(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041650
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】コンタクトレンズパッケージ並びに取り扱い及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/22 20060101AFI20230316BHJP
A45C 11/04 20060101ALI20230316BHJP
G02C 7/04 20060101ALN20230316BHJP
G02C 13/00 20060101ALN20230316BHJP
【FI】
B65D81/22
A45C11/04 B
G02C7/04
G02C13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】63
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022144398
(22)【出願日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】63/243,525
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】サム・ジョナサン・ポプウェル
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エフ・アンセル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・グラハム・ウォード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・サムズ
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・ショア
(72)【発明者】
【氏名】イスマイル・アクラム
【テーマコード(参考)】
2H006
3B045
3E067
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB03
2H006BB07
2H006DA09
3B045BA09
3B045CE06
3B045CE08
3B045DA00
3B045FA00
3E067AA13
3E067AB95
3E067AC01
3E067BA02A
3E067BB14A
3E067BC05A
3E067EA32
3E067EB27
3E067EC33
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】コンタクトレンズパッケージを提供すること。
【解決手段】本発明は、改善されたコンタクトレンズパッケージ並びに使用及び製造/組み立ての方法に関する。コンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容し、力がパッケージのレバーに加えられたときに、及び/又はパッケージがユーザによって圧搾されたときに、コンタクトレンズをパッケージ溶液から持ち上げるように構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズパッケージであって、
蓋と、
ベースであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティと、
レバーであって、力が前記レバーに加えられているときに、前記ベースの枢動ラインに沿ってヒンジ動作するように構成された、レバーと、
を備える、ベースと、
レンズ支持体であって、前記レバーに加えられた前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から、ユーザによるワンタッチ移送が可能な前記レンズ支持体上の位置に持ち上げさせるように、前記枢動ラインと交差する、レンズ支持体と、
を備える、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項2】
前記レバーが、取り付け手段によって前記ベースに結合されている別個の構成要素である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項3】
前記枢動ラインが、前記ベース内の少なくとも1つの空隙によって画定されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項4】
前記枢動ラインが、折り目、切れ目、細線、及びエッチングのうちの1つ以上によって前記ベースに付与されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項5】
前記ベースが、比較的剛性の材料で構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項6】
前記蓋がフィルムを含み、前記ベースがプラスチック材料を含む、請求項5に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項7】
前記ベース及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項8】
前記レバー及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項9】
前記レンズ支持体が、i)レーザー溶接、ii)加熱、iii)超音波溶接、及びiv)接着剤のうちの少なくとも1つによって前記ベースに結合されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項10】
前記ベースは、i)ユーザが前記パッケージを把持するのを支援する、又はi)前記レバーが下向きにヒンジ動作するように前記力の印加を向ける、ように構成された少なくとも1つの指係合特徴部を備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの遠位端にある前記ベースの突出部を含む、請求項10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの周囲の少なくとも一部分に沿ったオーバーハングを含む、請求項10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されたディンプルを含み、前記ディンプルが、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられている、請求項10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられた近位指係合特徴部と、前記ユーザに対して遠位の前記ベースの端部に位置付けられた遠位指係合特徴部と、を含む、請求項10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項15】
前記蓋は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの上の前記キャビティ内に下向きに延びる、レンズに面する表面を備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項16】
前記レンズに面する表面及び前記レンズ支持体は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの光学ゾーンが前記レンズに面する表面と前記レンズ支持体との間の前記パッケージ溶液中に浮遊するように、前記キャビティ内に構成されている、請求項15に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項17】
前記キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置に収容する、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項18】
前記レンズ支持体が、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項19】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約30mm2未満、約25mm2未満、又は約20mm2未満である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項20】
前記コンタクトレンズの凸側面の上の前記キャビティ内に少なくとも1つのレンズに面する表面を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズに面する表面は、前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせする、又は重力、機械力、若しくは空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護する、ように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項21】
前記少なくとも1つのレンズに面する表面が、蓋インサート上に設けられ、前記蓋インサートが、前記蓋の内面に取り付けられている、請求項20に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項22】
前記蓋インサートが、少なくとも1つの位置合わせ特徴部を含む、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項23】
前記蓋インサートが、少なくとも1つのロックアウト特徴部を含む、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項24】
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するコンタクトレンズパッケージであって、前記パッケージがユーザによって圧搾されているときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げるように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項25】
前記パッケージが、レバーであって、力が前記レバーに加えられているときに、前記パッケージのベースの枢動ラインに沿ってヒンジ動作するように構成された、レバーと、レンズ支持体であって、前記レバーに加えられた前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げさせるように構成された、レンズ支持体と、を備える、請求項24に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項26】
前記パッケージは、前記レバーに加えられている前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から、前記ユーザによるワンタッチ移送が可能な前記レンズ支持体上の位置に持ち上げさせるように構成されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項27】
前記レバーが、取り付け手段によって前記ベースに結合されている別個の構成要素である、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項28】
前記枢動ラインが、前記ベース内の少なくとも1つの空隙によって画定されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項29】
前記枢動ラインが、折り目、切れ目、細線、及びエッチングのうちの1つ以上によって前記ベースに付与されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項30】
前記ベースが、比較的剛性の材料で構成されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項31】
前記ベース及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項32】
前記レバー及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項33】
前記レンズ支持体が、i)レーザー溶接、ii)加熱、iii)超音波溶接、及びiv)接着剤のうちの少なくとも1つによって前記ベースに結合されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項34】
前記ベースは、i)ユーザが前記パッケージを把持するのを支援する、又はi)前記レバーが下向きにヒンジ動作するように前記力の印加を向ける、ように構成された少なくとも1つの指係合特徴部を備える、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項35】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの遠位端にある前記ベースの突出部を含む、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項36】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの周囲の少なくとも一部分に沿ったオーバーハングを含む、請求項35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項37】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されたディンプルを含み、前記ディンプルが、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられている、請求項35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項38】
前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられた近位指係合特徴部と、前記ユーザに対して遠位の前記ベースの端部に位置付けられた遠位指係合特徴部と、を含む、請求項35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項39】
