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  • 特開-麺類乾燥装置及び乾麺製造装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042724
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】麺類乾燥装置及び乾麺製造装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20230320BHJP
   F26B 9/00 20060101ALI20230320BHJP
   F26B 13/02 20060101ALI20230320BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
A23L7/109 J
F26B9/00 Z
F26B13/02
F26B25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150005
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】502115051
【氏名又は名称】赤城食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 明夫
【テーマコード(参考)】
3L113
4B046
【Fターム(参考)】
3L113AA02
3L113AB02
3L113AC57
3L113AC67
3L113BA16
3L113CB28
3L113DA07
4B046LA01
4B046LB02
4B046LB03
4B046LP36
(57)【要約】
【課題】製麺から裁断までの連続性を分断し、裁断部に停止期間を設けるとともに、裁断部の効率的な運用が可能な麺類乾燥装置及び乾麺製造装置を提供する。
【解決手段】この麺類乾燥装置80及び乾麺製造装置100は、乾燥室50の搬送コンベア82の後端部に複数のストックコンベア84a、84bが並列に接続し、裁断部30はこれらストックコンベア84a、84bの搬出動作時に動作する。これにより、製麺部20から裁断部30までの連続性はストックコンベア84a、84bによって分断されることとなり、製麺部の動作中に裁断部に停止期間を設けることが可能となる。そして、ストックコンベア84a、84bの麺竿16の保持量、数、運用方法を最適化することで、裁断部30の停止期間の長さや頻度をある程度調整することができる。これにより、作業者の効率的な運用が可能となり、作業者の負担軽減や人員削減、人件費の低減等を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺を乾燥する乾燥室と、
前記麺が掛け下げられた麺竿を前記乾燥室内の所定のルートに沿って移動させる搬送コンベアと、
前記搬送コンベアの後端部に複数並列に接続し前記麺竿を保持するストックコンベアと、
前記麺竿の移動先をストックコンベア間で切り替える切替機構と、
前記ストックコンベアで保持された麺竿の次工程への搬出動作と前記切替機構の切り替え動作とを制御するストッカ制御部と、を有することを特徴とする麺類乾燥装置。
【請求項2】
ストックコンベアの長さ当たりの麺の保持量が、搬送コンベアの長さ当たりの麺の搬送量よりも多いことを特徴とする請求項1記載の麺類乾燥装置。
【請求項3】
ストックコンベアを2つ有し、
ストッカ制御部は、ストックコンベアが予め設定された上限麺竿数に達すると、切替機構を制御して麺竿の移動先をもう一方のストックコンベアに切り替えるとともに、上限麺竿数に達した前記ストックコンベアの麺竿を次工程へ搬出動作させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の麺類乾燥装置。
【請求項4】
原材料から所定の麺を製造し麺竿に掛け下げて搬出する製麺部と、
前記麺竿に掛け下げられた麺を搬送コンベアに沿って移動させながら乾燥する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の麺類乾燥装置と、
前記麺類乾燥装置から搬出された乾燥後の麺を前記麺竿から分離して所定の長さに切断する裁断部と、を有し、
前記裁断部による麺の処理速度は、前記製麺部による麺の製造速度よりも速く、
さらに前記裁断部はストックコンベアの搬出動作の停止中は待機状態となることを特徴とする乾麺製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾麺製造時の製麺から裁断までの連続性を分断し、裁断部に停止期間を設けることが可能な麺類乾燥装置及び、この麺類乾燥装置を備えた乾麺製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
