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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042488
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】災害対応型人力発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20230317BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230317BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230317BHJP
   A63B 22/06 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
H02K7/18 A
H02J7/00 302A
H02J7/02 B
A63B22/06 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021168415
(22)【出願日】2021-09-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.エアロバイク
(71)【出願人】
【識別番号】721008648
【氏名又は名称】吉田 昭行
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昭行
【テーマコード(参考)】
5G503
5H607
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB03
5G503CA02
5G503EA02
5G503GB03
5G503GB06
5H607AA12
5H607BB02
5H607CC03
5H607CC05
5H607EE31
5H607EE36
5H607FF31
(57)【要約】
【課題】生活にスマートホン等、二次電池を用いた電気機器が欠かせない現代社会に於いて、自然災害による長時間停電が発生する事があり、スマートホンの充電が行えず情報が得られない等の問題が発生するケースが増えている。本発明は長時間停電に対応出来る人力による充電環境を提供すると同時に人間の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する事でカーボンニュートラルの一翼を担う事を目指している。
【解決手段】自然災害時に避難所に非難する住民は一定の姿勢で過ごす事も多く、運動不足になりがちである。本発明ではこの運動不足を補いながら且つ、スマートホン等の充電環境を提供するもので、運動不足解消の為の運動器具であるヘルスバイクに低インピーダンスの発電機を装備し、その発電出力を取り外し移動可能で急速充電が可能な大容量キャパシターに充電し、前記大容量キャパシターを介す事で、短時間運動でスマートホン等に用いられる二次電池の長時間充電を可能にする環境を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石の周囲に巻き線を施した交流発電機の回転軸に小口径の歯車を取り付け、前記歯車と噛合う大口径の歯車の回転軸にハンドルまたはペダルを備え、前記ハンドルまたはペダルを回転させ、前記大口径及び小口径の歯車の比により前記発電機の永久磁石を増速回転させる事で、交流発電出力を得て、前記発電機で得た交流電圧を直流電圧に変換する手段として整流器を備え、前記整流器から得た直流電圧により稼働する、低出力インピーダンスのDC-DCコンバーターを備え、前記低出力インピーダンスのDC-DCコンバーターより得た直流電圧出力に、取り外して移動可能で、且つ、急速充電が可能な充電バッテリーを接続し、急速充電を可能にする事で、前記急送充電された取り外し可能で移動可搬が可能な充電バッテリーの消費時間が前記ハンドルまたはペダルの回転運動時間に対して、5W、1Aの消費時で2倍以上の消費時間を得る事が出来る人力発電システム。
【請求項2】
トレーニングやフィットネス等に使用する一般的にフッネスネスバイクと称するバイク本体部に請求項1に記載する人力発電システムを組み込んだ人力発電システム。
【請求項3】
請求項1、請求項2に記載する人力発電システムであって、ペダル回転軸に大口径プーリーを取り付け、前記プーリーにベルトまたはチェーンにて接合する小口径プーリーにより増速回転する回転軸を持つ発電機を有する請求項1、請求項2に該当する人力発電システム。
