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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041757
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】中性子捕捉療法システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20230316BHJP
   G21K 5/02 20060101ALI20230316BHJP
   G21K 5/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
A61N5/10 S
A61N5/10 H
G21K5/02 N
G21K5/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007754
(22)【出願日】2023-01-23
(62)【分割の表示】P 2019559284の分割
【原出願日】2018-08-17
(31)【優先権主張番号】201711348389.9
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721752662.X
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201711350436.3
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721755713.4
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515153495
【氏名又は名称】南京中硼▲聯▼康医▲療▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Neuboron Medtech Ltd.
【住所又は居所原語表記】3rd Floor, Block 6, NO. 568, Longmian Ave, Jiangning District, Nanjing, Jiangsu 211112 China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼渊豪
(72)【発明者】
【氏名】陳▲韋▼霖
(57)【要約】
【課題】作業者の放射線のリスクが高い場合がある。
【解決手段】一種の中性子捕捉療法システム100は、荷電粒子ビームPを発生するための加速器200、荷電粒子ビームPと反応して中性子ビームNを発生する中性子発生部10及びビーム整形体20を含み、前記ビーム整形体20は収容部21、減速体22、反射体23、熱中性子吸収体24、放射遮蔽25及び射束出口26を含み、収容部21には加速器200に接続する真空管30が設けられ、真空管30は加速器200によって加速された後の荷電粒子ビームPを中性子発生部に転送して、中性子発生部が荷電粒子ビームPと反応して中性子を発生でき、中性子発生部10は第一位置と第二位置の間に運動し、第一位置において、中性子発生部10が荷電粒子ビームPと反応して中性子を発生することができ、第二位置において、中性子発生部10がビーム整形体20から脱落する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中性子捕捉療法システムであって、前記中性子捕捉療法システムは、荷電粒子ビームを発生するための加速器、荷電粒子ビームと反応して中性子ビームを発生する中性子発生部及びビーム整形体を含み、前記ビーム整形体は、収容部、前記中性子発生部に隣接する減速体、前記減速体の外を囲む反射体、前記減速体に隣接する熱中性子吸収体、前記ビーム整形体内に設置される放射遮蔽、と射束出口を含み、前記収容部には加速器に接続する真空管が設けられ、前記中性子発生部が前記真空管の端部に設けられ、前記真空管は加速器によって加速された後の荷電粒子を前記中性子発生部に転送し、中性子発生部は荷電粒子ビームによって核反応させることで中性子を発生し、前記中性子が中性子ビームを形成し、前記中性子ビームが一本の主軸を限定し、前記減速体は前記中性子発生部から発生した中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、前記反射体は逸れた中性子を前記減速体に戻して熱外中性子ビームの強度を向上し、前記放射遮蔽は漏れた中性子と光子を遮蔽して非照射区の正常組織の線量を低減するために使用され、前記中性子発生部は第一位置と第二位置の間で運動し、第一位置において、前記中性子発生部は荷電粒子ビームと反応して中性子を発生することができ、第二位置は、前記中性子発生部が前記ビーム整形体から分離されて前記ビーム整形体の前記収容部の外側に移動した位置であり、
前記中性子捕捉療法システムは、さらにビーム整形体に隣接する遮蔽装置を含み、前記遮蔽装置が、前記真空管の外側にかつ前記真空管の周囲に配置されており、前記遮蔽装置は、底壁、底壁に接続する第二側壁及び第四側壁を少なくとも含み、前記第二側壁及び前記第四側壁が対向して設置され、前記中性子発生部から漏れた放射線が、前記遮蔽装置の底壁付近の作業者が作業する側に照射されることを常に防止するために、前記遮蔽装置は、前記中性子発生部及び前記真空管が前記中性子ビームの照射方向と反対方向に、第一位置から第二位置まで運動する過程で前記底壁、前記第二側壁及び前記第四側壁によって前記中性子発生部及び前記真空管を遮蔽し、
前記真空管は、少なくとも前記加速器に接続する第一真空管部、前記収容部に収容され且つ前記中性子発生部を格納する第二真空管部、及び前記第一真空管部と前記第二真空管部を接続する第三真空管部を含み、
前記第三真空管部を前記第一真空管部及び前記第二真空管部から取り外し、前記第二真空管部と前記中性子発生部を前記遮蔽装置に収容する、
ことを特徴とする中性子捕捉療法システム。
【請求項2】
前記中性子発生部は真空管の全体長さを変えることによって第一位置から第二位置まで移動する、ことを特徴とする請求項1に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項3】
