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特開2023-42034かつらの製造方法、及びかつらの使用方法
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  • 特開-かつらの製造方法、及びかつらの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042034
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】かつらの製造方法、及びかつらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 3/00 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
A41G3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149097
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000126218
【氏名又は名称】株式会社アートネイチャー
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】重松 小百合
(72)【発明者】
【氏名】津嶋 範之
(57)【要約】
【課題】 頭部の生え際において、かつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて維持することの可能なかつらの製造方法を提供する。
【解決手段】 周縁部に凹凸構造を備えたかつらベース1に植毛を行うかつらの製造方法であって、かつらベース1において、頭部の生え際に配置される生え際部13に、鋭角状の複数の凹部131を有する凹凸構造を形成し、凹部131の両側端部に毛髪2を植毛し、両側端部から延びる毛髪を2互いに交叉させて混ざり合わせる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁部に凹凸構造を備えたかつらベースに植毛を行うかつらの製造方法であって、
前記かつらベースにおいて、頭部の生え際に配置される生え際部に、鋭角状の複数の凹部を有する前記凹凸構造を形成し、
前記凹部の両側端部に毛髪を植毛し、
前記両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させて混ざり合わせる
ことを特徴とするかつらの製造方法。
【請求項2】
前記かつらベースにおける前記両側端部を含む前記生え際部を補強した後、前記両側端部に毛髪を植毛することを特徴とする請求項1記載のかつらの製造方法。
【請求項3】
前記両側端部から延びる毛髪を前記凹部を介して頭部から延びる自毛と交叉させて混ざり合わせることができるかつらを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のかつらの製造方法。
【請求項4】
前記両側端部に複数のリングを固定し、前記リング及び前記両側端部に前記毛髪を植毛することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のかつらの製造方法。
【請求項5】
前記かつらが、頭部の生え際に自毛が生えている人用であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のかつらの製造方法。
【請求項6】
周縁部に凹凸構造を備えたかつらベースに植毛してなるかつらの使用方法であって、
前記かつらベースにおいて、頭部の生え際に配置される生え際部に、鋭角状の複数の凹部を有する前記凹凸構造が形成され、前記凹部の両側端部に毛髪が植毛されており、
前記両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させて混ざり合わせ、
前記両側端部から延びる毛髪を前記凹部を介して頭部から延びる自毛と交叉させて混ざり合わせる
ことを特徴とするかつらの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部の生え際に自毛がある人向けのかつらの製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かつらを装着した状態において、かつらと頭部の地肌との境界部分が目立ちにくいように工夫がなされている。
特に、前頭部の生え際におけるかつらの周縁は、目立つ部分であるため、例えば、かつらの周縁部分に凹凸形状を備えることによって、かつらを装着した際に前頭部の生え際が不自然に見えないような工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5411669号公報
【特許文献2】特許第6016340号公報
【特許文献3】特開平4-33620号公報
【特許文献4】実開昭62-114018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かつらの周縁部分を凹凸形状にすることは、前頭部の生え際の不自然さを低減できるものの、生え際における毛髪の自然な立ち上がりを実現することは、容易には行えないという問題があった。
特に、前頭部や側頭部の生え際に自毛がある人において、かつらの周縁部分でかつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて、その立ち上げた状態を維持したいという要望があったが、これを実現することは困難であった。
