(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042594
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】締結装置取去方法及び給水管の交換方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/103 20060101AFI20230317BHJP
F16L 55/18 20060101ALI20230317BHJP
F16L 55/00 20060101ALN20230317BHJP
【FI】
F16L55/103
F16L55/18 Z
F16L55/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007255
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2022122682の分割
【原出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2021126359
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521339821
【氏名又は名称】株式会社エコノフリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100167081
【弁理士】
【氏名又は名称】本谷 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】ゴルバニ レザ
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、掘削することなく、狭い作業領域においてフランジ継手装置の締結装置取去方法を提供することである。
【解決手段】クランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で縦穴開口から縦穴内に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジを挟むように仮設置する工程、仮設置したクランプ装置を縦穴内に挿入した締め付け具によってフランジ継手装置に固定する行程、縦穴へ挿入した締結装置取去装置によって締結装置を除去可能にして締結装置を取り去る行程を含む。
【選択図】
図36
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水本管(12)から分岐された接続支管(14)と下流側の給水管(10)が、前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管(10)側の給水管側フランジ(24)が締結装置(36)によって固定されるフランジ継手装置(31)によって接続されることによって、前記給水管(10)が分離可能に接続され、前記接続支管(14)、継手装置(16)、および給水管(10)が縦穴開口(44)を有する縦穴(42)内に配置された給水管設置構造における前記締結装置(36)の取去方法であって、
前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管側フランジ(24)が近づくように保持するクランプ装置(388)をクランプ装置装着治具(422)に保持させた状態で前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具(422)を用いて前記クランプ装置(388)を、前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置(388)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入した締め付け具(678)によって前記クランプ装置(388)を前記フランジ継手装置(31)に固定する行程、
前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内へ挿入した締結装置取去装置(115)によって前記締結装置(36)を除去可能にして前記締結装置(36)を取り去る行程、
を含むことを特徴とする締結装置取去方法。
【請求項2】
給水本管(12)から分岐された接続支管(14)と下流側の給水管(10)が、前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管(10)側の給水管側フランジ(24)が締結装置(36)によって固定されるフランジ継手装置(31)によって接続されることによって、前記給水管(10)が分離可能に接続され、前記接続支管(14)、継手装置(16)、および給水管(10)が縦穴開口(44)を有する縦穴(42)内に配置された給水管設置構造における前記給水管(10)の交換方法であって、
前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管側フランジ(24)を近づけるように保持するクランプ装置(388)をクランプ装置装着治具(422)に保持させた状態で前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具(422)を用いて前記クランプ装置(388)を、前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置(388)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入した締め付け具(678)によって前記クランプ装置(388)を前記フランジ継手装置(31)に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器(102)を保持させた容器治具(104)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器(102)の複数によって囲って一体冷凍媒体保留容器(100)を構成する工程、
前記一体冷凍媒体保留容器(100)内に冷凍媒体(FM)を供給し、少なくとも前記接続支管(14)内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入した締結装置取去装置(115)によって、前記締結装置(36)を取り去り可能にして前記給水管(10)を除去可能にする工程、
前記給水管(10)を前記縦穴開口(44)から除去する行程、
新たな給水管(10)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)に相対させる行程、
新たな締結装置(36)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入して前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を固定する行程、
を含む給水管の交換方法。
【請求項3】
給水本管(12)から分岐された接続支管(14)と下流側の給水管(10)が、前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管(10)側の給水管側フランジ(24)が締結装置(36)によって固定されるフランジ継手装置(31)によって接続されることによって、前記給水管(10)が分離可能に接続され、前記接続支管(14)、継手装置(16)、および給水管(10)が縦穴開口(44)を有する縦穴(42)内に配置された給水管設置構造における前記給水管(10)の交換方法であって、
前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管側フランジ(24)を近づけるように保持するクランプ装置(388)をクランプ装置装着治具(422)に保持させた状態で前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具(422)を用いて前記クランプ装置(388)を、前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置(388)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入した締め付け具(678)によって前記クランプ装置(388)を前記フランジ継手装置(31)に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器(102)を保持させた容器治具(104)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器(102)の複数によって囲う行程、
前記分割冷凍媒体保留容器(102)に設けられたストッパ(138)を前記継手装置(16)に当接させる位置出し工程、
前記分割冷凍媒体保留容器(102)の複数によって一体冷凍媒体保留容器(100)を構成する工程、
前記一体冷凍媒体保留容器(100)内に冷凍媒体(FM)を供給し、少なくとも前記接続支管(14)内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入した締結装置切断装置(116)によって、前記フランジ継手装置(31)における前記締結装置(36)を切断し、前記給水管(10)を除去可能にする工程、
前記給水管(10)を前記縦穴開口(44)から除去する行程、
新たな給水管(10)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)に相対させる行程、
新たな締結装置(36)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入して前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を締結する行程、
を含む給水管の交換方法。
【請求項4】
給水本管(12)から分岐された接続支管(14)と下流側の給水管(10)が、前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管(10)側の給水管側フランジ(24)が締結装置(36)によって固定されるフランジ継手装置(31)によって接続されることによって、前記給水管(10)が分離可能に接続され、前記接続支管(14)、前記フランジ継手装置(31)、および前記給水管(10)が縦穴開口(44)を有する縦穴(42)内に配置された給水管設置構造における前記給水管(10)の交換方法であって、
前記接続支管側フランジ(26)と前記給水管側フランジ(24)を近づくように保持するクランプ装置(388)をクランプ装置装着治具(422)に保持させた状態で前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具(422)を用いて前記クランプ装置(388)を、前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置(388)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入した締め付け具(678)によって前記クランプ装置(388)を前記フランジ継手装置(31)に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器(102)を保持させた容器治具(104)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器(102)の複数によって囲う行程、
前記分割冷凍媒体保留容器(102)に設けられたストッパ(138)を前記接続支管側フランジ(26)に当接させる位置出し工程、
前記分割冷凍媒体保留容器(102)の複数によって一体冷凍媒体保留容器(100)を構成する工程、
前記縦穴開口(44)から挿入した冷凍媒体送給管(108)によって、前記一体冷凍媒体保留容器(100)内に冷凍媒体(FM)を供給し、少なくとも前記接続支管(14)内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入した締結装置切断装置(116)によって、前記フランジ継手装置(31)における前記締結装置(36)を切断し、前記給水管(10)を除去可能にする工程、
前記給水管(10)を前記縦穴開口(44)から除去する行程、
新たな給水管(10)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)に挿入し、前記接続支管(14)に相対させる行程、
締結装置治具(334)によって新たな締結装置(388)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入して前記給水管側フランジ(24)と前記接続支管側フランジ(26)を締結装置治具(334)によって締結する行程、
を含む給水管の交換方法。
【請求項5】
前記ストッパ(138)は、前記複数の分割冷凍媒体保留容器(102)の上端縁(380)である
ことを特徴とする請求項3~4の何れかに記載の給水管の交換方法。
【請求項6】
前記クランプ装置(412)は、上下に配置された第1挟持体(654)と第2挟持体(656)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を相対回動自在に支持する支軸(676)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を近づける締付装置(662)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)が離れるように付勢する付勢体(680)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の締結装置取去方法。
【請求項7】
前記クランプ装置(412)は、上下に配置された第1挟持体(654)と第2挟持体(656)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を相対回動自在に支持する支軸(676)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を近づける締付装置(662)、
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)が離れるように付勢する付勢体(680)を含んでいる
ことを特徴とする請求項2~4の何れかに記載の給水管の交換方法。
【請求項8】
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)は細長の板状体であり、
前記第1挟持体(654)から下向きに第1軸受板(674)が設けられ、
前記第2挟持体(656)から上向きに第2軸受板(672)及び第3軸受板(673)が所定の間隔で並設され、
前記第1軸受板(674)の下端部が前記第2軸受板(672)及び第3軸受板(673)の上端部の間に配置され、
支軸(676)が、前記第2軸受板(672)、前記第1軸受板(674)、及び前記第3軸受板(673)を貫通すると共に、前記支軸(676)の両端部が前記第1軸受板(674)、及び前記第3軸受板(673)の外方に突出され、
前記締付装置(662)は、締付ボルト(678)とナット(668)によって構成され、
前記締付ボルト(678)は前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を貫通し、
前記締付ボルト(678)の前記第2挟持体(656)を貫通した先端に前記ナット(668)が螺合され、
前記付勢体(680)は、前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)の間の前記締付ボルト(678)に外装されている
ことを特徴とする請求項6に記載した締結装置取去方法。
【請求項9】
前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)は細長の板状体であり、
前記第1挟持体(654)から下向きに第1軸受板(674)が設けられ、
前記第2挟持体(656)から上向きに第2軸受板(672)及び第3軸受板(673)が所定の間隔で並設され、
前記第1軸受板(674)の下端部が前記第2軸受板(672)及び第3軸受板(673)の上端部の間に配置され、
