(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042635
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】加温可能な飲料充填ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 85/72 20060101AFI20230320BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
B65D85/72 200
B65D81/34 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149859
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】591014972
【氏名又は名称】株式会社 伊藤園
(72)【発明者】
【氏名】笹目 正巳
【テーマコード(参考)】
3E013
3E035
【Fターム(参考)】
3E013BB02
3E013BB08
3E013BC04
3E013BD15
3E013BD16
3E013BE01
3E035AA03
3E035BA04
3E035BC02
3E035BD04
3E035BD06
3E035CA01
(57)【要約】
【課題】 容器詰飲料を加温するにあたって、加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等が生じることのない加温可能な飲料充填ボトルや、該ボトルに内容液を充填した飲料を提供する。
【解決手段】 飲料を充填する容器本体と蓋体とを備えた温可能な飲料充填ボトルであって、前記蓋体が開口機構部を備えた、加温可能な飲料充填ボトルや、開口機構部を備えた、飲料を充填するボトル容器本体に嵌合する蓋体や、飲料を充填するボトル容器本体と蓋体とを備えた加温可能な飲料充填ボトルにおける調圧方法であって、前記蓋体が開口機構部を備えており、前記開口機構部が調圧弁として機能する、調圧方法により、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を充填する容器本体と蓋体とを備えた加温可能な飲料充填ボトルであって、
前記蓋体が開口機構部を備えた、加温可能な飲料充填ボトル。
【請求項2】
前記開口機構部が、調圧弁として機能する、請求項1に記載の加温可能な飲料充填ボトル。
【請求項3】
前記蓋体が、少なくとも2種以上の異なる材料を用いるものであって、
前記開口機構部に用いる材料の種類が、該開口機構部以外の蓋体に用いる材料の種類と異なるものである、請求項1又は2に記載の加温可能な飲料充填ボトル。
【請求項4】
前記加温が電子レンジによるものである、請求項1~3のいずれかに記載の加温可能な飲料充填ボトル。
【請求項5】
プラチックフィルムを、ボトル容器本体の外周に被覆してなる構成を備え、当該ラベルには、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量を目視できる帯状の窓部が縦方向に設けられていると共に、当該窓部に沿った位置に、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量に応じた電子レンジの出力及び加熱時間が表示されてなる構成を備えた、請求項1~4のいずれかに記載の電子レンジ加温可能な飲料充填ボトル。
【請求項6】
上記1~5のいずれかに記載の加温可能な飲料充填ボトルに内容液を充填した容器詰飲料。
【請求項7】
内容液が、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、ジャスミン茶、麦茶、コーヒー、ココアからなる群から選ばれる、請求項6に記載の容器詰飲料。
【請求項8】
開口機構部を備えた、飲料を充填する容器本体に嵌合する蓋体。
【請求項9】
前記開口機構部が、調圧弁として機能する、請求項8記載の蓋体。
【請求項10】
少なくとも2種以上の異なる材料を用いるものであって、
前記開口機構部に用いる材料の種類が、該開口機構部以外の蓋体に用いる材料の種類と異なるものである、請求項8又は9に記載の蓋体。
【請求項11】
飲料を充填する容器本体と蓋体とを備えた加温可能な飲料充填ボトルにおける調圧方法であって、
前記蓋体が開口機構部を備えており、前記開口機構部が調圧弁として機能する、調圧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加温可能な飲料充填ボトル、とりわけ蓋体が開口機構部を備えた飲料充填ボトル、これらボトルに内容液を充填した容器詰飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の食の多様化に伴い、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において、多種の弁当や惣菜が販売されており、これらの商品の購入者は合わせて容器詰飲料を購入する場合も多い。
