IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Future Technology株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041956
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】電子タバコカートリッジの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/18 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
A24B15/18
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016076
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2021005489の分割
【原出願日】2017-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(57)【要約】
【課題】エアロゾルが電子タバコカートリッジ内を移送される流路を確保しつつ、加熱要素の挿入時にエアロゾル形成基材を安定的に支持可能である支持部材を提供する。
【解決手段】非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、エアロゾル形成基材を包装する包装部材と、を有する電子タバコカートリッジの製造方法であって、エアロゾル形成基材110は、ペースト状にすることにより製造される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非タバコ植物由来の原料及びエアロゾルフォーマを含有するエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材を包装する包装部材と、を有する電子タバコカートリッジの製造方法であって、
前記エアロゾル形成基材は、前記原料を粉末化し、前記エアロゾルフォーマと混合して練った後、ペースト状にすることにより製造される
ことを特徴とする電子タバコカートリッジの製造方法。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基材は、所定量が当該電子タバコカートリッジの一端部に充填されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジの製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ植物または非タバコ植物を用いた電子タバコカートリッジおよびその支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むカートリッジを加熱して、気化したタバコ成分を吸引することで、タバコを楽しむための電子タバコ製品が普及し始めている(たとえば、下記特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1の電子タバコでは、カートリッジのエアロゾル形成基材に加熱要素を挿入してエアロゾル形成基材を加熱し、タバコ成分を含むエアロゾルを生成する。カートリッジは、エアロゾル形成基材を支持する中空管状の支持要素を有し、支持要素は、加熱要素がエアロゾル形成基材内へ挿入される際にカートリッジが受ける力に抗する。加熱によりエアロゾル形成基材から放出されたタバコ成分は、支持要素の中空の部分を通って、下流に位置するマウスピースに移送され、ユーザーによって吸引される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6000451号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、引用文献1の電子タバコでは、支持要素が中空管状であるため、加熱要素がエアロゾル形成基材内へ挿入される際に、エアロゾル形成基材の中心部を支えきれず、支持要素へ充填物が飛び出すおそれがある。
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、エアロゾルが電子タバコカートリッジ内を移送される流路を確保しつつ、加熱要素の挿入時にエアロゾル形成基材を安定的に支持可能である支持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、タバコ植物または非タバコ植物を用いた電子タバコカートリッジ用の支持部材である。支持部材は、前記電子タバコカートリッジの長手方向の中心軸に沿って位置する中心部と、当該中心部から外方へ延伸して前記電子タバコカートリッジの周縁に位置する包装部材と接する側部と、を有し、前記電子タバコカートリッジの一端部に位置するエアロゾル形成基材に隣接して、または当該エアロゾル形成基材との間に他の部材を挟んで配置され、当該エアロゾル形成基材を支持する。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明は、前記エアロゾル形成基材と、前記支持部材と、を有する、タバコ植物または非タバコ植物を用いた電子タバコカートリッジである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、支持部材の中心部と支持部材を覆う包装部材の内面との間に空間が形成されるので、エアロゾルが移送される流路を確保しつつ、エアロゾル形成基材への加熱要素の挿入時に中心部によってエアロゾル形成基材を安定的に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る電子タバコカートリッジの外観を例示する概略斜視図である。
図2】(A)は図1のA-A線に沿って切断した電子タバコカートリッジの一例を示す断面図であり、(B)は図1のA-A線に沿って切断した電子タバコカートリッジの他の例を示す断面図である。
図3図2(A)に示すエアロゾル形成基材の充填物について例示する図である。
図4】電子タバコカートリッジおよび加熱要素を例示する断面図である。