【0005】
ここで、かつらの周縁部分に凹凸形状を備える構成は、特許文献1において提案されている。
具体的には、着用者の前額部の所定位置にヘアラインを表出し得るフロント部を備えたかつらベースと、該かつらベースに植毛した毛髪とからなるかつらにおいて、上記かつらベースのフロント部のフロントエッジとこのフロントエッジから内側へ引っ込んだ位置との間で波状に振幅し且つフロントエッジに沿って該振幅を繰り返すことでウェーブ模様を呈するようにフロント用毛髪を植毛したかつらが開示されている。
このかつらによれば、前頭部の生え際におけるかつらの毛髪をウェーブ状にすることによって、ヘアラインが不自然になることを抑止できるようになっている。
【0006】
また、特許文献2においても、かつらの周縁部分に凹凸形状を備える構成が提案されている。
具体的には、かつらベースの前頭部端縁を波打ち形状とし、当該端縁を含む近傍領域を合成樹脂で硬化し、近傍領域のベース内方側の端部の少なくとも一部が波打ち形状の谷底を5mmを超えてさらにベース内方へ延在しているかつらが開示されている。
このかつらによれば、前頭部端縁が頭皮から捲れ上がったり、反りや丸まりが生じて、不自然な外観となることを抑止できるようになっている。
【0007】
さらに、特許文献3でも、かつらの周縁部を凹凸形状にすることが提案されおり、額側の端部周縁を凹凸状に形成して、凹部から自毛を露出させ、かつらに植毛された毛髪に自毛を混入することができるようになっている。
また、特許文献4でも、前頭部にギザギザの凹凸部を有するネットを用いたかつらが提案されており、生え際を自然に見せることができるようになっている。
【0008】
しかしながら、これらの発明は、前頭部の生え際における不自然さを低減できるものの、生え際において毛髪の自然な立ち上がりを可能にするものではなかった。
そこで、本発明者らは鋭意研究して、かつらの周縁の生え際に対応する部分に鋭角状の複数の凹部を形成し、この凹部の両側端部に毛髪を植毛して、両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させ支え合わせることによって、かつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて維持することに成功した。
また、凹部の両側端部に複数のリングを固定し、このリングにも毛髪を植毛することによって、頭部の生え際における毛髪にボリュームを持たせることも可能にした。
【0009】
一方、特許文献1のかつらは、フロント部が波状に形成されているが、その凹部の両側端部に毛髪を植毛して、両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させ支え合わせるものではなかった。また、特許文献2のかつらは、植毛を行った後に波状の前頭部端縁に硬化領域を形成させるものであり、前頭部端縁の凹部の両側端部に毛髪を植毛し、これらを互いに交叉させるものではなかった。また、特許文献3のかつら用ネットも、額側の端部周縁の凹部の両側端部に毛髪を植毛して互いに交叉させるものではなった。
【0010】
さらに、特許文献4のかつらは、ギザギザ状の凹凸部における凹部の両側端部に毛髪を植毛して互いに交叉させるものではなかった。この凹凸部は前頭部の生え際を自然に見せるために単にネットを切断して形成されたものであり、仮にその凹部の両側端部に毛髪を植毛したとしても、これらの両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させ支え合わせることは困難なものであった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、頭部の生え際において、かつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて維持することの可能なかつらの製造方法、及びかつらの使用方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のかつらの製造方法は、周縁部に凹凸構造を備えたかつらベースに植毛を行うかつらの製造方法であって、前記かつらベースにおいて、頭部の生え際に配置される生え際部に、鋭角状の複数の凹部を有する前記凹凸構造を形成し、前記凹部の両側端部に毛髪を植毛し、前記両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させて混ざり合わせる方法としてある。
【0013】
また、本発明のかつらの製造方法は、前記かつらベースにおける前記両側端部を含む前記生え際部を補強した後、前記両側端部に毛髪を植毛する方法とすることが好ましい。
また、本発明のかつらの製造方法は、前記両側端部から延びる毛髪を前記凹部を介して頭部から延びる自毛と交叉させて混ざり合わせることができるかつらを得る方法とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明のかつらの製造方法は、前記両側端部に複数のリングを固定し、前記リング及び前記両側端部に前記毛髪を植毛する方法とすることが好ましい。
また、本発明のかつらの製造方法は、前記かつらが、頭部の生え際に自毛が生えている人用である方法とすることが好ましい。
【0015】