支軸(676)が、前記第2軸受板(672)、前記第1軸受板(674)、及び前記第3軸受板(673)を貫通すると共に、前記支軸(676)の両端部が前記第1軸受板(674)、及び前記第3軸受板(673)の外方に突出され、
前記締付装置(662)は、締付ボルト(678)とナット(668)によって構成され、
前記締付ボルト(678)は前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)を貫通し、
前記締付ボルト(678)の前記第2挟持体(656)を貫通した先端に前記ナット(668)が螺合され、
前記付勢体(680)は、前記第1挟持体(654)と前記第2挟持体(656)の間の前記締付ボルト(678)に外装されている
ことを特徴とする請求項7に記載した給水管の交換方法。
【請求項10】
前記クランプ装置装着治具(422)は、
棒状の支持体(685)、
前記支持体(685)の下端部に前記第2挟持体(656)が位置できる間隔で第1保持板(6881)と第2保持板(6882)が設けられると共に、上向きの第1保持凹部(6921)と第2保持凹部(6921)を構成する
ことを特徴とする請求項8に記載の締結装置取去方法。
【請求項11】
前記クランプ装置装着治具(422)は、
棒状の支持体(685)、
前記支持体(685)の下端部に前記第2挟持体(656)が位置できる間隔で第1保持板(6881)と第2保持板(6882)が設けられると共に、上向きの第1保持凹部(6921)と第2保持凹部(6922)を構成する
ことを特徴とする請求項9に記載の給水管の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続支管と給水管を接続する継手装置における締結装置取去方法に関する。
本発明は、接続支管と給水管を接続する継手装置における給水管の交換方法に関する。
本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結するために用いる冷凍媒体保留容器の設置方法に関する。
本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結する給水管内流体凍結方法に関する。
本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管除去方法に関する。
また、本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管交換方法に関する。
更に、本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管交換方法に用いる冷凍媒体を保留する冷凍媒体保留容器に関する。
更にまた、本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管交換方法に用いる冷凍媒体容器装置に関する。
また、本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管交換方法に用いる給水管締結装置切断治具に関する。
更に、本発明は、給水管内の流体の一部を一時的に凍結して行う給水管交換方法に用いる締結装置切断装置に関する。
【0002】
なお、本発明において、縦穴開口から操作してとは、物理的に縦穴開口の外側からの操作、および作業者が腹ばいになって、縦穴開口から手を縦穴内に挿入して操作レバー等を操作することを含む概念である。また、以下の説明において、第1、第2等順位を意味する用語を用いるが、同一部品を区別するために用いるので、技術的範囲等の解釈にあたっては考慮されない。
【背景技術】
【0003】
例えば、給水管としての単口又は双口の地下式消火栓は、火災の消火活動時に、消防ホースが接続されるので、所定の品質を維持するように定期的に交換される。地下式消火栓は、一般の水道管から分岐された接続支管に接続されるので、当該給水管の交換を行う際、当該地下式消火栓が存在する給水管たる給水本管を閉弁し、水圧が掛からない状態で交換作業を行う。このように閉弁して給水管を交換する場合、一般家庭への給水も断水される問題がある。この断水の問題を解決するため、特許文献1または2に示される凍結工法が採用されている。地下式消火栓の交換に凍結工法を採用する場合の懸念を以下に説明する。
まず、水道用地下消火栓等の給水管設置構造について、
図22および
図23を参照しつつ説明する。
図22は給水管10の1つである水道用地下消火栓10Fが設置されている道路の断面図である。道路の地下約1.3メートル程度の位置に、給水本管12が道路表面に沿って横向きに配置されている。給水本管12から上向きに接続支管14が分岐されている。接続支管14の上端には、継手装置16を介して高さ調整用の1又は複数の短管18が接続され、当該短管18の先端に継手装置22を介して水道用地下消火栓10Fが固定されている。継手装置16は、接続支管14の上端部に形成された第1フランジ24(接続支管側フランジ)と短管18の下端部に形成された第2フランジ(給水管側フランジ)26が、パッキン28を介して突き合わされ、各フランジに形成された第1貫通孔24Hと第2貫通孔26Hを貫通したボルト32の先端部に螺合されたナット34によって構成された締結装置36によって、機密に接続されている。よって、第1フランジ24と第2フランジ26はパッキンを挟むことにより、厚みTの隙間30が形成され、フランジ継手装置31が構成されている。継手装置22も継手装置16と同様に構成されている。これら接続支管14、継手装置16、短管18、継手装置16(22)、および水道用地下消火栓10Fは、縦穴壁38によって構成された縦穴42内に設置されている。以下、接続支管14の下流に接続されている短管18、水道用地下消火栓10Fを総称して給水管10として説明する。なお、接続支管14に直接、水道用地下消火栓10Fが接続される場合があるが、その場合、水道用地下消火栓10Fが給水管10に相当する。縦穴42の縦穴開口44は、通常、鉄蓋46によって閉口されている。縦穴開口44は、縦約550mm×横約430mm×深さ約800mmの矩形、もしくは、これに相当する程度の面積を有する円形に形成されている。当該縦穴42は、縦穴開口44と同様の寸法に形成されているので、作業者が中に入って作業することは極めて困難である。そこで、掘削工法が採用されている。掘削工法は、当該縦穴壁38の周囲の土壌を掘削し、当該縦穴壁38を一時的に取り外して凍結工法に必要な作業領域を確保した後、凍結工法によって接続支管14に接続された短管18との間に配置された継手装置16の締結装置36のボルト32を切断することにより、以前の水道用地下消火栓10Fと短管18の除去を可能としている。なお、締結装置36のボルト32を切断するのは、多くの場合、長期間設置されているため、錆び等によってナット34を緩めることが困難な場合が多いからである。掘削工法は、掘削に要するコストが嵩むことから、より安価な工法が求められていた。
給水管10を交換する場合の凍結工法を採用する第1の従来技術として、消火栓の下部に接続している枝管の周りを堀り下げて枝管を露出させ、この枝管に低温液化ガス受は容器を取り付け、ついでこの受は容器内に低温液化ガスを注入して枝管内の水を凍結させた後、消火栓のフランジと枝管のフランジとを分離して消火栓の修理または取替えを行なうことが知られている(特許文献1)。
第2の従来技術として、既設の管路が本管部と当該本管部の径方向に突出した枝管部とを有するT字状管部を有し、T字状管部の枝管部に設置された給水管要素を既設の管路から取り外す不断流工法であって、T字状管部の本管部に流体が流れた状態で枝管部内および/または枝管部内に臨む本管部内の一部の流体を凍結する凍結工程と、流体が凍結した状態で、給水管要素を取り外す取外し工程が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭51-17019(第1頁右欄~第2頁左下欄,
図1~
図2)
【特許文献2】特許第6854557号(段落0022~0033,
図1~
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術は、枝管の周りを堀り下げて枝管を露出させ、当該露出させた枝管に凍結工法を適用する工法であり、基本的には掘削工法であることからコストが大であり、俄に採用することができない。
第2の従来技術は、枝管の周囲に十分な作業領域が確保されている場合の工法で有り、消火栓が設置される縦穴等の狭い作業領域である場合、採用することができない。
【0006】
本発明の第1の目的は、掘削することなく、狭い作業領域においてフランジ継手装置の締結装置取去方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、掘削することなく、狭い作業領域においてフランジ継手装置によって接続された給水管の交換方法を提供することである。
なお、少なくとも、第1の目的を達成することができる場合、本発明の目的を達成するものである。
また、本発明に係る装置は、給水管の除去方法の他、締結装置を取り去り、又は交換する際にも使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、請求項1にかかる第1の発明は以下のように構成されている。
給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記締結装置の取去方法であって、
前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジが近づくように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、
前記縦穴開口から前記縦穴内へ挿入した締結装置取去装置によって前記締結装置を除去可能にして前記締結装置を取り去る行程、
を含むことを特徴とする締結装置取去方法である。
【0008】
この目的を達成するため、請求項2にかかる第2の発明は以下のように構成されている。
給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、
前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づけるように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲って一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、
前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置取去装置によって、前記締結装置を取り去り可能にして前記給水管を除去可能にする工程、
前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、
新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、
新たな締結装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを固定する行程、
を含む給水管の交換方法である。
【0009】
この目的を達成するため、請求項3にかかる第3の発明は以下のように構成されている。
給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、
前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づけるように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲う行程、
前記分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを前記継手装置に当接させる位置出し工程、
前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、
前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、前記フランジ継手装置における前記締結装置を切断し、前記給水管を除去可能にする工程、
前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、
新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、
新たな締結装置(36)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを締結する行程、
を含む給水管の交換方法である。
【0010】
この目的を達成するため、請求項4にかかる第4の発明は以下のように構成されている。
給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、前記フランジ継手装置、および前記給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、
前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づくように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、
前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、
前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、
分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲う行程、
前記分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを前記接続支管側フランジに当接させる位置出し工程、
前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、
前記縦穴開口から挿入した冷凍媒体送給管によって、前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、
前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、前記フランジ継手装置における前記締結装置を切断し、前記給水管を除去可能にする工程、
前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、
新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、
締結装置治具によって新たな締結装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを締結装置治具によって締結する行程、
を含む給水管の交換方法である。
【0011】
この目的を達成するため、請求項5にかかる第5の発明は以下のように構成されている。
前記ストッパは、前記複数の分割冷凍媒体保留容器の上端縁である
ことを特徴とする第3又は第4の発明の給水管の交換方法である。
【0012】
この目的を達成するため、請求項6にかかる第6の発明は、次ぎのように構成されている。
前記クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、
前記第1挟持体と前記第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、
前記第1挟持体と前記第2挟持体を近づける締付装置、
前記第1挟持体と前記第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる
ことを特徴とする第1の発明に記載の締結装置取去方法である。
【0013】
この目的を達成するため、請求項7にかかる第7の発明は、次ぎのように構成されている。
前記クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、
前記第1挟持体と前記第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、
前記第1挟持体と前記第2挟持体を近づける締付装置、
前記第1挟持体と前記第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる
ことを特徴とする第2~第4の何れかの発明の給水管の交換方法である。
【0014】
請求項8にかかる第8の発明は、次ぎのように構成されている。
前記第1挟持体と前記第2挟持体は細長の板状体であり、