麺を連続的に乾燥する従来の麺類乾燥装置として、例えば下記[特許文献1]に記載の発明がある。この下記[特許文献1]に記載された麺類乾燥装置は、図2に示すように、麺を乾燥する乾燥室(第1乾燥室DR1、第2乾燥室DR2、第3乾燥室DR3)と、麺が掛け下げられた麺竿16を乾燥室の所定のルートに沿って移動させる搬送コンベア(移行装置L)と、を有しており、麺竿16に掛け下げられた麺が製麺部と繋がった入口14から搬送コンベアによって第1~第3乾燥室DR1~DR3内を移動することによって乾燥し乾麺となる。そして、出口15から次工程である裁断部側へと搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51-73150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図2に示す従来の麺類乾燥装置は、製麺部と裁断部とが搬送コンベアで繋がり、麺の製造から乾燥、裁断までが途切れることなく連続的に連なっている。従って、裁断部が乾麺の切断動作を開始すると、そのロットが終了するまで裁断部を停止することができない。このため、製麺部と裁断部の双方が稼働している時間が長く、作業者への負担が大きいことに加え、作業者の効率的な運用が難しいという問題点がある。また、裁断部の処理速度は上手側の製麺部の製麺速度もしくは乾燥室の搬送速度に律速され、裁断部本来の処理能力が発揮できず、効率が悪いという問題点がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製麺から裁断までの連続性を分断し、裁断部に停止期間を設けるとともに、裁断部の効率的な運用が可能な麺類乾燥装置及び、この麺類乾燥装置を備えた乾麺製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(1)麺を乾燥する乾燥室50と、前記麺が掛け下げられた麺竿16を前記乾燥室50内の所定のルートに沿って移動させる搬送コンベア82と、前記搬送コンベア82の後端部に複数並列に接続し前記麺竿16を保持するストックコンベア84a、84bと、前記麺竿16の移動先をストックコンベア84a、84b間で切り替える切替機構86と、前記ストックコンベア84a、84bで保持された麺竿16の次工程への搬出動作と前記切替機構86の切り替え動作とを制御するストッカ制御部と、を有することを特徴とする麺類乾燥装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)ストックコンベア84a、84bの長さ当たりの麺の保持量が、搬送コンベア82の長さ当たりの麺の搬送量よりも多いことを特徴とする上記(1)記載の麺類乾燥装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)ストックコンベア84a、84bを2つ有し、
ストッカ制御部は、ストックコンベア84a(84b)が予め設定された上限麺竿数に達すると、切替機構86を制御して麺竿16の移動先をもう一方のストックコンベア84b(84a)に切り替えるとともに、上限麺竿数に達した前記ストックコンベア84a(84b)の麺竿16を次工程へ搬出動作させることを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の麺類乾燥装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)原材料から所定の麺を製造し麺竿16に掛け下げて搬出する製麺部20と、
前記麺竿16に掛け下げられた麺を搬送コンベア82に沿って移動させながら乾燥する上記(1)乃至上記(3)のいずれかに記載の麺類乾燥装置80と、
前記麺類乾燥装置80から搬出された乾燥後の麺を前記麺竿16から分離して所定の長さに切断する裁断部30と、を有し、
前記裁断部30による麺の処理速度は、前記製麺部20による麺の製造速度よりも速く、さらに前記裁断部30はストックコンベア84a、84bの搬出動作の停止中は待機状態となることを特徴とする乾麺製造装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る麺類乾燥装置及び乾麺製造装置は、乾燥室の搬送コンベアの後端部に複数のストックコンベアが並列に接続し、裁断部はこれらストックコンベアの搬出動作時に動作する。これにより、製麺部から裁断部までの連続性はストックコンベアによって分断され、製麺部の動作中に裁断部に停止期間を設けることが可能となる。そして、裁断部の停止期間の長さや頻度を最適化することで、作業者の効率的な運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る麺類乾燥装置及び乾麺製造装置の概略構成図である。
