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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042668
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230320BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230320BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20230320BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230320BHJP
   G01J 1/00 20060101ALI20230320BHJP
   F21W 131/40 20060101ALN20230320BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230320BHJP
   F21Y 107/50 20160101ALN20230320BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20230320BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230320BHJP
【FI】
G01M11/00 T
F21S2/00 441
F21V9/08 400
F21V23/00 140
F21S2/00 250
G01J1/00 B
F21W131:40
F21Y115:10
F21Y107:50
F21Y113:13
F21Y115:30
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149918
(22)【出願日】2021-09-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】593160529
【氏名又は名称】応用電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【弁理士】
【氏名又は名称】高宮 章
(72)【発明者】
【氏名】岡野 誠
(72)【発明者】
【氏名】森 勝久
【テーマコード(参考)】
2G065
2G086
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
2G065AA03
2G065AB28
2G065BB05
2G065BB24
2G065BC13
2G065BC21
2G065BC33
2G065DA05
2G086EE03
3K014AA01
3K244AA07
3K244BA06
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA13
3K244DA16
3K244EA02
3K244EA14
3K244FA08
3K244FA14
3K244GA02
3K244HA01
(57)【要約】
【課題】固体撮像素子のテスト等に利用される照明装置において、アクチュエータ等の駆動装置が不要で比較的簡単かつコンパクトな構造でありながら、広い照度ダイナミックレンジを実現しうる照明装置を提供する。
【解決手段】列状に配列された複数の光源121~125と、該複数の光源121~125の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列された減光手段16と、を備えた光源ユニット18を有する。さらに、導光板20等の均一化手段36を組み合わせることにより、均一な光を照射することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に配列された複数の光源と、
該複数の光源の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域が列状に配列された減光手段と、を備えた光源ユニットを有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
該減光手段の該減光領域の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群を含むことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
複数の光源ユニットが並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、
並列方向に配列される該光源ユニットの光源どうしが異なる発光色で設定された光源ユニット群を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置
【請求項4】
該光源ユニットからの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
該均一化光学系は、側端部から該光源ユニットからの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板を有することを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
該光源ユニットの減光手段の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
該光源ユニットの該光源の発光を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
該制御手段は、予め定められたテーブルを参照にして該光源の発光を調整することを特徴とする請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
該制御手段は、該光源ユニットの該光源に流す電流と該照明装置が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することを特徴とする請求項7記載の照明装置。
【請求項10】
該光源ユニットは、隣接する光源どうしの間に遮光部を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば固体撮像素子の光学テストに利用可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の半導体の集積回路で設けられる固体撮像素子(イメージセンサ)は、光を電気信号に変換する特性を利用して、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、携帯電話のカメラ、自動車の先進運転支援システム等の各種センサ、その他種々の産業機器等に広く活用されている。固体撮像素子は、ウエハ完成後や製品出荷前にその光電特性が正常か否かの光学テスト(光学特性評価)が必要である。近時では、固体撮像素子の光学テストでは、スループットが重要視され、多数個のイメージセンサを同時に光学テストすることが一般的となっている。多数個のイメージセンサの同時テストを実現するためには、イメージセンサが並設された広い範囲に、照度の均一性が高い光を照射することが求められている。
【0003】
固体撮像素子の光学テストを行うために、広い範囲に照度の均一性が高い光を照射しうる照明装置が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明装置では、光源と、光源からの光を照度分布の均一な光として生成する多数のレンズやフィルタを有した照明光学系と該照明光学系を通過した照明光を検査対象の固体撮像素子に対して投影する投影光学系とを含む光学系と、を有しており、検査対象の固体撮像素子の受光面に均一な照明光を照射するようになっている。従来、照明装置の光源としては、ハロゲンランプが多く利用されていた。しかしながら近年では、照明装置の光源に限らず様々な分野で、二酸化炭素の排出が少なく寿命が長い発光ダイオードや、レーザダイオード等の半導体発光素子の利用が拡大している。
【0004】
一方、面状に均一に光を照射する照明装置としては、導光板の端面部に同一の間隔で複数の発光ダイオードが配置され、該導光板の端面部から発光ダイオードの光を入射すると、導光板内で反射を繰り返しながら拡散し、発光面(導光板面)全体を均一に発光させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この導光板方式の照明装置は、薄型で軽量でありながら、照度のムラが少なく均一に面発光できることから、例えば、案内表示板や看板、画像処理により被検査物の外観検査等を行う検査システムなどに使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5181174号公報
【特許文献2】特開2010-112735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように様々な産業機器への需要が拡大している固体撮像素子は、広い分野への利用に伴って高性能化しており、例えば、1ルクス以下の低照度から数万ルクス以上の高照度までの極めて広い照度範囲において感知できるような広ダイナミックレンジ化が進んでいる。したがって、固体撮像素子の光学テストに用いられる照明装置においても広い照度範囲で照明するものが要求されている。
【0007】
従来の特許文献1、2のような照明装置で照度の調整を行う手段としては、発光ダイオード等の光源の電流制御による照度調整や、光路中に設置した固定式減光フィルタ(NDフィルタ)を段階的に切替えることによる照度調整、可変式減光フィルタを連続的に切替えることによる照度調整、可変絞りによる照度調整等が行われていた。また、例えば、段階的に透過率が設定された複数の減光フィルタをターレットに支持させてステッピングモータ等で回転駆動させて所定の透過率の減光フィルタを光路中に挿入する技術も利用されている。
【0008】
しかしながら発光ダイオード等の光源の電流制御による照度調整においては、半導体発光素子を構成する母体の結晶欠陥や不純物のばらつき等により、低電流駆動においては諸特性が不安定になる問題があった。さらに、発光ダイオードの駆動電流の下限は定格電流の10%程度が推奨されていることから、前述のような高照度側が数万ルクスに設定される場合には、電流制御による照度調整だけでは、所望の低照度を実現することが不可能であった。そこで、NDフィルタや可変絞り等とも組み合わせ照度調整が行われるが、この場合には広い照度ダイナミックレンジを期待できる反面、それらのNDフィルタの切替等するための駆動機構としてアクチュエータが必要となることから、部材点数が多く機械的な駆動機構を有する構造となり装置が大型化、複雑化、高コスト化するとともに、NDフィルタ等の光路中への移動等に伴って発塵や振動が発生する上、該フィルタ等の移動時間が必要となってテスト効率が低下する問題があった。
