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  • 特開-クロム低減焼却灰の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043030
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】クロム低減焼却灰の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
B09B5/00 N ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150505
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 智典
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 洸
(72)【発明者】
【氏名】武藤 恭宗
(72)【発明者】
【氏名】杉澤 建
(72)【発明者】
【氏名】石田 泰之
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AB03
4D004BA02
4D004CA08
4D004CA09
4D004DA03
4D004DA20
(57)【要約】
【課題】クロム含量が低減された焼却灰の製造方法を提供すること。
【解決手段】焼却灰を篩選別及び磁力選別に供する工程を含む、クロム低減焼却灰の製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却灰を篩選別及び磁力選別に供する工程を含む、クロム低減焼却灰の製造方法。
【請求項2】
焼却灰を第1の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第1の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、篩下と非磁着物とを回収する、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1の篩選別に使用する篩の篩目が、5mm以上である、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1の磁力選別の表面磁束密度が、1000G以上である、請求項2又は3記載の製造方法。
【請求項5】
前記非磁着物を第2の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、非磁着物を回収する、請求項2~4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2の磁力選別の表面磁束密度が、第1の磁力選別の表面磁束密度よりも高い、請求項5記載の製造方法。
【請求項7】
前記篩下を第2の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第3の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、篩下と非磁着物とを回収する、請求項2~6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第3の磁力選別の表面磁束密度が、1000G以上である、請求項7記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロム低減焼却灰の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セメント工場では、廃棄物の焼却処理に伴って排出される焼却灰をセメント原料として再利用している。しかし、焼却灰にはクロムや重金属等のセメント忌避成分が含まれているため、セメント忌避成分の濃度が高い場合には、焼却灰の使用量を減らさざるを得ず、セメント原料としての利用が事実上制限されてしまう。
【0003】
そこで、焼却灰をセメント原料として利用する前にセメント忌避成分を分離する技術が検討されてきた。例えば、焼却主灰を磁力選別により磁性体と非磁性体とに分離し、非磁性体をセメント焼成装置においてクロム含量を低減させたセメント原料として用いることが提案されている(特許文献1)。また、一定の粒径に分級された粒子群からなる焼却灰を乾式比重選別機によって比重選別し、鉛含有量を低減させた軽量灰を回収する方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-137224号公報
【特許文献2】特開2017-140556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの検討により、焼却灰を湿潤状態のまま物理選別によってクロム等の金属を除去する場合、次の課題が存在することが判明した。焼却灰に衝撃や振動を加えると、金属が灰に覆われているか又は灰と隣接しているため、粒子表面の水分及び粒子内部の水分の粒子表面への滲み出しにより、粒子が他の粒子と一体化して団粒化しやすくなる。その結果、選別機や搬送系にて灰が付着、閉塞、居着くことで正常な運転ができず、安定的かつ効率的に金属を回収することが困難となる。また、金属を回収できたとしても、金属に灰が多く付着しているため、金属としての価値が低下してしまう。
