(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043187
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】制御装置、管理装置、表示制御装置、制御プログラム及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230320BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
B65G1/137 A
A61J3/00 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146336
(22)【出願日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2021150362
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022018101
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】湯山 裕之
(72)【発明者】
【氏名】寺田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼上 博史
(72)【発明者】
【氏名】圓井 善三
【テーマコード(参考)】
3F522
4C047
【Fターム(参考)】
3F522AA06
3F522BB15
3F522CC01
3F522CC07
3F522DD04
3F522DD32
3F522GG18
3F522KK02
3F522LL37
4C047JJ06
4C047JJ07
4C047JJ27
4C047JJ31
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を軽減する。
【解決手段】制御装置(3)は、薬剤を保管するドラッグステーション(2)に保管される薬剤を保管可能な保管装置(1)であり、かつ薬剤を収容する薬剤箱を保管する保管装置(1)を制御する。制御装置(3)は、保管装置(1)から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部(31)と、決定部(31)が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を保管装置(1)から払出す払出制御部(32)と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を保管する第1保管装置に保管される薬剤、及び薬剤を保管する薬剤棚に保管される薬剤の少なくとも何れかを保管可能な第2保管装置であり、かつ前記薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置を制御する制御装置であって、
前記第2保管装置から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部と、
前記決定部が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を前記第2保管装置から払出す払出制御部と、を備える、制御装置。
【請求項2】
払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数より、前記第1保管装置又は前記薬剤棚に保管されている前記払出対象の薬剤の在庫数が少ない場合に、前記決定部は、前記指定数と前記在庫数との差分を、前記払出数として決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数より、前記第1保管装置又は前記薬剤棚に保管されている前記払出対象の薬剤の在庫数が少ない場合に、
前記決定部は、前記薬剤箱に収容される前記払出対象の薬剤の数として規定された規定数の倍数のうち、(1)前記指定数と一致する値、又は、(2)前記指定数に最も近い、前記指定数未満の値を、前記払出数として決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1保管装置は、薬剤を保管するカセットを保管するカセット棚と、前記カセットからの前記薬剤の取出し、又は前記カセットへの薬剤の投入を可能とする薬剤授受部と、を備え、
前記制御装置は、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットの、前記カセット棚から前記薬剤授受部への搬送を制御する搬送制御部を備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1保管装置に保管されている払出対象の薬剤の有効期限又は使用期限に応じて、前記搬送制御部は、前記カセットの搬送動作の実施又は不実施を決定する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記薬剤授受部はシャッタを備え、
前記制御装置は、前記シャッタの開閉を制御するシャッタ制御部を備え、
前記搬送制御部が前記カセットを前記薬剤授受部まで搬送させた後、前記シャッタ制御部は、前記払出対象の薬剤の収容位置にあわせて前記シャッタを開く、請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記決定部は、払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数から前記払出数を減じた値を、前記第1保管装置から取出すべき薬剤の数として決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記薬剤箱に貼付されるラベルを出力するラベル出力装置と通信可能に接続でき、
前記第2保管装置から払出された薬剤箱から、前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報を含むラベルを、前記ラベル出力装置に出力させる出力制御部を備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
薬剤を収容する薬剤箱を保管する保管装置における、前記薬剤箱の保管状況を管理する管理装置であって、
前記管理装置は、情報を記憶する記憶装置と、情報を報知する報知装置と、にそれぞれ接続可能であり、
前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報と、前記薬剤箱に収容された薬剤の残数を示す残数情報と、を関連付けた関連情報を、前記記憶装置に記憶する情報管理部と、
前記記憶装置に前記関連情報が記憶されている場合に、前記関連情報に対応する薬剤を収容する薬剤箱が、前記保管装置に返却されていないことを、前記報知装置に報知させる報知制御部と、を備える、管理装置。
【請求項10】
前記保管装置から払出された薬剤箱であって、かつ前記薬剤箱に収容された薬剤の一部が取出された後の残りの薬剤が収容された薬剤箱には、前記管理情報を含むラベルが貼付されており、
前記ラベルから前記管理情報を取得する取得装置と接続可能であり、
前記情報管理部は、前記取得装置が取得した管理情報を含む関連情報を、前記記憶装置から削除する、請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記記憶装置には、
前記保管装置に保管される薬剤箱に含まれる薬剤の在庫数を管理する在庫テーブルと、
前記関連情報を一時的に管理する一時在庫テーブルと、が記憶されており、
前記情報管理部は、前記一時在庫テーブルから前記関連情報を削除した場合に、前記関連情報に対応する残数を、前記関連情報に対応する薬剤の在庫数に加算して、前記在庫テーブルに記憶する、請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
薬剤を保管する第1保管装置に保管される薬剤、及び薬剤を保管する薬剤棚に保管される薬剤の少なくとも何れかを保管可能な第2保管装置であり、かつ前記薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置を制御する制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
前記第2保管装置から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部、及び、
前記決定部が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を前記第2保管装置に払出させる払出制御部、
としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項13】
薬剤を収容する薬剤箱を保管する保管装置における、前記薬剤箱の保管状況を管理する管理装置としてコンピュータを機能させるための管理プログラムであって、
前記管理装置は、情報を記憶する記憶装置と、情報を報知する報知装置と、にそれぞれ接続可能であり、
前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報と、前記薬剤箱に収容された薬剤の残数を示す残数情報と、を関連付けた関連情報を、前記記憶装置に記憶する情報管理部、及び、
前記記憶装置に前記関連情報が記憶されている場合に、前記関連情報に対応する薬剤を収容する薬剤箱が、前記保管装置に返却されていないことを、前記報知装置に報知させる報知制御部、
としてコンピュータを機能させるための管理プログラム。
【請求項14】
薬剤を保管する第1保管装置と、前記第1保管装置に保管される薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置と、の少なくとも何れかから取出すべき薬剤の数と共に、
前記第1保管装置から取出される薬剤と同種の薬剤を収容した薬剤箱を、前記第2保管装置から払出す入力操作を受付可能な払出ボタンを、表示装置に表示する、表示制御装置。
【請求項15】
薬剤を保管する第1保管装置と、薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置と、の少なくとも何れかから取出すべき薬剤の数と共に、
取出される薬剤を収容した薬剤箱を、前記第2保管装置から払出す入力操作を受付可能な払出ボタンを、表示装置に表示し、
薬剤の取出先の決定結果に基づく全ての薬剤の搬送が完了したときに、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付不可の状態から受付可能な状態に変更する、表示制御装置。
【請求項16】
前記第1保管装置は、前記第1保管装置に保管された薬剤を取出すことが可能な取出口を備え、
前記表示制御装置は、
前記第1保管装置に保管された薬剤の前記取出口への搬送中、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付不可の状態で表示し、
前記第1保管装置に保管された薬剤が前記取出口に搬送されたときに、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付可能な状態に変更する、請求項14又は15に記載の表示制御装置。
【請求項17】
前記第1保管装置は、前記第1保管装置に保管された薬剤を取出すことが可能な取出口を備え、
前記表示制御装置は、
前記第1保管装置に保管された薬剤の前記取出口への搬送中、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付不可の状態で表示し、
前記第2保管装置から前記薬剤箱が払出されたときに、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付可能な状態に変更する、請求項14又は15に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤又は薬剤箱を保管する保管装置の制御装置及び管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局にて患者に薬剤が提供されるときの形態は、少なくとも1つの薬剤を収容したPTP(Press Through Package)シート、及び、少なくとも1つの薬剤を収容した分包袋等、多種にわたる。また、患者に提供される薬剤を調剤するために、多種の装置が利用されている。当該機器の一例として、特許文献1に記載の装置が挙げられる。一方で、調剤するための装置に利用される薬剤は、通常、箱に梱包され、薬局に備蓄されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2020/158579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の装置の使用に際して、薬局に備蓄されている薬剤を取集める作業、又は、当該装置に薬剤を補充する作業は、作業者にとって手間であり、煩雑な作業になり得る。本発明の一態様は、当該作業に対する作業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様に係る制御装置は、薬剤を保管する第1保管装置に保管される薬剤、及び薬剤を保管する薬剤棚に保管される薬剤の少なくとも何れかを保管可能な第2保管装置であり、かつ前記薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置を制御する制御装置であって、前記第2保管装置から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部と、前記決定部が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を前記第2保管装置から払出す払出制御部と、を備える。
