(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043089
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/70 20060101AFI20230320BHJP
F04D 29/62 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
F04D29/70 F
F04D29/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150601
(22)【出願日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丸川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山田 健介
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB04
3H130AB26
3H130AB45
3H130AB58
3H130AB62
3H130AB66
3H130AB70
3H130AC26
3H130BA46J
3H130BA97J
3H130CA29
3H130DG03X
3H130DJ06X
3H130EA01J
3H130EA07J
(57)【要約】
【課題】ドレンパネルのサイズ、ひいては製品サイズの大型化を抑制しつつ、ダクト接続口から漏れ出るドレン液(排水や排油)を好適に回収できる送風装置を提供する。
【解決手段】
機体10のダクト接続口17が設けられる側面は、少なくとも、第1パネル12Bと、第1パネルに対して外方側に隣接する第2パネル12Cと、を有し、第2パネルは、機体のダクト接続口から流下するドレン液をドレンパネル16に誘導するとともに、第2パネルの基準面12Sから凹状に構成される凹部からなる誘導部70を有し、誘導部は、側面のダクト接続口よりも下方に設けられ、ダクト接続口側から視て、誘導部の少なくとも一部は、ドレンパネルの端部よりも内側の領域に形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクト接続口およびドレン液を回収するドレンパネルを備える箱状の機体と、
前記機体の内部に配置される送風機と、を有する送風装置であって、
前記機体の前記ダクト接続口が設けられる側面は、少なくとも、
第1パネルと、
前記第1パネルに対して外方側に隣接する第2パネルと、を有し、
前記第2パネルは、前記機体の前記ダクト接続口から流下する前記ドレン液を前記ドレンパネルに誘導するとともに、前記第2パネルの基準面から凸状に構成される凸部または前記基準面から凹状に構成される凹部からなる誘導部を有し、
前記誘導部は、前記側面の前記ダクト接続口よりも下方に設けられ、
前記ダクト接続口側から視て、前記誘導部の少なくとも一部は、前記ドレンパネルの端部よりも内側の領域に形成される送風装置。
【請求項2】
前記ダクト接続口側から視て、前記誘導部の少なくとも一部は、前記ダクト接続口における前記ドレン液の流出点より外側に設けられる、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記誘導部は、前記第2パネルの前記基準面から離間を開始する第1端部および第2端部を備え、
前記ダクト接続口側から視て、前記ドレン液の流出点よりも外側に設けられる第1端部は傾斜部と連続する、請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記ダクト接続口側から視て、前記誘導部よりも外側に設けられ、前記第2パネルおよび前記ドレンパネルを接続する接続部をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記接続部によって、前記第2パネルおよび前記ドレンパネルを接続した状態で、
前記接続部は、前記第2パネルの前記基準面から離間する第1端部の下方かつ、前記傾斜部の最下点よりも内側または外側に配置される、請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
平面視において、前記ドレンパネルは、前記第2パネルより外方側に突出する開口部を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送風装置は、大風量換気が必要な店舗厨房、工場、オフィス棟で用いられ、一般的に、これらの施設の天井や天井裏に吊られて設置されている。
【0003】
送風装置の機体吸込口および機体吐出口は、設備のダクトに接続され、送風装置は、施設排気設備の中間(厨房フード等の排空気取込口および屋外への排気口の間)に位置するように構成されている。
【0004】
一般的に、送風装置の下面にはドレン液を回収するためのドレンパネルを備えている(例えば下記の特許文献1参照)。機体内で発生した結露水や排油は機体底面に設けられたドレン抜き孔からドレンパネルに誘導されて回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送風機を運転した際に、機体内が高圧になると機体外周の隙間部(例えばダクト接続口)から排水・排油漏れが生じる場合がある。具体的には、隙間部から漏れた排水・排油は機体パネルを伝って機体底面方向に流下する。また、機体パネルを連結する連結部材が設けられている場合は、この連結部材に沿って排水・排油が流れる場合がある。連結部材が機体パネル幅にわたって形成されている場合は、連結部材を流れる排水・排油が機体の端部から機体の外に落下する場合がある。
【0007】
上記の特許文献1の送風装置の場合、ドレンパネルが機体底面と同じサイズで構成されているため、隙間部から発生した排水・排油を適切に回収できずに送風装置から滴下して、設備装置や施設を汚してしまう可能性がある。
【0008】
