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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041848
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/76 20230101AFI20230316BHJP
   H04N 25/65 20230101ALI20230316BHJP
【FI】
H04N25/76
H04N25/65
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014198
(22)【出願日】2023-02-01
(62)【分割の表示】P 2019105233の分割
【原出願日】2019-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2018120787
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】金原 旭成
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 三四郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 佳壽子
(57)【要約】
【課題】リセットノイズを低減しながら高速化できる撮像装置を提供する。
【解決手段】それぞれが、光電変換部、電荷蓄積部、および電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が接続された第1トランジスタを含み、第1方向に沿って配列する、第1画素および第2画素と、それぞれが第1方向に沿って延びる、第1配線および第2配線と、第1配線を介して第1画素の第1トランジスタに接続される第1電圧供給回路と、第2配線を介して第2画素の第1トランジスタに接続され第2電圧供給回路とを備える、撮像装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、光を電荷に変換する光電変換部、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が接続された第1トランジスタ、および前記電荷蓄積部にゲートが接続された第2トランジスタを含み、第1方向に沿って配列する、第1画素および第2画素と、
それぞれが前記第1方向に沿って延びる、第1配線および第2配線と、
前記第1配線を介して前記第1画素の前記第1トランジスタに接続される第1電圧供給回路と、
前記第2配線を介して前記第2画素の前記第1トランジスタに接続される第2電圧供給回路と
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記第1配線は、前記第2画素の前記第1トランジスタに接続されておらず、
前記第2配線は、前記第1画素の前記第1トランジスタに接続されていない、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
第3電圧供給回路と、
前記第1電圧供給回路および前記第3電圧供給回路のいずれか一方を前記第1配線に電気的に接続させる第1スイッチ回路と、
前記第2電圧供給回路および前記第3電圧供給回路のいずれか一方を前記第2配線に電気的に接続させる第2スイッチ回路と、
をさらに備える、請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1方向に沿って延びる第3配線と、
前記第3配線に接続された第4電圧供給回路と、
をさらに備え、
前記第4電圧供給回路は、前記第3配線を介して、前記第1画素の前記第1トランジスタおよび前記第2画素の前記第1トランジスタに接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに接続され、
前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタの前記ソースおよび前記ドレインの他方に接続され、
前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタの前記ソースおよび前記ドレインの他方に接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1電圧供給回路および前記第2電圧供給回路は、電圧値がテーパ状に変化する電圧を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記光電変換部は、フォトダイオードを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記光電変換部は、第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間の受光層を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1画素および前記第2画素のそれぞれは、前記光電変換部によって生成され前記電荷蓄積部に蓄積された前記電荷の量に対応する信号を出力する、請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第2トランジスタを介さずに前記第1画素の前記第1トランジスタに接続され、
前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第2トランジスタを介さずに前記第2画素の前記第1トランジスタに接続される、請求項1から10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどにCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが広く用いられている。
【0003】
また、撮像装置の分野においては、ノイズ低減の要求がある。特に、光電変換によって生成された電荷のリセット時に発生するkTCノイズ(「リセットノイズ」とも呼ばれる)を低減したいという要求がある。特許文献1は、撮像領域における単位画素セルごとに帰還経路を形成し、負帰還によってリセットノイズをキャンセルする撮像装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-127593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の限定的ではないある例示的な一実施形態は、リセットノイズを抑制しつつ高速動作可能な撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る撮像装置は、それぞれが、光を電荷に変換する光電変換部、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が接続された第1トランジスタ、および前記電荷蓄積部にゲートが接続された第2トランジスタを含み、第1方向に沿って配列する、第1画素および第2画素と、それぞれが前記第1方向に沿って延びる、第1配線および第2配線と、前記第1配線を介して前記第1画素の前記第1トランジスタに接続される第1電圧供給回路と、前記第2配線を介して前記第2画素の前記第1トランジスタに接続される第2電圧供給回路とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、リセットノイズを抑制しつつ、高速化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本開示の第1の実施形態による撮像装置のブロック図である。
図2図2は本開示の第1の実施形態による撮像装置の構成を示す図である。
図3図3は本開示の第1の実施形態による画素の構成を示す図である。
図4図4は本開示の第1の実施形態によるバイアス回路の構成を示す図である。
図5図5は本開示の第1の実施形態による電流源切替回路の構成を示す図である。
図6図6は本開示の第1の実施形態による第1モードにおけるタイミングチャートである。
図7図7は本開示の第1の実施形態による第2モードにおけるタイミングチャートである。
図8図8は本開示の第1の実施形態の変形例1による撮像装置のブロック図である。
図9図9は本開示の第1の実施形態の変形例2による撮像装置のブロック図である。
図10図10は本開示の第1の実施形態の変形例3による撮像装置のブロック図である。
図11図11は本開示の第1の実施形態の変形例4による画素の構成を示す図である。
図12図12は本開示の第1の実施形態の変形例5による画素の構成を示す図である。
図13図13は本開示の第2の実施形態による撮像装置を有するカメラシステムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様の概要は以下の項目に記載のとおりである。
【0010】
[項目1]
