(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042027
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230317BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149085
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】306020818
【氏名又は名称】トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】西澤 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】伴 和徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】人物の行動について関連性のあるパラメータを推定することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得部と、取得部によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類部と、取得部によって取得する属性情報、及び、分類部による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習部と、分類部によって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類部と、
前記取得部によって取得する属性情報、及び、前記分類部による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習部と、
前記分類部によって分類される行動の傾向と当該傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、行動情報として、人物と、当該人物の周囲を走行する車両とがある状況における前記人物の行動について、複数の人物分の行動に関する情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分類部は、行動情報に基づく車両と人物との位置関係、車両の速度、及び、車両の加速度のうち少なくとも1つに応じた、人物の行動の傾向の類似度に応じて分類する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1学習部は、第1学習済モデルとして、人物の行動を推定する際の人物の行動の傾向に関連のある属性を特定する項目と、当該項目に応じて人物の行動の推定結果と出力するための学習済モデルを生成する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、属性情報として、人物の年齢、人物の車両の運転経験年数及び運転頻度、人物の性格及び人物の運動能力について人物に対して予め行ったアンケート又はテストの結果のうち、少なくとも1つに関する情報を取得する
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2学習部は、第2学習済モデルを、分類部によって分類される複数の行動の傾向それぞれに応じた、行動推定モデルに利用される交通参加者のパラメータを学習して生成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1学習部によって生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定部と、
前記第1特定部によって特定される人物の行動と、前記第2学習部によって生成される第2学習済モデルとに基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定部と、
前記第2特定部によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定部と、
を備える請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
人物の行動に関する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じて分類される分類結果と、人物の属性に関する属性情報とを学習して生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定部と、
人物の行動の傾向に応じて分類される行動の傾向と当該傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して生成される第2学習済モデルと、前記第1特定部によって特定される人物の行動と、に基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定部と、
前記第2特定部によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類ステップと、
前記取得ステップによって取得する属性情報、及び、前記分類ステップによる分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習ステップと、
前記分類ステップによって分類される行動の傾向と当該傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類機能と、
前記取得機能によって取得する属性情報、及び、前記分類機能による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習機能と、
