(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041651
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】センサ要素の懸架装置
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
G01T1/20 L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144503
(22)【出願日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】17/472,801
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー エドワード、クナウス
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド、カオ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ジョセフ、バウス
(72)【発明者】
【氏名】ニルス、ノイマン
(72)【発明者】
【氏名】スコット、アンダーソン
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB04
2G188CC09
2G188CC21
2G188DD10
2G188DD12
2G188DD24
2G188DD39
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサ要素を吊り下げるための装置が提供される。
【解決手段】装置は、ハウジングであって、空洞と、内面と、ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含むハウジングを含むことができる。ハウジングは、内部にセンサ要素を含むことができる。第1の端部キャップは、第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ第1の端部キャップの表面から空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含むことができる。ハウジングの内面及び/又は第1の複数の懸架要素は、センサ要素が空洞内で並進するときに、センサ要素を空洞内に吊り下げることができる。関連するシステム及び製造方法も記載されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ハウジングであって、空洞と、内面と、前記ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含み、前記ハウジングが、内部にセンサ要素を含み、前記第1の端部キャップが、前記第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ前記第1の端部キャップの表面から前記空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含み、前記ハウジングの前記内面及び/又は前記第1の複数の懸架要素が、前記センサ要素が前記空洞内で並進するときに、前記センサ要素を前記空洞内に吊り下げる、ハウジングと、
前記ハウジングの第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記内面上に一体的に形成された第2の複数の懸架要素を更に備え、前記第2の複数の懸架要素が、前記ハウジングの前記内面から前記空洞に向かって半径方向に突出するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の複数の懸架要素の少なくとも1つの懸架要素が、半径方向懸架要素であって、前記半径方向懸架要素の第1の端部及び/又は前記半径方向懸架要素の第2の端部で前記ハウジングの前記内面に結合されている、半径方向懸架要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の複数の懸架要素が、前記ハウジング内の前記センサ要素の半径方向の並進を低減するために、第1のばね定数で構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の懸架要素の少なくとも1つの懸架要素が、軸方向懸架要素であって、前記軸方向懸架要素の第1の端部で前記第1の端部キャップの前記表面に結合されている、軸方向懸架要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記軸方向懸架要素が、前記軸方向懸架要素の第2の端部で前記第1の端部キャップの前記表面に更に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の複数の懸架要素が、前記ハウジング内の前記センサ要素の軸方向の並進を低減するために、第2のばね定数で構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記センサ要素が、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が、ガンマセンサである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含む金属材料から形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の端部キャップが、サファイア窓を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
方法であって、
金属材料を用意することと、
前記金属材料を使用して、積層造形プロセスによって装置を形成することであって、前記装置のハウジングを形成することは、ハウジングを形成することを含み、前記ハウジングは、内部にセンサ要素を吊り下げるように構成された空洞と、内面と、前記ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含み、前記第1の端部キャップが、前記第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ前記第1の端部キャップの表面から前記空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含む、ことと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記ハウジングの前記内面上に一体的に第2の複数の懸架要素を形成することを更に含み、前記第2の複数の懸架要素が、前記ハウジングの前記内面から前記空洞に向かって半径方向に突出する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属材料又は前記積層造形プロセスが、所定量の半径方向剛性、所定量の半