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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042773
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】仕切り装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 9/02 20060101AFI20230320BHJP
   E04H 17/16 20060101ALI20230320BHJP
   A47B 96/04 20060101ALI20230320BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20230320BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20230320BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
A47F9/02
E04H17/16 104
A47B96/04 Z
E05D15/00 A
E04B2/74 561E
A47G5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150088
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142AA09
2E142EE03
2E142EE14
2E142HH05
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ01
2E142LL00
(57)【要約】
【課題】パネルを台との位置関係で2つの位置の間を移動可能として、利便性を向上できる仕切り装置を提供する。
【解決手段】カウンタ41に向かう互い隣り合う客42の間に配置される仕切り装置50であって、透光性を有するパネル51と、カウンタ41の上側の空間において、パネル51を、カウンタ41に沿って第1位置と第2位置とを移動可能に支持する移動支持部52とを備える。第1位置では、互いに隣り合う客42の間において、第2位置から移動することで、カウンタ41の奥行方向のカウンタ範囲Cを超えた状態となる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンタに向かう互い隣り合う人の間に配置される仕切り装置であって、
透光性を有するパネルを備え、
前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、第1位置と第2位置との間を移動し、前記第1位置では、前記互いに隣り合う人の間において、前記第2位置から移動することで、前記カウンタの奥行方向におけるカウンタ範囲を超え、または、前記第2位置のときよりも大きく前記カウンタ範囲を超えた状態となる
仕切り装置。
【請求項2】
前記パネルは、複数であり、
前記カウンタの上部空間に位置する前記パネルが第1パネルであって、
前記第1パネルは、前記カウンタ上に支持するためのスタンドが設けられ、
前記第1パネル以外の第2パネルは、前記第1パネルに対して移動可能であり、前記第1位置から前記第2位置に移動する
請求項1に記載の仕切り装置。
【請求項3】
前記第1パネルに対して前記第2パネルを移動可能に支持する移動支持部をさらに備える
請求項2に記載の仕切り装置。
【請求項4】
カウンタを介して互いに向かい合う人の間に配置される仕切り装置であって、
透光性を有するパネルを備え、
前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、第1位置と第2位置との間を移動し、前記第1位置では、前記カウンタの長手方向におけるカウンタ範囲を超えた状態となる
仕切り装置。
【請求項5】
前記パネルは、前記第1位置において、通路を塞ぐ
請求項1に記載の仕切り装置。
【請求項6】
カウンタに向かう互い隣り合う人の間に配置される仕切り装置であって、
透光性を有するパネルを備え、
前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、昇降可能である
仕切り装置。
【請求項7】
前記パネルを昇降可能に支持する昇降支持部と、
前記昇降支持部を、前記カウンタに対して前記カウンタの延びる方向に移動可能に支持する移動支持部とをさらに備える
請求項6に記載の仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切る仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空間を仕切る仕切り装置として、飛沫感染防止の観点から空間を仕切る飛沫感染防止用フィルム装置が記載されている。この飛沫感染防止用フィルム装置は、透明フィルムを吊り下げ用ワイヤで天井などから吊り下げるようにしている。また、天井などに設けたワイヤのフック支承部がスライド可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3227065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、透明フィルムがスライド可能であることが記載されているものの、透明フィルムの移動方向や移動範囲をどのようにするか、について検討されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための仕切り装置は、カウンタに向かう互い隣り合う人の間に配置される仕切り装置であって、透光性を有するパネルを備え、前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、第1位置と第2位置との間を移動し、前記第1位置では、前記互いに隣り合う人の間において、前記第2位置から移動することで、前記カウンタの奥行方向におけるカウンタ範囲を超え、または、前記第2位置のときよりも大きく前記カウンタ範囲を超えた状態となる。
