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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042795
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】交流電圧周波数が可変な帯電装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
G03G15/02 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150131
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】石井 保之
(72)【発明者】
【氏名】高島 弘一郎
【テーマコード(参考)】
2H200
【Fターム(参考)】
2H200FA02
2H200FA09
2H200FA18
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GB12
2H200GB22
2H200HA02
2H200HA12
2H200HA29
2H200HB12
2H200JA02
2H200JB10
2H200JC04
2H200LA07
2H200LA14
2H200MB02
2H200NA03
2H200NA06
2H200NA10
2H200PA08
2H200PB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】帯電装置に印加する交流電圧の周波数が常に高い(大きい)場合に比べて、感光体の摩耗を抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、トナー像を形成する表面を有する感光体と、交流電圧に基づいて前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、前記トナー像を搬送する搬送経路と、前記搬送経路上のトナー濃度を計測するセンサと、計測された前記トナー濃度に基づいて、前記帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更する制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する表面を有する感光体と、
交流電圧に基づいて前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記トナー像を搬送する搬送経路と、
前記搬送経路上のトナー濃度を計測するセンサと、
計測された前記トナー濃度に基づいて、前記帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更する制御部と、を備える、
画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送経路は、前記感光体から前記トナー像が転写される中間転写ベルトを有し、
前記センサは、前記中間転写ベルト上の前記トナー濃度を計測する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記センサは、前記搬送経路のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度を計測する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
帯電された前記感光体の前記表面に、前記感光体に前記トナー像を形成させるための静電潜像を形成する露光装置を備え、
前記制御部は、前記露光装置により形成される前記静電潜像に基づいて、前記交流電圧の前記周波数を、第一周波数から前記第一周波数よりも低い第二周波数に変更する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、計測された前記トナー濃度に基づいて、前記第二周波数を変更する、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、計測された前記トナー濃度が閾値濃度を超える場合に、前記第二周波数を高くする、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第二周波数を、前記搬送経路のトナー像が形成されていない領域の前記トナー濃度が閾値濃度以下となる周波数範囲内に設定する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第二周波数を前記周波数範囲の最小周波数に設定する、
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記交流電圧の周波数は、形成される前記トナー像の部分に画がある場合に、前記第一周波数に設定され、
前記交流電圧の周波数は、形成される前記トナー像の前記部分に画がない場合又はトナー像が形成されない場合に、前記第二周波数に設定される、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記帯電装置は、前記感光体との間に間隙を形成するように前記感光体から離間しており、前記第二周波数は、前記帯電装置と前記感光体との間の間隙の大きさに応じて前記制御部により設定される、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記帯電装置と前記感光体との間の間隙が大きいほど前記第二周波数を高くする、
