(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041888
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】フィルターセグメント、非燃焼加熱喫煙物品及び非燃焼加熱喫煙システム
(51)【国際特許分類】
A24D 3/17 20200101AFI20230316BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20230316BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20230316BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20230316BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230316BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D3/04
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015089
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2020555707の分割
【原出願日】2019-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2018213395
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】山内 悠司
(57)【要約】
【課題】香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却可能なフィルターセグメントを提供する。
【解決手段】セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH
2O/segである非燃焼加熱喫煙物品用のフィルターセグメント。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこ含有セグメントと、
周上に穿孔を有する筒状の冷却セグメントと、
セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/segである非燃焼加熱喫煙物品用のフィルターセグメントと、
を備える非燃焼加熱喫煙物品であって、
前記穿孔から導入される外気量が、使用者により吸引される気体全体の体積に対して85体積%以下である非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項2】
前記フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗が20~40mmH2O/segである請求項1に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項3】
前記フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗が25~30mmH2O/segである請求項1又は2に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項4】
前記フィルターセグメントの軸方向の長さが4~10mmである請求項1~3のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項5】
前記フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/7mmである請求項1に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項6】
前記穿孔が複数設けられている請求項1~5のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項7】
前記たばこ含有セグメントが、たばこと、エアロゾル生成基材と、を含むたばこ充填物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項8】
前記たばこ充填物中の前記エアロゾル生成基材の含有量が10~20質量%である、請求項7に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項9】
前記たばこ充填物の充填密度が250mg/cm3以上420mg/cm3以下である、請求項7又は8に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項10】
前記たばこ含有セグメント中の前記たばこ充填物の含有量の範囲が200~450mgである、請求項7~9のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項11】
前記穿孔の径が0.5~1.5mmである、請求項1~10のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の非燃焼加熱喫煙物品と、
前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、
を備える非燃焼加熱喫煙システム。
【請求項13】
