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  • -表面保護フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004299
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】表面保護フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20230110BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20230110BHJP
   C09J 175/08 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J11/06
C09J175/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105901
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐輔
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA14
4J004AB01
4J004DB03
4J004FA04
4J040EF111
4J040EF112
4J040EF131
4J040EF132
4J040EF281
4J040EF282
4J040EK032
4J040HB04
4J040HD30
4J040KA29
4J040KA32
4J040KA42
4J040LA01
4J040LA06
4J040LA09
4J040LA10
4J040MA05
4J040NA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表面弾性率に優れたウレタン系粘着剤層を含む表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】表面保護フィルムは、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるウレタン系粘着剤層から構成され、該組成物は、代表的には、ウレタンプレポリマーと、ポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、該ウレタンプレポリマーおよび/または該ポリオールが、式(1)に示す構成単位を有し、該ウレタン系粘着剤層の表面弾性率が、0.8MPa以上である。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン系粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、
該ウレタン系粘着剤層は、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるウレタン系粘着剤から構成され、
該ウレタン系粘着剤組成物は、
(A)ウレタンプレポリマーと、ポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、該ウレタンプレポリマーおよび/または該ポリオールが、下記一般式(1)に示す構成単位を有するか、または、
(B)下記一般式(1)に示す構成単位を有するウレタンプレポリマーと、多官能イソシアネート化合物とを含むか、あるいは、
(C)下記一般式(1)に示す構成単位を有するポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、
該ウレタン系粘着剤層の表面弾性率が、0.8MPa以上である、
表面保護フィルム。
【化1】
(一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、および、炭素数1~6のヒドロキシアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。nは1~4の整数を表す。mは、構成単位の繰り返し数であって、1~200の整数を表す。)
【請求項2】
前記ウレタンプレポリマーおよび/または前記ポリオールは、下記一般式(2)に示す構成単位を有し、
前記ウレタン系粘着剤組成物の中の、上記一般式(1)に示す構成単位の含有割合は、下記一般式(2)に示す構成単位の含有割合よりも大きい、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【化2】
(一般式(2)中、Rは、水素原子および炭素数1~4のアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。pは、構成単位の繰り返し数であって、1~300の整数を表す。)
【請求項3】
前記ウレタン系粘着剤組成物は、イオン性化合物を含み、
前記ウレタンプレポリマーおよび前記ポリオールの合計100重量部に対する、前記イオン性化合物の含有割合は、0.05重量部以上である、請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
【請求項4】
前記ウレタン系粘着剤組成物は、フッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記ウレタンプレポリマーおよび前記ポリオールの合計100重量部に対する、前記フッ素系添加剤および前記シリコーン系添加剤の合計量の含有割合は、0.01重量部以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
【請求項5】
前記ウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で30分後に、該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度300mm/分によって剥離した際の剥離力が、0.5gf/25mm~2.0gf/25mmである、請求項1から4までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
【請求項6】
前記ウレタン系粘着剤層のヘイズが3.5%以下である、請求項1から5までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
【請求項7】
前記ウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で24時間後に該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度0.3m/分によって剥離した後の、該ガラス板に対する残留接着率が、80%以上である、請求項1から6までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学部材や電子部材は、加工、組立、検査、輸送などの際の表面の傷付き防止のために、表面保護フィルムが貼着される。このような表面保護フィルムは、表面保護の必要がなくなった時点で、光学部材や電子部材から剥離される(特許文献1)。
【0003】
このような表面保護フィルムが備える粘着剤層としては各種粘着剤から構成される粘着剤層が知られている。リワーク性、濡れ性、透明性に優れるという点で、光学部材や電子部材に貼着される表面保護フィルムが備える粘着剤層としては、ウレタン系粘着剤から構成されるウレタン系粘着剤層が好ましく採用されている。
【0004】
しかしながら、ウレタン系粘着剤から構成されるウレタン系粘着剤層では、他の粘着剤から構成される粘着剤層と比較して、表面弾性率が小さくなりやすい。そのため、表面保護フィルムが外部から加わる応力を十分に緩和できず、被着体に対するダメージを十分に低減できない場合がある。そこで、ウレタン系粘着剤層における表面弾性率の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-17109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、表面弾性率に優れたウレタン系粘着剤層を含む表面保護フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、
ウレタン系粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、
該ウレタン系粘着剤層は、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるウレタン系粘着剤から構成され、
該ウレタン系粘着剤組成物は、
(A)ウレタンプレポリマーと、ポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、該ウレタンプレポリマーおよび/または該ポリオールが、下記一般式(1)に示す構成単位を有するか、または、
(B)下記一般式(1)に示す構成単位を有するウレタンプレポリマーと、多官能イソシアネート化合物とを含むか、あるいは、
(C)下記一般式(1)に示す構成単位を有するポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、
該ウレタン系粘着剤層の表面弾性率が、0.8MPa以上である、
表面保護フィルム。
【化1】
(一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、および、炭素数1~6のヒドロキシアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。nは1~4の整数を表す。mは、構成単位の繰り返し数であって、1~200の整数を表す。)
【0008】
1つの実施形態においては、上記ウレタンプレポリマーおよび/または上記ポリオールは、下記一般式(2)に示す構成単位を有し、上記ウレタン系粘着剤組成物中の上記一般式(1)に示す構成単位の含有割合は、下記一般式(2)に示す構成単位の含有割合よりも大きい。
【化2】
(一般式(2)中、Rは、水素原子および炭素数1~4のアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。pは、構成単位の繰り返し数であって、1~300の整数を表す。)
【0009】
1つの実施形態においては、上記ウレタン系粘着剤組成物は、イオン性化合物を含み、
上記ウレタンプレポリマーおよび上記ポリオールの合計100重量部に対する、上記イオン性化合物の含有割合は、0.05重量部以上である。
【0010】
1つの実施形態においては、上記ウレタン系粘着剤組成物は、フッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、上記ウレタンプレポリマーおよび上記ポリオールの合計100重量部に対する、該フッ素系添加剤および該シリコーン系添加剤の合計量の含有割合は、0.01重量部以上である。
【0011】
1つの実施形態においては、上記ウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で30分後に、該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度300mm/分によって剥離した際の剥離力が、0.5gf/25mm~2.0gf/25mmである。
【0012】
1つの実施形態においては、上記ウレタン系粘着剤層のヘイズが3.5%以下である。
【0013】
1つの実施形態においては、上記ウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で24時間後に該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度0.3m/分によって剥離した後のガラス板に対する残留接着率が、80%以上である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、優れた表面弾性率を有するウレタン系粘着剤層を含む表面保護フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好ましい実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
≪≪1.表面保護フィルム≫≫
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、ウレタン系粘着剤層を含む。ウレタン系粘着剤層の粘着面側には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な、離型性を有する剥離ライナーが貼り合わせられていてもよい。
【0017】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、好ましくは、基材層とウレタン系粘着剤層とを有する。基材層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。ウレタン系粘着剤層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。本発明の表面保護フィルムは、基材層とウレタン系粘着剤層の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の層を有していても良い。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2を備える。本発明の表面保護フィルムは、例えば、剥離ライナーなど、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
【0019】
基材層1の粘着剤層2を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
【0020】
ウレタン系粘着剤層の粘着面側に備え得る剥離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理された剥離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされた剥離ライナーが挙げられる。
【0021】
剥離ライナーが備える基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
【0022】
剥離ライナーの厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~450μmであり、さらに好ましくは5μm~400μmであり、特に好ましくは10μm~300μmである。
【0023】
本発明の実施形態による表面保護フィルムの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。表面保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm~300μmであり、より好ましくは15μm~250μmであり、さらに好ましくは20μm~200μmであり、特に好ましくは25μm~150μmである。
【0024】
本発明の実施形態による表面保護フィルムにおいては、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率の向上を図ることができる。したがって、本発明の表面保護フィルムに含まれるウレタン系粘着剤層の表面弾性率は、代表的には0.8MPa以上、好ましくは1.2MPa以上、より好ましくは1.5MPa以上、さらに好ましくは2.0MPa以上、特に好ましくは2.5MPa以上であり、例えば4.0MPa以下である。ウレタン系粘着剤層の表面弾性率が上記下限以上であれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、優れた表面保護性を発現し得る。
なお、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率は、ISO14577に準拠して測定できる。
【0025】
表面保護フィルムには、段差を有する被着体を保護する際に、その段差に追従できるように厚膜化が要求される場合がある。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、ウレタン系粘着剤層の厚膜化が可能である。したがって、本発明の表面保護フィルムに含まれるウレタン系粘着剤層の厚みの下限値としては、好ましくは1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、さらに好ましくは50μm以上、特に好ましくは60μm以上、最も好ましくは65μm以上である。このようにウレタン系粘着剤層の厚膜化が可能となれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、例えば、有機ELディスプレイなど、段差の大きいディスプレイを保護する際に、その段差に良好に追従し得る。なお、ウレタン系粘着剤層の厚みの上限値としては、代表的には150μm以下である。ウレタン系粘着剤層の厚みの上限値は、用途に応じて適宜変更でき、例えば、100μm以下とすることもできる。
【0026】
表面保護フィルムには、被着体の表面保護の必要がなくなった時点で、被着体からスムーズに剥離できる軽剥離性が要求される場合がある。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、軽剥離性を発現し得る。本発明の表面保護フィルムは、それが含むウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で30分後に、該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度300mm/分によって剥離した際の剥離力が、好ましくは0.5gf/25mm~5.0gf/25mmであり、より好ましくは0.5gf/25mm~4.0gf/25mmであり、さらに好ましくは0.5gf/25mm~3.0gf/25mmであり、特に好ましくは0.5gf/25mm~2.5gf/25mmであり、最も好ましくは0.5gf/25mm~2.0gf/25mmである。上記剥離力が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、優れた軽剥離性を発現し得る。
【0027】
表面保護フィルムには、被着体に貼り付けられた状態で、被着体を検査し得る透明性(低ヘイズ)が要求される場合がある。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、低ヘイズを実現し得る。本発明の表面保護フィルムは、それが含むウレタン系粘着剤層のヘイズが、好ましくは4.5%以下であり、より好ましくは4.0%以下であり、さらに好ましくは3.5%以下であり、特に好ましくは3.0%以下であり、最も好ましくは2.5%以下である。上記ヘイズが上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、優れた低ヘイズを実現でき、例えば、優れた検査性を発現し得る。
【0028】
表面保護フィルムには、被着体から剥離したときに被着体に粘着剤が残る糊残り性を低減することが要求される場合がある。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、それが含むウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で24時間後に該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度0.3m/分によって剥離した後の、該ガラス板に対する残留接着率が、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは85%以上であり、最も好ましくは90%以上である。上記残留接着率が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、糊残り性を低減し得る。
【0029】
表面保護フィルムには、被着体に対するダメージ低減の観点から、被着体から剥離するときの帯電を抑制することが要求される場合がある。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、それが含むウレタン系粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で24時間後に該ガラス板から剥離角度150度、剥離速度30m/分によって剥離した際の剥離帯電圧が、好ましくは15kV以下であり、より好ましくは10kV以下であり、さらに好ましくは5kV以下であり、特に好ましくは2kV以下であり、最も好ましくは1kV以下である。上記剥離帯電圧が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、剥離の際の帯電を効果的に防止し得る。
【0030】
≪1-1.ウレタン系粘着剤層≫
ウレタン系粘着剤層は、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるウレタン系粘着剤から構成される。すなわち、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるウレタン系粘着剤が層形状を構成することによって粘着剤層となる。
【0031】
ウレタン系粘着剤は、ウレタン系粘着剤組成物から形成されるものとして規定し得る。これは、ウレタン系粘着剤は、ウレタン系粘着剤組成物が、加熱や紫外線照射などによって架橋反応などを起こすことにより、ウレタン系粘着剤となるため、ウレタン系粘着剤をその構造により直接特定することが不可能であり、また、およそ実際的でないという事情(「不可能・非実際的事情」)が存在するため、「ウレタン系粘着剤組成物から形成されるもの」との規定により、ウレタン系粘着剤を「物」として妥当に特定したものである。
【0032】
ウレタン系粘着剤層の形成方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な形成方法を採用し得る。このような形成方法としては、例えば、ウレタン系粘着剤組成物を任意の適切な基材フィルム(例えば、本発明の実施形態による表面保護フィルムにおける基材層)に直接付与して乾燥または硬化させる方法(直接法)、ウレタン系粘着剤組成物を剥離ライナーの表面(剥離面)に付与して乾燥または硬化させることで該表面上に形成したウレタン系粘着剤層を基材フィルム(例えば、本発明の実施形態による表面保護フィルムにおける基材層)に貼り合わせて該ウレタン系粘着剤層を転写する方法(転写法)が挙げられる。粘着剤層の投錨性の観点から、代表的には、直接法を好ましく採用し得る。