【請求項4】
請求項1、請求項2、請求項3に記載する人力発電システムであって、永久磁石の周囲に巻き線を施した交流発電機の巻き線を前記永久磁石の円周上に等角度の間隔で複数の巻き線を施し多相発電機を構成し、各々の巻き線から得る交流発電出力を各々の巻き線に備えた整流器で整流し、整流後の各々の脈流を合成する事で低出力インピーダンスの脈流出力を得て、発電出力の低インピーダンス化を目指した人力発電システム。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載する人力発電システムであって、発電、整流、合成後の脈流発電出力の更なる低インピーダンス化を目指し、大出力電流を得る為に前記脈流発電出力に1または複数個の降圧型DC-DCコンバーターを設けた人力発電システム。
【請求項6】
請求項5に記載する人力発電システムであって、請求項5に記載する1または複数個の降圧型DC-DCコンバーターの出力に定電流回路を設け、定電流回路の電流値を可変抵抗等で設定する事でハンドルまたはペダル回転の回転負荷を希望する負荷に制御出来る人力発電システム。
【請求項7】
請求項5,請求項6に記載する人力発電システムあって、バイク本体部から取り外し、可能で急速充電が可能な充電バッテリーの主要素が電気2重層キャパシターで構成されている人力発電システム。
【請求項8】
請求項5,請求項6、請求項7に記載する人力発電システムあって、複数個の定電流回路に対応して、充電バッテリーの主要素である電気2重層キャパシターを複数個に分離、対で対応し、充電後に対で対応した前記電気二重層キャパシターを直並列で接続し直し、分離前の状態に戻し、充電バッテリーとして扱う人力発電システム。
【請求項9】
請求項5,請求項6、請求項7、請求項8に記載する人力発電システムであって、バイク本体部から取り外し可能な充電バッテリーの出力にDC-DCコンバーターを備え、前記DC-DCコンバーターの出力に 任意の定電圧、定電流源を設け、USB等のコネクターにて二次電池の充電環境、及びをUSB電源機器の電源環境を提供する事を目的とした人力発電システム。
【請求項10】
請求項5,請求項6、請求項7、請求項8、請求項9に記載する人力発電システムであって、バイク本体部から取り外し可能な充電バッテリーの出力にDC-ACコンバーターを備え、前記DC-ACコンバーターの出力に任意の低電力交流電圧源のACアウトレットを設け、1~50W程度の小電力ACアダプターで使用出来る機器に電源環境を提供する事を目的とした人力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人力発電のシステムであって、低出力インピーダンスの発電機の出力端に取り外し可能な電気二重層キャパシター(スパーキャパシターとも言う)等の低インピーダンスキャパシターを充電バッテリーとして接続、前記電気二重層キャパシターに、人力に依る発電エネルギーを蓄電し、人力運動の発電時間(充電時間)よりも2倍以上の、例えばスマートホンの充電5V1Aの必要電力消費時間(放電時間)を確保する事で、継続的に運動を行う事なく、必要電力を確保する事の出来る人力発電システムに関するもので、自然災害時の停電対応、CO2排出環境への配慮、キャンプ等の電力供給の無い環境への電力確保など脱炭層社会に向けたグリーンなエネルギーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康維持を目的とした、運動筋力の維持増進の為、フィットネスクラブ等が普及しており、その運動器具として、フットネスバイク、エアロバイクが欠かせない時代になって来ている。一方で、温暖化の対策としてのCO2削減が深刻な問題となり、電気を発電する火力発電所等が排出するCO2の削減が望まれる脱炭素社会を目指す時代になっており、風力、太陽光、地熱等CO2を排出しないエネルギーの利用が提唱されている。
【0003】
その様な環境の中、筋力増進の為の人力運動エネルギーを電力エネルギーに変換する事ができないか、との考え方から、エアロバイクに発電機を組み込み、特開2010-057347、特開2016-214816、特開2012-053852、特開2009-264356では人間の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する提案が成されている。
【0004】