前記真空管の全体長さを短くすることで、中性子発生部が収容部から出る、ことを特徴とする請求項2に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項4】
前記第三真空管部を取り外して真空管の全体長さを短くすることで中性子発生部が収容部から運動して出るスペースを提供し、第二位置において、前記中性子発生部は第二真空管部とともに収容部から出てビーム整形体から分離する、ことを特徴とする請求項3に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項5】
前記真空管の外周と収容部の内壁の間に充填物が充填され、前記充填物は中性子を吸収できる材料又は中性子を反射できる材料である、ことを特徴とする請求項1に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項6】
前記中性子捕捉療法システムは、さらに収容部内に位置して中性子発生部を冷却する冷却装置を含み、前記充填物が前記真空管の外周と収容部の内壁との間に充填されて前記冷却装置を包み、第二位置において、前記冷却装置及び充填物が中性子発生部と共に収容部から出てビーム整形体から分離する、ことを特徴とする請求項5に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項7】
前記中性子捕捉療法システムは、さらに前記減速体に隣接して前記収容部外周を覆う第一遮蔽部と第二遮蔽部を含み、前記第二遮蔽部は第一遮蔽部に対して真空管から離れる方向に運動できることで、中性子発生部が第一位置から第二位置まで運動する運動スペースを提供する、ことを特徴とする請求項1に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項8】
前記真空管は、少なくとも加速器に接続する第一真空管部、及び前記第一真空管部に接続して前記収容部の中に収容され且つ中性子発生部を格納する第二真空管部を含み、前記第一真空管部は第二真空管部から離脱することができ、第一真空管部が第二真空管部から離脱して、かつ第二遮蔽部が前記中性子発生部から離れる方向へ移動した時、前記中性子発生部は第二真空管部とともに収容部から出てビーム整形体から分離する、ことを特徴とする請求項7に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項9】
前記遮蔽装置は、底壁及び底壁に接続して且つ対向して設置される第二側壁と第四側壁を含み、前記底壁と前記第二側壁、前記第四側壁が、第一開口、第二開口及び第三開口を有するU字型構造を形成し、
前記第一開口と前記第二開口は、互いに対向する位置に形成され、
前記第三開口は、前記底壁と対向する位置に形成され、
前記真空管は、第一真空管部と、第二真空管部と、前記第一真空管部と前記第二真空管部とを接続する第三真空管部を有し、
中性子発生部が第一位置に位置する時、前記第一開口が前記第一真空管部に隣接し、前記第二開口が前記第二真空管部に隣接し、前記第三真空管部が遮蔽装置内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項10】
中性子発生部が第一位置に位置する時、前記第三真空管部が前記遮蔽装置内に位置し、前記第一真空管部及び前記第二真空管部が前記遮蔽装置外に位置し、前記第一開口が前記第一真空管部に隣接し、前記第二開口が前記第二真空管部に隣接する;第三真空管を第一真空管と第二真空管の間から取り外し、中性子発生部が第一位置から第二位置に運動する時、中性子発生部が第二真空管部に従ってビーム整形体の収容部から第二開口を通って遮蔽装置内まで運動する、ことを特徴とする請求項9に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項11】
第一側壁、及び第三側壁をさらに含み、前記第一側壁と前記第三側壁が対向して設置され、前記底壁、天井及び四つの側壁が遮蔽スペースを形成し、前記天井が第二側壁又は第四側壁を中心に遮蔽スペースから離れる方向に回転でき、前記第一側壁と第三側壁がそれぞれ底壁を中心に遮蔽スペースから離れる方向に回転できる、ことを特徴とする請求項10に記載される中性子捕捉療法システム。
【請求項12】
中性子発生部が第一位置に位置する時、前記遮蔽装置が第一真空管部と第二真空管部の外に位置する;中性子発生部が第二位置に運動する時、前記中性子発生部が第二真空管部とともに遮蔽装置内に位置し、前記遮蔽装置の底壁、天井、第一側壁、第二側壁、第三側壁及び第四側壁によって形成された遮蔽スペースが中性子発生部を遮蔽する、ことを特徴とする請求項11に記載される中性子捕捉療法システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線治療システムに関し、特に中性子捕捉療法システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子科学の発展に従って、コバルト60、線形加速器、電子ビームなどの放射線療法は、すでにがん治療の主な手段の一つとなった。しかし、従来の光子または電子療法は、放射線そのものの物理的な条件の制限で腫瘍細胞を殺すとともに、ビーム経路上の数多くの正常組織に損傷を与える。また、腫瘍細胞により放射線に対する感受性の度合いが異なっており、従来の放射線療法では、放射線耐性の高い悪性腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)、黒色腫(melanoma))に対する治療効果が良くない。
【0003】
