(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042013
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
A47L15/42 D
A47L15/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149064
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】高野 広樹
(72)【発明者】
【氏名】阿部 邦昭
(72)【発明者】
【氏名】後藤 惇
(72)【発明者】
【氏名】新海 清恭
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BB01
3B082BD01
(57)【要約】
【課題】本体外から貯水タンクへの給水を容易に行うことができる食器洗い機を提供する。
【解決手段】本発明に係る食器洗い機は、本体と、前記本体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記前面開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽の下方で被洗浄物の洗浄に必要な水を貯留しておく貯水タンクと、を備え、本体外から前記貯水タンクへ給水する給水口を前記貯水タンクの前側に有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部を有する洗浄槽と、
前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、
前記前面開口部を開閉自在に覆う扉体と、
前記洗浄槽の下方で被洗浄物の洗浄に必要な水を貯留しておく貯水タンクと、を備え、
本体外から前記貯水タンクへ給水する給水口を前記貯水タンクの前側に有する、
食器洗い機。
【請求項2】
前記給水口は、前記扉体よりも前方に突出させた突出部の上面に配置される請求項1記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記給水口は、上面視で奥行寸法よりも幅寸法が長く形成され、前記給水口の最大幅寸法は前記貯水タンクの満水時の水の最下位から最上位までの高さ寸法よりも長い請求項1または2記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記突出部に錘が配置される請求項2に記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記本体の底面前方に脚部を備え、前記給水口は前記脚部よりも前方に配置される請求項1~4のいずれか1項に記載の食器洗い機。
【請求項6】
前記給水口の上方かつ前記扉体の下方に位置する前記本体に凹部を有し、前記凹部には下方に傾斜する第1傾斜部を有し、前記第1傾斜部に付着した水の一部が前記給水口へ流れる構成とした請求項1~5のいずれか1項に記載の食器洗い機。
【請求項7】
前記第1傾斜部は防水加工が施された操作表示部が配置され、前記操作表示部は前記貯水タンクの水が所定量未満の場合または所定量に到達した場合に報知する請求項6記載の食器洗い機。
【請求項8】
前記給水口を覆う蓋部を有し、前記蓋部は前方下方に傾斜する第2傾斜部を有する請求項1~7のいずれか1項に記載の食器洗い機。
【請求項9】
前記給水口を覆う可動式の蓋部を有し、前記蓋部を可動して開けた状態において、前記貯水タンクへと水が指向するリブ前記蓋部の一部で形成する請求項1~7のいずれか1項に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗い機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器洗い機の洗浄槽に給水するための水を貯めておく貯水タンクを搭載した食器洗い機が知られている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の食器洗い機においては、貯水タンクへの給水という観点において未だ改善の余地がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、貯水タンクへの給水がしやすい食器洗い機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の食器洗い機は、本体と、前記本体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記前面開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽の下方で被洗浄物の洗浄に必要な水を貯留しておく貯水タンクと、を備え、本体外から前記貯水タンクへ給水する給水口を前記貯水タンクの前側に有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る食器洗い機によれば、本体外から貯水タンクへの給水を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1における食器洗い機の扉体および貯水タンクの給水口が閉じられた状態の斜視図
【
図2】本発明の実施の形態1における食器洗い機の扉体が開かれた状態の斜視図
【
