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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042455
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】防眩システム、及び防眩方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20230317BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B60R11/02 C
G02B27/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149754
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】荒川 賢治
【テーマコード(参考)】
2H199
3D020
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA29
2H199DA34
2H199DA36
2H199DA42
3D020BA04
3D020BA09
3D020BA20
3D020BC02
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】減光領域を抑制しつつ、光源からユーザの目への光の照射を防ぎやすくすること。
【解決手段】防眩システム100は、第1取得部11と、第2取得部12と、減光部14と、制御部13と、を備える。第1取得部11は、第1撮像センサ2から周囲を撮像した画像データを取得する。第2取得部12は、検出センサ3からユーザの頭部を検出可能な検出用情報を取得する。減光部14は、透過する光の量を低減させる減光領域を有し、減光領域を所定範囲内で移動可能である。制御部13は、画像データに基づいて周囲を撮像した画像に含まれる光源の位置を検出し、かつ、光源の位置及び検出用情報に基づいて、光源と頭部との間に減光領域が位置するように、減光部14を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像センサから周囲を撮像した画像データを取得する第1取得部と、
検出センサからユーザの頭部の移動を検出可能な検出用情報を取得する第2取得部と、
透過する光の量を低減させる減光領域を有し、前記減光領域を所定範囲内で移動可能な減光部と、
前記画像データに基づいて前記周囲を撮像した画像に含まれる光源の位置を検出し、かつ、前記光源の位置及び前記検出用情報に基づいて、前記光源と前記頭部との間に前記減光領域が位置するように、前記減光部を制御する制御部と、を備える、
防眩システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記光源の位置及び前記検出用情報に基づいて、現在よりも後のタイミングにおける前記光源及び前記頭部の位置を予測し、当該タイミングの到来時において予測した前記光源と前記頭部との間に前記減光領域が位置するように、前記減光部を制御する、
請求項1に記載の防眩システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像に含まれる前記光源の大きさを検出し、検出した前記光源の大きさに基づいて、前記減光領域の大きさを変化させる、
請求項1又は2に記載の防眩システム。
【請求項4】
前記検出センサは、前記ユーザの搭乗する移動体の内部から前記頭部を撮像する第2撮像センサであって、
前記減光部は、前記移動体のフロントガラスに設けられて、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネルである、
請求項1~3のいずれか1項に記載の防眩システム。
【請求項5】
前記制御部は、GPS受信機の測位結果に基づく前記ユーザの搭乗する移動体の移動方向、及び前記移動体の移動方向の道に関する地図情報に更に基づいて、前記光源の位置を検出する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の防眩システム。
【請求項6】
前記検出センサは、前記ユーザの搭乗する移動体の内部にて前記ユーザによる電子機器の操作を更に検出し、
前記制御部は、検出した前記ユーザによる前記電子機器の操作に伴う前記頭部の位置を予測する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の防眩システム。
【請求項7】
前記第1撮像センサは、前記頭部に装着可能な頭部用装置に設けられており、
前記検出センサは、前記頭部用装置に設けられた加速度センサであって、
前記減光部は、前記頭部用装置に設けられ、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネルであって、
前記ユーザは、前記頭部用装置を装着した場合に、前記表示パネルを通して外界を視認可能である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の防眩システム。
【請求項8】
第1撮像センサから周囲を撮像した画像データを取得し、
検出センサからユーザの頭部の移動を検出可能な検出用情報を取得し、
透過する光の量を低減させる減光領域を有し、前記減光領域を所定範囲内で移動可能な減光部について、
