(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004290
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】乗客コンベアの通知システム、携帯型端末装置、サーバ、および通知システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
B66B 27/00 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
B66B27/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105888
(22)【出願日】2021-06-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田平 尚己
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA04
3F321AA11
3F321EA02
3F321EB07
3F321FA00
3F321FB15
3F321GA31
(57)【要約】
【課題】乗客コンベアを利用するユーザに対して、当該ユーザの位置に応じてより適切な情報を通知する。
【解決手段】通知システム(100)は、乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部(13)を有する端末装置(1)を備える通知システムであって、前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定部(213)と、前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定部(217)と、前記通知情報を通知するよう前記通知部(13)を制御する通知制御部(112)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える乗客コンベアの通知システムであって、
前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定部と、
前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定部と、
前記決定部により決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御部と、を備える、乗客コンベアの通知システム。
【請求項2】
前記携帯型端末装置は、ウェアラブル端末であり、
前記通知部は、表示、振動、および音声の少なくともいずれか1つによる通知動作を行う、請求項1に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項3】
前記ウェアラブル端末は、前記通知部として、ユーザの視界に画像を表示可能な表示部を備えている、請求項2に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項4】
前記携帯型端末装置は杖であり、
前記杖は、前記通知部として、当該杖を振動させる振動部を備える、請求項1に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項5】
前記特定部および前記決定部を有するサーバを備え、
前記サーバは前記携帯型端末装置に通信可能に接続されており、
前記携帯型端末装置は、前記サーバから前記通知情報を受信する、請求項1から4のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項6】
前記携帯型端末装置は、
該携帯型端末装置の周囲を撮像する撮像部を備え、
前記撮像部によって撮像された画像を前記サーバに送信し、
前記特定部は、前記画像に基づき前記ユーザの位置を特定する、請求項5に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項7】
前記乗客コンベアは、前記携帯型端末装置と通信可能な通信部を備え、
前記特定部は、前記携帯型端末装置と前記通信部との間の通信に用いる電波強度に基づき、前記ユーザの位置を特定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項8】
前記携帯型端末装置は、前記乗客コンベアで搬送されている前記ユーザの動作を検知する動作検知部を備え、
前記通知制御部は、前記動作検知部により検知された前記ユーザの動作の程度を示す動作検知情報に基づき決定された前記通知情報を前記通知部に通知させる、請求項1から7のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項9】
前記動作検知部は、加速度センサである、請求項8に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項10】
乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える乗客コンベアの通知システムの制御方法であって、
前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定ステップと、
前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御ステップと、を含む、制御方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システムが備える携帯型端末装置。
【請求項12】
請求項5に記載の乗客コンベアの通知システムが備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客コンベアの通知システム、携帯型端末装置、サーバ、および通知システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乗客コンベアの乗降口から比較的離れた場所にいるユーザに対して該乗客コンベアの運転に関する情報を知らせることができる表示装置が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、エレベータを利用するユーザに対して、該エレベータの案内情報を報知するウェアラブル端末を含むエレベータシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-067442
【特許文献2】特開2017-001766
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザを移動させる移動装置の中で、特にエスカレータ等の乗客コンベアを利用するユーザに対して適切な情報を通知する技術にはなお改善の余地がある。
【0006】
本発明の一態様は、乗客コンベアを利用するユーザに対して、当該ユーザの位置に応じてより適切な情報を通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る乗客コンベアの通知システムは、乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える通知システムであって、前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定部と、前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定部と、前記決定部により決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御部と、を備える。
【0008】
当該構成によると、エスカレータ等の乗客コンベアを利用するユーザに対して、乗客コンベアの乗客搬送領域における位置に応じて、適切な通知を行うことが可能である。
【0009】
本発明の態様2に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様1において、前記携帯型端末装置は、ウェアラブル端末であってもよく、前記通知部は、表示、振動、および音声の少なくともいずれか1つによる通知動作を行ってもよい。
【0010】
ウェアラブル端末は、ユーザの身体に装着される装置である。上述の構成によると、ユーザに装着されたウェアラブル端末が通知部による通知を行うことで、ユーザに対してより確実に通知情報を通知することができる。
【0011】