それぞれが、光を電荷に変換する光電変換部、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が接続された第1トランジスタ、および前記電荷蓄積部にゲートが接続された第2トランジスタを含み、第1方向に沿って配列する、第1画素および第2画素と、
それぞれが前記第1方向に沿って延びる、第1配線および第2配線と、
前記第1配線を介して前記第1画素の前記第1トランジスタに接続され、前記第1画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第1電圧と、前記第1画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第2電圧と、の間の電圧である第3電圧を生成する第1電圧供給回路と、
前記第2配線を介して前記第2画素の前記第1トランジスタに接続され、前記第2画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第4電圧と、前記第2画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第5電圧と、の間の電圧である第6電圧を生成する第2電圧供給回路と
を備える、撮像装置。
【0011】
[項目2]
前記第1画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの一方に接続される第1バイアス回路と、
前記第2画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの一方に接続される第2バイアス回路と
を備える、項目1に記載の撮像装置。
【0012】
[項目3]
前記第1バイアス回路は、互いに異なる2つの電圧を生成し、
前記第2バイアス回路は、互いに異なる2つの電圧を生成する、項目2に記載の撮像装置。
【0013】
[項目4]
前記第1方向に沿って延びる、第3配線および第4配線をさらに備え、
前記第1バイアス回路は、前記第3配線を介して前記第1画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの前記一方に接続され、
前記第2バイアス回路は、前記第4配線を介して前記第2画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの前記一方に接続される、項目1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0014】
[項目5]
前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに接続され、
前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに接続される、項目1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0015】
[項目6]
前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタの前記ソースおよび前記ドレインの他方に接続され、
前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタの前記ソースおよび前記ドレインの他方に接続される、項目1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0016】
[項目7]
前記第3電圧および前記第6電圧は、電圧値がテーパ状に変化する電圧である、項目1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0017】
[項目8]
前記第1画素および前記第2画素のそれぞれは、前記電荷蓄積部と前記第1トランジスタのソースおよびドレインの前記一方との間に接続される第3トランジスタを含む、項目1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0018】
[項目9]
それぞれが前記第1方向に沿って延びる、第1垂直信号線および第2垂直信号線をさらに備え、
前記第1垂直信号線は、前記第1画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの他方に接続され、
前記第2垂直信号線は、前記第2画素の前記第2トランジスタのソースおよびドレインの他方に接続される、項目1から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0019】
[項目10]
前記第1画素は、前記第2トランジスタのソースおよびドレインの前記他方と前記第1垂直信号線との間に接続される第4トランジスタを含み、
前記第2画素は、前記第2トランジスタのソースおよびドレインの前記他方と前記第2垂直信号線との間に接続される第5トランジスタを含む、項目9に記載の撮像装置。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。
【0022】
本開示の一態様に係る撮像装置は、m行n列状(m、nは1以上の整数)に配置された複数の画素からなる画素アレイを備える撮像装置であって、前記複数の画素は、a行目(aは1以上m以下の整数)に位置する第1画素と、b行目(bは1以上m以下の整数、b≠a)に位置する第2画素と、を含み、前記複数の画素のそれぞれは、光を電荷に変換する光電変換部と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が電気的に接続された第1トランジスタと、前記電荷蓄積部にゲートが電気的に接続された第2トランジスタと、を備え、前記撮像装置は、さらに、前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに電気的に接続された第1電圧供給回路と、前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに電気的に接続された第2電圧供給回路と、を備え、前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第1電圧と、前記第1画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第2電圧と、の間の電圧である第3電圧を前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに出力し、前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第4電圧と、前記第2画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第5電圧と、の間の電圧である第6電圧を前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに出力する。
【0023】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施することでリセットノイズを抑制できる。また、第1画素と第2画素のノイズキャンセル動作のタイミングを個別に設定することが可能になる。よって、当該撮像装置は、リセットノイズを抑制しつつ、高速化を実現できる。
【0024】
本開示の一態様に係る撮像装置は、m行n列状(m、nは1以上の整数)に配置された複数の画素からなる画素アレイを備える撮像装置であって、前記複数の画素は、a行目(aは1以上m以下の整数)に位置する第1画素と、b行目(bは1以上m以下の整数、b≠a)に位置する第2画素と、を含み、前記複数の画素のそれぞれは、光を電荷に変換する光電変換部と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部にソースおよびドレインの一方が電気的に接続された第1トランジスタと、前記電荷蓄積部にゲートが電気的に接続された第2トランジスタと、を備え、前記撮像装置は、さらに、前記第1画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に電気的に接続された第1電圧供給回路と、前記第2画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に電気的に接続された第2電圧供給回路と、を備える。
【0025】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施することでリセットノイズを抑制できる。また、第1画素と第2画素のノイズキャンセル動作のタイミングを個別に設定することが可能になる。よって、当該撮像装置は、リセットノイズを抑制しつつ、高速化を実現できる。
【0026】