径方向振動減衰、又は所定量の温度誘起半径方向変位を有する前記第2の複数の懸架要素を形成するように選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属材料又は前記積層造形プロセスが、所定量の軸方向剛性、所定量の軸方向振動減衰、又は所定量の温度誘起軸方向変位を有する前記第1の複数の懸架要素を形成するように選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記金属材料を使用して前記積層造形プロセスによって前記装置の第2の端部キャップを形成し、サファイア窓を前記第2の端部キャップの一部分に挿入することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ハウジング内にセンサ要素を挿入し、前記第2の端部キャップを前記ハウジングの第2の端部内に溶接することと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属材料が、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
システムであって、
センサであって、
ハウジングであって、空洞と、内面と、前記ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含み、前記ハウジングが、内部にセンサ要素を受け入れるように構成されており、前記第1の端部キャップが、前記第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ前記第1の端部キャップの表面から前記空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含み、前記ハウジングの前記内面及び/又は前記第2の複数の懸架要素は、前記センサ要素が前記空洞内で並進するときに、前記センサ要素を前記空洞内に吊り下げるように構成されている、ハウジングと、
前記ハウジングの第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップと、
前記ハウジング内のセンサ要素と、
を備える、センサと、
前記センサに結合された光電子増倍管と、
前記光電子増倍管に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスであって、前記光電子増倍管によって生成されたデータを受信するように構成された少なくとも1つのデータプロセッサを含む、コンピューティングデバイスと、
備える、システム。
【請求項20】
前記センサ要素が、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成されており、前記センサが、ガンマセンサである、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
センサは、ハウジング内に構成されたセンサ要素を含むことができる。センサの一部分は、センサのハウジング内にセンサ要素を吊り下げて、センサが指定された製造公差内で動作することを保証し、かつセンサの輸送又は使用中の損傷のリスクを低減するように構成された構造要素を含むことができる。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、装置が提供される。一実施形態では、装置は、ハウジングであって、空洞と、内面と、ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含むハウジングを含むことができる。ハウジングは、内部にセンサ要素を含むことができる。第1の端部キャップは、第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ第1の端部キャップの表面から空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含むことができる。ハウジングの内面及び/又は第1の複数の懸架要素は、センサ要素が空洞内で並進するときに、センサ要素を空洞内に吊り下げることができる。
【0003】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングの内面上に一体的に形成された第2の複数の懸架要素を含むことができ、第2の複数の懸架要素は、ハウジングの内面から空洞に向かって半径方向に突出するように配置されている。いくつかの実施形態では、第2の複数の懸架要素の少なくとも1つの懸架要素は、半径方向懸架要素であって、半径方向懸架要素の第1の端部及び/又は半径方向懸架要素の第2の端部でハウジングの内面に結合されている、半径方向懸架要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の複数の懸架要素は、ハウジング内のセンサ要素の半径方向の並進を低減するために、第1のばね定数で構成することができる。
【0004】
いくつかの実施形態では、第1の複数の懸架要素の少なくとも1つの懸架要素は、軸方向懸架要素であって、軸方向懸架要素の第1の端部で第1の端部キャップの表面に結合されている、軸方向懸架要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、軸方向懸架要素は、軸方向懸架要素の第2の端部で第1の端部キャップの表面に更に結合することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1の複数の懸架要素は、ハウジング内のセンサ要素の軸方向の並進を低減するために、第2のばね定数で構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ要素は、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成することができる。いくつかの実施形態では、装置は、ガンマセンサであってもよい。いくつかの実施形態では、装置は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含む金属材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、第2の端部キャップは、サファイア窓を備える。
【0006】
別の態様では、方法が提供される。一実施形態では、方法は、金属材料を用意することを含むことができる。この方法はまた、金属材料を使用して、積層造形プロセスによって装置を形成することを含むことができる。装置を形成することは、装置のハウジングを形成することを含むことができる。ハウジングは、内部にセンサ要素を吊り下げるように構成された空洞を含むことができる。ハウジングはまた、内面と、ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含むことができる。第1の端部キャップは、第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ第1の端部キャップの表面から空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含むことができる。