腫瘍の周囲の正常組織への放射線損傷を軽減するすために、化学療法(chemotherapy)における標的療法が、放射線療法に用いられている。また、放射線耐性の高い腫瘍細胞に対し、現在では生物学的効果比(relative biological effectiveness、 RBE)の高い放射線源が積極的に開発されている(例えば、陽子線治療、重粒子治療、中性子捕捉療法など)。このうち、中性子捕捉療法は、上記の2つの構想を結びつけたものである。例えば、ホウ素中性子捕捉療法では、ホウ素含有薬物が腫瘍細胞に特異的に集まり、高精度な中性子ビームの制御と合わせることで、従来の放射線と比べて、より良いがん治療オプションを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加速器中性子捕捉療法システムにおいて、加速器によって荷電粒子ビームを加速し、前記荷電粒子ビームは、ターゲットの核力を克服できるエネルギーまでに加速され、前記中性子発生部と核反応して中性子を発生するので、中性子を発生する過程において、中性子発生部がハイパワーの加速荷電粒子ビームの照射を受けたら、中性子発生部の温度が大幅に上昇し、中性子発生部の耐用年数を影響するので、中性子発生部を交換することは必要になって、高エネルギーレベルの加速荷電粒子ビームに照射された中性子発生部に必ず大量な放射線を存在して、それで中性子発生部を交換する時に必ず放射線のリスクが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
放射線のリスクを低減する中性子捕捉療法システムを提供するために、本出願の一つの実施形態は中性子捕捉療法システムを提供して、この中性子捕捉療法システムは荷電粒子ビームを発生するための加速器、荷電粒子ビームと反応して中性子ビームを発生する中性子発生部及びビーム整形体を含み、ビーム整形体は、収容部、中性子発生部に隣接する減速体、減速体の外を囲む反射体、減速体に隣接する熱中性子吸収体、ビーム整形体内に設置される放射遮蔽、と射束出口を含み、収容部には加速器に接続する真空管が設けられ、中性子発生部が真空管の端部に設けられ、真空管は加速器によって加速された後の荷電粒子を中性子発生部に転送し、中性子発生部は荷電粒子ビームと核反応を発生させることで中性子を発生し、中性子が中性子ビームを形成し、中性子ビームが一本の主軸を限定し、減速体は中性子発生部から発生した中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、反射体は逸れた中性子を減速体に戻して熱外中性子ビームの強度を向上し、放射遮蔽は漏れた中性子と光子を遮蔽して非照射区の正常組織の線量を低減するために使用され、中性子発生部は第一位置と第二位置の間に運動し、第一位置において、中性子発生部は荷電粒子ビームと反応して中性子を発生することができ、第二位置において、中性子発生部はビーム整形体から脱落する。このような接地によって、中性子発生部を移動してビーム整形体から脱落するだけで、容易に快速なターゲットの交換を実現でき、一部の措置において、ロボットハンド若しくは遠隔制御などの手段を採用でき、作業者が放射線に露出することを避ける。
【0006】
好ましくは、真空管の全体長さの変化によって中性子発生部が第一位置から第二位置までに運動する運動スペースを提供して、第二位置において、中性子発生部が真空管とともに運動して収容部を出って、ビーム整形体から脱落する。
【0007】
さらに、前記真空管は、少なくとも加速器に接続する第一真空管部、ビーム整形体収容部に収容され且つ中性子発生部を格納する第二真空管部及び第一真空管部と第二真空管部を接続する第三真空管部を含み、前記第三真空管部が着脱可能によって真空管の全体長さを短くすることで中性子発生部が収容部から運動して出るスペースを提供し、第二位置において、前記中性子発生部は第二真空管部とともに運動して収容部から出てビーム整形体から脱落する。
さらに、中性子発生部が運動して収容部を出ること容易にするために、真空管の外周と収容部の内壁の間に充填物が充填される。
【0008】
さらに、前記充填物は中性子を吸収できる材料又は中性子を反射できる材料である。
さらに、中性子捕捉療法システムは、さらに収容部内に位置して中性子発生部を冷却する冷却装置を含み、充填物が前記真空管外周と収容部の内壁に充填されて冷却装置を包み、第二位置において、冷却装置及び充填物が中性子発生部と共に収容部から脱落する。
【0009】
好ましくは、冷却装置は、真空管の端部に位置して平面で中性子発生部に接触する第一冷却部、及び第一冷却部の両側に位置してそれぞれ第一冷却部に連通する第二冷却部と第三冷却部を含み、第二冷却部と第三冷却部が中性子ビーム軸線に並行する方向を沿って延びて、かつそれぞれ真空管の上下両側にして第一冷却部とコ字型の構造を形成する。
【0010】
中性子発生部が真空管と共に収容部から脱落するための可動スペースとして、好ましくは、中性子捕捉療法システムは、さらに減速体に隣接して収容部外周を覆う第一遮蔽部と第二遮蔽部を含み、第二遮蔽部は第一遮蔽部に対して真空管から離れる方向に運動でき、真空管は、少なくとも収容部の中に収容され且つ中性子発生部を格納する第一真空管部及び第一真空管部と加速器を接続する第二真空管部を含み、第一真空管部は第二真空管部から離脱することができ、第一真空管部が第二真空管部から離脱して、かつ第二遮蔽部が第一真空管部の収容部から脱落できる位置に移動した時、中性子発生部は第一真空管部とともにビーム整形体から脱落する。つまり、第二遮蔽部の運動によって真空管の運動スペースを提供し、第一真空管部が第二真空管部から離脱することで中性子発生部を第一真空管部とともにビーム整形体から脱落させる。
さらに作業者が中性子発生部との接触を減少して、放射線の安全性を改善するために、中性子捕捉療法システムは、さらに真空管の鉛直下方に位置する格納装置があり、中性子発生部が収容部の外側に運動した後で格納装置に落ち、格納装置は遮蔽材料で製造される。
【0011】
さらに、格納装置は底部及び底部に接続する四つの側部を含み、底部及び四つの側部が接続して開口の有する容置スペースを形成し、格納装置はさらに開口を遮蔽する二つの回転部が設けられ、回転部の一端がどちらかの側部に接続し、他方の一端が側部に対して容置スペース内へ回転でき、自然状態において、二つの回転部が前記容置スペース上方を遮蔽して格納装置の頂部を形成する;外力の作用によって、回転部が容置スペースへ回転して容置スペースに収容される;外力が消し去る時、回転部が自然状態に戻る。
【0012】
