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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042707
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 5/10 20060101AFI20230320BHJP
   A47K 13/10 20060101ALI20230320BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230320BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
E03D5/10
A47K13/10
E03D9/00 Z
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149976
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 嵩正
(72)【発明者】
【氏名】山口 純平
(72)【発明者】
【氏名】大塚 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】森 俊徳
(72)【発明者】
【氏名】田村 秀樹
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB06
2D037AB07
2D037AD13
2D037AD14
2D037AD16
2D038AA01
2D038AA03
2D038BC01
2D038CA01
2D038JC11
2D038KA01
2D038KA03
2D038KA06
2D039AA02
2D039DB08
2D039FA03
2D039FA08
(57)【要約】
【課題】ミストの噴出音を聞こえにくくできるトイレ装置を提供する。
【解決手段】便鉢部13を有する便器本体10と、前記便器本体10の所定領域にミストを噴霧する噴霧装置47と、前記噴霧装置47を制御する制御装置49と、前記噴霧装置47及び前記制御装置49とは別の装置と、を有し、前記制御装置49は、前記別の装置の作動中に、前記噴霧装置47を作動させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢部を有する便器本体と、
前記便器本体の所定領域にミストを噴霧する噴霧装置と、
前記噴霧装置を制御する制御装置と、
前記噴霧装置及び前記制御装置とは別の装置と、を有し、
前記制御装置は、前記別の装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させる、トイレ装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記別の装置の作動を開始した後に、前記噴霧装置の作動を開始させる、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記別の装置の作動を終了する前に、前記噴霧装置の作動を終了させる、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記別の装置は、前記便鉢部を洗浄する洗浄装置であり、
前記制御装置は、前記洗浄装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させる、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記別の装置は、前記便鉢部を脱臭する脱臭装置であり、
前記制御装置は、前記脱臭装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させる、請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記脱臭装置は、空気の通過路に気流を形成する脱臭ファンを有し、
前記制御装置は、前記脱臭ファンの回転数が高くなったときに、前記噴霧装置を作動させる、請求項5に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記便鉢部の上面に沿っている倒伏状態と前記便鉢部の上面から上方に立っている起立状態とに回転移動する便座及び便蓋のいずれかを有し、
前記別の装置は、前記便座及び便蓋のいずれかを電動で回転移動させる駆動装置であり、
前記制御装置は、前記駆動装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させる、請求項1から請求項6までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項8】
前記別の装置は、音楽再生装置であり、
前記制御装置は、前記音楽再生装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させる、請求項1か請求項7までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項9】
前記便鉢部の上面に沿っている倒伏状態と前記便鉢部の上面から上方に立っている起立状態とに回転移動する便蓋を有し、
前記制御装置は、前記便蓋が前記倒伏状態であるとき、及び前記便蓋が前記起立状態から前記倒伏状態に回動移動する途中であるときのいずれかにおいて、前記噴霧装置を作動させる、請求項1か請求項8までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【請求項10】