【0006】
また、本発明の一態様に係る制御プログラムは、薬剤を保管する第1保管装置に保管される薬剤、及び薬剤を保管する薬剤棚に保管される薬剤の少なくとも何れかを保管可能な第2保管装置であり、かつ前記薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置を制御する制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記第2保管装置から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部、及び、前記決定部が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を前記第2保管装置に払出させる払出制御部、としてコンピュータを機能させるための制御プログラムである。
【0007】
(2)本発明の一態様に係る管理装置は、薬剤を収容する薬剤箱を保管する保管装置における、前記薬剤箱の保管状況を管理する管理装置であって、前記管理装置は、情報を記憶する記憶装置と、情報を報知する報知装置と、にそれぞれ接続可能であり、前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報と、前記薬剤箱に収容された薬剤の残数を示す残数情報と、を関連付けた関連情報を、前記記憶装置に記憶する情報管理部と、前記記憶装置に前記関連情報が記憶されている場合に、前記関連情報に対応する薬剤を収容する薬剤箱が、前記保管装置に返却されていないことを、前記報知装置に報知させる報知制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る管理プログラムは、薬剤を収容する薬剤箱を保管する保管装置における、前記薬剤箱の保管状況を管理する管理装置としてコンピュータを機能させるための管理プログラムであって、前記管理装置は、情報を記憶する記憶装置と、情報を報知する報知装置と、にそれぞれ接続可能であり、前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報と、前記薬剤箱に収容された薬剤の残数を示す残数情報と、を関連付けた関連情報を、前記記憶装置に記憶する情報管理部、及び、前記記憶装置に前記関連情報が記憶されている場合に、前記関連情報に対応する薬剤を収容する薬剤箱が、前記保管装置に返却されていないことを、前記報知装置に報知させる報知制御部、としてコンピュータを機能させるための管理プログラムである。
【0009】
(3)本発明の一態様に係る表示制御装置は、薬剤を保管する第1保管装置と、前記第1保管装置に保管される薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置と、の少なくとも何れかから取出すべき薬剤の数と共に、前記第1保管装置から取出される薬剤と同種の薬剤を収容した薬剤箱を、前記第2保管装置から払出す入力操作を受付可能な払出ボタンを、表示装置に表示する。
【0010】
(4)本発明の一態様に係る表示制御装置は、薬剤を保管する第1保管装置と、薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置と、の少なくとも何れかから取出すべき薬剤の数と共に、取出される薬剤を収容した薬剤箱を、前記第2保管装置から払出す入力操作を受付可能な払出ボタンを、表示装置に表示し、薬剤の取出先の決定結果に基づく全ての薬剤の搬送が完了したときに、前記払出ボタンを、前記入力操作を受付不可の状態から受付可能な状態に変更する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】薬剤払出システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】ドラッグステーションを前方から見たときの、ドラッグステーションの一例を示す斜視図である。
【
図5】ドラッグステーションを後方から見たときの、ドラッグステーションの一例を示す斜視図である。
【
図6】ピッキングユニットの一例を示す斜視図である。
【
図7】第1タッチパネルに表示される順次払出画像の一例を示す図である。
【
図8】第2タッチパネルに表示される確認画像の一例を示す図である。
【
図9】第1タッチパネルに表示される個別払出画像の一例を示す図である。
【
図10】第1タッチパネルに表示される個別払出画像の一例を示す図である。
【
図11】第2タッチパネルに表示される充填作業画像の一例を示す図である。
【
図12】第1タッチパネルに表示される順次払出画像の一例を示す図である。
【
図13】第1タッチパネルに表示される読取促進画像及び残数入力画像の一例を示す図である。
【
図14】第1タッチパネルに表示される待機リスト画像の一例を示す図である。
【
図15】第2タッチパネルに表示される画像の遷移例を示す図である。
【
図16】払出ボタンに対する入力操作を受付けた後の、第2タッチパネルに表示される画像の遷移例を示す図である。
【
図18】第2タッチパネルに表示される画像の遷移例を示す図である。
【
図19】第2タッチパネルに表示される画像の遷移例を示す図である。
【
図20】カセットの搬送に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図21】許可カセットの特定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図22】カセットの搬送に関する処理の流れの別例を示すフローチャートである。
【
図23】許可カセットの特定に関する処理の流れの別例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0014】
<薬剤払出システムの概要>
本実施形態では、本開示に係る制御装置3によって制御される例示的な薬剤払出システム100の概要について説明する。
図1は、薬剤払出システム100の一例を示す図である。
図2は、本実施形態に係る薬剤払出システム100の構成例を示すブロック図である。
【0015】
薬剤払出システム100は、例えば、払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数の薬剤を、保管装置1及び/又はドラッグステーション2から取出すことを可能にするシステムである。払出指示において指定された指定数は、例えばドラッグステーション2が上位システム(不図示)から受付ける処方データに示された薬剤の数、又は、例えばドラッグステーション2の作業者が取出すべき数として制御装置3に入力した薬剤の数である。薬剤払出システム100は、保管装置1及び/又はドラッグステーション2に保管する薬剤の充填を可能とするシステムであってもよい。
【0016】
例えば
図1及び
図2に示すように、薬剤払出システム100は、保管装置1(第2保管装置)と、ドラッグステーション2(第1保管装置)と、制御装置3と、表示部4とを備える。本実施形態においては、薬剤払出システム100は、
図1に示すラベル出力装置5を備えている必要は必ずしも無い。
【0017】
(保管装置)
保管装置1は、薬剤が収容された薬剤箱を保管する装置である。保管装置1には、例えば、ドラッグステーション2で取扱うことが可能な薬剤(ドラッグステーション2に保管可能な薬剤)が収容された薬剤箱、又はドラッグステーション2に保管されていない薬剤が収容された薬剤箱が保管され得る。
【0018】
保管装置1は、例えば、ドラッグステーション2において、ある種類の薬剤が欠品となった場合に、保管装置1に保管している、当該薬剤が収容された薬剤箱を、ドラッグステーション2へと送出す薬剤供給装置としても機能し得る。また、保管装置1は、例えば、作業者がドラッグステーション2への充填(保管)を所望する薬剤が収容された薬剤箱を、ドラッグステーション2へと送出す薬剤供給装置としても機能し得る。
【0019】
図3は、保管装置1の一例を示す斜視図である。保管装置1は、
図2に示すように、保管棚11と、受入部12と、搬送部13と、投入箱14とを備えている。
図2及び
図3に示すように、受入部12は、薬剤箱に付されているバーコードを読取る読取部121を備えている。バーコードには、例えば、薬剤を識別するための薬剤識別情報(薬剤の種類若しくは名称を示す情報、又は、薬剤の種類若しくは名称を参照可能な情報)が含まれている。薬剤識別情報としては、例えば、GS1コードが挙げられる。その他、未開封の薬剤箱に予め収容された薬剤の数、有効期限及びロット番号が含まれていてよい。未開封の薬剤箱に予め収容された薬剤の数は、薬剤箱に収容される薬剤の数として規定された規定数と称してもよい。
【0020】
薬剤箱を保管装置1に保管する場合、作業者は、受入部12に薬剤箱を投入する。このとき、読取部121は薬剤箱に付されているバーコードを読取る。これにより、制御装置3は、保管装置1において保管する薬剤箱を、薬剤の種類と対応付けて管理できる。読取部121により薬剤箱に付されているバーコードが読取られた後、制御装置3の制御により、搬送部13は、受入部12に投入された薬剤箱を保管棚11まで搬送し、保管棚11に保管する。また、薬剤箱を保管装置1から払出す場合、制御装置3の制御により、搬送部13は薬剤箱を投入箱14まで搬送し、投入箱14に投入する。投入箱14の位置は特に限定されない。本実施形態においては、
図1に示すように、搬送部13の一部及び投入箱14は、後述するドラッグステーション2の本体ユニット21の前面側であって、かつピッキングユニット22の上方に設けられている。
【0021】
(ドラッグステーション)
ドラッグステーション2は、薬剤の保管、並びに、薬剤の充填及び取出しを行う装置である。
図4は、ドラッグステーション2を前方から見たときの、ドラッグステーション2の一例を示す斜視図である。
図5は、ドラッグステーション2を後方から見たときの、ドラッグステーション2の一例を示す斜視図である。ドラッグステーション2は、例えば、薬剤を保管する本体ユニット21と、作業者が本体ユニット21に保管された薬剤を取扱うことを可能とする装置であるピッキングユニット22と、を備える。
図6は、ピッキングユニット22の一例を示す斜視図である。
【0022】
本体ユニット21は、薬剤を保管するユニットである。具体的には、本体ユニット21は、薬剤を収容する複数個のカセットCaを保管可能なカセット保管装置として機能する(
図5参照)。また、本体ユニット21は、ピッキングユニット22に対して、カセットCaの受渡し及び受取りを行うカセット取扱装置として機能する。
【0023】
本体ユニット21に保管されるカセットCaには、病院又は薬局等の1施設での使用が想定されている種類(例:約1500~2000種類)の薬剤を保管することが可能である。薬剤として、例えば、錠剤、散薬、軟膏若しくは目薬等の外用薬、又は注射薬が挙げられる。本体ユニット21は、薬剤を収容する容器(例:PTP(Press Through Package)シート、ボトル、チューブ又は瓶など)の形態に関わらず、どのような薬剤を保管しても構わない。また、本体ユニット21に保管されるカセットCaには、上述の薬剤を収容する薬剤箱の形態として、薬剤が保管されてもよい。
【0024】
本体ユニット21は、複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚であるカセット棚211を備えている。カセット棚211は、大きさ(種類)の異なるカセットCaを保管し得る。カセットCaには、仕切部(不図示)が設けられ、複数の収容領域が形成されていてもよい。また、カセットCaには、バーコードが設けられ得る。当該バーコードには、例えば、カセットCaを識別するためのカセット識別情報などが含まれる。
【0025】
(ピッキングユニット)