【0033】
このようなウレタン系粘着剤層の付与(代表的には塗布)の方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、ディップロールコート法、バーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、スプレーコート法、コンマコート法、ダイレクトコート法、ダイコーターによるコート法等の、従来公知の各種方法を適宜採用することができる。
【0034】
ウレタン系粘着剤組成物の乾燥は、必要に応じて加熱下で(例えば、60℃~150℃程度に加熱することにより)行うことができる。ウレタン系粘着剤組成物を硬化させる手段としては、例えば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線を適宜採用することができる。
【0035】
ウレタン系粘着剤組成物は、
(A)ウレタンプレポリマーと、ポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含み、該ウレタンプレポリマーおよび/または該ポリオールが、下記一般式(1)に示す構成単位を有するか、または、
(B)下記一般式(1)に示す構成単位を有するウレタンプレポリマーと、多官能イソシアネート化合物とを含むか、あるいは、
(C)下記一般式(1)に示す構成単位を有するポリオールと、多官能イソシアネート化合物とを含む。
【化1】
(一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、および、炭素数1~6のヒドロキシアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。nは1~4の整数を表す。mは、構成単位の繰り返し数であって、1~200の整数を表す。)
ウレタン系粘着剤が、上記一般式(1)に示す構成単位を有するウレタンプレポリマーおよび/またはポリオールを含むウレタン系粘着剤組成物から形成されるので、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率の向上を十分に図ることができる。
【0036】
なお、本明細書中において、「ウレタンプレポリマー」は、ウレタン樹脂の製造において当業者が一般に称する「ウレタンプレポリマー」であり、「ポリオール」とは異なるものとする。言い換えれば、「ポリオール」には、ウレタンプレポリマー(代表的にはポリウレタンポリオール)が含まれないものとする。
【0037】
一般式(1)においてRで示されるアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基;が挙げられる。
【0038】
一般式(1)においてRで示されるヒドロキシアルキル基として、例えば、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メチル-1,4-ヒドロキシブチル基などが挙げられる。
【0039】
一般式(1)におけるRのなかでは、好ましくは、上記のアルキル基および水素原子が挙げられ、より好ましくはメチル基および水素原子が挙げられる。
【0040】
一般式(1)において、nは、好ましくは1~3であり、より好ましくは1または2であり、さらに好ましくは2である。
【0041】
一般式(1)において、mは、好ましくは10~100であり、より好ましくは15~75であり、さらに好ましくは20~50である。
【0042】
また、上記ウレタンプレポリマーおよび/または上記ポリオールは、好ましくは、下記一般式(2)に示す構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を有する。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、好ましくは、ウレタンプレポリマーは、下記一般式(2)に示す構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を含み、および/または、ポリオールは、下記一般式(2)に示す構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を有するポリオールを含む。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタンプレポリマーは、好ましくは、下記一般式(2)に示す構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を有する。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、上記ポリオールは、好ましくは、下記一般式(2)に示す構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を有するポリオールを含む。
【化2】
(一般式(2)中、Rは、水素原子および炭素数1~4のアルキル基からなる群から選択される1種を表す。複数のRは、互いに同一であってもよく互いに異なっていてもよい。pは、構成単位の繰り返し数であって、1~300の整数を表す。)
【0043】
一般式(2)においてRで示されるアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基等の分岐状アルキル基;が挙げられる。
【0044】
一般式(2)において、pは、好ましくは10~250であり、より好ましくは20~200であり、さらに好ましくは30~150である。
【0045】
このようなウレタン系粘着剤組成物中の上記一般式(1)に示す構成単位の含有割合は、例えば40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上であり、例えば100重量%以下であり、好ましくは80重量%以下である。
【0046】
ウレタン系粘着剤組成物中の上記一般式(1)に示す構成単位の含有割合は、上記一般式(2)に示す構成単位の含有割合よりも大きい。
上記一般式(1)に示す構成単位および上記一般式(2)に示す構成単位の合計に対する、上記一般式(1)に示す構成単位の割合は、例えば50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは65重量%以上であり、例えば100重量%以下であり、好ましくは80重量%以下である。
上記一般式(1)に示す構成単位の割合が上記下限以上であれば、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率を安定して向上させ得る。
【0047】
<1-1-A.ウレタン系粘着剤組成物が、ウレタンプレポリマー、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含む態様>
上記(A)の態様において、ウレタン系粘着剤は、プレポリマー法で製造されるウレタン系粘着剤であって、ウレタンプレポリマー、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物から形成される。このようにプレポリマー法で製造されるウレタン系粘着剤で構成されるウレタン系粘着剤層は、厚膜化が可能となり、例えば、有機ELディスプレイなど、段差の大きいディスプレイを保護する際に、その段差に良好に追従し得る。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤は、ウレタンプレポリマー、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物を硬化させて形成される。ウレタンプレポリマーおよびポリオールは、好ましくは、多官能イソシアネート化合物と反応してウレタン系樹脂となる。
【0048】
上記したように、(A)の態様において、ウレタンプレポリマーおよび/またはポリオールは、上記一般式(1)に示す構成単位を有している。好ましくは、少なくともウレタンプレポリマーが、上記一般式(1)に示す構成単位を有しており、より好ましくはウレタンプレポリマーおよびポリオールが、上記一般式(1)に示す構成単位を有している。ウレタンプレポリマーが上記一般式(1)に示す構成単位を有していると、ポリオールのみが上記一般式(1)に示す構成単位を有している態様と比較して、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率を安定して向上させ得る。
このようにウレタンプレポリマーおよび/またはポリオールが上記一般式(1)に示す構成単位を有しているので、ウレタンプレポリマーおよびポリオールと、多官能イソシアネート化合物とがウレタン反応してなるウレタン系樹脂は、上記一般式(1)に示す構成単位に由来する構成単位(以下、一般式(1)由来構成単位とする。)を含む。
上記一般式(1)に示す構成単位がRとして水素原子および/またはアルキル基を含む場合、水素原子および/またはアルキル基は、上記ウレタン反応において反応せずに、一般式(1)由来構成単位に含まれる。
上記一般式(1)に示す構成単位がRとしてヒドロキシアルキル基を含む場合、ヒドロキシアルキル基は、上記ウレタン反応において反応せずに、一般式(1)由来構成単位に含まれてもよく、他の構成単位に含まれる官能基と結合して架橋構造(例えば、ヒドロキシアルキル基の水酸基と多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基との反応により形成されるウレタン結合を含む架橋構造(分子内結合または分子間結合)を形成してもよい。
ウレタン系樹脂中の一般式(1)由来構成単位の含有割合は、例えば40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上であり、例えば100重量%以下であり、好ましくは80重量%以下である。なお、構成単位の含有割合は、H-NMR、13C-NMRにより測定できる。
【0049】
また、上記したように、(A)の態様において、ウレタンプレポリマーおよび/またはポリオールは、好ましくは、上記一般式(2)に示す構成単位を有しているので、ウレタン系樹脂は、上記一般式(2)に示す構成単位を含む。なお、上記一般式(2)に示す構成単位がRとして含む水素原子および/またはアルキル基は、上記ウレタン反応において反応しない。
ウレタン系樹脂中の一般式(2)に示す構成単位の含有割合は、例えば10重量%以上であり、好ましくは15重量%以上であり、さらに好ましくは20重量%以上であり、例えば50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下である。
上記一般式(1)由来構成単位および上記一般式(2)に示す構成単位の合計に対する、上記一般式(1)由来構成単位の割合は、例えば50重量%を超過し、好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上であり、例えば100重量%以下であり、好ましくは80重量%以下である。
一般式(1)由来構成単位に示す構成単位の割合が上記下限以上であれば、ウレタン系粘着剤層の表面弾性率をより安定して向上させ得る。
【0050】
ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーとポリオールと多官能イソシアネート化合物の合計量の重量割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは95重量%~100重量%であり、最も好ましくは98重量%~100重量%である。ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーとポリオールの合計量の重量割合を、上記範囲内に調整することにより、本発明の表面保護フィルムは、本発明の効果を効果的に発現し得る。
【0051】
ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーとポリオールの重量比は、好ましくはウレタンプレポリマー:ポリオール=(50~100):(0~50)であり、より好ましくは(50~99):(1~50)であり、さらに好ましくは(50~90):(10~50)であり、とりわけに好ましくは(50~80):(20~50)であり、特に好ましくは(50~70):(30~50)である。ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーとポリオールの重量比を、上記範囲内に調整することにより、本発明の表面保護フィルムは、本発明の効果を効果的に発現し得る。
【0052】
ウレタンプレポリマーおよびポリオールと多官能イソシアネート化合物とにおける、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは1.0~2.0であり、より好ましくは1.1~1.9であり、さらに好ましくは1.2~1.8であり、特に好ましくは1.2~1.7である。NCO基/OH基の当量比を上記範囲内に調整することにより、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、表面段差の大きい被着体に貼り合わせる場合であっても、濡れ性により優れ、さらに、段差追従性により優れるためにより十分に高い密着率が達成できる。
【0053】
ウレタン系粘着剤組成物中の多官能イソシアネート化合物の含有割合は、ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対して、好ましくは2.5重量部~40重量部であり、より好ましくは4重量部~30重量部であり、さらに好ましくは5重量部~20重量部であり、特に好ましくは6重量部~15重量部である。多官能イソシアネート化合物の含有割合を上記範囲内に調整することにより、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、表面段差の大きい被着体に貼り合わせる場合であっても、濡れ性により優れ、さらに、段差追従性により優れるためにより十分に高い密着率が達成できる。
【0054】
<1-1-A-1.ウレタンプレポリマー>
ウレタンプレポリマーは、代表的にはポリウレタンポリオールであり、好ましくは、ポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネ-ト化合物とを、触媒存在下または無触媒下で、有機ポリイソシアネ-ト化合物と反応させてなるものである。ウレタンプレポリマーは、市販品として入手可能なウレタンプレポリマーを採用してもよい。
【0055】
ウレタンプレポリマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であってもよい。
【0056】
ウレタンプレポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは1000~100000である。
【0057】
ポリエーテルポリオールとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリエーテルポリオールを用い得る。このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0058】
ポリエーテルポリオールの分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエーテルポリオールの分子量としては、数平均分子量が、好ましくは1000~5000である。数平均分子量が1000未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエーテルポリオール(p2)の使用量は、ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を構成するポリオール中、好ましくは10モル%~100モル%である。
【0059】
ポリエーテルポリオールは、必要に応じてその一部を、例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類や、エチレンジアミン、N-アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類に置き換えて併用することができる。
【0060】
ポリエーテルポリオールとしては、2官能性のポリエーテルポリオールのみを用いてもよいし、数平均分子量が1000~5000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いてもよい。ポリエーテルポリオールとして、平均分子量が1000~5000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いると、粘着力と再剥離性のバランスが良好となり得る。このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が1000未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。また、このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらには、ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)自体の凝集力が小さくなるおそれがある。このようなポリエーテルポリオールの数平均分子量は、より好ましくは2500~3500である。
【0061】
このようなポリエーテルポリオールは、単独でまたは組み合わせて使用できる。
【0062】
ウレタンプレポリマーが上記一般式(1)に示す構成単位を有する場合、ポリエーテルポリオールは、好ましくは、上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールを含む。
上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールは、好ましくは、複数のRのすべてが水素原子である炭素数3以上の構成単位(ポリオキシアルキレンユニット)を含むポリエーテルポリオールであり、より好ましくは、ポリテトラメチレングリコールである。
【0063】
ポリエーテルポリオールの全量に対する、上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールの含有割合は、例えば50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、例えば100重量%以下、好ましくは90重量%以下である。
【0064】
ウレタンプレポリマーが上記一般式(2)に示す構成単位を有する場合、ポリエーテルポリオールは、好ましくは、上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールに加えて、上記一般式(2)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールを含む。
上記一般式(2)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールは、好ましくは、複数のRのうち、1つがメチル基であり、残りが水素原子である構成単位(ポリオキシプロピレンユニット)を含むポリエーテルポリオールであり、より好ましくは、ポリプロピレングリコールである。
【0065】
ポリエーテルポリオールの全量に対する、上記一般式(2)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールの含有割合は、例えば0重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、例えば50重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
【0066】
また、ウレタンプレポリマーが上記一般式(1)に示す構成単位を有しない場合、ウレタンプレポリマーは、好ましくは、上記一般式(1)に示す構成単位を有していないポリエーテルポリオールと、ポリエステルポリオールと、有機ポリイソシアネ-ト化合物とを反応させてなる。
この場合、ポリエーテルポリオールは、好ましくは、上記一般式(2)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールであり、より好ましくは、ポリプロピレングリコールである。
【0067】
ポリエステルポリオールとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリエステルポリオールを用い得る。このようなポリエステルポリオールとして、例えば、酸成分とグリコール成分とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸が挙げられる。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、これらの他に、例えば、ポリカプロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0068】
ポリエステルポリオールの分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエステルポリオールの分子量としては、数平均分子量が、好ましくは500~5000である。数平均分子量が500未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらには、ポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエステルポリオールの使用量は、ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を構成するポリオール中、好ましくは10モル%~90モル%である。
【0069】
有機ポリイソシアネート化合物としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機ポリイソシアネート化合物を用い得る。このような有機ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0070】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族トリイソシアネート;が挙げられる。