例えば、前記第1電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第1電圧と、前記第1画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第2電圧と、の間の電圧である第3電圧を前記第1画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に出力し、前記第2電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第4電圧と、前記第2画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第5電圧と、の間の電圧である第6電圧を前記第2画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に出力してもよい。
【0027】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施し、リセットノイズを抑制できる。
【0028】
例えば、前記第1電圧供給回路は、前記第1電圧が前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに印加される第1期間の後の第2期間に、前記第3電圧を前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに出力し、前記第2電圧供給回路は、前記第4電圧が前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに印加される第3期間の後の第4期間に、前記第6電圧を前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに出力してもよい。
【0029】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施し、リセットノイズを抑制できる。
【0030】
例えば、前記第1電圧供給回路は、前記第1電圧が前記第1画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に印加される第1期間の後の第2期間に、前記第3電圧を前記第1画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に出力し、前記第2電圧供給回路は、前記第4電圧が前記第2画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に印加される第3期間の後の第4期間に、前記第6電圧を前記第2画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方に出力してもよい。
【0031】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施し、リセットノイズを抑制できる。
【0032】
例えば、前記第3電圧および前記第6電圧はテーパ状の電圧であってもよい。
【0033】
この構成によれば、ノイズキャンセルを実施し、リセットノイズを抑制できる。
【0034】
例えば、前記第2期間と前記第4期間とは少なくとも一部が重複してもよい。
【0035】
例えば、前記第2期間と前記第4期間とは、互いに重複しない期間を含んでもよい。
【0036】
この構成によれば、第1画素の第1トランジスタに第1電圧が印加されるタイミングと、第2画素の第1トランジスタに第4電圧が印加されるタイミングを異ならせることができる。これにより、第1画素の第1トランジスタに第1電圧が印加されるタイミングと、第2画素の第1トランジスタに第4電圧が印加されるタイミングが同時である場合に比べ、ノイズを低減できる。
【0037】
例えば、前記複数の画素のそれぞれは、ソースおよびドレインの一方が前記電荷蓄積部に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が前記第1トランジスタのソースおよびドレインの前記一方に電気的に接続される第3トランジスタを備えてもよい。
【0038】
例えば、前記第1電圧供給回路および前記第2電圧供給回路は、前記画素アレイの左側に位置してもよい。
【0039】
例えば、前記第1電圧供給回路は、前記画素アレイの上側に位置し、前記第2電圧供給回路は、前記画素アレイの下側に位置してもよい。
【0040】
この構成によれば、第1電圧供給回路からの電圧の印加および第2電圧供給回路からの電圧の印加の遅延を上下の行で平均化できる。したがって、シェーディングを均一化できる。
【0041】
例えば、前記第1電圧供給回路は、前記画素アレイの左側に位置し、前記第2電圧供給回路は、前記画素アレイの右側に位置してもよい。
【0042】
この構成によれば、チップ全体の回路位置のバランスが良くなる。また、第1電圧供給回路から電圧を出力する配線および第2電圧供給回路から電圧を出力する配線のカップリングを低減できるので、ノイズを抑制できる。
【0043】
例えば、前記画素アレイの左側に位置し、前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに電気的に接続された第3電圧供給回路と、前記画素アレイの右側に位置し、前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに電気的に接続された第4電圧供給回路と、を備え、前記第3電圧供給回路は、前記第1画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第7電圧と、前記第1画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第8電圧と、の間の電圧である第9電圧を前記第1画素の前記第1トランジスタのゲートに出力し、前記第4電圧供給回路は、前記第2画素の前記第1トランジスタをオン状態にする第10電圧と、前記第2画素の前記第1トランジスタをオフ状態にする第11電圧と、の間の電圧である第12電圧を前記第2画素の前記第1トランジスタのゲートに出力してもよい。
【0044】
この構成によれば、画素アレイの左右の電圧供給回路から画素に電圧を供給することにより、複数の画素を高速に駆動することができる。
【0045】
例えば、前記第1画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの一方に電気的に接続された第3電圧供給回路と、前記第2画素の前記第1トランジスタのソースおよびドレインの一方に電気的に接続された第4電圧供給回路と、を備えてもよい。
【0046】
この構成によれば、複数の電圧供給回路から画素に電圧を供給することにより、複数の画素を高速に駆動することができる。
【0047】
例えば、前記第1電圧供給回路および前記第2電圧供給回路は、前記画素アレイの左側に位置し、前記第3電圧供給回路および前記第4電圧供給回路は、前記画素アレイの右側に位置し、前記第1電圧供給回路および前記第3電圧供給回路は、前記画素アレイの上側に位置し、前記第2電圧供給回路および前記第4電圧供給回路は、前記画素アレイの下側に位置してもよい。
【0048】
この構成によれば、チップ全体の回路位置のバランスが良くなる。
【0049】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る撮像装置について、図1図7を用いて説明する。図1は、本実施形態による撮像装置100の例示的な構成を示す図である。図1に示す撮像装置100は、複数の画素110を含む画素アレイ102と、周辺回路とを有する。複数の画素110は、例えば半導体基板に2次元に配列されることにより、画素領域を形成する。図示する例において、各画素110の中心は、正方格子の格子点上に位置している。もちろん、画素110の配置は、図示する例に限定されず、例えば、各中心が、三角格子、六角格子などの格子点上に位置するように複数の画素110を配置してもよい。複数の画素は、1次元に配列されてもよい。この場合、撮像装置100をラインセンサとして利用することができる。
【0050】
図1に例示する構成において、周辺回路は、電圧供給回路101Aと、電圧供給回路101Bと、行選択回路103とを含んでいる。行選択回路103はアレイ状に配置される行ドライバ111を含んでいる。電圧供給回路101A及び電圧供給回路101Bはそれぞれ行選択回路103を介して画素アレイ102内の異なる行の画素110に接続されている。周辺回路は、画素アレイ102が形成される半導体基板上に配置されていてもよいし、その一部が他の基板上に配置されていてもよい。
【0051】
撮像装置100の一部の構成の詳細について、図2を用い説明する。図2は、撮像装置100の構成を示す図である。なお、図2では、説明の簡略化のため4行1列の画素110に対応する構成のみを記載している。画素110Aが0行目に位置し、画素110Bが1行目に位置し、画素110Cが2行目に位置し、画素110Dが3行目に位置する。画素110A~110Dは、同じ列に位置する。これらの画素が配列する方向は、第1方向を例示する。例えば、画素110Aは第1画素を例示し、画素110Cは第2画素を例示する。
【0052】
