(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043117
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーアレイおよび検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 33/53 20060101AFI20230320BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20230320BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
G01N33/53 S
G01N37/00 102
G01N21/64 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156231
(22)【出願日】2021-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】202111080602.9
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】付▲ふぇ▼雲
(72)【発明者】
【氏名】楊正爽
(72)【発明者】
【氏名】瞿暁磊
(72)【発明者】
【氏名】陳倍寧
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA16
2G043DA02
2G043DA05
2G043EA01
2G043LA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーアレイおよび検出装置を提供する。
【解決手段】センサーアレイは、1,3,6,8-テトラ安息香酸-ピレンリガンドに基づくNU901、NU1000およびCd-TBAPyの3種類の発光金属有機フレームLMOFから構成された3組の5×5センサーアレイを含み、検出装置は96オリフィス細胞培養プレートであり、センサーアレイによって、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、スルファピリミジン、スルファメタジンおよびスルファジメタジンの5種類のスルファ抗生物質を感度よく正確に検出および分類することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,3,6,8-テトラ安息香酸-ピレンリガンドに基づく3種類の発光金属有機フレームL
MOFから構成されたセンサーアレイを含み、
前記発光金属有機フレームLMOFは、NU901、NU1000およびCd-TBAP
yを含み、
前記センサーアレイは、3組の5×5センサーアレイから構成され、各組の前記5×5セ
ンサーアレイは、5種類のスルファ抗生物質用の5行のオリフィスと5回繰り返し検出用
の5列のオリフィスを含む、
ことを特徴とする抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーアレイ。
【請求項2】
前記センサーアレイの検出方法は、
S1、調製された3種類の発光金属有機フレームLMOF材料を、それぞれ0.125m
g・mL
-1でpH4.95の酢酸-酢酸ナトリウムに浸し、超音波処理して500μg・
mL
-1の懸濁液を得るステップと、
S2、毎回の検出に、懸濁液を2.5μg・mL
-1に希釈し、検出装置のプレートオリ
フィスに、200μLの濃度2.5μg・mL
-1の3種類の発光金属有機フレームLM
OFをそれぞれ移して3組の5×5センサーアレイを構成するステップと、
S3、50μL、25μg・mL
-1の5種類のスルファ抗生物質を各組5×5センサー
アレイの5種類のスルファ抗生物質のオリフィスに加え、各組5×5センサーアレイを室
温で20分間平衡化してから、マイクロプレートリーダーで蛍光強度を測定し、励起光
=312nm、放射光
=506nm、3種類のLMOFを使用して5種類のスルファ抗生物質を5回測定して、
3組の5×5センサーアレイのセンサーアレイを提供するステップと、を含み、
ただし、センサーアレイのデータ分析方法は以下の通りであり、蛍光の変化をF/F
0と
して定義し、F
0はスルファ抗生物質なしの場合の506nmの蛍光強度であり、Fはス
ルファ抗生物質のある場合の506nmの蛍光強度であり、F/F
0は3種類の発光金属
有機フレームLMOF蛍光に対する5種類のスルファ抗生物質の影響を示し、F/F
0は
アレイ感知分析の応答信号として使用され、Originソフトウェアで主成分分析を行
う、
ことを特徴とする請求項1に記載の抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセ
ンサーアレイ。
【請求項3】
前記NU901の合成ステップは、
S101、15mLのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニ
ングに入れ、DMFで、0.7~0.8mmol・L-1の塩化ジルコニウム八水和物と
0.7~0.8 mol・L-1の安息香酸をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエ
チレンライニングに入れ、超音波処理によりDMFに溶解し、NU901の初期溶液を得
るステップと、
S102、前記NU901の初期溶液を80℃のオーブンに入れ2時間加熱し、室温まで
冷却し、DMFで1.5~2.5mmol・L-1のH4TBAPyをNU901の初期
溶液に加え、この溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で24時間加熱し、室
温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄するステッ
プと、
S103、次に12mlのDMFおよび0.5mlの8 M HCl水溶液を加え、この混
合物をオーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材
料をDMFで3回洗浄してHCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗
浄しアセトンで12時間浸漬し、120℃で真空条件下で12時間活性化するステップと
、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセ
ンサーアレイ。
【請求項4】
前記NU1000の合成ステップは、
S201、8mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニン
グに加え、DMFで35~38mmol・L-1の塩化ジルコニウムと2.7~2.8 m
ol・L-1の安息香酸をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニング
に加えて超音波処理によりDMFに溶解して、NU1000初期溶液を得るステップと、
S202、前記NU1000初期溶液を80℃のオーブンで1時間加熱し、室温まで冷却
した後、DMFで7~8mmol・L-1の H4TBAPyをNU1000初期溶液に加
え、溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で48時間加熱し、室温まで冷却し
た後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄するステップと、
S203、次に12mlのDMFと0.5ml 8M HCl水溶液を加え、この混合物を
オーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材料をD
MFで3回洗浄してHCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗浄しア
セトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12時間活性化するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗生物質を検出するためのLOMFから構成さ
