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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041714
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】内視鏡器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20230316BHJP
   A61B 10/02 20060101ALI20230316BHJP
   A61B 17/221 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
A61B1/018 515
A61B10/02 500
A61B17/221
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023003995
(22)【出願日】2023-01-13
(62)【分割の表示】P 2020025258の分割
【原出願日】2016-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ピー・マンスフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ジュディ・エル・ワリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ピー・フェミア
(57)【要約】
【課題】動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための器具において、操作性を高める。
【解決手段】動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具。この器具は、第1の制御装置及び第2の制御装置を含む。第1の制御装置は、バスケット型デバイスを選択的に制御するため、並びに、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間でバスケット型デバイスを動かすために、バスケット型デバイスに結合するようになされている。第1の制御装置は、プランジャー/シリンダー機構のシリンダーに対して、プランジャーの相対位置を操作するために、プランジャーに結合されているハンドルを含む。第2の制御装置は、第1の制御装置に隣接して配置され、第1の制御装置に対する回転を選択的に独立して制御するように、バスケット型デバイスに結合するようになされている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人又は動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのシースおよびバスケット型デバイスのアセンブリを操作するための、外科医による使用のための器具であって、
第1の端部に第1のシリンダーを備え、反対側の第2の端部に第2のシリンダーを備えた外側スリーブであって、外側スリーブに接続された前記シースおよびバスケット型デバイスのアセンブリのシースを有するように構成された外側スリーブと、
前記外側スリーブの第1の端部で前記第1のシリンダー内の前記外側スリーブにスライド可能に接続されたコネクタであって、当該器具を内視鏡のポートに接続するように構成されたコネクタと、
前記外側スリーブの反対側の第2の端部で前記第2のシリンダー内の前記外側スリーブにスライド可能に接続されたプランジャーであって、プランジャーに接続された前記シースおよびバスケット型デバイスのアセンブリのバスケット型デバイスの遠位端を有するように構成されたプランジャーと、
を含んでなり、
前記プランジャーは、前記第2のシリンダー内で長手方向にスライドし、前記外側スリーブに対して軸方向に回転するように構成され、
前記外側スリーブは、前記コネクタが前記第1のシリンダー内で長手方向にスライドする状態で、前記コネクタ上を長手方向に移動するように構成され、
前記コネクタに対する前記外側スリーブの移動が、前記シースおよび前記バスケット型デバイスを前記コネクタに対して移動させるように構成され、
前記外側スリーブに対する前記プランジャーの移動が、前記シースに対して前記バスケット型デバイスを移動させるように構成されていることを特徴とする、器具。
【請求項2】
前記外側スリーブを前記コネクタから離れる方向に付勢する第1のバイアス部材を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記第1のバイアス部材が第1のスプリングを含むことを特徴とする、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記外側スリーブに対して外側方向に前記プランジャーを付勢する第2のバイアス部材を更に備えていることを特徴とする、請求項2または3に記載の器具。