前記パッケージの蓋は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの上の前記キャビティ内に下向きに延びる、レンズに面する表面を備える、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項40】
前記レンズに面する表面及び前記レンズ支持体は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの光学ゾーンが前記レンズに面する表面と前記レンズ支持体との間の前記パッケージ溶液中に浮遊するように、前記キャビティ内に構成されている、請求項39に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項41】
前記パッケージは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置に収容する、請求項24に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項42】
前記レンズ支持体が、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項43】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約30mm2未満、約25mm2未満、又は約20mm2未満である、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項44】
前記コンタクトレンズの凸側面の上の前記キャビティ内に少なくとも1つのレンズに面する表面を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズに面する表面は、前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせする、又は重力、機械力、若しくは空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護する、ように構成されている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項45】
蓋インサートを備え、前記蓋インサートが、前記蓋の内面に取り付けられている、請求項25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項46】
前記蓋インサートが、少なくとも1つの位置合わせ特徴部を含む、請求項45に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項47】
前記蓋インサートが、少なくとも1つのロックアウト特徴部を含む、請求項45に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項48】
パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを取り扱う方法であって、
前記パッケージの蓋を開封することと、
前記パッケージを圧搾することであって、前記パッケージを圧搾することが、レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げさせる、ことと、
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体からユーザの眼に移送することと、
を含む、方法。
【請求項49】
前記圧搾することは、前記ユーザの手が前記パッケージのそれぞれ反対側の端部に力を加えることを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記パッケージの前記それぞれ反対側の端部が、前記ユーザに対して前記パッケージの遠位端及び近位端である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記パッケージの前記それぞれ反対側の端部が、前記ユーザに対して前記パッケージの左側及び右側である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記蓋が、ホイルを含み、前記開封することが、前記パッケージの少なくとも一部分から前記ホイルを剥離することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを持ち上げさせることが、前記パッケージの上部によって画定される水平面に対して約15°~60°の持ち上げ角度を生成する、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体から前記ユーザの手に移送することを更に含み、前記レンズを移送することが、前記コンタクトレンズの凸面をタッピングして、前記タッピングすることにより前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体から解放させて前記ユーザの指に付着させるようにすることを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを製造する方法であって、
コンタクトレンズをレンズ支持体上に配置することと、
前記レンズ支持体を前記パッケージのベースのキャビティ内に挿入することと、
レンズに面する表面を備えるインサートを前記コンタクトレンズ上に配置することと、
前記キャビティにパッケージ溶液を投入することと、
前記ベース上に前記蓋を封止することであって、前記封止することが、滅菌環境内で前記キャビティ内に前記コンタクトレンズ及び前記パッケージ溶液を密閉する、ことと、
を含む、方法。
【請求項56】
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置することが、前記レンズ支持体を前記ベースの前記キャビティ内に挿入するステップの後に行われる、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置することが、前記コンタクトレンズの凹側面を前記レンズ支持体上に配置することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置する前に、前記レンズ支持体にパッケージ溶液を投入するステップを更に含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを製造する方法であって、
パッケージベースを提供することであって、前記パッケージベースは、レンズ支持体が結合されたキャビティを備える、ことと、
コンタクトレンズを蓋インサートのレンズに面する表面上に配置することと、
前記コンタクトレンズが前記レンズに面する表面上に置かれた前記レンズに面する表面を前記ベースの前記キャビティ内の前記レンズ支持体上に挿入することと、
前記キャビティにパッケージ溶液を投入することと、
前記ベース上に前記蓋を封止することであって、前記封止することが、滅菌環境内で前記キャビティ内に前記コンタクトレンズ及び前記パッケージ溶液を密閉する、ことと、
を含む、方法。
【請求項60】
前記コンタクトレンズを前記蓋インサートの前記レンズに面する表面上に配置することが、前記コンタクトレンズの前記凸側面を前記レンズに面する表面上に配置することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内に位置合わせすることを更に含み、前記位置合わせすることが、前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内の位置合わせ特徴部の上に並進させることを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内に位置合わせすることを更に含み、前記位置合わせすることが、前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内の位置合わせ特徴部の上に並進させることを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項63】
前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内にロックすることを更に含み、前記ロックすることが、前記蓋インサートの側面上の突出部を摩擦によって前記キャビティの側壁に固定させるのに十分な圧力を前記蓋インサートに加えることを含む、請求項55に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年9月14日出願の米国特許仮出願第63/077,779号、2020年9月14日出願の米国特許仮出願第63/077,784号、2020年12月13日出願の米国特許仮出願第63/124,835号、及び2021年9月13日出願の米国特許仮出願第63/243,525号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンタクトレンズパッケージでは、コンタクトレンズは、典型的には、凹側面を上にした向きでコンタクトレンズを収容するキャビティ(又は「ボウル」)を有する成形プラスチックベースに置かれている。結果として、コンタクトレンズをパッケージから眼に移すためのユーザ体験は、一般に、ユーザがコンタクトレンズを指でボウルから「釣り上げ」て、次いでレンズを反転させて、眼の上に配置するために指の上で正しい向きになるようにすることを伴う。このプロセスは、レンズに複数回タッチする必要があり、これにより、汚染物質又は病原体を手からレンズに、最終的に眼に移送することがある。この取り扱い体験は、不衛生であるだけでなく、また、過度に煩雑で、面倒であり、かつレンズに機械的に応力がかかり、レンズは、過度に操作されたときに引き裂かれる、破れる、又は歪む可能性がある。一部のパッケージは、レンズを反転させる必要性を除去するために、レンズを凸側面を上にした向きで提示するように設計されているが、多くの場合、眼へのレンズの移送を達成するために、依然としてレンズをパッケージ溶液から「釣り上げる」必要があり、又は別の方法でレンズの操作及び/若しくはレンズに複数回タッチすることを必要とする。
【0003】
眼の健康に関する意識の増加及びより便利な体験に対する顧客の要求を考慮して、より面倒でなく、かつより衛生的なコンタクトレンズ取り扱いプロセスを可能にするコンタクトレンズパッケージの必要性が生じている。1つの点では、「ワンタッチ」パッケージ、すなわち、コンタクトレンズの着用者がユーザの指のうちの1本のワンタッチでレンズをレンズ保管パッケージから取り出し、次いで、このワンタッチで、レンズを眼に正しく位置付けることができるパッケージをコンタクトレンズの着用者に提供することが理想的である。そのような設計では、眼の上にレンズを配置する前に、レンズを1つの指から別の指へと移送及び操作する必要はない。そのようなワンタッチパッケージを提供することにより、レンズ準備及び挿入プロセスを効率化するだけでなく、また、レンズが眼の上への向き及び挿入のために準備されているときに、レンズを落下させる、又は着用者の他の指上の追加の細菌にレンズを曝露する可能性を減少させることになり、眼に接触するように意図されたレンズの側面にタッチする可能性も低減する。
【0004】
ワンタッチレンズパッケージの設計は、いくつかの異なる課題に直面する。着用者は、理想的には、パッケージからの取り出し中に、レンズを一貫して位置付けて指に付着させることができるべきであり、次いで、レンズは、指から眼の上に一貫して解放される必要がある。(再利用可能及び毎日使い捨ての両方の種類の)コンタクトレンズはそれぞれ、それ自体の独自の表面、バルク、及び幾何学的特性を有する。指サイズ及び移送中にコンタクトレンズ着用者がレンズに付与する力も異なることがある。これらの要因は、レンズをパッケージから指に取り、次いで眼の表面上に着けるプロセスに影響を与える可能性がある。他の考慮事項の中でも、レンズ及びパッケージに付着するパッケージ溶液の量の変動がレンズを指上に配置するプロセスに影響を与える可能性があるため、レンズを指に付着させる能力に影響を与える可能性のある任意のパッケージ溶液を着用者が排出することができることが望ましいであろう。また、漏出を回避する制御された方法でパッケージ溶液を排出することが望ましいであろう。また、レンズの再湿潤又は洗浄を可能にするために、開封後にパッケージ溶液が無菌のままであり、かつ着用者にアクセス可能であることも有益であろう。また、着用者は、細菌又は化粧品などの外部製品をコンタクトレンズに移送する可能性に関して懸念する場合があり、当然のことながら、パッケージ自体の製造は、医療及び商業的提供者の団体によって認識された、期待される業界標準に適合するべきである。
【0005】
更に、ワンタッチパッケージは、理想的には、現在のコンタクトレンズパッケージに対して物品のコストの法外な増加をもたらすべきではない。というのも、これにより、着用者集団に対するコストの増加をもたらす可能性があるためである。パッケージは、パッケージから取り出したときにレンズを保持することを困難にするべきではない。加えて、パッケージの構成がレンズを包装するために必要な溶液の体積を維持、又は更に低減するためのものであった場合、これにより、レンズパッケージの生態学的影響を低減するであろう。同様に、パッケージの全て又は一部をリサイクルされた材料から作製する、かつ/又は全体的若しくは部分的にリサイクル可能とすることができる場合、有益であろう。
【0006】
加えて、様々な規制機関によって既に承認されており、かつ理想的には溶液の化学的性質又はレンズ組成物の変化を必要としない材料でパッケージが構成されていた場合、有利であろう。最適には、その上、パッケージの機能は、好ましくは、任意の電子機器又は他の電気的構成要素を、そのような構成要素がパッケージ又はレンズのいずれかの性能に悪影響を及ぼし得る場合には、組み込まない。
【0007】
ワンタッチパッケージの機能を達成することを困難にしており、かつワンタッチパッケージを作り出すための既知の試みに欠けていることが多い、いくつかの望ましい属性がある。これらの属性としは、例えば、以下のものが挙げられる:i)パッケージは、理想的にはレンズを保護するべきであり、すなわち、レンズの完全性(例えば、レンズ形状及び光学的完全性)を確実にすると同時に、レンズの破砕又は損傷を防止すべきである、ii)レンズパッケージは、レンズの特性を維持するために、保管されたときにレンズの水和を維持するべきである、及びiii)そのパッケージ内のレンズは、好ましくは、所望される場合、パッケージ溶液に完全に浸漬され、また、パッケージから移送する準備ができたときに、そのような溶液を除去するように構成されているべきである、iv)パッケージは、一般に、レトルト可能シールを有して、レンズ及び溶液の両方を収容するべきである、v)パッケージは、好ましくは、レンズを着用者に対して所望の凸向きに維持するべきである、vi)レンズは、着用者によって容易に取り出すことができるように位置付けられるべきである、及びvii)パッケージは、理想的には、パッケージの開封時及びレンズの取り出しの前にパッケージ溶液をレンズから効果的に排出することを可能にして、着用者の指に、次いで眼の上により容易に移送することを可能にするべきである。