【0071】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0072】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’-ジイソシアネート-1,3-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0073】
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
【0074】
有機ポリイソシアネート化合物としては、トリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート体(例えば3量体)を併用することができる。
【0075】
このような有機ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
有機ポリイソシアネート化合物としては、より好ましくは、ジイソシアネートであり、さらに好ましくは、脂肪族ジイソシアネートであり、とりわけ好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0076】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際に用い得る触媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な触媒を用い得る。このような触媒としては、例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物が挙げられる。
【0077】
3級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)が挙げられる。
【0078】
有機金属系化合物としては、例えば、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。
【0079】
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2-エチルヘキサン酸錫が挙げられる。
【0080】
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物;オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物;2-エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物;安息香酸コバルト、2-エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系化合物;ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物;ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物;が挙げられる。
【0081】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際に触媒を使用する場合、触媒は、単独でまたは組み合わせて使用できる。触媒のなかでは、好ましくは錫系化合物であり、より好ましくはジブチル錫ジラウレート(DBTDL)である。
【0082】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際に触媒を使用する場合、触媒の使用量は、ポリオールと有機ポリイソシアネ-ト化合物の合計量に対して、好ましくは0.01重量%~1.0重量%である。
【0083】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際に触媒を使用する場合、反応温度は、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは85℃~95℃である。100℃以上になると反応速度、架橋構造の制御が困難となるおそれがあり、所定の分子量を有するウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)が得難くなるおそれがある。
【0084】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際には、触媒を用いなくても良い。その場合は、反応温度が、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは110℃以上である。また、無触媒下でウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を得る際は、3時間以上反応させることが好ましい。
【0085】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する方法としては、例えば、1)ポリエーテルポリオール等のポリオール、触媒、有機ポリイソシアネート化合物を全量フラスコに仕込む方法、2)ポリエーテルポリオール等のポリオール、触媒をフラスコに仕込んで有機ポリイソシアネ-ト化合物を滴下する添加する方法が挙げられる。ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する方法として、反応を制御する上では、2)の方法が好ましい。
【0086】
ウレタンプレポリマー(代表的には、ポリウレタンポリオール)を製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な溶剤を用い得る。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトンが挙げられる。これらの溶剤の中でも、好ましくは酢酸エチルおよびトルエンである。
【0087】
<1-1-A-2.ポリオール>
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールが挙げられる。
【0088】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
【0089】
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,8-デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0090】
酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、ダイマー酸、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-エチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物が挙げられる。
【0091】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0092】
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールが挙げられる。
【0093】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;が挙げられる。
【0094】
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
【0095】
ポリオールとしては、好ましくはポリエーテルポリオールが挙げられ、より好ましくは上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記一般式(1)に示す構成単位を有するポリエーテルポリオールは、好ましくは、複数のRのうち、1つがヒドロキシアルキル基であり、残りが水素原子である炭素数3以上の構成単位を含むポリエーテルポリオールであり、より好ましくは、複数のRのうち、1つがヒドロキシアルキル基であり、残りが水素原子である炭素数4の構成単位を含むポリエーテルポリオールである。
【0096】
ポリオールは、代表的には、数平均分子量Mnが5000~20000の第1のポリオールと、数平均分子量Mnが300~4999の第2のポリオールとを含む。ポリオールが、数平均分子量Mnが5000~20000の第1のポリオールと数平均分子量Mnが300~4999の第2のポリオールとを含むことにより、本発明の効果をより発現し得る。
【0097】
第1のポリオールは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0098】
第2のポリオールは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0099】
ポリオール中の第1のポリオールと第2のポリオールの合計量の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは80重量%~100重量%であり、より好ましくは90重量%~100重量%であり、さらに好ましくは95重量%~100重量%であり、特に好ましくは98重量%~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
【0100】
第1のポリオールの数平均分子量Mnは、5000~20000であり、好ましくは6000~18000であり、より好ましくは7000~16000であり、さらに好ましくは8000~15000であり、特に好ましくは9000~14000である。第1のポリオールの数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0101】
第2のポリオールの数平均分子量Mnは、300~4999であり、好ましくは350~4500であり、より好ましくは400~4000であり、さらに好ましくは500~3800であり、特に好ましくは700~3500である。第2のポリオールの数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0102】
第1のポリオールと第2のポリオールとの重量比率は、好ましくは1.0≦(第1のポリオール/第2のポリオール)≦3.5であり、より好ましくは1.0≦(第1のポリオール/第2のポリオール)≦3.0であり、さらに好ましくは1.0≦(第1のポリオール/第2のポリオール)≦2.5であり、特に好ましくは1.0≦(第1のポリオール/第2のポリオール)≦2.0である。第1のポリオールと第2のポリオールとの重量比率が上記範囲内にあれば、表面保護フィルムのヘイズのさらなる低減を図ることができる。
【0103】
第1のポリオールは、本発明の効果をより発現させ得る点で、それが有するOH基の数が、好ましくは3個~6個であり、より好ましくは3個~5個であり、さらに好ましくは3個~4個であり、特に好ましくは3個である。
【0104】
第1のポリオールは、本発明の効果をより発現させ得る点で、OH基の数が3個であるトリオールを、好ましくは50重量%~100重量%含み、より好ましくは70重量%~100重量%含み、さらに好ましくは90重量%~100重量%含み、特に好ましくは95重量%~100重量%含み、最も好ましくは実質的に100重量%である。
【0105】
第1のポリオールは、とりわけ好ましくは、上記一般式(2)に示す構造単位を含むポリエーテルポリオールである。
【0106】
第2のポリオールは、本発明の効果をより発現させ得る点で、それが有するOH基の数が、好ましくは3個~6個であり、より好ましくは3個~5個であり、さらに好ましくは3個~4個であり、特に好ましくは3個である。
【0107】
第2のポリオールは、本発明の効果をより発現させ得る点で、OH基の数が3個であるトリオールを、好ましくは50重量%~100重量%含み、より好ましくは70重量%~100重量%含み、さらに好ましくは90重量%~100重量%含み、特に好ましくは95重量%~100重量%含み、最も好ましくは実質的に100重量%である。
【0108】
第2のポリオールは、とりわけ好ましくは、上記一般式(1)に示す構造単位を含むポリエーテルポリオール、または、上記一般式(2)に示す構造単位を含むポリエーテルポリオールであり、特に好ましくは、上記一般式(1)に示す構造単位を含むポリエーテルポリオールである。
【0109】
<1-1-A-3.多官能イソシアネート化合物>
多官能イソシアネート化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0110】
多官能イソシアネート化合物としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物、多官能芳香脂肪族系ジイソシアネート化合物が挙げられる。
【0111】
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0112】
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロへキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
【0113】
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソソアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0114】
多官能芳香脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0115】
多官能イソシアネート化合物としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート体(例えば3量体)も挙げられる。また、これらを併用してもよい。
【0116】
多官能イソシアネート化合物は、本発明の効果をより発現させ得る点で、それが有するイソシアネート基の平均官能基数が、好ましくは2個~6個であり、より好ましくは2個~5個であり、さらに好ましくは3個~4個である。
【0117】
多官能イソシアネート化合物としては、より好ましくは、3以上の平均官能基数を有するイソシアネート化合物であり、さらに好ましくは、脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート体であり、とりわけ好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
【0118】
<1-1-B.ウレタン系粘着剤組成物が、ウレタンプレポリマーおよび多官能イソシアネート化合物を含む態様>
(B)の態様において、ウレタン系粘着剤は、プレポリマー法で製造されるウレタン系粘着剤であって、ウレタンプレポリマーおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物から形成される。
(B)の態様において、ウレタン系粘着剤組成物に含まれるウレタンプレポリマーは、上記<1-1-A-1>で説明するウレタンプレポリマーと同様であり、ウレタン系粘着剤組成物に含まれる多官能イソシアネート化合物は、上記<1-1-A-3>で説明する多官能イソシアネート化合物と同様である。(B)の態様において、ウレタン系粘着剤組成物は、上記<1-1-A-2>で説明するポリオールを含まない。
より詳しくは、(B)の態様において、ウレタン系粘着剤は、ウレタンプレポリマーおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物を硬化させて形成される。ウレタンプレポリマーは、好ましくは、多官能イソシアネート化合物と反応してウレタン系樹脂となる。
【0119】
(B)の態様において、ウレタンプレポリマーは、上記一般式(1)に示す構成単位を有する。そのため、ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物とがウレタン反応してなるウレタン系樹脂は、上記一般式(1)に示す構成単位に由来する構成単位(以下、一般式(1)由来構成単位とする。)を含む。ウレタン樹脂における一般式(1)由来構成単位およびその含有割合については、上記<1-1-A.>で説明したとおりである。
【0120】
また、(B)の態様において、ウレタンプレポリマーは、好ましくは、上記一般式(2)に示す構成単位を有しているので、ウレタン系樹脂は、上記一般式(2)に示す構成単位を含む。ウレタン樹脂における一般式(2)に示す構成単位の含有割合については、上記<1-1-A.>で説明したとおりである。
【0121】
ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物の合計量の重量割合の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーとポリオールと多官能イソシアネート化合物の合計量の重量割合の範囲と同様である。
ウレタン系粘着剤組成物中の、ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物とにおけるNCO基とOH基の当量比の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーおよびポリオールと多官能イソシアネート化合物とにおけるNCO基とOH基の当量比の範囲と同様である。
ウレタンプレポリマー100重量部に対する多官能イソシアネート化合物の含有割合の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する多官能イソシアネート化合物の含有割合の範囲と同様である。
【0122】
<1-1-C.ウレタン系粘着剤組成物が、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含む態様>
(C)の態様において、ウレタン系粘着剤は、ワンショット法で製造されるウレタン系粘着剤であって、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物から形成される。
(C)の態様において、ウレタン系粘着剤組成物に含まれるポリオールは、上記<1-1-A-2>で説明するポリオールと同様であり、ウレタン系粘着剤組成物に含まれる多官能イソシアネート化合物は、上記<1-1-A-3>で説明する多官能イソシアネート化合物と同様である。(C)の態様において、ウレタン系粘着剤組成物は、上記<1-1-A-1>で説明するウレタンプレポリマーを含まない。
より詳しくは、(C)の態様において、ウレタン系粘着剤は、ポリオールおよび多官能イソシアネート化合物を含有するウレタン系粘着剤組成物を硬化させて形成される。ポリオールは、好ましくは、多官能イソシアネート化合物と反応してウレタン系樹脂となる。
【0123】
(C)の態様において、ポリオールは、上記一般式(1)に示す構成単位を有する。そのため、ポリオールと多官能イソシアネート化合物とがウレタン反応してなるウレタン系樹脂は、上記一般式(1)に示す構成単位に由来する構成単位(以下、一般式(1)由来構成単位とする。)を含む。ウレタン樹脂における一般式(1)由来構成単位およびその含有割合については、上記<1-1-A.>で説明したとおりである。
【0124】
また、(C)の態様において、ポリオールは、好ましくは、一般式(1)に示す構成単位に由来する構成単位を有するポリオールに加えて、上記一般式(2)に示す構成単位を有するポリオールを含む。そのため、ウレタン系樹脂は、上記一般式(2)に示す構成単位を含む。ウレタン樹脂における一般式(2)に示す構成単位の含有割合については、上記<1-1-A.>で説明したとおりである。
【0125】
ウレタン系粘着剤組成物中の、ポリオールと多官能イソシアネート化合物の合計量の重量割合の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーとポリオールと多官能イソシアネート化合物の合計量の重量割合の範囲と同様である。
ウレタン系粘着剤組成物中の、ポリオールと多官能イソシアネート化合物とにおけるNCO基とOH基の当量比の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーおよびポリオールと多官能イソシアネート化合物とにおけるNCO基とOH基の当量比の範囲と同様である。
ポリオール100重量部に対する多官能イソシアネート化合物の含有割合の範囲は、上記(A)の態様のウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する多官能イソシアネート化合物の含有割合の範囲と同様である。
【0126】
<1-2.他の成分>
ウレタン系接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含み得る。このような他の成分としては、例えば、上記ウレタンプレポリマーおよびポリオール以外の樹脂成分、上記多官能イソシアネート化合物以外の架橋剤、架橋遅延剤、イオン性化合物、フッ素系添加剤、シリコーン系添加剤、脂肪酸エステル、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒が挙げられる。
【0127】
〔イオン性化合物〕
他の成分として、イオン性化合物を含むと、本発明の実施形態による表面保護フィルムの帯電防止性能が向上することが可能となる。
【0128】
イオン性化合物の含有割合としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。本発明の表面保護フィルムの帯電防止性能をより向上させ得る点で、上記ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する、イオン性化合物の含有割合は、好ましくは0.05重量部以上であり、より好ましくは0.10重量部~50重量部であり、さらに好ましくは0.20重量部~30重量部であり、特に好ましくは0.30重量部~10重量部であり、最も好ましくは0.30重量部~0.5重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、イオン性化合物の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対するイオン性化合物の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対するイオン性化合物の含有割合の範囲が、上記の通りである。