請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
感光体から離間して配置され、交流電圧に基づいて前記感光体の表面を帯電させる非接触帯電装置と、
前記感光体の表面に形成される静電潜像に基づいて、前記帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更する制御部と、を備える、
画像形成装置の感光体帯電システム。
【請求項13】
前記制御部は、トナー像を搬送する搬送経路にトナー像が形成されていないときの前記搬送経路のトナー濃度を取得し、
前記制御部は、取得された前記トナー濃度に基づいて、前記帯電装置に印加する前記交流電圧の前記周波数を変更する、
請求項12に記載の感光体帯電システム。
【請求項14】
前記搬送経路は、印刷される前記トナー像を搬送する中間転写ベルトを有し、
前記制御部は、前記中間転写ベルト上の前記トナー濃度を取得する、
請求項13に記載の感光体帯電システム。
【請求項15】
前記制御部は、露光装置により形成される静電潜像に基づいて、前記交流電圧の前記周波数を第一周波数から前記第一周波数よりも低い第二周波数に変化させ、
前記制御部は、取得した前記トナー濃度が閾値濃度以上である場合に、前記第二周波数を高くする、
請求項13に記載の感光体帯電システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像形成装置には、感光体に対して非接触に配置された帯電装置を備えたものがある。このような画像形成装置では、直流電圧成分に交流電圧成分を重畳した電圧を帯電装置に印加することによって感光体の表面を帯電させる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1図1は、例の画像形成装置の模式図である。
図2図2は、例の感光体帯電システムの模式図である。
図3図3は、非接触式の帯電装置により感光体の表面を帯電した場合の、交流電圧の周波数と感光体の摩耗レートとの関係の例を示すグラフである。
図4図4は、例の印刷データを示す図である。
図5図5は、感光体の表面に形成されるトナー像と帯電装置に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示す模式図である。
図6図6は、印刷ジョブの流れと帯電装置に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示す模式図である。
図7図7は、帯電装置により感光体の表面を帯電した場合の、帯電装置に印加する交流電圧の周波数とバックグラウンド濃度との関係の例を示すグラフである。
図8図8は、帯電装置により感光体の表面を帯電した場合の、帯電装置と感光体との間の離間距離とバックグラウンド濃度が閾値濃度Tよりも高くなるときの帯電装置に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示すグラフである。
図9図9は、制御部による周波数切替処理の例を示すフローチャートである。
図10図10は、制御部による第二周波数設定処理の例を示すフローチャートである。
図11図11は、寿命延長調査の調査結果を示す表である。
図12図12は、寿命延長調査の調査結果を示す表である。
図13図13は、他の例の感光体帯電システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
例の画像形成装置は、トナー像を形成する表面を有する感光体と、交流電圧に基づいて前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、前記トナー像を搬送する搬送経路と、前記搬送経路上のトナー濃度を計測するセンサと、計測された前記トナー濃度に基づいて、前記帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更する制御部と、を備える。この画像形成装置では、制御部が、センサにより計測された搬送経路上のトナー濃度に基づいて、帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更するため、例えば、搬送経路上のトナー濃度が低い場合に、帯電装置に印加する交流電圧の周波数を低く(小さく)することができる。これにより、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が常に高い(大きい)場合に比べて、感光体の摩耗を抑制することができる。
【0004】
他の例の画像形成装置の感光体帯電システムは、感光体から離間して配置され、交流電圧に基づいて前記感光体の表面を帯電させる非接触帯電装置と、前記感光体の表面に形成される静電潜像に基づいて、前記帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更する制御部と、を備える。この感光体帯電システムでは、制御部が、感光体の表面に形成される静電潜像に基づいて、帯電装置に印加する交流電圧の周波数を変更するため、例えば、感光体の表面に形成される静電潜像に写真等の画が含まれない場合に、帯電装置に印加する交流電圧の周波数を低く(小さく)することができる。これにより、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が常に高い(大きい)場合に比べて、感光体の摩耗を抑制することができる。
【0005】