本発明の態様3に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様2において、前記ウェアラブル端末は、前記通知部として、ユーザの視界に画像を表示可能な表示部を備えていてもよい。このようなウェアラブル端末は、例えばスマートグラスである。上述の構成によると、ウェアラブル端末は、ユーザの視界に通知情報を示す画像を表示することができるため、より確実にユーザに対して通知情報を通知することができる。
【0012】
本発明の態様4に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様1において、前記携帯型端末装置は杖であってもよく、前記杖は、前記通知部として、当該杖を振動させる振動部を備えてもよい。当該構成によると、通知システムは、ユーザが所持する杖から通知を行うことができる。ユーザは杖を手に持っている可能性が高いため、当該杖の通知部から振動による通知を行うことで、より確実にユーザに対して通知情報を通知することができる。
【0013】
本発明の態様5に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記特定部および前記決定部を有するサーバを備え、前記サーバは前記携帯型端末装置に通信可能に接続されており、前記携帯型端末装置は、前記サーバから前記通知情報を受信してもよい。当該構成によると、ユーザの位置を特定する処理、およびユーザに対して通知する通知情報を決定する処理等をサーバで行うことができる。これにより、ユーザに対して実際に通知を行う携帯端末装置の構成を簡略化することができる。
【0014】
本発明の態様6に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様5において、前記携帯型端末装置は、該携帯型端末装置の周囲を撮像する撮像部を備え、前記撮像部によって撮像された画像を前記サーバに送信し、前記特定部は、前記画像に基づき前記ユーザの位置を特定してもよい。携帯型端末装置によって撮像された画像は、該携帯型端末装置を所持するユーザ付近の状況を示す画像であると考えられる。そのため、上述の構成によると、ユーザ付近の画像に基づき該ユーザの位置を特定することができる。
【0015】
本発明の態様7に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記乗客コンベアは、前記携帯型端末装置と通信可能な通信部を備え、前記特定部は、前記携帯型端末装置と前記通信部との間の通信に用いる電波強度に基づき、前記ユーザの位置を特定してもよい。当該構成によると、通知システムは、ユーザが所持する携帯型端末装置と通信部との間の通信に用いる電波強度に基づきユーザの位置を特定することができる。
【0016】
本発明の態様8に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様1から7のいずれかにおいて、前記携帯型端末装置は、前記乗客コンベアで搬送されている前記ユーザの動作を検知する動作検知部を備え、前記通知制御部は、前記動作検知部により検知された前記ユーザの動作の程度を示す動作検知情報に基づき決定された前記通知情報を前記通知部に通知させてもよい。当該構成によると、携帯端末装置は、乗客コンベアで搬送されているユーザが想定外の動作をした場合に、警告の通知を行うことができる。
【0017】
本発明の態様9に係る乗客コンベアの通知システムは、上記態様8において、前記動作検知部は、加速度センサであってもよい。当該構成によると、通知システムでは、ユーザの加速度に基づいて、例えば該ユーザの歩行動作などを検知することができる。
【0018】
また、上記の課題を解決するために、本発明の態様10に係る制御方法は、乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える乗客コンベアの通知システムの制御方法であって、前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定ステップと、前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御ステップと、を含む。
【0019】
また、上記態様1から9のいずれかに係る携帯型端末装置、および上記態様5に係る通知システムが備えるサーバも、本発明の範疇に入る。
【0020】
本発明の各態様に係る乗客コンベアの通知システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記通知システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記通知システムをコンピュータにて実現させる通知システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、乗客コンベアを利用するユーザに対して、当該ユーザの位置に応じてより適切な情報を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態1に係る通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】通知システムが備える端末装置としてのスマートグラスを示す概略図である。
【
図3】端末装置において、通知部としての表示部に表示される情報の一例を示す図である。
【
図4】端末装置において、通知部としての表示部に表示される情報の別の例を示す図である。
【
図5】通知システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態2に係る通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】通知部としての表示部に表示される制止情報の一例を示す図である。
【
図8】通知システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態3に係る通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】通知システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】通知システムの変形例である通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図12】通知システムの変形例である通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図13】通知システムの変形例である通知システムの構成を示すブロック図である。
【
図14】端末装置の一例としてのスマート白杖を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔実施形態1〕
<通知システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る通知システム100(乗客コンベアの通知システム)の構成を示すブロック図である。通知システム100は、乗客コンベアを利用するユーザに対し、該ユーザの位置に応じた情報を通知するシステムである。また、本実施形態では、利用者を移動させるためのコンベア式の移動装置である乗客コンベアとして、エスカレータを例に挙げて説明するが、乗客コンベアはエスカレータのみに限られない。例えば、乗客コンベアは、動く歩道(ムービングウォーク)であってもよい。
【0024】
図1に示すように、通知システム100は端末装置1(携帯型端末装置)およびサーバ装置2(サーバ)を備える。端末装置1は、ユーザの位置を特定するための情報を取得し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、端末装置1から当該情報を受信すると、当該情報に基づき、エスカレータに対するユーザの位置を特定する。また、サーバ装置2は、エスカレータに対する当該ユーザの位置に応じて、ユーザに通知する通知情報を決定し、端末装置1に送信する。端末装置1は、サーバ装置2において決定された情報を受信し、ユーザに対して通知する。これにより、通知システム100は、エスカレータに対するユーザの位置に応じて適切な情報を該ユーザに対して通知することができる。
【0025】
以下、本実施形態では、端末装置1は、ユーザの位置を特定するための情報の一例として、ユーザの周囲の状況を示す画像を撮像し、サーバ装置2は当該画像データに基づきユーザの位置を特定する場合について説明する。
【0026】
<端末装置1>