【請求項5】
前記第2のバイアス部材が第2のスプリングを含むことを特徴とする、請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記プランジャーは、前記シースに対して前記バスケット型デバイスを軸方向に回転させ、且つ、前記シースに対して前記バスケット型デバイスを長手方向にスライドさせるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の器具。
【請求項7】
前記外側スリーブは、前記コネクタに向かって外側スリーブを移動するためのハンドルを形成していることを特徴とする、請求項1に記載の器具。
【請求項8】
前記プランジャーは、前記外側スリーブに押し込まれるように構成されたボタンを形成していることを特徴とする、請求項7に記載の器具。
【請求項9】
前記ボタンが、前記外側スリーブに対して回転可能であることを特徴とする、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記コネクタが、ルアーカップラーを備えていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
前記プランジャーは、第1の拡大端部と第2の拡大端部との間に延在するシャフトを備え、前記第1の拡大端部が、前記第2のシリンダー内に配置されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
前記プランジャーの第1の拡大端部は、前記外側スリーブの第2の端部に接続された保持部材によって前記第2のシリンダー内に保持されていることを特徴とする、請求項11に記載の器具。
【請求項13】
前記プランジャーは、前記第2の拡大端部に連結されたボタンをさらに備えていることを特徴とする、請求項11または12に記載の器具。
【請求項14】
前記ボタンが、前記第2の拡大端部内に形成された穴内に延在する突起部を含んでいることを特徴とする、請求項13に記載の器具。
【請求項15】
前記コネクタは、前記コネクタ上の前記外側スリーブの長手方向位置を調節可能に固定するための複数のくぼみを含んでいることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的及び非限定的な実施形態は、一般に、内視鏡、より詳細には、内視鏡と共に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,764,499号明細書は、バスケットを備えた医療用デバイスを開示している。米国特許第8,211,115号明細書は、さまざまなサイズのリトリーバルバスケットを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,764,499号明細書
【特許文献2】米国特許第8,211,115号明細書
【発明の概要】
【0004】
以下の概要は、単に例示を意図しているに過ぎない。この概要は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、例となる実施形態は、動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具において提供することができ、この器具は、バスケット型デバイスを選択的に制御するため、及び第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間でバスケット型デバイスを動かすために、バスケット型デバイスに結合するようになされている第1の制御装置であって、プランジャー/シリンダー機構のシリンダーに関して、プランジャーの相対位置を操作するために、プランジャーに結合されているハンドルと、を備えた、第1の制御装置、及び第1の制御装置に隣接して置かれており、かつ第1の制御装置と独立してバスケット型デバイスの回転を選択的に制御するためのバスケット型デバイスに結合するようなされている、第2の制御装置、を備えている。
【0006】
別の態様によれば、例となる実施形態は、動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具において提供することができ、この器具は、長手軸を有して、並びに、通路を含む筐体と、筐体の通路に位置している第1の部分、及び筐体から延在している第2の部分を含む、第1の制御装置であって、バスケット型デバイスを選択的に制御するために、バスケット型デバイスに結合するようになされており、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間でバスケット型デバイスを動かすために、筐体の通路において軸方向に移動可能であり、第2の開いた位置にあるとき、バスケット型デバイスを回転させるため、筐体の通路に回転可能となるように移動可能である、第1の制御装置と、第1の制御装置の第2の部分に結合している端部表面であって、第1の制御装置と共に軸方向に移動し、第1の制御装置が回転している間、固定して回転した状態をとることができるよう、第1の制御装置と独立して回転して移動する、端部表面と、を備えている。