前記加熱装置による加熱温度が150~400℃である請求項12に記載の非燃焼加熱喫煙システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターセグメント、非燃焼加熱喫煙物品及び非燃焼加熱喫煙システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼を利用して喫煙を行う通常の燃焼喫煙物品(たばこ)は、1mm程度の幅に刻まれたたばこ乾燥葉に、香料、保湿剤及び適度な水分等が添加されたたばこ充填物を、紙製のラッパーで円柱状に巻装したたばこ含有セグメントと、酢酸セルロース等からなる繊維又はひだ付けした紙を、紙製のラッパーで円柱状に巻装したマウスピースセグメントとを有する。前記たばこ含有セグメントと前記マウスピースセグメントとはライニングペーパーで接続されている。使用者が前記たばこ含有セグメント端部にライター等で着火し、前記マウスピースセグメント端部から吸引することで喫煙が行われる。前記たばこ含有セグメント先端は800℃を超える温度で燃焼する。
【0003】
このような通常の燃焼喫煙物品の代替として、燃焼の代わりに加熱を利用した非燃焼加熱喫煙物品及び非燃焼加熱喫煙システムが開発されている(例えば特許文献1~6)。加熱温度は燃焼喫煙物品における燃焼温度よりも低く、例えば400℃以下で加熱される。非燃焼加熱喫煙物品では、たばこ含有セグメントのたばこ充填物は、グリセリン、プロピレングリコール(PG)、トリエチルシトレート(TEC)、トリアセチン等のエアロゾル生成基材を含む。エアロゾル生成基材は加熱により気化し、吸引によりマウスピースセグメント内の冷却セグメントに移動し、冷却されてエアロゾルの生成をより確実にする。マウスピースセグメント内の吸口側の端部に設けられたフィルターセグメントから吸引を行う際、該エアロゾルも一緒に吸引されるため、使用者の満足感を確保することができる。
【0004】
非燃焼加熱喫煙システムは一般的に、通常の燃焼喫煙物品と類似した形状を有する円柱状の非燃焼加熱喫煙物品と、電池、コントローラー、ヒーター等を含む加熱装置とを備える。ヒーターは、電気抵抗によるヒーターや、IHによるヒーターが挙げられる。電気抵抗によるヒーターの加熱方法としては、非燃焼加熱喫煙物品の外側からヒーターで加熱する方法、針状やブレード状のヒーターを非燃焼加熱喫煙物品の先端からたばこ充填物を含むたばこ含有セグメント内に挿入して加熱する方法等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5292410号
【特許文献2】特許第5771338号
【特許文献3】特表2013-507906号公報
【特許文献4】国際公開第2017/198838号
【特許文献5】特許第5877618号
【特許文献6】特表2016-506729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、加熱により気化したエアロゾル生成基材(以下、エアロゾル気化成分とも示す)は、冷却セグメントにおいて主に冷却されて蒸気から粒子への凝縮が起こり、エアロゾルとなる。ここで、エアロゾル気化成分は、吸口側の端部に設けられたフィルターセグメントから使用者が吸引できるように十分に冷却されることが求められる。非燃焼加熱喫煙物品用の冷却セグメントとして、例えば特許文献4には、空洞の円柱部の外周に穿孔を設け、吸引時に穿孔から外気を導入し、エアロゾル気化成分と外気とを接触させて冷却する構成が開示されている。
【0007】
しかしながら、エアロゾル気化成分の冷却を、前記冷却セグメントに設けられた穿孔から導入される外気のみで行う場合、前記冷却を十分に行うためには多量の外気を導入する必要があるため、香喫味が損なわれる。そのため、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却可能な方法の開発が望まれている。
【0008】
本発明は、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却可能なフィルターセグメント、該フィルターセグメントを備える非燃焼加熱喫煙物品及び非燃焼加熱喫煙システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るフィルターセグメントは、セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/segである非燃焼加熱喫煙物品用のフィルターセグメントである。
【0010】
本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品は、たばこ含有セグメントと、周上に穿孔を有する筒状の冷却セグメントと、前記フィルターセグメントと、を備える。
【0011】
本発明に係る非燃焼加熱喫煙システムは、前記非燃焼加熱喫煙物品と、前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却可能なフィルターセグメント、該フィルターセグメントを備える非燃焼加熱喫煙物品及び非燃焼加熱喫煙システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るフィルターセグメントの構成の一例を示す断面図である。
【
図2】本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品の一例を示す断面図である。
【
図3】本発明に係る非燃焼加熱喫煙システムの一例であって、(a)非燃焼加熱喫煙物品を加熱装置に挿入する前の状態、(b)非燃焼加熱喫煙物品を加熱装置に挿入して加熱する状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[フィルターセグメント]
本発明に係るフィルターセグメントは、非燃焼加熱喫煙物品用のフィルターセグメントである。ここで、前記フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は15~60mmH2O/segである。
