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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042502
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204440
(22)【出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2021149330
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA11
2F129AA14
2F129CC15
2F129CC18
2F129CC25
2F129CC28
2F129DD20
2F129DD27
2F129DD40
2F129EE09
2F129EE26
2F129EE43
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129HH21
(57)【要約】
【課題】交通機関の利用者が移動する施設において、利便性の高い情報を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、端末の位置情報が示す端末の位置から移動手段の複数の乗降口までの複数の経路を含む第1の経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、端末の利用者に案内する第2の経路として選択する制御部と、選択された第2の経路に関する情報を端末へ送信する送信部と、を備える。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の利用者に対し前記利用者が交通機関としての移動手段に乗り降りする場所を案内する情報処理装置であって、
前記端末の位置情報が示す前記端末の位置から前記移動手段の複数の乗降口までの複数の経路を含む第1の経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、前記端末の利用者に案内する第2の経路として選択する制御部と、
前記選択された第2の経路に関する情報を前記端末へ送信する送信部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記条件は、前記複数の乗降口のうち、前記端末の位置からの距離が所定距離以下であるという条件、及び、前記複数の乗降口のうち、前記乗降口の周辺における空席の数が所定数以上であるという条件、の少なくとも1つである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記条件は、前記移動手段において、前記複数の乗降口のうち、前記乗降口の周辺における隣り合う2以上の空席の数が所定数以上という条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記条件は、前記移動手段において、前記複数の乗降口のうち、前記乗降口の周辺における特定の人物に優先する座席が所定数以上空席である、という条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動手段が、指定された利用者が使用可能な第1の座席と、利用者が指定されない第2の座席とを有する場合、前記条件は、前記第1の座席の空席の数と前記第2の座席の空席の数に関する条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件は、前記第1の座席の空席の数が所定数以上である、という条件、及び、前記第2の座席の空席の数が所定数以上である、という条件の少なくとも1つである、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件は、前記端末の利用者が前記移動手段に乗り、前記利用者の目的地まで移動する間に、空席の状態が継続する前記第1の座席の空席の数が所定数以上である、という条件である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記端末の利用者が特定の人物か否かに応じて、前記選択する経路を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定の人物は、閾値以上の年齢の人物、及び、歩行に障害を有する人物の少なくとも一方である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
端末の利用者に対し前記利用者が交通機関としての移動手段に乗り降りする場所を案内する情報処理装置が、
前記端末の位置情報が示す前記端末の位置から前記移動手段の複数の乗降口までの複数の経路を含む第1の経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、前記端末の利用者に案内する第2の経路として選択し、
前記選択された第2の経路に関する情報を前記端末へ送信する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バス、電車といった交通機関を利用する利用者に対して、無線通信を用いて、情報を提供することによって、交通機関の利便性を向上させる技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、旅客が駅改札口から入場し列車の発着するプラットホームから所望の列車に乗車する駅内における旅客の滞留人数を推定する駅混雑度推定システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-212641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
駅構内等の交通機関の利用者が移動する施設において、利便性の高い情報を提供する方法については検討の余地がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、駅構内等の交通機関の利用者が移動する施設において、利便性の高い情報を提供することができる情報処理装置、及び、情報処理方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、端末の利用者に対し前記利用者が交通機関としての移動手段に乗り降りする場所を案内する情報処理装置であって、前記端末の位置情報が示す前記端末の位置から前記移動手段の複数の乗降口までの複数の経路を含む第1の経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、前記端末の利用者に案内する第2の経路として選択する制御部と、前記選択された第2の経路に関する情報を前記端末へ送信する送信部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、端末の利用者に対し前記利用者が交通機関としての移動手段に乗り降りする場所を案内する情報処理装置が、前記端末の位置情報が示す前記端末の位置から前記移動手段の複数の乗降口までの複数の経路を含む第1の経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、前記端末の利用者に案内する第2の経路として選択し、前記選択された第2の経路に関する情報を前記端末へ送信する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、交通機関の利用者が移動する施設において、利便性の高い情報を提供することができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態に係る通信システムと、基地局が提供する情報の第1の例を示す図
図2】一実施の形態に係る通信システムと、基地局が提供する情報の第2の例を示す図
図3】一実施の形態に係る通信システムと、基地局が提供する情報の第3の例を示す図
図4】一実施の形態に係る通信システムと、基地局が提供する情報の第4の例を示す図
図5A】一実施の形態において基地局が提供する情報の第5の例を示す図
図5B】一実施の形態において基地局が提供する情報の第5の例を示す図
図6】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図
図7】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図
図8】一実施の形態において基地局が提供する情報の第6の例を示す図
図9】一実施の形態において基地局が提供する情報の第7の例を示す図
図10】一実施の形態において基地局が提供する情報の第8の例を示す図
図11】一実施の形態において基地局が提供する情報の第9の例を示す図
図12】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図
図13】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図
図14】端末が基地局に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットの第1の例を示す図
図15】基地局が端末に送信する送信信号に含まれる基地局応答情報のフォーマットの第1の例を示す図
図16】端末が基地局に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットの第2の例を示す図
図17】基地局が端末に送信する送信信号に含まれる基地局応答情報のフォーマットの第2の例を示す図
図18】端末が基地局に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットとの第3の例を示す図
図19】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図
図20】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図
図21】一実施の形態に係る基地局の構成例を示すブロック図
図22】一実施の形態に係る端末の構成例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(一実施の形態)
特許文献1には、旅客が駅改札口から入場し列車の発着するホームから所望の列車に乗車する駅内における旅客の滞留人数を推定する駅混雑度推定システムが記載されている。このシステムは、駅改札口における旅客の流入を検知する流入検出部と、旅客が駅改札口からホーム(プラットホーム)に到達する平均到達時間を格納する平均到達時間格納部と、各列車の駅の発車時刻の情報を格納する運行情報格納部と、駅内の滞留人数を推定する任意の時刻に平均到達時間を加算した時刻より前の時刻で一番近い列車の発車時刻を運行情報格納部から抽出し、発車時刻の平均到達時間前の時刻から任意の時刻までに流入検出部にて検出された旅客の流入人数を任意の時刻の駅内の滞留人数として推定する滞留人数推定部とを備える。
【0015】
特許文献1に記載のシステムは、滞留人数を推定するために、駅改札からプラットホームまでの平均到達時間を利用する。しかしながら、プラットホームのどの位置まで移動するか、プラットホームのどの位置から移動するか、及び、プラットホームのどの位置において混雑が発生しているかといった条件によって、駅改札からプラットホームまでの移動時間は異なるため、特許文献1に記載のシステムでは、滞留人数を適切に推定できない。
【0016】
また、特許文献1に記載のシステムでは、滞留人数の推定結果は、駅の利用者に提供する情報ではないので、利便性の高い情報を提供することが困難である。
【0017】
本実施の形態では、駅構内等の交通機関の利用者が移動する施設において、移動を開始する位置及び/又は移動先の位置に応じた、利便性の高い情報を提供する情報処理装置及び情報処理方法の提供に資する。
【0018】
<システムの例及び第1の例>
図1は、本実施の形態に係る通信システムと、基地局10が提供する情報の第1の例を示す図である。本実施の形態では、本実施の形態に係る通信システムが、駅の構内を移動する電車の利用者に適用される例を説明する。
【0019】
本実施の形態に係る通信システムは、基地局10と端末20とを有する。
【0020】
基地局10は、駅のプラットホームを含む駅構内をカバーする通信範囲を有し、駅構内の利用者が所有する端末20と通信を行う。なお、以下では、1つの基地局10が、1つの駅の構内をカバーする例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の基地局10が、1つの駅の構内をカバーしてもよい。また、駅構内は、駅の改札によって出入りが制限され、改札を通過することによって進入できる範囲であってもよい。あるいは、本実施の形態における駅構内は、改札を通過することによって進入できる範囲と、改札よりも外の範囲とを含んでもよい。例えば、本実施の形態における駅構内は、基地局10のカバーするエリアによって規定されてもよい。
【0021】
基地局10は、端末20から位置情報を取得し、端末20の位置情報に基づいて、端末20に提供する情報を決定する。基地局10は、決定した情報を端末20に送信する。以下では、例示的に、基地局10は、端末20に対して、端末20の所有者が駅構内を移動する経路を決定し、決定した経路を示す情報(経路情報)を送信する。なお、端末20から取得する情報は、位置情報に限られない。例えば、端末20から取得する情報には、端末20の所有者の駅又は電車の利用についての要望に関する情報が含まれてもよい。例えば、要望に関する情報は、端末20の所有者が電車の座席に座りたい(別言すれば、端末20の所有者が空席を要望する)ことを示してもよい。
【0022】
なお、以下では、基地局10が、端末20に対して、経路情報を送信することは、基地局10が端末20(または端末20の所有者(利用者))に経路を案内する、と略記される場合がある。
【0023】
端末20は、駅構内の利用者が所有する端末であり、基地局10と通信を行う。端末20は、表示部を有し、基地局10から受信した経路情報を表示部に表示する。
【0024】