【0008】
低減したタッチ又はワンタッチの向きを提供しようと試みてきた既知のパッケージは、ワンタッチパッケージの上記の所望の属性のうちの1つ以上を提供することができない。例えば、国際公開第2014/195588号、同第2009/069265号、日本特許第6339322号は、凸状のボウルを下にした構成でレンズを提示するパッケージを開示している。しかしながら、レンズ支持構造体は、コンタクトレンズの形状と実質的に一致し、これにより、レンズとレンズ支持体との間に望ましくない接触面積を提供する。これらの参考文献はまた、レンズ及びレンズ支持体からの効果的な溶液排出のためのメカニズムに関して言及していない。
【0009】
同様に、米国特許出願公開第20200229560号は、コンタクトレンズの凹(前方又は前)面を支持するレンズ支持体、又はコンタクトレンズ周縁部を支持し、かつレンズパッケージを開封すると、パッケージ溶液が格子を通って底部チャンバに排出されることを可能にする格子を有する、パッケージを開示している。先行技術の前述の欠陥は、単なる例示であり、網羅的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、一貫したワンタッチレンズ取り出し体験、効果的な溶液管理を提供する、又は前述の課題若しくは欠陥のうちの1つ若しくは組み合わせに対処する、コンタクトレンズパッケージが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載の1つ以上の態様を有するコンタクトレンズパッケージにおいて、前述及び関連する目的の一部又は全てを達成することができることが現在見出されている。例えば、本発明のコンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容することができ、パッケージは、パッケージがユーザによって圧搾されているときに、コンタクトレンズをパッケージ溶液から持ち上げるように構成されている。コンタクトレンズパッケージは、蓋と、ベースであって、コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティ、並びに、レバーであって、力がレバーに加えられているときに、ベースの枢動ラインに沿ってヒンジ動作するように構成された、レバーを含む、ベースと、を有することができる。パッケージは、レバーに加えられた力がレンズ支持体にコンタクトレンズをパッケージ溶液から、ユーザによるワンタッチ移送が可能なレンズ支持体上の位置に持ち上げさせるように、枢動ラインと交差するレンズ支持体を更に含むことができる。場合によっては、レバーは、取り付け手段によってベースに結合されている別個の構成要素である。枢動ラインは、ベース内の少なくとも1つの空隙によって画定され得、折り目、切れ目、細線、及びエッチングなどのうちの1つ以上によってベースに付与することができる。パッケージのベースは、プラスチックで構成されてもよく、蓋は、フィルムであってもよい。場合によっては、ベース及びレンズ支持体、並びに/又はレバー及びレンズ支持体は、単一の一体型構成要素である。
【0012】
レンズ支持体は、i)レーザー溶接、ii)加熱、iii)超音波溶接、iv)接着剤などによってベースに結合することができる。ベースは、ユーザがパッケージを把持するのを支援する、又はレバーが下向きにヒンジ動作するように力の印加を向けるように構成された1つ以上の指係合特徴部を含むことができる。可能な図(figure)係合特徴部は、パッケージの遠位端にあるベースの突出部及び/又はパッケージの周囲の少なくとも一部分に沿ったオーバーハングを含む。ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決めされたディンプルは、ユーザに対して近位のベースの端部に位置付けることができる。指係合特徴部は、一方がユーザに対して近位のベースの端部に位置付けられ、他方がユーザに対して遠位のベースの端部に位置付けられた遠位指係合特徴部であるように、対にすることができる。あるいは、指係合特徴部は、パッケージの任意の他の反対側にある側部又は端部に位置付けることができる。
【0013】
パッケージの蓋は、パッケージが未開封状態にあるときに、コンタクトレンズの上のキャビティ内に下向きに延びる、1つ以上のレンズに面する表面を含むことができる。レンズに面する表面及びレンズ支持体は、パッケージが未開封状態にあるときに、コンタクトレンズの光学ゾーンがレンズに面する表面とレンズ支持体との間のパッケージ溶液中に浮遊するように、キャビティ内に構成することができる。パッケージのキャビティは、パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、コンタクトレンズを凸位置に収容することができる。また、レンズ支持体は、コンタクトレンズのプロファイルに実質的に一致しないプロファイルを有することができる。パッケージが開封状態にあるとき、レンズ支持体とコンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約30mm2未満、約25mm2未満、又は約20mm2未満であってもよい。パッケージは、少なくとも1つの位置合わせ特徴部及び/又は1つ以上のロックアウト特徴部を有する蓋インサートを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の前述及び他の特徴と利点は、添付の図面に例解されるように、本発明の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。
【
図1A】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1B】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1C】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1D】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図2】ある実施形態による、開封状態のコンタクトレンズパッケージの斜視図を示す。
【
図3】ある実施形態による、コンタクトレンズパッケージの分解斜視図を示す。
【
図4】ある実施形態のキャビティ内の蓋インサートの拡大図を示す。
【
図5A】ある実施形態による、未開封状態のコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図5B】ある実施形態による、未開封状態のコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図6】ある実施形態による、コンタクトレンズパッケージの空気入口ガイドを示す。
【
図7A】側面図及び上面図それぞれにおけるある実施形態のレンズ支持体を示す。
【
図7B】側面図及び上面図それぞれにおけるある実施形態のレンズ支持体を示す。
【
図8A】側面図及び上面図それぞれにおける代替実施形態のレンズ支持体を示す。
【
図8B】側面図及び上面図それぞれにおける代替実施形態のレンズ支持体を示す。
【
図9】入れ子構成にある、ある実施形態のコンタクトレンズパッケージを示す。
【
図10】特定の実施形態による、コンタクトレンズパッケージの例示的な製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、参照番号が特定の要素を示す添付図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、無数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではない。対照的に、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替物、修正及び等価物を網羅することが意図されている。
【0016】
「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」等の言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、態様、又は特性を含むことができるが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、態様、又は特性がある実施形態に関連して説明される場合、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態と関連して実施することは、明示的に説明されているか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0017】
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、以下の意味を有する。本発明の特定の実施形態の利点は、レンズを反転することなく、指から落下させることなく、又は更なる操作なしに、それらがパッケージから着用者の指への、次いで指から着用者の眼への一貫したワンタッチレンズ移送を容易にすることである。一貫したレンズ移送は、指(又は「ダブ(dab)」)の最初のタッチに対する少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の移送の移送率を含む。レンズはまた、望ましくは、折り畳まれる又は反転することなく、指上に「起き上がり」、次いで、眼に配置されたときに眼に移送する。特定の実施形態のパッケージは、指サイズ及びダブ圧力の範囲にわたって所望のワンタッチ移送を提供することができる。温度及び指が湿っている又は乾燥しているかなどの環境条件もまた、移送率に影響を与える可能性があり、より高い温度では、一般にレンズ移送を改善する。
【0018】
レンズ(単数又は複数)又はコンタクトレンズ(単数又は複数)は、眼上に存在する眼科用デバイスを指す。それらは、一般に、半球形状を有し、光学補正、美容増進、UV遮蔽及び可視光若しくはグレア低減、創傷治癒、薬若しくは栄養補助食品の送達を含む治療効果、診断評価若しくはモニタリング、又はそれらの任意の組み合わせを提供することができる。レンズという用語は、一般に水和状態のパッケージで消費者に提供され、それらが角膜に適合することを可能にする比較的低い弾性率を有する、ソフトヒドロゲルコンタクトレンズを含む。本発明のパッケージと共に使用するのに好適なコンタクトレンズは、従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む、全ての水和コンタクトレンズを含む。
【0019】
ヒドロゲルは、平衡状態で水を含有する水和架橋ポリマー系であり、水和状態で少なくとも約25%、又は少なくとも35%の水を含有することができる。ヒドロゲルは、典型的には、酸素透過性かつ生体適合性であり、コンタクトレンズの製造に優秀な材料である。
【0020】
従来のヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーン含有成分を含まず、一般に、シリコーンヒドロゲルよりも高い含水量、低い酸素透過性、弾性率、及び形状記憶を有する。従来のヒドロゲルは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、又はポリビニルアルコールなどの親水性モノマーを主として含むモノマー混合物から調製される。米国特許第4,495,313号、同第4,889,664号、及び同第5,039,459号は、従来のヒドロゲルの形成物を開示している。従来のヒドロゲルは、イオン性又は非イオン性であり得、ポリマコン(polymacon)、エタフィルコン(etafilcon)、ネルフィルコン(nelfilcon)、オキュフィルコン(ocufilcon)レネフィルコン(lenefilcon)などを含む。これらの従来のヒドロゲル材料の酸素透過性は、典型的には、20~30バーラー未満である。
【0021】
シリコンヒドロゲル配合物としては、バラフィルコン(balafilcon)サムフィルコン(samfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)A及びB、デルフィルコン(delfilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)A、B及びC、ナラフィルコン(narafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、ステンフィルコン(stenfilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、カリフィルコン(kalifilcon)などが挙げられる。「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つの親水性成分及び少なくとも1つのシリコーン含有成分から作製されるポリマーネットワークを指す。シリコーンヒドロゲルは、60~200、60~150、又は80~130psiの範囲の弾性率、20~60%の範囲の含水量を有することができる。シリコーンヒドロゲルの例としては、アクアフィルコン(acquafilcon)、アスモフィルコン(asmofilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、デレフィルコン(delefilcon)、エンフィルコン(enfilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)、ナラフィルコン(narafilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、サムフィルコン(samfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、及びステンフィルコン(stenfilcon)、ベロフィルコン(verofilcon)(これらの変形の全てを含む)に加えて、米国特許第4,659,782号、同第4,659,783号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,998,498号、同第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号、同第5,965,631号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,867,245号、同第6,943,203号、同第7,247,692号、同第7,249,848号、同第7,553,880号、同第7,666,921号、同第7,786,185号、同第7,956,131号、同第8,022,158号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,470,906号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,507,577号、同第8,637,621号、同第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第9,056,878号、同第9,057,821号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9156,934号、同第9,170,349号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、並びに国際公開第03/22321号、同第2008/061992号、及び米国特許出願公開第2010/0048847号で調製されるようなシリコーンヒドロゲルが挙げられる。これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。シリコーンヒドロゲルは、従来のコンタクトレンズよりも高い形状記憶を有することができる。