特開2010-057347では健康対策の為に普及しているエアロバイクに発電機を組み合わせる事で人力に依る発電した電気をバッテリーに充電し、必要な時に蓄電されたバッテリーを運び照明等その他必要とされる電力を供給する事を可能とし、人力の運動エネルギーを電気エネルギーに変換利用する事でCO2の排出しない発電機の提案が成されている。
【0005】
また、特開2016-214816ではエアロバイクと発電機を組み合わせ、発電機の負荷として音楽プレーヤー等の電気機器を利用する事でエアロバイクのトレーニングの負荷を得る事が提案されている。
【0006】
また、特開2012-053852ではスポーツジム等でエアロバイクに発電機を装着、単に消費されていた運動エネルギーを起電力として、これを電力会社に売電する事で、運動エネルギー提供者にポイントとして還元するという提案が成されている。
【0007】
また、特開2009-264356では通常の自転車に発電機を装着し、その発電機の出力にバッテリーを接続、充電し、人力の運動エネルギーをバッテリーにより持ち運べる様にする利便性に関する提案が成されている。
【0008】
しかし、特開2016-214816と特開2012-053852は場所を限定しての使用環境であり、2010-057347と特開2009-264356ではバッテリーで電気エネルギーの可搬を可能としているが、バッテリー充電時間は化学反応を伴うことから電流と電圧に制限が加わり、例えばスマートホンであれば実用的には30分~1時間程度の充電時間が必要で矢張り、運動時間もそれに対応し、継続的に行う必要があり、更に何れの提案も極めて概念的であり、実際の実行性に乏しく、実現性にも乏しい、と言う欠点がある。
【0009】
また、特開2018-151585、特開2019-212851には本発明者が発案提案している低出力インピーダンスの発電機として最適と思えるソレノイドアクチュエータの存在がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010-057347
【特許文献2】特開2016-214816
【特許文献3】特開2012-053852
【特許文献4】特開2009-264356
【特許文献5】特開2019-212851
【特許文献6】特開2018-151585
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一方、生活環境の場では近年、情報媒体としてのスマートホンの普及が著しく、災害時の情報伝達手段としてのスマートホンの役割は大きくなつており、また、自然災害による孤立世帯の発生や避難所自体が長時間停電になるなどの事態も発生する事もあり、スマートホンの充電が行えず情報が得られない等の問題が発生するケースが増えている。
【0012】
更に自然災害時に避難所に非難する住民は一定の姿勢で過ごす事も多く、運動不足などに依るエコノミー症候群の発症等も心配されている。
【0013】
本発明はこの様な状況を鑑み自然災害時の避難所での運動不足の解消と長時間停電によるスマートホンの充電不足から出る情報難民の解消などに対応できる、充電環境を提供するもので、また、スローライフ等による自然環境等、電力供給環境の無いキャンプ地や発展途上国等の電力確保を人力で賄う事を目的に、人の排出する運動エネルギーを電力エネルギーに変換する事と持ち運び、及び再充電が可能な充電バッテリーを用いる事で利便性も高めた人力発電システムでCO2排出の削減に大いに貢献する脱炭素社会への手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は従来の人力発電が、自転車のライト等で知られる如く、電気エネルギーを利用する間、運動を継続的に行わなければならないと言う観点に注目し、現実的な筋肉運動器具の運動時間で、例えば5~15分程度の筋肉運動で、スマートホンの充電を1時間程度、利用可能な電気エネルギー(5Wh)を提供し得る利便性に優れた筋肉運動器具を提供すると同時に、人力の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する事でCO2の排出削減にも貢献するに好適な人力発電システムを提供している。
【0015】
図1に本発明の災害対応型人力発電システムを図示し、これをヘルスジェネバイクと呼称し、以降、本発明の災害対応型人力発電システムをヘルスジェネバイクとして説明を進める。
【0016】
