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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042348
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20230317BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312F
H05K7/12 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149599
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 剛
【テーマコード(参考)】
4E353
【Fターム(参考)】
4E353AA10
4E353AA18
4E353AA30
4E353BB02
4E353BB04
4E353BB20
4E353CC02
4E353CC32
4E353CC33
4E353DD14
4E353GG40
(57)【要約】
【課題】閉じられた状態において、マイクが塞がれない電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、第1の部分と、前記第1の部分に設けられたヒンジと、前記ヒンジに回転可能に取り付けられた第2の部分と、マイクと、前記マイクを支持するとともに前記第2の部分に対して回転可能な搭載部と、を有し、前記第2の部分に設けられた、マイクユニットと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分と、
前記第1の部分に設けられたヒンジと、
前記ヒンジに回転可能に取り付けられた第2の部分と、
マイクと、前記マイクを支持するとともに前記第2の部分に対して回転可能な搭載部と、を有し、前記第2の部分に設けられた、マイクユニットと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記マイクユニットは、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転に応じて前記搭載部を前記第2の部分に対して回転させる、回転機構を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記回転機構は、二つの支柱を有し、
前記二つの支柱のそれぞれの一方の端部は、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転軸と交差する方向に互いに離間した位置で、前記搭載部に回転可能に取り付けられ、
前記二つの支柱のそれぞれの他方の端部は、前記回転軸と交差する方向に互いに離間した位置で、前記ヒンジに回転可能に取り付けられた、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記搭載部は、前記第2の部分に対して回転可能に前記第2の部分に支持され、
前記回転機構は、前記搭載部と前記ヒンジとに架け渡された環状の回転伝達部材を有する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記ヒンジは、第1の方向における前記第1の部分の端部に設けられ、
前記マイクは、音声を受ける集音部を有し、
前記回転機構は、前記集音部が前記第1の方向の反対の第2の方向に向くように、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転に応じて前記搭載部を前記第2の部分に対して回転させる、
請求項2~4のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記搭載部に支持されたカメラをさらに備える、請求項1~5のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)のような電子機器に設けられたマイクを利用し、当該マイクでの音声認識によってコマンド実行を処理するシステムが知られている。このシステムは、電子機器がスリープ状態であっても音声を受け付けることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-79399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子機器は、マイクが画面の上方に位置するとともに、画面と同じ方向に向いている。そのため、電子機器が閉じた状態ではマイクが塞がれてしまい、音声を認識できないことがある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、閉じられた状態において、マイクが塞がれない電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、第1の部分と、前記第1の部分に設けられたヒンジと、前記ヒンジに回転可能に取り付けられた第2の部分と、マイクと、前記マイクを支持するとともに前記第2の部分に対して回転可能な搭載部と、を有し、前記第2の部分に設けられた、マイクユニットと、を備える。
【0007】
前記電子機器では、前記マイクユニットは、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転に応じて前記搭載部を前記第2の部分に対して回転させる、回転機構を有する。
