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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042994
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20230320BHJP
   H02K 3/52 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K3/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150448
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 修平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 眞矢
(72)【発明者】
【氏名】今枝 雅稀
【テーマコード(参考)】
5H604
5H609
【Fターム(参考)】
5H604AA03
5H604BB08
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604CC16
5H604PC03
5H609BB01
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP09
5H609QQ01
5H609QQ08
(57)【要約】
【課題】簡潔な構成で効率良くバスバーを冷却することができる技術を提供する。
【解決手段】回転電機は、ロータと、前記ロータを囲むステータと、前記ロータと前記ステータを収容するケースと、を備える。前記ケースには、前記ステータの周方向に延びる冷媒流路が設けられている。前記冷媒流路は、前記ステータの軸方向に開口する開口部を備える。前記ステータは、少なくとも1つのコイルに電気的に接続されるバスバーであって前記ステータの周方向に延びる前記バスバーと、前記バスバーを保持する保持部材であって前記ステータの周方向に延びる樹脂製の前記保持部材と、を備える。前記保持部材は、前記冷媒流路の前記開口部を覆う状態で前記ケース内に配置され、前記開口部を封止する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、
前記ロータを囲むステータと、
前記ロータと前記ステータを収容するケースと、を備える回転電機であって、
前記ケースには、前記ステータの周方向に延びる冷媒流路が設けられており、
前記冷媒流路は、前記ステータの軸方向に開口する開口部を備えており、
前記ステータは、少なくとも1つのコイルに電気的に接続されるバスバーであって前記ステータの周方向に延びる前記バスバーと、前記バスバーを保持する保持部材であって前記ステータの周方向に延びる樹脂製の前記保持部材と、を備え、
前記保持部材は、前記冷媒流路の前記開口部を覆う状態で前記ケース内に配置されることにより前記開口部を封止する、回転電機。
【請求項2】
前記ケースに収容された前記ロータと前記ステータを覆うように前記ケースに蓋をするカバーと、
前記カバーと前記ステータの前記保持部材との間に配置された中間部材と、を更に備え、
前記カバーが前記ケースに固定されることにより前記中間部材が前記保持部材に押し当てられ、それにより前記保持部材が前記冷媒流路の前記開口部に押し当てられる、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記保持部材の前記冷媒流路側の面に凹部が設けられている、請求項1または2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている回転電機は、ロータと、ロータを囲むステータと、ステータを囲むフレームと、フレームを囲むジャケットとを備えている。フレームとジャケットにより冷媒流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-208578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の回転電機は、ステータのコイルに電気的に接続されるバスバーを備えている。しかしながら、特許文献1の構成では、バスバーを冷却することが困難である。本明細書は、簡潔な構成で効率良くバスバーを冷却することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する回転電機は、ロータと、前記ロータを囲むステータと、前記ロータと前記ステータを収容するケースと、を備える。前記ケースには、前記ステータの周方向に延びる冷媒流路が設けられている。前記冷媒流路は、前記ステータの軸方向に開口する開口部を備える。前記ステータは、少なくとも1つのコイルに電気的に接続されるバスバーであって前記ステータの周方向に延びる前記バスバーと、前記バスバーを保持する保持部材であって前記ステータの周方向に延びる樹脂製の前記保持部材と、を備える。前記保持部材は、前記冷媒流路の前記開口部を覆う状態で前記ケース内に配置されることにより前記開口部を封止する。
【0006】
この構成によれば、保持部材が冷媒流路の開口部を封止するので、冷媒流路を流れる冷媒により保持部材を介してバスバーを冷却することができる。簡潔な構成で効率良くバスバーを冷却することができる。
【0007】
回転電機は、前記ケースに収容された前記ロータと前記ステータを覆うように前記ケースに蓋をするカバーと、前記カバーと前記ステータの前記保持部材との間に配置された中間部材と、を更に備えていてもよい。前記カバーが前記ケースに固定されることにより前記中間部材が前記保持部材に押し当てられ、それにより前記保持部材が前記冷媒流路の前記開口部に押し当てられてもよい。
【0008】
