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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042920
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】挟まれ防止装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20230320BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
B66F9/06 M
B66F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150345
(22)【出願日】2021-09-15
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】森 朋仁
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333AB03
3F333FA08
3F333FA21
3F333FA29
3F333FD15
3F333FE05
(57)【要約】
【課題】高所作業の安全性及び作業性を向上させることができる挟まれ防止装置を提供する。
【解決手段】高所作業車1の作業床40に搭載される挟まれ防止装置(コントローラ60、フットスイッチ44)であって、前記作業床40よりも上方の対象物Aを非接触で検出する検出部(超音波センサ62)と、前記検出部(超音波センサ62)が前記対象物Aを検出した場合に、前記作業床40の上昇を停止可能(ステップS13:YES、ステップS14)な制御部67と、前記制御部67が前記作業床40の上昇を停止させた状態で所定の解除操作が行われた場合に、前記制御部67による前記作業床40の上昇の停止を解除可能(ステップS16:YES、ステップS17:YES、ステップS18:YES、ステップS19)な解除装置(イネーブルスイッチ64、フットスイッチ44)と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所作業車の作業床に搭載される挟まれ防止装置であって、
前記作業床よりも上方の対象物を非接触で検出する検出部と、
前記検出部が前記対象物を検出した場合に、前記作業床の上昇を停止可能な制御部と、
前記制御部が前記作業床の上昇を停止させた状態で所定の解除操作が行われた場合に、前記制御部による前記作業床の上昇の停止を解除可能な解除装置と、
を具備する挟まれ防止装置。
【請求項2】
スイッチが押圧操作されていない場合に位置する第一ポジションと、前記スイッチが第一操作力で押圧された場合に位置する第二ポジションと、前記スイッチが前記第一操作力よりも大きい第二操作力で押圧された場合に位置する第三ポジションと、に変位するイネーブルスイッチを具備し、
前記制御部は、
前記イネーブルスイッチが前記第一ポジション及び前記第三ポジションである場合に、前記作業床の上昇を停止する、
請求項1に記載の挟まれ防止装置。
【請求項3】
前記解除装置は、
前記イネーブルスイッチを含み、
前記解除操作は、
前記イネーブルスイッチを前記第二ポジションから前記第一ポジション又は前記第三ポジションとする操作を含む、
請求項2に記載の挟まれ防止装置。
【請求項4】
前記解除装置は、
踏み込みによる操作が可能なフットスイッチを含み、
前記解除操作は、
前記フットスイッチの踏み込みを解除する操作を含む、
請求項3に記載の挟まれ防止装置。
【請求項5】
作業者が把持した状態で、前記イネーブルスイッチの前記スイッチを操作可能な把持部を具備し、
前記把持部は、
前記作業床の手摺の上端部よりも低い位置に設置される、
請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の挟まれ防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車の挟まれ防止装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業床を備える高所作業車の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、走行装置を備えた車台上に、昇降可能なデッキ(作業床)を備える高所作業車が記載されている。
【0004】
このような高所作業車を用いた高所作業では、デッキを上昇させた際に、デッキに搭乗した作業者が、上方の対象物とデッキとによって挟まれる事故が想定される。
【0005】
そこで、安全性の観点から、デッキと対象物との距離が所定距離以下となればデッキの上昇を停止させる装置をデッキに設けることが考えられる。このような装置としては、デッキに取り付けた棒状の部材の先端が対象物に接触すれば、デッキの上昇を停止させるものがある。
【0006】
しかしながら、上述のような装置を用いた場合、作業者が対象物に対して更に接近することを所望する場合に、作業性が損なわれることが考えられる。また、作業性の観点から作業者が上記装置を取り外してしまった場合、安全性が損なわれることが考えられる。このことから、高所作業の安全性及び作業性を向上させることができる挟まれ防止装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-31293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、高所作業の安全性及び作業性を向上させることができる挟まれ防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、高所作業車の作業床に搭載される挟まれ防止装置であって、前記作業床よりも上方の対象物を非接触で検出する検出部と、前記検出部が前記対象物を検出した場合に、前記作業床の上昇を停止可能な制御部と、前記制御部が前記作業床の上昇を停止させた状態で所定の解除操作が行われた場合に、前記制御部による前記作業床の上昇の停止を解除可能な解除装置と、を具備するものである。
