(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042394
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】無人車両、無人車両の制御システム、及び無人車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230317BHJP
【FI】
G05D1/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149670
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 領太
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA03
5H301BB02
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD15
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG14
5H301GG17
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK18
5H301LL01
5H301LL07
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】無人車両は、走行装置と、障害物センサと、自走パスを記憶する自走パス記憶部と、自走パスに基づいて、走行装置を制御する走行制御部と、対向車両に与えられる対向パスを記憶する対向パス記憶部と、障害物センサの検出データに基づいて、対向パスに障害物が存在するか否かを判定する障害物存否判定部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、
障害物センサと、
自走パスを記憶する自走パス記憶部と、
前記自走パスに基づいて、前記走行装置を制御する走行制御部と、
対向車両に与えられる対向パスを記憶する対向パス記憶部と、
前記障害物センサの検出データに基づいて、前記対向パスに障害物が存在するか否かを判定する障害物存否判定部と、を備える、
無人車両。
【請求項2】
前記自走パス記憶部は、自己位置と前記自己位置から所定距離だけ進路前方に離れた前方位置との間の自走パスを記憶し、
前記対向パス記憶部は、前記自走パスの隣に規定された所定距離の対向パスを記憶する、
請求項1に記載の無人車両。
【請求項3】
自己位置を検出する位置センサと、
前記位置センサの検出データと前記障害物センサの検出データとに基づいて、前記障害物の位置を算出する障害物位置算出部と、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の無人車両。
【請求項4】
前記障害物の位置を送信する障害物位置送信部を備える、
請求項3に記載の無人車両。
【請求項5】
前記障害物の位置に基づいて、前記対向車両に前記障害物を回避させる回避パスを前記対向パスの少なくとも一部に生成する回避パス生成部を備える、
請求項3又は請求項4に記載の無人車両。
【請求項6】
第1無人車両に与えられる自走パスを生成する自走パス生成部と、
前記第1無人車両の対向車両である第2無人車両に与えられる対向パスを生成する対向パス生成部と、
前記自走パスと前記対向パスとを前記第1無人車両に送信する第1パス送信部と、
前記対向パスを前記第2無人車両に送信する第2パス送信部と、
前記第1無人車両に設けられた障害物センサの検出データに基づいて、前記対向パスに障害物が存在するか否かを判定する障害物存否判定部と、を備える、
無人車両の制御システム。
【請求項7】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の位置を示す自己位置と前記自己位置から所定距離だけ進路前方に離れた前方位置との間の自走パスと、前記自走パスの隣に規定された所定距離の対向パスとを受信する、
請求項6に記載の無人車両の制御システム。
【請求項8】
前記第1無人車両の位置を検出する位置センサの検出データと前記障害物センサの検出データとに基づいて、前記障害物の位置を算出する障害物位置算出部を備える、
請求項6又は請求項7に記載の無人車両の制御システム。
【請求項9】
前記障害物の位置に基づいて、前記第2無人車両に前記障害物を回避させる回避パスを前記対向パスの少なくとも一部に生成する回避パス生成部を備える、
請求項8に記載の無人車両の制御システム。
【請求項10】
前記第2パス送信部は、前記回避パスを前記第2無人車両に送信する、
請求項9に記載の無人車両の制御システム。
【請求項11】
前記対向パス及び前記回避パスの少なくとも一方に基づいて、前記第2無人車両の走行装置を制御する走行制御部を備える、
請求項10に記載の無人車両の制御システム。
【請求項12】
前記走行制御部は、前記第2無人車両が前記回避パスを受信した時点において前記第2無人車両と前記障害物との距離が規定値以上であるときに、前記第2無人車両が前記回避パスに従って走行するように前記第2無人車両の走行装置を制御する、
請求項11に記載の無人車両の制御システム。
【請求項13】
前記走行制御部は、前記時点において前記距離が規定値未満であるときに、前記第2無人車両が停車するように前記第2無人車両の走行装置を制御する、
請求項12に記載の無人車両の制御システム。
【請求項14】
自走パス及び対向パスのそれぞれを第1無人車両に与えることと、
前記対向パスを前記第1無人車両の対向車両である第2無人車両に与えることと、
前記第1無人車両を前記自走パスに従って走行させることと、
前記第2無人車両を前記対向パスに従って走行させることと、
前記第1無人車両に設けられた障害物センサの検出データに基づいて、前記対向パスに障害物が存在するか否かを判定することと、を含む、
無人車両の制御方法。
【請求項15】
前記第1無人車両に、前記第1無人車両の位置を示す自己位置と前記自己位置から所定距離だけ進路前方に離れた前方位置との間の自走パスと、前記自走パスの隣に規定された所定距離の対向パスとを記憶させることを含む、
請求項14に記載の無人車両の制御方法。
【請求項16】
前記第1無人車両の位置を検出する位置センサの検出データと前記障害物センサの検出データとに基づいて、前記障害物の位置を算出することを含む、
請求項14又は請求項15に記載の無人車両の制御方法。
【請求項17】
前記障害物の位置に基づいて、前記第2無人車両に前記障害物を回避させる回避パスを前記対向パスの少なくとも一部に生成することを含む、
請求項16に記載の無人車両の制御方法。
【請求項18】
前記回避パスを前記第2無人車両に与えることと、
前記対向パス及び前記回避パスの少なくとも一方に従って前記第2無人車両を走行させることと、を含む、
請求項17に記載の無人車両の制御方法。
【請求項19】
前記第2無人車両が前記回避パスを受信した時点において前記第2無人車両と前記障害物との距離が規定値以上であるときに、前記第2無人車両を前記回避パスに従って走行させることを含む、
請求項18に記載の無人車両の制御方法。
【請求項20】
前記時点において前記距離が規定値未満であるときに、前記第2無人車両を停車させることを含む、
