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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004203
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】光照射量平準化システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230110BHJP
   A01G 22/60 20180101ALI20230110BHJP
   A01G 9/00 20180101ALI20230110BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
A01G22/60
A01G9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105753
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴森 康司
(72)【発明者】
【氏名】中森 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】森田 健夫
(72)【発明者】
【氏名】舩越 正彦
(72)【発明者】
【氏名】崎元 克彦
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AA03
2B022AB17
2B022DA01
2B327NA10
2B327NB01
2B327ND01
2B327NE01
2B327TA03
2B327TA22
2B327TC04
2B327TC07
2B327TC10
2B327TC13
(57)【要約】
【課題】自動的に光照射量平準化を図ることを目的とする。
【解決手段】光照射を受ける対象物が配置される載台を、前記光照射の照射状態が変化するように移動させる移動手段と、前記載台が停止した状態で、前記載台における複数位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出する光照射レベルセンサ105-1~105-4と、前記光照射レベルセンサ105-1~105-4により検出された光照射レベルに基づき前記複数位置における所定時間の光照射量を検出する光照射量検出手段211と、前記複数位置の光照射量に基づき、前記複数位置における光照射量が等しくなるように前記移動手段を制御して前記載台を移動させる移動制御手段212とを具備する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光照射を受ける対象物が配置される載台または光照射源の少なくとも一方を、前記光照射の照射状態が変化するように移動させる移動手段と、
前記載台が停止した状態で、前記載台における複数位置または前記載台が複数部位からなる場合の各部位についてそれぞれ1つの位置を集合した複数位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出する光照射レベルセンサと、
前記光照射レベルセンサにより検出された光照射レベルに基づき前記複数位置における所定時間の光照射量を検出する光照射量検出手段と、
前記光照射量検出手段により検出された前記複数位置の光照射量に基づき、前記複数位置における光照射量が等しくなるように前記移動手段を制御して前記載台と前記光照射源の少なくとも一方を移動させる移動制御手段と
を具備することを特徴とする光照射量平準化システム。
【請求項2】
前記移動制御手段は、前記各位置の光照射量に基づき、前記各位置の光照射量差を算出し、この光照射量差が閾値を超えているときに前記移動手段を制御して移動させることを特徴とする請求項1に記載の光照射量平準化システム。
【請求項3】
前記移動制御手段は、照射量が最大の位置へ光照射量が最小の位置が移動するように移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射量平準化システム。
【請求項4】
前記載台が円盤形状であり、
前記複数位置は、円盤形状の円周から中心方向へ所定幅の円環部を区分した領域の位置であり、
前記移動手段は前記円盤形状の載台を回転させるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射量平準化システム。
【請求項5】
前記載台は、複数の板状のブロック体が連結されたものであり、
前記移動手段は前記複数の板状のブロック体を、車輪により移動させるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射量平準化システム。