【0007】
一実施形態では、方法は、ハウジングの内面上に一体的に第2の複数の懸架要素を形成することを含むことができる。第2の複数の懸架要素は、ハウジングの内面から空洞に向かって半径方向に突出することができる。一実施形態では、金属材料又は積層造形プロセスは、所定量の半径方向剛性、所定量の半径方向振動減衰、又は所定量の温度誘起半径方向変位を有する第2の複数の懸架要素を形成するように選択することができる。一実施形態では、金属材料又は積層造形プロセスは、所定量の軸方向剛性、所定量の軸方向振動減衰、又は所定量の温度誘起軸方向変位を有する第1の複数の懸架要素を形成するように選択することができる。
【0008】
一実施形態では、この方法はまた、金属材料を使用して積層造形プロセスによって装置の第2の端部キャップを形成し、サファイア窓を第2の端部キャップの一部分に挿入することと、を含むことができる。一実施形態では、方法は、ハウジング内にセンサ要素を挿入し、第2の端部キャップをハウジングの第2の端部内に溶接することと、を更に含むことができる。
【0009】
一実施形態では、金属材料は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含む。
【0010】
別の態様では、システムが提供される。一実施形態では、システムは、センサを含むことができる。センサは、ハウジングであって、空洞と、内面と、ハウジングの第1の端部内に一体的に形成された第1の端部キャップと、を含むハウジングを含むことができる。ハウジングは、内部にセンサ要素を受け入れるように構成することができる。第1の端部キャップは、第1の端部キャップ内に一体的に形成され、かつ第1の端部キャップの表面から空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素を含むことができる。ハウジングの内面及び/又は第2の複数の懸架要素は、センサ要素が空洞内で並進するときに、センサ要素を空洞内に吊り下げるように構成することができる。センサはまた、ハウジングの第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップと、ハウジング内のセンサ要素と、を含むことができる。システムはまた、センサに結合された光電子増倍管を含むことができる。システムは、光電子増倍管に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスを更に含むことができる。コンピューティングデバイスは、光電子増倍管によって生成されたデータを受信するように構成された少なくとも1つのデータプロセッサを含むことができる。
【0011】
一実施形態では、センサ要素は、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成することができ、センサは、ガンマセンサであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【0013】
【
図1A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの例示的な実施形態の等角図を示す。
【
図1B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの例示的な実施形態の等角図を示す。
【0014】
【
図2A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
【
図2B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
【0015】
【
図3】本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図2のセンサの等角断面図を示す。
【0016】
【
図4A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
【
図4B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
【0017】
【
図5】本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図4A~
図4Bのセンサの断面図を示す。
【0018】
【
図6A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図6B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の断面図を示す。
【0019】
【
図6C】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサのハウジングに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図6D】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサのハウジングに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態の断面図を示す。
【0020】
【
図7A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の等角図を示す。
【
図7B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の等角図を示す。
【
図7C】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の等角図を示す。
【0021】
【
図8】本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態を含む、本明細書に記載のセンサの断面図を示す。
【0022】
【
図9A】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態の等角図を示す。
【0023】
【
図9B】本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図9Aの実施形態の断面図を示す。
【0024】
【
図10】本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの第2の端部キャップの例示的な実施形態の等角図を示す。
【0025】
【
図11】本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図1~
図10のセンサを製造する方法の例示的な実施形態のプロセスフロー図を示す。
【0026】
【