この構成によれば、冷媒流路から冷媒が漏洩することを抑制することができる。
【0009】
前記保持部材の前記冷媒流路側の面に凹部が設けられていてもよい。
【0010】
この構成によれば、保持部材を介してバスバーを効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例の回転電機を模式的に示す斜視図。
図2】実施例の回転電機のカバーを取り外した状態を模式的に示す斜視図。
図3】実施例の回転電機のカバーを取り外した状態を模式的に示す上面図。
図4】実施例の回転電機の一部を模式的に示す斜視図。
図5】実施例の回転電機の一部を模式的に示す上面図。
図6図4のVI-VI断面図。
図7図6の部分VIIの拡大図。
図8】実施例のカバーを模式的に示す裏面図。
図9】実施例の中間部材を模式的に示す斜視図。
図10図7の変形例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例の回転電機2について図面を参照して説明する。図1は、実施例の回転電機2を模式的に示す斜視図である。図2は、回転電機2のカバー70を取り外した状態を模式的に示す斜視図である。図3は、回転電機2のカバー70を取り外した状態を模式的に示す上面図である。図4は、回転電機2の一部を模式的に示す斜視図である。図5は、回転電機2の一部を模式的に示す上面図である。図6は、図4のVI-VI断面図である。図1から図6に示すように、回転電機2は、ロータ14と、ロータ14を囲むステータ12と、ロータ14とステータ12を収容するケース50と、ケース50に蓋をするカバー70とを備えている。また、回転電機2は、カバー70とステータ12の間に配置されている複数の中間部材90を備えている。
【0013】
回転電機2は、モータおよび/または発電機として機能する。回転電機2のロータ14がステータ12に対して回転する。以下では、回転電機2、ロータ14およびステータ12の軸方向を図に示すZ軸方向として説明する。
【0014】
まず、ケース50の構成について説明する。ケース50は、金属から構成されており、底部52と、本体部54と、周縁部56とを備えている。また、ケース50は、回転電機2の軸方向に開口する開口部55を備えている。ケース50の開口部55は、カバー70により閉塞される。
【0015】
ケース50の底部52は、回転電機2の軸方向においてロータ14とステータ12を覆っている。ケース50の本体部54は、ステータ12を囲むようにステータ12の周囲に配置されている。本体部54は、ステータ12の周方向に延びている。
【0016】
図6に示すように、ケース50の本体部54には、ステータ12を冷却するための冷媒流路51が設けられている。冷媒流路51は、ステータ12を囲むようにステータ12の周囲に配置されている。冷媒流路51は、ステータ12の周方向に延びている。ケース50の外部から供給される冷媒が冷媒流路51を一巡するように流れる。冷媒流路51を流れる冷媒によりステータ12が冷却される。
【0017】
また、図7に示すように、冷媒流路51は、ステータ12の軸方向に開口する開口部80を備えている。開口部80は、後述する保持部材60により封止されている。開口部80は、ステータ12の周方向に延びている。
【0018】
図1から図6に示すように、ケース50の周縁部56は、ステータ12を囲むようにステータ12の周囲に配置されている。周縁部56は、ステータ12の周方向に延びている。周縁部56には複数のボルト孔58が設けられている。複数のボルト孔58には、それぞれ、締結用のボルト(図示省略)が挿入される。ボルト孔58に挿入されるボルトによりケース50とカバー70が締結される。複数のボルト孔58は、ステータ12の周方向に沿って並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。
【0019】
次に、ステータ12の構成について説明する。ステータ12は、ロータ14の周囲に配置されている。ステータ12は、コア30と、コア30に集中巻で巻き回されている複数のコイル20(複数のU相コイル20u、複数のV相コイル20v、複数のW相コイル20w)とを備えている。また、ステータ12は、複数のバスバー40(中性バスバー40n、U相バスバー40u、V相バスバー40v、W相バスバー40w)と、複数のバスバー40を保持する保持部材60とを備えている。
【0020】
ステータ12のコア30は、磁性体から略円筒状に構成されている。コア30の周縁部には、中間部材90を位置決めするための位置決め部材100が固定されている(図4,5参照)。位置決め部材100は、絶縁性及び弾性を有する樹脂(例えば、ゴム)から構成されている。位置決め部材100には、位置決め用の孔部102が設けられている。
【0021】
コア30は、複数のティース32を備えている。複数のティース32は、コア30の周方向に並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。複数のティース32には、それぞれコイル20(20u、20v、20w)が巻き回されている。複数のコイル20(20u、20v、20w)は、ステータ12の周方向に並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。
【0022】
複数のコイル20(20u、20v、20w)のうち、U相コイル20uは、U相バスバー40uに電気的に接続されている。同様に、V相コイル20vは、V相バスバー40vに電気的に接続されており、W相コイル20wは、W相バスバー40wに電気的に接続されている。以下では、複数のコイル20(20u、20v、20w)のうち、代表で1個のV相コイル20vの構成について説明する。U相コイル20uとW相コイル20wについては、V相コイル20vと同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0023】