前記第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、
前記第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、
前記第1軸受板の下端部が前記第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、
支軸が、前記第2軸受板、前記第1軸受板、及び前記第3軸受板を貫通すると共に、前記支軸の両端部が前記第1軸受板、及び前記第3軸受板の外方に突出され、
前記締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、
前記締付ボルトは前記第1挟持体と前記第2挟持体を貫通し、
前記締付ボルトの前記第2挟持体を貫通した先端に前記ナットが螺合され、
前記付勢体は、前記第1挟持体と前記第2挟持体の間の前記締付ボルトに外装されている
ことを特徴とする第6の発明の締結装置取去方法である。
【0015】
請求項9にかかる第9の発明は、次ぎのように構成されている。
前記第1挟持体と前記第2挟持体は細長の板状体であり、
前記第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、
前記第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、
前記第1軸受板の下端部が前記第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、
支軸が、前記第2軸受板、前記第1軸受板、及び前記第3軸受板を貫通すると共に、前記支軸の両端部が前記第1軸受板、及び前記第3軸受板の外方に突出され、
前記締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、
前記締付ボルトは前記第1挟持体と前記第2挟持体を貫通し、
前記締付ボルトの前記第2挟持体を貫通した先端に前記ナットが螺合され、
前記付勢体は、前記第1挟持体と前記第2挟持体の間の前記締付ボルトに外装されている
ことを特徴とする第7の発明の給水管の交換方法である。
【0016】
請求項10にかかる第10の発明は、次ぎのように構成されている。
前記クランプ装置装着治具は、
棒状の支持体、
前記支持体の下端部に前記第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板が設けられると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成する
を含むことを特徴とする第8の発明の締結装置取去方法である。
【0017】
請求項11にかかる第11の発明は、次ぎのように構成されている。
前記クランプ装置装着治具は、
棒状の支持体、
前記支持体の下端部に前記第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板が設けられると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成する
を含むことを特徴とする第9の発明の給水管の交換方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る第1の発明において、フランジ継手装置の締結装置の取り去りに先立って、クランプ装置装着治具に装着したクランプ装置を縦穴開口から縦穴内に挿入し、当該クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジを挟むように仮設置する。
次に仮設置したクランプ装置を、締め付け具によって接続支管側フランジと給水管側フランジが近づくようにクランプ装置を締め付け、クランプ装置をフランジ継手装置を固定する。
次に、締結装置を取り去る。
締結装置を取り去っても、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジは固定されていることから、給水管が流体圧によって吹き飛ばされることがなく、安全に締結装置を取り去りできる利点がある。
よって、狭い場所であっても掘削することなく締結装置を取り去ることができ、本願発明の第1の目的を達成できる利点がある。
【0019】
請求項2に係る第2の発明において、給水管の交換に先立って、クランプ装置装着治具に装着したクランプ装置を縦穴開口から縦穴内に挿入し、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジを挟むように仮設置する。
次に仮設置したクランプ装置を、締め付け具によって接続支管側フランジと給水管側フランジが近づくようにクランプ装置で締め付け、クランプ装置をフランジ継手装置に固定する。これによって、締結装置を取り去った場合であっても、フランジ継手装置の接続支管側フランジと給水管側フランジが離れることはない。
次に、縦穴開口から縦穴へ挿入した締結装置取去装置によって締結装置を取り去り可能にして締結装置を取り去る。
これにより、縦穴開口から縦穴へ挿入したクランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジをクランプした後、締結装置を取り去ることから、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジは固定されていることから、給水管が流体圧によって吹き飛ばされることがなく、安全に締結装置を取り去りできる。
次に分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を用いて、複数の分割冷凍媒体保留容器を縦穴開口から縦穴内に挿入し、分割冷凍媒体保留容器を接続支管の少なくとも一部を囲って一体冷凍媒体保留容器を構成する。
次に冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも接続支管内水を凍結させる。
次に縦穴開口から縦穴に挿入した締結装置除去装置によって、継手装置における締結装置を取り去り、給水管を取り去り可能にする。
次に取り去り可能にした給水管を縦穴開口から除去する。
次に新たな給水管を縦穴開口から縦穴に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジの位置合わせを行う。
次に新たな締結装置を縦穴開口から縦穴内に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジを締結する。
よって、全ての給水管の交換のための作業を縦穴開口から挿入した器具によって行うことができるので、狭い場所であっても掘削することなく給水管を交換することができ、本願発明の第2の目的を達成できる利点がある。
【0020】
請求項3に係る第3の発明において、給水管の交換に先立って、クランプ装置装着治具に装着したクランプ装置を縦穴開口から縦穴内に挿入し、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジを挟むように仮設置する。
次に仮設置したクランプ装置を、締め付け具によって接続支管側フランジと給水管側フランジが近づくように締め付け、クランプ装置をフランジ継手装置に固定する。これによって、締結装置を取り去った場合であっても、フランジ継手装置の接続支管側フランジと給水管側フランジが分離することはない。
次に分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を用いて、複数の分割冷凍媒体保留容器を縦穴開口から縦穴内に挿入し、分割冷凍媒体保留容器を接続支管の少なくとも一部を囲うように設置する。
次に容器治具を用いて分割冷凍媒体保留容器を移動させて分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを接続支管側フランジに当接させて分割冷凍媒体保留容器の位置出しを行うことにより、分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する。
次に冷凍媒体送給管を介して冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも接続支管内水を凍結させる。
次に縦穴開口から縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、継手装置における締結装置を切断し、給水管を除去可能にして締結装置を除去し、給水管を取り去り可能にする。
これにより、縦穴開口から縦穴へ挿入したクランプ装置で接続支管側フランジと給水管側フランジをクランプした後、締結装置を取り去ることから、締結装置が破断した場合であっても、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジは固定されていることから、給水管が流体圧によって吹き飛ばされることがなく、安全に締結装置を取り去りできる。
次に除去可能にした給水管を縦穴開口から取り出す。
次に新たな給水管を縦穴開口から縦穴に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジの位置合わせを行う。
次に新たな締結装置を縦穴開口から縦穴内に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジを締結する。
よって、全ての作業を縦穴開口から挿入した器具によって作業することができるので、狭い場所であっても掘削することなく給水管を交換することができ、本願発明の第2の目的を達成できる利点がある。
【0021】
請求項4に係る第4の発明において、給水管の交換に先立って、クランプ装置装着治具に装着したクランプ装置を縦穴開口から縦穴内に挿入し、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジを挟むように仮設置する。
次に仮設置したクランプ装置を、締め付け具によって接続支管側フランジと給水管側フランジが近づくように締め付け、クランプ装置をフランジ継手装置に固定する。これによって、締結装置を除去した場合であっても、フランジ継手装置の接続支管側フランジと給水管側フランジが分離することはない。
縦穴開口から縦穴へ挿入したクランプ装置で接続支管側フランジと給水管側フランジをクランプした後、締結装置を取り去ることから、締結装置を取り去っても、クランプ装置によって接続支管側フランジと給水管側フランジは固定されていることから、給水管が流体圧によって吹き飛ばされることがなく、安全に締結装置を取り去りできる。
次に分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を用いて、複数の分割冷凍媒体保留容器を縦穴開口から縦穴内に挿入し、分割冷凍媒体保留容器を接続支管の少なくとも一部を囲うように設置する。
次に容器治具を用いて分割冷凍媒体保留容器を移動させて分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを接続支管側フランジに当接させて分割冷凍媒体保留容器の位置出しを行うことにより、分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する。
次に縦穴開口から縦穴内に挿入した冷凍媒体送給管を介して冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも接続支管内水を凍結させる。
次に縦穴開口から縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、継手装置における締結装置を切断し、給水管を除去可能にする。
次に締結装置を除去する。
次に除去可能にした給水管を縦穴開口から除去する。
次に新たな給水管を縦穴開口から縦穴に挿入して給水管側フランジと接続支管側フランジの位置合わせを行う。
次に締結装置治具によって新たな締結装置を縦穴開口から縦穴内に挿入し、給水管側フランジと接続支管側フランジを締結する。
よって、全ての作業を縦穴開口から挿入した器具によって作業することができるので、狭い場所であっても掘削することなく給水管を交換することができ、本願発明の第2の目的を達成できる利点がある。
【0022】
請求項5に係る第5の発明において、ストッパは複数の分割冷凍媒体保留容器の上端縁である。当該ストッパを継手装置に接触させることにより位置決めすることができるので、複数の分割冷凍媒体保留容器を、接続支管および継手装置に対しより一層正確に適切な位置に設置することができ、及び、ストッパは複数の分割冷凍媒体保留容器の上端縁であるので、分割冷凍媒体保留容器の形状を簡素化できると共に、小型にできる。
【0023】
請求項6に係る第6の発明において、クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、第1挟持体と第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、第1挟持体と第2挟持体を近づける締付装置、第1挟持体と第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる。
第1挟持体と第2挟持体は支軸を支点に回動可能であり、通常は付勢体によって離れる方向に付勢されているので、第1挟持体と第2挟持体は、接続支管側フランジと給水管側フランジの間隔よりも大きな間隔を維持することが出来る。よって、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込んで仮設置する際に好都合である。
また、締付装置によって付勢体の付勢力に抗して第1挟持体と第2挟持体を近づけ、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込み、それらを固定状態にすることができる。
【0024】
請求項7に係る第7の発明において、クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、第1挟持体と第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、第1挟持体と第2挟持体を近づける締付装置、第1挟持体と第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる。
第1挟持体と第2挟持体は支軸を支点に回動可能であり、通常は付勢体によって離れる方向に付勢されているので、第1挟持体と第2挟持体は、接続支管側フランジと給水管側フランジの間隔よりも大きな間隔を維持することが出来る。よって、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込んで仮設置する際に好都合である。
また、締付装置によって付勢体の付勢力に抗して第1挟持体と第2挟持体を近づけて、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込み、それらを固定状態にすることができる。
【0025】
請求項8に係る第8の発明において、クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、第1挟持体と第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、第1挟持体と第2挟持体を近づける締付装置、第1挟持体と第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる。
また、第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、第1軸受板の下端部が第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、支軸が、第2軸受板、第1軸受板、及び第3軸受板を貫通すると共に、頭部が第1軸受板、及び第3軸受板の外方に突出されている。
さらに、締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、締付ボルトは第1挟持体と第2挟持体を貫通し、締付ボルトの第2挟持体を貫通した先端にナットが螺合され、付勢体は、第1挟持体と第2挟持体の間の締付ボルトに外装されている。