【請求項6】
前記光照射レベルセンサは、前記複数位置のそれぞれに1つ設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光照射量平準化システム。
【請求項7】
前記光照射レベルセンサは、1つであり、前記複数位置に移動して光照射レベルを検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光照射量平準化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光照射量平準化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
観葉植物は、例えば室内の窓際などに一度設置すると、配置や向きを変えることは少ない。このように観葉植物等を室内に設置した場合、窓との配置関係で日照方向や時間が限定されてしまい、偏って育つことも多い。その結果、鉢内で場所によって成長のバランスが崩れ、デザイン性の悪化を来したり、最悪の場合には鉢が転倒するなどのトラブルが発生したりすることがある。鉢を人手により定期的に移動、方向転換することは可能だが、重い鉢植えを移動する場合は転倒などのリスクも伴い、また、どの程度の頻度でどの方向にどの程度回転すべきかの判断も難しい。
【0003】
特許文献1には、差込軸兼用の主軸を有し、旋回部と車輪が共に回転するキャスターと、このキャスターの主軸を差し込み可能な厚みを有し、上記主軸を差し込むための差込孔を有する基台と、該基台の周縁において下方側に向けて形成され、キャスターを取り付けた際にキャスターが隠れ、かつ、設置面との間に隙間を有する寸法のスカートと、該基台の周縁において上方側に向けて形成され、設置対象の植木鉢が隠れる寸法の壁体とを具備するキャスター付植木鉢カバーが開示されている。
【0004】
上記キャスター付植木鉢カバーによって、植物を植えた状態の植木鉢を移動する際でも、持ち上げる必要がなく、気軽に移動することができる。また、外観を損なうことなく、更に、製造組立作業に手間がかからない利点を有する。
【0005】
また、特許文献2には、植物栽培装置として、養液を供給するための縦方向に延伸した養液用パイプと、栽培植物を植えるための縦方向に延伸した植物用パイプと、栽培植物に対して人工光を照射するための縦方向に延伸した育成光源とを有するものが開示されている。上記植物用パイプには、栽培植物を載置する植物載置部を先端内部に設置した1以上の分岐パイプが斜め上方向に向けて所定の高さ幅ごとに設けられている。また、植物栽培装置は、養液を供給するための縦方向に延伸した養液用パイプと、栽培植物を植えるための縦方向に延伸した植物用パイプと、栽培植物に対して人工光を照射するための縦方向に延伸した育成光源とを備えており、植物用パイプには、栽培植物を載置する植物載置部を先端内部に設置した1以上の分岐パイプが斜め上方向に向けて所定の高さ幅ごとに設けられており、養液用パイプ内部から分岐パイプ内部へと養液を供給するための養液供給手段を備えており、植物用パイプに隣接して、植物用パイプに設けられた分岐パイプの方向の先に育成光源が設置されている。
【0006】
上記構成の植物培養装置によれば、多くの植物を縦方向に多段となる分岐パイプ内に植え付けることが可能となり、小さい床面積で多くの植物を栽培可能となる効果を奏する。
【0007】
特許文献3には、植物の枝葉分布情報及び植物の花の分布情報のうちの少なくとも一つを含む植物の成長情報を取得する情報収集器と、成長情報に基づいて制御可能な光源の植物に対する目標照射位置を確定し、且つ制御可能な光源が植物における目標照射位置を照射するように制御する、情報収集器と接続するプロセッサと、制御可能な光源とを備える植物成長制御システム及び方法が開示されている。
【0008】
上記特許文献3の発明によれば、自動的に制御可能な光源を採用してユーザの操作を簡略化できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3201605号公報
【特許文献2】特許第6249153号公報