【0006】
上記仕切り装置において、前記パネルは、複数であり、前記カウンタの上部空間に位置する前記パネルが第1パネルであって、前記第1パネルは、前記カウンタ上に支持するためのスタンドが設けられ、前記第1パネル以外の第2パネルは、前記第1パネルに対して移動可能であり、前記第1位置から前記第2位置に移動する構成としてもよい。
【0007】
上記仕切り装置において、前記第1パネルに対して前記第2パネルを移動可能に支持する移動支持部をさらに備える構成としてもよい。
上記課題を解決するための仕切り装置は、カウンタを介して互いに向かい合う人の間に配置される仕切り装置であって、透光性を有するパネルを備え、前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、第1位置と第2位置との間を移動し、前記第1位置では、前記カウンタの長手方向におけるカウンタ範囲を超えた状態となる。
【0008】
上記仕切り装置において、前記パネルは、前記第1位置において、通路を塞ぐ構成としてもよい。
上記課題を解決するための仕切り装置は、カウンタに向かう互い隣り合う人の間に配置される仕切り装置であって、透光性を有するパネルを備え、前記パネルは、前記カウンタの上部空間において、昇降可能である。
【0009】
上記仕切り装置において、前記パネルを昇降可能に支持する昇降支持部と、前記昇降支持部を、前記カウンタに対して前記カウンタの延びる方向に移動可能に支持する移動支持部とをさらに備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パネルを台との位置関係で2つの位置の間を移動可能として、利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における、仕切り装置の使用状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態における、仕切り装置の正面図である。
図3】第1実施形態における、仕切り装置の縦断面図である。
図4】第1実施形態における、仕切り装置の正面図であって、第1パネルと第2パネルとの間に隙間を設けた状態を示す。
図5】(a)は、カウンタに衝立を設けた状態を示す平面図であり、(b)は、カウンタに仕切り装置を設けた状態を示す平面図である。
図6】第2実施形態の仕切り装置の使用状態を示す側面図である。
図7】第2実施形態における仕切り装置において、2つのパネルを連結する移動支持部の構成を示す断面図である。
図8】第3実施形態の仕切り装置であって、パネルが昇降可能な仕切り装置を示す側面図である。
図9】第3実施形態の仕切り装置における、ヘッドボックスの構成を示す側面図である。
図10】第4実施形態の仕切り装置の変形例であって、パネルが平行移動可能で、かつ、昇降が可能な仕切り装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が適用された仕切り装置について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[全体構成]
図1および図2に示すように、仕切り装置10は、店舗などの施設において、受付などの第1人物1と第1人物1と対話する第2人物2との間に位置するように配置されるものであって、例えば、第1方向に延びる台としてのカウンタ3の上部空間に位置される。カウンタ3は、その上面がカウンタ天板である。ここでは、一例として第1人物1が店員であり、第2人物2が客であり、二人の客は、カウンタ3を挟んで向かい合っている。そして、仕切り装置10は、パネル13が第1人物1および第2人物2の間に介在することで、何れか一方の人物から相手方に対して飛沫が飛散することを抑制する。仕切り装置10のパネル13は、レール部材11によって吊り下げられていることで、状況に応じて移動可能である。仕切り装置10は、レール部材が直線形状であり、さらには、レール部材が天井4から吊り下げられている。天井4とレール部材との間には、大きな開口が設けられている。カウンタ3は、通路5が設けられている。通路5は、人物1,2が行き来する。通路5を使用しないとき、パネル13は、カウンタ3の延びる長手方向のカウンタ範囲Cを超え通路5にはみ出すことで、通路5を閉ざしている(第1位置)。通路5を使用するときには、パネル13を移動させて通路5上から退避させ通行可能とする(第2位置)。
【0013】
仕切り装置10は、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bを備えている。第1レール部材11aには、第1レール部材11aの内部を走行する第1ランナ12aが収容され、第1ランナ12aには、第1パネル13aが吊り下げられている。第2レール部材11bには、第2レール部材11bの内部を走行する第2ランナ12bが収容され、第2ランナ12bには、第2パネル13bが吊り下げられている。
【0014】
なお、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bは、同じ構成を有するため、これらをまとめてレール部材11ともいう。また、第1ランナ12aおよび第2ランナ12bも同じ構成を有するため、これらをまとめてランナ12ともいう。さらに、第1パネル13aおよび第2パネル13bも同じ構成を有するため、これらをまとめてパネル13ともいう。
【0015】