第1挟持体と第2挟持体は支軸を支点に回動可能であり、通常は付勢体によって離れる方向に付勢されているので、第1挟持体と第2挟持体は、接続支管側フランジと給水管側フランジの間隔よりも大きな間隔を維持することが出来る。よって、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込んで仮設置する際に好都合である。
また、締付ボルトを締め付けることによって付勢体の付勢力に抗して第1挟持体と第2挟持体を近づけて、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込み、それらを固定状態にすることができる。
さらに、支軸は第2軸受板及び第3軸受板によって両持ちされるので、強度が高く、また、付勢体は第1挟持体と第2挟持体の間の締付ボルトに外装されていることから、装置を小型化できる。
【0026】
請求項9に係る第9の発明において、クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、第1挟持体と第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、第1挟持体と第2挟持体を近づける締付装置、第1挟持体と第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいる。
また、第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、第1軸受板の下端部が第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、支軸が、第2軸受板、第1軸受板、及び第3軸受板を貫通すると共に、頭部が第1軸受板、及び第3軸受板の外方に突出されている。
さらに、締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、締付ボルトは第1挟持体と第2挟持体を貫通し、締付ボルトの第2挟持体を貫通した先端にナットが螺合され、付勢体は、第1挟持体と第2挟持体の間の締付ボルトに外装されている。
第1挟持体と第2挟持体は支軸を支点に回動可能であり、通常は付勢体によって離れる方向に付勢されているので、第1挟持体と第2挟持体は、接続支管側フランジと給水管側フランジの間隔よりも大きな間隔を維持することが出来る。よって、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込んで仮設置する際に好都合である。
また、締付ボルトによって付勢体の付勢力に抗して第1挟持体と第2挟持体を近づけて、接続支管側フランジと給水管側フランジを挟み込み、それらを固定状態にすることができる。
さらに、支軸は第2軸受板及び第3軸受板によって両持ちされるので、強度が高く、また、付勢体は第1挟持体と第2挟持体の間の締付ボルトに外装されていることから、装置を小型化できる。
【0027】
請求項10に係る第10の発明において、クランプ装置装着治具は、棒状の支持体、支持体の下端部に第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板を設けると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成する。
クランプ装置の第2挟持体は第1保持板と第2保持板の間に設置されることにより、クランプ装置の幅方向の移動が制限され、第2軸受板及び第3軸受板の外方に突出した支軸は、第1保持凹部と第2保持凹部に配置されることから、クランプ装置の長手方向の移動が制限され、クランプ装置の位置が安定する。
よって、締結装置の取りに先立って、クランプ装置のフランジ継手装置への仮設置が容易になる。
【0028】
請求項11に係る第11の発明クランプ装置装着治具は、棒状の支持体、支持体の下端部に第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板を設けると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成する。
クランプ装置の第2挟持体は第1保持板と第2保持板の間に設置されることにより、クランプ装置の幅方向の移動が制限され、第2軸受板及び第3軸受板の外方に突出した支軸は、第1保持凹部と第2保持凹部に配置されることから、クランプ装置の長手方向の移動が制限され、クランプ装置の位置が安定する。
よって、給水管の交換に先立って、クランプ装置のフランジ継手装置への仮設置が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1の給水管除去方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる冷凍媒体保留容器であって、(A)は第1冷凍媒体保留容器と第2冷凍媒体保留容器を組み合わせて構成した1の冷凍媒体保留容器を斜め上方から見た斜視図、(B)はは第1冷凍媒体保留容器の平面図、(C)は正面図、(D)は右側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる容器治具であって、(A)は第1容器治具を用いて第1冷凍媒体保留容器を接続支管周りに設置した状態の説明図、(B)は第1冷凍媒体保留容器と接続支管の関係を説明するための説明図、(C)は第2容器治具を用いて第2冷凍媒体保留容器を接続支管周りに設置した状態の説明図、(D)は第1冷凍媒体保留容器と第2冷凍媒体保留容器と接続支管の関係を説明するための説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる冷凍媒体保留容器装置を構成する第1冷凍媒体保留容器装置であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる冷凍媒体保留容器装置を構成する第1冷凍媒体保留容器装置であり、(A)は
図4(A)におけるAーA線断面図、(B)は第1容器保持装置の正面上方からの斜視図、(C)は第1容器保持装置の背面上方からの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる容器治具であり、(A)は側面図、(B)は(A)中のB―B線断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例1の給水管除去方法において、容器治具を用いて冷凍媒体保留容器を構成した状態の説明図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例1の給水管除去方法において、第1冷凍媒体保留容器装置と第2冷凍媒体保留容器装置によって構成された冷凍媒体保留容器装置に凍結媒体を冷凍媒体送給管を介して供給することを説明するための説明図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる冷凍媒体保留容器の切除装置の説明図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具の説明用斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具を継手装置に固定するためのインパクトを説明するための説明図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具に切断装置を係止して締結装置を切断する作用を説明するための説明図である。
【
図13】
図13は、実施例1の給水管除去方法において用いる切断治具に係止して締結装置を切断する締結装置切断装置を説明するための説明図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例1の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具に係止して締結装置を切断する締結装置切断装置を説明するための説明用斜視図である。
【
図15】
図15は、実施例1の給水管除去方法における除去手順を説明するための説明図である。
【
図16】
図16は、実施例1の給水管除去方法における除去手順を説明するための説明図である。
【
図17】
図17は、実施例1の給水管除去方法における除去手順を説明するための説明図である。
【
図18】
図18は、実施例1の給水管除去方法における除去手順を説明するための説明図である。
【
図19】
図19は、実施例1の給水管除去方法における除去手順を説明するための説明図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施例2の給水管交換方法のフローチャートである。
【
図21】
図21は、本発明の実施例2の給水管交換方法において用いる締結装置のボルトを継手装置に貫通させ、ナットを締め付けるための締結装置治具を説明する説明図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施例の給水管除去方法に用いる、第1冷凍媒体保留容器装置と第2冷凍媒体保留容器装置によって構成する一体冷凍媒体保留容器装置の第2の例であり、(A)は平面図、(B)は第1冷凍媒体保留容器装置の正面図、(C)は第1冷凍媒体保留容器装置の平面図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具の第2の例であり、(A)は継手装置に装着した状態の平面図、(B)は(A)中のB-B線断面図である。
【
図24】
図24は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具の第3の例であり、(A)は締結装置切断治具の平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は斜視図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具の第3の例の使用法を説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)はクランプ装置の側面図、(C)は平面図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具の第3の例を、継手装置に装着するための治具であり、(A)は部分拡大斜視図、(B)は第3の例の締結装置切断治具を装着した状態の部分拡大斜視図である。
【
図27】
図27は、締結装置切断治具の第3の例を用いて行う給水管交換方法のフローチャートである。
【
図28】
図28は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具に係止して締結装置を切断する締結装置切断装置の第2の例の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は回転刃取付部の拡大斜視図、(C)は回転刃取り付け構造の断面図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いる締結装置切断治具に係止して締結装置を切断する締結装置切断装置の第3の例のであって、一部断面正面図である。
【
図30】
図30は、本発明の実施例の給水管交換方法において用いる締結装置のボルトを継手装置に貫通させ、当該貫通後のボルトにナットを締め付けるための締結装置治具の第2の例であり、(A)は要部斜視図、(B)は上方からの斜視図、(C)は歯車列の説明斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の実施例の給水管除去方法において締結装置を取り去る締結装置取去装置の例であって、(A)は全体斜視図、(B)は要部拡大斜視図、(C)は要部平面図、(D)は位置部断面説明図である。
【
図32】
図32は、本発明の実施例の給水管除去方法において締結装置を取り去る締結装置取去装置の第4の例の説明図である。
【
図33】
図33は、本発明の実施例の給水管除去方法において締結装置を取り去る締結装置取去装置の第4の例の説明図であり、(A)は一部拡大平面図、(B)は一部拡大断面図である。
【
図34】
図34は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いるクランプ装置の第2の例であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図である。
【
図35】
図35は、本発明の実施例の給水管除去方法において用いるクランプ装置の第2の例であって、(A)はクランプ装置をクランプ装置治具に設置した状態の斜視図、(B)はクランプ装置治具の一部断面平面図、(C)ははクランプ装置治具の一部正面図、(D)はクランプ装置を継手装置に装着する方法左説明するための説明図である。
【
図36】
図36は、第2クランプ装置を用いて行う給水管交換方法のフローチャートである。
【
図38】
図38は、従来技術を説明するための給水管の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記締結装置の取去方法であって、前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジが近づくように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、前記縦穴開口から前記縦穴内へ挿入した締結装置取去装置によって前記締結装置を除去可能にして前記締結装置を取り去る行程、を含むことが好ましい。
また、給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づけるように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲って一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置取去装置によって、前記締結装置を取り去り可能にして前記給水管を除去可能にする工程、前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、新たな締結装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを固定する行程、を含む給水管の交換方法であることが好ましい。
さらに、給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、継手装置、および給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づけるように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲う行程、前記分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを前記継手装置に当接させる位置出し工程、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、前記フランジ継手装置における前記締結装置を切断し、前記給水管を除去可能にする工程、前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、新たな締結装置(36)を前記縦穴開口(44)から前記縦穴(42)内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを締結する行程、を含む給水管の交換方法であることが好ましい。
更にまた、給水本管から分岐された接続支管と下流側の給水管が、前記接続支管側フランジと前記給水管側の給水管側フランジが締結装置によって固定されるフランジ継手装置によって接続されることによって、前記給水管が分離可能に接続され、前記接続支管、前記フランジ継手装置、および前記給水管が縦穴開口を有する縦穴内に配置された給水管設置構造における前記給水管の交換方法であって、前記接続支管側フランジと前記給水管側フランジを近づくように保持するクランプ装置をクランプ装置装着治具に保持させた状態で前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入する行程、前記クランプ装置装着治具を用いて前記クランプ装置を、前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを挟むように仮設置する行程、前記仮設置した前記クランプ装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入した締め付け具によって前記クランプ装置を前記フランジ継手装置に固定する行程、分割冷凍媒体保留容器を保持させた容器治具を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管の少なくとも一部を、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって囲う行程、前記分割冷凍媒体保留容器に設けられたストッパを前記接続支管側フランジに当接させる位置出し工程、前記分割冷凍媒体保留容器の複数によって一体冷凍媒体保留容器を構成する工程、前記縦穴開口から挿入した冷凍媒体送給管によって、前記一体冷凍媒体保留容器内に冷凍媒体を供給し、少なくとも前記接続支管内水を凍結させる工程、前記縦穴開口から前記縦穴に挿入した締結装置切断装置によって、前記フランジ継手装置における前記締結装置を切断し、前記給水管を除去可能にする工程、