れたセンサーアレイ。
【請求項5】
前記Cd-TBAPyの合成ステップは、
S301、4.0mlのDMF/ジオキサン/H2O混合溶媒をステンレス鋼反応器のポ
リテトラフルオロエチレンライニングに入れ、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒で2
3~26mmol・L-1の Cd(NO3)2・4H2O、11~13mmol・L-1の
H4TBAPyをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、
120℃で72時間加熱し、ただし、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒の体積比は2
:1:1であるステップと、
S302、室温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗
浄し、アセトンで5回洗浄し、アセトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12
時間活性化するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗生物質を検出するためのLOMFから構成さ
れたセンサーアレイ。
【請求項6】
請求項2に記載の抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーアレイ用の
検出装置であって、
前記検出装置は請求項1から5のいずれか1項に記載のセンサーアレイを搭載するために
使用され、検出装置は96オリフィス細胞培養プレートであることを特徴とする検出装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗生物質の検出技術分野に関し、具体的には、抗生物質を検出するためのLO
MFから構成されたセンサーアレイおよび検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抗生物質の残留物は、人体の細菌に薬剤耐性を発生させ、抗生物質の効能を低下させ、ア
レルギー反応、発癌または催奇形性効果を引き起こす可能性がある。これまで、高速液体
クロマトグラフィー-質量分析(HPLC-MS)、キャピラリー電気泳動、表面増強ラマ
ン散乱(SERS)などの多くの機器技術が抗生物質残留物の測定に使用されてきが、コ
ストが高くなり、操作が複雑で専門家も必要になる欠点がある。
【0003】
蛍光検出法は高感度で操作が簡単であるが、抗生物質の従来の蛍光検出は、主に抗生物質
と受容体の間の特定の認識に向かい、単一または複数の分析物にのみ適し、サンプルに複
数の類似した抗生物質が同時に存在する場合、検出結果が不正確になる。
【0004】
スルホンアミド系抗生物質の検出におけるLMOFの現在の用途は、単一の汚染物質を検
出するための単一のLMOFの使用に限定されており、同様の構造を持つ複合抗生物質の
検出と識別は達成できなく、高性能液体クロマトグラフィー-質量分析(HPLC -MS
)、キャピラリー電気泳動、表面増強ラマン散乱(SERS)、およびその他の検出技術
には、高価で面倒な操作、専門の分析オペレーターの必要性、複雑なサンプル処理などの
欠点がある。同時に、従来の比色または蛍光センシングシステムでは、各センサーは特定
の分析物を検出するように設計されているが、ほとんどの薬物は類似の化学構造と分子サ
イズを持っているため、従来の方法で分類することは困難である。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、出願者は、蛍光ベースの化学センサーが、その高速
応答、高感度、および調製の容易さのために広範な研究の注目を集めていることを発見し
、特に、蛍光MOFは、それらが迅速かつ容易に重金属イオンと有機汚染物質を検出でき
ることを証明したため、本発明は、抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセ
ンサーアレイおよび検出装置を提供する。
【0006】
本発明の技術的解決策は、抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーア
レイであり、
1,3,6,8-テトラ安息香酸-ピレンリガンドに基づく3種類の発光金属有機フレームL
MOFから構成されたセンサーアレイを含み、
前記発光金属有機フレームLMOFは、NU901、NU1000およびCd-TBAP
yを含み、
前記センサーアレイは3組の5×5センサーアレイから構成され、各組の前記5×5セン
サーアレイは5種類のスルファ抗生物質用の5行のオリフィスと5回繰り返し検出用の5
列のオリフィスを含む。
【0007】
LMOFに基づく発光センサーは、携帯性、高選択性と感度、低コストと視覚的検出など
の利点を有し、そのオリフィスの大きさ、形状、化学組成および表面環境を細かく制御す
ることで、あるゲスト分子の選択的捕捉を促進し、その固有の永続的な多孔性は、ゲスト
分子を吸着してゲスト-ホストの相互作用を促進するだけでなく、ゲスト分子を予備濃縮
して検出感度を高めることもでき、さらに、リガンド中のルイスサイトまたはアルカリサ
イトおよびオープンメタルサイトはさらにその選択性を高める。
上記のようなセンサーアレイの設計により、分析物ごとに固有の複合応答を生成でき、選
択性の利点に加えて、センサーアレイは複数種類の物質を同時に分析でき、他方、金属有
機フレームMOFsの異なる組合せによりこれらの材料はマルチチャンネルアレイセンシ
ングシステムを構築するのに非常に適している。
【0008】
さらに、前記センサーアレイの検出方法は、
S1、調製された3種類の発光金属有機フレームLMOF材料をそれぞれ0.125mg
・mL
-1でpH4.95の酢酸-酢酸ナトリウムに浸し、超音波処理して500μg・m
L
-1の懸濁液を得るステップと、
S2、毎回の検出に、懸濁液を2.5μg・mL
-1に希釈し、検出装置のプレートオリ
フィスに、200μLの濃度2.5μg・mL
-1の3種類の発光金属有機フレームLM
OFをそれぞれ移して3組の5×5センサーを構成するステップと、
S3、50μL、25μg・mL
-1の5種類のスルファ抗生物質を各組5×5センサー
アレイの5種類のスルファ抗生物質のオリフィスに加え、各組5×5センサーアレイを室
温下で20分間平衡化してから、マイクロプレートリーダーを使用して蛍光強度を測定し
、ただし、励起光
=312nm、放射光
=506nm、3種類のLMOFを利用して5種類のスルファ抗生物質を5回測定して、
3組の5×5センサーアレイのセンサーアレイを提供するステップを含み、
そのうちに、センサーアレイのデータ分析方法は、蛍光の変化をF/F
0として定義し、
F
0はスルファ抗生物質なしの場合の506nmの蛍光強度であり、Fはスルファ抗生物
質のある場合の506nmの蛍光強度であり、F/F
0は3種類の発光金属有機フレーム
LMOF蛍光に対する5種類のスルファ抗生物質の影響を示し、F/F
0はアレイ感知分
析の応答信号として使用され、Originソフトウェアで主成分を分析するステップを
含む。
【0009】
さらに、前記NU901の合成ステップは、
S101、15mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニ
ングに加え、DMFで0.7~0.8mmol・L-1の塩化ジルコニウム八水和物と0
.7~0.8 mol・L-1の安息香酸をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチ
レンライニングに加えて超音波処理してDMFに溶解し、NU901の初期溶液を得るス
テップと、
S102、前記NU901の初期溶液を80℃のオーブンで2時間加熱し、室温まで冷却
した後、DMFで1.5~2.5mmol・L-1のH4TBAPyをNU901の初期
溶液に加え、そしてこの溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で24時間加熱
