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特開2023-42946画像処理装置、画像処理システムおよび画像処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042946
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システムおよび画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230320BHJP
【FI】
G06T7/00 650B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150381
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】服部 公祐
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA04
5L096EA35
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA69
5L096HA09
(57)【要約】
【課題】車種判別を高精度で行えるように画像を切出すことが可能な技術を提供する。
【解決手段】切出し領域サイズ計算部(21)は、走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する。切出し処理部(23)は、切出し領域サイズ計算部(21)によって計算された切出し領域サイズに応じて、撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、
前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記切出し領域サイズ計算部は、前記ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標と、前記切出し処理部が画像を切出すときの基準となる基準ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標とが一致するときに、前記切出し領域サイズを計算する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標をY座標とし、前記撮影画像の縦方向のサイズをα、当該Y座標が最大のときの切出し領域サイズをβ、当該Y座標が最小のときの切出し領域サイズをγとすると、前記切出し領域サイズ計算部は、次式(式1a)によって切出し領域サイズL×Lを計算する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
L=(β-γ)×y/α+γ ・・・(式1a)
【請求項4】
前記画像処理装置はさらに、少なくとも前記基準ナンバープレート位置座標、前記α、前記β、前記γを定義する設定ファイルを含み、
前記切出し領域サイズ計算部は、前記設定ファイルを参照して、前記切出し領域サイズを計算する、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記設定ファイルは、前記自動車の背景画像を含まないように、前記基準ナンバープレート位置座標、前記α、前記β、前記γを定義する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記切出し領域サイズ計算部は、前記ナンバープレート位置座標のY座標ごとに、前記切出し領域サイズL×Lを計算して、前記ナンバープレート位置座標のY座標と前記切出し領域サイズL×Lとの関係を示すテーブルとして前記設定ファイルに定義する、請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記切出し処理部は、前記ナンバープレート位置座標を基準として、前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズの縦方向および横方向のサイズのそれぞれが所定の比率となるように前記画像を切出す、請求項1~6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
撮像装置および画像処理装置を備える画像処理システムであって、
前記撮像装置は、走行する自動車を撮影する撮像部と、
前記撮像部によって撮影された撮影画像から前記自動車のナンバープレート位置座標を検出する位置座標検出部と、を含み、
前記画像処理装置は、前記位置座標検出部によって検出されたナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、
前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、前記自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を含む、画像処理システム。
【請求項9】
走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する工程と、