なお、端末20の所有者に対する、経路の案内方法については限定されない。例えば、経路の案内方法は、経路を示す画像情報を端末20の表示部に表示する方法であってもよいし、経路を示す文字情報を利用者の端末20の表示部に表示する方法であってもよいし、経路を示す音声情報を端末20の音声出力部(スピーカ等)から出力する方法であってもよいし、これらの2つ以上の組合せであってもよい。
【0025】
また、複数の経路を表示する方法は、経路を示す矢印の色、矢印の太さ、及び、矢印の種類の少なくとも1つを複数の経路の間で異なるように変更する方法が用いられてもよい。例えば、矢印の種類には、実線の代わりに、点線や1点鎖線などが用いられてよい。
【0026】
また、経路を示す情報は、利用者の端末20の表示部にて表示される例に限定されず、例えば、駅構内のサイネージ等の表示部にて表示されてもよい。この場合、例えば、利用者がサイネージを操作することによって、サイネージが、当該利用者に対応する経路の情報を表示する。また、経路を示す音声情報は、端末20の音声出力部から出力される例に限定されず、例えば、駅構内に設けられた音声出力装置から出力されてもよい。この場合、例えば、利用者が音声出力装置を操作することによって、音声出力装置が、当該利用者に対応する経路の音声情報を出力する。
【0027】
図1に示す第1の例では、基地局10は、駅のプラットホームに到着した電車から下車する利用者に対して、利用者の下車位置からプラットホームの出入口(以下、単に、出口)までの移動時間(または、移動距離)を考慮して、利用者の端末20に経路を案内する。
【0028】
例えば、図1には、階段St1と階段St2との2つの階段及びエレベータElvによって、駅の改札の方へ移動する駅のプラットホームが示される。別言すると、図1には、プラットホームの出口が、階段St1と階段St2との2つの階段及びエレベータElvである例が示される。
【0029】
また、図1のプラットホームには、利用者a、利用者b、利用者c、及び、群衆xが示される。利用者aは、階段St2よりも階段St1に近い位置にて下車した利用者である。利用者b及び利用者cは、階段St1よりも階段St2に近い位置にて下車した利用者である。
【0030】
図1のケースにおいて、利用者a、利用者b及び利用者cが同じ目的地に移動する場合でも、利用者a、利用者b及び利用者cのそれぞれは下車位置から最寄りの階段までの移動時間(または、移動距離)が互いに異なるため、利用者a、利用者b及び利用者cに対して、同じ経路を案内することは、適切ではない可能性がある。
【0031】
本実施の形態では、基地局10が、利用者それぞれの下車位置からプラットホームの出口(図1では、階段St1、St2等)までの移動時間を考慮して、利用者それぞれの端末20に経路を案内する。
【0032】
下車位置から、プラットホームの出口までの移動時間は、例えば、事前に測定した時間であってよい。例えば、複数の下車位置のそれぞれからプラットホームの出口までの移動時間が測定される。また、プラットホームの出口が複数存在する場合、1つの下車位置から、プラットホームの出口までの移動時間が、複数のプラットホームの出口のそれぞれについて、測定されてよい。例えば、曜日毎に、及び/又は、朝、昼、夕等の時間帯毎に、下車位置からプラットホームの出口までの移動時間が測定されてよい。
【0033】
例えば、図1の例では、少なくとも、プラットホームにおける電車の下車位置(又は乗車位置)のそれぞれから階段St1、階段St2、及び、エレベータElvまでの移動時間が事前に測定されてよい。なお、プラットホームにおける下車位置(又は乗車位置)は、プラットホームにおける電車の停車位置及び、当該電車のドアの位置によって規定される。
【0034】
例えば、図1では、利用者aの下車位置を始点とした最短経路は利用者aの下車位置に近い階段St1を通る経路Raである。この場合、基地局10は、利用者aに対して、階段St1を通る経路Raを案内する。利用者bの下車位置を始点とした最短経路は利用者bの下車位置に近い階段St2を通る経路Rbである。この場合、基地局10は、利用者bに対して、階段St1を通る経路Rbを案内する。利用者cの下車位置を始点とした最短経路は利用者cの下車位置に近い階段St2を通る経路Rcである。この場合、基地局10は、利用者cに対して、階段St2を通る経路Rcを案内する。
【0035】
第1の例では、図1に示すように、利用者それぞれの下車位置からプラットホームまでの移動時間を考慮して経路を案内することによって、例えば、平均到達時間を利用する場合よりも、適切な経路を示す情報を利用者に対して提供できる。また、電車を下車した位置に依らず、最適な経路(及び/又は最適な経路での所要時間)などを案内できる。
【0036】
なお、第1の例では、最短経路を案内する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、それぞれの経路の距離と閾値とを比較し、距離が閾値以下である経路を案内する経路として選択されてもよい。
【0037】
なお、図1では、利用者a、利用者b及び利用者cのそれぞれに案内する経路が示されるが、例えば、利用者aの端末20の表示部には、経路Raを示す画像情報が表示され、経路Rb及び経路Rcを示す画像情報が表示されなくてもよい。利用者b及び利用者cについても同様に、各利用者に案内する経路を示す画像情報が表示されてよい。
【0038】
なお、駅構内を移動する経路には、駅構内から駅の外へ退場する経路、下車した電車と異なる電車への乗り換えに使用する経路、及び、駅構内の施設(例えば、店舗)へ移動する経路の何れか1つが含まれてよい。
【0039】
なお、複数の経路のそれぞれを示す画像情報を端末20の表示部に表示する場合には、経路の表示態様が、経路毎に異なってもよい。例えば、経路毎に矢印のサイズが変更されてもよいし、線の種類、及び/又は、色が変更されてもよい。
【0040】
<第2の例>
第1の例では、利用者それぞれに対して最短経路を案内する例を示したが、本開示はこれに限定されない。第2の例では、最短経路に加えて、別の経路を案内する。
【0041】
図2は、本実施の形態に係る通信システムと、基地局10が提供する情報の第2の例を示す図である。図2において、図1と同様の構成については同一の符番を付し、説明を省略する。
【0042】
第2の例では、基地局10は、端末20に対して、最短経路に加えて、混雑が少ない経路を案内する。
【0043】
混雑が少ない経路とは、例示的に、最短経路と比較して移動距離が長い経路であるが、最短経路よりも混雑が少ない経路であるため、最短経路よりも移動時間が短い経路である。別言すると、最短経路は、移動距離が最も短い経路であり、混雑が少ない経路は、移動時間が最も短い経路である。あるいは、混雑が少ない経路は、最短経路と比較して移動距離が長い経路であるが、最短経路の移動時間に対する移動時間の差分が所定時間以下である経路であってもよい。
【0044】
混雑が少ない経路は、例えば、基地局10によって決定される。例えば、基地局10は、群衆xのそれぞれが所有する端末20(図2では省略)の位置情報に基づいて、所定範囲内の端末20の数が所定数以上の範囲を混雑地点である、と推定する。そして、基地局10は、推定した混雑地点を通過しない経路が、混雑が少ない経路である、と決定する。
【0045】
図2の例では、利用者dの下車位置は階段St2よりも階段St1に近いため、利用者dに案内する最短経路は、経路Rd1であるが、経路Rd1は、群衆xを通過する経路である。基地局10は、群衆xの位置を推定し、推定した群衆xの位置を通過しない経路Rd2が、混雑が少ない経路であると決定し、最短経路Rd1に加えて、混雑が少ない経路Rd2を、利用者dに案内する。
【0046】
第2の例では、図2に示すように、利用者それぞれの下車位置からプラットホームまでの移動時間を考慮した経路案内において、混雑状況を考慮することによって、適切な経路を示す情報を利用者に対して提供できる。また、電車を下車した位置に依らず、最適な経路(及び/又は最適な経路での所要時間)などを案内できる。また、混雑していない経路を通過したい利用者に対して、適切な経路を案内できる。
【0047】
なお、図2では、利用者a、利用者b及び利用者dのそれぞれに案内する経路が示されるが、例えば、利用者dの端末20の表示部には、経路Rd1及び経路Rd2を示す画像情報が表示され、経路Ra及び経路Rbを示す画像情報が表示されなくてもよい。利用者a及び利用者bについても同様に、各利用者に案内する経路を示す画像情報が表示されてよい。
【0048】
<第3の例>
第3の例では、利用者に応じて、案内する経路を変更する。例えば、利用者のうち、特定の人物に対して、優先的に案内する経路(以下、優先経路と記載)が設けられてもよい。この場合、特定の人物以外の人物に対して、優先経路が案内されなくてもよい。
【0049】
以下では、高齢者に対して、エレベータを利用する経路を優先的に案内する例を示す。この場合、高齢者以外に対して、エレベータを利用する経路は案内されなくてよい。なお、高齢者に限らず、障がい者、妊婦、ベビーカーを所有する利用者等に対して、エレベータを利用する経路が案内されてもよい。
【0050】
図3は、本実施の形態に係る通信システムと、基地局10が提供する情報の第3の例を示す図である。図3において、図1と同様の構成については同一の符番を付し、説明を省略する。
【0051】
図3には、利用者a、利用者bの他に高齢の利用者e(以下、高齢者eと記載する場合がある)が示される。図3では、基地局10は、高齢者eに対して、高齢者eの下車位置を始点とし、エレベータElvを利用した経路Re1を案内する。
【0052】
例えば、下車位置それぞれから、エレベータElvまでの経路は、予め、基地局10によって記録されてよい。基地局10は、高齢者eの端末20から、端末20の位置情報と端末20の所有者が高齢者であることを示す情報とを受信し、受信した情報に基づいて、端末20の所有者が高齢者であることを判定する。そして、基地局10は、高齢者eの端末20に対して、エレベータElvを利用する経路Re1を案内する。
【0053】
第3の例では、図3に示すように、利用者それぞれの下車位置からプラットホームまでの移動時間を考慮した経路案内において、特定の人物であるか否かを考慮することによって、適切な経路を示す情報を、特定の人物に対して提供できる。また、電車を下車した位置に依らず、最適な経路(及び/又は最適な経路での所要時間)などを案内できる。また、図3の例では、エレベータの混雑を回避でき、高齢者が優先してエレベータを利用することができる。
【0054】
なお、図3では、利用者a、利用者b及び利用者eのそれぞれに案内する経路が示されるが、例えば、利用者eの端末20の表示部には、経路Re1を示す画像情報が表示され、経路Ra及び経路Rbを示す画像情報が表示されなくてもよい。利用者a及び利用者bについても同様に、各利用者に案内する経路を示す画像情報が表示されてよい。
【0055】
なお、第3の例では、高齢者に対して、エレベータを利用する経路を優先的に案内する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、高齢者に対して、坂、段差、階段といった箇所が相対的に少なく、歩行しやすい経路が優先的に案内されてもよい。
【0056】
<第4の例>
第4の例では、特定の人物に対して、優先経路に加えて、他の経路が案内される例を示す。例えば、優先経路が混在している場合、特定の人物に対して、優先経路と異なる経路が案内される。
【0057】
図4は、本実施の形態に係る通信システムと、基地局10が提供する情報の第4の例を示す図である。図4において、図1図3と同様の構成については同一の符番を付し、説明を省略する。
【0058】
図4には、図3と同様に、高齢者eと、高齢者eの下車位置を始点とし、エレベータElvを利用する経路Re1が示される。
【0059】
そして、図4の例では、経路Re1が群衆yを通過する経路である。基地局10が、端末20の位置情報に基づいて群衆yの位置を推定し、経路Re1が群衆yの位置を通過すると判定した場合、基地局10は、高齢者eに対して、経路Re1に加えて、経路Re2及び経路Re3を案内する。
【0060】
高齢者eの下車位置は、階段St2よりも階段St1に近い。経路Re2は、階段St1を通過する経路であり、高齢者eの下車位置を始点とした最短経路である。最短経路の決定方法については、第1の例と同様であってよい。
【0061】
経路Re2は、群衆xを通過する経路であり、混雑が多い経路である。経路Re3は、群衆xを通過しない経路であり、高齢者eの下車位置を始点とした混雑の少ない経路である。混雑の少ない経路の決定方法については、第2の例と同様であってよい。
【0062】
別言すると、図4では、基地局10は、高齢者eに対して、エレベータElvを利用する優先経路Re1と、最短経路Re2と、混雑の少ない経路Re3との3つを案内する。
【0063】
第4の例では、図4に示すように、利用者それぞれの下車位置からプラットホームまでの移動時間を考慮した経路案内において、特定の人物であるか否かを考慮することによって、適切な経路を示す情報を、特定の人物に対して提供できる。また、電車を下車した位置に依らず、適切な経路(及び/又は適切な経路での所要時間)などを案内できる。また、図4の例では、エレベータが混雑していた場合でも、高齢者に対して適切な経路を案内することができる。
【0064】
なお、図4では、利用者a、利用者b及び利用者eのそれぞれに案内する経路が示されるが、例えば、利用者eの端末20の表示部には、経路Re1、経路Re2及び経路Re3のそれぞれを示す画像情報が表示され、経路Ra及び経路Rbを示す画像情報が表示されなくてもよい。利用者a及び利用者bについても同様に、各利用者に案内する経路を示す画像情報が表示されてよい。
【0065】
なお、第4の例では、エレベータを利用する経路が、混雑の多い経路である場合に、最短経路及び混雑の少ない経路が案内される例を示したが、本開示はこれに限定されない。エレベータを利用する経路が、混雑の多い経路か否かに関わらず、最短経路及び混雑の少ない経路の少なくとも一方が案内されてもよい。
【0066】
<第5の例>
第5の例では、複数の経路を案内する場合に、経路毎に案内方法が異なる例を示す。例えば、特定の人物に対して、優先経路であるエレベータを利用する経路(以下、「経路#1」と記載)と、エレベータを利用する経路と異なる経路(以下、「経路#2」と記載)とを案内する場合、経路#1の案内方法と、経路#2の案内方法とが異なる方法であってもよい。
【0067】