【0008】
前記電子機器では、前記回転機構は、二つの支柱を有し、前記二つの支柱のそれぞれの一方の端部は、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転軸と交差する方向に互いに離間した位置で、前記搭載部に回転可能に取り付けられ、前記二つの支柱のそれぞれの他方の端部は、前記回転軸と交差する方向に互いに離間した位置で、前記ヒンジに回転可能に取り付けられる。
【0009】
前記電子機器では、前記搭載部は、前記第2の部分に対して回転可能に前記第2の部分に支持され、前記回転機構は、前記搭載部と前記ヒンジとに架け渡された環状の回転伝達部材を有する。
【0010】
前記電子機器では、前記ヒンジは、第1の方向における前記第1の部分の端部に設けられ、前記マイクは、音声を受ける集音部を有し、前記回転機構は、前記集音部が前記第1の方向の反対の第2の方向に向くように、前記第1の部分に対する前記第2の部分の回転に応じて前記搭載部を前記第2の部分に対して回転させる。
【0011】
前記電子機器では、前記搭載部に支持されたカメラをさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、閉じられた状態において、マイクが塞がれない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態の電子機器の斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の閉じた状態における電子機器の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の回転機構の斜視図である。
図4図4は、第2実施形態の回転機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下、電子機器1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0015】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る電子機器1の斜視図である。本実施形態の電子機器1は、ラップトップ型のPCである。しかしながら、電子機器1は、これに限定されず、例えば電子辞書又はゲーム機であっても良い。
【0017】
図1に示すように、電子機器1は、ベース部2と、ヒンジ3と、画面表示部4と、マイクユニット5と、を備える。なお、ベース部2は第1の部分の一例であり、画面表示部4は第2の部分の一例である。
【0018】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース部2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース部2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース部2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。また、後方向(-X方向)は、第1の方向の一例であり、前方向(+X方向)は、第2の方向の一例である。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、図1の態様に基づく便宜的な表現であり、電子機器1の位置、方向、及び使用態様を限定するものではない。
【0019】
ベース部2は、上面21を有する。上面21は、上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面21は、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。なお、上面21は、この例に限られず、凹凸を有しても良い。上面21には、入力手段である複数のキー22及びタッチパッド23が設けられている。
【0020】
ヒンジ3は、画面表示部4を開閉可能にするものである。ヒンジ3は、後方向(-X方向)におけるベース部2の端部である後端部2aに設けられる。本実施形態では、ベース部2の後端部2aに二つのヒンジ3が設けられている。また、ヒンジ3は、例えば、後端部2aにおいて上面21から上方向(+Z方向)に突出している。なお、ヒンジ3の数、位置、及び形状は適宜変更されても良い。
【0021】
画面表示部4は、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。本実施形態において、ヒンジ3に取り付けられた画面表示部4は、ベース部2及びヒンジ3に対し、左右方向(Y方向)に延びる回転軸Axまわりに回転することができる。画面表示部4は、筐体41と、表示装置42と、を有する。
【0022】
筐体41は、例えば、金属製又は樹脂製であり、略矩形(四角形)の薄い箱状に形成される。筐体41には、例えば、マイクユニット5、表示装置42、および他の部品が収納されている。
【0023】
筐体41の下端部41aが、ヒンジ3を介してベース部2の後端部2aに回転可能に取り付けられる。下端部41aは、図1のように電子機器1が開かれた状態における、筐体41の下方向(-Z方向)の端部である。
【0024】
筐体41は、前面411と端面412とを有する。前面411は、図1のように電子機器1が開かれた状態において、おおよそ前方向(+X方向)に向く略平坦な面である。前面411は、当該前面411が向く方向(+X方向)と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。