計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す工程と、を含む画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システムおよび画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の車種を判別する技術が種々開発されている。これに関連する技術として、下記の特許文献1および特許文献2に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1は、車種照合システムに関する。車種照合システムは、視覚情報である第1車種データを出力する車載器と、車載器を搭載した自動車の第2車種データを出力する車種判別装置と、第1車種データと第2車種データとを照合する照合装置と、照合の結果、第1車種データと第2車種データの各々が示す車種が一致しないときに、自動車の所有者に対し、照合の結果を通知する管理センタとを備えている。
【0004】
特許文献2は、通行する車両の車種を判別する技術に関する。取得部は、複数の撮像装置のうちのいずれかの撮像装置によって車両が撮像された第一の撮像画像と、撮像装置によって第一の撮像画像とは異なる時刻に撮像された第二の撮像画像を取得する。検出部は、第一の撮像画像から車両の第一の画像を検出し、第二の撮像画像から車両の第二の画像を検出する。第一の判別部は、第一の画像と、判別基準とに基づいて、車両の車種を判別する。第二の判別部は、第二の画像と、判別基準とに基づいて、車両の車種を判別する。統合判別部は、第一の判別部の判別結果と、第二の判別部の判別結果とを統合し、車両の車種を判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-281687号(2003年10月3日公開)
【特許文献2】特開2018-190082号(2018年11月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1においては、視覚的に検出される情報(視覚情報)と、車種判別装置によって判別された情報(判別情報)とを照合することによって車種を判別する。しかしながら、撮影した画像をどのように処理するかに関する開示はない。
【0007】
また、特許文献2においては、統合判別部が、第一の判別部の判別結果と、第二の判別部の判別結果とを統合し、車両の車種を判別する。しかしながら、車種判別に利用する画像をどのように切出すかに関する開示がない。
【0008】
本発明の一態様は、車種判別を高精度で行えるように画像を切出すことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、切出し領域サイズ計算部によって計算された切出し領域サイズに応じて、撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を備える。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理システムは、撮像装置および画像処理装置を備える画像処理システムであって、撮像装置は、走行する自動車を撮影する撮像部と、撮像部によって撮影された自動車のナンバープレート位置座標を検出する位置座標検出部と、を含み、画像処理装置は、位置座標検出部によって検出されたナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、切出し領域サイズ計算部によって計算された切出し領域サイズに応じて、撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を含む。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理方法は、走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する工程と、計算された切出し領域サイズに応じて、撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す工程と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、車種判別を高精度で行えるように画像を切出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】ナンバープレート位置座標を説明するための図である。
図3】ナンバープレート位置座標のY座標と切出し領域サイズとの関係を示すテーブルである。
図4】切出し領域の一例を示す図である。
図5】切出し処理部によって切出された画像の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(画像処理システム100の構成例)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理システム100の概略構成を示すブロック図である。画像処理システム100は、撮像装置1と、画像処理装置2とを備える。この画像処理システム100は、道路を走行する自動車を撮影し、車種を判別するための画像を切出すことができる。また、画像処理システム100は、駐車場を出入りする自動車を撮影し、車種を判別するための画像を切出すようにしてもよい。なお、車種とは、トラック、軽自動車等の車種だけでなく、自動車の車名をも意味している。したがって、画像処理装置2は、自動車の車名を判別できるように画像を切出す。
【0015】
撮像装置1は、撮像部11と、位置座標検出部12とを含む。撮像部11は、カメラ等によって構成され、走行する自動車の画像を撮影する。撮像部11は、例えば、6m程度の高さに設置され、走行する自動車の前面(フロント部)を斜め上から撮影する。なお、撮像部11は、走行する自動車の背面を撮影するようにしてもよい。