図2】従来の麺類乾燥装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る麺類乾燥装置及び乾麺製造装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る麺類乾燥装置80及び乾麺製造装置100の概略構成図である。尚、ここでの麺とはうどん、蕎麦の他、ラーメン、冷や麦、そうめん、スパゲッティ、ひもかわ、ほうとう、茶そば等、乾麺となる麺類であれば如何なるものを用いても良い。
【0010】
先ず、本発明に係る乾麺製造装置100は、麺類乾燥装置80と、この麺類乾燥装置80の上手側に位置する製麺部20と、乾麺製造装置100の下手側に位置する裁断部30と、を有している。また、製麺部20は、材料を混錬して麺生地を製造する混錬部22と、麺生地を帯状に成形して麺帯とする麺帯作製部24と、この麺帯を熟成させる麺帯熟成部26と、熟成した麺帯を麺の厚みに延伸する圧延部27と、圧延した麺帯を目的とする幅に切り出して麺とする切出部28と、切り出された麺(生麺)を麺竿16に掛け下げて所定の長さに切断し麺類乾燥装置80に搬出する竿掛部40と、を有している。また、裁断部30は、麺竿16に掛け下げられた状態で乾燥した麺(乾麺)を麺竿16から分離する麺竿分離部32と、分離した麺を所定の長さに切断する裁断装置34と、を有している。
【0011】
次に、本発明に係る麺類乾燥装置80の構成を説明する。本発明に係る麺類乾燥装置80は、従来の麺類乾燥装置と同様に、製麺部20で作製された麺を麺竿16に掛け下げた状態で乾燥する乾燥室50と、麺が掛け下げられた麺竿16を乾燥室50内の所定のルートに沿って移動させる搬送コンベア82と、を有している。尚、乾燥室50は通常、複数の区画で構成されており、図1に示す麺類乾燥装置80では麺の乾燥を目的とする第1乾燥室50a、第2乾燥室50b、第3乾燥室50cと、麺の乾燥状態を維持する第4乾燥室50dの4区画で構成した例を示している。そして、これらの第1~第4乾燥室50a~50dは個別に乾燥条件の設定が可能であり、この乾燥条件は乾燥を行う麺の種類、太さ、季節要因等に応じて最適な値に設定される。
【0012】
また、搬送コンベア82は、例えば麺竿16の両端が架かる間隔で設置された左右の搬送体82L、82Rが連なって構成され、乾燥室50内を折り返しながら第1~第4乾燥室50a~50dを順に通過するように設置される。尚、搬送体82L、82Rとしては主にチェーンやベルトが用いられる。また、内側のコーナー部分には回転板を用いても良い。そして、麺竿16の両端が稼働中の搬送体82L、82R上に架けられることで、麺竿16が搬送体82L、82Rに沿って乾燥室50内を移動する。このとき、麺竿16に掛け下げられた麺は搬送体82L、82Rの間に垂れ下がった状態で移動する。
【0013】
また、本発明に係る麺類乾燥装置80はその特徴的な構成として搬送コンベア82の後端部に、この搬送コンベア82と同等の搬送体82L、82Rによって構成されたストックコンベア84a、84bが複数並列に接続する。尚、ストックコンベア84a、84bの数は後述するように特に限定は無いが、本例のように2本で交互に運用することが省スペース化と動作制御の面から特に好ましい。また、搬送コンベア82とストックコンベア84a、84bとの間の麺竿16の受け渡し部には、搬送コンベア82からの麺竿16の移動先をストックコンベア84a、84b間で切り替える切替機構86が設けられる。さらに、麺類乾燥装置80にはこれらストックコンベア84a、84bの動作と切替機構86の切り替え動作とを制御する図示しないストッカ制御部を有している。
【0014】
また、ストックコンベア84a、84bの長さ当たりの麺の保持量、即ち麺竿16の掛止量は、搬送コンベア82の長さ当たりの麺(麺竿16)の搬送量よりも多くすることが好ましい。このストックコンベア84a、84bにおける保持量の増加手法としては、例えばストックコンベア84a、84bを上下2段で構成し、搬送コンベア82で移動して来た麺竿16を上下に振り分けて保持することが挙げられる。また、ストックコンベア84a、84bの搬送スピードを搬送コンベア82の搬送スピードよりも遅く構成して、麺竿16の受け渡し時にストックコンベア84a、84bでの麺竿16の間隔を密にするようにしても良い。
【0015】