図5A図5Bは、本実施の形態において基地局10が提供する情報の第5の例を示す図である。図5A図5Bにおいて、図1図3図4と同様の構成については同一の符番を付し、説明を省略する。図5A図5Bは、図4に示した高齢者eに対して、経路を案内する例を示す。
【0068】
図5Aは、プラットホームの画像にエレベータを利用する経路Re1(経路#1の例)を示す矢印を重畳して表示する表示画面の例である。図5Bは、プラットホームの画像に最短経路Re2及び混雑の少ない経路Re3(経路#2の例)を示す矢印を重畳して表示する表示画面の例である。
【0069】
例えば、駅のプラットホームに設けられるサイネージ型の表示装置に、図5Aに示す様な経路#1が表示され、特定の人物が所有する端末20に、図5Bに示す様な経路#2が表示されてもよい。また、この場合、特定の人物が、サイネージにおいて経路#1の表示を望む場合に、サイネージが経路#1を表示してもよい。例えば、特定の人物が、サイネージの読み取り部(例えば、カードリーダ、又は、センサ)に、特定の人物の所有する端末20、又は、識別カードを読み取らせる動作を行った場合に、サイネージが、経路#1を表示してもよい。なお、特定の人物以外の人物に案内する経路については、サイネージ型の表示装置には表示せず、特定の人物以外の人物が所有する端末に表示してもよい。
【0070】
経路#1と経路#2とをまとめて表示すると、表示が複雑になり、特定の人物(例えば、高齢者)の混乱を招くことになる。経路#1と経路#2とを区別して表示することによって、特定の人物が表示を見誤ってしまう混乱を回避できる。
【0071】
なお、第5の例では、2つの経路を互いに異なる案内方法にて案内する例を示したが、3つ以上の経路を案内する場合に、少なくとも1つの経路が他の経路と異なる方法で案内されてもよい。また、それぞれの経路の案内方法は、基地局10によって選択されてもよいし、端末20から指示されてもよい。例えば、端末20の所有者が、案内方法を設定し、端末20が、設定された案内方法に基づいて、経路情報が示す経路を案内してもよい。
【0072】
<基地局10の処理の流れ>
図6は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図である。図6に示すフローは、基地局10が起動した場合に開始されてもよいし、基地局10が設けられた駅の営業が開始された場合に、開始されてもよい。また、図6に示すフローは、基地局10の動作が終了した場合に終了してもよいし、基地局10が設けられた駅の営業が終了した場合に終了してもよい。
【0073】
基地局10は、プラットホームの出口を始点とした各経路の移動時間を設定する(S101)。ここで、設定の対象となる経路は、プラットホームの出口から利用者が移動を求める目的地までの経路であってよい。例えば、利用者が移動を求める目的地は、駅の改札、駅の他のプラットホーム、駅の店舗といった場所であってもよい。また、プラットホームの出口が複数存在する場合は、複数の出口それぞれを始点とした経路の移動時間を設定してよい。例えば、この設定は、事前に測定した移動時間に基づいて実行されてよい。
【0074】
基地局10は、下車位置からプラットホームの出口までの移動時間を設定する(S102)。
【0075】
基地局10は、端末20から端末20を所有する利用者の下車位置を示す位置情報を受信する(S103)。
【0076】
基地局10は、経路案内を更新する時刻であるか否かを判定する(S104)。
【0077】
経路案内を更新する時刻ではない場合(S104にてNO)、フローはS111の処理へ移行する。
【0078】
経路案内を更新する時刻である場合(S104にてYES)、基地局10は、候補経路を抽出する(S105)。
【0079】
基地局10は、候補経路それぞれの更新処理が完了したか否かを判定する(S106)。
【0080】
候補経路それぞれの更新処理が完了していない場合(S106にてNO)、基地局10は、更新処理が完了していない候補経路の1つ(以下、候補経路#i)を選択し、候補経路#iの経路内の混雑状況と、候補経路#iを使用した場合の移動時間とを算出する(S107)。例えば、候補経路それぞれの更新処理が完了していない場合とは、候補経路の中に、更新処理が完了していない候補経路が1つ以上存在する場合である。
【0081】
基地局10は、候補経路#iの移動時間を補正する(S108)。
【0082】
候補経路それぞれの更新処理が完了した場合(S106にてYES)、例えば、候補経路の中に、更新処理が完了していない候補経路が存在しない場合、基地局10は、候補経路の中から、経路を選択する(S109)。選択する経路は、例えば、端末20の位置(例えば、下車位置)を始点とした最短の経路、下車位置を始点とした混雑の少ない経路の少なくとも1つであってよい。
【0083】
基地局10は、候補経路の中から、高齢者向けの経路を選択する(S110)。高齢者向け経路は、例えば、端末20の位置を始点としたエレベータを利用する経路であってよい。なお、高齢者が所有する端末20ではない場合、S110の処理はスキップされてもよい。
【0084】
基地局10は、経路情報を送信する(S111)。そして、フローは、S104へ戻る。
【0085】
<端末20の処理の流れ>
図7は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図である。図7に示すフローは、端末20において経路案内のアプリケーションが起動した場合に開始されてもよいし、経路案内のアプリケーションを起動した端末20が所定の領域(例えば、経路案内の情報を提供する基地局10の通信範囲)に存在する場合に開始されてもよい。また、図7に示すフローは、端末20において経路案内のアプリケーションが終了した場合に終了してもよいし、端末20が所定の領域(例えば、経路案内の情報を提供する基地局10の通信範囲)の外へ出た場合に終了してもよい。
【0086】
端末20は、位置情報を送信する(S201)。
【0087】
端末20は、経路案内の表示を更新する時刻か否かを判定する(S202)。経路案内の表示の更新は、例えば、利用者の操作によって実行されてもよい。この場合、利用者が操作をおこなったか否かに基づいて、経路案内の表示を更新する時刻か否かが判定されてもよい。また、経路案内の表示の更新は、周期的に行われてもよい。端末の位置が所定距離以上変化した場合に、経路案内の表示が更新されてもよい。
【0088】
経路案内の表示を更新する時刻ではない場合(S202にてNO)、フローはS202へ戻る。
【0089】
経路案内の表示を更新する時刻である場合(S202にてYES)、端末20は、経路情報を受信する(S203)。
【0090】
端末20は、端末20の所有者が高齢者であるか否かを判定する(S204)。例えば、端末20は、端末20に登録され、記録されている所有者の情報、及び/又は、経路案内のアプリケーションに登録され、記録されている所有者の情報に基づいて、判定を行う。
【0091】
端末20の所有者が高齢者ではない場合(S204にてNO)、端末20は、端末20の表示部において、最短経路を表示する(S205)。
【0092】
そして、端末20は、端末20の表示部において、混雑が少ない経路を表示する(S206)。そして、フローは、S202へ戻る。
【0093】
端末20の所有者が高齢者である場合(S204にてYES)、端末20は、端末20の表示部において、エレベータが利用可能な経路を表示する(S207)。
【0094】
端末20は、端末20の表示部において、最短経路を表示する(S208)。
【0095】
そして、端末20は、端末20の表示部において、混雑が少ない経路を表示する(S209)。そして、フローは、S202へ戻る。
【0096】
なお、上記のフローにおいて、例えば、最短経路を表示する処理(S205)と混雑が少ない経路を表示する処理(S206)との一方が行われ、他方が行われなくてもよい。また、例えば、エレベータが利用可能な経路を表示する処理(S207)と最短経路を表示する処理(S208)と混雑が少ない経路を表示する処理(S209)との少なくとも1つが行われ、残りが行われなくてもよい。例えば、端末20の所有者が、経路案内のアプリケーションの設定において、エレベータが利用可能な経路の表示の有無、最短経路の表示の有無、及び/又は、混雑が少ない経路の表示の有無を設定してもよい。端末20は、設定に応じて、表示する経路を決定してよい。
【0097】
なお、図7では、端末20が、表示部において、経路を表示する例を示したが、端末20が、駅のプラットホームに設けられたサイネージ型の表示装置に、経路情報を送信し、表示装置が、経路情報を表示してもよい。表示装置に表示させる経路は、端末20が選択してもよいし、表示装置又は基地局10によって選択されてもよい。
【0098】
上述した第1の例から第5の例では、プラットホームの下車位置を始点として経路案内の例を示したが、本開示はこれに限定されない。以下の例では、利用者の現在位置を始点とし、プラットホームの乗車位置を終点とする経路案内の例を示す。なお、プラットホームの下車位置を始点とし、目的地(例えば、駅の出口又はプラットホームの出口)を終点とする経路と、利用者の現在位置を始点とし、プラットホームの乗車位置を終点とする経路とは、プラットホームの特定の位置(乗車位置及び下車位置)と、駅構内の当該特定の位置と異なる位置とを結ぶ経路である点で共通する。そのため、経路の決定については、第1の例~第5の例に示した方法が適用されてもよい。
【0099】
<第6の例>
第6の例では、プラットホームまでの経路の案内において、プラットホームに停止する電車の車両の中で、相対的に、空席の多い車両の停止位置(又は停止した車両の扉の位置)までの経路を案内する。なお、以下では、プラットホームにおいて特定の車両が停止する停止位置までの経路は、「特定の車両までの経路」、と記載される場合がある。
【0100】
図8は、本実施の形態において基地局10が提供する情報の第6の例を示す図である。
【0101】
図8には、1階にプラットホームが設けられる駅構内と、3階から1階に移動する利用者fとが示される。なお、利用者fの現在位置を始点としたプラットホームまでの最短経路は、経路Rf1である。
【0102】
図8において、利用者fが移動するプラットホームに到着する電車の車両の中で、相対的に、空席の多い車両の停止位置が停止位置Ar1である。図8の例では、基地局10は、利用者fに対して、利用者fの現在位置から空席の多い車両の停止位置Ar1までの経路Rf2を案内する。
【0103】
例えば、基地局10は、プラットホームにこれから到着する電車から、各車両の空席の数に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、空席の多い車両の停止位置Ar1を判定する。例えば、空席の数が閾値以上の車両が、空席の多い車両である、と判定される。そして、基地局10は、利用者fの現在位置と判定した停止位置Ar1とに基づいて、利用者fに案内する経路Rf2を決定する。
【0104】
なお、基地局10は、利用者fに対して、経路Rf2を案内し、経路Rf1を案内しなくてもよいし、経路Rf1と経路Rf2との両方を案内してもよい。
【0105】
なお、各車両の空席の数に関する情報を電車から取得する方法については、特に限定されない。例えば、電車の各車両に設けられたカメラの画像に基づいて、各車両の座席が空席か否かが推定され、推定された空席の数を示す情報が基地局10によって取得されてよい。空席の数の推定は、電車内の情報処理装置によって実行されてもよい。あるいは、基地局10は、電車からカメラの画像の情報を取得し、基地局10が空席の数を推定してもよい。また、推定される情報は、空席の数に限定されず、空席の位置であってもよい。例えば、隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所の有無、車両の通路側の空席の有無、及び、車両の窓側の空席の有無が推定されてもよい。
【0106】
また、空席の数の推定は、電車の情報処理装置及び基地局10と異なる情報処理装置によって実行されてもよい。また、空席の数は、カメラ画像に基づいて推定される例に限定されない。例えば、人感センサ、重量センサといった他のセンサの情報に基づいて推定されてもよいし、複数のセンサの情報に基づいて推定されてもよい。また、電車が1つ手前で停車した駅における各車両の乗車人数、下車人数の情報が、各車両の空席の数の推定に用いられてもよい。
【0107】
第6の例では、図8に示すように、利用者の現在位置からプラットホームまでの経路案内において、特定の箇所(例えば、相対的に空席が多い車両の停止位置)までの経路を案内することによって、適切な経路を示す情報を、利用者に対して提供できる。また、利用者の要望に応じて選択可能な、適切な経路(及び/又は適切な経路での所要時間)などを案内できる。
【0108】
なお、利用者の現在位置から、相対的に空席の多い車両の停止位置までの経路が複数存在する場合、基地局10は、複数の経路の中で、最短経路を案内してもよいし、混雑が少ない経路を案内してもよいし、最短経路と混雑が少ない経路との両方を案内してもよい。
【0109】
また、利用者の現在位置から相対的に空席の多い車両の停止位置までの経路及び最短経路に加えて、プラットホームまでの混雑の少ない経路が案内されてもよい。
【0110】
例えば、相対的に空席の多い車両までの経路は、特定の人物(例えば、高齢者及び/又は障がい者)に対して案内されてよい。この場合、相対的に空席の多い車両までの経路は、特定の人物以外の人物に対して案内されなくてもよい。これにより、特定の人物が適切な経路を簡易に把握できる。
【0111】
なお、第6の例では、空席の多い車両までの経路が案内される例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、端末20の所有者が要望する条件を満たす車両までの経路が、案内されてもよい。また、例えば、空席の多い車両までの経路の代わりに、女性が優先して利用する車両(例えば、女性専用車両)までの経路が案内されてもよい。なお、女性専用車両の位置は、乗車する電車において予め規定されてよい。また、空席の多い車両までの経路の代わりに、端末20の所有者が下車する駅のプラットホームの出口に相対的に近い車両までの経路が案内されてもよい。なお、下車する駅のプラットホームの出口に相対的に近い車両は、乗車する電車及び下車する駅に応じて決定されてよい。