【0016】
位置座標検出部12は、撮影した自動車の前面の画像から、ナンバープレートの画像部分を抽出し、ナンバープレート位置座標を検出する。このナンバープレート位置座標の検出を、図2を用いて説明する。
【0017】
図2は、ナンバープレート位置座標を説明するための図である。図2に示すように、ナンバープレートには、地域名「京都」および分類番号「×××」を示す行と、用途「あ」および一連番号「××-××」を示す行とが記載されている。位置座標検出部12は、地域名および分類番号を示す行と、用途および一連番号を示す行との間であり、かつ、横幅の中央となる点Pの座標をナンバープレート位置座標として検出し、画像処理装置2に出力する。なお、ナンバープレート位置座標は、これに限定されるものではなく、ナンバープレートを基準とした他の座標であってもよい。
【0018】
図2に示すように、点Pからナンバープレートの左端までの長さをW、点Pからナンバープレートの右端までの長さをWとすると、位置座標検出部12は、W=Wとなるように点Pを定める。撮像部11によって撮影された画像における点Pの座標が、ナンバープレート位置座標となる。以下、ナンバープレート位置座標、すなわち、点Pの座標をP(x,y)とする。なお、ナンバープレート位置座標P(x,y)は、撮影画像をXY座標で表した場合におけるナンバープレートの位置座標となる。
【0019】
再び、図1の説明に戻る。画像処理装置2は、切出し領域サイズ計算部21と、設定ファイル22と、切出し処理部23とを含む。なお、撮像装置1と画像処理装置2との間の情報の入出力は、有線による通信であってもよいし、無線による通信であってもよく、特に限定されるものではない。
【0020】
切出し領域サイズ計算部21は、位置座標検出部12から出力されるナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標が、設定ファイル22に記憶される基準ナンバープレート位置座標のY座標と一致するときに、切出し領域サイズを計算する。なお、基準ナンバープレート位置座標は、切出し処理部23が画像を切出すときの基準となる位置座標であり、予め決められている。
【0021】
上述のように、撮像部11が高さ6m程度の高さに設置されており、上方から自動車の前面を撮影しているため、自動車が遠くであればナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標(高さ方向の座標)が、撮影画像において上方に位置することになる。自動車が近づくに従ってナンバープレート位置座標P(x,y)が下方に移動し、自動車と撮像部11との距離が所定距離となった時点で、ナンバープレート位置座標と、基準ナンバープレート位置座標とが一致することになる。このときの撮影画像(静止画像)を切出し処理対象の画像とする。
【0022】
設定ファイル22には、撮影画像の大きさ(縦横の画素数)、基準ナンバープレート位置座標、切出し領域サイズを計算する際に使用されるパラメータα、β、γ等の情報が定義されている。
【0023】
αは、処理対象画像(例えば、撮影画像の全部であってもよいし、撮影画像の一部であってもよい。)の縦サイズ(縦方向の画素数)である。βは、ナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標が最大のときの切出し領域サイズである。また、γは、ナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標が最小のときの切出し領域サイズである。なお、切出し領域サイズは、縦サイズと横サイズとが同じ正方形である場合について説明するが、縦サイズと横サイズとが異なる長方形であってもよく、特に限定されるものではない。以下、処理対象画像が撮影画像の全部である場合について説明するものとする。
【0024】
例えば、処理対象画像のサイズが1024×768であり、ナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標が最大のときの切出し領域サイズが300×300であり、ナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標が最小のときの切出し領域サイズが200×200であるとする。この場合、α=768、β=300、γ=200となる。これらのパラメータが、設定ファイル22に予め定義されている。なお、対象処理画像の左上を原点とした場合、ナンバープレート位置座標P(x,y)のY座標の最小は「0」であり、最大は「767」となる。
【0025】
切出し領域サイズ計算部21は、パラメータα、β、γを用いて、ナンバープレート位置座標のY座標に対応した切出し領域サイズL×Lを次式(式1)によって計算し、切出し領域サイズテーブルとして設定ファイル22に定義する。
【0026】
L=(β-γ)×y/α+γ ・・・(式1)
なお、処理対象画像は、左上を原点としている。したがって、処理対象画像の最上部のY座標が「0」となり、処理対象画像の最下部のY座標が「767」となる。
【0027】
また、上記(式1)にパラメータα、β、γの値を代入すると次式(式2)のようになる。切出し領域サイズ計算部21は、次式(式2)を用いて切出し領域サイズを計算するようにしてもよい。
【0028】
L=0.13×Y+200 ・・・(式2)
