(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042699
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20230320BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230320BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20230320BHJP
F21V 11/16 20060101ALI20230320BHJP
F21V 11/02 20060101ALI20230320BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230320BHJP
F21V 9/14 20060101ALI20230320BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20230320BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230320BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230320BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F21V33/00 330
F21V3/10 310
F21V11/16
F21V11/02
F21S2/00 350
F21V9/14
F21V3/06 110
F21V3/00 320
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149962
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】國分 喜勝
【テーマコード(参考)】
3K014
3L058
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014PD03
3K014RA03
3L058BK10
(57)【要約】
【課題】照明部からの光に起因する使用者の不快感を軽減することが可能なレンジフードを提供する。
【解決手段】
レンジフード100は、光源151と、光源151の光を調理空間200に透過させる開口部156Mと、開口部156Mを介した光源151から調理空間200への光の経路に設けられた防眩部材154と含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の光を調理空間に透過させる光透過領域と、
前記光透過領域を介した前記光源から前記調理空間への光の経路に設けられた防眩部材と
を備えたレンジフード。
【請求項2】
前記防眩部材が、前記光透過領域を覆っている請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記光透過領域は、板状部材に設けられた開口部である請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記板状部材と前記光源との間に設けられた光透過性部材をさらに有する請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記光透過性部材は、前記開口部と前記防眩部材との間に設けられている請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記防眩部材の少なくとも一部が、前記板状部材および前記光透過性部材に挟持されている請求項4または5に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記防眩部材は、前記光透過性部材の外面に沿って設けられ、前記光透過性部材の形状に対応する屈曲部または湾曲部の少なくとも一方を有する請求項4~6のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項8】
前記防眩部材は、防眩フィルムである請求項1~7のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項9】
前記防眩部材を通過した光は、所定の角度範囲に進行する請求項1~8のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項10】
前記防眩部材は、ルーバー構造を有する請求項1~9のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項11】
前記防眩部材を介して前記光源から前記調理空間に照射された光は、前記光源の水平方向から前記調理空間側に10度以上の角度を有する請求項1~10のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項12】
前記防眩部材を介して前記光源から前記調理空間に照射された光は、前記光源の水平方向から前記調理空間側に15度以上の角度を有する請求項1~10のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項13】
前記防眩部材を介して前記光源から前記調理空間に照射された光は、前記光源の水平方向から前記調理空間側に30度以上の角度を有する請求項1~10のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項14】