以下、図面を参照して、例の画像形成装置について説明する。なお、図面に基づいて説明するにあたり、同一の要素又は同一の機能を有する類似する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0006】
図1は、例の画像形成装置1の模式図である。図1に示すように、例の画像形成装置1は、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの四色のトナーを用いてカラー画像を形成する装置である。画像形成装置1は、搬送装置10と、複数の感光体20と、複数の現像装置30と、転写装置40と、定着装置50と、排出装置60と、制御部70と、を備える。
【0007】
搬送装置10は、画像が形成される記録媒体としての用紙Mを搬送する。複数の感光体20は、感光体20M,20Y,20C,20Kを有する。感光体20M,20Y,20C,20Kのそれぞれは、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックのそれぞれのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。感光体20M,20Y,20C,20Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、感光体20として纏めて説明する。感光体20は、表面(周面)に静電潜像が形成される表面21を有する。
【0008】
感光体20の周上には、現像装置30と、帯電装置22と、露光装置23と、クリーニングユニット24と、が設けられている。帯電装置22は、感光体20に対して非接触に設けられた帯電ローラであり、感光体20の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。露光装置23は、帯電装置22によって帯電した感光体20の表面21を、用紙Mに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体20の表面21に、用紙Mに形成する画像に対応した静電潜像が形成される。クリーニングユニット24は、感光体20上に残存するトナーを回収する。
【0009】
複数の現像装置30は、現像装置30M,30Y,30C,30Kを有する。現像装置30M,30Y,30C,30Kのそれぞれは、感光体20M,20Y,20C,20Kのそれぞれの周上に配置されて、感光体20M,20Y,20C,20Kのそれぞれの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。現像装置30M,30Y,30C,30Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、現像装置30として纏めて説明する。
【0010】
現像装置30は、感光体20の表面21にトナーを供給する現像ローラ31を有する。現像ローラ31が感光体20の表面21にトナーを供給することで、感光体20の表面21に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体20の表面21に、静電潜像に対応したトナー像、つまり用紙Mに形成する画像に対応したトナー像が形成される。
【0011】
転写装置40は、現像装置30により現像されたトナー像を搬送して用紙Mに転写する。転写装置40は、感光体20の表面21に形成されたトナー像が一次転写されるとともに一次転写された用紙Mにトナー像を用紙Mに二次転写するための中間転写ベルト41を備える。感光体20の表面21から中間転写ベルト41にトナー像が一次転写されることで、中間転写ベルト41にトナー像が形成される。このため、感光体20及び中間転写ベルト41のそれぞれは、トナー像を搬送する搬送経路を構成する。
【0012】
定着装置50は、中間転写ベルト41からトナー像が転写された用紙Mを加熱及び加圧することで、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着させる。排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙Mを装置外部へ排出する。
【0013】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する電子制御ユニットである。制御部70では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御部70は、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。制御部70は、画像形成装置1における様々な制御を行う。
【0014】
図2は、例の感光体帯電システム80の模式図である。図1及び図2に示すように、例の感光体帯電システム80は、感光体20の表面21を帯電させるためのシステムである。感光体帯電システム80は、帯電装置22と、電源81と、トナー濃度センサ82と、制御部70と、を備える。
【0015】
帯電装置22は、感光体20の表面21を所定の電位に帯電させる帯電手段である。帯電装置22は、非接触式の帯電装置である。帯電装置22は、感光体20との間に間隙Gを形成するように感光体20から離間している。感光体20と帯電装置22とは平行に延在している。このため、感光体20の表面21と帯電装置22の外周面との離間距離(すなわち、感光体20と帯電装置22との対向方向における間隙Gの長さ)は、感光体20の軸線方向において略一定に設定されている。感光体20の帯電の均一性を確保するために、感光体20と帯電装置22との対向方向における間隙Gの長さは、10[μm]以上100[μm]以下であってもよい。このように、帯電装置22が、感光体20に対して非接触で設けられることにより、摩擦による感光体20の摩耗が防止される。