前記給水管を前記縦穴開口から除去する行程、新たな給水管を前記縦穴開口から前記縦穴に挿入し、前記接続支管に相対させる行程、締結装置治具によって新たな締結装置を前記縦穴開口から前記縦穴内に挿入して前記給水管側フランジと前記接続支管側フランジを締結装置治具によって締結する行程、を含む給水管の交換方法であることが好ましい。
また、前記ストッパは、前記複数の分割冷凍媒体保留容器の上端縁であることを特徴とする給水管の交換方法であることが好ましい。
さらに、前記クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、前記第1挟持体と前記第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、前記第1挟持体と前記第2挟持体を近づける締付装置、前記第1挟持体と前記第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいることを特徴とする締結装置取去方法であることが好ましい。
さらにまた、前記クランプ装置は、上下に配置された第1挟持体と第2挟持体、前記第1挟持体と前記第2挟持体を相対回動自在に支持する支軸、前記第1挟持体と前記第2挟持体を近づける締付装置、前記第1挟持体と前記第2挟持体が離れるように付勢する付勢体を含んでいることを特徴とする給水管の交換方法であることが好ましい。
また、前記第1挟持体と前記第2挟持体は細長の板状体であり、前記第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、前記第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、前記第1軸受板の下端部が前記第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、支軸が、前記第2軸受板、前記第1軸受板、及び前記第3軸受板を貫通すると共に、前記支軸の両端部が前記第1軸受板、及び前記第3軸受板の外方に突出され、前記締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、前記締付ボルトは前記第1挟持体と前記第2挟持体を貫通し、前記締付ボルトの前記第2挟持体を貫通した先端に前記ナットが螺合され、前記付勢体は、前記第1挟持体と前記第2挟持体の間の前記締付ボルトに外装されていることを特徴とする締結装置取去方法であることが好ましい。
さらに、前記第1挟持体と前記第2挟持体は細長の板状体であり、前記第1挟持体から下向きに第1軸受板が設けられ、前記第2挟持体から上向きに第2軸受板及び第3軸受板が所定の間隔で並設され、前記第1軸受板の下端部が前記第2軸受板及び第3軸受板の上端部の間に配置され、支軸が、前記第2軸受板、前記第1軸受板、及び前記第3軸受板を貫通すると共に、前記支軸の両端部が前記第1軸受板、及び前記第3軸受板の外方に突出され、前記締付装置は、締付ボルトとナットによって構成され、前記締付ボルトは前記第1挟持体と前記第2挟持体を貫通し、前記締付ボルトの前記第2挟持体を貫通した先端に前記ナットが螺合され、前記付勢体は、前記第1挟持体と前記第2挟持体の間の前記締付ボルトに外装されていることを特徴とする給水管の交換方法であることが好ましい。
さらにまた、前記クランプ装置装着治具は、棒状の支持体、前記支持体の下端部に前記第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板が設けられると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成することを特徴とする締結装置取去方法であることが好ましい。
また、前記クランプ装置装着治具は、棒状の支持体、前記支持体の下端部に前記第2挟持体が位置できる間隔で第1保持板と第2保持板が設けられると共に、上向きの第1保持凹部と第2保持凹部を構成することを特徴とする給水管の交換方法であることが好ましい。
【実施例0031】
本発明の給水管除去方法に係る実施例1を
図1に示すフローチャートを参照しつつ説明する。従来技術と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。
まずステップST11において、第1分割冷凍媒体保留容器1021~第n分割冷凍媒体保留容器102nを保持させた第1容器治具1041~第n容器治具104nを縦穴開口44から縦穴42に挿入し、接続支管14の少なくとも一部を、第1分割冷凍媒体保留容器1021~第n分割冷凍媒体保留容器102nの複数によって囲った一体冷凍媒体保留容器100を構成する。なお、この場合、継手装置16を囲うことが好ましい。
次にステップST12において、縦穴開口44から縦穴42挿入した冷凍媒体送給管108によって、一体冷凍媒体保留容器100内に冷凍媒体FMを供給し、少なくとも接続支管14内の水の一部を凍結させ、当該凍結を水栓とする。
次にステップST13において、縦穴開口44から縦穴42に挿入した締結装置取去治具113たる締結装置切断治具114を給水管10に取り付ける。
次にステップST14において、切断装置治具322によって、縦穴開口44から縦穴42内に挿入した締結装置取去装置115たる締結装置切断装置116によって継手装置16における締結装置36を切断し、給水管10を除去可能にする。
次にステップST15において、当該給水管10を縦穴開口44から取出して除去する。
これによって、従前に用いられていた給水管10を縦穴開口44から除去することができる。
よって、治具を用いることにより、全ての作業を縦穴開口44から行うことができるから、土壌を掘削することなく、また、作業員が逆さ状態で作業することがないので、安価に、かつ安全に給水管を除去することができる。
【0032】
次に本実施例1にかかる給水管除去方法に用いる、分割冷凍媒体保留容器102(第1分割冷凍媒体保留容器1021~第n分割冷凍媒体保留容器102n)、容器治具104、冷凍媒体保留容器装置106、冷凍媒体送給管108、保留容器切断装置112、締結装置取去治具113(締結装置切断治具114)、および締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を説明する。
【0033】
まず、分割冷凍媒体保留容器102を主に
図2を参照しつつ説明する。
分割冷凍媒体保留容器102は、少なくとも、接続支管14内の水を凍結させるための冷凍媒体FMを保留する冷凍媒体保留室122を構成する一体冷凍媒体保留容器100を構成する機能を有する。一体冷凍媒体保留容器100は、複数の分割冷凍媒体保留容器102によって構成され、これら複数の分割冷凍媒体保留容器102が組み合わされることにより、少なくとも、容器底壁102bと容器側壁102Sによって鍋形に形成され、冷凍媒体FMを保留するための冷凍媒体保留室122を構成する。分割冷凍媒体保留容器102は、接続支管14の周囲に冷凍媒体保留室122を構成するため、第1分割冷凍媒体保留容器1021~第n分割冷凍媒体保留容器102nを組み合わせることにより、1の一体冷凍媒体保留容器100を構成し、1の冷凍媒体保留室122を形成するように構成されている。本実施例1において、分割冷凍媒体保留容器102は、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022によって構成されている。しかし、一体冷凍媒体保留容器100は3以上の分割冷凍媒体保留容器102nを組み合わせて構成することができる。
【0034】
次に第1分割冷凍媒体保留容器1021、第2分割冷凍媒体保留容器1022を主に
図2を参照しつつ説明する。
第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022は同一構成であるため、第1分割冷凍媒体保留容器1021を代表して説明し、第2分割冷凍媒体保留容器1022については、語頭の「第1」を「第2」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「1」から「2」に変更し、説明を省略する。
第1分割冷凍媒体保留容器1021は、断熱材料、例えば、発泡プラスチック、好ましくは発表スチロールによって構成された上面が開放された四角箱を、経方向において2分割した形状に構成されている。しかし、分割冷凍媒体保留容器102は、平面視において円形、楕円形、四角形以外の多角形等であってもよい。
図2に示すように、第1分割冷凍媒体保留容器1021は、平板形状の第1容器底壁1241には凹部126たる半円形の第1凹部1261が形成されている。第1容器底壁1241の端縁から上向きに所定の同一高さH1を有する第1側壁1281、第2側壁1321、第3側壁1341が設けられている。第2側壁1321は、第1凹部1261に対面している。第1側壁1281と第3側壁1341の外法寸法は、所定の保留容器幅W1に構成され、被保持部130たる第1被保持部1301を構成している。
本実施例1において、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の端面どうしを突き合わせ、1の分割冷凍媒体保留容器102を構成し、1の冷凍媒体保留室122を形成する。この場合、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の何れかの端面、若しくは両方の端面にでん粉のり等のシール剤を付着させ、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022との突き合わせ面、および接続支管14と第1凹部1261および第2凹部1262との間に隙間が形成されないように構成する。注入された冷凍媒体FMが冷凍媒体保留室122から漏れないようにするためのである。
第1分割冷凍媒体保留容器1021の第2側壁1321の大凡中央には、目印136としての第1目印1361が設けられている。
【0035】
次に、目印136を説明する。
目印136は、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の接続支管14、または継手装置16に対する相対位置を表す機能を有する。本実施例1において、目印136は、第2側壁1321の大凡中央に設けられた立方形のストッパ138たる第1ストッパ1381である。
第1ストッパ1381の上面138U1は、接続支管14の上端部に設けられた第1フランジ24の下面に接触可能に設けられる。第1容器底壁1241に対する上面138U1の第2高さH2(
図2(D))は、作業に適した所定時間において、接続支管14内の水が凍結されて氷塊になり、水栓として機能するに十分な冷凍媒体FMの量を保留させるに十分な冷凍媒体保留室122の容量に設定される。第1ストッパ1381の上面138U1が第1フランジ(接続支管側フランジ)24の下面に接触した場合、第1分割冷凍媒体保留容器1021の上縁102U1は、短管18の第2フランジ(給水管側フランジ)26の上面よりも上方に位置するように設定されている。短管18(給水管10)内の水も凍結させることができ、給水管10内の水の漏出を防止して給水管10を除去することが出来るからである。しかし、第1分割冷凍媒体保留容器1021の上縁102U1は、第1フランジ24の下方に設定することができる。給水管10内からの水の流出が許容される場合、接続支管14内の水を凍結させれば良いからである。
目印136は、同様の機能を有する場合、ストッパでなくとも、線、色分け等であってもよい。よって、目印136とストッパ138を別々に設けることができる。
第1側壁1281、第2側壁1321、および第3側壁1341の外面には、容器切断治具222(電熱ヒーター224)によって、分割冷凍媒体保留容器102の上部を切除する際に目印となる切除目印140たる第1切除目印1401を付設することが好ましい。
【0036】
次に容器治具104を
図3~
図6を参照しつつ説明する。
容器治具104は、分割冷凍媒体保留容器102を保持し、接続支管14に対する所定の位置に設置する機能を有する。本実施例1においては、さらに、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022が一体冷凍媒体保留容器100を構成した状態を維持する機能を有する。本実施例1において、容器治具104は、第1容器治具1041と第2容器治具1042によって構成されている。第1容器治具1041と第2容器治具1042は実質的に同一に構成されているので、第1容器治具1041を代表して説明し、第2容器治具1042については、語頭の「第1」を「第2」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「1」から「2」に変更し、説明を省略する。
第1容器治具1041は第1分割冷凍媒体保留容器1021を保持する冷凍媒体保留容器装置106たる第1冷凍媒体保留容器装置1061と、冷凍媒体保留容器装置106を操作する操作レバー142たる第1操作レバー1421によって構成されている。
【0037】
まず、第1冷凍媒体保留容器装置1061を
図5を主に参照しつつ説明する。
第1冷凍媒体保留容器装置1061は、第1分割冷凍媒体保留容器1021を着脱可能に保持すると共に、操作レバー142に対し所定の位置関係を維持する機能を有する。本実施例1において第1冷凍媒体保留容器装置1061は、天板および一側面が開口された箱形に構成された容器保持装置144たる第1容器保持装置1441と、当該第1容器保持装置1441が着脱可能に取り付けられる容器保持装置保持装置146たる第1容器保持装置保持装置1461によって構成されている。
【0038】
次に第1容器保持装置1441を説明する。
第1容器保持装置1441は、保持容器底壁1521、保持容器第1側壁1541、保持容器第2側壁1561、および保持容器第3側壁1581によって天面および一側面が開口された箱形の保持部160たる第1保持部1601が構成されている。保持容器第1側壁1541と保持容器第3側壁1581との内法寸法である容器保持装置間隔W2は、第1分割冷凍媒体保留容器1021の保留容器幅W1よりも僅かに狭く構成されている。よって分割冷凍媒体保留容器102は、保持容器第1側壁1541と保持容器第3側壁1581に押し込まれた場合、所定の摩擦力によって保持される。
【0039】
次に第1容器保持装置保持装置1461を説明する。
第1容器保持装置保持装置1461は、第1容器保持装置1441を第1操作レバー1421に対し着脱自在に保持する機能を有する。本実施例1において、第1容器保持装置保持装置1461は第1容器保持装置1441に形成された容器保持装置係止部148たる第1容器保持装置係止部1481と、第1容器保持装置保持装置1461に形成された第1容器保持装置保持装置係止部1621により構成されている。
【0040】
第1容器保持装置係止部1481は、保持容器第2側壁1561と容器保持装置突起164たる下向きの第1容器保持装置突起1641によって構成された下方に開口を有する容器保持装置凹部166たる第1容器保持装置凹部1661である。
【0041】
第1容器保持装置保持装置係止部1621は、平板形状の第1容器保持装置保持装置1461の第1下端部1681と、上向きの突起172たる第1係止突起1721によって形成された、上側に開口を有する容器保持装置係止凹部174たる第1容器保持装置係止凹部1741である。
【0042】