請求項19に記載の無人車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、無人車両、無人車両の制御システム、及び無人車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、無人車両が稼働する。特許文献1に開示されているように、複数の無人車両が往復2車線からなる走行路を走行する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人車両の進路に障害物が存在すると、無人車両の走行が阻害され、その結果、作業現場の生産性が低下する可能性がある。そのため、障害物を早期に検出して、作業現場の生産性の低下を抑制するための措置を講ずる必要がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、無人車両に関する技術を開示する。無人車両は、走行装置と、障害物センサと、自走パスを記憶する自走パス記憶部と、自走パスに基づいて、走行装置を制御する走行制御部と、対向車両に与えられる対向パスを記憶する対向パス記憶部と、障害物センサの検出データに基づいて、対向パスに障害物が存在するか否かを判定する障害物存否判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る無人車両の作業現場を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る走行データを説明するための模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る無人車両の走行形態を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1無人車両の障害物センサが走行路に存在する障害物を検出する状態を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る無人車両の制御システムを示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る無人車両の制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る回避パスを説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る対向車両と障害物との距離を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業現場]
図1は、実施形態に係る無人車両2の作業現場1を示す模式図である。
【0011】
実施形態において、作業現場1は、鉱山である。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。作業現場1において、複数の無人車両2が稼働する。
【0012】
無人車両2とは、運転者の運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。実施形態において、無人車両2は、無人で作業現場1を走行して積荷を運搬する無人ダンプトラックである。無人車両2に運搬される積荷として、作業現場1において採掘された掘削物が例示される。
【0013】
作業現場1に走行エリア3が設定される。走行エリア3とは、無人車両2が走行可能なエリアをいう。走行エリア3は、積込場4、排土場5、及び走行路6を含む。
【0014】
積込場4とは、無人車両2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場4において、積込機7が稼働する。積込機7として、油圧ショベルが例示される。
【0015】
排土場5とは、無人車両2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場5に、破砕機8が配置される。
【0016】
走行路6とは、積込場4及び排土場5の少なくとも一方に向かう無人車両2が走行するエリアをいう。走行路6は、積込場4と排土場5とを繋ぐように設けられる。無人車両2は、積込場4と排土場5とを往復するように走行路6を走行する。
【0017】
[管理システム]
図2は、実施形態に係る作業現場1の管理システム20を示す模式図である。
【0018】
管理システム20は、作業現場1で稼働する複数の無人車両2を管理する。管理システム20は、管理装置21と、入力装置22と、通信システム23とを備える。管理装置21及び入力装置22のそれぞれは、作業現場1の管制施設9に設置される。管制施設9に管理者が存在する。
【0019】
無人車両2は、制御装置30を有する。管理装置21と無人車両2の制御装置30とは、通信システム23を介して無線通信する。管理装置21に無線通信機23Aが接続される。制御装置30に無線通信機23Bが接続される。通信システム23は、無線通信機23A及び無線通信機23Bを含む。
【0020】
入力装置22は、管制施設9の管理者に操作される。入力装置22は、管理者に操作されることにより、入力データを生成する。入力装置22として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、マウス、又は操作ボタンが例示される。
【0021】
管理装置21は、コンピュータシステムを含む。管理装置21は、無人車両2の走行条件を示す走行データを生成する。管理装置21は、複数の無人車両2のそれぞれについて走行データを生成する。管制施設9の管理者は、入力装置22を操作して、無人車両2の走行条件を管理装置21に入力する。管理装置21は、入力装置22により生成された入力データに基づいて、走行データを生成する。管理装置21は、通信システム23を介して無人車両2に走行データを送信する。無人車両2は、管理装置21から送信された走行データに基づいて、作業現場1を走行する。
【0022】
[無人車両]
図2に示すように、無人車両2は、車両本体50と、走行装置51と、ダンプボディ52と、位置センサ71と、方位センサ72と、傾斜センサ73と、速度センサ74と、ステアリングセンサ75と、障害物センサ76と、無線通信機23Bと、制御装置30とを備える。
【0023】
車両本体50は、車体フレームを含む。車両本体50は、走行装置51に支持される。車両本体50は、ダンプボディ52を支持する。
【0024】
走行装置51は、無人車両2を走行させる。走行装置51は、無人車両2を前進又は後進させる。走行装置51の少なくとも一部は、車両本体50よりも下方に配置される。走行装置51は、車輪53と、タイヤ54と、駆動装置55と、ブレーキ装置56と、トランスミッション装置57と、ステアリング装置58とを有する。
【0025】
タイヤ54は、車輪53に装着される。車輪53は、前輪53Fと、後輪53Rとを含む。タイヤ54は、前輪53Fに装着される前タイヤ54Fと、後輪53Rに装着される後タイヤ54Rとを含む。実施形態において、前輪53Fは、操舵輪である。後輪53Rは、駆動輪である。
【0026】
駆動装置55は、無人車両2を発進又は加速させるための駆動力を発生する。駆動装置55として、内燃機関又は電動機が例示される。内燃機関として、ディーゼルエンジンが例示される。
【0027】
ブレーキ装置56は、無人車両2を停止又は減速させるための制動力を発生する。ブレーキ装置56として、ディスクブレーキ又はドラムブレーキが例示される。
【0028】
トランスミッション装置57は、駆動装置55が発生した駆動力を後輪53Rに伝達する。トランスミッション装置57は、前進クラッチと後進クラッチとを有する。前進クラッチと後進クラッチとの連結状態が切り換えられることによって、無人車両2の前進と後進とが切り換えられる。後輪53Rは、駆動装置55が発生する駆動力により回転する。タイヤ54が作業現場1の路面と接触した状態で、車輪53が回転することにより、無人車両2は、作業現場1を走行する。
【0029】
ステアリング装置58は、無人車両2の走行方向を調整するための操舵力を発生する。前進する無人車両2の走行方向とは、車両本体50の前部の方位をいう。後進する無人車両2の走行方向とは、車両本体50の後部の方位をいう。ステアリング装置58により、前輪53Fが操舵される。前輪53Fが操舵されることにより、無人車両2の走行方向が調整される。
【0030】
ダンプボディ52は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ52の少なくとも一部は、車両本体50よりも上方に配置される。ダンプボディ52は、積載姿勢と起立姿勢とに変化する。積載姿勢とは、ダンプボディ52の可動範囲において車両本体50に最も接近するように下降した姿勢をいう。起立姿勢とは、ダンプボディ52の可動範囲において車両本体50から最も離隔するように上昇した姿勢をいう。ダンプボディ52が積載姿勢のときに、ダンプボディ52に積荷が積載される。無人車両2は、ダンプボディ52が積載姿勢のときに走行する。ダンプボディ52に積荷が積載された状態で、ダンプボディ52が積載姿勢から起立姿勢に変化することにより、ダンプボディ52から積荷が排出される。
【0031】
位置センサ71は、無人車両2の位置を検出する。無人車両2の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ71は、GNSS受信機を含む。位置センサ71は、グローバル座標系における無人車両2の位置を示す絶対位置を検出する。
【0032】