図2は、通知システム100が備える端末装置1としてのスマートグラスを示す概略図である。端末装置1は、ユーザが携帯可能な装置であり、サーバ装置2と通信可能に接続されている。具体的には、端末装置1は、スマートフォン、または杖、特にスマート白杖等であってもよい。また、端末装置1は、ユーザが該ユーザの身体に装着可能なウェアラブル端末等であってもよい。具体的には、スマートグラス、ハンズフリーイヤフォン、またはスマートウォッチ等である。以下、
図2に示すように、本実施形態では、端末装置1がスマートグラスである場合を例に挙げて説明する。
【0027】
図1に示すように、端末装置1は、制御部11、撮像部12、および通知部13を備える。制御部11は、端末装置1における各処理を実行する。制御部11の詳細については後述する。また、通信部14は、端末装置1がサーバ装置2と無線通信を行うための通信モジュールである。
【0028】
撮像部12は、端末装置1の周囲の状況を示す画像を撮像するカメラである。端末装置1はユーザによって携帯されるため、端末装置1の周囲の状況を示す画像は、ユーザの周囲の状況を示す画像と言い換えることもできる。以下、ユーザの周囲の状況を示す画像を、周辺画像と称する。端末装置1がスマートグラスである場合、撮像部12は、例えば端末装置1の正面、具体的には
図2に示すようにユーザの視界内の風景を撮像可能な位置に設けられる。これにより、撮像部12はユーザの向いている方向、すなわちユーザの進行方向の状況を示す周辺画像を撮像することができる。なお、撮像部12による撮像は、所定時間ごとに行われてもよいし、不図示の操作部に対するユーザの操作に応じて任意のタイミングで行われてもよい。
【0029】
通知部13は、通知制御部112の制御に従い動作し、ユーザに対して通知を行う。通知部13は、表示、振動、および音声の少なくともいずれか1つによる通知動作によりユーザに対する通知を行う。一例として、本実施形態に係る通知部13は、通知制御部112の制御に従い、ユーザに対する通知の内容を示す画像を表示するディスプレイ等の表示部である。端末装置1がスマートグラスである場合、表示部は、ユーザがスマートグラスを着用している状態において、該ユーザの視界に画像を表示可能な位置に設けられてもよい。具体的には、
図2に示すように、通知部13としての表示部は、スマートグラスのレンズ部分に設けられてもよい。
【0030】
図1に示すように、制御部11は、取得部111および通知制御部112を備える。取得部111は、撮像部12によって撮像された周辺画像を取得する。また、取得部111は、取得した画像のデータを、端末装置1を所持するユーザを識別するためのユーザIDと共に、通信部14を介してサーバ装置2に送信する。
【0031】
通知制御部112は、通知部13を制御することで、サーバ装置2の決定部217(後述)により決定された通知情報をユーザに対して通知させる。具体的には、通知制御部112は、通知部13を介してサーバ装置2から通知情報を受信する。また、通知制御部112は、受信した通知情報に基づき通知部13を制御し、ユーザに対して該通知情報を通知させる。
【0032】
端末装置1が通知部13としての表示部を備える場合、通知制御部112は、通知情報を示す画像を該表示部に表示させる。特に、端末装置1がユーザの視界内に画像を表示可能な表示部を備えるスマートグラスである場合、通知制御部112は、通知情報を示す画像を該表示部に表示させることで、より確実にユーザに対して通知の内容を認識させることができる。
【0033】
図3は、端末装置1において、通知部13としての表示部に表示される情報の一例を示す図である。
図3に示すように、通知制御部112は、通知部13にエスカレータに関する各種情報を表示させてもよい。具体的には、通知制御部112は、通知部13に、ユーザの視界P1内に存在するエスカレータの乗車口および降車口が設けられる階床を示す情報Q1、エスカレータの進行方向を示す情報Q2を表示させる。
【0034】
また、
図3に示すように、ユーザがエスカレータに乗車しておらず、エスカレータの付近からエスカレータを見ている状態である場合、通知制御部112は、通知部13にさらに他の情報を表示させてもよい。具体的には、
図3に示すように、通知制御部112は、ユーザがエスカレータを利用した場合の消費カロリーQ3および経路Q5を表示させてもよい。さらに、通知制御部112は、エスカレータを利用せずに当該エスカレータの乗場付近から終点付近まで移動した場合の消費カロリーQ4および経路Q6を表示させてもよい。
【0035】
図4は、端末装置1において、通知部13としての表示部に表示される情報の別の例を示す図である。
図4に示すように、通知制御部112は、ユーザがエスカレータに乗車している状態において、ユーザの視界P2内に、エスカレータの終点P2´が存在する場合、終点P2´が接近していることを示す情報を通知部13に表示させてもよい。具体的には、通知制御部112は、通知部13に、終点接近情報Q7、すなわち終点が接近している旨の情報および当該終点が設けられている階床を示す情報を表示させてもよい。
【0036】
<サーバ装置2>
サーバ装置2は、エスカレータに対するユーザの位置を特定し、当該位置に基づき該ユーザに通知する通知情報を決定する装置である。サーバ装置2は、端末装置1と通信可能に接続されている。また、サーバ装置2は、端末装置1と通信可能であればよく、設けられる位置は特に限定されない。一例として、サーバ装置2は端末装置1と通信可能なクラウドサーバであってもよい。また、別の例として、サーバ装置2は、エスカレータの近傍に設けられていてもよいし、エスカレータの動作を制御する制御装置と一体の装置であってもよい。
図1に示すように、サーバ装置2は制御部21、通信部22、および記憶部23を備える。制御部21は、サーバ装置2において行われる各処理を実行する。制御部21の詳細については後述する。通信部22は、サーバ装置2が端末装置1と通信を行うための通信モジュールである。
【0037】
記憶部23は、サーバ装置2において用いられる各種情報を記憶する。
図1に示すように、記憶部23は、エスカレータ情報データベース231およびユーザ情報データベース232を記憶している。エスカレータ情報データベース231は、エスカレータを識別するための識別情報(エスカレータID)と該エスカレータに関する情報とが、エスカレータ毎に対応付けられたデータベースである。エスカレータに関する情報とは、例えばエスカレータを特定するための情報、具体的にはエスカレータの外観、および該エスカレータの周囲の風景等、ユーザがエスカレータ付近に位置している場合に端末装置1によって取得され得る画像である。また、エスカレータに関する情報には、ユーザがエスカレータに乗車しているか否かを判定するための情報が含まれている。エスカレータに乗車しているか否かを判定するための情報とは、例えばユーザがエスカレータに乗車しているときに端末装置1によって撮像され得る画像である。
【0038】
また、エスカレータに関する情報には、例えばエスカレータの運行情報が含まれている。エスカレータの運行情報とは、該エスカレータの進行方向および該エスカレータが運行しているか否かを示す運行状況を示す情報である。また、エスカレータに関する情報には、該エスカレータの乗場および終点が設けられた階床、該階床に存在する施設または店舗等の情報、および該エスカレータを利用して移動した場合の基礎消費カロリーを示す情報が含まれていてもよい。基礎消費カロリーとは、体重を考慮せずに特定される消費カロリーを示す。さらに、エスカレータに関する情報には、該エスカレータを利用せずに該エスカレータの乗場が設けられた階床から該エスカレータの終点が設けられた階床まで移動する場合の経路を示す情報が含まれていてもよい。さらに、エスカレータに関する情報には、当該経路を利用して移動した場合の基礎消費カロリーが含まれていてもよい。
【0039】
ユーザ情報データベース232は、端末装置1を所持し、通知システム100を利用するユーザの識別情報(ユーザID)と、ユーザに関連する情報とが対応付けられて記憶されている。ユーザに関連する情報とは、例えばユーザの体重等を示す情報である。
【0040】
図1に示すように、制御部21は、エスカレータ判定部211、エスカレータ特定部212、特定部213、算出部216、および決定部217を備える。エスカレータ判定部211は、ユーザがエスカレータのコンベア上とエスカレータ周辺とを含む領域内(以下、エスカレータ付近)に位置しているか否かを判定する。具体的には、エスカレータ判定部211は、通信部22を介して端末装置1によって撮像された周辺画像を受信し、当該画像に基づき、ユーザがエスカレータ付近に位置しているか否かを判定する。ユーザがエスカレータ付近に位置していると判定した場合、エスカレータ判定部211は、当該判定の結果をエスカレータ特定部212および特定部213に出力する。ユーザがエスカレータ付近に位置していないと判定した場合、エスカレータ判定部211は、当該判定の結果を特定部213に出力する。