前記画像データに基づいて前記周囲を撮像した画像に含まれる光源の位置を検出し、かつ、前記光源の位置及び前記検出用情報に基づいて、前記光源と前記頭部との間に前記減光領域が位置するように、前記減光部を制御する、
防眩方法。
【請求項9】
1以上のプロセッサに、
請求項8に記載の防眩方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源からユーザの目への光の照射を防ぐための防眩システム、及び防眩方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体用防眩装置が開示されている。この防眩装置は、移動体に乗っている使用者に対して鉛直方向及び左右方向に移動可能であって、互いに重ならない大きさの2つの減光部を有する。2つの減光部は、一方を使用者の右目と太陽とを結ぶ直線上に位置させることができ、他方を使用者の左目と太陽とを結ぶ直線上に位置させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-153135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、減光領域を抑制しつつ、光源からユーザの目への光の照射を防ぎやすい防眩システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る防眩システムは、第1取得部と、第2取得部と、減光部と、制御部と、を備える。前記第1取得部は、第1撮像センサから周囲を撮像した画像データを取得する。前記第2取得部は、検出センサからユーザの頭部の移動を検出可能な検出用情報を取得する。前記減光部は、透過する光の量を低減させる減光領域を有し、前記減光領域を所定範囲内で移動可能である。前記制御部は、前記画像データに基づいて前記周囲を撮像した画像に含まれる光源の位置を検出し、かつ、前記光源の位置及び前記検出用情報に基づいて、前記光源と前記頭部との間に前記減光領域が位置するように、前記減光部を制御する。
【0006】
本開示の一態様に係る防眩方法は、第1撮像センサから周囲を撮像した画像データを取得し、検出センサからユーザの頭部の移動を検出可能な検出用情報を取得する。この防眩方法は、透過する光の量を低減させる減光領域を有し、前記減光領域を所定範囲内で移動可能な減光部について、前記画像データに基づいて前記周囲を撮像した画像に含まれる光源の位置を検出し、かつ、前記光源の位置及び前記検出用情報に基づいて、前記光源と前記頭部との間に前記減光領域が位置するように、前記減光部を制御する。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記防眩方法を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示における防眩システム等によれば、減光領域を抑制しつつ、光源からユーザの目への光の照射を防ぎやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る防眩システムを含む全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る防眩システムの使用例を示す概要図である。
図3図3は、実施の形態に係る減光部の一例を示す概要図である。
図4図4は、実施の形態に係る防眩システムの動作例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態に係る防眩システムを用いた頭部用装置を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
まず、発明者の着目点が、下記に説明される。
【0011】
従来、特許文献1に記載の移動体用防眩装置では、運転者(ユーザ)の前方に透過型ディスプレイ(減光部)を設置し、この透過型ディスプレイに2つの減光部(減光領域)を形成している。そして、この防眩装置では、2つの減光部をそれぞれ運転者の左右の目と太陽とを結ぶ直線上に位置させることで、太陽光を減光させている。
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載の移動体用防眩装置では、ユーザの頭部の動き、及びユーザに対する光源の相対速度についての考慮がなされていない。このため、特許文献1に記載の移動体用防眩装置では、減光部の有する減光領域の位置の精度が不十分であることから、減光領域が光源からユーザの目への光の照射を防ぎきれなかったり、精度の不十分さを補うべく減光領域を大きくせざるを得なかったりするといった課題がある。
【0013】
以上を鑑み、発明者は本開示を創作するに至った。
【0014】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0015】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0016】
(実施の形態)
[1.全体構成]
まず、実施の形態に係る防眩システム100を含む全体構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る防眩システム100を含む全体構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態に係る防眩システム100の使用例を示す概要図である。防眩システム100は、光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぐためのシステムである。
