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特開2023-42953ビデオゲーム処理プログラム及びビデオゲーム処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042953
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20230320BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230320BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150392
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】坂田 新平
(72)【発明者】
【氏名】マルティンス グスタボ
(57)【要約】
【課題】新規オブジェクトについての選択基準を、類似オブジェクトの選択基準に基づいて設定することを可能とすること。
【解決手段】キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎に、キャラクタとオブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録し、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能と
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報とを比較して比較結果を出力する第1比較機能を実現させる
請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける前記影響領域情報とを比較して比較結果を出力する第2比較機能を実現させる
請求項1又は請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を行うためのビデオゲーム処理システムであって、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録手段と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力手段と
を含むビデオゲーム処理システム。
【請求項5】
キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能と
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、オブジェクトの特性を示す新たな指標として、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤの操作対象外のキャラクタ(NPC)をAIによって制御することが行われてきた。AIによるキャラクタ制御において、キャラクタが何らかのオブジェクトを新規に取得した場合に、そのオブジェクトをどのように使用すべきかをAIが決定する必要があるが、その決定が不自然でないことが要求される。例えば、そのキャラクタが使用経験のあるオブジェクトと類似するオブジェクトであれば同様に使用できても自然であるが、全く使用経験のないオブジェクトをいきなり使いこなせると不自然に見えてしまうといえる。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1は、獲得済みのアイテムをユーザが容易に整理することのできるゲームシステム等に関する文献であり、アイテム同士の属性が同じでランク差が一定範囲内のものや、アイテム同士の効果(効力)が同じでランク差が一定範囲内のものなど予め類似関係を規定したものを類似アイテムとして抽出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-167037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、NPCが新規にオブジェクトを取得したときに、NPCを制御するAIが新規に取得したオブジェクトの使用方法を自律的に考える仕組みが望ましい。そして、AIが自律的に考えた制御結果であるNPCの行動が客観的に見て自然であることが望まれる。例えば、オブジェクトの使用方法を予め完全に規定しておく手法では、全く使用経験のないオブジェクトをいきなり使いこなせてしまって不自然であることから、オブジェクト同士の類似関係を予め規定しておいて類似オブジェクトについて蓄積された使用方法(学習された使用方法)を類推適用するような仕組みとすることで不自然さを解消することができる可能性がある。
【0006】
他方で、近年のビデオゲームは、定期的に内容がアップデートされていくオンライン型のゲームや、パッケージ販売されるコンシューマー型のゲームにおいてもダウンロードなどによってゲーム内容が追加されるなど、サービス開始(販売開始)当初の内容からゲームの内容が変化していくゲームが増えている。特許文献1のようにアイテムの類似関係を全て規定する場合、内容が追加されていくゲームにおいては、後から追加されるアイテム等のオブジェクトが既存のオブジェクトと類似するかについて、内容を追加する度に全て規定しなければならず、更新の際の作業が膨大になってしまうという問題があった。そのため、オブジェクトの特性を示す新たな指標であって、新規に取得したオブジェクトと過去に取得したオブジェクトの対比を可能とする指標が求められていた。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、オブジェクトの特性を示す新たな指標として、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を実現するためのビデオゲーム処理プログラム及びビデオゲーム処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能と実現させることを特徴とする。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を行うためのビデオゲーム処理システムであって、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録手段と、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるユーザ端末側の動作の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における影響領域の設定の一例を説明するための説明図である。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における影響領域の対比の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のユーザが使用するユーザ端末(20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0015】
サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0016】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nとを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0017】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0018】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0019】
CPU101は、各種の演算および制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてビデオゲームの制御に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0020】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームの制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。この図2に示すサーバ10Aは、サーバの構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ10Aは、登録部11と、出力部12とを少なくとも備える。
【0022】
登録部11は、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎に、キャラクタとオブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する機能を有する。