前記分類機能によって分類される行動の傾向と当該傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路を走行する車両の交通流のシミュレーションを行う交通流シミュレーション装置がある。そのシミュレーション装置は、車両の特性、及び、その車両のドライバの個人特定等を考慮し、交通流のシミュレーションを行う。ドライバの個人特性は、ドライバの認知及び判断に関する傾向を表すものであり、一時停止認知度、一時停止通過度、判断の正確さ、希望速度、アクセル開度、停止線に対する停止位置等のパラメータを有する。すなわち、シミュレーション装置は、ドライバの個人特性の各パラメータを設定することにより、ドライバのヒューマンエラーの起こしやすさを調整し、車両の動きを変化させる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるシミュレーション装置は、ドライバの個人特性の各パラメータをそれぞれ任意に設定することが可能である。この場合、各モデルパラメータが全体としてどのような人の特徴を持つかは設定することができず、シミュレートされる人物像が通常ありえない人物像となる可能性があった。一例として、信号遵守度と一時停止遵守度とが実世界では互いに相関が有ると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載されるシミュレーション装置は、ドライバの個人特性の各パラメータをそれぞれ任意に設定することができるため、前述した2つの例示のパラメータが互いに相関が低い値に設定される可能性があった。
【0005】
本開示は、人物の行動について関連性のあるパラメータを推定することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得部と、取得部によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類部と、取得部によって取得する属性情報、及び、分類部による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習部と、分類部によって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得し、その行動情報に基づいて人物の行動の傾向に応じた分類を行い、属性情報と分類による行動の傾向とに基づいて人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成し、分類による行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成するので、人物の行動について関連性のあるパラメータを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
【
図3】人物の行動について説明するための図である。
【
図4】選定した属性項目の一例について説明するための図である。
【
図5】一実施形態に係る情報処理方法について説明するための図である。
【
図6】一実施形態に係る情報処理方法であり、人物の行動推定を行う際の事前準備の方法について説明するためのフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係る情報処理方法であり、人物の行動を推定する方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、人物の行動の推定に利用される学習済モデルを生成する学習装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、例えば、学習済モデルを利用して人物の行動を推定するモデル(行動推定モデル)のパラメータを特定するパラメータ特定装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、例えば、特定されるパラメータを利用して人物の行動を推定する人物行動推定装置等として構成されてもよい。
情報処理装置100は、例えば、道路及び交差点等における人物(交通参加者)の動きについてシミュレーションを行う場合に、その人物(交通参加者)に関する種々のパラメータを設定する設定装置等として構成されてもよい。交通参加者は、例えば、人が運転する車両、二輪車、歩行者及び自動運転車両等のシミュレーションを行う際に登場する移動体等であってもよい。
【0012】
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ及びタブレット等のコンピュータで構成されてもよい。
【0013】
まず、情報処理装置100は、人物の行動推定を行う事前準備(シミュレーション実行前準備)を行う。
情報処理装置100は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する。情報処理装置100は、行動情報に基づいて、人物の行動傾向に応じた分類を行う。すなわち、情報処理装置100は、行動情報に基づく人物の行動が、複数の行動傾向のうちいずれの行動傾向に該当するかの分類を行う。情報処理装置100は、属性情報に基づく人物の属性と、上述したように分類した行動傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する。情報処理装置100は、上述したように分類した人物の行動傾向と、その人物の行動を推定する行動推定モデルのパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する。
【0014】
次に、情報処理装置100は、人物の行動推定を行う(シミュレーション実行)。
情報処理装置100は、例えば、第1学習済モデルを利用して人物の行動傾向を推定する場合、第1学習済モデルにおいて利用される人物の属性に関する項目(複数の属性項目)のうち1つを選択する。情報処理装置100は、上述したように選択される属性項目と、第1学習済モデルとに基づいて、属性項目に応じた人物の行動傾向を推定する。情報処理装置100は、推定した行動傾向と、第2学習済モデルとに基づいて、人物の行動傾向に応じたパラメータ(行動推定モデルにおいて利用されるパラメータ)を決定する。情報処理装置100は、上述したように決定されるパラメータを行動推定モデルに入力して(設定して)、人物の行動を推定する。
【0015】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100の詳細について説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0016】
