(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042162
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】表示制御装置、及び、表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230317BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20230317BHJP
G08G 1/127 20060101ALI20230317BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230317BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20230317BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q30/02 470
G08G1/127 B
G16Y10/40
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149320
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF33
5H181FF35
5H181FF38
5H181MA25
5H181MA38
5H181MA48
5H181MC19
5L049BB08
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】交通機関の利用者に対して利便性の高い情報を提供する。
【解決手段】表示制御装置は、交通機関としての移動手段の混雑状況に関する第1の情報と、交通機関を利用する利用者が移動手段の到着を待機する待機場所の混雑状況に関する第2の情報とに基づいて生成された利用者へ提供する第3の情報を取得する受信部と、移動手段の位置と、待機場所とに関連付けて、表示装置における第3の情報の表示を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関としての移動手段の混雑状況に関する第1の情報と、前記交通機関を利用する利用者が前記移動手段の到着を待機する待機場所の混雑状況に関する第2の情報とに基づいて生成された前記利用者へ提供する第3の情報を取得する受信部と、
前記移動手段の位置と、前記待機場所とに関連付けて、表示装置における前記第3の情報の表示を制御する制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第3の情報に基づいて、前記移動手段の混雑状況のレベルと、前記待機場所の混雑状況のレベルとを表示する制御を行う、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記第2の情報と前記待機場所に待機する特定の利用者についての混雑状況に関する第4の情報とに基づいて生成された、前記待機場所に待機する前記特定の利用者についての混雑状況と、前記特定の利用者以外の利用者についての混雑状況とが区別されて含まれる前記第3の情報を取得し、
前記制御部は、前記待機場所に待機する前記特定の利用者についての混雑状況と、前記特定の利用者以外の利用者についての混雑状況とを区別した表示を制御する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
互いに異なる経路を移動する複数の前記移動手段が、前記待機場所に到着する場合、
前記制御部は、前記待機場所の混雑状況を前記複数の移動手段のそれぞれに分類した表示を制御する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記移動手段が、複数の前記待機場所を経由する経路を移動する場合、
前記制御部は、前記複数の待機場所のそれぞれにおいて前記交通機関の利用を終える利用者の数に基づいた前記待機場所それぞれの混雑状況の表示を制御する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の待機場所のそれぞれにおいて前記交通機関の利用を終える利用者の数に基づいた前記待機場所それぞれの混雑状況と、前記第2の情報との両方を表示する制御を行う、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
表示制御装置が、
交通機関としての移動手段の混雑状況に関する第1の情報と、前記交通機関を利用する利用者が前記移動手段の到着を待機する待機場所の混雑状況に関する第2の情報とに基づいて生成された前記利用者へ提供する第3の情報を取得し、
前記移動手段の位置と、前記待機場所とに関連付けて、表示装置における前記第3の情報の表示を制御する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、及び、表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バス、電車といった交通機関を利用する利用者に対して、無線通信を用いて、情報を提供することによって、交通機関の利便性を向上させる技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、バスと、バスの送信する情報を受信する中央制御装置と、バスの停留所に設置される表示装置とを備え、バスの車内状況を利用者に提供するバスロケーションシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、バスの混雑状況の予測精度が十分ではないため、利用者に対して利便性の高い情報を提供することが困難である。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、交通機関の利用者に対して利便性の高い情報を提供することができる表示制御装置、及び、表示制御方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る表示制御装置は、交通機関としての移動手段の混雑状況に関する第1の情報と、前記交通機関を利用する利用者が前記移動手段の到着を待機する待機場所の混雑状況に関する第2の情報とに基づいて生成された前記利用者へ提供する第3の情報を取得する受信部と、前記移動手段の位置と、前記待機場所とに関連付けて、表示装置における前記第3の情報の表示を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る表示制御方法は、表示制御装置が、交通機関としての移動手段の混雑状況に関する第1の情報と、前記交通機関を利用する利用者が前記移動手段の到着を待機する待機場所の混雑状況に関する第2の情報とに基づいて生成された前記利用者へ提供する第3の情報を取得し、前記移動手段の位置と、前記待機場所とに関連付けて、表示装置における前記第3の情報の表示を制御する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、交通機関の利用者に対して利便性の高い情報を提供することができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態に係る通信システムの一例を示す図
【
図3】中継局が送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図
【
図4】制御装置へ送信される中継局通知情報のフォーマットの第1の例を示す図
【
図6】第1の例における表示画面のバリエーションを示す図
【
図7】一実施の形態の第1の例に係るバス無線装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図8】一実施の形態の第1の例に係る中継局の処理の流れを示すフローチャート
【
図9】一実施の形態の第1の例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図10】一実施の形態の第1の例に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図11】制御装置へ送信される中継局通知情報のフォーマットの第2の例を示す図
【
図13】第2の例における表示画面のバリエーションを示す図
【
図15】第3の例におけるバス通知情報のフォーマットの一例を示す図
【
図16】中継局が送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図
【
図19】一実施の形態の第3の例に係る中継局の処理の流れを示すフローチャート
【
図20】一実施の形態の第3の例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図21】一実施の形態の第3の例に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図23】第4の例におけるバス通知情報の例を示す図
【
図24】中継局が送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図
【
図26】一実施の形態の第4の例に係るバス無線装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図27】一実施の形態の第4の例に係る中継局の処理の流れを示すフローチャート
【
図28】一実施の形態の第4の例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図29】一実施の形態の第4の例に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャート
【
図30】一実施の形態に係るバス無線装置の構成例を示すブロック図
【
図31】一実施の形態に係る中継局の構成例を示すブロック図
【
図32】一実施の形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図
【
図33】一実施の形態に係る表示装置の構成例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(一実施の形態)
例えば、特許文献1には、バスと、バスの送信する情報を受信する中央制御装置と、バスの停留所に設置される表示装置とを備え、バスの車内状況を利用者に提供するバスロケーションシステムが記載されている。このシステムにおいて、バスは、空席があるか否かに関する空席状況情報を生成する車載生成手段と、空席状況情報を中央制御装置宛に無線で送信する車載送信手段とを備える。また、中央制御装置は、空席状況情報を受信する中央受信手段と、受信した空席状況情報に基づく指示情報を表示装置宛に送信する中央送信手段とを備え、表示装置は、中央制御装置からの指示情報に応じて、バスの空席状況を表示する表示手段を備えている。
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、バスの停留所にてバスを待つ人数を考慮していないため、バスの混雑状況を正確に予測することが困難である。
【0016】
また、定期券などを持たない人、例えば、現金及び/又は回数券で支払いする人、については、混雑状況の予測の対象とすることが困難である。
【0017】
本実施の形態では、バスの停留所(以下、「バス停」と記載)にてバスを待つ人数を考慮して、バスの混雑状況の予測精度を向上することによって、バスの利用者に対して利便性の高い情報を提供するシステムを提供する。
【0018】
<システムの例>
図1は、本実施の形態に係る通信システムの一例を示す図である。本実施の形態では、本実施の形態に係る通信システムが、路線バスに適用される例を説明する。なお、
図1には、バス停#1がスタート地点(始発地点)であり、バス停#2が少なくとも1つの経由地点であり、バス停#nがゴール地点(終着地点)である路線を走行するバスの例が示される。
【0019】
バスは、無線通信装置10を有する。以下、バスの無線通信装置は、「バス無線装置10」と記載する。
【0020】