イオン性化合物の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムの帯電防止性能をより向上させ得る。イオン性化合物の含有割合が上記範囲を外れて少なすぎると、本発明の表面保護フィルムに十分な帯電防止性能を付与できないおそれがある。イオン性化合物の含有割合が上記範囲を外れて多すぎると、被着体への汚染が増加するおそれがある。
【0129】
イオン性化合物としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性化合物を採用し得る。イオン性化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0130】
イオン性化合物としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、オニウムカチオンおよび金属カチオンから選ばれる少なくとも1種とフルオロ有機アニオンを含むイオン性化合物、イオン性基含有シリコーンオリゴマーであり、粘着剤層の外観をより優れたものとし得る点で、より好ましくは、オニウムカチオンおよび金属カチオンから選ばれる少なくとも1種とフルオロ有機アニオンを含むイオン性化合物である。
【0131】
イオン性化合物は、イオン性液体であってもよい。イオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を意味する。
【0132】
イオン性基含有シリコーンオリゴマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性基含有シリコーンオリゴマーを採用し得る。イオン性基含有シリコーンオリゴマーとして、例えば、信越化学工業社製の商品名「X-40-2450」が挙げられる。
【0133】
オニウムカチオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なオニウムカチオンを採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、このようなオニウムカチオンとしては、好ましくは、アンモニウムカチオン(窒素含有オニウムカチオン)、スルホニウムカチオン(硫黄含有オニウムカチオン)、リン含有オニウムカチオン(ホスホニウムカチオン)から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、アンモニウムカチオンである。
【0134】
金属カチオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な金属カチオンを採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、このような金属カチオンとしては、好ましくは、Liカチオン、Naカチオン、Kカチオン等のアルカリ金属カチオンである。
【0135】
フルオロ有機アニオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフルオロ有機アニオンを採用し得る。フルオロ有機アニオンは、完全にフッ素化(パーフルオロ化)されていてもよいし、部分的にフッ素化されていてもよい。
【0136】
このようなフルオロ有機アニオンとしては、例えば、フッ素化されたアリールスルホネート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、シアノパーフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)パーフルオロアルカンスルホニルメチド、シアノ-ビス-(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリフルオロアセテート、パーフルオロアルキレート、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、(パーフルオロアルカンスルホニル)トリフルオロアセトアミドなどが挙げられる。
【0137】
これらのフルオロ有機アニオンの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、パーフルオロアルキルスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドであり、より具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであり、好ましくは、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
【0138】
イオン性化合物としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、より好ましくは、オニウムカチオンとフルオロ有機アニオンとから構成されるイオン性化合物である。
【0139】
オニウムカチオンとしては、好ましくは、一般式(3)~(6)で表される構造から選ばれる少なくとも1種を有する。
【化3】
【0140】
一般式(3)において、Raは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよく、RbおよびRcは、互いに同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
【0141】
一般式(4)において、Rdは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよく、Re、Rf、およびRgは、互いに同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0142】
一般式(5)において、Rhは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよく、Ri、Rj、およびRkは、互いに同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0143】
一般式(6)において、Zは、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子を表し、Rl、Rm、Rn、およびRoは、互いに同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしZが硫黄原子の場合、Roはない。
【0144】
一般式(3)で表されるカチオン構造としては、例えば、ピリジニウムカチオン構造、ピロリジニウムカチオン構造、ピペリジニウムカチオン構造、ピロリン骨格を有するカチオン構造、ピロール骨格を有するカチオン構造などが挙げられる。
【0145】
一般式(3)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1-エチルピリジニウムカチオン、1-ブチルピリジニウムカチオン、1-へキシルピリジニウムカチオン、1-エチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-へキシル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムカチオン、1,1-ジメチルピロリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1-エチル-1-メチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-へキシルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘプチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-へキシルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-へプチルピロリジニウムカチオン、1,1-ジプロピルピロリジニウムカチオン、1-プロピル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1,1-ジブチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-エチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-へプチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-へプチルピペリジニウムカチオン、1-プロピル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1,1-ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1-ジプロピルピペリジニウムカチオン、1,1-ジブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;2-メチル-1-ピロリンカチオン;1-エチル-2-フェニルインドールカチオン;1,2-ジメチルインドールカチオン;1-エチルカルバゾールカチオン;これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン;などが挙げられる。
【0146】
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1-エチルピリジニウムカチオン、1-ブチルピリジニウムカチオン、1-へキシルピリジニウムカチオン、1-エチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-へキシル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチル-4-メチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1-エチル-1-メチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-へキシルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘプチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-へキシルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-へプチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1-メチル-1-エチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-へプチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-へプチルピペリジニウムカチオン、1-プロピル-1-ブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン;などが挙げられ、より好ましくは、1-へキシルピリジニウムカチオン、1-エチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオンである。
【0147】
一般式(4)で表されるカチオン構造としては、例えば、イミダゾリウムカチオン構造、テトラヒドロピリミジニウムカチオン構造、ジヒドロピリミジニウムカチオン構造などが挙げられる。
【0148】
一般式(4)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-テトラデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;1,3-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン等のテトラヒドロピリミジニウムカチオン;1,3-ジメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオンなどのジヒドロピリミジニウムカチオン;これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン;などが挙げられる。
【0149】
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-テトラデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン等のイミダゾリウムカチオンであり、より好ましくは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオンである。
【0150】
一般式(5)で表されるカチオン構造としては、例えば、ピラゾリウムカチオン構造、ピラゾリニウムカチオン構造などが挙げられる。
【0151】
一般式(5)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1-メチルピラゾリウムカチオン、3-メチルピラゾリウムカチオン、1-エチル-2-メチルピラゾリニウムカチオン、1-エチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウムカチオン、1-プロピル-2,3,5-トリメチルピラゾリウムカチオン、1-ブチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウムカチオン等のピラゾリウムカチオン;1-エチル-2,3,5-トリメチルピラゾリニウムカチオン、1-プロピル-2,3,5-トリメチルピラゾリニウムカチオン、1-ブチル-2,3,5-トリメチルピラゾリニウムカチオン等のピラゾリニウムカチオン;これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン;などが挙げられる。
【0152】
一般式(6)で表されるカチオン構造としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムカチオン構造、トリアルキルスルホニウムカチオン構造、テトラアルキルホスホニウムカチオン構造や、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基やエポキシ基に置換されたものなどが挙げられる。
【0153】
一般式(6)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ノニルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-ブチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ペンチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-エチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N-メチル-N-エチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン等のテトラアルキルアンモニウムカチオン;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン等のトリアルキルスルホニウムカチオン;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン等のテトラアルキルホスホニウムカチオン;これらのカチオンがさらにビニル基(CH=CH-基)およびアリル基(CH=CH-CH-基)から選ばれる少なくとも1種を有するカチオン;などが挙げられる。
【0154】
イオン性化合物としては、好ましくは、上記のオニウムカチオンおよび上記の金属カチオンから選ばれる少なくとも1種と上記のフルオロ有機アニオンを含むイオン性化合物、イオン性基含有シリコーンオリゴマーであり、より好ましくは、上記のオニウムカチオンおよび上記の金属カチオンから選ばれる少なくとも1種と上記のフルオロ有機アニオンを含むイオン性化合物であり、さらに好ましくは、上記のオニウムカチオンと上記のフルオロ有機アニオンを含むイオン性化合物である。
【0155】
本発明の効果をより発現させ得る点で、イオン性化合物としては、好ましくは、具体的には、1-ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、さらに好ましくは、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであり、特に好ましくは、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチル-イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
【0156】
イオン性化合物は、市販のものを使用してもよいし、任意の適切な方法によって合成したものを使用してもよい。例えば、イオン液体は、「イオン性液体-開発の最前線と未来-」(シーエムシー出版発行)に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などによって合成してもよい。
【0157】
〔フッ素系添加剤〕
他の成分として、フッ素系添加剤を含むと、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性や帯電防止性能をより向上させることが可能となる。
【0158】
フッ素系添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフッ素系添加剤を採用し得る。
【0159】
フッ素系添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0160】
上記ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する、フッ素系添加剤の含有割合は、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.03重量部~30重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~10重量部であり、特に好ましくは0.05重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、フッ素系添加剤の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対するフッ素系添加剤の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対するフッ素系添加剤の含有割合が、上記の通りである。
フッ素系添加剤の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性や帯電防止性能をより向上させることが可能となる。
【0161】
フッ素系添加剤としては、例えば、フッ素含有化合物、水酸基含有フッ素系化合物、架橋性官能基含有フッ素系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0162】
フッ素含有化合物としては、例えば、フルオロ脂肪族炭化水素骨格を有する化合物、有機化合物とフッ素系化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、有機化合物を含むフッ素含有化合物が挙げられる。フルオロ脂肪族炭化水素骨格としては、例えば、フルオロメタン、フルオロエタン、フルオロプロパン、フルオロイソプロパン、フルオロブタン、フルオロイソブタン、フルオロt-ブタン、フルオロペンタン、フルオロヘキサンなどのフルオロC1~C10アルカンが挙げられる。ここで、「C1~C10」の標記は、炭素数が1~10を意味する。
【0163】
フッ素含有化合物の好ましい実施形態は、含フッ素基と、親水性基および/または親油性基とを有するオリゴマー(「特定フッ素系化合物」)である。このような「特定フッ素系化合物」を採用することにより、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性や帯電防止性能を向上させることが可能となる。特に、このような「特定フッ素系化合物」を、イオン性化合物と併用することにより、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性や帯電防止性能をより向上させることが可能となる。これは、特定フッ素系化合物によって、イオン性化合物がウレタン系粘着剤層の表面側(被着体と貼り合わされる側)に偏在するようになるためと推察される。含フッ素基としては、代表的には、フッ素含有アルキル基(例えば、CF-など)および/またはフッ素含有アルキレン基(例えば、-CF-CF-など)が挙げられる。親水性基とは、親水性を有する基であり、親水性とは、英語で「hydrophilic」と訳され、「水と親和性がある」なる意として当業者に一般に知られている特性である(例えば、マグローヒル科学技術用語大辞典(改訂第3版、日刊工業新聞社)など参照)。親油性基とは、親油性を有する基であり、親油性とは、英語で「lipophilic」と訳され、「油と親和性がある」なる意として当業者に一般に知られている特性である(例えば、マグローヒル科学技術用語大辞典(改訂第3版、日刊工業新聞社)など参照)。
【0164】
フッ素含有化合物としては、本発明の実施形態による表面保護フィルムの帯電防止性能および軽剥離性をより向上させ得る観点からは、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力が、好ましくは19.0mJ/m~28.0mJ/mであり、より好ましくは19.0mJ/m~26.0mJ/mである(トルエンの表面張力は27.9mN/m)。このように、フッ素含有化合物の、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力が上記の範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムの帯電防止性能および軽剥離性をより向上させ得る。
【0165】
フッ素含有化合物としては、市販品としては、例えば、下記のようなものが挙げられる。
【0166】
DIC(株)製のメガファックシリーズ:
代表的には、「メガファックF-114」、「メガファックF-251」、「メガファックF-253」、「メガファックF-281」、「メガファックF-410」、「メガファックF-430」、「メガファックF-444」、「メガファックF-477」、「メガファックF-510」、「メガファックF-551-A」、「メガファックF-553」、「メガファックF-554」、「メガファックF-555-A」、「メガファックF-556」、「メガファックF-557」、「メガファックF-558」、「メガファックF-559」、「メガファックF-560」、「メガファックF-561」、「メガファックF-562」、「メガファックF-563」、「メガファックF-565」、「メガファックF-568」、「メガファックF-569」、「メガファックF-570」、「メガファックF-576」、「メガファックR-01」、「メガファックR-40」、「メガファックR-40-LM」、「メガファックR-41」、「メガファックR-41-LM」、「メガファックR-94」、「メガファックRS-56」、「メガファックRS-72-K」、「メガファックRS-75-A」、「メガファックRS-75-NS」、「メガファックRS-78」、「メガファックRS-90」など。
【0167】
AGCセイミケミカル(株)製のサーフロンシリーズ:
代表的には、「S-242」、「S-243」、「S-386」など。
【0168】
住友スリーエム(株)製のFCシリーズ:
代表的には、「FC-4430」、「FC-4432」など。
【0169】
(株)ネオス製のフタージェントシリーズ:
代表的には、「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェント250」、「フタージェント400SW」など。
【0170】
北村化学産業(株)製のPFシリーズ:
代表的には、「PF-136A」、「PF-156A」、「PF-151N」、「PF-636」、「PF-6320」、「PF-656」、「PF-6520」、「PF-651」、「PF-652」、「PF-3320」など。
【0171】
水酸基含有フッ素系化合物としては、例えば、従来公知の樹脂が使用でき、例えば、国際公開第94/06870号パンフレット、特開平8-12921号公報、特開平10-72569号公報、特開平4-275379号公報、国際公開第97/11130号パンフレット、国際公開第96/26254号パンフレットなどに記載された水酸基含有フッ素樹脂が挙げられる。その他の水酸基含有フッ素樹脂としては、例えば、特開平8-231919号公報、特開平10-265731号公報、特開平10-204374号公報、特開平8-12922号公報などに記載されたフルオロオレフィン共重合体などが挙げられる。その他、水酸基含有化合物にフッ素化されたアルキル基を有する化合物の共重合体、水酸基含有化合物にフッ素含有化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、水酸基含有有機化合物を含むフッ素含有化合物などが挙げられる。このような水酸基含有フッ素系化合物としては、市販品としては、例えば、商品名「ルミフロン」(旭硝子(株)製)、商品名「セフラルコート」(セントラル硝子(株)製)、商品名「ザフロン」(東亜合成(株)製)、商品名「ゼッフル」(ダイキン工業(株)製)などが挙げられる。
【0172】
架橋性官能基含有フッ素系化合物としては、例えば、ペルフルオロオクタン酸などのようなフッ素化されたアルキル基を有するカルボン酸化合物、架橋性官能基含有化合物にフッ素化されたアルキル基を有する化合物の共重合体、架橋性官能基含有化合物にフッ素含有化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、架橋性官能基含有化合物を含むフッ素含有化合物などが挙げられる。このような架橋性官能基含有フッ素系化合物としては、市販品としては、例えば、商品名「メガファック F-570」、「メガファックRS-55」、「メガファックRS-56」、「メガファックRS-72-K」、「メガファックRS-75」、「メガファックRS-76-E」、「メガファックRS-76-NS」、「メガファックRS-78」、「メガファックRS-90」(DIC(株)製)などが挙げられる。
【0173】
市販品として入手可能なフッ素含有化合物の中でも、前述の「含フッ素基と、親水性基および/または親油性基とを有するオリゴマー」に該当するものとしては、代表的には、DIC(株)製の、
「メガファックF-477」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.4mN/m)、
「メガファックF-551-A」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=25.6mN/m)、
「メガファックF-553」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.4mN/m)、
「メガファックF-554」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=25.0mN/m)、
「メガファックF-555-A」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.4mN/m)、
「メガファックF-557」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.3mN/m)、
「メガファックF-559」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.1mN/m)、
「メガファックF-563」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.2mN/m)、
「メガファックF-569」(含フッ素基・親水性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=19.7mN/m)、
などが挙げられる。
【0174】
〔シリコーン系添加剤〕
他の成分として、シリコーン系添加剤を含むと、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性をより向上させることが可能となる。
【0175】
シリコーン系添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン系添加剤を採用し得る。
【0176】
シリコーン系添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0177】
上記ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する、シリコーン系添加剤の含有割合は、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.015重量部~30重量部であり、さらに好ましくは0.020重量部~10重量部であり、特に好ましくは0.025重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、シリコーン系添加剤の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対するシリコーン系添加剤の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対するシリコーン系添加剤の含有割合が、上記の通りである。
シリコーン系添加剤の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムの軽剥離性をより向上させることが可能となる。
【0178】
本発明の効果をより発現させ得る点で、上記ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する、前述のフッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤の合計量の含有割合は、0.01重量部以上であり、より好ましくは0.03重量部~30重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~10重量部であり、特に好ましくは0.05重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、フッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤の合計量の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対するフッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤の合計量の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対するフッ素系添加剤およびシリコーン系添加剤の含有割合が、上記の通りである。
【0179】
シリコーン系添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン系添加剤を採用し得る。このようなシリコーン系添加剤としては、例えば、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0180】
反応性シリコーンオイルとしては、例えば、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合した側鎖型反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した両末端型反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子の一方のみに有機基が結合した片末端型反応性シリコーンオイル、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合し且つ構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した側鎖両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0181】
側鎖型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、カルビノール変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、メルカプト変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、カルボキシル変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルタイプの側鎖型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。
【0182】
両末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルビノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、メタクリル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、ポリエーテル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、メルカプト変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルボキシル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、フェノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、シラノール末端タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、アクリル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルボン酸無水物変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の両末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-6000」、「KF-6001」、「KF-6002」、「KF-6003」、「KF-6028」などの、カルビノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0183】
片末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、片末端反応性変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイル、平均的片末端カルボキシル変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の片末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「X-22-170BX」、「X-22-170DX」、「X-22-4015」などの、カルビノール変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0184】
側鎖両末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、側鎖アミノ・両末端メトキシ変性タイプの側鎖両末端型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの側鎖両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖両末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。
【0185】
非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合した側鎖型非反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した両末端型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0186】
側鎖型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、アラルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、風呂路アルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、フェニル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖型非反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-351A」、「KF-352A」、「KF-353」、「KF-354L」、「KF-355A」、「KF-615A」、「KF-945」、「KF-640」、「KF-642」、「KF-643」、「KF-644」、「KF-6020」、「KF-6204」、「X-22-4515」などの、ポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0187】
これらのポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルの中でも、糊残り性をより低減し得る点で、HLB値が、好ましくは3以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは9以上、とりわけ好ましくは10以上のポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが好ましい。このようなポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、「KF-351A」(HLB=12)、「KF-353」(HLB=10)、「KF-354L」(HLB=16)、「KF-355A」(HLB=12)、「KF-615A」(HLB=10)、「KF-640」(HLB=14)、「KF-642」(HLB=12)、「KF-643」(HLB=14)、「KF-644」(HLB=11)、「KF-6204」(HLB=10)が挙げられる。
【0188】
両末端型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性タイプの両末端型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の両末端型非反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-6004」などの、ポリエーテル変性タイプの両末端型非反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0189】
シリコーン系添加剤としては、上記の他にも、従来公知の、任意の適切なシリコーン系添加剤を採用し得る。このようなシリコーン系添加剤としては、例えば、上記したもの以外のシロキサン結合含有ポリマー、上記したもの以外の水酸基含有シリコーン系化合物、上記したもの以外の架橋性官能基含有シリコーン系化合物が挙げられる。
【0190】
上記したもの以外のシロキサン結合含有ポリマーの市販品としては、例えば、商品名「LE-302」(共栄社化学株式会社製)、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYKシリーズのレベリング剤(「BYK-300」、「BYK-301/302」、「BYK-306」、「BYK-307」、「BYK-310」、「BYK-315」、「BYK-313」、「BYK-320」、「BYK-322」、「BYK-323」、「BYK-325」、「BYK-330」、「BYK-331」、「BYK-333」、「BYK-337」、「BYK-341」、「BYK-344」、「BYK-345/346」、「BYK-347」、「BYK-348」、「BYK-349」、「BYK-370」、「BYK-375」、「BYK-377」、「BYK-378」、「BYK-UV3500」、「BYK-UV3510」、「BYK-UV3570」、「BYK-3550」、「BYK-SILCLEAN3700」、「BYK-SILCLEAN3720」など)、Algin Chemie社製のACシリーズのレベリング剤(「AC FS180」、「AC FS360」、「AC S20」など)、共栄社化学(株)製のポリフローシリーズのレベリング剤(「ポリフローKL-400X」、「ポリフローKL-400HF」、「ポリフローKL-401」、「ポリフローKL-402」、「ポリフローKL-403」、「ポリフローKL-404」など)、信越化学工業(株)製のKPシリーズのレベリング剤(「KP-323」、「KP-326」、「KP-341」、「KP-104」、「KP-110」、「KP-112」など)、東レ・ダウコーニング(株)製のレベリング剤(「LP-7001」、「LP-7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDITIVE」、「L-7604」、「FZ-2110」、「FZ-2105」、「67ADDITIVE」、「8618ADDITIVE」、「3ADDITIVE」、「56ADDITIVE」など)が挙げられる。
【0191】
上記したもの以外の水酸基含有シリコーンの市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製の「BYK-370」、「BYK-SILCLEAN3700」、「BYK-SILCLEAN3720」が挙げられる。
【0192】
上記したもの以外の架橋性官能基含有シリコーン系化合物の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の「BY16-855」、「SF8413」、「BY16-839」、「SF8421」、「BY16-750」、「BY16-880」、「BY16-152C」が挙げられる。
【0193】
〔酸化防止剤〕
ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤層の劣化抑制等の点から、他の成分として、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0194】
ウレタン系粘着剤組成物中の酸化防止剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合は、上記ウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する酸化防止剤の含有割合として、好ましくは0.01重量部~10重量部以上であり、より好ましくは0.05重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.2重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、酸化防止剤の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対する酸化防止剤の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対する酸化防止剤の含有割合が、上記の通りである。
【0195】
酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
【0196】
ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0197】
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
【0198】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤が挙げられる。
【0199】
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリン-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0200】
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
【0201】