次に、本発明に係る乾麺製造装置100及び麺類乾燥装置80の動作に関して説明を行う。先ず、製麺部20を構成する混錬部22に小麦粉や蕎麦粉、水、その他の麺の材料を秤量して投入し、混錬して麺生地を作製する。次に、麺帯作製部24が混錬部22の作製した麺生地をローラ等によって引き延ばし、ある程度の厚みを有する帯状の麺帯に成形する。そして、成形された麺帯は連続した帯状のまま麺帯熟成部26に移送される。また、麺帯熟成部26は所定のサイズの熟成室を有しており、麺帯熟成部26で成形された麺帯はこの熟成室内をある程度の時間をかけて移動し、その間に熟成する。そして、麺帯熟成部26で熟成した麺帯は連続した帯状のまま圧延部27へと移送される。ここで、圧延部27は作製する麺の厚みと対応して選択される複数のローラを有しており、熟成した麺帯がこれらローラを通過する度に圧延されて段階的に厚みが薄くなる。そして、最後のローラを通過した時点で目的の生麺の厚みとされ切出部28に移送される。ここで、切出部28には例えば作製する麺の幅と対応した間隔で配列したローラーカッターが設置されており、圧延部27で目的の厚みとなった麺帯が、このローラーカッターで麺帯に沿って切り分けられることで目的の太さ(幅、厚み)の生麺となる。そして、この生麺は切り出し後の横一列に並んだ状態のまま竿掛部40に移送され、この横一列に並んだ状態のまま麺竿16に掛けられる。そして、麺竿16の前後で生麺の長さが略同等になった状態で切断される。これにより、生麺は横一列に並んだ状態で麺竿16の前後に掛け下がった状態となる。
【0016】
このようにして、麺竿16に掛け下げられた生麺は麺類乾燥装置80に運ばれ、麺竿16の両端部分が搬送コンベア82の左右の搬送体82L、82R上に載置される。これにより、生麺は搬送コンベア82の移動に伴って搬送体82L、82Rの間に吊り下げられた状態で乾燥室50内を移動する。そして、数時間をかけて第1乾燥室50a、第2乾燥室50b、第3乾燥室50cを一定の速度で順に通過し、この間に乾燥が行われ乾麺となる。そして、ストックコンベア84a、84bが設置された第4乾燥室50dの切替機構86に到達する。
【0017】
尚、図1では第4乾燥室50dの入口から切替機構86までの間に距離があるが、第4乾燥室50dの入口の近傍に切替機構86を設けて直ちにストックコンベア84a、84bに移送を行うようにしても良い。また、第4乾燥室50dの入口近傍に麺竿保持量の増加手段を設けて、切替機構86までの間を予備的なストックコンベアとして機能させても良い。この構成ではストックコンベア全体としての保持量が増大し、ストックコンベア84a、84bが最初に上限麺竿数に到達する時間をさらに引き延ばすことができる。これにより、ロット間の裁断部30の待機期間を延長することができる。
【0018】
ここで、ストックコンベア84a、84bが両方とも空の場合、ストッカ制御部は例えば一方のストックコンベア84aを動作させるとともに、切替機構86を制御して麺竿16の移送先をストックコンベア84a側に切り替える。これにより、乾麺は麺竿16に掛け下げられた状態のまま一方のストックコンベア84aに移送される。尚、前述のようにストックコンベア84a、84bは搬送コンベア82よりも長さ当たりの麺竿16の保持量が多いため、ストックコンベア84a、84bが麺竿16の最大保持量である上限麺竿数に達するまでには時間を要する。
【0019】
そして、ストックコンベア84aの麺竿16の保持量が上限麺竿数に達すると、ストッカ制御部はもう一方のストックコンベア84bを動作させるとともに、切替機構86を制御して麺竿16の移送先をストックコンベア84b側に切り替える。また、上限麺竿数に達したストックコンベア84aを搬出動作させる。これにより、搬送コンベア82からの乾麺は、もう一方のストックコンベア84bに移送されるとともに、ストックコンベア84aにて保持された乾麺は麺竿16に掛け下げられた状態のまま次工程である裁断部30へと搬出される。尚、ストックコンベア84a、84bが上下2段で構成されている場合には、裁断部30の前段に振り戻し機構が設置され、上下2段に振り分けられている麺竿16を1段に合流させた後、裁断部30へと移送する。
【0020】
また、ストックコンベア84aが搬出動作すると、裁断部30が動作する。そして、裁断部30へと搬出された乾麺は、先ず麺竿分離部32にて麺竿16に掛かった部分が切断され、乾麺と麺竿16との分離が行われる。尚、分離した麺竿16は回収され、洗浄後、竿掛部40にて再利用される。
【0021】
また、麺竿16から分離した乾麺は掛け下げ時の下端部分が切除されて所定の長さに切り揃えられた後、裁断装置34にて完成時の長さに切断される。このとき、裁断部30の処理能力(乾麺の裁断速度)は製麺部20の製麺能力よりも高い。このため、ストックコンベア84a、84bからの麺竿16の搬出速度を、搬送コンベア82の搬送速度よりも速い裁断部30の処理能力に準じた速度とすることで、裁断部30を本来の処理能力で高速動作させることが可能となる。これにより、裁断部30の処理効率を向上することができる。
【0022】
そして、ストックコンベア84aが保持している乾麺が全て裁断部30へ搬出されると、ストッカ制御部はストックコンベア84aの搬出動作を停止する。また、裁断部30はストックコンベア84aが搬出した全ての乾麺の切断が終了すると、切断動作を停止し待機状態となる。