また、バスは、バス内を撮影するカメラを有する。バスのカメラは、バス無線装置10と有線で接続され、例えば、バス内を撮影した画像をバス無線装置10へ出力する。なお、バスのカメラは、バス無線装置10と無線で接続されてもよい。
【0021】
バス無線装置10は、GPS測位によりバスの位置情報を取得する。
【0022】
バス無線装置10は、カメラから取得した画像に基づいて、バス内の混雑状況を推定する。例えば、バス無線装置10は、画像から人物の顔を抽出し、抽出した顔の数と、規定されたバスの乗車可能人数とに基づいて、バス内の混雑状況を推定する。ここで推定されるバス内の混雑状況は、バスの乗車可能人数に対する乗車中の人数の割合であってよい。
【0023】
或いは、バス無線装置10は、抽出した顔の位置と、規定されたバスの座席の位置とに基づいて、バス内の混雑状況(例えば、バスの座席の使用率)を推定してもよい。
【0024】
あるいは、バスの乗車人数が、バスに設けられた重量センサ等のセンサによって検出されてもよい。あるいは、バスの座席の利用の有無が、座席に設けられた重量センサ等のセンサによって検出されてもよい。
【0025】
センサとカメラとが併用されて、バスの乗車人数及び/又はバスの座席の利用の有無が検出されてもよい。
【0026】
バス停#1~バス停#nには、それぞれ、無線通信装置20が設けられる。以下では、バス停に設けられる無線通信装置20は、バス無線装置10と、後述する制御装置30との間の中継を行う「中継局20」と称される場合がある。また、バス停#i(iは1以上n以下の整数)に設けられる中継局20は、中継局20-iと記載される場合がある。
【0027】
表示装置40は、例えば、駅前、ショッピングモールといった多くの人が往来する箇所または多くの人が目にする場所などに設けられ、往来する人々が見ることができるディスプレイである。表示装置40は、例えば、サイネージの形態である。サイネージの形態を有する表示装置40は、例えば、自動販売機、広告の看板、周辺地図等を示す案内板等に備えられる。表示装置40には、制御装置30から取得したバスの運行状況に関する表示情報が表示される。バスの運行状況に関する表示情報には、バス内の混雑状況に関する情報(以下、「バス内混雑情報」)が含まれてよい。なお、表示装置40は、特定の人のみが目にするディスプレイ(例えば、家庭用のテレビ)の形態を有してもよい。
【0028】
制御装置30は、バス無線装置10と、中継局20と、表示装置40とを集中制御する。制御装置30は、中継局20と、無線で接続され、中継局20から情報を取得する。
【0029】
制御装置30が中継局20から取得する情報は、例えば、中継局20が通知する情報(以下、「中継局通知情報」)である。中継局通知情報には、バス無線装置10が中継局20へ送信した情報(以下、「バス通知情報」)が含まれる。中継局通知情報には、中継局20が設けられるバス停の混雑状況に関する情報(以下、「バス停混雑情報」)が含まれてよい。バス通知情報には、当該バスのバス運行情報、バス内混雑情報及びバスの位置情報が含まれてよい。
【0030】
図1では、例示的に、中継局20の間でシリアルに無線接続するネットワークである。例えば、中継局20-iは中継局20-(i+1)に情報を送信し、順に、情報が中継局20の間で転送され、中継局20-nが制御装置30へ情報を送信する。なお、制御装置30へ向かう方向の情報(信号)の流れは、上り方向(または、アップリンク(UL))と称され、制御装置30から離れる方向の情報の流れは、下り方向(または、ダウンリンク(DL))と称される場合がある。また、中継局20からバス無線装置10へ向かう情報(信号)の流れは、下り方向(または、DL)と称され、バス無線装置10から中継局20へ向かう情報(信号)の流れは、上り方向(または、UL)と称される場合がある。
【0031】
なお、1つの中継局20は、当該中継局20の通信範囲内を走行するバスのそれぞれのバス無線装置10から、バス通知情報を受信してもよい。
【0032】
また、バス通知情報は中継局20によって中継されなくてもよい。バス通知情報は、中継局20によって中継される代わりに、バス無線装置10から、直接、制御装置30へ送信されてもよい。
【0033】
次に、バス無線装置10、中継局20、及び、制御装置30の情報の通知の流れの例と、表示装置40の表示例について説明する。
【0034】
<第1の例>
バス無線装置10から中継局20に送信される通知情報(バス通知情報)の第1の例を示す。
【0035】
図2は、バス通知情報のフォーマットの一例を示す図である。
図2に示すバス通知情報のフォーマットは、バスIDフィールド、位置情報フィールド、及び、バス内混雑情報フィールドを含む。
【0036】
バスIDフィールドには、バスを識別する情報(識別情報(例えば、ID(Identification)))が含まれる。
【0037】
位置情報フィールドには、バスの位置情報が含まれる。例えば、バス無線装置10がGPS等を用いてバスの位置情報を取得する。
【0038】
バス内混雑情報フィールドには、バス内の混雑状況を示す情報(バス内混雑情報)が含まれる。バス内混雑情報は、例えば、バス内の乗車人数に基づいて決定される。例えば、バス内混雑情報は、バス内の乗車人数であってもよい。或いは、バス内混雑情報は、バス内の人数が閾値以上か否かを示す情報(例えば、1ビットで表される情報)であってもよい。
【0039】
バス無線装置10は、
図2に示すフォーマットを有するバス通知情報を、バス無線装置10と通信可能な中継局20へ送信する。
【0040】
次に、中継局20から送信される通知情報(中継局通知情報)の例を示す。中継局通知情報には、中継局20が設けられるバス停のバス停混雑情報と、中継局20がバス無線装置10から受信したバス通知情報とが含まれる。中継局20は、他の中継局20及び/又はバス無線装置10から受信した情報に基づいて、中継局通知情報を生成する。
【0041】
図3は、中継局20-1が送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図である。
図3に示す中継局通知情報のフォーマットは、
図3に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1混雑情報フィールドとを有する。
【0042】
バス通知情報のフォーマットの各フィールドには、所定の時間内に、中継局20-1がバス無線装置10から受信したバス通知情報の各フィールドの情報が含まれる。なお、
図3では、1つのバス通知情報のフォーマットのフィールドが含まれる例が示されるが、中継局20-1に対してバス通知情報を送信したバス無線装置10の数(バス通知情報の数)に応じて、フィールドの数を増やしてよい。例えば、中継局20-1が2つのバス無線装置10からバス通知情報を受信した場合、バス通知情報のフォーマットの2つのセットが、中継局通知情報のフォーマットに含まれる。また、中継局20-1がバス無線装置10からバス通知情報を受信しなかった場合、バス通知情報のフォーマットのフィールドが、中継局通知情報のフォーマットに含まれなくてよい。
【0043】
バス停#1混雑情報フィールドには、バス停#1の混雑状況を示す情報(バス停#1混雑情報)が含まれる。バス停#1混雑情報は、例えば、バス停#1にて待機している人数に基づいて決定される。例えば、バス停#1混雑情報は、バス停#1にて待機している人数であってもよい。あるいは、バス停#1混雑情報は、バス停#1にて待機している人数が閾値以上か否かを示す情報(例えば、1ビットで表される情報)であってもよい。
【0044】
バス停#1の中継局20-1は、
図3に示す中継局通知情報をバス停#2の中継局20-2へ送信する。
【0045】
中継局20-2は、中継局20―1から受信した中継局通知情報のフォーマット(
図3参照)に、バス停#2混雑情報フィールドを追加する。中継局20-2は、バス停#2混雑情報フィールドに、バス停#2の混雑状況を示す情報(バス停#2混雑情報)を設定する。バス停#2混雑情報の設定例は、バス停#1混雑情報と同様であってよい。
【0046】
なお、以下では、或る情報(例えば、第1の情報)のフォーマットに他の情報(例えば、第2の情報)フィールドを追加し、追加した第2の情報フィールドに第2の情報を設定することは、「第1の情報に第2の情報を追加する」と記載される。
【0047】
なお、中継局20-2は、バス無線装置10からバス通知情報を受信した場合、中継局20-1から受信した中継局通知情報に、バス通知情報を追加してよい。
【0048】
中継局20-2は、生成した中継局通知情報を、中継局20-3に送信する。中継局20-i(iは、3~n-1の整数)も、中継局20-2と同様に、中継局20―(i-1)から受信した中継局通知情報に、バス停#i混雑情報を追加する。そして、中継局20-iは、バス停#i混雑情報を追加した中継局通知情報を、中継局20-(i+1)へ送信する。
【0049】
なお、中継局20-iは、バス無線装置10からバス通知情報を受信した場合、中継局20-(i-1)から受信した中継局通知情報に、バス無線装置10から受信したバス通知情報を追加してよい。
【0050】
中継局20-nは、中継局20-(n-1)から受信した中継局通知情報に、バス停#n混雑情報を追加する。中継局20-nは、バス停#n混雑情報を追加した中継局通知情報を制御装置30へ送信する。
【0051】
図4は、制御装置30へ送信される中継局通知情報のフォーマットの第1の例を示す図である。
図4に示す中継局通知情報のフォーマットは、
図2に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1混雑情報フィールド~バス停#n混雑情報フィールドとを有する。
【0052】
図4のバス通知情報の各フィールドには、中継局20―1~中継局20―nの何れかが受信したバス通知情報が含まれる。
【0053】
図4のバス停#1混雑情報フィールド~バス停#n-1混雑情報フィールドは、中継局20-(n-1)から受信した中継局通知情報に含まれる情報のフィールドである。
【0054】
図4のバス停#n混雑情報フィールドには、バス停#nの混雑状況を示す情報(バス停#n混雑情報)が含まれる。バス停#n混雑情報の設定例は、バス停#1混雑情報と同様であってよい。
【0055】
制御装置30は、中継局20-nから中継局通知情報を受信する。制御装置30は、中継局通知情報に基づいて、表示装置40に表示する情報を決定し、表示装置40へ表示に関する情報を送信する。
【0056】
なお、上述の例では、中継局通知情報に、バス通知情報が含まれる例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、中継局20がバス無線装置10からバス通知情報を受信しない場合、中継局通知情報に、バス通知情報が含まれなくてもよい。中継局20がバス通知情報を受信しない場合とは、例えば、中継局20のカバーエリアに、バスがいなかった場合、及び/又は、バス無線装置10がバス通知情報を中継局20へ送信する代わりに、制御装置30へ送信する場合であってよい。
【0057】
例えば、走行中のバスの少なくとも一部のバス無線装置10が、中継局20にバス通知情報を送信し、残りのバス無線装置10が、制御装置30へバス通知情報を送信してもよい。例えば、バスの走行位置と、中継局20のカバーエリアと、制御装置30のカバーエリアとの関係に基づいて、バス通知情報の送信先が、決定されてよい。バス通知情報の送信先は、固定されてもよいし、動的に決定されてもよい。
【0058】
また、上述の例では、中継局20-1~中継局20-nの無線ネットワークが、シリアルに無線接続する例であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、中継局20の無線ネットワークは、分岐(枝分かれ)を含んでもよい。中継局20の無線ネットワークが分岐を含む場合でも、無線ネットワークの上り方向に情報が集約され、制御装置30と接続する中継局20が、集約された情報を制御装置30に送信してよ。また、情報を集約する中継局20は、2つ以上であってもよい。
【0059】