方位センサ72は、無人車両2の方位を検出する。無人車両2の方位は、無人車両2のヨー角を含む。車両本体50の上下方向に延伸する軸をヨー角とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする無人車両2の傾斜角度をいう。方位センサ72として、ジャイロセンサが例示される。
【0033】
傾斜センサ73は、無人車両2の姿勢を検出する。無人車両2の姿勢は、車両本体50の傾斜角度を含む。車両本体50の傾斜角度は、車両本体50のピッチ角及びロール角を含む。車両本体50の左右方向(車幅方向)に延伸する軸をピッチ軸とした場合、ピッチ角とは、ピッチ軸を中心とする車両本体50の傾斜角度をいう。車両本体50の前後方向に延伸する軸をロール角とした場合、ロール角とは、ロール軸を中心とする車両本体50の傾斜角度をいう。傾斜センサ73として、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)が例示される。
【0034】
速度センサ74は、無人車両2の走行速度を検出する。速度センサ74として、車輪53の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0035】
ステアリングセンサ75は、ステアリング装置58の操舵角を検出する。ステアリングセンサ75として、ポテンショメータが例示される。
【0036】
障害物センサ76は、障害物を非接触で検出する。障害物センサ76は、車両本体50の前部に配置される。障害物センサ76として、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。障害物センサ76は、周囲の画像を取得し、画像を解析して障害物を検出するカメラ等の撮像装置も例示される。
【0037】
制御装置30は、コンピュータシステムを含む。制御装置30は、車両本体50に配置される。制御装置30は、走行装置51を制御する制御指令を出力する。制御装置30から出力される制御指令は、駆動装置55を作動させるための駆動指令、ブレーキ装置56を作動させるための制動指令、トランスミッション装置57を作動させるための前後進指令、及びステアリング装置58を作動させるための操舵指令を含む。駆動装置55は、制御装置30から出力された駆動指令に基づいて、無人車両2を発進又は加速させるための駆動力を発生する。ブレーキ装置56は、制御装置30から出力された制動指令に基づいて、無人車両2を停止又は減速させるための制動力を発生する。トランスミッション装置57は、制御装置30から出力された前後進指令に基づいて、無人車両2の前進と後進とを切り換える。ステアリング装置58は、制御装置30から出力された操舵指令に基づいて、無人車両2を直進又は旋回させるための操舵力を発生する。
【0038】
[走行データ]
図3は、実施形態に係る走行データを説明するための模式図である。
【0039】
走行データは、無人車両2の走行条件を規定する。走行データは、走行点14、走行パス15、無人車両2の目標位置、無人車両2の目標走行速度、及び無人車両2の目標方位を含む。
【0040】
走行点14は、走行エリア3に複数設定される。走行点14は、無人車両2の目標位置を規定する。複数の走行点14のそれぞれに、無人車両2の目標走行速度及び無人車両2の目標方位が設定される。複数の走行点14は、間隔をあけて設定される。走行点14の間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。走行点14の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0041】
走行パス15とは、無人車両2の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス15は、複数の走行点14を通過する軌跡によって規定される。
【0042】
無人車両2の目標位置とは、走行点14を通過するときの無人車両2の目標位置をいう。無人車両2の目標位置は、無人車両2のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0043】
無人車両2の目標走行速度とは、走行点14を通過するときの無人車両2の目標走行速度をいう。
【0044】
無人車両2の目標方位とは、走行点14を通過するときの無人車両2の目標方位をいう。
【0045】
無人車両2の制御装置30は、走行データに基づいて走行装置51を制御する。
【0046】
制御装置30は、無人車両2が走行パス15に従って走行するように、走行装置51を制御する。実施形態において、制御装置30は、無人車両2の車幅方向の中心と走行パス15とが一致した状態で無人車両2が走行するように、走行装置51を制御する。
【0047】
制御装置30は、位置センサ71の検出データに基づいて、走行点14を通過するときの無人車両2の実際の位置が目標位置になるように、走行装置51を制御する。制御装置30は、位置センサ71の検出データに基づいて、無人車両2が走行パス15に従って走行するように、走行装置51を制御する。
【0048】
制御装置30は、方位センサ72の検出データに基づいて、走行点14を通過するときの無人車両2の実際の方位が目標方位になるように、走行装置51を制御する。制御装置30は、無人車両2の実際の位置と走行点14により規定される無人車両2の目標位置との偏差が無くなるように、且つ、走行点14を通過するときの無人車両2の実際の方位が目標方位になるように、走行装置51を制御する。
【0049】
制御装置30は、無人車両2が走行点14を通過するときの傾斜センサ73の検出データと走行点14における地形とに基づいて、走行点14における無人車両2の姿勢を算出する。
【0050】
制御装置30は、速度センサ74の検出データに基づいて、走行点14を通過するときの無人車両2の実際の走行速度が目標走行速度になるように、走行装置51を制御する。
【0051】
制御装置30は、ステアリングセンサ75の検出データに基づいて、走行点14を通過するときの無人車両2の実際の操舵角が目標操舵角になるように、走行装置51を制御する。
【0052】
障害物センサ76は、無人車両2の進路前方の障害物を検出する。障害物センサ76は、障害物センサ76の検出範囲10に配置された障害物を検出することができる。検出範囲10は、無人車両2の進路前方の走行パス15を含むように規定される。制御装置30は、障害物センサ76の検出データに基づいて、無人車両2の進路前方の走行パス15に障害物が存在すると判定した場合、無人車両2が減速又は停車するように、走行装置51を制御する。
【0053】
[無人車両の走行形態]
図4は、実施形態に係る無人車両2の走行形態を説明するための模式図である。
【0054】
図4に示すように、走行路6において、2台の無人車両2がすれ違うように走行する場合がある。
図4に示す例において、2台の無人車両2のうち、第1無人車両2Aは、走行路6の左側の走行レーンを往路方向に走行し、第2無人車両2Bは、走行路6の右側の走行レーンを復路方向に走行する。第2無人車両2Bは、第1無人車両2Aの対向車両に相当する。第1無人車両2Aと第2無人車両2Bとは、対面通行する。
【0055】
管理装置21は、第1無人車両2A及び第2無人車両2Bのそれぞれに走行パス15を与える。走行パス15は、第1無人車両2Aに与えられる第1走行パス15Aと、第2無人車両2Bに与えられる第2走行パス15Bとを含む。第1無人車両2Aは、管理装置21から与えられた第1走行パス15Aに従って走行する。第2無人車両2Bは、管理装置21から与えられた第2走行パス15Bに従って走行する。第1走行パス15Aと第2走行パス15Bとは、相互に隣り合うように規定される。
図4に示す例において、第1走行パス15Aと第2走行パス15Bとは、実質的に平行である。
【0056】
[障害物の検出]
図5は、実施形態に係る第1無人車両2Aの障害物センサ76が走行路6に存在する障害物を検出する状態を示す模式図である。
【0057】
第1無人車両2Aの進路前方の第1走行パス15Aに障害物11Aが存在する場合、第1無人車両2Aの障害物センサ76は、障害物11Aを検出することができる。障害物11Aが検出された場合、第1無人車両2Aの制御装置30は、第1無人車両2Aを減速又は停車させる。
【0058】