第1容器保持装置保持装置係止部1621の第1容器保持装置係止凹部1741に、第1容器保持装置係止部1481の第1容器保持装置突起1641を挿入して係止することにより、第1容器保持装置1441は、第1容器保持装置保持装置係止部1621に着脱可能に一体化される。一体化された場合、第1容器保持装置1441の保持容器第2側壁1561側の一面と、第1容器保持装置保持装置1461の保持容器第2側壁1561側の面は、面一に垂立するよう構成される。この装着状態において、第1容器保持装置1441の上端と第1容器保持装置係止部1481の第1下面1501との間には、第1隙間寸法D1の隙間が形成されている。これによって、第1容器保持装置保持装置係止部1621を、第1容器保持装置1441に対し下方向へずらすことにより、第1容器保持装置突起1641と第1係止突起1721の係合が外れ、次いで、第1容器保持装置保持装置係止部1621を第1容器保持装置1441から離れる方向(
図5において右方)に移動させることにより、第1容器保持装置保持装置1461を第1容器保持装置1441から取り外すことができる。換言すれば、第1操作レバー1421を第1分割冷凍媒体保留容器1021から取り外し、第1操作レバー1421を縦穴42から取り出すことができる。なお、縦穴42において、十分なスペースがある場合、第1容器保持装置保持装置係止部1621を、第1容器保持装置1441に対し横方向へずらすことにより、第1容器保持装置突起1641と第1係止突起1721の係合を外すことができる。換言すれば、第1分割冷凍媒体保留容器1021を第1操作レバー1421から分離することができる。よって、第1容器保持装置1441は、同様の機能を発揮する他の構成に変更することができる。
【0043】
次に第1操作レバー1421を説明する。
第1操作レバー1421は、操作部176たる第1操作部1761を操作して、第1容器保持装置保持装置係止部1621、したがって第1分割冷凍媒体保留容器1021を接続支管14の上端部に対して所定の位置に配置し、かつ、冷凍媒体FMを一体冷凍媒体保留容器100に注入する工程において第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022が冷凍媒体保留容器102を維持するように、保持する機能を有する。本実施例1において、第1操作レバー1421は
図3に示すように、先端部178たる第1先端部1781、中間部182たる第1中間部1821、および操作部176たる第1操作部1761によって、全体として大凡クランク形状に形成された細長棒状である。本実施例1において、第1先端部1781の下部には第1容器保持装置保持装置1461が取り付けられ、中間には交差軸受186が設けられ、上端部は操作部176たる第1操作部1761が形成されている。
第1容器保持装置保持装置1461と第1操作レバー1421(第1先端部1781)は、位置規制装置192たる、第1位置規制装置1921によって取付けられている。
【0044】
次に第1位置規制装置1921を説明する。
第1位置規制装置1921は、第1容器保持装置保持装置1461を第1操作レバー1421に対し、所定の姿勢を保つよう規制し、所定値以上の力が作用した場合、当該姿勢が変更されるように保持する機能を有する。本実施例1において、第1位置規制装置1921は、高摩擦軸受装置194たる第1高摩擦軸受装置1941によって構成されている。第1高摩擦軸受装置1941は、第1容器保持装置保持装置146に固定した軸受196たる第1軸受1961と、第1操作レバー1421に横向に固定された第1軸受1961に回転可能に軸支された軸198たる第1軸1981によって構成されている。第1軸1981が第1軸受1961に密に挿入され、所定値以上のトルクが作用しない場合、第1軸1981と第1軸受1961が相対回転しないように設定されている。所定値以上のトルクとは、第1容器保持装置保持装置1461に第1分割冷凍媒体保留容器1021を保持させた状態では、第1容器保持装置保持装置1461が静止状態に維持されるが、接続支管14に対して所定の姿勢をとるよう力を作用させた場合、回動されるトルクをいう。よって、第1位置規制装置1921は、同様の機能を発揮する他の構成に変更することができる。
【0045】
次に第1中間部1821を説明する。
第1中間部1821は、棒状であって、第1先端部1781に対し鈍角の角度で接続され、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022が突き合わされて一体冷凍媒体保留容器100を構成する状態において、第1先端部1781と第2先端部1782が大凡平行になるように設定されている。
【0046】
次に交差軸受186を
図6を参照しつつ説明する。
交差軸受186は、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422の中間を回転自在に支持する機能を有する。したがって、交差軸受186は同一機能を有する他の装置に置き換えることができる。本実施例1において交差軸受186は、第1中間部1821の中間に配置した第1軸受部2021、第2中間部1822の中間部に配置した第2軸受部2022、それらに内装された第1ブッシュ2041、第2ブッシュ2042、第1ブッシュ2041、第2ブッシュ2042に貫通される支軸ボルト206、ワッシャ208、および当該支軸ボルト206に螺合される蝶ナット212によって構成されている。実施例1における交差軸受186の構成によれば、蝶ナット212を締め付けることによって、ワッシャ208とネジ頭との間に第1軸受部2021、第2軸受部2022が並列状態で支軸ボルト206の周りに回動可能である。一方、蝶ナット212を支軸ボルト206から取り外すことにより、第1軸受部2021、第2軸受部2022、したがって、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422を分離して操作することができる。
【0047】
次に第1操作部1761を主に
図6を参照しつつ説明する。
第1操作部1761は、単独で、第1中間部1821、および第1先端部1781を介して第1分割冷凍媒体保留容器1021の位置決めをし、第1容器保持装置保持装置1461を第1容器保持装置1441から分離させる機能、第2操作部1762と共同して、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022が一体冷凍媒体保留容器100を維持させる機能を有する。本実施例1において、第1操作部1761は、断面円形の棒状体で構成され、第1中間部1821の上端部に鈍角をなし、第1操作部1761が大凡垂立するように横棒214たる第1横棒2141を介して接続されている。なお、第1横棒2141は必須ではないが、存在する場合、作業の途中で給水管10等に係止させておくことができ、便利である。
第1容器治具1041、第2容器治具1042は、縦穴開口44から縦穴42に挿入され、接続支管14周りに位置された場合、
図7に示すように、第1操作部1761、第2操作部1762は縦穴開口44から20cm程度突出する長さであることが好ましい。
【0048】
次に容器治具104の作用を説明する。
最初に、容器治具104は、蝶ナット212を緩め、支軸ボルト206を抜くことにより、第1操作レバー1421および第2操作レバー1422を分離する。
次に、第1容器保持装置1441の第1容器保持装置係止部1481を第1容器保持装置保持装置1461の第1容器保持装置保持装置係止部1621に係止させて第1冷凍媒体保留容器装置1061を構成する。
次に第1分割冷凍媒体保留容器1021の第1被保持部1301を第1容器保持装置1441の第1保持部1601に押し込んで第1操作レバー1421に、第2分割冷凍媒体保留容器1022の第2被保持部1302(
図15参照)を第2容器保持装置1442の第2保持部1602(図示せず)に押し込んで第2操作レバー1422に装着する。なお、第1分割冷凍媒体保留容器1021または第2分割冷凍媒体保留容器1022の何れかの突き合わせ端面に、でん粉のりを約10mmの高さで付着させておく。また、第1分割冷凍媒体保留容器1021を第1保持部1601に押し込んで第1容器保持装置1441と一体化した後、第1容器保持装置係止部1481を第1容器保持装置保持装置係止部1621に係止させても良い。第2分割冷凍媒体保留容器1022も同様である。
次に、第1操作レバー1421を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、
図3(A)に示すように、第1凹部1261に接続支管14の上部が位置するように第1分割冷凍媒体保留容器1021の位置を定める。
次に、第2操作レバー1422を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、
図3(B)に示すように、第2凹部1262に接続支管14の上部が位置するように第2分割冷凍媒体保留容器1022の位置を定める。
次に、支軸ボルト206を第1ブッシュ2041および第2ブッシュ2042に貫通させ、ワッシャ208を装着し、蝶ナット212を支軸ボルト206に螺合して第1操作レバー1421と第2操作レバー1422を一体化し、第1容器治具1041と第1容器治具1041を一体化し、やっとこ構造の保留容器維持支援装置110を構成する。
【0049】
次に、
図7に示すように、第1容器治具1041と第1容器治具1041を引き上げ、第1ストッパ1381および第2ストッパ1382の上面を第1フランジ24の下面に当接させる。これによって、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の接続支管14に対する位置出しが終了する。
次に、第1操作レバー1421の第1操作部1761と第2操作レバー1422の第2操作部1762を近づけるように回動させることにより、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の端面同士を所定値以上の力で突き合わせ、でん粉のりを変形させ、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第1分割冷凍媒体保留容器1021の間、および接続支管14と第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022との間の隙間を閉塞して冷凍媒体保留室122を構成する。でん粉のりによって隙間が閉じられるので、冷凍媒体保留室122から冷凍媒体FMが漏れることがない。
【0050】
次に冷凍媒体送給管108を
図8を参照しつつ説明する。
冷凍媒体送給管108は、冷凍媒体FMを第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022によって構成された冷凍媒体保留室122に送給する機能を有する。したがって、冷凍媒体送給管108は、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。本実施例1において冷凍媒体送給管108は、断熱材が外装された金属管によって構成されている。冷凍媒体送給管108は、縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、下端部開口から冷凍媒体保留室122に冷凍媒体FMを供給する。上端部は、冷凍媒体容器216に接続され、ポンプによって冷凍媒体容器216から送出される冷凍媒体FMが供給される。なお、一体冷凍媒体保留容器100に冷凍媒体FMを注入した場合、蒸発した冷凍媒体FMを雰囲気中の水分を析出させて霧を発生させ、縦穴42、したがって、一体冷凍媒体保留容器100内が視認し難くなるので、当該霧を吸引し、排出させるため、吸引ダクト220を縦穴42内の底部に設置することが好ましい。なお、冷凍媒体FMとしては、沸点が-196℃の液体窒素、-183℃の液体酸素等が用いられる。
【0051】
次に、保留容器切断装置112を
図9を参照しつつ説明する。
保留容器切断装置112は、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022によって構成された一体冷凍媒体保留容器100の容器側壁102Sを切断する機能を有する。本実施例1において、保留容器切断装置112は、容器切断装置218と容器切断治具222によって構成されている。
【0052】
容器切断装置218は、一体冷凍媒体保留容器100の容器側壁102Sを切断する機能を有し、本実施例1において、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022は発泡スチロール製であるので、電熱ヒーター224が用いられている。電熱ヒーター224は、電熱式の半田ごてを用いることが好ましい。電熱ヒーター224は、比較的小さな力で押し付けることにより、一体冷凍媒体保留容器100の容器側壁102Sを溶融させて切除することができる利点がある。電熱ヒーター224によって、分割冷凍媒体保留容器102の側壁の一部を溶融切断して、一体冷凍媒体保留容器100の上部を除去することにより、第1フランジ24が露出する高さまで分割冷凍媒体保留容器102の側壁の高さを低くする。これによって、第1フランジ24への締結装置取去治具113(締結装置切断治具114)の装着が行えるようになる。
したがって、保留容器切断装置112は、同様の機能を有する他の装置を用いることができる。
【0053】
次に容器切断治具222を説明する。
容器切断治具222は、容器切断装置218たる電熱ヒーター224を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、電熱ヒーター224を分割冷凍媒体保留容器102の容器側壁102S部に位置させる機能を有する。本実施例1において容器切断治具222はT字型の棒体によって構成され、電熱ヒーター224が棒体の先端部に固定されている。電熱ヒーター224には電線226が接続されている。なお、容器切断治具222は、電熱ヒーター224以外の切断装置を採用することができる。
【0054】
次に締結装置取去治具113を説明する。
締結装置取去治具113は、締結装置36を取り去るための締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を支持する機能を有する。したがって、締結装置取去治具113は同様の機能を有する他の装置を採用することができる。本実施例1において、締結装置取去治具113は締結装置切断治具114であるが、切断以外の手段によって取り去ることができる。例えば、ナット34を破断させるたり、ナット34を回転させ、又はボルト32を回転させて取り去ってもよい。
【0055】
次に締結装置切断治具114を主に
図10を参照しつつ説明する。
締結装置切断治具114は、締結装置36を切断するための締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を支持する機能を有する。したがって、締結装置切断治具114は同様の機能を有する他の装置を採用することができる。なお、締結装置切断治具114は、縦穴42内以外の締結装置の切断以外にも用いることができ、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)と対で用いることにより、安全に締結装置を切断することができる。本実施例1において締結装置切断治具114は、下流側の給水管10に係止される。実施例1においては、継手装置16を構成する第2フランジ26に強固に係止されて、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を支持する機能を有する。例えば、締結装置切断治具114は、接続支管14の下流側の短管18に取り付けることができる。なお、締結装置切断治具114は、本発明において必須構成ではない。しかし、締結装置切断治具114を用いた場合、締結装置36の切断を安全かつ容易に行う事ができる利点がある。本実施例1において、締結装置切断治具114は、保持枠232、支持部234、および切断治具係止部236によって構成されている。
【0056】
まず保持枠232を説明する。
保持枠232は、継手装置16を構成する第2フランジ26に着脱自在であって、支持部234、切断治具係止部236を継手装置16に固定する機能を有する。本実施例1において保持枠232は、半円形の第1保持枠2321と第2保持枠2322によって構成されている。第1保持枠2321と第2保持枠2322のそれぞれの一端部は、支持軸238に回転自在に取り付けられ、他端部の先端部間が接触、または離れることが可能に構成されている。第1保持枠2321と第2保持枠2322の他端部には、それぞれ、半径方向へ所定の長さで突出する締付突起242たる第1締付突起2421、第2締付突起2422が形成されている。第1締付突起2421と第2締付突起2422を利用して締付装置244が構成されている。なお、本実施例1においては、接続支管14の直ぐ下流側の短管18に保持枠232を取付けているが、2番目の短管18、または水道用地下消火栓10Fの取付用のフランジに取り付けても良い。この場合、2番目の短管18、または水道用地下消火栓10Fの直前の短管18を含めて、接続支管14になる。