前記防眩部材は、直線偏光を透過させる請求項1~8のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項15】
前記光源は、LEDを含む請求項1~14のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項16】
光源と、
前記光源の光を調理空間に透過させる光透過領域と、
前記光透過領域を介した前記光源から前記調理空間への光の経路のうち、前記光透過領域の一部に重なる位置に設けられた不透明部材と
を備えたレンジフード。
【請求項17】
前記不透明部材は、曇りガラスである請求項16に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅のキッチン、あるいは、レストラン、コンビニエンスストア、スーパーおよびデパート等の調理場には、加熱調理によって発生する油煙および臭気等を吸引するため、レンジフードが設置される。このレンジフードには、調理の際に、使用者(調理者)の手元および調理物等を照らすため、照明部が設けられている(たとえば、特許文献1)。照明部には、たとえば、LED(Light Emitting Diode)等の光源が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者は、このような照明部からの光をまぶしく、不快に感じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明では、照明部からの光に起因する使用者の不快感を軽減することが可能なレンジフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1のレンジフードは、光源と、光源の光を調理空間に透過させる光透過領域と、光透過領域を介した光源から調理空間への光の経路に設けられた防眩部材とを備える。
【0007】
本発明に係る第2のレンジフードは、光源と、前記光源の光を調理空間に透過させる光透過領域と、光透過領域を介した前記光源から前記調理空間への光の経路のうち、前記光透過領域の一部に重なる位置に設けられた不透明部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る第1のレンジフードには、防眩部材が設けられているので、光源の光は防眩されて調理空間に照射される。また、本発明に係る第2のレンジフードには、不透明部材が設けられているので、光源の光は不透明部材で少なくともその一部が反射、吸収または拡散されて調理空間に照射される。これにより、光源からの光が直接調理空間に照射される場合に比べて、使用者は照明部からの光をまぶしいと感じにくくなる。したがって、照明部からの光に起因する使用者の不快感を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るレンジフードの構成の一例を調理空間とともに示す正面図である。
【
図2】
図1に示したレンジフードの調理空間側の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示したIII-III線に沿った断面構成を示す図である。
【
図4】
図3に示した照明部の構成の一例を示す断面図である。
【
図5】
図4に示した照明部から照射される光の角度範囲の一例を示す模式図である。
【
図6】
図4に示した照明部から照射される光の角度範囲の他の例を示す模式図である。
【
図7】
図4に示した照明部から照射される光の角度範囲のその他の例を示す模式図である。
【
図8】
図4に示した開口部および防眩部材の平面構成を示す模式図である。
【
図9】
図4に示した防眩部材の他の例を示す模式図である。
【
図10】
図4に示した防眩部材のその他の例を示す模式図である。
【
図11】
図4に示した防眩部材のその他の例を示す模式図である。
【
図12】
図4に示した防眩部材のその他の例を示す模式図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係るレンジフードの照明部の構成を示す断面図である。
【
図15】
図13に示した照明部のその他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、以下の説明では、重力方向の上下を、単に上下と称する。
【0011】
[第1実施形態]
(レンジフードの構成)
図1は、本発明に係る第1実施形態のレンジフード(レンジフード100)を調理空間200とともに表している。調理空間200は、たとえば、住宅のキッチン、あるいは、レストラン、コンビニエンスストア、スーパーおよびデパート等の調理場に設けられている。この調理空間200は、バーナー、コンロおよびヒーター等の熱源210を有している。調理空間200は、使用者(調理者)が作業を行い得るレンジフード100の下方の空間である。レンジフード100は、調理空間200の上部に設置されており、調理空間200で発生する臭気および油煙等を吸い込み、外部に排出する。
【0012】
図2は、レンジフード100の調理空間200側、即ち、下側を表す斜視図であり、