【0011】
請求項2においては、スイッチが押圧操作されていない場合に位置する第一ポジションと、前記スイッチが第一操作力で押圧された場合に位置する第二ポジションと、前記スイッチが前記第一操作力よりも大きい第二操作力で押圧された場合に位置する第三ポジションと、に変位するイネーブルスイッチを具備し、前記制御部は、前記イネーブルスイッチが前記第一ポジション及び前記第三ポジションである場合に、前記作業床の上昇を停止するものである。
【0012】
請求項3においては、前記解除装置は、前記イネーブルスイッチを含み、前記解除操作は、前記イネーブルスイッチを前記第二ポジションから前記第一ポジション又は前記第三ポジションとする操作を含むものである。
【0013】
請求項4においては、前記解除装置は、踏み込みによる操作が可能なフットスイッチを含み、前記解除操作は、前記フットスイッチの踏み込みを解除する操作を含むものである。
【0014】
請求項5においては、作業者が把持した状態で、前記イネーブルスイッチの前記スイッチを操作可能な把持部を具備し、前記把持部は、前記作業床の手摺の上端部よりも低い位置に設置されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、高所作業の安全性及び作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項2においては、より安全性を向上させることができる。
【0018】
請求項3においては、より安全性を向上させることができる。
【0019】
請求項4においては、より安全性を向上させることができる。
【0020】
請求項5においては、作業床の上昇中に、把持部を把持した作業者の手が対象物によって挟まれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る挟まれ防止装置を備える高所作業車を模式的に示した側面図。
図2】(a)作業床及びコントローラを示した平面図。(b)手摺及びコントローラを示した拡大平面図。
図3】手摺及びコントローラを示した背面図。
図4】高所作業車を示したブロック図。
図5】(a)第一ポジションのイネーブルスイッチを示した模式図。(b)第二ポジションのイネーブルスイッチを示した模式図。(c)第三ポジションのイネーブルスイッチを示した模式図。
図6】挟まれ防止装置が実行する処理の一例を示したタイミングチャート。
図7】挟まれ防止装置が実行する処理を示したフローチャート。
図8図7の続きを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図1から図8までを用いて、本発明の一実施形態に係る挟まれ防止装置が搭載される高所作業車1について説明する。また、以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。
【0023】
図1から図4までに示す高所作業車1は、高所での作業を行うための機構を備える車両である。図1に示すように、高所作業車1は、作業者を乗せた部分(作業床40)を、上方に位置する対象物A(例えば建物の梁や天井等)に向けて上昇させたり、下降させることができる。また、高所作業車1は、作業者を乗せた状態で走行することができる。高所作業車1は、車両本体10、コントローラ60及び変換ハーネス70を具備する。
【0024】
図1に示す車両本体10は、高所作業車1の主たる構造体である。車両本体10は、走行装置20、昇降装置30、作業床40及び制御機器50を具備する。
【0025】
走行装置20は、車輪等による走行が可能なものである。走行装置20は、モータ等の駆動源からの動力を用いて走行する。
【0026】
昇降装置30は、後述する作業床40を昇降させるものである。昇降装置30は、走行装置20の上部に設けられる。昇降装置30は、上下方向に伸縮可能に形成される。昇降装置30は、例えばリンク機構により形成される。
【0027】
図1から図4までに示す作業床40は、昇降装置30により昇降されるものである。昇降装置30により作業床40を所望の高さまで上昇させることで、作業床40に搭乗した作業者は、高所での作業が可能となる。作業床40は、床部41、手摺42、操作部43及びフットスイッチ44を具備する。
【0028】
図1及び図2(a)に示す床部41は、作業者が乗る部分である。床部41は、床面が上方を向くように配置される。床部41は、昇降装置30の上部に設けられる。図2(a)に示すように、床部41は、平面視略矩形状(略長方形状)に形成される。床部41の平面視における短辺の幅寸法(左右寸法)は、例えば700mm程度に形成される。
【0029】
手摺42は、作業者の転落を防止するものである。手摺42は、床部41から上方に立ち上がるように形成される。手摺42は、床部41の全周に亘って形成される。手摺42は、柵形状に形成される。
【0030】