仕切り装置10は、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bを備えている。第1レール部材11aには、第1レール部材11aの内部を走行する第1ランナ12aが収容され、第1ランナ12aには、第1パネル13aが吊り下げられている。第2レール部材11bには、第2レール部材11bの内部を走行する第2ランナ12bが収容され、第2ランナ12bには、第2パネル13bが吊り下げられている。なお、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bは、同じ構成を有するため、これらをまとめてレール部材11ともいう。
【0016】
図3に示すように、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bの各々は、直線形状を有しており、同じ長さである。そして、互いに隣接され平行に配置される。したがって、第1レール部材11aのランナ走行空間23および第2レール部材11bのランナ走行空間23は、互いに近接して平行な並設状態となる。
【0017】
図3に示すように、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bの各々は、互いに隣接し平行な状態が固定されるように連結部材であるL字形状の連結金具21によって連結されている。連結金具21は、第1片21aと第2片21bとを備えている。第1片21aには、第1レール部材11aの天板と第2レール部材11bの天板とが締結部材22gによって固定される。
【0018】
第2片21bには、吊り下げ部材22が固定される。吊り下げ部材22は、天井4から第1レール部材11aおよび第2レール部材11bを吊り下げる部材である。吊り下げ部材22は、1つの第2片21bに対して2つが連結される。
【0019】
吊り下げ部材22は、軸部22aと、第1固定部22bと、第2固定部22cとを備えている。軸部22aは、長さ調整部を備え、伸縮することで、レール部材11から吊り下げられているパネル13の高さを調整できるようになっている。
【0020】
長さ調整部は、例えば、第1軸部に設けられた第1ボルト部と、第2軸部に設けられた第2ボルト部と、第1ボルト部が締め付けられる第1ナット部および第2ボルト部が締め付けられる第2ナット部を備える胴部とを備える。そして、第1ナット部と第2ナット部とが逆向きのねじ溝で構成されている。このような長さ調整部は、胴部を回転させることで軸部22aの全体の長さを調整することができる。
【0021】
第1固定部22bは、天井4などに固定部材としてのビス22dによって固定される。第2固定部22cは、ボルト、ナットなどの締結部材22eによって、第2片21bに固定される。1つの第2片21bに対しては、2本の吊り下げ部材22の第2固定部22cが固定される。1つの吊り下げ箇所において、2本の吊り下げ部材22は、V字をなすように配置され、レール部材11を吊り下げる。
【0022】
ランナ走行空間23は、前壁、後壁、天板、および、前後で一対の底板で囲まれて構成されている。前後で一対の底板は、長手方向に延在する板形状を有する。前後で一対の底板は、長手方向に延在するレール開口24を区画する。ランナ12は、各底板の上面である走行面に支持されて、レール開口24を垂直方向に通されている。そして、ランナ12は、パネル13を吊り下げる部分が露出している。
【0023】
ランナ12は、前方および後方の各々に一対のコロ25を備えている。各一対のコロ25は、シャフトによって連結されており、レール開口24を構成する底板の内面を転動する。また、ランナ12は、レール開口24から下方に突出する突出部26を備えている。突出部26は、その先端に、吊下孔を備え、吊下孔には、パネル13を吊り下げるためのリング27が係合される。リング27は、金属製または合成樹脂製である。
【0024】
第1レール部材11aにおいて、第1ランナ12aが少なくとも2つ収容されており、第2レール部材11bにおいても、第2ランナ12bが少なくとも2つ収容されている。すなわち、第1レール部材11aでは、複数の第1ランナ12aで第1パネル13aを吊り下げるようにしており、第2レール部材11bでは、複数の第2ランナ12bで第2パネル13bを吊り下げるようにしている。
【0025】
図2に示すように、パネル13は、矩形形状を有する透光性の板体であり、一例としてガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの合成樹脂により形成されている。パネル13は、一例として、透明パネルである。パネル13は、少なくとも対面している第1人物1と第2人物2の頭部または上半身よりも大きい板体である。また、パネル13は、剛性を有する板体であり、風などが当たっときにも撓まない強度を有している。第1レール部材11aに吊り下げられる第1パネル13aと第2レール部材11bに吊り下げられる第2パネル13bとは、同じデザインでもよいし、異なるデザインであってもよい。また、形状や大きさも、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
このようなパネル13は、上縁であって、コーナ部の近くに、取付孔28を備えている。ランナ12とパネル13とは、吊り下げリング29によって接続されている(図3参照)。吊り下げリング29は、金属製または合成樹脂製の部材であり、リング27に係合されるとともに、取付孔28に係合される。
【0027】
すなわち、レール部材11の上面と天井4との間には、貫通した第1開口31が構成され、レール部材11の下面とパネル13の上縁との間には、貫通した第2開口32が構成される。そして、第1開口31の上下方向の寸法をAとし、第2開口32の上下方向の寸法をBとしたとき、Aおよび前記Bは、A>Bの関係に設定される。
【0028】