【0016】
電源81は、感光体20を帯電するための電圧を帯電装置22に印加する。電源81から帯電装置22に印加される電圧は、直流電圧(DC電圧)と交流電圧(AC電圧)とが重畳された電圧である。帯電装置22に電圧が印加されると、帯電装置22と感光体20との間に放電が生じる。この放電によって、帯電装置22から感光体20に交流電流が流れ、感光体20の表面21のうち帯電装置22に対向する部分が帯電される。感光体20の回転に伴って、感光体20の表面21が全周にわたって帯電される。
【0017】
電源81は、周波数変換器(不図示)を含んでおり、帯電装置22に印加される交流電圧の周波数を変換する機能を有している。交流電圧の周波数は、制御部70によって制御される。また、電源81から帯電装置22に印加される電圧の直流成分は、例えば、-900[V]以上-300[V]以下の負のバイアス電圧を有している。一方、電源81から帯電装置22に印加される電圧の交流成分は、例えば、1500[V]以上3000[V]以下のピーク間電圧を有している。このような電圧が帯電装置22に印加されることにより、帯電装置22と感光体20との間に放電が生じ、感光体20の表面21のうち帯電装置22に対向する部分が帯電される。
【0018】
帯電装置22による感光体20の表面21の帯電は、感光体20を回転方向Dに回転させながら行う。そして、帯電装置22によって帯電した感光体20の表面21は、露光装置23から出力される光によって露光される。露光装置23は、例えばレーザ光走査装置を含んでおり、用紙Mに形成する画像に応じて表面21の一部にレーザ光を走査する。これにより、感光体20の表面21のうち露光装置42により露光された部分の電位が変化し、感光体20の表面21に、印刷データに対応した静電潜像が形成される。その後、露光装置23により静電潜像が形成された感光体20の表面21に、現像装置30の現像ローラ31からトナーが供給される。これにより、感光体20の表面21に、印刷データに対応したトナー像が形成される。
【0019】
制御部70は、電源81による帯電装置22への電圧の印加を制御する。また、制御部70は、電源81が帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を制御する。つまり、制御部70は、電源81が帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を変更する。
【0020】
図3は、非接触式の帯電装置22により感光体20の表面21を帯電した場合の、交流電圧の周波数と感光体20の摩耗レートとの関係の例を示すグラフである。図3に示すように、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が高くなるほど、感光体の摩耗レートが高くなっており、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が低くなるほど、感光体の摩耗レートが低くなっている。これは、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が高くなると、帯電装置から感光体に流れる交流電流が増加することにより、感光体の摩耗が促進され、反対に、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が低くなると、帯電装置から感光体に流れる交流電流が減少することにより、感光体の摩耗が抑制されることによるものと考えられる。
【0021】
そこで、制御部70は、感光体20の摩耗を抑制するために、周波数切替処理を行う。周波数切替処理は、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHと第二周波数FLとの間で変更する処理である。第二周波数FLは、第一周波数FHよりも低い周波数である。周波数切替処理では、制御部70は、感光体20の回転方向D(用紙Mの搬送方向:印刷方向)において、画(picture)の静電潜像及びトナー像を形成する感光体20の表面21の部分を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHに設定する。一方、制御部70は、感光体20の回転方向D(用紙Mの搬送方向)において、画のトナー像(静電潜像)を形成しない感光体20の表面21の部分を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第二周波数FLに設定する。画のトナー像を形成しない感光体20の表面21の部分には、例えば、テキストのトナー像が形成される部分、及びトナー像が形成されない部分が含まれる。
【0022】
感光体20の回転方向D(用紙Mの搬送方向:印刷方向)における、感光体20の表面21の画のトナー像(静電潜像)を形成する部分は、例えば、印刷メモリに展開された印刷データを解析することにより特定することができる。
【0023】
