(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042376
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20230317BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149642
(22)【出願日】2021-09-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520376580
【氏名又は名称】株式会社datagusto
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】飯田 蔵土
(72)【発明者】
【氏名】パー 麻緒
(72)【発明者】
【氏名】中村 達哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】自身で予測モデルを作成することが困難なユーザが、適切な予測モデルを作成するためのテンプレートの推薦を受けることが可能な情報処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、以下のステップを実行するように構成される。受付ステップでは、第1のユーザのユーザ情報を受け付ける。ここでユーザ情報は、ユーザの属性又は行動履歴を含む情報である。特定ステップでは、ユーザ情報と、ユーザ情報に関連する参照情報とに基づいて、第1のユーザに推薦する、予測モデル作成のためのテンプレートを特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
以下のステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、第1のユーザのユーザ情報を受け付け、
ここで前記ユーザ情報は、ユーザの属性又は行動履歴を含む情報であり、
特定ステップでは、前記ユーザ情報と、前記ユーザ情報に関連する参照情報とに基づいて、前記第1のユーザに推薦する、予測モデル作成のためのテンプレートを特定する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、第2のユーザのユーザ情報と、前記第2のユーザが使用したテンプレートとに関する情報である、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
表示制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートに関する情報を、前記第1のユーザが認識可能な態様で表示させる、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートの、前記第1のユーザに対する関連度を表示させる、もの。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートに関する情報を、前記第1のユーザに対する関連度の高い順に表示させる、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記行動履歴は、ネットワーク上でのアクセス履歴又は、入力クエリの履歴である、もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
生成ステップをさらに実行するように構成され、
前記生成ステップでは、前記第1のユーザによって入力された主データセットと、前記テンプレートとに基づいて、前記予測モデルを生成する、もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
取得ステップ及び生成ステップをさらに実行するように構成され、
前記取得ステップでは、前記第1のユーザによって入力された主データセットと関係する副データセットを、ネットワークを介して取得し、
前記生成ステップでは、少なくとも前記副データセットと、前記テンプレートとに基づいて、前記予測モデルを生成又は更新する、もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記テンプレートに適用可能なデータセット及び前記テンプレートに係る予測モデルのうちの少なくとも一方を特定する、もの。
【請求項10】
方法であって、
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
将来の様々な事象を予測するため、予測モデルを生成する情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数の店舗の売上に基づいて、商品の需要予測モデルを生成する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、専門知識のないユーザにとっては、多岐にわたる予測モデル生成装置及び手法の中から適切なものを選択し、予測モデルを作成することは、非常に困難であった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、自身で予測モデルを作成することが困難なユーザが、適切な予測モデルを作成するためのテンプレートの推薦を受けることが可能な情報処理システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、以下のステップを実行するように構成される。受付ステップでは、第1のユーザのユーザ情報を受け付ける。ここでユーザ情報は、ユーザの属性又は行動履歴を含む情報である。特定ステップでは、ユーザ情報と、ユーザ情報に関連する参照情報とに基づいて、第1のユーザに推薦する、予測モデル作成のためのテンプレートを特定する。
【0007】