し、室温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄する
ステップと、
S103、次に12mlのDMFと0.5mlの8 M HCl水溶液を加え、この混合物
をオーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材料を
DMFで3回洗浄し、HCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗浄し
アセトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12時間活性化するステップとを含
む。
【0010】
さらに、前記NU1000の合成ステップは、
S201、8mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニン
グに加え、DMFで35~38mmol・L-1の塩化ジルコニウムと2.7~2.8 m
ol・L-1の安息香酸をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニング
に加え超音波処理してDMFに溶解し、NU1000初期溶液を得るステップと、
S202、前記NU1000初期溶液を80℃のオーブンに入れ1時間加熱し、室温まで
冷却した後、DMFで7~8mmol・L-1の H4TBAPyをNU1000初期溶液
に加え、そして溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で48時間加熱し、室温
まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄するステップ
と、
S203、次に12mlのDMFと0.5ml 8M HCl水溶液を加え、この混合物を
オーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材料をD
MFで3回洗浄してHCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗浄しア
セトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12時間活性化するステップとを含む
。
【0011】
さらに、前記Cd-TBAPyの合成ステップは、
S301、4.0mlのDMF/ジオキサン/H2O混合溶媒をステンレス鋼反応器のポ
リテトラフルオロエチレンライニングに加え、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒で2
3~26mmol・L-1の Cd(NO3)2・4H2O、11~13mmol・L-1の
H4TBAPyをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、
120℃で72時間加熱し、ただし、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒の体積比が2
:1:1であるステップと、
S302、室温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗
浄してから、アセトンで5回洗浄し、アセトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下
で12時間活性化するステップとを含む。
【0012】
本発明の1つの技術的解決策として、前記検出装置は請求項1から5のいずれか1項に記
載のセンサーアレイを搭載するために使用され、検出装置は96オリフィス細胞培養プレ
ートである。96オリフィス細胞培養プレートは細胞培養などのよく使用されている器具
として、容易に入手し使用が簡単である。
【0013】
本発明のもう1つの技術的解決策として、前記検出装置は、請求項1から5のいずれか1
項に記載のセンサーアレイを搭載するために使用され、検出装置はハウジング、オリフィ
スプレートアセンブリおよび注液アセンブリを含む。
前記ハウジングの内底面にオリフィスプレートアセンブリを超音波洗浄するための超音波
発生器が設けられ、ハウジングの左右両側の側面にそれぞれ1つの検出用品を放置するた
めの搭載板が配置され、前記搭載板は回転軸を介してハウジングに回転可能に接続される
。
前記オリフィスプレートアセンブリは、オリフィスプレート本体、およびオリフィスプレ
ート本体の左右両側の外側壁にそれぞれ設けられたガイドリングを含み、前記ガイドリン
グはオリフィスプレート本体に固定的に接続され、前記オリフィスプレート本体のガイド
リングの中心位置に対応する箇所に、伝達ギアロッドが貫通するための貫通穴が設けられ
、前記伝達ギアロッドの両端にそれぞれスライドギアブロックアセンブリに噛み合って伝
達されたインナーギアおよびハウジング内側壁に設けられたギア溝に噛み合って伝達され
たアウターギアが設けられ、
前記オリフィスプレート本体の内側面の貫通穴の両側にそれぞれ伝達ギアロッドに噛み合
っている1組のスライドギアブロックアセンブリが設けられ、前記スライドギアブロック
アセンブリはスライドブロック、伝達ギアおよびカムから構成され、前記伝達ギアの内側
面がシャフトロッドを介してスライドブロックに回転可能に接続され、前記スライドブロ
ックはオリフィスプレート本体の内側壁に設けられたシュートに摺動可能に接続され、シ
ュートの貫通穴の一端から離れた外側に、スライドブロックの回復を制御するためのスプ
リング部材がさらに設けられ、前記スプリング部材はオリフィスプレート本体の内側壁に
固定的に接続され、前記カムは伝達ギアの外側面に固定的に接続される。
各スライドギアブロックアセンブリ側に対応するオリフィスプレート本体の底面に、それ
ぞれカムの動きによって振動を伝導するためのパドルが設けられ、前記パドルに複数の小
片が設けられ各小片がそれぞれオリフィスプレート本体の底面のオリフィス溝の隙間に位
置し、パドルの底部が複数組のガスケットを介してオリフィスプレート本体の底面に接触
する
前記ガイドリングの環状溝の左右両側にそれぞれ1つのトリガーブロックが設けられ、前
記トリガーブロックは紐でガイドリングおよびオリフィスプレート本体を貫通してスライ
ドブロックの貫通穴一端に近接する側壁に接続され、前記トリガーブロックの環状溝との
接触面にそれぞれ互いに引き付けられる第1の磁気リング、第2の磁気リングが設けられ
、トリガーブロックの外側面にハウジングに設けられたガイドブロックに接続されるねじ
ロッドが設けられる。
前記ガイドブロックの中部に伝達ギアロッドが貫通するロッド穴、およびロッド穴の両側
に位置し2組のトリガーブロックの位置に対応する2組の固定ロッドが設けられ、前記固
定ロッドはアウターロッド本体およびアウターロッド本体に可動に接続されたインナーロ
ッド本体を含み、前記アウターロッド本体のねじロッドに対応する一側にそれが貫通する
ための穴が設けられ、アウターロッド本体の内底面に周方向に複数組の第1のスプリング
が設けられてインナーロッド本体に接続され、前記インナーロッド本体のねじロッド位置
に対応する一側にねじ穴が設けられ、前記ガイドブロックは2組の固定ロッドのアウター
ロッド本体を介してギア溝の両側に位置するハウジング内側壁に設けられたガイド溝に摺
動可能に接続され、前記ガイド溝内の上端にインナーロッド本体と係合および固定される
ための係合穴が設けられる。
前記注液アセンブリは基板および注液チャンバーを含み、前記注液チャンバーは中部のピ
ストン室と両側の貯液室から構成され、注液アセンブリは基板の両側のレールブロックを
介してハウジング両側の内側壁に設けられたレール溝に摺動可能に接続される。
2組の前記貯液室、ピストン室は対応してそれぞれNU901、NU1000およびCd
-TBAPyに対応する3つの貯液室小室、ピストン室小室に分割される。
前記貯液室のピストン室に対応する側壁の下部に複数の第1の連通穴が設けられ、各前記
第1の連通穴に、貯液室からピストン室へ一方向のみ流入を許可する第1の一方向弁が設