【0025】
端面412は、筐体41の上端部41bに設けられる。上端部41bは、図1のように電子機器1が開かれた状態における、筐体41の上方向(+Z方向)の端部である。前方向(+X方向)における端面412の端は、上方向(+Z方向)における前面411の端に接続されている。
【0026】
筐体41には、画面開口部413と、複数の開口部414とが設けられている。画面開口部413は、前面411に開口している。複数の開口部414のそれぞれは、前面411と端面412とに開口している。開口部414は、マイクユニット5を外部に露出させる。
【0027】
表示装置42は、画面開口部413を通じて筐体41の前方向(+X方向)へ向く表示画面421を有する。表示装置42は、表示画面421に画像を表示可能である。また、表示装置42は、タッチパネルを有しても良い。その場合、ユーザは、表示画面421へのタッチ操作により画面表示部4を操作することができる。
【0028】
マイクユニット5は、二つのマイク51と、搭載部52と、カメラ53と、回転機構54と、を有する。マイクユニット5は、画面表示部4に設けられる。
【0029】
マイク51は、集音部511を有する。マイク51は、外部に露出した集音部511を通してユーザの音声を認識する装置である。すなわち、集音部511は、例えば、音声を入力される素子、又は当該素子へ音声(音波)を導く孔である。なお、集音部511は、この例に限られない。
【0030】
本実施形態では、二つのマイク51が搭載部52に支持されている。二つのマイク51は、左右方向(Y方向)に互いに離間している。なお、マイク51の数および位置は適宜変更されても良い。
【0031】
搭載部52は、前壁521と、左壁522と、右壁523と、プリント基板524とを有する。前壁521、左壁522、および右壁523は、例えば、金属板によって一体に形成される。なお、前壁521、左壁522、および右壁523は、この例に限られない。
【0032】
前壁521は、図1のように電子機器1が開かれた状態において、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。左壁522は、左方向(-Y方向)における前壁521の端部に接続されている。右壁523は、右方向(+Y方向)における前壁521の端部に接続されている。左壁522および右壁523は、いずれもY方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びている。
【0033】
プリント基板524は、例えば、プリント回路板(PCB)である。なお、プリント基板524は、フレキシブルプリント回路板(FPC)のような他の基板であっても良い。プリント基板524は、前壁521に取り付けられる。
【0034】
プリント基板524の前方向(+X方向)に向く面は、例えば、はんだ付けによってマイク51およびカメラ53を支持する。左壁522および右壁523は、画面表示部4に対して回転可能に、筐体41に支持されている。これにより、搭載部52は、画面表示部4に対して回転可能となっている。
【0035】
カメラ53は、外部の画像および映像を撮影するための装置である。本実施形態では、カメラ53は、二つのマイク51の間に設けられている。なお、カメラ53の位置は適宜変更されても良い。
【0036】
図2は、第1実施形態の閉じた状態における電子機器1を示す斜視図である。電子機器1は、例えば、図1に示す開いた状態と、図2に示す閉じた状態と、にされることができる。
【0037】
電子機器1が開いた状態は、例えば、図1のように画面表示部4がベース部2に対して90°開かれた状態である。電子機器1が開いた状態において、筐体41の上端部41bは、ベース部2から離間している。また、筐体41の前面411および表示装置42の表示画面421は、ベース部2の上面21が向く方向(+Z方向)と交差する方向(+X方向)に向いている。一方、電子機器1が閉じた状態において、前面411および表示画面421は、上面21に向き、ベース部2に覆われる。
【0038】
図3は、第1実施形態に係る回転機構54の斜視図である。回転機構54は、ベース部2に対する画面表示部4の回転に応じて、搭載部52を画面表示部4に対して回転させる機構である。図3に示すように、回転機構54は、四つの支柱541を有する。なお、支柱541の数は適宜変更されても良い。
【0039】
四つの支柱541のそれぞれは、上端部541aと、下端部541bと、を有する。上端部541aは、電子機器1が開いた状態における支柱541の上方向(+Z方向)の端部である。下端部541bは、電子機器1が開いた状態における支柱541の下方向(-Z方向)の端部である。なお、上端部541aは、一方の端部の一例であり、下端部541bは、他方の端部の一例である。
【0040】
左壁522に、二つの支柱541が取り付けられる。また、右壁523に、二つの支柱541が取り付けられる。左壁522及び右壁523のそれぞれにおいて、二つの支柱541の上端部541aは、ベース部2に対する画面表示部4の回転軸Axと交差する方向(X方向)に互いに離間した位置で、搭載部52に回転可能に取り付けられる。
【0041】