【0009】
また、特許文献2のような導光板方式の照明装置を、固体撮像素子の光学テストに利用する場合には、前述のような駆動機構が必要となる等の問題に加えて、導光板端面に照度調整した光を照射するために光ファイバーを必要とせざるを得ないが、光ファイバー等における伝播ロスが生じるため、数万ルクスといった高照度での照明の実現が困難であった。
【0010】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、減光フィルタや可変絞りを駆動制御するアクチュエータ等の駆動装置が不要で比較的簡単かつコンパクトな構造でありながら、広い照度ダイナミックレンジを実現しうる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、列状に配列された複数の光源121~125と、該複数の光源121~125の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列された減光手段16と、を備えた光源ユニット18を有する照明装置10から構成される。光源ユニット18は、1つ又は複数個を組み合わせた構成でもよい。
【0012】
また、該減光手段16の該減光領域141~145の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群44を含むこととしてもよい。
【0013】
また、複数の光源ユニット18が並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、並列方向に配列される該光源ユニット18の光源121~125どうしが異なる発光色で設定された光源ユニット群44aを含むこととしてもよい。
【0014】
また、該光源ユニット18からの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系26をさらに備えたこととしてもよい。
【0015】
また、該均一化光学系36は、側端部から該光源ユニット18からの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板20を有することとしてもよい。
【0016】
また、該光源ユニット18の減光手段16の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定されることとしてもよい。
【0017】
また、該光源ユニット18の該光源121~125の発光を制御する制御手段22を備えたこととしてもよい。
【0018】
また、該制御手段22は、予め定められたテーブルを参照にして該光源121~125の発光を調整することとしてもよい。
【0019】
また、該制御手段22は、該光源ユニット18の該光源121~125に流す電流と該照明装置10が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することとしてもよい。
【0020】
また、該光源ユニット18は、隣接する光源121~125どうしの間に設置される遮光部50を有することとしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の照明装置によれば、列状に配列された複数の光源と、該複数の光源の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域が列状に配列された減光手段と、を備えた光源ユニットを有することから、アクチュエータ等の駆動装置が不要で簡単でコンパクトな構造でありながら、広い照度ダイナミックレンジを実現しうる。その結果、広ダイナミックレンジの固体撮像素子の光学テストにも実用しうる照明装置を提供することができる。
【0022】
また、該減光手段の該減光領域の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群を含む構成とすることにより、より高照度の光の照明を実現でき広い照度ダイナミックレンジを期待できる。
【0023】
また、複数の光源ユニットが並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、並列方向に配列される該光源ユニットの光源どうしが異なる発光色で設定された光源ユニット群を含む構成とすることにより、一台の照明装置だけで複数の色(波長)の光を変更して照射することができ、照明装置の実用性を向上しうる。
【0024】
また、該光源ユニットからの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系をさらに備えた構成とすることにより、均一性が高い照明光を生成でき、例えば、固体撮像素子の光学テスト等の均一光が要求される照明で好適に実用できる。
【0025】
また、該均一化光学系は、側端部から該光源ユニットからの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板を有する構成とすることにより、均一性が高い照明光の生成と、広い照度ダイナミックレンジを同時に実現できる照明装置を、コンパクトかつシンプルな構成で具体的に実現できる。
【0026】
また、該光源ユニットの減光手段の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定される構成とすることにより、光源ユニットを列状に配列した構成とする際に、透過率が高い減光領域からの照度が高い光の漏れが透過率が低い減光領域からの光に影響するのを低減でき、正確な照度調整と高い均一性の確保を同時に実現できる。
【0027】
また、該光源ユニットの該光源の発光を制御する制御手段をさらに備えたことにより、各光源のオンオフ制御や電流調整を行って、簡単に目的の照度を得ることができるような照度調整を行うことができる。
【0028】
また、該制御手段は、予め定められたテーブルを参照にして該光源の発光を調整する構成とすることにより、簡単かつ確実に目的の照度を得ることができる照度調整を実現できる。
【0029】
また、該制御手段は、該光源ユニットの該光源に流す電流と該照明装置が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することにより、より高精度に目的の照度を得ることができる照度調整を実現できる。
【0030】
また、該光源ユニットは、隣接する光源どうしの間に遮光部を有する構成とすることにより、透過率が異なる減光領域からの光の漏れを防止でき、特に低照度での正確な照度調整と高い均一性の確保を同時に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の概略構成説明図である。
図2図1の照明装置の光源ユニットの一部拡大図である。
図3図1の照明装置の外観を示す斜視図である。
図4図1の照明装置の断面の一部拡大説明図である。
図5図1の照明装置の照度範囲を示すグラフである。
図6図1の照明装置の光源ユニットの他の実施例である。
図7図1の照明装置の制御手段に利用するテーブルの一例である。
図8図1の照明装置において、光源ユニットの光源に流す電流と照度と測定した一例を説明する表である。
図9図1の照明装置の制御手段が6次多項式を利用して照度調整する場合の電流と照度の関係の一例を示すグラフである。
図10】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の断面の一部拡大説明図である。
図11図10の照明装置の光源ユニット群の一部分を示す分解斜視説明図である。
【0032】
以下添付図面を参照しつつ本発明の照明装置の実施形態について説明する。本発明に係る照明装置は、照射対象に対応して照度を変更・調整可能な照明装置であり、固体撮像素子であるイメージセンサ等の光学デバイスのテストするためのテスト光照明用の照明装置として好適に利用しうるものである。図1ないし図7は、本発明の照明装置の第1の実施形態を示している。図1図2図4に示すように、本実施形態に係る照明装置10は、複数の光源121~125と、複数の減光領域141~145を配列した減光手段16と、を備えた光源ユニット18を少なくとも1つ有している。
【0033】
さらに本実施形態では、光源ユニット18からの光を均一化して面状に照明する導光板20と、複数の光源121~125を制御する制御手段22と、を備える。図1図3図4に示すように、光源ユニット18や導光板20等の装置を構成している要素は筐体24に収容され、該筐体24の開口から導光板20の照明面を外部に臨ませて設けられている。筐体24は、例えば、中空矩形箱状に形成されており、光源ユニット18及び導光板20を支持する支持手段を備えている。本実施形態では、筐体24は、一方を開口した筐体本体26の開口側にネジ等で着脱可能に固定され正八角形状の開口が形成されたベースプレート28と、ベースプレート28上にネジ等を介して固定される光源ユニット固定ブロック30と、該光源ユニット固定ブロック30上にネジ等を介して固定されベースプレート28と協働して導光板20の周縁部を挟持状に固定する導光板押えブロック32と、を有する。導光板押えブロック32の導光板20との当着部分にはクッション材34が介設されている。また、導光板押えブロック32は、光源ユニット18を受け入れる空隙32aが形成されており、クッション材34を介してベースプレート28と導光板押えブロック32と協働して該光源ユニット18の上下を固定している。
【0034】
導光板20は、光源ユニット18の複数の光源121~125からの光を均一化して照射する光の均一化手段36である。本実施形態では、導光板20は、例えば、アクリル樹脂等の透明で光の透過性が高い硬質素材からなり、正八角形の板状に形成されている。導光板20は、一方の面側が照光面となるとともに、その裏面側に光を反射する反射シート38が装着されている。なお、反射シート38は、例えば、アルミニウム製の裏面プレート40に貼り付けられて導光板20の裏面に装着されている。導光板20の照光面側には拡散板42が設置されている。導光板20の正八角形状の8つの辺に対応した側端部のそれぞれに光源ユニット18が配置されている。導光板20は各側端部より光源ユニット18からの光を入射して該導光板20内で光を拡散することにより均一化して照光面全体を照明する。本実施形態のように導光板20の全ての側端部に光源ユニット18を設置した構成では、特に中央近傍において、照度の均一性が高い照射光を生成することができる。なお、導光板20は、正方形状やその他多角形状に形成されたものを利用してもよい。導光板20の8つの側端部全てに光源ユニット18が設置されるものに限らず、一部の側端部に光源ユニット18を設置した構成としてもよい。また、均一化手段36は、入射した光の照度をむらなく均一化して照明しうるものであればよい。例えば、均一化手段36は、導光板20を利用する構成に限らずフライアイレンズやロッドインテグレータ等のインテグレータ光学系を利用する構成でもよい。この際、複数種類の導光板やインテグレータ光学系を組み合わせて利用することとしてもよい。