ピッキングユニット22は、作業者が本体ユニット21に保管された薬剤を取扱うことを可能とする装置である。ピッキングユニット22は、作業者が、必要数の薬剤をカセットから取出すピッキング作業を行う装置として機能し得る。また、ピッキングユニット22は、作業者が、薬剤を本体ユニット21が保管するカセットCaに充填する、充填作業を行う装置として機能し得る。作業者は、薬剤師等の資格を有する者であっても、有していない者であってもよい。
【0026】
図1に示す例では、本体ユニット21の前面側に、本体ユニット21の幅方向(±X軸方向)に沿って、2台のピッキングユニット22が設けられた構成となっている。この構成に限らず、
図4に示す例のように1台のピッキングユニット22が設けられてもよいし、3台以上のピッキングユニット22が設けられていてもよい。
【0027】
図6に示すように、ピッキングユニット22は、薬剤授受部220、バーコードリーダ222、薬剤載置台223、トレイ載置台224及び閉ボタン225を備えている。
【0028】
薬剤授受部220は、カセットCaから作業者が薬剤を取出すこと、又はカセットCaに作業者が薬剤を投入することを可能とする(作業者による薬剤の授受を可能とする)ものである。カセットCaに複数の薬剤を含む薬剤シート(PTPシート)が収容される場合、薬剤授受部220は、カセットCaから薬剤シートの全体若しくはその一部を取出すこと、又はカセットCaに薬剤シートの全体若しくはその一部を投入することを可能とする。
【0029】
薬剤授受部220は、開口部と、当該開口部を開閉する開閉部であるシャッタ221と、を備えている。開口部は、薬剤授受部220に移送されたカセットCaへの作業者のアクセス(薬剤の取出し又は充填(投入))を可能とする。シャッタ221は、開口部に設けられ、当該カセットCaへの作業者のアクセスを制御する。シャッタ221は、通常閉状態であり、カセットCaが薬剤授受部220に移送された状態において開状態となる。シャッタ221は、Y軸方向に開閉動作を行う第1シャッタ221aと、第1シャッタ221aとは略垂直方向(X軸方向)に開閉動作を行う第2シャッタ221bと、を備えていてもよい。当該構成により、シャッタ221は、カセットCaの大きさ及びカセットCaの収容領域の大きさに対応するように開閉制御可能となる。このように開閉制御されることにより、作業者が払出又は充填対象の薬剤を含む収容領域にのみアクセスすることを可能にする。例えば、カセットCa全体、又は、仕切部により形成された複数の収容領域の1つのみにあわせて第1シャッタ221aを開閉できる。また例えば、カセットCaの幅(薬剤授受部220にカセットCaが位置するときのX軸方向の長さ)が異なる複数種類のカセットCaが用いられる場合、カセットCaの大きさにあわせて第2シャッタ221bを開閉できる。
【0030】
バーコードリーダ222は、例えば、薬剤をカセットCaに充填する充填作業が行われるときに、薬剤に付与されたバーコードを読取る装置である。バーコードは、例えば、薬剤シート自体、複数個単位で薬剤シートを包装(ピロー包装)した包装物、包装した散薬を複数個単位でピロー包装した包装物、又は、当該包装物が収容された箱、に付与されたGS1コードを含む。また、バーコードは、例えば、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)が収容された箱に付与されたGS1コードを含んでもよい。バーコードには、薬剤を識別するための薬剤識別情報(薬剤の種類若しくは名称を示す情報、又は、薬剤の種類又は名称を参照可能な情報)が含まれていればよく、GS1コードはその一例である。バーコードには、上述したように、未開封の薬剤シートに予め収容された薬剤の規定数、有効期限、ロット番号等が含まれていてよい。なお、本実施形態では、バーコードリーダ222は、ピッキングユニット22の角部に取付けられている。
【0031】
薬剤載置台223は、薬剤の数を計数するために、薬剤が載置される載置部である。薬剤載置台223は、端数シートに含まれる薬剤の数を計数するために、端数シートが載置される端数載置部として機能し得る。端数シートは、規定された形状の薬剤シートの全体(フルシート)から切り欠いた形状の薬剤シートである。以降の説明では、薬剤シートの全体をフルシートと称し、端数シート及びフルシートを総称して薬剤シートと称する場合もある。端数シートは、薬剤授受部220においてカセットCaから取出されたフルシートから切り欠いたものであっても、カセットCaから取出されたものであってもよい。あるいは、端数シートは、保管装置1から払出された薬剤箱から取出されたフルシートから切り欠いたものであってもよい。なお、薬剤載置台223にフルシートが載置されてもよい。この場合、薬剤載置台223は、フルシートに含まれる薬剤の数を計数するために、フルシートが載置される端数載置部として機能する。薬剤載置台223には、1つの端数シートが載置されても、複数の端数シートが載置されてもよい。同様に、薬剤載置台223には、1つのフルシートが載置されても、複数のフルシートが載置されてもよい。
【0032】
薬剤載置台223においては、例えば、端数シート又はフルシートの像が撮像される。制御装置3は、端数シート又はフルシートの像の形状に基づき、薬剤載置台223に載置された薬剤の数を計数する。薬剤載置台223に載置され、薬剤の数が計数された薬剤シートは、トレイ載置台224に載置された搬送トレイ(不図示)に収容される。
【0033】
トレイ載置台224は、薬剤授受部220から取出された薬剤が投入される搬送トレイを載置する台である。また、トレイ載置台224は、薬剤授受部220から取出された薬剤の数を計数するために、薬剤を載置する薬剤載置部として機能し得る。トレイ載置台224においては、例えば、薬剤の重量が測定される。トレイ載置台224においては、例えば、フルシートの重量が測定される。制御装置3は、薬剤の重量に基づき、薬剤の数を計数する。トレイ載置台224において、端数シートとフルシートとを纏めたものの重量が測定されてもよい。
【0034】
閉ボタン225は、開状態のシャッタ221を閉じるための機械的なボタンである。作業者が閉ボタン225を押すと、シャッタ221は閉状態となる。
【0035】
また、ドラッグステーション2は、
図2に示すように、カセット棚211に保管されたカセットCaを、薬剤授受部220に搬送するカセット搬送部23を備える。カセット搬送部23は、薬剤授受部220に位置するカセットCaを、カセット棚211に搬送するものとしても機能する。例えば、制御装置3は、上述したカセットCaが有するバーコードの情報を読出すことにより、当該情報と、記憶部30が記憶するデータとを照合することができる。これにより、カセット搬送部23は、カセット棚211から、払出対象の薬剤が収容されたカセットCa、又は充填対象の薬剤を収容するカセットCaを、確実に取出すことができる。また、カセット搬送部23は、ピッキングユニット22に搬送したカセットCaを、カセット棚211の元の位置に戻すことができる。
【0036】
(制御装置)
制御装置3は、薬剤払出システム100が備える各装置を統括して制御し得る装置である。制御装置3は、例えば、決定部31と、保管装置制御部3Aと、ドラッグステーション制御部3Bと、記憶部30と、タッチパネル制御部38と、を備える。本実施形態では、保管装置制御部3A、ドラッグステーション制御部3Bおよび記憶部30は制御装置3に含まれる構成であるが、それぞれ保管装置制御装置、ドラッグステーション制御装置および記憶装置として制御装置3から独立して構成されていてもよい。また、本実施形態においては、制御装置3は、管理部3C及び出力制御部35を備えている必要は必ずしもない。また、記憶部30は、在庫テーブルTA1及び一時在庫テーブルTA2を備えている必要は必ずしもない。
【0037】
決定部31は、保管装置1及び/又はドラッグステーション2から払出す薬剤の数を決定し得る。決定部31は、保管装置1から払出す薬剤箱の数を決定するものであってもよい。
【0038】
保管装置制御部3Aは、保管装置1が備える各部を制御し得る。保管装置制御部3Aは、例えば、保管装置1からの薬剤の払出しを制御する払出制御部32を備えている。
【0039】
ドラッグステーション制御部3Bは、ドラッグステーション2が備える各部を制御し得る。ドラッグステーション制御部3Bは、例えば、搬送制御部33と、シャッタ制御部34とを備えている。搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、ドラッグステーション2におけるカセットCaの搬送を制御する。シャッタ制御部34は、ピッキングユニット22のシャッタ221の動作を制御する。例えば、搬送制御部33がカセットCaを薬剤授受部220まで搬送させた後、シャッタ制御部34は、払出対象の薬剤の収容位置にあわせてシャッタ221を開く。当該構成により、作業者は、払出対象の薬剤をカセットCaから取出すことができる。シャッタ制御部34は、例えば、薬剤授受部220に設けられたセンサ(不図示)が、上記開口部にカセットCaが存在することを検出した場合に、シャッタ221を開いてよい。
【0040】
このように、制御装置3は、保管装置1及び/又はドラッグステーション2が備える各部を制御する。これにより、制御装置3は、制御装置3が受付けた処方データの順に従って薬剤を払出す順次払出制御、順次払出とは別に薬剤を個別に払出す個別払出制御、薬剤をドラッグステーション2に充填するときの充填制御などを行うことができる。
【0041】
タッチパネル制御部38は、表示部4が備える第1タッチパネル41及び/又は第2タッチパネル42への各種情報の表示制御を行う。また、タッチパネル制御部38は、第1タッチパネル41及び/又は第2タッチパネル42を介して入力された情報を取得する。
【0042】
記憶部30は、例えば、制御装置3が使用する各種プログラム、ならびに、保管装置1及びドラッグステーション2に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベース(薬剤マスタ)を記憶している。当該薬剤に関する情報としては、例えば、薬剤の種類を示す情報(例:GS1コード)、有効期限、使用期限及びロット番号が挙げられる。有効期限とは、製薬メーカー等により提供される情報であり、薬剤を安全に使用することができる期限である。使用期限とは、作業者により設定される、薬剤を使用し終えるべき期限であり、開封済の薬剤箱に新たに設定する期限を含む。また、記憶部30には、保管装置1及びドラッグステーション2に保管されている各薬剤の数(在庫数)などが記憶されている。
【0043】
また、記憶部30は、例えば、ドラッグステーション2に関する情報として、以下の(1)~(3)に示す情報を記憶している。(1)カセットCaのカセット識別情報と、カセット棚211におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータ。(2)カセットCaのカセット識別情報(又はカセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報)と、薬剤識別情報とを対応付けたデータ。(3)各カセットCaの種類を示す種類情報。また、記憶部30は、例えば、保管装置1に関する情報として、薬剤箱の保管位置を示す情報を記憶している。
【0044】
記憶部30は、上記薬剤データベースとして、保管装置1に保管された薬剤に関する情報を管理する薬剤データベースと、ドラッグステーション2に保管された薬剤に関する情報を管理する薬剤データベースと、をそれぞれ記憶していてもよい。これら2つの薬剤データベースで管理される情報は、必ずしも一致していない。つまり、保管装置1とドラッグステーション2とにおいて保管されている薬剤の種類は、必ずしも一致していない。
【0045】
(表示部)
表示部4は、保管装置1及びドラッグステーション2に関する各種情報を表示する表示装置であると共に、作業者による入力操作を受付ける入力装置としても機能し得る。
図2に示すように、表示部4は、第1タッチパネル41及び第2タッチパネル42を備えていてもよい。本実施形態では、
図4に示すように、第1タッチパネル41はドラッグステーション2の本体ユニット21に設けられ、第2タッチパネル42はドラッグステーション2のピッキングユニット22に設けられている。
【0046】
第1タッチパネル41は、メインの表示装置又は入力装置として機能し得る。
図7は、第1タッチパネル41に表示されるメイン画像(メイン画面)の一例を示す図である。
図7は、メイン画像の一例として、順次払出画像(順次払出画面)IM1の一例を示している。順次払出画像IM1は、順次払出に関する情報(例:受付けた処方データに示された患者名、薬剤名)を表示する画像である。順次払出画像IM1は、メニュー表示領域A11を含んでいる。メニュー表示領域A11は、各種メニューボタンを表示する領域である。本例では、メニュー表示領域A11には、順次払出ボタンA111、個別払出ボタンA112、充填ボタンA113、統計・履歴照会ボタンA114、及びマスタ登録ボタンA115が表示されている。これらのボタンを選択する作業者の入力操作により、制御装置3は、作業者の選択に沿った各種制御を行うことが可能となる。