図12】本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図1のセンサを含むシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。
【0027】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
センサは、ハウジング又は本体内に配置されたセンサ要素を含むことができる。多くの場合、センサは、個々の構成要素から製造され、個々の構成要素の製造後に組み立てられる。例えば、センサは、ハウジングと、配線と、センサ要素と、センサ要素をハウジング内に固定するための構成要素と、を含むことができる。センサ構成要素のこのタイプの連続する製造及び組み立ては、品質管理の問題、製造欠陥、及び不適切な組み立ての可能性を導入することがあり、これにより、センサを動作不能にすることがあり、製造コスト及び修理コストを増加させることがある。多数の内部構成要素を有する複雑なセンサを組み立てることは物理的に困難である場合があり、この方法でセンサ構成要素を作製し組み立てるために、特殊な機器、治具、又は他の製造ツール/プロセスを必要とする場合がある。加えて、様々なセンサ構成要素のための異なる材料を調達することは、時間がかかり、製造/組み立て作業を遅延させ、センサの全体的なコストを増加させることがある。異なる材料を使用することにより、また、製造業者が意図したセンサの設計仕様を維持することを困難にすることがある。例えば、センサハウジング及びセンサハウジング内の懸架要素用の別個に調達された材料又は構成要素を使用することにより、衝撃又は振動の条件下でセンサの性能を維持するのに必要なセンサ要素の直径とハウジングの直径との間の所望の比率を達成しない場合がある。
【0029】
現在の製造技術は、センサハウジング、懸架構成要素、及びセンサを封止するために必要な任意のキャップ又は取り付け具などの様々な構成要素を機械加工することを含む。組み立ては、他の構成要素をハウジング内に配置する前に、特定の構成要素をハウジング内に配置する、特定のシーケンスを必要とすることがある。センサの任意の調整は、センサを分解し、様々な製造供給元から異なる修理材料を調達し、センサを修理材料を用いて再組み立てし、修理されたセンサを試験するための追加の時間及び材料を必要とすることがある。
【0030】
本発明の主題は、改善されたセンサ及びセンサを製造する方法を含むことができる。センサは、ハウジングと、ハウジング内に一体的に形成された懸架要素と、からなる一体型の単一ユニットとしてセンサを製造するための積層造形技術を使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、積層造形技術により形成されたセンサはまた、また積層造形技術によって形成された端部キャップを含むことができる。端部キャップは、端部キャップが一体型単一ユニットに含まれるように、ハウジング内に一体的に形成することができる。端部キャップは、端部キャップの一部分内に一体的に形成された懸架要素を含むことができる。
【0031】
本明細書に記載の本発明の主題のいくつかの実装態様は、ハウジング内に形成された一体型懸架装置及び/又はセンサの圧縮プレート若しくは端部キャップ内に形成された一体型懸架装置を備えるセンサを含む。センサは、積層造形技術を使用して堆積及び形成された金属材料を使用して製造することができる。センサは、アーチ状ビームを含む半径方向ばね懸架要素を含むことができる。アーチ状ビームは、センサハウジングに一方又は両方の端部で固定することができる。アーチ状ビームは、半径方向ばねとして作用して、ハウジング内に結晶塊又はセンサ要素を吊り下げることができ、半径方向剛性を提供して、結晶塊又はセンサ要素が振動又は衝撃条件下でハウジングの内面と共振する、割れる、又は衝突するのを防止することができる。懸架要素の剛性は、半径方向懸架要素を形成するアーチ状ビームの断面形状、曲げ形状、長さ、及び固定された端部の数を変更することによって修正することができる。剛性はまた、センサ内の半径方向懸架要素の総数を変更することによって修正することができる。
【0032】
センサはまた、軸方向ばね懸架要素を含むことができる。軸方向ばね懸架要素は、端部キャップ又は圧縮プレートのいずれかに一方又は両方の端部で固定されたアーチ状ビームを含むことができる。軸方向懸架要素は、軸方向ばねとして作用して、結晶塊又はセンサ要素を吊り下げることができ、軸方向の剛性を提供して、結晶塊又はセンサ要素が振動又は衝撃条件下で端部キャップと共振する、割れる、又は衝突するのを防止することができる。軸方向懸架要素の剛性は、ビームの断面形状、曲げ形状、長さ、及び固定された端部の数を変更することによって修正することができる。剛性はまた、センサ内の軸方向懸架要素の総数を変更することによって修正することができる。
【0033】
内部に一体型懸架要素を有するセンサを形成するための積層造形技術の使用により、個々の構成要素の機械加工及び組み立てなど、非積層造形技術を使用して製造されたセンサの調達、組み立て、展開、及び修理に関連する問題に有利に対処することができる。例えば、構成要素の材料選択及び利用可能性は、供給業者の供給又はリードタイムにもはや依存しない。センサの機能的態様を調整するために必要な任意の調整又は設計変更は、新しい構成要素の組み立て及び試験の前に、好適な修理部品を調達してその配送を待つのではなく、材料組成、幾何学的形状、又は積層造形堆積技術を調整することによって実行することができる。
【0034】
図1A~
図1Bは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの例示的な実施形態の等角図を示す。
図1Aに示すように、センサ100は、ハウジング105を含むことができる。ハウジング105は、円筒形ハウジングであってもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、多角形ハウジングなどの非円筒形であってもよい。ハウジングは、金属材料、非金属材料、又は金属材料と非金属材料の混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、金属材料は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属材料は、合金718を含むことができる。ハウジング105は、外面と、内面と、内部の空洞と、を含むことができる。ハウジング105はまた、第1の端部110と、第2の端部115と、を含むことができる。第1の端部110は、ハウジング105内に一体的に形成することができる端部キャップを含むことができる。第2の端部115は、開口部を含むことができる。ハウジング105の内面は、複数の懸架要素120を含むことができる。懸架要素120は、ハウジングの内面上に様々なパターンで形成することができる。例えば、複数の懸架要素120は、均一に配置された行及び列に、不均一に配置された行及び列に、又はハウジング105内に配置された他の部分に対して懸架要素の異なる配置を含むことができる複数の部分に配置することができる。いくつかの実施形態では、複数の懸架要素120の各懸架要素は、例えば、