前記便鉢部の上側を覆う便蓋を有し、
前記所定領域は、前記便蓋によって前記便鉢部を覆った状態における前記便蓋よりも下側の領域である、請求項1から請求項9までの何れか一項に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載されているように、便器本体の所定領域にミストを噴霧する噴霧装置を備えたトイレ装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-112922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなトイレ装置において、例えば「シャー」などとミストの噴出音が聞こえると、使用者はその音に違和感を与えられてしまう虞があり、漏水と勘違いする虞もある。トイレ装置においてミストの噴出音を聞こえにくくしたいという要望がある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ミストの噴出音を聞こえにくくできるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトイレ装置は、便鉢部を有する便器本体と、前記便器本体の所定領域にミストを噴霧する噴霧装置と、前記噴霧装置を制御する制御装置と、前記噴霧装置及び前記制御装置とは別の装置と、を有し、前記制御装置は、前記別の装置の作動中に、前記噴霧装置を作動させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレ装置であって、トイレ室に設置した状態を示す斜視図
図2】トイレ装置の一部を切り欠いて示す一部切欠断面図
図3】トイレ装置の一部構成を示すブロック図
図4】ミストのタイミングを示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
トイレ装置Rは、水洗式大便器である。トイレ装置Rは、図1に示すように、トイレ室の床面に設置される。トイレ装置Rは、便器本体10と、便座装置40と、便器洗浄装置46と、操作部20と、検知部30と、を備えている(図3参照)。便座装置40は、便座11、便蓋12、ケーシング41及び手洗い器25を有している。便器洗浄装置46は、図示しない洗浄タンクを有している。洗浄タンクはケーシング41にカバーされている。
【0009】
各構成部材において、トイレ装置Rがトイレ室に設置された状態における上側を上側、下側を下側、トイレ装置Rに通常の姿勢で座った人から見て前側を前側、後側を後側、左側を左側、右側を右側として説明する。図1のZ軸の正方向側は前側、Z軸の負方向側は後側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、X軸の正方向側は左側、X軸の負方向側は右側を示す。
【0010】
便座11及び便蓋12は、それぞれ、便器本体10の上面に沿っている倒伏状態と、便器本体10の上面から上方に立っている起立状態とに回転移動する。便蓋12は、蓋部12Aと、周縁部12Bとを有している。便蓋12の倒伏状態において、蓋部12Aは便座11の上面を覆い、周縁部12Bは便座11の外周面を覆う(図2参照)。
【0011】
便器本体10は、図2に示すように、便鉢部13を備えている。便鉢部13は、汚物を受ける汚物受け面14を有している。便鉢部13には、水が溜められる。便鉢部13は、倒伏状態の便蓋12によって上側を覆われる。
【0012】
便鉢部13の上縁部は、リム部15である。リム部15は、平面視、環状をなしている。リム部15は、上面16と内面17とを有している。リム部15の上面16は、倒伏状態の便座11の下面と向き合う。リム部15の内面17は、汚物受け面14の上側に連続している。リム部15の内面17は、汚物受け面14よりも垂直に近い角度で立ち上がっている。
【0013】
リム部15には、洗浄水を吐出する吐出口18が設けられている。吐出口18は、便鉢部13の後側に配置されている。吐出口18から吐き出された洗浄水は、リム部15の内面17に沿って流れ、便鉢部13を旋回する。
【0014】
便座装置40は、図2に示すように、便器本体10の後部上面に配置されている。便座装置40は、手動及び電動のいずれかによって、便器本体10の上面から上昇したり、便器本体10の上面に下降したりする。手動で便座装置40を上昇させる場合、使用者は、便座装置40に備えられたロック部23(図1参照)を押し操作してロックを解除し、手で便座装置40を持ち上げる。手動で便座装置40を下降させる場合、使用者は、手で便座装置40をゆっくり押し下げる。電動で便座装置40を上昇及び下降させる場合、使用者は、後述する第一操作部21を操作する。第一操作部21を操作することによって図示しない昇降装置が作動し、便座装置40は上昇及び下降する。
【0015】
トイレ装置Rは、図3に示すように、各種装置を備えている。各種装置は、脱臭装置42、便座用駆動装置43、便蓋用駆動装置44、局部洗浄装置45、便器洗浄装置46、噴霧装置47、音楽再生装置48及び制御装置49を有している。脱臭装置42、便座用駆動装置43、便蓋用駆動装置44、局部洗浄装置45、便器洗浄装置46、噴霧装置47及び音楽再生装置48は、制御装置49によって制御されている。制御装置49は、操作部20の操作情報及び検知部30の検知情報に基づいて、これら装置を制御する。
【0016】