図3】本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の斜視図
【
図4】本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の部分斜視図
【
図5】本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の部分平面図
【
図6】本発明の実施の形態1における食器洗い機の外郭を外した状態の部分後方斜視図
【
図7】本発明の実施の形態1における食器洗い機の外郭を外した状態の背面図
【
図8】本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が閉じられた状態のA-Aの位置での端面図
【
図9】本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態のA-Aの位置での部分端面図
【
図10】本発明の実施の形態1における食器洗い機の給水の流れを示す簡易説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、加熱室内の水を効率良く回収するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0010】
従来の食器洗い機において、食器洗い機に貯水タンクが搭載されているものが存在した。しかしながら、従来の食器洗い機においては、貯水タンクを食器洗い機本体から取り外して貯水タンクに給水したうえで、貯水タンクを食器洗い機本体に設置して使用する必要があった。また、貯水タンクを取り外さなくても給水できるタイプの食器洗い機であっても、給水口の位置が使用者にとって給水しづらい位置にあったり、不便を有するものであった。
【0011】
また、キッチンの上に置かれて使用されることが多い卓上タイプの食器洗い機の場合、卓上タイプの食器洗い機が載置されるキッチンの場所は、キッチンのシンクのすぐそばに置かれることが圧倒的に多い。その理由として、洗うための食器を食器洗い機にすぐに入れることもできるし、シンクについている水栓の蛇口からの水で食器を予洗いしてから食器を食器洗い機にそのまま入れて、食器洗い機を運転させて食器を洗浄することができるからである。
【0012】
ここで、発明者らは貯水タンクを食器洗い機から取り外したり食器洗い機に取り付けたりせずに、貯水タンクに給水しやすい給水口を有する食器洗い機の以下の発明に至った。
【0013】
本発明の第1態様によれば、本体と、前記本体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記前面開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽の下方で被洗浄物の洗浄に必要な水を貯留しておく貯水タンクと、を備え、本体外から前記貯水タンクへ給水する給水口を前記貯水タンクの前側に有する食器洗い機を提供する。
【0014】
このような構成により、例えば別の容器に入れられた水や水道ホースからの水などを使用者が貯水タンクに入れやすくすることができる。また、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、給水時に水をこぼしてもシンクに流れやすくすることができる。また、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、給水口の位置がシンクの少し上の位置かつ水栓と同じくらいの高さになるパターンが多いので、使用者にとって非常に給水口に水が入れやすい位置となる。
【0015】
本発明の第2態様によれば、前記給水口は、前記扉体よりも前方に突出させた突出部の上面に配置される、第1態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0016】
このような構成により、例えば別の容器に入れられた水や水道ホースからの水などを使用者が貯水タンクに入れやすくすることができる。また、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、突出部がキッチンカウンターからシンク側に突出することとなる場合があるので、給水時に水をこぼしてもシンクに流れやすくすることができる。また、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、給水口の位置がシンクの少し上の位置かつ水栓と同じくらいの高さになるパターンが多いので、使用者にとって非常に給水口に水が入れやすい位置となる。
【0017】
本発明の第3態様によれば、前記給水口は、上面視で奥行寸法よりも幅寸法が長く形成され、前記給水口の最大幅寸法は前記貯水タンクの満水時の水の最下位から最上位までの
高さ寸法よりも長い、第1または第2態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0018】
このような構成により、給水口が幅方向に広いので、給水時に幅の左右両端から水がこぼれにくくなり、給水口の奥行方向は短いので、給水時に給水口の前側から水がこぼれやすくなるが、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、給水時に水をこぼしてもシンクに流れやすくすることができる。また、給水口の最大幅寸法は貯水タンクの満水時の水の最下位から最上位までの高さ寸法よりも長いので、例えば別の容器に入れられた水や水道ホースからの水などを使用者が貯水タンクの給水口に一気に入れる場合に、貯水タンクから水を溢れにくくすることができる。