電圧供給回路101Aは、ハイ電圧VHと、ロー電圧VLとの間の中間電圧VMAを生成する。電圧供給回路101Bは、ハイ電圧VHと、ロー電圧VLとの間の中間電圧VMBを生成する。具体的には、中間電圧VMAおよび中間電圧VMBは徐々に変化するテーパ状の電圧である。例えば、電圧供給回路101Aおよび電圧供給回路101Bの各々は、DAC(デジタル-アナログ変換器)とローパスフィルタとを含み、DACで生成された信号がローパスフィルタに入力され、ローパスフィルタの出力信号が上記中間電圧VMAまたは中間電圧VMBとして出力される。
【0053】
電圧切替回路120Aは、電圧供給回路101Aおよび電源線VHAに接続されている。電圧切替回路120Aは、電圧VHと、電圧供給回路101Aで生成された中間電圧VMAとの一方を電源線VHAに出力する。具体的には、電圧切替回路120Aは、スイッチSV0およびスイッチSV1を含む。スイッチSV0がオンし、スイッチSV1がオフすることで、中間電圧VMAが電源線VHAに出力される。スイッチSV0がオフし、スイッチSV1がオンすることで、電圧VHが電源線VHAに出力される。電源線VHAおよび電源線VHBは、画素110A~110Dが配列する方向に延びている。電源線VHAは、第1配線を例示する。電源線VHBは、第2配線を例示する。
【0054】
電圧切替回路120Bは、電圧供給回路101Bおよび電源線VHBに接続されている。電圧切替回路120Bは、電圧VHと、電圧供給回路101Bで生成された中間電圧VMBとの一方を電源線VHBに出力する。具体的には、電圧切替回路120Bは、スイッチSV2およびスイッチSV3を含む。スイッチSV2がオンし、スイッチSV3がオフすることで、中間電圧VMBが電源線VHBに出力される。スイッチSV2がオフし、スイッチSV3がオンすることで、電圧VHが電源線VHBに出力される。
【0055】
行ドライバ111Aは、電源線VHA、電源線VL0および制御線FB0に接続される。行ドライバ111Aは、電源線VHAを介して出力される電圧VHあるいは電圧VMA、または、電源線VL0を介して出力される電圧VLを制御線FB0に出力する。具体的には、行ドライバ111Aは、スイッチ131Aおよび132Aを含む。スイッチ131Aは電源線VHAと制御線FB0との間に接続され、スイッチ132Aは電源線VL0と制御線FB0との間に接続される。スイッチ131Aがオンし、スイッチ132Aがオフすることで、電源線VHAを介して電圧VHまたは電圧VMAが制御線FB0に出力される。スイッチ131Aがオフし、スイッチ132Aがオンすることで、電源線VL0を介して電圧VLが制御線FB0に出力される。
【0056】
行ドライバ111Bは、電源線VHA、電源線VL0および制御線FB1に接続される。行ドライバ111Bは、電源線VHAを介して出力される電圧VHあるいは電圧VMA、または、電源線VL0を介して出力される電圧VLを制御線FB1に出力する。具体的には、行ドライバ111Bは、スイッチ131Bおよび132Bを含む。スイッチ131Bは電源線VHAと制御線FB1との間に接続され、スイッチ132Bは電源線VL0と制御線FB1との間に接続される。スイッチ131Bがオンし、スイッチ132Bがオフすることで、電源線VHAを介して電圧VHまたは電圧VMAが制御線FB1に出力される。スイッチ131Bがオフし、スイッチ132Bがオンすることで、電源線VL0を介して電圧VLが制御線FB1に出力される。
【0057】
行ドライバ111Cは、電源線VHB、電源線VL0および制御線FB2に接続される。行ドライバ111Cは、電源線VHBを介して出力される電圧VHあるいは電圧VMB、または、電源線VL0を介して出力される電圧VLを制御線FB2に出力する。具体的には、行ドライバ111Cは、スイッチ131Cおよび132Cを含む。スイッチ131Cは電源線VHBと制御線FB2との間に接続され、スイッチ132Cは電源線VL0と制御線FB2との間に接続される。スイッチ131Cがオンし、スイッチ132Cがオフすることで、電源線VHBを介して電圧VHまたは電圧VMBが制御線FB2に出力される。スイッチ131Cがオフし、スイッチ132Cがオンすることで、電源線VL0を介して電圧VLが制御線FB2に出力される。
【0058】
行ドライバ111Dは、電源線VHB、電源線VL0および制御線FB3に接続される。行ドライバ111Dは、電源線VHBを介して出力される電圧VHあるいは電圧VMB、または、電源線VL0を介して出力される電圧VLを制御線FB3に出力する。具体的には、行ドライバ111Dは、スイッチ131Dおよび132Dを含む。スイッチ131Dは電源線VHBと制御線FB3との間に接続され、スイッチ132Dは電源線VL0と制御線FB3との間に接続される。スイッチ131Dがオンし、スイッチ132Dがオフすることで、電源線VHBを介して電圧VHまたは電圧VMBが制御線FB3に出力される。スイッチ131Dがオフし、スイッチ132Dがオンすることで、電源線VL0を介して電圧VLが制御線FB3に出力される。
【0059】
制御線FB0は画素110Aに接続される。制御線FB1は画素110Bに接続される。制御線FB2は画素110Cに接続される。制御線FB3は画素110Dに接続される。
【0060】
なお、電圧VHおよび電圧VLは、単一の回路で生成されてもよい。あるいは、電圧VMAおよび電圧VMBと同様に異なる回路で生成されてもよい。すなわち、画素110Aおよび画素110Bに供給される電圧VHを電圧VHAとし、画素110Cおよび画素110Dに供給される電圧VHを電圧VHBとしたとき、電圧VHAと電圧VHBとが異なる回路で生成されてもよい。また、画素110Aおよび画素110Bに供給される電圧VLを電圧VLAとし、画素110Cおよび画素110Dに供給される電圧VLを電圧VLBとしたとき、電圧VLAと電圧VLBとが異なる回路で生成されてもよい。例えば、電圧供給回路101Aが電圧VHAおよび電圧VLAを生成し、電圧供給回路101Bが電圧VHBおよび電圧VLBを生成してもよい。
【0061】
画素110Aおよび画素110Bはともにバイアス線VBAに接続される。画素110Aは垂直信号線SIGAに接続される。画素110Bは垂直信号線SIGBに接続される。画素110Cおよび画素110Dはともにバイアス線VBBに接続される。画素110Cは垂直信号線SIGCに接続される。画素110Dは垂直信号線SIGDに接続される。バイアス線VBAはバイアス回路121Aに接続される。バイアス線VBBはバイアス回路121Bに接続される。垂直信号線SIGAは電流源切替回路122Aに接続される。垂直信号線SIGBは電流源切替回路122Bに接続される。垂直信号線SIGCは電流源切替回路122Cに接続される。垂直信号線SIGDは電流源切替回路122Dに接続される。バイアス線VBAおよびバイアス線VBBは、画素110A~110Dが配列する方向に延びている。バイアス線VBAは、第3配線を例示する。バイアス線VBBは、第4配線を例示する。
【0062】
図3は、本実施形態による撮像装置100に含まれる画素110(すなわち、画素110A、画素110B、画素110Cおよび画素110D)の構成例を示す図である。なお、図3に示す制御線FBは、図2に示す制御線FB0~FB3に対応する。図3に示すリセット制御線RSTは、図2に示すリセット制御線RST0~RST3に対応する。図3に示す選択制御線SELは、図2に示す選択制御線SEL0~SEL3に対応する。図3に示す電荷蓄積部FDは、図2に示す電荷蓄積部FD0~FD3に対応する。図3に示すバイアス線VBは、図2に示すバイアス線VBA~VBBに対応する。図3に示す垂直信号線SIGは、図2に示す垂直信号線SIGA~SIGDに対応する。
【0063】
画素110は、光電変換部201、フィードバックトランジスタ202、リセットトランジスタ203、増幅トランジスタ204、選択トランジスタ205、第1容量素子206、第2容量素子207および電荷蓄積部FDを含む。
【0064】
光電変換部201は入射光を検出し、信号電荷を生成する。光電変換部201は、例えば、上部電極、下部電極、および上部電極と下部電極に挟まれる受光層で構成される。なお、光電変換部201は、埋め込みフォトダイオードであってもよい。
【0065】
電荷蓄積部FDは、光電変換部201によって生成された信号電荷を蓄積する。電荷蓄積部FDは、拡散層によって形成されてもよいし、配線によって形成されてもよい。
【0066】
第1容量素子206および第2容量素子207は、例えばMIM(Metal Insulator Metal)容量またはMIS(Metal Insulator Semiconductor)容量であってもよい。
【0067】
増幅トランジスタ204のゲートは電荷蓄積部FDに接続されている。増幅トランジスタ204のソースおよびドレインの一方は、フィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの一方と、選択トランジスタ205のソースおよびドレインの一方とに接続されている。増幅トランジスタ204のソースおよびドレインの他方は、バイアス線VBに接続されている。選択トランジスタ205のソースおよびドレインの他方は、垂直信号線SIGに接続されている。フィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの他方はリセットトランジスタ203のソースおよびドレインの一方に接続されている。リセットトランジスタ203のソースおよびドレインの他方は電荷蓄積部FDに接続されている。