ところで、弁当や惣菜といった商品は、温かい状態で食べることができるように、店内に設置してある電子レンジを用いて、店員又は購入者が店内で加温するのが一般的である。しかし、容器詰飲料に関しては、店内において電子レンジで加熱することは行われておらず、店内において常温状態、冷蔵状態又は加温状態で保管・陳列された容器詰飲料を購入してそのまま持ち帰るのが一般的である。
【0003】
最近、コンビニエンスストアなどでは、容器詰緑茶飲料や容器詰コーヒー飲料などの容器詰飲料を、ホットプレート方式のホットウォーマーを使用して、店舗内で加温された状態で保管・陳列して販売されることが多くなっている。
しかしながら、55℃以上の高温状態で長期間保管されると、たとえ緑茶飲料であっても、飲料成分の劣化は避けられないため、成分変化による機能性の低下や香味の低下が生じることになる問題を抱えていた。そこで販売店側としては、55℃以上に維持される加温期間が一定以上に長くならないように管理することが一般的であった。しかし、管理する手間及びコストは店側にとって大きな負担であった。
【0004】
以上の点を考えると、容器詰飲料に関しても、店内に設置された電子レンジを用いて、店員又は購入者が加温することができれば、購入者としては、季節に関係なく、好みの温度に加温して飲むことができるし、他方、店側としても、店内において、ホットウォーマーを使用して、店舗内で加温された状態で保管・陳列する必要がなくなり、加温劣化の問題がなくなるばかりか、商品管理をより効率よく行うことができる。
【0005】
このような状況に鑑み、例えば、特許文献1は、飲料を充填する透明なプラスチック製ボトル容器本体と蓋体とを備えた電子レンジ加温用飲料充填ボトルであって、ボトル容器本体の外周にプラチックフィルム(ラベル)を被覆してなる構成を備え、当該ラベルには、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量を目視できる帯状の窓部を縦方向に設けると共に、当該窓部に沿った位置に間隔をおいて、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量に応じた電子レンジの出力及び加熱時間を表示してなる構成を備えた、電子レンジ加温用飲料充填ボトルを開示している。
【0006】
また、特許文献2は、電子レンジで加温することができる電子レンジ加温用容器詰飲料であって、容器詰飲料の飲料容器は、蓋体と容器本体とを有し、当該容器本体は、円筒ボトル状を呈し、円筒胴部の容器内胴部平均直径bが60mm~75mmであり、当該容器内胴部平均直径bに対する容器本体の容器内における縦寸法aの比率(a/b)が2.0~3.2であり、容器本体の底部には、上方胴部内に向かって凹んだ凹部を備え、容器本体内における底部最下部から前記凹部の最上部までの高さ(「凹部深さ」とも称する)wが8mm~20mmであり、容器詰飲料の飲料は、粘性が1.5mPa・s~2.5mPa・sである液体であることを特徴とする電子レンジ加温用容器詰飲料を開示している。
【0007】
さらに、特許文献3は、蓋つきの耐熱性容器に内容液を収容した商品を、加温しない状態で、店舗に保管又は陳列する第1ステップと、前記商品の購入を希望するお客様の支払いに対応する第2ステップと、前記蓋を開栓する第3ステップと、前記お客様が購入した前記商品を、前記耐熱性容器に前記内容液が収容された状態で、加温機で1℃/秒/100mL以上で加温する第4ステップと、加温後に前記商品を前記加温機から取り出す第5ステップと、を含む加温販売容器詰飲料(但し、乳分50重量%以上の高乳分含有乳飲料を除く)の提供システムであって、前記商品が、前記耐熱性容器に付された加温時の注意書きを記したラベルと、突沸しない程度の粘性を有する前記内容液とを備え、前記内用液が、粒径50μm以下の粒子を50体積%以上含み、前記粒子のD50粒子径が、0.1~40μmであり、前記加温販売容器詰飲料が、茶飲料、穀物茶飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、果汁飲料、野菜飲料及びスープ系飲料から選択されることを特徴とする、加温可能な容器詰飲料の提供システムを開示している。
【0008】
しかし、特許文献1~3に記載の発明は、いずれも容器詰飲料を電子レンジで加温する際に蓋体を容器本体から取り外すことを前提にするものであった。蓋体を容器本体から取り外すことなく、容器詰飲料を電子レンジで加温することについての記載や示唆は、これまでになかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3208002号公報
【特許文献2】特開2019-010047号公報
【特許文献3】特許第6866521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、加温可能な容器詰飲料、とりわけ電子レンジ加温可能な容器詰め飲料を加温するにあたって、加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等が生じることのない加温可能な飲料充填ボトルや、該ボトルに内容液を充填した飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究した結果、加温可能な容器詰飲料の蓋体上部に開口機構部(調圧弁)を設けることにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、以下の態様を包含する。