【0023】
ここで、キャラクタとは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがあるが、本例でのキャラクタは、少なくともオブジェクトを使用する行動についてはユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。自律的に行動するキャラクタの例には、周囲のオブジェクトを自律的に認識し意思決定及び行動を行うものがある。なお、本例におけるキャラクタは、必ずしも人である必要はなく、知的主体として扱われるものであればどのようなものであってもよい。
【0024】
また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。特に、本例でのオブジェクトは、キャラクタにより使用されるものが対象となる。そして、オブジェクトには、少なくとも1以上の接続箇所が設定されており、キャラクタに接続されて使用される。ここで、接続とは、キャラクタとオブジェクトが繋がった状態となってキャラクタの意思に基づいて使用可能な状態となることをいう。接続の例としては、キャラクタが手によって把持する行為のほか、ロボット型のキャラクタにオブジェクトとしての武器が装着される場合などが考えられる。
【0025】
また、単位領域とは、オブジェクトの周辺空間を所定サイズの大きさに分割して得られた最小単位の領域のことをいう。ゲーム空間を2次元で表現する場合には単位領域は所定サイズの平面領域になるし、ゲーム空間を3次元で表現する場合には単位領域は所定サイズのボクセルになる。
【0026】
また、キャラクタを構成する構造モデルとは、キャラクタの骨の長さや関節位置などのキャラクタの骨格構造を表したモデルのことをいう。また、関節位置の情報に加えて可動範囲の情報も併せて備えているものとすることが考えられる。
【0027】
また、影響領域情報とは、オブジェクト周辺の複数の単位領域のそれぞれとキャラクタを構成する構造モデルとの関係性を表した情報のことをいう。予め設定したサイズの周辺空間全体を複数の単位領域に分割し、それぞれの単位領域に対して関係性を表す情報を設定する。関係性は様々に設定することが可能であるが、例えば、キャラクタの身体が可動できる領域、キャラクタの身体が可動できない領域というように関係性を設定することが考えられる。関係性の設定方法の一例としては、関係性に応じたパラメータ、フラグ等を設定することが考えられる。オブジェクトの周辺のどの程度の範囲まで影響領域情報を設定するかについてはビデオゲームの仕様として適宜決定することが可能である。また、影響領域情報として扱うキャラクタとオブジェクトとの関係性についてはどのようなものであってもよい。また、影響領域情報は、キャラクタとオブジェクトとの接続箇所が複数存在する場合には、接続箇所毎に登録するようにしてもよい。影響領域情報は、キャラクタとオブジェクトとの関係性をその接続箇所毎に登録するものであるので、キャラクタが変わればその構造モデルも変わるため関係性が変化して影響領域情報も異なるものになるし、オブジェクトが変わればオブジェクトの形状などが異なるため関係性が変化して影響領域情報も異なるものになる。すなわち、キャラクタとオブジェクトと接続位置との組み合わせ毎に影響領域情報が登録されることになる。
【0028】
出力部12は、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力するする機能を有する。影響領域情報が必要とされる状況において、出力部12に対してキャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、出力部12では、指定されたキャラクタとオブジェクトとの組み合わせについて登録部11で登録された情報を参照して影響領域情報を特定して出力する。なお、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせについて接続方法が複数存在する場合には、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせに加えて接続箇所を指定する情報を用いることで影響領域情報を特定するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0029】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザが合成画像を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0030】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)及びソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0031】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0032】
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0033】
ゲーム処理が開始されると、サーバ10Aは、先ず、キャラクタとオブジェクトの組み合わせについて影響領域情報を登録する(ステップS11)。そして、サーバ10Aは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力する(ステップS12)。サーバ10Aは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報に基づく処理の影響を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報に基づく処理が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS13)、処理を終了する。
【0034】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0035】
ゲーム処理が開始されると、サーバ10Aは、先ず、キャラクタとオブジェクトの組み合わせについて影響領域情報を登録する(ステップS101)。そして、サーバ10Aは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力して(ステップS102)、処理を終了する。
【0036】
図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるユーザ端末側の動作の例を示すフローチャートである。以下、ユーザ端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、ユーザ端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0037】
ゲーム処理が開始されると、ユーザ端末20は、先ず、キャラクタとオブジェクトの組み合わせについて影響領域情報を登録する(ステップS201)。そして、ユーザ端末20は、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力して(ステップS202)、処理を終了する。
【0038】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、サーバ10Aが、登録部11と、出力部12とを備え、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎に、キャラクタとオブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録し、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力するようにしたので、オブジェクトの特性を示す新たな指標として、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定めることが可能となる。
【0039】
すなわち、キャラクタとオブジェクトとの関係性を影響領域情報として表現することが可能となるため、NPCなどを制御するAIにおいて新規に取得したオブジェクトの使用方法を判断するための材料の一つとして影響領域情報を用いることが可能となる。また、例えば、影響領域情報としてキャラクタの身体が可動できる領域、キャラクタの身体が可動できない領域を設定しておくことで、AIが新規に取得したオブジェクトについて使用する際に、キャラクタの身体が可動できない領域に対して身体を動かそうとしてアニメーションが破綻するといったことがなくなるという効果が得られたりもする。