障害物センサ76の検出範囲10が大きい場合、第1無人車両2Aの障害物センサ76の検出範囲10は、第1無人車両2Aの進路前方の第1走行パス15Aのみならず、第1走行パス15Aの隣の第2走行パス15Bも含むように規定される。第1無人車両2Aの障害物センサ76は、第1走行パス15Aに存在する障害物11Aのみならず、第2走行パス15Bに存在する障害物11Bも検出することができる。
【0059】
実施形態において、第1無人車両2Aには、第1走行パス15Aのみならず、第2走行パス15Bも与えられる。第1無人車両2Aの制御装置30は、障害物センサ76の検出データと第2走行パス15Bとに基づいて、第2走行パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することができる。
【0060】
[制御システム]
図6は、実施形態に係る無人車両2の制御システム100を示す機能ブロック図である。
【0061】
以下の説明においては、
図4及び
図5を参照して説明した第1走行パス15Aを適宜、自走パス15A、と称し、第2走行パス15Bを適宜、対向パス15B、と称する。
【0062】
以下の説明においては、
図4及び
図5を参照して説明した第1無人車両2Aを適宜、自車両2A、と称し、第2無人車両2Bを適宜、対向車両2B、と称する。
【0063】
以下の説明においては、第1無人車両2Aの制御装置30を適宜、制御装置30A、と称し、第2無人車両2Bの制御装置30を適宜、制御装置30B、と称する。
【0064】
以下の説明においては、第1無人車両2Aの走行装置51を適宜、走行装置51A、と称し、第2無人車両2Bの走行装置51を適宜、走行装置51B、と称する。
【0065】
制御システム100は、管理装置21と、制御装置30Aと、制御装置30Bとを含む。
【0066】
管理装置21は、自走パス生成部24と、対向パス生成部25と、第1パス送信部26と、第2パス送信部27と、障害物位置受信部28と、回避パス生成部29とを有する。
【0067】
制御装置30Aは、自走パス受信部31と、対向パス受信部32と、自走パス記憶部33と、対向パス記憶部34と、検出データ取得部35と、障害物存否判定部36と、障害物位置算出部37と、障害物位置送信部38と、走行制御部39とを有する。
【0068】
制御装置30Bは、対向パス受信部40と、対向パス記憶部41と、走行制御部42とを有する。
【0069】
自走パス生成部24は、自車両2Aに与えられる自走パス15Aを生成する。自走パス15Aを生成することは、自車両2Aの走行データを生成することを含む。実施形態において、自走パス生成部24は、作業現場1全体の自走パス15Aを生成する。
【0070】
対向パス生成部25は、対向車両2Bに与えられる対向パス15Bを生成する。対向パス15Bを生成することは、対向車両2Bの走行データを生成することを含む。実施形態において、対向パス生成部25は、作業現場1全体の対向パス15Bを生成する。
【0071】
第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aを自車両2Aの制御装置30Aに送信する。自走パス15Aを送信することは、自車両2Aの走行データを送信することを含む。実施形態において、第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aの一部を制御装置30Aに送信する。
【0072】
図4に示すように、第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された作業現場1全体の自走パス15Aのうち、自車両2Aの進路前方の一部の自走パス15Aを制御装置30Aに送信する。すなわち、第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された作業現場1全体の自走パス15Aのうち、自車両2Aの位置を示す自己位置Paと自己位置Paから所定距離Laだけ自車両2Aの進路前方に離れた前方位置Pbとの間の自走パス15Aを制御装置30Aに送信する。所定距離Laは、例えば50[m]以上200[m]以下でもよい。所定距離Laは、例えば自車両2Aの前後方向の寸法の2倍以上5倍以下でもよい。自己位置Paは、自車両2Aの位置センサ71により検出される。自己位置Paは、自車両2Aの絶対位置を示す。自車両2Aの位置センサ71により検出された自車両2Aの自己位置Paは、自車両2Aの制御装置30Aから管理装置21に送信される。所定距離Laは、予め定められている値である。そのため、第1パス送信部26は、制御装置30Aから送信された自車両2Aの自己位置Paと、予め定められている所定距離Laとに基づいて、自己位置Paと前方位置Pbとの間の自走パス15Aを制御装置30Aに送信することができる。自車両2Aの進行に伴って、自車両2Aの自己位置Paが変化する。第1パス送信部26は、自車両2Aの自己位置Paの変化に伴って、制御装置30Aに送信する自走パス15Aを順次更新する。
【0073】
第2パス送信部27は、対向パス生成部25により生成された対向パス15Bを対向車両2Bの制御装置30Bに送信する。対向パス15Bを送信することは、対向車両2Bの走行データを送信することを含む。実施形態において、第2パス送信部27は、対向パス生成部25により生成された対向パス15Bの一部を制御装置30Bに送信する。
【0074】
図4に示すように、第2パス送信部27は、対向パス生成部25により生成された作業現場1全体の対向パス15Bのうち、対向車両2Bの進路前方の一部の対向パス15Bを制御装置30Bに送信する。すなわち、第2パス送信部27は、対向パス生成部25により生成された作業現場1全体の対向パス15Bのうち、対向車両2Bの位置を示す他車位置Pcと他車位置Pcから所定距離Lbだけ対向車両2Bの進路前方に離れた前方位置Pdとの間の対向パス15Bを制御装置30Bに送信する。所定距離Lbは、例えば50[m]以上200[m]以下でもよい。所定距離Lbは、例えば対向車両2Bの前後方向の寸法の2倍以上5倍以下でもよい。所定距離Lbは、所定距離Laと同一でもよいし、異なってもよい。他車位置Pcは、対向車両2Bの位置センサ71により検出される。他車位置Pcは、対向車両2Bの絶対位置を示す。対向車両2Bの位置センサ71により検出された対向車両2Bの他車位置Pcは、対向車両2Bの制御装置30Bから管理装置21に送信される。所定距離Lbは、予め定められている値である。そのため、第2パス送信部27は、制御装置30Bから送信された対向車両2Bの他車位置Pcと、予め定められている所定距離Lbとに基づいて、他車位置Pcと前方位置Pdとの間の対向パス15Bを制御装置30Bに送信することができる。対向車両2Bの進行に伴って、対向車両2Bの他車位置Pcが変化する。第2パス送信部27は、対向車両2Bの他車位置Pcの変化に伴って、制御装置30Bに送信する対向パス15Bを順次更新する。
【0075】
実施形態において、第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aの一部と対向パス生成部25により生成された対向パス15Bの一部との両方を自車両2Aの制御装置30Aに送信する。
【0076】
第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される自走パス15Aは、自己位置Paと前方位置Pbとの間の所定距離Laの自走パス15Aである。第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される対向パス15Bは、自己位置Paと前方位置Pbとの間の自走パス15Aの隣に規定された所定距離Lbの対向パス15Bである。すなわち、第1パス送信部26は、自車両2Aの進行方向において、自己位置Paと前方位置Pbとの間に相当する対向パス15Bを自車両2Aの制御装置30Aに送信する。第1パス送信部26は、制御装置30Aから送信された自車両2Aの自己位置Paと、予め定められている所定距離Lbとに基づいて、自己位置Paと前方位置Pbとの間の自走パス15Aの隣に規定された所定距離Lbの対向パス15Bを制御装置30Aに送信することができる。自車両2Aの進行に伴って、自車両2Aの自己位置Paが変化する。第1パス送信部26は、自車両2Aの自己位置Paの変化に伴って、制御装置30Aに送信する対向パス15Bを順次更新する。
【0077】