【0019】
本発明の第4態様によれば、前記突出部に錘が配置される、第2態様に記載の食器洗い器を提供する。
【0020】
このような構成により、食器洗い機の本体が後方に動いたり後方に倒れたりすることを防ぐことができる。本態様では洗浄槽の下方に貯水タンクが配置されているので、従来の食器容量を洗浄槽で確保しようとすると、どうしても食器洗い機本体の高さが従来よりも高くなってしまう。さらに、洗浄装置に洗浄水を供給する洗浄ポンプが本体の後方に配置されたり、扉体を閉成状態から本体の上方に開放する際に扉体の重みと後方への勢いなどで、どうしても本体の重心が後方寄りとなってしまう。さらに、貯水タンクは本体の前寄りに設けた場合において、貯水タンクに水がほとんど入っていない状態で扉体を開放して食器を洗浄槽に設置するパターンも多いので、本体の重心バランスが悪くなる。こういった場合でも、食器洗い機の本体が後方に動いたり後方に倒れたりすることを防ぐことができる。
【0021】
本発明の第5態様によれば、前記本体の底面前方に脚部を備え、前記給水口は前記脚部よりも前方に配置される、第1~第4態様のいずれかに記載の食器洗い機を提供する。
【0022】
このような構成により、例えば別の容器に入れられた水や水道ホースからの水などを使用者が貯水タンクに入れやすくすることができる。また、食器洗い機の底面前方の脚部がキッチンのシンクのすぐそばに位置する場合、給水時に水をこぼしてもシンクに水が流れやすくすることができる。
【0023】
本発明の第6態様によれば、前記給水口の上方かつ前記扉体の下方に位置する前記本体に凹部を有し、前記凹部には下方に傾斜する第1傾斜部を有し、前記第1傾斜部に付着した水の一部が前記給水口へ流れる構成とした、第1~第5態様のいずれかに記載の食器洗い機を提供する。
【0024】
このような構成により、給水口の上方かつ扉体の下方に位置する本体(給水口の後方位置にもあたる)に水をこぼしても、その水の一部が前記給水口へと流れて給水口の貯水タンクへと回収することができる。
【0025】
本発明の第7態様によれば、前記第1傾斜部は防水加工が施された操作表示部が配置され、前記操作表示部は前記貯水タンクの水が所定量未満の場合または所定量に到達した場合に報知する、第6態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0026】
このような構成により、第1傾斜部に防水加工が施された操作表示部が配置され、給水口の上方かつ扉体の下方に位置する操作部(給水口の後方位置にもあたる)に水をこぼしても、操作表示部の内部に水が入り込んで操作表示部が故障することを防ぐことができる。また、給水口のすぐ後方の位置に操作表示部が配置されるので、操作表示部で貯水タンクの水の量が満水(あるいは適量)状態か不足状態かを報知すれば、使用者が貯水タンク
の水の状態を容易に認識することができる。
【0027】
本発明の第8態様によれば、前記給水口を覆う蓋部を有し、前記蓋部は前方下方に傾斜する第2傾斜部を有する、第1~第7態様のいずれかに記載の食器洗い機を提供する。
【0028】
このような構成により、貯水タンクへの給水を行わない場合には、蓋を閉じて貯水タンクに異物や埃が入ることを防ぐことができる。このとき、蓋部は可動式でも着脱式でもどちらでもよい。また、蓋部は前方下方に傾斜しているので、何らかの拍子に蓋部に水が付着した場合でも、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、蓋部の水が食器洗い機の本体下部からシンクに流れやすくすることができる。
【0029】
本発明の第9態様によれば、前記給水口を覆う可動式の蓋部を有し、前記蓋部を可動して開けた状態において、前記貯水タンクへと水が指向するリブを前記蓋部の一部で形成する、第1~第7態様のいずれかに記載の食器洗い機を提供する。
【0030】
このような構成により、可動式の蓋部を開けた場合に、貯水タンクへと水が指向するリブを蓋部の一部で形成することにより、給水口に入れられた水が確実に貯水タンクへと導かれ、給水口に入れられた水が可動式の蓋の隙間から水が漏れ出ることを極力防ぐことができる。
【0031】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面において、X方向を食器洗い機の本体1の幅方向とし、Y方向を前後方向(奥行方向)とし、Z方向を高さ方向とする。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における食器洗い機の扉体および貯水タンクの給水口が閉じられた状態の斜視図である。
図2は本発明の実施の形態1における食器洗い機の扉体が開かれた状態の斜視図である。
図3は本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の斜視図である。
【0033】
図4は本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の部分斜視図である。
図5は本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態の部分平面図である。
【0034】
図6は本発明の実施の形態1における食器洗い機の外郭を外した状態の部分後方斜視図である。