放射線のリスクを低減する中性子捕捉療法システムを提供するために、本出願のもう一つの実施例が一種の中性子捕捉療法システムを提供して、電粒子ビームを発生するための加速器、荷電粒子ビームと反応して中性子ビームを発生する中性子発生部及びビーム整形体を含み、前記ビーム整形体は、収容部、前記中性子発生部に隣接する減速体、前記減速体の外を囲む反射体、前記減速体に隣接する熱中性子吸収体、前記ビーム整形体内に設置される放射遮蔽、ビーム整形体に近接する遮蔽装置と射束出口を含み、前記収容部に加速器に接する真空管が設けられ、前記中性子発生部が前記真空管の端部に設けられ、前記真空管が加速器によって加速された後の荷電粒子を前記中性子発生部に転送して中性子発生部を荷電粒子ビームと核反応させて中性子を発生し、前記中性子が中性子ビームを形成し、前記中性子ビームが一本の主軸を限定し、前記減速体は前記中性子発生部から発生した中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、前記反射体は逸れた中性子を前記減速体に戻して熱外中性子ビームの強度を向上し、前記放射遮蔽は漏れた中性子と光子を遮蔽して非照射区の正常組織の線量を低減するために使用され、前記中性子発生部は第一位置と第二位置の間に運動し、第一位置において、前記中性子発生部は荷電粒子ビームと反応して中性子を発生することができ、第二位置において、前記中性子発生部はビーム整形体から脱落し、前記ビーム整形体と前記遮蔽装置は、前記中性子発生部が第一位置から第二位置までに運動する過程において、常に遮蔽されている状態にあるようにして、前記中性子発生部から漏れた放射線が作業者を照射することを避ける。
【0013】
中性子発生部がビーム整形体内に位置する時、ビーム整形体内の放射遮蔽が中性子発生部から漏れた放射線を遮蔽できることで作業者に対する放射線照射を避ける;中性子発生部がビーム整形体から脱落した後で、放射遮蔽によって中性子発生部を遮蔽できないが、このとき遮蔽装置によって中性子発生部を遮蔽して、中性子発生部が第一位置から第二位置までに運動する過程において常に遮蔽状態になって、中性子発生部の漏れた放射線が作業者を照射することを避ける。
【0014】
好ましくは、前記真空管は、少なくとも加速器に接続する第一真空管部、ビーム整形体の収容部に収容され且つ中性子発生部を格納する第二真空管部及び第一真空管部と第二真空管部を接続する第三真空管部を含み、前記第三真空管部が取り外すことができることで、中性子発生部が運動して収容部を出るスペースを提供し、第二位置において、前記中性子発生部は第二真空管部とともに運動して収容部から出ってビーム整形体から脱落できる。
【0015】
さらに、前記遮蔽装置は、底壁及び底壁に接続して対向して設置される第一側壁と第二側壁を含み、前記底壁と二つの側壁が第一開口、第二開口及び第三開口を有するU字型構造を形成して、前記第一開口が第一真空管部に隣接し、第二開口が第二真空管部に隣接し、第三真空管部が第三開口を突き抜ける。本出願において、好ましくは、真空管の外に遮蔽装置を設置した後で第三真空管部を取り外すが、実際の操作中、先に第三真空管部を取り外した後で遮蔽装置を取り付けてもよい。
【0016】
さらに、前記遮蔽装置は、さらに底壁と対向して設置される天井、底壁、天井と接続する第三側壁及び第四側壁を含み、前記第三側壁と第四側壁が対向して設置され、前記底壁、天井及び四つの側壁が遮蔽スペースを形成し、前記遮蔽装置をU字型構造にするように、前記天井が第二側壁又は第四側壁を中心して遮蔽スペースから離れる方向へ回転でき、前記第一側壁と第三側壁がそれぞれ底壁を中心に遮蔽スペースから離れる方向へ回転できる。遮蔽装置が第一真空管部と第二真空管部の間に位置する時、前記遮蔽装置はU字型構造にする;中性子発生部が第二真空管部と共に遮蔽装置に位置する時、前記遮蔽装置が遮蔽スペースを形成して中性子発生部を遮蔽する。
【0017】
さらに、前記中性子発生部が運動して収容部を出るために、前記真空管外周が収容部の内壁との間に充填物が充填され、前記中性子捕捉療法システムは、さらに収容部内に位置して中性子発生部を冷却する冷却装置を含み、前記充填物が前記真空管外周と収容部の内壁に充填されて前記冷却装置を包み、中性子発生部が遮蔽装置内までに運動する時、前記冷却装置及び充填物が中性子発生部とともに遮蔽装置内までに運動する。
【0018】
さらに、前記充填物は中性子を吸収できる材料又は中性子を反射できる材料である。
さらに、前記中性子捕捉療法システムは、さらに収容部内に位置して中性子発生部を冷却する冷却装置を含み、前記充填物が前記真空管外周と収容部の内壁に充填されて前記冷却装置を包む。
【0019】
好ましくは、前記冷却装置は、真空管の端部に位置して平面で前記中性子発生部と接触する第一冷却部と、第一冷却部の両側に位置してそれぞれ第一冷却部と連通する第二冷却部と第三冷却部を含み、前記第二冷却部と第三冷却部が中性子ビーム軸線に平行する方向を沿って延びて、かつそれぞれ真空管の上下両側に位置して第一冷却部とがコ字型構造を形成する。
【0020】
さらに、作業者が中性子発生部との接触を減少して、放射線の安全性を改善するために、前記中性子捕捉療法システムは、さらに前記真空管の鉛直下方に位置する格納装置があり、前記中性子発生部が収容部の外側に運動した後で前記格納装置に落ち、前記格納装置は遮蔽材料で製造される。
【0021】
さらに、前記格納装置は底部及び底部に接続する四つの側部を含み、前記底部及び四つの側部が接続して開口の有する容置スペースを形成し、前記格納装置はさらに前記開口を遮蔽する二つの回転部が設けられ、前記回転部の一端がどちらかの側部に接続し、他端が、接続した側部に対して容置スペース内へ回転でき、自然状態において、前記二つの回転部が前記容置スペース上方を遮蔽して格納装置の頂部を形成する;外力の作用によって、前記回転部が容置スペースへ回転して容置スペースに収容される;外力が消し去る時、前記回転部が自然状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本出願の中性子捕捉療法システムの第一種の実施態様の概略図であって、その中で、中性子発生部が第一位置に位置する。
図2図1の中の冷却装置の中性子ビーム照射方向と垂直する方向を沿った断面図である。