以下の説明においては、第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される自己位置Paと前方位置Pbとの間の所定距離Laの自走パス15Aを適宜、自車両2Aの進路前方の自走パス15A、と称する。また、第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される自己位置Paと前方位置Pbとの間の所定距離Laの自走パス15Aの隣に規定された所定距離Lbの対向パス15Bを適宜、自走パス15Aの隣の対向パス15B、と称する。
【0078】
以下の説明においては、第2パス送信部27から制御装置30Bに送信される他車位置Pcと前方位置Pdとの間の所定距離Lbの対向パス15Bを適宜、対向車両2Bの進路前方の対向パス15B、と称する。
【0079】
第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される自走パス15Aの隣の対向パス15Bは、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを含む。すなわち、第1パス送信部26から制御装置30Aに送信される自走パス15Aの隣の対向パス15Bは、対向車両2Bが走行予定の対向パス15Bを含む。
【0080】
障害物位置受信部28は、自車両2Aの障害物センサ76の検出データに基づいて算出された障害物11Aの位置を受信する。障害物位置受信部28は、自車両2Aの障害物センサ76の検出データに基づいて算出された障害物11Bの位置を受信する。実施形態において、障害物11Aの位置及び障害物11Bの位置は、自車両2Aの制御装置30Aにおいて算出される。制御装置30Aにおいて障害物11Aの位置が算出された場合、障害物位置受信部28は、制御装置30Aから障害物11Aの位置を受信する。制御装置30Aにおいて障害物11Bの位置が算出された場合、障害物位置受信部28は、制御装置30Aから障害物11Bの位置を受信する。
【0081】
回避パス生成部29は、障害物位置受信部28が受信した障害物11Bの位置に基づいて、対向車両2Bに障害物11Bを回避させる回避パス15Cを対向パス15Bの少なくとも一部に生成する。走行パス15は、回避パス15Cを含む。回避パス15Cは、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bに生成される。回避パス生成部29により回避パス15Cが生成された場合、第2パス送信部27は、回避パス15Cを対向車両2Bに送信する。
【0082】
自走パス受信部31は、管理装置21から送信された自走パス15Aを受信する。自走パス15Aを受信することは、自車両2Aの走行データを受信することを含む。自走パス受信部31は、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aを受信する。
【0083】
対向パス受信部32は、管理装置21から送信された対向パス15Bを受信する。対向パス15Bを受信することは、対向車両2Bの走行データを受信することを含む。対向パス受信部32は、自走パス15Aの隣の対向パス15Bを受信する。
【0084】
自走パス記憶部33は、自走パス受信部31が受信した自走パス15Aを記憶する。自走パス15Aを記憶することは、自車両2Aの走行データを記憶することを含む。自走パス記憶部33は、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aを記憶する。
【0085】
対向パス記憶部34は、対向パス受信部32が受信した対向パス15Bを記憶する。対向パス15Bを記憶することは、対向車両2Bの走行データを記憶することを含む。対向パス記憶部34は、自走パス15Aの隣の対向パス15Bを記憶する。
【0086】
検出データ取得部35は、自車両2Aの障害物センサ76の検出データを取得する。検出データ取得部35は、自車両2Aの位置センサ71の検出データを取得する。
【0087】
障害物存否判定部36は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの障害物センサ76の検出データに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに障害物11Aが存在するか否かを判定する。自車両2Aの進路前方の自走パス15Aは、自車両2Aが走行予定の自車両2Aの位置を含む。障害物存否判定部36は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、自走パス記憶部33に記憶されている自走パス15Aとに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに障害物11Aが存在するか否かを判定することができる。
【0088】
障害物存否判定部36は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの障害物センサ76の検出データに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定する。自走パス15Aの隣の対向パス15Bは、対向車両2Bが走行予定の対向車両2Bの位置を含む。障害物存否判定部36は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、対向パス記憶部34に記憶されている対向パス15Bとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することができる。
【0089】
障害物位置算出部37は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに存在する障害物11Aの位置を算出する。位置センサ71は、自車両2Aの自己位置Paを検出する。位置センサ71により検出される自車両2Aの自己位置Paは、絶対位置である。障害物センサ76は、自車両2Aと障害物11Aとの相対位置を検出する。そのため、障害物位置算出部37は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Aの絶対位置を算出することができる。
【0090】
障害物存否判定部36は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、自走パス記憶部33に記憶されている自走パス15Aとに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aと障害物11Aとの相対位置を算出することができる。障害物存否判定部36は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、自走パス記憶部33に記憶されている自走パス15Aとに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに障害物11Aが存在するか否かを高精度に判定することができる。
【0091】
障害物位置算出部37は、検出データ取得部35により取得された自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに存在する障害物11Bの位置を算出する。障害物位置算出部37は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Bの絶対位置を算出することができる。
【0092】
障害物存否判定部36は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、対向パス記憶部34に記憶されている対向パス15Bとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bと障害物11Bとの相対位置を算出することができる。障害物存否判定部36は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、対向パス記憶部34に記憶されている対向パス15Bとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを高精度に判定することができる。
【0093】
障害物位置送信部38は、障害物位置算出部37により算出された障害物11Aの位置を管理装置21に送信する。障害物位置送信部38は、障害物位置算出部37により算出された障害物11Bの位置を管理装置21に送信する。