1. 飲料を充填する容器本体と蓋体とを備えた加温可能な飲料充填ボトルであって、
前記蓋体が開口機構部を備えた、加温可能な飲料充填ボトル。
2. 前記開口機構部が、調圧弁として機能する、上記1に記載の加温可能な飲料充填ボトル。
3. 前記蓋体が、少なくとも2種以上の異なる材料を用いるものであって、
前記開口機構部に用いる材料の種類が、該開口機構部以外の蓋体に用いる材料の種類と異なるものである、上記1又は2に記載の加温可能な飲料充填ボトル。
4. 前記加温が電子レンジによるものである、上記1~3のいずれかに記載の加温可能な飲料充填ボトル。
5. プラチックフィルムを、ボトル容器本体の外周に被覆してなる構成を備え、当該ラベルには、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量を目視できる帯状の窓部が縦方向に設けられていると共に、当該窓部に沿った位置に、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量に応じた電子レンジの出力及び加熱時間が表示されてなる構成を備えた、上記1~4のいずれかに記載の電子レンジ加温可能な飲料充填ボトル。
6. 上記1~5のいずれかに記載の加温可能な飲料充填ボトルに内容液を充填した容器詰飲料。
7. 内容液が、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、ジャスミン茶、麦茶、コーヒー、ココアからなる群から選ばれる、上記6に記載の容器詰飲料。
8. 開口機構部を備えた、飲料を充填する容器本体に嵌合する蓋体。
9. 前記開口機構部が、調圧弁として機能する、上記8記載の蓋体。
10. 少なくとも2種以上の異なる材料を用いるものであって、
前記開口機構部に用いる材料の種類が、該開口機構部以外の蓋体に用いる材料の種類と異なるものである、上記8又は9に記載の蓋体。
11.飲料を充填する容器本体と蓋体とを備えた加温可能な飲料充填ボトルにおける調圧方法であって、
前記蓋体が開口機構部を備えており、前記開口機構部が調圧弁として機能する、調圧方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、加温可能な容器詰飲料を加温するにあたって、加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等が生じることのない加温可能な飲料充填ボトルや、該ボトルに内容液を充填した飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[飲料充填ボトル、容器本体、蓋体]
本発明において、飲料充填ボトルとは、容器本体と蓋体とを少なくとも備えたものである。
本発明において、容器本体とは、内容物を収容する機能を有するものであって、使用時には該内容物を取り出すことができるものをいう。かかる内容物の相は、液体、固体、気体など特に限定されるものではないが、容器本体が飲料充填ボトルを構成する場合には飲料用として使用可能である必要があるため、液体、ペースト、固体、粉末、あるいはこれを2又はそれ以上混合したものが好適である。また、かかる内容物を容器本体から取り出すための取出口は、例えば缶詰のように缶切り(オープナー)を用いて設けることもできるため、ボトルに設けられる必要は必ずしもない。しかし、使用時の簡便性や利便性を考慮すると、取出口(飲用の場合は飲み口部に相当)を備えるのが好ましい。
また、蓋体は、前記容器本体、とりわけ取出口(飲み口部)と嵌合することにより、内容物を容器本体に収容するためのものであり、容器本体と蓋部とにより密閉状態が生じる。したがって、容器本体と蓋部が嵌合したボトルは、その内部に異物、雑菌あるいは水分が混入することを防ぐことにより、内容物の品質を保持する機能などを有する。また、搬送時等においては、容器本体と蓋部が嵌合したボトルから当該内容物が外部に漏れ出ないようにする機能を併せて有する。
【0015】
本発明における飲料充填ボトル、またはこれを構成する容器本体と蓋体は、上述の作用効果を奏するように構成される限りにおいてその態様は特に限定されるものではない。例えば、飲料充填ボトル、またはこれを構成する容器本体と蓋体の素材、形状、サイズ、色などは、上述の機能が奏される限りにおいて適宜選択することができる。
【0016】
なお、上述のとおり、本発明の課題は、加温可能な容器詰飲料を加温するにあたって、加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等が生じることがない加温可能な飲料充填ボトルや、該ボトルに内容液を充填した容器詰飲料を提供することであるが、飲料を充填するプラスチック製ボトル容器本体としての態様が想定される。なお、本発明におけるプラスチック製ボトル容器本体とは、容器本体であってその一部又は全部がプラスチック製であるものをいい、飲料を充填するプラスチック製ボトル容器本体とは、液体などの飲料を収容するプラスチック製ボトル容器本体をいう。