【0022】
ヒドロゲルレンズは、粘弾性材料である。コンタクトレンズは、レンズがパッケージ又はパッケージ内の任意の気泡のいずれかと相互作用する場合、光学的歪みを形成することがある。光学的歪みの程度、及び歪みが緩和するのに必要な時間の長さは、化学的性質に応じて変化し、かつレンズの幾何学的形状に応じてより低い程度まで変化する。エタフィルコンA又はポリマコンのようなポリヒドロキシエチルメタクリレート系レンズなどの従来のレンズ材料は、シリコーンヒドロゲルと比較して低損失弾性率及びタンデルタを有し、パッケージとの接触の結果として、より少なく、かつより重大でない光学的歪みを形成することができる。(一般にバルク弾性応答を増加させる)シリコーンの組み込み、(一般に粘性応答を増加させる)PVPなどの湿潤剤、又は(レンズ界面での弾性応答を低下させ得る)従来のヒドロゲル材料のコーティングは、レンズの粘弾性特性を変化させることができる。短い又は剛性のある架橋剤及び若しくは硬化剤を有する従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、短い形状記憶を有し、保管中の変形の影響をより受けにくいことがある。本明細書で使用されるとき、高い又はより高い形状記憶のヒドロゲルは、気泡又はパッケージとの接触から、55℃で5週間の加速エージング後に、少なくとも約0.18の光学的歪みを示す。損失弾性率及びタンデルタを含む粘弾性特性は、動的機械分析を使用して測定することができる。
【0023】
コンタクトレンズは、任意の幾何学的形状又はパワーのものであってもよく、概ね半球形状を有し、使用時に眼に対して静止する凹状後側面と、眼から離れる方向に向き、かつまばたき中に眼瞼と接触する凸状前側面と、を有する。
【0024】
レンズの中心又は頂点は、レンズ光学ゾーンの中心である。光学ゾーンは、光学補正を提供し、約7mm~約10mmの直径を有することができる。レンズ周辺又はレンズ縁部は、前側面及び後側面が交わる縁部である。
【0025】
湿潤レンズは、コンタクトレンズ、及びパッケージ溶液の排出後にそれに付着した任意の残留パッケージ溶液である。湿潤接触は、湿潤レンズとレンズ支持体との間の総計した接触面積である。
【0026】
実施形態は、チャンバとも互換的に呼ばれる封止可能なキャビティによって取り囲まれたレンズ支持体を含むことができる。キャビティは、任意の便利な形態を有することができ、パッケージベースと、少なくとも蓋と、を含むことができ、それらの各々は、以下で詳細に説明する。本明細書で使用されるとき、「蓋(the lid)」、「蓋(a lid)」、「ベース(the base)」、及び「ベース(a base)」という語句は、単数形及び複数形の両方を包含する。蓋及びパッケージベースは、互いに封止されて、使用前の輸送及び保管中にコンタクトレンズ、支持体、及びパッケージ溶液を滅菌状態に保持するキャビティを形成する。コンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及び溶液と適合性があり、更にレトルト可能かつ生物学的に不活性な材料から作製されている。
【0027】
「フィルム」又は「多層フィルム」は、パッケージを封止するために使用されるフィルムであり、しばしばリッドストックと呼ばれる。従来のコンタクトレンズパッケージで使用される多層フィルムは、ベース、蓋の構成要素、又はその両方として本発明のパッケージに使用することができる。多層フィルムは、ホイル層を含むバリア層、又はコーティング、フィルムをパッケージの残りの部分に封止する封止層を含む複数の層を含み、剥離開始層、ラミネーション層、及び剛性、耐熱性、印刷適性、耐穿刺性、水又は酸素に対するバリア耐性などの他のパッケージ特性を改善する層から選択される追加の層も含むことができる。多層フィルムは、蒸気滅菌可能(レトルト可能)シールを形成する。多層フィルムは、剛性及び耐熱性を高めるためのPET、BON、若しくはOPPフィルム層、又は酸素若しくは水蒸気に対するバリア耐性を改善するためのEVOH若しくはPVDCコーティングを含むことができる。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「未開封状態」又は「未開封」は、閉じられており、かつ溶液中にコンタクトレンズを収容する、コンタクトレンズパッケージを指す。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「開封状態」又は「開封」は、滅菌シールが破損した後のコンタクトレンズパッケージを指す。本明細書に記載の文脈に応じて、開封状態は、ユーザがパッケージを操作して、レンズを、ユーザによって移送するためにパッケージ溶液から持ち上げさせるときのパッケージの状態まで拡張される。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「着用者」又は「ユーザ」は、コンタクトレンズパッケージを開封する人を指す。ユーザは、一般に、パッケージを開封し、かつ内部に収容されたコンタクトレンズをその人の眼に移送する人と見なされる。しかしながら、いくつかの文脈におけるユーザは、アイケア提供者(eye care provider)(「ECP」)又は着用者のために実演する若しくは着用者を支援する別の個人などの、着用者の代わりにレンズパッケージを取り扱う人であり得る。
【0031】
パッケージ溶液は、選択されたレンズ材料及びパッケージと適合性のある任意の生理学的に適合性のある溶液である。パッケージ溶液は、緩衝生理食塩水溶液などの生理的pHを有する緩衝溶液を含む。パッケージ溶液は、緩衝液、pH及び弾力性調整剤、潤滑剤、湿潤剤、栄養補助食品、医薬品、パッケージコーティング成分などを含む既知の成分を含有することができる。
【0032】
パッケージベースは、パッケージの底部を形成することができる。それは、プラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。パッケージ蓋は、一般に、パッケージの上部部分に存在し、ベースを封止して、レンズ支持体、レンズ、及びパッケージ溶液の少なくとも一部分を収容するキャビティを形成する。蓋は、ホイル若しくはプラスチックの成形シート、積層フィルム、又はプラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。一方の構造体のためのプラスチック及び他方としてホイル若しくは積層フィルムを含むパッケージ、又は蓋及びベースの外層としてホイル若しくは積層フィルムを含むパッケージは、当該技術分野で既知であり、好適な組み合わせの例である。
【0033】
この説明全体を通して射出成形プロセス及び射出成形に従来適用された材料の使用に対する言及は、例示として理解されるべきである。当業者は、代替成形プロセス、熱成形、3D印刷などを含むがこれらに限定されない、他の製造手段が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能であることを理解するであろう。同様に、ヒートシール及びヒートシーリングへの言及は、本明細書に記載の実施形態に対する例示である。接着剤、糊、熱接着、熱、超音波、若しくはレーザー溶接などの溶接、又は機械的トラップなどの使用を含む、パッケージ構成要素を固定する他の手段が当業者には明らかであろう。
【0034】
本発明の特定の態様は、パッケージの外側から加えられる機械的圧力などの重力又は他の力に起因して保管又は輸送中に生じ得る、気泡又はレンズパッケージの内部との相互作用によるコンタクトレンズへの著しい光学的損傷を低減又は防止するのに役立つことができる。本明細書で使用されるとき、著しい光学的損傷は、約0.08μm以上の二乗平均平方根(root-mean-squared、RMS)値を意味する。
【0035】
図を参照すると、
図1A~
図1Dは、本発明の例示的な実施形態による、パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するコンタクトレンズパッケージを取り扱うステップを示す。蓋106及びベース110を有する未開封のコンタクトレンズパッケージ100が
図1Aに示されている。この実施形態では、蓋106は、本明細書ではホイルとも呼ばれる多層フィルムであり、ベース110は、ポリプロピレンプラスチックなどの熱可塑性ポリマーから構成されている。この実施形態では、蓋106は、比較的可撓性の材料(すなわち、多層フィルム)の形態をとり、ベース110は、比較的剛性の材料の形態をとるが、他の実施形態は、蓋及びベースの両方について実質的に剛性の構成要素を含むことができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ベース及び蓋は両方とも、ポリプロピレンプラスチック又は他の比較的剛性の材料で構成することができる。ベース110は、力がレバー118に加えられているときに、レバー118を形成するベースの一部分がヒンジ動作することができる、枢動ライン114を含む。
【0036】
ベース110は、開封プロセス中にユーザがコンタクトレンズパッケージを取り扱うことを支援するためのいくつかの任意選択の指係合特徴部122a~122cを更に含む。指ディンプル122aは、ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されてもよく、ユーザに対して近位のベース110の端部に配設されている。ベース110の周縁部に沿ったオーバーハング122bと、突出部122cは、ユーザに対して遠位のパッケージ118の端部に配設されている。この実施形態における指ディンプル122aはまた、力、例えば、ユーザの親指によって加えられた圧力がレバー118を枢動ライン114で下向きにヒンジ動作させるように、下向きに角度が付けられている。この実施形態におけるパッケージ100は、例えば、ユーザによってレバーが押し下げられているとき又はパッケージが圧搾されているときに、すなわち、ユーザがパッケージのそれぞれ反対側の端部で手によって、すなわち、一方の端部で指及び他方で親指によって圧力を加えるときに、レバーでの下向きのモーメントを更に促進するために、近位から遠位端に傾斜するプロファイルで更に構成されている。この実施形態では、パッケージ100は、圧搾力が遠位端及び近位端に加えられるように構成されている。しかしながら、圧搾に伴う対向する力がパッケージの側面、左、及び右などだがこれらに限定されない、パッケージの代替のそれぞれ反対側の端部に加えられる代替の実施形態が可能である。
【0037】
図1Bに示される第1のステップでは、ユーザは、未開封のコンタクトレンズパッケージ100をそのベース110によって保持している。図示されるように、パッケージ100に対するユーザの把持は、パッケージに対するより安定した把持を提供する、かつ/又は後のステップにおいて、パッケージに収容されたコンタクトレンズをユーザに提示してユーザの眼に移送するために持ち上げさせる力の印加を支援するように配置及び構成された1つ以上の指係合特徴部122a~cによって改善することができる。指ディンプル106は、ベース110のレバー118上に位置付けられており、パッケージを把持するためにユーザの親指126に対してサイズ決定されている。パッケージ100のそれぞれ反対側の端部で、ユーザは、指をオーバーハング122bの下に、かつベース110の端部にある突出部122cに対してしっかりと位置付けることによって、図示されるようにパッケージを把持することができる。オーバーハングの場合、オーバーハング領域は、パッケージが圧搾されているときに対向する力を供給することができる増加した面積を提供するように、湾曲していてもよく、又は平坦であってもよい。次に、ユーザは、蓋106を開封することによってパッケージを開封することができ、これは、この実施形態では、ユーザが矢印134によって示される方向にベース110の近位端から遠位端までホイル106を剥離して開封する、したがって、ホイル(蓋)106とベース110との間の滅菌シールを破壊することを伴う。必須ではないが、この好ましい実施形態では、パッケージは、ユーザがベースを片手で把持して、他方の手で蓋106を剥離して開封するように最適化されている。
【0038】
図1Cに示されるステップに示されるように、パッケージ蓋106は、図に示されるように蓋を完全に除去することによって、又は代替的に、レンズ支持体140の上のパッケージ溶液(図示せず)中に浮遊したコンタクトレンズ138を収容するレンズキャビティ136を実質的に露出させるのに十分な部分的な除去によって、のいずれかで開封されている。パッケージ100が開封された状態で、ユーザは、次いで、力142をレバー118に加える。この実施形態では、パッケージは、ユーザによって圧搾され、それにより、ユーザの手又は両手がパッケージの近位端及び遠位端それぞれに対向する力142及び146を供給し、それによって、レバー118により大きな力を発生させるように構成されている。