【特許文献3】特表2017-513534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本実施形態は、光照射を受ける対象物が配置される載台または光照射源の少なくとも一方を、前記光照射の照射状態が変化するように移動させ、前記載台が停止した状態で、前記載台における複数位置または前記載台が複数である場合の各載台について1つの位置を集合した複数位置における光照射量が等しくなるようにし、複数位置の植物や動物等の対象物が光照射に関し同等の恩恵を受けるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施形態に係る光照射量平準化システムは、光照射を受ける対象物が配置される載台または光照射源の少なくとも一方を、前記光照射の照射状態が変化するように移動させる移動手段と、前記載台が停止した状態で、前記載台における複数位置または前記載台が複数部位からなる場合の各部位についてそれぞれ1つの位置を集合した複数位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出する光照射レベルセンサと、前記光照射レベルセンサにより検出された光照射レベルに基づき前記複数位置における所定時間の光照射量を検出する光照射量検出手段と、前記光照射量検出手段により検出された前記複数位置の光照射量に基づき、前記複数位置における光照射量が等しくなるように前記移動手段を制御して前記載台と前記光照射源の少なくとも一方を移動させる移動制御手段とを具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光照射量平準化システムの斜視図。
図2図1の縦断面図。
図3】本発明の第1の実施形態に係る光照射量平準化システムの要部である制御部200を中心とする制御系の構成図。
図4】本発明の第1の実施形態に係る光照射量平準化システムの動作を示すフローチャート。
図5】本発明の第1の実施形態に係る光照射量平準化システムの変形例を示す斜視図。
図6】本発明の第2の実施形態に係る光照射量平準化システムの斜視図。
図7】本発明の第2の実施形態に係る光照射量平準化システムの要部である制御部200Aを中心とする制御系の構成図。
図8】本発明の第2の実施形態に係る光照射量平準化システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照して本発明の実施形態に係る光照射量平準化システムを説明する。各図において同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1に第1の実施形態に係る光照射量平準化システムの斜視図を示し、図2図1の縦断面図を示す。本実施形態では光照射は、太陽光によるものとするが、人工光によるものであってもよい。光照射量平準化システムは、光照射を受ける対象物Tが配置される載台101を備える。対象物Tとしては、鉢植えの植物、載台101の表面が土によって畑とされ植物が植えてあるもの、或いは、虫かごの昆虫などでも良い。載台101は、円盤形状である。載台101の下部は有底円筒状のケース102の蓋となっており、載台101の中心からは軸103が延びており、この軸103は、ケース102の底部に設けられたモータ104の回転軸となっている。モータ104は、光照射を受ける対象物が配置される載台101を、前記光照射の照射状態が変化するように移動(ここでは、回転)させる移動手段である。モータ104は、例えばステッピングモータであり、90度毎に回転の停止制御可能となっている。
【0014】
載台101の表面には、その複数位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出する光照射レベルセンサ105-1~105-4が設けられている。本実施形態において、複数位置は、載台101の円盤形状の円周から中心方向へ所定幅の円環部を表面から見て4区分した領域の位置である。光照射レベルセンサ105-1~105-4は、載台101の円を4分割する線分の上であって円の周縁に近い位置に設けられる。光照射レベルセンサ105-1~105-4としては、照度センサを用いることができ、得られる測定値の単位はルックス(lx)である。
【0015】
ケース102の中空部分には、コンピュータにより構成される制御部200が設けられている。図3に制御部200を中心とする制御系の構成を示す。制御部200は、CPU210と、CPU210に接続され、このシステムとしてCPU210が動作するためのプログラムやデータが記憶された主メモリ220とを中心として構成される。CPU210は、システムの開始時のモータ104の状態を初期状態とし、光照射レベルセンサ105-1~105-4の位置情報をモータ104から得て主メモリ220へ記憶しておく。位置情報は、例えば、初期状態の光照射レベルセンサ105-1の位置情報を0とし、光照射レベルセンサ105-2の位置情報を0から90度右回りした位置(0+R90)とする。また、光照射レベルセンサ105-3の位置情報を0から90度左回りした位置(0+L90)とする。光照射レベルセンサ105-4の位置情報を0から180度右回りした位置(0+R180)とする。
【0016】