【0007】
前述の態様及び別の特徴を、以下の説明において、添付図面と連携して採用し、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】内視鏡の側面図である。
図2】内視鏡器具の遠位端の側面図である。
図3図1に示されている内視鏡の遠位端からの、図2に示されている器具を拡張したものを例示している側面図である。
図4図2図3に示されている内視鏡器具の近位端の斜視図である。
図5図4に示されているアセンブリにシース及びバスケット型デバイスを結合したものを例示する概略図である。
図6図4に示されているアセンブリの分解斜視図である。
図7図4及び図6に示されているアセンブリの外側スリーブの横断面図である。
図8図4及び図6に示されているアセンブリの横断面図である。
図9図8に示されている上部ボタン及びプランジャーの部分横断面図である。
図10図4図6及び図8に示されているプランジャーの斜視図である。
図11図10に示されているプランジャーの横断面図である。
図12図4及び図8に示されているコネクタの代替的実施形態の斜視図である。
図13図12に示されているコネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照して、装置10の例の側面図を示す。この例における装置10は、たとえば、患者の尿道などを介して挿入するなどの、患者の身体に部分的に挿入されるよう構成されている、内視鏡医療用デバイスである。内視鏡10は、一般に、制御部分12、及び制御部分12に接続されている可撓性又は半可撓性シャフト14を備えている。この例では、制御部分12は、装置用のハンドルを形成する。シャフト14は、シャフト14の遠位端に、受動屈撓部分(passive deflection section)16及び能動屈撓部分(active deflection section)(屈曲部分)18を含む。能動屈撓部分18を制御するための制御システム22は、制御部分12から能動屈撓部分18まで延在している。制御システム22は、一般に、屈曲性制御ワイヤ、ワイヤシース及びアクチュエータ28を備えている。ワイヤは、一方の端部においてアクチュエータ28に接続されており、第2の端部で能動屈撓部分18に接続されている。
【0010】
示された例となる実施形態では、制御部分12は、使用者により操作されるスライド又はレバー(制御レバー)30を有している。レバー30は、アクチュエータ28に接続されている。アクチュエータ28は、制御システム22のワイヤを引っ張る、及びゆるめるようになされている。レバー30が使用者により動かされると、アクチュエータ28が動く。アクチュエータ28は、たとえば、ドラムとすることができるか、又は1つのワイヤを引っ張り、同時にもう一方のワイヤをゆるめながら、制御部分12に回転可能となるよう滑車により接続され得る。代替的な実施形態では、アクチュエータは、制御システム22のワイヤを引っ張る及びゆるめるようになされている、ロッカーアームなどの、好適な任意のタイプのデバイスとすることができる。別の代替的な実施形態では、制御システムが、一対の制御ワイヤを2つ以上有することができる場合、制御部分は、追加のアクチュエータ、及び追加の一対の屈曲性制御ワイヤを駆動するための対応する制御を有する。更に別の代替的な実施形態では、制御部分は、ラックアンドピニオン機構又は他の好適な使用者により操作される制御システム用の制御を備えた取っ手を有してもよい。
【0011】
シャフト14は、制御部分12から一端が飛び出している。可撓性シャフト14は、制御システム22の屈曲性制御ワイヤ、光ファイバー画像束、光ファイバーイルミネーション束及び作業用チャネルを含む。シャフトの作業用チャネル24に機器を挿入するためのポート60は、制御部分12上に配置されている。制御部分12はまた、イルミネーション束に光源(図示せず)を接続するための光源ポスト62を有する。更に、制御部分12は、使用者がフロントエンド20から画像束によって伝播される画像を見るためのアイピース63を有する。代替的な実施形態では、可撓性シャフトは、異なるシステム内部に収容することができる。シャフト14は、一般に、フレーム26、カバー32及び対物ヘッド(objective head)34を備える。