このような排水・排油を回収するために、ドレンパネルのサイズを大きくすることが考えられるが、製品サイズの大型化や重量の増加につながり、好ましくない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、ドレンパネルのサイズ、ひいては製品サイズの大型化を抑制しつつ、ダクト接続口から漏れ出るドレン液(排水や排油)を好適に回収できる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る送風装置は、ダクト接続口およびドレン液を回収するドレンパネルを備える箱状の機体と、前記機体の内部に配置される送風機と、を有する送風装置である。前記機体の前記ダクト接続口が設けられる側面は、少なくとも、第1パネルと、前記第1パネルに対して外方側に隣接する第2パネルと、を有する。前記第2パネルは、前記機体の前記ダクト接続口から流下する前記ドレン液を前記ドレンパネルに誘導するとともに、前記第2パネルの基準面から凸状に構成される凸部または前記基準面から凹状に構成される凹部からなる誘導部を有する。前記誘導部は、前記側面の前記ダクト接続口よりも下方に設けられ、前記ダクト接続口側から視て、前記誘導部の少なくとも一部は、前記ドレンパネルの端部よりも内側の領域に形成される。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成された送風装置によれば、第2パネルは、機体のダクト接続口から流下するドレン液をドレンパネルに誘導する誘導部を備える。このため、ドレンパネルのサイズ、ひいては製品サイズの大型化を抑制しつつ、ダクト接続口から漏れ出るドレン液(排水や排油)を好適に回収できる送風装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る送風装置を示す概略斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る送風装置を示す概略平面図である。
【
図4】本実施形態に係る送風装置を機体吸込口側から視たときの概略正面図である。
【
図6】本実施形態に係る送風装置をメンテナンス口側から視たときの概略側面図である。
【
図8】本実施形態に係る送風装置を機体吐出口側から視たときの概略背面図である。
【
図13】変形例2に係る送風装置の
図7に対応する概略図である。
【
図14】実施例1の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー下面における風量ベクトルを示す図である。
【
図15】実施例1の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上面における風量ベクトルを示す図である。
【
図16】実施例2の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー下面における風量ベクトルを示す図である。
【
図17】実施例2の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上面における風量ベクトルを示す図である。
【
図18】実施例3の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー下面における風量ベクトルを示す図である。
【
図19】実施例3の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上面における風量ベクトルを示す図である。
【
図20】比較例1の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー下面における風量ベクトルを示す図である。
【
図21】比較例1の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上面における風量ベクトルを示す図である。
【
図22】比較例2の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー下面における風量ベクトルを示す図である。
【
図23】比較例2の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上面における風量ベクトルを示す図である。
【
図24】変形例4に係る送風装置の
図7に対応する概略図である。
【
図25】変形例5に係る送風装置の
図7に対応する概略図である。
【
図26】変形例6に係る送風装置の
図7に対応する概略図である。
【
図27】変形例に係る誘導部の
図12に対応する概略図である。
【
図28】変形例に係る誘導部の
図12に対応する概略図である。
【
図29】変形例に係る誘導部の
図12に対応する概略図である。
【
図30】変形例に係る誘導部の構成を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~
図12を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る送風装置1を示す概略斜視図である。
図2は、本実施形態に係る送風装置1を示す概略平面図である。
図3は、
図2の3-3線に沿う断面図である。
図4は、本実施形態に係る送風装置1を機体吸込口11A側から視たときの概略正面図である。
図5は、
図4の5-5線に沿う断面図である。
図6は、本実施形態に係る送風装置1をメンテナンス口13A側から視たときの概略側面図である。
図7は、
図6の7-7線に沿う断面図である。
図8は、本実施形態に係る送風装置1を機体吐出口12A側から視たときの概略背面図である。
図9は、
図8の9-9線に沿う断面図である。
図10は、
図9のA部における部分拡大図である。
図11は、
図8のA部における部分拡大図である。
図12は、誘導部70の構成を説明するための図である。
【0015】
以下の説明において、機体吸込口11Aから視て左右方向をX方向と称し、機体吸込口11Aに直交する方向(送風装置1の奥行方向)をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する(
図1参照)。
【0016】
本実施形態に係る送風装置1は、
図1~
図11に示すように、箱状の機体10と、機体10の内部に配置される第1送風機20と、機体10の内部に配置される第2送風機30と、機体10の内部に配置されるチャンバー部40と、チャンバー部40および機体10の天面(不図示)の間に形成される第1隙間部(隙間部に相当)50と、チャンバー部40および機体10の底面15の間に形成される第2隙間部(隙間部に相当)60と、を有する。