図7は本発明の実施の形態1における食器洗い機の外郭を外した状態の背面図である。
【0035】
図8は本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が閉じられた状態のA-Aの位置での端面図である。
図9は本発明の実施の形態1における食器洗い機の貯水タンクの給水口が開かれた状態のA-Aの位置での部分端面図である。
【0036】
図10は本発明の実施の形態1における食器洗い機の給水の流れを示す簡易説明図である。
【0037】
図1~
図3に示されるように、食器洗い機の本体1の内部には、樹脂製の洗浄槽2が設けられている。洗浄槽2の前面には、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部3が設けられている。前面開口部3の上部と下部をそれぞれ扉体(上扉体4と下扉体5)によって開閉するよう構成されている。なお、本実施の形態では扉体は上扉体4と下扉体5で構成されているが、扉体は1つの扉体のみで前面開口部3を開閉してもよいし、複数の扉
体で構成してもよい。
【0038】
前面開口部3の周囲の前面には、例えばシリコンゴム等の弾性体からなるシール部材(図示せず)が取り付けられている。シール部材と上扉体4に設けられた上扉体シール受け部(図示せず)とによって、本体外に水が漏れないように上扉体4と前面開口部3のシール性が確保されるよう構成されている。また、下扉体5に設けられたシール部材(図示せず)と上扉体の内側面に設けられた上扉体シール受け部(図示せず)によって、本体外に水が漏れないように上扉体4と下扉体5との間のシール性が確保されるよう構成されている。
【0039】
上扉体4と下扉体5は、
図1の閉成状態において、上扉体4の略中央下端に設けられた可動式の把持部11を手前側(Y方向)に可動させて引くことで上扉体4と本体との間のラッチ(図示せず)を解除させ、洗浄槽2の左右の外側壁に設けられた一対の扉体開閉機構(図示せず)によって連動して回動されて開閉される(
図2)。上扉体4は本体の直上に略水平となる位置まで開成され、下扉体5は、前面開口部3の前側下方にその内面が上向きで略水平となる位置まで開成されるよう構成されている。
【0040】
上扉体4の下方に、幅方向(X方向)が高さ方向(Z方向)よりも長い凹部12が形成され、把持部11の奥側に使用者の指がかけられるように構成されている。この凹部12には前方かつ下方に傾斜する第1傾斜部13が形成されている。
図1および
図2では図示していないが、
図3において第1傾斜部13には操作表示部13aが配置されている。
【0041】
操作表示部13aは防水加工が施されている。一例として操作表示部13aをメンブレン構造の操作表示パネルとすればよい。操作表示面の膜が、操作ボタンとしてのスイッチを操作するための開口を塞ぐことができるので、水密性を高くすることができるので、食器洗い機等の水がかかる虞のある機器にも適用されている。メンブレン構造の操作表示パネルには、その表面に膜状部材が備えられ、その膜状部材の背後にスイッチが回路基板に実装されて配置されている。スイッチは膜状部材を介して操作される。そのために膜状部材は可撓性を有し、膜状部材にかかる押圧力をスイッチへ伝える力伝達部材が設けられている。
【0042】
さらに、膜状部材として透光性を有する部材を採用し、膜状部材の背後にLEDなどの発光部材を実装することにより、操作表示部13aの一部を点灯、点滅、消灯させ、使用者に視覚的な報知を行うことができる。なお、使用者への報知方法としては、本体1にスピーカーやブザー等の音発生器を搭載して、何らかの音を発生させることにより報知してもよい。
【0043】
さらに本実施の形態では図示していないが、本体内部にマイクロコンピュータやCPUなどで構成される制御装置が搭載されており、後述する使用者が操作表示部13aの電源ボタン132、各種設定ボタン、一時停止/スタートボタン133を操作すると、制御装置がその操作信号を入力し、制御装置は、水栓から水栓給水ホース38を介して洗浄槽2内に給水するための給水弁15を開弁する信号を出力し、洗浄槽2内に水栓からの水を給水することができる。
【0044】
さらに制御装置は、洗浄ポンプ22を駆動させる信号を出力し、洗浄槽2内に貯められた洗浄水を洗浄ポンプ22で吸引し、洗浄ノズル導水路(図示せず)への洗浄水を導き、洗浄ノズル14(洗浄装置)から洗浄水を噴射させて洗浄槽2内の食器等の被洗浄物を洗浄・すすぎ運転を実行することができるように構成されている。
【0045】
所定の洗浄運転あるいはすすぎ運転が終了すると、制御装置は、排水ポンプ(図示せず
)を駆動させる信号を出力し、本体内の排水経路(図示せず)から排水ホース37を経て、本体外に洗浄槽2内の水を排水することができるようになっている。
【0046】
なお、制御装置は、洗浄運転およびすすぎ運転終了後に図示しない乾燥装置によって、洗浄槽2内の食器を乾燥させる乾燥運転を実行できる構成としてもよい。
【0047】
食器洗い機の運転中に使用者が一時停止/スタートボタン133を押すと、制御装置は、給水弁15、洗浄ポンプ22、排水ポンプ(図示せず)、後述の給水ポンプ24などの駆動を停止して、食器洗い機の運転を停止させることができる。
【0048】
本実施の形態では、
図10にも示すとおり、使用者は操作表示部13aの各種設定ボタンを操作することで、分岐水栓から水道水を洗浄槽2内に供給して食器を洗浄・すすぎする方式と、後述する貯水タンク23に貯水された水を洗浄槽2内に供給して食器を洗浄・すすぎする方式の2つのパターンのいずれかを選択することができる構成となっている。