本発明の課題は、クロム含量が低減された焼却灰の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、焼却灰のクロムの由来について詳細に検討したところ、特殊鋼、とりわけステンレス鋼が主体であり、焼却灰の中で粒度の大きな粗粒群に多く含まれていることを見出した。そして、物理選別の中でも、篩選別と磁力選別とを組み合わせて焼却灰を処理し、クロムが濃縮している粗粒群と、クロムが低減された細粒群とに分離してクロムが低減された細粒群を回収することで、クロム含量が低減された焼却灰を製造できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔8〕を提供するものである。
〔1〕焼却灰を篩選別及び磁力選別に供する工程を含む、クロム低減焼却灰の製造方法。
〔2〕焼却灰を第1の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第1の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、篩下と非磁着物とを回収する、前記〔1〕記載の製造方法。
〔3〕前記第1の篩選別に使用する篩の篩目が、5mm以上である、前記〔2〕記載の製造方法。
〔4〕前記第1の磁力選別の表面磁束密度が、1000G以上である、前記〔2〕又は〔3〕記載の製造方法。
〔5〕前記非磁着物を第2の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、非磁着物を回収する、前記〔2〕~〔4〕のいずれか一に記載の製造方法。
〔6〕前記第2の磁力選別の表面磁束密度が、第1の磁力選別の表面磁束密度よりも高い、前記〔5〕記載の製造方法。
〔7〕前記篩下を第2の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第3の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、篩下と非磁着物とを回収する、前記〔2〕~〔6〕のいずれか一に記載の製造方法。
〔8〕前記第3の磁力選別の表面磁束密度が、1000G以上である、前記〔7〕記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クロム含量が低減された焼却灰を簡便な操作で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のクロム低減焼却灰の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のクロム低減焼却灰の製造方法は、焼却灰を篩選別及び磁力選別に供する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、篩選別と磁力選別は、任意の順序で行うことが可能であり、適宜選択することが可能であるが、クロム低減の観点から、篩選別した後、磁力選別することが好ましい。また、篩選別及び磁力選別は、それぞれ2回以上行っても構わない。
【0011】
以下、本発明のクロム低減焼却灰の製造方法の好適な実施形態を詳細に説明する。本発明の製造方法の好適な実施形態のフローチャートを図1に示す。
【0012】
〔第1実施形態〕
本実施形態に係るクロム低減焼却灰の製造方法は、図1の上段に示すように、焼却灰を第1の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第1の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、篩下と非磁着物とを回収するものである。すなわち、本実施形態に係る製造方法は、焼却灰を第1の篩選別に供して、クロムが濃縮された粗粒群である篩上と、クロムが低減された細粒群である篩下とに分離し、次いでクロムが濃縮された篩上を磁力選別に供することで、特殊鋼、とりわけステンレス鋼を主体とする磁着物と、クロムが低減された非磁着物とに分離するものである。そして、第1の篩選別の篩下及び非磁着物は、いずれもクロムが低減されているため、これらを回収してセメント原料として使用することで、セメント製造工程に持ち込まれるクロム量を低減することができる。なお、磁着物は、灰の付着が少ないため、鉄スクラップとして再利用することができる。
【0013】
(焼却灰)
焼却灰としては、都市ゴミ、産業廃棄物、下水汚泥等を焼却炉で焼却した際に炉底に溜まる焼却主灰(ボトムアッシュ)が好適に使用される。より具体的には、例えば、汚泥、廃プラスチック、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず、鉱さい、がれき類等の産業廃棄物の他、廃自動車や廃家電製品の破砕によって発生するシュレッダーダスト、一般廃棄物等を焼却して得られる焼却主灰を使用することができる。なお、焼却主灰には焼却した際の排ガス中の煤塵である焼却飛灰(フライアッシュ)が含まれていてもよい。