情報処理装置100は、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110を備える。制御部110は、例えば、取得部111、分類部112、第1学習部113、第2学習部114、第1特定部115、第2特定部116及び行動推定部117等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、取得部111、分類部112、第1学習部113、第2学習部114、第1特定部115、第2特定部116及び行動推定部117等)の機能を実現してもよい。
【0017】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能である。
【0018】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。
【0019】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能である。
【0020】
次に、人物の行動推定を行う事前準備(シミュレーション実行前準備)を行う機能ブロックについて説明する。
【0021】
取得部111は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する。取得部111は、例えば、通信部121を介して、情報処理装置100の外部にある外部装置(一例として、外部サーバ等)(図示せず)から行動情報及び属性情報を取得してもよい。又は、取得部111は、例えば、外部装置で生成された行動情報及び属性情報が記録される外部メモリ(図示せず)等が情報処理装置100に接続される場合、その外部メモリ等から行動情報及び属性情報を取得してもよい。又は、取得部111は、例えば、情報処理装置100に配される入力部(例えば、キーボード及びマウス等)(図示せず)が操作されることにより人物の行動及び属性が入力される場合、その入力に基づいて行動情報及び属性情報を取得してもよい。
【0022】
取得部111は、同一人物についての行動(行動情報)及び属性(属性情報)を取得する。取得部111は、複数の人物それぞれについての行動(行動情報)及び属性(属性情報)を取得してもよい。
【0023】
図3は、人物の行動について説明するための図である。
【0024】
人物の行動は、例えば、人物の周囲の状況に応じたその人物の行動等であってもよい。一例として
図3に例示するように、人物201の行動は、道路203及び交差点等を走行する車両202の走行状況に応じた人物201の行動等であってもよい。より具体的な一例として、人物201の行動は、人物201が道路203を横断する場合に、その道路203を走行する車両202の位置(走行状況)に応じてその人物201が道路203を横断するか否か等の行動等であってもよい。人物201の行動は、例えば、車両シミュレータ等を利用して車両202が走行する道路203を再現し、車両202の走行状況に応じて人物201が取る行動をテストすること等により推定されてもよい。
【0025】
すなわち、取得部111は、行動情報として、人物と、その人物の周囲を走行する車両とがある状況における人物の行動について、複数の人物分の行動に関する情報を取得してもよい。この場合の一例として、取得部111は、経過時間(計測時間)、道路(交差点)等に対する人物の位置、その人物が移動する速度、道路(交差点)を走行する車両の位置、並びに、その車両の速度及び加速度等を含む行動情報を取得してもよい。すなわち、取得部111は、例えば、行動推定モデルにおいてシミュレーションを行いたい状況において、推定対象となる人物の行動と、その人物の周囲の状況との対応が取れた行動情報を複数人分取得してもよい。
【0026】
人物の属性は、例えば、人の性質及び特性を示す。一例として、人物の属性は、人物の年齢(年齢層)、車両を運転する頻度、人物の性格(性格診断)及び人物の運動能力等を始めとする種々の性質及び特性である。人物の属性は、例えば、その人物に対してアンケート又はテスト等を行い、それらの結果に応じて推定されてもよい。すなわち、取得部111は、属性情報として、人物の年齢、人物が車両を運転する頻度、人物の性格及び人物の運動能力について人物に対して予め行ったアンケート又はテストの結果のうち、少なくとも1つに関する情報を取得してもよい。
【0027】
分類部112は、取得部111によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う。分類部112は、複数の行動情報に基づいて、複数の人物の行動を、複数の行動傾向のいずれかに分類する。行動傾向は、例えば、人物の周囲の交通状況に対してその人物が取る行動の傾向である。具体的な一例として、行動傾向は、交差点等において人物が道路を横断する場合、人物の周囲を走行する車両の走行状況(車両の位置、速度及び加速度等)に応じて、その人物が道路を横断する、及び、その人物が道路を横断しないで待つ等の傾向であってもよい。
【0028】
ここで、分類部112は、例えば、行動傾向を数値で表現して特徴量化を行ってもよい。一例として、分類部112は、複数の人物それぞれについて逆強化学習を用いて求めた報酬関数値を特徴量として用いてもよい。この場合、分類部112は、例えば、複数の人物の行動情報に基づいて、報酬関数(例えば、人物の意図)を算出してもよい。なお、人物の行動が異なると、その人物が行動する際の傾向(行動傾向)が異なり、報酬関数(その人物の意図)に違いが出ると考えられる。具体的な一例として、分類部112は、人物が交差点で道路を横断する場合、人物の状況(例えば、交差点から人物の距離等)と、車両の走行状況(車両の走行速度、車両の加速度及び交差点から車両の距離等)とに応じて、その人物が道路を横断する(車両が来ても交差点に近づいて車両よりも先に行く傾向)、又は、道路の手前で止まる(車両と同時に交差点に近づかずに車両に譲る傾向)という人物の行動を報酬関数として推定する。
【0029】
分類部112は、例えば、上述したように推定した報酬関数の特徴量についてクラスタリングを行う。この場合、分類部112は、例えば、K-means及び階層クラスタリング等を始めとする種々のクラスタリング手法を利用することにより、人物の特徴量間の類似度にてクラス分けを行う。分類部112は、特徴量間の類似度を3つ以上にクラス分けを行ってもよい。すなわち、分類部112は、行動情報に基づく車両と人物との位置関係、車両の速度、及び、車両の加速度のうち少なくとも1つに応じた、人物の行動の傾向の類似度に応じて分類してもよい。