図3図1の中の中性子ビーム照射方向と垂直する方向を沿った中性子捕捉療法システムの部分断面図である。
図4図1の中の真空管の第三真空管部が取り外された概略図である。
図5図4の中の第三真空管部が取り外された後で、第二真空管部及び中性子発生部を移動して収容部から出た概略図であって、即ち、中性子発生部が第二位置に位置する。
図6】本出願の中性子捕捉療法システムの第二種の実施態様の概略図であって、その中で、第一真空管部と第二真空管部の間に遮蔽装置を取り付ける。
図7図6の中の第二真空管部及び中性子発生部を遮蔽装置の中に移動する概略図である。
図8図6の中の第二真空管部及び中性子発生部が収容される遮蔽装置を取り外した概略図である。
図9図6の中の遮蔽装置の立体概略図である。
図10図9に示す遮蔽装置のもう一種の実施態様の概略図である。
図11図10に示す遮蔽装置の立体概略図である。
図12】本出願中性子捕捉療法システムの第三種の実施態様の概略図である。
図13図12の中の第二遮蔽部は第一遮蔽部に対して中性子発生部から離れる方向に移動する概略図である。
図14図12の中の中性子ビーム照射方向と垂直する方向を沿った中性子捕捉療法システムの部分断面図である。
図15図13の中の中性子ビーム照射方向と垂直する方向を沿った中性子捕捉療法システムの部分断面図である。
図16図14に示す第二遮蔽部が移動した後で、第一真空管部と中性子発生部が収容スペースから移動した概略図である。
図17図16の中の中性子ビーム照射方向と垂直する方法を沿った中性子捕捉療法システムの部分断面図である。
図18図15の中の自然状態の格納装置の概略図である。
図19図18の中の外力を受けた格納装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
中性子捕捉療法は効果的ながん治療の手段として、近年ではその適用が増加しており、そのうち、ホウ素中性子捕捉療法が最も一般的なものとなった。ホウ素中性子捕捉療法に用いられる中性子は原子炉または加速器で供給できる。本発明の実施形態は加速器ホウ素中性子捕捉療法(Accelerated-based Boron Neutron Capture Therapy)を例とする。加速器ホウ素中性子捕捉療法の基本モジュールは、一般的に荷電粒子(陽子、デューテリウム原子核など)の加速に用いられる加速器、ターゲット、熱除去システム及びビーム整形アセンブリを含む。加速後の荷電粒子と金属ターゲットとの作用により中性子が生成され、必要な中性子収率及びエネルギー、提供可能な加速荷電粒子のエネルギー及び電流、及び、金属ターゲットの物理的・化学的特性などにより、適切な原子核反応が選定される。よく検討されている原子核反応は7Li(p、n)7Be及び9Be(p、n)9Bであり、この両方はすべて吸熱反応でエネルギー閾値がそれぞれ1.881MeVと2.055MeVである。ホウ素中性子捕捉療法の理想的中性子源はkeVエネルギーレベルの熱外中性子なので、理論的には、エネルギーが閾値よりやや高い陽子によるリチウムターゲットへの衝撃で、比較的低いエネルギーの中性子が生成され、あまり多くの減速処理を要しないで臨床適用が可能になる。しかし、リチウム(Li)及びベリリウム(Be)の2種のターゲットは、閾値エネルギーの陽子と作用する断面が大きくないので、十分な中性子束を確保するために、一般的には比較的高いエネルギーを持つ陽子で原子核反応を引き起こされる。
【0024】
理想的なターゲットには、中性子収率が高く、生成した中性子のエネルギー分布が熱外中性子エネルギー領域(後ほど詳細に説明)に近く、強い透過性のある放射線をあまり多く生成せず、安全かつ簡単で操作しやすく、耐高温性を持つなどの特性が必要とされるが、実際にすべての要件を満たす原子核反応は見つからないので、本発明の実施形態ではリチウムターゲットを採用する。ただし、この分野の技術者がよく知っていることとして、ターゲットの材料に、上記の金属材料を除くその他の金属材料を採用できる。
【0025】
熱除去システムの要件は、選定された原子核反応により異なる。例えば、7Li(p、n)7Beの場合、金属ターゲット(リチウム)の低い融点と低い熱伝導率により、熱除去システムの要件は9Be(p、n)9Bより厳しくなる。本発明の実施形態では、7Li(p、n)7Beの原子核反応を採用する。
【0026】
ホウ素中性子捕捉療法の中性子源は原子炉或いは加速器による荷電粒子とターゲットとの原子核反応によるものであり、生成するのはすべて混合放射線場である。即ち、ビームは低エネルギーから高エネルギーまでの中性子及び光子を含む。深部腫瘍のホウ素中性子捕捉療法について、熱外中性子を除くその他の放射線の含有量が多ければ多いほど、正常組織での非選択的線量沈着の割合も大きくなるので、これらの不必要な線量を引き起こす放射線をできる限り低減する必要がある。エアビームの品質要素の他、中性子による人体における線量分布をさらに理解するために、本発明の実施形態は、人間の頭部組織の人工器官を用いて線量を算出し、そして人工器官におけるビームの品質要素を中性子ビーム設計の参考とする。後述で詳細に説明する。
【0027】
国際原子力機関(IAEA)は臨床ホウ素中性子捕捉療法に用いられる中性子源について、エアビームの品質要素に関する5提案を出している。この5提案は異なる中性子の長所と短所を比較するために利用できる他、中性子生成経路の選定及びビーム整形アセンブリの設計をする時の参考として利用できる。この5提案は次の通りである。
【0028】
・熱外中性子束(epithermal neutron flux) > 1 x 109 n/cm2s
・高速中性子汚染(fast neutron contamination) < 2 x 10-13 Gy-cm2/n
・光子汚染(photon contamination) < 2 x 10-13 Gy-cm2/n
・熱中性子束と熱外中性子束との比(thermal to epithermal neutron flux ratio) < 0.05
・中性子流とフラックスとの比(epithermal neutron current to flux ratio) > 0.7