例えば、印刷メモリに展開された印刷データを、印刷方向に複数の分割領域に分割し、各分割領域におけるピクセルの画像濃度の分布を求める。各分割領域は、印刷方向に直交する走査方向の全域に延びた領域である。複数の分割領域のうち、画像濃度の分布が黒と白の二値で表される領域は、画の印刷データを有しない領域と判断する。一方、複数の分割領域のうち、画像濃度の分布が三値以上の様々な濃度分布を有する領域は、画の印刷データを有する領域であると判断する。そして、画の印刷データを有する領域に対応する感光体20の表面21を、画のトナー像(静電潜像)を形成する部分と判断し、画の印刷データを有しない領域に対応する感光体20の表面21を、画のトナー像(静電潜像)を形成しない部分と判断する。この場合、印刷メモリに展開された印刷データ印刷方向に分割する数を多くし、又は、印刷メモリに展開された印刷データ印刷方向に分割する分割幅を狭くすることで、感光体20の表面21の画のトナー像(静電潜像)を形成する部分を高精度に求めることができる。
【0024】
また、例えば、印刷メモリに展開された印刷データから、網点又は中間調のデータを抽出する。そして、網点又は中間調のデータがある部分を、画の印刷データを有する領域と判断し、網点又は中間調のデータがない部分を、画の印刷データを有しない領域と判断する。そして、画の印刷データを有する領域に対応する感光体20の表面21を、画のトナー像(静電潜像)を形成する部分と判断し、画の印刷データを有しない領域に対応する感光体20の表面21を、画のトナー像(静電潜像)を形成しない部分と判断する。
【0025】
図4は、例の印刷データ100を示す図である。図4に示す印刷データ100は、一頁分の印刷データである。印刷データ100では、頁の先頭から末尾に向けて、画101が含まれない第一非含画部分102、画101が含まれる含画部分103、及び画101が含まれない第二非含画部分104が、この順に配列されている。第一非含画部分102には、ヘッダー余白、テキスト等が含まれていてもよい。含画部分103には、画101の他に、テキスト等が含まれていてもよい。第二非含画部分104には、フッター余白、テキスト等が含まれていてもよい。
【0026】
図5は、感光体20の表面21に形成されるトナー像と帯電装置22に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示す模式図である。図5では、感光体20の表面21を平面状に展開して示している。また、図5では、図4に示す印刷データ100を印刷する場合を示している。図4及び図5に示すように、図4に示す印刷データ100を印刷する場合、感光体20の表面21には、印刷データ100に対応する静電潜像Lが形成される。感光体20の表面21に形成される静電潜像Lは、感光体20の回転方向Dに沿って、印刷データ100の第一非含画部分102に対応する第一非含画印刷領域L1、印刷データ100の含画部分103に対応する含画印刷領域L2、及び印刷データ100の第二非含画部分104に対応する第二非含画印刷領域L3により構成される。また、感光体20の表面21において、感光体20の回転方向Dにおける静電潜像Lの上流側は、静電潜像Lが形成されないプレ領域L0となり、感光体20の回転方向Dにおける静電潜像Lの下流側は、静電潜像が形成されないポスト領域L4となる。なお、プレ領域L0及びポスト領域L4は、帯電装置22により帯電される領域である。
【0027】
そして、制御部70は、感光体20の表面21のうち、含画印刷領域L2を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHに設定し、含画印刷領域L2以外の領域を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第二周波数FLに設定する。含画印刷領域L2以外の領域は、プレ領域L0、第一非含画印刷領域L1、第二非含画印刷領域L3、及びポスト領域L4である。
【0028】
図6は、印刷ジョブの流れと帯電装置に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示す模式図である。図6では、二頁の印刷データを用紙Mに印刷する印刷ジョブの流れの例を示している。この印刷ジョブでは、プレ処理J1、一頁目の印刷J2、頁間処理J3、二頁目の印刷J4、及びポスト処理J5がこの順で行われる。プレ処理J1は、印刷ジョブを実行するための準備処理であり、制御部70が印刷データを受け取ってから印刷ジョブが開始されるまでの期間に行われる。プレ処理J1は、ジョブ開始前の前回転とも呼ばれる。頁間処理J3は、頁間に、次頁の用紙Mが搬送されるのを待つための処理である。ポスト処理J5は、画像形成装置1を停止するための終了処理であり、印刷ジョブが終了してから画像形成装置1が停止するまでの期間に行われる。ポスト処理J5は、ジョブ終了後の後回転とも呼ばれる。プレ処理J1、頁間処理J3、及びポスト処理J5では、例えば、感光体20の表面に静電潜像及びトナー像を形成せずに、感光体20を空転させて、帯電装置22により感光体20の表面を帯電する。
【0029】
図6に示す印刷ジョブにより印刷する二頁の印刷データは、画が含まれない非含画部分111と画が含まれる含画部分112とにより構成される。非含画部分111には、ヘッダー余白、テキスト等が含まれていてもよい。含画部分112には、画の他に、テキスト等が含まれていてもよい。そして、制御部70は、感光体20の表面21の、一頁目の印刷J2の含画部分112及び二頁目の印刷J4の含画部分112に対応する領域を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHに設定する。一方、制御部70は、感光体20の表面21の、一頁目の印刷J2の含画部分112及び二頁目の印刷J4の含画部分112に対応しない領域を帯電する場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第二周波数FLに設定する。一頁目の印刷J2の含画部分112及び二頁目の印刷J4の含画部分112に対応しない領域は、プレ処理J1、一頁目の印刷J2の非含画部分111、頁間処理J3、二頁目の印刷J4の非含画部分111、及びポスト処理J5に対応する領域である。