図1に比較的小型で移動可能なヘルスジェネバイク本体1を図3に前記ヘルスジェネバイク本体1にサドル10とハンドル9を追加したエアロバイクスタイルで比較的大型で高能力化が可能な設置型のヘルスジェネバイクを示す。以降、本発明の説明としては、図1のヘルスジェネバイク本体1に関して、その特徴を説明する。
【0017】
図1において、1はヘルスジェネバイク本体で、前記ヘルスジェネバイク本体にはペダル3が設けられており、前記ペダル3の軸にはペダルギヤー4が固定されている。ペダルギヤー4の歯には発電機本体6の軸に固定された発電ギヤー5の歯が噛んでおり、前記ペダル3を脚または腕で回転させる事で、発電機本体6の軸が回転し、発電する仕組みになっている。
【0018】
前記発電機本体6は低出力インピーダンスに設計されており、前記発電機本体6の発電出力は交流で、交流を直流に変換する整流回路と運動負荷を一定にコントロールする負荷コントロール回路が組み込まれており、その出力は充電コード7を介して、充電バッテリー2に入力されている。また、負荷コントロール回路には負荷を調整する為の負荷調整つまみ8が本体に装着されており、運動する人の能力により、運動負荷が調整出来るシステムになっている。
【0019】
前記充電バッテリー2は低インピーダンス、大容量の電気2重層キャパシター(スパーキャパシター)で構成されており、急速充電を可能としていると同時にヘルスジェネバイク本体1より取り外し、持ち運びが可能となっている。
【0020】
結果、ヘルスジェネバイク本体1は前記ヘルスジェネバイク本体1のペダル3を脚または腕で回す事で人の筋肉の衰えを改善する機能を有する筋肉運動器具として働くと、同時に、人間の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する変換器の機能も果たす事になる。
【0021】
ここで注目すべき点は電気二重層キャパシターで構成された、取り外し、持ち運び、可能な充電バッテリー2と前記充電バッテリー2の高速充電を可能にする低出力インピーダンスを有する発電機本体6の設計であり、この発案により、短時間の例えば、5分~15分適度の運動で、5Whの電力を運動時間の数倍、使用に耐えうる時間の電気エネルギーが確保される事にある。
【0022】
つまり、1台の筋肉運動器具(ヘルスジェネバイク本体1)を、例えば12人で各々5分間使用し、各々が急速充電された、充電バッテリー2を取り外し、各々の場所に移動し、60分間のスマートホンの充電(5V、1A、1h)を行った場合を想定し、その電気量を計算すると5Wh x 12人で60Whの電力を得た事となる。更に、避難所で前記ヘルスジェネバイク1を10時間稼働し、のべ100人が5分間ずつ使用した場合には500Whの電力を確保出来る事となる。
【0023】
つまり、100人の人の健康を維持し、即ちエコノミック症候群から人々を守り、更に情報取得の要であるスマホの充電や照明等の環境を整える事が出来るシステムである。
【0024】
図2に筋肉運動器具(ヘルスジェネバイク本体1)の使用例の概念図を示す。
【0025】
図2においてAは寝た状態で、Bは椅子に座った状態で、Cは机の上、等にフットネスバイクを置き、手でペダルを回転させる等、比較的に小型で持ち運びの自由度と使用環境に範囲を持たせる事が出来る、筋肉維持の為の運動器具としての機能と発電機としての機能を兼ね備えたものとなっている。
【0026】
図3にはヘルスジェネバイク本体1にハンドル9とサドル10を備えたエアロバイクスタイルの概念図を示すが、基本はヘルスジェネバイク本体1と同様の機能を果たすが可搬性、重量、大きさ等にはヘルスジェネバイク本体1の単体と比較すると劣る反面、ヘルスジェネバイク本体1を使用する人の体重がサドル10により垂直に掛かるため、より重い負荷に対応する事が出来、より多くの電気エネルギーを確保出来る。
尚、ハンドル9はサドル10に跨ぎ乗った人の動きを安定させる機能を有する。
【0027】
図4に充電バッテリー2の外観図を記載する。図4に於いて、2は充電バッテリー本体で充電時はヘルスジェネバイク本体1に組み込まれており、充電完了時には本体から取り外し、使用可能となっている。
【0028】
11はUSB出力端子で、その出力は定電流機能を備えており、スマートホン等の充電や他、USB を使用した機器に接続利用出来る。12はACアウトレットでほぼAC100Vを出力しているので、ACアダプターを使用している小電力の電気機器などに使用出来る。15は充電コネクターでヘルスジェネバイク本体1に組み込む事で発電電圧の供給を受ける事が出来る。13は出力インジケーターで点灯時はUSB出力端子11およびACアウトレット12の出力が保証される。14は充電インジケーターで充電電圧が満タン(完了)した時点で点灯、以降ヘルスジェネバイク本体1のペダル3を漕いでも、充電は行われない。