【0039】
図1Dを参照すると、ユーザによってレバーに加えられた力は、レンズ支持体140にコンタクトレンズ138をパッケージ溶液(図示せず)から持ち上げさせる。理想的には、レンズ支持体は、コンタクトレンズを、レンズがユーザに面しているパッケージキャビティの上に十分に高く持ち上げ、したがって、視認可能かつ支持体から移送可能であるが、レンズが重力の下で支持体から摺動して外れるほど高くなく持ち上げるように構成されている。これは、ユーザによって力が加えられているときにベースの上部を画定する水平面に対して約15°~60°の持ち上げ角度によって達成することができる。レンズ支持体は、好ましくは、図示した例示的な実施形態のように、このように持ち上げられたときに、ユーザによるワンタッチ移送を可能にするために、パッケージ溶液がコンタクトレンズから十分に排出されるように構成されており、ユーザは、コンタクトレンズ138の凸面をタッピング(「ダビング」とも互換的に呼ばれる)して、タッピングすることによりコンタクトレンズをレンズ支持体138から解放させてユーザの指154に付着させるようにすることによって、コンタクトレンズ138をレンズ支持体140から移送する。
【0040】
この実施形態では、コンタクトレンズ138は、凸向きで着用者に便利に提示され、レンズ138の凹側面を着用者の眼の表面上に配置する前にレンズの向きを変える必要なしに、レンズの凸側面が着用者にアクセス可能であることを意味する。しかしながら、従来のブリスターパッケージの凹向きなどの他の向きが本発明の範囲内で可能であることが理解されよう。レンズ支持体140からのコンタクトレンズ138の移送は、着用者の指154によって、レンズに直接タッチする、若しくは(例えば、米国特許出願公開第20190046353号に記載されているような)アプリケータフィルム若しくは指に適用された他のカバーを介して間接的にタッチする、のいずれかで実行することができる、又は手動若しくは自動アプリケータデバイス若しくはツールなどの別の移送手段によって実行することができる。パッケージ100からのコンタクトレンズ138の移送時に、レンズは、図示されたステップに示されるように、コンタクトレンズ138の凸側面が指154に接触し、かつレンズ138の凹側面がユーザの眼の表面に直接適用するために向けられた状態で、指154(又は他の移送手段)上に置かれる。
【0041】
ここで
図2及び
図3を参照すると、
図2は、レンズ支持体140がコンタクトレンズ138をパッケージ溶液(図示せず)から持ち上げている開封状態のコンタクトレンズパッケージ100の斜視図を示す。
図3は、コンタクトレンズパッケージ100の分解斜視図を示す。コンタクトレンズパッケージ100は、近位端(A)及び遠位端(B)を有するベース110を含む。その遠位端(B)では、ベース110は、パッケージ溶液中にコンタクトレンズ138を収容するキャビティ136と、力がレバー118に加えられているときにベースの枢動ライン114に沿ってヒンジ動作するように構成されたレバー118と、を含む。この実施形態では、レバー118は、ベース118を構成する一体型構成要素の一部分として形成されている。より具体的には、レバー118を含むベース110は、一体型射出成形ポリプロピレンプラスチック部品として形成されている。(ABS、PLA、HIPS、PETG、ナイロンなどの材料、又は他のものを使用した)熱成形及び3D印刷を含む、ベースを形成するための代替の材料及びプロセスが当業者によって理解されるであろう。好ましくは、ベースに使用される材料は、比較的剛性であり、ASTM D1238-10(押出プラストメータによる熱可塑性プラスチックのメルトフローレートの標準試験方法)に従って測定したときに、約125Cのガラス転移温度(T
g)を有する。この実施形態では、枢動ライン114は、ベース内の複数の空隙158によって画定される。空隙158は、レバー118がヒンジ動作する点で水平軸に沿って直線構成で位置付けられている。空隙158を作り出す材料の欠如により、ユーザによって力がレバーに加えられているときにレバー118を所望の位置でヒンジ動作させるために、ベース材料での線に沿って十分な緩和を提供する。持ち上げアームの距離、すなわち、枢動ラインから支持体上に置かれたときのコンタクトレンズの中心までの距離は、約10~12mm、好ましくは12~17mmである。1つ以上の空隙の使用は、本発明の範囲内で枢動ラインを画定することができる無数の方法のうちの1つに過ぎない。例えば、レバーがベースの残りの部分と同じ材料で形成されている他の実施形態では、プラスチックを所望の位置で横方向に折り目をつけることによって、枢動ラインに沿ってより薄くなるように材料を成形することによって、及び/又は切断、エッチング、若しくは別の方法でベース材料に枢動ラインを付与することによって、枢動ラインを作り出すことができる。更に、レバーが別個の構成要素の形態をとる実施形態では、枢動ラインは、単にレバーとベースの残りの部分との間の水平界面を表すことができる。そのような実施形態では、枢動ラインに沿ったヒンジ動作は、ヒンジ構成要素、回転可能なインターロックアタッチメントなどによってもたらすことができる。レバーが取り付け手段によってベースの残りの部分に結合された別個の構成要素である代替実施形態が本発明の範囲内で可能であることを理解されたい。例えば、レバーを別個の射出成形部品として形成し、次いで、レーザー溶接、超音波溶接、接着剤、機械的取り付け、熱かしめなどを含む、多数の取り付け手段を介してベースの残りを形成する別個に成形された(又は印刷された、など)部分に取り付けることができる。
【0042】
ベースの下側は、図示される実施形態のように、傾斜させて、パッケージを「入れ子」にすることを可能にし、それによって、一次パッケージ材料、及びコンタクトレンズを水和して保持するために必要なパッケージ溶液の量を低減することに加えて、保管及び輸送中によりコンパクトな二次パッケージを可能にすることができる(
図9を参照して更に説明するように)。この実施例では、ベース110は、約14°の角度で近位端(A)から遠位端(B)まで傾斜し、幅約29mm、長さ44mm、及び高さ9.5mmのフットプリントを有する。好ましい傾斜は、約10~20°の範囲を有するが、傾斜は、必要に応じて、更に急に、例えば、約20~30°にすることができる。ベースは、パッケージ100が未開封のときにコンタクトレンズ138及びレンズ支持体140が収容されているテーパ領域に形成された、ウェル、すなわち、キャビティ136を含む。この実施形態では、キャビティは、約2240μLの容積を有し、これには、キャビティ136内のコンタクトレンズ138を完全に浸漬するのに十分な、約2080μLのパッケージ溶液が投入される。ホイル蓋106は、キャビティ136の周囲のベースの上面上のビード152間に形成されたレトルト可能シールを介してベース110に固定される。このシールは、周知のヒートシール技術及び関連装置によって形成することができる。
【0043】
指係合特徴部(ディンプル)122aは、ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されており、ユーザに対して近位のベース110の端部に配設されている。この実施形態における指ディンプル122aはまた、力、例えば、ユーザの親指によって加えられる圧力がレバー118を枢動ライン114で下向きにヒンジ動作させるように、下向きに角度が付けられている。このディンプルの指ディンプル位置及び枢動ラインに対するユーザの指の位置は、レバーを枢動ラインに沿ってヒンジ動作させるのに必要な圧搾力の量に影響を与える。この実施例では、枢動ラインの下のディンプル深さは、シールレベルからディンプルの基部まで測定したときに4.5mmである。
【0044】
レンズ支持体140は、レバー118に結合されており、その結果、レバー118に加えられた力は、レンズ支持体140にコンタクトレンズ138をパッケージ溶液から持ち上げさせる。図示の実施形態では、レンズ支持体140は、ベースのレバー118の部分に固定的に取り付けられた別個に成形された(又は印刷された)構成要素である。ここでは、取り付けは、ベース材料のレバー部分に形成されたステーク162を介して行われる。レンズ支持体140は、ステーク162に対応する開口部166を有し、その結果、レンズ支持体140がベース上に配置されると、ステーク162は、開口部166と嵌合する。ホットプレートを使用してステーク/開口部に熱が加えられて、熱及び力を使用してプラスチック材料を変形させ、ステークをリベットのように適所にしっかりと保持する。開口部166の周りでステーク162を部分的に変形させることによって結合が行われる。例えば、レーザー溶接、超音波溶接、接着、機械的クリッピングなどを含む、熱かしめ以外の多数の他の取り付け手段が、特許請求の範囲の範囲内で可能である。更に、代替的な実施形態では、レンズ支持体をレバー及び/又はベース全体と同じ一体型成形又は印刷構成要素の一部として形成することができることに留意されたい。レバーへのレンズ支持体の結合/取り付け点は、好ましくは、枢動ラインからペグ/ステークの前面まで約2~5mmである。枢動ラインがプラスチック又は他の実質的に剛性の材料に折り目によって形成されている図示されたものなどの多くの実施形態では、枢動ラインは、厚さを有してもよく、すなわち、完全に鋭くなくてもよい。これらの場合、所与の曲げ力に対する持ち上げ角度を最大化するために、取り付け点と枢動ラインとの間にそのような分離が必要であってもよい。
【0045】
図2に見られるように、蓋106の下側は、複数のレンズに面する表面168を含み、これは、この実施形態ではレンズの凸面に向かって下向きに延びる突起として形成されている。レンズに面する表面168は、概して、コンタクトレンズの凸レンズ面を蓋キャビティ136内に収容させるようにミラーリングするように成形されている。レンズに面する表面168は、コンタクトレンズをレンズ支持体の上に位置合わせし、かつ重力又は空気誘発力による著しい光学的損傷からコンタクトレンズを保護するように機能する。いくつかの実施形態では、レンズに面する表面はまた、開封時にコンタクトレンズがパッケージに貼りつく発生率を低減するために、コンタクトレンズの上のパッケージに入る空気を案内することによって、空気入口ガイドとして機能する。この場合、レンズに面する表面は、成形されたプラスチック蓋インサート170上に設けられ、蓋インサート170は、ヒートシールによってホイル蓋106の内面に取り付けられている。しかし、他の実施形態では、例えば、蓋が実質的に剛性である場合、レンズに面する表面は、別個の構成要素ではなく、蓋と一体であってもよい。蓋インサートに付与されるものとして説明される全ての特徴部は、同じ特徴部が蓋と一体化されている実施形態に等しく適用することができることが理解されよう。
【0046】
本発明のレンズに面する表面は、著しい光学的損傷を回避又は低減するために、これらの力によって負荷をかけられたときにレンズを支持するように機能する。例えば、重力及びパッケージ溶液中の気泡との相互作用は、適切に抑制されない場合、光学的損傷をもたらすことがある。一態様では、図示された実施形態のレンズに面する表面168のような、レンズに面する表面は、任意の所望の空気排出チャネルを依然として収容しながら、少なくとも約3パーセント、好ましくは少なくとも約20%のパーセント、又は可能な限り大きい、比較的大きな接触可能な表面積を含む。接触可能な表面積は、レンズに負荷がかけられた、すなわち、重力又は気泡相互作用などだがこれらに限定されない、加えられた力の下で接触して配置されたときのレンズとレンズに面する表面との間の接触面積を意味すると理解される。接触可能な表面積は、レンズに負荷がかけられたときに/場合にレンズの領域に加えられた圧力を決定する。面積が大きいほど、圧力が低減される。図示の実施形態では、レンズに面する表面168は、100mm2の接触可能な表面積を有し、従来のコンタクトレンズは、約215mm2の表面積を有する。以下でより詳細に論じられるように、パッケージに入る空気が移動することを促進して、レンズがレンズに面する表面/蓋インサートに貼りつく任意の傾向を低減するために、レンズの上の表面積の少なくとも10%が露出されたままであることが好ましい。
【0047】
レンズに面する表面168はまた、空気排出チャネル169を画定するように離間しており、空気、特にパッケージ溶液中の気泡がコンタクトレンズから離れてキャビティ136の周辺容積に移動することを可能にする。空気排出チャネルが少なくとも約2mmの垂直上昇で周辺容積に向かって正の勾配を有することが有利である。空気排出チャネルは、より小さな気泡がレンズ表面の周りの領域から逃げるのを可能にし、同時に、より大きな気泡がレンズの上の空間に入ることを回避する。この目的に向けて、好ましい実施形態は、約1mm~1.5mm、又は好ましくは1.5mm~2mm、具体的には図示される実施形態では1.5mmの幅を各々が有する、少なくとも2つの空気排出チャネルを含む。関連する態様では、空気排出チャネル169は、「X」構成を有利に形成する。互いに対する空気排出チャネル位置のこの構成により、パッケージが側面向きに回転されたときに、チャネルの少なくとも1つが常に、重力に垂直な平面に対して角度が付けられたキャビティの中心近くからの中心軸を有することを可能にする。この態様は、浮力を利用して、レンズパッケージが取る向きに関係なく気泡がレンズから逃げることを可能にし、したがって、例えば、レンズをレンズ支持体に押し込む気泡から、そうでなければ生じる可能性のある光学的損傷を低減する。
【0048】
蓋インサート170は、この実施形態では、多層フィルム蓋106と蓋インサートの上側の平面172a~dとの間のヒートシールによって、蓋106の内面に取り付けられている。本明細書で後でより詳細に論じられるように、ヒートシールプロセス中及び保管中のベースとの蓋インサートの位置合わせは、ベース及び/又は蓋インサートに1つ以上の位置合わせ特徴部を含めることによって支援することができる。例えば、図示された実施形態における位置合わせ特徴部174は、ベース110のキャビティ136の内壁上のカラムの形態をとる。位置合わせ特徴部174は、パッケージ100を封止するために圧力が加えられたとき、又は通常の使用中に、蓋インサート170の回転及び横方向の動きに抵抗する。構成要素が本質的にインターロックして回転に抵抗するように、非円形の形状でキャビティ及び蓋インサート(又はレンズに面する表面を含む蓋の一体部分)を形成することなどだがこれらに限定されない、代替的な位置合わせ特徴部が可能である。
【0049】
ここで