図3は、ナンバープレート位置座標のY座標と切出し領域サイズとの関係を示すテーブルである。図3に示すように、ナンバープレート位置座標のY座標が最小「0」のとき、切出し領域サイズは200×200であり、Y座標の増加に伴って切出し領域サイズが徐々に大きくなる。そして、ナンバープレート位置座標のY座標が最大「767」のとき、切出し領域サイズは300×300となる。
【0029】
このように、撮像装置1から自動車までの距離が大きい場合に、切出し領域サイズを小さくする。また、撮像装置1から自動車までの距離が小さい場合に、切出し領域サイズを大きくする。これによって、自動車の前面の同じ部分を含むように画像が切出されることになる。なお、基準ナンバープレート位置座標が固定の場合には、切出し領域サイズ計算部21は、基準ナンバープレート位置座標に対応する切出し領域サイズのみを計算し、この値を設定ファイル22に定義するようにしてもよい。
【0030】
切出し領域サイズ計算部21は、ナンバープレート位置座標のY座標と基準ナンバープレート位置座標のY座標とが一致するときの撮影画像、ナンバープレート位置座標、および切出し領域サイズを切出し処理部23に出力する。
【0031】
切出し処理部23は、切出し領域サイズ計算部21から出力される撮影画像、ナンバープレート位置座標、および切出し領域サイズを用いて、処理対象画像から、車種を判別するための切出し領域の画像を切出す。
【0032】
図4は、切出し領域の一例を示す図である。図4に示すように、例えば、ナンバープレート位置座標P(x,y)を基準とし、横方向(x方向)においてW:W=1:1となるように切出し領域を決定する。なお、Wはナンバープレート位置座標のX座標から左端までのサイズ(画素数)であり、Wはナンバープレート位置座標のX座標から右端までのサイズ(画素数)である。なお、WとWとの比率は、これ以外の値であってもよい。
【0033】
また、縦方向(y方向)においてH:H=3:1となるように切出し領域を決定する。なお、Hはナンバープレート位置座標のY座標から上端までのサイズ(画素数)であり、Hはナンバープレート位置座標のY座標から下端までのサイズ(画素数)である。なお、HとHとの比率は、これ以外の値であってもよい。
【0034】
なお、切出し処理部23は、切出し領域が、撮影画像の範囲を超えてしまう場合には、撮影画像の範囲を超えてしまう部分を黒色マスキングし、正方形を保つようにしてもよい。
【0035】
図5は、切出し処理部23によって切出された画像の一例を示す図である。図5に示すように、自動車の前面が背景を含まない程度の大きさで切出される。設定ファイル22が、自動車の背景画像を含まないように、基準ナンバープレート位置座標、α、β、γを定義する。なお、車種判別処理においては、切出された画像から、自動車の前面のヘッドライト、エンブレム、ボンネット、フロントグリル等のパーツを抽出し、これらのパーツから、ニューラルネットワーク等のAI技術を用いて自動車の車種を判別することになる。
【0036】
(画像処理装置2の処理フロー)
図6は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置2の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、切出し領域サイズ計算部21に、撮影画像と、ナンバープレート位置座標とが入力される(S1)。
【0037】
次に、切出し領域サイズ計算部21は、ナンバープレート位置座標のY座標が、設定ファイルに定義される基準ナンバープレート位置座標のY座標と一致するか否かを判定する(S2)。ナンバープレート位置座標のY座標と、基準ナンバープレート位置座標のY座標とが一致しなければ(S2,No)、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0038】
また、ナンバープレート位置座標のY座標と、基準ナンバープレート位置座標のY座標とが一致すれば(S2,Yes)、切出し領域サイズ計算部21は、上述の方法によって、切出し処理対象となる撮影画像(静止画像)を選択し、切出し領域サイズを計算する(S3)。
【0039】
最後に、切出し処理部23は、切出し領域サイズ計算部21から出力される撮影画像、ナンバープレート位置座標、および切出し領域サイズを用いて、処理対象画像から、車種を判別するための切出し領域の画像を切出す(S4)。
【0040】
(画像処理装置2の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置2によれば、切出し領域サイズ計算部21が、撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算するようにした。したがって、切出し領域サイズ計算部21は、切出し領域サイズを容易に計算することができる。
【0041】
また、切出し領域サイズ計算部21が、位置座標検出部12から出力されるナンバープレート位置座標のY座標が、設定ファイル22に記憶される基準ナーバープレート位置座標のY座標と一致するときに、切出し領域サイズを計算するようにした。したがって、切出し領域サイズ計算部21は、自動車の車種を判別するのに好適な切出し領域サイズを計算することができる。また、ナンバープレートの1点の座標のみを用いるため、撮像装置1の位置には影響されにくい。
【0042】
また、切出し領域サイズ計算部21が、(式1)を用いて、切出し領域サイズL×Lを計算するようにした。したがって、切出し領域サイズ計算部21は、設定ファイル22に定義される各種パラメータを参照するだけで、切出し領域サイズL×Lを計算することができる。