上記主メモリ220内のプログラムによって、CPU210は光照射量検出手段211、移動制御手段212を実現する。光照射量検出手段211は、上記光照射レベルセンサ105-1~105-4により検出された光照射レベルに基づき上記複数位置における所定時間の光照射量を検出するものである。移動制御手段212は、上記光照射量検出手段211により検出された上記複数位置の光照射量に基づき、上記複数位置における光照射量が等しくなるように上記移動手段であるモータ104を制御して上記載台101を移動させるものである。
【0017】
CPU210には、バス230を介してRAM240、I/Oインタフェース250、I/Oインタフェース260が接続されている。RAM240は、CPU210が動作途中で作成したデータ等を一時記憶するために用いるメモリである。I/Oインタフェース250には、光照射レベルセンサ105-1~105-4が接続され、I/Oインタフェース250からCPU210が光照射レベルデータを取り込むことができる。I/Oインタフェース250と光照射レベルセンサ105-1~105-4との間は無線通信路により接続されており、載台101の回転によって通信路が切断することはないものとする。I/Oインタフェース260には、モータ104が接続されている。CPU210は、I/Oインタフェース260を介してモータ104の回転制御を行い、載台101を90度或いは180度回転させ停止することができる。
【0018】
以上の構成を有する実施形態に係る光照射量平準化システムにおいては、CPU210が図4のフローチャートに基づき動作を行う。このフローチャートによる動作の前に、光照射レベルセンサ105-1~105-4の位置情報をモータ104から得て主メモリ220へ記憶しておく。フローチャートの動作がスタートとなり、光照射レベルセンサ105-1~105-4により光照射レベル検出が行われ、光照射レベルセンサ105-1~105-4により検出された光照射レベルをそれぞれの位置毎に加算して、光照射レベルセンサ105-1~105-4の位置における時間経過に応じた光照射量が検出される(S11)。具体的には、例えば1分毎にサンプリングして光照射レベル(ルックス)を得て、これを加算して光照射量とする。
【0019】
次のステップS12では所定時間の経過をタイマにより検出し(S12)、NOの場合にはステップS11に戻って処理を続け、YESとなると、各位置間の光照射量差を算出し(S13)、この光照射量差の少なくとも1つが予め設定されている閾値を超えているかを検出する(S14)。NOの場合にはステップS11に戻って処理を続け、YESとなると、照射量が最大の位置へ光照射量が最小の位置が移動するように載台101を移動させ(S15)、ステップS12の所定時間を計時するタイマをリセットし(S16)、ステップS11に戻って処理を続ける。
【0020】
上記ステップS15では、上記光照射レベルセンサ105-1~105-4の位置における照射量が最大の位置と、上記光照射レベルセンサ105-1~105-4の位置における照射量が最小の位置とを求め、最小の位置が最大の位置へ移動するようにモータ104を回転させる。
【0021】
以上の実施形態によって、自動的に光照射量平準化を図ることができるため、人手で判断する必要がなく、光照射を受ける対象物を回転させるなどの移動を行う必要も無く、効率的な管理が可能である。また、光照射を受ける対象物が植物の場合には、成長の不均衡による重量バランスの崩れが生じることを低減でき、鉢植えの場合の転倒のリスクを低減させ、購入時のデザインのまま均一に育成が可能である。また、光源が態様である場合には、窓に向かって茎が延びて花が咲くなどにより、室内から見た印象が悪化するという課題も解消できる。また、日照不足による病気などの抑制の効果も期待できる。更に、日が当たり過ぎるなどの場合にも対応できる。
【0022】
上記の実施形態では、光照射量の測定位置の数だけ光照射レベルセンサを設けたが、光照射量の測定位置の数より少ない数の光照射レベルセンサを用いてシステムを構成しても良い。例えば、図5に示されるように、載台101の外側に存在するケース102の上縁部109から上方へ延びるスタッド141を設け、このスタッド141で円環状のレール142を支持する。レール142には、レール142上で移動する移動体143を配置し、この移動体143上に光照射レベルセンサ105Xを設ける。移動体143は、上記実施形態の初期状態の光照射レベルセンサ105Xの位置を起点として走行距離を位置座標としてCPU210へ送り、光照射レベルセンサ105-1~105-4の4地点に対応する各位置の光照射量を求めることができるようにする。例えば、移動体143は、レール142上の上記4地点に対応する位置で例えば1秒停止して光照射レベルを測定し、所定時間でレール142上を移動して測定を続ける構成とすることができる。他の構成は、上記実施形態と同様とする。