【0030】
ところで、図3を参照すると、帯電装置に印加する交流電圧の周波数が低いほど感光体20の摩耗が抑制されるため、第二周波数FLは、出来るだけ低い値とすることが考えられる。しかしながら、帯電装置に印加する交流電圧の周波数を低くしすぎると、バックグラウンド汚染が発生する可能性がある。バックグラウンド汚染は、不要なトナーにより用紙Mの非印刷部分(バックグラウンド)が汚れることである。バックグラウンド汚染は、例えば、用紙Mの全体、又は用紙Mの一部領域が不要なトナーによってグレーになる現象である。
【0031】
そこで、帯電装置22により感光体20の表面21を帯電した場合の、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数とバックグラウンド濃度との関係を調べた。バックグラウンド濃度は、バックグラウンド汚染の評価指標の一つであり、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度である。この調査では、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を段階的に変えながら無露光現像を行い、バックグラウンド濃度として、トナー濃度センサ82(図1及び図2参照)により感光体20の下流側の中間転写ベルト41のトナー濃度を計測した。トナー濃度センサ82は、感光体20の下流側の中間転写ベルト41の近傍に配置されて、感光体20の下流側の中間転写ベルト41のトナー濃度を計測するセンサである。無露光現像は、帯電装置22により感光体20の表面21を帯電するが、露光装置23により感光体20の表面21を露光せずに、現像装置30の現像ローラ31から感光体20の表面21にトナーを供給する処理である。無露光現像では、感光体20の表面21に静電潜像が形成されないため、感光体20の表面21にトナー像が形成されない。このため、トナー濃度センサ82は、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度を計測することになる。
【0032】
また、感光体20の摩耗により帯電装置22と感光体20との離間距離が大きくなっていく。そこで、帯電装置22と感光体20との間の離間距離が21[μm]、50[μm]、及び98[μm]の三例について、上記のバックグラウンド濃度を計測した。帯電装置22と感光体20との離間距離が21[μm]の例は、感光体20が摩耗していない状態をモデル化した例であり、当該離間距離が50[μm]の例は、感光体20が摩耗している状態をモデル化した例であり、当該離間距離が98[μm]の例は、感光体20が相当程度摩耗している状態をモデル化した例である。計測結果を図7及び図8に示す。図7は、帯電装置22により感光体20の表面21を帯電した場合の、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数とバックグラウンド濃度との関係の例を示すグラフである。図8は、帯電装置22により感光体20の表面21を帯電した場合の、帯電装置22と感光体20との間の離間距離とバックグラウンド濃度が閾値濃度Tよりも高くなるときの帯電装置22に印加する交流電圧の周波数との関係の例を示すグラフである。閾値濃度Tは、バックグラウンド汚染と判断されるか否かを判定するために適宜設定される閾値である。なお、図7では、グラフを見やすくするために、帯電装置と感光体との間の離間距離が21[μm]及び98[μm]の二例のみを示している。
【0033】
図7に示すように、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を低くすると、バックグラウンド濃度が高くなり、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を低くしすぎると、バックグラウンド濃度が閾値濃度Tよりも高くなる。また、図7及び図8に示すように、帯電装置22と感光体20との間の離間距離が大きくなるほど、バックグラウンド濃度が閾値濃度Tよりも高くなるときの、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数が高くなる。
【0034】
そこで、制御部70は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を変更する。本例では、制御部70は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて、第二周波数FLを変更する。
【0035】
制御部70は、第二周波数設定処理を行う。第二周波数設定処理は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて第二周波数FLを変更する処理である。第二周波数設定処理では、制御部70は、第二周波数FLを、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲内に設定する。この場合、制御部70は、第二周波数FLを、当該周波数範囲の最小周波数(最低周波数)に設定してもよい。
【0036】