【0043】
また、切出し処理部23が、ナンバープレート位置座標を基準として、切出し領域サイズ計算部によって計算された切出し領域サイズの縦方向および横方向のサイズが所定の比率となるように画像を切出すようにした。したがって、切出し処理部23は、自動車の前面の同じ部分を含むように画像を切出すことができる。
【0044】
また、設定ファイル22が、自動車の背景画像を含まないように、基準ナンバープレート位置座標、α、β、γを定義するようにした。したがって、高精度で自動車の車種を判別することができるようになる。
【0045】
<ソフトウェアによる実現例>
画像処理装置2の制御ブロック(特に、切出し領域サイズ計算部21、切出し処理部23)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0046】
後者の場合、切出し領域サイズ計算部ブロックおよび切出し処理部ブロックは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0047】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る画像処理装置は、走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、
前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を備える。
【0048】
本発明の態様2に係る画像処理装置は、態様1に記載の画像処理装置であって、前記切出し領域サイズ計算部は、前記ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標と、前記切出し処理部が画像を切出すときの基準となる基準ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標とが一致するときに、前記切出し領域サイズを計算する。
【0049】
本発明の態様3に係る画像処理装置は、態様1または2に記載の画像処理装置であって、前記ナンバープレート位置座標の高さ方向の座標をY座標とし、前記撮影画像の縦方向のサイズをα、当該Y座標が最大のときの切出し領域サイズをβ、当該Y座標が最小のときの切出し領域サイズをγとすると、前記切出し領域サイズ計算部は、次式(式1a)によって切出し領域サイズL×Lを計算する。
【0050】
L=(β-γ)×y/α+γ ・・・(式1a)
本発明の態様4に係る画像処理装置は、態様3に記載の画像処理装置であって、前記画像処理装置はさらに、少なくとも前記基準ナンバープレート位置座標、前記α、前記β、前記γを定義する設定ファイルを含み、
前記切出し領域サイズ計算部は、前記設定ファイルを参照して、前記切出し領域サイズを計算する。
【0051】
本発明の態様5に係る画像処理装置は、態様4に記載の画像処理装置であって、前記設定ファイルは、前記自動車の背景画像を含まないように、前記基準ナンバープレート位置座標、前記α、前記β、前記γを定義する。
【0052】
本発明の態様6に係る画像処理装置は、態様4または5に記載の画像処理装置であって、前記切出し領域サイズ計算部は、前記ナンバープレート位置座標のY座標ごとに、前記切出し領域サイズL×Lを計算して、前記ナンバープレート位置座標のY座標と前記切出し領域サイズL×Lとの関係を示すテーブルとして前記設定ファイルに定義する。
【0053】
本発明の態様7に係る画像処理装置は、態様1~6のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記切出し処理部は、前記ナンバープレート位置座標を基準として、前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズの縦方向および横方向のサイズのそれぞれが所定の比率となるように前記画像を切出す。
【0054】
本発明の態様8に係る画像処理システムは、撮像装置および画像処理装置を備える画像処理システムであって、
前記撮像装置は、走行する自動車を撮影する撮像部と、
前記撮像部によって撮影された撮影画像から前記自動車のナンバープレート位置座標を検出する位置座標検出部と、を含み、
前記画像処理装置は、前記位置座標検出部によって検出されたナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する切出し領域サイズ計算部と、
前記切出し領域サイズ計算部によって計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、前記自動車の車種を判別するための画像を切出す切出し処理部と、を含む。
【0055】
本発明の態様9に係る画像処理方法は、走行する自動車を撮影した撮影画像におけるナンバープレート位置座標に基づいて、切出し領域サイズを計算する工程と、
計算された前記切出し領域サイズに応じて、前記撮影画像から、自動車の車種を判別するための画像を切出す工程と、を含む。
【0056】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 撮像装置
2 画像処理装置
11 撮像部
12 位置座標検出部
21 切出し領域サイズ計算部
22 設定ファイル
23 切出し処理部
100 画像処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6