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  • 特開-睫毛成形具 図1
  • 特開-睫毛成形具 図2
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  • 特開-睫毛成形具 図5
  • 特開-睫毛成形具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004302
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】睫毛成形具
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/48 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A45D2/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105904
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】521280855
【氏名又は名称】有限会社C.T.produce
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100176326
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 美穂
(72)【発明者】
【氏名】山本 千裕
(57)【要約】
【課題】糊等の接着剤を用いることなく瞼の表面に粘着可能で、皮膚へ負担をかけずに簡単に剥がすことができ、繰り返し何度も粘着可能な睫毛成形具を提供することである。
【解決手段】 瞼にセットして睫毛の成形に用いる睫毛成形具(1)は、シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作されている。
天然鉱石のパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%であり、睫毛成形具(1)は睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面(2a)を有するロッド部(2)と、このロッド部(2)の第1湾曲面(2a)に滑らかに連なる第2湾曲面(3a)を有するパッド部(3)とを一体的に形成してある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞼にセットして睫毛の成形に用いる睫毛成形具において、
シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作したことを特徴とする睫毛成形具。
【請求項2】
前記天然鉱石のパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の睫毛成形具。
【請求項3】
睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面を有するロッド部と、このロッド部の第1湾曲面に滑らかに連なる第2湾曲面を有するパッド部とを一体的に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の睫毛成形具。
【請求項4】
前記ロッド部は、その長さ方向中央部分が最大厚を有すると共に、長さ方向の両端に向って厚さが漸減することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の睫毛成形具。
【請求項5】
前記パッド部の長さ方向と直交する方向の幅は長さ方向中央部分が最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減することを特徴とする請求項4に記載の睫毛成形具。
【請求項6】
前記天然鉱石のパウダーは、シリカのパウダーであることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の睫毛成形具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は睫毛の成形に用いる睫毛成形具に関し、特にシリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作したもの関する。
【背景技術】
【0002】
睫毛の成形に用いる睫毛成形具として、種々の形状、構造のものが実用に供されている。
特許文献1に記載の睫毛成形用ロッドは、断面が半円状のロッド本体と、このロッド本体に対して段付き状に薄肉に形成された固定部とを有している。この睫毛成形用ロッドは、弾性を有する素材、例えば、軟質樹脂、シリコンゴム等で製作される。睫毛成形時には、ロッド本体と固定部が瞼の表面に糊等の接着剤により接着され、睫毛はロッド本体の表面に接着剤等により接着される。
【0003】
特許文献2に記載の睫毛パーマ用ロッド部材は、板状の基部と、この基部の一端に形成れる断面半円状のロッド部とを有し、基部とロッド部の境界部は段付き状になっている。この睫毛パーマ用ロッド部材は、軟質樹脂製であり、睫毛にパーマを形成する際には、接着剤(両面テープや糊等)により瞼に接着固定して行う。このとき基部とロッド部の表面にも接着剤(両面テープや糊等)を塗って睫毛を成形して固定する。
【0004】
特許文献3に記載の睫毛成形具は、ロッド本体と、このロッド本体の上面の幅方向に形成され且つ睫毛を配列する複数の配列溝と、ロッド本体から幅方向へ延設された固定部と、固定部の一端に沿うように形成された突起部と、固定部に形成された開口部とを有する。この睫毛成形具も、軟質樹脂、シリコンゴム等で製作され、使用時には糊等の接着剤により瞼の表面に接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4611088号公報
【特許文献2】特開2002-58523号公報