【0112】
また、第6の例では、空席の数が閾値以上の車両が空席の多い車両である、と判定する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、車両それぞれの空席の数を比較して、最も空席の数が多い車両が、空席の多い車両である、と判定されてもよい。また、車両それぞれの空席の数を比較して、空席の数が多い方からNつの車両(Nは1以上の整数)が空席の多い車両である、と判定されてよい。
【0113】
<第7の例>
第6の例では、プラットホームに停止する電車の車両の中で、相対的に空席の多い車両の停止位置までの経路を案内する例を示した。第7の例では、相対的に空席の多い車両の停止位置までの経路に加えて、車両の中で、特定の車両の停止位置までの経路を案内する例を示す。
【0114】
図9は、本実施の形態において基地局10が提供する情報の第7の例を示す図である。なお、図9において、図8と同様の構成については同一の符番を付し、説明を省略する。
【0115】
図9には、図8と同様に、1階にプラットホームが設けられる駅構内と、3階から1階に移動する利用者fとが示される。なお、利用者fの現在位置を始点としたプラットホームまでの最短経路は、経路Rf1である。また、図9には、図8と同様に、利用者fの現在位置から空席の多い車両の停止位置Ar1までの経路Rf2が示される。
【0116】
図9において、プラットホームに到着する電車の車両の中で、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両の停止位置が停止位置Ar2である。図9の例では、基地局10は、利用者fに対して、利用者fの現在位置から、停止位置Ar2までの経路Rf3を案内する。
【0117】
例えば、基地局10は、プラットホームにこれから到着する電車から、各車両の空席の数に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、空席の多い車両の停止位置Ar1を判定する。また、基地局10は、取得した情報に基づいて、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所の数が閾値以上である車両の停止位置Ar2を判定する。そして、基地局10は、利用者fの現在位置と判定した停止位置Ar1及び停止位置Ar2とに基づいて、利用者fに案内する経路Rf2及び経路Rf3を決定する。
【0118】
なお、基地局10は、利用者fに対して、経路Rf3を案内し、経路Rf1及び/又は経路Rf3を案内しなくてもよいし、経路Rf1と経路Rf2と経路Rf3とを案内してもよい。
【0119】
第7の例では、図9に示すように、利用者の現在位置からプラットホームまでの経路案内において、特定の箇所(例えば、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両の停止位置)までの経路を案内することによって、適切な経路を示す情報を、利用者に対して提供できる。また、利用者の要望に応じて選択可能な、適切な経路(及び/又は適切な経路での所要時間)などを案内できる。また、例えば、高齢者が介助者等と一緒に座りたい場合、あるいは、感染症の予防措置として隣に着席する人との距離を設けたい場合に、適切な経路を案内できる。
【0120】
なお、利用者の現在位置から、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路が複数存在する場合、基地局10は、複数の経路の中で、最短経路を案内してもよいし、混雑が少ない経路を案内してもよいし、最短経路と混雑が少ない経路との両方を案内してもよい。
【0121】
また、利用者の現在位置から、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路及び最短経路に加えて、プラットホームまでの混雑の少ない経路が案内されてもよい。
【0122】
例えば、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路は、特定の人物(例えば、高齢者及び/又は障がい者)に対して案内されてよい。この場合、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路は、特定の人物以外の人物に対して案内されなくてもよい。これにより、特定の人物が適切な経路を簡易に把握できる。
【0123】
なお、上述した例において、案内する経路は、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路に限定されない。例えば、案内する経路は、特定の形態の座席のそれぞれが空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路であってよい。例えば、特定の形態の座席とは、2人以上が互いに向かい合って着席する座席(以下、「ボックスシート」)である。例えば、4人が座るボックスシートは、隣り合う2つの座席の2つの組が、互い向かい合って設けられる。例えば、ボックスシートの座席が存在する列車においては、1つのボックスシートの席のそれぞれが空席である箇所が多い車両の停止位置までの経路が案内されてもよい。
【0124】
<第7の例のバリエーション>
第7の例では、相対的に空席が多い車両の停止位置(図9では停止位置Ar1)までの経路(図9では経路Rf2)と、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両の停止位置(図9では停止位置Ar2)までの経路(図9では経路Rf3)とが案内される例を示したが、本開示はこれらに限定されない。例えば、プラットホームにおいて、特定の位置までの経路が、隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両の停止位置までの経路の代わりに案内されてもよい。
【0125】
<バリエーション1>
例えば、特定の位置は、相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置であってよい。図9を援用して説明すると、停止位置Ar2が、相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置である場合、基地局10は、利用者fに対して、経路Rf2に加えて、経路Rf3を案内してもよい。
【0126】
なお、プラットホームの各停止位置において乗車を待つ人数の推定方法については、限定されない。例えば、基地局10は、端末20の位置情報に基づいて、各停止位置にて待つ人数を推定してもよい。あるいは、プラットホームに設けられるカメラが撮影した画像情報に基づいて、各停止位置にて待つ人数を推定してもよい。
【0127】
また、相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置の決定方法は、特に限定されない。例えば、各車両の空席の数から、対応する車両の停止位置において乗車を待つ人数を減算し、減算した後の数が最も多い停止位置が、特定の位置である、と決定されてよい。
【0128】
バリエーション1では、空席の数と乗車を待っている人数とを考慮した経路を案内するため、空席が多くても待ち人数が多いために座席を利用できなくなる可能性を低減し、座席を利用できる位置への案内を行うことができる。
【0129】
なお、例えば、相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置までの経路は、特定の人物(例えば、高齢者及び/又は障がい者)に対して案内されてよい。この場合、当該経路は、特定の人物以外の人物に対して案内されなくてもよい。これにより、特定の人物が適切な経路を簡易に把握できる。
【0130】
<バリエーション2>
例えば、特定の位置は、各車両に設けられる優先席の空席が相対的に多い車両の停止位置であってよい。図9を援用して説明すると、停止位置Ar2が、優先席の空席が相対的に多い車両の停止位置である場合、基地局10は、利用者fに対して、経路Rf2に加えて、経路Rf3を案内してもよい。
【0131】
なお、各車両の優先席の空席の数に関する情報を電車から取得する方法については、第6の例において、各車両の空席の数に関する情報を電車から取得する方法と同様であってよい。優先席の位置は、予め各車両にて規定されているので、規定された優先席が、空席か否かを推定されてよい。
【0132】
バリエーション2では、優先席の空席を考慮した経路を案内するため、高齢者及び/または障がい者といった特定の人物に対して、適切な経路を案内できる。
【0133】
なお、例えば、優先席の空席が相対的に多い車両の停止位置までの経路は、特定の人物(例えば、高齢者及び/又は障がい者)に対して案内されてよい。この場合、当該経路は、特定の人物以外の人物に対して案内されなくてもよい。これにより、特定の人物が適切な経路を簡易に把握できる。
【0134】
<第8の例>
なお、電車によっては、複数の種類の座席(又は、車両)を有するケースがある。例えば、指定席と呼ばれる座席と、自由席と呼ばれる座席を有する電車が存在する。なお、指定席とは、利用日時、車両、座席番号を指定して発行された切符(例えば、座席指定券)によって示され、指定を受けた利用者が利用できる座席である。また、自由席とは、個々の座席の利用者が指定されずに、当該電車に乗った人物が利用することができる座席である。
【0135】
また、指定席を有し、自由席を有さない車両(以下、指定席車両)と、自由席を有し、指定席を有さない車両(以下、自由席車両)と、を有する電車(以下、特別電車)が存在する。
【0136】
上記のように、複数の種類の座席を有する特別電車を利用する利用者に対して、座席の種類のそれぞれについて、経路を案内してもよい。
【0137】
以下では、例示的に、指定席と自由席とを有する特別電車を利用する利用者に対して、指定席についての経路と、自由席についての経路とを案内する。
【0138】
例えば、指定席についての経路は、指定席の空席が多い指定席車両の停止位置(または、指定席車両のドアの開扉位置)への経路であってもよい。案内する経路は、複数の利用可能な経路のうち、最短経路であってもよいし、混雑の少ない経路であってもよい。
【0139】
例えば、自由席についての経路は、自由席の空席が多い自由席車両の停止位置(または、自由席車両のドアの開扉位置)への経路であってもよい。案内する経路は、複数の利用可能な経路のうち、最短経路であってもよいし、混雑の少ない経路であってもよい。
【0140】
例えば、特定の人物に対して、上記の指定席についての経路及び/又は自由席についての経路を案内してもよい。
【0141】
図10は、本実施の形態において基地局10が提供する情報の第8の例を示す図である。
【0142】
図10には、1階に特別電車が到着及び出発するプラットホームが設けられる駅構内と、3階から1階に移動する利用者gとが示される。
【0143】
図10において、経路Rg1は、利用者gの現在位置から、指定席の空席が多い指定席車両の停止位置As1までの経路である。経路Rg2は、利用者gの現在位置から、自由席の空席が多い自由席車両の停止位置As2までの経路である。
【0144】
例えば、基地局10は、プラットホームにこれから到着する特別電車から、各車両の空席の数に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、指定席の空席が多い指定席車両の停止位置As1及び自由席の空席が多い自由席車両の停止位置As2を判定する。そして、基地局10は、利用者gの現在位置と判定した停止位置As1及び停止位置As2とに基づいて、利用者gに案内する経路Rg1及び経路Rg2を決定する。
【0145】
なお、基地局10は、利用者gに対して、経路Rg1を案内し、経路Rg2を案内しなくてもよいし、経路Rg1と経路Rg2との両方を案内してもよい。
【0146】
なお、各車両の空席の数に関する情報を電車から取得する方法については、特に限定されない。例えば、電車の各車両に設けられたカメラの画像に基づいて、各車両の座席が空席か否かが推定され、推定された空席の数を示す情報が基地局10によって取得されてよい。空席の数の推定は、電車内の情報処理装置によって実行されてもよい。あるいは、基地局10は、電車からカメラの画像の情報を取得し、基地局10が空席の数を推定してもよい。
【0147】
また、空席の数の推定は、電車の情報処理装置及び基地局10と異なる情報処理装置によって実行されてもよい。また、空席の数は、カメラ画像に基づいて推定される例に限定されない。例えば、人感センサ、重量センサといった他のセンサの情報に基づいて推定されてもよいし、複数のセンサの情報に基づいて推定されてもよい。また、電車が1つ手前で停車した駅における各車両の乗車人数、下車人数の情報が、各車両の空席の数の推定に用いられてもよい。また、指定席の空席の数の推定には、指定席の予約状況に関する情報及び購入された指定席に関する情報が用いられてもよい。
【0148】
第8の例では、指定席と自由席とを有する特別電車を利用する利用者に対して、指定席についての経路と、自由席についての経路とを案内することによって、利用者に対して利便性の高い情報を提供できる。
【0149】
ここで、第8の例では、指定席についての経路と、自由席についての経路とを案内する場合について示したが、任意の特定の車両への経路と任意の特定の車両以外の車両への経路の両方を案内してもよい。例えば、女性専用車両への経路とそれ以外の車両への経路の両方を案内してもよい。
【0150】
<第9の例>
第9の例では、或る特別電車Sの利用者が、当該特別電車Sから下車する駅までの特別電車Sの車両の利用状況に応じて、経路の案内を行う。例えば、或る特別電車Sの利用者が、当該特別電車Sから下車する駅までの特別電車Sの車両の利用状況に応じて、案内する車両の停止位置が設定されてもよい。
【0151】
例えば、特別電車Sが、A駅から出発し、B駅、C駅、D駅、E駅、F駅に順に停車し、特別電車Sが、2つの指定席車両#x及び指定席車両#yを有し、特別電車Sの利用者Pが、B駅から乗車し、F駅で下車するケースを説明する。
【0152】
例えば、B駅に到着した特別電車Sの指定席車両#x及び指定席車両#yの空席の割合が同じであった場合、利用者Pは、B駅から、指定席車両#x及び指定席車両#yの何れかの車両の座席を利用する。以下では、利用者Pが、B駅から、指定席車両#xの座席#αを選択して利用する例を説明する。