【0047】
第2タッチパネル42は、サブの表示装置又は入力装置として機能し得る。第2タッチパネル42は、例えば、薬剤授受部220から取出すべき薬剤の種類及び数量を表示する。また、第2タッチパネル42は、薬剤の充填時に、充填対象の薬剤の種類、又は当該薬剤を収容しているカセットCaを指定する入力操作を受付けてもよい。第2タッチパネル42に表示される画像は、サブ画像(サブ画面)と称されてもよい。
【0048】
<制御装置3の制御例>
以下では、順次払出モード、個別払出モード、指定数の薬剤取出後の充填、及び充填モードにおける制御装置3の制御について詳述する。
【0049】
(順次払出モード)
作業者がメニュー表示領域A11において順次払出ボタンA111を選択した場合、制御装置3は、処方データに基づいた順次払出の制御を実施する。薬剤払出システム100は、処方データに基づいて、保管装置1及び/又はドラッグステーション2から順次薬剤を払出す。作業者は、保管装置1から投入箱14に投入された薬剤箱及び/又は本体ユニット21からピッキングユニット22に移送されたカセットCaから薬剤を取出し、トレイ載置台224に載置された搬送トレイに投入する。搬送トレイに収容された薬剤は、薬剤師等の医療従事者による目視監査の対象となる。
【0050】
また、制御装置3は、薬剤載置台223及び/又はトレイ載置台224に載置された薬剤の数を計数する。制御装置3は、載置された薬剤の数が、薬剤載置台223及び/又はトレイ載置台224に載置されるべき薬剤の数と一致するかを判定する。タッチパネル制御部38は、例えば、一致する場合には一致する旨の表示を、不一致の場合には不一致の旨の表示を、第2タッチパネル42に行ってもよい。これにより、作業者は、最終的に搬送トレイに載置される薬剤の数が適切であるか否かを判断できる。
【0051】
作業者が閉ボタン225を押すと、シャッタ制御部34は、薬剤授受部220に位置するカセットCaからの薬剤の取出しを可能とするために開状態となっていたシャッタ221を閉じる。そして、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、次の払出対象の薬剤を収容するカセットCaを、薬剤授受部220に搬送する。また、シャッタ制御部34は、カセットCaの、払出対象の薬剤を収容する収容領域のみに作業者がアクセス可能なように、シャッタ221を開く。
【0052】
順次払出において、ドラッグステーション2に保管されている払出対象の薬剤の在庫数が、処方データにおいて指定された指定数よりも少ない場合、決定部31は、保管装置1から払出すべき払出対象の薬剤の数を払出数として決定し得る。
【0053】
決定部31が行う払出数の決定処理について、作業者は、(i)ドラッグステーション2に保管されている払出対象の薬剤を優先的に払出す処理、又は(ii)保管装置1に保管されている払出対象の薬剤を優先的に払出す処理のいずれかを選択することができる。作業者は、(i)及び(ii)のいずれを選択するかの指示を、例えば第1タッチパネル41を介して装置の動作についての設定条件の一部として入力し得る。順次払出モードにおいては、(i)及び(ii)のいずれの設定の場合も、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットCaを薬剤授受部220に搬送する。
【0054】
上記(i)の場合、決定部31は、指定数と在庫数との差分を、払出数としての第1払出数として決定し得る。例えば、払出対象の薬剤についての指定数が45、ドラッグステーション2における当該払出対象の薬剤の在庫数が30、当該払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の規定数が10であると仮定する。決定部31は、45と30との差分である15を第1払出数として決定し得る。
【0055】
払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、第1払出数の薬剤を払出すことができる数の薬剤箱を保管装置1から投入箱14へ払出す。保管装置制御部3Aは、例えば、第1払出数を、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の規定数で除したとき、割り切れた場合(余り0の場合)には、商の値を、第1払出数の薬剤を払出すことができる薬剤箱の数として決定する。また、保管装置制御部3Aは、例えば、第1払出数を、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の規定数で除したときに余りが生じた場合には、商の値に1加算した値を、第1払出数の薬剤を払出すことができる薬剤箱の数として決定する。薬剤箱の数の決定処理は、決定部31により実行されてもよい。上述した例の場合、15/10=1余り5となる。そのため、保管装置制御部3Aは、第1払出数の薬剤を払出すことができる薬剤箱の数を、2(=1+1)と決定する。払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、保管装置制御部3Aが決定した薬剤箱の数分(上述した例では2箱分)、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱を保管棚11から取出し、投入箱14へと搬送する。これにより、払出対象の薬剤について、ドラッグステーション2に保管されている在庫数が指定数よりも少ない場合に、保管装置1から、指定数と在庫数との差分分の薬剤を取出すことができるように、薬剤箱を払出すことができる。
【0056】
上記(ii)の場合、決定部31は、払出対象の薬剤を収容する薬剤箱の規定数の倍数のうち、(1)指定数と一致する値、又は、(2)指定数に最も近い、指定数未満の値を、払出数としての第2払出数として決定し得る。例えば、払出対象の薬剤についての指定数が45、ドラッグステーション2における当該払出対象の薬剤の在庫数が30、当該払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の規定数が10であると仮定する。決定部31は、規定数である10の倍数のうち、指定数の45に最も近い指定数未満の値である40(=10×4)を、第2払出数として決定し得る。払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、第2払出数の薬剤を払出すことができる数の薬剤箱を払出す。保管装置制御部3Aは、例えば、決定部31が決定した第2払出数を規定数で除した値を、第2払出数の薬剤を払出すことができる薬剤箱の数として決定する。薬剤箱の数の決定処理は、決定部31により実行されてもよい。上述した例の場合、保管装置制御部3Aは、第2払出数の薬剤を払出すことができる薬剤箱の数を、40/10=4と決定する。払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、決定した薬剤箱の数分(上述した例では4箱分)、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱を保管棚11から取出し、投入箱14へと搬送する。これにより、払出対象の薬剤について、ドラッグステーション2に保管されている在庫数が指定数よりも少ない場合に、保管装置1から、上記(1)又は(2)の値が示す数の薬剤を払出すことができるように、薬剤箱を払出すことができる。
【0057】
また、決定部31は、指定数から第1払出数又は第2払出数を減じた値を、ドラッグステーション2から取出すべき薬剤の数として決定してもよい。また、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットCaの、カセット棚211から薬剤授受部220への搬送を制御する。これにより、保管装置1から払出された薬剤箱に加え、ドラッグステーション2に保管されたカセットCaから、薬剤を取出すことが可能となる。また、作業者は、指定数から第1払出数又は第2払出数を減じた数の薬剤を、カセットCaから取出させることが可能となる。
【0058】
ここで、搬送制御部33は、ドラッグステーション2に保管されている払出対象の薬剤の有効期限又は使用期限に応じて、カセットCaの搬送動作の実施又は不実施を決定してもよい。例えば、搬送制御部33は、カセットCaに保管されている払出対象の薬剤の、有効期限又は使用期限が切れている場合、当該カセットCaを、薬剤授受部220への搬送を行わないよう制御することができる。これにより、有効期限又は使用期限が切れた薬剤をカセットCaから取出してしまう可能性を低減できる。
【0059】
また、制御装置3は、払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤である場合、指定数分の取出し方を決定する。すなわち、制御装置3は、指定数分の薬剤の数と一致するように、取出すべきフルシート及び端数シートの数を算出する。例えば、1つの薬剤シートに規定された薬剤の数が10個であり、指定数が42個である場合、制御装置3は、取出すべきフルシートが4つであり、端数シートとして取出すべき薬剤の数が2つであると算出する。タッチパネル制御部38は、この算出結果を第2タッチパネル42に表示する。
【0060】
図8は、第2タッチパネル42に表示される確認画像(確認画面)IM2の一例を示す図である。確認画像IM2は、作業者が薬剤箱及び/又はカセットCaから薬剤を取出すときに必要となる情報を表示する画像である。
図8に示す例の場合、第2タッチパネル42は、薬剤名「ABC」という払出対象の薬剤について、4つのフルシートと、2つの薬剤を含む端数シートとを取出すことにより、指定数42個分の薬剤を取出すよう案内している。すなわち、第2タッチパネル42は、払出対象の薬剤「ABC」について、薬剤授受部220及び投入箱14から、取出すべきフルシートの数及び端数シートの数を示している。
【0061】
作業者は、第2タッチパネル42を確認することにより、投入箱14に払出された薬剤箱、及び/又は、薬剤授受部220に搬送されたカセットCaから、指定数分の払出対象の薬剤を薬剤載置台223及び/又はトレイ載置台224に載置できる。例えば、作業者は、所定数のフルシートをトレイ載置台224に載置された搬送トレイに投入し、所定数の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台223に載置できる。
【0062】
なお、確認画像IM2において、保管装置1から払出された薬剤箱から取出す薬剤の数と、ドラッグステーション2から取出す薬剤の数が、別々に表示されてもよい。
【0063】
(個別払出モード)
作業者がメニュー表示領域A11において個別払出ボタンA112を選択した場合、制御装置3は、個別払出モードでの制御を実施可能となる。タッチパネル制御部38は、個別払出についての入力操作を受付ける個別払出画像(個別払出画面)IM3を第1タッチパネル41に表示する。
図9は、メイン画像の一例として、個別払出画像IM3の一例を示している。個別払出画像IM3は、箱連動払出ボタンA31を含む。箱連動払出ボタンA31は、個別払出において、保管装置1から払出された薬剤箱から薬剤を取出すことを可能とするボタンである。作業者が箱連動払出ボタンA31を押すことにより、制御装置3は、指定数の薬剤を、保管装置1とドラッグステーション2とを連動させて払出す制御を実行する。
【0064】
図10は、第1タッチパネルに表示される個別払出画像IM4の一例を示す図である。個別払出画像IM4は、個別払出画像IM3において箱連動払出ボタンA31が押された後に表示される画像の一例を示す。個別払出画像IM4には、個別払出画像IM3の払出リスト一覧に表示された薬剤(払出対象の薬剤として作業者が選択した薬剤)が表示される。作業者は、個別払出画像IM4において、保管装置1から払出された薬剤箱及び/又は薬剤授受部220に位置するカセットCaから取出す薬剤の数(図中の払出数)を、払出対象の薬剤の指定数として制御装置3に入力できる。また、個別払出画像IM4には、カセット移動ボタンA41が含まれる。カセット移動ボタンA41は、カセット搬送部23がカセット棚211に保管されたカセットCaを薬剤授受部220に搬送するための処理を実行するボタンである。カセット移動ボタンA41は、払出制御部32が保管装置1から薬剤箱を払出すための処理を実行するボタンである。
【0065】