【0023】
この裁断部30の切断動作の間、搬送コンベア82からの乾麺はもう一方のストックコンベア84bに移送される。これは、ストックコンベア84aの搬出動作が停止し裁断部30が待機状態となった後も継続する。そして、もう一方のストックコンベア84bの保持量が上限麺竿数に達すると、ストッカ制御部はストックコンベア84aを動作させるとともに切替機構86を制御して麺竿16の移送先をストックコンベア84a側に切り替える。また、ストッカ制御部は上限麺竿数に達したストックコンベア84bを搬出動作させる。これにより、搬送コンベア82から移送されてくる乾麺はストックコンベア84aが保持するとともに、ストックコンベア84bで保持されている乾麺は裁断部30へと搬出される。そして、裁断部30が動作してストックコンベア84bから搬出された乾麺に対する切断が行われる。そして、ストックコンベア84bの乾麺が全て裁断部30へ搬出されるとストックコンベア84bは搬出動作を停止する。また、裁断部30はストックコンベア84bが搬出した全ての乾麺の切断が終了すると動作を停止する。そして、ストックコンベア84aが搬出動作を行うまで待機状態をとる。そして、これらの動作がストックコンベア84a、84bで交互に繰り返し行われることで乾麺に対する切断が行われる。尚、切断された乾麺は次工程に送られて、例えば、所定の分量に分けられた後、包装等がなされ完成品となる。
【0024】
このように、本発明の裁断部30は一方のストックコンベア84a(84b)に対する切断動作が終了してから、他方のストックコンベア84b(84a)が搬出動作を行うまでの間、待機状態となって運転が停止する。よって、この間の作業者が不要となり、作業者の効率的な運用や作業者の負担軽減、人件費の低減等を行うことができる。
【0025】
尚、ストックコンベア84a、84bの運用方法は上記の例に限らず、以下のようにしても良い。先ず、一方のストックコンベア84aをメインのストックコンベアとし、もう一方のストックコンベア84bをサブのストックコンベアとする。そして、メインのストックコンベア84aの搬出動作が完了するタイミングでサブのストックコンベア84bが上限麺竿数に達するように各ストックコンベア84a、84bの保持量等を最適化する。この構成では、ストックコンベア84a、84bの搬出動作が連続化するため、裁断部30のオン、オフ動作を低減して待機期間を長くとることができる。
【0026】
さらに、サブのストックコンベアをストックコンベア84a、84bに対し直列もしくは並列に接続し、夜間や休日等はサブのストックコンベアをも稼働させて乾麺の保持量を増加させ裁断部30の待機期間を延長し、夜間や休日に裁断部30を停止可能としても良い。この構成では、夜間や休日に裁断部30に関わる作業者が不要となり、更なる作業者の効率的な運用、負担軽減、人件費の軽減等を行うことができる。
【0027】
また、ストックコンベアの保持量に余裕を持たせるとともにストックコンベアの搬出動作を手動化して、ストックコンベアにある程度の麺竿16が保持されたときに、作業者が適宜裁断部30を動作させ保持されている乾麺を一気に切断処理するようにしても良い。この構成では、より自由度の高い裁断部30の運用を行うことができる。
【0028】
以上のように、本発明に係る麺類乾燥装置80及び乾麺製造装置100は、乾燥室50の搬送コンベア82の後端部に複数のストックコンベア84a、84bが並列に接続し、裁断部30はこれらストックコンベア84a、84bの搬出動作時に稼働する。即ち、全てのストックコンベア84a、84bが搬出動作を行っておらず麺竿16を貯めている状態では、裁断部30は待機状態となり動作を停止する。これにより、製麺部20から裁断部30までの連続性はストックコンベア84a、84bによって分断されることとなり、製麺部20が連続動作していても裁断部30は間欠動作し、製麺中に停止期間を設けることが可能となる。そして、ストックコンベア84a、84bの麺竿16の保持量、数、運用方法を最適化することで、裁断部30の停止期間の長さや頻度をある程度調整することができる。これにより、作業者の効率的な運用が可能となり、作業者の負担軽減や人員削減、人件費の低減等を行うことができる。
【0029】
尚、本例で示した麺類乾燥装置80及び乾麺製造装置100は一例であり、搬送コンベア82のルート、ストックコンベア84a、84bの構成や数、運用方法、制御方法等、また製麺部20、裁断部30の各部の構成、動作等は上記の例に限定されるわけではなく、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
16 麺竿
20 製麺部
30 裁断部
50 乾燥室
80 麺類乾燥装置
82 搬送コンベア
84a、84b ストックコンベア
86 切替機構
100 乾麺製造装置
図1
図2