【特許文献3】特許第3856452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の睫毛成形具は、使用時には糊等の接着剤により瞼の表面に接着した状態で、睫毛の成形を行い、睫毛の成形が終了した時は、糊等による接着を剥がす必要があるが、この作業には時間がかかる上、目元の皮膚は薄くデリケートであるため、顧客の皮膚へのダメージや負担が大きかった。さらに、睫毛成形具を瞼の表面から剥がしてから、睫毛成形具の糊等を中性洗剤や水で洗浄し、乾燥させなければならなかったため、手間がかかり面倒であった。
【0007】
しかも、睫毛成形具を瞼の表面の所定位置に整然と接着するには、スキルが必要であり、そのスキルの習得に相当の時間がかかっていた。例えば、瞼に接着する位置や傾きが微妙にズレている場合には接着を剥がし、再度接着することが必要であった。
しかも、従来の睫毛成形具は、シリコンゴム・ラテックスゴム等の硬質合成樹脂で製作されるため、瞼やその周辺の皮膚をリフトアップする効能はない。
【0008】
本発明の目的は、糊等の接着剤を用いることなく瞼の表面に粘着可能で、皮膚への負担をかけずに簡単に剥がすことができ、繰り返し何度も粘着可能な睫毛成形具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の睫毛成形具は、 瞼にセットして睫毛の成形に用いる睫毛成形具において、 シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作したことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、シリコーンゲルが超軟質のウレタン樹脂であって、粘着性を有するため、この睫毛成形具は、糊等で接着しなくとも瞼の表面に粘着(接着)させることができ、使用後は清浄に保持する限り、何回でも瞼の表面に粘着させることができる。
しかも、一旦瞼に粘着させた後であっても、この睫毛成形具の位置や傾きを微修正する必要が生じた際、簡単かつ短時間に顧客の皮膚へ負担をかけずに剥がすことができるため、スキルがなくとも、顧客が所望する睫毛の成形を行うことができる。
【0011】
しかも、この睫毛成形具は、シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作しているため、睫毛成形中に天然鉱石のリフトアップ機能が働いて瞼やその周辺の皮膚や睫毛自体がリフトアップされて優れた美容効果も得られる。
【0012】
請求項2の睫毛成形具は、請求項1の発明において、前記天然鉱石のパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%であることを特徴としている。
上記の構成によれば、天然鉱石のパウダーの添加量が1.0重量%超の場合は睫毛成形具の瞼の表面への粘着性が若干低下するし、上記添加量が0.1重量%未満の場合は天然鉱石のリフトアップ機能が期待できなくなる。
【0013】
請求項3の睫毛成形具は、請求項1又は2の発明において、睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面を有するロッド部と、このロッド部の第1湾曲面に滑らかに連なる第2湾曲面を有するパッド部とを一体的に形成したことを特徴としている。
尚、上記の部分円筒状とは概ね部分円筒形であることを意味する。
【0014】
上記の構成によれば、睫毛の成形の際、睫毛を第1湾曲面に押し当てて成形することにより、睫毛をほぼ円弧形にきれい生成することができる。また、ロッド部の第1湾曲面にパッド部の第2湾曲面が滑らかに連なっているため、仮に睫毛の先端が第1湾曲面からはみ出して第2湾曲面に達するような場合にも、睫毛が縮れるのを防止し、綺麗にカールした睫毛パーマを形成することができる。
【0015】
請求項4の睫毛成形具は、請求項1~3の何れか1項の発明において、前記ロッド部は、その長さ方向中央部分が最大厚を有すると共に、長さ方向の両端に向って厚さが漸減することを特徴としている。
上記の構成によれば、睫毛の長さが目の左右方向中央部から両端に向って短くなる傾向があるのに対応するように、ロッド部の厚さが設定されている。
【0016】
請求項5の睫毛成形具は、請求項4の発明において、前記パッド部の長さ方向と直交する方向の幅は長さ方向中央部分が最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減することを特徴としている。
上記の構成によれば、瞼の幅が長さ方向中央部分において最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減するのに対応するように、前記パッド部の幅が設定されている。
【0017】
請求項6の睫毛成形具は、請求項1~5の何れか1項の発明において、前記天然鉱石のパウダーは、シリカのパウダーであることを特徴としている。
上記構成によれば、睫毛成形具にはシリカのパウダーが添加して練り込まれているので、睫毛形成具が直接密着する瞼や睫毛自体のリフトアップ機能が働いて優れた美容効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1に係る睫毛成形具の正面図である。
図2図1の矢印IIの方向から視した底面図である。
図3図1のIII-III線断面図である。
図4】睫毛成形具により睫毛を成形する状態を示す図3相当図である。
図5】実施例2の睫毛成形具の正面図である。
図6図5のVI-VI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の睫毛成形具を実施するための形態について、実施例に基づいて説明する。
【実施例0020】
実施例1の睫毛成形具1について図1図4に基づいて説明する。
図示の睫毛成形具1は、左目の上瞼用のもので、図1は正面図であり、図2図1の矢印IIの方向から視た底面図であり、図3図1のIII-III線断面図である。尚、図1の鎖線Rは、図4のピーク点Pに相当する点を連ねた稜線を示す。
【0021】
この睫毛成形具1は、瞼にセットして睫毛の成形に用いる睫毛成形具である。この睫毛成形具1は、シリコーンゲルにシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作されている。シリカのパウダーの添加量は、1.0~0.1重量%である。