注:熱外中性子エネルギー領域は0.5eV~40keVであり、熱中性子エネルギー領域は0.5eVより小さく、高速中性子エネルギー領域は40keVより大きい。
【0029】
1.熱外中性子束:
中性子束と腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度とで臨床治療の時間が決まる。腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度が十分に高ければ、中性子束への要求を緩められる。それに対し、腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度が低ければ、高フラックスの熱外中性子で腫瘍に十分な線量を与える必要がある。IAEAの提案では、熱外中性子束について、平方センチメートル当たり1秒の熱外中性子が109個より多いことを求めている。既存のホウ素含有薬物にとって、このフラックスでの中性子ビームで治療時間を大体1時間以内に抑えられる。短い治療時間で、位置決めと快適さの改善、及び、腫瘍におけるホウ素含有薬物の限られた滞留時間の効果的な利用に貢献できる。
【0030】
2.高速中性子汚染:
高速中性子は、正常組織への不必要な線量を引き起こすので、汚染とみなされる。この線量と中性子エネルギーとには、正の相関関係があるので、中性子ビームの設計において、できる限り高速中性子の含有量を減らす必要がある。高速中性子汚染は、単位熱外中性子束に伴う高速中性子の線量と定義される。IAEAは、高速中性子汚染を2 x 10-13 Gy-cm2/nより小さくすることを推奨している。
【0031】
3.光子汚染(γ線汚染):
γ線は強い透過性の放射線に属し、非選択的にビーム経路にあるすべての組織で線量沈着を引き起こすので、γ線の含有量を減らすことも中性子ビームの設計の必要条件である。γ線汚染は、単位熱外中性子束に伴うγ線の線量と定義される。IAEAは、γ線汚染を2 x 10-13 Gy-cm2/nより小さくすることを推奨している。
【0032】
4.熱中性子束と熱外中性子束との比:
熱中性子は、減衰速度が速く、透過性も弱く、人体に入ると大部分のエネルギーが皮膚組織に沈着するので、黒色腫など皮膚腫瘍にホウ素中性子捕捉療法の中性子源として熱中性子を使用する場合以外、例えば脳腫瘍などの深部腫瘍の場合、熱中性子の含有量を減らす必要がある。IAEAは、熱中性子束と熱外中性子束との比を0.05より小さくすることを推奨している。
【0033】
5.中性子流とフラックスとの比:
中性子流とフラックスとの比は、ビームの方向性を示す。その比が大きいほど、ビームの前向性が強くなる。強い前向性を持つ中性子ビームでは、中性子の発散による周辺の正常組織への線量を減らせる他、治療可能デプス及び位置決め姿勢の柔軟性を向上させることができる。IAEAは、中性子流とフラックスとの比を0.7より大きくすることを推奨している。
【0034】
中性子発生部の取り替える問題を解決するために、そして同時に、できるだけで作業者が放射線との接触を減らすために、本出願が一種の中性子捕捉療法システムを提供する。
ターゲット取替え者に対する主な放射は、荷電粒子ビームが中性子発生部を照射した後で核反応を発生した放射線によるものであるので、本出願は、核反応が発生した後の中性子発生部を取り外すことを説明して、新たな中性子発生部を取り付けることを説明しない。
【0035】
図1に示すように、中性子捕捉療法システム100は、荷電粒子ビームを発生するための加速器200、荷電粒子ビームPと反応して中性子ビームNを発生する中性子発生部10及びビーム整形体20を含み、ビーム整形体20は、収容部21、中性子発生部に隣接する減速体22、減速体22の外を囲む反射体23、減速体22に隣接する熱中性子吸収体24、ビーム整形体20内に設置された放射遮蔽25と射束出口26を含み、収容部21には加速器200に接続する真空管30が収容され、中性子発生部10が真空管30の端部に設けられて減速体22に隣接する。真空管30は加速器200によって加速された後の荷電粒子Pを中性子発生部10に転送し、加速器200は荷電粒子Pをターゲットの核力を克服できるエネルギーまでに加速して、中性子発生部12と7Li(p、n)7Be核反応を発生して中性子を発生して、中性子が中性子ビームNを形成して、中性子ビームNが一本の主軸Iを限定する。減速体22は中性子発生部10から発生した中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速する。反射体23は逸れた中性子を減速体22に戻して熱外中性子ビームの強度を向上する。熱中性子吸収体24は、熱中性子を吸収して治療時に浅い正常組織への過度の線量を回避するために用いられる。放射遮蔽25は、漏れた中性子および光子を遮蔽して非照射領域の正常な組織線量を減少させるために用いられる。
【0036】
図2を参照して、中性子捕捉療法システム100は、さらに中性子発生部10を冷却して中性子発生部の耐用年数を向上する冷却装置40を含む。
冷却装置40は、真空管30の端部に位置して平面で中性子発生部10に接触する第一冷却部41、及び第一冷却部41の両側に位置してそれぞれ第一冷却部41に連通する第二冷却部42と第三冷却部43を含む。真空管30の外周と収容部21の内壁の間に隙間があって、第二冷却部42と第三冷却部43が隙間内で中性子ビーム軸線Iに平行する方向を沿って延びて、かつそれぞれ真空管30の上下両側に位置して第一冷却部41とコ字型の構造を形成する。冷却装置40が真空管30端部の中性子発生部10を冷却する同時に、ビーム整形体20がいい中性子ビーム品質を得るために、一部の真空管30を減速体22の中にはめ込む(図示せず)。第二冷却部242が第一冷却部41に冷媒を導入して、第三冷却部43が第一冷却部41の中の冷媒を導出する。第一冷却部41が中性子発生部10と減速体22の間に位置して、第一冷却部41の片側が面で直接に中性子発生部31と接触して、反対側が減速体14と接触する。
【0037】