【0153】
例えば、座席#αが、D駅から乗車する別の利用者によって予め予約されている場合、利用者Pは、B駅からD駅まで座席#αを利用できるものの、D駅以降では別の座席に移動しなければならない可能性がある。
【0154】
このような座席移動のケースを回避するために、利用者Pには、予め、利用者Pが下車するF駅まで空席状態が継続する座席(例えば、F駅まで予約されていない座席)が多い車両の利用を促した方が好ましい場合がある。
【0155】
第9の例では、利用者に対して、利用者が下車する駅まで空席状態が継続する座席が多い車両の停車位置へ案内することによって、利用者が座席を移動するケースを回避でき、車両での快適度合を向上させる。
【0156】
図11は、本実施の形態において基地局10が提供する情報の第9の例を示す図である。なお、図11において、図10と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する
【0157】
図11には、図10と同様に、1階に特別電車が到着及び出発するプラットホームが設けられる駅構内と、3階から1階に移動する利用者gとが示される。
【0158】
図11において、経路Rg1は、利用者gの現在位置から、指定席の空席が多い指定席車両の停止位置As1までの経路である。経路Rg2は、利用者gの現在位置から、自由席の空席が多い自由席車両の停止位置As2までの経路である。
【0159】
また、図11において、経路Rg3は、利用者gの現在位置から、停止位置As3までの経路である。ここで、停止位置As3は、利用者gが特別電車から下車する予定の駅まで空席状態が継続する席の数が相対的に多い車両の停止位置である。
【0160】
基地局10は、プラットホームにこれから到着する特別電車から、各車両の空席の数に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、指定席の空席が多い指定席車両の停止位置As1及び自由席の空席が多い自由席車両の停止位置As2を判定する。
【0161】
また、基地局10は、各車両の空席の数に関する情報及び/又は指定席の予約状況に関する情報に基づいて、停止位置As3を判定する。指定席の予約状況に関する情報には、基地局10が設けられる駅よりも後に特別電車が停車する駅において利用される指定席の予約状況が含まれる。
【0162】
そして、基地局10は、利用者gの現在位置と判定した停止位置As1、停止位置As2及び停止位置As3に基づいて、利用者gに案内する経路Rg1、経路Rg2及び経路Rg3を決定する。
【0163】
なお、基地局10は、利用者gに対して、経路Rg3を案内し、経路Rg1及び/又は経路Rg2を案内しなくてもよいし、経路Rg1と経路Rg2と経路Rg3とを案内してもよい。
【0164】
第9の例では、利用者に対して、利用者が下車する駅まで空席状態が継続する座席が多い車両の停車位置へ案内することによって、利用者が座席を移動するケースを回避でき、車両での快適度合を向上させる。また、例えば、利用者が乗車した後に停車する駅において、混雑してしまうことを回避できる。
【0165】
<基地局10の処理の流れ>
図12は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図である。なお、図12において、図6と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0166】
基地局10は、プラットホームに到着する電車から各車両の空席の数に関する空席情報を受信する(S301)。そして、フローは、S104へ移行する。
【0167】
候補経路それぞれの更新処理が完了した場合(S106にてYES)、基地局10は、特定車両への経路を選択する(S302)。そして、フローは、S111へ移行する。
【0168】
例えば、上記の第6の例では、特定車両は、空席の多い車両である。また、第7の例では、空席の多い車両と隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両とである。上記の第7の例のバリエーション1では、特定車両の停止位置は、空席の多い車両と相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置である。上記の第7の例のバリエーション2では、特定車両は、空席の多い車両と優先席の空席が相対的に多い車両である。
【0169】
また、上記の第8の例では、特定車両は、指定席の空席が多い指定席車両と自由席の空席が多い自由席車両とである。上記の第9の例では、特定車両は、指定席の空席が多い指定席車両と、自由席の空席が多い自由席車両と、利用者が下車する駅まで空席状態が継続する座席が多い車両である。
【0170】
<端末20の処理の流れ>
図13は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図である。なお、図13において、図7と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0171】
端末20の所有者が高齢者である場合(S204にてYES)、端末20は、最短経路の表示(S205)、混雑が少ない経路の表示(S206)に加えて、特定車両の停止位置までの最短経路を表示する(S401)。特定車両については、図12にて挙げた例と同様であるので説明を省略する。そして、フローは、S202へ戻る。
【0172】
また、上記の第6の例~第9の例において、特定車両に向かう経路は、最短経路、混雑の少ない経路、エレベータを利用する経路の少なくとも1つであってよい。あるいは、特定車両に向かう経路として案内される経路は、最短経路、混雑の少ない経路、エレベータを利用する経路の2つ以上であってもよい。
【0173】
なお、上記の各例において、案内する経路の種類、及び/又は、経路の案内方法は、基地局10によって選択及び/又は判断されてもよいし、端末20から指示されてもよい。例えば、端末20の所有者が、端末20を介して、案内を要望する経路の種類、及び/又は、要望する案内方法を設定してもよい。この場合、設定された要望に関する情報が、端末20から基地局10へ送信され、基地局10は、案内を要望する経路の種類に関する情報に基づいて、案内する経路を決定してもよい。また、端末20は、設定された案内方法に基づいて、経路情報が示す経路を案内してもよい。
【0174】
なお、上記の各例において、端末20の所有者が要望する経路が存在しない場合がある。例えば、端末20の所有者(利用者又はユーザと記載する場合がある)が空席である座席を要望していても、次に到着する電車に空席が存在しない場合がある。この場合、端末20の所有者が要望する座席が存在しないため、端末20の所有者が要望する経路が存在しない。以下では、利用者が要望する座席が存在しない場合の動作例を説明する。なお、要望する座席が存在しないという状況は、要望する座席を有する車両が存在しないこと、及び、要望する座席を有する車両までの経路が存在しないことに相当してよい。また、要望する座席が存在しないという状況は、要望を満たす座席が存在しないこと、要望を満たす座席を有する車両が存在しないこと、及び、要望を満たす座席を有する車両までの経路が存在しないことに相当してよい。
【0175】
<第10の例>
第10の例では、利用者が要望している座席を有する車両が次に到着する電車に存在しないという状況である場合に、その状況が、文字情報(例えば、メッセージ)によって利用者に通知される。
【0176】
例えば、端末20が、利用者の要望に関する情報(以下、要望情報)を基地局10へ送信する。そして、基地局10が、次に到着する電車に、利用者が要望している座席が存在するか否かを判断し、判断結果を示す情報を端末20へ送信する。端末20は、基地局10から受信した情報に基づいて、メッセージを表示部に表示する。
【0177】
例えば、利用者が隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を要望したが、基地局10が、次に到着する電車に、要望された座席を有する車両が存在しないと判断した場合、端末20には、「次の到着列車には、ご要望の空席(隣接座席も空席)はありません」といったメッセージが表示される。
【0178】
また、例えば、利用者が隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を要望しないが、空席を要望し、かつ、基地局10が、次に到着する電車に、要望された座席(つまり、空席)を有する車両が存在しないと判断した場合、端末20には、「次の到着列車には、ご要望の空席はありません」といったメッセージが表示される。
【0179】
なお、利用者が隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を要望し、基地局10が、次に到着する電車に、要望された座席を有する車両が存在すると判断した場合、端末20には、要望する座席を有する車両までの経路を示す情報が表示される。要望する座席を有する車両までの経路を示す情報の表示は、例えば、第6の例~第9の例に示した例の何れかと同様であってよい。
【0180】
次に、端末20が送信する要望情報の例と、基地局10が送信する利用者の要望に対する判断結果に関する情報の例とを説明する。
【0181】
図14は、端末20が基地局10に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットの第1の例を示す図である。端末通知情報には、要望情報が含まれる。図14に示す端末通知情報のフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドとを含む。座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドとは、纏めて、要望情報フィールドと称されてもよい。
【0182】
ユーザIDフィールドには、端末20を識別する情報(例えば、ID(Identification))が含まれる。例えば、端末20を識別する情報は、端末20の所有者(利用者)を識別する情報に相当する。
【0183】
位置情報フィールドには、端末20の位置情報が含まれる。例えば、端末20は、GPS等を用いて、端末20の位置情報を取得する。
【0184】
行き先情報フィールドには、利用者の行き先を示す情報が含まれる。例えば、利用者の行き先は、利用者が向かう駅であってもよいし、利用者が向かう目的地(例えば、施設の名称、地名、住所)であってもよい。
【0185】
座席要望情報フィールドには、利用者が座席を要望するか否かを示す情報(座席要望情報)(別言すると、利用者が空席を要望するか否かを示す情報)が含まれる。例えば、座席要望情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、利用者が座席を要望しない場合、座席要望情報フィールドの1ビットが、「0」に設定され、利用者が座席を要望する場合、座席要望情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。なお、この場合において、座席要望情報フィールドが「0」であることは、座席要望情報が空席を要望しないことを示し、座席要望情報フィールドが「1」であることは、座席要望情報が空席を要望することを示す。
【0186】
隣接座席情報フィールドには、利用者が隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所の利用を要望するか否かを示す情報(隣接座席情報)が含まれる。例えば、隣接座席情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、利用者が隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所の利用を要望しない場合、隣接座席情報フィールドが、「0」に設定され、利用者が隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所の利用を要望する場合、隣接座席情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0187】
なお、ここでは、隣り合う2つ以上の座席を例に挙げたが、ボックス席と称される、4人掛けの席であってもよい。ボックス席は、例えば、2つの隣り合う座席が向かい合って、最大で4人が着席できる席である。あるいは、新幹線などに設置されているような二人掛けシート座席あるいは三人掛けシート座席であってもよい。
【0188】
優先席情報フィールドには、利用者が優先席を要望するか否かを示す情報(優先席情報)(別言すると、利用者が空席である優先席を要望するか否かを示す情報)が含まれる。例えば、優先席情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、利用者が優先席を要望しない場合、優先席情報フィールドの1ビットが、「0」に設定され、利用者が座席を要望する場合、優先席情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0189】
なお、端末通知情報のフォーマットでは、図14に示した情報のフィールドの一部が省略されてもよいし、図14に示した情報と異なる情報のフィールドが含まれてもよい。また、端末通知情報の各フィールドにおけるビットサイズ、及び、ビットパターンの表し方は一例であり、本開示はこれらに限定されない。
【0190】
図15は、基地局10が端末20に送信する送信信号に含まれる基地局応答情報のフォーマットの第1の例を示す図である。基地局応答情報には、利用者の要望に対する判断結果に関する情報(要望応答情報)が含まれる。図15に示す基地局応答情報のフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望応答情報フィールドと、隣接座席応答情報フィールドと、優先席応答情報フィールドとを含む。座席要望応答情報フィールドと、隣接座席応答情報フィールドと、優先席応答情報フィールドとは、纏めて、要望応答情報フィールドと称されてよい。要望応答情報フィールドには、要望に対する応答(例えば、要望が達成できるか、または、要望が達成できないか)を示す情報が設定される。
【0191】
ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドとは、上述した端末通知情報と同様であってもよい。また、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドとの少なくとも1つは、省略されてもよい。
【0192】
座席要望応答情報フィールドには、座席要望情報に対する応答を示す情報が含まれる。座席要望応答情報フィールドには、空席が、次に到着する電車に存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、座席要望応答情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、空席が次に到着する電車に存在しない場合、座席要望応答情報フィールドの1ビットが、「0」に設定され、空席が次に到着する電車に存在する場合、座席要望応答情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。なお、空席が次に到着する電車に存在する場合とは、例えば、利用者のために空席が確保可能である場合であってもよい。
【0193】
隣接座席応答情報フィールドには、隣接座席情報に対する応答を示す情報が含まれる。隣接座席応答情報フィールドには、隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所が次の電車に存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、隣接座席応答情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所が次の電車に存在しない場合、隣接座席応答情報フィールドが、「0」に設定され、隣り合う2つ以上の座席が空席である箇所が次の電車に存在する場合、隣接座席応答情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0194】
優先席応答情報フィールドには、優先席情報に対する応答を示す情報が含まれる。優先席応答情報フィールドには、空席である優先席が次の電車に存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、優先席応答情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、空席である優先席が次の電車に存在しない場合、優先席応答情報フィールドの1ビットが、「0」に設定され、空席である優先席が次の電車に存在する場合、優先席応答情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0195】
なお、端末通知情報に含まれる要望情報に応じて、基地局応答情報に含まれる情報が変更されてもよい。例えば、端末通知情報において、座席要望情報が空席を要望しないことを示す場合、基地局応答情報において、座席要望応答情報が含まれなくてもよい。あるいは、端末通知情報において、座席要望情報が空席を要望しないことを示す場合、基地局応答情報において、座席要望応答情報が、空席が存在しないことを示してもよい。座席要望応答情報以外の要望応答情報についても、同様に、要望情報に応じて変更されてよい。
【0196】
また、基地局応答情報に含まれる要望応答情報は、要望している座席が存在するか否かを示す例に限定されない。例えば、空席が次に到着する電車に存在する場合、座席要望応答情報には、空席があることを示す情報、及び、空席が多い車両を示す情報が含まれてもよい。また、空席が次に到着する電車に存在する場合、座席要望応答情報には、空席があることを示す情報と、空席が多い車両を示す情報と、当該車両までの経路を示す情報とが含まれてもよい。空席が多い車両までの経路を示す情報は、経路情報に含まれてもよい。座席要望応答情報以外の要望応答情報についても、同様に、要望している座席が存在するか否かを示す情報以外を含んでもよい。
【0197】
なお、基地局応答情報のフォーマットでは、図15に示した情報のフィールドの一部が省略されてもよいし、図15に示した情報と異なる情報のフィールドが含まれてもよい。また、基地局応答情報の各フィールドにおけるビットサイズ、及び、ビットパターンの表し方は一例であり、本開示はこれらに限定されない。
【0198】
上述した第10の例では、要望している座席が次に到着する電車に存在しないという状況でも、利用者にその状況を示す情報が通知される。これにより、要望している座席がある車両がない場合でも、適切な案内を行うことができる。
【0199】
<第11の例>
第11の例では、第10の例と同様に、利用者が要望している座席を有する車両が次に到着する電車に存在しない状況である場合に、その状況が、文字情報(例えば、メッセージ)によって利用者に通知されると共に、要望と異なる経路が通知される。要望と異なる経路とは、例えば、利用者が要望している座席を有する車両への経路の代替的な経路である。例えば、代替的な経路は、プラットホームまでの最短経路、及び、空席が多い車両までの経路である。
【0200】
例えば、端末20が、要望情報を基地局10へ送信する。そして、基地局10が、次に到着する電車に、利用者が要望している座席が存在するか否かを判断し、判断結果を示す情報を端末20へ送信する。また、基地局10は、利用者が要望している座席が存在しないと判断した場合、要望と異なる経路に関する情報を端末20へ送信する。端末20は、基地局10から受信した情報に基づいて、表示部にメッセージを表示したり、代替の経路を表示したりする。
【0201】
例えば、利用者が隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を要望したが、基地局10が、次に到着する電車に、要望された座席を有する車両が存在しないと判断した場合、端末20の表示部には、「次の到着列車には、ご要望の空席(隣接座席も空席)はありません」といったメッセージが表示される。また、この場合、端末20には、プラットホームまでの最短経路を示す情報、及び/又は、隣り合う座席が空席ではないが、空席が多い車両までの経路を示す情報が表示される。空席が多い車両までの経路を示す情報の表示は、例えば、第6の例~第9の例に示した例の何れかと同様であってよい。
【0202】
また、例えば、利用者が隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を要望しないが、空席を要望し、かつ、基地局10が、次に到着する電車に、要望された座席(つまり、空席)を有する車両が存在しないと判断した場合、端末20には、「次の到着列車には、ご要望の空席はありません」といったメッセージが表示される。また、この場合、端末20には、プラットホームまでの最短経路を示す情報が表示される。プラットホームまでの最短経路を示す情報の表示は、例えば、第6の例~第9の例に示した例の何れかと同様であってよい。
【0203】
なお、第11の例における端末通知情報及び基地局応答情報のフォーマットは、第10の例と同様であってよい。あるいは、第11の例では、基地局応答情報における座席要望応答情報が、次に到着する電車に、要望している座席が存在しないことを示す場合、基地局応答情報に、代替的な経路を表示する旨の情報が別途含まれてもよい。
【0204】
第11の例では、要望している座席が無いという状況でも、要望している座席と異なるが、利便性の高い代替的な情報が、利用者に通知される。これにより、要望している座席がある車両がない場合でも、適切な案内を行うことができる。
【0205】
<第12の例>
なお、上述した座席に関する要望には、優先度が設定されてもよい。要望に優先度が設定される場合、優先度に応じて、経路案内が行われてもよい。
【0206】
例えば、優先度は要望のそれぞれについてデフォルトで設定されてもよい。あるいは、利用者が、端末20に、座席に関する要望及び要望の優先度を入力する。利用者が、端末20にて、経路案内に関するアプリケーションを起動した場合、端末20の表示画面には、座席に関する要望の入力を要求する画面が表示される。表示画面には、座席に関する要望のそれぞれに対応づけられたボタンと、当該要望の優先度を設定するボタンが表示される。利用者が要望する内容に対応するボタンを押下することによって、押下されたボタンに対応する内容の要望の有無が入力される。そして、利用者が優先度を設定するボタンを押下することによって、押下されたボタンに対応する優先度が設定される。
【0207】
端末20は、要望情報を基地局10に送信する。要望情報には、要望の優先度が設定されてもよい。要望情報では、要望のそれぞれが優先度毎に分類されてもよい。例えば、2段階の優先度(高優先度、及び、低優先度)が設定される場合、要望情報では、1以上の要望が、高優先度及び低優先度に分類される。
【0208】
基地局10は、次に到着する電車に、利用者が要望している座席が存在するか否かを優先度毎に判断し、判断結果を示す情報を端末20へ送信する。端末20は、基地局10から受信した情報に基づいて、メッセージを表示部に表示する。
【0209】
例えば、利用者が、隣り合う2つの座席がそれぞれ空席である箇所を高優先度の要望として要望し、更に、当該箇所が或る車両(例えば、1両目、2両目といった特定の車両)に存在することを低優先度の要望として要望したケースについて説明する。このケースにおいて、基地局10が、次に到着する電車に、高優先度で要望された座席を有する車両が存在するが、当該車両が低優先度で要望された車両ではない、と判断した場合、端末20には、「次の到着列車には、ご要望の空席(隣接座席も空席)はあります。しかし、ご要望の車両ではありません」といったメッセージが表示される。また、この場合、高優先度で要望された座席を有する車両までの経路が、端末20に表示される。高優先度で要望された座席を有する車両までの経路を示す情報の表示は、例えば、第6の例~第9の例に示した例の何れかと同様であってよい。
【0210】
図16は、端末20が基地局10に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットの第2の例を示す図である。図16に示す端末通知情報のフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドと、要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとを含む。図16に示す例では、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドとには、高優先度が設定される。要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとには、低優先度が設定される。
【0211】
ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドとは、図14に示した例と同様であるので、説明を省略する。
【0212】
要望車両情報フィールドには、利用者が何番目の車両の利用を要望するかを示す情報が含まれる。要望車両情報フィールドのサイズは、電車の車両の数に応じて規定されてよい。例えば、要望車両情報フィールドには、利用者が要望する車両の番号を示す数値が設定される。例示的に、利用者が1番目の車両(先頭車両)を要望する場合、要望車両情報フィールドには、0を示すビットパターンが設定され、利用者が2番目の車両を要望する場合、要望車両情報フィールドには、1を示すビットパターンが設定される。
【0213】
要望座席情報#1フィールドには、要望車両情報フィールドによって示される車両において、利用者が前方の座席を要望するか、または、後方の座席を要望するかを示す情報が含まれる。ここで、前方の座席とは、例えば、車両の中央から電車の進行方向側の座席であり、後方の座席とは、例えば、車両の中央から、進行方向の反対側の座席である。
【0214】
例示的に、要望座席情報#1フィールドは、1ビットのサイズを有する。そして、利用者が前方の座席を要望する場合、要望座席情報#1フィールドには、「0」が設定され、利用者が後方の座席を要望する場合、要望座席情報#1フィールドには、「1」が設定される。
【0215】
要望座席情報#2フィールドには、要望車両情報フィールドによって示される車両において、利用者が窓側の座席を要望するか、または、通路側の座席を要望するかを示す情報が含まれる。ここで、窓側の座席とは、車両の側面に設けられる窓に近い座席であり、通路側の座席とは、車両の長手方向に延びる通路に近い座席である。
【0216】
例示的に、要望座席情報#2フィールドは、1ビットのサイズを有する。そして、利用者が窓側の座席を要望する場合、要望座席情報#2フィールドには、「0」が設定され、利用者が通路側の座席を要望する場合、要望座席情報#2フィールドには、「1」が設定される。
【0217】
なお、要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとのそれぞれが端末通知情報に含まれるか否かは、利用者が利用する電車に応じて設定されてよい。例えば、利用者が利用する電車の座席の配置が、窓側と通路側とに座席が並ぶ配置ではない場合(例えば、座席の配置が電車の側面に沿って1列に横並びの配置である場合)、要望座席情報#2フィールドが端末通知情報に含まれなくてもよい。
【0218】
なお、端末通知情報のフォーマットでは、図16に示した情報のフィールドの一部が省略されてもよいし、図16に示した情報と異なる情報のフィールドが含まれてもよい。また、端末通知情報の各フィールドにおけるビットサイズ、及び、ビットパターンの表し方は一例であり、本開示はこれらに限定されない。
【0219】
図17は、基地局10が端末20に送信する送信信号に含まれる基地局応答情報のフォーマットの第2の例を示す図である。図17に示す基地局応答情報のフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望応答情報フィールドと、隣接座席応答情報フィールドと、優先席応答情報フィールドと、要望車両応答情報フィールドと、要望座席応答情報#1フィールドと、要望座席応答情報#2フィールドとを含む。図17に示す例では、座席要望応答情報フィールドと、隣接座席応答情報フィールドと、優先席応答情報フィールドとは、高優先度な要望に対する要望応答情報を含む。要望車両応答情報フィールドと、要望座席応答情報#1フィールドと、要望座席応答情報#2フィールドとは、低優先度な要望に対する要望応答情報を含む。