【0015】
本発明では、前記セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/segの範囲内であることにより、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却することができる。具体的には、前記セグメント当たりの通気抵抗が15mmH2O/seg以上であることにより、フィルターセグメントにおいてエアロゾルや水蒸気が十分に捕捉されるため、熱も一緒に捕捉される。また、捕捉されたエアロゾルや水蒸気が冷却効果を示す。したがって、これらによりフィルターセグメントにおいて冷却効果が得られる。また、前記セグメント当たりの通気抵抗が60mmH2O/seg以下であることにより、エアロゾルが不必要に捕捉されることが抑制され、エアロゾル中に含まれるたばこ成分や香料成分が十分に使用者へ供給されるため、香喫味が損なわれない。さらに、冷却セグメントに設けられた穿孔から導入される外気によって冷却を行う場合においても、フィルターセグメントにおいて冷却効果が得られるため、穿孔から導入する外気量を低減でき、十分な香喫味が得られる。以下、本発明の詳細について説明する。
【0016】
本発明に係るフィルターセグメントの構成の一例を
図1に示す。
図1に示されるフィルターセグメント1は、第一の充填層2と、第一の充填層2を覆う第一のインナープラグラッパー3とで構成される。フィルターセグメント1では端部まで第一の充填層2が存在するため、該端部は通常の燃焼喫煙物品と同様の外観を有する。第一の充填層2の充填物としては、例えば可塑剤(トリアセチン)を添加した酢酸セルロース繊維束、パルプを主原料とする紙等であることができる。これらの充填物は一種を用いてもよく、二種を併用してもよい。
【0017】
本発明においてフィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は、15~60mmH
2O/segであり、20~40mmH
2O/segが好ましく、25~30mmH
2O/segがより好ましい。例えば、フィルターセグメントの軸方向(
図1の水平方向)の長さが7mmである場合、セグメント当たりの通気抵抗は15~60mmH
2O/7mmである。前記通気抵抗は、フィルターセグメントに充填される充填物の量、材料等により適宜変更することができる。例えば、充填物が酢酸セルロース繊維である場合、フィルターセグメントに充填される酢酸セルロース繊維の量を増加させれば、通気抵抗を増加させることができる。充填物が酢酸セルロース繊維である場合、酢酸セルロース繊維の充填密度は0.13~0.18g/cm
3であることができる。なお、前記通気抵抗は通気抵抗測定器(商品名:SODIMAX、SODIM製)により測定される値である。
【0018】
フィルターセグメントの周の長さは特に限定されないが、16~25mmであることが好ましく、20~24mmであることがより好ましく、21~23mmであることがさらに好ましい。フィルターセグメントの軸方向(
図1の水平方向)の長さは4~10mmを選択可能であり、その通気抵抗が15~60mmH
2O/segとなるように選択される。フィルターセグメントの軸方向の長さは5~9mmが好ましく、6~8mmがより好ましい。フィルターセグメントの断面の形状は特に限定されないが、例えば円形、楕円形、多角形等であることができる。また、フィルターセグメントには香料を含んだ破壊性カプセル、香料ビーズ、香料を直接添加していてもよい。
【0019】
[非燃焼加熱喫煙物品]
本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品は、たばこ含有セグメントと、周上に穿孔を有する筒状の冷却セグメントと、本発明に係るフィルターセグメントと、を備える。前記非燃焼加熱喫煙物品は本発明に係るフィルターセグメントを備えるため、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却することができる。本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品は、たばこ含有セグメント、冷却セグメント及びフィルターセグメント以外にも、他のセグメントを有していてもよい。
【0020】
本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品の一例を
図2に示す。
図2に示される非燃焼加熱喫煙物品30は、たばこ含有セグメント10と、マウスピースセグメント11とを備える。マウスピースセグメント11は、冷却セグメント12と、センターホールセグメント13と、吸口側の端部に配置された本発明に係るフィルターセグメント1とを備える。喫煙時、たばこ含有セグメント10が加熱され、フィルターセグメント1の端部より吸引が行われる。なお、冷却セグメント12とセンターホールセグメント13の位置を入れ替えてもよく、センターホールセグメント13とフィルターセグメント1の位置を入れ替えてもよい。また、マウスピースセグメント11はセンターホールセグメント13を有さなくてもよい。
【0021】