【0017】
ボトル容器本体は、透明なプラスチック製であるのが好ましい。但し、透明とは、半透明、色付き透明を含み、ボトル容器本体を通して内容物の量が確認できる程度に透して視認することができればよい。ボトル容器本体の材料は、電子レンジで加温した際に変形してもよいが、溶融することがない樹脂材料であるのが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート(「PET」と称する)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができる。かかる耐熱性を有するボトル容器本体は、加温を開始して徐々に熱収縮を始めるため、例えば、ボトル容器本体は65℃又はそれ以上の、さらに好ましくは85℃又はそれ以上の加熱温度に対する耐性を有するのがこのましい。
また、耐熱性の観点から、例えばボトル容器本体の少なくとも開口部乃至ネック部が、結晶化PETから形成されているのが好ましい。なお、ボトル容器本体の一部が異なる材料からなるものであってもよい。
【0018】
ボトル容器本体の胴部の肉厚は、電子レンジで加温した際に変形し難い一方、費用的な面などからできるだけ薄い方が好ましいから、180μm~350μmであるのが好ましく、中でも185μm以上或いは330μm以下、その中でも190μm以上或いは320μm以下であるのがさらに好ましい。より具体的には、ボトル容器本体の胴部は、180μm~350μmのPETからなるのが好ましく、中でも185μm以上或いは330μm以下のPET、その中でも190μm以上或いは320μm以下のPETからなるのがさらに好ましく、さらにその中でも200μm以上或いは300μm以下であるのが特に好ましい。
【0019】
ボトル容器本体の容量(ml)に対する重量(mg)の割合は、強度等の観点から以上であるのが好ましく、60.0mg/ml以下であるのが好ましい。かかる観点から、ボトル容器本体の容量(ml)に対する重量(mg)の割合は、30.0~60.0mg/mlであるのがさらに好ましく、中でも30.0mg/ml以上或いは50.0mg/ml以下、その中でも35.0mg/ml以上であるのが特に好ましい。
ボトル容器本体の形状は、底面付き円筒形状を呈する胴部の上端部が窄まってネック部及び開口部を有する形状であればよい。適宜リブなどを設けることは任意である。
【0020】
ボトル容器本体は、単位高さ当たりの飲料充填容量が2.00~4.00(mL/mm)であるのが好ましい。単位高さ当たりの飲料充填容量が2.00(mL/mm)以上であれば、容器の径が十分に大きいため、電子レンジで加温した際に飲料に熱が均一に掛り、突沸し難くすることができる。他方、単位高さ当たりの飲料充填容量が4.00(mL/mm)以下であれば、流通が困難になることもない。かかる観点から、ボトル容器本体は、単位高さ当たりの飲料充填容量が2.20~3.80(mL/mm)であるのがさらに好ましく、中でも2.50(mL/mm)以上或いは3.20(mL/mm)以下、その中でも2.80(mL/mm)以上或いは3.20(mL/mm)以下であるのがさらに好ましく、さらにその中でも2.90(mL/mm)以上であるのが特に好ましい。
【0021】
上記と同様の観点から、ボトル容器本体の高さ寸法に対する幅寸法の割合は0.3~0.6であるのが好ましく、中でも0.30以上或いは0.5以下、その中でも0.40以上或いは0.45以下であるのがさらに好ましい。
【0022】
ボトル容器本体の高さは、120mm~200mmであるのが好ましい。120mm以上であれば、飲料の充填容量が少な過ぎるということはない。他方、200mm以下であれば、家庭の電子レンジに入れ易いから好適に加温することができる。かかる観点から、ボトル容器本体の高さは130mm~200mmであるのがさらに好ましく、中でも150mm以上或いは190mm以下、その中でも160mm以上或いは180mm以下であるのがさらに好ましく、さらにその中でも165mm以上或いは175mm以下であるのが特に好ましい。
【0023】
[加温]
本発明における加温は、加温手段により内容物の温度を上昇させることである。加温手段は特に限定されないが、加温手段として広く用いられている電子レンジが本発明において想定される主たる加温手段である。電子レンジとは、電磁波(電波)により、水分を含んだ食品や飲料などを発熱させる調理機器をいう。また、電子レンジ加温とは、電子レンジ庫内にて調理物などの対象物を電磁波(電波)により加温することをいう。調理物としては、例えば食品や飲料であることが多いが、本発明は、家庭や店舗で作られた飲料をボトル詰めしたものを対象とするのではなく、一定程度の長期間保存しても喫食における内容物(飲料)の安全性確保のために加熱殺菌処理などが法的に必要とされ、工業的に大量生産される容器詰飲料を対象とする。容器詰飲料は、密閉容器を開栓してそのまま飲用することができる飲料、いわゆるRTD(Ready to Drink)形態の飲料である。
【0024】