【0220】
ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望応答情報フィールドと、隣接座席応答情報フィールドと、優先席応答情報フィールドとは、図15に示した例と同様であるので、説明を省略する。
【0221】
要望車両応答情報フィールドには、要望車両情報に対する応答を示す情報が含まれる。例えば、要望車両応答情報フィールドには、利用者が要望する車両に空席が存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、要望車両応答情報フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、次に到着する電車の利用者が要望する車両に空席が存在しない場合、要望車両応答情報フィールドが、「0」に設定され、利用者が要望する車両に空席が存在する場合、隣接座席応答情報フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0222】
要望座席応答情報#1フィールドには、要望座席情報#1に対する応答を示す情報が含まれる。例えば、要望座席応答情報#1フィールドには、要望座席情報#1によって示される座席に空席が存在するか否かを示す情報が含まれる。要望座席情報#1によって示される座席とは、利用者が要望する位置の座席であり、例えば、要望車両情報によって示される車両の前方の座席、または、後方の座席である。例えば、要望座席応答情報#1フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、次に到着する電車の要望座席情報#1によって示される座席に空席が存在しない場合、要望座席応答情報#1フィールドが、「0」に設定され、要望座席情報#1によって示される座席に空席が存在する場合、要望座席応答情報#1フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0223】
要望座席応答情報#2フィールドには、要望座席情報#2に対する応答を示す情報が含まれる。例えば、要望座席応答情報#2フィールドには、要望座席情報#2によって示される座席に空席が存在するか否かを示す情報が含まれる。要望座席情報#2によって示される座席とは、利用者が要望する位置の座席であり、例えば、要望車両情報によって示される車両の窓側の座席、または、通路側の座席である。例えば、要望座席応答情報#2フィールドは1ビットのサイズを有する。そして、次に到着する電車の要望座席情報#2によって示される座席に空席が存在しない場合、要望座席応答情報#2フィールドが、「0」に設定され、要望座席情報#2によって示される座席に空席が存在する場合、要望座席応答情報#2フィールドの1ビットが、「1」に設定されてよい。
【0224】
なお、要望車両応答情報フィールドと、要望座席応答情報#1フィールドと、要望座席応答情報#2フィールドとのそれぞれが基地局応答情報に含まれるか否かは、端末通知情報に応じて設定されてよい。例えば、端末通知情報に、要望座席情報#2フィールドが含まれない場合、基地局応答情報には、要望座席応答情報#2フィールドが含まれなくてよい。
【0225】
なお、基地局応答情報のフォーマットでは、図17に示した情報のフィールドの一部が省略されてもよいし、図17に示した情報と異なる情報のフィールドが含まれてもよい。例えば、要望車両応答情報フィールドと、要望座席応答情報#1フィールドと、要望座席応答情報#2フィールドとのそれぞれが、基地局応答情報に含まれず、一部が、省略されてもよい。また、基地局応答情報の各フィールドにおけるビットサイズ、及び、ビットパターンの表し方は一例であり、本開示はこれらに限定されない。
【0226】
例えば、高優先度の要望が満たされない場合、低優先度の要望に対する要望応答情報は、基地局応答情報に含まれない。また、例えば、高優先度の要望が満たされる座席が存在する車両が、1つである場合、低優先度の要望に対する要望応答情報は、基地局応答情報に含まれない。また、例えば、高優先度の要望が満たされる座席が存在する車両が、要望車両情報が示す車両とは異なる場合、低優先度の要望に対する要望応答情報は、基地局応答情報に含まれない。
【0227】
また、要望情報の優先度は、明示的に通知されてもよい。例えば、要望情報の優先度が端末通知情報に含まれてもよい。
【0228】
図18は、端末20が基地局10に送信する送信信号に含まれる端末通知情報のフォーマットとの第3の例を示す図である。図18に示す端末通知情報のフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、行き先情報フィールドと、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドと、要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとを含む。図18に示す例では、座席要望情報フィールドと、隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドと、要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとには、それぞれ、要望内容フィールドと優先度情報フィールドとが含まれる。
【0229】
座席要望情報フィールドの中の要望内容フィールドには、図14図16の座席要望情報フィールドと同様に、利用者が座席を要望するか否かを示す情報(別言すると、利用者が空席を要望するか否かを示す情報)が含まれる。
【0230】
座席要望情報フィールドの中の優先度情報フィールドには、座席要望情報の優先度を示す情報が含まれる。例えば、優先度情報フィールドは、4ビットのサイズを有する。そして、座席要望情報の優先度が他の要望情報と比較して規定された順位に応じて、優先度情報フィールドの4ビットが設定される。
【0231】
例えば、座席要望情報の優先度が他の要望情報と比較して最も高い場合には、優先度情報フィールドの4ビットが、「1111」に設定され、座席要望情報の優先度が他の要望情報と比較して2番目に高い場合には、優先度情報フィールドの4ビットが、「1110」に設定される。また、座席要望情報の優先度が他の要望情報と比較して最も低い場合には、優先度情報フィールドの4ビットが「0001」に設定される。また、座席要望情報が示す座席を要望しない場合には、優先度情報フィールドの4ビットが、「0000」に設定されてよい。
【0232】
隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドとの中の要望内容フィールドは、それぞれ、図14図16に示した隣接座席情報フィールドと、優先席情報フィールドと同様の情報が含まれてよい。また、要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドとの中の要望内容フィールドは、それぞれ、図16に示した要望車両情報フィールドと、要望座席情報#1フィールドと、要望座席情報#2フィールドと同様の情報が含まれてよい。また、各フィールドの中の優先度情報フィールドは、上述した座席要望情報フィールドの中の優先度情報フィールドと同様に、対応する要望情報に対する優先度を示す情報が含まれる。
【0233】
なお、端末通知情報のフォーマットでは、図18に示した情報のフィールドの一部が省略されてもよいし、図18に示した情報と異なる情報のフィールドが含まれてもよい。また、端末通知情報の各フィールドにおけるビットサイズ、及び、ビットパターンの表し方は一例であり、本開示はこれらに限定されない。
【0234】
なお、図18に示すように、端末通知情報に優先度情報が含まれる場合、基地局応答情報のフォーマットは、図17と同様であってよい。
【0235】
第12の例では、要望を満たす車両が複数存在している状況でも、要望に優先度が設定されていることによって、優先して案内する経路が設定できるため、適切な案内を行うことができる。また、高優先度の要望が満たされない場合でも、低優先度の要望を満たす車両までの経路が案内できるため、より適切な案内を行うことができる。
【0236】
<基地局10の処理の流れ>
上述した第10の例から第12の例における基地局10の処理の流れについて説明する。図19は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図である。なお、図19において、図12図6と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0237】
基地局10は、端末20の位置情報及び要望情報を含む端末通知情報を受信する(S501)。端末通知情報のフォーマットは、例えば、図14図16図18に示したフォーマットの何れかのフォーマットである。そして、フローは、S301へ移行する。
【0238】
基地局10は、要望を満たす経路が存在するか否かを判定する(S502)。なお、要望を満たす経路とは、例えば、次に到着する電車における、要望する座席が存在する車両の停車位置までの経路である。要望情報が示す要望を満たす経路が存在するか否かは、要望情報によって示される利用者が要望する座席が次に到着する電車に存在するか否かに相当してよい。
【0239】
なお、第12の例に示したように、要望情報において、要望に対して優先度が設定されている場合、設定された優先度それぞれについて、要望を満たす経路が存在するか否かが判定される。
【0240】
要望を満たす経路が存在する場合(S502にてYES)、基地局10は要望を満たすことを示す情報(例えば、要望を満たす経路が存在することを示す基地局応答情報)を生成する(S503)。
【0241】
要望を満たす経路が存在しない場合(S502にてNO)、基地局10は要望を満たさないことを示す情報(例えば、要望を満たす経路が存在しないことを示す基地局応答情報)を生成する(S504)。
【0242】
基地局10は、基地局応答情報を含む経路情報を送信する(S505)。なお、基地局応答情報と経路情報とは個別に送信されてもよい。そしてフローは、S104へ戻る。
【0243】
<端末20の処理の流れ>
上述した第10の例から第12の例における端末20の処理の流れについて説明する。図20は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図である。なお、図20において、図13図7と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。
【0244】
端末20は、端末20の位置情報及び要望情報を含む端末通知情報を送信する(S601)。なお、位置情報と要望情報とは、個別に送信されてもよい。
【0245】
経路案内の表示を更新する時刻である場合(S202にてYES)、端末20は、基地局応答情報を含む経路情報を受信する(S602)。
【0246】
端末20の所有者が高齢者である場合(S204にてYES)、端末20は、要望情報に示された要望を満たす経路が存在するか否かを判定する(S603)。例えば、端末20は、基地局応答情報に基づいて、判定を行う。
【0247】
要望を満たす経路が存在する場合(S603にてYES)、端末20は、表示部において、要望を満たす経路を表示する(S604)。
【0248】
要望を満たす経路が存在しない場合(S603にてNO)、端末20は、表示部において、要望を満たす経路が存在しないことを示すメッセージを表示する(S605)。そして、フローは、S202へ戻る。
【0249】
なお、第11の例に示したように、S605において、端末20は、メッセージの他に、代替する経路を表示してもよい。また、第12の例に示したように、要望に優先度が設定される場合、端末20は、優先度に応じた表示を行ってもよい。例えば、高優先度の要望と低優先度の要望とのそれぞれについて、要望を満たす経路が存在するか否か、及び、存在する場合には該当する経路が表示されてもよい。例えば、高優先度の要望を満たす経路が存在せず、低優先度の要望を満たす経路が存在する場合、端末20は、高優先度の要望を満たす経路が存在しないことを示すメッセージと、低優先度の要望を満たす経路とを表示する。例えば、高優先度の要望を満たす経路と、低優先度の要望を満たす経路とが存在しない場合、端末20は、高優先度と低優先度の要望を満たす経路が存在しないことを示すメッセージを表示する。
【0250】
ここで、本開示の実施形態において記載した座席要望情報などは、列車以外に対しても適用することが可能である。例えば、特定の経路を走行しながら、利用者が経路の途中で乗降する路線バス等のバスに対して、利用者の端末が、座席要望情報、及び、隣接座席も空席であることを要望する情報などを通知してもよい。そして、利用者が乗車する地点(例えば、バス停留所)に到着予定のバスが、利用者の要望を満たすかどうかを、利用者が所持する端末に通知し、端末が、通知された情報を表示してもよい。また、タクシーについては、行き先情報に加えて、相乗りでも良いか否かを示す情報を、追加で、利用者が所持する端末から送信されてもよい。相乗りでも良い場合、タクシーの待ち時間が削減可能などの利点がある。
【0251】
<各構成の例>
上述した本実施の形態に係る通信システムの各構成の例を説明する。本実施の形態に係る通信システムは、図21に示す基地局10と、図22に示す端末20とを含む。本実施の形態に係る無線通信方式(無線通信システム)は、特に限定されない。例えば、本実施の形態に係る無線通信方式は、5th generation mobile communication system(5G)の規格に準拠してもよいし、他の無線通信規格に準拠してもよい。
【0252】
なお、以下に示す構成は一例であり、本開示はこれに限定されない。図21図22に示される構成の一部が省略されてもよいし、各図に示されない構成が追加されてもよい。
【0253】
<基地局10の構成>
図21は、本実施の形態に係る基地局10の構成例を示すブロック図である。基地局10は、受信部101と、受信制御部102と、第1経路選択部103と、第2経路選択部104と、経路情報生成部105と、送信制御部106と、送信部107と、を備える。受信制御部102と、第1経路選択部103と、第2経路選択部104と、経路情報生成部105と、送信制御部106とは、基地局10の制御部108に含まれてもよい。