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面構成を表している。レンジフード100は、たとえば、筐体110、送風機130および照明部150を含んでいる。筐体110は、下面110Bを有しており、この下面110Bに、調理空間200から臭気および油煙等を吸い込むための吸引口Sが設けられている。
【0013】
送風機130は、吸引口Sから臭気および油煙等を吸い込むための吸引力を発生させるとともに、吸い込んだ臭気および油煙等を筐体の外部に排出する。レンジフード100は屋外に排気を行ってもよく、あるいは、室内に排気を行ってもよい。レンジフード100には、油吸着フィルター、脱煙フィルター、脱臭フィルターおよびエアフィルター等(図示せず)が設けられていてもよい。
【0014】
図4は、
図3に示した照明部150を拡大して表している。照明部150は、たとえば、光源151、支持部152、光透過性部材153、防眩部材154および板状部材155,156を含んでいる。
【0015】
光源151、支持部152、光透過性部材153および防眩部材154は、板状部材155,156で囲まれた空間内に収容されている。下面110B(
図2、
図3参照)側に配置された板状部材156には、開口部156Mが設けられている。光源151で発生した光は、この開口部156Mを通って、調理空間200に照射される。換言すれば、開口部156Mは、光源151の光を調理空間200に透過させる。ここでは、この開口部156Mが、本発明の光透過領域の一具体例に対応する。
【0016】
光源151は、可視光を発生させる。光源151はLEDを含んでいることが好ましい。LEDは、白熱球および蛍光灯等の他の光源に比べて寿命が長いためである。これにより、ほぼ毎日、照明部150の点灯および消灯を繰り返して使用した場合にも、光源151の交換頻度を少なくすることができる。
【0017】
支持部152は、光源151を支持している。支持部152は、たとえば、板状部材155に取り付けられている。光源151および支持部152は、板状部材156の開口部156Mに対向する位置に配置されている。
【0018】
光透過性部材153は、たとえば、板状の透光性(透明)部材であり、ガラス基板またはプラスチック基板等により構成されている。光透過性部材153は、たとえば、板状部材156近傍に、開口部156Mを塞ぐように配置されている。即ち、光透過性部材153の平面形状は、開口部156Mよりも大きくなっている。このように、光透過性部材153を開口部156Mに設けることにより、調理空間200から吸引される油煙等が光源151に付着することを防ぎ、光源151等の劣化を抑えることができる。
【0019】
防眩部材154は、開口部156Mを介した光源151から調理空間200への光の経路に設けられている。防眩部材154は、たとえば、防眩フィルムである。本実施形態では、光源151で発生した光は、この防眩部材154を透過して調理空間200に照射される。これにより、調理空間200の使用者(後述の
図5等の使用者400)は照明部150からの光をまぶしいと感じにくくなる。
【0020】
防眩部材154は、たとえば、ルーバー構造が設けられたフィルムであり、防眩部材154を透過した光は、所定の角度範囲に進行する。これにより、照明部150は、使用者の目線の位置を避けて光を照射することが可能となるため、光に起因する使用者の不快感を軽減するとともに、使用者が調理空間200で作業をするための十分な照度を維持することが可能となる。
【0021】
図5~
図7は、照明部150から調理空間200への光の照射方向の一例を表している。照明部150からの光の照射方向は、たとえば、照明部150の位置と調理空間200を使用する使用者400の目線の位置との関係に応じて調整されている。
【0022】
たとえば、照明部150が、レンジフード100の前方、即ち、使用者400に比較的近い位置に配置されているとき(
図5)、防眩部材154を透過した光の進行方向は、照明部150(光源151)の水平方向Hから調理空間200側、即ちレンジフード100の下側に30度以上の角度aを有することが好ましい。換言すれば、照明部150の水平方向Hに30度以上の角度aを有する光が照射されるように、防眩部材154が設けられていることが好ましい。使用者400の身長は、たとえば、150cmである。
【0023】
たとえば、照明部150が、レンジフード100の後方、即ち、使用者400に比較的遠い位置に配置されているとき(
図6)、防眩部材154を透過した光の進行方向は、照明部150(光源151)の水平方向Hから調理空間200側に10度以上の角度aを有することが好ましい。換言すれば、照明部150の水平方向Hに10度以上の角度aを有する光が照射されるように、防眩部材154が設けられていることが好ましい。
【0024】
照明部150が、レンジフード100の前方と後方との中間に配置されているとき(
図7)には、防眩部材154を透過した光の進行方向は、照明部150(光源151)の水平方向Hから調理空間200側に15度以上の角度aを有することが好ましい。換言すれば、照明部150の水平方向Hに15度以上の角度aを有する光が照射されるように、防眩部材154が設けられていることが好ましい。
【0025】
上記で説明したレンジフード100の前方、後方および中間は、たとえばそれぞれ、レンジフード100の奥行方向の大きさを3つに等分した部分である。たとえば、レンジフード100の奥行方向の大きさが600mmであるとき、使用者400の位置から0mm~200mm程度の位置が前方、201mm~400mm程度の位置が中間、401mm~600mm程度の位置が後方である。特に、レンジフード100の奥行方向の大きさが600mm~650mm程度の大きさであるとき、上記の角度aにより、使用者400の目線の位置を避けて光を照射することができる。