たばこ含有セグメント10は、たばこと、エアロゾル生成基材と、を含むたばこ充填物14と、たばこ充填物14を覆う筒状のラッパー15とを有する。たばこ充填物14は、さらに揮発性香料成分、水を含んでもよい。充填物として用いるたばこの大きさやその調製法については特に制限はない。例えば、乾燥したたばこ葉を、幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。前記幅に刻んだ場合、刻の長さは、おおよそ、5~20mm程度となる。また、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20~200μm程度になるように粉砕して均一化したものをシート加工し、それを幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。前記幅に刻んだ場合、刻の長さは、おおよそ、5~20mm程度となる。さらに、上記のシート加工したものについて刻まずにギャザー加工したものを充填物として用いてもよい。また、円筒状に成型した複数のシートを同心円状に配置してもよい。乾燥したたばこ葉を刻んで使用する場合であっても、粉砕して均一化したシートとして用いる場合でも、たばこ充填物に含まれるたばこの種類は、様々なものを用いることができる。黄色種、バーレー種、オリエント種、在来種、および、その他のニコチアナ・タバカム系品種やニコチアナ・ルスチカ系品種を、目的とする味となるように適宜ブレンドして用いることができる。前記たばこの品種の詳細は、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。
【0022】
たばこを粉砕して均一化シートに加工する方法は従来の方法が複数存在している。1つは抄紙プロセスを用いて作られる抄造シートであり、2つは水等の適切な溶媒を混ぜて均一化したのちに金属製板もしくは金属製板ベルトの上に均一化物を薄くキャスティングし、乾燥させて作られるキャストシートであり、3つは水等の適切な溶媒を混ぜて均一化したものをシート状に押し出し成型した圧延シートがある。前記均一化シートの種類については、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。
【0023】
たばこ充填物14の充填密度は、特に限定されないが、非燃焼加熱喫煙物品30の性能を担保し、良好な喫味の付与の観点から、通常250mg/cm3以上であり、好ましくは320mg/cm3以上であり、また、通常520mg/cm3以下であり、好ましくは420mg/cm3以下である。具体的には、たばこ含有セグメント10中のたばこ充填物14の含有量の範囲は、円周22mm、長さ20mmのたばこ含有セグメント10の場合、たばこ含有セグメント10あたり200~450mgを挙げることができ、280~400mgが好ましい。
【0024】
エアロゾル生成基材は加熱によりエアロゾルを生成し得る材料であり、特に限定されないが、例えばグリセリン、プロピレングリコール(PG)、トリエチルシトレート(TEC)、トリアセチン、1,3-ブタンジオール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0025】
揮発性香料成分の種類は、特に限定されず、良好な喫味の付与の観点から、アセトアニソール、アセトフェノン、アセチルピラジン、2-アセチルチアゾール、アルファルファエキストラクト、アミルアルコール、酪酸アミル、トランス-アネトール、スターアニス油、リンゴ果汁、ペルーバルサム油、ミツロウアブソリュート、ベンズアルデヒド、ベンゾインレジノイド、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、2,3-ブタンジオン、2-ブタノール、酪酸ブチル、酪酸、カラメル、カルダモン油、キャロブアブソリュート、β-カロテン、ニンジンジュース、L-カルボン、β-カリオフィレン、カシア樹皮油、シダーウッド油、セロリーシード油、カモミル油、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シンナミルアルコール、ケイ皮酸シンナミル、シトロネラ油、DL-シトロネロール、クラリセージエキストラクト、ココア、コーヒー、コニャック油、コリアンダー油、クミンアルデヒド、ダバナ油、δ-デカラクトン、γ-デカラクトン、デカン酸、ディルハーブ油、3,4-ジメチル-1,2-シクロペンタンジオン、4,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジヒドロフラン-2-オン、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-メチル酪酸エチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン酸エチル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ラウリン酸エチル、レブリン酸エチル、エチルマルトール、オクタン酸エチル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸エチル、吉草酸エチル、エチルバニリン、エチルバニリングルコシド、2-エチル-3,(5または6)-ジメチルピラジン、5-エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5H)-フラノン、2-エチル-3-メチルピラジン、ユーカリプトール、フェネグリークアブソリュート、ジェネアブソリュート、リンドウ根インフュージョン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ブドウ果汁、グアヤコール、グァバエキストラクト、γ-ヘプタラクトン、γ-ヘキサラクトン、ヘキサン酸、シス-3-ヘキセン-1-オール、酢酸ヘキシル、ヘキシルアルコール、フェニル酢酸ヘキシル、ハチミツ、4-ヒドロキシ-3-ペンテン酸ラクトン、4-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-1-ブテニル)-3