図1Aの実施形態に示されるように、ハウジング105の長さに直交して配置することができる。いくつかの実施形態では、各懸架要素は、ハウジング105の長さと平行に配置することができる。
【0035】
複数の懸架要素120の各懸架要素は、懸架要素の一方の端部又は懸架要素の両方の端部でハウジングの内面に結合するように構成することができる。複数の懸架要素120は、ばね力を提供して、ハウジング105内のセンサ要素の半径方向の移動を制限することができる。例えば、
図1Aに示すように、センサ100は、結晶塊などのセンサ要素125を含むことができる。センサ要素125は、センサ100の動作中に、ハウジング105内で半径方向130及び/又は軸方向135に並進することができる。複数の懸架要素120は、ハウジング105内の半径方向130のセンサ要素125の並進量を低減又は制限するように構成することができる。
【0036】
図1Bに示すように、センサ100はまた、端部キャップ140を含む。いくつかの実施形態では、端部キャップ140は、ハウジング105内に一体的に形成することができる。いくつかの実施形態では、端部キャップ140は、ハウジング105とは別個に形成することができ、別個の構成要素としてハウジング105の第1の端部110に挿入することができる。そのような実施形態では、端部キャップ140は、ハウジング105を形成するために使用されるのと同じ積層造形技術及び材料を使用して別個に形成することができる。いくつかの実施形態では、端部キャップ140は、ハウジング105に溶接又ははんだ付けすることができる。
【0037】
図2A~
図2Bは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
図2Aに示すように、センサ200は、ハウジング205と、第1の端部210と、第2の端部215と、複数の懸架要素220と、を含むことができる。複数の懸架要素220は、
図2Bに示すように、ハウジング205の長さと平行に配置することができる。センサ200は、ハウジング205内に挿入されて受け入れられるように構成されたセンサ要素225を含むことができる。センサ要素225は、ハウジング205内で半径方向230及び/又は軸方向235に並進することができる。複数の懸架要素220は、ハウジング205内のセンサ要素225の半径方向並進230の量を低減又は制限するように構成することができる。
図2Bに示すように、センサ200は、ハウジング205の第1の端部210内に一体的に形成された、又は挿入された端部キャップ240を含むことができる。
【0038】
図3は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図2のセンサの等角断面図を示す。
図3に示すように、センサ300は、ハウジング305と、第1の端部310と、第2の端部315と、を含むことができる。センサ300は、ハウジング305の内面から突出する複数の懸架要素320を含むことができる。複数の懸架要素320は、ハウジング305内のセンサ要素325の半径方向並進330の量を低減又は制限するように構成することができる。複数の懸架要素320は、個々の懸架要素の一方又は両方の端部でハウジング305の内面に取り付けることができるアーチ状ビーム構造体を含むことができる。複数の懸架要素320は、センサ要素325に対抗するばね力を提供する(したがって、ハウジング305内のセンサ要素325の半径方向並進330を低減する)ように構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ要素は、結晶であってもよく、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成することができる。
【0039】
図3に更に示されるように、センサ300は、センサ300の第1の端部310でハウジング305内に一体的に形成することができる端部キャップ340を含むことができる。端部キャップ340は、追加の複数の懸架要素345を含むことができる。複数の懸架要素345は、ハウジング305内のセンサ要素325の軸方向並進335の量を低減又は制限するように構成された軸方向懸架要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、各軸方向懸架要素は、例えば、
図3に示すように、軸方向懸架要素345の一方の端部で端部キャップ340に結合することができる。いくつかの実施形態では、軸方向懸架要素345の両方の端部は、端部キャップ340に結合することができる。
【0040】
図4A~
図4Bは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサ懸架装置を含むセンサの別の例示的な実施形態の等角図を示す。
図4Aに示すように、センサ400は、ハウジング405と、第1の端部410と、第2の端部415と、を含むことができる。センサ400はまた、ハウジング405でセンサ要素425を吊り下げるように構成された内面420を含むことができる。例えば、
図4Aに示すように、内面420は、多角形形状の表面であってもよく、センサ要素425に対抗するばね力を及ぼして、ハウジング405内のセンサ要素425の半径方向並進430の量を低減するように配置及び寸法決めすることができる。
図4Bに示すように、センサ400は、センサ400の第1の端部410内に一体的に形成された端部キャップ440を含むことができる。
【0041】
図5は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図4A~
図4Bのセンサの断面図を示す。
図5に示すように、センサ400は、ハウジング405と、ハウジング405の内面420と、端部キャップ440の表面505と、を含むことができる。表面505は、端部キャップ440の表面505から離れてハウジングの空洞内に突出するように配置された複数の懸架要素510を含むことができる。複数の懸架要素は、ばね力を提供して、ハウジング405内のセンサ要素425の軸方向並進の量を低減又は制限するように構成することができる。
【0042】
図6A~
図6Bは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の断面図を示す。
図6Aに示すように、本明細書に記載のセンサのハウジング605は、内面610を含むことができる。内面610は、複数の懸架要素615を含むことができる。懸架要素615は、内面610から離れてハウジング605の空洞620に向かって第1の角度で延び、次いで内面610とほぼ平行になるように第1の角度から離れて第2の角度で延びる、傾斜ビーム懸架要素を形成することができる。
図6Aの傾斜ビーム懸架要素615は、明確にするために