図5A】実施例1の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図である。
図5B】実施例1の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。
図6A】実施例2の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図である。
図6B】実施例2の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。
図7A】実施例3の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図である。
図7B】実施例3の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。
図7C】実施例3の支持部材を図2(A)のZ方向から見た側面図である。
図8A】実施例4の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図である。
図8B】実施例4の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。
図8C】実施例4の支持部材を図2(A)のZ方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る電子タバコカートリッジの外観を例示する概略斜視図である。また、図2(A)は図1のA-A線に沿って切断した電子タバコカートリッジの断面図であり、図2(B)は図1のA-A線に沿って切断した電子タバコカートリッジの他の例を示す断面図である。また、図3図2(A)に示すエアロゾル形成基材の充填物について例示する図であり、図4は電子タバコカートリッジおよび加熱要素を例示する断面図である。
【0013】
<電子タバコカートリッジ100> 図1および図2(A)、(B)に示すように、電子タバコカートリッジ100は、エアロゾル形成基材110、支持部材120、冷却部材130(図2(B)に例示する場合)、マウスピース140および包装部材150を有する。電子タバコカートリッジ100の外形は、たとえば棒状または円筒形状を呈する。
【0014】
エアロゾル形成基材110は、加熱によりエアロゾルを生成する。本実施形態では、エアロゾルは、非タバコ植物由来の芳香成分を含みうる。図2(A)、(B)に示すように、エアロゾル形成基材110、支持部材120、冷却部材130(図2(B)に例示する場合)およびマウスピース140は、X方向にこの順序で配置され、包装部材150によって包装されている。包装部材150は、たとえば紙を含む。
【0015】
<エアロゾル形成基材110> エアロゾル形成基材110は、固体化合物および液体化合物の少なくともいずれかを含みうる。エアロゾル形成基材110は、タバコを含むエアロゾル形成材料を含みうる。また、エアロゾル形成基材110は、グリセリンおよびプロピレングリコールを含むエアロゾルフォーマをさらに含みうる。エアロゾル形成基材110は、固体である場合、たとえば、棒状、短冊状、粉体状、顆粒状、ペレット状、小片状、シート状、繊維状、多孔質状またはブロック状の形態をとりうる。エアロゾル形成基材110は、上記のいずれかの形態で所定量または所定数がまとめられ、電子タバコカートリッジ100の一端部に充填される。図3に示すように、たとえば、エアロゾル形成基材110は、棒状の形態の充填物111が所定数束ねられた状態で電子タバコカートリッジ100の一端部に配置される。
【0016】
充填物111の材料としては、タバコ葉、タバコ茎、膨張タバコおよび均質化タバコのうち少なくともいずれかを含みうる。また、充填物111の材料としては、非タバコ植物、すなわちタバコ以外の植物を含みうる。植物の使用部位としては、たとえば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を含む。
【0017】
使用されうる植物は、たとえば、ハーブやスパイスとして使用されている植物としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャニトップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(たとえば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物が挙げられる。
【0018】
とくに、よもぎ、レモン、白檀、ペパーミント、バジルなどは、葉を好適に使用できる。桃、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などは、果実(種子を含む)を好適に使用できる。
【0019】
また、キンモクセイ、ジャスミン、ハイビスカス、バラ、ラベンダー、ローズヒップなどは、花を好適に使用できる。また、白檀、しょうが、ベチバーなどは、根を好適に使用できる。また、さとうきび、松、杉、ヒバ、椿、白檀、檜、シナモンなどは、幹または皮を好適に使用できる。
【0020】
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。茶類としては、紅茶、緑茶の他に、たとえば、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶およびルイボスティなどを含む。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
【0021】
また、このほかに、たとえば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))、さとうきびの糖蜜の搾りかすなども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0022】
エアロゾル形成基材110は、たとえば、上述の材料を粉末化し、グリセリンやオイルと混合して練った後、棒状にして乾燥させることにより製造される。あるいは、乾燥させずに水分を含むペースト状にすることにより製造される。
【0023】
図3に示