【0068】
また、フィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの他方は、第2容量素子207の一端に接続されている。また、第2容量素子207の他端には、基準電圧VRが印加される。基準電圧VRは、例えば接地電位GNDである。第2容量素子207の他端に基準電圧VRが印加されることにより、フィードバックトランジスタ202と第2容量素子207とによってRCフィルタ回路が形成される。RCフィルタ回路はローパスフィルタとして機能するため、フィードバックトランジスタ202の動作帯域は狭くなる。このことにより、後述のノイズ抑制期間でフィードバックされるノイズ帯域をより狭くすることができる。
【0069】
フィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの他方は、第1容量素子206の一端にも接続されている。第1容量素子206の他端は、電荷蓄積部FDに接続されている。本明細書において、フィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの他方、第1容量素子206の一端、および第2容量素子207の一端の間に形成されたノードを「ノードRD」と称する。ノードRDは、リセットドレインノードとも呼ばれる。
【0070】
フィードバックトランジスタ202のゲートは、制御線FBに接続されている。制御線FBからゲートに印加される電圧により、フィードバックトランジスタ202の状態が決定される。例えば、制御線FBから印加される電圧がハイレベルのとき、フィードバックトランジスタ202はオンとなる。このとき、電荷蓄積部FDと、増幅トランジスタ204と、フィードバックトランジスタ202と、第1容量素子206と、によって帰還経路が形成される。
【0071】
制御線FBから印加される電圧がハイレベルよりも低い電圧になると、帰還経路は引き続き形成されるが、フィードバックトランジスタ202の抵抗成分が大きくなる。そのため、フィードバックトランジスタ202の帯域は狭くなり、帰還する信号の周波数領域は狭くなる。
【0072】
帰還経路が形成されているとき、フィードバックトランジスタ202が出力する信号は、第1容量素子206および電荷蓄積部FDの寄生容量によって形成される減衰回路で減衰されて、電荷蓄積部FDに帰還される。第1容量素子206の容量をCc、電荷蓄積部FDの寄生容量をCfdとすると、減衰率Bは、Cc/(Cc+Cfd)で表される。
【0073】
制御線FBから印加される電圧がさらに低くなり、ローレベルになると、フィードバックトランジスタ202はオフとなる。その場合、帰還経路は形成されない。
【0074】
リセットトランジスタ203のソースおよびドレインの一方は、ノードRDに接続される。リセットトランジスタ203のソースおよびドレインの他方は、電荷蓄積部FDに接続される。リセットトランジスタ203のゲートは、リセット制御線RSTに接続される。リセット制御線RSTから印加される電圧により、リセットトランジスタ203の状態が決定される。例えば、リセット制御線RSTから印加される電圧がハイレベルのとき、リセットトランジスタ203はオンする。その結果、第1容量素子206の両端、すなわち電荷蓄積部FDとノードRDとが電気的に接続される。
【0075】
選択トランジスタ205のソースおよびドレインの他方は、垂直信号線SIGに接続される。選択トランジスタ205のゲートは、選択制御線SELに接続される。選択制御線SELから印加される電圧により、選択トランジスタ205の状態が決定される。例えば、選択制御線SELから印加される電圧がハイレベルのとき、選択トランジスタ205はオンする。その結果、増幅トランジスタ204と垂直信号線SIGとは電気的に接続される。選択制御線SELから印加される電圧がローレベルのとき、選択トランジスタ205はオフする。その結果、増幅トランジスタ204と垂直信号線SIGとは電気的に分離される。
【0076】
図4は、バイアス回路121(すなわち、バイアス回路121Aおよび121B)の構成を示す図である。バイアス回路121は、スイッチS0およびスイッチS1を含み、ハイ電圧VBHまたはロー電圧VBLをバイアス線VBに出力する。具体的には、スイッチS0がオンし、スイッチS1がオフすることで、バイアス線VBにハイ電圧VBHが出力される。スイッチS0がオフし、スイッチS1がオンすることで、バイアス線VBにロー電圧VBLが出力される。ハイ電圧VBHは、例えば電源電圧VDDである。ロー電圧VBLは、例えば接地電位GNDである。
【0077】
図5は、電流源切替回路122(すなわち、電流源切替回路122A、122B、122Cおよび122D)の構成を示す図である。電流源切替回路122は、スイッチS2、スイッチS3、定電流源141および定電流源142を含む。定電流源141はP型の電流源である。定電流源141は、垂直信号線SIGに電流を流し込む。定電流源142はN型の電流源である。定電流源142は、垂直信号線SIGから電流を引き込む。スイッチS2は、垂直信号線SIGと定電流源141との間に接続される。スイッチS3は、垂直信号線SIGと定電流源142との間に接続される。スイッチS2がオンすることで、垂直信号線SIGに定電流源141が接続される。スイッチS3がオンすることで、垂直信号線SIGに定電流源142が接続される。
【0078】
図6は、信号の読み出し時における撮像装置100の動作を説明するための第1モードの例示的なタイミングチャートである。VS0/VS1は、増幅トランジスタ204のソースおよびドレインのうちバイアス線VBAに接続されていない方の電圧レベルの変化を示す。VS2/VS3は、増幅トランジスタ204のソースおよびドレインのうちバイアス線VBBに接続されていない方の電圧レベルの変化を示す。S0(A)/S3(A、B)は、バイアス回路121AのスイッチS0と、電流源切替回路122Aおよび電流源切替回路122BのスイッチS3の状態を示す。S1(A)/S2(A、B)は、バイアス回路121AのスイッチS1と、電流源切替回路122Aおよび電流源切替回路122BのスイッチS2の状態を示す。S0(B)/S3(C、D)は、バイアス回路121BのスイッチS0と、電流源切替回路122Cおよび電流源切替回路122DのスイッチS3の状態を示す。S1(B)/S2(C、D)は、バイアス回路121BのスイッチS1と、電流源切替回路122Cおよび電流源切替回路122DのスイッチS2の状態を示す。
【0079】
図6では、画素アレイ102の0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bを同時にリセットし、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dを同時にリセットする例を示している。図6に示す例では、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bに信号読み出しおよびリセット読み出しを行い、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dにシャッタ動作を行っている。
【0080】
なお、制御線FB0~FB3の制御信号以外の各種制御信号については、例えば、撮像装置100が備える制御回路(図示せず)により生成される。
【0081】
(信号読み出し期間)
時刻t0において、0行目の画素110Aの選択トランジスタ205のゲートに印加される選択制御信号SEL0および1行目の画素110Bの選択トランジスタ205のゲートに印加される選択制御信号SEL1がハイレベルとなる。これにより、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bが選択状態になる。また、時刻t0において、バイアス回路121AのスイッチS0がオン状態であり、スイッチS1がオフ状態である。そのため、バイアス線VBAにはハイ電圧VBHが印加される。また、電流源切替回路122Aおよび電流源切替回路122BのスイッチS3がオン状態である。そのため、選択トランジスタ205と、増幅トランジスタ204と、電流源切替回路122Aまたは電流源切替回路122Bの定電流源142とによりソースフォロワ回路が形成される。これにより、垂直信号線SIGAおよび垂直信号線SIGBの電位は、電荷蓄積部FDに蓄積された信号電荷に応じた電圧VSIG(A)および電圧VSIG(B)となる。このソースフォロワ回路の増幅率は1倍程度である。
【0082】
電荷蓄積部FD0および電荷蓄積部FD1の電圧は、後述するリセット電圧VRSTを基準として、画素110Aおよび画素110Bの直前のリセット動作から時刻t0までの期間に、光電変換部201において生成された信号電荷に応じた電圧分だけ変化している。電荷蓄積部FD0および電荷蓄積部FD1の電圧は、1倍程度の増幅率で前記ソースフォロワ回路により増幅されて、垂直信号線SIGAおよび垂直信号線SIGBに出力され、読み出される。