【0023】
更に、上記第1の実施形態では、光照射源を太陽光とし、載台101を回転させるようにしたが、光照射源を人工光の光照射源としても良い。この場合に、光照射源を、対象物に対する光照射の照射状態が変化するように移動させる構成としても良い。光照射源を移動させる場合には、光照射レベルセンサ105-1~105-4の4地点の上方である天井の位置に光照射源を移動させる機構を設け、各位置の光照射量に応じて移動を制御するものとする。
【0024】
次に、第2の実施形態を説明する。この実施形態では、図6に示すように、光照射を受ける対象物が配置される載台301を備える。載台301は、複数の板状のブロック体302-1、302-2、302-3が連結されたものであり、上記複数の板状のブロック体302-1、302-2、302-3を、車輪により移動させるものである。車輪はモータやエンジンなどの駆動源350により動作するもので、この駆動源350と車輪により移動手段が構成されている。駆動源350は、ブロック体302-2に備えられており、ブロック体302-2の移動でブロック体302-1、302-2、302-3が連なって移動する。
【0025】
ブロック体302-1、302-2、302-3の表面には、光照射レベルセンサ303-1、303-2、303-3が設けられている。対象物は、光照射レベルセンサ303-1、303-2、303-3の受光面を避けて、ブロック体302-1、302-2、302-3の表面側に載置される。このように光照射レベルセンサ303-1、303-2、303-3は、上記載台301が停止した状態で、上記載台301が複数部位からなる場合の各部位であるブロック体302-1、302-2、302-3についてそれぞれ1つの位置を集合した複数位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出するものである。つまり、光照射レベルセンサ303-1はブロック体302-1の位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出するものであり、光照射レベルセンサ303-2はブロック体302-2の位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出するものであり、光照射レベルセンサ303-3はブロック体302-3の位置における単位時間当たりの光照射レベルを検出するものである。ここでは、複数部位が3つであるので光照射レベルセンサも3つであるが、ブロック体と光照射レベルセンサの数は、2または4以上であっても良い。光照射レベルセンサ303-1~303-3としては、照度センサを用いることができ、得られる測定値の単位はルックス(lx)である。
【0026】
ブロック体302-1、302-2、302-3のいずれか(ここでは、302-2)の内部には、コンピュータにより構成される制御部200Aが設けられている。図7に制御部200Aを中心とする制御系の構成を示す。制御部200Aは、CPU210Aと、CPU210Aに接続され、このシステムとしてCPU210Aが動作するためのプログラムやデータが記憶された主メモリ220Aとを中心として構成される。CPU210Aは、システムの開始時のブロック体302-2の車輪の状態を初期状態とし、ブロック体302-1~302-3の位置情報を載台301の複数位置の位置情報として、主メモリ220Aへ記憶しておく。位置情報は、例えば、初期状態のブロック体302-2の位置情報を0とし、ブロック体302-1の位置情報を0から前方へ所定距離K1(ブロック体302-1の長さ)だけ進んだ位置(0+K1)とする。また、ブロック体302-3の位置情報を0から後方へ所定距離K2(ブロック体302-1の長さ)だけ進んだ位置(0-K2)とする。
【0027】
上記主メモリ220A内のプログラムによって、CPU210Aは光照射量検出手段211A、移動制御手段212Aを実現する。光照射量検出手段211Aは、上記光照射レベルセンサ303-1~303-3により検出された光照射レベルに基づき上記複数位置における所定時間の光照射量を検出するものである。移動制御手段212Aは、上記光照射量検出手段211Aにより検出された上記複数位置の光照射量に基づき、上記複数位置における光照射量が等しくなるように上記移動手段である駆動源350を制御して上記ブロック体302-2を移動させるものである。
【0028】