【0012】
図2図3も参照すると、内視鏡器具36の遠位端を示す。器具36は、装置10に取り付けられており、作業チャネル24からのシャフト14の遠位端20から延在するように構成されている。器具36は、この例では、外科医が制御するバスケット型デバイス(Surgeon Controlled Basket Device:SCBD)である。器具36は、バスケット型デバイス50及びシース56を備えたアセンブリ33を含む。このバスケット型デバイス50は、遠位端においてバスケット部分52、及びシース56から器具36の近位端に延在しているシャフト部分54を備えている。シャフト部分54は、バスケット部分52を移動させるための制御ワイヤとして機能する。シース56及びバスケット型デバイス50は、互いに対して、長手方向に可動であり、シース56に対して前方の位置と後方の位置との間でバスケット型デバイス50が動く。図2及び図3は、シャフト部分(制御ワイヤ)54が、シース56に対して前方向に動き、そうして、バスケット部分52は、シース56のフロントエンドの隙間66の外側に配置されている。バスケット型デバイス50上のシース56の前方の位置では、バスケット部分52は、シース56の内部に配置されている。バスケット部分52は、シース56の内部で適合するほど一層小さな形状に、シース56によってしぼんでいる。
【0013】
図4図5を更に参照すると、この例における器具36は、制御アセンブリ70を備える。制御アセンブリ70は、バスケット型デバイス50及びシース56の近位端に結合されている。制御アセンブリ70は、ポート60において制御部分12に取り付けられており、作業用チャネル24に入るよう構成されている。本特徴は図面に示されている制御アセンブリの例となる実施形態を参照して説明されるが、本特徴は、実施形態の多数の代替形態で具体化することができることを理解すべきである。更に、要素又は物質の、任意の好適なサイズ、形状又はタイプを使用することができる。
【0014】
この例では、制御アセンブリ70は、外側スリーブ72、コネクタ74及びプランジャー76を備える。コネクタ74は、ポート60において、制御アセンブリ70を制御部分12に接続するように構成されている。外側スリーブ72は、図4の矢印Aによって示されるとおり、コネクタ74にスライドできるよう接続されている。この例では、シース56の近位端は外側スリーブ72に取り付けられており、外側スリーブ72が動かされたとき、シース56を長手方向に動かす。プランジャー76は、矢印Aにより示されているとおり、外側スリーブ72に移動可能となるよう装着され、やはりスライドする。図4は、プランジャー76が、外側スリーブ72に対して外側のホーム位置に存在することを示している。プランジャー76は、この外側のホーム位置から、矢印Bによって示されるとおり、外側スリーブ72に押し下げることができる。バスケット型デバイス50のシャフト部分54の近位端は、プランジャー76に取り付けられており、プランジャー76が長手方向に動くと、このプランジャーは、バスケット型デバイス50のシャフト部分54を長手方向に移動させることができる。したがって、プランジャー76が、外側スリーブ72に対して押し下げられると、バスケット型デバイス50の遠位端は、シース56のフロントエンド隙間66から延びる。プランジャー76が押し下げられないときは、バスケット型デバイス50の遠位端52は、シース56のフロントエンド隙間66の方向に引っ込められる。
【0015】
代替例において、シース56の近位端は、プランジャー76に接続されていてもよく、バスケット型デバイス50のシャフト部分54の近位端は、外側スリーブ72に接続されていてもよい。この代替例では、プランジャー76は、その延在ホーム位置から外側スリーブ72上のその押し下げ位置まで押し下げられて、バスケット部分52全体にシース56を動かすことができ、プランジャーは、その押し下げ位置からその延在ホーム位置にゆるめられて、シース56が動いて、バスケット部分52から離れることができる。
【0016】
図6も参照すると、制御アセンブリ70の分解図が示されている。示された例では、制御アセンブリ70は、2つのスプリング78、79及び上部ボタン80を備えている。図7も参照すると、上部スプリング78は、外側スリーブ72の領域82に位置しており、底部スプリング79は、外側スリーブ72の領域83に位置している。図8にも示されているが、わずかに異なるボタン80’が用いられている。上部スプリング78は、図7に示されている表面92とプランジャー76の底部端90との間に圧縮されて、図4及び8に示されているとおり、外側スリーブ72に対して、その延在ホーム位置において、プランジャー76を偏らせる。上部部材88は、外側スリーブ72の上部端に接続されて、領域82内部のプランジャー76の底部端90を維持する。