【0017】
ここで、光源4は、例えば太陽4である。なお、光源4は、太陽4に限らず、例えば対向車のヘッドライト等、ユーザU1が眩しさを知覚し得る程度の強さの光を発する光源であれば、防眩システム100による防眩の対象となる。
【0018】
実施の形態では、防眩システム100のうちの後述する減光部14(ここでは、表示パネル14)を除いたコントローラ10が自動車5のダッシュボードに搭載されている。つまり、防眩システム100は、移動体5(ここでは、自動車5)に搭載されている。したがって、ユーザU1は、例えば運転者等、移動体5の搭乗者である。移動体5は、自動車5に限らず、例えば飛行機等の他の移動体であってもよい。
【0019】
なお、後述するが、防眩システム100は、移動体5に搭載されなくてもよく、例えばXR(Extended Reality)グラス又はヘッドマウントディスプレイ等のユーザU1の頭部U11に装着可能な頭部用装置6(図5参照)に搭載されていてもよい。
【0020】
防眩システム100は、第1取得部11と、第2取得部12と、制御部13と、減光部14と、を備えている。実施の形態では、第1取得部11、第2取得部12、及び制御部13は、コントローラ10の構成要素であり、減光部14は、コントローラ10とは別体に構成されている。また、実施の形態では、自動車5には、防眩システム100の他に、第1撮像センサ2と、検出センサ3(ここでは、第2撮像センサ3)と、が更に搭載されている。なお、第1撮像センサ2及び検出センサ3は、防眩システム100の構成要素に含まれていてもよい。
【0021】
第1取得部11は、第1撮像センサ2から周囲を撮像した画像データを取得する。実施の形態では、周囲は、自動車5のフロントガラス51を通した外界、つまり自動車5の前方の風景である。言い換えれば、周囲は、ユーザU1の視野の少なくとも一部を含んでいる。第1取得部11は、例えば通信ケーブルを介して第1撮像センサ2と接続されており、有線通信により第1撮像センサ2から送信される画像データを受信して取得する。なお、第1取得部11は、例えばBluetooth(登録商標)等の通信規格に基づく無線通信により、第1撮像センサ2から送信される画像データを受信して取得してもよい。
【0022】
第1撮像センサ2は、例えば自動車5内部の天井に設置されており、フロントガラス51を通して自動車5の前方の風景を撮像する。実施の形態では、第1撮像センサ2は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の光電変換により光の情報を電気の情報に変換するデバイスである。なお、第1撮像センサ2は、可視光領域で撮像するデバイスに限らず、例えば近赤外線センサ、赤外線センサ、又は紫外線センサ等の可視光以外の領域で撮像するデバイスであってもよい。また、第1撮像センサ2は、ユーザU1の視野角と同等の画角を補うために複数から構成され、各々が周囲を撮像した画像データを取得してもよい。
【0023】
第2取得部12は、検出センサ3からユーザU1の頭部U11の位置・角度と移動方向を検出可能な検出用情報を取得する。実施の形態では、検出用情報は、ユーザU1の頭部U11を撮像した画像データである。第2取得部12は、例えば通信ケーブルを介して検出センサ3と接続されており、有線通信により検出センサ3から送信される検出用情報を受信して取得する。なお、第2取得部12は、例えばBluetooth(登録商標)等の通信規格に基づく無線通信により、検出センサ3から送信される検出用情報を受信して取得してもよい。
【0024】
検出センサ3は、例えば移動体5(自動車5)のダッシュボードに設置されており、移動体5の内部からユーザU1の頭部U11を撮像する第2撮像センサ3である。第2撮像センサ3は、ユーザU1の頭部U11を正面から撮像する。したがって、第2撮像センサ3が撮像する画像データには、ユーザU1の両目が含まれる。
【0025】
実施の形態では、第2撮像センサ3は、例えばCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ等の光電変換により光の情報を電気の情報に変換するデバイスである。なお、第2撮像センサ3は、可視光領域で撮像するデバイスに限らず、例えば近赤外線センサ、赤外線センサ、又は紫外線センサ等の可視光以外の領域で撮像するデバイスであってもよい。
【0026】
図3は、実施の形態に係る減光部14の一例を示す概要図である。図3に示すように、減光部14は、透過する光の量を低減させる減光領域141を有し、減光領域141を所定範囲内で移動可能な装置である。実施の形態では、減光部14は、移動体5(自動車5)のフロントガラス51に設けられて、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネル14である。
【0027】
表示パネル14は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の透過型のディスプレイである。表示パネル14は、制御部13に制御されることにより、任意の領域における光の透過率を変更可能である。これにより、表示パネル14は、任意の箇所において光源4(太陽4)からの光を減光する減光領域141を形成することが可能である。実施の形態では、表示パネル14には、2つの円形状の減光領域141が形成されている。2つの減光領域141は、それぞれユーザU1の両目に対応している。なお、減光領域141は2つとは限らず、光源4との距離、角度によっては1つとなってもよく、更に減光領域141の形状は、円形状に限らず、例えば楕円形状等の他の形状であってもよい。