【0094】
管理装置21の障害物位置受信部28は、障害物位置送信部38から送信された障害物11Aの位置を受信する。管理装置21の障害物位置受信部28は、障害物位置送信部38から送信された障害物11Bの位置を受信する。
【0095】
走行制御部39は、自走パス記憶部33に記憶されている自走パス15Aに基づいて、自車両2Aの走行装置51Aを制御する。走行制御部39は、自車両2Aが自走パス15Aに従って走行するように走行装置51Aを制御する。
【0096】
対向パス受信部40は、管理装置21から送信された対向パス15Bを受信する。対向パス15Bを受信することは、対向車両2Bの走行データを受信することを含む。対向パス受信部40は、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを受信する。対向パス受信部40は、管理装置21から送信された回避パス15Cも受信する。
【0097】
対向パス記憶部41は、対向パス受信部40が受信した対向パス15Bを記憶する。対向パス15Bを記憶することは、対向車両2Bの走行データを記憶することを含む。対向パス記憶部41は、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを記憶する。対向パス記憶部41は、対向パス受信部40が受信した回避パス15Cも記憶する。
【0098】
走行制御部42は、対向パス記憶部41に記憶されている対向パス15Bに基づいて、対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。走行制御部42は、対向車両2Bが対向パス15Bに従って走行するように走行装置51Bを制御する。回避パス15Cが対向パス記憶部41に記憶されている場合、走行制御部42は、対向パス15B及び回避パス15Cの少なくとも一方に基づいて、対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。
【0099】
[制御方法]
図7は、実施形態に係る無人車両2の制御方法を示すフローチャートである。自車両2A及び対向車両2Bのそれぞれは、走行路6を走行する。
【0100】
自車両2Aの位置センサ71は、自車両2Aの自己位置Paを検出する。自車両2Aの位置センサ71により検出された自車両2Aの自己位置Paは、自車両2Aの制御装置30Aから管理装置21に送信される(ステップSA1)。
【0101】
対向車両2Bの位置センサ71は、対向車両2Bの他車位置Pcを検出する。対向車両2Bの位置センサ71により検出された対向車両2Bの他車位置Pcは、対向車両2Bの制御装置30Bから管理装置21に送信される(ステップSB1)。
【0102】
管理装置21は、制御装置30Aから送信された自己位置Paを受信する。管理装置21は、制御装置30Bから送信された他車位置Pcを受信する。
【0103】
第1パス送信部26は、制御装置30Aから送信された自己位置Paに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aを制御装置30Aに送信する。また、第1パス送信部26は、自走パス15Aの隣の対向パス15Bを制御装置30Aに送信する。第2パス送信部27は、制御装置30Bから送信された他車位置Pcに基づいて、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを制御装置30Bに送信する(ステップSC1)。
【0104】
制御装置30Aは、管理装置21から送信された自車両2Aの進路前方の自走パス15Aと、自走パス15Aの対向パス15Bとを受信する。自走パス記憶部33は、管理装置21から送信された自車両2Aの進路前方の自走パス15Aを記憶する。対向パス記憶部34は、管理装置21から送信された自走パス15Aの隣の対向パス15Bを記憶する。制御装置30Bは、管理装置21から送信された対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを受信する。対向パス記憶部41は、管理装置21から送信された対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bを記憶する。
【0105】
障害物存否判定部36は、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、自走パス記憶部33に記憶されている自走パス15Aとに基づいて、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに障害物11Aが存在するか否かを判定する(ステップSA2)。
【0106】
ステップSA2において、自走パス15Aに障害物11Aが存在しないと判定した場合(ステップSA2:No)、障害物存否判定部36は、自車両2Aの障害物センサ76の検出データと、対向パス記憶部34に記憶されている対向パス15Bとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Aが存在するか否かを判定する(ステップSA3)。
【0107】
ステップSA3において、対向パス15Bに障害物11Bが存在しないと判定された場合(ステップSA3:No)、制御装置30Aは、ステップSA1の処理に戻る。走行制御部39は、自車両2Aが自走パス15Aに従って走行するように自車両2Aの走行装置51Aを制御する。
【0108】
ステップSA2において、自走パス15Aに障害物11Aが存在すると判定された場合(ステップSA2:Yes)、障害物位置算出部37は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Aの位置を算出する。障害物位置送信部38は、障害物位置算出部37により算出された障害物11Aの位置を管理装置21に送信する(ステップSA4)。
【0109】
走行制御部39は、自走パス15Aに障害物11Aが存在すると判定された場合、自車両2Aが停車するように自車両2Aの走行装置51Aを制御する(ステップSA5)。
【0110】
ステップSA3において、対向パス15Bに障害物11Bが存在すると判定された場合(ステップSA3:Yes)、障害物位置算出部37は、自車両2Aの位置センサ71の検出データと、自車両2Aの障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Bの位置を算出する(ステップSA6)。
【0111】
障害物位置送信部38は、ステップSA6において算出された障害物11Bの位置を管理装置21に送信する(ステップSA7)。
【0112】
管理装置21は、制御装置30Aから送信された障害物11Bの位置を受信する。
【0113】
回避パス生成部29は、制御装置30Aから送信された障害物11Bの位置に基づいて、対向車両2Bに障害物11Bを回避させる回避パス15Cを対向パス15Bの少なくとも一部に生成する(ステップSC2)。
【0114】
図8は、実施形態に係る回避パス15Cを説明するための模式図である。
図8に示すように、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在する場合、障害物11Bを回避するように、自走パス15Aの隣の対向パス15Bの少なくとも一部に回避パス15Cが生成される。回避パス15Cは、自走パス15Aの隣の対向パス15Bの一部を変更することにより生成される。回避パス15Cの一端部及び他端部のそれぞれは、既存の対向パス15Bに接続される。回避パス15Cの一端部は、障害物11Bよりも対向車両2Bの進路前方側の端部である。回避パス15Cの他端部は、障害物11Bよりも対向車両2Bの進路後方側の端部である。回避パス15Cは、障害物11Bに重複しないように生成される。
【0115】