第1開口31および第2開口32は、パネル13で仕切られる第1人物1側の空間と第2人物2側の空間との間で、パネル13が存在しても十分に会話ができるようにしている。特に、第1開口31が第2開口32より上下方向の寸法が大きくなっていることで、第1開口31がこのような機能に貢献する。
【0029】
[第1実施形態の作用]
以上のように構成された仕切り装置10は、次のような作用を有する。
図1および図2に示すように、仕切り装置10において、第1レール部材11aには、1枚の第1パネル13aが吊り下げられている。第2レール部材11bにも、1枚の第2パネル13bが吊り下げられている。第1パネル13aの反矢印D方向の縦側縁と第2パネル13bの反矢印D方向の縦側縁とは、同じ位置または重なるように位置している。これにより、第1パネル13aの反矢印D方向の縦側縁と第2パネル13bの反矢印D方向の縦側縁との間を飛沫などが通過しないようにしている。仕切られる2つの空間は、フィルムの場合よりしっかりと区画することができ、第1人物1のいる空間の保安を高めることもできる。
【0030】
このような使用位置のとき、カウンタ3を挟んで対向している第1人物1および第2人物2との間には、パネル13が介在することになる。パネル13は、透光性を有するので明るさなどの環境もほぼ同じであり、また、第1開口31および第2開口32を有するので、温度や湿度なども同じとなり、相手方の声も十分聴くことができる。
【0031】
図4に示すように、第1人物1と第2人物2との間で商品のやり取りや金銭授受を行う場合は、第1パネル13aを矢印D方向に若干移動する。または、第2パネル13bを矢印D方向に若干移動する。一例として、手を通すことができる程度の隙間ができる程度に第1パネル13aおよび第2パネル13bの少なくとも一方を移動する。これにより、第1パネル13aの反矢印D方向の縦縁と第2パネル13bの反矢印D方向の縦縁との間の隙間から手を通したり、物のやり取りを行うことができる。
【0032】
第1パネル13aおよび第2パネル13bは、自分の前を開放するとき、第1パネル13aが第1レール部材11aを矢印D方向に移動され、第2パネル13bが第2レール部材11bを矢印D方向に移動される。
【0033】
また、図2に示すように、第1パネル13aは、使用位置にあるとき、カウンタ3が途切れた通路5上にあり、台としてのカウンタ3のカウンタ天板が延びる長手方向のカウンタ範囲Cを超え、通路5を閉ざしている(第1位置)。第1人物1または第2人物2が通路5を通るときには、第1パネル13aを矢印D方向または反矢印D方向に移動して、通路5上から第1パネル13aを退避させる(第2位置)。これにより、通路5は、通行可能となる。
【0034】
[第1実施形態の効果]
以上のような仕切り装置10は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1-1)パネル13は、カウンタ3のカウンタ天板が延びる長手方向のカウンタ範囲Cを超え、通路5を閉じた状態となる(第1位置)。そして、通路5を通るときには、パネル13が通路5にはみ出さない状態となるようにカウンタ3上に移動させる(第2位置)。このように、剛性を有するパネル13を移動させることで、カウンタ3の途中にある通路5を開閉することができ、利便性を向上できる。
【0035】
(1-2)パネル13が剛性を有するのでパネル13における表面の清掃が容易となる。
(1-3)パネル13が剛性を有するので第1人物1がいる空間と第2人物2がいる空間とをしっかりと区画できる。その一方で、第1パネル13aまたは第2パネル13bとを移動させることで、隙間を設けて、手を通したり、物のやり取りを行うことができる。
【0036】
(1-4)パネル13が剛性を有するので、フィルムの場合のような表面の乱反射を抑制でき、意匠性を向上できる。
(1-5)パネル13が使用位置にあるとき、パネル13は、透光性を有するので明るさなどの環境もほぼ同じにできる。
【0037】
(1-6)パネル13が使用位置にあるとき、カウンタ3を挟んで対向している第1人物1および第2人物2との間には、パネル13が介在する。これにより、第1人物1および第2人物2の何れかかの飛沫が相手方にかからないようにできる。
【0038】
(1-7)第1パネル13aも第2パネル13bも、矢印D方向または反矢印D方向移動するだけで、自分の前から退かすことができる。
(1-8)パネル13を介した第1人物1側の空間と第2人物2側の空間とは、第1開口31を介して繋げることができる。第1開口31は、天井4とレール部材11との間の空間であり、第1人物1および第2人物2の頭部とも離れた空間である。したがって、飛沫なども、相手方の空間へ飛散しにくくなる。
【0039】
(1-9)パネル13の高さは、吊り下げ部材22の長さ調整部で長さを調整することができる。
なお、第1実施形態における仕切り装置10は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0040】
・第2開口32は、レール部材11の前壁および後壁の少なくとも一方の壁に設けられたカバーで塞ぐようにしてもよい。カバーは、パネル13の上縁との接触を緩和するため、例えばゴムなどの弾性材で形成することが好ましい。
【0041】
・連結金具21には、3本以上のレール部材11が連結されてもよい。
・レール部材11を天井4に直付けする構成としてもよい。
・第1レール部材11aおよび第2レール部材11bの何れか一方のレール部材11を直線形状とし、他方のレール部材11を、第1実施形態で説明したようなL字形状としてもよい。
【0042】
・仕切り装置10は、第1レール部材11aおよび第2レール部材11bの何れか一方のレール部材11だけで構成されていてもよい。
・カウンタ3には、パネル13の下縁に係合される溝を構成するC字形状を有した案内部材を配置するようにしてもよい。これにより、パネル13は、下縁が案内部材に案内されることになり、第1人物1や第2人物2の方向えの揺動を抑えることができる。