【0014】
焼却灰は、水冷処理や発塵防止のための散水によって水分を含んでいるが、そのまま使用することができる。
焼却灰の水分含量は通常15~35質量%であり、大きさは通常40mm未満である。
【0015】
(第1の篩選別)
篩選別は、公知の篩選別機を用いることができる。篩選別機としては、例えば、振動式、面内運動式、回転式、固定式のいずれでもよい。中でも、金属に付着している灰を篩い落とす観点を踏まえると、振動式、回転式が好ましい。
【0016】
篩目の種類としては、例えば、金属製又は非金属製の織網、打ち抜き網、溶接網、ウェッジワイヤースクリーン、櫛歯が挙げられ、いずれでもよい。中でも、打ち抜き網、櫛歯が好ましい。
【0017】
篩目は、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が更に好ましい。篩目を5mm以上とすることで、クロムが濃縮された粗粒群を効果的に分離することができる。また、篩目の閉塞が抑制され、篩選別の処理効率を高めることができる。なお、篩目が粗すぎるとクロム低減効果が低下するため、30mm以下とすることが好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下が更に好ましい。
【0018】
(第1の磁力選別)
磁力選別は、公知の磁力選別機を用いることができる。磁力選別機としては、例えば、ドラム式、プーリー式及び吊下げ式のいずれでもよく、特に限定されない。
磁力選別では、例えば、内側に永久磁石が配置されたドラム上に、篩選別された篩上を供給し、篩上に含まれる磁着物がドラム表面に吸着され、ドラムの回転により運ばれ、磁着物排出口から排出される。他方、篩上に含まれる非磁着物は、ドラムの回転によりドラム表面より離反・落下し、非磁着物排出口から排出される。
磁力選別機の表面磁束密度は、磁着物回収の観点から、1000ガウス以上が好ましく、また回収される磁着物への灰粒子の混入防止の観点から、10000ガウス以下が好ましい。
【0019】
〔第2実施形態〕
本実施形態に係るクロム低減焼却灰の製造方法は、図1の中段に示すように、第1の磁力選別により分離した非磁着物を、第2の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、非磁着物を回収するものである。このように磁力選別を2回行うことで、磁着物にクロムが更に濃縮されるため、クロムがより一層低減された非磁着物を回収することができる。なお、本実施形態に係る製造方法は、第1実施形態に係る製造方法を包含するものであり、第1の篩選別の篩下と、第2の磁力選別の非磁着物とをセメント原料として回収する。他方、第1の磁力選別及び第2の磁力選別の磁着物を鉄スクラップとして再利用する。
【0020】
(第2の磁力選別)
第2の磁力選別は、公知の磁力選別機を用いることが可能であり、磁力選別機の具体例は、上記において説明したとおりである。
第2の磁力選別の表面磁束密度は、クロム低減の観点から、第1の磁力選別の表面磁束密度よりも高いことが好ましく、3倍以上高いことがより好ましく、5倍以上高いことが更に好ましい。例えば、第1の磁力選別の表面磁束密度を1000~3000ガウスとした場合、第2の磁力選別の表面磁束密度は5000~10000ガウスが好ましい。
【0021】
なお、第1の篩選別及び第1の磁力選別の具体的構成は、第1実施形態において説明したとおりである。
【0022】
〔第3実施形態〕
本実施形態に係るクロム低減焼却灰の製造方法は、図1の下段に示すように、第1の篩選別の篩下を、第2の篩選別に供して篩上と篩下とに分離し、次いで篩上を第3の磁力選別に供して磁着物と非磁着物とに分離し、非磁着物とを回収するものである。これにより、クロムがより一層低減された第2の篩選別の篩下と非磁着物を回収することができる。なお、本実施形態に係る製造方法は、第1実施形態に係る製造方法を包含するものであり、第1の磁力選別の非磁着物と、第2の篩選別の篩下と、第3の磁力選別の非磁着物とをセメント原料として回収する。他方、第1の磁力選別及び第3の磁力選別の磁着物を鉄スクラップとして再利用する。
【0023】
(第2の篩選別)
第2の篩選別は、公知の篩選別機を用いることが可能であり、篩選別機の具体例は、上記において説明したとおりである。中でも、金属に付着している灰を篩い落とす観点を踏まえると、振動式、回転式が好ましい。また、篩目の種類としては、打ち抜き網、櫛歯が好ましい。
【0024】
篩目は、第1の篩選別の篩目よりも小さければよく、特に限定さないが、例えば、クロム低減の観点から、7mmが好ましく、6mmがより好ましく、5mmが更に好ましい。また、篩目は、細か過ぎると篩目の閉塞が起きやすく、篩選別の処理効率が低下するため、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上が更に好ましい。
【0025】
(第3の磁力選別)