内容物が液状(内容液)である場合、加熱された液が内容液中で上部に移動(上昇)し、その代わりに既に上部にあった液が内容液中でした部に移動(下降)する。熱されて膨張した物質(液)が軽くなり、熱されていない物質(液)が相対的に重くなるためである。この一連の挙動を対流というが、熱を有する液が上昇にあたって内容液中で生じる熱が上昇することにより生じる熱又はその移動する挙動を対流熱という。
【0025】
本発明における加温において、容器本体に収納される内容物が該容器本体に占める体積の比率により、内容物において温度変化を受ける部位や温度変化の仕方に違いが生じ得る。より具体的には、容器本体に占める内容物(液状の場合には内容液)が多い場合、対流熱は内容物の上層部に集まるため、容器本体において熱が集まる部位も必然的に高い位置(上層部)となる。それに対して、容器本体に占める内容物(液状の場合には内容液)が少ない場合、対流熱は内容物の中層部又は下層部に集まるため、容器本体において熱が集まる部位も必然的に低い位置(低位置)又は中程度の位置(中位置)となる。
【0026】
したがって、本発明において、容器本体に収納される内容物が該容器本体に占める体積の比率は、蓋部の開口機構部が調圧弁として機能するためのトリガー要素のひとつとして機能し得る。このため、容器本体に収納される内容物(C)が該容器本体に占める体積(B)の比率(C/B)は、開栓時に噴きこぼれない限りにおいてできるだけ高いのが好ましい。例えば、C/Bは、0.5~1.0であるのが好ましく、0.6~1.0であるのがより好ましく、0.6~0.98であるのがさらに好ましく、0.7~0.95であるのが最も好ましい。また、後述するが、内容液を容器本体に収納した場合、容器本体に占める内容液が占める空間以外の空間(隙間)をヘッドスペースともいう。
【0027】
[開口機構部]
本発明において、開口機構部とは、加温可能な飲料充填ボトルの蓋体に設けられた機構であって、該機構は、加温手段により容器内部の空気が膨張した場合、ボトル破損等を回避するために空気を外部に排出することで内圧を低下させる機能を有しており、それ以外の場合、容器本体に収容した内容物が外部に漏れ出ないようにしたり、外部から内容物に異物など(雑菌なども含む)が混入しないよう密閉する機能も併せて有しており、加温可能な飲料充填ボトルの調圧弁として機能する。すなわち、本発明における加温可能な飲料充填ボトルの蓋体に設けられた開口機構部は、加温時にのみ調圧弁として機能するものである。
【0028】
本発明における開口機構部の具体的態様は、上記機能の両方を兼ね備える限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、飲料充填ボトルの蓋体が、急激な加熱により容器本体内に過度の圧力がかかった場合にこれを適圧に減圧すべく、蓋体が熱可塑性を有する素材を用いたものであり、平常時は閉鎖しているものの急激な加熱により容器本体との嵌合部に隙間を生じさせる開口機構部が設けられており、この開口機構部の隙間から容器本体内の空気を外部に排出して減圧する方法がある。また、蓋部に1又は2以上の開口機構部を設けておき、平常時は閉鎖しているものの急激な加熱により当該開口機構部が開口して減圧する方法もある。より具体的には、例えば、蓋部において開口機構部として機能させたい部位についてのみ熱可塑性を有する素材を採用してその機能を付与する方法や、蓋部において開口機構部として機能させたい部位をあらかじめ開口しておき、当該開口部に熱可塑性樹脂などからなるシール箔を設けることにより、急激な加温時にシール箔が溶解して開口部が表出するような開口機構であってもよい。なお、開口部の形状やサイズは、例えば丸形の穴を挙げることができるが、容器本体内を減圧できれば特に限定されるものではない。また、本発明における開口機構部は、電子レンジ加温時にのみ調圧弁として機能するものであれば、上記以外の機構を採用することができ、複数の機構を併用して採用することもできる。
なお、本発明における開口機構部は、平常時には密封性を有しているものの、電子レンジ加温による急激な加熱により調圧弁として機能するものである。先行技術においては、ストロー挿入・突き刺しなど物理的刺激により開口する蓋部の知見も散見されるが、上述のとおり、これら先行技術は、解決すべき課題を含めて、本願発明とは本質的に異なるものである。
【0029】
[プラチックフィルム]
本発明における加温可能な飲料充填ボトルは、該ボトルの胴部外周を被覆するプラチックフィルム(ラベル)を備えていても良い。かかるプラチックフィルム(ラベル)は、一部又は全部が着色されており、通常は、商品名、内容量、原材料、保存方法、販売者などの表示を備えている。
【0030】
また、プラチックフィルム(ラベル)は、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量を目視できる帯状の窓部が縦方向に設けられているのが好ましい。この窓部は、無色透明、或いは、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量を目視できる程度に着色された透明であってもよい。また、この窓部は、容器底部から縦方向すなわち垂直方向に長く設けられていてもよいし、また、容器底部よりも上方位置から縦方向に長く設けられていてもよい。また、この窓部は、一連に繋がった帯状であってもよいし、中間部分で分断された帯状であってもよい。