【0043】
・第1レール部材11aと第2レール部材11bとを一連の一本のレール部材11とし、内部に2つのランナ走行空間23を並設するようにしてもよい。この場合、一方のランナ走行空間23に、第1パネル13aを吊り下げる第1ランナ12aを収容し、他方のランナ走行空間23に第2パネル13bを吊り下げる第2ランナ12bを収容する。
【0044】
・吊り下げ部材22は、第1レール部材11aと第2レール部材11bとを別々に吊り下げてもよい。
・各吊り下げ箇所を1本の吊り下げ部材22で吊り下げてもよい。
【0045】
・カウンタ3の表面とパネル13の下縁との隙間は、手や物を通すことができる程度の隙間であってもよく、このような場合、当該隙間を通じて物のやり取り間などを行うことができる。
【0046】
・取付孔28を省略し、吊り下げ具を取付孔28の位置に固定し取付部を構成するようにしてもよい。この場合、取付部を構成する吊り下げ具には、吊り下げ金具が係合される。
【0047】
・仕切り装置10としては、パネル13を一枚にしてもよい。
[第2実施形態]
図5(a)に示すように、飲食店などの店舗は、カウンタ41を備え、カウンタ41の上面を構成するカウンタ天板に食器などが置かれる。そして、カウンタ41に対して向かい合って一人ずつ客42が着座して飲食をするように構成されていることがある。例えば、カウンタ41には、第1席42aと第2席42bとが隣接して設けられている。カウンタ41の奥41aは、通常、壁、ウィンドウ、厨房などであったり、対面するカウンタ41との仕切りなる壁部41bなどである。二人の客42は、カウンタ41に向って第1席42aおよび第2席42bに座って飲食を行う。すなわち、二人の客42は、カウンタ41に並んで、隣り合って飲食を行う。各客42が飲食を行うカウンタ41は、第1席42aと第2席42bとの間に透光性の衝立44が設けられることで仕切られている。各席42a,42bの上側の第1飲食空間43は、衝立44によって隣り合う客42同士の口から生じる細かい水滴である飛沫46の飛散が抑えられている。この衝立44は、カウンタ41の延びる方向と直交する奥行方向に立てられる。衝立44は、カウンタ41の奥行と同じ幅を有している。
【0048】
ところで、飲食中は、飲食だけでなく会話も加わることから、それ以外のときと比べて飛沫46の量も多く、かつ、勢いがあるため遠くまで飛びがちである。このため、衝立44では、衝立44が存在しないカウンタ41からはみ出た各席42a,42bの第2飲食空間45を介して隣の席42a,42bにまで飛散してしまうおそれがある。図5(b)に示すように、衝立となる仕切り装置50が第1飲食空間43から第2飲食空間45にまで延びることで、第2飲食空間45を介して隣の席にまで飛沫46が飛散することを抑えることができる。
【0049】
図6は、第1実施形態の仕切り装置50である。仕切り装置50は、第1パネル51aと、第2パネル51bと、第1パネル51aと第2パネル51bとを連結する移動支持部52とを備えている。このような仕切り装置50において、第1パネル51aと第2パネル51bとは互いに平行に配置され、さらに相対的に平行移動可能である。すなわち、仕切り装置50は、第1パネル51aに対して第2パネル51bが重なった待機位置と、第1パネル51aと第2パネル51bとが平行にずれて展開された使用時における使用位置とに移動可能である。なお、第1パネル51aおよび第2パネル51bは、同じ構成を有するため、これらをまとめてパネル51ともいう。
【0050】
パネル51は、矩形形状を有する透光性の板体であり、一例としてガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの合成樹脂により形成されている。パネル51は、一例として、透明パネルである。パネル51は、カウンタ41上の第1飲食空間43において、着座状態の隣同士の客42の上半身よりも大きい板体である。また、パネル51は、剛性を有する板体であり、風などが当たっときにも撓まない強度を有している。
【0051】
パネル51は、第1パネル51aおよび第2パネル51bの何れか一方のパネル51を透光性とし、他方のパネル51を透光性を有しないパネルとしてもよい。この場合、隣同士の客42同士で、第1飲食空間43では不透光のパネル(例えば第1パネル51a)によって実際に飲食している最中の前傾姿勢を隣席から見えにくくできる。そして、飲食しておらず椅子に対して直立した姿勢は、第2飲食空間45において透光性のパネル(例えば第2パネル51b)によって、見え易く気配を感じ取り易くできる。このように、第1パネル51aと第2パネル51bとは、異なるデザインであってもよい。パネル51は、カウンタ41の延びる方向と直交する方向に立てられる。パネル51は、カウンタ41の奥行と同じ幅を有している。カウンタ41の奥行がカウンタ範囲Cである。
【0052】
第1パネル51aと第2パネル51bとの相対する対向面には、上縁および下縁に沿ってフレーム53が取り付けられ、第1パネル51aと第2パネル51bの相対移動を案内する移動支持部52が構成されている。すなわち、移動支持部52は、フレーム53と、案内部材54とを備えている。第1パネル51aの第2パネル51bとの対向面において、上縁と下縁に沿って設けられるフレーム53と、第2パネル51bの第1パネル51aとの対向面において、上縁と下縁に沿って設けられるフレーム53とは同じ構成を有している。案内部材54は、第2パネル51bのフレーム53の一端に設けられている。
【0053】