【0030】
第1学習部113は、取得部111によって取得する属性情報、及び、分類部112による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する。この場合、第1学習部113は、第1学習済モデルとして、人物の行動を推定する際の人物の行動の傾向に関連のある属性を特定する項目と、その項目に応じて人物の行動の推定結果と出力するための学習済モデルを生成してもよい。すなわち、第1学習部113は、上述した一例のように行った人物の行動傾向のクラスタリングの結果と、その人物の属性との関連性を解析して、関連性が相対的に強い属性の項目(属性項目)を選定する。この場合、第1学習部113は、例えば、相関分析、t検定及び分散分析等を始めとする種々の検定手法を利用して、クラスタリングの結果と関連性が相対的に強い属性項目を選定してもよい。
【0031】
図4は、選定した属性項目の一例について説明するための図である。
【0032】
具体的な一例として、第1学習部113は、アンケートの結果として「せっかちな運転傾向」、「信号に対する事前準備的な運転」、「虚偽発見尺度」及び「道路環境把握(負担感受性)」等の種々の結果としての属性と、人物の行動傾向のクラスタリングとの関連性解析し、解析の結果としてのP値を利用して属性項目を選定してもよい。P値は、例えば、検定において今回のアンケート結果(属性情報)が観測される確率であってもよい。ここで、第1学習部113は、有意傾向の有無を判定する際の、例えば、P値<0.1となる場合に、
図4に例示するアンケートを属性項目として選定してもよい。
【0033】
また、第1学習部113は、取得部111によって取得する属性情報に基づき、人物の行動傾向を推定するモデルを学習する。この場合、第1学習部113は、例えば、そのモデルとして、決定木、SVM及びニューラルネットワーク等を始めとする分類問題に用いられる種々のモデルを利用してもよい。第1学習部113は、例えば、上述したように選定される属性項目を入力とし、クラスタリングの結果を出力とするデータを分類問題として解くような学習を行い、第1学習済モデルを生成してもよい。
【0034】
第2学習部114は、分類部112によって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する。第2学習部114は、例えば、上述したような行動傾向の各クラス内の人物の行動情報を用いて、人物の行動を推定する行動推定モデル(交通参加者モデル)のパラメータを学習する。すなわち、第2学習部114は、第2学習済モデルを、分類部112によって分類される複数の行動の傾向それぞれに応じた、行動推定モデルに利用される交通参加者のパラメータを学習して生成してもよい。ここで、交通参加者モデルは、例えば、人物が交差点において道路を横断する場合、交差点の周囲を走行する車両よりも先に人物が横断する、又は、車両よりも後に人物が横断する(交差点で待機する)のかを判断するロジスティック回帰モデル等であってもよい。人物が車両よりも先に横断する確率をpとし、歩車間距離、車両速度及び車両加速度等の状況を示す変数をx*とし、モデルパラメータをa*,bとすると、確率pは下式(1)より算出される。
【0035】
【0036】
第2学習部114は、例えば、状況を示す変数値を入力とし、その状況において人物が車両よりも先に道路を横断したか(先行したか)(例えば、人物が先行した場合を1とし、人物が待機した場合を0とする)を出力とするよう学習を行ってもよい。すなわち、第2学習部114は、例えば、複数の人物の行動情報(それらの人物の行動と人物の周囲の交通状況)と、複数の人物の行動情報に基づいて行動傾向にクラス分けを行った結果と、クラス毎のパラメータとを学習して第2学習済モデルを生成してもよい。
【0037】
次に、人物の行動を推定する(交通参加者のシミュレーションを行う)際の機能ブロックについて説明する。
【0038】
第1特定部115は、第1学習部113によって生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する。第1特定部115は、シミュレーションを行う人物の行動傾向を推定する場合、まず、複数の属性項目のうち1つ以上を特定する。ここで、複数の属性項目は、上述した分類部112によって行われるクラスタリングの結果と関連性が相対的に強い属性項目であってもよい。第1特定部115は、特定される属性項目(入力項目)と、第1学習済モデルとに基づいて、シミュレーションを行う人物(シミュレーション対象の交通参加者)の行動傾向を推定する。すなわち、第1特定部115は、複数の属性項目の中からシミュレーション対象の交通参加者の属性項目を特定し(選択する)、第1学習済モデルを利用して、特定した属性項目に応じた人物の行動傾向を推定する。より具体的には、第1特定部115は、特定した属性項目を第1学習済モデルに入力し、人物の行動傾向を出力する。
【0039】
第2特定部116は、第1特定部115によって特定される人物の行動と、第2学習部114によって生成される第2学習済モデルとに基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する。すなわち、第2特定部116は、推定される人物の行動傾向と、第2学習済モデルとに基づいて、人物の行動を推定する(交通参加者のシミュレーションを行う)際のパラメータを取得する。換言すると、第2特定部116は、第1特定部115によって取得される人物の行動傾向を第2学習済モデルに入力し、人物の行動を推定する際のパラメータを出力する。
【0040】
行動推定部117は、第2特定部116によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する。行動推定部117は、第2特定部116によって特定されるパラメータをシミュレーションモデル(交通参加者のシミュレーションを行う行動推定モデル)に設定して、人物の行動を推定する(交通参加者の行動についてシミュレーションを行う)。行動推定部117は、例えば、行動推定モデル(シミュレーションモデル)として種々のモデル(一例として、公知のモデル等)を利用することが可能である。
【0041】