また、本発明のかつらの使用方法は、周縁部に凹凸構造を備えたかつらベースに植毛してなるかつらの使用方法であって、前記かつらベースにおいて、頭部の生え際に配置される生え際部に、鋭角状の複数の凹部を有する前記凹凸構造が形成され、前記凹部の両側端部に毛髪が植毛されており、前記両側端部から延びる毛髪を互いに交叉させて混ざり合わせ、前記両側端部から延びる毛髪を前記凹部を介して頭部から延びる自毛と交叉させて混ざり合わせる方法としてある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、頭部の生え際において、かつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて維持することの可能なかつらの製造方法、及びかつらの使用方法の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るかつらの製造方法において使用されるかつらベースの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係るかつらの製造方法により製造されるかつらを頭部に装着した場合の生え際における自毛とかつらの毛髪の位置関係を示す模式図である。
図3】本発明の実施形態に係るかつらの製造方法により製造されるかつらを示す模式図である。
図4】本発明の実施形態に係るかつらの製造方法において使用されるかつらベースの変形例の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のかつらの製造方法、及びかつらの使用方法の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態のかつらの製造方法は、周縁部に凹凸構造を備えたかつらベースに植毛を行うかつらの製造方法である。
具体的には、図1に示すように、かつらベース1は、第一ネット部11、第二ネット部12、生え際部13、及び周縁補強部14(14’)を有している。
【0020】
本実施形態のかつらの製造方法は、かつらベース1において、頭部の生え際に配置される生え際部13に、鋭角状の複数の凹部131を有する凹凸構造を形成し、凹部131の両側端部に毛髪2を植毛し、両側端部から延びる毛髪2を互いに交叉させて混ざり合わせることを特徴とする。
【0021】
生え際部13は、前頭部や側頭部などの頭部の生え際に配置される、かつらベース1における周縁部の一領域である。
図1において、凹部131は、生え際部13の左右に2個ずつ形成されているが、これに限定されず、生え際部13の左右に1個ずつ形成してもよく、生え際部13の中央に凹部131を形成してもよい。また、生え際部13における凹部131の個数と配置を、その他の個数と配置にしてもよい。さらに、生え際部13における凹部131の形状も、図1に示すものに限定されず、生え際部13に鋭角状の複数の凹部131が形成されていればよい。
【0022】
凹部131の両側端辺のなす角が大きいと、凹部131の両側端部に植毛された毛髪2が互いに交叉し難くなる。このため、凹部131の両側端辺のなす角は、鋭角であることが好ましく、30~80°であることがより好ましく、50~70°であることがさらに好ましく、60°程度であることが特に好ましい。
【0023】
毛髪2は、かつらベース1に植毛される人工毛髪(合成繊維からなるもの、及び天然の毛髪を加工したものを含む)である。
図1に示すように、凹部131の両側端部において、その両側端辺から外側に延びるように(両側端辺に対して概ね垂直に)毛髪2を植毛すると、両側端部から延びる毛髪2は、互いに交叉するため、これらを簡単に混ざり合わせた状態にすることができる。
また、これによって、両側端部から延びる毛髪2が互いに支え合い、自然な立ち上がりを実現することが可能となる。
【0024】
また、本実施形態のかつらの製造方法は、かつらベース1における凹部131の両側端部を含む生え際部13を補強した後、両側端部に毛髪を植毛することが好ましい。
すなわち、図1に示すように、生え際部13において周縁補強部14を形成することによって生え際部13を補強することが好ましい。
【0025】
本実施形態のかつらの製造方法をこのようにすることによって、毛髪2をより安定的に凹部131の両側端部に固定することができ、両側端部から延びる毛髪2をより強く互いに支え合わせることができる。
このため、毛髪2の自然な立ち上がりをより容易に実現でき、またその状態を維持することが可能となる。さらに、生え際部13に周縁補強部14を形成することで、生え際部13が捲れ上がることを防止することも可能となる。
なお、図1において、毛髪2が第一ネット部11に植毛されている状態が示されているが、毛髪2を周縁補強部14に植毛しても良い。
【0026】
また、図1に示すように、かつらベース1における生え際部13以外の周縁部において、周縁補強部14’をさらに形成することによって、かつらベース1の周縁部全体を補強することも好ましい。このようにすれば、本実施形態のかつらの製造方法において、かつらベース1の取り扱いを容易にすることができ、また得られるかつらの強度を向上させることが可能となる。
【0027】
かつらベース1において、第一ネット部11、及び第二ネット部12の材料は特に限定されないが、例えば樹脂製のシート、網状ネット部材、メッシュ状ネット部材などを用いることができる。
また、本実施形態のかつらの製造方法におけるかつらベース1は、第一ネット部11、及び第二ネット部12を備えたものに限定されず、1種類の樹脂製のシートやネット部材からなるものとしてもよく、より多くの構成部材からなるものとしてもよい。
【0028】