また、中継局通知情報において、バス通知情報と、バス停混雑情報とが対応づけられてもよい。例えば、バス停#m(mは1以上n以下の整数)を通過したバス(以下、「バスz」)のバス通知情報を含む中継局通知情報には、バスzが通過済のバス停に対応するバス停混雑情報、すなわち、バス停#1混雑情報~バス停#m混雑情報が含まれなくてもよい。この場合、中継局通知情報には、1つのバスのバス通知情報が含まれ、バス毎に、異なる中継局通知情報が制御装置30に通知されてよい。
【0060】
次に、表示装置40が表示する画面の一例について説明する。
【0061】
図5は、第1の例における表示画面の一例を示す図である。
図5には、テーブル形式にて、バスの混雑に関する情報が示される。
【0062】
図5のテーブルの各行が、それぞれ、運行中のバス1台に対応する。
図5のテーブルは、バス停#1がスタート地点(始発地点)であり、バス停#2が少なくとも1つの経由地点であり、バス停#nがゴール地点(終着地点)である路線を走行するバスの情報を示す。なお、
図5では、バス停#2と、バス停#nとの間のバス停の表示は省略されている。
【0063】
図5の「バスの位置」には、運行中のバスの位置が表示される。
図5の例では、番地aと、番地bと、番地xとに運行中のバスが存在する。「バスの位置」は、バス通知情報に含まれる位置情報に基づいて表示される。なお、
図5の例では、番地bと番地xとの間の区間で運行中のバスの情報は、省略される。
【0064】
図5の「バス内の混雑状況」には、対応するバスの混雑状況が表示される。例えば、混雑状況は、「○」又は「×」の2つのレベルで示される。例えば、バス内の人数が閾値以上である場合、「×」が表示され、バス内の人数が閾値未満である場合、「○」が表示される。「バス内の混雑状況」は、バス通知情報に含まれるバス内混雑情報に基づいて表示される。
【0065】
図5の「バス停#1の混雑状況」には、バス停#1の混雑状況が表示される。例えば、混雑状況は、「○」又は「×」の2つのレベルで示される。例えば、バス停#1にて待機している人数が閾値以上である場合、「×」が表示され、バス停#1にて待機している人数が閾値未満である場合、「○」が表示される。「バス停#1の混雑状況」は、バス停#1混雑情報に基づいて表示される。
【0066】
図5の「バス停#2の混雑状況」~「バス停#nの混雑状況」には、それぞれ、バス停#2~バス停#nの混雑状況が表示される。なお、表示される情報については、バス停#1と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
図5の場合、バスが通過した(または、停車した)バス停の表示態様が、バスがこれから停車する(または、停車する)バス停の表示態様と異なる。例えば、番地aに存在するバスは、少なくとも、バス停#1とバス停#2とを通過している。一方で、番地aに存在するバスは、バス停#nを通過していない。また、番地bに存在するバスは、少なくとも、バス停#1を通過している。一方で、番地bに存在するバスは、少なくともバス停#2とバス停#nとを通過していない。
【0068】
なお、
図5の例では、混雑状況が「○」と「×」の2つのレベルで示されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、混雑状況は、「○」と「×」の間のレベルを示す「△」を追加した3つのレベルで示されてもよいし、4つ以上のレベルで示されてもよい。また、記号を用いて混雑状況を表すレベルを示す例に限定されず、色、サイズといった表示態様を変えることによって、混雑状況を表すレベルを示してもよい。
【0069】
また、
図5において、バス停の混雑状況に基づいて補正したバス内の混雑状況が表示されてもよい。例えば、バス内の人数とバス停にて待機している人数との和に基づいて、バス内の混雑状況を補正し、補正後のバス内の混雑状況が追加で表示されてもよい。
【0070】
図6は、第1の例における表示画面のバリエーションを示す図である。
図6において、
図5と同様の表示例については、説明を省略する。
【0071】
図5では、「バス停#1の混雑状況」~「バス停#nの混雑状況」が表示されたのに対して、
図6では、「バス停#1の待ち人数/混雑状況」~「バス停#nの待ち人数/混雑状況」が表示される。
【0072】
図6の「バス停#1の待ち人数/混雑状況」には、バス停#1にてバスを待機している人数と、その人数から算出される混雑状況とが表示される。
図6の例では、バス停#1にてα人が待機していること、及び、混雑状況が「×」であることが示される。例えば、この例では、α人が混雑状況を判定する閾値以上の人数である。
【0073】
図6の「バス停#2の待ち人数/混雑状況」~「バス停#nの待ち人数/混雑状況」には、それぞれ、バス停#2~バス停#nの待ち人数および混雑状況が表示される。なお、表示される情報については、バス停#1と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
なお、
図6の例においても、
図5と同様に、バスが通過した(または、停車した)バス停の表示態様が、バスがこれから停車する(または、停車する)バス停の表示態様と異なる。
【0075】
<第1の例の処理の流れ>
以下、第1の例について、本実施の形態に係る通信システムに含まれるバス無線装置10、中継局20、制御装置30、及び、表示装置40のそれぞれの処理の流れを説明する。
【0076】
図7は、本実施の形態の第1の例に係るバス無線装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローは、バスのエンジンが起動した際に開始されてもよいし、規定された運行が開始される場合に、バスの運転士の操作によって開始されてもよい。また、
図7に示すフローは、規定された運行が終了した場合(例えば、終着地点に到達した場合)に、バスの運転士の操作によって終了されてもよい。
【0077】
バス無線装置10は、混雑状況を更新するタイミングか否かを判定する(S101)。混雑状況を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バスの車内の混雑状況の変化が所定レベル以上になったタイミングであってもよい。
【0078】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S101にてNO)、フローはS101へ戻る。
【0079】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S101にてYES)、バス無線装置10は、バス内の混雑状況を分析する(S102)。例えば、バス無線装置10は、バスの車内を撮影した画像の画像処理に基づいて、バス内に存在する人数を推定する。
【0080】
バス無線装置10は、バス内混雑情報を生成し、バス内混雑情報を含むバス通知情報を送信する(S103)。なお、バス無線装置10は、例えば、無線接続が確立された中継局20にバス通知情報を送信してもよいし、無線接続が確立された制御装置30にバス通知情報を送信してもよい。そして、フローは、S101へ戻る。
【0081】
図8は、本実施の形態の第1の例に係る中継局20の処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローは、中継局20が起動した際に開始されてもよいし、規定された時刻(例えば、バスの運行が開始される時刻)において開始されてもよい。また、
図8に示すフローは、規定された時刻(例えば、バスの運行が終了する時刻)において終了してもよい。
【0082】
中継局20は、バス無線装置10からのバス通知情報を受信する(S201)。
【0083】
中継局20は、バス停に設けられたカメラからカメラ画像を取得する(S202)。
【0084】
中継局20は、混雑状況を更新するタイミングか否かを判定する(S203)。混雑状況を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バス停の混雑状況の変化が所定レベル以上になったタイミングであってもよい。
【0085】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S203にてNO)、フローはS201へ戻る。
【0086】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S203にてYES)、中継局20は、カメラ画像に基づいて、バス停の混雑状況を分析する(S204)。
【0087】
中継局20は、バス停混雑情報を生成し、バス停混雑情報及びバス通知情報を含む中継局通知情報を生成する(S205)。
【0088】
中継局20は、中継局通知情報を制御装置30へ送信する(S206)。そして、フローは、S201へ戻る。
【0089】
図9は、本実施の形態の第1の例に係る制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すフローは、制御装置30が起動した際に開始されてもよいし、規定された時刻(例えば、バスの運行が開始される時刻)において開始されてもよい。また、
図9に示すフローは、規定された時刻(例えば、バスの運行が終了する時刻)において終了してもよい。
【0090】
制御装置30は、中継局20から、中継局通知情報を受信する(S301)。
【0091】
制御装置30は、混雑状況を更新するタイミングか否かを判定する(S302)。混雑状況を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バス及び/又はバス停の混雑状況の変化が所定レベル以上になったタイミングであってもよい。
【0092】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S302にてNO)、フローはS301へ戻る。
【0093】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S302にてYES)、制御装置30は、バス内の混雑状況を分析する(S303)。制御装置30は、複数のバスのそれぞれの混雑状況を分析してもよい。
【0094】
制御装置30は、バス停の混雑状況を分析する(S304)。制御装置30は、複数のバス停のそれぞれの混雑状況を分析してもよい。
【0095】
制御装置30は、バス停の混雑状況に基づいて、バス内の混雑状況を補正する(S305)。例えば、制御装置30は、バス内の人数とバス停にて待機している人数との和に基づいて、バス内の混雑状況を補正してもよい。
【0096】
制御装置30は、補正後の混雑状況を含む表示情報を表示装置40へ送信する(S306)。表示情報には、制御装置30が取得した中継局通知情報に含まれるバス内混雑情報、バス停混雑情報、バスの位置情報といった情報が含まれてよい。そして、フローは、S301へ戻る。
【0097】
なお、
図9では、制御装置30が、バス内の混雑状況の分析を行い、バス停の混雑状況の分析を行う例を示したが、
図7に示すように、バス無線装置10が、バス内の混雑状況を分析する場合、制御装置30は、バス内の混雑状況の分析を行わなくてもよい。また、
図8に示す様に、中継局20が、バス停の混雑状況を分析する場合、制御装置30は、バス停の混雑状況を分析しなくてもよい。
【0098】
図10は、本実施の形態の第1の例に係る表示装置40の処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すフローは、表示装置40が起動した際に開始されてもよいし、規定された時刻(例えば、バスの運行が開始される時刻、又は、表示装置40の利用が開始される時刻)において開始されてもよいし、表示装置40の管理者の操作によって開始されてもよい。また、
図10に示すフローは、表示装置40の起動が終了した際に終了してもよいし、規定された時刻(例えば、バスの運行が終了する時刻、または、表示装置40の利用が終了する時刻)において終了してもよいし、表示装置40の管理者の操作によって終了してもよい。あるいは、
図10に示すフローは、特定の開始タイミングにおいて開始され、特定の終了タイミングにおいて終了してよい。例えば、特定の開始タイミング及び特定の終了タイミングは、それぞれ、混雑する時間帯の開始タイミングおよび終了タイミングである。混雑する時間帯とは、例えば、通勤客が多い時間帯(例えば、通勤ラッシュの時間帯)、高齢者の乗車数が多い時間帯、及び、バスが運行する経路の周辺にてイベントなどが行われる時間帯の少なくとも1つである。