図2(a)に示す操作部43は、車両本体10の走行及び昇降の操作が可能なものである。操作部43は、作業床40の前側部分に配置される。具体的には、操作部43は、右側の手摺42における前側部分に設けられる。操作部43は、走行装置20による走行(前進や後退、右左折)を操作可能なレバーや、昇降装置30による昇降を操作可能なスイッチ、昇降装置30による昇降を停止可能な緊急停止スイッチ等を有する。操作部43は、作業者の手指(例えば右の手指)により操作される。
【0031】
図1図2及び図4に示すフットスイッチ44は、作業者が足で踏み込むことにより操作可能なものである。フットスイッチ44は、例えばペダル形状に形成される。フットスイッチ44は、床部41において、例えば操作部43の下方に設けられる。フットスイッチ44は、作業者による踏み込み操作が行われた場合にONとなり、踏み込み操作が行われていない場合(踏み込み操作を解除した場合)にOFFとなる。
【0032】
図1及び図4に示す制御機器50は、車両本体10の動作の制御に関する機器である。制御機器50は、例えば走行装置20に設けられる。制御機器50は、電源部51、下端位置検出部52及び制御部53を具備する。
【0033】
電源部51は、車両本体10の走行や昇降等の動作に用いられる電力を供給するものである。電源部51としては、所定の蓄電池を採用可能である。
【0034】
下端位置検出部52は、作業床40が最も下方の位置である下端位置に位置することを検出可能なものである。作業床40が下端位置に位置する場合、昇降装置30は作業床40を全く上昇させていない。下端位置検出部52としては、作業床40の位置を検出可能な種々のセンサやスイッチ等を採用可能である。
【0035】
制御部53は、車両本体10の動作(走行及び昇降)の制御に関する処理を実行可能なものである。制御部53は、所定の演算処理装置を有する。制御部53は、走行装置20や昇降装置30、操作部43、フットスイッチ44、下端位置検出部52と所定の配線(信号線)を介して通信可能に接続されている。
【0036】
制御部53は、操作部43による操作に基づいて車両本体10(走行装置20及び昇降装置30)の動作を制御可能である。また、制御部53は、後述するコントローラ60からの信号(操作許可出力)に応じて、車両本体10の動作を制御可能である。
【0037】
また、上述の如き車両本体10は、作業床40の操作部43だけでなく、下部(走行装置20)側に設けられた操作部(不図示)によっても操作を行うことができる。制御部53は、作業床40の操作部43での操作を許可せず、下部の操作部で車両本体10の操作を行う「下部操作モード」と、作業床40の操作部43での操作を許可する「通常モード」と、を切り替えることができる。
【0038】
図1から図5までに示すコントローラ60は、作業床40に搭乗する作業者の状態や、上方の対象物Aの検出結果等に基づいて、車両本体10(高所作業車1)の動作の規制(停止)や規制の解除を行うものである。コントローラ60は、電源部51からの電力を用いて作動する。図2に示すように、コントローラ60は、作業床40の前側部分に配置される。具体的には、コントローラ60は、前側の手摺42において、当該手摺42の上端部よりも低い位置に設けられる。コントローラ60は、筐体61、超音波センサ62、把持部63、イネーブルスイッチ64、表示部65、コンバータ66及び制御部67を具備する。
【0039】
図2及び図3に示す筐体61は、コントローラ60の外郭を形成するものである。筐体61は、略直方体の箱形状に形成される。筐体61は、前側の手摺42に、所定のプレート等を介して固定される。
【0040】
超音波センサ62は、超音波を用いて、上下方向における所定距離内に対象物Aが位置することを検出可能なものである。超音波センサ62は、図2(b)に示すように、筐体61の上面における右部(右端部)に設けられる。図1図2(a)及び図3では、超音波センサの検出範囲を二点鎖線で示している。超音波センサ62は、最大検出距離(上下方向の検出範囲の最大の値)が2000mm程度である(図1を参照)。超音波センサの検出範囲は、側面視において所定の角度(例えば約11度)で上方に向かうに従い広がる(図3を参照)。また、超音波センサ62の平面視における検出範囲は最大で半径400mm程度である(図2(a)を参照)。なお、上述した検出範囲の値は一例であり、超音波センサ62の検出範囲としては、種々の値を採用可能である。また、超音波センサ62は、作業床40に搭乗する作業者を検出し難い位置に配置される。具体的には、超音波センサ62は、通常の姿勢(例えば起立姿勢)で操作部43やコントローラ60を操作する作業者の前方に検出範囲が位置するように配置される(図1を参照)。
【0041】
図2及び図3に示す把持部63は、作業者の手指(例えば左の手指)により把持される(取っ手になる)ものである。把持部63は、長手方向を前後方向に向けた棒状の材料を、略逆U字形状になるように屈曲させた形状に形成される。把持部63は、金属製の材料で形成される。把持部63は、当該把持部63を把持した作業者の手や腕等が、超音波センサ62の検出範囲内に位置し難い位置に配置される。具体的には、把持部63は、筐体61の上面における左部(左端部)に設けられる。
【0042】
図3に示すように、把持部63の上端部は、手摺42の上端部よりも低い位置に位置する。把持部63の上端部の位置(高さ)としては、把持部63を把持した作業者の手が、手摺42の上端部よりも低い位置に位置するような高さ(例えば手摺42の上端部よりも100mm以上低い位置)を採用可能である。このような把持部63を作業者が把持することで、例えば手摺42を把持する場合とは異なり、作業者の手が手摺42と対象物Aによって挟まれることを防止することができる。