1個のV相コイル20vは、1本の導線22が巻き回されることにより構成されている。導線22は、例えば、丸線または平角線である。導線22は、例えば、集中巻きやアルファ巻きで巻き回されている。V相コイル20vの導線22は、巻線部24vと、巻線部24vから突出する一対の端末部26v、26nとを備えている。巻線部24vは、コア30のティース32の周囲に巻き回されている。巻線部24vは、ティース32を覆うように配置されている。
【0024】
一対の端末部26v、26nは、それぞれ、ステータ12の軸方向(Z方向)に延び、屈曲して、ステータ12の径方向の外側に向けて延びている。一対の端末部26v、26nは、それぞれ、バスバー40の端子部44に向けて延びている。導線22の一方の端末部26vは、V相バスバー40vの端子部44vに接続され、導線22の他方の端末部26nは、中性バスバー40nの端子部44nに接続される。
【0025】
次に、バスバー40の構成について説明する。複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)は、複数のコイル20(20u、20v、20w)を囲むように複数のコイル20の周囲に配置されている。複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)のうち、中性バスバー40nは、U相コイル20u、V相コイル20v、および、W相コイル20wのそれぞれに電気的に接続されている。また、中性バスバー40nは、基準電位に接地されている。中性バスバー40nは、基準電位に電気的に接続される接地部48nを備えていてもよい(図3参照)。接地部48nは、例えば、中性バスバー40nの本体部42nからステータ12の径方向の外側に突出している。
【0026】
複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)のうち、U相バスバー40uは、U相コイル20uに電気的に接続されている。V相バスバー40vは、V相コイル20vに電気的に接続されている。W相バスバー40wは、W相コイル20wに電気的に接続されている。また、U相バスバー40u、V相バスバー40v、および、W相バスバー40wは、それぞれ、三相交流を生成するインバータを介して電源に電気的に接続されている。U、V、W相のバスバー40u、40v、40wは、それぞれ、電源に電気的に接続される電源部48u、48v、48wを備えていてもよい(図3参照)。電源部48u、48v、48wは、それぞれ、例えば、U、V、W相のバスバー40u、40v、40wの本体部42u、42v、42wからステータ12の径方向の外側に突出している。
【0027】
回転電機2では、複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)を介して複数のコイル20(20u、20v、20w)に三相交流の電力が供給される。以下では、複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)のうち、代表で中性バスバー40nの構成について説明する。U相バスバー40u、V相バスバー40v、W相バスバー40wについては、中性バスバー40nと同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0028】
中性バスバー40nは、導電体から略円環状に構成されている。中性バスバー40nは、本体部42nと、本体部42nから突出する複数の端子部44nとを備えている。本体部42nは、ステータ12の径方向において複数のコイル20よりも外側に配置されている。本体部42nは、ステータ12の周方向に延びている。本体部42nは、ステータ12の軸方向から視た状態で略円形状に構成されている。複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)の本体部42(42n、42u、42v、42w)が、ステータ12の径方向に並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。
【0029】
中性バスバー40nの各端子部44nは、本体部42nと一体的に構成されている。端子部44nの基端部が本体部42nに接続されている。端子部44nは、本体部42nからステータ12の軸方向に突出している。端子部44nの先端部にコイル20(例えば、V相コイル20v)の導線22の端末部26nが接続されている。導線22の端末部26nは、例えば、溶接等の接合方法により端子部44nに接続される。
【0030】
次に、保持部材60の構成について説明する。保持部材60は、絶縁性及び弾性を有する樹脂(例えば、ゴム)から構成されている。保持部材60は、複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)を保持している。保持部材60は、ステータ12の周方向に延びており、ステータ12の軸方向から視た状態で略円形状に構成されている。保持部材60は、複数のコイル20(20u、20v、20w)を囲むように複数のコイル20の周囲に配置されている。
【0031】
保持部材60には、複数のバスバー40を保持するための複数の収容凹部66(中性収容凹部66n、U相収容凹部66u、V相収容凹部66v、W相収容凹部66w)が設けられている。複数の収容凹部66は、それぞれ、ステータ12の周方向に延びており、ステータ12の軸方向から視た状態で略円形状に構成されている。複数の収容凹部66は、それぞれ、ステータ12の軸方向に開口している(ステータ12の軸方向に凹んでいる)。複数の収容凹部66(66n、66u、66v、66w)には、それぞれ、複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)の本体部42(42n、42u、42v、42w)が収容されている。