【0035】
本実施形態では、均一化手段36である導光板20の各側端部には複数の光源ユニット18が直列状に配列されて光源ユニット列すなわち直列状の光源ユニット群44が形成されている。すなわち、直線状に形成された光源ユニット群44が導光板20の側端部すなわち外形輪郭に沿って正八角形枠状に設置された構成となっている。
【0036】
図2に示すように、それぞれの光源ユニット18の複数の光源121~125は、列状に配置されて所定の光源群をなしている。本実施形態では、光源121~125は、例えば、点状光源を実現しうるような極めて小型でかつ高輝度の発光ダイオードからなり基板46に列状に固定されている。光源121~125は、1つの光源ユニット18に5個配列されており、互いに一定の間隔で直線状に並設されている。5個の光源は全て同じ明るさ・性能の発光ダイオードからなるが、説明のために、各光源ユニット18において、一端側から順に第1光源121、第2光源122、第3光源123、第4光源124、第5光源125とする。前記のように複数の光源ユニット18が直列状に配列された構成であるが、本実施形態では、基板46が導光板20の一辺と略同じ長さに形成されており、該同一の基板46に複数の光源ユニット18の第1~第5光源121~125が繰り返して直線状に固定された配列構成となっている。光源121~125は、例えば、光源ユニット18を導光板20の側端部に設置した際に、該導光板20の板厚の略中央部に位置するように基板46に設置されている。基板46の光源が設置される面とは反対の背面側は、ベースプレート28に固定される光源ユニット固定ブロック30に放熱用の熱伝導シート48を介して密着されている。基板46の下端はベースプレート28上に支持され、同基板46の上端は導光板押えブロック32の溝部内に挿入されクッション材34を介して当着され固定されている。なお、複数の光源は、本実施形態では一列状の配置としているが、複数列構成としてもよい。また、光源は、発光ダイオードに限らず、半導体レーザ等その他の光源であってもよい。
【0037】
図2図3に示すように、減光手段16は、複数の光源121~125の光の照射側に設置され、該光源からの光の照度を調整して導光板20等に照射しうる光学手段である。減光手段16は、複数の光源121~125の配列構成と対応して、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列されて構成されている。減光領域141~145は、各光源からの光の照度を個別に変更しうる光学濃度調整領域であり、減光して透過させる減光フィルタ部といえる。なお、本実施形態では、減光領域には、光を100%透過させる領域、すなわち透過率100%(光学濃度=OD0)となる領域も含まれることとしている。よって、減光領域は、透過率100%未満で減光するいわゆる減光領域と、透過率100%の透過領域を含む減光・透過領域となる概念としている。図上では、減光領域はクロスハッチングで示している。
【0038】
本実施形態では、減光領域141~145は、1つの光源ユニット18において透過率が100%(光学濃度=OD0)、10%(OD1)、1%(OD2)、0.1%(OD3)、0.01%(OD4)の5つの減光領域が設定されて直列状に配列されて、減光フィルタ部群をなしている。それぞれの光源ユニット18では、光源121~125に1対1で対応して各減光領域141~145が形成されており、第1~第5光源121~125に対応して、一端部から順に第1~第5減光領域141~145が設定される。後述のように、複数の光源ユニット18(光源ユニット群44)は、所望の1つ(又は複数)の透過率の減光領域に対応した光源を点灯(オン)させ、他の減光領域に対応した光源を消灯(オフ)することにより、導光板20からの照射光の照度を調整することができる。加えて、光源を点灯する電流を調整することにより、広い照度ダイナミックレンジを実現している。
【0039】
図2に示すように、第1~第5減光領域141~145の配列は、端部側から順に第1減光領域141の透過率が100%、第1減光領域142の透過率が10%、第3減光領域143の透過率が1%、第4減光領域144の透過率が0.1%、第5減光領域145の透過率が0.01%に設定されている。そして複数の光源ユニット18が直列状に配列されることにより、第1~第5減光領域が繰り返し配列される。すなわち、それぞれの光源ユニット18の減光手段の複数の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定された構成となっている。
【0040】
減光手段の複数の減光領域の配列構成は、上記の構成に限らず基本的には任意でもよい。前述とは異なる複数の減光領域の配列構成として、例えば、透過率の大きいものから小さいものへ順番(100%、10%、1%、0.1%、0.01%の順に)に配列する構成も考えられる。この場合には、複数の光源ユニット18を配列して構成すると、複数の減光領域は、100%、10%、1%、0.1%、0.01%、100%、10%、1%、・・・と繰り返し配列される。この際、透過率が最も高い(100%)減光領域の隣に、透過率が最も低い(0.01%)減光領域が配置されることとなる結果、透過率が低い減光領域に対応した光源を点灯させた際に、該点灯した光源からの光の漏れが隣接の透過率の高い減光領域を透過し、全体的な照度が高くなってしまう。これに対し、複数の減光領域141~145を本実施形態のようなの配列構成とすることにより、透過率が高い減光領域からの光の漏れが透過率が低い減光領域からの光に影響するのを比較的少なくすることができ、より低照度の照明を実現し、ひいては、より広い照度ダイナミックレンジを実現するのに有利な配列構成となる。
【0041】
なお、隣接する光源からの漏れを少なくするために、図6に示すように、それぞれの光源ユニット18に、隣接する光源121~125どうしの間に遮光部50を設けることとしてもよい。遮光部50は、例えば、基板又は減光手段等に一体的に板状に形成され、各光源の照射方向を限定し、隣接する光源に対応した減光領域への干渉を低減しる。隣接する光源どうしの間に遮光部を設ける構成では、製造コストは若干高くなるが、隣接する減光領域への光の漏れの影響が少なくなると考えられるので、複数の減光領域の配列構成の自由度を高くできる。
【0042】
減光手段16は、例えば、高い透光性で厚みが薄く一方に長い透明プレートに光学薄膜を蒸着して複数の減光領域141~145が形成される。よって、減光手段16は、複数の透過率が異なる減光フィルタ部すなわち減光領域が配列された減光プレート部材52から構成されている。減光プレート部材52からなる減光手段16は、その一方のプレート面を光源121~125に密着又は近接して配置されるとともに、他方のプレート面を導光板20の側端部に近接又は密着して設置される。減光プレート部材52の長さが基板46と略同じ長さ、すなわち導光板20の一辺の長さと略同じ長さに設定され、1つの光源ユニット群44の複数の光源ユニットの第1~第5減光領域141~145を一体的に形成されている。なお、減光領域の透過率は上記したものに限らず任意でもよい。また、減光領域の数は、複数であれば任意でよい。減光領域は、装置構成や光源の制御を簡単にするために、例えば、3~6種類程度の透過率に設定して、繰り返し配列した構成とするとよい。また、それぞれの光源ユニット18では、1つの光源に対して1つの透過率の減光領域が対応付けされた構成に限らず、例えば、1つの減光領域に対して複数の発光ダイオードが配置される構成等、光源の数と減光領域の数とを同じ数又は異なる数に構成することとしてもよい。
【0043】
制御手段22は、光源ユニット18の光源121~125の基板46に電気的に接続されており、各光源121~125のオンオフ制御や電流調整による発光を制御する光源制御手段である。本実施形態では、制御手段22は、複数の光源ユニット18の減光手段16の各減光領域に対応した光源のいずれかを選択して点灯及び電流を調整するように制御される。すなわち、図5にも示すように、高い照度の範囲で照明する際には、各光源ユニット18では、透過率が高い(例えば、100%=OD0)の減光領域143に対応した第3光源123のみを点灯させ、その第3光源の電流を調整することで照度調整する。逆に低い照度の範囲で照明する際には、それぞれの光源ユニット18では、透過率が低い(例えば、0.01%=OD5)の減光領域145に対応した第5光源125のみを点灯させ、その第5光源の電流を調整することで照度調整する。同様に、目的の照度の範囲の透過率に設定された減光領域(OD0~OD4)に対応する光源を選択するとともに、その光源に入力する電流を調整することにより、多段階的な照度範囲を一つの装置構成で実現して、広い照度ダイナミックレンジでの照明を実現できる。具体的には、高い照度の第1照度範囲R1は、透過率100%(OD0)の減光領域143に対応した第3光源123を点灯するとともに、電流を調整することにより、32700Lx~2140Lxの範囲まで照度を調整することができる。次に高い照度の第2照度範囲R2は、透過率10%(OD1)の減光領域142に対応した第2光源122を点灯するとともに、電流を調整することにより、3280Lx~213Lxの範囲まで照度を調整することができる。次に高い照度の第3照度範囲R3では、透過率1%(OD2)の減光領域144に対応した第4光源124を点灯するとともに、電流を調整することにより、451Lx~29.3Lxの範囲まで照度を調整することができる。この際、第3照度範囲R3の減光領域の透過率は第2照度範囲R2の減光領域の透過率に対して1/10であるが、前述したように隣接する光源に対応する透過率が高い減光領域からの光の漏れ等の影響により、このような照度範囲となっている。以下、第4、第5照度範囲R4、R5も同様に隣接する光源からの光の漏れの影響によって、図のような照度範囲となっている。次に高い照度の第4照度範囲R4では、透過率0.1%(OD3)の減光領域141に対応した第1光源121を点灯するとともに、電流を調整することにより、67.8Lx~4.46Lxの範囲まで照度を調整することができる。最も低い照度の第5照度範囲R5では、透過率0.01%(OD4)の減光領域145に対応した第5光源125を点灯するとともに、電流を調整することにより、14.92Lx~0.98Lxの範囲まで照度を調整することができる。また、各照度範囲で、調整できる照度範囲に重なりを持たせているので、広い照度ダイナミックレンジ(32700Lx~0.98Lx)を連続的に変更調整することができる。なお、本実施形態では、各光源ユニット18では一つの光源が点灯されるが、複数の光源ユニット18が設置され導光板20に入射される構成であるので、導光板からは所定の範囲で照度が均一な照明光を得ることができる。なお、各光源ユニット18の光源は、一つの減光領域に対応したもののみを点灯する制御方法に限らず、複数の透過率の減光領域に対応した複数の光源を同時に点灯して照度を調整する制御方法としてもよい。