【0017】
機体10は、
図1~
図3に示すように、機体吸込口11Aが形成される第1壁部11と、機体吐出口12Aが形成される第2壁部12と、メンテナンス口13Aおよび端子台パネル13Bが形成される第3壁部13と、第3壁部13に対向して配置される第4壁部14と、第1壁部11、第2壁部12、第3壁部13、および第4壁部14の下方に設けられる底面15と、底面15の下方に設けられドレン液を回収するドレンパネル16と、第1壁部11、第2壁部12、第3壁部13、および第4壁部14の上方に設けられる天面(不図示)と、を有する。
【0018】
第1壁部11および第2壁部12は、対向するように配置される。第3壁部13および第4壁部14は、対向するように配置される。
【0019】
機体10の底面15は、長方形の底面パネルから構成され、底面15には、
図2に示すように、ドレン穴15Hが形成されている。機体10の内部に生じる結露水や油は、通常、ドレン穴15Hを通じてドレンパネル16に排出される。ドレンパネル16は、少なくともドレン穴15Hから排出されるドレン液を回収できる大きさに構成されている。
【0020】
以下、送風装置1の詳細な構成を説明する前に、送風装置1内における空気の流れについて説明する。
【0021】
図2、
図4に示すように、第1送風機20のケーシング板21Bは、機体吸込口11Aが形成される第1壁部11に連結固定され、第1送風機20は、機体吸込口11Aに接するように配置される。
【0022】
一方、第2送風機30は、機体吐出口12Aが形成される第2壁部12に連結固定され、第2送風機30は、機体吐出口12Aに接するように配置される。
【0023】
第1送風機20および第2送風機30が上述の構成を備えるため、ダクトを介して、機体吸込口11Aから送風装置1に流れ込む空気は、機体吸込口11Aで分流されて、
図2、
図4に示すように、流路A、流路Bへ流れる。
【0024】
流路Bへ流れ込んだ空気は、第2送風機30部分でさらに分流されて、
図2に示すように、流路B1、流路B2に分流され、第1送風機20および第2送風機30の吸込口から吸い込まれることになる。
【0025】
そして、流路B1を流れる空気は、第1隙間部50および第2隙間部60(隙間流と称する場合がある)を通過して、第1送風機20のX方向の左側に流れる。
【0026】
以下、流路Aの入口となる機体吸込口11A部分の第1吸込区画11M(機体吸込口開口面積S1)について定義する。
【0027】
図4に示すように、機体吸込口11A側から視たときに、機体吸込口11Aは、第1送風機20の反モーター側(
図4の左側)に形成される第1吸込区画11Mと、モーター側(
図4の右側)に形成される第2吸込区画11Nと、を有する。
【0028】
第1吸込区画11Mは、
図4に示すように、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11L、および第1送風機20のケーシング21のケーシング板21Bの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面21Lによって覆われる。第2吸込区画11Nは、
図4において二点鎖線で示す領域である。第1吸込区画11Mの面積(機体吸込口開口面積)S1は、第1送風機20の排出口23の開口面積S2の1/2よりも大きい。
【0029】
一般的に機体吸込口開口面積S1は、取り込む空気の量を多くするために大きい方が好ましい。しかしながら、機体吸込口開口面積S1をむやみに拡大することは機体サイズの大型化につながる。ここで、本発明の構成においては、第1吸込区画11Mの面積(機体吸込口開口面積)S1として、第1送風機20の排出口23の開口面積S2の1/2以上を確保することで、ベルマウス24側の主吸込口(
図5参照)とモーター20M側の副吸込口の開口比率や、動力伝達板の位置による羽根仕事量の割合を考慮しても、隙間流による主吸込口に流れる空気により、主吸込量を補うことができる。
【0030】
なお、
図2および
図4では、流路B1を流れる空気が隙間流となって第1送風機20のX方向の左側に流れることを説明したが、隙間流は機体10内における送風機の位置関係によって流路Aから流路B1に向かうX方向右側の流れが発生することがある。例えば、
図2において、第1送風機20及びチャンバー部40を第3壁部13側に85mm移動させて第2送風機30に近づけて配置する構成がこれに相当する。この位置関係においては、第2送風機30の主吸込口側であるベルマウス34側(
図2の左側)が十分な吸込量を得ることができないが、流路Aから流路B1に向かうX方向右側の隙間流が発生することにより第2送風機30の主吸込量を補うことができる。また、第1送風機20を第2送風機30に近づけて配置する構成にすることにより、機体X方向の幅を抑制することが可能となる。従って、送風性能の低下を抑制しつつ、機体10の小型化にも対応可能となる。さらに、第1送風機20がメンテナンス口13A寄りになることにより第1送風機20へアクセスし易くなりメンテナンス性の向上にも寄与することになる。
【0031】
次に
図1~
図7を参照して、機体10内部の構造を説明する。
【0032】
第1送風機20は、両吸込型送風機で構成される。第1送風機20において、ベルマウス24側(
図2の左側)が主吸込口であって、モーター20M側(
図2の右側)のベルマウス25が副吸込口である。
【0033】
図5および
図7に示すように、モーター20Mとシロッコファン20Fの羽根部分は動力伝達板20Sにより接続されている。動力伝達板20Sは、
図7に示すように、羽根の中央位置よりもモーター20M側に配置されており、モーター20M側(
図2の右側)とベルマウス24側(
図2の左側)とにシロッコファン20F内の空間を仕切っている。ベルマウス24側(
図2の左側)の羽根領域が大きいこと、モーター20Mのような吸込抵抗部材がないことから吸込能力の高いベルマウス24側(
図2の左側)が主吸込口を構成し、モーター20M側(