【0017】
底部スプリング79は、コネクタ74から離れるよう外側スリーブ72を偏らせる。しかし、底部部材84は、外側スリーブ72の底部端に接続されている。底部部材84は、コネクタ74上に調節可能なように位置される。底部部材84は、コネクタ74の複数の異なる長手方向の位置の1つにおいて、コネクタ74におけるくぼみ86に契合して、コネクタ74上の外側スリーブ72の長手方向の位置を調節可能となるよう固定するように構成されている突起部を有する。示された例では、外側スリーブ72は、底部部材84と共に軸方向に回転して、くぼみ86から離れることができる。次に、外側スリーブ72は、新しい長手方向の位置に、コネクタ74に沿って長手方向にスライドさせることができる。次に、外側スリーブ72は、底部部材84と反対側の方向に軸方向に回転して、新しい一対のくぼみ86と再契合することができる。これを使用して、装置10に対して、バスケット型デバイス50とシース56の両方が一緒に動くための微調節として作用することができる。
【0018】
上部ボタン80は、プランジャー76の上部に取り付けられている。上部ボタン80は、プランジャー76の上部に、軸方向に回転するようになされている。図4及び6は、プランジャーの上部側面の半分未満を覆う上部ボタン80を示している。図8及び9は、上部表面の大部分を覆う上部ボタン80’を示している。しかし、上部ボタン80、80’のどちらも同じように機能する。特に、上部ボタン80、80’は、使用者の指が再度、押すための上部表面を設けているが、依然として、プランジャー76は、外側スリーブ72上で軸方向に容易に回転することが可能である。
【0019】
図9図11に見られるとおり、プランジャー76は、上部端94を有する。上部端94は、フィンガーグルーブ96を有して、使用者の指との良好な摩擦接触をもたらす。上部端94は、穴98を有する。上部ボタン80、80’は、穴98に伸びる突起部100を有する。ボタン80、80’は、この突起部/穴境界部で、プランジャー76に回転可能なように装着される。バスケット型デバイス50のシャフト部分54の近位端は、穴98をもたらすチャネル中のプランジャー76に固定して接続されている。しかし、バスケット型デバイス50のシャフト部分54は、ボタン80、80’に直接、接続されない。したがって、使用者が、その指をボタン80、80’の上にのせると、使用者は、ボタン80、80’及びボタン上の使用者の指を軸方向に回転しないようにしながら、プランジャー76を軸方向に回転させることによって、バスケット型デバイス50を軸方向に回転することができる。これにより、使用者の指には一層の心地のよい感覚がもたらされ、使用者の指が、プランジャーが回転している間に、ボタン/プランジャーアセンブリから滑って離れる可能性はより少なくなる。
【0020】
上記の特定された例となる実施形態は、第1の制御装置及び第2の制御装置を備えた器具を提供する。第1の制御装置は、ボタン80及び外側スリーブ72を備えたプランジャー/シリンダー機構によって形成される。この第1の制御装置は、バスケット型デバイスを直線的に動かすようになされている。第2の制御装置は、プランジャー76によって形成され、バスケット型デバイス50の直線移動又は位置の第1の制御装置の制御と独立して、バスケット型デバイスを回転させるようになされている。上記の例では、プランジャー76は、バスケット型デバイス50、及び外側スリーブ72によって形成されているシリンダーに、ボタン80を接続する。
【0021】
図12及び13も参照すると、コネクタの代替例が示されている。この例の実施形態では、コネクタ102は、コネクタ74を置きかえるよう構成されている。コネクタ102は、一般に、延長シャフト104、及び内部インサート106、プランジャーシャフト108及び2つのボタン110を備えている。プランジャーシャフト108のフロントエンド112は、ポート60において、作業用チャネル24の中に位置するようなされている。外側スリーブ72上の底部部材84の内部で面している突起部は、溝114に位置している。底部スプリング79は、延長シャフト104から離れるように外側スリーブ72を偏らせるが、溝114に位置している底部部材84上の内部突起部は、外側スリーブ72の延長シャフト104への接続を維持する。底部スプリング79は圧縮されて、外側スリーブ72を延長シャフト104の外部の上で下側に動かすことができる。これにより、シース56及びバスケット型デバイス50が、コネクタ102及び装置10に対して一緒に動くことが可能となる。外側スリーブ72及び取り付けられている底部部材84は、延長シャフト104上で軸方向に回転して、底部部材84上の内側突起部を動かし、領域116内で回転させ、前方の位置のコネクタ102上に、長手方向の位置の外側スリーブ72を固定してもよい。