【0041】
一例として、エスカレータ判定部211は、エスカレータ情報データベース231に記録されているエスカレータを示す画像と撮像部12によって撮像された画像とのデータマッチングを行うことにより、当該判定を行う。
【0042】
エスカレータ特定部212は、エスカレータ判定部211から判定結果を取得した場合、すなわちユーザが少なくともエスカレータ付近に位置する場合、該ユーザの付近に存在するエスカレータおよび当該エスカレータに関する情報を特定する。具体的には、エスカレータ特定部212は、記憶部23のエスカレータ情報データベース231を参照し、画像に含まれるエスカレータを特定する。また、エスカレータ特定部212は、さらにエスカレータ情報データベース231を参照し、特定したエスカレータに関する情報を取得する。エスカレータ特定部212は、特定したエスカレータを示すエスカレータIDおよびエスカレータに関する情報を特定部213および決定部217に出力する。
【0043】
特定部213は、エスカレータによる乗客搬送領域における、ユーザの位置を特定する。乗客搬送領域とは、エスカレータによって乗客が搬送される領域であり、具体的にはエスカレータのコンベア上である。
図1に示すように、特定部213は、乗車判定部214および乗車位置特定部215を備える。特定部213は、特定したユーザの位置を示す情報を決定部217に出力する。なお、エスカレータ判定部211から、ユーザがエスカレータ付近に位置していないことを示す判定結果を取得した場合、ユーザの位置を、乗客搬送領域外であり、さらにエスカレータから離れた位置であると特定し、処理を終了する。
【0044】
乗車判定部214は、エスカレータ付近に位置することを示す判定結果、およびユーザの付近に位置するエスカレータを示すエスカレータIDを取得すると、当該ユーザが当該エスカレータに乗車しているか否かを判定する。乗車判定部214は、端末装置1によって撮像された画像およびエスカレータ情報データベース231に記憶されているユーザがエスカレータに乗車しているか否かを判定するための情報に基づき、当該判定を行う。ユーザがエスカレータに乗車していると判定した場合、乗車判定部214は当該判定結果を乗車位置特定部215に出力する。一方、ユーザがエスカレータに乗車していないと判定した場合、乗車判定部214は、ユーザの位置を、エスカレータ付近であり、かつ該エスカレータの乗客搬送領域外の位置と特定し、当該位置を示す情報を算出部216および決定部217に出力する。
【0045】
乗車位置特定部215は、ユーザがエスカレータに乗車していることを示す判定結果を取得した場合、エスカレータの乗客搬送領域におけるユーザの位置を特定する。例えば、乗車位置特定部215は、エスカレータ情報データベース231を参照し、端末装置1によって撮像された画像により示されるユーザの位置が、エスカレータの終点付近であるか否か、すなわちユーザが終点付近に到達しているか否かを判定してもよい。
【0046】
ユーザが終点付近に到達している場合、乗車位置特定部215は、ユーザの位置を、乗客搬送領域内であり、かつ該エスカレータの終点付近の位置と特定し、当該位置を示す情報を決定部217に出力する。また、ユーザが終点付近に到達していない場合、乗車位置特定部215は、ユーザの位置を、乗客搬送領域内であり、かつ該エスカレータの終点から離れた位置と特定し、当該位置を示す情報を決定部217に出力する。
【0047】
算出部216は、エスカレータ特定部212から、エスカレータを利用した場合の基礎消費カロリーおよび該エスカレータを利用せずに移動した場合の基礎消費カロリーを示す情報を取得する。算出部216は、さらに特定部213から、ユーザの位置がエスカレータ付近であり、かつエスカレータに乗車していない位置であることを示す情報を取得した場合、該ユーザの移動に係る消費カロリーを算出する。
【0048】
具体的には、算出部216は、ユーザIDに基づきユーザ情報データベース232を参照し、当該ユーザIDによって示されるユーザの体重を取得する。算出部216は、エスカレータ特定部212から取得したエスカレータを利用した場合の基礎消費カロリーおよびユーザの体重に基づき、ユーザがエスカレータを利用して該エスカレータの乗場付近から降場付近まで移動した場合の消費カロリーを算出する。また、算出部216は、ユーザがエスカレータを利用せずに該エスカレータの乗場付近から降場付近まで移動可能な経路を利用した場合の基礎消費カロリーおよびユーザの体重に基づき、当該経路を利用した場合の消費カロリーを算出する。算出部216は、算出した各消費カロリーを示す情報を決定部217に出力する。
【0049】
決定部217は、通知の内容を決定し、決定した通知情報を端末装置1に送信する。決定部217は、エスカレータ判定部211から、ユーザがエスカレータ付近に位置するか否かを示す判定結果を取得する。また、エスカレータ特定部212から、特定したエスカレータを示す情報、および当該エスカレータに関する情報を取得する。ユーザが少なくともエスカレータ付近に位置する場合、決定部217は、エスカレータに関する情報、例えばエスカレータの運行に関する運行情報を、ユーザに通知する通知情報として決定し、決定した当該情報を、通信部22を介して端末装置1に送信する。
【0050】
さらに、決定部217は、特定部213によって特定されたユーザの位置に基づき通知の内容を決定する。具体的には、決定部217は、特定部213からユーザの位置を示す情報を取得する。ユーザの位置が、エスカレータ付近であり、かつ乗客搬送領域外の位置であることを示す情報を取得した場合、決定部217は、エスカレータ特定部212から、ユーザがエスカレータを利用して移動した場合の経路を示す情報を取得する。また、決定部217は、該ユーザがエスカレータを利用せずに移動した場合の経路を示す情報を取得する。さらに、決定部217は、算出部216から、ユーザがエスカレータを利用した場合、および利用しなかった場合の消費カロリーを取得する。決定部217は、取得した各経路および当該各径路を利用した場合の消費カロリーを示す情報を、ユーザに通知する通知情報として決定する。決定部217は、決定した情報、すなわちエスカレータの運行情報、各種経路、および消費カロリーを示す情報を端末装置1に送信する。この場合、
図3に示すように、端末装置1の通知部13には、エスカレータの運行情報、各種経路、および消費カロリーを示す情報が表示される。
【0051】
また、ユーザの位置が、乗客搬送領域内であり、かつエスカレータの終点付近でない場合、決定部217は、エスカレータの運行情報をユーザに通知する通知情報として決定する。また、ユーザの位置が、乗客搬送領域内であり、かつエスカレータの終点付近である場合、決定部217は、エスカレータの運行情報に加え、終点が接近していることを示す情報(終点接近情報)を、ユーザに通知する通知情報として決定する。この場合、
図4に示すように、端末装置1の通知部13には、エスカレータの終点が接近していることを示す情報が表示される。
【0052】
<通知システム100における処理の流れの一例>
図5は、通知システム100において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図5を用いて、通知システム100における処理の流れの一例について説明する。まず、端末装置1の撮像部12によって、周辺画像が撮像される。取得部111は、撮像部12によって撮像された周辺画像を取得し(S1)、当該画像を端末装置1のユーザIDと共に、通信部14を介してサーバ装置2に送信する。
【0053】
サーバ装置2のエスカレータ判定部211は、通信部22を介して周辺画像を受信すると、エスカレータ情報データベース231を参照し、当該周辺画像にエスカレータが含まれるか否か(S2)、すなわちユーザがエスカレータ付近に位置するか否かを判定する。周辺画像にエスカレータが含まれない場合(S2でNO)、エスカレータ判定部211は、当該判定結果を特定部213に出力する。特定部213は、当該判定結果を取得した場合、ユーザの位置をエスカレータ付近の範囲外であると特定(S3:特定ステップ)し、処理を終了する。
【0054】
周辺画像にエスカレータが含まれる場合(S2でYES)、エスカレータ判定部211は当該判定の結果をエスカレータ特定部212および判定部に出力する。エスカレータ特定部212は、周辺画像にエスカレータが含まれることを示す判定結果を取得すると、エスカレータ情報データベース231を参照し、当該周辺画像に含まれるエスカレータを特定する(S4)。さらに、エスカレータ特定部212は、エスカレータ情報データベース231を参照し、特定したエスカレータに関する情報、例えばエスカレータの運行に関する情報を特定する(S5)。エスカレータ特定部212は、特定したエスカレータに関する情報を決定部217および算出部216に出力する。