図6Bに示されている。
【0043】
図6C~
図6Dは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサのハウジングに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態の断面図を示す。
図6Bに示すように、本明細書に記載のセンサのハウジングの内面610は、複数の懸架要素625を含むことができる。懸架要素615は、内面610から離れてハウジング605の空洞620に向かって第1の角度で延びるカンチレバービーム懸架要素を形成することができる。
図6Cのカンチレバービーム懸架要素は、明確にするために
図6Dに示されている。
【0044】
図7A~
図7Cは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の例示的な実施形態の等角図を示す。
図7Aに示すように、一実施形態では、端部キャップ705は、端部キャップ705の上面715から本明細書に記載のセンサのハウジングの空洞に向かって延びる複数の懸架要素710を含むことができる。複数の懸架要素710は、軸方向懸架要素として構成することができ、本明細書に記載のセンサのハウジング内のセンサ要素の軸方向移動量を低減又は制限するように配置することができる。
図7Aに示すように、複数の懸架要素710の各懸架要素は、漸進的なばね力を生成することができるように、各懸架要素710の長さに沿って変化する直径を有することができる。複数の懸架要素710は、円形の断面で示されているが、追加の形状の断面を実装することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の懸架要素710の断面の形状は、幾何学的形状の断面を含むことができる。
図7Aに更に示されるように、端部キャップ705は、端部キャップ705が積層造形技術を使用してハウジングとは別個に形成することができる場合、本明細書に記載のセンサのハウジング内に端部キャップ705を固定するように構成されたカラー又は一体型ガスケット720を含むことができる。
【0045】
図7Bに示すように、別の実施形態では、端部キャップ725は、端部キャップ725の上面735から本明細書に記載のセンサのハウジングの空洞に向かって延びる角度付き懸架要素730の円形配置を含むことができる。複数の懸架要素730は、軸方向懸架要素として構成することができ、本明細書に記載のセンサのハウジング内のセンサ要素の軸方向移動量を低減又は制限するように配置することができる。
図7Bに示すように、複数の懸架要素730の各懸架要素は、各懸架要素730の長さに沿って変化しない均一な直径を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の懸架要素730の各懸架要素の直径は、漸進的なばね力を生成することができるように、その長さに沿って変化することができる。いくつかの実施形態では、各懸架要素730が端部キャップ725の上面735から離れて延びる角度は、漸進的なばね力を生成することができるように構成することができる。複数の懸架要素730は、円形の断面で示されているが、追加の形状の断面を実装することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の懸架要素730の断面の形状は、幾何学的形状の断面を含むことができる。
図7Bに更に示されるように、端部キャップ725は、端部キャップ725が積層造形技術を使用してハウジングとは別個に形成することができる場合、本明細書に記載のセンサのハウジング内に端部キャップ725を固定するように構成されたカラー又は一体型ガスケット720を含むことができる。
【0046】
図7Cに示すように、別の実施形態では、端部キャップ740は、端部キャップ740の上面750から本明細書に記載のセンサのハウジングの空洞に向かって延びる複数のV字形懸架要素745の配置を含むことができる。複数の懸架要素745は、軸方向懸架要素として構成することができ、本明細書に記載のセンサのハウジング内のセンサ要素の軸方向移動量を低減又は制限するように配置することができる。
図7Cに示すように、複数の懸架要素745の各懸架要素は、開放角度755であり得る。開放角度755は、様々な量のばね力及び剛性を作り出すために、様々な角度で構成することができる。いくつかの実施形態では、懸架要素745は、センサ要素が本明細書に記載のセンサのハウジング内で軸方向に並進して、複数の懸架要素745と接触するときに、センサ要素によって複数の懸架要素745に加えられる所与の量の変位力に応じて、階段関数として剛性を変化させるように構成することができる係合高さ760を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の懸架要素745の各懸架要素の直径は、漸進的なばね力を生成することができるように、その長さに沿って変化することができる。いくつかの実施形態では、各懸架要素745が端部キャップ740の上面750から離れて延びる角度は、漸進的なばね力を生成することができるように構成することができる。
図7Cに更に示されるように、端部キャップ740は、端部キャップ725が積層造形技術を使用してハウジングとは別個に形成することができる場合、本明細書に記載のセンサのハウジング内に端部キャップ740を固定するように構成されたカラー又は一体型ガスケット720を含むことができる。
【0047】
図8は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、センサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態を含む、本明細書に記載のセンサの断面図を示す。
図8に示すように、センサ800は、多角形形状のハウジング805と、ハウジング805の内面815上に形成された複数の懸架要素810と、を含むことができる。複数の懸架要素810は、ハウジング805内のセンサ要素の半径方向変位の量を低減又は制限するように構成された半径方向懸架要素810を含むことができる。
【0048】
図8に更に示されるように、センサ800は、(上面825が示されている)端部キャップ820を含む。端部キャップ820は、上面825からセンサ800の空洞に向かって延びる複数の懸架要素830を含むことができる。複数の懸架要素830は、中心835から半径方向に外向きに延びる螺旋パターンで配置することができる。いくつかの実施形態では、複数の懸架要素830は、正方形、三角形、円形、楕円形、又は多角形形状の懸架要素又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、各懸架要素830の一部分は、隣接する懸架要素830の一部分と重なり合うことができる。複数の懸架要素830は、ハウジング805内のセンサ要素の軸方向変位の量を低減又は制限するように構成された軸方向懸架要素830を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の懸架要素830は、端部キャップ820及びその上に構成された複数の懸架要素830に対抗するセンサ要素の軸方向変位に応じて、漸進的なばね力を提供するように構成することができる。