図2の右側)のベルマウス25が副吸込口を構成する。なお、第2送風機も同様の構成となっている。
【0034】
第1送風機20のケーシング21は、
図1および
図3に示すように、機体吸込口11Aに接するように配置される。なお、ケーシング21は、
図1に示すように、シロッコファン20Fを収納するケーシング胴21A、ケーシング胴21Aの両側に備えられケーシング胴21Aを機体10に接続して第1送風機20を機体10に固定するためのケーシング板21Bから構成されている。また、ケーシング胴21Aは、
図3および
図5に示すように、シロッコファン20Fを挟んで左右に対向するケーシング側壁部28及びシロッコファンの外周を覆うようにスクロール形状に構成されたケーシング主板29から構成されている。なお、ケーシング側壁部28の開口部分がベルマウス24を構成している。ケーシング板21Bの上面、下面は機体10の天面、底面15にそれぞれ連結固定され、ケーシング板21Bの側面の一方は機体吸込口11Aに連結固定される。この連結固定された状態が、第1送風機20のケーシング21が機体吸込口11Aに近接して配置される一態様を構成している。なお、この近接して配置された態様において、ケーシング板21Bがない場合、ケーシング主板29と機体10の天面及び底面との間に空間が形成される。ケーシング板21Bがない場合においては、この空間を通じても機体に空気が流れ込むことになる。
【0035】
第1送風機20のモーター20Mを駆動することによって、機体吸込口11Aから空気が吸い込まれ、第1送風機20のX方向の両側から空気が吸い込まれる。そして、第1送風機20の排出口23から排出された空気はチャンバー部40に移動し、チャンバー部40内を移動した後、機体10の機体吐出口12Aから吐出される。
【0036】
第1送風機20のモーター20Mは、
図1に示すように、第3壁部13のメンテナンス口13Aから取り外し交換することができる。
【0037】
第2送風機30は、両吸込型送風機で構成される。第2送風機30において、ベルマウス34側(
図2の左側)が主吸込口であって、モーター30M側(
図2の右側)のベルマウス35が副吸込口である。第2送風機30の構成は、第1送風機20の構成と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0038】
第2送風機30のモーター30Mを駆動することによって、機体吸込口11Aから空気が吸い込まれ、第2送風機30のX方向の両側から空気が吸い込まれる。そして、第2送風機30の排出口33から排出された空気は、機体10の機体吐出口12Aから吐出される。
【0039】
第2送風機30のモーター30Mは、
図1に示すように、第3壁部13のメンテナンス口13Aから取り外し交換することができる。
【0040】
チャンバー部40は、機体10の内部に配置される。チャンバー部40は、
図2に示すように、第1送風機20の機体吐出口12A側であって、第2送風機30よりも第4壁部14側に配置される。チャンバー部40の入口40Aは、第1送風機20の排出口に接続されており、チャンバー部40の出口は、機体10の第2壁部12の機体吐出口12Aに接続されている。
【0041】
チャンバー部40は、第1送風機20の排出口23から排出された空気が機体吐出口12Aに至る流路を形成している。
【0042】
チャンバー部40は、
図2に示すように、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに向けて流路面積が漸次拡大するように構成されている。ここで例えば、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに向けて流路面積が急拡大または急縮小する構成の場合、チャンバー部において圧力損失が増大してしまい好ましくない。これに対して、本実施形態に係る送風装置1のチャンバー部40は、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに向けて流路面積が漸次拡大するように構成されているため、チャンバー部40において圧力損失を低減することができる。
【0043】
チャンバー部40は、
図2に示すように、X方向の右側面に設けられ、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに連れて、第2送風機30側(X方向の右側)に傾斜する傾斜部41と、X方向の左側面に設けられ、Y方向に沿って構成されるストレート部42と、を有する。
【0044】
傾斜部41におけるY方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、10~40度であることが好ましく、20~25度であることがより好ましい。このように傾斜部41が設けられることによって、第2送風機30のベルマウス34側の主吸込口への空気の流れを整流して、機体10内での乱流を抑えることができる。したがって、送風性能の低下をより好適に抑制することができる。なお、上記の好ましい角度は、ストレート部42がY方向に対して傾斜している場合にも、この範囲で適宜設定可能である。
【0045】
チャンバー部40の入口40Aは、
図2および
図3に示すように、第1送風機20の排出口23と略同一の流路面積かつ形状を備えている。このため、チャンバー部40の入口40Aおよび第1送風機20の排出口23の境界における圧力損失を低減することができる。
【0046】
ここで例えば、ストレート部42が、Y方向に平行ではなく、Y方向のプラス側に連れて、X方向の左側に傾斜している場合、チャンバー部40のX方向の左側が閉塞されてしまって、第1隙間部50および第2隙間部60からの隙間流を効果的に流すことができない。これに対して、本実施形態に係る送風装置1のストレート部42は、Y方向に平行に設けられているため、チャンバー部40の左側が閉塞されず、第1隙間部50および第2隙間部60からの隙間流を効果的に流すことができる。
【0047】
チャンバー部40は、
図1、
図3に示すように、上面43と、底面44と、を有する。チャンバー部40の上面43と、機体10の天面との間に、第1隙間部50が形成される。また、チャンバー部40の底面44と、機体10の底面15との間に、第2隙間部60が形成される。