作業者が入力した払出対象の薬剤の指定数より、ドラッグステーション2に保管されている払出対象の薬剤の在庫数が少ない場合、決定部31は、指定数と在庫数との差分を、払出数としての第3払出数として、保管装置1から払出すべき薬剤の数を決定し得る。例えば、作業者が入力した指定数が45、ドラッグステーション2における当該払出対象の薬剤の在庫数が30、当該払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の規定数が10であると仮定する。決定部31は、45と30との差分である15を第3払出数として決定し得る。作業者がカセット移動ボタンA41を押すと、払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、第3払出数の薬剤を払出すことができる数の薬剤箱を、保管装置1から投入箱14へ払出す。上述した例の場合、上記(i)の場合と同様、第3払出数15の薬剤を取出すことができる、2箱の薬剤箱を払出す。また、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容するカセットCaの、カセット棚211から薬剤授受部220への搬送を制御する。これにより、保管装置1から払出された薬剤箱及びドラッグステーション2に保管されたカセットCaから、作業者が入力した指定数分の薬剤を取出すことが可能となる。
【0066】
また、作業者が個別払出画像IM3の確認ボタンA36(
図9参照)を押すことにより、制御装置3は、入力された指定数分の薬剤が取出されたものとして、記憶部30に記憶している払出対象の薬剤の在庫数を更新する。また、作業者が閉ボタン225を押すことにより、シャッタ制御部34がシャッタ221を閉じ、搬送制御部33が薬剤授受部220から元の保管位置へとカセットCaを搬送する。
【0067】
一方、ドラッグステーション2に保管されている払出対象の薬剤の在庫数が、作業者が入力した払出対象の薬剤の指定数以上である場合、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容するカセットCaの、カセット棚211から薬剤授受部220への搬送を制御する。これにより、ドラッグステーション2に保管されたカセットCaから、作業者が入力した指定数の薬剤を取出すことが可能となる。
【0068】
なお、
図9に示す個別払出画像IM3において、作業者が箱連動払出ボタンA31に代えて、カセット移動ボタンA32を押した場合を考える。カセット移動ボタンA32は、カセット搬送部23がカセット棚211に保管されたカセットCaを薬剤授受部220に搬送するための処理を実行するボタンである。この場合、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、個別払出画像IM3の払出リスト一覧に表示された薬剤を収容したカセットCaを、カセット棚211から薬剤授受部220へと搬送する。作業者は、払出数ボタンA33を押した後、薬剤数入力領域A35に取出した薬剤数を入力する。その後、作業者が確認ボタンA36を押すことにより、制御装置3は、入力された薬剤数分の薬剤が取出されたものとして、記憶部30に記憶している払出対象の薬剤の在庫数を更新する。また、作業者が閉ボタン225を押すことにより、シャッタ制御部34がシャッタ221を閉じ、搬送制御部33が薬剤授受部220から元の保管位置へとカセットCaを搬送する。
【0069】
(指定数の薬剤取出後の充填)
カセットCa及び薬剤箱から指定数の薬剤を取出した場合に、薬剤箱に薬剤が残る場合がある。以下では、薬剤箱から必要数の薬剤を取出した後に残った薬剤をドラッグステーション2に充填する場合について説明する。
【0070】
(順次払出モード)
搬送制御部33が、カセット搬送部23を制御することにより、払出対象の薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34は、払出対象の薬剤を収容する収容領域にあわせてシャッタ221を開く。これにより、作業者は、当該収容領域から必要数の薬剤を取出すことができる。またこのとき、作業者は、薬剤箱に残った薬剤を、当該収容領域に収容できる。
【0071】
確認画像IM2の薬剤補充ボタンA21は、カセットCaへの薬剤の充填を可能とするボタンである。なお、タッチパネル制御部38は、確認画像IM2において、残った薬剤をドラッグステーション2に充填するよう促すメッセージを表示してもよい。
【0072】
作業者が薬剤補充ボタンA21を押すと、タッチパネル制御部38は、
図11に示す充填作業画像(充填作業画面)IM5を第2タッチパネル42に表示する。
図11は、第2タッチパネル42に表示される充填作業画像IM5の一例を示す図である。充填作業画像IM5は、薬剤授受部220に位置するカセットCaに対するピッキング作業中に、当該カセットCaに対する薬剤の充填作業を可能とする画像である。
【0073】
作業者は、薬剤箱に残った薬剤をカセットCaに充填する。作業者は、充填作業画像IM5の薬剤数入力領域A51に、カセットCaに充填する薬剤数(充填数)を入力する。その後、作業者が充填ボタンA52を押すことにより、制御装置3は、入力された薬剤数分の薬剤が充填されたものとして、記憶部30に記憶している払出対象の薬剤の在庫数を更新する。また、作業者が閉ボタン225を押すことにより、シャッタ制御部34がシャッタ221を閉じ、搬送制御部33が薬剤授受部220から元の保管位置へとカセットCaを搬送する。
【0074】
上記構成により、保管装置1から払出された薬剤箱であって、かつ薬剤箱に収容された払出対象の薬剤の一部が取出された後の残りの薬剤が収容された薬剤箱(端数箱)から、残りの薬剤を取出し、払出対象の薬剤を収容するカセットCaに収容できる。そのため、ドラッグステーション2に効率良く薬剤を保管できる。
【0075】
(個別払出モード)
作業者が、個別払出画像IM4のカセット移動ボタンA41を押すと、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、払出対象の薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部220に搬送する。その後、シャッタ制御部34は、払出対象の薬剤を収容する収容領域にあわせてシャッタ221を開く。これにより、作業者は、当該収容領域から必要数の薬剤を取出すことができると共に、薬剤箱に残った薬剤を当該収容領域に収容できる。なお、タッチパネル制御部38は、個別払出画像IM4において、残った薬剤をドラッグステーション2に充填するよう促すメッセージを表示してもよい。
【0076】
作業者は、薬剤箱に残った薬剤をカセットCaに充填する。作業者は、個別払出画像IM3の充填数ボタンA34を押した後、薬剤数入力領域A35に、カセットCaに充填した薬剤数を入力する。その後、作業者が確認ボタンA36を押すことにより、制御装置3は、入力された薬剤数分の薬剤が充填されたものとして、記憶部30に記憶している払出対象の薬剤の在庫数を更新する。また、作業者が閉ボタン225を押すことにより、シャッタ制御部34がシャッタ221を閉じ、搬送制御部33が薬剤授受部220から元の保管位置へとカセットCaを搬送する。従って、個別払出モードにおいても、順次払出モードと同様、端数箱から残りの薬剤を取出し、払出対象の薬剤を収容するカセットCaに収容できる。そのため、ドラッグステーション2に効率良く薬剤を保管できる。
【0077】
なお、個別払出画像IM3の箱連動払出ボタンA31は、カセットCaからの薬剤の取出しとは関係なく薬剤をカセットCaに充填する場合に用いられてもよい。このとき、払出リスト一覧に表示される薬剤は、払出対象の薬剤でなく、充填対象の薬剤となる。作業者が箱連動払出ボタンA31を押すと、タッチパネル制御部38は、個別払出画像IM4を第1タッチパネル41に表示する。
【0078】
個別払出画像IM4に表示された「区分」は、作業者の入力操作に応じて切替え可能となっている。「区分」が「払出」の場合、作業者は、払出対象の薬剤の指定数を入力できる。「区分」が「充填」の場合、作業者は、充填対象の薬剤の数を入力できる。作業者が「区分」が「充填」を選択した後、カセット移動ボタンA41を押すと、充填対象の薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部220に搬送され、シャッタ221が開状態となる。これにより、上述した個別払出時の薬剤の充填と同様、作業者は、カセットCaに薬剤を充填できる。また、制御装置3は、入力された薬剤数分の薬剤が充填されたものとして、記憶部30に記憶している当該薬剤の在庫数を更新できる。
【0079】
また、作業者が、個別払出画像IM3のカセット移動ボタンA32を押した場合も、個別払出画像IM3の払出リスト一覧に表示された薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部220に搬送され、シャッタ221が開状態となる。この場合も、作業者は、カセットCaから必要数の薬剤を取出すことができる。また、作業者は、カセットCaに薬剤を充填できる。
【0080】
(充填モード)
作業者がメニュー表示領域A11おいて充填ボタンA113を選択した場合、制御装置3は、充填モードでの制御を実施可能となる。タッチパネル制御部38は、カセットCaへの薬剤の充填を可能とする充填画像(充填画面)を第1タッチパネル41に表示する。タッチパネル制御部38は、作業者がドラッグステーション2に充填する薬剤を収容するカセットCaを選択するために、薬剤授受部220に搬送するカセットCaの候補を表示できる。搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、作業者によってカセットCaの候補の中から選択されたカセットCaを、薬剤授受部220に搬送できる。
【0081】
制御装置3は、ドラッグステーション2に保管されている全カセットCaをカセットCaの候補として選択してもよい。また、制御装置3は、所定の検索条件に従って、ドラッグステーション2に保管されている全カセットCaの一部を、カセットCaの候補として選択してもよい。検索条件としては、例えば、欠品のカセットCaのみをカセットCaの候補として選択する条件、及び、予め設定された基準在庫数未満の薬剤を収容するカセットCaのみをカセットCaの候補として選択する条件が挙げられる。その他、検索条件として、保管装置1に保管された薬剤を収容するカセットCaのみを、カセットCaの候補として選択する条件が挙げられる。
【0082】
保管装置1に保管された薬剤を収容するカセットCaのみを、カセットCaの候補として選択する条件が作業者により選択された場合、タッチパネル制御部38は、カセットCaの候補として、保管装置1に保管された薬剤を収容するカセットCaのみを第1タッチパネル41に表示させる。その後、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、作業者によってカセットCaの候補の中から選択されたカセットCaを、薬剤授受部220に搬送できる。また、薬剤授受部220にカセットCaが搬送された後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く。また、払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、充填対象の薬剤を収容する薬剤箱を、保管装置1から払出すことができる。これにより、作業者は、保管装置1から払出された薬剤箱に収容された薬剤を、ドラッグステーション2に充填できる。
【0083】
なお、タッチパネル制御部38は、充填画像を介して、個別払出画像と同様、カセットCaに充填する薬剤数(充填数)の入力を受付け可能である。その後、作業者が、充填画像に含まれる確認ボタンを押すことにより、制御装置3は、入力された薬剤数分の薬剤が充填されたものとして、記憶部30に記憶している当該薬剤の在庫数を更新する。また、作業者が閉ボタン225を押すことにより、シャッタ制御部34がシャッタ221を閉じ、搬送制御部33が薬剤授受部220から元の保管位置へとカセットCaを搬送させる。
【0084】
また、タッチパネル制御部38は、充填画像において、ドラッグステーション2への薬剤の充填を可能とする充填モードの他、保管装置1及び/又はドラッグステーション2に保管されている薬剤の全ての取出しを可能とする棚卸モードの選択を受付け可能である。タッチパネル制御部38は、棚卸モードが選択された場合、棚卸対象となる装置として、(1)保管装置1のみ、(2)ドラッグステーション2のみ、(3)保管装置1及びドラッグステーション2、の何れかの選択を受付け可能である。(1)又は(3)が選択された場合、払出制御部32は、搬送部13を制御することにより、保管装置1に保管された薬剤箱の全てを順に投入箱14へと払出す。(2)又は(3)が選択された場合、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、ドラッグステーション2に保管されたカセットCaの全てを順に薬剤授受部220に搬送する。また、薬剤授受部220にカセットCaが搬送された後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く。これにより、作業者はカセットCaに収容された薬剤を確認できる。