図7は、パネル51の下側に取り付けられるフレーム53の取り付け状態を示しているが、パネル51の上側に取り付けられるフレーム53の取り付け状態も同じである。フレーム53は、金属材料を押し出し成形した中空の形材である。また、フレーム53は、横方向、すなわちパネル51の移動方向に延びる長尺部材である。フレーム53は、底壁61と、底壁61の両側に位置する側壁62,63と、側壁62,63の端部を折曲した案内壁64とを備えている。そして、案内壁64の間には、長手方向に延びる案内溝65が構成されている。フレーム53は、その長手方向の寸法がパネル51の上縁および下縁の横方向の寸法と一致している。
【0054】
底壁61の外面は、パネル51に対する取付面である。第1パネル51aでは、第2パネル51bとの対向面であって、かつ、上縁および下縁に対して底壁61の外面が接着剤、両面テープ、ビスなどの固定手段によって固定される。第2パネル51bでは、第1パネル51aの上縁および下縁部に対して底壁61の外面が接着剤、両面テープ、ビスなどの固定手段によって固定される。すなわち、第1パネル51aのフレーム53と第2パネル51bのフレーム53とは、互いに案内溝65が向き合うように配置される。
【0055】
本実施形態では、第1パネル51aがカウンタ41に載置され、第1パネル51aに対して第2パネル51bが移動支持部52に案内されて移動する。そして、第2パネル51bは、第1パネル51aに支持されており、第1パネル51aと大きく重なったカウンタ41上の第1飲食空間43を仕切る待機位置することができる。そして、第2パネル51bは、カウンタ41上の位置からカウンタ41のカウンタ天板の奥行方向のカウンタ範囲Cを超え、カウンタ天板から大きくはみ出し突出した第2飲食空間45を仕切る使用位置まで移動される。使用位置においても、第2パネル51bは、移動支持部52を通じてカウンタ41上の第1パネル51aに支持される。
【0056】
第1パネル51aに取り付けられる下側のフレーム53には、その両端にスタンド55が取り付けられる。各スタンド55は、フレーム53の端部が嵌められる取付凹部と、取付凹部に対して第1パネル51aに対して交差する方向に延びる脚部と備えている。取付凹部は、フレーム14の端部が嵌合される大きさの凹部である。脚部は、長尺な板状部であって、2つのスタンド55で第1パネル51aおよび51bを安定支持できる長さ、幅および重量を有している。特に、2つのスタンド55は、第2パネル51bが第2飲食空間45まで移動しているときにも、全体を安定支持できるように構成されている。各スタンド55は、ビスなどの固定手段によって、フレーム53の端部に固定される。
【0057】
第1パネル51aと第2パネル51bとが大きくずれて、第2パネル51bがカウンタ41のカウンタ天板の奥行方向のカウンタ範囲Cを超えた状態が使用状態である。使用状態において、互いに近接する第1パネル51aの下縁の端部と第2パネル51bの下縁の端部のうちの一方の端部には、案内部材54が取り付けられている。具体的には、案内部材54は、第2パネル51bの下縁に取り付けられる上下のフレーム53であって、使用状態における第1パネル51aの端部に対して近い端部に配置されている。
【0058】
案内部材54は、フレーム53の端部に嵌合されるキャップ部66と、案内溝65に係合する案内突部67を備えている。案内突部67は、キャップ部66に一体的に設けられている。案内突部67は、案内溝65に挿通可能な太さの軸部の先端にフランジ部が設けられている。フランジ部は、フレーム内に位置することで、案内突部67が案内溝65から抜けて外れることを防いでいる。すなわち、案内突部67が案内溝65に係合されることによって、第1パネル51aおよび第2パネル51bが分離できないようにする。第2パネル51bは、第1パネル51aに対して大きくずれた状態であっても、案内部材54を介して第1パネル51aによって支持されることになる。
【0059】
[第2実施形態の作用]
以上のように構成された仕切り装置70は、次のような作用を有する。
待機位置(第2位置)において、2枚の第1パネル51aおよび第2パネル51bは、カウンタ41上に位置しており、大部分が重なっている。すなわち、第1パネル51aおよび第2パネル51bは、カウンタ41上の第1飲食空間43だけを仕切っており、第2飲食空間45を仕切っていない。待機位置の状態は、2つの席42a,42bの何れにも客42がいない状態または何れか一方の席にしか客42がいないことが多い。このような状態は、第1パネル51aに対して第2パネル51bを重ねることで、第2飲食空間45を仕切らないようにして空間を広くしている。
【0060】
隣り合う2つの席に客42が着座する場合、仕切り装置50は、第2パネル51bが待機位置(第2位置)から使用位置(第1位置)に移動される。すなわち、第2パネル51bが第2飲食空間45の方向に手で引っ張るなどして移動される。例えば、第2パネル51bは、第2飲食空間45の方向に引っ張られることで、移動支持部52で案内されながら同方向に移動される。これによって、第2パネル51bは、第2飲食空間45上の使用位置に移動する。そして、第1パネル51aと第2パネル51bとが大きくずれた状態となる。すなわち、第2パネル51bは、カウンタ41上の位置からカウンタ範囲Cを超え、カウンタ天板から大きくはみ出し突出した第2飲食空間45を仕切る状態となる。
【0061】
この際、第1パネル51aと第2パネル51bとは移動支持部52によって連結されていることで、静止時や移動時に分離してしまうことを抑えることができる。第2パネル51bの案内突部67は、第2パネル51bが待機位置のとき、第1パネル51aに取り付けられたフレーム53の奥41a側に位置している。案内突部67は、第2パネル51bが使用位置に移動する際に、同方向に移動する。第2パネル51bは、使用位置に移動することで、各席42a,42bにおける連続する第1飲食空間43および第2飲食空間45を仕切り、一方の席から他方の席に飛沫が飛散することを抑制できる。このような状態であっても、第2パネル51bは、第1パネル51aに対して大きくずれた状態であっても、案内部材54を介して第1パネル51aによって支持される。