このような態様によれば、自身で予測モデルを作成することが困難なユーザが、適切な予測モデルを作成するためのテンプレートの推薦を受けることが可能な情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】テンプレートの推薦に関する情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図7】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図8】予測モデルの作成に関する情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図9】予測モデルの作成に関する情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2及びユーザ端末3を備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は、情報処理装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<情報処理装置2>
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末3>
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0020】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0021】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
本節では、情報処理装置2における制御部23の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部が実行されうる。
【0023】
図4は、情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部23は、受付部231、特定部232、表示制御部233、生成部234、取得部235、及び更新部236を備える。ここで表示制御部233、生成部234、取得部235、及び更新部236は必須の構成要素ではない。以下、各機能部について説明する。
【0024】
受付部231は、情報処理に必要な種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部231は、予め記憶部32に記憶された種々の情報を読み出してもよいし、ネットワーク及び通信部31を介して外部の機器から種々の情報を取得してもよい。特に、受付部231は、第1のユーザのユーザ情報UIを受け付ける。これについては、後にさらに詳述する。
【0025】
特定部232は、受付部231が受け付けた情報と、他の情報とに基づいて、ユーザ端末3に出力する情報を特定するように構成される。より具体的には、特定部232は、ユーザ情報UIと、ユーザ情報UIに関連する参照情報RIとに基づいて、第1のユーザに推薦する、予測モデル作成のためのテンプレートを特定する。これについては、後にさらに詳述する。
【0026】
表示制御部233は、ユーザ端末3に種々の情報を表示させるように構成される。表示制御部233は、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された情報そのものを生成してもよいし、例えば表示部34等に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0027】
生成部234は、受付部231が受け付けた情報と、予測モデル作成のためのテンプレートとに基づいて、予測モデルを生成するように構成される。より具体的には、生成部234は、第1のユーザによって入力された主データセットと、特定部232が特定したテンプレートとに基づいて、予測モデルを生成する。これについては、後にさらに詳述する。
【0028】
取得部235は、ネットワーク及び通信部31を介して、予測モデルの作成に使用する情報を取得するように構成される。より具体的には、取得部235は、第1のユーザによって入力された主データセットと関係する副データセットを、ネットワーク及び通信部31を介して取得する。これについては、後にさらに詳述する。
【0029】
生成部234は、取得部235が取得した情報と、予測モデル作成のためのテンプレートとに基づいて、予測モデルを更新するように構成される。より具体的には、生成部234は、少なくとも副データセットと、テンプレートとに基づいて、予測モデルを生成又は更新する。これについては、後にさらに詳述する。
【0030】
3.情報処理の詳細
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理システム1において実行される情報処理について説明する。実施形態の一例において、情報処理システム1は、受け付けたデータを分析して予測モデルを生成し、生成した予測モデルに関する情報を出力する。ここで予測モデルとは、将来の需要や異常発生等の様々な事象を予測するためのモデルであって、複数のデータを所定の手法によって分析することによって生成されたものをいう。
【0031】
3.1 テンプレートの推薦
図5は、テンプレートの推薦に関する情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。ここでテンプレートとは、予測モデルの生成に使用するデータと、予測モデルを生成するためのデータの処理方法とを予め定めた情報を指す。具体的には例えば、テンプレートは、予測モデルの生成に使用するデータの項目、データを処理するためのアルゴリズム、及び予測モデルに関する情報を表示するための図表の種類や構造等を特定する情報を含んで良い。
【0032】
第1のユーザが情報処理システム1を初めて使用する場合、すなわち、ユーザを識別するための識別子(以下、IDという)を有していない場合、第1のユーザは、自身をユーザ登録する(アクティビティA001)。より具体的には、第1のユーザは、ユーザ端末3の入力部35を介して、ユーザ登録のための情報を入力する。続いて、情報処理装置2の制御部23における受付部231が、ユーザ登録のための情報を受け付け、記憶部22に記憶する。ここで、ユーザ登録のための情報は、例えば、ID、並びにユーザの氏名、連絡先、属性、及び関心のある対象等を含んでよい。第1のユーザが、既にIDを有している場合には、アクティビティA001は省略され、次の処理へと進む。