【0254】
受信部101は、受信制御部102におけるタイミング制御に基づいて、基地局1010宛の上りリンク(UL)信号を受信する。受信部101は、DL信号を受信制御部102へ出力する。UL信号には、例えば、後述する下車人数に関する統計情報、データ及び/又は制御情報(UL制御情報)が含まれる。
【0255】
受信制御部102は、受信部101における受信タイミングを制御する。また、受信制御部102は、UL信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0256】
受信制御部102は、所定の受信処理を施したUL信号から、受信データ及び/又はUL制御情報を抽出する。受信制御部102は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(図21では省略)へ出力する。受信制御部102は、端末20の位置情報を抽出した場合、抽出した位置情報を第1経路選択部103へ出力する。
【0257】
第1経路選択部103は、端末20の位置情報に基づいて、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)ではない場合の経路(第1経路)を選択する。例えば、第1経路選択部103は、端末20の位置情報が示す位置から、端末20の所有者の目的とする場所までの経路のうち、最短の経路を選択してもよいし、混雑の少ない経路を選択してもよい。あるいは、第1経路選択部103は、端末20の位置情報が示す位置から、端末20の所有者の目的とする場所までの経路のうち、所定の条件を満たす経路を選択してもよい。また、第1経路選択部103は、所定の条件を満たす経路が存在しない場合には、所定の条件を満たす経路が存在しないことを示す情報を、第2経路選択部104を介して経路情報生成部105へ出力してもよい。なお、所定の条件とは、予め規定されてもよいし、端末20から取得する情報(例えば、要望情報)に基づいて決定されてもよい。
【0258】
第1経路選択部103は、例えば、端末20の所有者が下車した場合、端末20の位置情報が示す下車位置から、端末20の所有者の目的とする場所(例えば、駅の改札、または、別の乗り換えのプラットホーム)までの最短経路、及び/又は、混雑の少ない経路を選択する。また、第1経路選択部103は、例えば、端末20の所有者がこれから電車に乗る場合、端末20の位置情報が示す現在位置から、これから乗る電車が到着するプラットホームまでの最短経路、及び/又は、混雑の少ない経路を選択する。
【0259】
第2経路選択部104は、端末20の位置情報に基づいて、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)である場合の経路(第2経路)を選択する。例えば、第2経路選択部104は、端末20の位置情報が示す位置から、端末20の所有者の目的とする場所までの経路のうち、エレベータを利用する経路を選択してもよいし、所定の条件を満たす経路を選択してもよい。
【0260】
第2経路選択部104は、例えば、端末20の所有者が下車した場合、端末20の位置情報が示す下車位置から、端末20の所有者の目的とする場所(例えば、駅の改札、または、別の乗り換えのプラットホーム)まで、エレベータを利用する経路を選択する。また、第2経路選択部104は、例えば、端末20の所有者がこれから電車に乗る場合、端末20の位置情報が示す現在位置から、これから乗る電車が到着するプラットホームの特定車両に乗車する乗降口までの最短経路、及び/又は、混雑の少ない経路を選択する。また、第2経路選択部104は、端末20の位置情報が示す現在位置から、これから乗る電車が到着するプラットホームの特定車両に乗車する乗降口までの経路を選択する。なお、第2経路選択部104は、次に到着する電車に特定車両が存在しない場合には、次に到着する電車に特定車両が存在しないことを示す情報を経路情報生成部105へ出力してもよい。なお、特定車両とは、予め規定されてもよいし、端末20から取得する情報(例えば、要望情報)に基づいて決定されてもよい。
【0261】
例えば、特定車両は、空席の多い車両である。また、特定車両は、空席の多い車両と隣り合う2以上の座席がそれぞれ空席である箇所が相対的に多い車両とであってもよい。特定車両の停止位置は、空席の多い車両と相対的に空席が多い車両の停止位置であって、かつ、プラットホームにおいて乗車を待つ人数が相対的に少ない停止位置であってもよい。特定車両は、空席の多い車両と優先席の空席が相対的に多い車両であってもよい。
【0262】
また、特定車両は、指定席の空席が多い指定席車両と自由席の空席が多い自由席車両とであってもよい。また、特定車両は、指定席の空席が多い指定席車両と、自由席の空席が多い自由席車両と、利用者が下車する駅まで空席状態が継続する座席が多い車両であってもよい。
【0263】
なお、第2経路選択部104は、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)である場合に、第2経路を選択する例を示したが、本開示はこれに限定されない。第2経路選択部104は、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)であるか否かに関わらず、第2経路を選択してもよい。
【0264】
また、第1経路選択部103と第2経路選択部104とがそれぞれ経路を選択する例を示したが、本開示はこれに限定されず、例えば、第1経路選択部103と第2経路選択部104とのいずれか一方が経路を選択してもよい。この場合、他方の選択部は、省略されてもよい。
【0265】
経路情報生成部105は、第1経路選択部103及び/又は第2経路選択部104において選択された経路に関する情報(経路情報)を生成する。経路情報生成部105は、生成した経路情報を送信制御部106へ出力する。また、経路情報生成部105は、第1経路選択部103から所定の条件を満たす経路が存在しないことを示す情報を取得した場合、及び/又は、第2経路選択部104から特定車両が存在しないことを示す情報を取得した場合、取得した情報に基づいて端末20へ送信する情報(例えば、基地局応答情報)を生成してもよい。
【0266】
送信制御部106は、経路情報及び/又は基地局応答情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、データ処理部(図21では省略)から取得する送信データ及び/又は端末20へ送信する制御情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、経路情報、送信データ、及び、制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、DL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0267】
送信部107は、送信制御部106における送信タイミング制御に基づいて、端末20に対してDL信号を送信する。
【0268】
本実施の形態に係る基地局10(情報処理装置の一例)は、端末20の利用者に対し利用者がプラットホームの乗降口を案内する。基地局10において、制御部108は、端末20の位置情報が示す端末20の位置から、プラットホームにおける電車の複数の乗降口までの経路のうち、条件を満たす乗降口までの経路を、端末20の所有者(利用者の一例)に案内する経路として選択する。送信部107は、選択された経路に関する情報(経路情報)を端末20へ送信する。なお、電車は、交通機関としての移動手段の一例であり、プラットホームは、電車の利用者が電車に乗り降りする場所の一例である。
【0269】
<端末20の構成>
図22は、本実施の形態に係る端末20の構成例を示すブロック図である。端末20は、受信部201と、受信制御部202と、属性選択部203と、第1経路表示制御部204と、第2経路表示制御部205と、表示部206と、送信制部207と、送信部208と、を備える。受信制御部202と、属性選択部203と、第1経路表示制御部204と、第2経路表示制御部205と、送信制御部207とは、端末20の制御部209に含まれてもよい。
【0270】
受信部201は、受信制御部202におけるタイミング制御に基づいて、端末20宛の信号を受信する。受信部201は、端末20宛の信号を受信制御部202へ出力する。
【0271】
受信制御部202は、受信部201における受信タイミングを制御する。また、受信制御部202は、端末20宛の信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0272】
受信制御部202は、所定の受信処理を施した信号から、基地局10が送信した情報、受信データ及び/又は制御情報を抽出する。受信制御部202は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(図22では省略)へ出力する。また、受信制御部202は、経路情報及び/又は基地局応答情報を属性選択部203へ出力する。
【0273】
属性選択部203は、端末20の所有者の属性に応じて、表示する経路を選択する。例えば、属性選択部203は、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)ではない場合、経路情報から、第1経路に関する情報を抽出し、第1経路表示制御部204へ出力する。また、属性選択部203は、端末20の所有者が特定の人物(例えば、高齢者)である場合、経路情報から、第1経路に関する情報を抽出し、第1経路表示制御部204へ出力し、第2経路に関する情報を抽出し、第2経路表示制御部205へ出力する。
【0274】
第1経路表示制御部204は、表示部206における第1経路の表示を制御する。第2経路表示制御部205は、表示部206における第2経路の表示を制御する。
【0275】
なお、属性選択部203は、基地局応答情報を取得し、かつ、基地局応答情報が、端末20の所有者が要望した経路が存在しないことを示す場合、端末20の所有者が要望した経路が存在しないことを示す文字情報を第1経路表示制御部204及び/又は第2経路表示制御部205へ出力してもよい。この場合、第1経路表示制御部204及び/又は第2経路表示制御部205は、表示部206における文字情報の表示を制御する。
【0276】
送信制御部207は、端末20の操作部(図22では省略)を介して、端末20の所有者の、電車利用の要望に関する情報を取得した場合、取得した情報に基づく端末通知情報を生成してもよい。
【0277】
送信制御部207は、送信部208における信号送信タイミングを制御する。また、送信制御部207は、データ処理部(図22では省略)から取得する送信データ及び/又は基地局10へ送信する制御情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部207は、位置情報、端末通知情報、送信データ、及び、制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、UL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0278】
送信部208は、送信制御部207における送信タイミング制御に基づいて、基地局10に対してUL信号を送信する。
【0279】
なお、上記の実施の形態では、交通機関の一例として、電車網を挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示は、利用者が特定の場所にて交通機関としての移動手段(又は、輸送手段)を待機する交通機関に適用されてよい。例えば、本開示は、路線バス、船舶、乗り合いタクシーといった他の交通機関に適用されてもよい。
【0280】
なお、上記実施の形態における「・・・部」は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」であってもよい。
【0281】
また、上記実施の形態における「チャネル」という表記は、「周波数」、「周波数チャネル」、「帯域」、「バンド」、「キャリア」、「サブキャリア」、又は、「(周波数)リソース」といった他の表記に置換されてもよい。
【0282】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0283】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0284】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0285】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0286】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0287】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0288】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0289】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0290】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0291】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0292】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0293】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0294】
10 基地局
20 端末
101、201 受信部
102、202 受信制御部
103 第1経路選択部
104 第2経路選択部
105 経路情報生成部
106、207 送信制御部
107、208 送信部
108、209 制御部
203 属性選択部
204 第1経路表示制御部
205 第2経路表示制御部
206 表示部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22