【0085】
(保管装置1からの払出方法)
保管装置1には、未開封の薬剤箱だけでなく、開封済の薬剤箱(端数箱)が保管されてもよい。そして、未開封の薬剤箱を優先して払出すか、開封済の薬剤箱を優先して払出すかについて、ユーザによる設定が可能であってよい。未開封の薬剤箱を優先して払出すように設定されている場合、払出制御部32は、払出対象の薬剤を収容する少なくとも1つの薬剤箱のうち、未開封の薬剤箱を、払出対象の薬剤箱として決定する。開封済の薬剤箱を優先して払出すように設定されている場合、払出対象の薬剤を収容する少なくとも1つの薬剤箱のうち、開封済の薬剤箱を、払出対象の薬剤箱として決定する。
【0086】
また、保管装置1から払出すべき払出対象の薬剤の数が、1つの開封済の薬剤箱に収容された薬剤の数を超えている場合には、払出制御部32は、別の開封済の薬剤箱も、払出対象の薬剤箱として決定すればよい。保管装置1から払出すべき払出対象の薬剤の数が、全ての開封済の薬剤箱に収容された薬剤の数を超えている場合には、払出制御部32は、未開封の薬剤箱を、払出対象の薬剤箱として決定してもよい。
【0087】
なお、記憶部30には、保管装置1に保管されている薬剤箱が、未開封の薬剤箱であるか、開封済の薬剤箱であるかを示す情報が記憶されていてよい。例えば、開封済の薬剤箱については、実施形態2で説明する管理情報が付与されていてよい。
【0088】
例えば、決定部31により決定された払出数が100、払出対象の薬剤を収容する薬剤箱の規定数が100であったとする。未開封の薬剤箱を優先して払出すように設定されている場合、払出制御部32は、払出対象の薬剤を収容する未開封の薬剤箱を1つ払出す。開封済の薬剤箱を優先して払出すように設定されている場合、払出制御部32は、全ての開封済の薬剤箱に収容されている薬剤の数を計数し、払出数以上の薬剤の数を払出すことが可能な数の薬剤箱を払出す。例えば、保管装置1に保管されている、払出対象の薬剤を収容する開封済の薬剤箱の数が5、各開封済の薬剤箱に収容された払出対象の薬剤の数が10であるとする。この場合、払出制御部32は、5つの開封済の薬剤箱と、1つの未開封の薬剤箱を払出す。
【0089】
<変形例1>
上述の例では、薬剤払出システム100が、薬剤を保管する装置としてドラッグステーション2を備えている例について述べたが、薬剤払出システム100は、薬剤を保管する装置は、ドラッグステーション2以外の装置であってもよい。例えば、薬剤を保管し、かつ払出すことが可能な薬剤払出装置(例:PTPシート払出装置又はアンプル払出装置など)であってもよい。
【0090】
また、薬剤払出システム100は、薬剤を保管する装置に代えて、薬剤を保管する薬剤棚(例:錠剤を保管する錠剤棚)を備えていてもよい。薬剤棚に保管された薬剤を薬剤棚から取出す場合、例えばハンディタイプの認証装置が用いられてよい。認証装置には、薬剤払出システム100を管理する上位システムからの処方データが送信される。これにより、作業者は、認証装置の表示部に表示された薬剤に関する情報(例:薬剤の種類、薬剤の数)を確認できる。また、認証装置には、バーコードを読取る読取部が設けられている。認証装置は、取出対象の薬剤を収容した薬剤箱に付されたバーコードを読取ると、読取ったバーコードの情報に基づき、取出対象の薬剤の適否を判定し、表示部に表示する。これにより、作業者は、薬剤棚から取出すべき薬剤を、薬剤棚から取出すことができる。
【0091】
また、上位システムは、例えば、薬剤棚に保管されている薬剤の在庫数を管理していてもよい。これにより、決定部31は、指定数と、薬剤棚の在庫数との比較に基づき、保管装置1及び/又は薬剤棚から取出す薬剤の数を決定できる。上位システムは、例えば、認証装置がバーコードの認証に成功したことを示す通知を受信したときに、払出対象の薬剤の在庫数から処方データに示される薬剤の数を減じることにより、当該在庫数を更新してもよい。
【0092】
なお、薬剤払出システム100は、ドラッグステーション2等の薬剤を保管する装置と共に、薬剤棚を備えていてもよい。
【0093】
また、上述したように、保管装置1には、ドラッグステーション2に保管されていない薬剤が収容された薬剤箱が保管されていてもよい。例えば、処方データ又は作業者の入力操作に基づく払出指示に示される払出対象の薬剤が、ドラッグステーション2に保管されていない薬剤であり、かつ保管装置1に保管されている薬剤である場合を考える。この場合、制御装置3は、払出指示に示される薬剤の数以上の薬剤を収容する少なくとも1つの薬剤箱を保管装置1から払出させる。またこのとき、制御装置3は、ドラッグステーション2において、薬剤授受部220に何れのカセットCaも搬送しなくてよい。
【0094】
<変形例2(決定部に関する変形例)>
決定部31は、ドラッグステーション制御部3Bの一機能であってもよい。この場合、ドラッグステーション制御部3Bは、決定部31が決定した保管装置1から払出す払出数を示す情報を、保管装置制御部3Aに送信してよい。
【0095】
ここで、ドラッグステーション2に保管されている薬剤の在庫数は、バーコードリーダ222が読取ったバーコードに含まれる薬剤の数の他、払出作業又は充填作業においてユーザが入力した薬剤の数も用いて、制御装置3により管理される。そのため、制御装置3が管理している在庫数は、ドラッグステーション2に実際に保管されている薬剤の数とは異なる場合がある。前者の制御装置3が管理している在庫数を理論在庫数と称し、後者のドラッグステーション2に実際に保管されている薬剤の数を実際の在庫数と称することもできる。
【0096】
決定部31は、指定数と在庫数とを比較し、指定数より在庫数が少ない場合に、保管装置1からの払出数を決定している。この在庫数は、理論在庫数であっても、実際の在庫数であってもよい。すなわち、決定部31は、実施形態1で説明した指定数と理論在庫数との比較ではなく、指定数と実際の在庫数との比較を行ってもよい。
【0097】
決定部31は、指定数と実際の在庫数とを比較する場合、例えば、指定数と、カセットCaに収容された払出対象の薬剤の数とを比較してよい。例えば、払出指示を受付けた場合、搬送制御部33は、カセット搬送部23を制御することにより、払出対象の薬剤を収容するカセットCaを、薬剤授受部220に搬送する。ユーザは、第1タッチパネル41又は第2タッチパネル42を介して、カセットCaに収容されている薬剤の数を入力する。決定部31は、指定数と、入力された薬剤の数とを比較する。これにより、決定部31は、指定数と実際の在庫数とを比較できる。
【0098】
上述の通り、薬剤払出システム100では、ドラッグステーション2に代えて、ドラッグステーション2以外の装置又は薬剤棚を用いることもできる。この場合、実際の在庫数は、ドラッグステーション2以外の装置に実際に保管されている薬剤の数、又は、薬剤棚に実際に保管されている薬剤の数を示すことになる。決定部31は、ドラッグステーション2以外の装置では、指定数と、当該装置を介して払出した薬剤の数とを比較し、薬剤棚では、指定数と、認証装置を介して取揃えられた薬剤の数とを比較する。これにより、決定部31は、指定数と実際の在庫数とを比較できる。
【0099】
すなわち、決定部31は、実際の在庫数を取得した後に、指定数と当該実際の在庫数との比較を行ってもよい。
【0100】
<実施形態1まとめ>
本開示の態様1に係る制御装置(3)は、薬剤を保管する第1保管装置(ドラッグステーション2)又は薬剤棚に保管される薬剤を保管可能な第2保管装置(保管装置1)であり、かつ薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置を制御する制御装置である。制御装置(3)は、前記第2保管装置から払出すべき薬剤の数を、払出数として決定する決定部(31)と、前記決定部が決定した払出数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を前記第2保管装置から払出す払出制御部(32)と、を備える。
【0101】
また、本開示は、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明の一態様に係る薬剤払出システム(100)は、薬剤シートを保管するカセットを保管する第1保管装置(ドラッグステーション2)と、薬剤シートを収容する薬剤箱を保管し、前記薬剤箱を払出す第2保管装置(保管装置1)と、前記第1保管装置及び前記第2保管装置のそれぞれを制御する制御装置(3)と、を備える。前記第1保管装置は、前記カセット(Ca)を保管するカセット棚(211)と、前記カセットからの前記薬剤の取出し、又は前記カセットへの薬剤の投入を可能とする薬剤授受部(220)と、を備える。前記制御装置は、払出対象の薬剤の払出指示に基づき、
(1)前記払出対象の薬剤を収容対象とするカセットの、前記カセット棚から前記薬剤授受部への搬送、
(2)少なくとも1つの薬剤箱の前記第2保管装置からの払出し、又は、
(3)上記(1)及び(2)の両方、を制御する。
【0102】
上記構成により、第2保管装置から払出された薬剤箱から、薬剤を取出すことが可能となる。そのため、取出されるべき数の薬剤を第1保管装置又は薬剤棚から取出せない場合、不足分の薬剤を薬剤箱から取出すことが可能となる。より具体的には、在庫数が指定数よりも少ない場合に、第1保管装置又は薬剤棚を利用することにより、指定数分の薬剤を取出すことを可能とする。そのため、薬剤の払出効率を高めることができる。また、第1保管装置又は薬剤棚に薬剤を収容する場合、当該薬剤を薬剤箱から取出すことが可能となる。従って、第1保管装置又は薬剤棚に対する薬剤の取出し又は充填を効率良く行うことが可能となる。
【0103】
また、第1保管装置又は薬剤棚に対する薬剤の取出し又は充填を行うために、制御装置による制御により第2保管装置から払出された薬剤箱を利用できる。具体的には、当該薬剤の取出し又は充填のために、作業者が所望する薬剤を収容し、かつ、当該薬剤を取出す又は充填する薬剤の数以上の薬剤を収容した少なくとも1つの薬剤箱を、第2保管装置から払出すことができる。そのため、作業者が所望する薬剤を自ら取集める作業を行う等の作業者の作業負担を、軽減することが可能となる。
【0104】
さらに、本開示の態様2に係る制御装置は、態様1において、払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数より、前記第1保管装置又は前記薬剤棚に保管されている前記払出対象の薬剤の在庫数が少ない場合に、前記決定部は、前記指定数と前記在庫数との差分を、前記払出数として決定する。
【0105】
さらに、本開示の態様3に係る制御装置は、態様1又は2において、払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数より、前記第1保管装置又は前記薬剤棚に保管されている前記払出対象の薬剤の在庫数が少ない場合に、前記決定部は、前記薬剤箱に収容される前記払出対象の薬剤の数として規定された規定数の倍数のうち、(1)前記指定数と一致する値、又は、(2)前記指定数に最も近い、前記指定数未満の値を、前記払出数として決定する。
【0106】
さらに、本開示の態様4に係る制御装置は、態様1から3の何れかにおいて、前記第1保管装置は、薬剤を保管するカセットを保管するカセット棚と、前記カセットからの前記薬剤の取出し、又は前記カセットへの薬剤の投入を可能とする薬剤授受部と、を備え、前記制御装置は、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットの、前記カセット棚から前記薬剤授受部への搬送を制御する搬送制御部を備える。
【0107】
さらに、本開示の態様5に係る制御装置は、態様4において、前記第1保管装置に保管されている払出対象の薬剤の有効期限又は使用期限に応じて、前記搬送制御部は、前記カセットの搬送動作の実施又は不実施を決定する。
【0108】
さらに、本開示の態様6に係る制御装置は、態様4又は5において、前記薬剤授受部はシャッタを備え、前記制御装置は、前記シャッタの開閉を制御するシャッタ制御部を備え、前記搬送制御部が前記カセットを前記薬剤授受部まで搬送させた後、前記シャッタ制御部は、前記払出対象の薬剤の収容位置にあわせて前記シャッタを開く。
【0109】
さらに、本開示の態様7に係る制御装置は、態様1から6の何れかにおいて、前記決定部は、払出対象の薬剤の払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数から前記払出数を減じた値を、前記第1保管装置から取出すべき薬剤の数として決定する。
【0110】
さらに、本開示の態様8に係る制御装置は、態様1から7の何れかにおいて、前記制御装置は、前記薬剤箱に貼付されるラベルを出力するラベル出力装置と通信可能に接続でき、前記第2保管装置から払出された薬剤箱から、前記薬剤箱が開封済の薬剤箱であるものとして管理するための管理情報を含むラベルを、前記ラベル出力装置に出力させる出力制御部を備える。