図4を参照すると、ベース110のキャビティ132に挿入されたときの蓋インサート170の拡大図が示されている。ベース110のキャビティ136の壁上の位置合わせ特徴部(例えば、カラム174)の位置は、蓋インサート170の開口部178に対応する。カラム174及び開口部178は、アセンブリとして協働して、蓋インサート170の回転及び横方向の移動を制限する。別の態様では、蓋インサートは、レンズ支持体が(開封中の予想される時間以外)持ち上げられるのを防止し、かつ、封止圧力が加えられているとき、又は保管、輸送中、又はユーザがパッケージを開封するときに、外力によりレンズがパッケージ内で圧縮されないことを確実にするように構成することができる。例えば、蓋がベースに封止されるとき、又は蓋インサートが(存在する場合に)蓋に封止されるときなど、圧力が頭上に加えられているときに、レンズに面する表面(蓋に一体化されている、又は蓋インサート上に含まれるかにかかわらず)などの蓋特徴部がレンズに衝突するのを防止するために、ロックアウト特徴部を含めることができる。レンズ支持体と蓋インサートとの間の接触点を作製することにより、(例えば、開封前に枢動軸でパックを曲げることにより)レンズ支持体がレンズに衝突するのを阻止するために、他のロックアウト特徴部を含めることができる。また更に、この実施形態における別のロックアウト特徴部は、キャビティ136の床の周囲に沿ったレッジ180によって作り出される。レッジ180の1つの機能は、組み立て中のレンズ周囲のピンチポイントを回避することである。キャビティ床の上のレッジの高さは、蓋の蓋インサート及び/又はレンズに面する特徴部がレンズが下に収容される場所の上の高さで停止されるように十分に作製されている。この実施形態では、レッジは、レンズの基部の上の高さが約0.8mmである。レッジは、多くの可能性のうちの更に別の例示的なロックアウト特徴部であることを理解されたい。これを確実にするために、蓋インサートは、任意のレベル(例えば、レンズの基部とのレベル、パックの上部とのレベル)でロックアウトすることができる。
【0050】
図5A及び
図5Bは、未開封状態のコンタクトレンズパッケージ100の断面図を示す。具体的には、
図5Bは、
図5Aの斜視側面図に示される断面平面AAにわたって作成された断面を示す。図示されるように、パッケージ100は、未開封状態にあるときに、コンタクトレンズ138がレンズ支持体140とレンズに面する表面168との間で実質的に浮遊するように構成されている。本発明のパッケージは、好ましくは、パッケージが閉じられているときにコンタクトレンズとの接触を最小限に抑え、レンズは、パッケージ溶液中に浮遊する。理想的には、レンズの光学ゾーンは、自由に浮遊しており、保管中のレンズ支持体との接触は、一時的である、又は存在しない。パッケージ溶液中のレンズの浮力及び向きに応じて、レンズは、パッケージのベースのキャビティの床上のその周縁部又はレンズに面する表面上のその凸面上にあることができる。図示されるように、コンタクトレンズパッケージ100は、コンタクトレンズの周縁部がベース110内のキャビティ136の床上にある、蓋を上にした向きにある。しかしながら、コンタクトレンズ138の光学ゾーンは、レンズ支持体140とレンズに面する表面168との間で効果的に浮遊する。
【0051】
キャビティ132は、好ましくは、パッケージ溶液で実質的に充填されているが、製造プロセスは、真空圧力下でパッケージを封止することを許容しない場合があるという条件がある。そのような場合、いくらかの量の空気がキャビティ内に閉じ込められることが予想される。これらの気泡が管理されない場合、それらは、レンズと相互作用し、レンズに著しい光学的損傷を引き起こす可能性がある。したがって、キャビティ内の周辺容積、すなわち、レンズ支持体の上のレンズの位置の周辺のキャビティ内の容積を提供することができる。理想的には、そのような容積は、パッケージ100のキャビティ132の132’及び132’’などのパッケージの遠位端及び近位端に提供されるべきであり、その結果、気泡は、輸送又は保管中のパッケージの向きに関係なく、存在する場所を有する。
【0052】
一態様では、レンズに面する表面は、開封時にパッケージに入る空気をコンタクトレンズの上を移動させてコンタクトレンズが蓋又はそのレンズに面する表面に貼りつくことを回避する配置及び構成によって、空気入口ガイドとして機能することができる。
図6に示すように、コンタクトレンズパッケージ100は、この実施形態ではパッケージ100内に位置する構成要素を見ることができるように、ホイル蓋が示されていない、組み立てられた未開封状態で示されており、パッケージ100は、空気が矢印190で示される方向にパッケージに入るように、近位端(A)から遠位端(B)に開封されるように構成されている。空気がレンズの上を移動することを確実にするために、蓋インサート170は、開封時に空気がキャビティに入る点192に最も近いレンズ縁部の上にレンズ138の凸面が露出するように構成されている。これは、レンズに面する表面を主にコンタクトレンズの横方向領域及び遠位表面領域の上に位置付けて、空気がキャビティに入る点192に最も近いコンタクトレンズの表面積を少なくとも約10%露出させたままにすることによって、達成することができる。より具体的には、この実施形態では、コンタクトレンズの表面積の15%が露出されたままである。
【0053】
本発明のレンズ支持体は、本明細書の実施形態に関して説明したように、パッケージを圧搾するなどユーザがパッケージに力(単数又は複数)を加えたときにレンズをパッケージ溶液から持ち上げることができる、無数の形状及び形態をとることができる。しかしながら、前述したように、輸送及び保管中にレンズ支持体がレンズを所望の凸向き(ベースに対してボウルを下にした)及び位置(支持体の上に中心のある)に保持することが好ましい。理想的には、レンズ支持体は、レンズの下に開放構造を提供して、開封時に、支持体とレンズの下側との間に水を捕捉することなく、パッケージ溶液がレンズ及び支持体から排出されることを可能にすることができる。レンズが支持体上に折り畳まれる、支持体から外れて回転する、又は支持体を横切って並進するのを防止するために、レンズ支持体がレンズとの十分な数の接触点を有することも好ましい。これにより、支持体とレンズとの間の接触面積を制限しながら、レンズの頂点をレンズ自身の弾性剛性によって支持する、又はレンズ頂点の沈みを最小限に抑えることができる。溶液排出後の支持体とレンズとの間の接触及び支持体とレンズとの間に閉じ込められた水が過度に多いことにより、着用者の指とレンズとの間の表面張力よりも大きい、レンズ支持体上及びレンズ支持体の周囲のレンズと水との間の表面張力を生成して、効率的なレンズ移送を妨げる可能性がある。パッケージが開封され、かつレンズ及びレンズ支持体から溶液が排出されたときのレンズとレンズ支持体との間の接触の合計は、総湿潤接触面積であり、これは、約30mm2未満、25mm2未満、又は20mm2未満であってもよく、本明細書に記載されるように、少なくともレンズ周辺の周りに分布している。本明細書で使用されるとき、「湿潤接触面積」は、レンズ支持体とレンズとの間の直接固体接触面積に、パッケージの意図されたユーザ体験に応じて、約30秒未満、約5秒未満、又は約2秒未満、レンズが持ち上げられ、かつパッケージ溶液が排出されるようにした後に、レンズとレンズとの間に形成される任意のメニスカスリザーバ又は溶液ブリッジの面積を加えたものを指す。
【0054】
より長い形状記憶を有するポリマーから作製されたレンズについて、レンズ支持体は、保管中のレンズと支持体との間の接触を制限するように設計することができる。そのような接触は、レンズ周縁部の周りに分布させることができる。レンズ光学ゾーン、レンズ支持体、及び蓋内部(任意の空気入口ガイドを含む)間の接触は、一時的であってもよく、又は光学ゾーンと支持体、蓋、若しくは空気入口ガイドとの間に接触がなくてもよい。より短い形状記憶を有する従来のヒドロゲルなどのレンズは、パッケージ接触から歪む傾向がより低く、レンズ中心ゾーン(約9mm、又は約5mmの直径)を含む、周辺の周り及びレンズプロファイル全体にわたって分布した接触点を有することができる。
【0055】
本発明のレンズ支持体は、好ましくは、ダビング中の過剰に大きな圧力から取り出し中にレンズ反転又はレンズへの損傷を引き起こすことなく、ダビング時に、指先及びレンズの両方が互いの形状に一致するように変形することを可能にする。したがって、本パッケージからのレンズの取り出しの態様は、指とレンズとの間の接触面積がレンズ下側のレンズ支持体の接触表面積を上回るように、レンズとレンズ支持体との間の面積と比較して、指とレンズとの間の接触面積の比率を制御することであってもよい。これにより、指とレンズとの間の表面張力がレンズとレンズ支持体との間の表面張力を上回ることを確実にする。したがって、レンズは、レンズ移送及び眼上への配置のために、指に付着する。
【0056】
レンズ支持体は、好ましくは、周辺支持体に沿ってコンタクトレンズ縁部との少なくとも2、少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供する。2つの周辺支持体が使用される場合、それらは、一貫したレンズ移送に望ましい接触面積を上回ることなく、安定性を提供するようにより広くてもよい。周辺接触点は、レンズがレンズから外れて回転するのを防止し、最も遠い隣接する接触間の空間がレンズの直径よりも小さい、多数の構成で分布することができる。周辺支持体の数が増加するにつれて、残留パッケージ溶液が、隣接する周辺支持体間のフィルム及び支持体とレンズとの間の溶液ブリッジを形成する可能性が排出中に増加することがある。スクリーン又はストレーナの形態のものなどの、50%未満の開放空間を有する周辺支持体は、一般に、ワンタッチ移送を保証するのに不十分な排出を提供する。同様に、溶液排出後の支持体とレンズとの間の接触及び支持体とレンズとの間に閉じ込められた水が過度に多いことにより、着用者の指とレンズとの間の表面張力よりも大きい、レンズ支持体上及びレンズ支持体の周囲のレンズと水との間の表面張力を生成して、効率的なレンズ移送を妨げる可能性がある。レンズ支持体の構成支持部材の幅は、選択された成形プロセスの限界と開封時の効率的なパッケージ溶液の排出のために必要な幅との間で変化する。好適な幅は、約0.5~約1.5mm、約0.5~約1、又は約0.5~約0.7mmを含み、より少ない接触点を有するレンズ支持体設計は、より太いアームを有することができることが理解されよう。
【0057】
レンズ支持体は、本明細書ではチャネル排出及び背面排出と呼ばれる排出技術の1つ又は組み合わせによるワンタッチ移送を可能にするために、レンズからのパッケージ溶液の十分な排出を達成することができる。チャネル排出は、レンズ支持体が持ち上げられているときに、重力の下でレンズからパッケージ溶液がチャネルを通って流れ出る、チャネル部材のレンズ支持体上の形成を伴う。一方、背面排出は、レンズがレンズ支持体上にあるレンズの下側からの強化された排出を指す。レンズの頂点の下のこの領域は、現代のコンタクトレンズ材料の親水性に起因して、パッケージ溶液を閉じ込める傾向がある。いくつかの実施形態では、強化された背面排出は、レンズの頂点の下に少なくとも約12mm3の中央開口部を有するレンズ支持体を設計することによって、達成することができる。
【0058】
次に
図7A及び
図7Bを参照すると、側面図及び上面図それぞれでの例示的なレンズ支持体140が示されている。レンズ支持体140は、ワンタッチ移送を可能にするためにレンズからパッケージ溶液を十分に除去するために、背面排出及びチャネル排出の混成を活用するレンズ支持体の例を表す。レンズ支持体140は、約8mmの直径を有する半円形構成の3つの中央支持部材200a~cからなる中央支持体を含む。中央支持部材200a~cは、ピラー204によって2.5mm上昇している。ピラー204は、チャネル部材204a及び204bから上向きに延び、チャネル部材204a及び204bは、それらの長さに沿って近位端(A)から遠位端(B)に移行して、周辺支持体208にチャネル形成を形成する。これらの部材は、コンタクトレンズがパッケージから持ち上げられたときに、レンズがパッケージ溶液から持ち上げられたときに7つの接触点で、コンタクトレンズが好ましい凸向き(パッケージのベースに対してボウルを下にした)にレンズ支持体240上に置かれるように協働する。
【0059】
レンズ支持体140の設計は、中央開口部212を作り出し、パッケージが開封され、かつレンズ支持体がパッケージ溶液から持ち上げられたときに、パッケージ溶液がレンズ及びレンズ支持体140から背面排出されることを可能にする。これにより、支持体140とレンズとの間の接触面積を制限しながら、レンズの頂点をレンズ自身の弾性剛性によって支持し、かつレンズ頂点の沈みを最小限に抑えることができる。この設計はまた、チャネル部材204a及び204bに沿った、並びに周辺支持体208に沿ったより少ない点での接触の縁部に十分な支持を提供する。この構成は、レンズ支持体140が持ち上げられた2秒後に測定したときに、レンズ支持体140とコンタクトレンズとの間の湿潤接触面積を少なくとも約25mm2に十分に低減する。
【0060】
本発明の範囲内のレンズ支持体の無数の代替実施形態のうちの1つは、側面図及び上面図それぞれで示す
図8A及び
図8Bに示されている。レンズ支持体300は、ワンタッチ移送を可能にするためにレンズからパッケージ溶液を十分に除去するために、背面排出に依存するレンズ支持体の例を表す。レンズ支持体300は、約10.5mmの直径を横切って延びる4つの等間隔の放射状スポークからなる中央支持体310を含む。中央支持部材310は、ピラー314によって2.7mm上昇している。ピラー314は、支持部材318から上向きに延び、支持部材318は、本発明の特定の実施形態ではレンズ支持体300をコンタクトレンズパッケージのベースに結合することができる、タブ324を含む。周辺支持部材328及び330は、連続的なボウタイ構成に形成されており、レンズがパッケージから持ち上げられて支持体上に置かれたときに、コンタクトレンズの縁部に支持を提供する。支持体300の中央支持部材及び周辺支持部材は、コンタクトレンズがパッケージから持ち上げられているとき、レンズがパッケージ溶液から持ち上げられているときに5つの接触点で、コンタクトレンズが好ましい凸向き(パッケージのベースに対してボウルを下にした)にレンズ支持体300上に置かれるように協働する。
【0061】