【0043】
図2から図5までに示すイネーブルスイッチ64は、操作の有無又は操作力の大きさに応じて三段階のポジション(位置)に変位可能なものである。イネーブルスイッチ64は、上方から押圧操作可能に形成される。イネーブルスイッチ64は、ポジションに応じてON及びOFFを切り替え可能である。イネーブルスイッチ64は、筐体61の上面において把持部63の右方に設けられる。イネーブルスイッチ64は、把持部63の近傍に設けられる。
【0044】
イネーブルスイッチ64は、作業者が把持部63を把持した状態で、当該作業者の指(例えば親指)により押圧操作可能に形成される。以下では、図5を用いてイネーブルスイッチ64の操作の詳細について説明する。
【0045】
図5(a)に示す第一ポジションは、イネーブルスイッチ64が押圧操作されていない場合のポジションである。具体的には、イネーブルスイッチ64に付与される操作力が3kN未満である場合に、イネーブルスイッチ64は第一ポジションとなる。第一ポジションである場合、イネーブルスイッチ64はOFFとなる。
【0046】
図5(b)に示す第二ポジションは、イネーブルスイッチ64が第一ポジションから一段階押し込まれた場合のポジションである。具体的には、イネーブルスイッチ64に付与される操作力が3kN以上、13kN未満である場合に、イネーブルスイッチ64は第二ポジションとなる。第二ポジションである場合、イネーブルスイッチ64はONとなる。
【0047】
図5(c)に示す第三ポジションは、イネーブルスイッチ64が第二ポジションから更に押し込まれた場合のポジションである。具体的には、イネーブルスイッチ64に付与される操作力が13kN以上である場合に、イネーブルスイッチ64は第三ポジションとなる。第三ポジションである場合、イネーブルスイッチ64はOFFとなる。
【0048】
作業者は、把持部63を把持した状態で指によりイネーブルスイッチ64を押圧することで、当該イネーブルスイッチ64を第二ポジション又は第三ポジションとする操作が可能である。上述の如きイネーブルスイッチ64及び把持部63の位置関係(配置や高さ等)は、把持部63を把持した作業者が自然に(通常の力で)イネーブルスイッチ64を押圧した場合に、イネーブルスイッチ64が第二ポジションとなるような位置関係を採用可能である。第二ポジションとなるようにイネーブルスイッチ64を押圧する作業者が、把持部63を把持した状態で更に強い操作力(13kN以上の操作力)で押圧すれば、当該イネーブルスイッチ64を第三ポジションにすることができる。また、作業者が把持部63から手を離せば、イネーブルスイッチ64を第一ポジションにすることができる。
【0049】
図3及び図4に示す表示部65は、高所作業車1の状態を示す表示を行うものである。図3に示すように、表示部65は、筐体61の後面に設けられる。表示部65としては、所定のランプ等を採用可能である。
【0050】
表示部65は、「電源」、「規制中」及び「操作許可」の3つの表示を実行可能である。「電源」は、高所作業車1に電源部51からの電力が供給されている状態であって、「通常モード」が設定されている場合に表示される。「規制中」は、コントローラ60により高所作業車1の動作の規制が行われている場合に表示される。「操作許可」は、コントローラ60による規制が解除されている場合に表示される。
【0051】
図4に示すコンバータ66は、電源部51から供給された電力の電圧を変更するものである。コンバータ66としては、所定のDC/DCコンバータを採用可能である。
【0052】
制御部67は、超音波センサ62の検出結果やイネーブルスイッチ64の状態に基づく処理を実行可能なものである。制御部67は、筐体61に内蔵される。制御部67は、所定の演算処理装置を有する。制御部67としては、所定のPLCコントローラ(プログラマブルロジックコントローラ)を採用可能である。制御部67は、超音波センサ62、イネーブルスイッチ64、表示部65及びコンバータ66と所定の配線(信号線)を介して通信可能に接続されている。
【0053】
図4に示す変換ハーネス70は、車両本体10とコントローラ60とを通信可能に接続するものである。変換ハーネス70は、所定のコネクタを介して車両本体10及びコントローラ60に接続される。図4に示すように、変換ハーネス70を介して、電源部51とコンバータ66とが接続される。また、変換ハーネス70を介して、フットスイッチ44及び制御部53と、制御部67と、が接続される。なお、図4に示すブロック図は、高所作業車1の各部の接続関係を模式的に示すものである。
【0054】
変換ハーネス70は、車両本体10の制御に用いられる既存の回路に接続される配線(例えばフットスイッチ44に接続される配線)を分岐させると共に、当該分岐させた配線にコントローラ60を接続する。変換ハーネス70を用いることで、車両本体10の既存の回路を変更することなく、コントローラ60を容易に後付けすることができる。
【0055】
挟まれ防止装置は、上述の如き高所作業車1を構成する各部のうち、コントローラ60と、フットスイッチ44と、を含む。挟まれ防止装置は、フットスイッチ44の状態や超音波センサ62の検出結果、イネーブルスイッチ64の状態(ポジション)に基づいて、車両本体10(高所作業車1)の動作の規制(停止)や規制の解除を行う処理を実行可能である。
【0056】