【0048】
第1隙間部50は、
図7に示すように、少なくとも第2送風機30の吸込口の機体吐出口12A側の開口縁30Eよりも機体吐出口12A側に形成される。また、第2隙間部60は、
図7に示すように、少なくとも第2送風機30の吸込口の機体吐出口12A側の開口縁30Eよりも機体吐出口12A側に形成される。この構成によれば、第2送風機30の吸込みが少ない範囲に、第1隙間部50および第2隙間部60が形成されているので、隙間流を効果的に形成することができる。
【0049】
次に、
図8~
図11を参照して、機体10の構成についてより詳細に説明する。
【0050】
機体10のうち、機体吸込口11Aが設けられる第1壁部11は、第1パネル(不図示)と、第2パネル(不図示)と、を有する。また、機体10のうち、機体吐出口12Aが設けられる第2壁部12は、
図8~
図11に示すように、第1パネル12Bと、第2パネル12Cと、を有する。
【0051】
ここで、第1壁部11の第1パネルおよび第2壁部12の第1パネル12B、ならびに第1壁部11の第2パネルおよび第2壁部12の第2パネル12Cは略同一の構成であるため、以下代表して、第2壁部12の第1パネル12Bおよび第2パネル12Cの構成について説明する。
【0052】
第2パネル12Cは、
図10に示すように、第1パネル12Bに対して、Y方向の外方側に隣接する。第2パネル12Cは、底面15と連続して形成されている。換言すれば、底面15は端面に、Z方向に立ち上がるフランジ部(第2パネル12Cに相当)が連結されており、このフランジ部および底面15によって、浅い箱型の機体底板を構成している。機体10の底面15のフランジ部の内側に接するように第1パネル12Bを有する第1壁部11から第4壁部14が配され、壁部11~14が上方にある天面パネルと固定されることにより送風装置1の機体10を構成する。
【0053】
第1パネル12Bおよび第2パネル12Cは、
図8、
図10に示すように、接続部80によってドレンパネル16と接続されている。ここで、
図2、
図4に示すように、ドレンパネルのY方向の長さは底面15より長く、平面視で所定幅外方側に突出している。一方、ドレンパネル16のX方向の幅は底面15より短く構成されている。
【0054】
接続部80は、特に限定されないが、ドレンパネル16から延設された断面略L字状のL字部材80aから構成される。L字部材80aは、一辺がドレンパネル16の突出幅と同じ長さを有し、他辺は第1パネル12Bと第2パネル12Cとねじによって接続される。この接続部80を介することでドレンパネル16と機体10は所定幅外方側に突出した状態で接続されることになる。
【0055】
第2パネル12Cは、
図8、
図10、
図11に示すように、機体10のダクト接続口17から流下するドレン液をドレンパネル16に誘導する誘導部70を有する。なお、誘導部70が形成される第2パネル12Cは箱状の機体10を構成する機体底板の一部であり、ドレン液の誘導のために別途設けられた部材ではない。このため、既存の構成部材に誘導部70を形成することで、既存構成部材を有効活用でき、部材コストをおさえることもできる。
【0056】
本実施形態において、誘導部70は、
図11に示すように、第2パネル12Cの基準面12Sから凹状に構成される凹部からなる。ここで、第2パネル12Cの基準面12Sとは、第2パネル12Cの上面のうち、誘導部70が存在しない箇所のX方向に沿う平面である。
【0057】
誘導部70は、
図8、
図10に示すように、第2壁部12(ダクト接続口17が設けられる側面に対応)におけるダクト接続口17よりも鉛直方向の下方に設けられる。
【0058】
図8に示すように、ダクト接続口17側から視て、誘導部70の少なくとも一部は、ドレンパネル16の端部よりも内側の領域に形成される。また、誘導部70の少なくとも一部は、
図11に示すように、ダクト接続口17側から視て、ダクト接続口17におけるドレン液の流出点Pより外側に設けられる。この構成によれば、好適にドレン液をドレンパネル16に回収することができる。
【0059】
本明細書において、ドレン液の流出点Pとは、ダクト接続口17から漏れたドレン液が第1パネル12Bに最初に接する点として定義する。
【0060】
誘導部70は、
図11、
図12に示すように、第2パネル12Cの基準面12SからZ方向に離間を開始する第1端部71および第2端部72を有する。
【0061】
ドレン液の流出点Pは、
図11に示すように、X方向において、第1端部71および第2端部72の間に設けられる。誘導部70は、
図12に示すように、第1端部71からZ方向の下方であって、X方向の内方に傾斜する第1傾斜部73と、第2端部72からZ方向の下方であって、X方向の内方に傾斜する第2傾斜部74と、第1傾斜部73および第2傾斜部74をX方向に沿って結ぶ直線部75と、を有する。すなわち、本実施形態において、誘導部70は、Z方向の下方が上方よりも幅狭な台形形状を備えている。
【0062】
このように誘導部70は、第1傾斜部73を備えるため、ドレン液を第1傾斜部73に沿って流して、好適にドレン液をドレンパネル16に回収することができる。
【0063】
ここで、例えば、誘導部70が設けられない場合、流出点Pから流れ出たドレン液は第2パネル12Cを伝って機体10の外側の方に流れる。これに対して、誘導部70が設けられることによって、誘導部70によって、X方向の外側の方に流れるのを止めてドレンパネル16に向けて誘導することができる。また、第1傾斜部73により重力方向に液滴が形成されやすくなるのでドレン液をドレンパネル16に好適に落とすことができる。
【0064】
図8に示すように、接続部80によって、第1パネル12B、第2パネル12C、およびドレンパネル16が接続された状態で、接続部80は、第2端部72の下方かつ第1傾斜部73の最下点よりも内側に配置される。この構成によれば、接続部80にドレン液が滴下することがないため、接続部80の劣化を防止することができる。
【0065】
ドレンパネル16は、
図2および