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールが挙げられる。
【0202】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’-チオジプロピオネートが挙げられる。
【0203】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトが挙げられる。
【0204】
〔紫外線吸収剤〕
ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤層の劣化抑制等の点から、他の成分として、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0205】
ウレタン系粘着剤組成物中の紫外線吸収剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合は、上記のウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する、紫外線吸収剤の含有割合として、好ましくは0.01重量部~10重量部以上であり、より好ましくは0.05重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.2重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、紫外線吸収剤の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対する紫外線吸収剤の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対する紫外線吸収剤の含有割合が、上記の通りである。
【0206】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0207】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタンが挙げられる。
【0208】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’,-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、[2(2’-ヒドロキシ-5’-メタアクリロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0209】
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p-tert-ブチルフェニルサリシレート、p-オクチルフェニルサリシレートが挙げられる。
【0210】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレートが挙げられる。
【0211】
〔光安定剤〕
ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤層の劣化抑制等の点から、他の成分として、光安定剤を含んでいてもよい。光安定剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0212】
ウレタン系粘着剤組成物中の光安定剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合は、上記のウレタンプレポリマーおよびポリオールの合計100重量部に対する光安定剤の含有割合として、好ましくは0.01重量部~10重量部以上であり、より好ましくは0.05重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.2重量部~1重量部である。
より詳しくは、ウレタン系粘着剤組成物が上記(A)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物がウレタンプレポリマーおよびポリオールを含むので、光安定剤の含有割合は、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(B)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ポリオールを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ウレタンプレポリマー100重量部に対する光安定剤の含有割合の範囲が、上記の通りである。
また、ウレタン系粘着剤組成物が上記(C)の態様である場合、ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマーを含まないので(すなわち0重量部であるので)、ポリオール100重量部に対する光安定剤の含有割合が、上記の通りである。
【0213】
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤が挙げられる。
【0214】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、[ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート]、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートが挙げられる。
【0215】
紫外線安定剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’-チオビス(4-tert-オクチルフェノラート)]-n-ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル-リン酸モノエチレート、ニッケル-ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル-ジブチルジチオカーバメートが挙げられる。
【0216】
〔脂肪酸エステル〕
ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤層の濡れ性向上等の点から、他の成分として、脂肪酸エステルを含んでいてもよい。脂肪酸エステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0217】
脂肪酸エステルの数平均分子量Mnは、好ましくは200~400であり、より好ましくは210~395であり、さらに好ましくは230~380であり、特に好ましくは240~360であり、最も好ましくは250~350である。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することによって、濡れ速度がより向上し得る。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが小さすぎると、添加部数が多くても濡れ速度が向上しないおそれがある。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが大きすぎると、乾燥時の粘着剤の硬化性が悪化し、濡れ特性に留まらずその他粘着特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0218】
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2-エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルが挙げられる。
【0219】
≪1-3.基材層≫
基材層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層の厚みは、好ましくは5μm~300μmであり、より好ましくは10μm~250μmであり、さらに好ましくは15μm~200μmであり、特に好ましくは20μm~150μmである。
【0220】
基材層は、単層でもよいし、2層以上の積層体であってもよい。基材層は、延伸されたものであっても良い。
【0221】
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。基材層は、1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上の材料から構成されていてもよい。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていてもよい。
【0222】
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;が挙げられる。
【0223】
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料が挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
【0224】
酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、フェノール・リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、基材層のベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは1重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%~0.2重量%である。
【0225】
紫外線吸収剤としては、任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%~0.5重量%である。
【0226】
光安定剤としては、任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。光安定剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%~0.5重量%である。
【0227】
充填剤としては、任意の適切な充填剤を採用し得る。このような充填剤としては、例えば、無機系充填剤などが挙げられる。無機系充填剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。充填剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%~10重量%である。
【0228】
さらに、添加剤としては、帯電防止性付与を目的として、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等の無機系、低分子量系および高分子量系帯電防止剤も好ましく挙げられる。特に、汚染、粘着性維持の観点から、高分子量系帯電防止剤やカーボンが好ましい。
【0229】
≪≪2.表面保護フィルムの製造方法≫≫
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。このような製造方法としては、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)それに準じ、セパレーター状に塗布、形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な製造方法に準じて行うことができる。
【0230】
塗布の方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法などが使用できる。
【0231】
≪≪3.表面保護フィルムの用途≫≫
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、任意の適切な用途に用い得る。本発明の表面保護フィルムは、優れた表面弾性率を有するウレタン系粘着剤層を備えているので、光学部材や電子部材の表面保護に好ましく用いられる。光学部材としては、例えば、LCD、LCDなどを用いたタッチパネル、LCDに使用されるカラーフィルター、偏光板などが挙げられる。
【0232】
本発明の実施形態による表面保護フィルムが貼着された部材、例えば、光学部材や電子部材は、貼着された表面保護フィルムを手作業で何度も貼り合わせ・剥離を行うことが可能である。
【0233】
すなわち、本発明の実施形態による光学部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。また、本発明の実施形態による電子部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。
【実施例0234】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
【0235】
<対ガラス粘着力>
セパレーターを剥がした表面保護フィルム(幅25mm×長さ140mm)をガラス(ソーダライムガラス、松浪硝子工業株式会社製)に2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、23℃の環境温度下で30分間放置した。得られた評価用試料を、引っ張り試験機にて測定した。引っ張り試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG-Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG-50NX plus)」を用いた。引っ張り試験機に評価用試料をセットした後、引っ張り試験を開始した。引っ張り試験の条件は、剥離角度=180度、剥離速度(引っ張り速度)=300mm/分とした。ガラスから表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムの対ガラス粘着力(剥離力)とした。
【0236】
<対ガラス残留接着率>
ガラス板(松浪硝子製、1.35mm×10cm×10cm)に、表面保護フィルムをハンドローラーで全面に貼り合せ、温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、24時間保管した後、剥離角度=180度、0.3m/minの速度で表面保護フィルムを剥離し、長さ150mmに切断した19mm幅のNo.31Bテープ(日東電工(株)製、基材厚:25μm)を温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、30分間養生した後、引張試験機(島津製作所社製の商品名「オートグラフAG-Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG-50NX plus)」)を用い、剥離角度=180度、引っ張り速度=300mm/minで剥離し、粘着力を測定した。
別途、上記のような処理を行っていないガラス板に対して、同様に、19mm幅のNo.31Bテープの粘着力を測定し、下記の式で残留接着率を算出した。
残留接着率(%)=(表面保護フィルム剥離後のガラス板に対するNo.31B粘着力/ガラス板に対するNo.31B粘着力)×100
この残留接着率は、表面保護フィルムの粘着剤成分が被着体に対してどの程度表面に転写し汚染しているかの指標となる。残留接着率の値が高いほど、被着体を汚染せずより良い表面保護フィルムであり、残留接着率の値が低いほど、被着体の表面を粘着剤成分などで汚染していると言える。
【0237】
<耐ガラス剥離帯電圧>
セパレーターを剥がした表面保護フィルムを幅70mm、長さ100mmのサイズにカットし、ガラス(ソーダライムガラス、松浪硝子工業株式会社製)の表面に、表面保護フィルムの片方の端部が該被着体の端から30mmはみ出すようにして、ハンドローラーにて圧着した。このサンプルを23℃×50%RHの環境下に1日放置した後、高さ20mmのサンプル固定台の所定の位置にセットした。該被着体から30mmはみ出した表面保護フィルムの端部を自動巻取り機(図示せず)に固定し、剥離角度=150°、剥離速度=30m/minとなるように剥離した。このときに発生する被着体表面の電位を、被着体の中央から高さ30mmの位置に固定してある電位測定器(シシド静電気社製、型式「STATIRON DZ-4」)にて、「剥離帯電圧」を測定した。測定は、23℃、50%RHの環境下で行った。
【0238】
<ヘイズ>
ウレタン系粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚み75μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF75、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理面に、実施例・比較例の条件にて塗工乾燥し、ウレタン系粘着剤層を作製した。次いで、ウレタン系粘着剤層の表面に、片面をシリコーンで剥離処理した厚み75μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRE75、三菱ケミカル株式会社製)を、そのポリエステルフィルムの剥離処理面がウレタン系粘着剤層側になるようにして被覆し、常温で5日間エージングを行った。
50mm×50mmの厚紙の中央に20mm×20mmの穴をあけたものを2枚用意し、片方に試料単体をハンドローラー1往復にて貼着後、もう一方を貼着した。
上記のようにして得られた評価用試料のヘイズを、村上色彩技術研究所社製の「HM-150N」で測定した。
【0239】
<粘着剤層の表面弾性率>
セパレーターを剥がした表面保護フィルムを幅10mm角のサイズにカットしてサンプル台に固定し、Hysitron Inc.製のナノインデンター「TI950 TriboIndenter/曲率半径10μmの球形ダイヤモンド圧子(Conical圧子)を用いて、粘着剤表面の弾性率(MPa)を測定した。測定条件は以下に示す。
・測定モード:単一押し込み試験
・最大変位に達した時の保持時間:0秒
・押し込み・引き抜き深さ速度:500nm/sec
・押し込み深さ:5μm
・測定環境:23℃50%RH
【0240】
〔製造例1〕:ウレタンプレポリマー溶液Aの製造
1L丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に、ポリテトラメチレングリコール(製品名「PTMG3000」、三菱ケミカル社製)を333g、ポリプロピレングリコール(製品名「サンニックスGP-1500」、三洋化成社製)を83g、溶剤として酢酸エチル(東ソー社製)を110g投入し、撹拌しながら、触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)(和光純薬工業社製)を0.041g投入し、常温で窒素置換を1時間実施した。その後、窒素流入下、攪拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(多官能イソシアネート化合物、製品名「HDI」、東ソー社製)を13.0g投入し、ウオーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、4時間保持した後、ウレタンプレポリマー溶液Aを得た。なお、重合途中に、重合中の温度制御および粘度上昇による撹拌性低下防止のために、適宜酢酸エチルを滴下した。滴下した酢酸エチルの総量は320gであった。ウレタンプレポリマー溶液Aの固形分濃度は50重量%であった。このウレタンプレポリマーAを実施例で用いた。
【0241】
〔製造例2〕:ウレタンプレポリマー溶液Bの製造
1L丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に、ポリプロピレングリコール(製品名「サンニックスPP-2000」、三洋化成工業社製)を197g、ポリエステルポリオール(製品名「クラレポリオールP-2010」、クラレ社製)を197g、溶剤としてトルエン(東ソー社製)を110g、触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)(和光純薬工業社製)を0.041g投入し、撹拌しながら、常温で窒素置換を1時間実施した。その後、窒素流入下、攪拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(多官能イソシアネート化合物、製品名「HDI」、東ソー社製)を33.5g投入し、ウオーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、4時間保持した後、ポリプロピレングリコール(製品名「GP1000」、三洋化成工業社製)を44g投入し、ウオーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(製品名「HDI」、東ソー社製)を25.4g投入し、ウオーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持し、ウレタンプレポリマー溶液Bを得た。なお、重合途中に、重合中の温度制御および粘度上昇による撹拌性低下防止のために、適宜トルエンを滴下した。滴下したトルエンの総量は380gであった。ウレタンプレポリマー溶液Bの固形分濃度は50重量%であった。このウレタンプレポリマーBを実施例および比較例で用いた。
【0242】
〔実施例1〕
ウレタンプレポリマーA100重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.2重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(1)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(1)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0243】
〔実施例2〕
ウレタンプレポリマーA95重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)3.5重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)1.5重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.8重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(2)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(2)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0244】
〔実施例3〕