【0028】
実施の形態では、表示パネル14は、フロントガラス51と一体に設けられているが、フロントガラス51と別体で設けられていてもよい。また、実施の形態では、表示パネル14は、フロントガラス51においてユーザU1の正面のみに設けられているが、正面以外の領域にも設けられていてもよい。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサであって、第1取得部11が取得した画像データ、及び第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて減光部14を制御する。なお、制御部13は、CPU又はMPUに限らず、例えば画像処理用のDSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、CNN(Convolutional Neural Network)又はDNN(Deep Neural Network)等のニューラルネットワークを用いた演算に特化したプロセッサであってもよく、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0030】
制御部13は、第1取得部11が取得した画像データに基づいて、周囲を撮像した画像に含まれる光源4(太陽4)の位置を検出する。すなわち、画像データには、移動体5(自動車5)のフロントガラス51を通した外界、つまり自動車5の前方の風景の画像が含まれているため、当該風景に太陽4が含まれ得る。そこで、制御部13は、画像データに対して適宜の画像解析処理を実行することにより、当該画像データにおける太陽4の位置(平面座標)を算出する。なお、画像データは、走行中の自動車5から撮像した画像データであるため、画像データから算出された太陽4の位置の変位は、自動車5に対する太陽4の相対速度、更に言えば自動車5に搭乗するユーザU1に対する太陽4の相対速度を加味した変位となる。
【0031】
さらに、GPS(Global Positioning System)受信機がコントローラ10に接続されていてもよい。この場合、制御部13は、現在の時間及びGPS受信機の測位結果に基づく自動車5の位置を特定すると共に、自動車5の移動方向を算出し、例えばインターネット等を介して移動方向の道の起伏情報を含む地図情報及び太陽4の軌跡を算出するために必要な情報を取得することで、太陽4の位置の検出精度を向上することが可能である。
【0032】
なお、地図情報は、起伏情報を含んでいなくてもよい。地図情報は、少なくとも移動方向の道が曲がっているか否かの情報を含んでいれば、道が曲がっている箇所にユーザU1が目を向けることに追従した太陽4の位置の検出が可能となる。もちろん、地図情報に起伏情報が含まれていれば、起伏に応じてユーザU1に対する太陽5の相対的な位置が変動することから、太陽4の位置の検出精度を更に向上することができ、望ましい。
【0033】
また、制御部13は、算出した光源4(太陽4)の位置、及び第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて、光源4とユーザU1の頭部U11との間に減光領域141が位置するように、減光部14(表示パネル14)を制御する。すなわち、制御部13は、第2取得部12が取得した検出用情報、つまりユーザU1の頭部U11を撮像した画像データに対して適宜の画像解析処理を実行することにより、当該画像データにおける頭部U11の位置(平面座標)を算出する。特に、制御部13は、頭部U11におけるユーザU1の両目の位置を算出する。そして、制御部13は、算出した太陽4の位置とユーザU1の右目の位置とを結ぶ直線上に一方の減光領域141が位置し、かつ、算出した太陽4の位置とユーザU1の左目の位置とを結ぶ直線上に他方の減光領域141が位置するように、表示パネル14に2つの減光領域141を形成する。
【0034】
ここで、実施の形態では、制御部13は、算出した光源4(太陽4)の位置、及び第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて、現在よりも後のタイミングにおける光源4及びユーザU1の頭部U11の位置を予測する。そして、制御部13は、当該タイミングの到来時において、予測した光源4と頭部U11との間に減光領域141が位置するように、減光部14(表示パネル14)を制御する。
【0035】
すなわち、制御部13は、理想的には、光源4及びユーザU1の頭部U11の位置を検出した時点で、瞬時に減光領域141の位置を算出し、かつ、瞬時に減光領域141の位置を変更するように減光部14を制御することが好ましい。しかしながら、実際には、光源4及びユーザU1の頭部U11の位置を検出した時点から減光領域141の位置を変更するまでには遅延が存在するため、場合によっては減光領域141の位置を変更した時点において光源4及びユーザU1の頭部U11の位置が検出した時点からずれることで、減光領域141の位置がずれてしまう可能性がある。
【0036】