【0040】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。この図6を用いて、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10B(サーバ10B)について説明する。本例において、サーバ10Bは、登録部11と、出力部12と、第1比較部13とを少なくとも備える。
【0041】
第1比較部13は、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力する機能を有する。
【0042】
この第1比較部13では、同じキャラクタに対する複数のオブジェクトとの組み合わせについての複数の影響領域情報を比較する。ここで、影響領域情報の比較はどのような方法であってもよいが、例えば、オブジェクト周辺の単位領域について、同じ位置の単位領域同士の影響領域情報を比較して、影響領域情報の一致度を算出する方が考えられる。この第1比較部13において比較するオブジェクトの数については、基準となるオブジェクトに対して1つの比較対象のオブジェクトを比較するものであってもよいし、基準となるオブジェクトに対して2つ以上の比較対象のオブジェクトを比較するものであってもよい。
【0043】
図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Bとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、サーバ10Bとユーザ端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0044】
ゲーム処理は、例えば、第1比較処理の開始条件が成立した場合に開始される。サーバ10Bは、第1比較処理の開始条件が成立した場合、先ず、影響領域情報を比較したいキャラクタの選択を受け付け、選択されたキャラクタについて影響領域情報を比較したいオブジェクトの選択を受け付ける(ステップS21)。この時、基準となる比較元であるオブジェクトと、比較先である少なくとも1以上のオブジェクトとが選択される。そして、サーバ10Bは、選択されたキャラクタとオブジェクトの組み合わせについて予め登録された影響領域情報を取得し、比較元のオブジェクトの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のオブジェクトの影響領域情報とを比較して、比較結果を出力する(ステップS22)。サーバ10Bは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報の比較結果が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS23)、処理を終了する。
【0045】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、サーバ10Bが、登録部11と、出力部12と、第1比較部13とを備え、このうちの第1比較部13において、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力するようにしたので、同一のキャラクタとの組み合わせに関する比較元のオブジェクトの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のオブジェクトの影響領域情報とを比較することが可能となる。
【0046】
すなわち、影響領域情報の比較結果を用いることで、例えば、オブジェクトの類似度を影響領域情報の一致度で算出して利用することが可能となる。
【0047】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。この図8を用いて、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10C(サーバ10C)について説明する。本例において、サーバ10Cは、登録部11と、出力部12と、第2比較部14とを少なくとも備える。
【0048】
第2比較部14は、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力する機能を有する。
【0049】
この第2比較部14では、同じオブジェクトに対する複数のキャラクタとの組み合わせについての複数の影響領域情報を比較する。ここで、影響領域情報の比較はどのような方法であってもよいが、例えば、オブジェクト周辺の単位領域について、同じ位置の単位領域同士の影響領域情報を比較して、影響領域情報の一致度を算出する方が考えられる。この第2比較部14において比較するキャラクタの数については、基準となるキャラクタに対して1つの比較対象のキャラクタを比較するものであってもよいし、基準となるキャラクタに対して2つ以上の比較対象のキャラクタを比較するものであってもよい。
【0050】
図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Cとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、サーバ10Cとユーザ端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0051】
ゲーム処理は、例えば、第2比較処理の開始条件が成立した場合に開始される。サーバ10Cは、第2比較処理の開始条件が成立した場合、先ず、影響領域情報を比較したいオブジェクトの選択を受け付け、選択されたオブジェクトについて影響領域情報を比較したいキャラクタの選択を受け付ける(ステップS31)。この時、基準となる比較元であるキャラクタと、比較先である少なくとも1以上のキャラクタとが選択される。そして、サーバ10Cは、選択されたキャラクタとオブジェクトの組み合わせについて予め登録された影響領域情報を取得し、比較元のキャラクタの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のキャラクタの影響領域情報とを比較して、比較結果を出力する(ステップS32)。サーバ10Cは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報の比較結果が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS33)、処理を終了する。
【0052】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、サーバ10Cが、登録部11と、出力部12と、第2比較部14とを備え、このうちの第2比較部14において、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力するようにしたので、同一のオブジェクトとの組み合わせに関する比較元のキャラクタの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のキャラクタの影響領域情報とを比較することが可能となる。
【0053】
すなわち、影響領域情報の比較結果を用いることで、例えば、同じオブジェクトについてキャラクタ同士の身体の違いに基づいた処理を行うことが可能となる。
【0054】
[第4の実施形態]
図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。この図10を用いて、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10D(サーバ10D)について説明する。本例において、サーバ10Dは、登録部11と、出力部12と、第1比較部13Dと、抽出部15と、継承部16とを少なくとも備える。
【0055】
第1比較部13Dは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力する機能を有する。本例においては、後述する新規オブジェクトを比較元のオブジェクトに設定し、後述する選択基準取得済オブジェクトを比較先オブジェクトとして影響領域情報を比較して比較結果を出力する。
【0056】
抽出部15は、キャラクタが既に選択基準を記憶している1以上のオブジェクト(選択基準記憶済オブジェクト)の中から、当該キャラクタが新規に取得したオブジェクト(以下、新規オブジェクト)に類似する類似オブジェクトを抽出する機能を有する。また、抽出部15は、新規オブジェクトと1以上の選択基準記憶済オブジェクトのそれぞれとの間で、少なくとも1以上の項目からなるオブジェクトの性質について1以上の項目の一致度からオブジェクト間の類似度を算出して、類似度の高さに基づいて類似オブジェクトを抽出する。そして、抽出部15は、類似度の算出の項目の一部又は全部として、第1比較部13Dにおける影響領域情報の比較結果を用いるものとする。
【0057】