【0033】
アクティビティA001に並行して、第1のユーザの行動履歴が蓄積される(アクティビティB001)。具体的には、受付部231が、第1のユーザの行動履歴を受け付け、受け付けた行動履歴とIDとを関連付けて記憶部22に記憶させる。ここで好ましくは、行動履歴は、ネットワーク上でのアクセス履歴又は、入力クエリの履歴である。アクセス履歴は、例えば、アクセスしたサイトのURL等であってよく、より好ましくは、ユーザが閲覧したテンプレート及び予測モデルの情報である。入力クエリの履歴は、例えば、検索画面等で入力された検索キーワード等であってよい。このような態様により、ユーザは、アクセス履歴等のより具体的な行動履歴に基づいて、より精度の高いテンプレートの推薦を受けることができる。すなわち、ユーザの利便性がより高い情報処理システム1を提供することができる。なお、ウェブブラウザ等を提供する企業が管理するサーバにおいて蓄積された行動履歴を直接採用するように実施してもよい。
【0034】
アクティビティA001に続いて、受付部231は、第1のユーザのユーザ情報UIを受け付ける。ここでユーザ情報UIは、ユーザの属性又は行動履歴を含む情報である。具体的には、受付部231は、記憶部22から読み出した第1のユーザの属性を受け付ける(アクティビティA002)。ユーザの属性は、アクティビティA001において登録されたユーザ登録のための情報に含まれ、例えばユーザの職業、職種、勤務形態、役職等を特定する情報であってよい。続いて、受付部231は、記憶部22から読み出した第1のユーザの行動履歴を受け付ける(アクティビティA003)。
【0035】
次に、特定部232は、第1のユーザのユーザ情報UIと、第1のユーザのユーザ情報UIに関連する参照情報RIとを突合させる(アクティビティA004)。ここで好ましくは、参照情報RIは、第2のユーザのユーザ情報UIと、第2のユーザが例えば過去に使用したテンプレートに関する情報である。より具体的には、参照情報RIは、記憶部22に格納され、ユーザ情報UIとテンプレートとを関連付けたデータベースやルックアップテーブル等であってよい。そして、特定部232は、第1のユーザのユーザ情報UIと、第2のユーザのユーザ情報UIとを突合させてよい。
【0036】
次に、特定部232は、第1のユーザのユーザ情報UIと、参照情報RIとに基づいて、第1のユーザに推薦する、予測モデル作成のためのテンプレートを特定する(アクティビティA005)。より具体的には、特定部232は、アクティビティA004において一致度が高いと判定された第2のユーザが、過去に使用していたテンプレートを特定する。このような態様により、第1のユーザは、自身と属性や行動履歴が近い第2のユーザが使用しているテンプレートの推薦を受けることが可能となり、推薦の精度が向上する。
【0037】
次に、特定部232は、第1のユーザのユーザ情報UIと、参照情報RIとに基づいて、アクティビティA005で特定されたテンプレートの第1のユーザへの関連度を決定する(アクティビティA006)。より具体的には、関連度は、アクティビティA004で突合された、第1のユーザのユーザ情報UIと、第2のユーザのユーザ情報UIとの一致度であってよい。
【0038】
次に、表示制御部233は、特定部232によって特定されたテンプレートに関する情報を、第1のユーザが認識可能な態様でユーザ端末3の表示部34に表示させる(アクティビティA007)。
図6及び
図7は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。このような態様により、ユーザは、推薦されたテンプレートに関する情報を視認することができ、ユーザにとって利便性の高い情報処理システム1を提供することができる。
【0039】
好ましくは、特定部232は、テンプレートに適用可能なデータセット及びテンプレートに係る予測モデルのうちの少なくとも一方を特定してもよい。より好ましくは、特定部232に特定されたデータセット及び予測モデルのうち少なくとも一方が、表示制御部233によって、第1のユーザに視認可能な態様でユーザ端末3の表示部34に表示されてもよい。このような態様により、ユーザは、テンプレートに加えてデータセット及び予測モデル(以下、テンプレート等という)の推薦を受けることができる。すなわち、専門知識を有しないユーザであっても、より簡単に予測モデルを作成し、又は予測モデルを使用することができる。
【0040】
図6及び
図7の例では、第1のユーザは、操作画面400におけるメニュー表示エリア410に含まれるボタンを選択することによって、検索結果表示エリア420を表示させている。具体的には、
図6の例では、第1のユーザが「予測モデルを作る」と表示された作成プルダウン411に含まれる作成プルダウンメニュー412の中から、「テンプレートから新しく作る」と表示されたボタンを選択した場面を示している。また、
図7の例では、第1のユーザが「予測モデルを使う」と表示された使用プルダウン413に含まれる使用プルダウンメニュー414の中から、「共有された予測モデルを探す」と表示されたボタンを選択した場面を示している。
【0041】
検索結果表示エリア420には、ユーザが検索ボックス422にキーワードを入力し、検索ボタン423をクリック等押下することで、入力されたキーワードを含むテンプレート又は予測モデルの検索結果が表示される。
図6及び
図7の例では、第1のユーザがキーワード検索を行う前の初期状態の画面を示している。
図6の検索結果表示エリア420には、特定部232によって特定されたテンプレート及びデータセットに関する情報が、2箇所の推薦表示エリア430にそれぞれ表示されている。また、
図7では、特定部232によって特定された予測モデルに関する情報が、推薦表示エリア430に表示されている。
【0042】