【0026】
防眩部材154は、直線偏光を選択的に透過させる偏光フィルムであってもよい。これにより、いわゆる表面反射光が除去され、使用者が照明部150からの光をまぶしいと感じにくくなる。
【0027】
フィルム状の防眩部材154は、たとえば、光透過性部材153の外面に沿って設けられており、光透過性部材153の一方の主面(光源151側側の面)から一対の端面を介して他方の主面(調理空間200側の面)の両端部を覆っている。この光透過性部材153の他方の主面と板状部材156との間に、防眩部材154の一部が挟持されている。
【0028】
光透過性部材153の他方の主面の中央部、即ち、開口部156Mに露出されている部分は、防眩部材154に覆われていない。換言すれば、開口部156Mと防眩部材154との間には光透過性部材153が設けられている。
【0029】
光透過性部材153の外面に沿って設けられた防眩部材154は、たとえば、板状の光透過性部材153の角部に対応する位置に屈曲部154vを有している。たとえば、防眩部材154は、光透過性部材153の角部に対応する4つまたは8つの屈曲部154vを有している。たとえば、光透過性部材153の角部が丸みを帯びているとき、防眩部材154は、湾曲部を有していてもよい(図示せず)。防眩部材154は、屈曲部154vおよび湾曲部を有していてもよい。たとえば、防眩部材154に、あらかじめ屈曲部154vまたは湾曲部を設ける加工を行った後、この屈曲部154vまたは湾曲部を有する防眩部材を光透過性部材153に装着する。これにより、容易に、防眩部材154を光透過性部材153の外面に沿わせることができる。
【0030】
図8は、光源151側からみた防眩部材154および開口部156Mの平面形状の一例を表している。防眩部材154および開口部156Mは、たとえば、矩形等の四角形の平面形状を有している。この防眩部材154の平面形状は、開口部156Mの平面形状よりも大きく、防眩部材154が開口部156Mを覆っている。これにより、調理空間200に照射される光の全部が、防眩部材154を透過する。防眩部材154および開口部156Mは、同じ大きさの平面形状を有していてもよい。
【0031】
図9~
図12は、防眩部材154の他の例を表している。
【0032】
防眩部材154は、光透過性部材153の一方の主面を覆うように設けられていてもよく、一対の端面および他方の主面の両端部を覆っていなくてもよい(
図9)。このとき、防眩部材154は、光源151と光透過性部材153との間に配置されている。
【0033】
防眩部材154は、開口部156Mの一部に重なる位置に配置されていてもよい(
図10)。換言すれば、開口部156Mの一部は、防眩部材154から露出されていてもよい。このとき、調理空間200に照射される光は、防眩部材154を透過していない光、即ち、光源151から直接照射される光を含んでいる。
【0034】
防眩部材154は、光透過性部材153の他方の主面を覆うように設けられていてもよい(
図11)。このとき、防眩部材154は、光透過性部材153と板状部材156(開口部156M)との間に配置されている。この防眩部材154が、開口部156Mの一部に重なる位置に配置されていてもよい(図示せず)。
【0035】
防眩部材154と光透過性部材153との間に板状部材156(開口部156M)が配置されていてもよい(
図12)。このとき、光源151で発生した光は、光透過性部材153、開口部156Mおよび防眩部材154をこの順に通過する。
【0036】
〔レンジフード100の作用効果〕
本実施形態のレンジフード100では、使用者(たとえば、
図5等の使用者400)が照明部150の電源をオンすると、光源151で光が発生する。この光源151で発生した光は、たとえば、防眩部材154、光透過性部材153および開口部156Mをこの順に通過して調理空間200に照射される。たとえば、防眩部材154を透過した光は、使用者の目線の位置を除けるように、所定の角度範囲で調理空間200に照射される(たとえば、
図5~
図7参照)。あるいは、防眩部材154を透過した直線偏光が調理空間200に照射される。
【0037】
このように、レンジフード100では、開口部156Mを介した光源151から調理空間200への光の経路に防眩部材154が設けられているので、光源151で発生した光は防眩され、調理空間200に照射される。したがって、光源151からの光が直接調理空間200に照射される場合に比べて、使用者は照明部150からの光をまぶしいと感じにくくなり、照明部150からの光に起因する使用者の不快感を軽減することが可能となる。特に、光源151が、光の直進性の比較的高いLEDにより構成されているときにも、使用者はレンジフード100を快適に使用することができる。
【0038】
また、防眩部材154は開口部156Mを覆っていることが好ましい。これにより、調理空間200に照射される光の全てが防眩部材154を透過するので、調理空間200に照射される光をより効果的に防眩することができる。
【0039】
以上のように、本実施形態のレンジフード100では、防眩部材154が設けられているので、光源151からの光は防眩されて調理空間200に照射される。これにより、光源151からの光が直接調理空間200に照射される場合に比べて、使用者は照明部150からの光をまぶしいと感じにくくなる。したがって、照明部150からの光に起因する使用者の不快感を軽減することが可能となる。