【0049】
図9Aは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの端部キャップに含まれる複数の懸架要素の別の例示的な実施形態の等角図を示す。
図9Aに示すように、端部キャップ905は、格子編成又はマトリックス編成の複数の懸架要素910を含むことができる。複数の懸架要素は、ハウジング805内のセンサ要素の軸方向変位の量を低減又は制限するように構成された軸方向懸架要素910を含むことができる。いくつかの実施形態では、格子は、可撓性格子であってもよく、所与の負荷が格子構造体に印加されたときに、漸進的なばね応答又は線形ばね応答を提供するように構成することができる。様々な格子形状及び寸法を想定することができる。
【0050】
図9Bは、本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図9Aの実施形態の断面図を示す。
図9Bに示すように、複数の懸架要素910は、格子構造体を形成することができる。格子構造体は、正方形の個々のセル915で示されているが、複数の懸架要素910を形成する格子構造体を形成するために、追加のセル形状を含めることができる。
【0051】
図10は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、本明細書に記載のセンサの第2の端部キャップの例示的な実施形態の等角図を示す。
図10に示すように、第2の端部キャップ1000は、ハウジング1005と、ハウジング1005内に配置された窓1010と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、端部キャップ1000は、本明細書に記載されるように、センサの第2の端部に挿入することができる第2の端部キャップであってもよい。例えば、第2の端部キャップ1000は、
図1に関連して説明したセンサ100の第2の端部115に挿入することができる。いくつかの実施形態では、第2の端部キャップ1000は、本明細書に記載のセンサのハウジング及び端部キャップ、例えば、
図1に関連して説明したハウジング105及び端部キャップ110を形成するために使用されたものと、同じ積層造形技術により、かつ同じ材料を使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、第2の端部キャップ1000は、センサ要素がハウジングに挿入された後に、ハウジングに溶接することができる。いくつかの実施形態では、窓1010は、サファイア窓を含むことができる。
【0052】
図11は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図1~
図10のセンサを製造する方法の例示的な実施形態のプロセスフロー図を示す。
図11に示すように、方法1100は、金属材料を用意する1110で開始する。金属材料は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、追加の材料を金属材料と混合して、合金又は非金属材料を含む組成物を形成することができる。
【0053】
1120で、方法1100は、1110で用意された金属材料を使用して、積層造形技術によって装置を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、積層造形技術は、材料噴射、バインダー噴射、材料押出、粉末床融合(例えば、直接金属レーザー溶融(direct metal laser melting、DMLM)、電子ビーム溶融、及び選択的レーザー溶融(selective laser melting、SLS)など)、シート積層、及び指向性エネルギー堆積を含むことができる。
【0054】
本明細書に記載の軸方向懸架要素及び半径方向懸架要素は、剛性、振動周波数、衝撃抵抗、減衰、センサ要素変位によって引き起こされるアクティブ負荷などの様々なパラメータに対して形成することができる。本明細書に記載の複数の軸方向懸架要素及び半径方向懸架要素は、センサ要素が熱膨張を受け得る条件、並びにセンサ及びセンサ要素が振盪されるときに起こり得るなどの振動又は衝撃条件によってセンサ要素が軸方向又は半径方向に変位し得る条件下で、センサ要素をハウジング内に固定するように構成することができる。複数の懸架要素は、ばねとして作用して、センサ要素の変位を吸収し、センサ要素をセンサのハウジング内の適所に維持することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、金属材料又は積層造形プロセスは、ハウジング305内のセンサ要素325の軸方向並進335に対して、所定量の軸方向剛性、所定量の軸方向振動減衰、又は所定量の温度誘起軸方向変位を有する、
図3の複数の懸架要素345などの第1の複数の懸架要素を形成するように選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、金属材料又は積層造形プロセスは、ハウジング305内のセンサ要素325の半径方向並進330に対して、所定量の半径方向剛性、所定量の半径方向振動減衰、又は所定量の温度誘起半径方向変位を有する、
図3の複数の懸架要素320などの第2の複数の懸架要素を形成するように選択することができる。
【0057】
装置を形成することは、
図1に関連して図示及び説明したセンサ100などのセンサを形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサは、ガンマセンサであってもよい。装置を形成することは、センサ100のハウジング105を形成することを含むことができ、ハウジング105は、内部にセンサ要素125を吊り下げるように構成された空洞と、内面と、ハウジング105の第1の端部110内に一体的に形成された第1の端部キャップ140と、を含む。
図3に示すように、第1の端部キャップ340は、第1の端部キャップ340内に一体的に形成され、かつ第1の端部キャップ340の表面からハウジング305の空洞に向かって突出するように配置された、第1の複数の懸架要素345を含むことができる。
【0058】
1130で、方法1100はまた、ハウジング305の内面上に一体的に第2の複数の懸架要素320を形成することを含むことができ、第2の複数の懸架要素320は、ハウジング305の内面から空洞に向かって半径方向に突出する。
【0059】
1140で、方法1100は、金属材料を使用して積層造形プロセスによって装置の第2の端部キャップを形成し、サファイア窓を第2の端部キャップの一部分に挿入することと、を更に含むことができる。例えば、