具体的には、コントローラ60の制御部67は、処理において、車両本体10の制御部53に対して操作許可を出力する(操作許可出力をONにする)状態と、操作許可を出力しない(操作許可出力をOFFにする)状態と、を切り替えることで、車両本体10の動作の規制や規制の解除を行う。上記操作許可は、操作許可部(フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64)の操作に応じて出力される(図6を参照)。
【0057】
操作許可を出力した状態では、操作部43による操作に基づいた走行装置20及び昇降装置30の動作が許可される。一方、操作許可を出力しない状態では、操作部43による操作に基づいた走行装置20及び昇降装置30の動作が許可されない。すなわち、走行及び昇降の動作は規制される。
【0058】
また、コントローラ60は処理において、下端位置検出部52及び超音波センサ62の検出結果に基づいて、高所作業車1の状態を、「通常走行モード」、「通常昇降モード」及び「危険エリアモード」のいずれかのモードに切り替えることができる(図6から図8までを参照)。以下では図6のタイミングチャートを用いて、各モードの詳細について説明する。
【0059】
「通常走行モード」は、作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出している状態であって、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出していない状態で実行されるモードである。「通常走行モード」が実行されている状態では、制御部67は、フットスイッチ44がONである場合に操作許可出力をONにする。これにより、操作部43による操作に基づいた走行及び昇降の動作が可能となる。
【0060】
「通常昇降モード」は、作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出していない状態であって、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出していない状態で実行されるモードである。「通常昇降モード」が実行されている状態では、制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の両方がONである場合に操作許可出力をONにする。これにより、操作部43による操作に基づいた昇降の動作が可能となる。
【0061】
「危険エリアモード」は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出している状態で実行されるモードである。「危険エリアモード」が実行されている状態では、制御部67は、所定の解除操作がされない限り操作許可出力をOFFにする。これにより、操作部43による操作に基づいた昇降の動作は規制(停止)される。
【0062】
ここで、解除操作とは、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64を押し直す(踏み直す)操作である。すなわち、制御部67は、「危険エリアモード」が実行されてから、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が各1回以上OFFになった後に、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の両方が同時にONになった場合(フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の両方がONの状態である場合)に操作許可出力をONにする。これにより、昇降の動作の規制が解除される。これによれば、作業床40の上昇を停止させた状態で、作業性の観点等から作業者が上方の対象物Aに対して接近することや離間することを望む場合には、作業床40の上昇を許可することができる。
【0063】
以下では、図7及び図8のフローチャートを用いて、コントローラ60(制御部67)が実行する処理について説明する。
【0064】
以下の処理は、例えば作業床40に搭乗した作業者が所定の操作(例えば操作部43やフットスイッチ44、コントローラ60等の操作)を行うことを契機として実行される。また、以下の説明では、車両本体10は「通常モード」が実行されている。
【0065】
ステップS10において、制御部67は、表示部65に「電源」を表示させる。なお仮に車両本体10に「下部操作モード」が実行されている場合や、高所作業車1に電力が供給されていない場合(電源OFFである場合)は、「電源」は表示されない。制御部67は、ステップS10の処理を実行した後、ステップS11の処理へ移行する。
【0066】
ステップS11において、制御部67は、操作許可出力が所定時間継続してONとなっているか否かを判定する。制御部67は、操作許可出力が所定時間継続してONとなっていないと判定した場合、ステップS12の処理へ移行する。一方、制御部67は、操作許可出力が所定時間継続してONとなっていると判定した場合、ステップS21の処理へ移行する。
【0067】
ステップS12において、制御部67は、作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出したか否かを判定する。制御部67は、作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出していない(非検出である)と判定した場合、ステップS13の処理へ移行する。一方、制御部67は、作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出したと判定した場合、ステップS22の処理へ移行する。