第3の磁力選別は、公知の磁力選別機を用いることが可能であり、磁力選別機の具体例は上記において説明したとおりである。
第3の磁力選別機の表面磁束密度は、磁着物回収の観点から、1000ガウス以上が好ましい。なお、第3の磁力選別機の表面磁束密度は、小さい方が好ましく、5000ガウス以下が好ましく、3000ガウス以下が更に好ましい。
【0026】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、第3実施形態に係る製造方法において、第1実施形態に係る製造方法を包含するだけなく、第2実施形態に係る製造方法を包含してもよい。この場合、第1の磁力選別の非磁着物、第2の篩選別の篩下及び第3の磁力選別の非磁着物をセメント原料として回収し、第1の磁力選別、第2の磁力選別及び第1の磁力選別の磁着物を鉄スクラップとして再利用することができる。
【実施例0027】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】
1.本実施例で使用した焼却灰
水分含量が17.8質量%であり、クロム含有量が1434ppmであり、鉄含有量が4.4質量%である都市ごみ焼却灰
【0029】
2.金属の分析
金属の分析は、表1に示す方法で行った。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例1
焼却灰を、篩目10mmの篩で篩選別し、篩上をドラム型磁力選別機(1000ガウス)に供給して磁力選別を行い、磁着物と非磁着物に分離した。次いで、篩下と非磁着物とを混合してセメント原料として回収した。そして、セメント原料について回収率及びクロム除去率を分析し、磁着物について鉄回収率を分析した。その結果を表2に示す。なお、本実施例において「回収率」は、原料として使用した焼却灰量を基準とする。また、「クロム除去率」は、下記式(1)により算出するものとし、「鉄回収率」は、下記式(2)により算出するものとする。
【0032】
クロム除去率(質量%)=A×B/(C×1.0)×100 (1)
【0033】
〔式中、Aは、セメント原料中のクロム含有量(ppm)を示し、Bは、セメント原料の回収率(質量%)を100で除した値を示し、Cは、原料として使用した焼却灰中のクロム含有量(ppm)を示す。〕
【0034】
なお、本実施例において、式中の「C」は、1434(ppm)である。
【0035】
鉄回収率(質量%)=D×E/(F×1.0)×100 (2)
【0036】
〔式中、Dは、磁着物中の鉄含有量(質量%)を示し、Eは、磁着物の回収率(質量%)を100で除した値を示し、Fは、原料として使用した焼却灰中の鉄含有量(質量%)を示す。〕
【0037】
なお、本実施例において、式中の「F」は、4.4(質量%)である。
【0038】
実施例2
焼却灰を、篩目10mmの篩で篩選別し、篩上をドラム型磁力選別機(1000ガウス)に供給して第1の磁力選別を行い、磁着物と非磁着物とに分離した。次いで、第1の磁力選別により分離した非磁着物を、更にドラム型磁力選別機(10000ガウス)に供給して第2の磁力選別を行い、磁着物と非磁着物とに分離した。そして、篩下と第2の磁力選別の非磁着物とを混合してセメント原料とし、該セメント原料について回収率及びクロム除去率を分析した。また、第1の磁力選別及び第2の磁力選別により分離した磁着物を混合して鉄回収率を分析した。その結果を表2に示す。
【0039】
実施例3
焼却灰を、篩目10mmの第1の篩で篩選別し、篩上をドラム型磁力選別機(1000ガウス)に供給して第1の磁力選別を行い、磁着物と非磁着物とに分離した。次いで、第1の篩選別により分離した篩下を、更に篩目5mmの篩で第2の篩選別し、篩上をドラム型磁力選別機(1000ガウス)に供給して第3の磁力選別を行い、磁着物と非磁着物とに分離した。そして、第1の磁力選別及び第3の磁力選別により分離した非磁着物と、第2の篩選別の篩下とを混合してセメント原料として回収し、該セメント原料について回収率及びクロム除去率を分析した。また、第1の磁力選別及び第3の磁力選別により分離した磁着物を混合して鉄回収率を算出した。その結果を表2に示す。
【0040】
比較例1
焼却灰を、篩目10mmの篩で篩選別し、篩上と篩下に分離した。そして、篩上について回収率、クロム除去率、鉄回収率を算出した。その結果を表2に示す。
【0041】
比較例2
焼却灰を、篩目5mmの篩で篩選別し、篩上と篩下に分離した。そして、篩上について回収率、クロム除去率、鉄回収率を算出した。その結果を表2に示す。
【0042】
比較例3
焼却灰をドラム型磁力選別機(10000ガウス)に供給して磁力選別を行い、磁着物と非磁着物とに分離した。そして、非磁着物について回収率及びクロム除去率を算出した。また、磁着物について鉄回収率を算出した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2から、焼却灰を篩選別と磁力選別とを組み合わせて処理し、クロムが濃縮している粗粒群と、クロムが低減された細粒群とに分離してクロムが低減された細粒群を回収することで、クロム含量が低減された焼却灰を製造できることがわかる。
図1