そこで、実施の形態では、制御部13は、光源4及びユーザU1の頭部U11の位置を検出するのに要する検出時間、及び減光領域141の位置又は大きさの変更速度を算出している。そして、制御部13は、これらの検出時間及び変更速度に基づいて、光源4及びユーザU1の頭部U11の位置を検出した時点よりも後のタイミングにおける光源4及び頭部U11の位置を予測し、予測した光源4と頭部U11との間に減光領域141が位置するように、減光部14を制御する。上記タイミングにおけるユーザU1の頭部U11の位置は、第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて予測される。
【0037】
また、制御部13は、第1取得部11が取得した画像データに基づいて、画像に含まれる光源4の大きさを検出し、検出した光源4の大きさに基づいて減光領域141の大きさを変化させてもよい。例えば、光源4が対向車のヘッドライトである場合、対向車が移動体5(自動車5)に近づくにつれて、画像において光源4が大きくなる。この場合、制御部13は、画像において光源4が大きくなるにつれて、各減光領域141を大きくしてもよい。また、例えば、対向車が自動車5から離れるにつれて、画像において光源4が小さくなる。この場合、制御部13は、画像において光源4が小さくなるにつれて、各減光領域141を小さくしてもよい。
【0038】
ここで、検出センサ3として第3撮像センサを更に備えていてもよい。第3撮像センサは、例えば自動車5内においてユーザU1の上部に設置され、ユーザU1の例えばエアコン又はカーオーディオの操作を撮像(検出)し、それに伴ってユーザU1の頭部U11の位置及び角度がどれくらい変位したのかを制御部13の有するメモリに保存する。そして、制御部13は、次回に第3撮像センサで上記と同じ操作を検出したときに、当該操作に対応するユーザU1の頭部U11の位置及び角度の変位をメモリから参照し、頭部U11の移動予測に反映することで、頭部U11の予測精度を上げ、減光領域141の領域をより狭くすることができる。
【0039】
第3撮像センサは例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の光電変換により光の情報を電気の情報に変換するデバイスである。なお、第3撮像センサは、可視光領域で撮像するデバイスに限らず、例えば近赤外線センサ、赤外線センサ、又は紫外線センサ等の可視光以外の領域で撮像するデバイスであってもよい。さらには、第3撮像センサに替えて、エアコン又はカーオーディオ等の車内の電子機器の制御をつかさどるCPU又はMPUといったコンピュータでエアコン又はカーオーディオの操作を検出してもよい。
【0040】
[2.動作]
以上のように構成された防眩システム100の動作(つまり、防眩方法)について、以下図4を用いて説明する。図4は、実施の形態に係る防眩システム100の動作例を示すフローチャートである。以下では、第1撮像センサ2が所定時間ごとに周囲を撮像しており、かつ、検出センサ3(第2撮像センサ3)が所定時間ごとに検出用情報を取得(ユーザU1の頭部U11を撮像)していることとして説明する。なお、第1撮像センサ2が周囲を撮像するタイミングと、検出センサ3が検出用情報を取得するタイミングとは、同期していてもよいし、非同期であってもよい。
【0041】
まず、第1取得部11は、第1撮像センサ2が周囲を撮像するごとに、第1撮像センサ2から画像データを取得する(S1)。また、第2取得部12は、検出センサ3が検出用情報を取得する(第2撮像センサ3がユーザU1の頭部U11を撮像する)ごとに、検出センサ3(第2撮像センサ3)から検出用情報を取得する(S2)。なお、処理S1,S2の順番は、逆であってもよいし、同時であってもよい。
【0042】
次に、制御部13は、第1取得部11が取得した画像データに基づいて、光源4の位置を検出する(S3)。また、制御部13は、第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて、ユーザU1の頭部U11の位置、特にはユーザU1の目の位置を検出する(S4)。なお、処理S3,S4の順番は、逆であってもよいし、同時であってもよい。
【0043】
次に、制御部13は、減光部14の変更速度、つまりは減光領域141の位置又は大きさを変更するのに要する速度を算出する(S5)。また、制御部13は、第2取得部12が取得した検出用情報に基づいて、ユーザU1の動きを検出する(S6)。そして、制御部13は、検出したユーザU1の目の位置と、検出したユーザU1の動きとに基づいて、ユーザU1の目の位置を検出した時点よりも後のタイミングにおけるユーザU1の目の位置を予測する(S7)。なお、処理S5と処理S6,S7との順番は、逆であってもよいし、同時であってもよい。また、処理S7において、制御部13は、処理S6の完了を待たずに、過去に検出したユーザU1の動きを参照してユーザU1の目の位置を予測してもよい。
【0044】
次に、制御部13は、光源4の位置を検出するのに要した検出時間、及びユーザU1の頭部U11の位置を検出するのに要した検出時間を算出する(S8)。そして、制御部13は、これらの検出時間、検出した光源4の位置、予測したユーザU1の目の位置、及び算出した減光部14の変更速度に基づいて、光源4とユーザU1の目との間に減光領域141が位置するように、減光領域141の位置及び大きさを算出する(S9)。このとき、制御部13は、光源4の位置検出(S3)で得た情報に加えて、自動車5の速度、GPS受信機の測位結果に基づく自動車5の移動方向、並びにインターネット等を介して取得した地図情報及び太陽4(光源4)の軌跡を算出するために必要な情報を参照することで、光源4の検出精度及びユーザU1の目の位置の予測精度を上げてもよい。
