(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042134
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】プレカット装置とプレカット材の排出方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/08 20060101AFI20230317BHJP
B65G 47/29 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B65G47/08 E
B65G47/29 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149266
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】596008231
【氏名又は名称】株式会社トーアエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】野口 睦
【テーマコード(参考)】
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3F080AA11
3F080BA01
3F080BD15
3F080CE03
3F080CE12
3F080CG14
3F080EA10
3F081AA08
3F081CC08
3F081CC12
3F081CE14
3F081EA10
(57)【要約】
【課題】排出コンベア上のスペースを有効利用する。梱包作業を効率化する。
【解決手段】
プレカットされた複数の製品30を、搬送路26から受け入れて、排出コンベア36の幅以下の長さまで、その排出コンベア36の幅方向46に整列させる整列コンベア34を設ける。排出装置32は、整列した複数の製品30を一括して排出コンベア36上に押し出す。排出コンベア36は、押出された整列した製品30をそのまま列を崩さずに排出方向48に送る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレカットされた複数の製品を搬送路から受け入れて、排出コンベアの幅以下の長さまで、その排出コンベアの幅方向に整列させる整列コンベアと、
整列した複数の製品を一括して排出コンベア上に押し出す排出装置と、
押出された整列した製品をそのまま列を崩さずに排出方向に送る排出コンベアを備えたことを特徴とするプレカット装置。
【請求項2】
上記の整列コンベアは、一本の素材からプレカットされた製品を排出コンベアの幅方向に整列させることを特徴とする請求項1に記載のプレカット装置。
【請求項3】
上記の整列コンベアは、梱包をするための長さ以下に、製品を排出コンベアの幅方向に整列させることを特徴とする請求項1に記載のプレカット装置。
【請求項4】
上記の整列コンベアは、直前に排出コンベアに押し出された複数の製品の間の隙間の位置が重なり難いように、次に押し出される製品の間の隙間の位置をシフトさせて製品を整列させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレカット装置。
【請求項5】
プレカットされた複数の製品を、
搬送路に併設された整列コンベアに順番に押し出して、
整列コンベア上で先に押し出された製品の隣に後から押し出された製品を並べるようにして、排出コンベアの幅以下の長さまで、その排出コンベアの幅方向に整列させ、
整列した複数の製品を一括して排出コンベア上に押し出し、
押出された整列した製品をそのまま列を崩さずに排出方向に送ることを特徴とするプレカット材の排出方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプレカット装置を制御する手段を備えた演算処理装置としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の建築に使用するためにプレカットされた製品を、スペースを有効に利用しながら排出し、効率的に梱包することを可能にする、プレカット装置とプレカット材の排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレカットされた製品は、建設工事を効率化するために、工事部位ごとにまとめて梱包されて工事現場に向けて搬出される。そのために、例えば、建物の開口部に使用される製品を、各開口部毎にまとめてプレカットして、梱包作業を効率化するといった提案もなされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6704875号公報
【特許文献2】特許5943977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、建物の一つの開口部に使用するためにプレカットされる製品の数は数本から20本あるいはそれ以上のものもある。プレカットされた製品をプレカット装置から次々に取り出して梱包をするために、排出コンベア上にこれらの製品が順次排出されてくる。これらの製品を梱包順に並べ替える技術も紹介されている(特許文献2)。
【0005】
排出コンベア上に梱包する製品が全て並んでいて、余裕を持って製品を取り出すことができれば最適な梱包方法で効率よく梱包作業ができる。
【0006】
しかしながら、一つの開口部に使用する製品が多いと、排出コンベア上が製品で満杯になり、作業の能率を下げる原因になっていた。本発明は以上の点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
【0008】
<構成1>
プレカットされた複数の製品を搬送路から受け入れて、排出コンベアの幅以下の長さまで、その排出コンベアの幅方向に整列させる整列コンベアと、
整列した複数の製品を一括して排出コンベア上に押し出す排出装置と、
押出された整列した製品をそのまま列を崩さずに排出方向に送る排出コンベアを備えたことを特徴とするプレカット装置。
【0009】
<構成2>
上記の整列コンベアは、一本の素材からプレカットされた製品を排出コンベアの幅方向に整列させることを特徴とする構成1に記載のプレカット装置。
【0010】
<構成3>
上記の整列コンベアは、梱包をするための長さ以下に、製品を排出コンベアの幅方向に整列させることを特徴とする構成1に記載のプレカット装置。
【0011】
<構成4>
上記の整列コンベアは、直前に排出コンベアに押し出された複数の製品の間の隙間の位置が重なり難いように、次に押し出される製品の間の隙間の位置をシフトさせて製品を整列させることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のプレカット装置。