【0099】
表示装置40は、制御装置30から、表示情報を受信する(S401)。
【0100】
表示装置40は、混雑状況を更新するタイミングか否かを判定する(S402)。混雑状況を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バス及び/又はバス停の混雑状況の変化が所定レベル以上になったタイミングであってもよい。
【0101】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S402にてNO)、フローはS401へ戻る。
【0102】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S402にてYES)、表示装置40は、表示情報に基づいて、バスの現在位置を表示する(S403)。
【0103】
表示装置40は、表示情報に基づいて、バス内の混雑状況を表示する(S404)。表示されるバス内の混雑状況は、現在のバス内の混雑状況であってもよいし、補正後のバス内の混雑状況であってもよい。
【0104】
制御装置30は、表示情報に基づいて、バス停の混雑状況を表示する(S405)。そして、フローは、S401へ戻る。
【0105】
上記のように、バス無線装置10が送信するバス内混雑情報と、中継局20が送信するバス停混雑情報とに基づいて、制御装置30は、バスの経路における混雑状況を分析する。そして、制御装置30は、表示装置40に、分析結果を含む表示情報を送信することによって、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況の情報を提供できる。
【0106】
なお、上述した例では、バス内の混雑状況の補正が、制御装置30によって実行される例を示したが、バス内の混雑状況の補正は、制御装置30の代わりに、中継局20のそれぞれによって実行されてよい。
【0107】
<第2の例>
上記の第1の例では、中継局20は、中継局20が設置されたバス停のバス停混雑情報を含む中継局通知情報を送信したが、本開示はこれに限定されない。中継局20は、バス停混雑情報と異なる情報を含む中継局通知情報を送信してもよい。
【0108】
例えば、中継局20は、バス停混雑情報と、特定の人物に着目したバス停混雑情報とを含む中継局通知情報を送信してもよい。以下では、例示的に、高齢者に着目したバス停混雑情報(以下、バス停高齢者混雑情報)が、中継局通知情報に含まれる例を説明する。なお、以下では、特定の人物が高齢者である例を説明するが、特定の人物は高齢者に限定されない。例えば、特定の人物は、障がい者、妊婦、ベビーカーを有する人物といった他の人物のいずれか1以上であってもよい。
【0109】
図11は、制御装置30へ送信される中継局通知情報のフォーマットの第2の例を示す図である。
図11において、
図4と同様のフィールドについては、説明を省略する。
【0110】
図11に示す中継局通知情報のフォーマットは、
図4に示した中継局通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1高齢者混雑情報フィールド~バス停#n高齢者混雑情報フィールドとを有する。
【0111】
バス停#i高齢者混雑情報(iは、1以上n以下の整数)フィールドには、バス停#iの高齢者に着目した混雑状況を示す情報(バス停#i高齢者混雑情報)が含まれる。バス停#i高齢者混雑情報は、例えば、バス停#iにて待機している高齢者の人数に基づいて決定される。例えば、バス停#i高齢者混雑情報は、バス停#iにて待機している高齢者の人数である。また、例えば、バス停#i高齢者混雑情報は、バス停#iにて待機している高齢者の人数が閾値以上か否かを示す情報(例えば、1ビットで表される情報)である。
【0112】
なお、バス停#iにて待機している高齢者の決定方法は、特に限定されない。例えば、中継局20が、バス停#iにて待機している人物の年齢を、バス停#iにて待機している人物を撮影した画像に基づいて推定し、推定した年齢に応じて、バス停#iに待機している人物のそれぞれが高齢者であるか否かを決定してもよい。
【0113】
次に、中継局通知情報にバス停高齢者混雑情報が含まれる場合に、表示装置40に表示させる画面の一例について説明する。
【0114】
図12は、第2の例における表示画面の一例を示す図である。
【0115】
図12には、
図5と同様に、テーブル形式にて、バスの混雑に関する情報が示される。
図5と同様の表示内容については、説明を省略する。
【0116】
図5では「バス停#iの混雑状況」が1通りの形式で表示されたが、
図12では、「バス停#iの混雑状況」が、「全体」と「高齢者」とに区別されて表示される。
【0117】
図12の「バス停#iの混雑状況」の「全体」には、
図5の「バス停#iの混雑状況」と同様に、バス停#iの混雑状況が表示される。
【0118】
図12の「バス停#iの混雑状況」の「高齢者」には、バス停#iにおいて、高齢者に着目した場合の混雑状況が表示される。例えば、混雑状況は、「○」又は「×」の2つのレベルで示される。例えば、バス停#iにて待機している高齢者の人数が閾値以上である場合、「×」が表示され、バス停#iにて待機している高齢者の人数が閾値未満である場合、「○」が表示される。なお、バス停#iにて待機している高齢者の人数と比較される閾値は、バス停#iにて待機している人物の人数と比較される閾値と異なってよい。
【0119】
例えば、
図12のバス停#1では、バス停#1に待機する全体の人数は、閾値以上であるが、バス停#1に待機する高齢者の人数は、閾値未満である。
【0120】
図13は、第2の例における表示画面のバリエーションを示す図である。
図13において、
図6と同様の表示例については、説明を省略する。
【0121】
図6では「バス停#iの待ち人数/混雑状況」が1通りの形式で表示されたが、
図13では、「バス停#1の待ち人数/混雑状況」が、「全体」と「高齢者」とに区別されて表示される。
【0122】
図13の「バス停#iの待ち人数/混雑状況」の「全体」には、
図6の「バス停#iの待ち人数/混雑状況」と同様に、バス停#iにてバスを待機している人数と、その人数から算出される混雑状況とが示される。
【0123】
図13の「バス停#iの待ち人数/混雑状況」の「高齢者」には、バス停#iにおいて、高齢者に着目した場合のバスを待機している人数と、その人数から算出される混雑状況とが示される。
【0124】
例えば、
図13のバス停#1では、バス停#1に待機する全体の人数は、α人であり、α人は閾値以上の人数であるが、バス停#1に待機する高齢者の人数は、α
о人であり、α
о人は閾値未満である。
【0125】
<第2の例の処理の流れ>
以下、第2の例について、本実施の形態に係る通信システムに含まれるバス無線装置10、中継局20、制御装置30、及び、表示装置40のそれぞれの処理の流れを説明する。なお、以下では、処理の流れにおける第1の例と第2の例との相違点について説明し、共通点については説明を省略する場合がある。
【0126】
なお、第2の例におけるバス無線装置10の処理の流れについては、第1の例におけるバス無線装置10と同様であってよい。
【0127】
第2の例における中継局20の処理の流れについて、第1の例における中継局20の処理の流れを示す
図8を援用して説明する。
【0128】
第2の例における中継局20の処理の流れと、第1の例における中継局20の処理の流れとの相違点は、第2の例では、バス停の混雑状況の分析において、高齢者に着目した混雑状況の分析が追加される点である。
【0129】
例えば、第2の例では、
図8のS204において、中継局20は、カメラ画像に基づいて、バス停の全体の混雑状況を分析し、バス停の高齢者の混雑状況を分析する。
【0130】
そして、第2の例では、
図8のS205において、バス停高齢者混雑情報、バス停混雑情報及びバス通知情報を含む中継局通知情報を生成する。
【0131】
第2の例における制御装置30の処理の流れについて、第1の例における制御装置30の処理の流れを示す
図9を援用して説明する。
【0132】
第2の例における制御装置30の処理の流れと、第1の例における制御装置30の処理の流れとの相違点は、第2の例では、バス停の混雑状況の分析において、バス停高齢者混雑情報を考慮する点である。
【0133】
例えば、第2の例では、
図9のS305において、制御装置30は、バス停高齢者混雑情報に基づいて、バス停における、高齢者に着目した混雑を分析する。
【0134】
そして、第2の例では、
図9のS306において、制御装置30は、バス停の高齢者の混雑状況に基づいて、バス内の混雑状況を補正する。
【0135】
第2の例における表示装置40の処理の流れについて、第1の例における表示装置40の処理の流れを示す
図10を援用して説明する。
【0136】
第2の例における表示装置40の処理の流れと、第1の例における表示装置40の処理の流れとの相違点は、第2の例では、バス停高齢者混雑情報を考慮した表示を行う点である。
【0137】
例えば、第2の例では、
図10のS405において、表示装置40は、バス停高齢者混雑情報に基づいて、バス停における、高齢者の混雑状況を表示する。
【0138】
上記のように、バス無線装置10が送信するバス内混雑情報と、中継局20が送信するバス停混雑情報及びバス停高齢者混雑情報とに基づいて、制御装置30は、バスの経路における混雑状況を分析する。そして、制御装置30は、表示装置40に、分析結果を含む表示情報を送信することによって、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況の情報を提供できる。
【0139】
第2の例では、特定の人物に着目した混雑状況を分析し、表示することによって、特定の人物に対して適切な混雑状況の情報を提供できる。更に、特定の人物に着目した混雑状況を分析した結果を活用して、特定の人物が多く乗車する時間帯は、特定の人物以外の人物に対して、バスの利用をできるだけ避けることを要請することなどを行ってもよい。
【0140】
<第3の例>
第3の例では、バスの路線において、互いに行き先が異なる複数のバスが、同一のバス停に停車するケースを挙げる。別言すると、このケースでは、1つのバス停において待機する人物が、同一のバスに乗車せずに、互いに行き先が異なるバスに乗車する。第3の例では、1つのバス停における混雑状況が、行き先毎に区別される。
【0141】
図14は、第3の例における路線図の一例を示す図である。
図14には、行き先A、行き先B,及び、行き先Cと、それぞれの行き先のバスが停車するバス停とが示される。
【0142】
図14の例において、行き先Aのバス(以下、バスA)が停車し、他の行き先のバスが停車しないバス停#p(pは、nより大きい整数)では、バスAに乗車する人物が待機する。また、行き先Bのバス(以下、バスB)が停車し、他の行き先のバスが停車しないバス停#q(qは、nより大きい整数であり、pと異なる整数)では、バスBに乗車する人物が待機する。また、行き先Cのバス(以下、バスC)が停車し、他の行き先のバスが停車しないバス停#r(rは、nより大きい整数であり、p及びqと異なる整数)では、バスCに乗車する人物が待機する。
【0143】
一方で、
図14の例では、バスA、バスB、及び、バスCが停車するバス停#1~バス停#nでは、バスA、バスB、及び、バスCに乗車する人物が待機する。第3の例では、
図14のバス停#1~バス停#nのように、互いに行き先が異なるバスのいずれかに乗車する人物が1つのバス停に待機する場合に、行き先毎に区別した混雑状況を分析し、表示する例を説明する。
【0144】
図15は、第3の例におけるバス通知情報のフォーマットの一例を示す図である。
図15において、
図2と同様のフィールドについては、説明を省略する。
【0145】
図15に示すバス通知情報のフォーマットは、
図2に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、行き先情報フィールドとを有する。
【0146】
行き先情報フィールドには、バス通知情報を送信するバス無線装置10が搭載されるバスの行き先に関する情報が含まれる。
【0147】
バス無線装置10は、