【0040】
また、防眩部材154の少なくとも一部は、光透過性部材153と板状部材156との間に挟持されていることが好ましい(
図4、
図11)。これにより、防眩部材154の位置が固定されるので、粘着剤またはねじ等の他の部材を使用することなく、防眩部材154の位置ずれを抑えることが可能となる。よって、防眩部材154の位置の固定に要するコストを抑えるとともに、粘着剤またはねじ等の他の部材に起因する防眩部材の破損および劣化等を抑えることができる。
【0041】
また、光透過性部材153の外面に沿って設けられた防眩部材154は、光透過性部材153の形状に対応する屈曲部154vまたは湾曲部の少なくとも一方を有することが好ましい(
図4)。これにより、防眩部材154が光透過性部材153の外面に保持され、防眩部材154の撓みおよび位置ずれ等を抑えることが可能となる。
【0042】
また、開口部156Mと防眩部材154との間に、光透過性部材153が設けられていることが好ましい(
図4、
図9および
図10)。これにより、防眩部材154のうち、開口部156Mに向かう部分が光透過性部材153により保護されるので、調理空間200で発生する油煙の熱に起因する防眩部材154の破損および変形等を抑えることができる。また、調理空間200で発生する油煙が防眩部材154に付着しにくくなり、防眩部材154への油煙の付着に起因する防眩効果および照度の低下等を抑えることができる。加えて、防眩部材154の清掃頻度を減らすことが可能となり、清掃に起因する防眩部材154の傷、破損および変形等を抑えることも可能となる。さらに、使用者が防眩部材154に触れることに起因する防眩部材154の傷、汚れ、破損および変形等も抑えることができる。
【0043】
以下、上記第1実施形態で説明したレンジフード100の他の実施形態を説明する。なお、以下では、説明の重複を避けるため、上記第1実施形態で説明したレンジフード100の各構成と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0044】
[第2実施形態]
図13は、本発明の第2実施形態に係るレンジフードの照明部350の構成の一例を表している。この照明部350は、防眩部材(
図4等の防眩部材154)に代えて、不透明部材354を有している。この点を除き、第2実施形態で説明する照明部350は、上記第1実施形態で説明した照明部150と同様の構成を有している。
【0045】
不透明部材354は、たとえば、板状の曇りガラス等により構成されている。不透明部材354は、光源151からの光の一部を反射、吸収または拡散する部材、即ち、比較的低い光透過率を有する部材であればよい。不透明部材354は、たとえば、光源151と光透過性部材153との間に設けられ、光透過性部材153に重ねて配置されている。
【0046】
この不透明部材354は、開口部156Mを介した光源151から調理空間200への光の経路のうち、開口部156Mの一部に重なる位置に配置されている。換言すれば、開口部156Mの一部は、不透明部材354から露出されている。光源151で発生した光の一部は、不透明部材354に向かい、残りは不透明部材354から露出された光透過性部材153に向かう。不透明部材354に向かう光の一部は、不透明部材354により反射、吸収または拡散される。
【0047】
図14および
図15は、照明部350の他の例を表している。不透明部材354は、板状部材156上に、光透過性部材153と並んで配置されていてもよい(
図14)。あるいは、照明部350は、光透過性部材(たとえば、
図14の光透過性部材153)を有していなくてもよい(
図15)。
【0048】
このように、照明部350は、開口部156Mの一部に重なる位置に配置された不透明部材354を有していてもよい。この照明部350が調理空間200に照射する光は、不透明部材354を通過した光と、不透明部材354を通過していない光とを含んでいる。このため、照明部350からの光に起因する使用者の不快感を軽減するとともに、使用者が調理空間200で作業をするための十分な照度を維持することが可能となる。
【0049】
以上、実施形態において本発明のレンジフードについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができる。たとえば、上記実施形態で説明したレンジフードの各部の構成、形状および大きさ等は一例であり、他の構成、形状および大きさ等であってもよい。
【0050】
たとえば、照明部150,250は、防眩部材154または不透明部材354とともに、光拡散フィルム等の光拡散部材を有していてもよい。あるいは、照明部は、防眩部材または不透明部材に代えて、光拡散部材を有していてもよい。光拡散部材を有することにより、光源の光が広い範囲に均一に拡散されるので、光源に含まれるLEDの数を少なくすることが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
100 レンジフード、
110 筐体、
110B 下面、
130 送風機、
150,350 照明部、
151 光源、
152 支持部、
153 光透過性部材、
154 防眩部材、
155,156 板状部材、
156M 開口部、
200 調理空間、
210 熱源、
354 不透明部材、
S 吸引口。