【0057】
次に締付装置244を説明する。
締付装置244は、第1締付突起2421と第2締付突起2422を近づけ、結果、第1保持枠2321と第2保持枠2322を第2フランジ26の外周面に密着させ、保持枠232を強固に第2フランジ26に固定する機能を有する。本実施例1において締付装置244は、第1締付突起2421を利用して構成された締付ネジ装置246と第2締付突起2422に形成された受容溝248によって構成されている。しかし、締付装置244は、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
【0058】
次に締付ネジ装置246を説明する。
締付ネジ装置246は、第1締付突起2421に形成され、受容溝248と同一平面を内包する横向きのU型溝252、当該U型溝252を上下方向に横断する支軸254に一端部が固定され、U型溝252内を旋回自在な締付ボルト256、当該締付ボルト256に嵌合されたワッシャ258、および締付ボルト256に螺合された締付ナット262によって構成されている。締付ボルト256が、支軸254と共に水平面内を回動され、受容溝248に挿入されることができる。締付ボルト256が、受容溝248に挿入された後、締付ナット262を締め込むことにより、ワッシャ258を介して第1締付突起2421と第2締付突起2422を近づけ、結果、第1保持枠2321と第2保持枠2322を第2フランジ26の外周面に密着させることができる。締付ナット262の締め付けは、例えば、
図11に示すインパクトレンチ264を使用することが好ましい。
【0059】
次にインパクトレンチ264を
図11を参照しつつ説明する。
インパクトレンチ264は、例えば、公知の圧縮空気によって所定のトルクで選択的に正転または逆転される空気インパクトを用いることが好ましいが、電動インパクトであってもよい。インパクトレンチ264は棒状のインパクト治具266によって、縦穴開口44から縦穴42内へ挿入され、先端のソケット268を締付ナット262に嵌め合わせて回転させる。
【0060】
次に支持部234を説明する。
支持部234は、保持枠232に切断治具係止部236を所定の位置関係において固定する機能を有する。本実施例1において支持部234は、第1保持枠2321に1つの第1支持部2341、第2保持枠2322に1つの第2支持部2342設けられ、それらは同一に構成されているので、第1支持部2341を代表して説明し、第2支持部2342については、語頭の「第1」を「第2」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「1」から「2」に変更し、説明を省略する。
【0061】
第1支持部2341は、第1保持枠2321から半径方向へ所定の長さで所定の間隔で突出する第11支持板2721と第12支持板2741、第11支持板2721と第12支持板2741の先端に横向きに固定された第1治具固定板2761によって構成されている。第11支持板2721と第12支持板2741には、締結装置切断治具用治具278の係止用の第11係止孔2821、第12係止孔2831が形成されている。第1治具固定板2761の両端部に、締結装置取去治具113である切断治具係止部236たる第11切断治具係止部23611、第12切断治具係止部23612が固定されている。第1支持部2341は、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
【0062】
締結装置取去治具113は、締結装置取去装置115が係止され、締結装置36を取り去りが容易になるようにする機能を有する。本実施例1において締結装置取去治具113は切断治具係止部236であり、締結装置取去装置115は締結装置切断装置116である。締結装置取去装置115は、切断装置に限らず、実施例8において詳述されるナットカッター576の他、同様の機能を有する装置を含んでいる。
次に締結装置取去治具113たる切断治具係止部236を
図12をも参照しつつ説明する。
切断治具係止部236は、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を給水管10、本実施例1においては締結装置36(第2フランジ26)に対し、所定の位置関係を維持しつつ移動するように係止される機能を有する。本実施例1において所定の位置関係とは、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)を切断治具係止部236に係止しつつ切断治具係止部236周りに回動させた場合、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)が締結装置36が存在する位置に重なることをいう。換言すれば、1の切断治具係止部236に係止した場合、1の締結装置36を締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)によって切断出来る位置をいう。切断治具係止部236は、第1支持部2341に第1切断治具係止部2361、第2支持部2342に第2切断治具係止部2362が取り付けられている。第1切断治具係止部2361と第2切断治具係止部2362は同一構成であるため、第1切断治具係止部2361を代表して説明し、第2切断治具係止部2362については、語頭の「第1」を「第2」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「1」から「2」に変更し、説明を省略する。第1治具固定板2761の一端部には第11切断治具係止部23611、他端部には第12切断治具係止部23612が固定されている。第11切断治具係止部23611と第12切断治具係止部23612は同一構成であるため、第11切断治具係止部23611を代表して説明し、第12切断治具係止部23612については、語頭の「第11」を「第12」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「11」から「12」に変更し、説明を省略する。
第11切断治具係止部23611は円柱形状であり、第11大径円柱部28411と第11小径円柱部28611によって、中間にリング状の第11段部28811が形成されている。切断治具係止部236の位置出しを行うため、保持枠232に切断治具目印292が設けられている。
【0063】
次に切断治具目印292を説明する。
切断治具目印292は、切断治具係止部236の締結装置36に対する大凡の位置を表す機能を有する。本実施例1においては、保持枠232の上面に固定された頂部293が保持枠232の中心を向かう方向に定められた目印板295によって構成されている。本実施例1において、締結装置36は第2フランジ26に等角度に配置された4本のボルトであるため、頂部293が締結装置36間の大凡中央を指向する場合、第1切断治具係止部2361が所定の位置になるよう構成されている。換言すれば、締結装置取去装置115(締結装置切断装置116)が締結装置36を切断可能な位置に位置決めされる。本実施例1において、切断治具目印292は、第1支持部2341に相対して設けられた第1切断治具目印2921、第2支持部2342に相対して設けられた第2切断治具目印2922、支持軸238に相対して設けられた第3切断治具目印2923、および締付装置244に相対して設けられた第4切断治具目印2924の4箇所に設けられている。第3切断治具目印2923と第4切断治具目印2924は、それぞれ、第1保持枠2321と第2保持枠2322に設けられた、台形状の切断治具目印片が組み合わされることにより構成されている。すなわち、第3切断治具目印2923は、第1保持枠2321に設けられた第31切断治具目印片29231と第2保持枠2322に設けられた第32切断治具目印片29232によって構成されている。第4切断治具目印2924は、第1保持枠2321に設けられた第41切断治具目印片29241と第2保持枠2322に設けられた第42切断治具目印片29242によって構成されている。しかし、切断治具目印292は、少なくとも1つ設けられていれば良い。第3切断治具目印2923と第4切断治具目印2924は、第1保持枠2321と第2保持枠2322の上側にのみ設置されている。第2フランジ26に装着する際、第2フランジ26を支えにして保持枠232を第2フランジ26に装着できる利点がある。本実施例1において第1切断治具目印2921と第2切断治具目印2922は、継手装置16(第2フランジ26)に対する保持枠232の位置決め装置294も兼ねている。
【0064】
次に位置決め装置294を説明する。
位置決め装置294は、保持枠232の継手装置16に対する厚み方向の位置がずれないように規制する機能を有する。本実施例1において、位置決め装置294は、第1保持枠2321に設けられた第1位置決め装置2941と、第2保持枠2322に設けられた第2位置決め装置2942を含んでいる。
第1位置決め装置2941と第2位置決め装置2942は同一構成であるため、第2位置決め装置2942を代表して説明し、第1位置決め装置2941は語頭の「第2」を「第1」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「2」から「1」に変更し、説明を省略する。
第2位置決め装置2942は、第2切断治具目印2922と第2保持枠2322の下面側に固定した、第2切断治具目印2922と同型状の位置決め板296たる第2位置決め板2962によって構成されている。換言すれば、第2位置決め装置2942は、第2保持枠2322の高さと同一間隔で平行に配置された二枚の板状体によって構成され、第2フランジ26を大きなガタつき無く受け容れることができる位置決め空間298たる第2位置決め空間2982(第1位置決め空間2981)を画定する。位置決め板296は、パッキン28の厚みよりも僅かに薄い板状体である。よって、第2フランジ26に装着する場合、位置決め板296は第1フランジ24と第2フランジ26との間に進入することができる。
第1位置決め装置2941が第2フランジ26に対する第1保持枠2321の上下方向の移動を制限し、第2位置決め装置2942が第2フランジ26に対する第2保持枠2322の上下方向の移動を制限することから、締結装置切断治具114に大きな力が加わっても、第2フランジ26と締結装置切断治具114が、所定の位置関係を維持することができる。
【0065】
次に締結装置切断治具用治具278を主に
図10を参照しつつ説明する。
締結装置切断治具用治具278は、締結装置切断治具114を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、給水管10(継手装置16)へ装着する際に用いる治具の機能を有する。したがって、締結装置切断治具用治具278と同様の機能を有する他の装置に置き換えることができる。本実施例1において、締結装置切断治具用治具278は、第1締結装置切断治具用治具2781と第2締結装置切断治具用治具2782によって構成されている。第1締結装置切断治具用治具2781と第2締結装置切断治具用治具2782は同一構成であるため、第1締結装置切断治具用治具2781を代表して説明し、第2位置決め装置2942は語頭の「第1」を「第2」に変更すると共に、同一符号の末尾の数字を「1」から「2」に変更し、説明を省略する。
第1締結装置切断治具用治具2781は、所定の長さを有する第1棒体3021と、その先端に取り付けられた第1フック3041によって構成されている。第1フック3041は、第11係止孔2821および第12係止孔2831を貫通することができ、第1フック3041と第2フック3042によって、締結装置切断治具114を水平状態を維持しつつ、接続支管14、本実施例1においては、第2フランジ26に装着することができる。
【0066】
次に、締結装置切断治具114の継手装置16たる第2フランジ26への装着作業を説明する。
まず、縦穴開口44の外部において、第1フック3041を第11係止孔2821および第12係止孔2831に係止し、第2フック3042を第21係止孔2822および第22係止孔2832に係止する。
次に、第1棒体3021と第2棒体3022を持って、締結装置切断治具114を持ち上げた後、縦穴開口44から縦穴42内へ挿入する。この場合、第1保持枠2321と第2保持枠2322を支持軸238の周りに回動させ、第1締付突起2421と第2締付突起2422が間隔を空けた状態にし、第2フランジ26に装着しやすいようにして縦穴42内へ水平状態を維持しつつ下ろす。
まず、第31切断治具目印片29231、第32切断治具目印片29232の下面を第2フランジ26の上面に接触させた状態で、第1締結装置切断治具用治具2781及び第2締結装置切断治具用治具2782を操作して第1保持枠2321と第2保持枠2322の先端が閉じる方向に支持軸238を支点に回動させる。この過程において、第2切断治具目印2922が第2フランジ26の上側に、第2位置決め板2962が第2フランジ26の下側に位置した状態で第2フランジ26を挟み込む。同様に、第1切断治具目印2921が第2フランジ26の上側に、第1位置決め板2961が第2フランジ26の下側に位置した状態で第2フランジ26を挟み込む。そして、第41切断治具目印片29241および第42切断治具目印片29242が第2フランジ26の上面に接し、第1締付突起2421と第2締付突起2422が所定の距離に近づけられる。第1締結装置切断治具用治具2781及び第2締結装置切断治具用治具2782を操作して、第1締付突起2421と第2締付突起2422の距離が、締付ボルト256に係止されたワッシャ258と締付ナット262の位置よりも短くなるように近づける。
この状態で、第1締結装置切断治具用治具2781の第1フック3041を第11係止孔2821、第12係止孔2831から抜き出す。同様に、第2締結装置切断治具用治具2782の第2フック3042を第21係止孔2822、第22係止孔2832から抜き出す。
次いで、第1締結装置切断治具用治具2781または第2締結装置切断治具用治具2782を用いて締付ボルト256を支軸254を中心に回動させ、受容溝248内に締付ボルト256を挿入する。
次に、インパクト治具266によってインパクトレンチ264を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、ソケット268を締付ナット262に嵌合した後、インパクトレンチ264を駆動して締付ナット262を締め付け、結果、第1保持枠2321および第2保持枠2322に強固に締結装置切断治具114を固定する。
【0067】
次に締結装置取去装置115を説明する。
締結装置取去装置115は、継手装置16から締結装置36を取り去ることが可能にする機能を有する。
「取り去ることが可能」とは、締結装置36の取り去り(除去)を可能とする機能である。例えば、締結装置36がボルト32とナット34である場合において、ナット34を緩めることができる場合、ナット34を緩めてボルト32から取り外すこと、ナット34を緩めることができない場合、ボルト32を切断すること、またはナット34を破断し、ボルト32とナット34を別々に取り去ることができるようにする。
【0068】
次に締結装置切断装置116を主に
図13を参照しつつ説明する。
締結装置切断装置116は、継手装置16の締結装置36を切断する機能を有する。締結装置36は、通常、ボルト32とナット34により構成され、多くの場合、長期間設置されていたため、螺合を解除することが出来ないため、切断することが最も容易であり、締結装置切断装置116によって切断される。本実施例1において、締結装置切断装置116は、少なくとも、締結装置切断治具114の切断治具係止部236に回動自在かつ着脱自在に装着される切断係止部306と、切断治具係止部236に連なる腕部308と、腕部308に固定された切断装置310を含んでいる。切断装置310は、本実施例1においては、回転自在支持される回転刃312である。しかし、切断装置310は、種々採用することができる。
【0069】
次に切断係止部306を説明する。