【0083】
(リセット期間)
次に時刻t1において制御線FB0、制御線FB1、リセット制御線RST0、およびリセット制御線RST1に印加される電圧がハイレベルになる。このことにより、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202とリセットトランジスタ203とがオン状態になる。また、バイアス回路121AのスイッチS0がオフ状態となり、スイッチS1がオン状態となる。これにより、画素110Aおよび画素110Bの増幅トランジスタ204のソースおよびドレインの他方にはロー電圧VBLが印加される。さらに、時刻t1において、電流源切替回路122Aおよび電流源切替回路122BのスイッチS2がオン状態となり、スイッチS3がオフ状態となる。このことにより、画素110Aおよび画素110Bの選択トランジスタ205のソースおよびドレインの一方に定電流源141が接続される。
【0084】
これにより、時刻t1において、画素110Aの選択トランジスタ205、増幅トランジスタ204、および定電流源141によってソース接地増幅回路が形成される。同様に、画素110Bの選択トランジスタ205、増幅トランジスタ204、および定電流源141によってソース接地増幅回路が形成される。加えて画素110Aおよび画素110Bのリセットトランジスタ203およびフィードバックトランジスタ202がオン状態であるために、ソース接地増幅回路の入出力端が短絡された状態になる。これにより、ソース接地増幅回路はリセットされた状態になる。リセットされた状態におけるソース接地増幅回路の出力電圧をVRSTとすると、電荷蓄積部FD0および電荷蓄積部FD1の電圧はVRSTと等しくなる。
【0085】
時刻t2において、リセット制御線RST0およびリセット制御線RST1に印加される電圧がローレベルになる。このことで、画素110Aおよび画素110Bのリセットトランジスタ203がオフする。フィードバックトランジスタ202がオン状態であり、リセットトランジスタ203がオフ状態であるとき、画素110Aおよび画素110Bでは、増幅率が-A×B倍の帰還回路が形成される。そのため、画素110Aおよび画素110Bにおいて、リセットトランジスタ203をオフしたときに発生する、電荷蓄積部FD0および電荷蓄積部FD1におけるkTCノイズは、1/(1+A×B)倍に抑制される。
【0086】
時刻t1において、制御線FB0および制御線FB1の電圧はハイレベルの電圧VHに設定される。このことにより、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202の動作帯域が、広帯域である第1帯域となる。これにより、高速に、電荷蓄積部FDの電圧をリセット電圧VRSTにすることができる。第1帯域は、ゲート電圧がハイレベルである場合の、フィードバックトランジスタ202の動作帯域を意味する。
【0087】
本実施形態では、電荷蓄積部FDを高速にリセット電圧VRSTに設定するために、このリセット期間を設けている。ただし、駆動時間に余裕があれば、この期間を設けずに、後述するノイズ抑制期間内で、電荷蓄積部FDをリセット電圧に設定する動作をしても構わない。
【0088】
(ノイズ抑制期間)
次に、時刻t2から時刻t6の期間に、制御線FB0および制御線FB1には、電圧供給回路101Aで生成された電圧VMAが印加される。電圧VMAは、画素110Aのフィードバックトランジスタ202のしきい値電圧Vtfbaを跨いで徐々に変化する。また電圧VMAは、画素110Bのフィードバックトランジスタ202のしきい値電圧Vtfbbを跨いで徐々に変化する。すなわち、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202がオン状態からオフ状態に徐々に変化している。電圧VMAをこのように変化させることにより、画素110Aと画素110Bとでフィードバックトランジスタ202の閾値電圧がばらついていても、両方のフィードバックトランジスタ202を閾値電圧付近で動作させることができる。本願明細書では、ノイズ抑制期間においてフィードバックトランジスタ202にこのような電圧を印加することを「テーパリセット」と称する。
【0089】
その場合、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202の動作帯域は、第1帯域よりも狭い第2帯域となる。第2帯域は、ゲート電圧が中間の電圧であるときの、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202の動作帯域を意味する。
【0090】
第2帯域を画素110Aおよび画素110Bの増幅トランジスタ204の動作帯域よりも充分に狭くすることにより、ノイズ抑制効果は大きくなる。一方で、時刻t2から時刻t6までの時間も長くなる。なお、第2帯域が画素110Aおよび画素110Bの増幅トランジスタ204の動作帯域より広くても、ノイズ抑制効果は得られる。よって、時刻t2から時刻t6までの時間として許容できる時間に応じて、設計者は第2帯域を任意に設計することができる。以下、第2帯域を、増幅トランジスタ204の動作帯域よりも十分に狭い帯域として扱う。
【0091】
第2帯域が、増幅トランジスタ204の動作帯域よりも狭い状態においては、フィードバックトランジスタ202で発生する熱ノイズは、画素110Aおよび画素110Bにおいて形成される帰還回路により、1/(1+A×B)1/2倍に抑制される。この状態で、時刻t6において制御線FB0および制御線FB1に印加する電圧をローレベルにし、画素110Aおよび画素110Bのフィードバックトランジスタ202をオフする。このとき、電荷蓄積部FD0および電荷蓄積部FD1に残存するkTCノイズは、リセットトランジスタ203に起因したkTCノイズと、フィードバックトランジスタ202に起因したkTCノイズとを二乗和した値となる。
【0092】
第2容量素子207の容量をCsとすると、帰還による抑制がある状態において発生するフィードバックトランジスタ202のkTCノイズは、帰還による抑制がない状態で発生するリセットトランジスタ203のkTCノイズに比べて(Cfd/Cs)1/2倍になる。この点を考慮し、帰還がない場合と比較すると、帰還がある場合のkTCノイズは、{1+(1+A×B)×Cfd/Cs}1/2/(1+A×B)倍に抑制される。
【0093】
(リセット読み出し期間)
画素110Aおよび画素110Bのリセット動作並びにノイズ抑制動作が完了したのちに、図6の時刻t6においてバイアス回路121AのスイッチS0と、電流源切替回路122Aおよび122BのスイッチS3とがオン状態になる。このことで、ソースフォロワ回路が形成される。時刻t8において、リセット電圧VRSTが読み出される。電荷蓄積部FD0から読み出された電圧VSIG(A)および電荷蓄積部FD1から読み出された電圧VSIG(B)と、リセット電圧VRSTとの差分を取ることにより、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)を実施できる。このCDS動作を行うことにより、画素信号における、周辺回路のばらつきの影響を低減することができる。
【0094】
本実施形態における撮像装置100により、kTCノイズは、ノイズ抑制期間に{1+(1+A×B)×Cfd/Cs}1/2/(1+A×B)倍に抑制され、さらに、読み出し期間において、1倍程度の増幅率で垂直信号線SIGAおよび垂直信号線SIGBに出力される。その結果、kTCノイズが抑制された良好な画像データを取得することができる。
【0095】
第2容量素子207の容量Csは、第1容量素子206の容量Ccよりも大きいことが望ましい。典型的には、電荷蓄積部FDに接続されている第2容量素子207の容量を大きくすると、ランダムノイズは低減される。しかし、電荷蓄積部FDにおいて電荷信号を電圧信号に変換する際、信号レベルが小さくなってしまうので、結果としてS/Nは改善されない。しかし、本実施形態によれば、電荷蓄積部FDとノードRDとが第1容量素子206によって分離されているので、第2容量素子207の容量を大きくしても信号レベルの低下は生じにくい。その結果、ランダムノイズだけが抑制されるので、S/Nが改善されるという効果が得られる。
【0096】
(シャッタ動作)
2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dについてはシャッタ動作が行われ、信号読み出し、およびリセット読み出しは行われない。なお、シャッタ動作とは、露光期間の調整のために、露光期間の開始時に画素110をリセットする動作である。つまり、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dについて行われるシャッタ動作は、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bについて行われるリセット動作と同様である。