操作部20は、各種装置を操作するために設けられている。使用者が操作部20を操作すると、操作信号が制御装置49に送られる。制御装置49は、送られた操作信号に基づいて各種装置を制御する。使用者は、操作部20を操作することによって、任意のタイミングで各種装置を作動できる。
【0017】
操作部20は、図1に示すように、トイレ装置Rから離れた場所にある第一操作部21と、トイレ装置R自身に備えられた第二操作部22とを備えている。第一操作部21は、例えばトイレ室の壁面に取り付けられたリモコンである。第一操作部21は、各種装置に対応した複数のスイッチを備えている。スイッチは、例えば局部洗浄スイッチ、便器洗浄スイッチ、ミストスイッチ等を有している。第二操作部22は、例えば便座装置40に設けられた洗浄ハンドルやレバーである。
【0018】
検知部30は、図3に示すように、人体検知部31及び着座検知部32を有している。人体検知部31は、便器本体10の前方に存在する使用者を検知する。人体検知部31は、上側検知部及び下側検知部を備えている。上側検知部は、便蓋12の倒伏状態において便器本体10の前方に存在する使用者を検知する。下側検知部は、便蓋12の起立状態において便器本体10の前方に存在する使用者を検知する。着座検知部32は、便座11への使用者の着座の有無を検知する。
【0019】
脱臭装置42は、ケーシング41の内部に収容されている。脱臭装置42は、制御装置49からの指令に基づいて作動する。脱臭装置42は、使用者が便座11に着座すると自動的に作動する。脱臭装置42は、便鉢部13の内部の空気を吸い込んで脱臭し、外部に排出する。脱臭装置42は、空気の通過路に気流を形成する脱臭ファンを備えている。
【0020】
便座11及び便蓋12は、手動及び自動のいずれかによって回転移動する。手動の場合、便座11及び便蓋12は、使用者の手で押されて回転移動する。自動の場合、便座11及び便蓋12は、便座用駆動装置43及び便蓋用駆動装置44の作動によって回転移動する。便座用駆動装置43及び便蓋用駆動装置44は、ケーシング41に固定されている。便座用駆動装置43は、制御装置49からの指令に基づいて、電動で便座11を回転移動させる。便蓋用駆動装置44は、制御装置49からの指令に基づいて、電動で便蓋12を回転移動させる。便蓋用駆動装置44は、便座11に着座する前の使用者が便器本体10の近傍に接近すると、自動的に作動し、便蓋12を倒伏状態から起立状態に回転移動させる。便蓋用駆動装置44は、便座11から立ち上がった使用者が便器本体10から離れると、自動的に作動し、便蓋12を起立状態から倒伏状態に回転移動させる。
【0021】
局部洗浄装置45は、制御装置49からの指令に基づいて作動する。局部洗浄装置45は、局部洗浄用の水を吐出するノズル45Aを備えている。使用者は、第一操作部21を操作することによって、任意のタイミングで局部洗浄装置45を作動し、局部を洗浄できる。
【0022】
便器洗浄装置46は、吐出口18を介して便鉢部13に洗浄水を供給し、便鉢部13を洗浄する。便器洗浄装置46は、手動及び自動のいずれかによって作動する。手動の場合、便器洗浄装置46は、第一操作部21および第二操作部22のいずれかの操作によって作動する。使用者は、第一操作部21および第二操作部22のいずれかを操作することによって、任意のタイミングで便器洗浄装置46を作動できる。自動の場合、便器洗浄装置46は、制御装置49からの指令に基づいて作動する。便器洗浄装置46は、使用者が便座11から立ち上がると自動的に作動し、便鉢部13を洗浄する。
【0023】
音楽再生装置48は、制御装置49からの指令に基づいて作動する。音楽再生装置48は、便蓋12が倒伏状態から起立状態に回転移動すると自動的に作動する。音楽再生装置48は、便鉢部13の洗浄が完了するまで音楽を流す。
【0024】
噴霧装置47は、便器本体10の所定領域にミストを噴霧する。ミストは、気体中に浮遊する霧状の液体である。液体は、水道水や除菌水などである。液体は、次亜塩素酸などを含む除菌水、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水、アルカリ水などであってもよい。
【0025】
噴霧装置47は、ミストを噴霧するノズル47Aを備えている。ノズル47Aは、倒伏状態の便座11よりも下方に配置されている。ノズル47Aは、局部洗浄装置45のノズル45Aの近傍に備えられている。
【0026】
便器本体10の所定領域は、噴霧装置47によってミストを付着させる領域である。便器本体10の所定領域は、第一領域、第二領域及び第三領域等を有している。第一領域は、便蓋12によって便鉢部13を覆った状態における便蓋12よりも下側の領域である。便蓋12によって便鉢部13を覆った状態における便蓋12よりも下側の領域とは、図2に示すように、倒伏状態の便蓋12の蓋部12Aに沿って広がる仮想面Hよりも下側の領域である。仮想面Hは、便蓋12が起立状態であるか倒伏状態であるかを問わない基準面である。仮想面Hよりも下側の領域は、具体的には、リム部15の上面16、リム部15の内面17、汚物受け面14、倒伏状態の便座11の上面及び下面、倒伏状態の便蓋12の上面及び下面、便器本体10の外側面などを含む。
【0027】
第二領域は、汚物が飛散、付着しやすい領域である。具体的には、第二領域は、例えば便鉢部13の後側のリム部15などである。第三領域は、洗浄水が流れにくい領域である。具体的には、第三領域は、例えばリム部15の内面17の吐出口18より上側の領域や、リム部15の内面17の吐出口18とは反対側の領域などである。