【発明の効果】
【0029】
図5はヘルスジェネバイク本体1を使用し5~15分の運動を行い、充電バッテリー2をフル充電した場合、例えば充電バッテリーの電力量を5V1000mAhにした場合の使用例を示している。図5に於いて▲1▼はスマートホンの充電(5V、1Aで)、を行った場合、1時間程度の充電、約80%の充電で普通の使用環境で8時間程度、使用出来る事になる。▲2▼はその他のUSBを用いた機器の接続例で例えば卓上扇風機(5V、0.5A)で2時間程度の使用、▲3▼はDC駆動では有るがACアダプターを用いる小電力機器の使用例で、例えば、停電時にLEDランタンを使用した場合10時間程度の照明が得られる様になる。
【0030】
以上、人間の筋肉維持、促進の為、使用される運動器具に低出力インピーダの発電機を装備し蓄電媒体として大容量で低インピーダンスの電気2重層キャパシターを使用する事で、人間の適度な運動時間、運動エネルギーで十分使用に耐える得る電気エネルギーを確保出来る環境を取得、自然災害時に避難所等で停電が発生した際の電気エネルギーの確保やキャンプなどの電気設備の無い野外活動時の電気確保や多くの人が通う健康維持増進の為のスポーツジムで行う筋肉運動器具にこのシステムを搭載し、自家発電エネルギーを利用するとCO2排出削減に貢献出来ると考えている。
【0031】
例えば、一人10分の運動で5Whの(スマホの電池を1時間充電出来る)発電エネルギーが確保出来るとして、日本の人口1億3千万人の内の10%が一日、一回本発明のシステムをスポーツジムや家庭で使用したとすると一日で6.5万KWhの電力を発電する事となる。
【0032】
更に、通常の人間が自転車のペダルを踏む力は100W程度と言われており、実現の可能性としては一人6分の運動で10Whの蓄電が可能でCO2を排出する事の無い電気エネルギーを生み出すことが出来、且つ、健康促進による医療費の削減も期待できる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】ヘルスジェネバイク本体の基本構造の模式図。
図2】ヘルスジェネバイク本体の基本的使用例。
図3】エアロバイクとしての基本構造の模式図。
図4】本発明の取り外し、移動可能な蓄電装置の模式図。
図5】本発明の移動可能な蓄電装置の基本的な使用例。
図6】発電機本体6の基本的ブロック図。
図7】充電バッテリー2の基本ブロック図
図8】本発明の実施例に於ける運動時間と蓄電電圧のグラフ。
図9】負荷調整と蓄電電圧VS運動時間の関係グラフ。
図10】本発明の実施例に於ける5W消費時に於ける蓄電電圧の関係グラフ。
【発明を実施するための形態】
【実施例0035】
以下、本発明の実施の形態に関して図6図10を参照に説明をする。
【0036】
図6は発電機本体6の基本的ブロック図である。発電は永久磁石22の円周上にクロスする形で巻かれたAコイル16とBコイル17で、その発電出力Vはdφ/dt xNで永久磁石2の回転速とA・Bコイルの巻線数Nに比例する。
【0037】
永久磁石22の中心軸には発電ギヤー5が固定されており、発電ギヤー5にはペダルギヤー4が噛合っており、ペダルギャー4が回転するとそのギヤー比に応じ、発電ギヤー5が回転し、A・Bコイルと交差する磁束φが変化、Aコイル16とBコイル17の両端からは交流電圧が取り出される。
【0038】
実施例に於いてはペダルの回転数は約1秒間に一回転で、永久磁石22は軸に固定されている発電ギヤー5はペダルギヤー4とのギヤー比で増速、回転し、20Hz程度の交流電圧として発電され、その電圧は略80V~90Vp-p程度である。
【0039】
A・Bコイルの出力端にはAコイル整流器101とBコイル整流器102が接続されており、交流発電出力を整流し、イ、で示される整流波形の如く直流に変換され、次段の合成回路103にて合成され、ロで示される如くの脈流を得て、次段の負荷コントロール回路104に入力される。
【0040】
実施例の発電機の合成回路103の脈流出力は約40V~45V、出力インピーダンス16Ω程度で有り、この出力を直接、電気二重層キャパシターに充電した場合には充電が進むと同時に発電機に掛かる負荷は指数関数的に軽くなり、一定の負荷を必要とする筋肉トレーニング機器としては不適当で有るため、一定負荷を得る為に次段の負荷コントロール回路104にて一定の負荷を確保する事になる。