レンズ支持体300の設計は、中央支持体310のスポークの間の十分な開放空間を含み、パッケージが開封され、かつレンズ支持体がパッケージ溶液から持ち上げられたときに、パッケージ溶液がレンズ及びレンズ支持体140から背面排出されることを可能にする。これにより、支持体300とレンズとの間の接触面積を制限しながら、レンズの頂点がレンズ自身の弾性剛性によって支持され、かつレンズ頂点の沈みを最小限に抑えることができる。この設計はまた、周辺支持部材328及び330に沿った点でコンタクトレンズの縁部に十分な支持を提供する。この構成は、レンズ支持体300が持ち上げられた2秒後に測定したときに、レンズ支持体300とコンタクトレンズとの間の湿潤接触面積を少なくとも約25mm
2に十分に低減する。本明細書に図示及び説明されるレンズ支持体の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内のレンズ支持体の無数の実施形態のうちの単なる2つであることが強調されなければならない。確実にするために、多数の追加の例示的だが非限定的な例示的なレンズ支持体を
図11~
図25(付録A)に示す。
【0062】
上記のように、一態様では、本発明のコンタクトレンズパッケージは、入れ子構成を可能にするように構成することができる。
図9は、入れ子構成のパッケージ100’及び100’’として示されるコンタクトレンズパッケージ100の2つを示す。パッケージがより小さな体積内で互いにしっかりと嵌合する図示したものなどの入れ子構成は、二次パッケージ(例えば、一次パッケージが消費者に提供されるカートン又は他の容器)の量を低減するのに有用である。この実施形態では、パッケージ100’及び100’は、ベースがベースに対して配置され、かつ近位端から遠位端に互いに対して反転されたときに、入れ子になるように設計されている。コンタクトレンズパッケージ100’及び100’’が入れ子になる能力は、各パッケージのベース110’及び110’’のテーパを含む特徴の組み合わせによって可能になり、指係合特徴部(ディンプル)122a’及び122a’’は、ベース110’及び110’’の横方向の移動に対する停止部として機能する。
【0063】
ここで
図10を参照すると、ある実施形態による、コンタクトレンズパッケージの製造/組み立ての例示的な方法が示されている。例示的なコンタクトレンズパッケージ100の製造/組み立ての第1の例示的な方法は、ステップ1001A、1002A、1003A、1004A、及び1005として示されている。第1のステップ1001Aで、コンタクトレンズ138は、レンズ支持体140上に配置され、この実施形態では、コンタクトレンズは、コンタクトレンズのその凹側面がレンズ支持体上にある状態で、レンズ支持体140上に配置されている。レンズ支持体には、コンタクトレンズを支持体に結合させるのに十分なパッケージ溶液を事前に投入することができる。図示されていないわずかに代替的なアプローチでは、レンズ支持体は、最初にキャビティ内に挿入することができ、コンタクトレンズは、その後支持体上に配置することができる。次のステップ1002Aで、コンタクトレンズ130がその上に置かれたレンズ支持体140は、ベース110のキャビティ136内に挿入される。次いで、ステップ1003で、レンズに面する表面168を含む蓋インサート170が、コンタクトレンズ138の凸側面上に配置される。次に、ステップ1003Aで、キャビティには、キャビティ内のコンタクトレンズ138を完全に、理想的にはキャビティを溢れさせることなく可能な限り完全に、浸漬するのに十分なパッケージ溶液が投入される。好ましくは、ベースキャビティに対する蓋インサートの取り付け具及び/又は表面特徴部のうちの少なくとも1つは、パッケージ溶液がキャビティに加えられているときに蓋インサートが適所から外れて浮遊しないように、摩擦嵌合を作り出す。最後に、ステップ1005で、例えば、より詳細に上述したように、ホイルをベースにヒートシールすることによって、蓋106をベース110上に封止し、その結果、封止することにより、滅菌環境内でキャビティ136内にコンタクトレンズ138及びパッケージ溶液を密閉する。
【0064】
例示的なコンタクトレンズパッケージ100の製造/組み立ての代替的な例示的な方法は、ステップ1001B、1002B、1003B、1004B、及び1005として示されている。第1のステップ1001Bでは、パッケージベース110が提供され、ベース110のキャビティ136には、レンズ支持体140が結合されている。この実施例では、レンズ支持体140は、より詳細に上述したように、熱かしめプロセスによってベースに結合されている。しかしながら、前述したように、例えば、レーザー溶接、超音波溶接、接着、機械的クリッピングなどを含む他の取り付け手段が、特許請求の範囲の範囲内で可能である。次に、ステップ1002Bで、コンタクトレンズ138は、蓋インサート170のレンズに面する表面上に配置され、この実施形態では、レンズの凸面は、蓋インサート170のレンズに面する表面168に対して置かれている。レンズ138は、レンズ移送ノズルを介してなど、手動又は自動手段によって、蓋インサート上に配置することができる。次いで、ステップ1003Bで、コンタクトレンズ138がその上に置かれた蓋インサート170が、ベース110のキャビティ136内のレンズ支持体140上に配置される。次に、ステップ1004Bで、キャビティ136には、キャビティ136内のコンタクトレンズ138を完全に、理想的にはキャビティを溢れさせることなく可能な限り完全に、浸漬するのに十分なパッケージ溶液が投入される。最後に、ステップ1005で、例えば、より詳細に上述したように、ホイルをベースにヒートシールすることによって、蓋106をベース110上に封止し、その結果、封止することにより、滅菌環境内でキャビティ136内にコンタクトレンズ138及びパッケージ溶液を密閉する。
【0065】
本発明の範囲内のコンタクトレンズパッケージの製造/組み立てのいくつかの方法では、キャビティへのパッケージ溶液の提供は、上記の例示的な方法に記載されているように、一度に全てとは対照的に、組み立てプロセスの異なるステップで複数回の投入で行うことができる。例えば、レンズがレンズ支持体上に配置される(例えば、上記のステップ1001A)実施形態では、レンズが溶液の表面張力下でレンズに固定されるように、レンズをレンズ支持体の上に置く前に少量のパッケージ溶液をレンズ支持体上に事前に投入することが有利であり得る。パッケージ溶液の投入を分割することはまた、例えば、上記のステップ(1001B及び1004B)で、例えば、約2080μLの投入を2つのほぼ等しいサイズの投入に分割することによってなど、キャビティを充填するときに有利であり得る。
【0066】
前述の説明は、説明の目的で、説明された実施形態の完全な理解を提供するために特定の用語体系を使用した。しかしながら、記載された実施形態を実施するために、特定の詳細の多くが必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の特定の実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示される。それらは、網羅的であること、及び開示した正確な形態に本開示を制限することを目的とするものではない。上記の教示を考慮して多くの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0067】
「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の「特許請求の範囲」をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0068】
特定の実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0069】
本発明のパッケージは、既知の材料及びプロセスを使用して製造することができる。パッケージ材料は、バージン、リサイクル、又はそれらの組み合わせであってもよい。パッケージキャビティ内の容積は、選択された設計に応じて変化することができる。
【0070】
本明細書に記載される全ての特徴を全てのパッケージに組み込む必要があるわけではなく、当業者は、本明細書の教示を使用して、これらの特徴を組み合わせて、多種多様な改善されたコンタクトレンズパッケージを提供することができる。要約すると、本発明のコンタクトレンズパッケージは、本明細書に記載されるような多種多様な組み合わせで組み合わされて、所望の改善された、かつ/又はワンタッチのパッケージを提供することができる、いくつかの新規の機能を組み込んでいる。本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記の「特許請求の範囲」及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
【0071】
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズパッケージであって、
蓋と、
ベースであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティと、
レバーであって、力が前記レバーに加えられているときに、前記ベースの枢動ラインに沿ってヒンジ動作するように構成された、レバーと、
を備える、ベースと、
レンズ支持体であって、前記レバーに加えられた前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から、ユーザによるワンタッチ移送が可能な前記レンズ支持体上の位置に持ち上げさせるように、前記枢動ラインと交差する、レンズ支持体と、
を備える、コンタクトレンズパッケージ。
(2) 前記レバーが、取り付け手段によって前記ベースに結合されている別個の構成要素である、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(3) 前記枢動ラインが、前記ベース内の少なくとも1つの空隙によって画定されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(4) 前記枢動ラインが、折り目、切れ目、細線、及びエッチングのうちの1つ以上によって前記ベースに付与されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(5) 前記ベースが、比較的剛性の材料で構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0072】
(6) 前記蓋がフィルムを含み、前記ベースがプラスチック材料を含む、実施態様5に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(7) 前記ベース及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(8) 前記レバー及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(9) 前記レンズ支持体が、i)レーザー溶接、ii)加熱、iii)超音波溶接、及びiv)接着剤のうちの少なくとも1つによって前記ベースに結合されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(10) 前記ベースは、i)ユーザが前記パッケージを把持するのを支援する、又はi)前記レバーが下向きにヒンジ動作するように前記力の印加を向ける、ように構成された少なくとも1つの指係合特徴部を備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0073】
(11) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの遠位端にある前記ベースの突出部を含む、実施態様10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(12) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの周囲の少なくとも一部分に沿ったオーバーハングを含む、実施態様10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(13) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されたディンプルを含み、前記ディンプルが、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられている、実施態様10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(14) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられた近位指係合特徴部と、前記ユーザに対して遠位の前記ベースの端部に位置付けられた遠位指係合特徴部と、を含む、実施態様10に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(15) 前記蓋は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの上の前記キャビティ内に下向きに延びる、レンズに面する表面を備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0074】
(16) 前記レンズに面する表面及び前記レンズ支持体は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの光学ゾーンが前記レンズに面する表面と前記レンズ支持体との間の前記パッケージ溶液中に浮遊するように、前記キャビティ内に構成されている、実施態様15に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(17) 前記キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置に収容する、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(18) 前記レンズ支持体が、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(19) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約30mm2未満、約25mm2未満、又は約20mm2未満である、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(20) 前記コンタクトレンズの凸側面の上の前記キャビティ内に少なくとも1つのレンズに面する表面を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズに面する表面は、前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせする、又は重力、機械力、若しくは空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護する、ように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0075】