けられ、前記注液チャンバーの上面に押し板が設けられ、前記押し板は対応して3組設け
られ、複数組のプッシュロッドを介して対応するピストン室小室に設けられたピストンに
接続され、押し板と注液チャンバー上面の間に複数組の第2のスプリングが設けられ、ピ
ストン室の基板に対応する位置にオリフィスプレートアセンブリのオリフィス数に対応す
る第2の連通穴が設けられ、各前記第2の連通穴はそれぞれガイドパイプを介して基板底
面の各注液口に1対1に対応して接続され、各第2の連通穴にピストン室から各注液口の
ガイドパイプへ一方向のみ流入を許可するための第2の一方向弁が設けられる。
前記注液チャンバーの上面の各貯液室小室に対応する位置にそれぞれ液を充填するための
1つの液充填口が設けられ、注液チャンバーの外側面の2組の貯液室に対応する位置に貯
液室の液位を観察するための観察窓が設けられる。
前記基板の底面の各注液口の隙間に帯状空気出口が設けられ、各前記帯状空気出口はそれ
ぞれパイプを介して基板後側に設けられた熱風送風機の出力端に接続される。
上記の構成要素からなる検出装置は、オリフィスプレートアセンブリを洗浄、乾燥する作
用があり、オリフィスプレートアセンブリのオリフィスにNU901、NU1000また
はCd-TBAPyを高速に注入して、操作過程中の注液効率を高め、オリフィスプレー
トアセンブリとハウジングの伝達配合設計により、ハウジング下部で超音波洗浄する場合
の洗浄効率をさらに高め、次の検出の準備時間を短縮する。
【0014】
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は簡単で経済的かつ効率的なスルファ抗生物質の検出方法を提供し、1,3,
6,8-テトラ安息香酸-ピレン(TBAPy)リガンドに基づく3種類の発光金属有機フ
レームLMOFから構成されたセンサーアレイを含み、大きな比表面積、超高多孔性およ
び調整可能な構造と機能を有し、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、スルファ
ピリミジン、スルファメタジンとスルファジメタジンを感度よくかつ正確に検出と分類で
き、5種類のスルファ抗生物質の高スループットの検出と分類を実現する。
(2)本発明は、センサーアレイのNU901、NU1000およびCd-TBAPyの
3種類の発光金属有機フレームLMOFの調製方法を提供し、提供されるNU901、N
U1000およびCd-TBAPyによりスルファ抗生物質の検出安定性および正確性を
効果的に確保し、PCA方法に基づき、一般的な蛍光信号w単一の分析物の固有の光学指
紋に変換し、分析物識別の分野でLMOFを適用するための新しい方式を提供する。
(3)本発明は、検出装置を提供し、オリフィスプレートアセンブリのオリフィスにNU
901、NU1000またはCd-TBAPyを高速に注入でき、操作過程中の注液効率
を高め、オリフィスプレートアセンブリとハウジングの伝達配合設計により、ハウジング
下部で超音波洗浄する場合の洗浄効率をさらに高め、オリフィスプレートアセンブリを高
速に乾燥して、再検出の準備時間を短縮する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類の5種類のスルファ抗生物質のヒストグラムである。
【
図2】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類の5種類のスルファ抗生物質のヒートマップである。
【
図3】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類の5種類のスルファ抗生物質のPCAスコアを示す図である。
【
図4】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類の5種類のスルファ抗生物質のHCAスペクトラム図である。
【
図5】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類混合スルファ抗生物質のPCAスコアを示す図である。
【
図6】本発明のNU901、NU1000およびCd-TBAPy分類混合スルファ抗生物質のHCAスペクトラム図である。
【
図7】本発明の実施例1の検出装置の96オリフィス細胞培養プレートを示す概略図である。
【
図8】本発明の実施例2の検出装置の展開状態の全体構造を示す概略図である。
【
図9】本発明の実施例2の検出装置の展開状態の局所断面構造を示す概略図である。
【
図10】本発明の実施例2の検出装置の折り畳み状態の全体構造を示す概略図である。
【
図11】本発明の実施例2の検出装置の洗浄状態の全体構造を示す概略図である。
【
図12】本発明の実施例2の検出装置のハウジング構造を示す概略図である。
【
図13】本発明の実施例2の検出装置のガイドブロック構造を示す概略図である。
【
図14】本発明の実施例2の検出装置のオリフィスプレートアセンブリ構造を示す概略図である。
【
図15】本発明の実施例2のオリフィスプレートアセンブリ通常状態の底部の局所断面構造を示す概略図である。
【
図16】本発明の実施例2のオリフィスプレートアセンブリ洗浄状態の底部構造を示す概略図である。
【
図17】本発明の実施例2のオリフィスプレートアセンブリのガイドリング構造を示す概略図である。
【
図18】本発明の実施例2のガイドリングのトリガーブロック構造を示す概略図である。
【
図19】本発明の実施例2の検出装置の注液アセンブリ構造を示す概略図である。
【
図20】本発明の実施例2の検出装置の注液アセンブリの底部構造を示す概略図である。
【
図21】本発明の実施例2の注液アセンブリの局所断面構造を示す概略図である。
【0016】
[符号の説明]
1 ハウジング
11 超音波発生器
12 搭載板
13 ギア溝
14 ガイドブロック
141 ロッド穴
142 固定ロッド
143 アウターロッド本体
144 インナーロッド本体
145 第1のスプリング
15 ガイド溝
151 係合穴
16 レール溝
2 オリフィスプレートアセンブリ
21 オリフィスプレート本体
22 ガイドリング
221 環状溝
222 トリガーブロック
223 紐
224 第1の磁気リング
225 第2の磁気リング
23 伝達ギアロッド
231 インナーギア
232 アウターギア
24 スライドギアブロックアセンブリ
241 スライドブロック
242 伝達ギア
243 カム
25 貫通穴
26 シュート
27 スプリング部材
28 パドル
281 小片
3 注液アセンブリ
31 基板
311 注液口
312 帯状空気出口
32 注液チャンバー
321 ピストン室
322 貯液室
323 第1の連通穴
324 第1の一方向弁
325 第2の連通穴
326 第2の一方向弁
327 液充填口
328 観察窓
33 レールブロック
34 押し板
35 ピストン
36 第2のスプリング
37 熱風送風機
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の利点をよりよく反映するために、具体的な実施形態を参照して本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0018】
実施例1
抗生物質を検出するためのLOMFから構成されたセンサーアレイは、1,3,6,8-テト
ラ安息香酸-ピレンリガンドに基づく3種類の発光金属有機フレームLMOFから構成さ
れたセンサーアレイを含み、前記発光金属有機フレームLMOFはNU901、NU10
00およびCd-TBAPyを含み、前記センサーアレイは3組の5×5センサーアレイ
から構成され、各組の前記5×5センサーアレイは5種類のスルファ抗生物質用の5行の
オリフィスと5回繰り返し検出用の5列のオリフィスを含む。
1)NU901の合成ステップは、
S101、15mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニ
ングに加え、0.011mmol塩化ジルコニウム八水和物(35mg)と11.5mm
ol安息香酸(1.35g)を50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレ
ンライニングに加え超音波処理してDMFに溶解し、NU901の初期溶液を得るステッ
プと、
S102、前記NU901の初期溶液を80℃のオーブンに入れ2時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.03mmol H
4TBAPy(20mg)をNU901の初期溶液に
加え、そしてこの溶液を超音波処理した後オーブンに放置し120℃で24時間加熱し、
室温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄するステ
ップと、
S103、次に12mlのDMFと0.5mlの8 M HCl水溶液を加え、この混合物
をオーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材料を
DMFで3回洗浄してHCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗浄し
アセトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12時間活性化するステップとを含
む。
2)NU1000の合成ステップは、
S201、8mlのDMFを50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレン
ライニングに加え、0.30mmol塩化ジルコニウム(70mg)と22mmol安息
香酸(2.7g)をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え
て、超音波処理してDMFに溶解し、NU1000初期溶液を得るステップと、
S202、前記NU1000初期溶液を80℃のオーブンに入れ1時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.06mmol H
4TBAPy(40mg)をNU1000初期溶液に
加え、次に溶液を超音波処理した後オーブンに放置し120℃で48時間加熱し、室温ま
で冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄するステップと
、
S203、次に12mlのDMFと0.5ml 8M HCl水溶液を加え、この混合物を
オーブンに入れ100℃で24時間加熱し、室温まで冷却した後、溶液を除去し材料をD
MFで3回洗浄してHCl不純物を除去し、その後固形残留物をアセトンで3回洗浄しア
セトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12時間活性化するステップとを含む
。
3)Cd-TBAPyの合成ステップは、
S301、4.0mlのDMF/ジオキサン/H
2O混合溶媒を50mLステンレス鋼反
応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、0.1mmol Cd(NO
3)
2
・4H
2O(27.76mg)、0.05mmol H
4TBAPy(20.48mg)
をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、120℃で72
時間加熱し、ただし、DMF/ジオキサン/H
2O混合溶媒の体積比が2:1:1である
ステップと、
S302、室温まで冷却した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗
浄し、アセトンで5回洗浄し、アセトンに12時間浸漬し、120℃の真空条件下で12
時間活性化するステップと、を含む。
LMOFに基づく発光センサーは、携帯性、高選択性と感度、低コストと視覚的検出など
の利点を有し、そのオリフィスの大きさ、形状、化学組成および表面環境を細かく制御す
ることで、あるゲスト分子の選択的捕捉を促進し、その固有の永続的な多孔性は、ゲスト
分子を吸着してゲスト-ホストの相互作用を促進するだけでなく、ゲスト分子を予備濃縮
して検出感度を高めることもでき、さらに、リガンド中のルイスサイトまたはアルカリサ
イトおよびオープンメタルサイトはさらにその選択性を高め、上記のようなセンサーアレ
イの設計により、分析物ごとに固有の複合応答を生成でき、選択性の利点に加えて、セン
サーアレイは複数種類の物質を同時に分析でき、他方、金属有機フレームMOFsの異な
る組合せによりこれらの材料はマルチチャンネルアレイセンシングシステムを構築するの
に非常に適している。
その内に、上記センサーアレイの検出方法は、
S1、調製された3種類の発光金属有機フレームLMOF材料を0.125mg・mL
-
1でpH4.95の酢酸-酢酸ナトリウムにそれぞれ浸し、超音波処理して500μg・
mL
-1の懸濁液を得るステップと、
S2、毎回の検出に、懸濁液を2.5μg・mL
-1に希釈し、検出装置のプレートオリ
フィスに、200μLの濃度2.5μg・mL
-1の3種類の発光金属有機フレームLM
OFをそれぞれ移して3組の5×5センサーを構成するステップと、
ただし、
図7に示すように、検出装置は96オリフィス細胞培養プレートであり、市販さ
れている96オリフィス細胞培養プレートを細胞培養でよく使用されている器具として選
択し、容易に入手し使用が簡単である。
S3、50μL、25μg・mL
-1の5種類のスルファ抗生物質を各組5×5センサー
アレイの5種類のスルファ抗生物質のオリフィスに加え、各組5×5センサーアレイを室
温下で20分間平衡化し、マイクロプレートリーダーによって蛍光強度を測定し、ただし
、励起光
=312nm、放射光
=506nm、3種類のLMOFを使用して5種類のスルファ抗生物質を5回測定して、
3組の5×5センサーアレイのセンサーアレイを提供するステップとを含み、
その内に、センサーアレイのデータ分析方法は以下の通りであり、蛍光の変化をF/F
0
として定義し、F
0はスルファ抗生物質なしの場合の506nmの蛍光強度であり、Fは
スルファ抗生物質存在の場合の506nmの蛍光強度であり、F/F
0は3種類の発光金
属有機フレームLMOF蛍光に対する5種類のスルファ抗生物質の影響を示し、F/F
0
はアレイ感知分析の応答信号として使用され、Originソフトウェアで主成分を分析
する。
【0019】
実施例2
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は検出装置であり、具体的
には、
図8、10、11に示すように、検出装置はハウジング1、オリフィスプレートア
センブリ2および注液アセンブリ3を含む。
1)ハウジング1
図9に示すように、前記ハウジング1の内底面にオリフィスプレートアセンブリを超音波
洗浄するための超音波発生器11が設けられ、ハウジング1の左右両側の側面にそれぞれ
1つの検出用品を放置するための搭載板12が配置され、前記搭載板12は回転軸を介し
てハウジング1に回転可能に接続される。
2)オリフィスプレートアセンブリ2
図14~16に示すように、前記オリフィスプレートアセンブリ2はオリフィスプレート
本体21、およびオリフィスプレート本体21の左右両側の外側壁にそれぞれ設けられた
ガイドリング22を含み、前記オリフィスプレート本体21は各部材を搭載するためのフ
レーム本体とフレーム本体に着脱可能に接続された96オリフィスオリフィスプレートか
ら構成され、オリフィスプレートなどを容易に交換するために採用され、前記ガイドリン
グ22はオリフィスプレート本体21に固定的に接続され、前記オリフィスプレート本体
21のガイドリング22の中心位置に対応する箇所に伝達ギアロッド23が貫通する貫通
穴25が設けられ、前記伝達ギアロッド23の両端にそれぞれスライドギアブロックアセ
ンブリ24に噛み合って伝達されたインナーギア231、およびハウジング1の内側壁に
設けられたギア溝13に噛み合って伝達されたアウターギア232が設けられ、前記ギア
溝13は単側溝本体の側壁にラックが設けられた構造である。
図15に示すように、前記オリフィスプレート本体21の内側面の貫通穴25の両側に、
それぞれ伝達ギアロッド23に噛み合っている1組のスライドギアブロックアセンブリ2