【0049】
貯水タンク23に貯水された水を洗浄槽2内に供給して食器を洗浄・すすぎするための構成について詳述していく。
【0050】
図8や
図9にも示すとおり、本体1の内部には洗浄槽2とは別に食器等の被洗浄物を洗浄するために必要な水を貯留しておく貯水タンク23が洗浄槽2の下方に設置されている。
【0051】
図1~
図3に示すとおり、本体1の下方前側の略中央位置で、貯水タンク23の前側の位置に、貯水タンク23に本体外から水を給水するための給水口26を有している。この給水口26から計量カップやバケツ等の容器、水道からつないだホース等により、貯水タンク23内に給水できる構成となっている。
【0052】
本実施の形態では、給水口26の最大幅寸法は22cm程度、最大奥行寸法は7.5cm程度としている(蓋部29を開いた状態で)。
【0053】
本実施の形態では、給水口26を覆う可動式の蓋部29が配置され、給水口26から給水しない場合には蓋部29を閉じることができ(
図1および
図2)、給水口26から給水する場合に蓋部29を開くことができる(
図3)構成となっている。蓋部29を閉じた状態において、蓋部29の上面には凸部29cを有しており、使用者が凸部29cに触れ、下方に力を加えることによって蓋部29が回動し、
図3のように蓋部29を開くことができる。なお、蓋部29は可動式であっても、着脱式であってもよいものとする。
【0054】
給水口26は、扉体(上扉体4および下扉体5)が閉じられた
図1や
図3の状態で、扉体の下方かつ扉体よりも前方に突出させた突出部25の上面に配置されている。本実施の形態では、突出部25の最大幅寸法は35cm程度、最大奥行寸法は4cm程度、最大高さ寸法は13.5cm程度としている(蓋部29を閉じた状態で)。
【0055】
したがって、蓋部29を本実施の形態のように前後方向の可動式とすれば、給水口26の奥行寸法を突出部25の奥行寸法よりも長く(給水口26の奥行方向の間口を広げる)することができる。なお、突出部25を設けずに、本体前面に給水口26を直接設け、給水口26を開閉するための可動式または着脱式の蓋部29を設ける構成としてもよい。
【0056】
なお、突出部25は本体1の下部略中央に設けられているので、突出部25の両側方には本体1との間で空間を有している。この空間を利用して、この空間に水道の蛇口をほどよく収めることもできる。
【0057】
図4に示すとおり、蓋部29を開いた状態において、給水口26の奥壁には透光部26aと水位線26bとが、使用者が手前上方から認識可能な位置に配置されている。この水位線26bを貯水タンク23が満水状態(あるいは適量状態)であることを示す線にすれば、使用者が水をどの程度入れれば満水状態であるかを認識しながら給水することができる。本実施の形態において、通常の洗浄・すすぎ工程を実行するために必要な水の量は例えば8L程度であるため、9L前後の水が貯水タンク23に貯水された状態になると、水位線26bに水が達していることが透光部26aを通して使用者は視認することができる。
【0058】
さらに、使用者が電源ボタン132を押して電源を入れると、水が満水ではないまたは水が所定量未満の場合には給水ランプ131を点灯または点滅させて、使用者に貯水タンク23内の水が不足していることを報知すればよい。さらに水が満水あるいは所定量に到達した場合には給水ランプ131を消灯させてもよいし、水が満水あるいは所定量に到達したことをスピーカーやブザー等で報知してもよい。
【0059】
なお、報知の異なるパターンとして、使用者が電源ボタン132を押して電源を入れると、水が満水ではないまたは水が所定量未満の場合には給水ランプ131を消灯させておいて、使用者に貯水タンク23内の水が不足していることをスピーカーやブザー等で報知してもよい。さらに水が満水あるいは所定量に到達した場合には給水ランプ131を点灯または点滅させてもよいし、水が満水あるいは所定量に到達したことをスピーカーやブザー等で報知してもよい。これらの音での報知と表示での報知は適宜組み合わせてもよい。
【0060】
図5に示す通り、給水口26の下方には、メッシュフィルター27が配置され、給水口26から何らかの異物が入った場合でも、貯水タンク23に異物が入らない構成となっている。さらに、蓋部29を開けた状態では、蓋部29の裏側の一部が水受け部29eとなって水を受け、貯水タンク23に水を送ることができる構成となっている。
【0061】
なお、水受け部29eを後方かつ下方に傾斜させれば、給水口26に給水された水が確実に貯水タンク23へと導かれ、給水口26に入れられた水が可動式の蓋部29の隙間から水が漏れ出ることを極力防ぐことができる。
【0062】
図8および
図9に示すとおり、本体1の底面前方に脚部1aを有しており、給水口26および突出部25は脚部1aよりも前方に配置されている。さらに、蓋部29は前方かつ下方に傾斜する第2傾斜部29aで構成され、さらに、第1傾斜部13で構成される操作表示部13aと蓋部29との間に位置する面は、前方かつ下方に傾斜する第3傾斜部30で構成されている。
【0063】
食器洗い機の本体1がキッチンに載置されるパターンとして、脚部1aがキッチンカウンター50の上面、かつシンクのすぐそば・近傍、あるいはシンクの際部に載置されるシーンが非常に多い。キッチンの面積が狭く限られていることも多いためである。