二つのヒンジ3のそれぞれに、二つの支柱541が取り付けられる。二つのヒンジ3のそれぞれにおいて、二つの支柱541の下端部541bは、ベース部2に対する画面表示部4の回転軸Axと交差する方向(X方向)に互いに離間した位置で、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。
【0042】
左壁522に取り付けられた二つの支柱541は、略平行に延びており、略同一の長さを有する。右壁523に取り付けられた二つの支柱541も、略平行に延びており、略同一の長さを有する。
【0043】
回転機構54は、画面表示部4がベース部2に対して回転するとき、搭載部52と、当該搭載部52に支持されたマイク51およびカメラ53とを、画面表示部4に連動して回転させる。
【0044】
例えば、図2に示すように電子機器1が閉じる時、画面表示部4は、ヒンジ3まわりに回転し、前方向(+X方向)に倒れる。この画面表示部4の動きに伴って、回転機構54は、筐体41に収納された搭載部52を回転させる。
【0045】
電子機器1が閉じる時、搭載部52は、支柱541により、ベース部2に対する画面表示部4の開き角度に拘わらず、当該ベース部2に対して常に略平行となる。そのため、画面表示部4が閉じた状態において、搭載部52に支持されたマイク51およびカメラ53は、常に前方向(+X方向)を向く。
【0046】
具体的には、画面表示部4がヒンジ3まわりに回転するとき、四つの支柱541も、ヒンジ3に取り付けられた下端部541bまわりに回転する。例えば左壁522に取り付けられた二つの支柱541について説明すれば、左壁522に取り付けられた二つの上端部541aの間の距離は、画面表示部4の開き角度に拘わらず略一定である。また、ヒンジ3に取り付けられた二つの下端部541bの間の距離も、画面表示部4の開き角度に拘わらず略一定である。このため、左壁522に取り付けられた二つの支柱541は、ベース部2に対する画面表示部4の回転に伴って、搭載部52を略平行移動させる。同様に、右壁523に取り付けられた二つの支柱541も、ベース部2に対する画面表示部4の回転に伴って、搭載部52を略平行移動させる。
【0047】
以上より、回転機構54は、搭載部52の前壁521に支持されたマイク51の集音部511およびカメラ53が常に前方向(+X方向)に向くように、搭載部52と、当該搭載部52に支持されたマイク51およびカメラ53を回転させる。電子機器1が閉じた状態において、マイク51の集音部511およびカメラ53は、端面412に開口した開口部414を通じて、外部に露出される。
【0048】
電子機器1は、例えば、マイク51の集音部511での音声認識によってコマンド実行を処理するシステムを備える。集音部511は、電子機器1が閉じた状態においても、ベース部2に覆われずに外部に露出し、音声を入力されることができる。
【0049】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、ベース部2と、ヒンジ3と、画面表示部4と、マイクユニット5と、を備える。ヒンジ3は、ベース部2に設けられる。画面表示部4は、ヒンジ3に回転可能に取り付けられている。マイクユニット5は、マイク51と、マイク51を支持するとともに画面表示部4に対して回転可能な搭載部52と、を有し、画面表示部4に設けられている。
【0050】
本実施形態の電子機器1の画面表示部4がヒンジ3まわりに回転させられる時、又は回転の前後に、搭載部52に支持されたマイク51は、搭載部52とともに画面表示部4まわりに回転させられることができる。これにより、マイク51は、画面表示部4が閉じた状態においても外部に露出されるように向きを調整されることができる。従って、電子機器1は、画面表示部4が閉じた状態において、マイク51が塞がれることを防止できる。
【0051】
また、本実施形態では、マイクユニット5は、ベース部2に対する画面表示部4の回転に応じて搭載部52を、画面表示部4に対して回転させる回転機構54を有する。
【0052】
例えば、画面表示部4がヒンジ3まわりに回転させられる時、マイクユニット5の回転機構54は、画面表示部4の動きに応じて搭載部52を画面表示部4まわりに回転させる。これにより、搭載部52に支持されたマイク51は、搭載部52とともに画面表示部4まわりに回転する。従って、マイク51は、画面表示部4の回転と連動して回転することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では、回転機構54は四つの支柱541を有する。四つの支柱541のうち二つのそれぞれの上端部541aは、ベース部2に対する画面表示部4の回転軸Axと交差する方向(X方向)に互いに離間した位置で、搭載部52に回転可能に取り付けられる。四つの支柱541のうち二つのそれぞれの下端部541bは、ベース部2に対する画面表示部4の回転軸Axと交差する方向(X方向)に互いに離間した位置で、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。
【0054】
例えば、画面表示部4がヒンジ3まわりに回転させられる時、ベース部2に対する画面表示部4の回転軸Axと交差する方向に互いに離間した位置で取り付けられた支柱541により、搭載部52に支持されたマイク51は、常に一定の方向を向いた状態で回転することができる。従って、マイク51は、一定の方向を向いた状態で画面表示部4の回転と連動して回転することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、ヒンジ3は、後方向(-X方向)におけるベース部2の端部である後端部2aに設けられている。マイク51は、音声を受ける集音部511を有する。