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、4-(パラ-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-ヒドロキシウンデカン酸ナトリウム、インモルテルアブソリュート、β-イオノン、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソブチル、ジャスミンアブソリュート、コーラナッツティンクチャー、ラブダナム油、レモンテルペンレス油、カンゾウエキストラクト、リナロール、酢酸リナリル、ロベージ根油、マルトール、メープルシロップ、メンソール、メントン、酢酸L-メンチル、パラメトキシベンズアルデヒド、メチル-2-ピロリルケトン、アントラニル酸メチル、フェニル酢酸メチル、サリチル酸メチル、4’-メチルアセトフェノン、メチルシクロペンテノロン、3-メチル吉草酸、ミモザアブソリュート、トウミツ、ミリスチン酸、ネロール、ネロリドール、γ-ノナラクトン、ナツメグ油、δ-オクタラクトン、オクタナール、オクタン酸、オレンジフラワー油、オレンジ油、オリス根油、パルミチン酸、ω-ペンタデカラクトン、ペパーミント油、プチグレインパラグアイ油、フェネチルアルコール、フェニル酢酸フェネチル、フェニル酢酸、ピペロナール、プラムエキストラクト、プロペニルグアエトール、酢酸プロピル、3-プロピリデンフタリド、プルーン果汁、ピルビン酸、レーズンエキストラクト、ローズ油、ラム酒、セージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スチラックスアブソリュート、マリーゴールド油、ティーディスティレート、α-テルピネオール、酢酸テルピニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリン、1,5,5,9-テトラメチル-13-オキサシクロ(8.3.0.0(4.9))トリデカン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン、タイム油、トマトエキストラクト、2-トリデカノン、クエン酸トリエチル、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)2-ブテン-4-オン、2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1,4-ジオン、4-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエニル)2-ブテン-4-オン、2,3,5-トリメチルピラジン、γ-ウンデカラクトン、γ-バレロラクトン、バニラエキストラクト、バニリン、ベラトルアルデヒド、バイオレットリーフアブソリュート、たばこ植物(たばこ葉、たばこ茎、たばこ花、たばこ根、およびたばこ種)の抽出物が挙げられ、特に好ましくはメンソールである。また、これらの揮発性香料成分は1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
【0026】
たばこ充填物14中のエアロゾル生成基材の含有量は、特に限定されず、十分にエアロゾルを生成させるとともに、良好な喫味の付与の観点から、通常5~50質量%であり、好ましくは10~20質量%である。たばこ充填物14が揮発性香料成分を含む場合、たばこ充填物中の揮発性香料成分の含有量は、特に限定されず、良好な喫味の付与の観点から、通常たばこ充填物質量に対して10000ppm以上であり、好ましくは20000ppm以上であり、より好ましくは25000ppm以上であり、また、通常50000ppm以下であり、好ましくは40000ppm以下であり、より好ましくは33000ppm以下である。
【0027】
たばこ充填物14をラッパー15内に充填する方法は特に限定されないが、例えばたばこ充填物14をラッパー15で包んでもよく、筒状のラッパー15にたばこ充填物14を充填してもよい。たばこの形状が矩形状のように長手方向を有する場合、たばこは該長手方向がラッパー15内でそれぞれ不特定の方向となるように充填されていてもよく、たばこ含有セグメント10の軸方向又は該軸方向に対して垂直な方向となるように整列させて充填されていてもよい。たばこ含有セグメント10が加熱されることにより、たばこ充填物14に含まれるたばこ成分、エアロゾル生成基材及び水が気化し、吸引によりこれらはマウスピースセグメント11へ移行する。
【0028】
冷却セグメント12は筒状部材16で構成される。筒状部材16は例えば厚紙を円筒状に加工した紙管であることができる。筒状部材16及び後述するマウスピースライニングペーパー21には、両者を貫通する穿孔17が設けられている。穿孔17の存在により、吸引時に外気が冷却セグメント12内に導入される。これにより、たばこ含有セグメント10が加熱されることで生成したエアロゾル気化成分が外気と接触し、その温度が低下するため液化し、エアロゾルが形成される。穿孔17の径(差し渡し長さ)は特に限定されないが、例えば0.5~1.5mmであることができる。穿孔17の数は特に限定されず、1つでも2つ以上でもよい。例えば穿孔17は冷却セグメント12の周上に複数設けられていてもよい。穿孔17から導入される外気量は、使用者により吸引される気体全体の体積に対して85体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましい。前記外気量の割合が85体積%以下であることにより、外気によって希釈されることによる香喫味の低減を十分に抑制することができる。前記外気量の割合の範囲の下限は、冷却性の観点から、55体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましい。