表示制御部233は、例えば、推薦表示エリア430にコンテンツ表示エリア431を表示させることで、特定部232によって特定されたテンプレート等に関する情報を表示してよい。好ましくは、表示制御部233は、特定されたテンプレート等の、第1のユーザに対する関連度を表示させる。具体的には、コンテンツ表示エリア431には、例えば、コンテンツ名432と、説明表示エリア433と、関連度表示434が含まれる。
図6の例では、関連度表示434には、コンテンツ表示エリア431に表示されたテンプレートの、第1のユーザへの関連度がパーセンテージで表示されている。このような態様により、ユーザは、推薦されたテンプレート等を選ぶための指標を得ることができ、ユーザにとってより利便性の高い情報処理システム1を提供することができる。なお、関連度は、ユーザが認識可能な態様であれば表示の方法に制限はなく、「A,B,C」等の指標、「最もおすすめ」等のテキストによって表示させてもよい。
【0043】
より好ましくは、表示制御部233は、特定されたテンプレートに関する情報を、第1のユーザに対する関連度の高い順に表示させる。ユーザが関連度の順序を認識できる態様であれば、表示態様に特に制限はない。
図6の例では、関連度表示434の数値の高い順に、コンテンツ表示エリア431が左から順番に表示されている。ユーザは、例えば、マウスのホイール操作や、ドラッグ操作等により、画面の外に隠れているコンテンツ表示エリア431を左にスクロールさせることができる。もちろん、最も関連度が高いコンテンツ表示エリア431を最上部に表示し、関連度の順に下に並べて表示させてもよい。このような態様により、ユーザは自身に最も関連度の高いテンプレート等を視認しやすくなり、ユーザにとってより利便性の高い情報処理システム1を提供することができる。
【0044】
3.2 予測モデルの生成
図8は、予測モデルの作成に関する情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。まず、受付部231が、第1のユーザに選択されたテンプレートを、記憶部32から読み出すことで受け付ける(アクティビティA101)。第1のユーザによるテンプレートの選択は、例えば、
図6におけるコンテンツ表示エリア431を第1のユーザがクリック等押下することによって行われてもよい。
【0045】
次に、受付部231が、ネットワーク及び通信部31を介して、第1のユーザから主データセットを受け付ける(アクティビティA102)。主データセットは、テンプレートに予め定められたデータの項目に従って、第1のユーザが用意したデータセットであってよい。なお、受付部231は、記憶部32に予め記憶されたデータセットを読み出すことによって、主データセットを受け付けてもよい。主データセットは、特定部232によって特定され、第1のユーザに選択されたデータセットであってもよい。
【0046】
データセットとは、予測モデルの生成に使用されるデータの集合のことをいう。データセットは、項目名及び複数のデータを含む。項目名は、複数のデータを総称するタイトルであってよい。複数のデータは、具体的には、業種、職種、役職、都道府県、商品種別、性別、曜日等を示すカテゴリ変数、又は従業員数、商品の売上数、売上金額、位置情報、西暦、日付、時刻等を示す量的変数であってよい。データセットは、例えばcsv形式として受け付けることができる。
【0047】
次に、生成部234が、受付部231によって受け付けられた主データセットと、テンプレートとに基づいて、予測モデルを生成する(アクティビティA103)。具体的には、生成部234は、テンプレートによって特定されたアルゴリズムによって主データセットを処理することで、予測モデルを生成する。このような態様により、ユーザは、テンプレートに定められた通りにデータセットを入力することで、データサイエンスの専門知識を有しなくても簡単に予測モデルを作成することができる。
【0048】
予測モデルを生成するアルゴリズムは特に限定されず、統計解析、機械学習等のアルゴリズムが使用されてよい。具体的には例えば、異種混合学習、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等が適宜採用されればよい。
【0049】
次に、所定の条件に一致する場合、取得部235が、主データセットに関連する副データセットを、ネットワーク及び通信部31を介して取得する(アクティビティA104)。所定の条件とは、例えば、入力されたデータの数、若しくは生成された予測モデルの精度が所定の値に達していないこと、又は、第1のユーザから副データセット取得の要求がなされたこと等であってよい。
【0050】
副データセットは、主データセットに対応するデータセットであって、インターネット上で公開された情報の中から取得されたものであってよい。ここで副データセットの取得について、具体例を挙げて説明する。例えば、主データセットの一項目である「店舗住所」の中に、「住所情報A,住所情報B,住所情報C・・・」というデータが含まれているとする。この場合、「店舗住所」に関連する情報として、「該住所の最寄り駅」、「該住所における過去のある1日の最高気温」等がインターネット上で公開されている。ここで取得部235は、例えば、主データセット「店舗住所」における「住所情報A,住所情報B,住所情報C・・・」に対応する「駅名E,駅名F,駅名G・・・」というデータを含む副データセット「店舗の最寄り駅」を取得することができる。
【0051】
続いて、生成部234が、取得部235によって取得された副データセットと、受付部231によって受け付けられたテンプレートとに基づいて、生成部234によって作成された予測モデルを更新する(アクティビティA105)。具体的には、生成部234は、テンプレートによって特定されたアルゴリズムによって副データセットをさらに処理することで、予測モデルを更新する。好ましくは、生成部234は、主データセットと、副データセットと、テンプレートとに基づいて、予測モデルを更新する。このような態様により、ユーザは、手持ちのデータが少ない場合にも、より多くのデータに基づいて予測モデルの作成をすることができる。すなわち、ユーザは、より容易に精度の高い予測モデルを作成することが可能となる。所定の条件に一致しない場合には、アクティビティA104及びA105は省略され、次の処理へと進む。