4が設けられ、前記スライドギアブロックアセンブリ24はスライドブロック241、伝
達ギア242およびカム243から構成され、前記伝達ギア242の内側面はシャフトロ
ッドを介してスライドブロック241に回転可能に接続され、前記スライドブロック24
1はオリフィスプレート本体21の内側壁に設けられたシュート26に摺動可能に接続さ
れ、シュート26の貫通穴25の一端から離れた外側に、スライドブロック241の回復
を制御するためのスプリング部材27が設けられ、前記スプリング部材27はオリフィス
プレート本体21の内側壁に固定的に接続され、前記カム243は伝達ギア242の外側
面に固定的に接続される。
図15または
図16に示すように、各対応するスライドギアブロックアセンブリ24の一
側に位置するオリフィスプレート本体21の底面に、それぞれカム243の動きによって
振動を伝導するためのパドル28が設けられ、前記パドル28に5つの小片281が設け
られ各小片281はそれぞれオリフィスプレート本体21の底面のオリフィス溝の隙間に
位置し、パドル28の底部が複数組のガスケットを介してオリフィスプレート本体21の
底面に接触する。
図17、18に示すように、前記ガイドリング22の環状溝221の左右両側にそれぞれ
トリガーブロック222が設けられ、前記トリガーブロック222は紐223を介してガ
イドリング22およびオリフィスプレート本体21を貫通してスライドブロック241の
貫通穴25一端に近接する側壁に接続され、紐223は市販されている鋼線ロープを採用
し、前記トリガーブロック222の環状溝221との接触面にそれぞれ互いに引き付けら
れる第1の磁気リング224、第2の磁気リング225が設けられ、トリガーブロック2
22の外側面にハウジング1に設けられたガイドブロック14に接続されるねじロッドが
設けられる。
図13に示すように、前記ガイドブロック14の中部に伝達ギアロッド23が貫通するロ
ッド穴141、およびロッド穴141の両側に位置し2組のトリガーブロック222の位
置に対応する2組の固定ロッド142が設けられ、前記固定ロッド142は、アウターロ
ッド本体143およびアウターロッド本体143に可動に接続されたインナーロッド本体
144を含み、前記アウターロッド本体143のねじロッドに対応する一側にそれが貫通
する穴が設けられ、アウターロッド本体143の内底面に周方向に6組の第1のスプリン
グ145が設けられてインナーロッド本体144に接続され、前記インナーロッド本体1
44のねじロッドの位置に対応する一側にねじ穴が設けられ、
図12に示すように、前記
ガイドブロック14は2組の固定ロッド142のアウターロッド本体143を介してギア
溝13の両側に位置するハウジング1内側壁に設けられたガイド溝15に摺動可能に接続
され、前記ガイド溝15内の上端にインナーロッド本体144と係合され固定されるため
の係合穴151が設けられる。
3)注液アセンブリ3
図12、19に示すように、前記注液アセンブリ3は基板31および注液チャンバー32
を含み、前記注液チャンバー32は中部のピストン室321と両側の貯液室322から構
成され、注液アセンブリ3は基板31の両側のレールブロック33を介してハウジング1
の両側内側壁に設けられたレール溝16に摺動可能に接続され、2組の前記貯液室322
、ピストン室321は対応してそれぞれNU901、NU1000およびCd-TBAP
yに対応する3つの貯液室322小室、ピストン室321小室に分割される。
図21に示すように、前記貯液室322のピストン室321に対応する側壁の下部に複数
の第1の連通穴323が設けられ、各前記第1の連通穴323に貯液室322からピスト
ン室321へ一方向のみ流入を許可する第1の一方向弁324が設けられ、前記注液チャ
ンバー32の上面に押し板34が設けられ、前記押し板34は対応して3組設けられ、複
数組のプッシュロッドを介して対応のピストン室321の小室内に設けられたピストン3
5に接続され、押し板34と注液チャンバー32の上面の間に複数組の第2のスプリング
36が設けられ、ピストン室321の基板31に対応する位置にオリフィスプレートアセ
ンブリ2のオリフィス数に対応する第2の連通穴325が設けられ、各前記第2の連通穴
325はそれぞれガイドパイプを介して基板31底面の各注液口311に1対1に対応し
て接続され、各第2の連通穴325にピストン室321から各注液口311のガイドパイ
プへ一方向のみ流入を許可する第2の一方向弁326が設けられる。
図20に示すように、前記注液チャンバー32の上面の各貯液室322小室に対応する位
置にそれぞれ液添加ための液充填口327が設けられ、注液チャンバー32の外側面の2
組の貯液室322に対応する位置にそれぞれ貯液室322の液位を観察するための観察窓
328が設けられ、前記基板31の底面の各注液口311隙間に帯状空気出口312がさ
らに設けられ、各前記帯状空気出口312はそれぞれパイプを介して基板31後側に設け
られた熱風送風機37の出力端に接続される。
上記部材から構成された検出装置は、オリフィスプレートアセンブリ2を洗浄および乾燥
する作用を有し、オリフィスプレートアセンブリ2のオリフィスにNU901、NU10
00またはCd-TBAPyを高速に注入することができ、操作過程中の注液効率を高め
、オリフィスプレートアセンブリ2とハウジング1の伝達配合設計により、ハウジング1
下部に超音波洗浄する場合の洗浄効率をさらに高め、再検出準備時間を短縮する。
上記検出装置の動作方法は以下のとおりである。
調製され希釈されたNU901、NU1000またはCd-TBAPyをそれぞれ注液ア
センブリ3の2組の注液チャンバー32の対応するチャンバー内に事前に充填し、その後
NU901、NU1000またはCd-TBAPyのそれぞれ対応の押し板34を押して
、対応するピストン35を対応するピストン室321内で下向きに運動し、次に上向きに
引き付けて回復し、ピストン室321内のチャンバーポンピングにより、貯液室322内
のNU901、NU1000またはCd-TBAPyがピストン室321内に吸い込まれ
、その後NU901、NU1000またはCd-TBAPyを必要する96オリフィスプ
レート上にオリフィスサイトで注液し、ただし、本実施例では以下のように設定され、9
6オリフィスプレートの8×12オリフィスプレートについて、この96オリフィスプレ
ートを均一に前、中、後の各8×4オリフィスプレート区域に定義し、各対応の8×4オ
リフィスプレート区域に対応する注液アセンブリ3の注液口311は対応のピストン室3
21の小室の第2の連通穴325、第2の一方向弁326とパイプを介して連通され、N
U901、NU1000およびCd-TBAPyそれぞれの注液制御および添加を満たし
、プラグピースによって非使用の他の注液口311を塞ぎ、準備が完了する。
注液アセンブリ3がレール溝16に沿ってハウジング1の上方に押し込まれ、下のオリフ
ィスプレートアセンブリ2に面し、次に押し板34を押して第2の連通穴325、第2の
一方向弁326およびパイプを対応の注液口311に挿入し、そして対応のオリフィスに
注入し、押し板34の押しストロークによってオリフィス中の注入量を制御し、その後実
施例1中のS3ステップで5種類のスルファ抗生物質を測定する。
測定終了後、オリフィスプレートアセンブリ2を180°反転させ、反転中、オリフィス
プレート本体21の左右両側のガイドリング22とガイドブロック14の2組の固定ロッ
ド142を180°回転させて、2組の紐223を引っ張り、スライドギアブロックアセ
ンブリ24が伝達ギアロッド23に移動し噛み合っている。
同時に、紐223の締め付け中、固定ロッド142のインナーロッド本体144がガイド
リング22のトリガーブロック222に接続されるため、各組の第1のスプリング145
を圧縮し、アウターロッド本体143から出たインナーロッド本体144部分がアウター
ロッド本体143内に引っ込まれ、インナーロッド本体144とガイド溝15の係合穴1
51の係合状態が解除される。
180°反転されたオリフィスプレートアセンブリ2をギア溝13およびガイド溝15に
沿って下向きに押し付けて、ハウジング1の底部の水に沈め、同時に超音波発生器11を