ここで、選択基準とは、少なくとも1以上の使用用途(アクション)が設定されたオブジェクトをキャラクタに使用させる際にキャラクタに実行させるアクションを選択するための基準のことをいう。選択基準は、オブジェクトに設定された1以上のアクションのそれぞれに対して設定された選択確率によって定めることが考えられる。本例では、キャラクタごとに各オブジェクトについての選択基準を記憶させることを前提としている。
【0058】
また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。特に、本例でのオブジェクトは、キャラクタにより使用されるものが対象となる。そして、オブジェクトには、少なくとも1以上の使用用途(アクション)が設定されており、実行可能なアクションが複数存在する場合には、この選択基準に基づいてキャラクタに実行させるアクションを決定することになる。アクションとしては、例えば、「投げる」、「食べる」、「燃やす」といったものが設定される。
【0059】
また、キャラクタとは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがあるが、本例でのキャラクタは、少なくともオブジェクトに対するアクションの選択に関しては、ユーザ操作にかかわらず自律的に選択するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。自律的に行動するキャラクタの例には、周囲のオブジェクトを自律的に認識し意思決定及び行動を行うものがある。
【0060】
また、キャラクタが既に選択基準を記憶しているオブジェクト(選択基準記憶済オブジェクト)とは、後述する継承処理によって選択基準を記憶したオブジェクトのほか、何らかのビデオゲーム内のイベント等に基づいて選択基準の新規記憶若しくは更新がなされたことのあるオブジェクトのことをいう。ここで、イベントとは、ビデオゲームの内部処理にて所定条件が成立することで発生する情報処理のことを指す場合と、ビデオゲームのストーリー上においてキャラクタなどに発生する出来事のことを指す場合の両方が含まれる。また、ビデオゲームの初期設定として、あるキャラクタにとっては最初から選択基準記憶済オブジェクトとして扱うオブジェクトが存在してもよい。このように、イベント以外の条件に基づいて選択基準記憶済オブジェクトとして扱うオブジェクトを含ませるために「イベント等」としている。これに対して、新規オブジェクトとは、選択基準の新規記憶及び更新が行われていないオブジェクトのことをいう。すなわち、初期設定として選択基準を備えていない状況かつ選択基準の新規記憶が行われていないオブジェクト、若しくは、初期設定として記憶された選択基準について一度も更新が行われていないオブジェクトのことを新規オブジェクトと表現している。また、選択基準の新規記憶及び更新が行われていないオブジェクトを新規オブジェクトと定義しているが、ビデオゲーム内での条件付けによって、選択基準の新規記憶及び更新行ったオブジェクトであっても、新規オブジェクトとして扱うようにしてもよい。
【0061】
また、オブジェクトについての類似とは、オブジェクトが備える性質について、対比する2つのオブジェクトの間での共通点が多い状態をいい、類似オブジェクトとは、類似の度合いが所定の基準を満たしたオブジェクトのことをいう。この抽出部15では、キャラクタが新規に取得した新規オブジェクトと類似する選択基準記憶済オブジェクトを類似オブジェクトとして抽出する処理を実行する。類似と判定するための条件は、適宜設定可能である。本例においては、類似と判定するための条件の少なくとも一部に、第1比較部13Dにおける影響領域情報の比較結果を用いるものとする。すなわち、第1比較部13Dにおける比較結果として影響領域情報一致度が高いオブジェクトを類似オブジェクトとして抽出することが考えられる。
【0062】
継承部16は、少なくとも類似オブジェクトと新規オブジェクトとで共通して設定されたアクションについて、新規オブジェクトに関連付けて記憶させる選択基準における各アクションの選択確率を、類似オブジェクトに関連付けて記憶された選択基準における各アクションの選択確率に基づいて設定する機能を有する。
【0063】
継承処理は、新規オブジェクトの選択基準を類似オブジェクトの選択基準に基づいて設定する処理である。具体的な処理内容は類似オブジェクトの選択基準に基づいて設定するものであればどのような手法であってもよい。例えば、新規オブジェクトの選択基準における各アクションの選択確率が、類似オブジェクトの選択基準における各アクションの選択確率に近づくような処理が考えられる。具体的な例としては、少なくとも共通して設定されたアクションについて、類似オブジェクトの選択基準における各アクションの選択確率を示す値を、新規オブジェクトの選択基準における各アクションの選択確率の値に加算して、その後に選択確率の値の総和が100%となるように正規化処理を行うといった処理が考えられる。継承処理実行後の新規オブジェクトの選択基準は、そのキャラクタに関する新規オブジェクトの選択基準として記憶装置103に記憶させる。なお、新規オブジェクトは、選択基準を初期設定として備える構成であってもよいし、選択基準を備えておらず継承処理によってはじめて選択基準が記憶される構成であってもよい。継承部16による継承処理は、キャラクタがオブジェクトを取得したタイミングで実行するようにしてもよいし、キャラクタがオブジェクトに対するアクションを選択する直前のタイミングで実行するようにしてもよく、所定の継承処理の開始条件成立時に実行される。
【0064】
図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Dとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、サーバ10Dとユーザ端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0065】
ゲーム処理は、例えば、新規オブジェクトについての継承処理の開始条件が成立した場合に開始される。サーバ10Dは、新規オブジェクトについての継承処理の開始条件が成立した場合、先ず、新規オブジェクトと1以上の選択基準記憶済オブジェクトのそれぞれとの間で、影響領域情報の比較を実行して、影響領域情報の一致度からオブジェクト間の類似度を算出して、類似度の高さに基づいて類似オブジェクトを抽出する(ステップS41)。そして、サーバ10Dは、類似オブジェクトの選択基準から新規オブジェクトの選択基準への継承処理を実行する(ステップS42)。そして、サーバ10Dは、継承処理実行後の新規オブジェクトの選択基準を記憶させるとともに、ユーザ端末20に対して継承処理が実行されたことに基づく影響を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、継承処理後のデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して継承処理が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS43)、処理を終了する。
【0066】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、サーバ10Dが、登録部11と、出力部12と、第1比較部13Dと、抽出部15と、継承部16とを備え、このうちの第1比較部13D、抽出部15及び継承部16において、キャラクタが既に選択基準を記憶している1以上のオブジェクト(選択基準記憶済オブジェクト)の中から、当該キャラクタが新規に取得したオブジェクト(以下、新規オブジェクト)に類似する類似オブジェクトを抽出し、少なくとも類似オブジェクトと新規オブジェクトとで共通して設定されたアクションについて、新規オブジェクトに関連付けて記憶させる選択基準における各アクションの選択確率を、類似オブジェクトに関連付けて記憶された選択基準における各アクションの選択確率に基づいて設定するようにし、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較した比較結果に基づいて類似オブジェクトを抽出するようにしたので、新規オブジェクトについての選択基準を、影響領域情報の比較に基づいて抽出された類似オブジェクトの選択基準に基づいて設定することが可能となる。
【0067】