図10に関連して説明したように、第2の端部キャップ1000は、金属材料を使用して形成することができる。サファイア窓1010は、第2の端部キャップ1000のハウジング1005に挿入することができる。
【0060】
1150で、センサ要素をハウジング内に挿入することができる。第2の端部キャップをハウジングの第2の端部内に溶接することができる。例えば、
図1及び
図10に関連して説明したように、センサ要素125をハウジング105に挿入することができる。いくつかの実施形態では、センサ要素は、結晶であってもよく、臭化セリウム、ハロゲン化ランタン、又はヨウ化ナトリウムから形成することができる。第2の端部キャップ1000は、ハウジング105の第2の端部115内に溶接することができる。
【0061】
図12は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、
図1のセンサを含むシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。
図12に示すように、システム1200は、
図11の方法1100に従って形成されたセンサによって生成されたセンサデータを受信し処理するように構成されたコンピュータデバイス1205を含むことができる。コンピューティングデバイス1205は、プロセッサ1201と、メモリ1215と、通信インターフェース1220と、ディスプレイ1225と、1つ以上の入力デバイス1230と、を含むことができる。コンピューティングデバイス1205のプロセッサ1210は、メモリに記憶されたコンピュータ可読命令を実行して、通信インターフェース1220を介して受信されたデータを処理するように構成することができる。メモリ1215はまた、本明細書に記載のセンサによって生成されたセンサデータを記憶することができる。ディスプレイ1225は、コンピューティングデバイス1205によって受信されたセンサデータを提示するように構成されたモニタ、スコープ、又は同様の表示デバイスを含むことができる。入力デバイス1230は、ユーザがセンサデータ及び/又はコンピューティングデバイス1205と相互作用することができるキーボード、マウス、ジョイスティック、ノブ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを含むことができる。
【0062】
図12に更に示されるように、システム1200は、コンピューティングデバイス1205に結合された光電子増倍管1235を含むことができる。光電子増倍管1235は、センサ1240から光子を受け取ることができ、分析、処理、記憶、及び報告のためにコンピューティングデバイス1205に提供することができる電気信号に光子を変換することができる。センサ1240は、本明細書に記載され、かつ
図11の方法1100に従って形成された、ガンマセンサであってもよい。ガンマセンサ1240は、感知するようにガンマセンサ1240を構成することができる環境1250からガンマエネルギー1245を受け取ることができる。
【0063】
本明細書に記載の装置、方法、システムの例示的な技術的効果は、非限定的な例として、積層造形技術によりセンサ要素懸架装置を含むセンサを形成することを含む。センサ及びセンサ懸架装置を形成するこの方法は、別個に製造して組み立てられるセンサ構成要素の必要性を低減することができ、内部に一体的に形成された複数の懸架要素を有するセンサハウジングを提供することができる。懸架要素は、センサハウジング内に配置され、かつ懸架要素とインターフェース接続する、センサ要素の半径方向及び軸方向並進の量を低減するように形成することができる。懸架要素は、本明細書に記載の積層造形技術を使用して懸架要素を形成することによって、様々な剛性、振動減衰、及び熱変位で構成することができる。このように一体型懸架要素を有する単一のハウジングを形成することにより、在庫のリードタイムを短縮し、組み立てを必要とする個々のセンサ構成要素の数を減少させ、修理及び交換のコストを低減し、より信頼性が高く、かつ正確なセンサを提供することができる。
【0064】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して示される、又は説明する特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態において類似する名称のそれぞれの構成要素のそれぞれの特徴については、必ずしも完全には詳述していない。
【0065】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0066】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を実行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実行され得、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0067】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリのすべての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0068】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0069】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで実行されるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで実行される機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって実行され得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0070】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザが本明細書に記載される主題の実装態様と相互作用することができる、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装又は結合することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0071】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応することができる。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換を行うことができ、かかる範囲は識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、そこに含まれるすべての部分範囲を含む。
【0072】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。