【0055】
特定部213は、エスカレータ判定部211から、周辺画像にエスカレータが含まれる、すなわちユーザがエスカレータ付近に位置することを示す判定結果を取得する。また、S4の後、特定部213は、エスカレータに対するユーザの位置を特定する(S6:特定ステップ)。具体的には、特定部213の乗車判定部214は、周辺画像に基づき、ユーザがエスカレータに乗車しているか否か、すなわちユーザの位置がエスカレータの搬送領域内であるか否かを判定する(S7)。ユーザがエスカレータ上に位置していない場合(S7でNO)、特定部213は、ユーザの位置をエスカレータ付近であって、かつエスカレータの搬送領域外であると特定する(S8:特定ステップ)。特定部213は、特定したユーザの位置を示す情報を算出部216および決定部217に出力する。
【0056】
算出部216は、エスカレータ特定部212から、エスカレータに関する情報を取得し、特定部213からユーザの位置を示す情報を取得すると、ユーザ情報データベース232を参照し、ユーザの体重を示す情報を取得する。算出部216は、エスカレータに関する情報に含まれる、エスカレータを利用した場合および利用しなかった場合の基礎消費カロリーおよびユーザの体重に基づき、ユーザがエスカレータを利用した場合および利用しなかった場合の消費カロリーを算出する(S9)。算出部216は、算出した消費カロリーを示す情報を決定部217に出力する。
【0057】
決定部217は、特定部213から取得したユーザの位置に基づき該ユーザに通知する通知情報を決定する。ユーザの位置がエスカレータ付近であり、かつエスカレータ上でない場合、決定部217は、消費カロリーおよびエスカレータの運行情報を、ユーザに通知する通知情報として決定する(S10:決定ステップ)。具体的には、決定部217は、エスカレータ特定部212からエスカレータに関する情報としてエスカレータの運行情報、エスカレータを利用した場合の経路を示す情報、およびエスカレータを利用せずに移動した場合の経路を示す情報を取得する。また、決定部217は、算出部216から、エスカレータを利用した場合の消費カロリーを示す情報、およびエスカレータを利用せずに移動した場合の消費カロリーを示す情報を取得する。決定部217は、取得した各情報を、端末装置1に送信する。
【0058】
一方、S7でYESの場合、すなわち乗車判定部214においてユーザの位置がエスカレータの搬送領域内であると判定された場合、特定部213は、エスカレータ上におけるユーザの位置をさらに特定する。具体的には、乗車判定部214は当該判定の結果を乗車位置特定部215に出力する。乗車位置特定部215は、当該判定の結果を取得すると、周辺画像に所定以上の割合で終点の画像が含まれるか、すなわちユーザの位置がエスカレータの終点付近であるか否かを判定する(S11)。ユーザの位置がエスカレータの終点付近である場合(S11でYES)、特定部213は、ユーザの位置を、エスカレータの搬送領域内であり、かつ該エスカレータの終点付近であると特定する(S12:特定ステップ)。特定部213は、特定したユーザの位置を示す情報を決定部217に出力する。
【0059】
決定部217は、ユーザの位置はエスカレータの搬送領域内であり、かつ該エスカレータの終点付近であることを示す情報を取得すると、当該情報に基づきユーザに通知する通知情報を特定する。具体的には、決定部217は、エスカレータの終点が接近していることを示す情報(終点接近情報)および該エスカレータの運行情報をユーザに通知する通知情報として決定する(S13:決定ステップ)。この場合、決定部217は、エスカレータ特定部212から取得したエスカレータの運行情報に加え、終点接近情報をユーザに通知する通知情報として端末装置1に送信する。
【0060】
S11でNOの場合、すなわちユーザの位置が終点付近でないと乗車判定部214において判定された場合、特定部213は、ユーザの位置をエスカレータの搬送領域内であり、かつ終点付近でない位置と特定する(S14:特定ステップ)。特定部213は、特定したユーザの位置を示す情報を決定部217に出力する。決定部217は、特定部213から、ユーザの位置がエスカレータ上であり、かつ終点付近でないことを示す情報を取得すると、エスカレータの運行情報を、ユーザに通知する通知情報として決定する(S15:決定ステップ)。決定部217は、決定した情報を端末装置1に送信する。
【0061】
S10、S13、またはS15の後、端末装置1の通知制御部112は、決定部217によって決定された通知情報をサーバ装置2から受信する。通知制御部112は、当該情報に基づき通知部13を制御し、ユーザに情報を通知する(S16:通知制御ステップ)。
【0062】
<通知システム100の効果>
以上のように、本実施形態に係る通知システム100は、通知部13を有する端末装置1を備えており、ユーザの位置を特定する特定部213と、該ユーザの位置に基づきユーザに対して通知する通知情報を決定する決定部217と、通知制御部112と、を備える。
【0063】
エスカレータを利用するユーザに対して通知されるべき適切な情報とは、該ユーザの位置によって変動し得る。上記構成によると、通知システム100は、エスカレータの乗客搬送領域に対するユーザの位置を特定し、該ユーザの位置に応じた適切な情報を該ユーザに対して通知することができる。
【0064】
また、通知システム100において、端末装置1はウェアラブル端末であってもよく、該端末装置1の通知部13は、表示、振動、および音声の少なくともいずれか1つによる通知動作を行う。当該構成によると、ユーザに装着されたウェアラブル端末が通知部13による通知を行うことで、ユーザに対してより確実に通知情報を通知することができる。
【0065】
また、通知システム100において、ウェアラブル端末は、通知部13として、ユーザの視界に画像を表示可能な表示部を備えていてもよい。このような構成は、例えばウェアラブル端末がスマートグラスである場合に好適である。当該構成によると、ユーザの視界に通知情報を示す画像を表示することができるため、より確実にユーザに対して通知情報を通知することができる。
【0066】
また、通知システム100は、特定部213および決定部217を有するサーバ装置2を備え、端末装置1は、当該サーバ装置2から通知情報を受信する。当該構成によると、ユーザの位置を特定する処理、およびユーザに対して通知する通知情報を決定する処理等をサーバ装置2側で行うことができる。これにより、ユーザに対して実際に通知を行う端末装置1の構成を簡略化することができる。
【0067】
また、通知システム100において、端末装置1は撮像部12を備え、該撮像部12によって撮像された画像をサーバ装置2に送信する。また、サーバ装置2は、当該画像に基づきユーザの位置を特定する。端末装置1によって撮像された画像は、該端末装置1を所持するユーザ付近の状況を示す画像であると考えられる。そのため、上述の構成によると、ユーザ付近の画像に基づき該ユーザの位置を特定することができる。
【0068】
〔実施形態2〕
<通知システム100Aの概要>
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図6は、本発明の実施形態2に係る通知システム100Aの構成を示すブロック図である。以下、
図6を用いて通知システム100Aの詳細について説明する。
【0069】
図6に示すように、通知システム100Aは、端末装置1およびサーバ装置2に代えて端末装置1Aおよびサーバ装置2Aを備える。通知システム100Aは、エスカレータの乗客搬送領域内に位置するユーザが動作したことを検知可能である。乗客搬送領域内に位置するユーザの動作を検知した場合、すなわちユーザがエスカレータを利用中にステップを移動する等の動作を行った場合、通知システム100Aは、当該動作を止めるように制止する制止情報をユーザに対して通知する。
【0070】
図6に示すように、端末装置1Aは、端末装置1の構成に加え、加速度センサ15(動作検知部)および制御部11Aを備える。制御部11Aは、制御部11の構成に加え、信号取得部113を備える。加速度センサ15は、ユーザの動作に応じた信号を出力可能なセンサである。すなわち、加速度センサ15は、ユーザの動作を検知することができる。また、信号取得部113は、加速度センサ15から出力された信号を取得し、通信部14を介してサーバ装置2Aに送信する。