【0029】
センターホールセグメントは1つまたは複数の中空部を有する充填層と、該充填層を覆うインナープラグラッパーとで構成される。例えば、センターホールセグメント13は、中空部を有する第二の充填層18と、第二の充填層18を覆う第二のインナープラグラッパー19とで構成される。センターホールセグメント13は、マウスピースセグメント11の強度を高める機能を有する。第二の充填層18は、例えば酢酸セルロース繊維が高密度で充填されトリアセチンを含む可塑剤が酢酸セルロース質量に対して、6~20質量%添加されて硬化された内径φ5.0~φ1.0mmのロッドとすることができる。第二の充填層18は繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空部のみを流れることになり、第二の充填層18内はほとんど流れない。センターホールセグメント13内部の第二の充填層18が繊維充填層であることから、使用時の外側からの触り心地は、使用者に違和感を生じさせることが少ない。なお、センターホールセグメント13が第二のインナープラグラッパー19を持たず、熱成型によってその形が保たれていてもよい。
【0030】
センターホールセグメント13と、フィルターセグメント1とはアウタープラグラッパー20で接続されている。アウタープラグラッパー20は、例えば円筒状の紙であることができる。また、たばこ含有セグメント10と、冷却セグメント12と、接続済みのセンターホールセグメント13及びフィルターセグメント1とは、マウスピースライニングペーパー21により接続されている。これらの接続は、例えばマウスピースライニングペーパー21の内側面に酢酸ビニル系糊等の糊を塗り、前記3つのセグメントを入れて巻くことで接続することができる。なお、これらのセグメントは複数のライニングペーパーで複数回に分けて接続されていてもよい。
【0031】
本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品の軸方向、すなわち
図2における水平方向の長さは特に限定されないが、40mm~90mmであることが好ましく、50mm~75mmであることがより好ましく、50mm~60mmであることがさらに好ましい。また、非燃焼加熱型喫煙物品の周の長さは16mm~25mmであることが好ましく、20mm~24mmであることがより好ましく、21mm~23mmであることがさらに好ましい。例えば、たばこ含有セグメント10の長さは20mm、冷却セグメント12の長さは20mm、センターホールセグメント13の長さは8mm、フィルターセグメント1の長さは7mmである態様を挙げることができる。なお、フィルターセグメント1の長さは4~10mmの範囲内で選択可能である。また、その際のフィルターセグメント1の通気抵抗は、セグメント当たり15~60mmH
2O/segであるように選択される。これら個々のセグメント長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。さらには、センターホールセグメントを用いずに、冷却セグメントの下流側にフィルターセグメントのみを配置しても、非燃焼加熱喫煙物品として機能することもできる。
【0032】
[非燃焼加熱喫煙システム]
本発明に係る非燃焼加熱喫煙システムは、本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品と、たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、を備える。前記非燃焼加熱喫煙システムは本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品を備えるため、香喫味を損なわずにエアロゾル気化成分を十分に冷却することができる。本発明に係る非燃焼加熱喫煙システムは、本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品と、前記加熱装置とを備えれば特に限定されず、他の構成を有していてもよい。
【0033】
本発明に係る非燃焼加熱喫煙システムの一例を
図3に示す。
図3に示される非燃焼加熱喫煙システムは、本発明に係る非燃焼加熱喫煙物品30と、非燃焼加熱喫煙物品30のたばこ含有セグメントを外側から加熱する加熱装置31とを備える。
図3(a)は非燃焼加熱喫煙物品30を加熱装置31に挿入する前の状態を示し、
図3(b)は非燃焼加熱喫煙物品30を加熱装置31に挿入して加熱する状態を示す。
図3に示される加熱装置31は、ボディ32と、ヒーター33と、金属管34と、電池ユニット35と、制御ユニット36とを備える。ボディ32は筒状の凹部37を有し、凹部37の内側側面であって、凹部37に挿入される非燃焼加熱喫煙物品30のたばこ含有セグメントと対応する位置に、ヒーター33及び金属管34が配置されている。ヒーター33は電気抵抗によるヒーターであることができ、温度制御を行う制御ユニット36からの指示により電池ユニット35より電力が供給され、ヒーター33の加熱が行われる。ヒーター33から発せられた熱は、熱伝導度の高い金属管34を通じて非燃焼加熱喫煙物品30のたばこ含有セグメントへ伝えられる。
図3(b)においては、模式的に図示しているため、非燃焼加熱喫煙物品30の外周と金属管34の内周との間に隙間があるが、実際は、熱を効率的に伝達する目的で非燃焼加熱喫煙物品30の外周と金属管34の内周との間に隙間は無い方が望ましい。なお、加熱装置31は非燃焼加熱喫煙物品30のたばこ含有セグメントを外側から加熱するが、内側から加熱するものであってもよい。
【0034】