【0068】
ステップS13において、制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出したか否かを判定する。上記所定距離としては、例えば1200mmを採用可能である。なお、上記所定距離は、作業者の安全を考慮した種々の値を採用可能である。
【0069】
制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出したと判定した場合、ステップS14の処理へ移行する。この場合、高所作業車1は、「危険エリアモード」が実行される。一方、制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出していない(非検出である)と判定した場合、ステップS17の処理へ移行する。この場合、高所作業車1は、「通常昇降モード」が実行される。
【0070】
ステップS14において、制御部67は、操作許可出力をOFF(操作許可を出力しない状態)に切り替える。この場合、制御部67は、操作部43が操作されていても走行装置20及び昇降装置30を動作させない。制御部67は、ステップS14の処理を実行した後、ステップS15の処理へ移行する。
【0071】
ステップS15において、制御部67は、表示部65に「規制中」を表示させる。制御部67は、ステップS15の処理を実行した後、ステップS16の処理へ移行する。
【0072】
ステップS16において、制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が各1回以上OFFになったか否かを判定する。制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が各1回以上OFFになったと判定した場合、ステップS17の処理へ移行する。一方、制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の少なくとも一方がOFFになっていないと判定した場合、ステップS16の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS17において、制御部67は、イネーブルスイッチ64がONであるか否かを判定する。制御部67は、イネーブルスイッチ64がONと判定した場合、ステップS18の処理へ移行する。一方、制御部67は、イネーブルスイッチ64がONでないと判定した場合、ステップS17の処理を繰り返す。
【0074】
ステップS18において、制御部67は、フットスイッチ44がONであるか否かを判定する。なお、ステップS17からステップS18へ移行した場合、制御部67は、イネーブルスイッチ64がONの状態でフットスイッチ44がONであるか(フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が同時にONであるか)否かを判定している。制御部67は、フットスイッチ44がONと判定した場合、ステップS19の処理へ移行する。一方、制御部67は、フットスイッチ44がONでないと判定した場合、ステップS18の処理を繰り返す。
【0075】
ステップS19において、制御部67は、操作許可出力をON(操作許可を出力する状態)に切り替える。すなわち、制御部67は、上述したフットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の押し直し(踏み直し)による解除操作(ステップS16:YES、ステップS17及びステップS18)が行われた場合、操作許可出力をONにする。この場合、制御部67は、操作部43の操作に応じて走行装置20及び昇降装置30を動作させる。制御部67は、ステップS19の処理を実行した後、ステップS20の処理へ移行する。
【0076】
ステップS20において、制御部67は、表示部65に「操作許可」を表示させる。制御部67は、ステップS20の処理を実行した後、処理を終了する。
【0077】
ステップS12において「作業床40が下端位置に位置することを下端位置検出部52が検出した」と判定した場合に移行するステップS22において、制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出したか否かを判定する。制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出したと判定した場合、ステップS14の処理へ移行する。一方、制御部67は、対象物Aまでの距離が所定距離以下であることを超音波センサ62が検出していない(非検出である)と判定した場合、ステップS18の処理へ移行する。この場合、高所作業車1は、「通常走行モード」が実行される。
【0078】
ステップS11において「操作許可出力が所定時間継続してONとなっている」と判定した場合に移行するステップS21において、制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が同時にOFFになったか否かを判定する。制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が同時にOFFになったと判定した場合、ステップS12の処理へ移行する。一方、制御部67は、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64が同時にOFFになっていないと判定した場合、ステップS14の処理へ移行する。
【0079】