【0071】
サーバ装置2Aは、制御部21に代えて制御部21Aを備える。制御部21Aは、ユーザの動作を検知可能な検出部218を備える。特定部213はユーザの位置を特定すると、当該位置を示す情報を検出部218に出力する。ユーザの位置が乗客搬送領域内である場合、検出部218は、端末装置1Aからの信号を受信し、当該信号に基づきユーザの動作の程度を判定する。検出部218は、ユーザの動作の程度が予め設定された閾値以上である場合、ユーザが搬送領域内において動作していると判定する。ユーザが動作していると判定した場合、検出部218は、当該判定の結果を示す動作検知情報を決定部217Aに出力する。
【0072】
決定部217Aは、動作検知情報を取得すると、該ユーザの動作を制止する制止情報を、ユーザに対して通知する通知情報として決定し、端末装置1Aに送信する。端末装置1Aの通知制御部112は、当該情報を受信すると、通知部13を制御し、制止情報をユーザに通知する。
【0073】
図7は、通知部13としての表示部に表示される制止情報の一例を示す図である。乗客搬送領域内においてユーザが動作した場合、
図7に示すように、表示部において、ユーザの視界P3には、動作を制止する旨の制止情報Q8が表示される。すなわち、通知システム100Aではユーザの歩行を検知した場合、表示部に制止情報Q8が表示される。
【0074】
なお、サーバ装置2Aは、ユーザが乗客搬送領域内で歩行等の移動以外にも危険な動作を行ったことを検出し、端末装置1Aに通知情報としての制止情報を送信してもよい。例えば、サーバ装置2Aの制御部21Aは、周辺画像から手すりを示す部分を検出し、ユーザの手すりからの乗りだしを検出してもよい。
【0075】
<通知システム100Aにおける処理の流れの一例>
図8は、通知システム100Aにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図8を用いて、通知システム100Aにおける処理の流れの一例について説明する。
図8に示すフローチャートにおいて、S21~S27の処理は、
図5に示すS1~S7の処理と同様であるため説明を割愛する。
【0076】
S27においてYESの場合、すなわち特定部213がユーザの位置をエスカレータの搬送領域内であると判定した場合、特定部213は、当該判定の結果を検出部218に出力する。検出部218は、当該判定の結果を取得すると、端末装置1Aからユーザの動作に応じた信号を受信し、当該信号に基づき、ユーザが動作しているか否かを判定する(S28)。検出部218がユーザの動作を検出した場合(S28でYES)、検出部218は、当該判定の結果を決定部217Aに出力する。決定部217Aは、当該判定の結果を取得すると、制止情報をユーザに対して通知する通知情報として決定し(S29)、端末装置1Aに制止情報を送信する。端末装置1Aの通知制御部112は、当該情報を受信すると、通知部13を制御し、ユーザに対して制止情報を通知する(S30)。
【0077】
検出部218がユーザの動作を検出しなかった場合(S28でNO)、通知システム100Aは処理を終了する。なお、端末装置1Aによって再度周辺画像が取得された場合、通知システム100Aにおいて同様の処理が繰り返される。
【0078】
<通知システム100Aの効果>
以上のように、本実施形態に係る通知システム100Aは、加速度センサ15を備え、通知制御部112は、加速度センサ15によって検知されたユーザの動作検知情報に基づき決定された通知情報としての制止情報をユーザに対して通知させる。
【0079】
乗客搬送領域内においてユーザが動作することは危険を伴うため好ましくない。ここで、当該構成によると、端末装置1Aは、エスカレータで搬送されているユーザが想定外の動作をした場合に、警告の通知を行うことができる。
【0080】
また、通知システム100Aは加速度センサ15を備えることで、ユーザの加速度に基づいて、例えば該ユーザの歩行動作などを検知することができる。
【0081】
〔実施形態3〕
<通知システム100Bの概要>
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
図9は、本発明の実施形態3に係る通知システム100Bの構成を示すブロック図である。以下、
図9を用いて通知システム100Bの詳細について説明する。
図9に示すように、通知システム100Bは、端末装置1B、サーバ装置2B、および端末装置1Bと通信可能に接続されたエスカレータ3を備える点において通知システム100と異なる。本実施形態に係る通知システム100Bは、画像ではなく、エスカレータ3に設けられた通信部32と端末装置1Bとの間の通信に用いる電波強度に基づきユーザの位置が特定される。
【0082】
図9に示すように、エスカレータ3は、制御部31および通信部32を備える。制御部31は、通信部32の動作を制御し、エスカレータIDを含む信号を通信部32から端末装置1Bに送信させる。通信部32は、エスカレータIDを含む信号を発信するビーコンである。通信部32は、1基のエスカレータ3に対して少なくとも1つ設けられればよい。なお、通信部32は1基のエスカレータ3に対して複数設けられていてもよい。
【0083】
端末装置1Bは、撮像部12を備えなくともよく、エスカレータ3と通信を行うための通信部16を備える。また、端末装置1Bの取得部111Bは、エスカレータ3の通信部32から送信された信号を受信し、受信した電波の強度を示す情報および受信したエスカレータIDをサーバ装置2Bに送信する。なお、通信部16と通信部32との間において行われる通信は、例えばBluetooth(登録商標)通信等の近距離無線通信である。
【0084】
サーバ装置2Bは、制御部21に代えて制御部21Bを備える。制御部21Bは、エスカレータ判定部211を備えず、特定部213に代えて特定部213Bを備える。サーバ装置2Bのエスカレータ特定部212は、電波の強度を示す情報および受信したエスカレータIDを受信すると、当該エスカレータIDに基づき、端末装置1Bと通信を行った通信部32を有するエスカレータ3を特定する。エスカレータ特定部212は特定したエスカレータ3を示す情報および該エスカレータ3に関する情報を制御部21Bの各部に出力する。
【0085】
図9に示すように、特定部213Bは、乗車判定部214Bおよび乗車位置特定部215Bを備える。乗車判定部214Bは、エスカレータ3に関する情報を取得すると、当該情報および端末装置1Bから受信した、電波の強度を示す情報に基づき、ユーザがエスカレータ3に乗車しているか否かを判定する。ユーザがエスカレータ3に乗車していると判定された場合、乗車位置特定部215Bは、電波の強度を示す情報に基づき、エスカレータ3上におけるユーザの位置を特定する。具体的には、乗車位置特定部215Bは、端末装置1Bと通信部32との間の通信に用いる電波強度に基づき端末装置1Bと通信部32との間の距離を特定し、当該距離に基づいてエスカレータ3に対するユーザの位置を特定する。
【0086】
端末装置1Bと通信部32とが通信を行った時点で端末装置1Bとエスカレータ3とがある程度近距離に存在すること、すなわちユーザがエスカレータ3付近に位置することは明らかであるため、サーバ装置2Bはエスカレータ判定部211を備える必要が無い。
【0087】
<通知システム100Bにおける処理の流れの一例>
図10は、通知システム100Bにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図10を用いて、通知システム100Bにおける処理の流れの一例について説明する。まず、端末装置1Bの取得部111Bは、通信部32との通信を待機する(S31)。取得部111Bが通信部16を介してエスカレータ3の通信部32と通信を行った場合(S31でYES)、取得部111Bは、通信部32からエスカレータIDを示す情報を受信する。取得部111Bは、当該エスカレータIDおよびエスカレータ3の通信部32との間で行われた通信の通信に用いる電波強度を示す情報をサーバ装置2Bに送信する。サーバ装置2Bのエスカレータ特定部212は、これらの情報を受信すると、エスカレータ情報データベース231を参照し、エスカレータIDに基づき、端末装置1Bと通信を行った通信部32を有するエスカレータ3を特定する(S32)。また、エスカレータ特定部212は、当該エスカレータ3に関する情報を特定する(S33)。
【0088】
エスカレータ特定部212は、特定したエスカレータ3を示す情報および端末装置1Bと通信部32との間の通信に用いる電波強度を示す情報を特定部213Bに出力する。特定部213Bは、これらの情報を取得すると、当該通信に用いる電波強度に基づき端末装置1Bを所持するユーザのエスカレータ3に対する位置を特定する(S34)。S35以降の処理は、