図15に示すフォーマットを有するバス通知情報を、バス無線装置10と通信可能な中継局20へ送信する。
【0148】
バス通知情報を受信した中継局20は、受信したバス通知情報を含む中継局通知情報を送信する。
【0149】
中継局20が送信する中継局通知情報は、バス通知情報に行き先情報が追加される点を除いて、第1の例(例えば、
図3)に示した中継局通知情報と同様であってよい。
【0150】
図16は、中継局20-nが送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図である。
図16に示す中継局通知情報のフォーマットは、
図15に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1混雑情報フィールド~バス停#n混雑情報フィールドとを有する。
【0151】
図16と
図4との相違点は、
図16では、行き先情報フィールドが追加される点である。なお、複数のバス通知情報が含まれる場合、それぞれに対して、行き先情報フィールドが追加されてよい。
【0152】
行き先情報を含むバス通知情報と、バス停混雑情報とを受信した制御装置30は、バス停混雑情報と、乗車割合統計情報とに基づいて、各バス停において、行き先毎の混雑状況を推定する。乗車割合統計情報は、例えば、各バス停において乗車を待機する人数と、複数の行き先のバスのそれぞれに乗車する人数との比率(割合)を示す。以下では、
図14のケースにおける、乗車割合統計情報について説明する。
【0153】
図17は、乗車割合統計情報の一例を示す図である。
図17には、
図14のバス停#nにおける乗車割合統計情報が示される。
【0154】
図17は、バス停#nにて待機する人数の中で、行き先A、行き先B、及び、行き先Cのそれぞれのバスに乗車する人数の割合を、時間帯、曜日、特定の時期(夏期休暇、及び、冬期休暇)に区別して示す。例えば、乗車割合統計情報は、過去の乗車履歴の統計データに基づいて、規定されてよい。バス停#nにおける乗車割合統計情報は、例えば、過去の1年間以上の期間において、バス停#nにて、行き先A、行き先B、及び、行き先Cのそれぞれのバスに乗車した人数の割合の統計データを、時間帯、曜日、特定の時期等に分類することによって決定されてよい。また、乗車割合統計情報は、バス停毎に異なってもよい。
【0155】
例えば、制御装置30が、月曜の時間帯#1において、バス停混雑情報と、
図17に示す乗車割合統計情報とに基づいて、バス停#nにおいて、行き先毎の混雑状況を推定する例を説明する。
【0156】
図17の例では、月曜の時間帯#1では、バス停#nにて待機する人物のa1%が、行き先Aのバスに乗車する。月曜の時間帯#1では、バス停#nにて待機する人物のaa1%が、行き先Bのバスに乗車する。月曜の時間帯#1では、バス停#nにて待機する人物のaaa1%が、行き先Cのバスに乗車する。そのため、例えば、バス停#n混雑情報が、バス停#nにおいて待機している人数がX人であることを示す場合、制御装置30は、X人のうち、a1%の人数が行き先Aのバスに乗車し、aa1%の人数が行き先Bのバスに乗車し、aaa1%の人数が行き先Cのバスに乗車する、と推定する。制御装置30は、このような推定結果に基づいて、表示装置30に表示させる情報を生成する。
【0157】
次に、第3の例において、表示装置40に表示させる画面の一例について説明する。
【0158】
図18は、第3の例における表示画面の一例を示す図である。
【0159】
図18には、
図5と同様に、テーブル形式にて、バスの混雑に関する情報が示される。
図18において、
図5と同様の表示内容については、説明を省略する。
【0160】
図18では、行き先毎に、バスの混雑に関する情報が示される。
【0161】
例えば、「バスの位置」には、運行中のバスの位置が表示される。ここで、
図18の例の場合、バス通知情報の位置情報と行き先情報とに基づいて、バスの位置が、行き先毎に区別して表示される。例えば、番地aに存在するバスのバス無線装置10が送信したバス通知情報には、バスの位置が番地aであることを示す位置情報と、行き先がAであることを示す行き先情報とが含まれる。そのため、
図18の例では、番地aに行き先Aのバスが存在することが表示される。
【0162】
図18の「バス内の混雑状況」には、対応するバスの混雑状況が表示される。
【0163】
「バス停#i混雑状況」には、バス停#iの混雑状況が表示される。ここで、
図18の例の場合、行き先毎にバス停#iの混雑状況が表示される。なお、行き先毎のバス停#iの混雑状況は、制御装置30がバス停混雑情報と乗車割合統計情報とに基づいて推定した混雑状況であってよい。
【0164】
なお、
図18の例において、
図6等と同様に、各バス停にてバスを待機している人数(総数)が表示されてもよい。また、この場合、行き先毎に、待機している人数の予測値が表示されてもよい。
【0165】
なお、
図18の例では、行き先A、行き先B、及び、行き先Cのバスのそれぞれが停車するバス停#1~バス停#nの混雑状況が表示されるが、本開示はこれに限定されない。行き先A、行き先B、及び、行き先Cのバスの何れかが停車するバス停(例えば、
図14におけるバス停#p、バス停#q、バス停#r)の混雑状況が表示されてもよい。この場合、当該バス停に停車しないバスに対応する表示は、空欄であってもよい。あるいは、高齢者が利用する頻度が多い行き先のバスの混雑状況を表示し、他のバス(例えば、高齢者が利用する頻度が少ない行き先のバス)に対応する表示は、空欄であってもよい。
【0166】
<第3の例の処理の流れ>
以下、第3の例について、本実施の形態に係る通信システムに含まれるバス無線装置10、中継局20、制御装置30、及び、表示装置40のそれぞれの処理の流れを説明する。なお、以下では、処理の流れにおける第1の例と第3の例との相違点について説明し、共通点については説明を省略する場合がある。
【0167】
第3の例におけるバス無線装置10の処理の流れについては、第1の例におけるバス無線装置1と同様であってよい。
【0168】
図19は、本実施の形態の第3の例に係る中継局20の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図19において、
図8と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0169】
第3の例では、混雑状況を更新するタイミングである場合(S203にてYES)、中継局20は、カメラ画像に基づいて、行き先毎のバス停の混雑状況を分析する(S601)。
【0170】
中継局20は、行き先毎のバス停混雑情報を生成し、バス停混雑情報を含む中継局通知情報を生成する(S602)。なお、中継局通知情報には、バス通知情報が含まれてもよい。そして、中継局20は、中継局通知情報を制御装置30へ送信する(S206)。
【0171】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S203にてNO)、または、中継局通知情報を送信した後(S206の後)、中継局20は、統計情報を更新するタイミングか否かを判定する(S603)。統計情報を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バスがバス停から出発した後のタイミングであってもよいし、統計情報とバス停での検出結果(例えば、実際に乗車した人数の割合)との差の大きさが所定値以上になったタイミングであってもよい。
【0172】
統計情報を更新するタイミングではない場合(S603にてNO)、フローはS201へ戻る。
【0173】
統計情報を更新するタイミングである場合(S603にてYES)、中継局20は、カメラ画像に基づいて、行き先毎の乗車割合の統計情報を更新する(S604)。例えば、中継局20は、行き先Aのバスが到着する前にバス停に待機している人数と、バス停に到着した行き先Aのバスへの乗車が終わった後にバス停に残っている人数との差を算出することによって、行き先Aのバスに乗車した人数を検出する。中継局20は、行き先毎に、バスに乗車した人数を検出し、検出結果に基づいて乗車割合を算出することによって、統計情報を更新してよい。そして、フローは、S201へ戻る。
【0174】
なお、
図19では、中継局20において、行き先毎にバス停の混雑状況を分析する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、制御装置30において、行き先毎にバス停の混雑状況を分析してもよい。この場合、
図19のS601及びS602は、それぞれ、
図8のS204及びS205に置き換えられてよい。
【0175】
図20は、本実施の形態の第3の例に係る制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図20において、
図9と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図20は、例示的に、行き先Aと行き先Bの2つの行き先のバスと、2つの行き先のバスが停車するバス停とに対する混雑状況の分析の例を示す。なお、行き先は3つ以上であってもよい。
【0176】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S302にてYES)、制御装置30は、混雑状況を更新する対象が行き先Bのバスか否かを判定する(S701)。
【0177】
混雑状況を更新する対象が行き先Bのバスである場合(S701にてYES)、制御装置30は、行き先Bのバスのバス内の混雑状況を分析する(S702)。
【0178】
制御装置30は、バス停の混雑状況を分析する(S703)。ここで、制御装置30は、統計情報に基づいて、行き先Bのバスに乗車する人数を算出してもよい。
【0179】
制御装置30は、行き先Bを対象としたバス停の混雑状況(例えば、行き先Bのバスに乗車する人数)に基づいて、行き先Bのバス内の混雑状況を補正する(S704)。例えば、制御装置30は、行き先Bのバス内の人数とバス停にて行き先Bへの乗車を待機している人数との和に基づいて、バス内の混雑状況を補正してもよい。
【0180】
制御装置30は、補正後の混雑状況を含む表示情報を表示装置40へ送信する(S705)。そして、フローは、S301へ戻る。
【0181】
混雑状況を更新する対象が行き先Bのバスではない場合(S701にてNO)、すなわち、混雑状況を更新する対象が行き先Aのバスである場合、制御装置30は、行き先Aのバスのバス内の混雑状況を分析する(S706)。
【0182】
制御装置30は、バス停の混雑状況を分析する(S707)。ここで、制御装置30は、統計情報に基づいて、行き先Aのバスに乗車する人数を算出してもよい。
【0183】
制御装置30は、行き先Aを対象としたバス停の混雑状況(例えば、行き先Aのバスに乗車する人数)に基づいて、行き先Aのバス内の混雑状況を補正する(S708)。
【0184】
制御装置30は、補正後の混雑状況を含む表示情報を表示装置40へ送信する(S709)。そして、フローは、S301へ戻る。
【0185】
図21は、本実施の形態の第3の例に係る表示装置40の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図21において、
図10と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図21は、
図20と同様に、例示的に、行き先Aと行き先Bの2つの行き先のバスと、2つの行き先のバスが停車するバス停とに対する混雑状況の分析の例を示す。なお、本開示において、行き先は3つ以上であってもよい。
【0186】
混雑状況を更新するタイミングである場合(S402にてYES)、表示装置40は、受信した表示情報が行き先Bのバスの表示情報か否かを判定する(S801)。
【0187】
受信した表示情報が行き先Bのバスの表示情報である場合(S801にてYES)、表示装置40は、行き先Bのバスの現在位置を表示する(S802)。
【0188】
表示装置40は、行き先Bのバスのバス内の混雑状況を表示する(S803)。
【0189】
表示装置40は、行き先Bを対象としたバス停の混雑状況(例えば、行き先Bのバスに乗車する人数)を表示する(S804)。そして、フローは、S401へ戻る。