すように、エアロゾル形成基材110として製造された充填物111は、その形状が、たとえば、棒状や短冊状などの場合、充填の際に充填物111の形状の長手方向をX方向に沿わせるようにして詰められる。これにより、気流が安定し、ユーザーがエアロゾル形成基材110からの芳香成分を吸い込みやすくなる。
【0024】
なお、図3は電子タバコカートリッジ100のエアロゾル形成基材110がある側の端から見た図であって、電子タバコカートリッジ100内部の充填物111が見えるように一部透視図とした。もちろん、これ以外にも、平板状の充填物であれば巻いて詰めたり、小片状の充填物であればランダムに詰めたりしてもよい。
【0025】
図4に示すように、電子タバコカートリッジ100は、ユーザーの使用時に電子タバコ本体200に装着される。電子タバコ本体200には、電子タバコカートリッジ100を差し込むための差し込み部210が設けられている。
【0026】
さらに、差し込み部210内の底の中央部には、加熱要素211が設けられており、加熱要素211は、先端が尖っているピン状またはブレード状の部材を有し、エアロゾル形成基材110内に挿入され、エアロゾル形成基材110を加熱する。より具体的には、加熱要素211は、電子タバコカートリッジ100が電子タバコ本体200の差し込み部210に刺し込まれる際に、エアロゾル形成基材110の中央部に刺さる。
【0027】
加熱要素211は、電子タバコ本体200内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力よって直接的または間接的に発熱する。この加熱要素211の熱によってエアロゾル形成基材110が温められることにより、芳香成分を含むエアロゾルが発生する。そして、発生したエアロゾルは、以下で説明する支持部材120および冷却部材130(図2(B)に例示する場合)を経てマウスピース140へ移送され、ユーザーがマウスピース140側から吸い込むことで、芳香成分がユーザーの口内へ届くことになる。
【0028】
なお、図4には、加熱要素211がピン状の部材を1本有する場合について図示されているが、加熱要素211はピン状の部材を複数有していてもよい。
【0029】
<支持部材120> 支持部材120は、エアロゾル形成基材110を支持する。支持部材120は、エアロゾル形成基材110に隣接して配置され、中心部121および複数の側部122を有する。中心部121は、電子タバコカートリッジ100の長手方向(X方向)の中心軸に沿って位置する。複数の側部122は、中心部121から外方へ延伸して電子タバコカートリッジ100の周縁に位置する包装部材150と接する。側部122は、たとえば接着剤により包装部材150の内面に固定されている。
【0030】
また、エアロゾル形成基材110と支持部材120との間に他の部材が配置されてもよい。すなわち、支持部材120は、エアロゾル形成基材との間に他の部材を挟んで配置されうる。他の部材は、たとえば充填物111の微粒子を除去する薄いフィルターや、エアロゾル形成基材110を支持する別の支持部材などを含みうる。
【0031】
図4に示すように、支持部材120は、エアロゾル形成基材110内へ電子タバコ本体200の加熱要素211が挿入される際に電子タバコカートリッジ100が受ける力に抗し、エアロゾル形成基材110がX方向に移動することを防止または抑制する。
【0032】
より具体的には、支持部材120は、側部122が包装部材150の内面に固定されているため、エアロゾル形成基材110の周縁部分を確実に支持できる。また、支持部材120は、中心部121を有するため、エアロゾル形成基材110に挿入される加熱要素211によってエアロゾル形成基材110の中央部の充填物111がX方向に押し出されるのを防止できる。このように、本実施形態の支持部材120では、加熱要素211による力が働く中央部ではなく、周縁部にエアロゾルの流路が設けられている。
【0033】
エアロゾル形成基材110が加熱されて生成したエアロゾルは、中心部121と支持部材120を覆う包装部材150の内面との間に形成された空間を流路として、電子タバコカートリッジ100の上記一端部から他端部へ向けて移送される(図中の矢印を参照)。
【0034】
以下、図5A図8Cを参照して、支持部材120の実施例について説明する。図5Aは実施例1の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図であり、図5Bは実施例1の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。また、図6Aは実施例2の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図であり、図6Bは実施例2の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図である。また、図7Aは実施例3の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図であり、図7Bは実施例3の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図であり、図7Cは実施例3の支持部材を図2(A)のZ方向から見た側面図である。図8Aは実施例4の支持部材を図2(A)のX方向から見た平面図であり、図8Bは実施例4の支持部材を図2(A)のY方向から見た側面図であり、図8Cは実施例4の支持部材を図2(A)のZ方向から見た側面図である。
【0035】
(実施例1) 図5Aに示すように、支持部材120は、中心部121を挟んで第1側部122Aおよび第2側部122Bを有する。具体的には、支持部材120は、X方向に垂直な面で切断した断面が、円板の中心を挟んで当該円板の周縁部2ヵ所を矩形状に切り取った形状、すなわち、周縁が丸い形状の略H型状を呈する。支持部材120の直径は、たとえばD0=7mmに設定されうる。また、第1側部122Aと第2側部122Bとの間隔は、たとえばd1=2~3mm程度に設定されることが好ましい。
【0036】
また、図5Bに示すように、支持部材120のX方向の長さは、たとえば、L1=8~26.5mm程度に設定されることが好ましい。
【0037】