【0097】
ここで2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dについて行われるシャッタ動作でのリセット開始時刻、すなわち、制御線FB2、制御線FB3、リセット制御線RST2およびリセット制御線RST3がハイレベルになる時刻は時刻t2である。つまり、制御線FB0、制御線FB1、リセット制御線RST0およびリセット制御線RST1がハイレベルになる時刻t1と重ならないように設定している。言い換えると、バイアス線VBAに印加される電圧が変更されるタイミングと、バイアス線VBBに印加される電圧が変更されるタイミングとを異ならせている。これにより、制御線FB0、制御線FB1、リセット制御線RST0およびリセット制御線RST1と、制御線FB2、制御線FB3、リセット制御線RST2およびリセット制御線RST3とが同時にハイレベルになる場合に比べて、ノイズを低減できる。理由は以下の通りである。シャッタ動作での画素110Cおよび画素110Dのリセット開始時に、バイアス線VBAに印加される電圧と、バイアス線VBBに印加される電圧とが、それぞれ変更される。バイアス線VBAまたはバイアス線VBBに印加される電圧が変更されると、カップリングにより電荷蓄積部FDの電圧が変動する。したがって、バイアス線VBAに印加される電圧を変更するタイミングと、バイアス線VBBに印加される電圧が変更されるタイミングとが同時だと、電荷蓄積部FDが、バイアス線2本分の電位変動の影響を受けることになる。バイアス線VBAおよびバイアス線VBBに印加される電圧が変更されるタイミングを異ならせることにより、リセット開始時における画素110内の電荷蓄積部FDに対するバイアス線VBAおよびバイアス線VBBの電位変動の影響を軽減できる。このことにより、画素110内のノイズを抑制しつつ、撮像装置100を高速動作させることが可能となる。
【0098】
また、時刻t3から時刻t8の期間に、制御線FB2および制御線FB3には、電圧供給回路101Bで生成された電圧VMBが印加される。電圧VMBは、画素110Cのフィードバックトランジスタ202のしきい値電圧Vtfbcおよび画素110Dのフィードバックトランジスタ202のしきい値電圧Vtfbdを跨いで徐々に変化する。電圧VMBをこのように変化させることにより、画素110Cと画素110Dとでフィードバックトランジスタ202の閾値電圧がばらついていても、両方のフィードバックトランジスタ202を閾値電圧付近で動作させることができる。これにより、画素110Cおよび画素110Dのテーパリセットが行われる。
【0099】
なお、上記説明では、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bに信号読み出しおよびリセット読み出しを行い、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dにシャッタ動作を行う場合を説明したが、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bに信号読み出しおよびリセット読み出しを行い、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dに信号読み出しおよびリセット読み出しを行う場合、もしくは0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bにシャッタ動作を行い、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dにもシャッタ動作を行う場合も同様である。
【0100】
なお、上記説明では、第1モードの場合はバイアス線VBA及びバイアス線VBBに印加される電圧のハイ/ローの切り替えタイミングを異ならせているが、同時にしてもよい。この場合、バイアス線VBA及びバイアス線VBBを共通のバイアス線とすることも可能である。
【0101】
図7は、信号の読み出し時における撮像装置100の動作を説明するための第2モードの例示的なタイミングチャートである。図7は、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bに信号読み出しおよびリセット読み出しを行い、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dにも信号読み出しおよびリセット読み出しを行う場合のタイミングチャートである。
【0102】
図7では、図6に対して0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bと、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dとの間での信号読み出し動作およびリセット読出し動作のタイミングのずれが大きくなっている。0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bと、2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dとで各動作のタイミングがほぼ半位相ずれていることを除いて、個別のタイミングは図6とほぼ同じである。図7で示す例において、時刻t1からt8までの間、画素110Aおよび画素110Bに接続されるバイアス線VBAと画素110Cおよび画素110Dに接続されるバイアス線VBBとが異なる電位となる。
【0103】
具体的には、0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bの信号読み出し期間が終了する時刻t1までの期間において、バイアス線VBAにはハイ電圧VBHが印加される。時刻t1においてバイアス線VBAに印加される電圧は、ハイ電圧VBHからロー電圧VBLに変更される。0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bのリセット期間およびノイズ抑制期間である時刻t1から時刻t6までの期間において、バイアス線VBAにはロー電圧VBLが印加される。時刻t6においてバイアス線VBAに印加される電圧は、ロー電圧VBLからハイ電圧VBHに変更される。0行目の画素110Aおよび1行目の画素110Bのリセット読み出し期間が開始する時刻t6以降の期間において、バイアス線VBAにはハイ電圧VBHが印加される。
【0104】
2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dの信号読み出し期間が終了する時刻t4までの期間において、バイアス線VBBにはハイ電圧VBHが印加される。時刻t4においてバイアス線VBBに印加される電圧は、ハイ電圧VBHからロー電圧VBLに変更される。2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dのリセット期間およびノイズ抑制期間である時刻t4から時刻t8までの期間において、バイアス線VBBにはロー電圧VBLが印加される。時刻t8においてバイアス線VBBに印加される電圧は、ロー電圧VBLからハイ電圧VBHに変更される。2行目の画素110Cおよび3行目の画素110Dのリセット読み出し期間が開始する時刻t8以降の期間において、バイアス線VBBにはハイ電圧VBHが印加される。
【0105】
第2モードは、例えばリセット読み出しから次の読み出しまでが露光時間となり、露光期間を調整するためのシャッタ動作を行わないモードである。例えば、0行目から3行目のすべてに対して信号読み出しとリセット読出しを行う場合には、このモードを適用することができる。撮像装置100を第2モードで動作させることにより、高速なフレームレートを実現できる。
【0106】
また、図2では、画素110A、画素110B、画素110C、および画素110Dが、それぞれ異なる垂直信号線SIGA、垂直信号線SIGB、垂直信号線SIGC、および垂直信号線SIGDに接続されているが、画素110A画素110B、画素110C、および画素110Dが共通の垂直信号線に接続されてもよい。
【0107】
また、上記説明では、電圧VMAおよび電圧VMBはテーパ状の電圧であるが、電圧VMAおよび電圧VMBは、電圧VHと電圧VLとの間の固定電圧であってもよい。例えば、この固定電圧は、フィードバックトランジスタ202のしきい値電圧より高い、当該しきい値電圧近傍の電圧である。
【0108】
以下、電圧供給回路101Aおよび電圧供給回路101Bの配置の変形例について説明する。
【0109】
図8は、第1の実施形態の変形例1に係る撮像装置100Aの構成を示す図である。図8に示す撮像装置100Aでは、電圧供給回路101Aは、画素アレイ102の上側に配置され、電圧供給回路101Bは画素アレイ102の下側に配置されている。本配置により、電圧供給回路101Aからの電圧VMAの印加および電圧供給回路101Bからの電圧VMBの印加の遅延を上下の行で平均化できる。したがって、シェーディングを均一化できる。
【0110】