ここで、操作許可出力が所定時間継続してONとなっている(ステップS11:YES)場合には、各スイッチの上に何らかの物が置かれていることで操作許可が出力され続けている等の異常が発生していることが想定される。上記処理によれば、このような場合に、ステップS21の操作がなければ、操作許可出力をOFFにし(ステップS14)、作業床40の動作を停止することができる。なお、上記所定時間は、作業者の安全を考慮した種々の値を採用可能である。
【0080】
上述の如きコントローラ60の処理によれば、超音波センサ62の検出結果に基づく「危険エリアモード」が実行されている場合に、作業床40の動作を停止させることで(ステップS13:YES、ステップS22:YES、ステップS14)、作業者が作業床40と対象物Aとの間で挟まれることを防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0081】
また、上記処理では、「通常昇降モード」が実行されている場合において、フットスイッチ44がONであり、かつイネーブルスイッチ64がON(第二ポジション)である場合に操作許可出力をONにしている(ステップS17~ステップS19)。すなわち、イネーブルスイッチ64がOFF(第一ポジション又は第三ポジション)であれば作業床40の動作を停止する構成としている。これにより、超音波センサ62が対象物Aを検出しなかった場合でも、作業者が対象物Aに接触した場合等に、異常を感じた作業者がイネーブルスイッチ64から手を離すか強く押し込んだ場合(第一ポジション又は第三ポジションとなった場合)に、作業床40の動作を停止させることができる。このように、二重の手段により作業床40の動作を停止することができる。
【0082】
上述したように作業者が異常を感じた場合、イネーブルスイッチ64を手に持った(第二ポジションに操作している)作業者の反応としては、イネーブルスイッチ64を一層強く押し込む(第三ポジションに操作する)か、イネーブルスイッチ64から手を離す(第一ポジションに操作する)ことが想定される。ここで、上昇中に作業床40の上昇中に作業者が対象物Aにより上方から挟まれた場合、一般的に作業者は、スイッチを押し込む(踏み込む)動作を行うケースが多く、反対動作であるスイッチから手を離すという動作を行い難いことが想定される。本実施形態によれば、作業者が手を離す(第一ポジションに操作する)ことに加えて、作業者がイネーブルスイッチ64を強く押し込む(第三ポジションに操作する)ことによっても作業床40の動作を停止させることができるので、より安全性を向上させることができる。
【0083】
また、作業者が異常を感じた場合、フットスイッチ44をOFFにする(足を離す)ことでも作業床40の動作を停止することは可能である。しかしながら、作業者が対象物Aにより上方から挟まれた場合、上述したように、作業者は踏み込みの反対動作である足を離すという動作を行い難いことが想定される。本実施形態によれば、上述したように、イネーブルスイッチ64を強く押し込む(第三ポジションに操作する)ことによっても作業床40の動作を停止させることができるので、より安全性を向上させることができる。
【0084】
また、上記処理では、「危険エリアモード」が実行されている場合に、作業床の動作を停止させた状態で、作業性の観点等から作業者が上方の対象物Aに対して接近することを望む場合には、解除操作(ステップS16:YES、ステップS17:YES、ステップS18:YES)を実行することで、「危険エリアモード」が実行されている場合であっても作業床40の動作を許可することができる。これにより、作業性を向上させることができる。
【0085】
上記解除操作には、作業者がイネーブルスイッチ64を意図的に押し直す操作が含まれている。すなわち、上記解除操作は、イネーブルスイッチ64を一旦OFF(第一ポジション又は第三ポジション)し、その後に再びON(第二ポジション)にする操作が含まれている。これにより、誤操作により作業床40の動作の停止が解除されることを抑制することができる。
【0086】
また、これによれば、作業床40の動作の停止を解除した際に、作業者が対象物Aに接触した場合等、異常を感じた作業者がイネーブルスイッチ64から手を離すか強く押し込むことで、作業床40の動作を停止させることができる。
【0087】
また、本実施形態に係るコントローラ60は、超音波センサ62を、作業床40に搭乗する作業者を検出し難い位置に配置している。これにより、誤って検出範囲内に位置した作業者を超音波センサ62が検出することで、作業床40の動作を停止することを抑制することができる。また、仮に作業者が検出範囲内に位置する場合は、作業者が超音波センサ62側に倒れていることが想定される。本実施形態によれば、このような場合にも、作業床40の動作を停止することができる。
【0088】
以上の如く、本実施形態に係る挟まれ防止装置は、
高所作業車1の作業床40に搭載される挟まれ防止装置(コントローラ60、フットスイッチ44)であって、
前記作業床40よりも上方の対象物Aを非接触で検出する検出部(超音波センサ62)と、
前記検出部(超音波センサ62)が前記対象物Aを検出した場合に、前記作業床40の上昇を停止可能(ステップS13:YES、ステップS14)な制御部67と、
前記制御部67が前記作業床40の上昇を停止させた状態で所定の解除操作が行われた場合に、前記制御部67による前記作業床40の上昇の停止を解除可能(ステップS16:YES、ステップS17:YES、ステップS18:YES、ステップS19)な解除装置(イネーブルスイッチ64、フットスイッチ44)と、