ここで、自車両2Aの障害物センサ37により検出した物体が対向車両2Bである場合がある。この場合、管理装置21は、自車両2Aから受信した障害物の位置と対向車両2Bから受信した対向車両2Bの位置とに基づいて、検出した障害物が対向車両2Bであるかを判定する。管理装置21は、障害物の位置と対向車両2Bから受信した対向車両2Bの位置とが同じであると判定した場合、検出した障害物を対向車両2Bであると判定する。管理装置21は、障害物が対向車両2Bである場合は、回避パスを生成しない設定としてもよい。また、自車両2Aは、障害物センサ37の検出データを解析して、障害物か対向車両2Bか判定してもよい。障害物センサ37がカメラの場合、画像解析で障害物が対向車両2Bかを判定することができる。また、障害物センサ37がLidarの場合、反射波で算出する計測範囲の形状に基づいて、障害物が対向車両2Bか判定することができる。障害物が対向車両2Bであると判定した場合、障害物の位置を管理装置21に送信しないようにしてもよい。つまり、障害物を検出した場合、その障害物が対向車両2Bである場合、上述したステップSA7の処理を実行しないようにしてもよい。
【0116】
第2パス送信部27は、ステップSC2において生成された回避パス15Cを含む対向パス15Bを対向車両2Bの制御装置30Bに送信する(ステップSC3)。
【0117】
制御装置30Bは、回避パス15Cを含む対向パス15Bを受信する。対向パス記憶部41は、管理装置21から送信された回避パス15Cを含む対向パス15Bを記憶する。
【0118】
走行制御部42は、対向車両2Bの対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値以上であるか否かを判定する(ステップSB2)。
【0119】
ステップSB2において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値以上であると判定した場合(ステップSB2:Yes)、走行制御部42は、対向車両2Bが回避パス15Cに従って走行するように対向車両2Bの走行装置51Bを制御する(ステップSB3)。
【0120】
ステップSB2において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値未満であると判定した場合(ステップSB2:No)、走行制御部42は、対向車両2Bが停車するように対向車両2Bの走行装置51Bを制御する(ステップSB4)。
【0121】
図9は、実施形態に係る対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcを説明するための模式図である。
図9に示すように、対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値未満であるときに、走行制御部42は、対向車両2Bが停車するように対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。規定値は、一例として20[m]である。対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが短い場合、回避パス15Cに従って対向車両2Bを走行させようとしても、対向車両2Bのステアリング装置58による前輪53Fの操舵が間に合わない可能性がある。そのため、対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値未満であるときに、走行制御部42は、対向車両2Bが停車するように対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。
【0122】
対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値以上であるときに、走行制御部42は、対向車両2Bが回避パス15Cに従って走行するように、対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。これにより、対向車両2Bは、停車することなく、走行路6を走行することができる。したがって、作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0123】
[コンピュータシステム]
図10は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述の管理装置21及び制御装置30のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置21及び制御装置30のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、コンピュータプログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0124】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、自走パス15A及び対向パス15Bのそれぞれを自車両2Aに与えることと、対向パス15Bを自車両2Aの対向車両2Bに与えることと、自車両2Aを自走パス15Aに従って走行させることと、対向車両2Bを対向パス15Bに従って走行させることと、自車両2Aに設けられた障害物センサ76の検出データに基づいて、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することと、を実行することができる。
【0125】
また、コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、自車両2Aに、自車両2Aの位置を示す自己位置Paと自己位置Paから所定距離Laだけ進路前方に離れた前方位置Pbとの間の自走パス15Aと、自走パス15Aの隣に規定された所定距離Lbの対向パス15Bとを記憶させることを実行することができる。
【0126】
また、コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、自車両2Aの位置を検出する位置センサ71の検出データと障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Bの位置を算出することを実行することができる。
【0127】
また、コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、障害物11Bの位置に基づいて、対向車両2Bに障害物11Bを回避させる回避パス15Cを対向パス15Bの少なくとも一部に生成することを実行することができる。
【0128】
また、コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、回避パス15Cを対向車両2Bに与えることと、対向パス15B及び回避パス15Cの少なくとも一方に従って対向車両2Bを走行させることと、を実行することができる。
【0129】
また、コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、対向車両2Bが回避パス15Cを受信した時点において対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値以上であるときに、対向車両2Bを回避パス15Cに従って走行させることと、時点において距離Lcが規定値未満であるときに、対向車両2Bを停車させることと、を実行することができる。
【0130】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、自車両2Aは、走行装置51Aと、障害物センサ76と、自走パス15Aを記憶する自走パス記憶部33と、自走パス15Aに基づいて、走行装置51Aを制御する走行制御部39と、対向車両2Bに与えられる対向パス15Bを記憶する対向パス記憶部34と、障害物センサ76の検出データに基づいて、対向車両2Bの進路前方の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定する障害物存否判定部36と、を備える。
【0131】