【0111】
〔実施形態2〕
順次払出モード、個別払出モード又は充填モードにおいて、保管装置1から払出された薬剤箱から必要数の薬剤が取出される場合、薬剤箱に収容された薬剤の一部が取出された後の残りの薬剤が収容された薬剤箱が発生する可能性がある。例えば、薬剤箱から払出対象の薬剤を取出した後、残りの薬剤の全てをカセットCaに収容できない場合が挙げられる。また例えば、払出対象の薬剤がドラッグステーション2に保管されていない(保管対象ではない)薬剤である場合が挙げられる。このように、残りの薬剤をドラッグステーション2に保管できない場合、残りの薬剤を収容した薬剤箱を保管装置1に再び保管することにより、保管装置1による当該薬剤箱の管理を行ってもよい。すなわち、規定数に満たない数の薬剤が収容された薬剤箱を保管装置1に再入庫させてもよい。便宜上、1つ以上の薬剤が取出された結果、規定数に満たない数の薬剤が収容された状態となった薬剤箱を端数箱と称する場合もある。実施形態2では、端数箱が生じた場合に、保管装置1における、端数箱を含む薬剤箱の保管状況を管理する構成について説明する。
【0112】
制御装置3は、保管装置1における、端数箱を含む薬剤箱の保管状況を管理する管理部3Cを備える。管理部3Cは、情報管理部36と報知制御部37とを備えている。管理部3Cは、情報を記憶する記憶部30と、情報を報知する報知装置(例えば第1タッチパネル41)と、保管装置1の読取部121(取得装置)と、にそれぞれ接続可能である。管理部3Cは、薬剤箱の保管状況を管理する管理装置としての機能を有している。本実施形態では、管理部3Cは制御装置3に含まれる構成であるが、管理装置として制御装置3から独立して構成されていてもよい。
【0113】
情報管理部36は、保管装置1に保管されている薬剤箱(すなわち薬剤)に関する情報を管理する。当該薬剤に関する情報には、例えば読取部121が読取ったバーコードに含まれる情報が含まれていてよい。当該情報には、例えば、薬剤箱に収容された薬剤の種類を示す情報(例:GS1コード)と、規定数又は残数と、有効期限及び/又は使用期限と、ロット番号とが含まれていてよい。また、上記薬剤に関する情報には、例えば、薬剤箱の保管位置を示す情報、及び、薬剤箱の払出日時を示す情報が含まれていてよい。なお、規定数及び残数を総称して入り数と称することもできる。
【0114】
また、情報管理部36は、管理情報と残数情報とを関連付けた関連情報を、記憶部30に記憶することにより、関連情報を管理してよい。管理情報とは、保管装置1から払出された薬剤箱から薬剤の一部が取出された後の所定の条件下において、当該薬剤箱が開封済の薬剤箱(すなわち端数箱)であるものとして管理するための情報である。具体的には、管理情報は、保管装置1から払出された薬剤箱から一部の薬剤が取出され、当該薬剤箱に薬剤が残っている場合において、当該薬剤箱が端数箱であるものとして管理するための情報である。すなわち、情報管理部36は、保管装置1から払出された薬剤箱から一部の薬剤が取出され、当該薬剤箱に薬剤が残っている状況において、関連情報を記憶部30に記憶する。
【0115】
情報管理部36は、規定数又は残数を管理することにより、保管装置1に保管されている薬剤箱に収容された薬剤の在庫数を管理する。記憶部30には、保管装置1に保管されている薬剤の在庫数を管理する在庫テーブルTA1が記憶されている。
【0116】
例えば、決定部31によって決定された第1払出数、第2払出数又は第3払出数に基づいて保管装置1から薬剤箱が払出されると、情報管理部36は、在庫テーブルTA1を更新する。また、ドラッグステーション2への薬剤の充填時に保管装置1から薬剤箱が払出されると、情報管理部36は、在庫テーブルTA1を更新する。具体的には、情報管理部36は、在庫テーブルTA1において、払出された薬剤箱に収容されている薬剤の、保管装置1における在庫数から、当該薬剤箱に収容されている薬剤の総数を減算する。また、読取部121が薬剤箱に付されたバーコードを読取った場合も、情報管理部36は、在庫テーブルTA1を更新する。具体的には、管理部3Cは、在庫テーブルTA1において、薬剤箱に収容されている薬剤の、保管装置1における在庫数に、当該薬剤箱に収容されている薬剤の総数を加算する。
【0117】
また、情報管理部36は、関連情報を一時的に管理する一時在庫テーブルTA2において、関連情報を管理してよい。記憶部30には、一時在庫テーブルTA2が記憶されている。情報管理部36は、作業者により入力された、薬剤箱に収容された薬剤の数(薬剤箱から一部の薬剤を取出した後の薬剤の数)を、例えば当該薬剤の種類を示す情報と対応付けて、残数情報として管理する。また、情報管理部36は、残数情報を管理することを契機として、例えば当該薬剤の種類を示す情報に管理情報を付与する。これにより、情報管理部36は、関連情報を生成する。
【0118】
ここで、同種の薬剤を収容し、かつ、入り数が同数の薬剤を収容する端数箱が複数発生する場合がある。管理情報は、このような端数箱が複数存在する場合でも、それぞれの端数箱を別々に区別して管理することが可能なように、各端数箱に対して付与されるユニークな情報である。
【0119】
図12は、第1タッチパネル41に表示される順次払出画像IM6の一例を示す図である。順次払出画像IM6には、箱在庫確認ボタンA61が含まれている。箱在庫確認ボタンA61は、管理部3Cが端数箱を管理するための処理を実行するボタンである。箱在庫確認ボタンA61は、順次払出が停止している状態において、ボタン押下が可能となる(アクティブとなる)。作業者が箱在庫確認ボタンA61を押すと、タッチパネル制御部38は、
図13に示す読取促進画像(読取促進画面)IM7を第1タッチパネル41に表示させる。
図13は、第1タッチパネル41に表示される読取促進画像IM7の一例を示す図である。
【0120】
読取促進画像IM7が表示されている状態において、作業者がドラッグステーション2のバーコードリーダ222(
図6参照)に、端数箱に付されたバーコードを読取らせる。タッチパネル制御部38は、バーコードリーダ222が読取ったバーコードに含まれる情報を表示する。例えば、タッチパネル制御部38は、
図13に示す残数入力画像(残数入力画面)IM8を第1タッチパネル41に表示する。
図13は、第1タッチパネル41に表示される残数入力画像IM8の一例を示す図である。
【0121】
ここで、端数箱に後述するラベルが貼付されていない限り、バーコードリーダ222が読取ったバーコードは、端数箱に元々付されているバーコード(開封前の薬剤箱に付されているバーコード)である。そのため、残数入力画像IM8に示される在庫数は、未開封の薬剤箱に収容されている薬剤の数、すなわち規定数となる。
図13の例では、在庫数として、規定数の100が入力されている。そこで、作業者は、残数入力画像IM8に示される在庫数として、薬剤箱に実際に収容されている薬剤の数(残数)を入力する。例えば、薬剤箱に実際に収容されている薬剤の数が30である場合、残数入力画像IM8に示される在庫数の100を、30に変更する。その後、作業者が確定ボタンA81を押すことにより、情報管理部36は、作業者により入力された残数を示す残数情報を、当該薬剤箱(端数箱)に収容された薬剤の種類と、当該端数箱にユニークな情報としての管理情報とに対応付けた関連情報を、一時在庫テーブルTA2に記憶する。
【0122】
報知制御部37は、記憶部30の一時在庫テーブルTA2に関連情報が記憶されている場合に、当該関連情報に対応する薬剤を収容する薬剤箱が保管装置1に返却されていないことを第1タッチパネル41(報知装置)に報知させる。本実施形態では、報知制御部37は、タッチパネル制御部38の一機能であってもよい。
【0123】
薬剤払出システム100は、
図2及び
図6に示すようにラベル出力装置5を備え得る。本実施形態においてラベル出力装置5は、ピッキングユニット22上に設置されていてよい。制御装置3は、出力制御部35を備えており、ラベル出力装置5と通信可能に接続されている。ラベル出力装置5は、薬剤箱に貼付されるラベルを出力する装置である。出力制御部35は、ラベル出力装置5のラベル出力を制御する。具体的には、出力制御部35は、保管装置1から払出された薬剤箱から一部の薬剤が取出され、当該薬剤箱に薬剤が残っている状況において、ラベル出力装置5のラベル出力を制御する。ラベルには、例えば、薬剤名及びバーコードが含まれる。当該ラベルに含まれるバーコードには、例えば、管理情報が含まれる。作業者から端数箱に貼付するラベルを出力する指示を受付けると、出力制御部35は、管理情報を含むバーコードが付されたラベルを出力する。例えば、作業者が残数入力画像IM8の確定ボタンA81を押すことにより、出力制御部35は、上記バーコードを含むラベルを出力する。作業者は、ラベル出力装置5から新たに出力されたラベルを、端数箱に元々付されているバーコードの上に重ねて貼付する。
【0124】
ラベル出力装置5が出力したラベルを端数箱に貼付することにより、読取部121は、端数箱に付されたラベルから管理情報を取得することが可能となる。そして、情報管理部36は、読取部121が取得した管理情報と、一時在庫テーブルTA2において管理する関連情報とに基づき、端数箱に含まれる薬剤の種類及び残数を認識することが可能となる。そのため、ラベル出力装置5がラベルを出力することにより、保管装置1に保管する端数箱に収容される薬剤について、規定数ではなく、残数を用いた在庫数の管理が可能となる。
【0125】
出力制御部35がラベル出力装置5からラベルを出力させると、報知制御部37は、第1タッチパネル41に、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が生じていることを報知する表示を行う。例えば、報知制御部37は、
図12に示すように、順次払出画像IM6に再入庫待機ボタンA62を追加表示させる。再入庫待機ボタンA62は、保管装置1への再入庫を待機している薬剤に関する情報の一覧である再入庫待機リストを表示するためのボタンである。
【0126】
報知制御部37は、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が1つでも存在する場合には、順次払出画像IM6において再入庫待機ボタンA62を表示する。一方で、報知制御部37は、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が存在しない場合には、順次払出画像IM6において再入庫待機ボタンA62を表示させない。すなわち、再入庫待機ボタンA62は、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が存在する場合にのみ表示される。また、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が存在しない状態において、出力制御部35がラベル出力装置5からラベルを出力させたことを契機として、報知制御部37は、再入庫待機ボタンA62を表示させてよい。報知制御部37が再入庫待機ボタンA62を表示させるタイミングは、これに限らず、例えば一時在庫テーブルTA2に関連情報が管理されていない状態において、情報管理部36が関連情報を一時在庫テーブルTA2に記憶したときであってもよい。
【0127】
順次払出画像IM6に再入庫待機ボタンA62を表示することにより、保管装置1への再入庫を待機している端数箱が生じていることを作業者に報知できる。これにより、保管装置1から払出された薬剤箱であって、かつ薬剤箱に収容された薬剤の一部が取出された後の残りの薬剤が収容された薬剤箱(端数箱)が、保管装置1に返却されていないことを作業者が認識できる。すなわち、作業者に、端数箱の保管装置1への返却を促すことができる。そのため、端数箱が保管装置1の外部に放置される可能性を低減できる。
【0128】
また、実施形態1と同様、制御装置3は、ドラッグステーション2に対する薬剤の取出し又は充填のために、作業者が所望する薬剤を収容し、かつ、当該薬剤を取出す又は充填する薬剤の数以上の薬剤を収容した少なくとも1つの薬剤箱を、保管装置1から払出す。そのため、作業者が所望する薬剤を自ら取集める作業を行う等の作業者の作業負担を、軽減することが可能となる。
【0129】
また、保管装置1への再入庫対象となった端数箱は、制御装置3により管理される。作業者は、当該端数箱を制御装置3が管理するために、バーコードリーダ222に端数箱に元々付されているバーコードを読ませた後、ラベル出力装置5が出力したラベルを端数箱に貼付するだけでよい。そのため、保管装置1への再入庫を待機している端数箱を作業者が自ら管理する必要は無い。従って、保管装置1への再入庫を待機している端数箱を管理する場合の、作業者の作業負担を軽減することが可能となる。
【0130】