【0190】
受信した表示情報が行き先Bのバスの表示情報ではない場合(S801にてNO)、すなわち、受信した表示情報が行き先Aのバスの表示情報である場合、表示装置40は、行き先Aのバスの現在位置を表示する(S805)。
【0191】
表示装置40は、行き先Aのバスのバス内の混雑状況を表示する(S806)。
【0192】
表示装置40は、行き先Aを対象としたバス停の混雑状況(例えば、行き先Aのバスに乗車する人数)を表示する(S807)。そして、フローは、S401へ戻る。
【0193】
上記のように、バス無線装置10が送信するバス内混雑情報と、中継局20が送信するバス停混雑情報とに基づいて、制御装置30は、バスの経路における混雑状況を分析する。そして、制御装置30は、表示装置40に、分析結果を含む表示情報を送信することによって、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況を提供できる。
【0194】
また、第3の例では、互いに行き先が異なる複数のバスが、同一のバス停に停車する場合に、行き先毎に混雑状況を分析し、分析結果を含む表示情報を送信する。そのため、このような場合であっても、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況を提供できる。
【0195】
<第4の例>
第4の例では、バス停に停車したバスから下車する人数を考慮した混雑状況を表示する。
【0196】
第4の例では、バス無線装置10が、バス内混雑情報と下車割合統計情報とに基づいて、各バス停において、下車人数を考慮した混雑状況を推定する。下車割合統計情報は、例えば、乗車している人数と、各バス停にて下車する人数との比率(割合)を示す。
【0197】
図22は、下車割合統計情報の一例を示す図である。
図22には、バス停#1~バス停#nのそれぞれにおける下車割合統計情報が示される。
【0198】
図22は、バスに乗車している人数の中で、バス停#1~バス停#nのそれぞれのバス停に下車する人数の割合を、時間帯、曜日、特定の時期(例えば、夏休み及び冬休み)に区別して示す。例えば、下車割合統計情報は、過去の乗車履歴の統計データに基づいて、規定されてよい。バス停#nにおける下車割合統計情報は、例えば、過去の1年間以上の期間において、バス停#nにて、バスから下車した人数の割合の統計データを、時間帯、曜日、特定の時期等に分類することによって決定されてよい。
【0199】
例えば、バス無線装置10が、月曜の時間帯#1において、バス停混雑情報と、
図22に示す下車割合統計情報とに基づいて、各バス停において、下車人数を考慮した混雑状況を推定する例を説明する。
【0200】
図22の例では、月曜の時間帯#1では、バスに乗車している人数のa1%が、バス停#1にて下車すると推定される人数である。月曜の時間帯#1では、バスに乗車している人数のaa1%が、バス停#2にて下車すると推定される人数である。月曜の時間帯#1では、バスに乗車している人数のaa1%が、バス停#nにて下車すると推定される人数である。そのため、例えば、バス無線装置10が、バス停#1に到着する前のバスに乗車している人数がX人であると推定した場合、X人のうち、a1%の人数がバス停#1にて下車する、と推定する。同様に、バス無線装置10が、バス停#2に到着する前のバスに乗車している人数がX人であると推定した場合、X人のうち、aa1%の人数がバス停#2にて下車する、と推定する。また、例えば、バス無線装置10が、バス停#nに到着する前のバスに乗車している人数がX人であると推定した場合、X人のうち、aaa1%の人数がバス停#nにて下車する、と推定する。
【0201】
なお、上記の例では、バス無線装置10が、バス停#1~バス停#nのそれぞれにおいて下車する人数を推定するとしたが、本開示はこれに限定されない。
【0202】
例えば、バスxに搭載されたバス無線装置10は、バスxが通過したバス停において下車する人数を推定しなくてよい。
【0203】
また、例えば、バスxが次にバス停#k(kは、例えば、1以上の整数)に停車する場合、バスxに搭載されたバス無線装置10は、バス停#kにおいて下車する人数を推定し、バス停#k以外のバス停において下車する人数を推定しなくてよい。
【0204】
また、例えば、バスxが次にバス停#kに停車する場合、バスxに搭載されたバス無線装置10は、バス停#k、バス停#k+1、・・・、バス停#k+m(mは、1以上の整数であり、k+mはn以下の整数)において下車する人数を推定し、これらのバス停以外のバス停において下車する人数を推定しなくてよい。
【0205】
バス無線装置10は、この推定結果を含むバス通知情報を送信する。
【0206】
図23は、第4の例におけるバス通知情報の例を示す図である。
図23において、
図2と同様のフィールドについては、説明を省略する。
【0207】
図23に示すバス通知情報のフォーマットは、
図2に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1下車情報~バス停#n下車情報フィールドとを有する。
【0208】
バス停#i下車情報フィールド(iは、1以上n以下の整数)には、バス無線装置10が推定したバス停#iにて下車する推定人数を示す情報が含まれる。
【0209】
なお、
図23では、バス停#1下車情報~バス停#n下車情報を含むバス通知情報の例を示すが、本開示は、これに限定されない。例えば、バス無線装置10が、バス停#1~バス停#nの一部において下車する人数を推定する場合、推定対象ではないバス停のバス停下車情報がバス通知情報に含まれなくてよい。
【0210】
バス無線装置10は、
図23に示すフォーマットを有するバス通知情報を、バス無線装置10と通信可能な中継局20へ送信する。
【0211】
バス通知情報を受信した中継局20は、受信したバス通知情報を含む中継局通知情報を送信する。
【0212】
中継局20が送信する中継局通知情報は、バス通知情報にバス停下車情報が追加される点を除いて、第1の例(例えば、
図4)に示した中継局通知情報と同様であってよい。
【0213】
図24は、中継局20-nが送信する中継局通知情報のフォーマットの一例を示す図である。
図24に示す中継局通知情報のフォーマットは、
図23に示したバス通知情報のフォーマットの各フィールドと、バス停#1混雑情報フィールド~バス停#n混雑情報フィールドとを有する。
【0214】
図24と
図4との相違点は、
図24では、バス停下車情報フィールドが追加される点である。なお、複数のバス通知情報が含まれる場合、それぞれに対して、バス停下車情報フィールドが追加されてよい。
【0215】
例えば、バス#eとバス#fとのそれぞれのバス通知情報が含まれる場合、バス#eのバス通知情報には、バス#eのバス無線装置10が推定したバス停#1下車情報~バス停#n下車情報と、バス#fのバス無線装置10が推定したバス停#1下車情報~バス停#n下車情報とが含まれてよい。
【0216】
次に、第4の例において、表示装置40に表示させる画面の一例について説明する。
【0217】
図25は、第4の例における表示画面の一例を示す図である。
【0218】
図25には、
図5と同様に、テーブル形式にて、バスの混雑に関する情報が示される。
図25において、
図5と同様の表示内容については、説明を省略する。
【0219】
図5では「バス停#iの混雑状況」が1通りの形式で表示されたが、
図25では、「バス停#iの混雑状況」が、「下車人数未考慮」と「下車人数考慮」とに区別されて表示される。
【0220】
図25の「バス停#iの混雑状況」の「下車人数未考慮」には、
図5の「バス停#iの混雑状況」と同様に、バス停#iの混雑状況が表示される。
【0221】
図25の「バス停#iの混雑状況」の「下車人数考慮」には、下車人数を考慮したバス停#iの混雑状況が表示される。この項目には、「下車人数」が表示される。なお、下車人数は、バス停下車情報に基づいて決定される。
【0222】
例えば、番地aに存在するバスのバス無線装置10が送信したバス通知情報が、バス停#1において下車人数がα
0人であることを示すバス停#1下車情報を含む場合、
図25に示すように、番地aに存在するバスに対応する「バス停#1の混雑状況」の「下車人数」には、「α
0人」が表示される。また、この場合、バス内の混雑状況と、下車人数と、バス停#1の混雑状況とに基づいて、「バス停#iの混雑状況」の「下車人数考慮」の表示が決定される。例えば、バス停#iにて待機する人数から下車人数を引いた数が閾値以上である場合、「×」が表示され、バス停#iにて待機する人数から下車人数を引いた数が閾値未満である場合、「〇」が表示される。
【0223】
<第4の例の処理の流れ>
以下、第4の例について、本実施の形態に係る通信システムに含まれるバス無線装置10、中継局20、制御装置30、及び、表示装置40のそれぞれの処理の流れを説明する。なお、以下では、処理の流れにおける第1の例と第4の例との相違点について説明し、共通点については説明を省略する場合がある。
【0224】
図26は、本実施の形態の第4の例に係るバス無線装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図26において、
図7と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0225】
第4の例では、バス無線装置10は、バス内の混雑状況を分析した後(S102の後)、下車割合統計情報に基づいて、バス停毎の下車人数を推定する(S901)。
【0226】
バス無線装置10は、推定したバス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する(S902)。
【0227】
バス無線装置10は、補正後の混雑状況を示すバス内混雑情報を生成し、バス内混雑情報を含むバス通知情報を送信する(S903)。
【0228】
混雑状況を更新するタイミングではない場合(S101にてNO)、または、バス通知情報を送信した後(S903の後)、バス無線装置10は、統計情報を更新するタイミングか否かを判定する(S904)。統計情報を更新するタイミングは、例えば、周期的なタイミングであってもよいし、バスがバス停から出発した後のタイミングであってもよいし、統計情報とバス停での検出結果(例えば、実際に下車した人数の割合)との差の大きさが所定値以上になったタイミングであってもよい。
【0229】
統計情報を更新するタイミングではない場合(S904にてNO)、フローはS101へ戻る。
【0230】
統計情報を更新するタイミングである場合(S904にてYES)、バス無線装置10は、カメラ画像に基づいて、バス停毎の下車割合の統計情報を更新する(S905)。例えば、バス無線装置10は、バス停#iにバスが到着する前にバスに乗車している人数及びバス停#iにてバスを待機している人数と、バス停#iにてバスへの乗車が終わった後にバスに乗車している人数及びバス停#iにてバスを待機している人数とに基づいて、バス停#iにてバスから下車した人数を検出する。例えば、バスが到着する前にバス停に待機している人数とバスが出発した後にバス停に待機している人数との差に基づいて、到着したバスに乗車した人数が推定され、バス停に到着する前のバス内の人数とバス停から出発した後のバス内の人数との差に基づいて、バスに乗車した人数と下車した人数との差が推定される。そして、これらの推定結果から、当該バス停において下車した人数が推定されてよい。バス無線装置10は、バス停毎に、バスから下車した人数を検出し、検出結果に基づいて下車割合を算出することによって、統計情報を更新してよい。そして、フローは、S101へ戻る。
【0231】
なお、
図26では、S902にて、バス無線装置10が、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、中継局20及び制御装置30の何れかが、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する場合、S902の処理は省略されてよい。
【0232】