自車両2Aの障害物センサ76は、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aに存在する障害物11Aのみならず、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに存在する障害物11Bを検出することができる。自車両2Aの制御装置30Aの障害物存否判定部36は、障害物センサ76の検出データに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することができる。これにより、対向車両2Bが自走パス15Aの隣の対向パス15Bから離れていて、対向車両2Bの障害物センサ76が障害物11Bを検出できない状況でも、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに存在する障害物11Bが自車両2Aの制御装置30Aによって早期に検出される。また、自走パス15Aの隣の対向パス15Bが自車両2Aの制御装置30Aの対向パス記憶部34に記憶される。すなわち、自車両2Aの制御装置30Aには、自走パス15Aのみならず、対向パス15Bも与えられる。そのため、自車両2Aの制御装置30Aの障害物存否判定部36は、障害物センサ76の検出データと、対向パス記憶部34に記憶されている対向パス15Bとに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを適正に判定することができる。障害物11Bが早期且つ適正に検出されるので、例えば対向車両2Bが障害物11Bに近付く前に障害物11Bを対向パス15Bから退かす等、作業現場1の生産性の低下を抑制するための措置を講ずることができる。そのため、無人車両2が稼働する作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0132】
自走パス記憶部33は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aのうち、自車両2Aの進路前方の自走パス15Aを記憶する。対向パス記憶部34は、対向パス生成部25により生成された対向パス15Bのうち、自走パス15Aの隣の対向パス15Bを記憶する。自走パス15Aの隣の対向パス15Bの少なくとも一部は、自車両2Aの障害物センサ76の検出範囲10に含まれる。対向パス記憶部34には、自車両2Aの障害物センサ76が検出可能な対向パス15Bが記憶される。これにより、障害物11Bの存否の判定に必要な対向パス15Bが自車両2Aの制御装置30Aに与えられる。
【0133】
自車両2Aの自己位置Paを検出する位置センサ71の検出データと、障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Bの位置が算出される。障害物11Bの位置が算出されるので、対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かが適正に判定される。また、障害物11Bの位置に基づいて、作業現場1の生産性の低下を抑制するための措置が迅速に講じられる。
【0134】
障害物11Bの位置に基づいて、対向車両2Bに障害物11Bを回避させる回避パス15Cが生成される。対向パス15Bに障害物11Bが存在しても、対向車両2Bは、停車することなく、回避パス15Cに従って走行することができる。対向車両2Bが停車しなくても済むので、作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0135】
対向パス受信部40が回避パス15Cを受信した時点において、対向車両2Bと障害物11Bとの距離Lcが規定値未満であるときに、走行制御部42は、対向車両2Bが停車するように対向車両2Bの走行装置51Bを制御する。これにより、対向車両2Bのステアリング装置58が急激に作動されることが抑制される。
【0136】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aの一部を自車両2Aの制御装置30Aに送信することとした。第1パス送信部26は、自走パス生成部24により生成された自走パス15Aの全部を自車両2Aの制御装置30Aに一括に送信してもよい。同様に、第1パス送信部26は、対向パス生成部25により生成された対向パス15Bの全部を自車両2Aの制御装置30Aに一括に送信してもよい。第2パス送信部27は、対向パス生成部25により生成された対向パス15Bの全部を対向車両2Bの制御装置30Bに一括に送信してもよい。
【0137】
上述の実施形態において、管理装置21の機能の少なくとも一部が制御装置30に設けられてもよいし、制御装置30の機能の少なくとも一部が管理装置21に設けられてもよい。
【0138】
例えば、回避パス生成部29の機能が自車両2Aの制御装置30Aに設けられてもよい。制御装置30Aに設けられた回避パス生成部29は、障害物11Bの位置に基づいて、対向車両2Bに障害物11Bを回避させる回避パス15Cを対向パス15Bの少なくとも一部に生成することができる。自車両2Aの制御装置30Aにおいて生成された回避パス15Cは、管理装置21を介して対向車両2Bの制御装置30Bに送信されてもよいし、管理装置21を介さずに対向車両2Bの制御装置30Bに送信されてもよい。
【0139】
例えば、障害物存否判定部36の機能が管理装置21に設けられてもよい。管理装置21に設けられた障害物存否判定部36は、自車両2Aに設けられた障害物センサ76の検出データに基づいて、自走パス15Aの隣の対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することができる。自車両2Aに設けられた障害物センサ76の検出データが通信システム23を介して管理装置21に送信されることにより、管理装置21に設けられた障害物存否判定部36は、対向パス15Bに障害物11Bが存在するか否かを判定することができる。
【0140】
例えば、障害物位置算出部37の機能が管理装置21に設けられてもよい。管理装置21に設けられた障害物位置算出部37は、自車両2Aの位置を検出する位置センサ71の検出データと、障害物センサ76の検出データとに基づいて、障害物11Bの位置を算出することができる。自車両2Aに設けられた位置センサ71の検出データ及び障害物センサ76の検出データが通信システム23を介して管理装置21に送信されることにより、管理装置21に設けられた障害物位置算出部37は、対向パス15Bに存在する障害物11Bの位置を算出することができる。
【0141】
上述野実施形態において、自走パス生成部24、対向パス生成部25、第1パス送信部26、第2パス送信部27、障害物位置受信部28、回避パス生成部29、自走パス受信部31、対向パス受信部32、自走パス記憶部33、対向パス記憶部34、検出データ取得部35、障害物存否判定部36、障害物位置算出部37、障害物位置送信部38、走行制御部39、対向パス受信部40、対向パス記憶部41、及び走行制御部42のそれぞれが、別々のハードウエア(コンピュータシステム)により構成されてもよい。
【0142】
上述の実施形態において、無人車両2は、運搬車両の一種であるダンプトラックであることとした。無人車両2は、作業現場1で作業を実施可能な作業車両であればよい。
【符号の説明】
【0143】
1…作業現場、2…無人車両、2A…自車両(第1無人車両)、2B…対向車両(第2無人車両)、3…走行エリア、4…積込場、5…排土場、6…走行路、7…積込機、8…破砕機、9…管制施設、10…検出範囲、11A…障害物、11B…障害物、14…走行点、15…走行パス、15A…自走パス(第1走行パス)、15B…対向パス(第2走行パス)、15C…回避パス、20…管理システム、21…管理装置、22…入力装置、23…通信システム、23A…無線通信機、23B…無線通信機、24…自走パス生成部、25…対向パス生成部、26…第1パス送信部、27…第2パス送信部、28…障害物位置受信部、29…回避パス生成部、30…制御装置、30A…制御装置、30B…制御装置、31…自走パス受信部、32…対向パス受信部、33…自走パス記憶部、34…対向パス記憶部、35…検出データ取得部、36…障害物存否判定部、37…障害物位置算出部、38…障害物位置送信部、39…走行制御部、40…対向パス受信部、41…対向パス記憶部、42…走行制御部、50…車両本体、51…走行装置、51A…走行装置、51B…走行装置、52…ダンプボディ、53…車輪、53F…前輪、53R…後輪、54…タイヤ、54F…前タイヤ、54R…後タイヤ、55…駆動装置、56…ブレーキ装置、57…トランスミッション装置、58…ステアリング装置、71…位置センサ、72…方位センサ、73…傾斜センサ、74…速度センサ、75…ステアリングセンサ、76…障害物センサ、100…制御システム、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、La…所定距離、Lb…所定距離、Lc…距離、Pa…自己位置、Pb…前方位置、Pc…他車位置、Pd…前方位置。