【0064】
このような実態において、給水口26への給水時などの際、第1傾斜部13や第3傾斜部30など、給水口26の上方かつ扉体の下方に位置する本体(給水口26の後方位置にもあたる)に水をこぼしても、その水の一部が
図9における給水口26へ流れて、貯水タンク23へと回収することができる。
【0065】
また、
図8のように蓋部29が閉じた状態では、蓋部29は前方かつ下方に傾斜する第2傾斜部29aで構成されているので、何らかの拍子に蓋部29の上面に水が付着した場合でも、食器洗い機がキッチンのシンクのすぐそばに置かれた場合、蓋部29の上面の水
が食器洗い機の本体下部(突出部25)からシンク51への流れやすくすることができる。
【0066】
さらに
図9において、蓋部29を開いた状態では、貯水タンク23へと水が指向するようにリブ29bを蓋部29の一部で形成している。リブ29bは前述の水受け部29eの構成と相まって、給水口26に給水された水が確実に貯水タンク23へと導かれ(
図9の点線矢印を参照)、給水口26に入れられた水が可動式の蓋部29の隙間から水が漏れ出ることを極力防ぐことができる。
【0067】
なお、前述したとおり、蓋部29を閉じた状態において、蓋部29の上面には凸部29cを有しており、使用者が凸部29cに触れ、下方に力を加えることによって蓋部29が回動し、
図3のように蓋部29を開くことができるのは、
図9に示されるヒンジ部29dによって、蓋部29を開閉自在に可動させることができる構成になっているからである。
【0068】
給水口26から水が給水されていくと、貯水タンク23内の水位を検知するフロート23aが上昇し、貯水タンク23が満水位置P(あるいは所定量)まで到達すると、フロート23aの位置を検出するホールICなどの検出手段からの出力信号を制御装置に入力して、前述のとおり給水ランプ131や音で報知する構成となっている。
【0069】
また、貯水タンク23の満水時の水の最下位から最上位までの高さ寸法Qは11cm程度としている。給水口26の最大幅寸法(22cm程度)は貯水タンク23の満水時の水の最下位から最上位までの高さ寸法Qよりも長いので、例えば別の容器に入れられた水や水道ホースからの水などを使用者が貯水タンク23の給水口26に一気に入れる場合に、貯水タンク23から水を溢れにくくすることができる。
【0070】
さらに、突出部25の内部前側には錘28が配置されている。本実施の形態の錘28の材質は錆びにくいSUSで構成されるが、亜鉛メッキ鋼板などでもよい。錘28の総量は500g程度の重さである。ちなみに、本体1の幅寸法は55cm程度、奥行は34cm程度、高さは60cm程度で、本体1の質量は19kg程度である(食器等の被洗浄物が洗浄槽2内に入っていない状態での本体1の質量)。
【0071】
さらに、洗浄ポンプ22などの重量が高い構成部品が本体1の後方に配置され、従来の貯水タンク23が搭載されていない食器洗い機に比較すると、貯水タンク23が洗浄槽2の下方に配置されているので、本体1の高さが従来の食器洗い機よりも20cm程度高くなってしまい、本体1の安定性が低くなったり本体1の重心がより後方寄りの状態となってしまう。さらに、上扉体4を開いて上方に回動させる際に、本体1が後方にずれたり後方に倒れそうになったりする場合がある。錘28を搭載することにより、本体の安定性を高め、本体1が後方にずれたり倒れたりすることを極力防ぐことができる。
【0072】
次に、貯水タンク23に貯水された水を洗浄槽2に送る構成について説明する。
図6~
図8のように、貯水タンク23に貯水された水を吸引する給水ポンプ24が本体1の後方に配置されている。制御装置が給水ポンプ24を動作させると、給水ポンプ24によって吸引された水は、給水管24aを通って洗浄槽2の側部に設けられた給水孔24cから洗浄槽2内に送られる。給水管24aには途中で流量計24b(フローメーター)が設けられ、洗浄槽2内で洗浄・すすぎをするために必要な水量を計測し、必要量が洗浄槽2に供給されたと判断すると、制御装置は給水ポンプ24を停止させる。
【0073】
なお、
図6のとおり給水管24aは、洗浄槽2の給水孔24cよりも上位、かつ洗浄槽2内の最大水位よりも上位を経由してから給水孔24cにつながっており、洗浄槽2から給水ポンプ24への逆流を防止している。
【0074】
さらに、
図6~
図8のとおり、分岐水栓から水道水を洗浄槽2内に供給して食器を洗浄・すすぎする方式にも対応するため、水栓給水ホース38と水栓給水部39が本体1の後部に配置されており、分岐水栓からの水道水を洗浄槽2内へ供給する水を制御する給水弁15を本体1内部に設置されている。なお、給水弁15に流量計(フローメーター)を一体で設けてもよいし、水栓給水ホース38の途中に流量計(フローメーター)を設けてもよい。
【0075】
以上の構成による本実施の形態の食器洗い機の一連の動作の一例を
図10も参照しながら説明する。
【0076】
[貯水タンクを利用する場合の動作]
使用者が操作表示部13aの電源ボタン132を押すと食器洗い機の電源が入り、操作表示部13aの給水ランプ131が点滅している場合は、貯水タンク23に水が十分に入っていないため、蓋部29を開いたうえで、食器洗い機に付属されている水の軽量が可能な計量カップ(手持のバケツなどの容器や水道からのホースなどを利用してもよい)で給水口26から貯水タンク23に給水する。
【0077】