【0041】
負荷コントロール回路104は発電機の軸に掛かる負荷を一定にするために、発電出力インピーダンスを更に低インピーダンス化する機能と負荷を一定にする為の定電流コントローラーで構成され。
【0042】
負荷コントロール回路104では発電機の出力DC45V、16Ω、2.8A、126WをDC-DCコンバーターに於いて15V、1.8Ω、8A、120Wと、更に低出力インピーダンスに変換し、この出力を定電流化する事で電気二重層キャパシターの充電状況による発電機の負荷を一定に維持する効果を実現し、この定電流値を3A~8A程度に負荷調整つまみ10をコントロールする事で調整し、負荷の値をコントロールし、その充電出力は電気二重層キャパシターを主要素とした充電バッテリー2に充電コード7を介して接続されている。
【0043】
図7にヘルスジェネバイク本体1から取り外し可能な充電バッテリー2のブロックダイヤグラムを示す。
【0044】
充電コネクター15に供給された充電電流は充電電流切断回路201を介し、電気二重層キャパシター205に加えられ蓄電される。前記充電電流切断回路201は充電・出力監視回路205の制御により、電気二重層キャパシター202が所定の電圧に達した時点で働き、充電電流は切り離され、充電が完了したことを充電インジケーター14の点灯にて知らせると同時に過充電をも防止する。
【0045】
前記電気二重層キャパシター202の出力は通常バッテリーとは異なり、放電時間に比例して電圧は下降するため、定電圧源としては使用出来ず、本発明に於いては、前記電気二重層キャパシター202の出力にDC-DCコンバーター203を用いる事で定電圧電源として使用する事を可能としている。
【0046】
DC-DCコンバーター203の出力には定電流回路も設けており、且つ、出力端子はUSB11で構成されていることからスマートホンなどの電池の充電が可能となっている。
【0047】
また、それと平行して電気二重層キャパシター202の出力にはDC-ACコンバーター204を備えており、その出力端子はACアウトレット12になっており、USB入力を持たない小電力DC機器のACアダプターの使用が可能となっている。
【0048】
DC-DCコンバーター203およびDC-ACコンバーター204の入力には充電出力監視回路205が接続されており、電気2重層キャパシター202の出力電圧を監視、DC-DCコンバーター203、およびDC-ACコンバーター204の入力限界電圧に達した時点で出力インジケーター13を点灯させ、充電バッテリー2の再充電を促す仕組みとなっている。
【0049】
図8はヘルスジェネバイク本体1の負荷調整つまみを最大値に調整した場合の運動時間と蓄電電圧の関係をグラフ化した図を示している。充電バッテリー2が完全放電後(蓄電電圧0V)の場合から負荷を最大にし、運動をした場合、フル充電電圧に達するまでの運動時間は6分30秒であった、更にDC-DCコンバーターの動作限界電圧が3Vで有る事から、2回目以降の運動時間は5分程度でフル充電される事が分かる。
【0050】
図9はヘルスジェネバイク本体1の負荷調整つまみを最大値に調整した場合と最小値に調整した場合の運動時間と蓄電電圧の関係をグラフ化した図を示している。ともに、充電開始をDC-DCコンバーターの動作限界電圧とした場合のフル充電までの運動時間を見ると、当然の事ながら、負荷を軽くするとフル充電までの運動時間が伸び、実施例に於いては負荷最大時では5分で有るが、負荷最小時では16分掛かる事が分かる。
【0051】
図10は実施例に於ける充電バッテリー2のフル充電の状態から5W、1Aの消費電力を消費した場合の蓄電電圧の下降特性を示したグラフであるが、DC-DCコンバーターの動作限界電圧まで下降する時間が63分で有る事が確認される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は日常、何気なく人類が使用している健康維持の為の筋肉トレーニング機器を使い、摩擦などによる熱負荷として消費してしまっている筋肉エネルギーを電気エネルギーの充電負荷として利用する事で、世界に多く存在する健康維持の為のスポーツジム等を一つの発電所としてシステム化する事で脱炭素社会、カーボンニュートラルの社会の一翼を担うと、考えている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10