すなわち、新規オブジェクトに対して継承元となる類似オブジェクトを、影響領域情報の一致度が高いことで類似すると判断できるオブジェクトから抽出できるため、継承処理を行った後の新規オブジェクトに対するアクションの選択について類似オブジェクトに似た違和感の生じない継承が可能となる。例えば、アイテムの使用方法についてAIが学習することでアクションの選択確率が変化する仕様である場合に、影響領域情報に基づいて類似オブジェクトを抽出して継承処理を実行するので、類似オブジェクトについて学習後の選択確率が新規オブジェクトにも継承されて、継承後の選択確率で新規オブジェクトについてのアクションの選択が行われるようになる。この仕様とすることで、新規オブジェクトに類似する類似オブジェクトについての学習結果が新規オブジェクトのアクション選択にも反映されるため、新規オブジェクトであっても過去の経験に基づいて使用することになるため、自然な状況を演出することが可能となる。また、影響領域情報に基づいて類似オブジェクトを抽出する構成とすることで、内容が随時更新されていくアップデート型のビデオゲームにおいて、後から追加されるアイテム等のオブジェクトが既存のオブジェクトと類似するかについて内容を追加する度に規定する作業を行う必要がなくなる。よって、更新の際の作業を大幅に削減できるという効果がある。
【0068】
[第5の実施形態]
この第5の実施形態では、オブジェクトの周辺の複数の単位領域に対して影響領域情報を設定して、この影響領域情報をアフォーダンスとして扱って様々な処理、例えば、影響領域情報(アフォーダンス)に基づいてオブジェクトの類似度を判定する処理などを実行可能とする構成について説明を行う。
【0069】
オブジェクトの類似度を算出するためにアイテムの類似関係を予め全て規定する従来技術の場合、例えばバージョンの更新毎に内容が追加されていくようなゲームにおいては、後から追加されるアイテム等のオブジェクトが既存のオブジェクトと類似するかについて、内容を追加する度に全て規定しなければならず、更新の際の作業が膨大になってしまうという問題があった。しかし、本例のように、オブジェクトのより自明な属性、つまり、他のオブジェクトとの関係性の設定や定義を必要としないオブジェクトそのもののプロパティであるアフォーダンスなどを影響領域情報で表現してオブジェクトの類似度の算出に利用する構成とすることで、他のオブジェクトとの関係性を考慮することなく後から追加されるオブジェクトに対してのみ影響領域情報を設定すればよくなるため、バージョンの更新の際の作業負担を大幅に軽減させることが可能となる。
【0070】
図12は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、登録部11Zと、出力部12Zと、第1比較部13Zと、第2比較部14Zとを少なくとも備える。
【0071】
登録部11Zは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎に、キャラクタとオブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する機能を有する。
【0072】
ここで、キャラクタとは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがあるが、本例でのキャラクタは、少なくともオブジェクトを使用する行動についてはユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。自律的に行動するキャラクタの例には、周囲のオブジェクトを自律的に認識し意思決定及び行動を行うものがある。なお、本例におけるキャラクタは、必ずしも人である必要はなく、知的主体として扱われるものであればどのようなものであってもよい。
【0073】
また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。特に、本例でのオブジェクトは、キャラクタにより使用されるものが対象となる。そして、オブジェクトには、少なくとも1以上の接続箇所が設定されており、キャラクタに接続されて使用される。ここで、接続とは、キャラクタとオブジェクトが繋がった状態となってキャラクタの意思に基づいて使用可能な状態となることをいう。接続の例としては、キャラクタが手によって把持する行為のほか、ロボット型のキャラクタにオブジェクトとしての武器が装着される場合などが考えられる。
【0074】
また、単位領域とは、オブジェクトの周辺空間を所定サイズの大きさに分割して得られた最小単位の領域のことをいう。ゲーム空間を2次元で表現する場合には単位領域は所定サイズの平面領域になるし、ゲーム空間を3次元で表現する場合には単位領域は所定サイズのボクセルになる。
【0075】
また、キャラクタを構成する構造モデルとは、キャラクタの骨の長さや関節位置などのキャラクタの骨格構造を表したモデルのことをいう。また、関節位置の情報に加えて可動範囲の情報も併せて備えているものとすることが考えられる。
【0076】
また、影響領域情報とは、オブジェクト周辺の複数の単位領域のそれぞれとキャラクタを構成する構造モデルとの関係性を表した情報のことをいう。予め設定したサイズの周辺空間全体を複数の単位領域に分割し、それぞれの単位領域に対して関係性を表す情報を設定する。関係性は様々に設定することが可能であるが、例えば、キャラクタの身体が可動できる領域、キャラクタの身体が可動できない領域というように関係性を設定することが考えられる。関係性の設定方法の一例としては、関係性に応じたパラメータ、フラグ等を設定することが考えられる。オブジェクトの周辺のどの程度の範囲まで影響領域情報を設定するかについてはビデオゲームの仕様として適宜決定することが可能である。また、影響領域情報として扱うキャラクタとオブジェクトとの関係性についてはどのようなものであってもよい。また、影響領域情報は、キャラクタとオブジェクトとの接続箇所が複数存在する場合には、接続箇所毎に登録するようにしてもよい。影響領域情報は、キャラクタとオブジェクトとの関係性をその接続箇所毎に登録するものであるので、キャラクタが変わればその構造モデルも変わるため関係性が変化して影響領域情報も異なるものになるし、オブジェクトが変わればオブジェクトの形状などが異なるため関係性が変化して影響領域情報も異なるものになる。すなわち、キャラクタとオブジェクトと接続位置との組み合わせ毎に影響領域情報が登録されることになる。
【0077】
出力部12Zは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力するする機能を有する。影響領域情報が必要とされる状況において、出力部12Zに対してキャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、出力部12Zでは、指定されたキャラクタとオブジェクトとの組み合わせについて登録部11Zで登録された情報を参照して影響領域情報を特定して出力する。なお、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせについて接続方法が複数存在する場合には、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせに加えて接続箇所を指定する情報を用いることで影響領域情報を特定するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0078】
第1比較部13Zは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力する機能を有する。
【0079】
この第1比較部13Zでは、同じキャラクタに対する複数のオブジェクトとの組み合わせについての複数の影響領域情報を比較する。ここで、影響領域情報の比較はどのような方法であってもよいが、例えば、オブジェクト周辺の単位領域について、同じ位置の単位領域同士の影響領域情報を比較して、影響領域情報の一致度を算出する方が考えられる。この第1比較部13Zにおいて比較するオブジェクトの数については、基準となるオブジェクトに対して1つの比較対象のオブジェクトを比較するものであってもよいし、基準となるオブジェクトに対して2つ以上の比較対象のオブジェクトを比較するものであってもよい。
【0080】
第2比較部14Zは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力する機能を有する。
【0081】
この第2比較部14Zでは、同じオブジェクトに対する複数のキャラクタとの組み合わせについての複数の影響領域情報を比較する。ここで、影響領域情報の比較はどのような方法であってもよいが、例えば、オブジェクト周辺の単位領域について、同じ位置の単位領域同士の影響領域情報を比較して、影響領域情報の一致度を算出する方が考えられる。この第2比較部14Zにおいて比較するキャラクタの数については、基準となるキャラクタに対して1つの比較対象のキャラクタを比較するものであってもよいし、基準となるキャラクタに対して2つ以上の比較対象のキャラクタを比較するものであってもよい。
【0082】