(21) 前記少なくとも1つのレンズに面する表面が、蓋インサート上に設けられ、前記蓋インサートが、前記蓋の内面に取り付けられている、実施態様20に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(22) 前記蓋インサートが、少なくとも1つの位置合わせ特徴部を含む、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(23) 前記蓋インサートが、少なくとも1つのロックアウト特徴部を含む、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(24) コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するコンタクトレンズパッケージであって、前記パッケージがユーザによって圧搾されているときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げるように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
(25) 前記パッケージが、レバーであって、力が前記レバーに加えられているときに、前記パッケージのベースの枢動ラインに沿ってヒンジ動作するように構成された、レバーと、レンズ支持体であって、前記レバーに加えられた前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げさせるように構成された、レンズ支持体と、を備える、実施態様24に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0076】
(26) 前記パッケージは、前記レバーに加えられている前記力が前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から、前記ユーザによるワンタッチ移送が可能な前記レンズ支持体上の位置に持ち上げさせるように構成されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(27) 前記レバーが、取り付け手段によって前記ベースに結合されている別個の構成要素である、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(28) 前記枢動ラインが、前記ベース内の少なくとも1つの空隙によって画定されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(29) 前記枢動ラインが、折り目、切れ目、細線、及びエッチングのうちの1つ以上によって前記ベースに付与されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(30) 前記ベースが、比較的剛性の材料で構成されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0077】
(31) 前記ベース及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(32) 前記レバー及び前記レンズ支持体が、単一の一体型構成要素である、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(33) 前記レンズ支持体が、i)レーザー溶接、ii)加熱、iii)超音波溶接、及びiv)接着剤のうちの少なくとも1つによって前記ベースに結合されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(34) 前記ベースは、i)ユーザが前記パッケージを把持するのを支援する、又はi)前記レバーが下向きにヒンジ動作するように前記力の印加を向ける、ように構成された少なくとも1つの指係合特徴部を備える、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(35) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの遠位端にある前記ベースの突出部を含む、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0078】
(36) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記パッケージの周囲の少なくとも一部分に沿ったオーバーハングを含む、実施態様35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(37) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザの指又は親指に対応するようにサイズ決定されたディンプルを含み、前記ディンプルが、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられている、実施態様35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(38) 前記少なくとも1つの指係合特徴部が、前記ユーザに対して近位の前記ベースの端部に位置付けられた近位指係合特徴部と、前記ユーザに対して遠位の前記ベースの端部に位置付けられた遠位指係合特徴部と、を含む、実施態様35に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(39) 前記パッケージの蓋は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの上の前記キャビティ内に下向きに延びる、レンズに面する表面を備える、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(40) 前記レンズに面する表面及び前記レンズ支持体は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの光学ゾーンが前記レンズに面する表面と前記レンズ支持体との間の前記パッケージ溶液中に浮遊するように、前記キャビティ内に構成されている、実施態様39に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0079】
(41) 前記パッケージは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置に収容する、実施態様24に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(42) 前記レンズ支持体が、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(43) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約30mm2未満、約25mm2未満、又は約20mm2未満である、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(44) 前記コンタクトレンズの凸側面の上の前記キャビティ内に少なくとも1つのレンズに面する表面を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズに面する表面は、前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせする、又は重力、機械力、若しくは空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護する、ように構成されている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(45) 蓋インサートを備え、前記蓋インサートが、前記蓋の内面に取り付けられている、実施態様25に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0080】
(46) 前記蓋インサートが、少なくとも1つの位置合わせ特徴部を含む、実施態様45に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(47) 前記蓋インサートが、少なくとも1つのロックアウト特徴部を含む、実施態様45に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(48) パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを取り扱う方法であって、
前記パッケージの蓋を開封することと、
前記パッケージを圧搾することであって、前記パッケージを圧搾することが、レンズ支持体に前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から持ち上げさせる、ことと、
前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体からユーザの眼に移送することと、
を含む、方法。
(49) 前記圧搾することは、前記ユーザの手が前記パッケージのそれぞれ反対側の端部に力を加えることを含む、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記パッケージの前記それぞれ反対側の端部が、前記ユーザに対して前記パッケージの遠位端及び近位端である、実施態様49に記載の方法。
【0081】
(51) 前記パッケージの前記それぞれ反対側の端部が、前記ユーザに対して前記パッケージの左側及び右側である、実施態様49に記載の方法。
(52) 前記蓋が、ホイルを含み、前記開封することが、前記パッケージの少なくとも一部分から前記ホイルを剥離することを含む、実施態様48に記載の方法。
(53) 前記レンズ支持体に前記コンタクトレンズを持ち上げさせることが、前記パッケージの上部によって画定される水平面に対して約15°~60°の持ち上げ角度を生成する、実施態様48に記載の方法。
(54) 前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体から前記ユーザの手に移送することを更に含み、前記レンズを移送することが、前記コンタクトレンズの凸面をタッピングして、前記タッピングすることにより前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体から解放させて前記ユーザの指に付着させるようにすることを含む、実施態様48に記載の方法。
(55) パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを製造する方法であって、
コンタクトレンズをレンズ支持体上に配置することと、
前記レンズ支持体を前記パッケージのベースのキャビティ内に挿入することと、
レンズに面する表面を備えるインサートを前記コンタクトレンズ上に配置することと、
前記キャビティにパッケージ溶液を投入することと、
前記ベース上に前記蓋を封止することであって、前記封止することが、滅菌環境内で前記キャビティ内に前記コンタクトレンズ及び前記パッケージ溶液を密閉する、ことと、
を含む、方法。
【0082】
(56) 前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置することが、前記レンズ支持体を前記ベースの前記キャビティ内に挿入するステップの後に行われる、実施態様55に記載の方法。
(57) 前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置することが、前記コンタクトレンズの凹側面を前記レンズ支持体上に配置することを含む、実施態様55に記載の方法。
(58) 前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体上に配置する前に、前記レンズ支持体にパッケージ溶液を投入するステップを更に含む、実施態様55に記載の方法。
(59) パッケージ溶液中にコンタクトレンズを収容するパッケージを製造する方法であって、
パッケージベースを提供することであって、前記パッケージベースは、レンズ支持体が結合されたキャビティを備える、ことと、
コンタクトレンズを蓋インサートのレンズに面する表面上に配置することと、
前記コンタクトレンズが前記レンズに面する表面上に置かれた前記レンズに面する表面を前記ベースの前記キャビティ内の前記レンズ支持体上に挿入することと、
前記キャビティにパッケージ溶液を投入することと、
前記ベース上に前記蓋を封止することであって、前記封止することが、滅菌環境内で前記キャビティ内に前記コンタクトレンズ及び前記パッケージ溶液を密閉する、ことと、
を含む、方法。
(60) 前記コンタクトレンズを前記蓋インサートの前記レンズに面する表面上に配置することが、前記コンタクトレンズの前記凸側面を前記レンズに面する表面上に配置することを含む、実施態様59に記載の方法。
【0083】
(61) 前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内に位置合わせすることを更に含み、前記位置合わせすることが、前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内の位置合わせ特徴部の上に並進させることを含む、実施態様55に記載の方法。
(62) 前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内に位置合わせすることを更に含み、前記位置合わせすることが、前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内の位置合わせ特徴部の上に並進させることを含む、実施態様55に記載の方法。
(63) 前記蓋インサートを前記ベースの前記キャビティ内にロックすることを更に含み、前記ロックすることが、前記蓋インサートの側面上の突出部を摩擦によって前記キャビティの側壁に固定させるのに十分な圧力を前記蓋インサートに加えることを含む、実施態様55に記載の方法。
【外国語明細書】