図5に示すS7~S16の処理と同様であるため説明を割愛する。
【0089】
<通知システム100Bの効果>
以上のように、本実施形態に係る通知システム100Bは、端末装置1B、サーバ装置2Bを備え、さらにエスカレータ3には端末装置1Bと通信可能な通信部32が備えられる。また、特定部213Bは、端末装置1Bと通信部32との間において行われた通信の通信に用いる電波強度に基づきユーザの位置を特定する。当該構成によると、通知システム100Bは、端末装置1Bと通信部32との間の通信に用いる電波強度に基づいて決定されたユーザの位置に基づき通知情報を決定し、ユーザに通知することができる。また、通知システム100Bでは周辺画像の送受信を必要としないため、端末装置1Bとサーバ装置2Bとの間における通信処理の負荷を低減することができる。
【0090】
なお、上述した実施形態において、1基のエスカレータに対して複数の通信部32が設けられる場合、端末装置1Bは、当該複数の通信部32と通信を行い、当該複数の通信部32と行った通信における通信に用いる電波強度の各々を示す情報をサーバ装置2Bに送信してもよい。また、サーバ装置2Bは、当該複数の通信部32の各々と端末装置1Bとの間における通信の通信に用いる電波強度の強弱に基づき、ユーザの位置を特定してもよい。上述の構成によると、特定部213Bは、複数の通信に用いる電波強度を示す情報を用いることで、より正確にユーザの位置を特定することができる。
【0091】
<変形例>
以下、上述した各実施形態に係る通知システム100~100Bの変形例について説明する。
【0092】
サーバ装置2においてユーザがエスカレータ付近に位置するか否かを判定するための方法、およびエスカレータ上におけるユーザの位置を特定するための方法は、周辺画像を用いた方法に限られない。例えば、通知システム100では、GPS(global positioning system)を用いてユーザの位置が特定されてもよい。この場合、端末装置1はGPS機能を備えており、当該端末装置1の位置を示す情報をサーバ装置2に送信する。また、サーバ装置2では、当該情報に基づき、エスカレータに対するユーザの位置を特定する。
【0093】
さらに、通知システム100では、GPSと周辺画像の両方を用いてユーザの位置の特定が行われてもよい。例えば、GPSによって特定されるユーザの位置がエスカレータに近づいた場合、端末装置1は周辺画像の取得およびサーバ装置2への送信を開始してもよい。この場合、通知システム100では、ユーザがエスカレータから離れた位置にいる場合には、周辺画像の取得が行われないため、サーバ装置2における処理量を低減することができる。また、ユーザがエスカレータに接近した場合には、サーバ装置2は、周辺画像に基づいてより詳細に該ユーザの位置を特定することができる。
【0094】
また、通知システム100では、さらに他の方法を用いてユーザの位置を特定してもよい。例えば、端末装置1が加速度センサ15を備えている場合、端末装置1からサーバ装置2にユーザの加速度を示す情報を送信してもよい。この場合、サーバ装置2において、当該加速度を用いてユーザの位置を特定してもよい。具体的には、エスカレータ判定部211においてユーザがエスカレータ付近に位置すると判定された後、急激に加速度が上昇した場合、ユーザがエスカレータに乗車したと判定してもよい。この場合、サーバ装置2の制御部21は、エスカレータの搬送距離および搬送速度に基づき、ユーザがエスカレータに乗車してからの移動距離を算出し、エスカレータ上におけるユーザの位置を特定してもよい。
【0095】
また、撮像部12による周辺画像の取得は、端末装置1が起動している間常に行われてもよいし、不図示の入力部へのユーザによる入力が行われた場合に開始してもよい。入力部とは、例えば端末装置1のボタン、または音声入力を受け付け可能なマイク等である。例えば、ユーザは、自身がエスカレータに接近したことを認識した場合に周辺画像の取得を開始することを指示する入力を入力部から行ってもよい。このように、ユーザによる入力に基づき周辺画像の取得を開始することで、端末装置1によって周辺画像が撮像される頻度が低減されるため、サーバ装置2における処理の負担が低減される。
【0096】
また、通知システム100においてユーザに対して通知される情報は上述のものに限られない。例えば、通知システム100は、エスカレータの乗場付近に位置するユーザに対して、該ユーザの進行方向前方に位置する別のユーザとの距離を十分に開けて該エスカレータに乗車するように促す通知を行ってもよい。
【0097】
具体的には、サーバ装置2の制御部21は、周辺画像に基づき、ユーザよりも先にエスカレータに乗車した人物を抽出する。制御部21は、抽出した人物とユーザとの間の距離を算出する。決定部217は、当該距離が所定以上となるまで、ユーザのエスカレータへの乗車を制止する旨の情報をユーザに通知する通知情報として決定する。これにより、エスカレータを利用するユーザと、該ユーザよりも先に乗車した人物との間を十分に開いた状態とすることができる。
【0098】
また、通知システム100において、複数の端末装置1が通信可能に接続されていてもよい。例えば、撮像部12および通知部13を有する第1の端末装置1と、サーバ装置2と通信可能な通信部14を有する第2の端末装置1とが通信可能に接続されていてもよい。具体例として、第1の端末装置1はスマートグラス等のウェアラブル端末であり、第2の端末装置1は当該スマートグラスと通信可能なスマートフォン等であってもよい。第1の端末装置1によって撮像された周辺画像を第2の端末装置1が受信し、第2の端末装置1からサーバ装置2に当該周辺画像を送信する。上述の構成によると、ウェアラブル端末はスマートフォンに周辺画像を送信可能な程度の通信処理能力を有していればよく、サーバ装置2への周辺画像の送信はスマートフォンが行う。一般的に、ウェアラブル端末よりもスマートフォン等の情報処理装置の方が、高い通信処理能力を有するため、上述のような構成とすることで、より安定した通信精度で周辺画像をサーバ装置2に送信することができる。
【0099】
また、第3、第4…の端末装置1として、他のウェアラブル端末が第2の端末装置1と通信可能に接続されていてもよい。この場合、各ウェアラブル端末が取得した複数の周辺画像が第2の装置を介してサーバ装置2に送信される。サーバ装置2は複数の周辺画像を用いることで、より精度よくユーザの位置を特定することができる。
【0100】
また、上述の各実施形態において、ユーザがエスカレータ付近にいないと判定された場合、サーバ装置2の制御部21は、ユーザから最も近いエスカレータを検索し、当該エスカレータまでの経路等をユーザに通知する通知情報として決定してもよい。
【0101】
図11は、通知システム100の変形例である通知システム100Cの構成を示すブロック図である。
図11に示すように、通知システム100Cでは、端末装置1Cは、乗車判定部115および乗車位置特定部116を有する特定部114、算出部117、および決定部118を備える。特定部114、乗車判定部115、乗車位置特定部116、算出部117、および決定部118は、サーバ装置2における同名の処理部と同様の処理を行う。
図11に示す通知システム100Cでは、実施形態1に係る通知システム100においてサーバ装置2が行っていた処理の一部を端末装置1Cが行う。
【0102】
具体的には、通知システム100Cでは、取得部111が周辺画像を取得し、サーバ装置2Cに送信する。サーバ装置2Cは、当該周辺画像に基づき、ユーザがエスカレータ付近に位置するか否かの判定、ユーザが近くに位置するエスカレータの特定、および該エスカレータに関する情報の特定をサーバ装置2Cが行う。その後、サーバ装置2Cは当該判定の結果および特定したエスカレータに関する情報を端末装置1Cに送信する。
【0103】
端末装置1Cは、判定の結果および特定したエスカレータに関する情報を受信すると、これらの情報に基づきユーザの位置を特定する。さらに、端末装置1Cは、算出部117においてユーザの消費カロリーの算出を行い、決定部118において通知情報を決定する。また、決定部118は、決定した通知情報を通知制御部112に出力し、通知制御部112は通知部13を制御することで通知情報をユーザに通知する。以上のように、通知システム100Cでは、ユーザの位置の特定、ユーザの消費カロリーの算出および通知情報の決定等の処理を端末装置1C側で行ってもよい。
【0104】
図12は、通知システム100の変形例である通知システム100Dの構成を示すブロック図である。