図9は第1の実施形態の変形例2に係る撮像装置100Bの構成を示す図である。図9に示す撮像装置100Bは、画素アレイ102の左側に配置された行選択回路103Aと、画素アレイ102の右側に配置された行選択回路103Bとを備える。また、電圧供給回路101Aは画素アレイ102の左側に配置され、電圧供給回路101Bは画素アレイ102の右側に配置されている。行選択回路103Aは、複数の行ドライバ111Aを含む。複数の行ドライバ111Aは、図1に示す複数の行ドライバ111のうち、電圧供給回路101Aからの電圧VMAが供給される複数の行ドライバ111である。行選択回路103Bは、複数の行ドライバ111Bを含む。複数の行ドライバ111Bは、図1に示す複数の行ドライバ111のうち、電圧供給回路101Bからの電圧VMBが供給される複数の行ドライバ111である。
【0111】
本配置により、チップ全体の電圧供給回路101A、電圧供給回路101B、行選択回路103A、および行選択回路103Bの回路位置のバランスが良くなる。具体的には、画素アレイ102の左側に位置する行選択回路103Aから各画素110への距離と、画素アレイ102の右側に位置する行選択回路103Bから各画素110への距離を等しくすることができる。また、画素アレイ102、行選択回路103Aおよび行選択回路103Bを1つのチップに配置する場合に、チップの中心と画素アレイ102の中心とを揃えることが容易になる。また、電圧供給回路101Aから電圧VMAを出力する配線および電圧供給回路101Bから電圧VMBを出力する配線のカップリングを低減できる。これにより、電圧VMAおよび電圧VMBにおけるノイズを低減できるので、画質特性を向上できる。
【0112】
図10は、第1の実施形態の変形例3に係る撮像装置100Cの構成を示す図である。図10に示す撮像装置100Cは、4つの電圧供給回路101A、101B、101Cおよび101Dを備える。電圧供給回路101Aは、画素アレイ102の左上側に配置されている。電圧供給回路101Bは、画素アレイ102の左下側に配置されている。電圧供給回路101Cは、画素アレイ102の右上側に配置されている。電圧供給回路101Dは、画素アレイ102の右下側に配置されている。また、撮像装置100Cは、画素アレイ102の左側に配置された行選択回路103Aと、画素アレイ102の右側に配置された行選択回路103Bとを備える。
【0113】
ここで、電圧供給回路101A、電圧供給回路101Bおよび行選択回路103Aの構成は、図8に示す電圧供給回路101A、電圧供給回路101Bおよび行選択回路103と同じである。また、電圧供給回路101C、電圧供給回路101Dおよび行選択回路103Bの構成は、配置位置が異なる点を除き、電圧供給回路101A、電圧供給回路101Bおよび行選択回路103Aと同じである。
【0114】
本配置では、左右に配置された行選択回路103Aおよび103Bの出力が画素アレイ102内でショートされる。具体的には、電圧供給回路101Aからの出力および電圧供給回路101Cからの出力が、同じ画素110に入力される。また、電圧供給回路101Bからの出力および電圧供給回路101Dからの出力が、同じ画素110に入力される。例えば画素アレイ102の左側にのみ電圧供給回路および行選択回路が配置されている場合、画素アレイ102の右端に位置する画素110への電圧供給が遅れる可能性がある。しかし、画素アレイ102の左右に行選択回路と電圧供給回路を備え、左右の電圧供給回路から画素110に電圧を供給することにより、複数の画素110を高速に駆動することができる。
【0115】
以下、画素110の変形例について説明する。図11は、第1の実施形態の変形例4に係る画素110Eの構成を示す図である。図11に示す画素110Eは、図3に示す画素110に対して、フィードバックトランジスタ202および第1容量素子206を備えない点が異なる。つまり、リセットトランジスタ203のソースおよびドレインの一方と、選択トランジスタ205のソースおよびドレインの一方と、増幅トランジスタ204のソースおよびドレインの一方とが接続されている。また、リセットトランジスタ203のゲートに印加されるリセット制御線RSTの信号として、図6および図7に示す制御線FBの信号が入力される。これにより、図3に示す構成と同様に、テーパリセットを行うことで、リセットノイズを抑制できる。
【0116】
図12は、第1の実施形態の変形例5に係る画素110Fの構成を示す図である。図12に示す画素110Fは、図3に示す画素110に対して、制御線FBがフィードバックトランジスタ202のソースおよびドレインの一方に接続されている点が異なる。また、フィードバックトランジスタ202のゲートは、電荷蓄積部FDに接続されている。画素の構成以外については、上記した撮像装置100、100A~100Cの各構成や動作を適用できる。この構成においても、図3に示す構成と同様に、テーパリセットを行うことで、リセットノイズを抑制できる。
【0117】
(第2の実施形態)
本開示における第2の実施形態に係るカメラシステムについて図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態に係る撮像装置100を備えたカメラシステム300の構成の一例を示す図である。
【0118】
カメラシステム300は、第1の実施形態で示した撮像装置100と、レンズなど光を集光する為の光学系301と、撮像装置100で撮像したデータを信号処理し、画像又はデータとして出力する為のカメラ信号処理部302と、撮像装置100及びカメラ信号処理部302を制御する為のシステムコントローラ303とを備える。
【0119】
本実施形態におけるカメラシステム300は、撮像装置100を用いることにより、リセットノイズを抑制しつつ、高速化を実現できる。
【0120】
以上、本開示の実施形態に係る撮像装置およびカメラシステムについて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0121】
例えば、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。
【0122】
また、上記実施形態に係る各装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0123】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0124】
また、上記各実施形態において、各構成要素の一部は、当該構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0125】
以上、一つまたは複数の態様に係る撮像装置およびカメラシステムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0126】
なお、本明細書において、ある素子が他の素子に「接続されている」と表現されている場合は、これらの素子の間に第3の素子が介在していてもよいことを意味する。ある素子が他の素子に「直接的に接続されている」と表現されている場合は、これらの素子の間には第3の素子が介在しないことを意味する。さらに、ある素子が他の素子に「電気的に接続されている」と表現されている場合は、これらの素子が常に電気的に接続されている必要はなく、少なくともある時点において電気的に接続され得ることを意味する。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示は、デジタルスチルカメラ、医療用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ、デジタル一眼レフカメラ、デジタルミラーレス一眼カメラ等、様々なカメラシステム及びセンサシステムへの利用が可能である。
【符号の説明】
【0128】
100、100A、100B、100C 撮像装置
101A、101B、101C、101D 電圧供給回路
102 画素アレイ
103、103A、103B 行選択回路
110、110A、110B、110C、110D、110E、110F 画素
111、111A、111B、111C、111D 行ドライバ
120A、120B 電圧切替回路
121、121A、121B バイアス回路
122、122A、122B、122C、122D 電流源切替回路
131A、131B、131C、131D、132A、132B、132C、132D スイッチ
141、142 定電流源
201 光電変換部
202 フィードバックトランジスタ
203 リセットトランジスタ
204 増幅トランジスタ
205 選択トランジスタ
206 第1容量素子
207 第2容量素子
300 カメラシステム
301 光学系
302 カメラ信号処理部
303 システムコントローラ
S0、S1、S2、S3、SV0、SV1、SV2、SV3 スイッチ
VL0、VHA、VHB 電源線
VB、VBA、VBB バイアス線
SIG、SIGA、SIGB、SIGC、SIGD 垂直信号線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13