給水によって貯水タンク23内の水位が水位線26b近辺まで達すると、給水ランプ131が消灯し、ブザーから音が鳴って、貯水タンク23内の水が食器洗い機の運転に必要な水量となっていることを報知する。
【0078】
使用者が操作表示部13aの各種設定ボタンを押して洗浄やすすぎのコースを設定し、一時停止/スタートボタン133を押すと、洗浄運転がスタートする。ここで、給水ランプ131が点滅したままで一時停止/スタートボタン133を押しても洗浄運転はスタートできない。
【0079】
各種コースに応じて洗浄運転がスタートすると、給水ポンプ24で貯水タンク23から水を吸引し、給水管24aを経て洗浄槽2の給水孔24cから洗浄槽2に水を供給する。このとき、流量計24bで各種コースに必要な量の水量を計測して必要な量の水を洗浄槽2に供給すると、給水ポンプ24の運転が停止する。
【0080】
洗浄槽2の底部に供給された水は、洗浄水加熱ヒータ(図示せず)で適温に加熱され、洗浄ポンプ22の運転が開始され洗浄工程がスタートする。洗浄ポンプ22は洗浄槽2内の水を吸引し、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14から洗浄水を噴射する。噴射された洗浄水が食器かご7に載置された食器等の被洗浄物に当接して食器等を洗浄する。食器等から洗い流された残滓等は洗浄槽2の底部に配置される残滓フィルタ33で回収され、洗浄された洗浄水は洗浄槽2の底部に貯留され、再度、洗浄ポンプ22により吸引され、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14から洗浄水を噴射する、ということが繰り返されて食器が洗浄される。
【0081】
なお、洗浄の開始前にあらかじめ液体洗剤や粉末洗剤やタブレット洗剤等の洗剤を所定の洗剤入れ(図示せず)や洗浄槽2の底部に入れておけば、洗浄ノズル14から噴射される洗浄水と洗剤とが混ざり、水に洗剤が溶けていくことで洗剤を含む洗浄水となる。
【0082】
所定時間の洗浄工程を実行した後、洗浄工程を終了すると、排水ポンプ(図示せず)を駆動し、排水経路(図示せず)を経て排水ホース37から洗浄水が本体外のシンク51等に排水される。この洗浄工程は、複数回実行するコースを有してもよい。(貯水タンク23に複数回洗浄を実行する量の水が貯水されている。)
【0083】
洗浄槽2内の排水が完了すると、排水ポンプを停止させ、次にすすぎ工程に入る。すすぎ工程において、給水ポンプ24で貯水タンク23から水を吸引し、給水管24aを経て洗浄槽2の給水孔24cから洗浄槽2に水を供給する。このとき、流量計24bで当該コースのすすぎ時に必要な量の水量を計測して必要な量の水を洗浄槽2に供給すると、給水ポンプ24の運転が停止する。
【0084】
洗浄槽2の底部に供給された水は、洗浄水加熱ヒータ(図示せず)で適温に加熱され(すすぎ時は加熱されなくてもよい)、洗浄ポンプ22の運転が開始されすすぎ工程がスタートする。洗浄ポンプ22は洗浄槽2内の水を吸引し、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14からすすぎ水を噴射する。噴射されたすすぎ水が食器かご7に載置された食器等の被洗浄物に当接して食器等をすすぐ。食器等をすすいだすすぎ水は洗浄槽2の底部に貯留され、再度、洗浄ポンプ22により吸引され、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14からすすぎ水を噴射する、ということが繰り返されて食器がすすがれる。
【0085】
所定時間のすすぎ工程を実行した後、すすぎ工程を終了すると、排水ポンプ(図示せず)を駆動し、排水経路(図示せず)を経て排水ホース37からすすぎ水が本体外のシンク51等に排水される。このすすぎ工程は、複数回実行するコースを有してもよい。(貯水タンク23に複数回すすぎを実行する量の水が貯水されている。)
【0086】
すすぎ工程を終了したら、高温の水で食器等を殺菌する加熱すすぎ工程をスタートしてもよいし、乾燥装置を搭載した食器洗い機であれば、乾燥工程をスタートして食器等を乾燥させる工程に入ってもよい。以上が、貯水タンク23を利用する場合の食器洗い機の一連の動作工程である。
【0087】
[水道蛇口の分岐水栓を利用する場合の動作]
使用者が操作表示部13aの電源ボタン132を押すと食器洗い機の電源が入る。操作表示部13aの各種設定ボタンによって、貯水タンク23の水を利用する設定から分岐水栓からの水を利用する設定に変更可能になっており、各種設定ボタンで分岐水栓からの水を利用する設定に変更する。水栓からの水を利用する設定に変更した場合は、操作表示部13aの給水ランプ131は消灯する。
【0088】
使用者が操作表示部13aの各種設定ボタンを押して洗浄やすすぎのコースを設定し、一時停止/スタートボタン133を押すと、洗浄運転がスタートする。
【0089】
各種コースに応じて洗浄運転がスタートすると、給水弁15を開弁して分岐水栓から水を水栓給水ホース38および水栓給水部39を経て、洗浄槽2内に水を供給する。このとき、給水弁15と一体化された流量計で各種コースに必要な量の水量を計測して必要な量の水を洗浄槽2に供給すると、給水弁15を閉弁する。
【0090】