図27は、本実施の形態の第4の例に係る中継局20の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図27において、
図8と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0233】
中継局20は、カメラ画像に基づいて、バス停の混雑状況を分析した後(S204の後)、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する(S1001)。バス停毎の下車人数に関する情報は、例えば、バス通知情報に含まれてよい。
【0234】
中継局20は、補正後のバス内の混雑状況に関するバス停混雑情報を生成し、バス停混雑情報及びバス通知情報を含む中継局通知情報を生成する(S1002)。
【0235】
中継局20は、中継局通知情報を制御装置30へ送信する(S1003)。そして、フローは、S201へ戻る。
【0236】
なお、
図27では、S1001にて、中継局20が、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、バス無線装置10及び制御装置30の何れかが、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する場合、S1001の処理は省略されてよい。
【0237】
図28は、本実施の形態の第4の例に係る制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図28において、
図9と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0238】
制御装置30は、バス停の混雑状況に基づいて、バス内の混雑状況を補正した後(S305の後)、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する(S1101)。バス停毎の下車人数に関する情報は、例えば、中継局通知情報に含まれてよい。
【0239】
制御装置30は、補正後の混雑状況を含む表示情報を表示装置40へ送信する(S306)。そして、フローは、S301へ戻る。
【0240】
なお、
図28では、S1101にて、制御装置30が、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、バス無線装置10及び中継局20の何れかが、バス停毎の下車人数を考慮して、バス内の混雑状況を補正する場合、S1101の処理は省略されてよい。
【0241】
図29は、本実施の形態の第4の例に係る表示装置40の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図29において、
図10と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0242】
制御装置30は、バス停の混雑状況を表示した後(S405の後)、バス停毎の下車人数を表示する(S1201)。なお、バス停毎の下車人数に関する情報は、表示情報に含まれてよい。そして、フローは、S401へ戻る。
【0243】
上記のように、バス無線装置10が送信するバス内混雑情報と、中継局20が送信するバス停混雑情報とに基づいて、制御装置30は、バスの経路における混雑状況を分析する。そして、制御装置30は、表示装置40に、分析結果を含む表示情報を送信することによって、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況を提供できる。
【0244】
また、第4の例では、バス停毎の下車人数を推定し、推定結果に基づいて混雑状況を補正し、表示装置40に、下車人数を含む情報を表示させる。そのため、表示装置40は、バスの利用者に対して適切な混雑状況を提供できる。
【0245】
なお、上記の各例において、バス無線装置10、中継局20は、上り方向にて受信した情報の一部を省略して、上り方向に送信する情報を生成してもよい。例えば、中継局20-iは、バス停#iにて待機している人数とバス内混雑情報が示すバスの乗車人数との和が閾値よりも小さい場合、バスの位置情報を上り方向に送信してもよい。バス停#iにて待機している人数とバス内混雑情報が示すバスの乗車人数との和が閾値よりも小さい場合とは、バス停にて待機している人数を考慮しても十分に座席が空いている場合である。例えば、この場合、表示情報には、当該バスが「十分な空きあり」であることを示す情報が含まれ、表示装置40には、当該情報に基づいて、当該バスが「十分な空きあり」である旨が表示されてよい。
【0246】
また、上記の各例において、バス内の座席が十分に空いている場合でも、バス無線装置10はバス内混雑情報を含むバス通知情報を中継局20へ通知する一方で、中継局20は、バス内混雑情報を含まず、バスの位置情報を含む中継局通知情報を制御装置30(または、上り方向の中継局)に送信してもよい。
【0247】
また、上記の各例の一部または全ては、組み合わせて用いられてもよい。例えば、第2の例に示すように、特定の人物と特定の人物以外とを区別した混雑状況と、第3の例に示すように、行き先毎に区別した混雑状況と、第4の例に示すように、下車人数を考慮した混雑状況とを含む表示情報が表示装置40に表示されてもよい。
【0248】
<通信システムの各構成の例>
上述した本実施の形態に係る通信システムの各構成の例を説明する。本実施の形態に係る通信システムは、
図30に示すバス無線装置10と、
図31に示す中継局20と、
図32に示す制御装置30と、
図33に示す表示装置40とを含む。本実施の形態に係る無線通信方式(無線通信システム)は、特に限定されない。例えば、本実施の形態に係る無線通信方式は、5th generation mobile communication system(5G)の規格に準拠してもよいし、他の無線通信規格に準拠してもよい。また、本実施の形態において、バス無線装置10と中継局20との間の無線通信方式、中継局20と制御装置30との間の無線通信方式、及び、制御装置30と表示装置40との間の無線通信方式の中に、異なる無線通信方式が含まれてもよい。
【0249】
なお、以下に示す構成は一例であり、本開示はこれに限定されない。
図30~
図33に示される構成の一部が省略されてもよいし、各図に示されない構成が追加されてもよい。
【0250】
<バス無線装置の構成>
図30は、本実施の形態に係るバス無線装置10の構成例を示すブロック図である。バス無線装置10は、受信部101と、受信制御部102と、混雑状況判定部103と、混雑状況補正部104と、混雑情報生成部105と、送信制御部106と、送信部107と、を備える。受信制御部102と、混雑状況判定部103と、混雑状況補正部104と、混雑情報生成部105と、送信制御部106とは、バス無線装置10の制御部108に含まれてもよい。
【0251】
なお、
図30に示す構成において、一部の構成の機能は、中継局20、制御装置30の何れかに含まれてもよい。この場合、バス無線装置10では、当該構成は、省略されてもよい。
【0252】
受信部101は、受信制御部102におけるタイミング制御に基づいて、バス無線装置10宛の下りリンク(DL)信号を受信する。受信部101は、DL信号を受信制御部102へ出力する。DL信号には、例えば、後述する下車人数に関する統計情報、データ及び/又は制御情報(DL制御情報)が含まれる。
【0253】
受信制御部102は、受信部101における受信タイミングを制御する。また、受信制御部102は、DL信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0254】
受信制御部102は、所定の受信処理を施したDL信号から、下車人数に関する統計情報、受信データ及び/又はDL制御情報を抽出する。受信制御部102は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(
図30では省略)へ出力する。受信制御部102は、下車人数に関する情報を抽出した場合、抽出した情報を混雑状況補正部104へ出力する。
【0255】
混雑状況判定部103は、バスの車内を撮影するカメラからのカメラ画像、及び、バスの車内に設けられた人感センサ、重量センサといったセンサから取得するセンサデータの少なくとも1つに基づいて、バスの車内の混雑状況を判定する。例えば、混雑状況判定部103は、バスの車内に存在する乗車人数を判定してもよいし、バスの車内の座席に着席する乗車人数を判定してもよいし、バスの車内に存在する人物の重量を判定してもよい。混雑状況判定部103は、乗車人数(又は重量)を、混雑状況補正部104へ出力する。
【0256】
混雑状況補正部104は、混雑状況に関する情報を補正する。例えば、混雑状況補正部104は、下車人数に関する統計情報に基づいて、乗車人数(又は重量)を補正する。例えば、混雑状況補正部104は、乗車人数(又は重量)からバス停にて下車する人数を推定し、乗車人数から下車人数を差し引くことによって、当該バス停での混雑状況を決定する。混雑状況補正部104は、補正後の混雑状況に関する情報と、補正前の混雑状況に関する情報とを、混雑情報生成部105へ出力する。
【0257】
混雑情報生成部105は、バス車内の混雑状況に関する情報を生成する。例えば、混雑情報生成部105は、上述したバス通知情報のフォーマットに基づいて、混雑情報、及び、バスの位置情報を含むバス通知情報を生成する。混雑情報生成部105は、生成したバス通知情報を送信制御部106へ出力する。
【0258】
送信制御部106は、バス通知情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、データ処理部(
図30では省略)から取得する送信データ及び/又は中継局20へ送信する制御情報(UL制御情報)の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、通知情報、送信データ、及び、UL制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、UL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0259】
送信部107は、送信制御部106における送信タイミング制御に基づいて、中継局20に対してUL信号を送信する。
【0260】
<中継局の構成>
図31は、本実施の形態に係る中継局20の構成例を示すブロック図である。中継局20は、受信部201と、受信制御部202と、混雑状況判定部203と、混雑状況補正部204と、混雑情報生成部205と、送信制御部206と、送信部207と、を備える。受信制御部202と、混雑状況判定部203と、混雑状況補正部204と、混雑情報生成部205と、送信制御部206とは、中継局20の制御部208に含まれてもよい。
【0261】
なお、
図31に示す構成において、一部の構成の機能は、バス無線装置10、制御装置30の何れかに含まれてもよい。この場合、中継局20では、当該構成は、省略されてもよい。
【0262】
受信部201は、受信制御部202におけるタイミング制御に基づいて、中継局20宛の信号を受信する。中継局20宛の信号は、バス無線装置10が送信したUL信号、及び、制御装置30が送信したDL信号の少なくとも1つであってもよい。受信部201は、中継局20宛の信号を受信制御部202へ出力する。
【0263】
受信制御部202は、受信部201における受信タイミングを制御する。また、受信制御部202は、中継局20宛の信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0264】
受信制御部202は、所定の受信処理を施した信号から、バス無線装置10が送信したバス通知情報、受信データ及び/又は制御情報を抽出する。受信制御部202は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(
図31では省略)へ出力する。また、受信制御部202は、バス通知情報を混雑状況判定部203へ出力する。
【0265】
混雑状況判定部203は、バス停を撮影するカメラからのカメラ画像、及び、バス停に設けられた人感センサ、重量センサといったセンサから取得するセンサデータの少なくとも1つに基づいて、バス停の混雑状況を判定する。例えば、混雑状況判定部203は、バス停にて、バスを待機する人数(待機人数)を判定してもよい。混雑状況判定部203は、待機人数を、混雑状況補正部204へ出力する。