【0062】
[第2実施形態の効果]
以上のような仕切り装置50は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(2-1)第2パネル51bを待機位置(第2位置)から使用位置(第1位置)に移動することで、隣り合う席の間で、第1飲食空間43だけでなく第2飲食空間45も仕切ることができる。これにより、互いに隣接する席同士で、他方の席に飛沫46が飛散することを抑えることができる。第2パネル51bが第1パネル51aに対して移動可能であることで、利便性を向上できる。
【0063】
(2-2)パネル51には、飛沫46が付着することで汚れ易い。この点、パネル51は、剛性を有するので表面の清掃が容易となる。
(2-3)パネル51は、透光性を有する透明パネルなので、第1席42aの第1飲食空間43および第2飲食空間45と第2席42bの第1飲食空間43と第2飲食空間45における明るさなどの環境もほぼ同じでとすることができる。
【0064】
(2-4)第2パネル51bを、第2飲食空間45の使用位置(第2位置)から第1飲食空間43の待機位置(第1位置)に移動することで、非使用時に第2パネル51bが邪魔になることを防ぐことができる。
【0065】
(2-5)天井4とパネル51の上縁の間に大きな開口を有するので、温度や湿度なども同じとなる。また、友人など知り合いが隣同士で座ったときには、隣席の知り合いの声も十分聴くことができる。
【0066】
なお、第2実施形態における仕切り装置50は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・カウンタ41の奥には、壁部41bなどが設けられていることもある。壁部41bがあると、第1パネル51aの縦側縁部を、当該パネル73の縦縁部と壁、ウィンドウなどとの間に隙間が形成されないように当接できなくなる。そこで、本実施形態では、第1パネル51aの壁、ウィンドウ側の縦縁部の下側コーナ部に切欠部を設け、切欠部を壁部41bに係合可能とすることで、奥41aと第1パネル51aとの間の隙間を小さくできるようにしてもよい。
【0067】
・第2実施形態において、パネルを第1実施形態のようにレール部材を天井から吊下げ、レール部材内を走行するランナから吊下げる構成としてもよい。また、天井にレール部材を設け、レール部材内を走行するランナから線状部材によってパネルを吊下げる構成としてもよい。このような場合、パネルは1枚でも良い。このような構成において、パネルをカウンタ41の上部空間に位置させる。これにより、パネルを、第2位置からカウンタのカウンタ天板の奥行方向のカウンタ範囲Cを超えた第1位置へと移動させることが可能となる。
【0068】
・第2実施形態において、パネル51の幅は、カウンタ範囲Cよりも後述の図8のように広くてもよい。パネル51の幅が広ければ、その分、飛沫46が隣の席に飛散することをより抑えることができる。
【0069】
[第3実施形態]
仕切り装置で、カウンタ41に対して平行な左右方向に移動可能とするのではなく、昇降可能としてもよい。図8に示すように、このような仕切り装置70は、ヘッドボックス71と、昇降コード72と、パネル73とを備えている。本実施形態でのパネル73は、図6に示した第2実施形態のパネルと同じである。ただし、パネル73は、カウンタ41の奥行よりも幅広で、かつ、第2実施形態のパネル51より幅広である。すなわち、パネル73は、カウンタ41のカウンタ天板の奥行方向のカウンタ範囲Cを超え、かつ、第1飲食空間43から第2飲食空間45にはみ出す大きさを有している。昇降コード72は、金属製または合成樹脂製のワイヤやピアノ線などの撓みにくい線状部材ではなく可撓性を有する紐部材であって、一例として、組紐、編み紐などの紐である。昇降コード72の一端は、パネル73の上縁に形成された取付孔75に固定される。
【0070】
図9に示すように、ヘッドボックス71は、パネル73を昇降可能に支持する昇降支持部である。ヘッドボックス71は、案内部材71a、ストッパ71b、案内部材71cなどを内蔵している。案内部材71aは、パネル73から上方に延びる昇降コード72をヘッドボックス71内に案内する。ストッパ71bは、パネル73の昇降を制御する。案内部材71cは、操作のためヘッドボックス71から昇降コード72を垂下させる。昇降コード72の他端は、ジョイント72bを介して補助コード72aと接続され、補助コード72aは、パネル73の表面に固定されている。昇降コード72の他端は、ジョイント72bを介して補助コード72aと接続され、補助コード72aは、パネル73の表面に固定されている。
【0071】
なお、ここでのパネル73は、カウンタ41の奥行と同じでも良いが、ここではカウンタ41の奥行より広く、一例として、パネル73の幅は、カウンタ41の奥行の1.1倍~1.5倍程度である。また、パネル73が下位置のとき、カウンタ41の表面とパネル73の下縁との間隔は、一例として、数cm~数mmである。パネル73は、下位置にあるとき、席42a,42bの客42の上半身と高さ方向において重なるように吊り下げられる。
【0072】
[第3実施形態の作用]
以上のように構成された仕切り装置70は、次のような作用を有する。
客席に客42がいないときや一方の客席にしか客42がいないとき、パネル73は、カウンタ41に対して上昇されて上位置に位置することで、パネル73の下縁とカウンタ41の表面との間に大きな空間を設けている。これにより、第1席42a第1飲食空間43および第2飲食空間45と第2席42bとが連続した広い空間となっている。知り合い同士が互いに隣接する席42a,42bに着座したときには、補助コード72aを下方に引き、ストッパ71bを解除すること、パネル73が上位置から下位置に降下される。パネル73は、下位置に移動することで、各席42a,42bにおける連続する第1飲食空間43および第2飲食空間45を仕切り、一方の席から他方の席に飛沫が飛散することを抑制できる。