図10に示すように、平面視において、第2パネル12CよりもY方向の外方側に突出する開口部16Hを有する。この構成によれば、誘導部70から滴下するドレン液を、開口部16Hを介して回収できるため、効率よくドレン液を回収できる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る送風装置1は、ダクト接続口17およびドレン液を回収するドレンパネル16を備える箱状の機体10と、機体10の内部に配置される送風機20、30と、を有する送風装置1である。機体10のダクト接続口17が設けられる第2壁部(側面)12は、第1パネル12Bと、第1パネル12Bに対して外方側に隣接する第2パネル12Cと、を有する。第2パネル12Cは、機体10のダクト接続口17から流下するドレン液をドレンパネル16に誘導するとともに、第2パネル12Cの基準面12Sから凹状に構成される凹部からなる誘導部70を有する。誘導部70は、第2壁部12のダクト接続口17よりも下方に設けられ、ダクト接続口17側から視て、誘導部70の少なくとも一部は、ドレンパネル16の端部よりも内側の領域に形成される。このように構成された送風装置1によれば、第2パネル12Cは、機体10のダクト接続口17から流下するドレン液をドレンパネル16に誘導する誘導部70を備える。このため、ドレンパネル16のサイズ、ひいては製品サイズの大型化を抑制しつつ、ダクト接続口17から漏れ出るドレン液(排水や排油)を好適に回収できる送風装置1を提供することができる。
【0067】
また、ダクト接続口17側から視て、誘導部70の少なくとも一部は、ダクト接続口17におけるドレン液の流出点Pより外側に設けられる。このように構成された送風装置1によれば、好適にドレン液をドレンパネル16に回収することができる。
【0068】
また、誘導部70は、第2パネル12Cの基準面12Sから離間を開始する第1端部71および第2端部72を備え、ダクト接続口17側から視て、ドレン液の流出点Pよりも外側に設けられる第1端部71は第1傾斜部73と連続する。このように構成された送風装置1によれば、ドレン液を第1傾斜部73に沿って流して、好適にドレン液をドレンパネル16に回収することができる。
【0069】
また、ダクト接続口17側から視て、誘導部70よりも外側に設けられ、第2パネル12Cおよびドレンパネル16を接続する接続部80をさらに有する。このように構成された送風装置1によれば、接続部80にドレン液が滴下することがないため、接続部80の劣化を防止することができる。
【0070】
また、接続部80によって、第2パネル12Cおよびドレンパネル16を接続した状態で、接続部80は、第2パネル12Cの基準面12Sから離間する第1端部71の下方かつ、第1傾斜部73の最下点よりも内側に配置される。このように構成された送風装置1によれば、接続部80にドレン液が滴下することがないため、接続部80の劣化を防止することができる。
【0071】
また、平面視において、ドレンパネル16は、第2パネル12Cより外方側に突出する開口部16Hを有する。このように構成された送風装置1によれば、誘導部70から滴下するドレン液を、開口部16Hを介して回収できるため、効率よくドレン液を回収できる。
【0072】
次に、上述した実施形態に係る送風装置1の変形例について説明する。
【0073】
<変形例1>
上述した実施形態では、送風装置1は、第1隙間部50および第2隙間部60を有した。しかしながら、変形例1に係る送風装置は、第1隙間部50および第2隙間部60を有しない構成であってもよい。その他の構成は、実施形態に係る送風装置1と同一の構成である。この構成によれば、チャンバー部40は、第1送風機20の排出口23から排出された空気が機体吐出口12Aに至る流路を形成し、チャンバー部40は、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに向けて、流路面積が漸次拡大するため、送風性能の低下を抑制するとともに、機体10の小型化にも対応できる。
【0074】
<変形例2>
変形例2に係る送風装置2は、
図13に示すように、チャンバー部240の右側の側面がY方向に沿って直線状に構成される。また、変形例2に係る送風装置2は、
図13に示すように、平面視でチャンバー部240の第2送風機30側(X方向の右側)の側面に配置されるガイド部材90を有する。ガイド部材90は、実施形態に係る送風装置1の傾斜部41と同様に、機体10の天面および底面15の間に空気が流通するガイド隙間部を有する。ガイド部材90は、第1送風機20の排出口23から機体吐出口12Aに連れて、第2送風機30側(右側)に向けて傾斜する。このようにガイド部材90が設けられることによって、第2送風機30の主吸込口側であるベルマウス34側(
図2の左側)へ向かう空気を整流することが可能となり、機体10内での乱流の発生を抑制することができる。これにより送風性能を向上させることができる。
【0075】
<シミュレーション>
本発明に係る送風装置の送風性能について流体解析シミュレーションを行った。以下、その解析結果について説明する。
【0076】
第1送風機20および第2送風機30の内部ファン条件として、静圧850Pa時に風量0m3/h、静圧700Pa時に風量2000m3/h、静圧460Pa時に風量3000m3/h、静圧300Pa時に風量3500m3/h、静圧0Pa時に風量4200m3/hとなるファンカーブの値を第1送風機20、第2送風機30にそれぞれ代入してシミュレーションを行った。
【0077】
計測項目としては以下の6項目である。
図2を参照して、<項目1>として、第1送風機20のX方向の左側吸込風量(ベルマウス24に流入する風量)を計測し、<項目2>として、第1送風機20のX方向の右側吸込風量(ベルマウス25に流入する風量)を計測し、<項目3>として、第2送風機30のX方向の左側吸込風量(ベルマウス34に流入する風量)を計測し、<項目4>として、第2送風機30のX方向の右側吸込風量(ベルマウス35に流入する風量)を計測し、<項目5>として、体積流量を計測し、<項目6>として、入口出口圧力差を計測した。
【0078】
<項目1~4>では第1送風機20、第2送風機30のベルマウス24、25、34、35に流入する風量を計算した。
【0079】