【0266】
混雑状況補正部204は、混雑状況に関する情報を補正する。例えば、中継局20が設けられたバス停に、複数の互いに異なる行き先のバスが到着する場合、混雑状況補正部204は、行き先毎の乗車人数に関する統計情報に基づいて、待機人数を補正する。例えば、混雑状況補正部204は、待機人数から、行き先毎の乗車人数を推定する。混雑状況補正部204は、補正後の混雑状況に関する情報と、補正前の混雑状況に関する情報とを、混雑情報生成部205へ出力する。
【0267】
混雑情報生成部205は、バス停の混雑状況に関する情報を生成する。例えば、混雑情報生成部205は、上述した中継局通知情報のフォーマットに基づいて、バス停の混雑情報、及び、バス無線装置10から取得したバス通知情報を含む中継局通知情報を生成する。混雑情報生成部205は、生成した中継局通知情報を送信制御部206へ出力する。
【0268】
送信制御部206は、中継局通知情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部206は、データ処理部(
図31では省略)から取得する送信データ及び/又は制御装置30へ送信する制御情報(UL制御情報)の送信タイミングを制御する。また、送信制御部206は、中継局通知情報、送信データ、及び、UL制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、UL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0269】
送信部207は、送信制御部206における送信タイミング制御に基づいて、制御装置30に対してUL信号を送信する。
【0270】
<制御装置の構成>
図32は、本実施の形態に係る制御装置30の構成例を示すブロック図である。制御装置30は、受信部301と、受信制御部302と、混雑状況判定部303と、混雑状況補正部304と、表示情報生成部305と、送信制御部306と、送信部307と、を備える。受信制御部302と、混雑状況判定部303と、混雑状況補正部304と、表示情報生成部305と、送信制御部306とは、制御装置30の制御部308に含まれてもよい。
【0271】
なお、
図32に示す構成において、一部の構成の機能は、バス無線装置10、中継局20の何れかに含まれてもよい。この場合、制御装置30では、当該構成は、省略されてもよい。
【0272】
受信部301は、受信制御部302におけるタイミング制御に基づいて、制御装置30宛の信号を受信する。制御装置30宛の信号は、バス無線装置10が送信したUL信号、及び、中継局20が送信したUL信号の少なくとも1つであってよい。受信部301は、制御装置30宛の信号を受信制御部302へ出力する。
【0273】
受信制御部302は、受信部301における受信タイミングを制御する。また、受信制御部302は、制御装置30宛の信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0274】
受信制御部302は、所定の受信処理を施した信号から、バス無線装置10が送信したバス通知情報、中継局20が送信した中継局通知情報、受信データ及び/又は制御情報を抽出する。受信制御部302は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(
図32では省略)へ出力する。受信制御部302は、バス通知情報、及び/又は、中継局通知情報を混雑状況判定部303へ出力する。
【0275】
混雑状況判定部303は、バス通知情報及び/又は中継局通知情報に含まれるバス内混雑情報と、中継局通知情報に含まれるバス停混雑情報とに基づいて、バスが経由する路線における混雑状況を判定する。
【0276】
混雑状況補正部304は、バス停混雑情報に基づいて、バス内混雑情報を補正する。また、例えば、混雑状況補正部304は、各バス停における下車人数に関する統計情報、及び/又は、行き先毎の乗車人数に関する統計情報に基づいて、乗車人数を補正する。なお、上述したように、バス無線装置10にて、バス停における下車人数に関する統計情報に基づく補正が行われている場合、制御装置30にてバス停における下車人数に関する統計情報に基づく補正が行われなくてよい。また、中継局20にて、行き先毎の乗車人数に関する統計情報に基づく補正が行われている場合、制御装置30にて行き先毎の乗車人数に関する統計情報に基づく補正が行われなくてよい。混雑状況補正部304は、補正後の混雑状況に関する情報と、補正前の混雑状況に関する情報とを含む情報をバスが経由する路線における混雑状況に関する情報とを、表示情報生成部305へ出力する。
【0277】
表示情報生成部305は、表示装置40に表示させる表示情報を生成する。表示情報生成部305は、生成した表示情報を送信制御部306へ出力する。
【0278】
送信制御部306は、表示装置40宛の表示情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部306は、データ処理部(
図32では省略)から取得する送信データ及び/又は中継局20へ送信する制御情報(DL制御情報)の送信タイミングを制御する。また、送信制御部306は、表示情報、送信データ、及び、DL制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、送信信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0279】
送信部307は、送信制御部306における送信タイミング制御に基づいて、送信信号を送信する。
【0280】
本実施の形態に係る制御装置30において、受信部301は、例えば、バスに設けられたバス無線装置10から、バス内混雑情報を取得し、バス停に設けられた中継局20から、バス停混雑情報を取得する。また、制御部308は、バス内混雑情報と、バス停混雑情報とに基づいて、バスの利用者へ提供する情報を生成する。なお、バスは、交通機関としての移動手段(または乗り物)の一例であり、バス停は、交通機関を利用する利用者がバスの到着を待機する待機場所の一例である。また、バス内混雑情報は、乗り物の混雑状況に関する情報の一例であり、バス停混雑情報は、待機場所の混雑状況に関する情報の一例である。
【0281】
<表示装置の構成>
図33は、本実施の形態に係る表示装置40の構成例を示すブロック図である。表示装置40は、受信部401と、受信制御部402と、情報分類部403と、位置表示制御部404と、バス内混雑状況表示制御部405と、バス停混雑状況表示制御部406と、下車人数表示制御部407と、表示部408と、を備える。なお、受信制御部402と、情報分類部403と、バス位置表示制御部404と、バス内混雑状況表示制御部405と、バス停混雑状況表示制御部406と、下車人数表示制御部407とは、表示装置40の制御部409に含まれてよい。
【0282】
受信部401は、受信制御部402におけるタイミング制御に基づいて、表示装置40宛の信号を受信する。表示装置40宛の信号は、制御装置30が送信した表示情報を含む。受信部401は、表示装置40宛の信号を受信制御部402へ出力する。
【0283】
受信制御部402は、受信部401における受信タイミングを制御する。また、受信制御402は、表示装置40宛の信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0284】
受信制御部402は、所定の受信処理を施した信号から、表示情報を抽出し、情報分類部403へ出力する。
【0285】
情報分類部403は、表示情報に含まれる、バスの行き先毎の混雑状況に関する情報を、行き先毎に分類する。
【0286】
位置表示制御部404は、表示部408におけるバスの位置の表示を制御する。
【0287】
バス内混雑状況表示制御部405は、表示部408におけるバス内の混雑状況を示す情報の表示を制御する。
【0288】
バス停混雑状況表示制御部406は、表示部408におけるバス停の混雑状況を示す情報の表示を制御する。
【0289】
下車人数表示制御部407は、表示部408における下車人数を示す情報の表示を制御する。
【0290】
なお、
図33の例では、受信部401と、制御部409と、表示部408とを有する表示装置40が示されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、
図33に例示した構成が、表示部408を有する表示装置と、受信部401及び制御部409を有し、表示装置を制御する表示制御装置とに分けられてもよい。この場合、表示装置と、表示制御装置との間は、有線及び/又は無線により接続されてもよい。例えば、表示制御装置において、受信部401は、バス内混雑情報と、バス停混雑情報とに基づいて生成された表示情報を取得する。また、表示制御装置において、制御部409は、バスの位置と、バス停とに関連付けて、表示情報の表示を制御する。なお、表示情報は、利用者へ提供する情報の一例である。
【0291】
なお、上記の実施の形態では、交通機関の一例として、路線バスを挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示は、利用者が特定の場所にて交通機関の乗り物(又は、輸送手段)を待機する交通機関に適用されてよい。例えば、本開示は、電車、船舶、乗り合いタクシーといった他の交通機関に適用されてもよい。
【0292】
なお、上記実施の形態における「・・・部」は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」であってもよい。
【0293】
また、上記実施の形態における「チャネル」という表記は、「周波数」、「周波数チャネル」、「帯域」、「バンド」、「キャリア」、「サブキャリア」、又は、「(周波数)リソース」といった他の表記に置換されてもよい。
【0294】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0295】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0296】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0297】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0298】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0299】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0300】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0301】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0302】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0303】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0304】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0305】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0306】
10 バス無線装置
20 中継局
30 制御装置
40 表示装置
101、201、301、401 受信部
102、202、302、402 受信制御部
103、203、303 混雑状況判定部
104、204、304 混雑状況補正部
105、205 混雑情報生成部
106、206、306 送信制御部
107、207、307 送信部
108、208、308、409 制御部
305 表示情報生成部
403 情報分類部
404 位置表示制御部
405 バス内混雑状況表示制御部
406 バス停混雑状況表示制御部
407 下車人数表示制御部
408 表示部