【0028】
噴霧装置47は送風装置を備えても良い。この場合、送風装置によって便鉢部13の内部に気流を発生させ、ミストを上昇させることができる。これによって、噴霧装置47は、便器本体10の外側面にミストを飛ばすことができる。
【0029】
噴霧装置47は、手動及び自動のいずれかによって作動する。手動の場合、噴霧装置47は、第一操作部21の操作によって作動する。使用者は、第一操作部21を操作することによって、任意のタイミングで噴霧装置47を作動し、ミストを噴霧できる。自動の場合、噴霧装置47は、制御装置49からの指令に基づいて作動する。制御装置49は、予め設定されたタイミングで噴霧装置47にミストを噴霧させる。制御装置49は、手動及び自動のいずれの場合も、噴霧装置47にミストを4~5秒間噴霧させる。
【0030】
噴霧装置47にミストを噴霧させるタイミングは、図4に示すように、第一タイミング、第二タイミング、第三タイミング及び第四タイミングを有している。第一タイミング、第二タイミング、第三タイミング、及び第四タイミングはいずれも噴霧装置47とは別の装置の作動中である。
【0031】
(1)第一タイミング
第一タイミングは、便蓋用駆動装置44の作動中である。制御装置49は、人体検知部31の検知情報に基づいて、使用者が便器本体10の前方に接近したと判別すると、便蓋用駆動装置44を作動させ、便蓋12を倒伏状態から起立状態に回転移動させる。制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を開始した後に、噴霧装置47の作動を開始させる。便蓋12が起立状態になると、制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を終了する。制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を終了する前に噴霧装置47の作動を終了させる。
【0032】
(2)第二タイミング
第二タイミングは、脱臭装置42の作動中である。制御装置49は、着座検知部32の検知情報に基づいて、使用者が便座11に着座したと判別すると、脱臭装置42を作動させ便鉢部13を脱臭する。制御装置49は、使用者が便座11に着座している間、及び使用者が便座11から立ち上がった後、所定時間が経つまで脱臭装置42を作動し続ける。所定時間は例えば1分程度である。制御装置49は、着座検知部32の検知情報に基づいて、使用者が便座11から立ち上がったことを判別すると、脱臭装置42の脱臭ファンの回転数を上げる。制御装置49は、脱臭ファンの回転数を上げた後、噴霧装置47の作動を開始させる。制御装置49は、脱臭装置42の作動を終了する前に噴霧装置47の作動を終了させる。
【0033】
(3)第三タイミング
第三タイミングは、便器洗浄装置46の作動中である。制御装置49は、操作部20の操作信号、及び着座検知部32の検知情報に基づいて、便器洗浄装置46を作動させ、便鉢部13を洗浄する。制御装置49は、便器洗浄装置46の作動を開始した後に、噴霧装置47の作動を開始させる。その後、制御装置49は、便器洗浄装置46の作動を終了し、便鉢部13の洗浄を終わらせる。便器洗浄装置46の作動時間は10秒程度である。制御装置49は、便器洗浄装置46の作動を終了する前に噴霧装置47の作動を終了させる。
【0034】
(4)第四タイミング
第四タイミングは、便蓋用駆動装置44の作動中である。制御装置49は、人体検知部31の検知情報に基づいて、使用者が便器本体10から離れたことを判別すると、便蓋用駆動装置44を作動させ、便蓋12を起立状態から倒伏状態に回転移動させる。制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を開始した後に、噴霧装置47の作動を開始させる。便蓋12が倒伏状態になると、制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を終了する。制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動を終了する前に、噴霧装置47の作動を終了させる。
【0035】
制御装置49は、音楽再生装置48の作動中、任意のタイミングで噴霧装置47の作動を開始させ、任意のタイミングで噴霧装置47の作動を終了させる。制御装置49は、便蓋12が倒伏状態から起立状態に回動移動すると、音楽再生装置48の作動を開始し、音楽を流す。制御装置49は、便器洗浄装置46の作動を終了し、便鉢部13の洗浄を終わらせるまで、音楽再生装置48を作動し続ける。
【0036】
制御装置49は、便蓋12が倒伏状態であるとき、及び便蓋12が起立状態から倒伏状態に回動移動する途中であるときのいずれかにおいて、噴霧装置47を作動させてもよい。
【0037】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。トイレ装置Rは、便鉢部13を有する便器本体10と、噴霧装置47と、制御装置49と、噴霧装置47及び制御装置49とは別の装置と、を有している。噴霧装置47は、便器本体10の所定領域にミストを噴霧する。制御装置49は、噴霧装置47を制御する。制御装置49は、別の装置の作動中に、噴霧装置47を作動させる。このような構成によれば、ミストの噴出音が別の装置の作動音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0038】