【0022】
プランジャーシャフト108は、横方向のスロット118、及びこのスロット118の反対側に歯ポケット(tooth pocket)120を備える。スロット118により、ボタン110は、プランジャーシャフト108の長手方向の長さ沿って、相対運動することが可能となる。歯ポケット120により、歯ポケット120において、歯122は契合して、プランジャーシャフト108に対して、ボタン110の位置が調節可能となるよう固定されることが可能となる。ボタン110は、内部インサート106中のボタン穴124を介して、スロット118に突き抜けている。ボタン110は、スプリング(図示せず)によって、外側方向に偏ることができる。ボタン110は、内側に押し下げられて、歯ポケット120からの歯122を動かし、プランジャーシャフト108の方向に沿って、延長シャフト104(取り付けられている内部インサート106と共に)を長手方向に延ばすか、又は引っ込めることができる。この特徴は、さまざまな長さの作業用チャネルを有する、異なる内視鏡を装備した器具の使用を可能にし得る。コネクタ102の長さは、さまざまな長さの作業用チャネルを調節するために調節することができる。したがって、この器具は、さまざまなタイプの内視鏡と共に使用することができる。
【0023】
たとえば、本明細書に記載されている特徴により、たとえば、バスケット型デバイスなどの別の部材を軸方向に回転させるために、プランジャー76などのスピンプレートを有する内視鏡器具を提供することができる。本明細書に記載されている特徴は、必ずしも、外科医により制御されるバスケット型デバイス(Surgeon Controlled Basket Device:SCBD)に制限されない。本明細書に記載されている特徴を使用して、軸回転機構を有するプランジャー機構を、単一の単純化設計に一体化してもよい。
【0024】
従来の外科医が制御するバスケット型デバイス(SCBD)のデバイスは、プランジャースタイルのバスケットの操作者が、バスケットを開放状態に保持して、このバスケットの回転を望む場合に、プランジャーを回転させながら、プランジャーの上に指の安定な位置及び圧力を維持するのは困難である。
【0025】
本明細書に記載されている特徴により、圧力を維持するために使用される操作者の指に回転を負わせることなく、プランジャーを回転しながら、指がプランジャーへの圧力を維持することを可能にする機構を提供することができる。上部表面は、プランジャーに対して、独立して回転する。これにより、下方向への圧力を適用するために使用される指によって調節する必要なしに、プランジャーを自在に回転することが可能になる。たとえば、ボタン80又は80’などの上部表面は、バスケットの配置(軸方向)をもたらす移動方向に、プランジャーに対して上部表面を安定して保持する方法でプランジャーに取り付けることができるが、上部表面の放射方向の位置と、放射方向の位置又はプランジャー機構の動きとをリンクさせない。これにより、2つの構成要素は、直線の位置関係を依然として維持しながらも、互いに独立して回転することが可能となる。
【0026】
例となる態様の1つのタイプでは、動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具を提供することができ、この器具は、バスケット型デバイスを選択的に制御するため、及び第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間でバスケット型デバイスを動かすために、バスケット型デバイスに結合するようになされている第1の制御装置であって、プランジャー/シリンダー機構と、及びシリンダーに関して、プランジャーの相対位置を操作するために、プランジャーに結合されているハンドルと、を備えた、第1の制御装置と、第1の制御装置に隣接して置かれており、かつ第1の制御装置と独立してバスケット型デバイスの回転を選択的に制御するためのバスケット型デバイスに結合するようなされている、第2の制御装置と、を備えている。
【0027】