切断係止部306は、締結装置切断装置116を締結装置切断治具114に係止し、締結装置切断装置116の切断操作を容易にする機能を有する。本実施例1における切断係止部306は、切断治具係止部236に回動自在かつ着脱自在に装着される機能を有する。具体的には、切断係止部306は、切断治具係止部236の小径円柱部286に嵌合する円形の嵌合孔314が形成された円筒体によって構成されている。切断係止部306が小径円柱部286に嵌合された場合、切断係止部306の下端面が第11段部2881に接して上下方向の位置決めがされると共に、ガタつきなく、小径円柱部286の軸線回りに回転可能に支持される。切断係止部306は同様の機能を有する他の装置に代えることができる。
【0070】
次に腕部308を説明する。
腕部308は、切断係止部306に対し、回転刃312を所定の位置に規制する機能を有する。本実施例1において、腕部308は板状体であって、一端は切断係止部306に固定され、他端部に回転刃312の回転軸316を回転自在に軸支する回転刃軸受318が固定されている。回転軸316は、回転刃軸受318に対し、軸方向の位置を調整可能に取り付けられることが好ましい。締結装置36を切断する場合、第1フランジ24と第2フランジ26との間を切断できない場合があり、締結装置36たるボルト32の頭部、またはナット34部を切断する必要があるからである。腕部308には切断装置治具322が固定されている。腕部308の長さLは、回転刃312が第1切断治具係止部2361の第11小径円柱部28611を中心に回動された場合、回転刃312が締結装置36(ボルト32)を横断する軌跡を描くように設定されている。
【0071】
次に切断装置310を主に
図13を参照しつ説明する。
切断装置310は、締結装置36を除去する機能を有する。本実施例1において、締結装置36はボルト32とナット34であるから、切断装置310はボルト32を切断する機能を有する。具体的には、薄板円板形の回転刃312が用いられる。しかし、切断装置310は、同様の機能を有する他の装置に代えることができる。
【0072】
回転軸316は、公知のフレキシブルシャフト324によって、切断モーター326の出力軸に接続されている。切断モーター326は、電動モーター、エアーモーター等によって構成することができる。
【0073】
次に切断装置治具322を説明する。
切断装置治具322は、締結装置切断装置116を締結装置切断治具114に取付けると共に、締結装置36を切断するため、切断装置310を締結装置36に押し付ける操作を行う機能を有する。本実施例1において切断装置治具322は、T字型の棒体によって構成され、棒体の先端が腕部308に固定されている。
締結装置切断装置116を締結装置切断治具114に取付ける場合、切断装置治具322を持って、縦穴開口44から縦穴42内へ締結装置切断装置116を挿入する。次いで、嵌合孔314を小径円柱部286に嵌合させる。これによって、切断装置310が小径円柱部286周りを回転可能になる。締結装置36を切断する場合、切断モーター326を回転させ、フレキシブルシャフト324を介して回転刃312を回転させた状態で腕部308を小径円柱部286周りに回転させた状態で、第1フランジ24と第2フランジ26の間に進入させ、締付ボルト256に押し付けて切断する。切断装置治具322は、切断係止部306に対し、回転刃軸受318よりも遠い位置において、回転刃軸受318から延長させた腕部308に取り付けることができる。この場合、回転刃312の締付ボルト256に対する押し付け力を大きくすることが出来る利点がある。なお、締付ボルト256を切断する際、周囲のパッキン28も切断される。
【0074】
次に締結装置切断装置116を用いて締結装置36を切断する場合の操作を説明する。
まず、締結装置切断装置116を切断治具係止部236に装着する。具体的には、切断装置治具322を用いて締結装置切断装置116を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入した後、第1切断治具係止部2361の第11小径円柱部28611を切断係止部306の嵌合孔314に嵌合する。
次に、切断モーター326を起動させ、フレキシブルシャフト324、回転軸316を介して回転刃312を所定の方向に回転させる。
次に、切断装置治具322を操作して腕部308を小径円柱部286周りに回転させ、回転刃312を締結装置36たる締付ボルト256の周面に押し付けて切断する。
【0075】
次に本発明における給水管10の除去方法を
図15~
図19をも参照しつつ説明する。
第1に、
図15(A)に示すように、容器治具104は、蝶ナット212を緩め、支軸ボルト206を抜くことにより、第1操作レバー1421および第2操作レバー1422に分離する。
【0076】
第2に、
図15(B)に示すように、第1容器保持装置1441の第1容器保持装置係止部1481を第1容器保持装置保持装置1461の第1容器保持装置保持装置係止部1621に係止させて第1冷凍媒体保留容器装置1061を構成する。
【0077】
第3に、
図15(C)に示すように、第1分割冷凍媒体保留容器1021の第1被保持部1301を第1容器保持装置1441の第1保持部1601に押し込んで第1操作レバー1421に、第2分割冷凍媒体保留容器1022の第2被保持部1302(図示せず)を第2容器保持装置1442の第2保持部1602(図示せず)に押し込んで第2操作レバー1422に装着する。
第1分割冷凍媒体保留容器1021または第2分割冷凍媒体保留容器1022の何れかの突き合わせ端面に、でん粉のりを約10mmの高さで付着させておく。
【0078】
第4に、
図15(D)に示すように、第1操作レバー1421を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、第1凹部1261に接続支管14の上部が位置するように第1分割冷凍媒体保留容器1021の位置を定める。
【0079】
第5に、第2操作レバー1422を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、
図16(E)に示すように、第2凹部1262に接続支管14の上部が位置するように第2分割冷凍媒体保留容器1022の位置を定める。なお、第3における第1分割冷凍媒体保留容器1021を第1操作レバー1421に対して装着した後、第4を行い、第3における第2分割冷凍媒体保留容器1022を第2操作レバー1422に対して装着した後、第5を行うことができる。
【0080】
第6に、
図16(F)に示すように、支軸ボルト206を第1ブッシュ2041および第2ブッシュ2042に貫通させ、ワッシャ208を装着し、蝶ナット212を締め付けて第1操作レバー1421と第2操作レバー1422を一体化し、やっとこ構造の保留容器維持支援装置110を構成する。
【0081】
第7に、
図16(G)に示すように、第1容器治具1041と第1容器治具1041を引き上げ、第1ストッパ1381および第2ストッパ1382の上面を第1フランジ24の下面に当接させる。
【0082】
第8に、
図16(H)に示すように、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422を近づけるように回動させることにより、
図17(I) (J)に示すように、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の端面同士を突き合わせて、でん粉のりを挟み込み、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第1分割冷凍媒体保留容器1021の間、および接続支管14と第1分割冷凍媒体保留容器1021または第2分割冷凍媒体保留容器1022との間の隙間を閉じることにより、枡形の冷凍媒体保留室122を構成する。でん粉のりによって隙間が閉じられるので、冷凍媒体保留室122から冷凍媒体FMが漏れることがない。
【0083】
第9に、
図17(K)に示すように、吸引ダクト220を縦穴開口44から縦穴42内の底部に設置し、縦穴42内の底部の空気を吸引して排気するようにする。
【0084】
第10に、
図16(L)に示すように、冷凍媒体送給管108を縦穴開口44から縦穴42内の冷凍媒体保留室122へ挿入する。そして、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422が近づくように力を付与した状態で、冷凍媒体送給管108の下端部開口から冷凍媒体保留室122に冷凍媒体FMを、第1フランジ24と同等の位置まで供給する。冷凍媒体FMは、冷凍媒体保留室122に保留される。これにより、接続支管14内の水は凍結され、所定時間後には氷塊IBが水栓となり、給水管10側へ流出しなくなる。この氷塊水栓状態は、時間管理、または給水管10内の圧力を計測することにより確認することができる。また、でん粉のりが冷凍媒体FMによって凍結され、第1分割冷凍媒体保留容器1021と第2分割冷凍媒体保留容器1022の端面が固着状態になると共に、接続支管14と第1凹部1261、第2凹部1262との間も固着状態になるので、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422を用いずとも、第2分割冷凍媒体保留容器1022が接続支管14の上端部において固定状態を呈する。なお、冷凍媒体FMの蒸発によって発生する霧は、吸引ダクト220からの吸引によって縦穴42から排気され、視認しながら作業をすることができる。
【0085】
第11に、
図17(M)に示すように、支軸ボルト206を引き抜いて、第1操作レバー1421と第2操作レバー1422が個別に操作可能にした後、第1操作レバー1421を操作して、第1容器保持装置保持装置1461を第1容器保持装置1441に対して下方向にずらして第1容器保持装置保持装置係止部1621と第1容器保持装置係止部1481との係合を解除した後、第1容器治具1041を横方向へずらした後、縦穴開口44から引き上げる。同様に、第2容器治具1042を縦穴開口44から引き上げる。
【0086】
第12に、
図18(N)に示すように、冷凍媒体送給管108から冷凍媒体保留室122に冷凍媒体FMを供給し、第2フランジ26と同レベルまで供給する。これにより、氷塊IBは短管18内の冷凍媒体FMは、冷凍媒体保留室122に保留される。これにより、接続支管14内の氷塊IBが成長して給水管10(短管18)内も凍結され、所定時間後には給水管10においても氷塊IBが水栓となり、給水管10側から流出しなくなる。この氷塊IBの状態は、時間管理、または給水管10内の圧力を計測することにより確認することができる。この後、冷凍媒体送給管108を引き上げ、縦穴42から撤去する。なお、この第12は、給水管10からの流水が許容される場合、不要である。しかし、給水管10からの流水によって縦穴42内が滞留しないので、その後の作業に影響がない利点がある。
【0087】
第12に、
図18(O)に示すように、容器切断治具222を操作して容器切断装置218を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入し、分割冷凍媒体保留容器102の側壁を上端から所定の深さ位置で切断する。換言すれば、分割冷凍媒体保留容器102の容器側壁102Sを、容器底壁102bから所定の高さに切除する。本実施例1において容器切断装置218は電熱ヒーター224であるので、当該電熱ヒーター224によって、発泡スチロールによって構成された分割冷凍媒体保留容器102の容器側壁102Sを溶融させて切除する。容器底壁102bから所定の高さとは、締結装置切断治具114を取り付けるに支障がない高さである。具体的には、第1ストッパ1381および第2ストッパ1382よりもやや下方において、分割冷凍媒体保留容器102の容器側壁102Sの上部を切除する。
【0088】
第13に、
図18(P)に示すように、第1締結装置切断治具用治具2781と第2締結装置切断治具用治具2782を用いて、締結装置切断治具114を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入する。そして、第31切断治具目印片29231、第32切断治具目印片29232の下面を第2フランジ26の上面に接触させた状態で、第1締結装置切断治具用治具2781及び第2締結装置切断治具用治具2782を操作して第1保持枠2321と第2保持枠2322の先端が閉じる方向に支持軸238を支点に回動させる。この過程において、第2締結装置切断治具用治具2782が第2フランジ26の上側に、第2位置決め板2962が第2フランジ26の下側に位置した状態で第2フランジ26を挟み込む。同様に、第1締結装置切断治具用治具2781が第2フランジ26の上側に、第1位置決め板2961が第2フランジ26の下側に位置した状態で第2フランジ26を挟み込む。そして、第41切断治具目印片29241および第42切断治具目印片29242が第2フランジ26の上面に接し、第1締付突起2421と第2締付突起2422が所定距離に近づけられる。
この状態で、第1締結装置切断治具用治具2781の第1フック3041を第11係止孔2821、第12係止孔2831及び第2締結装置切断治具用治具2782を第21係止孔2822、第22係止孔2832から抜き出し、縦穴42から取り出す。この状態において、第1支持部2341と第2支持部2342との位置が離れている場合、第1締結装置切断治具用治具2781または第2締結装置切断治具用治具2782を用いて、第1支持部2341と第2支持部2342を操作して、それらが近づくように打撃等を行う事が出来る。
次いで、第1締結装置切断治具用治具2781または第2締結装置切断治具用治具2782を用いて締付ボルト256を支軸254を中心に回動させ、受容溝248内に締付ボルト256を挿入する。
次に、インパクト治具266を操作してインパクトレンチ264を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入した後、インパクトレンチ264のソケット268を締付ナット262に嵌合させる。次いで、インパクトレンチ264を駆動して締付ナット262を締め付け、結果、第1保持枠2321および第2保持枠2322を第2フランジ26に固定する。これによって、締結装置切断治具114が給水管10(第2フランジ26)に固定される。
【0089】
第14に、
図19(q)に示すように、切断装置治具322を操作して締結装置切断装置116を縦穴開口44から縦穴42内へ挿入した後、第1切断治具係止部2361の第11小径円柱部28611に、切断係止部306の嵌合孔314を嵌合する。
次に、切断モーター326を起動させ、フレキシブルシャフト324、回転軸316を介して回転刃312を所定の方向に回転させる。
次に、切断装置治具322を操作して腕部308を第11小径円柱部28611の周りに回転させ、回転刃312を締結装置36たる第1締付ボルト2561の周面に押し付けて切断する。
次に、切断装置治具322を操作して第12小径円柱部28612に嵌合孔314を嵌合した後、回転刃312を第2締付ボルト2562の周面に押し付けて切断する。
次に、切断装置治具322を操作して第21小径円柱部28621に嵌合孔314を嵌合した後、回転刃312を第3締付ボルト2563の周面に押し付けて切断する。
次に、切断装置治具322を操作して第22小径円柱部28622に嵌合孔314を嵌合した後、回転刃312を第3締付ボルト2563の周面に押し付けて切断する。これによって、給水管10は接続支管14から分離される。なお、締付ボルト256の切断は、任意の順番に行う事ができる。
次に、切断装置治具322を引き上げて縦穴42から縦穴開口44を経由して、締結装置切断装置116を引き出す。なお、通常はパッキン28部分の締付ボルト256を切断するが、設置条件等の関係でパッキン28部分で切断出来ないことがある。その場合、回転刃312の位置を締付ボルト256の頭部、または締付ナット262部分を切断することができる。この回転刃312の位置調整は、切断治具係止部236の位置を変更することによって行うこともできる。
【0090】
次に、給水管10を上方へ引き上げることにより、縦穴42から縦穴開口44を経由して除去することが出来る。
ステップST15に続くステップST26において、縦穴開口44から縦穴42に挿入した新しい給水管10を、接続支管14に対し設置する。次いで、締結装置治具334に装着した締結装置36によって新しい給水管10と接続支管14を締結する。