作動させ、オリフィスプレートアセンブリ2を水に対してを繰り返して沈下および上昇さ
せ、繰り返し過程中、伝達ギアロッド23のアウターギア232はギア溝13と噛み合っ
て継続的に回転し、同時に2組のスライドギアブロックアセンブリ24の伝達ギア242
は伝達ギアロッド23のインナーギア231と噛み合って伝達されて、カム243が繰り
返して回転し、カム243の動きによってパドル28を振動させ、各小片281によって
振動をオリフィスプレート本体21に伝導させて、洗浄効果を向上させる。
洗浄終了後、オリフィスプレートアセンブリ2をハウジング1上部の初期位置に移動させ
、180°反転させ、ガイドリング22の2組のトリガーブロック222を回復し、紐2
23が弛緩した後、インナーロッド本体144が第1のスプリング145の回復力により
アウターロッド本体143から出てガイド溝15の係合穴151に係合され、同時に、ス
ライドギアブロックアセンブリ24のスライドブロック241はスプリング部材27の回
復力によってシュート26に沿って回復され、伝達ギアロッド23との噛み合い状態が解
除される。
次に、注液アセンブリ3をレール溝16に沿ってハウジング1上方に押し込み、下のオリ
フィスプレートアセンブリ2に面し、熱風送風機37を作動させ、各帯状空気出口312
を介してオリフィスプレート本体21を高速乾燥する。
【0020】
実施例3
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点はNU901の合成ステッ
プS101であり、具体的には、
ステップS101では、15mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエ
チレンライニングに加え、0.0105mmolの塩化ジルコニウム八水和物と10.5
mmolの安息香酸を50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニ
ングに加え超音波処理してDMFに溶解し、NU901の初期溶液を得る。
【0021】
実施例4
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU901の合成ステ
ップS101であり、具体的には、
S101、15mlのDMFをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニ
ングに加え、DMFで0.012mmolの塩化ジルコニウム八水和物と12mmolの
安息香酸を50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え
超音波処理してDMFに溶解し、NU901の初期溶液を得る。
【0022】
実施例5
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU901の合成ステ
ップS102であり、具体的には、
S102、前記NU901の初期溶液を80℃のオーブンに入れ2時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.0225mmolのH4TBAPyをNU901の初期溶液に加え、次
にこの溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で24時間加熱し、室温まで冷却
した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄する。
【0023】
実施例6
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU901の合成ステ
ップS102であり、具体的には、
S102、前記NU901の初期溶液を80℃のオーブンに入れ2時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.0375mmolのH4TBAPyをNU901の初期溶液に加え、次
にこの溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で24時間加熱し、室温まで冷却
した後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄する。
【0024】
実施例7
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU1000の合成ス
テップS201であり、具体的には、
S201、8mlのDMFを50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレン
ライニングに入れ、0.28mmolの塩化ジルコニウムと21.6mmolの安息香酸
をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え超音波処理してD
MFに溶解し、NU1000初期溶液を得る。
【0025】
実施例8
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU1000の合成ス
テップS201であり、具体的には、
S201、8mlのDMFを50mLステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレン
ライニングに加え、0.304mmolの塩化ジルコニウムと22.4mmolの安息香
酸をステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え超音波処理して
DMFに溶解し、NU1000初期溶液を得る。
【0026】
実施例9
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU1000の合成ス
テップS202であり、具体的には、
S202、前記NU1000初期溶液を80℃のオーブンに入れ1時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.056mmolの H4TBAPyをNU1000初期溶液に加え、溶
液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で48時間加熱し、室温まで冷却した後、
DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄する。
【0027】
実施例10
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、NU1000の合成ス
テップS202であり、具体的には、
S202、前記NU1000初期溶液を80℃のオーブンに入れ1時間加熱し、室温まで
冷却した後、0.064mmolの H4TBAPyをNU1000初期溶液に加え、次
に溶液を超音波処理した後オーブンに入れ120℃で48時間加熱し、室温まで冷却した
後、DMFを使用して8000rで5分間遠心分離し5回洗浄する。
【0028】
実施例11
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、Cd-TBAPyの合
成ステップS301であり、具体的には、
S301、4.0mlのDMF/ジオキサン/H2O混合溶媒を50mLステンレス鋼反
応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、DMF/ジオキサン/H2O混合
溶媒で、0.092mmolの Cd(NO3)2・4H2O、0.044mmolの H4
TBAPyをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、12
0℃で72時間加熱し、ただし、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒の体積比が2:1
:1である。
【0029】
実施例12
本実施例は実施例1と基本的に同じであるが、異なっている点は、Cd-TBAPyの合
成ステップS301であり、具体的には、
S301、4.0mlのDMF/ジオキサン/H2O混合溶媒を50mLステンレス鋼反