制御装置49は、別の装置の作動を開始した後に、噴霧装置47の作動を開始させる。この構成によれば、ミストが噴出し始めるときの噴出音が他の装置の作動音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0039】
制御装置49は、別の装置の作動を終了する前に、噴霧装置47の作動を終了させる。この構成によれば、ミストが噴出し終わるときの噴出音が他の装置の作動音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0040】
別の装置は、便鉢部13を洗浄する便器洗浄装置46である。制御装置49は、便器洗浄装置46の作動中に、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、ミストの噴出音が便鉢部13を洗浄する音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0041】
別の装置は、便鉢部13を脱臭する脱臭装置42である。制御装置49は、脱臭装置42の作動中に、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、ミストの噴出音が便鉢部13を脱臭する音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0042】
脱臭装置42は、空気の通過路に気流を形成する脱臭ファンを有している。制御装置49は、脱臭ファンの回転数が高くなったときに、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、ミストの噴出音が脱臭ファンの回転音に効果的に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0043】
トイレ装置Rは、便鉢部13の上面に沿っている倒伏状態と便鉢部13の上面から上方に立っている起立状態とに回転移動する便蓋12を有している。別の装置は、便蓋12を電動で回転移動させる便蓋用駆動装置44である。制御装置49は、便蓋用駆動装置44の作動中に、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、ミストを噴出音が便蓋用駆動装置44の作動音に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0044】
別の装置は、音楽再生装置48である。制御装置49は、音楽再生装置48の作動中に、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、ミストの噴出音が音楽再生装置48から流れる音楽に紛れるから、ミストの噴出音を聞こえにくくできる。
【0045】
制御装置49は、便蓋12が倒伏状態であるとき、及び便蓋12が起立状態から倒伏状態に回動移動する途中であるときのいずれかにおいて、噴霧装置47を作動させる。この構成によれば、便蓋12によってミストは隠されるから、使用者はミストを目視しにくい。したがって、使用者に違和感を与えにくくできる。
【0046】
便蓋12は、便鉢部13の上側を覆う。所定領域は、便蓋12によって便鉢部13を覆った状態における便蓋12よりも下側の領域である。この構成によれば、ミストは、便鉢部13を覆った状態の便蓋12よりも下側の領域に噴霧されるから、人にミストがかかりにくくできる。
【0047】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において制御装置49は、別の装置の作動を開始した後に、噴霧装置47の作動を開始させる。これに限らず、制御装置は、別の装置の作動を開始する前に、噴霧装置の作動を開始してもよい。
(2)上記実施形態において制御装置49は、別の装置の作動を終了する前に、噴霧装置47の作動を終了させる。これに限らず、制御装置は、別の装置の作動を終了した後に、噴霧装置の作動を終了してもよい。
(3)上記実施形態において脱臭装置42は、使用者が便座11に着座すると自動的に作動する。脱臭装置は、操作部の操作によって作動してもよい。
(4)上記実施形態において各種装置は、脱臭装置42、便座用駆動装置43、便蓋用駆動装置44、局部洗浄装置45、便器洗浄装置46、噴霧装置47及び制御装置49を有している。これに限らず、各種装置は、上記実施形態において例示した装置以外の使用者に聞こえる装置を有しても良い。
(5)上記実施形態において制御装置49は、便蓋用駆動装置44、脱臭装置42、及び便器洗浄装置46の作動中に、噴霧装置47を作動させる。これに限らず、制御装置は、これらとは別の装置の作動中に噴霧装置を作動してもよい。
(6)上記実施形態において噴霧装置47は、別の装置の作動中に作動する。これに加えて、噴霧装置は、別の装置が作動していないときに、単独で作動する場合があってもよい。
(7)上記実施形態では、1つの装置と同じタイミングでミストを噴霧している。これに限らず、複数の装置と同じタイミングでミストを噴霧してもよい。例えば、脱臭装置と便蓋用駆動装置とが同時に作動しているとき、脱臭装置と音楽再生装置とが同時に作動しているとき、脱臭装置と便器洗浄装置とが同時に作動しているときに、ミストを噴霧してもよい。
【符号の説明】
【0048】
R…トイレ装置、10…便器本体、11…便座、12…便蓋、13…便鉢部、40…便座装置、42…脱臭装置、44…便蓋用駆動装置(駆動装置)、46…便器洗浄装置(洗浄装置)、47…噴霧装置、48…音楽再生装置、49…制御装置
図1
図2
図3
図4