加熱装置による加熱温度は特に限定されないが、400℃以下であることが好ましく、150℃以上400℃以下であることがより好ましく、200℃以上350℃以下であることがさらに好ましい。なお、加熱温度とは加熱装置のヒーターの温度を示す。
【実施例0035】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0036】
(冷却性能評価)
冷却セグメントに設けられた穿孔を閉じた非燃焼加熱喫煙物品のフィルターセグメントを、チューブを介して喫煙機と接続した。また、フィルターセグメントの直後に熱電対を配置した。前記非燃焼加熱喫煙物品のたばこ含有セグメントをヒーターにより加熱して、前記喫煙機により吸引を行った。ヒーターによる加熱は、230℃で50秒間保持し、200℃で130秒間保持した後、170℃で保持するようにした。吸引は、加熱開始から40秒後に開始し、HCI法(Health Canada Intense、カナダ強制喫煙条件法)に基づき、1パフ当たり55ml/2秒とし(1パフは30秒間隔、すなわち2秒間吸引して28秒間待機すること)、計5パフ行った。1パフ目において前記熱電対により検出された最大温度を測定し、冷却性能を評価した。結果を表1に示す。なお、1パフ目のエアロゾル温度が最も高いので、1パフ目が官能的に喫煙に適する温度であれば実用上問題ない。HCI法については、カナダ保険省が示す方法であり、Haelth Canada-TobaccoReporting Regulation SOR/2000-273に書いてある。なお、穿孔を閉じて評価試験を行ったのは、穿孔から導入される空気による冷却をなくし、フィルターセグメント単体での冷却能力を評価するため、また、HCI法では穿孔を閉じて吸引することが条件の一つとして規定されているため、である。
【0037】
(官能評価)
冷却セグメントに設けられた穿孔を開いた、フィルターセグメントを有する非燃焼加熱喫煙物品を、十分に訓練されたパネラー4人によって前記冷却性能評価と同じ喫煙間隔で喫煙し、官能評価(香喫味、官能温度の評価)を行った。官能評価は以下の基準で行った。
A:香喫味、官能温度の両方で喫煙に適している。
B:官能温度で喫煙に適しているものの、香喫味がやや弱い。
C:香喫味で喫煙に適しているものの、官能温度がやや適さない。
【0038】
(実施例1)
以下のたばこ含有セグメント、冷却セグメント、センターホールセグメント、及びフィルターセグメントを準備した。
【0039】
<たばこ含有セグメント>
抄紙工程により作製されたたばこシートを幅0.8mmに裁断し、エアロゾル生成基材としてグリセリンを16質量%添加して、たばこ充填物を得た。幅0.8mmに裁断した際の縦方向の長さは約5mm~20mm程度であった。また、たばこ充填物の水分含有量は約12質量%であった。該たばこ充填物を、木材パルプを主成分とする坪量35g/m2、厚さ50μmのラッパーで巻装して、たばこ含有セグメントを製造した。巻装するための装置としては通常のシガレット製造機を用いた。たばこ含有セグメントは円柱状であり、円周は22mm、軸方向の長さは20mmであった。ラッパーで巻装されたたばこ充填物は、ロッド内でランダムな方向性で充填されていた。たばこ含有セグメント中のたばこ充填物の質量は280mg/segであった。
【0040】
<冷却セグメント>
Hauni社製の紙管製造装置により、坪量100g/m2、厚さ125μmの厚紙を用いて紙管である冷却セグメントを製造した。冷却セグメントは円柱状であり、円周は約21.75mm、軸方向の長さは20mmであった。また、該紙管製造装置は厚紙を2枚張り合わせて紙管とする機構であるため、得られた冷却セグメントの厚さは約250μmであった。
【0041】
<センターホールセグメント>
Hauni社製のセンターホールセグメント製造装置により、酢酸セルロース繊維束を充填材、酢酸セルロース繊維同士を接着してセグメント硬さを担保するためのトリアセチンを可塑剤として用いて、中空のセンターホールセグメントを製造した。酢酸セルロース繊維束の単繊度は8.0デニール、総繊度は40000デニール、繊維断面形状はY断面であった。対酢酸セルロース繊維束質量で15質量%のトリアセチンが酢酸セルロース繊維束に噴霧された。センターホールセグメントは円柱状であり、円周は約21.5mm、軸方向の長さは8mmであった。また、円柱の中央部分に内径約φ5mmの中空部が1つ形成された。酢酸セルロース繊維束を巻装するためのラッパーは用いずに、いわゆる「ノンラップロッド」としてセンターホールセグメントを作製した。中空形状で充填された酢酸セルロース繊維束の充填密度は0.280g/cm3であった。
【0042】
<フィルターセグメント>
Hauni社製のフィルター製造装置により、酢酸セルロース繊維束を充填材、酢酸セルロース繊維同士を接着してセグメント硬さを担保するためのトリアセチンを可塑剤として用いて、中実のフィルターセグメントを製造した。前記トリアセチンが噴霧された酢酸セルロース繊維束は、フィルター製造装置により、坪量27g/m2のインナープラグラッパーで巻装された。酢酸セルロース繊維束の単繊度は5デニール、総繊度は35000デニール、繊維断面形状はY断面であった。対酢酸セルロース繊維束質量で6質量%のトリアセチンが酢酸セルロース繊維束に噴霧された。フィルターセグメントは円柱状であり、円周は約21.5mm、軸方向の長さは7mmであった。酢酸セルロース繊維束の充填密度は0.135g/cm3であった。
【0043】