(実施例2) また、図6Aおよび図6Bに示すように、支持部材120の直径は、たとえばD0=7mmに設定され、支持部材120のX方向の長さは、たとえば、L1=8~26.5mm程度に設定されうる。また、第1側部122Aと第2側部122Bとの間隔は、たとえばd2=1~2mmに設定されうる。
【0038】
(実施例3) 図7Aに示すように、支持部材120は、中心部121を挟んで第1側部122A、第2側部122B、第3側部122Cおよび第4側部122Dを有する。具体的には、支持部材120は、X方向に垂直な面で切断した断面が、円板の中心を挟んで当該円板の周縁部4ヵ所を矩形状に切り取った形状、すなわち、周縁が丸い形状の略X型状を呈する。支持部材120の直径は、たとえばD0=7mmに設定されうる。また、第1側部122Aと第3側部122Cとの間隔と、第2側部122Bと第4側部122Dとの間隔とは、たとえばd3=2~3mm程度に設定されることが好ましい。また、第1側部122Aと第4側部122Dとの間隔と、第2側部122Bと第3側部122Cとの間隔とは、たとえばd4=1~2mm程度に設定されることが好ましい。
【0039】
また、図7Bおよび6Cに示すように、支持部材120のX方向の長さは、たとえば、L3=8~26.5mm程度に設定されることが好ましい。
【0040】
(実施例4) また、図8A図8Cに示すように、支持部材120の直径は、たとえばD0=7mmに設定され、支持部材120のX方向の長さは、たとえば、L4=8~26.5mm程度に設定されうる。また、第1側部122Aと第4側部122Dとの間隔と、第2側部122Bと第3側部122Cとの間隔と、第1側部122Aと第3側部122Cとの間隔と、第2側部122Bと第4側部122Dとの間隔とは、たとえばd5=1~2mm程度に設定されることが好ましい。
【0041】
このように、本実施形態では、支持部材120は、中心部121と複数の側部122とを有する。中心部121と複数の側部122とは、たとえば金型を使用して一体的に形成されうる。上述の実施例1~4のような形状とすることにより、支持部材120を成形する際に金型から容易に引き抜くことができるので、中空管状の支持部材よりも容易に製造できる。
【0042】
また、支持部材120は、好適には、たとえばシリコーンを使用して形成されうるが、シリコーンに限定されず、耐熱性に優れた他の材料を使用してもよい。
【0043】
<冷却部材130> 図2(B)に示すように、冷却部材130は、支持部材120を通過したエアロゾルを冷却する。冷却部材130は、支持部材120を挟んでエアロゾル形成基材110と反対側に配置され、支持部材120に隣接する。エアロゾル形成基材110によって生成されたエアロゾルに含まれる芳香成分は、冷却部材130に沿って移送されつつ、人が吸引できる程度の温度まで冷却され、マウスピース140へ移送される。冷却部材130は、たとえばポリ乳酸を含むシートを有し、当該シートは複数の襞を備える。あるいは、シートは、X方向と直交する方向に巻き込まれるか、折り畳まれて収縮されている。
【0044】
なお、冷却部材130のX方向の長さは、支持部材120のX方向の長さに応じて調整されうる。図2(A)に示すように、支持部材120のX方向の長さが長い(たとえば26.5mm)である場合、支持部材120はエアロゾル形成基材110を支持する機能に加えて、エアロゾルに含まれる芳香成分を人が吸引できる程度の温度まで冷却する機能を兼ね備える。したがって、冷却部材130を省略できる。その結果、電子タバコカートリッジ100の生産コストを低減できる。
【0045】
<マウスピース140> マウスピース140は、冷却部材130または支持部材120に隣接し、電子タバコカートリッジ100の他端部に配置される。マウスピース140は、微粒子を取り除くフィルターとして、たとえばセルロースアセテートフィルタを含む。マウスピース140のフィルターを通過した芳香成分は、ユーザーによって吸引される。マウスピース140は、たとえば接着剤により包装部材150の内面に固定されている。
【0046】
以上、説明した本実施形態の支持部材120および支持部材120を有する電子タバコカートリッジ100は、下記の効果を奏する。
【0047】
支持部材120の中心部121と支持部材120を覆う包装部材150の内面との間に空間が形成される。したがって、エアロゾルが移送される流路を確保しつつ、エアロゾル形成基材110への加熱要素211の挿入時に中心部121によりエアロゾル形成基材110を安定的に支持できる。
【0048】
また、エアロゾル形成基材110は、非タバコ植物の芳香成分を含むエアロゾルを生成するので、ユーザーは植物の香りを楽しむことができる。また、喫煙習慣があるユーザーが、タバコ代替品として使用できる。さらに、ユーザーの健康に有益な植物の芳香成分を生成することにより、ユーザーの健康増進が期待できる。
【0049】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
【0050】
たとえば、上述の実施形態では、支持部材の中心部と複数の側部とが一体的に形成される場合について説明した。しかしながら、本発明は、中心部と複数の側部とが一体的に形成される場合に限定されず、中心部と複数の側部とが別々に形成された後に結合されるように構成されてもよい。
【0051】
また、上述の実施例1~4では、支持部材の断面が、円板の周縁部を矩形状に2ヵ所または4ヵ所切り取った形状である場合について説明した。しかしながら、支持部材の断面は、このような形状に限定されず、円板の周縁部を矩形状に3ヵ所または5ヵ所以上切り取った形状であってもよいし、矩形状ではなく三角形状、多角形状、半円形状、半楕円形状等、曲線もしくは直線またはこれらの組み合わせによって構成されるいかなる態様で切り取った形状でもよい。
【符号の説明】
【0052】
100 電子タバコカートリッジ、110 エアロゾル形成基材、120 支持部材、121 中心部、122,122A,122B,122C,122D 側部、130 冷却部材、140 マウスピース、150 包装部材、200 電子タバコ本体、210 加熱部材。


図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C