制御部70は、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度として、無露光現像を行った際にトナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度を取得する。そして、制御部70は、第二周波数FLを、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲内に設定する。この場合、制御部70は、第二周波数FLを、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲の最小周波数に設定してもよい。例えば、制御部70は、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を段階的に変えながら無露光現像を行い、トナー濃度センサ82によりバックグラウンド濃度を計測してもよい。そして、制御部70は、第二周波数FLを、段階的に変化させた複数の周波数のうちの、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲内の何れかに設定してもよい。この場合、制御部70は、第二周波数FLを、段階的に変化させた複数の周波数のうちの、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲の最小周波数に設定してもよい。
【0037】
また、第二周波数FLを一旦設定した後も、感光体20の摩耗が進行して帯電装置22と感光体20との離間距離が大きくなると、トナー濃度センサ82により計測されるトナー濃度が閾値濃度Tを超える場合がある。そこで、制御部70は、画像形成装置1の初期設定時、定期的、又は任意のタイミングで第二周波数設定処理を行う。そして、制御部70は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度Tを超える場合に、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度Tを超えないように、第二周波数FLを高くする。
【0038】
図9は、制御部70による周波数切替処理の例を示すフローチャートである。図9に示す周波数切替処理は、例えば、制御部70が印刷データを受信してから当該印刷データの印刷が終了するまでの間に繰り返し行われる。図9に示すように、周波数切替処理では、制御部70は、印刷データを受信すると、感光体20の回転方向Dにおいて、画のトナー像(静電潜像)を形成する感光体20の表面21の部分を帯電するか否かを判定する(ステップS1)。画のトナー像(静電潜像)を形成する感光体20の表面21の部分を帯電するか否かは、例えば、印刷メモリに展開された印刷データを解析することにより判定することができる。画のトナー像(静電潜像)を形成する感光体20の表面21の部分を帯電すると判定した場合(ステップS1:YES)、制御部70は、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHに設定し(ステップS2)、帯電装置22に電圧を印加する。一方、画のトナー像(静電潜像)を形成しない感光体20の表面21の部分を帯電すると判定した場合(ステップS1:NO)、制御部70は、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHより低い第二周波数FLに設定し(ステップS3)、帯電装置22に電圧を印加する。
【0039】
図10は、制御部70による第二周波数設定処理の例を示すフローチャートである。図10に示す第二周波数設定処理は、画像形成装置1の初期設定時、定期的、又は任意のタイミングで行われる。図10に示すように、第二周波数設定処理では、制御部70は、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を段階的に変えながら無露光現像を行い、トナー濃度センサ82によりバックグラウンド濃度を計測する(ステップS11)。次に、制御部70は、段階的に変化させた複数の周波数のうち、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲を特定する(ステップS12)。そして、制御部70は、第二周波数FLを、特定した周波数範囲の最少周波数に設定する(ステップS13)。
【0040】
このように、本例の画像形成装置1では、制御部70が、トナー濃度センサ82により計測された中間転写ベルト41上のトナー濃度に基づいて、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数のうちの少なくとも第二周波数FLを変更する。このため、中間転写ベルト41上のトナー濃度が低い場合に、帯電装置に印加する交流電圧の周波数のうちの少なくとも第二周波数FLを低くすることができる。これにより、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数が常に高い場合に比べて、感光体20の摩耗を抑制することができる。
【0041】
また、本例の画像形成装置1は、感光体20から離間して配置され、交流電圧に基づいて感光体20の表面21を帯電させる非接触式の帯電装置22を備え、制御部70が、感光体20の表面21に形成される静電潜像に基づいて、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を変更する。このため、感光体20の表面21に形成される静電潜像に写真等の画が含まれない場合に、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を低くすることができる。これにより、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数が常に高い場合に比べて、感光体20の摩耗を抑制することができる。