<項目5>では、送風装置1の出口部分において単位時間に流れる流体(空気)の体積を計測した。体積流量が多いほど移動させることができる空気量が多いため送風性能が高いことを意味している。
【0080】
<項目6>では、入口出口圧力差を計算した。圧力差が低いほど送風装置内での圧力損失が少ない、すなわち送風性能が高いことを意味している。
【0081】
以下の5つの実施例または比較例で、流体解析シミュレーションを行った。
【0082】
<実施例1>
上述した実施形態に係る送風装置1の構成をモデリングして、流体解析シミュレーションを行った。
図14および
図15にそのモデルを示す。このモデルでは隙間部50、60および傾斜部41が形成されている。
【0083】
<実施例2>
上述した変形例1に係る送風装置の構成をモデリングして、流体解析シミュレーションを行った。
図16および
図17にそのモデルを示す。このモデルでは隙間部50、60がなく傾斜部41が形成されている。
【0084】
<実施例3>
ガイド部材の効果を検証するための構成をモデリングして、流体解析シミュレーションを行った。
図18および
図19にそのモデルを示す。隙間部50、60がなくガイド部材90が形成されている。チャンバー部は傾斜部を有しないストレート形状となっている。
【0085】
<比較例1>
比較例1に係る送風装置として、第1隙間部50および第2隙間部60を有さず、ガイド部材90も備えず、チャンバー部の右側壁が直線状の構成をモデリングして、流体解析シミュレーションを行った。
図20および
図21にそのモデルを示す。
【0086】
<比較例2>
第1送風機20の左側が閉鎖されている構成をモデリングして、流体解析シミュレーションを行った。
図22および
図23にそのモデルを示す。
【0087】
表1に流体解析シミュレーションの結果を示す。また、
図14~
図23は、実施例1~実施例3、および比較例1~比較例2の流体解析シミュレーションを行った際の、チャンバー上下面における風量ベクトルを示す図である。
【0088】
【0089】
ここで、流体解析シミュレーションの結果を考察する。まず、「実施例1」と「実施例2」について考察する。「実施例1」と「実施例2」の構造的な差分は、隙間部50、60の有無である。
【0090】
「実施例1」と「実施例2」を比較すると「実施例1」の方が36.79m
3/h体積流量が多く、「第1送風機の左側風量」、「第1送風機の右側風量」においてはそれぞれ74.74m
3/h、48.17m
3/h風量が多い。また、「実施例1」の風量ベクトルを見ると、
図14、
図15に示すように、第2送風機30左側風路→隙間部→第1送風機20左側風路→第1送風機左側吸込口へと空気が流れているのが確認できる。この隙間流により第1送風機の仕事量を増加させている。また、隙間部における第2送風機の送風機吸込口の機体吐出口側の開口縁よりも機体吐出口側ではマイナス方向への流速が早まっており、この部分に隙間部を形成することにより高い流路効果を得ることができる。
【0091】
また、「実施例1」と「比較例2」を比較すると「実施例1」の方が53.13m3/h体積流量が多い。また、「第1送風機左側風量」、「第1送風機右側風量」においてはそれぞれ89.98m3/h、57.93m3/h、「実施例1」の風量が多い。「比較例2」は、隙間部による空気の流通がないため第1送風機に十分な仕事をさせることができないものと考えられる。
【0092】
次に、「実施例2」と「比較例1」を比較すると「実施例2」の方が62.95m3/h体積流量が多い。「実施例2」と「比較例1」の構造差分がチャンバー傾斜部であるところ、チャンバー部が漸次拡大することにより送風性能が向上していることが確認できる。
【0093】
次に、「実施例3」と「比較例1」を比較すると「実施例3」の方が77.94m
3/h体積流量が多い。ガイド部材により送風性能が向上している。また、「第2送風機左側風量」、「第2送風機右側風量」においてはそれぞれ26.67m
3/h、17.05m
3/h、「実施例3」の風量が多い。
図18~
図21を参照して、風量ベクトルの比較においても「実施例3」では「第2送風機左側吸込口」へ向かう空気が整流されているのが確認できる。
【0094】
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る送風装置の構成について説明したが、本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0095】
例えば、上述した実施形態では、送風装置1は、第1隙間部50および第2隙間部60を有した。しかしながら、送風装置は、第1隙間部50および第2隙間部60のどちらか一方を有する構成であってもよい。
【0096】
また、上述した実施形態では、チャンバー部は、第1送風機20の排出口から機体吐出口12Aに向けて、流路面積が漸次拡大したが、流路面積が一定である構成であってもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、チャンバー部の第2送風機30側と反対側の側面は、Y方向と平行になるように形成されていたが、Y方向に対して傾斜して構成されていてもよい。
【0098】
上述した実施形態では、第1送風機20にはケーシング板21Bが設けられていたが、
図24に示すように、第1送風機20にはケーシング板21Bが設けられていなくてもよい。この構成において、第1吸込区画11Mは、機体吸込口11A側から視たときに、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11L、および第1送風機20のケーシング21のケーシング板21Bの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面21Lによって覆われる領域である。本変形例における第1吸込区画11Mの面積は、ケーシング主板29と機体10の天面及び底面との間に空気が流れる空間が形成されるため、実施形態に係る第1吸込区画11Mの面積のおよそ90%まで小さくでき、90%以上あればベルマウス24側の主吸込口(
図5参照)とモーター20M側の副吸込口の開口比率や、動力伝達板の位置による羽根仕事量の割合を考慮しても、隙間流による主吸込口に流れる空気により、主吸込量を補うことができる。