前記センターホールセグメントと前記フィルターセグメントとをアウタープラグラッパーで接続した。前記たばこ含有セグメントと、前記冷却セグメントと、接続された前記センターホールセグメント及び前記フィルターセグメントとを、コンバイナーにおいて1枚のマウスピースライニングペーパーによって接続した。接続後、コンバイナーに設置されているレーザー開孔機により、マウスピースライニングペーパーと冷却セグメント(紙管)とを貫通する穿孔を形成した。穿孔は縦約250μm、横約200μmの形状であり、円周上に1列、ほぼ等間隔で17個形成された。使用者により吸引される気体全体の体積に対する、該穿孔から導入される外気量の割合は約75%であった。これにより、非燃焼加熱喫煙物品を得た。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は21.8mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価及び前記官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例2)
酢酸セルロース繊維の充填量を増加させたフィルターセグメントを用いた以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱喫煙物品を作製した。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は25.0mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価及び前記官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例3)
酢酸セルロース繊維の充填量を増加させたフィルターセグメントを用いた以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱喫煙物品を作製した。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は30.8mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価及び前記官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
(比較例1)
フィルターセグメントとして、酢酸セルロース繊維が充填されていない筒状のセグメントを用いた以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱喫煙物品を作製した。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は0.0mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
(比較例2)
前記フィルターセグメントの長さを半分にした以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱喫煙物品を作製した。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は10.9mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例3)
前記フィルターセグメントの長さを2倍にした以外は、実施例3と同様に非燃焼加熱喫煙物品を作製した。フィルターセグメントのセグメント当たりの通気抵抗は61.6mmH2O/segであった。得られた非燃焼加熱喫煙物品を用いて前記冷却性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
【0050】
表1に示されるように、実施例1~3では1パフ目の最大温度が十分に低く、エアロゾル気化成分が十分に冷却されていることが確認された。また、実施例1~3において官能評価を行った結果、実施例2が香喫味、官能温度の両方で喫煙に適しており、最適であることが確認された。一方、実施例3では香喫味が実施例2よりもやや弱く、実施例1では官能温度が実施例2よりもやや高いことが確認されたが、実用上問題ない程度であった。なお、比較例3では冷却性能評価における1パフ目の最大温度は十分に低いが、セグメント当たりの通気抵抗が実施例3の2倍であるため、官能評価を行った場合香喫味が実施例3よりもさらに弱いことが予測される。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/segである非燃焼加熱喫煙物品用のフィルターセグメント。
[2]前記セグメント当たりの通気抵抗が20~40mmH2O/segである[1]に記載のフィルターセグメント。
[3]前記セグメント当たりの通気抵抗が25~30mmH2O/segである[1]又は[2]に記載のフィルターセグメント。
[4]軸方向の長さが4~10mmである[1]~[3]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[5]前記セグメント当たりの通気抵抗が15~60mmH2O/7mmである[1]に記載のフィルターセグメント。
[6]たばこ含有セグメントと、
周上に穿孔を有する筒状の冷却セグメントと、
[1]~[5]のいずれかに記載のフィルターセグメントと、
を備える非燃焼加熱喫煙物品。
[7]前記穿孔が複数設けられている[6]に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
[8]前記たばこ含有セグメントが、たばこと、エアロゾル生成基材と、を含む[6]又は[7]に記載の非燃焼加熱喫煙物品。
[9][6]~[8]のいずれかに記載の非燃焼加熱喫煙物品と、
前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、
を備える非燃焼加熱喫煙システム。
[10]前記加熱装置による加熱温度が150~400℃である[9]に記載の非燃焼加熱喫煙システム。