【0056】
例えば、画面表示部4がヒンジ3まわりに回転させられる時、回転機構54は、集音部511が前方向(+X方向)に向くように、ベース部2に対する画面表示部4の回転に応じて、搭載部52を当該画面表示部4に対して回転させる。これにより、画面表示部4が閉じた状態においても、集音部511は常に前方向(+X方向)に向いている。従って、電子機器1は、画面表示部4が閉じた状態においても十分な音声認識能力を発揮することができる。
【0057】
また、本実施形態では、電子機器1は、搭載部52に支持されたカメラ53をさらに備える。これにより、電子機器1は、画像および動画の撮影が可能となる。また、カメラ53が搭載部52に取り付けられるため、カメラ53は、マイク51と共に回転することが可能となる。
【0058】
<第2実施形態>
図4に示される第2実施形態の電子機器1は、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態の電子機器1と同様の構成を備えている。よって、第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0059】
第2実施形態では、図4に示すように、電子機器1のマイクユニット5は前記第1実施形態の回転機構54と異なる回転機構54Aを有する。
【0060】
図4は、第2実施形態に係る電子機器1の回転機構54Aの斜視図である。図4に示すように、回転機構54Aは、二つの第1の円板542と、二つの第2の円板543と、環状の二つのベルト544と、を有する。なお、ベルト544は回転伝達部材の一例である。
【0061】
二つの第1の円板542は、対応するヒンジ3に固定されている。二つの第2の円板543は、搭載部52の左右方向(Y方向)における両端部に取り付けられている。第2の円板543は、搭載部52と共に回転可能に、搭載部52に固定されている。
【0062】
搭載部52は画面表示部4に対して回転可能に当該画面表示部4に支持されている。このため、搭載部52に固定された第2の円板543も、搭載部52と共に画面表示部4に対して回転可能である。
【0063】
ベルト544は、ヒンジ3に取り付けられた第1の円板542と、搭載部52に取り付けられた第2の円板543と、に架け渡されている。なお、ベルト544に限らず、第1の円板542と第2の円板543との間で回転を伝達できるチェーンのような他の部材が、第1の円板542と第2の円板543とに架け渡されても良い。
【0064】
例えば、画面表示部4が閉じる時、画面表示部4はヒンジ3まわりに回転し、前方向(+X方向)に倒れる。この画面表示部4の回転に伴って、第2の円板543及びベルト544が、第1の円板542に対して回転移動する。ベルト544は、当該ベルト544の回転に伴い、第2の円板543を回転させる。搭載部52は、ベルト544により、第2の円板543と共に回転する。
【0065】
搭載部52は、ベルト544により、ベース部2に対する画面表示部4の開き角度に拘わらず、ベース部2に対して常に略平行な位置関係をとなる。そのため、第1実施形態と同様に、画面表示部4が閉じた状態において搭載部52の前壁521に支持されたマイク51およびカメラ53は、常に前方向(+X方向)を向く。
【0066】
以上のように、本実施形態の回転機構54Aは、搭載部52と、第1の円板542と、第2の円板543と、ベルト544と、を有する。搭載部52は、画面表示部4に対して回転可能に当該画面表示部4に支持されている。ベルト544は、搭載部52と、ヒンジ3と、に架け渡されている。
【0067】
本実施形態の電子機器1の画面表示部4がヒンジ3まわりに回転させられる時、ヒンジ3に取り付けられた第1の円板542と画面表示部4に取り付けられた第2の円板543と、に架け渡されたベルト544により、搭載部52に支持されたマイク51は、常に一定の方向を向いた状態で回転することができる。
【0068】
従って、第1実施形態と同様に、マイク51は一定の方向を向いた状態で、画面表示部4の回転と連動して回転することが可能となる。また、このような構成によれば、回転機構54Aがより簡素な構成で実現される。
【0069】
なお、回転機構の構成は、回転機構54、54Aの構成に限られない。例えば、回転機構は、筐体41内において搭載部52に接続されるモータと、当該モータを制御する制御ユニットと、を有し、搭載部52に支持されたカメラ53を自動で回転させても良い。また、搭載部52は、ユーザによって手動で回転させられても良い。
【0070】
また、上記実施形態の電子機器1は、マイク51が常に前方向(+X方向)を向く構成を有しているが、これに限らない。例えば、電子機器1は、マイク51が常に上方向(+Z方向)に向く構成を有しても良い。また、ベース部2に対する画面表示部4の回転角度と、搭載部52の回転角度とが、互いに異なっても良い。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 電子機器
2 ベース部(第1の部分)
2a 後端部
21 上面
3 ヒンジ
4 画面表示部(第2の部分)
5 マイクユニット
51 マイク
511 集音部
52 搭載部
53 カメラ
54、54A 回転機構
541 支柱
541a 上端部(一方の端部)
541b 下端部(他方の端部)
544 ベルト(回転伝達部材)
図1
図2
図3
図4