ウレタンプレポリマーA95重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)3重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.9重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(3)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(3)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0245】
〔実施例4〕
ウレタンプレポリマーA80重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)12重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)8重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)6.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(4)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(4)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0246】
〔実施例5〕
ウレタンプレポリマーA60重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)28重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)12重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)8.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(5)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(5)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0247】
〔実施例6〕
ウレタンプレポリマーA60重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)8.6重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(6)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(6)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0248】
〔実施例7〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)35重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.2重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(7)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(7)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0249】
〔実施例8〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP4000(三洋化成社製、Mn=4000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)8.7重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(8)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(8)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0250】
〔実施例9〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(9)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(9)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0251】
〔実施例10〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP1000(三洋化成社製、Mn=1000)5重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.9重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(10)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(10)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0252】
〔実施例11〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP600(三洋化成社製、Mn=600)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.7重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(11)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(11)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0253】
〔実施例12〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP400(三洋化成社製、Mn=400)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)14.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(12)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(12)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表1に示した。
【0254】
〔実施例13〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.05重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(13)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(13)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0255】
〔実施例14〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(14)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(14)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0256】
〔実施例15〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(15)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(15)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0257】
〔実施例16〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)1.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(16)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(16)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0258】
〔実施例17〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP1000(三洋化成社製、Mn=1000)5重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.8重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(17)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(17)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0259】
〔実施例18〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP600(三洋化成社製、Mn=600)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.7重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(18)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(18)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0260】
〔実施例19〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP400(三洋化成社製、Mn=400)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)13.8重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(19)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(19)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0261】
〔実施例20〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)35重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(20)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(20)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0262】
〔実施例21〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.05重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(21)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(21)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0263】
〔実施例22〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.1重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(22)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(22)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0264】
〔実施例23〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(23)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(23)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0265】
〔実施例24〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)1.0重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(24)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(24)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0266】
〔実施例25〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.05重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(25)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(25)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0267】
〔実施例26〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(26)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(26)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0268】
〔実施例27〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)1.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(27)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(27)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0269】
〔実施例28〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)35重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-477(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(28)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(28)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
【0270】
〔実施例29〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.05重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(29)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(29)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0271】
〔実施例30〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(30)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(30)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0272】
〔実施例31〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥しウレタン系粘着剤(31)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(31)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0273】
〔実施例32〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)1.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(32)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(32)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0274】
〔実施例33〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-569(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(33)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(33)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0275】
〔実施例34〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-552(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(34)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(34)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0276】
〔実施例35〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-559(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(35)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(35)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0277】
〔実施例36〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-556(DIC社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(36)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(36)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0278】
〔実施例37〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基含有の反応性シリコーンオイルX-22-4015(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(37)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(37)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0279】
〔実施例38〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基含有の反応性シリコーンオイルKF6001(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(38)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(38)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0280】
〔実施例39〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基含有の反応性シリコーンオイルKF6002(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(39)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(39)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表3に示した。
【0281】
〔実施例40〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基含有の反応性シリコーンオイルKF6028(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(40)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(40)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0282】
〔実施例41〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF643(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(41)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(41)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0283】
〔実施例42〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(42)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(42)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0284】