【0044】
本実施形態では、制御手段22は、例えば、コンピュータからなり、予め定められたテーブルを参照にして該第1~第5光源121~125の発光を制御するようになっている。すなわち、制御手段22は、演算処理装置と、メモリやハードディスク等の記憶装置、マウスやディスプレイあるいはタッチパネル等の入出力装置を備えたコンピュータからなり、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。制御手段22の記憶装置には、例えば、図7に示すような、照度と、点灯する光源と、該光源に入力する電流と、をテーブル表として記憶されている。制御手段22で、目的の照度を選択するだけで、テーブルを参照して、自動的に点灯する光源と、該光源に入力する電流が制御されて、照明調整することができる。図7に示すように、例えば、Lルクスの照度を得るためには、第M光源(M=1~5の整数)に、電流Iアンペアを入力して点灯調整するように制御手段22が光源ユニットの光源を発光制御する。
【0045】
なお制御手段22による光源ユニット18の光源121~125の制御は、テーブルを利用するものに限らずその他任意の制御方法を利用することとしてもよい。例えば、該制御手段22は、予め該光源に流す電流と照明装置から照射される光の照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)を利用して該光源の発光を調整・制御することとしてもよい。このようなn次多項式を利用した制御の場合、テーブルを利用するものと比較して、より高精度でかつ連続的に照度調整を行うことができる。
【0046】
例えば、照度をf(x)、光源に流す電流をxとすると、照度f(x)と電流xとの関係は数式1のような多項式で近似することができる。制御手段22で実際に光源の電流制御を行う場合には、上記の数式1をn次元(nは2以上の整数)までとした近似式として、数式2のn次多項式を利用することができる。
【0047】
【数1】
【0048】
【数2】
【0049】
具体的には、上記のように構成された照明装置10の第1~第5光源121~125に電流を変化させながら流して、図8のようにそれぞれの電流値での照度を測定する。なお、図8の表では、一部の値を省略して表している。そして、照度と電流の実際の測定値から、上記数式2の近似式の係数a~aを算出する。例えば、2次近似であればa、a、aの3つの係数を求めることとなり、6次近似であればa~aの6つの係数を求めることで近似式を算出することができる。n次多項式f(x)が決定したら、コンピュータ等からなる制御手段22に該n次多項式f(x)及びその解(電流x)を求める計算プログラム等を予め記憶させておく。なお、n次方程式の解を求める計算プログラムは周知のものを利用してもよい。照明装置10を利用するにあたって照度調整を行う際には、該n次多項式f(x)に目的の照度の数値を入力することにより、その解を求めて光源に流す電流xを算出して、その電流xを第1~第5光源121~125のいずれかに流す制御を行って照度調整を行うことができる。なお、n次多項式では、最大n個の解(x)が存在するが、発光ダイオードからなる光源の電流として適正な値となる種々の境界条件(例えば、電流が正の実数、発光ダイオードの最大定格電流など)により1つの電流に決定される。次数nが大きいほど高精度に照度を調整することができるが、解である電流xを求めるための計算処理の負荷及び時間を要し照度調整に時間がかかることから、精度と調整時間等のバランスを考慮して次数nを決定するとよい。
【0050】
図9のグラフは、図8の実測値を元にして求めた近似式として、6次多項式を利用した場合の照度と電流の関係を示すグラフの例である。図9(a)は透過率100%(OD0)の第3減光領域143に対応した第3光源123のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。同様に図9(b)は透過率10%(OD1)の第2減光領域142に対応した第2光源122のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図9(c)は透過率1%(OD2)の第4減光領域144に対応した第4光源124のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図8(d)は透過率0.1%(OD3)の第1減光領域141に対応した第1光源121のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図9(e)は透過率0.01%(OD4)の第5減光領域145に対応した第5光源125のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。さらに、図9(f)は、電流(mA)を横軸とし、図8での測定照度を規格化した規格化照度(%)を縦軸として、規格化照度と電流との関係を表したグラフである。図9(f)では、いずれの減光領域(OD0~OD4)に対応する第1~第5光源の各制御用の6次多項式どうしが互いに近似しておりグラフ上では重なって表されている。このように、制御手段22がn次多項式を利用して照度調整する場合には、目的の照度を入力選択するだけで自動的に点灯する光源を選択するとともに、該光源に対応するn次多項式により該光源に入力する電流が制御されて、高精度でかつ広いダイナミックレンジを連続的に照度調整することができる。
【0051】
次に図10図11を参照しつつ本発明の照明装置の第2の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態に係る照明装置は、上記実施形態同様に、列状に配列された複数の光源121~125と、複数の減光領域141~145を配列した減光手段16と、を備えた光源ユニット18を複数有している。各光源ユニット18における第1~第5光源121~125の配列や、減光手段16の第1~第5減光領域141~145の透過率の配列等は上記実施形態と略同じに構成されている。複数の光源ユニット18から構成された光源ユニット群44aが正八角形の導光板の側端部すなわち外形輪郭に沿って正八角形枠状にそれぞれ設置された構成も同様である。
【0052】
本実施形態では、光源ユニット群44aは、各光源ユニット18の構成は、上記実施形態と略同じ構成であるが、複数の光源ユニット18が行列状に配列されて構成されている。さらに、光源ユニット44aでは、直列方向(横方向H)に配列された光源ユニット18どうしは、同一色(波長)で発光する光源で設定されるとともに、並列方向(縦方向V)に配列される光源ユニットどうしでは、異なる色(波長)で発光する光源となるように設定されている。
【0053】
具体的には、光源ユニット群44aは、同一基板46に、該光源ユニット44aを構成している複数の光源ユニット18の第1~第5光源121~125が所定間隔で行列状に固定されている。上から1段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45G)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は緑色に発光するように設定されている。上から2段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45R)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は赤色に発光するように設定されている。上から3段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45W)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は白色に発光するように設定されている。上から4段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45B)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は青色に発光するように設定されている。このように並列方向(縦方向V)に配列される光源ユニットどうしでは、異なる4色の光源で設定されている。並列状に配列される複数の光源ユニット18では、並列方向に第1光源121どうしが直線状に配列されるとともに、第1減光領域141どうしが直線状に形成される。同様に、第2光源122どうし及び第2減光領域142どうしが縦方向に並設され、第3光源123どうし及び第3減光領域143どうしが縦方向に並設され、第4光源124どうし及び第4減光領域144どうしが縦方向に並設され、第5光源125どうし及び第5減光領域145どうしが縦方向に並設される。言い換えると、異なる透過率の減光領域141~145が配列されている減光手段16において、それぞれの減光領域141~145では複数の異なる色(4色)の光源が並列して配置された構成と言える。なお、本実施形態でも前記図6のように、各光源ユニット18において直列方向に隣接する光源どうしの間に遮光部を設けることとしてもよい。
【0054】
図11に示すように、それぞれの光源ユニット群44aの複数の光源ユニット18の減光手段16は、行列状に配列された光源ユニット18の配置領域に対応した広さの1枚の減光プレート部材52で構成されている。すなわち、直列方向(横方向H)には第1~第5減光領域141~145が繰り返して配列されるとともに、並列方向(縦方向V)には、同一の減光領域が設定されるように、一枚の透明プレートに光学素材を蒸着して形成されている。さらに減光手段16を構成する減光プレート部材52は、各光源の照射面側であって導光板20の各辺の側端部に近接又は密着して配置されている。なお、図11では、説明のために減光プレート部材52の一部を切り欠いてあらわしている。
【0055】