行動推定部117は、例えば、通信部121を介して、人物の行動について推定した結果(シミュレーション結果)に関する情報を外部装置(例えば、外部サーバ(図示せず)等)に送信してもよい。
行動推定部117は、例えば、人物の行動について推定した結果(シミュレーション結果)に関する情報を記憶部122に記憶してもよい。
行動推定部117は、例えば、人物の行動について推定した結果(シミュレーション結果)を表示部123に表示してもよい。
【0042】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図5は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するための図である。
【0043】
ステップST1において、情報処理装置100は、人物の行動推定を行う事前準備(シミュレーション実行前準備)を行う。
すなわち、情報処理装置100は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得して学習を行う。そして、情報処理装置100は、人物の行動推定を行う際の選択肢となる複数の属性項目を特定し、各属性項目に応じた人物の行動傾向を推定するための推定モデル(1)(第1学習済モデル)を生成する。さらに、情報処理装置100は、人物の行動傾向に応じて、その人物の行動推定(シミュレーション)を行う際のパラメータを特定するための推定モデル(2)(第2学習済モデル)を生成する。
【0044】
ステップST2において、情報処理装置100は、人物の行動を推定する(シミュレーション実行)。
すなわち、情報処理装置100は、ステップST1で特定される複数の属性項目のなかから、行動推定を行う人物の属性を決定する。情報処理装置100は、決定した属性を、ステップST1で生成される推定モデル(1)(第1学習済モデル)に入力し、行動推定対象の人物の行動傾向を決定する。情報処理装置100は、決定した行動傾向を、ステップST1で生成される推定モデル(2)(第2学習済モデル)に入力し、行動推定モデル(シミュレーションモデル)のパラメータを決定する。情報処理装置100は、決定したパラメータを行動推定モデルに設定して、人物の行動を推定する(シミュレーション実行)。
【0045】
次に、上述した一実施形態に係る情報処理方法について詳細に説明する。
【0046】
まず、上述したステップST1について詳細に説明する。
図6は、一実施形態に係る情報処理方法であり、人物の行動推定を行う際の事前準備の方法について説明するためのフローチャートである。
【0047】
ステップST101において、取得部111は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する。取得部111は、例えば、行動情報として、人物と、その人物の周囲を走行する車両とがある状況における人物の行動について、複数の人物分の行動に関する情報を取得してもよい。また、取得部111は、例えば、属性情報として、人物の年齢、人物が車両を運転する頻度、人物の性格及び人物の運動能力について人物に対して予め行ったアンケート又はテストの結果のうち、少なくとも1つに関する情報を取得してもよい。
【0048】
ステップST102において、分類部112は、ステップST101で取得する行動情報に基づいて、人物の行動傾向に応じた分類を行う。ここで、分類部112は、例えば、行動情報に基づく車両と人物との位置関係、車両の速度、及び、車両の加速度のうち少なくとも1つに応じた、人物の行動傾向の類似度毎に分類してもよい。
【0049】
ステップST103において、第1学習部113は、ステップST101で取得する属性情報、及び、ステップST102で分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデル(推定モデル(1))を生成する。この場合、第1学習部113は、例えば、第1学習済モデルとして、人物の行動を推定する際の人物の行動の傾向に関連のある属性を特定する項目と、その項目に応じて人物の行動の推定結果と出力するための学習済モデルを生成してもよい。
【0050】
ステップS104において、第2学習部114は、ステップST102で分類される行動の傾向と、その傾向に応じた人物の行動推定を行う行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデル(推定モデル(2))を生成する。この場合、第2学習部114は、例えば、第2学習済モデルを、分類部112によって分類される複数の行動の傾向それぞれに応じた、行動推定モデルに利用される交通参加者のパラメータを学習して生成してもよい。
【0051】
次に、上述したステップST2について詳細に説明する。
図7は、一実施形態に係る情報処理方法であり、人物の行動を推定する方法について説明するためのフローチャートである。
【0052】
ステップST201において、第1特定部115は、ステップST103で生成される第1学習済モデルに入力する属性項目を特定する。さらに、第1特定部115は、特定される属性項目と、ステップST103で生成される第1学習済モデルとに基づいて、属性項目に応じた人物の行動傾向を特定する。すなわち、第1特定部115は、行動推定の対象となる人物の行動傾向を特定する。
【0053】
ステップST202において、第2特定部116は、ステップST201で特定される人物の行動(行動傾向)と、ステップST104で生成される第2学習済モデルとに基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する。
【0054】
ステップST203において、行動推定部117は、ステップST202で特定されるパラメータを入力した行動推定モデルを利用して、人物の行動を推定する。行動推定部117は、例えば、行動推定モデル(シミュレーションモデル)として種々のモデルを利用することが可能である。この場合、前述したステップST104では、ステップST203で利用される行動推定モデル(シミュレーションモデル)に応じたパラメータを特定することが可能な第2学習済モデルが生成される。
【0055】
[変形例]
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0056】