【0045】
なお、制御部13は、光源4及び頭部U11の位置を検出するごとに検出時間を算出しなくてもよい。検出時間を算出しない場合、制御部13は、処理S9において、前回算出した検出時間を用いればよい。また、制御部13は、例えば第1撮像センサ2が周囲を撮像するタイミングと、検出センサ3が検出用情報を取得するタイミングとが非同期である場合、以下のようにして減光領域141の位置及び大きさを算出してもよい。すなわち、制御部13は、処理S9において、処理S3,S5の完了を待たずに、前回検出した光源4の位置、及び前回算出した減光部14の変更速度を参照して減光領域141の位置及び大きさを算出してもよい。また、制御部13は、処理S9において、処理S4,S6,S7の完了を待たずに、前回予測したユーザU1の目の位置を参照して減光領域141の位置及び大きさを算出してもよい。
【0046】
その後、制御部13は、算出した減光領域141の位置及び大きさに従って、減光部14を制御する(S10)。以下、防眩システム100は、動作中において上記の処理S1~S10を繰り返す。
【0047】
[3.利点等]
以下、実施の形態に係る防眩システム100(防眩方法)の利点について説明する。
【0048】
既に述べたように、特許文献1に記載の移動体用防眩装置では、ユーザに対する光源の相対速度、及びユーザの頭部の動きについての考慮がなされていない。このため、特許文献1に記載の移動体用防眩装置では、減光領域の位置の精度が不十分であることから、減光領域が光源からユーザの目への光の照射を防ぎきれなかったり、精度の不十分さを補うべく減光領域を大きくせざるを得なかったりするといった課題がある。
【0049】
これに対して、実施の形態に係る防眩システム100(防眩方法)では、ユーザU1に対する光源4の相対速度、及びユーザU1の頭部U11の動きに関する情報を加味して、光源4及び頭部U11の位置を検出している。このため、実施の形態では、上記情報を加味しない場合と比較して、光源4及び頭部U11の位置を精度よく検出することができるため、結果として減光領域141の位置の精度も向上する。
【0050】
したがって、実施の形態では、上記情報を加味しない場合と比較して、減光領域141が光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすく、また、減光領域141の位置の精度の不十分さを補うべく減光領域141を大きくしなくて済む。つまり、実施の形態では、減光領域141を抑制しつつ、光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすい、という利点がある。
【0051】
(変形例)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0052】
そこで、以下、実施の形態の変形例を例示する。
【0053】
実施の形態では、防眩システム100は、移動体5(自動車5)に搭載されていたが、これに限られない。例えば、防眩システム100は、図5に示すように、ヘッドマウントディスプレイ若しくはヘッドセット、又はヘルメット等のようにユーザU1の頭部U11に装着可能な頭部用装置6に搭載されていてもよい。頭部用装置6がヘルメットであれば、防眩システム100は、自動車の搭乗者だけでなく、バイクの運転者にも適用することができる。
【0054】
図5は、実施の形態に係る防眩システム100を用いた頭部用装置6を示す概要図である。図5に示す例では、頭部用装置6は、XRグラスであって、表示パネル14A及びコントローラ10(図示せず)を備えている。表示パネル14Aは、実施の形態における表示パネル14と同様に、透過型のディスプレイであって、減光領域141Aを有する減光部14Aである。言い換えれば、減光部14Aは、頭部用装置6に設けられて、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネル14Aである。そして、ユーザU1は、頭部用装置6を装着した場合に、表示パネル14Aを通して外界を視認可能である。
【0055】
図5には図示していないが、第1撮像センサ2は、頭部用装置6に設けられており、少なくとも頭部用装置6を装着したユーザU1の前方、つまりユーザU1の目が向いている方向の風景を撮像する。なお、頭部用装置6は、上記の第1撮像センサ2とは別に更に1以上の第1撮像センサ2を備えていてもよい。この場合、当該1以上の第1撮像センサ2がユーザU1の前方とは異なる方向を撮像することで、制御部13は、ユーザU1の前方以外の方向の風景に関する情報を表示パネル14Aに表示させてもよい。また、この場合、ユーザU1の前方以外の方向で光源4(太陽4)を検出した場合には、制御部13は、当該情報の輝度を下げるように表示パネル14Aを制御してもよい。
【0056】
また、表示パネル14Aとは別に他の表示パネルを備える場合、制御部13は、当該1以上の第1撮像センサ2が撮像した風景の映像を、当該他の表示パネルに表示させてもよい。この場合も、ユーザU1の前方以外の方向で光源4(太陽4)を検出した場合には、制御部13は、当該映像の輝度を下げるように、当該他の表示パネルを制御してもよい。
【0057】
図5には図示していないが、検出センサ3は、頭部用装置6に設けられた加速度センサである。つまり、検出センサ3は、頭部用装置6を装着したユーザU1の加速度を検出することにより、ユーザU1の頭部U11の移動を検出する。なお、検出センサ3は、3軸加速度センサであってもよいし、ジャイロセンサ(角速度センサ)を更に備えていてもよい。この場合、ユーザU1の頭部11の移動する向き及び速度を検出する精度の向上が期待できる。