【0032】
図6及び図7に示すように、ステータ12がケース50内に収容されている状態では、保持部材60が、ケース50に設けられている冷媒流路51の開口部80を封止する。保持部材60は、開口部80を閉塞するようにケース50内に配置されている。保持部材60が開口部80を覆っている。この状態で冷媒が冷媒流路51を流れることにより、複数のコイル20(20u、20v、20w)と複数のバスバー40(40n、40u、40v、40w)とが冷却される。
【0033】
次に、カバー70の構成について説明する。カバー70は、金属から構成されており、ケース50の開口部55を覆っている。即ち、カバー70は、ケース50内に配置されているロータ14とステータ12を覆っている。
【0034】
図8は、実施例のカバー70を模式的に示す裏面図である。図8に示すように、カバー70は、本体部71と、本体部71を囲むように本体部71の周囲に設けられている周縁部72とを備えている。周縁部72には複数のボルト孔78が設けられている。複数のボルト孔78には、それぞれ、締結用のボルト(図示省略)が挿入される。ボルト孔78に挿入されるボルトによりケース50とカバー70が締結される(図1参照)。複数のボルト孔78は、ステータ12の周方向に沿って並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。
【0035】
カバー70の本体部71の裏面(ケース50側の面)には、複数の凸部74が設けられている。カバー70がケース50に締結されている状態では、複数の凸部74がケース50側に突出する。複数の凸部74は、カバー70とステータ12の間に配置されている複数の中間部材90に向けて突出する。カバー70がケース50に締結されている状態では、複数の凸部74は、それぞれ、複数の中間部材90に押し当てられる。凸部74が中間部材90をステータ12側に押圧する。
【0036】
中間部材90は、絶縁性及び弾性を有する樹脂(例えば、ゴム)から構成されている。複数の中間部材90は、ステータ12の周方向に沿って並んでおり、互いに間隔をあけて配置されている。図9に示すように、中間部材90は、本体部92と、本体部92から突出する位置決め用の凸部94とを備えている。本体部92は、ケース50内に配置されている状態でステータ12の径方向に延びている(図4参照)。カバー70がケース50に締結されている状態では、中間部材90の本体部92が保持部材60に押し付けられる。これにより、保持部材60の底部64が冷媒流路51の開口部80に押し当てられる。
【0037】
中間部材90の凸部94は、本体部92の先端部に設けられている(図9参照)。凸部94は、ステータ12の径方向の内側の先端部に設けられている。凸部94は、ステータ12の軸方向に突出している。凸部94は、中間部材90がカバー70と保持部材60の間に配置されている状態でステータ12側に突出している。凸部94は、位置決め部材100の孔部102(図5参照)に挿入される。これにより、中間部材90が位置決めされる。
【0038】
(効果)
以上、実施例の回転電機2について説明した。以上の説明から明らかなように、上記の回転電機2では、ロータ14とステータ12を収容するケース50に冷媒流路51が設けられている。冷媒流路51は、ステータ12の軸方向に開口する開口部80を備えている。ステータ12は、バスバー40(40n、40u、40v、40w)を保持する樹脂製の保持部材60を備えている。保持部材60は、冷媒流路51の開口部80を覆う状態でケース50内に配置されることにより開口部80を封止する。
【0039】
この構成によれば、保持部材60が冷媒流路51の開口部80を封止するので、冷媒流路51を流れる冷媒により、保持部材60を介してバスバー40(40n、40u、40v、40w)を冷却することができる。簡潔な構成で効率良くバスバー40(40n、40u、40v、40w)を冷却することができる。
【0040】
回転電機2は、ロータ14とステータ12を覆うようにケース50に蓋をするカバー70と、カバー70とステータ12の保持部材60との間に配置された中間部材90とを備えている。カバー70がケース50に固定されることにより中間部材90が保持部材60に押し当てられ、それにより保持部材60が冷媒流路51の開口部80に押し当てられる。この構成によれば、冷媒流路51から冷媒が漏洩することを抑制することができる。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0042】
(変形例)
図10に示すように、保持部材60の底部64の裏面(冷媒流路51側の面)には、複数の冷却凹部65が設けられていてもよい。複数の冷却凹部65は、ステータ12の軸方向に開口している(ステータ12の軸方向に凹んでいる)。各冷却凹部65は、ステータ12の周方向に延びており、ステータ12の軸方向から視た状態で略円形状に構成されている。複数の冷却凹部65は、冷媒流路51の開口部80と向かい合っている。この構成によれば、冷却凹部65に冷媒が入ることにより、保持部材60を介してバスバー40(40n、40u、40v、40w)を効率良く冷却することができる。
【0043】
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0044】
2:回転電機、12:ステータ、14:ロータ、20:コイル、22:導線、30:コア、32:ティース、40:バスバー、42:本体部、44:端子部、50:ケース、51:冷媒流路、55:開口部、60:保持部材、65:冷却凹部、70:カバー、80:開口部、90:中間部材、100:位置決め部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10