【0042】
また、本例の画像形成装置1では、制御部70は、第二周波数設定処理により、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて、第二周波数FLを変更する。つまり、制御部70は、第二周波数設定処理により、第二周波数FLを、バックグラウンド濃度が閾値濃度T以下となる周波数範囲内に設定する。このため、感光体20の摩耗等によるバックグラウンド汚染の発生を抑制しつつ、感光体20の摩耗を適切に抑制することができる。
【0043】
ここで、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHと第二周波数FLとの間で変更する周波数切替処理、及び第二周波数FLを変更する第二周波数設定処理を行った場合の、感光体20の寿命延長について調べた。この調査では、画とテキストとの比が、画:テキスト=0:100、画:テキスト=10:90、画:テキスト=20:80、の三種の印刷データを用いて、例1~3における感光体20の寿命を計測した。図11は、例1~3の条件を示す表である。図11に示すように、例1は、周波数切替処理及び第二周波数設定処理の何れも行わず、帯電装置22に印加する交流電圧の周波数を第一周波数FHの一定にした場合とした。例2は、周波数切替処理を行ったが第二周波数設定処理を行わなかった場合とした。例3は、周波数切替処理及び第二周波数設定処理の双方を行った場合とした。そして、例1における感光体20の寿命を基準寿命とし、基準寿命に対する例2及び例3における感光体20の寿命の寿命延長割合を算出した。算出結果を図12に示す。
【0044】
図11及び図12に示すように、周波数切替処理を行った例2及び3では、周波数切替処理を行わなかった例1に比べて、感光体20の寿命が大幅に延長した。また、例2及び3では、画に対するテキストの割合が大きくなるほど、感光体20の寿命が大幅に延長した。更に、周波数切替処理を行った例3では、周波数切替処理を行わなかった例3に比べて、感光体20の寿命が大幅に延長した。
【0045】
本明細書に記載の全ての側面、利点及び特徴が、必ずしも、いずれかひとつの特定の例及び実施形態により達成される又は含まれるわけではないことは理解されたい。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例もその配置及び詳細について修正することができることは明らかであるべきだ。ここに請求される保護主題の精神及び範囲に包含される全ての修正及び変形を請求する。
【0046】
例えば、上記の例では、制御部70は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて、第二周波数FLを変更するものと説明した。しかしながら、制御部70は、トナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度に基づいて、第二周波数FLだけでなく第一周波数FHも変更してもよい。
【0047】
例えば、上記の例では、無露光現像を行った際にトナー濃度センサ82により計測されたバックグラウンド濃度を、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度として説明した。しかしながら、無露光現像でない場合であっても、トナー像が形成されていない領域が分かれば、トナー濃度センサ82により当該領域を計測したトナー濃度を、中間転写ベルト41のトナー像が形成されていない領域のトナー濃度としてもよい。
【0048】
例えば、上記の例では、帯電装置22は、感光体20から離間した非接触式であるものとして説明した。しかしながら、図13に示す他の例の感光体帯電システム80Aの帯電装置22Aのように、感光体20に接触した接触式であってもよい。
【0049】
例えば、上記の例では、トナー濃度センサ82は、中間転写ベルト41上のトナー濃度を計測するものとして説明した。しかしながら、上述したように、中間転写ベルト41だけでなく、感光体20も、トナー像を搬送する搬送経路を構成する。このため、トナー濃度センサ82は、トナー像を搬送する搬送経路上のトナー濃度として、中間転写ベルト41上のトナー濃度の代わりに感光体20上のトナー濃度を計測してもよく、中間転写ベルト41上のトナー濃度及び感光体20上のトナー濃度の双方を計測してもよい。
【0050】
例えば、上記の例では、画像形成装置は、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの四色のトナーを用いてカラー画像を形成する装置であるものとして説明した。しかしながら、画像形成装置は、単色のトナーを用いて単色画像を形成する装置であってもよい。ここで、単色画像を形成する画像形成装置は、例えば、中間転写ベルトを備えず、感光体から用紙にトナー像を直接転写する。しかしながら、上述したように、感光体もトナー像を搬送する搬送経路を構成する。このため、単色画像を形成する画像形成装置のように中間転写ベルトを備えない装置では、トナー濃度センサは、トナー像を搬送する搬送経路上のトナー濃度として、感光体上のトナー濃度を計測してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13