この第2比較部14Zにおいて同じオブジェクトに対する複数のキャラクタとの組み合わせについての複数の影響領域情報を比較することで、例えば、キャラクタの体格(身長、胴囲の大きさ等)に基づいて対象のキャラクタがオブジェクトを使用可能であるか否かを判定したり、オブジェクトに対して設定された体格に基づく装備制限に対して対象のキャラクタが該当するか否かの判定をしたりすることが可能となる。アフォーダンスは当事者の身体情報から定義されるものであるため、例えば、同じ剣であっても、大人と子供であればアフォーダンスは異なるし、体格が異なる種族間ではアフォーダンスは異なる。この点を用いて、同じオブジェクトに関する複数キャラクタのアフォーダンスを比較することで、オブジェクトを装備可能なキャラクタとの比較に基づいてそのオブジェクトの装備の可否について判定したり、体格を基準としたオブジェクトの装備制限に該当するか否かを判定したりできる。例えば、大人にとっての剣のアフォーダンスを示すボクセル情報と、子供にとっての剣のアフォーダンスを示すボクセル情報とを登録しておいて、ユーザがカスタマイズしたキャラクタ(身長、体格なども変更できる)の身体が、大人に近いか子供に近いかを判定して、近い方の装備制限に合わせるといった処理を行うことが可能となる。
【0083】
図13は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における影響領域情報の出力処理の例を示すフローチャートである。本例における出力処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Zとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0084】
ゲーム処理が開始されると、サーバ10Zは、先ず、キャラクタとオブジェクトの組み合わせについて影響領域情報を登録する(ステップS51)。そして、サーバ10Zは、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力する(ステップS52)。サーバ10Zは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報に基づく処理の影響を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報に基づく処理が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS53)、処理を終了する。
【0085】
図14は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における第1比較処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Zとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0086】
ゲーム処理は、例えば、第1比較処理の開始条件が成立した場合に開始される。サーバ10Zは、第1比較処理の開始条件が成立した場合、先ず、影響領域情報を比較したいキャラクタの選択を受け付け、選択されたキャラクタについて影響領域情報を比較したいオブジェクトの選択を受け付ける(ステップS61)。この時、基準となる比較元であるオブジェクトと、比較先である少なくとも1以上のオブジェクトとが選択される。そして、サーバ10Zは、選択されたキャラクタとオブジェクトの組み合わせについて予め登録された影響領域情報を取得し、比較元のオブジェクトの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のオブジェクトの影響領域情報とを比較して、比較結果を出力する(ステップS62)。サーバ10Zは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報の比較結果が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS63)、処理を終了する。
【0087】
図15は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における第2比較処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することと関連する処理が行われる。以下、サーバ10Zとユーザ端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0088】
ゲーム処理は、例えば、第2比較処理の開始条件が成立した場合に開始される。サーバ10Zは、第2比較処理の開始条件が成立した場合、先ず、影響領域情報を比較したいオブジェクトの選択を受け付け、選択されたオブジェクトについて影響領域情報を比較したいキャラクタの選択を受け付ける(ステップS71)。この時、基準となる比較元であるキャラクタと、比較先である少なくとも1以上のキャラクタとが選択される。そして、サーバ10Zは、選択されたキャラクタとオブジェクトの組み合わせについて予め登録された影響領域情報を取得し、比較元のキャラクタの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のキャラクタの影響領域情報とを比較して、比較結果を出力する(ステップS72)。サーバ10Zは、ユーザ端末20に対して出力された影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータ送信を実行する。そして、ユーザ端末20は、影響領域情報の比較結果を反映させるためのデータを受信して、必要に応じて、所定の表示装置に対して影響領域情報の比較結果が反映されたゲーム画面を表示させて(ステップS73)、処理を終了する。
【0089】
ところで、本例において採用している影響領域情報は、キャラクタとオブジェクトの関係性を表現するための新たな指標として様々な扱いが期待できる。例えば、「アフォーダンス」を扱うために用いることも可能である。ここで、アフォーダンスとは、環境が動物(知的主体)に対して与える影響を意味する概念である。オブジェクトに対してキャラクタが接した場合に、そのオブジェクトがキャラクタに対して与える影響を影響領域情報によって表現することを想定している。キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎にアフォーダンスとしての影響領域情報を登録しておくことで、キャラクタが新規に取得したオブジェクトについてアフォーダンスとしての影響領域情報から何らかの情報を取得して、そのオブジェクトの扱い方を考えるという処理を行うことが可能となる。
【0090】
なお、アフォーダンスという概念は既知であるが、ゲームのキャラクタの構造モデルを、キャラクタAIの仮想的な身体として解釈した上で、キャラクタとオブジェクトとの間の関係性であるアフォーダンスを、オブジェクトの周囲のボクセルで表現して「見える化」した点が新しい発想であると考える。
【0091】
図16は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における影響領域の設定の一例を説明するための説明図である。この図16は、長さ方向の中央部分をキャラクタが掴むことを想定した武器としてのオブジェクトを表しており、このオブジェクトに設定する影響領域情報として、キャラクタがオブジェクトを掴んだ状態において身体が可動できない領域およびオブジェクト自体が存在する領域に対して同じ影響領域情報(例えば「1」というフラグ)を与え、キャラクタがオブジェクトを掴んだ状態において身体が可動できる領域に対して同じ影響領域情報(例えば「2」というフラグ)を与えた様子を表している。この図16は2次元にて影響領域情報を設定しているが、3次元の場合には単位領域としてのボクセルごとに影響領域情報を設定する。また、2パターンの何れかの影響領域情報を与えるものとして説明しているが、これはあくまで一例に過ぎず、オブジェクト自体が存在する領域には異なる影響領域情報(例えば「3」というフラグ)を設定してもよいし、キャラクタとの接続箇所に該当する領域には異なる影響領域情報(例えば「4」というフラグ)を設定してもよく、適宜様々に設定することが可能である。
【0092】
図17は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における影響領域の対比の一例を説明するための説明図である。この図17では、同じキャラクタについてのアイテムAの影響領域情報とアイテムBの影響領域情報とを比較した様子を表している。図17に示すように、それぞれに影響領域情報が設定されている場合に、同じ位置に存在する単位領域同士を比較して、影響領域情報が一致するか異なるかを判定して、影響領域情報を設定した所定の空間内での一致度を算出する。図17の例は、一致度が77.14%であったことを示している。このように、影響領域情報を比較して一致度を算出し、一致度の高いオブジェクトを類似オブジェクトと判定するようにしてもよい。