を具備するものである。
【0089】
このように構成することにより、高所作業の安全性及び作業性を向上させることができる。すなわち、検出部が上方の対象物Aを検出した場合に作業床40の上昇を停止させることで、作業者が作業床40と対象物Aとの間で挟まれることを防止することができ、安全性を向上させることができる。また、作業床40の上昇を停止させた状態で、作業者が上方の対象物Aに対して接近することや離間することを望む場合には、解除装置(イネーブルスイッチ64)により作業床40の上昇の停止を解除することで作業床40の上昇を許可することができる。これにより、作業性を向上させることができる。
【0090】
また、挟まれ防止装置は、
スイッチが押圧操作されていない場合に位置する第一ポジションと、前記スイッチが第一操作力(3kN以上、13kN未満の操作力)で押圧された場合に位置する第二ポジションと、前記スイッチが前記第一操作力よりも大きい第二操作力(13kN以上の操作力)で押圧された場合に位置する第三ポジションと、に変位するイネーブルスイッチ64を具備し、
前記制御部67は、
前記イネーブルスイッチ64が前記第一ポジション及び前記第三ポジションである場合に、前記作業床40の上昇を停止するものである。
【0091】
このように構成することにより、より安全性を向上させることができる。すなわち、イネーブルスイッチ64を用いて作業床40の上昇を停止する構成としたことで、検出部が対象物Aを検出しなかった場合でも、作業者が対象物Aに接触した場合に、異常を感じた作業者がイネーブルスイッチ64から手を離すか強く押し込むことで、作業床40の上昇を停止させることができる。このように、二重の手段により作業床40の上昇を停止することができる。
【0092】
また、前記解除装置は、
前記イネーブルスイッチ64を含み、
前記解除操作は、
前記イネーブルスイッチ64を前記第二ポジションから前記第一ポジション又は前記第三ポジションとする操作(ステップS16:YES)を含むものである。
【0093】
このように構成することにより、より安全性を向上させることができる。すなわち、作業者がイネーブルスイッチ64を意図的に操作することを条件として作業床40の上昇の停止を解除する構成としている。これにより、誤操作により作業床40の上昇の停止が解除されることを抑制することができる。また、作業床40の上昇の停止を解除した際に作業者が対象物Aに接触した場合に、異常を感じた作業者がイネーブルスイッチ64から手を離すか強く押し込むことで、作業床40の上昇を停止させることができる。
【0094】
また、前記解除装置は、
踏み込みによる操作が可能なフットスイッチ44を含み、
前記解除操作は、
前記フットスイッチ44の踏み込みを解除する操作(ステップS16:YES)を含むものである。
【0095】
このように構成することにより、より安全性を向上させることができる。すなわち、作業者がイネーブルスイッチ64及びフットスイッチ44を意図的に連動させる操作を行うことを条件として作業床40の上昇の停止を解除する構成としている。これにより、誤操作により作業床40の上昇の停止が解除されることを抑制することができる。
【0096】
また、挟まれ防止装置は、
作業者が把持した状態で、前記イネーブルスイッチ64の前記スイッチを操作可能な把持部63を具備し、
前記把持部63は、
前記作業床40の手摺42の上端部よりも低い位置に設置されるものである。
【0097】
このように構成することにより、作業床40の上昇中に、把持部63を把持した作業者の手が、対象物Aによって挟まれることを防止することができる。
【0098】
なお、本実施形態に係る超音波センサ62は、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るイネーブルスイッチ64は、本発明に係る解除装置の実施の一形態である。
【0099】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0100】
例えば、解除操作において行われる操作は、本実施形態で示したものに限られず、種々の操作を採用可能である。また、本実施形態では、フットスイッチ44及びイネーブルスイッチ64の両方を用いて解除操作を行う例を示したが、このような構成に限られない。例えば、イネーブルスイッチ64のみで解除操作を行うようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、コントローラ60にイネーブルスイッチ64を設けた例を示したが、このような構成に限られない。例えば、イネーブルスイッチ64に代えて、二段階でON/OFFを切り替えるスイッチを採用してもよい。
【0102】
また、本実施形態では、検出部を、超音波センサ62とした例を示したが、このような構成に限られない。検出部としては、赤外線センサやレーザ距離計等、所定距離内に対象物Aが位置することを検出可能な種々の検出部を採用可能である。
【0103】
また、本実施形態では、変換ハーネス70を用いて、車両本体10とコントローラ60とを接続した例を示したが、このような構成に限られない。例えば、変換ハーネス70を用いず、車両本体10とコントローラ60とを直接接続してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 高所作業車
10 車両本体
44 フットスイッチ
60 コントローラ
62 超音波センサ
64 イネーブルスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8