基板46は、光源ユニット18の各光源121~125のオンオフ制御や電流調整による発光を制御する制御手段22に電気的に接続されている。本実施形態では、制御手段22により、特定の一つの色(波長)の光源のみすなわち緑、赤、白、青のいずれかの光源のみを点灯させることにより、その選択した色の光で照明することができる。さらに、制御手段22によって、複数の色の光源を組み合わせて点灯させることで、より多数の色(波長)の光に変化させて照明することもできる。併せて、同制御手段22により、上記実施形態と同様なテーブルやn次多項式により各光源に流す電流を調整して、それぞれの色での照度を調整することができる。これにより、1台の照明装置だけで、多数の色に変化させながら照明を行える同時に、広い照度ダイナミックレンジを実現することができる。なお、並列状に配列される複数の光源ユニットの光源に設定される色(波長)は、4つの色に限らず、2色、3色又は5色以上に設定してもよい。光源ユニット群44,44aを構成する複数の光源ユニット18は、上記実施形態では、該減光手段の該減光領域の配列が同じとなるものを配列したが、該減光領域の配列構成が異なるものを配列して構成することとしてもよい。
【0056】
以上説明した本発明の照明装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の照明装置は、例えば、広ダイナミックレンジの固体撮像素子等の光学デバイスのテスト用の照明装置やその他種々の広い照度範囲で照度を変更させながら照明を行う照明装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 照明装置
121~125 光源
141~145 減光領域
16 減光手段
18 光源ユニット
20 導光板
22 制御手段
24 筐体
26 筐体本体
28 ベースプレート
30 光源ユニット固定ブロック
32 導光板押えブロック
34 クッション材
36 均一化手段
38 反射シート
40 裏面プレート
42 拡散板
44、44a 光源ユニット群
46 基板
50 遮光部
52 プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に配列された複数の光源と、
該複数の光源の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域が列状に配列された減光手段と、を備えた光源ユニットを有し、
複数の光源ユニットが並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、
並列方向に配列される該光源ユニットの光源どうしが異なる波長の光で設定された光源ユニット群を含むことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
列状に配列された複数の光源と、
該複数の光源の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域が列状に配列された減光手段と、を備えた光源ユニットを有し、
該光源ユニットの減光手段の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定されることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
該減光手段の該減光領域の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
該光源ユニットからの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
該均一化光学系は、側端部から該光源ユニットからの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板を有することを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
該光源ユニットの該光源の発光を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
該制御手段は、予め定められたテーブルを参照にして該光源の発光を調整することを特徴とする請求項記載の照明装置。
【請求項8】
該制御手段は、該光源ユニットの該光源に流す電流と該照明装置が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することを特徴とする請求項記載の照明装置。
【請求項9】
該光源ユニットは、隣接する光源どうしの間に遮光部を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の照明装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば固体撮像素子の光学テストに利用可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の半導体の集積回路で設けられる固体撮像素子(イメージセンサ)は、光を電気信号に変換する特性を利用して、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、携帯電話のカメラ、自動車の先進運転支援システム等の各種センサ、その他種々の産業機器等に広く活用されている。固体撮像素子は、ウエハ完成後や製品出荷前にその光電特性が正常か否かの光学テスト(光学特性評価)が必要である。近時では、固体撮像素子の光学テストでは、スループットが重要視され、多数個のイメージセンサを同時に光学テストすることが一般的となっている。多数個のイメージセンサの同時テストを実現するためには、イメージセンサが並設された広い範囲に、照度の均一性が高い光を照射することが求められている。
【0003】
固体撮像素子の光学テストを行うために、広い範囲に照度の均一性が高い光を照射しうる照明装置が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明装置では、光源と、光源からの光を照度分布の均一な光として生成する多数のレンズやフィルタを有した照明光学系と該照明光学系を通過した照明光を検査対象の固体撮像素子に対して投影する投影光学系とを含む光学系と、を有しており、検査対象の固体撮像素子の受光面に均一な照明光を照射するようになっている。従来、照明装置の光源としては、ハロゲンランプが多く利用されていた。しかしながら近年では、照明装置の光源に限らず様々な分野で、二酸化炭素の排出が少なく寿命が長い発光ダイオードや、レーザダイオード等の半導体発光素子の利用が拡大している。
【0004】
一方、面状に均一に光を照射する照明装置としては、導光板の端面部に同一の間隔で複数の発光ダイオードが配置され、該導光板の端面部から発光ダイオードの光を入射すると、導光板内で反射を繰り返しながら拡散し、発光面(導光板面)全体を均一に発光させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この導光板方式の照明装置は、薄型で軽量でありながら、照度のムラが少なく均一に面発光できることから、例えば、案内表示板や看板、画像処理により被検査物の外観検査等を行う検査システムなどに使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5181174号公報
【特許文献2】特開2010-112735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように様々な産業機器への需要が拡大している固体撮像素子は、広い分野への利用に伴って高性能化しており、例えば、1ルクス以下の低照度から数万ルクス以上の高照度までの極めて広い照度範囲において感知できるような広ダイナミックレンジ化が進んでいる。したがって、固体撮像素子の光学テストに用いられる照明装置においても広い照度範囲で照明するものが要求されている。
【0007】
従来の特許文献1、2のような照明装置で照度の調整を行う手段としては、発光ダイオード等の光源の電流制御による照度調整や、光路中に設置した固定式減光フィルタ(NDフィルタ)を段階的に切替えることによる照度調整、可変式減光フィルタを連続的に切替えることによる照度調整、可変絞りによる照度調整等が行われていた。また、例えば、段階的に透過率が設定された複数の減光フィルタをターレットに支持させてステッピングモータ等で回転駆動させて所定の透過率の減光フィルタを光路中に挿入する技術も利用されている。
【0008】
しかしながら発光ダイオード等の光源の電流制御による照度調整においては、半導体発光素子を構成する母体の結晶欠陥や不純物のばらつき等により、低電流駆動においては諸特性が不安定になる問題があった。さらに、発光ダイオードの駆動電流の下限は定格電流の10%程度が推奨されていることから、前述のような高照度側が数万ルクスに設定される場合には、電流制御による照度調整だけでは、所望の低照度を実現することが不可能であった。そこで、NDフィルタや可変絞り等とも組み合わせ照度調整が行われるが、この場合には広い照度ダイナミックレンジを期待できる反面、それらのNDフィルタの切替等するための駆動機構としてアクチュエータが必要となることから、部材点数が多く機械的な駆動機構を有する構造となり装置が大型化、複雑化、高コスト化するとともに、NDフィルタ等の光路中への移動等に伴って発塵や振動が発生する上、該フィルタ等の移動時間が必要となってテスト効率が低下する問題があった。
【0009】
また、特許文献2のような導光板方式の照明装置を、固体撮像素子の光学テストに利用する場合には、前述のような駆動機構が必要となる等の問題に加えて、導光板端面に照度調整した光を照射するために光ファイバーを必要とせざるを得ないが、光ファイバー等における伝播ロスが生じるため、数万ルクスといった高照度での照明の実現が困難であった。
【0010】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、減光フィルタや可変絞りを駆動制御するアクチュエータ等の駆動装置が不要で比較的簡単かつコンパクトな構造でありながら、広い照度ダイナミックレンジを実現しうる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、列状に配列された複数の光源121~125と、該複数の光源121~125の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列された減光手段16と、を備えた光源ユニット18を有し、複数の光源ユニット18が並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、並列方向に配列される該光源ユニット18の光源121~125どうしが異なる波長の光で設定された光源ユニット群44aを含む照明装置10から構成される。
【0012】