第一冷却部41は、第一接触部411、第二接触部412及び第一接触部411と第二接触部412の間に位置して冷媒が通過する冷却溝413を含む。第一接触部411は中性子発生部10と直接に接触して、第二接触部412は減速体22と直接に接触してもよいし、空気を通じて間接に接触してもよい。冷却溝413は第二冷却部42に連通する導入溝414及び第三冷却部43に連通する導出溝415を有する。第一接触部411は熱伝導性材料で製造される。第一接触部411は熱伝導性材料(例えばCu、Fe、Alなどの熱伝導の性能がよい材料)または熱伝導と発泡抑制とを兼ね備える材料で製造され、第二接触部412は発泡抑制の材料で製造されて、発泡抑制の材料または熱伝導と発泡抑制とを兼ね備える材料がFe、Ta又はVのいずれで製造される。中性子発生部10は高エネルギーレベルの加速照射を受けて温度が上昇して発熱し、第一接触部411が熱量を導出して、冷却溝413の中で流通する冷媒によって熱量を持ち出すことで、中性子発生部10を冷却する。本実施態様において、冷媒は水である。
【0038】
図1図5を参照して、図1は中性子発生部が第一位置に位置する時の概略図であって、図5は中性子発生部が第二位置に位置する時の概略図である。中性子発生部10は第一位置と第二位置の間に運動し、第一位置において、中性子発生部10が荷電粒子ビームと反応できて中性子を発生し、第二位置において、中性子発生部10がビーム整形体20から脱落する。
【0039】
図3を参照して、収容部21と真空管30の外壁の間に隙間を有し、隙間内に充填物50が充填される。充填物50が真空管30の外壁及び冷却装置40を覆う。充填物50は中性子を吸収または反射することができる鉛合金またはアルミニウム合金などの材料である。本出願の実施例において、鉛合金の鉛の含有量は85%以上であって、アルミニウム合金のアルミニウムの含有量は85%以上である。充填物50は、反射されて又は散乱して隙間内に入った中性子を減速体22または反射体23内に反射することで、熱外中性子の収量を増やすことで被照射体が必要する照射時間を減らす一方、中性子がビーム整形体20の外部に漏れて中性子捕捉療法システムの器械に悪影響を及ぼすことを回避でき、放射線の安全性を改善する。そして、中性子発生部10が収容部21の外側に運動した時、冷却装置40及び充填物50が中性子発生部10とともに容部21から運動して出ることで、ビーム整形体20から脱落する。
【0040】
第一種実施態様として、図1図4及び図5を参照して、真空管30は、加速器200に接続する第一真空管部31、収容部21に収容される第二真空管部32及び第一真空管部31と第二真空管部32を接続する第三真空管部33を含む。第二真空管部32の一端が減速体22に隣接して、他端は収容部21から延び出して第三真空管部33に接続し、中性子発生部10が第二真空管部32の端部に設けられて減速体22に隣接する。第三真空管部33を第一真空管部31と第二真空管部32から取り外すことで真空管30の全体長さを短くすることができて、中性子発生部10が中性子ビームNの照射の反対方向を沿って収容部21から運動して出るスペースを提供する。第三真空管部33が第一真空管部31と第二真空管部32間から取り外した後で、第二真空管部32は中性子ビームN照射の反対方向を沿って運動して収容部21から出て、ビーム整形体20から脱落する。
【0041】
当該実施態様において、真空管30がビーム整形体20から脱落できるのは、第二真空管部32を取り外した後で、第一真空管部31が中性子ビームNの照射する反対方向を沿って運動して収容部21を出るスペースがあるからである、即ち、真空管30の全体長さを変えることで中性子発生部10に対して逃げるスペースを確保する。真空管の全体長さを変えるほかの実施態様として、真空管を中性子ビームの照射方向を沿って収縮できる態様(ビーム整形体外に位置する一部の真空管を伸縮可能な波形管に設置して、波形管が圧縮される時、真空管の全体長さが短くなって、中性子発生部が真空管に付き従って中性子ビーム照射の反対方向を沿って運動してビーム整形体を出る)に設置してもよい、ここで、詳細な発明を省略する。
【0042】
図6図8は本出願の中性子捕捉療法システムの第二種実施態様の概略図であって、さらに放射線が作業者に対する安全リスクを低減するために、中性子捕捉療法システム100はさらに遮蔽装置60を含む。
【0043】
図9を参照して、遮蔽装置60は、底壁61、底壁61に対向して設置される天井62及び底壁61、天井62を接続する第一側壁63、第二側壁64、第三側壁65及び第四側壁66を含む。第一側壁63が第三側壁65と対向して設置され、第二側壁64が第四側壁66と対向して設置され、底壁61、天井62及び四つの側壁が接続して遮蔽スペース67を形成する。天井62は第二側壁64又は第四側壁66を中心に遮蔽スペース67から離れる若しくは近づく方向に回転でき、第一側壁63と第三側壁65がそれぞれ底壁61を中心して遮蔽スペース67から離れる若しくは近づく方向に回転できる。天井62、第一側壁63及び第三側壁65の回転は底壁61、第一側壁63及び第三側壁65に取り付けられた回転部材68によって実現する。天井62、第一側壁63及び第三側壁65は回転部材68を中心して遮蔽スペース67から離れる方向に回転する時、遮蔽装置60はU字型の構造になることによって、作業者が第一真空管部31をビーム整形体20の外に移動して中性子発生部10を遮蔽スペース67内に運動させるのに便利である。
【0044】
無論、前記の遮蔽装置60のもう一つの実施態様(図10と11を参照)として、示した遮蔽装置60は、底壁61及び底壁61に接続してかつ対向して設置される二つの側壁(64、66)のみ含んでもよい。底壁61と二つの側壁が対向して設置される第一開口631、第二開口651及び与底壁61と対向して設置される第三開口621を有して、即ち底壁61と二つの側壁がU字型構造を形成して、U字型構造が遮蔽スペース67を有する。第一開口631が第一真空管部31に隣接し、第二開口651が第二真空管部32に隣接して、第三真空管部が第三開口を突き抜けて、第三開口621は作業者が第二真空管部31を遮蔽スペース67に移動するために使用される。本出願実施態様において、前記遮蔽装置60が真空管30の外周に設けられ、中性子発生部を取り替える必要がある時、第三真空管部を取り外して、作業者が第二真空管部32を移動して、中性子発生部10、填充部50及び冷却装置40がいずれも第二真空管部3とともに運動して遮蔽装置60の遮蔽スペース67に収容された後で、遮蔽装置60を第一真空管部31から取り外して、それからそれぞれ天井60、第一側壁63及び第三側壁65を回転して、天井60、第一側壁63及び第三側壁65をそれぞれ遮蔽スペース67に覆うことで、遮蔽スペース67内の放射線に対して全面遮蔽する。遮蔽装置60が核反応の発生した後の中性子発生部10に残した放射線を遮蔽することで、放射線が作業者に対する安全リスクを減らす。無論、実際の操作過程において、第三真空管部33を取り外した後で、第一真空管部31と第二真空管部32の間に遮蔽装置60を設置してもよい。