【0031】
上記ラベルには、上記窓部に沿った位置に間隔をおいて、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量に応じた電子レンジの出力及び加熱時間の表示を備えているのが好ましい。ボトル容器本体内に存在する飲料の容量に応じた電子レンジの出力及び加熱時間の表示の具体例としては、例えば、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量200mLに応じた位置の横に、言い換えれば窓部の容器底部からの所定高さ置いた位置の横に、例えば(600W、30秒)(500W、40秒)と表示し、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量300mLに応じた位置の横、言い換えれば窓部5の容器底部2dからの所定高さ置いた位置の横に、例えば(600W、40秒)(500W、50秒)と表示し、且つ、ボトル容器本体内に存在する飲料の容量400mLに応じた位置の横に、言い換えれば窓部5の容器底部からの所定高さ置いた位置の横に、例えば(600W、50秒)(500W、60秒)と表示する例を挙げることができる。但し、かかる例に限定するものではない。
【0032】
本発明における加温可能な飲料充填ボトルは、蓋体を外すことなく加温手段にて加温できる点に特徴があるが、より一層の安全性を高めるべく、上記ラベルにおいて、加温する際に蓋体を外すことを要求する表示を備えてもよい。かかる表示の記載例としては、例えば「必ずキャップを外してから電子レンジで加温してください。」を挙げることができる。但し、かかる例に限定するものではない。
【0033】
また、上記ラベルは、その他の記載を備えていてもよい。例えば、電子レンジで加温する際の注意を示してもよい。具体的には、例えば「内容液の量と温度により加温時間が異なります。」「過剰に加温すると内容液が噴き出し、ヤケドや容器が変形する場合がございます。」「「おまかせ機能」など、オート(自動)による加温はしないでください。」「電子レンジでの加温は1回限りにしてください。容器が変形する場合がございます。」「加温は一度に1本にしてください。」「残量200mL未満での加温は推奨しません。」「別の液体を詰め替えて加温しないでください。」「お子様ひとりでのレンジ加温はお止めください。」などの表示を例示することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0034】
[飲料]
本発明における飲料(内容液)は、飲料充填ボトル容器本体に充填する内容液をいい、容器詰飲料は、上述のとおり、密閉容器を開栓してそのまま飲用することができる飲料、いわゆるRTD(Ready to Drink)形態の飲料をいう。本発明における飲料の種類等は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではない。しかし、容器の耐圧性を鑑みると、容器内圧が大きくなり難い非炭酸飲料であることが好ましい。また、非炭酸飲料としては、例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、ジャスミン茶などの茶飲料、麦茶などの穀物茶飲料、野菜飲料、野菜果汁混合飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、機能性飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料などを挙げることができる。
【0035】
なお、本発明は、先行技術文献に記載されるように加熱前に開栓するものではないが、蓋体の開口機構部が調圧弁として機能することから、飲料(内容液)の粘性は特に限定されるものではない。例えば、高い粘性を有する飲料(内容液)であっても、加温時における突沸は、蓋体の開口機構部が調圧弁として機能するため阻止される。
【0036】
しかしながら、本発明は、従来のとおり突沸を抑制する観点を特に重視して、例えば、飲料(内容液)の粘性を1.5mPa・s~2.5mPa・sに、中でも1.5mPa・s以上或いは2.3mPa・s以下に、その中でも1.5mPa・s以上或いは2.0mPa・s以下に調整することを排除するものではない。
【0037】
中でも、容器詰飲料の飲料は、上述のとおり特に限定されるものではない。しかし、茶系飲料、特に緑茶飲料とした場合には、以下の要素を参酌することができる。
緑茶飲料を、5℃程度の冷温状態として止渇目的で飲用する場合、メリハリのある香味が必要となる。他方、食中での飲用や嗜好的飲用である所謂“ちびだら飲み”の場合、渋味のある香味が必要となる。かかる観点から、苦渋味要因の指標として、カテキン類、エステル型カテキンの調整や、飲用時の飲み応えの指標として茶由来の固形分濃度の調整を行うのが好ましい。