【0012】
<構成5>
プレカットされた複数の製品を、
搬送路に併設された整列コンベアに順番に押し出して、
整列コンベア上で先に押し出された製品の隣に後から押し出された製品を並べるようにして、排出コンベアの幅以下の長さまで、その排出コンベアの幅方向に整列させ、
整列した複数の製品を一括して排出コンベア上に押し出し、
押出された整列した製品をそのまま列を崩さずに排出方向に送ることを特徴とするプレカット材の排出方法。
【0013】
<構成6>
構成1乃至4のいずれかに記載のプレカット装置を制御する手段を備えた演算処理装置としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラム。
【0014】
<構成7>
構成6に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0015】
<構成1の効果>
排出コンベア上のスペースを有効利用することができる。
<構成2の効果>
一本の素材には、それぞれ歩留まり良く製品が割付けられているから、プレカットされた製品を排出コンベアの幅方向に整列させると、整列した全長がほぼ揃うので、排出コンベア上でそのまま列を崩さずに順送りできる。
<構成3の効果>
整列した製品をそのままの状態で梱包体に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のプレカット装置の実施例を示すブロック図である。
【
図2】製品の排出方法の一例を示す説明図(1)である。
【
図3】製品の排出方法の一例を示す説明図(2)である。
【
図4】上記のプレカット装置の動作を制御するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例0018】
図1には、既知の羽柄材を加工するためのプレカット装置12を図示した。この装置は制御用コンピュータ14によって制御される。制御用コンピュータ14はプレカットデータ16を記憶装置に記憶しており、制御部18がこのプレカットデータ16を読み取って、以下の装置を制御する。
【0019】
投入コンベア22にはプレカットされる素材20が積まれている。これらの素材20は投入装置24によって一本ずつ搬送路26に向けて送り出される。
【0020】
搬送路26は素材20を搬送するためのローラコンベアやベルトコンベア等により構成される。加工装置28は、制御部18の制御によってプレカットデータ16の指示どおりに素材20をプレカットする装置である。
【0021】
搬送路26は加工装置28の入口側と出口側は分離しており、それぞれ独立に駆動して製品30を搬送する。加工装置28の内部では図示しないクランプが素材20を掴んで移動させながらプレカットをする。
【0022】
加工装置28でプレカットされた製品30は、搬送路26上を
図1(a)に示す矢印Aの方向(搬送方向)に送り出される。搬送路26は、製品30の後端(加工装置側の端)が後端センサ38によって検出されると、その製品30の搬送を停止する。
【0023】
排出装置32は、搬送路26上で停止した製品30を、整列コンベア34に向けて矢印B方向(押出方向)に押し出す装置である。整列コンベア34は、排出装置32によって押し出された製品30を、排出コンベア36の幅方向(矢印C方向)に向けて移動させる機能を持つ。
【0024】
整列コンベア34は、プレカットされた製品30を順番に搬送路26から受け入れて、排出コンベア36の幅以下の長さまで、排出コンベア36の幅方向に整列させる、ベルトコンベア等で構成される装置である。
【0025】
排出装置32は、整列コンベア34上で整列した製品を一括して排出コンベア36上に押し出す機能を持つ。排出コンベア36は、押出された幅方向に整列した製品30を、そのままその列を崩さずに排出方向(矢印D方向)に送る機能を持つ。これも、ベルトコンベア等で構成される装置である。
【0026】
図1(a)は排出コンベア36の比較例平面図で、
図1(c)(d)(e)は排出コンベア36の実施例の平面図である。例えば、
図1(b)のように製品30を排出すると、排出コンベア36の矢印D方向の長さを1.2mとすれば、製品が10本ほどで排出コンベア36が満杯になる。
【0027】
一方、製品30を、幅方向に例えば、2mの長さに整列する事ができると、
図1(c)(d)(e)に示すように、約3倍の数の製品を排出コンベア36上に置くことができる。これで、排出コンベア36の収容力を高めて、製品30を1本ずつ取り出しながら、余裕を持って梱包作業を進めることができる。
【0028】
なお、
図1(c)では、排出コンベア36上で、幅方向に整列された製品30が右端を揃えた状態で順に排出されている。また、
図1(d)や(e)では、梱包をした時に荷崩れがしないように、幅方向に整列された各製品30の隙間が排出方向から見たときに重ならないようにして、順に排出されている。
【0029】
以下に、このような製品30の配列方法の一例を紹介するが、製品を配列する方法は任意である。例えば、搬送路26上で製品30を整列することも可能である。搬送路26上で製品30を順次停止させて整列させる機能を設けるといった方法もある。
【0030】
しかしながら、上記のように、製品30を整列させるための専用の整列コンベア34を既存のラインに追加すれば、既存の搬送路30の改造が不要になる。また、製品30の様々な配列方法を採用する場合に、コンピュータによる制御の自由度が高まるといった効果がある。
【0031】
また、上記の例では、プレカットされた製品30を排出コンベア36の幅以下の長さまで整列させたが、この整列させる長さを、梱包をするための長さにすれば、整列した製品を一挙に取り出して梱包することができる。即ち、梱包作業をさらに効率化させることができる。この場合、例えば、自動的に排出コンベア36から製品を取り出して梱包をする装置と連携ができる。
このとき、搬送路26上に、次にプレカットされた製品30cが送り込まれている。後端センサ38が、その製品30c後端を検出すると、製品30cの搬送が停止する。
なお最初にプレカットされた製品30の先端を先端センサ40で検出して、図の整列コンベア34の左端から順番に、右側に向かって製品30を移動させながら整列させることもできる。
また、上記の例では、搬送路26から製品30を整列コンベア34に押し出す操作と、整列コンベア34から整列された製品30を排出コンベア36に押し出す操作を排出装置32が行った。しかし、この操作は別々の独立した装置によって行っても構わない。また、押し出すという表現は搬送等と区別するために使用しているが、移動させることと同等の意味で使用している。