洗浄槽2の底部に供給された水は、洗浄水加熱ヒータ(図示せず)で適温に加熱され、洗浄ポンプ22の運転が開始され洗浄工程がスタートする。洗浄ポンプ22は洗浄槽2内の水を吸引し、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14から洗浄水を噴射する。噴射された洗浄水が食器かご7に載置された食器等の被洗浄物に当接して食器等を洗浄する。食器等から洗い流された残滓等は洗浄槽2の底部に配置される残滓フィルタ33で回収され、洗浄された洗浄水は洗浄槽2の底部に貯留され、再度、洗浄ポンプ22により吸引され、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14から洗浄水を噴射する、ということが繰り返されて食器が洗浄される。
【0091】
なお、洗浄の開始前にあらかじめ液体洗剤や粉末洗剤やタブレット洗剤等の洗剤を所定
の洗剤入れ(図示せず)や洗浄槽2の底部に入れておけば、洗浄ノズル14から噴射される洗浄水と洗剤とが混ざり、水に洗剤が溶けていくことで洗剤を含む洗浄水となる。
【0092】
所定時間の洗浄工程を実行した後、洗浄工程を終了すると、排水ポンプ(図示せず)を駆動し、排水経路(図示せず)を経て排水ホース37から洗浄水が本体外のシンク51等に排水される。
【0093】
洗浄槽2内の排水が完了すると、排水ポンプを停止させ、次にすすぎ工程に入る。すすぎ工程において、給水弁15を開弁して分岐水栓から水を水栓給水ホース38および水栓給水部39を経て、洗浄槽2内に水を供給する。このとき、給水弁15と一体化された流量計で各種コースに必要な量の水量を計測して必要な量の水を洗浄槽2に供給すると、給水弁15を閉弁する。
【0094】
洗浄槽2の底部に供給された水は、洗浄水加熱ヒータ(図示せず)で適温に加熱され(すすぎ時は加熱されなくてもよい)、洗浄ポンプ22の運転が開始されすすぎ工程がスタートする。洗浄ポンプ22は洗浄槽2内の水を吸引し、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14からすすぎ水を噴射する。噴射されたすすぎ水が食器かご7に載置された食器等の被洗浄物に当接して食器等をすすぐ。食器等をすすいだすすぎ水は洗浄槽2の底部に貯留され、再度、洗浄ポンプ22により吸引され、洗浄ノズル導水路(図示せず)を経て洗浄ノズル14からすすぎ水を噴射する、ということが繰り返されて食器がすすがれる。
【0095】
所定時間のすすぎ工程を実行した後、すすぎ工程を終了すると、排水ポンプ(図示せず)を駆動し、排水経路(図示せず)を経て排水ホース37からすすぎ水が本体外のシンク51等に排水される。
【0096】
すすぎ工程を終了したら、高温の水で食器等を殺菌する加熱すすぎ工程をスタートしてもよいし、乾燥装置を搭載した食器洗い機であれば、乾燥工程をスタートして食器等を乾燥させる工程に入ってもよい。以上が、水道蛇口の分岐水栓を利用する場合の食器洗い機の一連の動作工程である。
【0097】
以上のように、本実施の形態の食器洗い機は、水道蛇口の分岐水栓からの水道水を利用する場合と、貯水タンクに貯留された水を利用する場合とを、操作表示部13aで設定を変更することで、いずれかの場合を選択することができるので、使用者によってキッチンにおける食器洗い機の使用方法が選べる使い勝手のよい食器洗い機である。
【0098】
従来の食器洗い機においては、貯水タンクに貯留された水を利用する場合か、水道蛇口の分岐水栓からの水道水を利用する場合かを選択することができなかったので、使用者の利便性という観点において未だ改善の余地があった。
【0099】
従って、このような課題を解決するにあたっても、下記の構成を有しているので、本実施の形態および本発明において、使用者の利便性の高い食器洗い機を提供することができる。
【0100】
すなわち、本体と、前記本体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる前面開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記前面開口部を開閉自在に覆う扉体と、被洗浄物の洗浄に必要な水を貯留しておく貯水タンクと、前記貯水タンクから前記洗浄槽に水を送る給水ポンプと、水道水からの水を前記洗浄槽に送る給水弁と、使用者により各種設定を変更可能な操作表示部と、を備え、前記貯水タンクの水を使用して被洗浄物を洗浄する場合と、水道水からの水を利用して被洗浄物
を洗浄する場合のいずれかを、前記操作表示部により使用者が選択することが可能な食器洗い機を提示することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、本体外から貯水タンクへの給水を容易に行うことができるので、特にキッチンのワークトップ等に載置して使用される卓上タイプの食器洗い機等として有用である。
【符号の説明】
【0102】
1 本体
1a 脚部
2 洗浄槽
3 前面開口部
4 上扉体(扉体)
5 下扉体(扉体)
7 食器かご
11 把持部
12 凹部
13 第1傾斜部
13a 操作表示部
131 給水ランプ
132 電源ボタン
133 一時停止/スタートボタン
14 洗浄ノズル(洗浄装置)
15 給水弁
22 洗浄ポンプ
23 貯水タンク
23a フロート
24 給水ポンプ
24a 給水管
24b 流量計(フローメーター)
24c 給水孔
25 突出部
26 給水口
27 メッシュフィルター
28 錘
29 蓋部
29a 第2傾斜部
29b リブ
29c 凸部
29d ヒンジ部
29e 水受け部
30 第3傾斜部
33 残滓フィルタ
37 排水ホース
38 水栓給水ホース
39 水栓給水部
50 キッチンカウンター
51 シンク