このような観点から、本容器詰飲料の飲料としての緑茶飲料は、カテキン類を20~90(mg/100g)の濃度で含有するのが好ましく、中でも30mg/100g以上或いは85mg/100g以下、その中でも40mg/100g以上或いは80mg/100g以下であるのがさらに好ましい。
なお、「カテキン類」とは、カテキン(C)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、エピガロカテキン(EGC)、カテキンガレート(Cg)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)の8種のカテキンを意味し、カテキン類の濃度とはこれらの合計含有量を示している。
【0038】
また、緑茶飲料を40~60℃程度の温度で飲用する場合、冷温状態で飲用する場合と比較すると、苦渋味が感じづらくなる傾向があるため、より苦渋味が必要になる。よって、カテキン類の中でも、苦味が強く、且つ含有量の多いエピガロカテキンガレートと、加熱されることでエピガロカテキンガレートから変化するガロカテキンガレートとを指標として、本容器詰飲料の飲料として次の緑茶飲料が特に好ましいと言える。
すなわち、上記カテキン類の含有量に対するエピガロカテキンガレート及びガロカテキンガレートの合計含有量の割合が0.29~0.70である緑茶飲料であるのが好ましく、中でも0.36以上或いは0.60以下、その中でも0.40以上或いは0.50以下であるのがさらに好ましい。
【0039】
また、緑茶飲料を40~60℃程度の温度で飲用する場合、冷温状態で飲用する場合と比較すると、飲み応えが求められる。かかる観点から、上記緑茶飲料は、茶由来の可溶性固形分濃度が150~500mg/100gであるのが好ましく、中でも200mg/1
00g以上或いは450mg/100g以下、その中でも250mg/100g以上或いは400mg/100g以下であるのがさらに好ましい。
なお、「茶由来の可溶性固形分」とは、直接茶葉を抽出したものから得られる可溶性固形分や、茶葉を抽出した後、常法に従って濃縮した茶エキスや常法に従って乾燥させた乾燥粉末茶から得られる可溶性固形分、また茶葉を抽出した後に特定の成分のみを選択して回収した茶エキスや乾燥粉末茶から得られる可溶性固形分のことを示す。
【0040】
また、緑茶飲料におけるペクチン濃度が高くなると苦渋味が感じづらくなり、特に温飲用時に物足りなくなる傾向があるため、かかる観点から、上記緑茶飲料は、ペクチン濃度が0.001~0.010wt%である緑茶飲料であるのが好ましく、中でも0.001wt%以上或いは0.008wt%以下、その中でも0.002wt%以上或いは0.006wt%以下であるのがさらに好ましい。
【0041】
また、上記緑茶飲料はシュウ酸濃度が1.0~10.0mg/100gである緑茶飲料が好ましく、中でも2.0mg/100g以上或いは8.0mg/100g以下、その中でも3.0mg/100g以上或いは7.0mg/100g以下であるのがさらに好ましい。
緑茶飲料を40~60℃程度の温度で飲用する場合、シュウ酸濃度が1.0mg/100g以上であれば、味のしまりを確保することができて好ましい一方、10mg/100g以下であれば、エグ味を抑えることができて好ましい。
【0042】
[飲料の充填方法]
飲料の殺菌及び容器充填の方法としては、食品衛生法に定められた殺菌条件の下で、従来から行われている通常の方法を採用すればよい。例えばプラスチックボトル飲料(PETボトル飲料)であれば、高温で内容液を殺菌し、そのままの温度で充填して冷却するホットパック充填、殺菌された容器に殺菌された内容液を無菌環境下で常温充填するアセブティック充填、その他の充填方法を採用することができる。
なお、蓋体を開放した場合に液面が下がるように、ホットパック充填方式を採用して、ヘッドスペースの内圧を、大気圧に対して負圧に調整するのが特に好ましい。
【0043】
[本販売方法]
本発明の実施形態の一例に係る電子レンジ加温用容器詰飲料の販売方法(以下、「本販売方法」とも称する。)は、上記本容器詰飲料を、店内において0~35℃を維持した状態で陳列する一方、店内には、当該電子レンジ加温用容器詰飲料を加温するための電子レンジを設置することを特徴とする販売方法である。
【0044】
[陳列]
本容器詰飲料を、店内において0~35℃を維持した状態で陳列すれば、電子レンジを使用して、購入者又は販売者が、購入者の好みの温度に加温することができる。店内において0~35℃を維持した状態で陳列する方法としては、冷蔵ケース内において、0~10℃を維持した状態で保管及び陳列する方法を挙げることができる。また、加温も冷却もしない常温の状態、すなわち10~35℃の状態で、商品棚などで保管及び陳列する方法、所謂常温陳列をも挙げることができる。
【0045】
[電子レンジでの加温]
前記電子レンジは、ターンテーブルを具備しないものが好ましい。本発明者が試験した結果、ターンテーブルを具備した電子レンジよりも、ターンテーブルを具備しない電子レンジで加温した方が、飲料をより均一に加温することができることが分かった。
また、電子レンジは、蓋体を外して開けた状態で加温することができるように、本容器飲料を立てた状態で加温することができるものが好ましい。
【0046】