【0045】
遮蔽装置60の設置は、第一開口631と第一真空管部31の接続(当接)、第二開口651と第二真空管部32(ビーム整形体20)の接続(当接)によって実現してもよいし、追加の構造を設置することによってそれを真空管30の外周に支持することで実現してもよい。
【0046】
作業者はビーム整形体の側面に立って中性子発生部の交換作業を行うので、作業者が第二真空管部を移動する時に、遮蔽部の底壁と側壁がいずれも中性子発生部に残す放射線を遮蔽でき、中性子発生部が第二真空管部とともに遮蔽スペース内に移動した後で、天井、第一側壁と第三側壁を回転して、遮蔽スペースが遮蔽材料によって完全に囲まれるようにさせることで、さらに作業者の放射線のリスクを低減する。無論、U字型構造の遮蔽装置60も十分に作業者を放射する可能性がある放射線を遮蔽できて、作業者の放射線のリスクを低減する。
【0047】
図12~17は本出願の中性子捕捉療法システムの第三種の実施態様の概略図である。中性子捕捉療法システム100’は、さらに減速体22に隣接する遮蔽部を含み、遮蔽部が収容部21の外周を覆う。遮蔽部は第一遮蔽部71と第二遮蔽部72を含み、第二遮蔽部72は第一遮蔽部71に対して真空管30から離れる方向へ運動できて、中性子発生部10を収容部2の中から落下させる。真空管30は、少なくとも加速器200に接続する第一真空管部31’及び第一真空管部31’に接続して収容部21の中に収容される第二真空管部32’を含む。第一真空管部31’が第二真空管部32’から離脱して、且つ第二遮蔽部72が中性子発生部10から離れる方向へ移動して、第一真空管部31’が収容部21の中から落下できる時、中性子発生部10が第二真空管部32’とともに運動して収容部21を出って、ビーム整形体20から脱落する。填充部、冷却装置も中性子発生部10とともにビーム整形体20の中から脱落する。
【0048】
放射線が作業者に対する安全リスクを低減するために、中性子捕捉療法システムは、さらに実施態様二の中の遮蔽装置60を含んでもよいし、真空管30の下方に位置する格納装置80を含んでもよく、中性子発生部10が収容部21の中から格納装置80に落ちて、格納装置80は遮蔽材料で製造される。
【0049】
図18~図19を参照して、格納装置80は、底部81、底部81と対向して設置される頂部82及び底部81と頂部82に接続する四つの側部83を含み、底部81、頂部82及び四つの側部83が接続して容置スペース84の有する格納装置80を形成する。格納装置80の頂部82には、さらに一つの開口が設けられて、開口遮蔽が二つの対向して設置される回転部85を有し、各回転部85の一端が頂部82に接続して、他端が頂部に対して容置スペース84内へ回転できる。自然状態において、二つの回転部85が容置スペース84の上方に位置して開口を遮蔽する;外力の作用によって、回転部85が容置スペース84内へ回転して容置スペース84に収容される;外力が消し去る時、回転部85が自然状態に戻る。回転部85の運動は頂部82に軸部材を設置することで、回転部材85が軸部材(図示せず)を中心に容置スペース84内へ運動する、若しくは容置スペース84の上方の開口を覆って実現し、ここで、具体的な説明を省略する。
【0050】
勿論、第一実施態様と第二実施態様においても、第三実施態様の格納装置を設置できることで、さらに作業者が放射線と直接に接触する確率を低減してもよい。
中性子捕捉療法システムは加速器によって荷電粒子ビームPを加速し、好ましい実施例として、中性子発生部31がリチウム金属から製造され、荷電粒子ビームをターゲットの核力を克服できるエネルギーまでに加速して、中性子発生部12と7Li(p、n)7Be核反応を発生して中性子を発生して、ビーム整形体20が中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速して、熱中性子及び高速中性子の含有量を低減する。図3が示すように、中性子発生部10はリチウムターゲット層101とリチウムターゲット層10側に位置してリチウムターゲット層101が酸化されることを防止するための酸化防止層102とを含む。中性子発生部10の酸化防止層102はAl若しくはステンレス鋼で製造される。
【0051】
減速体22は高速中性子作用断面積が大きく、熱外中性子作用断面積が小さい材料で製造され、反射体23は強い中性子反射能力が有する材料で製造され、熱中性子吸収体24は熱中性子作用断面積が大きい材料で製造される。好ましい実施例として、減速体22はD2O、AlF3、FluentalTM、CaF2、Li2CO3、MgF2及びAl2O3の中の少なくとも一種で製造され、反射体23はPb又はNi中の少なくとも一種で製造され、熱中性子吸収体24は6Liで製造される。
【0052】
放射遮蔽25は光子遮蔽251と中性子遮蔽252を含み、好ましくは、放射遮蔽25は鉛(Pb)で製造された光子遮蔽251とポリエチレン(PE)で製造された中性子遮蔽252を含む。
本出願の説明では、同じ番号で同じ部品を表示する。
【0053】
本出願が開示した中性子捕捉療法シテムは以上の実施例の前記の内容及び図面が示す構造に限られない。例えば、減速体を円柱状に設置してもよい、複数の冷却装置を設置してもよい、格納パイプが対応して複数があるなどの構造がある。本出願の基礎の上でその中の部品の材料、形状及び位置に対して行った明らかな修正、置換、または変更はいずれも本開示の範囲内である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19