【0058】
上述の頭部用装置6においても、防眩システム100は、光源4(太陽4)とユーザU1の両目との間に減光領域141が位置するように表示パネル14Aを制御する。これにより、ユーザU1は、外界の光源4からの光による眩しさを感じにくくなり、表示パネル14Aに表示される映像を視認しやすくなる。
【0059】
実施の形態では、制御部13は、光源4とユーザU1の両目とを結ぶ直線上に減光領域141が位置するように減光部14を制御しているが、これに限られない。例えば、光源4とユーザU1との間に光を屈折する部材が介在する場合には、制御部13は、当該部材の屈折率を加味して減光部14を制御してもよい。
【0060】
実施の形態では、制御部13は、減光部14(表示パネル14)における減光領域141の位置を変更させているが、これに限られない。例えば、制御部13は、減光部14自体の位置を変更させることにより、減光領域141の位置を変更させてもよい。
【0061】
実施の形態では、減光部14は表示パネル14であるが、これに限られない。例えば、減光部14は、光源4からの光を遮蔽し得る遮蔽部材であってもよい。この場合、遮蔽部材の全体が減光領域141となる。また、この場合、制御部13は、例えばアクチュエータを制御して遮蔽部材を移動又は回転させることで、減光領域141の位置を変更させればよい。
【0062】
実施の形態では、第1撮像センサ2及び検出センサ3は、互いに異なる2つの撮像センサにより構成されているが、これに限られない。例えば、第1撮像センサ2及び検出センサ3は、全方位カメラ等により1つの撮像センサで構成されていてもよい。
【0063】
実施の形態では、移動体5は自動車5であったが、これに限られない。例えば、移動体5は、飛行機、船舶、又は電車等であってもよい。
【0064】
また、例えば、上記実施の形態では、防眩システム100は、減光部14を除いて単一の装置として実現されたが、複数の装置によって実現されてもよい。防眩システム100が複数の装置によって実現される場合、防眩システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態で防眩システム100が備える構成要素の一部は、サーバに備えられてもよい。つまり、本開示は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0065】
また、例えば、上記実施の形態において、本開示における減光部14を除いた防眩システム100の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0066】
また、本開示における減光部14を除いた防眩システム100の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0067】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0068】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体で実現されてもよい。例えば、本開示は、上記実施の形態における空調制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体に記録されてもよいし、インターネット等の通信路で配信されてもよい。
【0069】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0070】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0071】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【0072】
(まとめ)
以上述べたように、実施の形態に係る防眩システム100は、第1取得部11と、第2取得部12と、減光部14,14Aと、制御部13と、を備える。第1取得部11は、第1撮像センサ2から周囲を撮像した画像データを取得する。第2取得部12は、検出センサ3からユーザU1の頭部U11を検出可能な検出用情報を取得する。減光部14,14Aは、透過する光の量を低減させる減光領域141,141Aを有し、減光領域141,141Aを所定範囲内で移動可能である。制御部13は、画像データに基づいて周囲を撮像した画像に含まれる光源4の位置を検出し、かつ、光源4の位置及び検出用情報に基づいて、光源4と頭部U11との間に減光領域141,141Aが位置するように、減光部14,14Aを制御する。
【0073】
これによれば、減光領域141,141Aの位置の精度が向上することから、減光領域141,141Aが光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすく、また、減光領域141,141Aの位置の精度の不十分さを補うべく減光領域141,141Aを大きくしなくて済む。つまり、これによれば、減光領域141,141Aを抑制しつつ、光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすい、という利点がある。
【0074】