上述した分類部112は、例えば、人物の行動傾向に応じてクラスタリングを行う例について説明した。しかし本開示ではこの一例に限定されず、分類部112は、行動傾向について何らかの数値を利用して特徴量化を行ってもよい。この場合、分類部112は、例えば、シミュレーションに利用する式(1)のような交通参加者モデルのパラメータを利用して特徴量化を行ってもよい。
【0057】
第1学習部113は、例えば、第1学習済モデルを生成する際の学習において、その学習済モデルの精度が良くなるように属性情報を選定してもよい。
【0058】
第2学習部114は、例えば、ロジスティック回帰モデルを利用して交通参加者モデルを推定する例について説明した。しかし本開示ではこの一例に限定されず、第2学習部114は、種々のモデルを利用してもよい(交通参加者モデルの形状は問わない)。第2学習部114は、例えば、行動傾向をクラス分けしたデータ(行動傾向のクラス内の全データ)を利用して、平均の交通参加者モデルのパラメータを算出後、交通参加者モデルの一部のパラメータを行動情報に合うように調整できるようになっていてもよい。第2学習部114は、その調整に利用するための情報(入力情報)として、属性情報を用いてもよい。
【0059】
上述した情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、分類部112、第1学習部113、第2学習部114、第1特定部115、第2特定部116及び行動推定部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による取得機能、分類機能、第1学習機能、第2学習機能、第1特定機能、第2特定機能及び行動推定機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、分類部112、第1学習部113、第2学習部114、第1特定部115、第2特定部116及び行動推定部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する取得回路、分類回路、第1学習回路、第2学習回路、第1特定回路、第2特定回路及び行動推定回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能として実現されもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置として構成されてもよい。
【0060】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0061】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。
【0062】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得部と、取得部によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類部と、取得部によって取得する属性情報、及び、分類部による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習部と、分類部によって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、第1学習済モデル及び第2学習済モデルを同一人物の行動情報及び属性情報(複数の人物の対応する行動情報及び属性情報)に基づいて生成するので、複数のパラメータがそれぞれ独立して設定されることを防ぐことができ、人物の種々の行動について相関のある行動推定(シミュレーション)を行うことができる。
具体的な一例として、情報処理装置は、人物の行動を推定する際に、その人物が信号は守らないが一時停止の規則は守るというような、実世界では不自然な設定が行われるのを抑制することができる。
情報処理装置は、パラメータが全体としてどのような属性の人物を表すのか、情報処理装置のユーザに分かりやすくすることができる。
【0063】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、取得部は、行動情報として、人物と、その人物の周囲を走行する車両とがある状況における人物の行動について、複数の人物分の行動に関する情報を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両の走行状況に応じた人物の行動を推定する際に適した学習済モデルを生成することができる。
【0064】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、分類部は、行動情報に基づく車両と人物との位置関係、車両の速度、及び、車両の加速度のうち少なくとも1つに応じた、人物の行動の傾向の類似度に応じて分類することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両の走行状況に応じて人物がどのように行動するかの行動情報を取得することができる。
【0065】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、第1学習部は、第1学習済モデルとして、人物の行動を推定する際の人物の行動の傾向に関連のある属性を特定する項目と、その項目に応じて人物の行動の推定結果と出力するための学習済モデルを生成することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、人物の属性(属性項目)に応じた行動傾向を推定することができる。
【0066】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、取得部は、属性情報として、人物の年齢、人物の車両の運転経験年数及び運転頻度、人物の性格及び人物の運動能力について人物に対して予め行ったアンケート又はテストの結果のうち、少なくとも1つに関する情報を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、人物の種々の属性に応じた第1学習済モデルを生成することができる。すなわち、情報処理装置は、当該装置のユーザにとって分かりやすい属性(上述した年齢及び運転頻度等)をパラメータ(属性情報)として取得すると、その属性に関連するパラメータを出力する学習済モデルを生成することができる。また、情報処理装置は、上述した属性情報が全体としてどのような属性の人物を表すのか、ユーザに分かりやすくすることができる。