さらに本発明は、列状に配列された複数の光源121~125と、該複数の光源121~125の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列された減光手段16と、を備えた光源ユニット18を有し、該光源ユニット18の減光手段16の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定される照明装置10から構成される。光源ユニット18は、1つ又は複数個を組み合わせた構成でもよい。
【0013】
また、該減光手段16の該減光領域141~145の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群44を含むこととしてもよい。
【0014】
また、該光源ユニット18からの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系26をさらに備えたこととしてもよい。
【0015】
また、該均一化光学系36は、側端部から該光源ユニット18からの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板20を有することとしてもよい。
【0016】
また、該光源ユニット18の該光源121~125の発光を制御する制御手段22を備えたこととしてもよい。
【0017】
また、該制御手段22は、予め定められたテーブルを参照にして該光源121~125の発光を調整することとしてもよい。
【0018】
また、該制御手段22は、該光源ユニット18の該光源121~125に流す電流と該照明装置10が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することとしてもよい。
【0019】
また、該光源ユニット18は、隣接する光源121~125どうしの間に設置される遮光部50を有することとしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の照明装置によれば、列状に配列された複数の光源と、該複数の光源の光照射側に設置され、光の透過率が異なる複数の減光領域が列状に配列された減光手段と、を備えた光源ユニットを有することから、アクチュエータ等の駆動装置が不要で簡単でコンパクトな構造でありながら、広い照度ダイナミックレンジを実現しうる。その結果、広ダイナミックレンジの固体撮像素子の光学テストにも実用しうる照明装置を提供することができる。
【0021】
また、該減光手段の該減光領域の配列が同じとなる複数の光源ユニットが直列状、並列状又は行列状のいずれかに配列されて構成された光源ユニット群を含む構成とすることにより、より高照度の光の照明を実現でき広い照度ダイナミックレンジを期待できる。
【0022】
また、複数の光源ユニットが並列状又は行列状に配列されて構成された光源ユニット群であって、並列方向に配列される該光源ユニットの光源どうしが異なる発光色で設定された光源ユニット群を含む構成とすることにより、一台の照明装置だけで複数の色(波長)の光を変更して照射することができ、照明装置の実用性を向上しうる。
【0023】
また、該光源ユニットからの光を均一化して照射対象に照射する均一化光学系をさらに備えた構成とすることにより、均一性が高い照明光を生成でき、例えば、固体撮像素子の光学テスト等の均一光が要求される照明で好適に実用できる。
【0024】
また、該均一化光学系は、側端部から該光源ユニットからの光を入射し面状に均一な光を照射する導光板を有する構成とすることにより、均一性が高い照明光の生成と、広い照度ダイナミックレンジを同時に実現できる照明装置を、コンパクトかつシンプルな構成で具体的に実現できる。
【0025】
また、該光源ユニットの減光手段の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定される構成とすることにより、光源ユニットを列状に配列した構成とする際に、透過率が高い減光領域からの照度が高い光の漏れが透過率が低い減光領域からの光に影響するのを低減でき、正確な照度調整と高い均一性の確保を同時に実現できる。
【0026】
また、該光源ユニットの該光源の発光を制御する制御手段をさらに備えたことにより、各光源のオンオフ制御や電流調整を行って、簡単に目的の照度を得ることができるような照度調整を行うことができる。
【0027】
また、該制御手段は、予め定められたテーブルを参照にして該光源の発光を調整する構成とすることにより、簡単かつ確実に目的の照度を得ることができる照度調整を実現できる。
【0028】
また、該制御手段は、該光源ユニットの該光源に流す電流と該照明装置が照射する照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)により該光源の発光を調整することにより、より高精度に目的の照度を得ることができる照度調整を実現できる。
【0029】
また、該光源ユニットは、隣接する光源どうしの間に遮光部を有する構成とすることにより、透過率が異なる減光領域からの光の漏れを防止でき、特に低照度での正確な照度調整と高い均一性の確保を同時に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の概略構成説明図である。
図2図1の照明装置の光源ユニットの一部拡大図である。
図3図1の照明装置の外観を示す斜視図である。
図4図1の照明装置の断面の一部拡大説明図である。
図5図1の照明装置の照度範囲を示すグラフである。
図6図1の照明装置の光源ユニットの他の実施例である。
図7図1の照明装置の制御手段に利用するテーブルの一例である。
図8図1の照明装置において、光源ユニットの光源に流す電流と照度と測定した一例を説明する表である。
図9図1の照明装置の制御手段が6次多項式を利用して照度調整する場合の電流と照度の関係の一例を示すグラフである。
図10】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の断面の一部拡大説明図である。
図11図10の照明装置の光源ユニット群の一部分を示す分解斜視説明図である。
【0031】
以下添付図面を参照しつつ本発明の照明装置の実施形態について説明する。本発明に係る照明装置は、照射対象に対応して照度を変更・調整可能な照明装置であり、固体撮像素子であるイメージセンサ等の光学デバイスのテストするためのテスト光照明用の照明装置として好適に利用しうるものである。図1ないし図7は、本発明の照明装置の第1の実施形態を示している。図1図2図4に示すように、本実施形態に係る照明装置10は、複数の光源121~125と、複数の減光領域141~145を配列した減光手段16と、を備えた光源ユニット18を少なくとも1つ有している。
【0032】
さらに本実施形態では、光源ユニット18からの光を均一化して面状に照明する導光板20と、複数の光源121~125を制御する制御手段22と、を備える。図1図3図4に示すように、光源ユニット18や導光板20等の装置を構成している要素は筐体24に収容され、該筐体24の開口から導光板20の照明面を外部に臨ませて設けられている。筐体24は、例えば、中空矩形箱状に形成されており、光源ユニット18及び導光板20を支持する支持手段を備えている。本実施形態では、筐体24は、一方を開口した筐体本体26の開口側にネジ等で着脱可能に固定され正八角形状の開口が形成されたベースプレート28と、ベースプレート28上にネジ等を介して固定される光源ユニット固定ブロック30と、該光源ユニット固定ブロック30上にネジ等を介して固定されベースプレート28と協働して導光板20の周縁部を挟持状に固定する導光板押えブロック32と、を有する。導光板押えブロック32の導光板20との当着部分にはクッション材34が介設されている。また、導光板押えブロック32は、光源ユニット18を受け入れる空隙32aが形成されており、クッション材34を介してベースプレート28と導光板押えブロック32と協働して該光源ユニット18の上下を固定している。
【0033】
導光板20は、光源ユニット18の複数の光源121~125からの光を均一化して照射する光の均一化手段36である。本実施形態では、導光板20は、例えば、アクリル樹脂等の透明で光の透過性が高い硬質素材からなり、正八角形の板状に形成されている。導光板20は、一方の面側が照光面となるとともに、その裏面側に光を反射する反射シート38が装着されている。なお、反射シート38は、例えば、アルミニウム製の裏面プレート40に貼り付けられて導光板20の裏面に装着されている。導光板20の照光面側には拡散板42が設置されている。導光板20の正八角形状の8つの辺に対応した側端部のそれぞれに光源ユニット18が配置されている。導光板20は各側端部より光源ユニット18からの光を入射して該導光板20内で光を拡散することにより均一化して照光面全体を照明する。本実施形態のように導光板20の全ての側端部に光源ユニット18を設置した構成では、特に中央近傍において、照度の均一性が高い照射光を生成することができる。なお、導光板20は、正方形状やその他多角形状に形成されたものを利用してもよい。導光板20の8つの側端部全てに光源ユニット18が設置されるものに限らず、一部の側端部に光源ユニット18を設置した構成としてもよい。また、均一化手段36は、入射した光の照度をむらなく均一化して照明しうるものであればよい。例えば、均一化手段36は、導光板20を利用する構成に限らずフライアイレンズやロッドインテグレータ等のインテグレータ光学系を利用する構成でもよい。この際、複数種類の導光板やインテグレータ光学系を組み合わせて利用することとしてもよい。
【0034】
本実施形態では、均一化手段36である導光板20の各側端部には複数の光源ユニット18が直列状に配列されて光源ユニット列すなわち直列状の光源ユニット群44が形成されている。すなわち、直線状に形成された光源ユニット群44が導光板20の側端部すなわち外形輪郭に沿って正八角形枠状に設置された構成となっている。
【0035】