【0093】
この図17においては、アイテムAとアイテムBとで影響領域情報が設定された範囲が完全に一致している場合を例に説明を行ったが、このような場合のみとは限らない。影響領域情報の設定される範囲が異なる場合、対比する2つのオブジェクトにおいて相手方に対応する単位領域が存在しないこともあり得る。このような相手方に対応する単位領域が存在しない個所についても一致度の計算に組み込んでしまうと適切な一致度を算出できないおそれがあるため、相手方に対応する単位領域が存在しない個所については、一致度の算出の対象から除外するようにしてもよい。
【0094】
また、オブジェクトの類似度算出手法の他の一例として、影響領域情報のうちの一部の単位領域に着目して類似度(一致度)を算出するようにしてもよい。例えば、図16における身体が可動できない領域を、比較対象とする単位領域から除外する。そして、身体が可動できない領域以外の単位領域について比較を行うようにしてよい。また、キャラクタの身体が可動できる領域、キャラクタの身体が可動できない領域という2種類を影響領域情報として扱うこととする場合に、キャラクタの身体が可動できる領域であることを示す影響領域情報にのみ着目してオブジェクトの類似度を算出することが考えられる。これにより、対比において重要な単位領域のみを厳選して比較を行うことができる。そのため、例えばサイズが大きく異なる2つのオブジェクト等について、適切な比較を行うことができる。
【0095】
このように、キャラクタとオブジェクトの組み合わせに対して影響領域情報を設定することで様々な処理を実現することが可能となる。例えば、過去にキャラクタが使用したことのあるオブジェクトの影響領域情報と、キャラクタが新規に取得したオブジェクトの影響領域情報を比較する構成とし、新規に取得したオブジェクトは影響領域情報の一致度が高いオブジェクトと同じように扱えるはずであるとAIに判断させることが考えられる。すなわち、影響領域情報に基づいてオブジェクトの使用方法をAIに推測させる処理を実現することが可能となる。
【0096】
この使用方法の推測を応用することで、例えば、未知のオブジェクトの使い方を既知のオブジェクトの経験から推論する処理の応用として、既知のオブジェクトで使用していたアビリティを未知のオブジェクトにおいても応用して使用してみるといったことや、剣で覚えた技術を別の似た武器でも実行しようとしてみるとか、同じ剣カテゴリでも大きく影響領域情報が異なるものは実行できないような設定とするとか、武器としてのカテゴリが別カテゴリであっても影響領域情報が近ければ武器に基づく技を同様に実行可能とするとか、様々な応用が考えられる。
【0097】
また、武器のカテゴリごとに「熟練度」といったような使用経歴の長さに応じて扱いが上手くなる、或いは武器カテゴリ特有の技が使用可能となるなどの恩恵を与える仕組みを採用する場合において、影響領域情報が似ている類似オブジェクトである場合には、武器のカテゴリが異なる場合であっても熟練度の少なくとも一部が適用される仕様とすることが考えられる。
【0098】
また、キャラクタが新規に取得したオブジェクトの影響領域情報を参照することで、そのオブジェクトを使用する際のアニメーションアセットを動的に選択する構成とすることが考えられる。例えば、影響領域情報として身体が可動できない領域と、身体が可動できる領域とを区別して設定している場合、この影響領域情報に基づいてアニメーションアセットを選択することで、キャラクタの身体にオブジェクトがめり込んでしまうといったアニメーションの破綻が生じないアニメーションアセットを動的に選択することが可能となる。
【0099】
また、AI制御のキャラクタに自律探索行動を行わせて、そのAI制御のキャラクタが触れるオブジェクトについて自律的に試行錯誤して課題の解法を探索させたいという場合に、オブジェクトに設定された影響領域情報をヒントとして自律探索行動をさせることが考えられる。
【0100】
また、キャラクタとオブジェクトの間に設定する影響領域情報は、キャラクタの大きさやオブジェクトの大きさによって変化するものであり、同じオブジェクトであっても非常に小柄なキャラクタとの間に設定される影響領域情報と、巨人との間に設定される影響領域情報とでは全く異なる内容となることが想定される。そこで、影響領域情報に基づいて武器や防具の装備品が装備可能であるか否かを判定するようにすることも考えられる。
【0101】
また、ビデオゲームがVRによって実現される場合に、VRでは手の位置を取得することはできるが腕の位置を取得することはできない。そこで、VR空間で仮想オブジェクトを手にしたとき、そのオブジェクトに設定された影響領域情報から最も適切な腕位置を導き出すようにすることが考えられる。
【0102】
また、サバイバル系のゲームで、入手可能なアイテムの形状生成がランダムな場合、入手したアイテムをキャラクタがどのように使えるかについて、その都度異なる形状の影響領域情報に基づいて使用用途の可能性を動的に定義することが考えられる。例えば、入手可能な石の形状がランダムである場合、ナイフとして使える石なのか、打つための道具として使えそうな石なのか、台として使えそうな石なのか、投げやすそうな形と重さと大きさの石なのかなど、都度動的に判断するための材料として影響領域情報を用いることが考えられる。
【0103】
また、キャラクタが新規に取得したオブジェクトのどこを持って使用すべきか、すなわち接続箇所を判断する要素として、影響領域情報を用いることが考えられる。これは、影響領域情報としてオブジェクトの接続箇所を表す設定を行う場合の他、影響領域情報の分布から接続箇所を推定する場合などが考えられる。
【0104】
また、影響領域情報の一致度に基づいてオブジェクトの類似度を判断する構成について説明したが、影響領域情報のみならず他の要素を含めた複数の判断要素に基づいてオブジェクトの類似度を総合的に判断する構成としてもよい。その際には、オブジェクトの総合類似度の判断に対する各要素の影響を重みによって調整することが考えられる。
【0105】
例えば、「形状(shape)の類似度」と「取扱い方(handle)の類似度」と「影響領域情報(affordance)の類似度」の3つの要素に基づいてオブジェクトの総合類似度を算出するようにしてもよい。その際の類似度の算出式は、例えば以下の数式(1)となる。
総合類似度={(S*Sw)+(H*Hw)+(A*Aw)}/(Sw+Hw+Aw) ・・・数式(1)
上記の数式(1)において、Sは形状の類似度の評価、Swは形状の重み、Hは取扱い方の類似度の評価、Hwは取扱い方の重み、Aはアフォーダンスの類似度の評価、Awはアフォーダンスの重みである。ここで、形状の類似度は、オブジェクトの形状に関する比較に基づいて算出される類似度である。また、取扱い方の類似度は、例えば、オブジェクトの中心から接続位置(持ち手部分)までの距離や、オブジェクトの中心から最も遠いオブジェクトの端部までの距離や、オブジェクトの中心から接続位置(持ち手部分)に向かう方向ベクトルで表現した取扱い方向などの指標に基づいて、キャラクタがオブジェクトを掴んで使用する際の取扱い方に関する共通性を評価した類似度である。この形状の類似度と取扱い方の類似度は、オブジェクトの類似度を判定するための要素の一例であるが、オブジェクトを比較する際の要素として形状と取扱い方というのは重要な要素であるといえるため、これらに基づいて類似度を判定することとで、オブジェクトの類似度の判定精度を向上させることが期待できる。
【0106】
オブジェクトの類似度の算出において、ある要素だけに着目すると類似度が高く見える2つのオブジェクトについて他の要素を組み入れて判断すると全体としての類似度は低く算出されるといったように、1つの要素のみでは判断に偏りが生じる恐れがあるが、上記の数式(1)のように、複数の要素に基づいて総合類似度を算出することで、より精度の高い類似度の判定が可能となる。
【0107】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、サーバ10Zが、登録部11Zと、出力部12Zとを備え、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎に、キャラクタとオブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録し、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する影響領域情報を出力するようにしたので、オブジェクトの特性を示す新たな指標として、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定めることが可能となる。
【0108】