【0052】
次に、表示制御部233は、第1のユーザのユーザ端末3における表示部34に、予測モデルを表示する(アクティビティA106)。具体的には、表示制御部233は、記憶部32から読み出されたテンプレートによって特定された図表や構造等の定義に従って、予測モデルを表示する。表示制御部233は、生成された予測モデルの精度を、例えばパーセンテージによって表示してもよい。
4.その他
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0053】
実施形態の一態様は、情報処理方法であってよい。情報処理方法は、情報処理システム1における各ステップ、すなわち受付ステップと、特定ステップとを備える。情報処理方法は、好ましくは、表示制御ステップと、生成ステップと、取得ステップと、更新ステップとをさらに備えてもよい。
【0054】
実施形態の一態様は、プログラムであってよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理システム1における各ステップ、すなわち受付ステップと、特定ステップとを実行させる。プログラムは、好ましくは、表示制御ステップと、生成ステップと、取得ステップと、更新ステップとをさらに実行させてもよい。このようなプログラムが、ネットワークとは切り離されたスタンドアロンのコンピュータにおいて、オフラインで実行可能に構成されてもよい。かかる場合、情報処理装置2と、ユーザ端末3とが同一の情報処理装置として実施されてもよい。
【0055】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0056】
以上の実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、参照情報RI、ユーザ情報UI等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0057】
参照情報RIは、データベースやルックアップテーブル等に限らず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよく、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0058】
図9は、予測モデルの作成に関する情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。
図9に示すように、受付部231が第1のユーザから主データセットを受け付けた後、取得部235が連続して副データセットを取得してもよい(アクティビティA203)。変形例において、生成部234は、主データセットと、副データセットと、テンプレートとに基づいて、予測モデルを生成してよい(アクティビティA204)。
図9における各アクティビティは、
図8において説明した内容と略同様のため、説明を省略する。
【0059】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、第2のユーザのユーザ情報と、前記第2のユーザが使用したテンプレートとに関する情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、表示制御ステップをさらに実行するように構成され、前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートに関する情報を、前記第1のユーザが認識可能な態様で表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートの、前記第1のユーザに対する関連度を表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記表示制御ステップでは、特定された前記テンプレートに関する情報を、前記第1のユーザに対する関連度の高い順に表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記行動履歴は、ネットワーク上でのアクセス履歴又は、入力クエリの履歴である、もの。
前記情報処理システムにおいて、生成ステップをさらに実行するように構成され、前記生成ステップでは、前記第1のユーザによって入力された主データセットと、前記テンプレートとに基づいて、前記予測モデルを生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、取得ステップ及び生成ステップをさらに実行するように構成され、前記取得ステップでは、前記第1のユーザによって入力された主データセットと関係する副データセットを、ネットワークを介して取得し、前記生成ステップでは、少なくとも前記副データセットと、前記テンプレートとに基づいて、前記予測モデルを生成又は更新する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、前記テンプレートに適用可能なデータセット及び前記テンプレートに係る予測モデルのうちの少なくとも一方を特定する、もの。
方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0060】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :特定部
233 :表示制御部
234 :生成部
235 :取得部
236 :更新部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
400 :操作画面
410 :メニュー表示エリア
411 :作成プルダウン
412 :作成プルダウンメニュー
413 :使用プルダウン
414 :使用プルダウンメニュー
420 :検索結果表示エリア
422 :検索ボックス
423 :検索ボタン
430 :推薦表示エリア
431 :コンテンツ表示エリア
432 :コンテンツ名
433 :説明表示エリア
434 :関連度表示
RI :参照情報
UI :ユーザ情報