図1の例では、第一ネット部11として網目の細かなネット部材を使用し、第二ネット部12として網目がより大きなネット部材を使用することを想定している。
このように生え際部13が含まれる第一ネット部11に網目の細かなネット部材を使用することによって、凹部131に植えられた毛髪2が網目部分で回転することを抑止でき、毛髪2を生え際部13によりしっかりと固定することが可能である。
そして、これによって、毛髪2の自然な立ち上がりをより容易に実現でき、またその状態を維持することが可能となる。
【0029】
かつらベース1において、周縁補強部14(14’)の形成方法は特に限定されず、かつらベース1の周縁部を合成樹脂で硬化して形成してもよく、レース部材やその他の補強部材をかつらベース1の周縁部に固定することによって形成してもよい。
【0030】
本実施形態のかつらの製造方法によれば、図2に示すように、凹部131の両側端部から延びる毛髪2を凹部131を介して頭部4から延びる自毛5と交叉させて混ざり合わせることができるかつらを得ることができる。
すなわち、本実施形態によって得られるかつらは、凹部131の両側端部から延びる毛髪2が互いに交叉して混ざり合うのみならず、頭部4に生えている自毛5を凹部131を介して毛髪2と交叉させて混ざり合わせることができる。
【0031】
このため、両側端部から延びる毛髪2を自毛5と共にさらに強く支え合わせることができ、毛髪2と自毛5の自然な立ち上がりをより一層容易に実現でき、またその状態を維持することが可能となる。
このように、本実施形態によって得られるかつらは、使用者の頭部4に自毛5が生えている場合に、毛髪2と自毛5を混ざり合わせて立たせることができるため、本実施形態のかつらの製造方法は、頭部の生え際に自毛が生えている人用のものとすることが好ましい。
【0032】
本実施形態のかつらの製造方法によって製造されたかつらの例を図3に示す。図3は、得られたかつら3の裏面(頭部に接触させる側)から見た図である。かつらベース1の外側表面全体に毛髪2が植毛されており、かつらベース1の内側表面には、頭部の自毛にかつらを固定するための第一取付部15(面ファスナー)1個と、第二取付部16(かつら用ストッパ)3個が取り付けられている。
【0033】
本実施形態のかつらの製造方法によって得られるかつら3は、これらの第一取付部15と第二取付部16によって、かつら3の使用者の頭部の自毛に対して取り付けることができるようになっている。なお、かつら3の使用者の頭部への取り付け方法は、これに限定されず、これらの一方の取付部のみを用いたり、取付部の個数を変更したり、その他の取付部を用いて取り付けたりすることが可能であることは言うまでもない。
また、図3には、かつら3において、生え際部における凹部131の両側端部から延びる毛髪2が互いに交叉して混ざり合う様子が示されている。
【0034】
次に、図4を参照して、本実施形態のかつらの製造方法において使用されるかつらベースの変形例について説明する。
同図において、図1と同様の構成については同一符号に「a」を付加して示されており、凹部131aの両側端部に固定された複数のリングの一部に、毛髪2が植毛された例が示されている。
【0035】
すなわち、本実施形態のかつらの製造方法において、凹部131aの両側端部に複数のリングを固定し、リング及び両側端部に毛髪2を植毛することも好ましい。
このような本実施形態によれば、凹部131aの両側端部に毛髪2を植毛すると共に、これらのリングにも毛髪を植毛することによって、植毛する毛髪量を増やすことができ、生え際部13aにおける毛髪2にボリュームを持たせることが可能になっている。
【0036】
本実施形態のかつらの使用方法は、図2に示すように、周縁部に凹凸構造を備えたかつらベース1に植毛してなるかつらの使用方法であって、かつらベース1において、頭部4の生え際に配置される生え際部13に、鋭角状の複数の凹部131を有する凹凸構造が形成され、凹部131の両側端部に毛髪2が植毛されており、両側端部から延びる毛髪2を互いに交叉させて混ざり合わせ、両側端部から延びる毛髪2を凹部131を介して頭部4から延びる自毛5と交叉させて混ざり合わせることを特徴とする。
【0037】
このような本実施形態のかつらの使用方法によれば、両側端部から延びる毛髪2と頭部4から延びる自毛5とを混ざり合わせることができるため、これらが互いに支え合って自然な立ち上がりを実現でき、これを維持することが可能となっている。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のかつらの製造方法、及びかつらの使用方法によれば、頭部の生え際において、かつらの毛髪や自毛を自然に立ち上げて維持することが可能である。
【0039】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態では全頭かつらを用いて説明したが、前頭部や側頭部における部分かつらに適用するなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、ボリューム感のあるかつらを製造する場合などに好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a かつらベース
11,11a 第一ネット部
12,12a 第二ネット部
13,13a 生え際部
131,131a 凹部
14,14’,14a,14’a 周縁補強部
15 第一取付部
16 第二取付部
2 毛髪
3 かつら
4 頭部
5 自毛
図1
図2
図3
図4