また、例えば、防眩システム100では、制御部13は、光源4の位置及び検出用情報に基づいて、現在よりも後のタイミングにおける光源4及び頭部U11の位置を予測し、当該タイミングの到来時において予測した光源4と頭部U11との間に減光領域141,141Aが位置するように、減光部14,14Aを制御する。
【0075】
これによれば、例えば光源4の位置を検出した時点から実際に減光領域141,141Aの位置を変更するまでの遅延による光源4及びユーザU1の頭部U11の位置ずれを考慮することで、減光領域141,141Aの位置ずれを防ぎやすい、という利点がある。
【0076】
また、例えば、防眩システム100では、制御部13は、画像に含まれる光源4の大きさを検出し、かつ、光源4の大きさに基づいて、減光領域141,141Aの大きさを変化させる。
【0077】
これによれば、画像における光源4の大きさに応じて減光領域141,141Aの大きさを最適化できるので、減光領域141,141Aの大きさを最小限に留めやすい、という利点がある。
【0078】
また、例えば、防眩システム100では、検出センサ3は、ユーザU1の搭乗する移動体5の内部から周囲を撮像する第2撮像センサ3である。減光部14は、移動体5のフロントガラス51に設けられて、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネル14である。
【0079】
これによれば、ユーザU1がフロントガラス51を通して外界を見る際に、太陽4等の光源4からの光による眩しさを感じにくくなる、という利点がある。
【0080】
また、例えば防眩システム100では、制御部13は、GPS受信機の測位結果に基づくユーザU1の搭乗する移動体5の移動方向、及び移動体5の移動方向の道に関する地図情報に更に基づいて、光源4の位置を検出する。
【0081】
これによれば、光源4の位置の検出精度を更に向上することができる、という利点がある。
【0082】
また、例えば防眩システム100では、検出センサ3は、ユーザU1の搭乗する移動体5の内部にてユーザU1による電子機器の操作を更に検出する。制御部13は、検出したユーザU1による電子機器の操作に伴う頭部U11の位置を予測する。
【0083】
これによれば、ユーザU1の頭部U11の位置の予測精度を更に向上することができ、減光領域141を更に狭くすることができる、という利点がある。
【0084】
また、例えば、防眩システム100では、第1撮像センサ2は、頭部U11に装着可能な頭部用装置6に設けられている。検出センサ3は、頭部用装置6に設けられた加速度センサである。減光部14Aは、頭部用装置6に設けられ、任意の箇所における光の透過量を制御可能な表示パネル14Aである。ユーザU1は、頭部用装置6を装着した場合に、表示パネル14Aを通して外界を視認可能である。
【0085】
これによれば、ユーザU1が表示パネル14Aを通して外界を見る際に、太陽4等の光源4からの光による眩しさを感じにくくなる、という利点がある。
【0086】
また、実施の形態に係る防眩方法では、第1撮像センサ2から周囲を撮像した画像データを取得し、検出センサ3からユーザU1の頭部U11を検出可能な検出用情報を取得する。また、この防眩方法では、透過する光の量を低減させる減光領域141,141Aを有し、減光領域141,141Aを所定範囲内で移動可能な減光部14,14Aについて、画像データに基づいて周囲を撮像した画像に含まれる光源4の位置を検出し、かつ、光源4の位置及び検出用情報に基づいて、光源4と頭部U11との間に減光領域141,141Aが位置するように、減光部14,14Aを制御する。
【0087】
これによれば、減光領域141,141Aの位置の精度が向上することから、減光領域141,141Aが光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすく、また、減光領域141,141Aの位置の精度の不十分さを補うべく減光領域141,141Aを大きくしなくて済む。つまり、これによれば、減光領域141,141Aを抑制しつつ、光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすい、という利点がある。
【0088】
また、実施の形態に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の防眩方法を実行させる。
【0089】
これによれば、減光領域141,141Aの位置の精度が向上することから、減光領域141,141Aが光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすく、また、減光領域141,141Aの位置の精度の不十分さを補うべく減光領域141,141Aを大きくしなくて済む。つまり、これによれば、減光領域141,141Aを抑制しつつ、光源4からユーザU1の目への光の照射を防ぎやすい、という利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本開示は、光源から照射される光によりユーザが眩しさを感じ得る環境下で適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
11 第1取得部
12 第2取得部
13 制御部
14,14A 表示パネル(減光部)
141,141A 減光領域
100 防眩システム
2 第1撮像センサ
3 検出センサ(第2撮像センサ)
4 太陽(光源)
5 移動体(自動車)
51 フロントガラス
6 頭部用装置
U1 ユーザ
U11 頭部
図1
図2
図3
図4
図5