推定された体温を計算し、第1の音声信号、第2の音声信号、及び体動検知信号を処理することによって人体の少なくとも1つの生理学的パラメータを推定するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。実行可能な一実施形態では、生理学的パラメーターは心拍数(HR)及び/又は呼吸数(RR)を含む。また、第8サブプログラム14S8は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、体温検知信号、体動検知信号、第1の音声信号の第1の周波数帯域と第2の周波数帯域を解析することによって、第1の本体11と人体との間の良好な接触の有無を判断するようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。本発明の特定の設計によれば、マイクロプロセッサ14Pは、体調の監視及び/又は乳児の身体2からの生理学的パラメータの測定を開始する前に、第8サブプログラム14S8を実行し、第1の本体11と乳児の身体2との良好な接触の有無を判断するように構成されている。センサモジュール1S及びプロセッサモジュール1Pは、第1の本体部11が乳児の身体2に良好に接触することを検出した後、マイクロプロセッサ14Pは直ちにリアルタイム監視デバイス1に生理学的パラメータ(例えば、心拍数及び呼吸数)の測定を開始し、乳児の体調を監視させる。このような設計により、上記の良好な接触検出機能は、リアルタイム監視デバイス1が乳児の生理学的パラメータや体調の測定を高精度で実現するのに役立つだけだ、リアルタイム監視デバイス1の消費電力を大幅に節約することができる。他方、第9のサブプログラム14S9は、一種のプログラミング言語でコンパイルされてアプリケーションに統合され、通常の範囲を超える体調及び/又は少なくとも1つの生理学的パラメータがあるする場合に警告信号を生成し、警告信号を無線送信インターフェース14Wを介して電子デバイス3に送信するするようにマイクロプロセッサ14Pを構成するための命令を含む。
【0039】
以下に詳しく説明するように、リアルタイム監視デバイス1が正常に動作している間、マイクロプロセッサ14Pは第1サブプログラム14S1を実行し、温度センサ12Tを制御して人体、例えば乳児の身体2からの体温を測定し、体温検知信号を生成する。同時に、マイクロプロセッサ14Pは、第2のサブプログラム14S2を実行して、第1のマイクロフォン12Mを制御して乳児の身体2から発せられる音を集音するとともに、第2のマイクロフォン14Mを制御して乳児の身体2から発せられる音と環境音を集音する。その結果、第1のマイクロフォン12Mと第2のマイクロフォン14Mは、それぞれ第1の音声信号と第2の音声信号を生成する。さらに、マイクロプロセッサ14Pは、第3のサブプログラム14S3を実行する、慣性センサ12Iを制御して乳児の身体2の動き及び/又は振動を監視する、体動検知信号を生成する。
【0040】
図7は、体動検知信号、体温検知信号及び第1の音声信号の測定データを示す図である。第8サブプログラム14S8が実行される場合、マイクロプロセッサ14Pは、まず、体動検知信号に乳児の呼吸の変化を記述するための信号セグメントが含まれているかどうかを確定するように構成される。言い換えれば、体動検知信号に前記信号セグメントが存在するということは、センサモジュール15の第1の本体11が乳児の腹部に良好に接触したことを意味する。一方、体温検知信号を分析することにより、第1本体11と乳児の腹部との良好な接触の有無を判断することも可能である。例えば、第1の本体11が本体接触面で乳児の腹部に良好に接触するように設けられる場合、体温検知信号に顕著な信号変化が生じる(図7に示す)。もちろん、リアルタイム監視デバイス1の作動中に体温検知信号に突然信号変化が生じた場合、第1の本体11が乳児の腹部に良好に接触しなくなったことを意味する。特に、第1の音声信号を分析することにより、第1の本体11と乳児の腹部との良好な接触の有無を判断することも可能である。図7の測定データグラフによれば、第1の本体11が乳児の腹部に良好に接触するように設定されると、第1の音声信号における第1周波数帯域の振幅が急激に増加し、第1の音声信号の第1周波数帯域には乳児の身体2から発せられる音が含まれ、25Hz帯域よりも低い音となる。また、図7の測定データグラフによれば、第1の本体11が乳児の腹部に良好に接触するように設定されている場合、第1の音声信号における第2周波数帯域の振幅も急激に増加し、そのうち、第1の音声信号の第2周波数帯域には乳児の身体2から発せられた40Hzと60Hzの間の音が含まれる。