図12に示すように、通知システム100Dは、端末装置1Dが、サーバ装置2の有する各部を有している点において通知システム100と異なる。具体的には、端末装置1Dは、記憶部17、エスカレータ判定部119、エスカレータ特定部120、特定部114、算出部117、および決定部118を備える。また、記憶部17は、エスカレータ情報データベース171、およびユーザ情報データベース172を備える。端末装置1Dが備えるエスカレータ判定部119、エスカレータ特定部120、特定部114、算出部117、および決定部118は、実施形態1等でサーバ装置2が備えていた同名の処理部と同様の処理を実行する。また、エスカレータ情報データベース171、およびユーザ情報データベース172は、実施形態1等でサーバ装置2が備えていた同名のデータベースと同様のデータを記憶している。当該構成によると、端末装置1Dは、通知システム100Dに係る各処理を実行することができる。すなわち、上述の構成によると、端末装置1Dのみによって通知システム100Dが完結され得る。
【0105】
図13は、通知システム100Bの変形例である通知システム100Eの構成を示すブロック図である。
図13に示すように、通知システム100Eは、端末装置1Eが特定部114、算出部117、および決定部118を備える点において通知システム100Bと異なる。通知システム100Eでは、
図11に示す通知システム100Cと同様に、端末装置1E側においてユーザの位置の特定、および通知情報の決定等の処理を行う。また、サーバ装置2Eでは、制御部21Eは、エスカレータIDに基づくエスカレータを特定する処理のみを行う。
【0106】
図14は、端末装置1Dの一例としてのスマート白杖を示す概略図である。
図14に示すように、通知システム100において、端末装置1Dはスマート白杖等の杖であってもよい。この場合、撮像部12は、杖の持ち手付近に設けられることが好ましい。また、端末装置1Dは、通知部13として、通知制御部112の制御に従って当該端末装置1を振動させる振動部を備える。当該構成によると、通知システム100は、ユーザが所持する杖から通知を行うことができる。ユーザは杖を手に持っている可能性が高いため、当該杖の通知部13から振動による通知を行うことで、より確実にユーザに対して通知情報を通知することができる。特に、ユーザが視覚による通知情報の認識が困難な視覚障がい者等の人物である場合、振動により通知情報を通知することで、ユーザが通知情報を認識できない可能性を低減することが可能である。
【0107】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通知システム100~100E(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11~11E、21~21E、および31に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0108】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0109】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記システムが備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記システムに供給されてもよい。
【0110】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0111】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0112】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1、1A~1E 端末装置
2、2A~2C、2E サーバ装置
3 エスカレータ(乗客コンベア)
12 撮像部
13 通知部
15 加速度センサ(動作検知部)
32 通信部
100、100A~100E 通知システム(乗客コンベアの通知システム)
112 通知制御部
114、213、213B 特定部
118、217、217A 決定部
P1、P2、P3 視界
Q1、Q2 通知情報
Q3、Q4 消費カロリー(通知情報)
Q5、Q6 経路(通知情報)
Q7 終点接近情報(通知情報)
Q8 制止情報(通知情報)
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える乗客コンベアの通知システムであって、
前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定部と、
前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定部と、
前記決定部により決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御部と、
前記特定部および前記決定部を有するサーバを備え、
前記サーバは前記携帯型端末装置に通信可能に接続されており、
前記携帯型端末装置は、前記サーバから前記通知情報を受信し、
前記携帯型端末装置は、
該携帯型端末装置の周囲を撮像する撮像部を備え、
前記撮像部によって撮像された画像を前記サーバに送信し、
前記特定部は、
前記ユーザの位置を、GPSを用いて特定し、
前記GPSによって特定される前記ユーザの位置が前記乗客コンベアに近づいた場合、前記ユーザの周囲の状況を示す画像をさらに用いて前記ユーザの位置を特定する、乗客コンベアの通知システム。
【請求項2】
前記携帯型端末装置は、ウェアラブル端末であり、
前記通知部は、表示、振動、および音声の少なくともいずれか1つによる通知動作を行う、請求項1に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項3】
前記ウェアラブル端末は、前記通知部として、ユーザの視界に画像を表示可能な表示部を備えている、請求項2に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項4】
前記携帯型端末装置は杖であり、
前記杖は、前記通知部として、当該杖を振動させる振動部を備える、請求項1に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項5】
前記乗客コンベアは、前記携帯型端末装置と通信可能な通信部を備え、
前記特定部は、前記携帯型端末装置と前記通信部との間の通信に用いる電波強度に基づき、前記ユーザの位置を特定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項6】
前記携帯型端末装置は、前記乗客コンベアで搬送されている前記ユーザの動作を検知する動作検知部を備え、
前記通知制御部は、前記動作検知部により検知された前記ユーザの動作の程度を示す動作検知情報に基づき決定された前記通知情報を前記通知部に通知させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項7】
前記動作検知部は、加速度センサである、請求項6に記載の乗客コンベアの通知システム。
【請求項8】
乗客コンベアを利用するユーザに対して通知を行う通知部を有する携帯型端末装置を備える乗客コンベアの通知システムの制御方法であって、
前記乗客コンベアによる乗客搬送領域における、前記ユーザの位置を特定する特定ステップと、
前記位置に基づき前記ユーザに対して通知する通知情報を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された前記通知情報を通知するよう前記通知部を制御する通知制御ステップと、を備え、
前記携帯型端末装置は、該携帯型端末装置に通信可能に接続されているサーバであって、前記特定ステップおよび前記決定ステップを行うサーバから前記通知情報を受信し、
前記携帯型端末装置は、
該携帯型端末装置の周囲を撮像し、
撮像された該携帯型端末装置の周囲の画像を前記サーバに送信し、
前記特定ステップにおいて、
前記ユーザの位置を、GPSを用いて特定し、
前記GPSによって特定される前記ユーザの位置が前記乗客コンベアに近づいた場合、前記ユーザの周囲の状況を示す画像をさらに用いて前記ユーザの位置を特定する、制御方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システムが備える携帯型端末装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の乗客コンベアの通知システムが備えるサーバ。