図2に示すように、それぞれの光源ユニット18の複数の光源121~125は、列状に配置されて所定の光源群をなしている。本実施形態では、光源121~125は、例えば、点状光源を実現しうるような極めて小型でかつ高輝度の発光ダイオードからなり基板46に列状に固定されている。光源121~125は、1つの光源ユニット18に5個配列されており、互いに一定の間隔で直線状に並設されている。5個の光源は全て同じ明るさ・性能の発光ダイオードからなるが、説明のために、各光源ユニット18において、一端側から順に第1光源121、第2光源122、第3光源123、第4光源124、第5光源125とする。前記のように複数の光源ユニット18が直列状に配列された構成であるが、本実施形態では、基板46が導光板20の一辺と略同じ長さに形成されており、該同一の基板46に複数の光源ユニット18の第1~第5光源121~125が繰り返して直線状に固定された配列構成となっている。光源121~125は、例えば、光源ユニット18を導光板20の側端部に設置した際に、該導光板20の板厚の略中央部に位置するように基板46に設置されている。基板46の光源が設置される面とは反対の背面側は、ベースプレート28に固定される光源ユニット固定ブロック30に放熱用の熱伝導シート48を介して密着されている。基板46の下端はベースプレート28上に支持され、同基板46の上端は導光板押えブロック32の溝部内に挿入されクッション材34を介して当着され固定されている。なお、複数の光源は、本実施形態では一列状の配置としているが、複数列構成としてもよい。また、光源は、発光ダイオードに限らず、半導体レーザ等その他の光源であってもよい。
【0036】
図2図3に示すように、減光手段16は、複数の光源121~125の光の照射側に設置され、該光源からの光の照度を調整して導光板20等に照射しうる光学手段である。減光手段16は、複数の光源121~125の配列構成と対応して、光の透過率が異なる複数の減光領域141~145が列状に配列されて構成されている。減光領域141~145は、各光源からの光の照度を個別に変更しうる光学濃度調整領域であり、減光して透過させる減光フィルタ部といえる。なお、本実施形態では、減光領域には、光を100%透過させる領域、すなわち透過率100%(光学濃度=OD0)となる領域も含まれることとしている。よって、減光領域は、透過率100%未満で減光するいわゆる減光領域と、透過率100%の透過領域を含む減光・透過領域となる概念としている。図上では、減光領域はクロスハッチングで示している。
【0037】
本実施形態では、減光領域141~145は、1つの光源ユニット18において透過率が100%(光学濃度=OD0)、10%(OD1)、1%(OD2)、0.1%(OD3)、0.01%(OD4)の5つの減光領域が設定されて直列状に配列されて、減光フィルタ部群をなしている。それぞれの光源ユニット18では、光源121~125に1対1で対応して各減光領域141~145が形成されており、第1~第5光源121~125に対応して、一端部から順に第1~第5減光領域141~145が設定される。後述のように、複数の光源ユニット18(光源ユニット群44)は、所望の1つ(又は複数)の透過率の減光領域に対応した光源を点灯(オン)させ、他の減光領域に対応した光源を消灯(オフ)することにより、導光板20からの照射光の照度を調整することができる。加えて、光源を点灯する電流を調整することにより、広い照度ダイナミックレンジを実現している。
【0038】
図2に示すように、第1~第5減光領域141~145の配列は、端部側から順に第1減光領域141の透過率が0.1%、第1減光領域142の透過率が10%、第3減光領域143の透過率が100%、第4減光領域144の透過率が%、第5減光領域145の透過率が0.01%に設定されている。そして複数の光源ユニット18が直列状に配列されることにより、第1~第5減光領域が繰り返し配列される。すなわち、それぞれの光源ユニット18の減光手段の複数の減光領域の配列は、透過率が高い減光領域が中央寄り位置に設定され、端部側に行くにしたがって次第に透過率が低い減光領域が設定された構成となっている。
【0039】
減光手段の複数の減光領域の配列構成は、上記の構成に限らず基本的には任意でもよい。前述とは異なる複数の減光領域の配列構成として、例えば、透過率の大きいものから小さいものへ順番(100%、10%、1%、0.1%、0.01%の順に)に配列する構成も考えられる。この場合には、複数の光源ユニット18を配列して構成すると、複数の減光領域は、100%、10%、1%、0.1%、0.01%、100%、10%、1%、・・・と繰り返し配列される。この際、透過率が最も高い(100%)減光領域の隣に、透過率が最も低い(0.01%)減光領域が配置されることとなる結果、透過率が低い減光領域に対応した光源を点灯させた際に、該点灯した光源からの光の漏れが隣接の透過率の高い減光領域を透過し、全体的な照度が高くなってしまう。これに対し、複数の減光領域141~145を本実施形態のようなの配列構成とすることにより、透過率が高い減光領域からの光の漏れが透過率が低い減光領域からの光に影響するのを比較的少なくすることができ、より低照度の照明を実現し、ひいては、より広い照度ダイナミックレンジを実現するのに有利な配列構成となる。
【0040】
なお、隣接する光源からの漏れを少なくするために、図6に示すように、それぞれの光源ユニット18に、隣接する光源121~125どうしの間に遮光部50を設けることとしてもよい。遮光部50は、例えば、基板又は減光手段等に一体的に板状に形成され、各光源の照射方向を限定し、隣接する光源に対応した減光領域への干渉を低減しる。隣接する光源どうしの間に遮光部を設ける構成では、製造コストは若干高くなるが、隣接する減光領域への光の漏れの影響が少なくなると考えられるので、複数の減光領域の配列構成の自由度を高くできる。
【0041】
減光手段16は、例えば、高い透光性で厚みが薄く一方に長い透明プレートに光学薄膜を蒸着して複数の減光領域141~145が形成される。よって、減光手段16は、複数の透過率が異なる減光フィルタ部すなわち減光領域が配列された減光プレート部材52から構成されている。減光プレート部材52からなる減光手段16は、その一方のプレート面を光源121~125に密着又は近接して配置されるとともに、他方のプレート面を導光板20の側端部に近接又は密着して設置される。減光プレート部材52の長さが基板46と略同じ長さ、すなわち導光板20の一辺の長さと略同じ長さに設定され、1つの光源ユニット群44の複数の光源ユニットの第1~第5減光領域141~145を一体的に形成されている。なお、減光領域の透過率は上記したものに限らず任意でもよい。また、減光領域の数は、複数であれば任意でよい。減光領域は、装置構成や光源の制御を簡単にするために、例えば、3~6種類程度の透過率に設定して、繰り返し配列した構成とするとよい。また、それぞれの光源ユニット18では、1つの光源に対して1つの透過率の減光領域が対応付けされた構成に限らず、例えば、1つの減光領域に対して複数の発光ダイオードが配置される構成等、光源の数と減光領域の数とを同じ数又は異なる数に構成することとしてもよい。
【0042】
制御手段22は、光源ユニット18の光源121~125の基板46に電気的に接続されており、各光源121~125のオンオフ制御や電流調整による発光を制御する光源制御手段である。本実施形態では、制御手段22は、複数の光源ユニット18の減光手段16の各減光領域に対応した光源のいずれかを選択して点灯及び電流を調整するように制御される。すなわち、図5にも示すように、高い照度の範囲で照明する際には、各光源ユニット18では、透過率が高い(例えば、100%=OD0)の減光領域143に対応した第3光源123のみを点灯させ、その第3光源の電流を調整することで照度調整する。逆に低い照度の範囲で照明する際には、それぞれの光源ユニット18では、透過率が低い(例えば、0.01%=OD5)の減光領域145に対応した第5光源125のみを点灯させ、その第5光源の電流を調整することで照度調整する。同様に、目的の照度の範囲の透過率に設定された減光領域(OD0~OD4)に対応する光源を選択するとともに、その光源に入力する電流を調整することにより、多段階的な照度範囲を一つの装置構成で実現して、広い照度ダイナミックレンジでの照明を実現できる。具体的には、高い照度の第1照度範囲R1は、透過率100%(OD0)の減光領域143に対応した第3光源123を点灯するとともに、電流を調整することにより、32700Lx~2140Lxの範囲まで照度を調整することができる。次に高い照度の第2照度範囲R2は、透過率10%(OD1)の減光領域142に対応した第2光源122を点灯するとともに、電流を調整することにより、3280Lx~213Lxの範囲まで照度を調整することができる。次に高い照度の第3照度範囲R3では、透過率1%(OD2)の減光領域144に対応した第4光源124を点灯するとともに、電流を調整することにより、451Lx~29.3Lxの範囲まで照度を調整することができる。この際、第3照度範囲R3の減光領域の透過率は第2照度範囲R2の減光領域の透過率に対して1/10であるが、前述したように隣接する光源に対応する透過率が高い減光領域からの光の漏れ等の影響により、このような照度範囲となっている。以下、第4、第5照度範囲R4、R5も同様に隣接する光源からの光の漏れの影響によって、図のような照度範囲となっている。次に高い照度の第4照度範囲R4では、透過率0.1%(OD3)の減光領域141に対応した第1光源121を点灯するとともに、電流を調整することにより、67.8Lx~4.46Lxの範囲まで照度を調整することができる。最も低い照度の第5照度範囲R5では、透過率0.01%(OD4)の減光領域145に対応した第5光源125を点灯するとともに、電流を調整することにより、14.92Lx~0.98Lxの範囲まで照度を調整することができる。また、各照度範囲で、調整できる照度範囲に重なりを持たせているので、広い照度ダイナミックレンジ(32700Lx~0.98Lx)を連続的に変更調整することができる。なお、本実施形態では、各光源ユニット18では一つの光源が点灯されるが、複数の光源ユニット18が設置され導光板20に入射される構成であるので、導光板からは所定の範囲で照度が均一な照明光を得ることができる。なお、各光源ユニット18の光源は、一つの減光領域に対応したもののみを点灯する制御方法に限らず、複数の透過率の減光領域に対応した複数の光源を同時に点灯して照度を調整する制御方法としてもよい。
【0043】
本実施形態では、制御手段22は、例えば、コンピュータからなり、予め定められたテーブルを参照にして該第1~第5光源121~125の発光を制御するようになっている。すなわち、制御手段22は、演算処理装置と、メモリやハードディスク等の記憶装置、マウスやディスプレイあるいはタッチパネル等の入出力装置を備えたコンピュータからなり、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。制御手段22の記憶装置には、例えば、図7に示すような、照度と、点灯する光源と、該光源に入力する電流と、をテーブル表として記憶されている。制御手段22で、目的の照度を選択するだけで、テーブルを参照して、自動的に点灯する光源と、該光源に入力する電流が制御されて、照明調整することができる。図7に示すように、例えば、Lルクスの照度を得るためには、第M光源(M=1~5の整数)に、電流Iアンペアを入力して点灯調整するように制御手段22が光源ユニットの光源を発光制御する。
【0044】