【0067】
(態様6)
一態様の情報処理装置では、第2学習部は、第2学習済モデルを、分類部によって分類される複数の行動の傾向それぞれに応じた、行動推定モデルに利用される交通参加者のパラメータを学習して生成することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、人物の行動傾向に応じたその人物の行動を推定することができる。
【0068】
(態様7)
一態様の情報処理装置では、第1学習部によって生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定部と、第1特定部によって特定される人物の行動と、第2学習部によって生成される第2学習済モデルとに基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定部と、第2特定部によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、実世界に則した、人物の種々の行動について相関性が有るような行動推定を行うことができる。
【0069】
(態様8)
一態様の情報処理装置は、人物の行動に関する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じて分類される分類結果と、人物の属性に関する属性情報とを学習して生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定部と、人物の行動の傾向に応じて分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して生成される第2学習済モデルと、第1特定部によって特定される人物の行動と、に基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定部と、第2特定部によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、行動推定対象の人物の属性(属性項目)を指定すると、その属性に関連するパラメータが一括して設定されるため、実世界では不自然なパラメータが設定されるのを防ぐことができる。
情報処理装置は、当該装置のユーザが行動推定対象の人物のパラメータを設定する手間を省くことができ、人物の属性を指定するだけでその属性の行動傾向を持つ人物の行動を推定することができる。
【0070】
(態様9)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類ステップと、取得ステップによって取得する属性情報、及び、分類ステップによる分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習ステップと、分類ステップによって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0071】
(態様10)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、人物の行動に関する行動情報及び人物の属性に関する属性情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じた分類を行う分類機能と、取得機能によって取得する属性情報、及び、分類機能による分類される行動の傾向に基づいて、人物の属性と行動の傾向との関連性を学習して第1学習済モデルを生成する第1学習機能と、分類機能によって分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルを生成する第2学習機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(態様11)
一態様の情報処理方法は、コンピュータが、人物の行動に関する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じて分類される分類結果と、人物の属性に関する属性情報とを学習して生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定ステップと、人物の行動の傾向に応じて分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルと、第1特定ステップによって特定される人物の行動と、に基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定ステップと、第2特定ステップによって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0073】
(態様12)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、人物の行動に関する行動情報に基づいて、人物の行動の傾向に応じて分類される分類結果と、人物の属性に関する属性情報とを学習して生成される第1学習済モデルに基づいて、複数の人物の属性の項目から1つ以上の属性を特定し、特定される属性に応じた人物の行動を特定する第1特定機能と、人物の行動の傾向に応じて分類される行動の傾向とその傾向に応じた人物の行動を推定する行動推定モデルに利用されるパラメータとの関連性を学習して第2学習済モデルと、第1特定機能によって特定される人物の行動と、に基づいて、行動推定モデルに利用されるパラメータを特定する第2特定機能と、第2特定機能によって特定されるパラメータを入力した行動推定モデルに基づいて、人物の行動を推定する行動推定機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 情報処理装置
110 制御部
111 取得部
112 分類部
113 第1学習部
114 第2学習部
115 第1特定部
116 第2特定部
117 行動推定部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部