応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、DMF/ジオキサン/H2O混合
溶媒で、0.104mmolの Cd(NO3)2・4H2O、0.052mmolの H4
TBAPyをステンレス鋼反応器のポリテトラフルオロエチレンライニングに加え、12
0℃で72時間加熱し、ただし、DMF/ジオキサン/H2O混合溶媒の体積比が2:1
:1である。
【0030】
実験例
一、実験対象:
それぞれ実施例1、実施例3~12で調製されたNU901、NU1000、Cd-TB
APyから構成されたセンサーアレイを使用して、スルファメトキサゾール、スルファピ
リジン、スルファピリミジン、スルファメタジンおよびスルファジメタジンの5種類のス
ルファ抗生物質を検出および分類する。
【0031】
二、実験の準備:
1)抗生物質原液の調製:
スルファメタジン(SMZ)を例にして、13.9mg SMZ(0.05mmol)を
14mL NaOH(0.01 mol・L-1)溶液に加え、磁気攪拌下で溶解し、次に
50mLになるまで脱イオン水を加え、用意溶液(pH=8.0)として使用する。
2)センサーアレイ:
それぞれ調製された3種類の発光金属有機フレームLMOF材料を、0.125mg・m
L-1でpH4.95の酢酸-酢酸ナトリウムに浸し、超音波処理して500μg・mL-
1の懸濁液を得、懸濁液を2.5μg・mL-1に希釈し、検出装置のプレートオリフィ
スに、200μLの濃度2.5μg・mL-1の3種類の発光金属有機フレームLMOF
をそれぞれ移して3組の5×5センサーを構成する。
【0032】
三、実験方法
50μL、25μg・mL
-1の5種類のスルファ抗生物質を各組5×5センサーアレイ
の5種類のスルファ抗生物質のオリフィスに加え、各組5×5センサーアレイを室温下で
20分間平衡化し、次にマイクロプレートリーダーによって蛍光強度を測定し、ただし、
励起光
=312nm、放射光
=506nmである。
蛍光の変化をF/F
0として定義し、F
0はスルファ抗生物質なしの場合の506nmの
蛍光強度であり、Fはスルファ抗生物質のある場合の506nmの蛍光強度であり、F/
F
0は3種類の発光金属有機フレームLMOF蛍光に対する5種類のスルファ抗生物質の
影響を示し、F/F
0はアレイ感知分析の応答信号として使用され、Originソフト
ウェアで主成分を分析する。
【0033】
四、実験結論:
実施例1のセンサーアレイを使用して5種類のスルファ抗生物質を検出および分類し、図
1~6に示すように、
図1は2ppmの3つのプローブを使用してそれぞれ5ppmの5種類のスルファ抗生物
質を消す効果を示し、F/F
0で示され、類似な抗生物質に対する単一のプローブの消し
効果は類似し、正確に分類できないことを示した。
図2は2ppmの3つのプローブを使用してそれぞれ5ppmの5種類のスルファ抗生物
質を消す効果を示し、右側の数字はF/F0であり、各スルファ抗生物質について5回並
列試験した。
図3は2ppmの3つのプローブを使用して5ppmの5種類のスルファ抗生物質を消す
効果をPCA分析した後得られたスコアを示す図であり、異なるタイプの抗生物質間に重
複がなく、良好な分類効果を達成した。
図4は2ppmの3つのプローブを使用てい5ppmの5種類のスルファ抗生物質を消す
効果をHCA分析した後得られたスペクトラム図であり、同じタイプの抗生物質が5回並
列であれば正確に分類でき、良好な分類効果を達成した。
図5は2ppmの3つのプローブを使用して5ppmのスルファピリジンとスルファピリ
ミジンの異なる比例の混合物を消す効果をPCA分析した後得られたスコアを示す図であ
り、異なる比例の混合物間に重複がなく、混合スルファ抗生物質の良好な分類を達成した
。
図6は2ppmの3つのプローブを使用して5ppmのスルファピリジンとスルファピリ
ミジンの異なる比例の混合物を消す効果をHCA分析した後得られたスペクトラム図であ
り、異なる比例の混合物が5回並列であれば正確に分類でき、混合スルファ抗生物質の分
類を達成した。
以上のように、本発明によって設計されたセンサーアレイを採用することで、単一スルフ
ァ抗生物質を効果的に検出および分類でき、混合スルファ抗生物質も効果的に検出および
分類でき、且つ分類効果が明らかである。
【0034】
同時に、NU901、NU1000、Cd-TBAPyの異なる合成ステップによるセン
サーアレイの検出および分類効果に対する影響を検討するために、以下のように調べた。
1)NU901の異なる合成ステップによるセンサーアレイの5種類のスルファ抗生物質
の検出および分類に対する影響の調べ
実施例1と実施例3、実施例4、実施例5および実施例6を比較し、5ppmスルファピ
リジンとスルファピリミジンの混合物(1:1、v/v)の消し効果をPCA分析し、そ
れぞれ50組検出し、完全に重複しないのを良好な分類と判定し(
図5に示す)、重複し
判定できないのを無効分類とし、他の場合を通常分類と判定し、各良好分類の割合を算出
し、結果を以下の表1に示した。
表1 実施例1および3~5 混合スルファ抗生物質に対する検出および分類統計表
【0035】
【0036】
結論:上記の表1から分かるように、実施例3、実施例4ではそれぞれNU901の合成
ステップS101中の塩化ジルコニウム八水和物、安息香酸の添加比例を調整したが、調
整後その良好分類の割合が低下し、これに基づいて、実施例1の塩化ジルコニウム八水和
物、安息香酸の添加比例が実施例3、4より良好であると推測できる。
実施例5、実施例6ではそれぞれNU901の合成ステップS102中のH
4TBAPy
の添加比例を調整したが、調整後その良好分類の割合が低下し、これに基づいて、実施例
1のH
4TBAPyの添加比例が実施例5、6より良好であると推測できる。
2)NU1000の異なる合成ステップによる5種類のスルファ抗生物質のセンサーアレ
イ検出および分類に対する影響の調べ
実施例1と実施例7、実施例8、実施例9および実施例10を比較し、5ppmのスルフ
ァピリジンとスルファピリミジンの混合物(1:1、v/v)の消し効果をPCA分析し
、それぞれ50組検出し、完全に重複しないのを良好分類と判定し(
図5に示す)、重複
し判定できないのを無効分類とし、他の場合を通常分類と判定し、各良好分類の割合を算
出して、結果を以下の表2に示した。
表2 実施例1および7~10 混合スルファ抗生物質に対する検出および分類統計表
【0037】
【0038】
結論:上記の表2から分かるように、実施例7、実施例8ではそれぞれNU1000の合
成ステップS201中の塩化ジルコニウム、安息香酸の添加比例を調整したが、調整後そ
の良好分類の割合が低下し、実施例1の塩化ジルコニウム、安息香酸添加比例が実施例7
、8より良好であると推測できる。
実施例9、実施例10ではそれぞれNU1000の合成ステップS202中のH
4TBA
Pyの添加比例を調整したが、調整後その良好分類の割合が低下し、これに基づいて、実
施例1のH
4TBAPyの添加比例が実施例9、10より良好であると推測できる。
3)Cd-TBAPyの異なる合成ステップによる5種類のスルファ抗生物質のセンサー
アレイ検出および分類に対する影響の調べ
実施例1と実施例11、実施例12を比較して、5ppmのスルファピリジンとスルファ
ピリミジンの混合物(1:1、v/v)の消し効果をPCA分析し、それぞれ50組検出
し、完全に重複しないのを良好分類と判定し(
図5に示す)、重複し判定できないのを無
効分類とし、他の場合を通常分類と判定し、各良好分類の割合を算出して、結果を以下の
表3に示した。
表3 実施例1および11~12 混合スルファ抗生物質に対する検出および分類統計表
【0039】
【0040】
結論:上記の表3から分かるように、実施例11、実施例12ではそれぞれCd-TBA
Pyの合成ステップS301中のCd(NO3)2・4H2O、 H4TBAPyの添加比
例を調整したが、調整後その良好分類の割合が低下し、これに基づいて、実施例1のCd
(NO3)2・4H2O、 H4TBAPyの添加比例が実施例11、12より良好である
と推測できる。