【0041】
さらに説明する必要があるのは、マイクロプロセッサ14Pには、アナログ-デジタル(A/D)変換器が内蔵されている。マイクロプロセッサ14Pが体動検知信号、第1の音声信号及び第2の音声信号を受信した後、A/D変換器は第1の音声信号を直接デジタル化し、第2の音声信号を第1のサンプリングレートでデジタル化し、体動検知信号を第2のサンプリングレートでデジタル化することができる。一実施形態では、第1のサンプリングレートは4kHz以下(すなわち、≦4kHz)であり、第2のサンプリングレートは120Hz以下(すなわち、≦120kHz)である。その後、マイクロプロセッサ14Pは、第1の音声信号、第2の音声信号及び/又は体動検知信号を処理するように、第4のサブプログラム14S4を実行する。例えば、マイクロプロセッサ14Pは、第1の音声信号及び第2の音声信号に対してFFT(高速フーリエ変換)処理を適用し、第1の音声信号の第1のFFTスペクトログラム及び第2の音声信号の第2のFFTスペクトログラムを生成する。図8は気道閉塞特性を含む第1の音声信号のFFTスペクトログラムを示す。図8に示すように、第1の音声信号がFFT処理を受けた後、第1の音声信号のFFTスペクトルから気道閉塞特性を含む少なくとも1つの信号セグメントを見つけることができる。
【0042】
図9は、第1の音声信号、第1の音声信号のFFTスペクトログラム、第2の音声信号、第2の音声信号のFFTスペクトログラム及び体動検知信号の測定データチャートを示す。図9に示すように、第1の音声信号と、第2の音声信号及び体動検知信号とを比較することにより、第1の音声信号(すなわち、第1のマイクロフォン12Mによって乳児の腹部から集音された音)に生じる振幅の変化は、環境ノイズによるものであるか、実際には乳児の腹部の内部音の反映であるかを知ることができる。したがって、第1の音声信号の前記振幅の変化が乳児の腹部の内部音の反映として検証された後、次いで、マイクロプロセッサ14Pは、第1の音声信号、第2の音声信号、体動検知信号(ジャイロ信号とアクセル信号を含む)から異常腸音の特徴を含む少なくとも1つの信号セグメントを見つけるように構成される。異常腸音の特徴を含むセグメントは、図9中の灰色の矩形枠でマークされる。
【0043】
図10を参照して、第1の音声信号、第1の音声信号のFFTスペクトログラム、第2の音声信号、第2の音声信号のFFTスペクトログラム及び体動検知信号の測定データマップを提供した。図10に示すように、第1の音声信号と第2の音声信号とを比較することにより、第1の音声信号に発生する振幅の変化は、環境ノイズによるものであるか、実際には乳児の腹部の内部音の反映であるかを知ることができる。その後、マイクロプロセッサ14Pは、第1の音声信号の振幅変化が乳児の腹部の内部音の反映として検証された後、第1の音声信号、第2の音声信号、体動検知信号(ジャイロ信号とアクセル信号を含む)から排泄特性を含む少なくとも1つの信号セグメントを見つけるように構成される。排泄特性を含むセグメントは、図10中の灰色の矩形枠でマークされる。
【0044】
図11は心拍数信号、呼吸数信号、体安静信号の測定データグラフを示す。図11に示すように、体動検知信号を処理した後、心拍数(HR)信号と呼吸数(RR)信号が得られる。次に、HR信号とRR信号から、深い睡眠に入る、軽い睡眠に入る、異常睡眠に入るという特徴を含む少なくとも1つの信号断片を見つけることができる。また、マイクロプロセッサ14Pは、心拍数や呼吸数を含む乳児の生理学的パラメータを推定することもできる。また、体の休息信号から乳児が静止している時間の長さを推定することができる。
【0045】
このため、以上の説明により、本発明に係る人体のリアルタイム監視デバイスの全ての実施形態及びその構成要素は以上の記載を通じて完全かつ明確に説明されている。さらに、上記の明細書は本発明の実施形態に基づくものである。ただし、実施形態は本発明の範囲を制限することを意図しておらず、また、本発明の主旨を逸脱することなく行われる全ての同等形態や変化も本発明の範囲に含まれるものとする。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】