〔実施例43〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF615A(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010 (BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(43)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(43)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0285】
〔実施例44〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF352A(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(44)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(44)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0286】
〔実施例45〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF945(信越化学工業社製)0.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(45)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(45)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0287】
〔実施例46〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF615A(信越化学工業社製)0.05重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(46)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(46)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0288】
〔実施例47〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF615A(信越化学工業社製)0.025重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(47)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(47)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0289】
〔実施例48〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF615A(信越化学工業社製)0.01重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(48)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(48)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0290】
〔実施例49〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.5重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.1重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF615A(信越化学工業社製)0.025重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(49)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(49)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0291】
〔実施例50〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(50)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(50)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表4に示した。
【0292】
〔実施例51〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)8.4重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(51)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(51)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0293】
〔実施例52〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(52)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(52)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0294】
〔実施例53〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)7.2重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(53)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(53)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0295】
〔実施例54〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)6.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥しウレタン系粘着剤(54)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(54)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0296】
〔実施例55〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.8重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(55)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(55)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0297】
〔実施例56〕
ウレタンプレポリマーA70重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)20重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)10重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(56)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(56)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0298】
〔実施例57〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)24重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)26重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)6.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(57)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(57)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0299】
〔実施例58〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)22重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)28重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)6.2重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(58)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(58)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0300】
〔実施例59〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)20重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)30重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)6.4重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(59)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(59)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0301】
〔実施例60〕
ウレタンプレポリマーA40重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)35重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)7.1重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(60)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(60)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0302】
〔実施例61〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(61)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(61)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0303】
〔実施例62〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)0.5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(62)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(62)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0304】
〔実施例63〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)1.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(63)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(63)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0305】
〔実施例64〕
ウレタンプレポリマーA50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)2.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(64)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(64)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0306】
〔実施例65〕
ウレタンプレポリマーB70重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)20重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)10重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.9重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)2.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(65)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(65)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0307】
〔実施例66〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)25重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)5.9重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)2.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(66)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(66)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0308】
〔実施例67〕
ウレタンプレポリマーB40重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)25重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるPTGL3000(保土谷化学工業社製、Mn=3000)35重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)7.0重量部、イオン性化合物として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリ(フルオロメタンスルホニル)イミド(AS110、第一工業製薬社製)0.3重量部、フッ素系オリゴマーのメガファックF-563(DIC社製)0.3重量部、水酸基非含有の非反応性シリコーンオイルKF640(信越化学工業社製)2.0重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(67)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(67)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表5に示した。
【0309】
〔比較例1〕
ウレタンプレポリマーB100重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)2.9重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C1)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C1)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0310】
〔比較例2〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)35重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)9.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C2)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C2)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0311】
〔比較例3〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP4000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)8.6重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C3)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C3)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0312】
〔比較例4〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)20重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)10.1重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C4)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C4)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0313】
〔比較例5〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)15重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP1000(三洋化成社製、Mn=1000)5重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.9重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C5)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C5)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0314】
〔比較例6〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP600(三洋化成社製、Mn=600)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)12.7重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C6)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C6)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0315】
〔比較例7〕
ウレタンプレポリマーB50重量部、ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)30重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP3000(三洋化成社製、Mn=3000)18重量部、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるサンニックスGP400(三洋化成社製、Mn=400)2重量部、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)13.8重量部、酸化防止剤としてIrganox1010 (BASF社製)0.5重量部、および、触媒としてナーセム第2鉄(日本化学産業社製)0.03重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤溶液を得た。そして、ウレタン系粘着剤溶液を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、ウレタン系粘着剤(C7)からなる粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる剥離シート(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C7)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表6に示した。
【0316】
【表1】
【0317】
【表2】
【0318】
【表3】
【0319】
【表4】
【0320】
【表5】
【0321】
【表6】
【産業上の利用可能性】
【0322】
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な用途に用い得る。好ましくは、本発明の表面保護フィルムは、光学部材や電子部材の表面保護に好ましく用いられる。
【符号の説明】
【0323】
1 基材層
2 粘着剤層
10 表面保護フィルム
図1