器具は、第1の端部及び第2の端部を有するシースを更に備えていてもよく、このシースは、バスケット型デバイスを収容するよう、及びバスケット型デバイスを、それに関して、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間で、長手方向にスライドさせるようになされており、シースは、バスケット型デバイスに対して、並進運動するための第1の制御装置に結合されており、バスケット型デバイスは、第1の制御装置に関して、回転運動するための第2の制御装置に結合している。器具は、第1の閉じた位置の方向にバスケット型デバイスを動かすために、シリンダーに関して、プランジャーを偏らせるための、操作により配置される第1のバイアス機構を更に備えることができる。器具は、第2の開いた位置でプランジャーを固定するための、第1の制御装置に結合した固定機構を更に備えてもよい。第2の制御装置は、固定機構が第1の制御装置を固定したとき、操作可能な状態にあり続けることができる。第2の制御装置は、第1の制御装置が固定されている間、バスケット型デバイスを回転し続けることができる。器具は、ハンドル及びシースに関して、第1の閉じた位置の方にバスケット型デバイスを偏らせるための第2のバイアス機構を更に備えていてもよく、バスケット型デバイスは、第2の制御装置にしっかりと回転するように結合されている。第2のバイアス機構は、バスケットが第1の閉じた位置に動く方向に、プランジャー76を偏らせるための、第2の制御装置に結合されていてもよい。器具は、たとえば、器具を内視鏡に選択的に結合するために、コネクタ74などのルアーカップラーを更に備えてもよい。
【0028】
例となる実施形態は、動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具において提供することができ、この器具は、長手軸を有しており、かつ通路を含む筐体と、筐体の通路に位置している第1の部分、及び筐体から延在している第2の部分を含む、第1の制御装置であって、バスケット型デバイスを選択的に制御するために、バスケット型デバイスに結合するようなされており、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間でバスケット型デバイスを動かすために、筐体の通路において軸方向に移動可能であり、第2の開いた位置にあるとき、バスケット型デバイスを回転させるため、筐体の通路に回転可能となるように移動可能である、第1の制御装置と、第1の制御装置の第2の部分に結合している端部表面であって、第1の制御装置と共に軸方向に移動し、第1の制御装置が回転している間、固定して回転した状態をとることができるよう、第1の制御装置と独立して回転して移動する、端部表面と、を備える。
【0029】
器具は、第1の端部及び第2の端部を有するシースを更に備えていてもよく、このシースは、バスケット型デバイスを収容するよう、及びバスケット型デバイスを、それに関して、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間で、長手方向にスライドさせるようになされており、バスケット型デバイスは、シースに対して並進運動するための第1の制御装置に結合されており、シースは筐体に結合されている。器具は、第1の閉じた位置の方向にバスケット型デバイスを動かすために、筐体内の通路に関して、第1の制御装置を偏らせるための、操作により配置される第1のバイアス機構を更に備えることができる。器具は、第2の開いた位置で第1の制御装置を固定するために、筐体に結合した固定機構を更に備えてもよい。第1の制御装置は、第2の開いた位置において、固定機構が第1の制御装置を固定したとき、回転操作をとり続けることができる。器具は、この器具を内視鏡に選択的に結合するためのルアーカップラーを更に備えてもよい。
【0030】
前述の説明は、例示に過ぎないことを理解すべきである。さまざまな代替及び改変が、当業者によって工夫され得る。たとえば、さまざまな従属請求項に列挙されている特徴は、互いに、任意の適切な組合せで、一緒にすることができる。更に、上記のさまざまな実施形態に由来する特徴は、新規な実施形態に選択的に組み合わせることができる。したがって、本説明は、添付の特許請求の範囲内に収まる、このような代替、改変及び変形のすべてを包含することが意図されている。
【0031】
[第1項]
人又は動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具であって、
前記バスケット型デバイスを選択的に制御するため、並びに、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間で前記バスケット型デバイスを動かすために、前記バスケット型デバイスに結合するようになされている第1の制御装置であって、
プランジャー/シリンダー機構と、
前記プランジャー/シリンダー機構のシリンダーに対するプランジャーの相対位置を操作するための、前記プランジャー/シリンダー機構のプランジャーに結合されているハンドルと、を備えた前記第1の制御装置と、
前記第1の制御装置に隣接して配置された第2の制御装置であって、前記第1の制御装置とは独立して前記バスケット型デバイスの回転を選択的に制御するために、前記バスケット型デバイスに結合するようになされている、第2の制御装置と、
を備えている、器具。
[第2項]