なお制御手段22による光源ユニット18の光源121~125の制御は、テーブルを利用するものに限らずその他任意の制御方法を利用することとしてもよい。例えば、該制御手段22は、予め該光源に流す電流と照明装置から照射される光の照度との関係から近似して求められるn次多項式(nは2以上の整数)を利用して該光源の発光を調整・制御することとしてもよい。このようなn次多項式を利用した制御の場合、テーブルを利用するものと比較して、より高精度でかつ連続的に照度調整を行うことができる。
【0045】
例えば、照度をf(x)、光源に流す電流をxとすると、照度f(x)と電流xとの関係は数式1のような多項式で近似することができる。制御手段22で実際に光源の電流制御を行う場合には、上記の数式1をn次元(nは2以上の整数)までとした近似式として、数式2のn次多項式を利用することができる。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】
【0048】
具体的には、上記のように構成された照明装置10の第1~第5光源121~125に電流を変化させながら流して、図8のようにそれぞれの電流値での照度を測定する。なお、図8の表では、一部の値を省略して表している。そして、照度と電流の実際の測定値から、上記数式2の近似式の係数a~aを算出する。例えば、2次近似であればa、a、aの3つの係数を求めることとなり、6次近似であればa~aの6つの係数を求めることで近似式を算出することができる。n次多項式f(x)が決定したら、コンピュータ等からなる制御手段22に該n次多項式f(x)及びその解(電流x)を求める計算プログラム等を予め記憶させておく。なお、n次方程式の解を求める計算プログラムは周知のものを利用してもよい。照明装置10を利用するにあたって照度調整を行う際には、該n次多項式f(x)に目的の照度の数値を入力することにより、その解を求めて光源に流す電流xを算出して、その電流xを第1~第5光源121~125のいずれかに流す制御を行って照度調整を行うことができる。なお、n次多項式では、最大n個の解(x)が存在するが、発光ダイオードからなる光源の電流として適正な値となる種々の境界条件(例えば、電流が正の実数、発光ダイオードの最大定格電流など)により1つの電流に決定される。次数nが大きいほど高精度に照度を調整することができるが、解である電流xを求めるための計算処理の負荷及び時間を要し照度調整に時間がかかることから、精度と調整時間等のバランスを考慮して次数nを決定するとよい。
【0049】
図9のグラフは、図8の実測値を元にして求めた近似式として、6次多項式を利用した場合の照度と電流の関係を示すグラフの例である。図9(a)は透過率100%(OD0)の第3減光領域143に対応した第3光源123のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。同様に図9(b)は透過率10%(OD1)の第2減光領域142に対応した第2光源122のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図9(c)は透過率1%(OD2)の第4減光領域144に対応した第4光源124のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図8(d)は透過率0.1%(OD3)の第1減光領域141に対応した第1光源121のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。図9(e)は透過率0.01%(OD4)の第5減光領域145に対応した第5光源125のみを点灯して制御を行う際の電流を調整する場合のグラフである。さらに、図9(f)は、電流(mA)を横軸とし、図8での測定照度を規格化した規格化照度(%)を縦軸として、規格化照度と電流との関係を表したグラフである。図9(f)では、いずれの減光領域(OD0~OD4)に対応する第1~第5光源の各制御用の6次多項式どうしが互いに近似しておりグラフ上では重なって表されている。このように、制御手段22がn次多項式を利用して照度調整する場合には、目的の照度を入力選択するだけで自動的に点灯する光源を選択するとともに、該光源に対応するn次多項式により該光源に入力する電流が制御されて、高精度でかつ広いダイナミックレンジを連続的に照度調整することができる。
【0050】
次に図10図11を参照しつつ本発明の照明装置の第2の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態に係る照明装置は、上記実施形態同様に、列状に配列された複数の光源121~125と、複数の減光領域141~145を配列した減光手段16と、を備えた光源ユニット18を複数有している。各光源ユニット18における第1~第5光源121~125の配列や、減光手段16の第1~第5減光領域141~145の透過率の配列等は上記実施形態と略同じに構成されている。複数の光源ユニット18から構成された光源ユニット群44aが正八角形の導光板の側端部すなわち外形輪郭に沿って正八角形枠状にそれぞれ設置された構成も同様である。
【0051】
本実施形態では、光源ユニット群44aは、各光源ユニット18の構成は、上記実施形態と略同じ構成であるが、複数の光源ユニット18が行列状に配列されて構成されている。さらに、光源ユニット44aでは、直列方向(横方向H)に配列された光源ユニット18どうしは、同一色(波長)で発光する光源で設定されるとともに、並列方向(縦方向V)に配列される光源ユニットどうしでは、異なる色(波長)で発光する光源となるように設定されている。
【0052】
具体的には、光源ユニット群44aは、同一基板46に、該光源ユニット44aを構成している複数の光源ユニット18の第1~第5光源121~125が所定間隔で行列状に固定されている。上から1段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45G)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は緑色に発光するように設定されている。上から2段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45R)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は赤色に発光するように設定されている。上から3段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45W)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は白色に発光するように設定されている。上から4段目に直列状(横方向H)に配列されて構成された光源ユニット列(45B)では、各光源ユニット18の第1~第5光源121~125は青色に発光するように設定されている。このように並列方向(縦方向V)に配列される光源ユニットどうしでは、異なる4色の光源で設定されている。並列状に配列される複数の光源ユニット18では、並列方向に第1光源121どうしが直線状に配列されるとともに、第1減光領域141どうしが直線状に形成される。同様に、第2光源122どうし及び第2減光領域142どうしが縦方向に並設され、第3光源123どうし及び第3減光領域143どうしが縦方向に並設され、第4光源124どうし及び第4減光領域144どうしが縦方向に並設され、第5光源125どうし及び第5減光領域145どうしが縦方向に並設される。言い換えると、異なる透過率の減光領域141~145が配列されている減光手段16において、それぞれの減光領域141~145では複数の異なる色(4色)の光源が並列して配置された構成と言える。なお、本実施形態でも前記図6のように、各光源ユニット18において直列方向に隣接する光源どうしの間に遮光部を設けることとしてもよい。
【0053】
図11に示すように、それぞれの光源ユニット群44aの複数の光源ユニット18の減光手段16は、行列状に配列された光源ユニット18の配置領域に対応した広さの1枚の減光プレート部材52で構成されている。すなわち、直列方向(横方向H)には第1~第5減光領域141~145が繰り返して配列されるとともに、並列方向(縦方向V)には、同一の減光領域が設定されるように、一枚の透明プレートに光学素材を蒸着して形成されている。さらに減光手段16を構成する減光プレート部材52は、各光源の照射面側であって導光板20の各辺の側端部に近接又は密着して配置されている。なお、図11では、説明のために減光プレート部材52の一部を切り欠いてあらわしている。
【0054】
基板46は、光源ユニット18の各光源121~125のオンオフ制御や電流調整による発光を制御する制御手段22に電気的に接続されている。本実施形態では、制御手段22により、特定の一つの色(波長)の光源のみすなわち緑、赤、白、青のいずれかの光源のみを点灯させることにより、その選択した色の光で照明することができる。さらに、制御手段22によって、複数の色の光源を組み合わせて点灯させることで、より多数の色(波長)の光に変化させて照明することもできる。併せて、同制御手段22により、上記実施形態と同様なテーブルやn次多項式により各光源に流す電流を調整して、それぞれの色での照度を調整することができる。これにより、1台の照明装置だけで、多数の色に変化させながら照明を行える同時に、広い照度ダイナミックレンジを実現することができる。なお、並列状に配列される複数の光源ユニットの光源に設定される色(波長)は、4つの色に限らず、2色、3色又は5色以上に設定してもよい。光源ユニット群44,44aを構成する複数の光源ユニット18は、上記実施形態では、該減光手段の該減光領域の配列が同じとなるものを配列したが、該減光領域の配列構成が異なるものを配列して構成することとしてもよい。
【0055】
以上説明した本発明の照明装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の照明装置は、例えば、広ダイナミックレンジの固体撮像素子等の光学デバイスのテスト用の照明装置やその他種々の広い照度範囲で照度を変更させながら照明を行う照明装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10 照明装置
121~125 光源
141~145 減光領域
16 減光手段
18 光源ユニット
20 導光板
22 制御手段
24 筐体
26 筐体本体
28 ベースプレート
30 光源ユニット固定ブロック
32 導光板押えブロック
34 クッション材
36 均一化手段
38 反射シート
40 裏面プレート
42 拡散板
44、44a 光源ユニット群
46 基板
50 遮光部
52 プレート