CPU210Aには、バス230Aを介してRAM240A、I/Oインタフェース250A、I/Oインタフェース260Aが接続されている。RAM240Aは、CPU210Aが動作途中で作成したデータ等を一時記憶するために用いるメモリである。I/Oインタフェース250Aには、光照射レベルセンサ303-1~303-3が接続され、I/Oインタフェース250AからCPU210Aが光照射レベルデータを取り込むことができる。I/Oインタフェース260Aには、駆動源350が接続されている。CPU210Aは、I/Oインタフェース260Aを介して駆動源350の制御を行い、例えば車輪の回転数により移動距離を得てブロック体302-1~302-3を前方へ距離K1または後方へ距離K2だけ移動させることができる。
【0029】
以上の構成を有する実施形態に係る光照射量平準化システムにおいては、CPU210Aが図8のフローチャートに基づき動作を行う。このフローチャートによる動作の前に、ブロック体302-1~302-3の位置情報を載台301の複数位置の位置情報として主メモリ220Aへ記憶しておく。フローチャートの動作がスタートとなり、光照射レベルセンサ303-1~303-3により光照射レベル検出が行われ、光照射レベルセンサ303-1~303-3により検出された光照射レベルに基づき複数位置であるブロック体302-1~302-3の位置における時間経過に応じた光照射量が検出される(S21)。具体的には、例えば1分毎にサンプリングして光照射レベル(ルックス)を得て、これを加算して光照射量とする。
【0030】
ステップS22では所定時間の経過をタイマにより検出し(S22)、NOの場合にはステップS21に戻って処理を続け、YESとなると、各位置の光照射量差を算出し(S23)、この光照射量差が予め設定されている閾値を超えているかを検出する(S24)。NOの場合にはステップS21に戻って処理を続け、YESとなると、照射量が最大の位置へ光照射量が最小の位置が移動するように駆動源350の制御を行ってブロック体302-1~302-3を移動させ(S25)、ステップS22の所定時間を計時するタイマをリセットし(S26)、ステップS21に戻って処理を続ける。
【0031】
上記ステップS25では、CPU210Aは、上記光照射レベルセンサ303-1~303-3の位置における照射量が最大の位置と、上記光照射レベルセンサ303-1~303-3の位置における照射量が最小の位置とを求め、最小の位置が最大の位置へ移動するようにI/Oインタフェース260Aを介して車輪の回転数により移動距離を得ながら、駆動源350の制御を行って移動を実行する。この第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
この第2の実施形態においても、光照射量の測定位置の数より少ない数の光照射レベルセンサを用いてシステムを構成しても良い。図示しないが、例えば以下のような構成を採用することができる。ブロック体302-1~302-3の光照射レベルセンサ303-1~303-3の位置と同じ位置を結ぶようにレールを設ける。レールには、レール上で移動する移動体を配置し、この移動体上に1個の光照射レベルセンサを設ける。移動体は、上記第2の実施形態における初期状態のブロック体302-2の位置を起点として走行距離を位置座標としてCPU210Aへ送り、光照射レベルセンサ303-1~303-3の3地点に対応する各位置の光照射量を求めることができるようにする。例えば、移動体は、レール上の上記3地点で例えば1秒停止して光照射レベルを測定し、ある一定時間でレール上を往復移動して測定を続ける構成とすることができる。他の構成は、上記第2の実施形態と同様とする。
【0033】
更に、上記の第2の実施形態では、光照射源を太陽光とし、ブロック体302-1~302-3を移動させるようにしたが、光照射源を人工光の光照射源としても良い。この場合に、光照射源を、対象物に対する光照射の照射状態が変化するように移動させる構成としても良い。光照射源を移動させる場合には、光照射レベルセンサ303-1~303-3の3地点の上方である天井等の位置に光照射源を移動させる機構を設け、各位置の光照射量に応じて移動を制御するものとすることができる。
【符号の説明】
【0034】
101、301 載台
102 ケース
103 軸
104 モータ
105-1~105-4、303-1~303-3 光照射レベルセンサ
105X 光照射レベルセンサ
109 上縁部
141 スタッド
142 レール
143 移動体
200、200A 制御部
211、211A 光照射量検出手段
212、212A 移動制御手段
302-1~302-3 ブロック体
350 駆動源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8