前記電子レンジは、出力が500W以上であるものが好ましく、中でも1000~1900Wの出力であることが望ましい。なお、1000W以上の出力は、一般的な家電用品として販売されている電子レンジよりも高出力であり、販売店等で消費者が望む温度に150秒以内で加温することができ、販売効率上好ましい。また、電子レンジは、加温時間が5~150秒間であるものが好ましく、中でも、好みの温度に加温することができる観点から、20~60秒の間で自在に設定変更可能であるものが好ましい。
【0047】
前記電子レンジは、本容器詰飲料を、加温開始から150秒以内、特に60秒以内に5℃~99℃まで加温することができるものであるのが好ましい。
なお、5℃以上の低温域の設定を可能としたのは、氷温等で販売されているものを、少しだけ暖めるような場合や、チルド温度帯の販売商品を常温に暖める場合を含めたものである。
【0048】
なお、本容器詰飲料を加熱する目標温度は、一般的には40℃~99℃の温度範囲が好ましい。40℃を下回ると、飲用時に加温飲料としての温かさを十分に感じることができ
ず、99℃を上回ると、内溶液が液体の状態を保つのが困難になるからである。
かかる観点から、本容器詰飲料を加熱する目標温度は、45~75℃であるのが好ましく、中でも48℃以上或いは70℃以下、その中でも50℃以上或いは65℃以下、その中でも55℃以上或いは60℃以下であるのがさらに好ましい。
【0049】
前記電子レンジは、飲料の加熱目標温度と電子レンジの加熱時間との対応関係を示した表示部を備えているものが好ましい。
【0050】
[加温方法]
上記本容器詰飲料は、店内において、店員又は購入者が店内に設置された電子レンジを用いて、蓋体をしたまま、或いは、蓋体を外して開けた状態で、加温することができる。
この際、加温時間を調整することで、購入者の好みに応じた温度に加温することができる。なお、加温にあたっては、調圧部を上方に向けて静置するのが好ましい。
【0051】
[提供方法]
なお、本発明における加温可能な飲料充填ボトルに内容液を充填した容器詰飲料の提供方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の提供システムに倣って提供することができる。
・第1ステップ:蓋つきの耐熱性容器に内容液を収容した商品を、加温しない状態で、店舗に保管又は陳列するステップ。
・第2ステップ:保管又は陳列された商品を、支払カウンターへ運搬するステップ。
・第3ステップ:商品の購入を希望するお客様の支払いに対応するステップ。
・第4ステップ:購入された商品を支払カウンターから加温機へ運搬するステップ。
・第5ステップ:お客様が購入した商品を、耐熱性容器に内容液が収容された状態で、加温機で1℃/秒/100mL以上で加温するステップ。
・第6ステップ:加温後に商品を加温機から取り出すステップ。
【0052】
なお、本明細書において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本明細書において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
【実施例0053】
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
飲料を充填するプラスチック製ボトル容器本体と蓋体とを備えた電子レンジ加温可能な飲料充填ボトルにおける蓋体の素材として熱可塑性樹脂を選択して成型し、嵌合部を開口機構部として調圧弁として機能するような飲料充填ボトルを用意した。この開口機構部は、平常時は閉鎖しているものの、電子レンジ加温による急激に加熱をすると開口して容器本体を減圧させることができ、レンジ加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等も生じることなく電子レンジ加温が可能になった。
【0055】
(実施例2)
蓋部上面中心点を囲んで丸印を描くような領域に開口機構部を設けておき、該開口機構部についてのみ熱可塑性樹脂を使用した。この開口機構部は、平常時は閉鎖しているものの、電子レンジ加温による急激に加熱をすると開口して容器本体を減圧させることができ、レンジ加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等も生じることなく電子レンジ加温が可能になった。
【0056】
(実施例3)
蓋部上面中心点を囲んで丸印を描くような領域をあらかじめ開口しておき、当該開口部に熱可塑性樹脂製のシール箔を貼付した。この開口機構部は、平常時は閉鎖しているものの、電子レンジ加温による急激に加熱をすると開口して容器本体を減圧させることができ、レンジ加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等も生じることなく電子レンジ加温が可能になった。
【0057】
(考察)
飲料を充填するプラスチック製ボトル容器本体と蓋体とを備えた電子レンジ加温可能な飲料充填ボトルであって、前記蓋体が開口機構部を備えた、電子レンジ加温可能な飲料充填ボトルを用いれば、レンジ加温前に該容器から蓋部を取り外すことなく、容器破裂等が生じることのないレンジ加温可能な容器詰飲料が得られた。