【0073】
[第3実施形態の効果]
以上のような仕切り装置70は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(3-1)客42は、その時々の環境に応じて、パネル73を待機位置から使用位置に移動させたり、下位置から上昇位置または上位置から下位置に移動させることができる。したがって、利便性が向上される。
【0074】
(3-2)パネル73は、飛沫46が付着することで汚れ易い。この点、パネル73は、剛性を有するので表面の清掃が容易となる。
(3-3)仕切り装置70は、パネル73が上位置に上昇されることで、非使用時にパネル73が邪魔になることを防ぐことができる。
【0075】
[第4実施形態]
第4実施形態は、第3実施形態の変形例であって、パネル73がカウンタ41に対して昇降可能であることに加え、カウンタ41に対して平行な左右方向に移動可能である。なお、第3実施形態の仕切り装置70と同一部材については同一符号を付して詳細は省略する。
【0076】
図10に示すように、このような仕切り装置80は、断面形状がU字形状であって、内部に、案内部材71a,ストッパ71b,案内部材71cなどが固定されている。ヘッドボックス71の上面は、天板などの接続板が取り付けられ、レール部材81を走行する複数のランナ82と接続される。レール部材81は、上述のレール部材11と同様な構成を有しており、ランナ82は、上述のランナ12と同様な構成を有している。そして、複数のランナ82は、ヘッドボックス71の上面と、接続部材を介して等間隔に接続され、吊下げられている。接続部材としては、金属製または合成樹脂製のワイヤなどであってもよいし、フックなどの接続金具であってもよい。パネル73は、補助コード72aを下方に引っ張ることによって、ストッパ71bが解除され、パネル73の重さによって下方に移動し、下位置に移動させることができる。また、下位置からパネル73を上昇させて上位置に移動させることができる。
【0077】
[第4実施形態の作用]
以上のように構成された仕切り装置80は、次のような作用を有する。
仕切り装置80は、ヘッドボックス71がランナ82に吊下げられており、待機位置において、パネル73は、カウンタ41上の上部空間に位置している。待機位置において、補助コード72aを下方に引っ張ることによって、パネル73を昇降させることができる。待機位置は、2つの席42a,42bの何れにも客42がいない状態または何れか一方の席にしか客42がいないことが多い。パネル73は、上位置および下位置の何れの位置にあってもよい。待機位置(第2位置)では、パネル73は、カウンタ41上の第1飲食空間43だけを仕切っており、第2飲食空間45を仕切っていない。
【0078】
知り合い同士が互いに隣接する席42a,42bに着座したときには、パネル73を下位置から上位置に移動させることで、隣り合う客42同士が会話し易くできる。また、会話中などは、上位置から下位置に移動させることで、飛沫46が隣の席へ飛散しにくくできる。上位置は、一例として、パネル73が顔よりも上に位置するのではなく、飛沫46が直接相手方にかからない程度の高さ位置である。勿論、パネル73は、ヘッドボックス71に対してパネル73の上縁が近接するまで上昇可能とし、顔の位置より上側となっても、ここを上位置としてもよい。
【0079】
パネル73は、上位置、下位置、上位置と下位置の中間位置の何れの位置にあっても、互いに隣接する席42a,42bに着座している二人が飲食中などは、パネル73を引っ張る。これにより、パネル73およびヘッドボックス71を待機位置(第2位置)からカウンタ41から大きくはみ出した使用位置(第1位置)に移動させることができる。使用位置においても、パネル73は、補助コード72aを引っ張ることで昇降可能である。ただし、飲食中は、飛沫46を遮るためにもパネル73を下位置とすることが好ましい。
【0080】
[第4実施形態の効果]
以上のような仕切り装置80は、上記(3-1)~(3-3)の効果に加えて、以下のように列挙する効果を得ることができる。
【0081】
(4-1)仕切り装置80は、待機位置(第2位置)から使用位置(第1位置)に移動することで、隣り合う席の間で、第1飲食空間43だけでなく第2飲食空間45もしっかりと仕切ることができる。これにより、互いに隣接する関同士で、他方の席に飛沫46が飛散することを抑えることができる。
【0082】
なお、第4実施形態における仕切り装置80は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・仕切り装置80において、パネル73の昇降は、ヘッドボックス71に内蔵された巻取軸に昇降コード72を巻き取るようにしてもよい。この場合、ヘッドボックス71から垂下された操作コードを引っ張ることによって、ヘッドボックス71の長手方向に延在された駆動軸を回転させることに巻取軸を回転させることができる。
【0083】
・パネル73は、剛性を有する板体ではなく、可撓性を有するシート材であってもよい。シート材としたときには、シート材を巻き芯に巻回可能としたロールスクリーンのように仕切り装置を構成することもできる。
【符号の説明】
【0084】
41…カウンタ
42a…第1席
42b…第2席
43…第1飲食空間
45…第2飲食空間
46…飛沫
50…仕切り装置
51a…第1パネル
51b…第2パネル
52…移動支持部
53…フレーム
54…案内部材
55…スタンド
65…案内溝
67…案内突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10