【0099】
また、上述した実施形態では、第1送風機20のケーシング21は、機体吸込口11Aに接するように配置されたが、
図25に示すように、第1送風機20のケーシング21は、機体吸込口11Aに近接していれば、必ずしも接しなくてもよい。上述した実施形態で説明した隙間流が発生する構成であれば、
図25にある第1送風機20のケーシング21と機体吸込口11Aの位置関係は、近接して配置される一態様である。この構成において、第1吸込区画11Mは、
図25に示すように、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11L、ケーシング板21Bの
図25の左側の側面、機体の天面、機体の底面によって区画される領域である。すなわち、
図25の実施形態では、機体を見る方向ではなく、機体構成部材によって区画される領域が第1吸込区画11Mである。より詳細には、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11LからZ方向に延びる仮想線と機体の天面が接する第1の点と、該仮想線が機体の底面と接する第2の点と、ケーシング板21Bの
図25の左側の側面の最も機体吸込口側の端部と機体の天面が接する第3の点と、ケーシング板21Bの
図25の左側の側面の最も機体吸込口側の端部と機体の底面が接する第4の点と、を結ぶ線により区画される領域である。第1の点と第3の点を結ぶ線、第2の点と第4の点を結ぶ線の長さ、すなわち、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11Lとケーシング板21Bの
図25の左側の側面の最も機体吸込口側の端部との距離は、機体吸込口11Aと第1送風機20のケーシング21との近接距離によって変動する。この変動する第1の点と第3の点を結ぶ線(第2の点と第4の点を結ぶ線)の長さは、第1送風機20のケーシング21が機体吸込口11Aに接するように配置された場合の第1の点と第3の点を結ぶ線(第2の点と第4の点を結ぶ線)の長さ、第1送風機20のケーシング21が機体吸込口11Aに近接して配置された場合の第3の点(第4の点)から機体吸込口11Aまでの距離、すなわち近接距離、から幾何学的に算出することができる。
図25に示す変形例では、変動する第1の点と第3の点を結ぶ線(第2の点と第4の点を結ぶ線)の長さをこのようにして算出し、第1吸込区画11Mの面積(機体吸込口開口面積)S1を算出することができる。この構成においても、第1吸込区画11Mの面積(機体吸込口開口面積)S1として、第1送風機20の排出口23の開口面積S2の1/2以上を確保することで、ベルマウス24側の主吸込口(
図5参照)とモーター20M側の副吸込口の開口比率や、動力伝達板の位置による羽根仕事量の割合を考慮しても、隙間流による主吸込口に流れる空気により、主吸込量を補うことができる。
【0100】
また、上述した実施形態では、第1送風機20は、Y方向に沿って配置された。しかしながら、第1送風機20は、
図26に示すように、Y方向に対して傾斜して配置されてもよい。この構成において、第1吸込区画11Mは、機体吸込口11A側から視たときに、機体吸込口11Aの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面11L、および第1送風機20のケーシング21のケーシング板21Bの第2送風機30側と反対側(
図4の左側)の側面21Lによって覆われる領域である。この構成においても、第1吸込区画11Mの面積(機体吸込口開口面積)S1として、第1送風機20の排出口23の開口面積S2の1/2以上を確保することで、ベルマウス24側の主吸込口(
図5参照)とモーター20M側の副吸込口の開口比率や、動力伝達板の位置による羽根仕事量の割合を考慮しても、隙間流による主吸込口に流れる空気により、主吸込量を補うことができる。
【0101】
また、上述した実施形態では、誘導部70は、下方が幅狭な台形形状を有していた。しかしながら、誘導部170は、
図27に示すように、下方に頂点を持つ三角形状であってもよい。さらに、誘導部270は、
図28に示すように、第2パネル12Cの基準面12Sから凸状に構成される凸部から構成されていてもよい。さらに、誘導部370は、
図29に示すように、誘導部170および誘導部270を備える構成であってもよい。
【0102】
さらに、誘導部の形状は、上述した三角形状や台形形状に限定されず、円形、楕円形、直角三角形、すり鉢形状等であってもよい。
【0103】
さらに、上述した実施形態では、誘導部70の全体は、ドレンパネル16のX方向の内側に配置されたが、誘導部の一部は、ドレンパネル16のX方向の外側に配置されてもよい。
【0104】
また、上述した実施形態では、
図8に示すように、接続部80によって、第1パネル12B、第2パネル12C、およびドレンパネル16が接続された状態で、接続部80は、第1端部71の下方かつ第1傾斜部73の最下点よりも内側に配置された。しかしながら、
図30に示すように、接続部80によって、第1パネル12B、第2パネル12C、およびドレンパネル16が接続された状態で、接続部80は、第1端部71の下方かつ第1傾斜部73の最下点よりも外側に配置されてもよい。この構成でも、接続部80にドレン液が滴下することがないため、接続部80の劣化を防止することができる。
【符号の説明】
【0105】
1、2、3 送風装置、
10 機体、
11A 機体吸込口、
12A 機体吐出口、
12B 第1パネル、
12C 第2パネル、
12S 基準面、
15 底面、
16 ドレンパネル、
16H 開口部、
17 ダクト接続口、
20 第1送風機、
20M モーター、
21 ケーシング、
23 排出口、
30 第2送風機、
30E 開口縁、
30M モーター、
31 ケーシング、
33 排出口、
40、240 チャンバー部、
41 傾斜部、
42 ストレート部、
50 第1隙間部(隙間部)、
60 第2隙間部(隙間部)、
70、170、270、370 誘導部、
71 第1端部、
72 第2端部、
73 第1傾斜部、
74 第2傾斜部、
80 接続部、
90 ガイド部材、
P 流出点。