すなわち、キャラクタとオブジェクトとの関係性を影響領域情報として表現することが可能となるため、NPCなどを制御するAIにおいて新規に取得したオブジェクトの使用方法を判断するための材料の一つとして影響領域情報を用いることが可能となる。また、例えば、影響領域情報としてキャラクタの身体が可動できる領域、キャラクタの身体が可動できない領域を設定しておくことで、AIが新規に取得したオブジェクトについて使用する際に、キャラクタの身体が可動できない領域に対して身体を動かそうとしてアニメーションが破綻するといったことがなくなるという効果が得られたりもする。
【0109】
また、第5の実施形態の一側面として、サーバ10Zが、登録部11Zと、出力部12Zと、第1比較部13Zとを備え、このうちの第1比較部13Zにおいて、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力するようにしたので、同一のキャラクタとの組み合わせに関する比較元のオブジェクトの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のオブジェクトの影響領域情報とを比較することが可能となる。
【0110】
すなわち、影響領域情報の比較結果を用いることで、例えば、オブジェクトの類似度を影響領域情報の一致度で算出して利用することが可能となる。
【0111】
また、第5の実施形態の一側面として、サーバ10Zが、登録部11Zと、出力部12Zと、第2比較部14Zとを備え、このうちの第2比較部14Zにおいて、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせにおける影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける影響領域情報とを比較して比較結果を出力するようにしたので、同一のオブジェクトとの組み合わせに関する比較元のキャラクタの影響領域情報と、比較先の少なくとも1以上のキャラクタの影響領域情報とを比較することが可能となる。
【0112】
すなわち、影響領域情報の比較結果を用いることで、例えば、同じオブジェクトについてキャラクタ同士の身体の違いに基づいた処理を行うことが可能となる。
【0113】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0114】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0115】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0116】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0117】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能と
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報と、当該キャラクタと少なくとも1以上の他のオブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報とを比較して比較結果を出力する第1比較機能を実現させる
[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記サーバに、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせにおける前記影響領域情報と、当該オブジェクトと少なくとも1以上の他のキャラクタとの組み合わせにおける前記影響領域情報とを比較して比較結果を出力する第2比較機能を実現させる
[1]又は[2]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記登録機能は、前記キャラクタと前記オブジェクトとの接続方法が複数存在する場合、それぞれの接続方法毎に前記影響領域情報を予め登録する
[1]から[3]の何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記オブジェクトには、少なくとも1以上の使用用途(アクション)が設定されており、所定の選択基準に基づいて前記キャラクタの前記オブジェクトに関するアクションが選択されるものとし、
前記サーバに、
前記キャラクタが既に選択基準を記憶している1以上のオブジェクト(選択基準記憶済オブジェクト)の中から、当該キャラクタが新規に取得したオブジェクト(以下、新規オブジェクト)に類似する類似オブジェクトを抽出する抽出機能と、
少なくとも前記類似オブジェクトと前記新規オブジェクトとで共通して設定されたアクションについて、前記新規オブジェクトに関連付けて記憶させる前記選択基準における各アクションの選択確率を、前記類似オブジェクトに関連付けて記憶された前記選択基準における各アクションの選択確率に基づいて設定する継承機能と
をさらに実現させ、
前記抽出機能では、前記第1比較機能に基づいて前記新規オブジェクトと前記選択基準記憶済オブジェクトを比較することで前記類似オブジェクトを抽出する
[2]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
[6]
[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるビデオゲーム処理プログラム。
[7]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を行うためのビデオゲーム処理システムであって、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録手段と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力手段と
を含むビデオゲーム処理システム。
[8]
前記サーバが、前記登録手段と、前記出力手段とを含み、
前記ユーザ端末が、出力手段により出力された影響領域情報が示す結果を表すゲーム画面を表示装置の表示画面に出力する表示出力手段を含む
[7]記載のビデオゲーム処理システム。
[9]
キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録機能と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力機能と
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
[10]
キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を行うためのビデオゲーム処理方法であって、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録処理と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力処理と
を含むビデオゲーム処理方法。
[11]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、キャラクタに対するオブジェクトの影響領域を定める処理を行うためのビデオゲーム処理方法であって、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせ毎に、前記キャラクタと前記オブジェクトとが接続される場合における当該オブジェクトの周辺の複数の単位領域と、前記キャラクタを構成する構造モデルとの関係性を、前記単位領域ごとに設定した影響領域情報を予め登録する登録処理と、
前記キャラクタと前記オブジェクトとの組み合わせが指定された場合に、該当する前記影響領域情報を出力する出力処理と
を含むビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の実施形態の一つによれば、キャラクタとオブジェクトとの組み合わせ毎にアフォーダンスとしての影響領域情報を設定することは、「見える化」されたアフォーダンスに基づいてキャラクタを制御するAI、或いは、ゲーム環境を制御するAI(メタAI)に対して、従来には実現できなかった新たな自律探索行動を実現させるために有用である。
【符号の説明】
【0119】
10 ビデオゲーム処理サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11、11Z 登録部
12、12Z 出力部
13、13D、13Z 第1比較部
14、14Z 第2比較部
15 抽出部
16 継承部
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム
図1
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