第1の端部及び第2の端部を有するシースであって、前記バスケット型デバイスを収容し、前記バスケット型デバイスを、前記第1の閉じた位置と前記第2の開いた位置との間で、前記バスケット型デバイスの長手方向にスライドさせるようになされている、シースであって、
該シースは、前記バスケット型デバイスに対して、並進運動するための前記第1の制御装置に結合されており、前記バスケット型デバイスが、前記第1の制御装置に対して回転運動するための前記第2の制御装置に結合している、シースを更に備えている、第1項に記載の器具。
[第3項]
前記シリンダーに対して前記プランジャーを偏らせ、前記バスケット型デバイスを前記第1の閉じた位置の方向に動かすために、動作配置された第1のバイアス機構を更に備えている、第1項または第2項に記載の器具。
[第4項]
前記第2の開いた位置で前記プランジャーを固定するために、前記第1の制御装置に結合された固定機構を更に備えている、第1~3項のいずれか一項に記載の器具。
[第5項]
前記固定機構が前記第1の制御装置を固定するとき、前記第2の制御装置が操作可能の状態にある、第4項に記載の器具。
[第6項]
前記ハンドル及び前記シースに対して、前記第1の閉じた位置の方向に前記バスケット型デバイスを偏らせるための第2のバイアス機構を更に備え、前記バスケット型デバイスが、前記第2の制御装置にしっかりと回転結合されている、第1~5項のいずれか一項に記載の器具。
[第7項]
当該器具を内視鏡に選択的に結合するためのルアーカップラーを更に備えている、第1~6項のいずれか一項に記載の器具。
[第8項]
人又は動物の身体から除去される対象物を捕捉するためのバスケット型デバイスを操作するための、外科医による使用のための器具であって、
長手軸を有しており、かつ通路を含む筐体と、
前記筐体の前記通路に位置している第1の部分、及び前記筐体から延在している第2の部分を含む、第1の制御装置であって、前記バスケット型デバイスを選択的に制御するために、前記バスケット型デバイスに結合するようになされ、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間で前記バスケット型デバイスを動かすために、前記筐体の前記通路において軸方向に移動可能で、前記第2の開いた位置にあるとき、前記バスケット型デバイスを回転させるため、前記筐体の前記通路に回転可能となるように移動可能である、第1の制御装置と、
前記第1の制御装置の前記第2の部分に結合されている端部表面であって、前記第1の制御装置と共に軸方向に動くよう構成され、前記第1の制御装置が回転している間、回転可能なように固定された状態を維持するよう、前記端部表面の前記第1の制御装置と独立して回転可能となるように動くように構成されている、端部表面と、
を備えている、器具。
[第9項]
前記バスケット型デバイスを収容するよう、並びに、前記バスケット型デバイスを、前記第1の閉じた位置と前記第2の開いた位置との間で、前記バスケット型デバイスの長手方向にスライドさせるようになされている、第1の端部及び第2の端部を有するシースであって、前記バスケット型デバイスが、該シースに対して並進運動するために、前記第1の制御装置に結合され、該シースが前記筐体に結合されている、シース、を更に備えている、第8項に記載の器具。
[第10項]
前記第1の閉じた位置の方向に前記バスケット型デバイスを動かすために、前記筐体における前記通路に対して前記第1の制御装置を偏らせる操作のために配置された第1のバイアス機構を更に備えている、第8項または第9項に記載の器具。
[第11項]
前記第2の開いた位置で前記第1の制御装置を固定するために、前記筐体に結合した固定機構を更に備えている、第8~10項のいずれか一項に記載の器具。
[第12項]
前記固定機構が前記第2の開いた位置において、前記第1の制御装置を固定するとき、前記第1の制御装置が回転操作をとり続ける、第11項に記載の器具。
[第13項]
前記器具を内視鏡に選択的に結合するためのルアーカップラーを更に備えている、第8~12項のいずれか一項に記載の器具。
【符号の説明】
【0032】
2 プランジャーシャフト
10 装置(内視鏡)
12 制御部分
14 シャフト
16 受動屈撓部分
18 能動屈撓部分
20 遠位端
22 制御システム
24 作業用チャネル
26 フレーム
28 アクチュエータ
30 レバー
32 カバー
33 アセンブリ
36 器具
50 バスケット型デバイス
52 バスケット部分
54 シャフト部分
56 シース
60 ポート
76 プランジャー
78 スプリング
79 スプリング
80 ボタン
80’ ボタン
96 フィンガーグルーブ
114 溝
116 領域
118 スロット
122 歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】