【0022】
この睫毛成形具1は、睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面2aを有するロッド部2と、このロッド部2の第1湾曲面2aに滑らかに連なる第2湾曲面3aを有するパッド部3とを一体的に形成してある。パッド部3の厚さは上方に向って漸減していく。
【0023】
睫毛成形具1の裏面4は瞼に粘着する面であり、略平面状に形成されている。
ロッド部2は、その長さ方向中央部分が最大厚(例えば、4mm)を有すると共に、長さ方向の両端に向って厚さが漸減していく。また、睫毛成形具1の下端から稜線Rまでの幅は、例えば約45mmである。
【0024】
パッド部3の長さ方向と直交する上下方向の幅は長さ方向中央部分が最大幅(例えば、10mm)を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減していく。尚、睫毛成形具1の左右方向の全長は、例えば43~45mmである。
【0025】
睫毛成形具1の下端はほぼ直線状に形成され、睫毛成形具1の上端は上方へ凸の湾曲線をなし、図1における左端部及び右端部は正面視にて略半円状であり、睫毛成形具1は左右対称に形成される。このため、左右どちらの睫毛の成形にも適している。
【0026】
次に、以上説明した睫毛成形具1の作用、効果について説明する。
シリコーンゲルが超軟質のウレタン樹脂であって粘着性を有するため、この睫毛成形具1は、糊等で接着しなくとも瞼の表面に粘着により貼り付けることができ、使用後は水や中性洗剤で洗浄して清浄に保持する限り、何回でも瞼の表面に粘着させることができる。
しかも、一旦瞼に粘着させた後においても、この睫毛成形具1の位置や傾きを微修正する必要が生じた際は、簡単かつ短時間に顧客の皮膚へ負担をかけずに剥がすことができるため、睫毛成形の熟練したスキルがなくとも、睫毛の成形を行うことができる。
【0027】
しかも、この睫毛成形具1は、シリコーンゲルにシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料を用いて製作しているため、睫毛成形中にシリカのリフトアップ機能が働いて瞼やその周辺の皮膚がリフトアップされて優れた美容効果も得られる。
【0028】
シリカのパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%であるが、シリカのパウダーの添加量が1.0重量%超の場合は睫毛成形具1の瞼の表面への粘着性が若干低下するし、上記添加量が0.1重量%未満の場合はシリカのリフトアップ機能が期待できなくなる。
【0029】
睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面2aを有するロッド部2と、このロッド部2の第1湾曲面2aに滑らかに連なる第2湾曲面3aを有するパッド部3とを一体的に形成し、ロッド部2の第1湾曲面2aにパッド部3の第2湾曲面3aが滑らかに連なっているため、仮に睫毛の先端が第1湾曲面2aからはみ出して第2湾曲面3aに達するような場合にも、睫毛が縮れるのを防止し、綺麗にカールした睫毛パーマを形成することができる。
【0030】
ロッド部2は、その長さ方向中央部分が最大厚を有すると共に、長さ方向の両端に向って厚さが漸減していく。睫毛の長さが目の左右方向中央部から両端に向って短くなる傾向があることに対応するように、ロッド部2の厚さが設定されている。また、顧客の目のサイズに応じてこの睫毛成形具1の両端付近を切断して用いることが可能であるため、この睫毛成形具1は左右両方の睫毛の施術に適用することができる。
【0031】
パッド部3の長さ方向と直交する方向の幅は長さ方向中央部分が最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減していく。瞼の幅が長さ方向中央部分において最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減することに対応するように、パッド部3の幅が設定されている。
尚、図4は、睫毛成形具1により睫毛を成形する際に、睫毛成形具1の第1湾曲面2aの表面に沿って成形される睫毛5の状態を示すものである。
【実施例0032】
実施例2の睫毛成形具1Aについて図5図6に基づいて説明する。但し、実施例1と同様の構成要素については同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
この睫毛成形具1Aは、睫毛の成形に供する部分円筒状の第1湾曲面2bを有するロッド部2Aと、このロッド部2Aの第1湾曲面2bに滑らかに連なる第2湾曲面3bを有するパッド部3Aとを一体的に形成したものである。この睫毛成形具1Aを製作する材料については、実施例1と同様である。
【0033】
この睫毛成形具1Aの裏面4Aは略平面状に形成されており、ロッド部2Aは、その長さ方向中央部分が最大厚を有すると共に、長さ方向の両端に向って厚さが漸減する。パッド部3Aの長さ方向と直交する方向の幅は長さ方向中央部分が最大幅を有すると共に、長さ方向の両端に向って幅が漸減する。
【0034】
この睫毛成形具1Aにおいては、ロッド部2Aの上下幅が前記睫毛成形具1よりも小さく形成されており、睫毛成形具1Aの下端から稜線Rまでの幅は例えば約2.5mmである。そのため、第1湾曲面2bの勾配が睫毛成形具1の第1湾曲面2aの勾配よりも急になっており、成形後の睫毛は、上向きに強めにカールされる。
その他、実施例1の睫毛成形具1と同様の作用、効果を奏する。
【0035】
尚、以上説明した実施の形態は、前記の形状や厚さや幅等のサイズを含めて、一例を示すものに過ぎず、当業者ならば前記実施形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそのような変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0036】
1,1A 睫毛成形具
2,2A ロッド部
2a,2b 第1湾曲面
3,3A パッド部
3a,3b 第2湾曲面
5 睫毛
図1
図2
図3
図4
図5
図6