作業者が再入庫待機ボタンA62を押すと、報知制御部37は、記憶部30に記憶されている一時在庫テーブルTA2及び薬剤に関する情報を参照して再入庫待機リストを作成し、表示する。再入庫待機リストは、保管装置1への再入庫を待機している端数箱に関する情報を示すリストである。
図14は、第1タッチパネル41に表示される待機リスト画像(待機リスト画面)IM9の一例を示す図である。待機リスト画像IM9に示されるように、再入庫待機リストには、例えば、薬剤名、入り数、在庫数、払出日時、ロット番号、及び有効期限が表示される。再入庫待機リストには、少なくとも、保管装置1への再入庫を待機している薬剤の種類を特定できる情報が含まれていればよい。また、再入庫待機リストに示される情報は、一時在庫テーブルTA2において管理されてもよい。
【0131】
端数箱を保管装置1に再入庫させる場合、作業者は、新たなラベルを貼付した端数箱を、保管装置1の受入部12に投入する。読取部121は、受入部12に投入された端数箱に貼付されたラベルに含まれるバーコードを読取る。読取部121がバーコードを読取った後、保管装置制御部3Aは、搬送部13を制御することにより、端数箱を保管棚11に保管する。
【0132】
また、読取部121がラベルに含まれるバーコード(すなわち、管理情報)を読取ると、情報管理部36は、読取部121が取得した管理情報を含む関連情報を、記憶部30から削除してよい。より具体的には、情報管理部36は、一時在庫テーブルTA2から、読取部121が取得した管理情報を含む関連情報を削除する。これにより、一時在庫テーブルTA2から、保管装置1への再入庫が完了した端数箱の情報が削除される。そのため、報知制御部37は、待機リスト画像IM9に示される再入庫待機リストから、保管装置1への再入庫が完了した端数箱の情報を削除する。
【0133】
このように、制御装置3は、読取部121が端数箱に付されたラベルから管理情報を取得した場合に、当該端数箱を保管装置1に保管できる。すなわち、当該端数箱については、保管装置1へ返却されるため、保管装置1への返却を作業者に促さなくてもよい。管理情報の取得元である端数箱に対応する関連情報を記憶部30から削除することにより、不必要となる保管装置1への返却を促すための報知を停止できる。すなわち、制御装置3は、保管装置1の外部に放置されている可能性がある端数箱の存在のみを、作業者に認識させることができる。
【0134】
また、情報管理部36は、一時在庫テーブルTA2から関連情報を削除した場合に、当該関連情報に対応する残数を、関連情報に対応する薬剤の在庫数に加算して、在庫テーブルTA1に記憶してよい。これにより、保管装置1に返却された端数箱に含まれる薬剤の残数を含めて、保管装置1における当該薬剤の在庫数を管理できる。
【0135】
なお、ラベル出力装置5が出力するバーコードには、例えば、薬剤箱に収容された薬剤の種類を示す情報(例:GS1コード)、残数入力画像IM8を介して入力された残数情報、有効期限、及び、ロット番号が含まれていてよい。この場合、情報管理部36は、読取部121が読取ったバーコードに含まれる情報に基づき、残数を用いた在庫数の管理が可能となる。
【0136】
〔実施形態3〕
上述したように、決定部31は、ドラッグステーション2における払出対象の薬剤の在庫数に基づき、保管装置1から払出す払出数と、ドラッグステーション2から取出す薬剤数(ドラッグステーション2から取出すべき薬剤の数)と、を決定する。これは、制御装置3(例:決定部31)が、上記在庫数に基づき、保管装置1及びドラッグステーション2の何れから薬剤を取出すのかを決定していることを意味する。例えば、制御装置3は、払出数を0と決定した場合、ドラッグステーション2のみから薬剤を取出すと決定する。以降、上記払出数及び薬剤数の決定に従った薬剤の取出先の決定も、決定部31が行うものとして説明する。
【0137】
上述したように、制御装置3が、ドラッグステーション2における薬剤の在庫数を理論在庫数により管理する場合、カセットCaに薬剤を充填する際に充填数の入力を忘れたり間違えて入力されたりすることによって、制御装置3が管理する理論在庫数と、ドラッグステーション2に実際に保管されている在庫数とが異なる場合がある。そのため、決定部31が、理論在庫数を用いて払出数及び薬剤数を決定した場合、カセットCaから取出すべき薬剤の数分、カセットCaに収容されておらず、当該数分の薬剤を取出すことができないという事象が生じる可能性がある。
【0138】
そこで、本実施形態の制御装置3は、決定部31の決定結果に従った、保管装置1及び/又はドラッグステーション2からの薬剤の取出しを可能とするだけでなく、作業者の入力操作による、当該取出しの補完を目的とした、保管装置1からの薬剤の取出しを可能とする。
【0139】
なお、制御装置3は、
図1に示す部材及び機能のうち、本実施形態で説明する部材及び機能を少なくとも備えていればよい。また、後述する図面の各ボタンについて、ボタンへの入力操作を受付不可な状態(非アクティブな状態)よりも、当該ボタンへの入力操作を受付可能な状態(アクティブな状態)の表示を濃くしている。
【0140】
<条件1及び条件2の場合の画像遷移例>
図15は、第2タッチパネル42に表示される画像(画面)の遷移例を示す図である。決定部31が、上記払出数及び薬剤数を決定することによって、ドラッグステーション2のみを薬剤の取出先として決定した場合(例えば、ドラッグステーション2に保管されている理論在庫数が指定数以上である場合)を、条件1と称する。決定部31が、上記払出数及び薬剤数を決定することによって、ドラッグステーション2及び保管装置1の両方を薬剤の取出先として決定した場合(例えば、ドラッグステーション2に保管されている理論在庫数が指定数よりも少ない場合)を、条件2と称する。
図15、
図18及び
図19中の「DS」はドラッグステーション2を指す。
【0141】
(条件1の場合の画像遷移例)
条件1の場合、
図15に示すように、タッチパネル制御部38は、作業者が薬剤箱及び/又はカセットCaから薬剤を取出すときに必要となる情報(払出対象の薬剤に関する情報)を表示する画像IM11及びIM13を、第2タッチパネル42に表示する。第2タッチパネル42は表示装置の一例であり、タッチパネル制御部38は、表示装置を制御する表示制御装置の一例である。
【0142】
具体的には、タッチパネル制御部38は、カセットCaがカセット棚211から薬剤授受部220まで搬送されている間、画像IM11を第2タッチパネル42に表示する。タッチパネル制御部38は、その後カセットCaが薬剤授受部220に到着したとき(又はシャッタ221が開状態となったとき)、第2タッチパネル42の表示を、画像IM11から画像IM13に変更する。薬剤授受部220は、例えば作業者が、ドラッグステーション2に保管された薬剤を取出すことが可能な取出口として機能する。
【0143】
タッチパネル制御部38は、画像IM11及びIM13において、例えば、ドラッグステーション2において薬剤授受部220に搬送されたカセットCaと、保管装置1から払出される薬剤箱と、の少なくとも何れかから取出すべき薬剤の名称および数を表示する。
図15に示す例では、
図8に示す例と同様、第2タッチパネル42は、薬剤名「ABC」という払出対象の薬剤について、4つのフルシートと、2つの薬剤を含む端数シートとを取出すことにより、指定数42個分の薬剤を取出すよう案内している。また、タッチパネル制御部38は、画像IM11及びIM13において、カセットCaから取出される薬剤と同種の薬剤を収容した薬剤箱を、保管装置1から払出す入力操作を受付可能な追加払出ボタンA91(払出ボタン)を表示する。
【0144】
タッチパネル制御部38が追加払出ボタンA91に対する入力操作を受付けた場合、払出制御部32は、薬剤授受部220に搬送されたカセットCaから取出される薬剤と同種の薬剤を収容した薬剤箱を、投入箱14に払出す。
【0145】
上述したように、薬剤授受部220に搬送されたカセットCaに収容された薬剤の数が、当該カセットCaから取出すべき数に満たない場合がある。追加払出ボタンA91に対する作業者の入力操作を受付可能とすることにより、制御装置3は、決定部31の決定結果に従った薬剤の搬送に追加して、当該カセットCaから取出される薬剤と同種の薬剤を収容した薬剤箱を、保管装置1から払出させることができる。従って、作業者は、薬剤授受部220に搬送されたカセットCaから取出せない不足分の薬剤を、保管装置1から払出された薬剤箱から取出すことが可能となる。そのため、作業者は、より効率良く、指定数分の薬剤を取出すことが可能となる。
【0146】
タッチパネル制御部38は、薬剤の取出先の決定結果に基づく全ての薬剤の搬送が完了したときに、追加払出ボタンA91を、非アクティブな状態からアクティブな状態に変更する。
【0147】
上述したように、決定部31は、保管装置1及び/又はドラッグステーション2から取出す薬剤の数を決定すると共に、保管装置1及び/又はドラッグステーション2を、薬剤の取出先として決定する。制御装置3(例:払出制御部32及び/又は搬送制御部33)は、決定部31が決定した薬剤の取出先において、作業者が取出可能となるように、薬剤を搬送する。タッチパネル制御部38は、当該取出先からの全ての薬剤の搬送が完了したときに、追加払出ボタンA91を、非アクティブな状態からアクティブな状態に変更する。
【0148】
具体的には、タッチパネル制御部38は、画像IM11において、カセット棚211から薬剤授受部220へのカセットCaの搬送中、上記入力操作を受付不可の状態(非アクティブな状態)で追加払出ボタンA91を表示している。条件1の場合、タッチパネル制御部38は、カセット棚211から薬剤授受部220にカセットCaが搬送されたときに、第2タッチパネル42の表示を、画像IM11から画像IM13に変更する。これにより、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91を、上記入力操作を受付可能な状態(アクティブな状態)に変更する。
【0149】
そのため、作業者が、薬剤授受部220においてカセットCaの内部を視認できる状態(カセットCaに収容された薬剤が不足しているかを確認できる状態)において、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91への入力操作を受付けることができる。
【0150】
なお、タッチパネル制御部38は、画像IM11において、保留ボタンA92、強制監査ボタンA93及び薬剤補充ボタンA94を、非アクティブな状態で表示する。タッチパネル制御部38は、画像IM13において、保留ボタンA92、強制監査ボタンA93及び薬剤補充ボタンA94を、アクティブな状態に変更する。保留ボタンA92は、カセットCaからの薬剤の取出しを一時的に保留状態とする入力操作を受付けるボタンである。強制監査ボタンA93は、カセットCaからの薬剤の取出しを中止する入力操作を受付けるボタンである。薬剤補充ボタンA94は、カセットCaへの薬剤の充填を可能とする入力操作を受付けるボタンである。薬剤補充ボタンA94は、
図8に示す薬剤補充ボタンA21と同じ機能を有する。
【0151】
(条件2の場合の画像遷移例)
条件2の場合、
図15に示すように、タッチパネル制御部38は、画像IM11及びIM13に加え、画像IM12を、第2タッチパネル42に表示する。画像IM12も、画像IM11及びIM13と同様、払出対象の薬剤に関する情報を表示する画像である。
【0152】
具体的には、タッチパネル制御部38は、カセットCaがカセット棚211から薬剤授受部220まで搬送されている間、画像IM11を第2タッチパネル42に表示する。条件2の場合、タッチパネル制御部38は、その後カセットCaが薬剤授受部220に到着したとき(又はシャッタ221が開状態となったとき)、第2タッチパネル42の表示を、画像IM11から画像IM12に変更する。
【0153】
画像IM12は、保管装置1からの薬剤箱の払出しを待機することを通知する通知画像として機能する。
図15の例では、「薬品が来ます。しばらくお待ちください。」との表示により、保管装置1からの薬剤箱の払出しを待機することを通知している。画像IM12は、保管装置1からの薬剤箱の払出しを待機することを通知するのではなく、例えば、保管装置1による薬剤箱の搬送中(薬剤箱の払出動作中)であることを通知してもよい。これらの通知は、音声による通知であってもよい。
【0154】
また、画像IM12では、画像IM11と同様、追加払出ボタンA91は非アクティブな状態である。タッチパネル制御部38は、その後、保管装置1から薬剤箱が払出されたときに、第2タッチパネル42の表示を、画像IM12から画像IM13に変更する。これにより、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更する。
【0155】
ここで、
図3に示すように、保管装置1は、ドラッグステーション2へ薬剤箱を払出す払出口15の近傍に、検出部16を備えている。具体的には、保管装置1は、搬送部13の一部で、かつ保管装置1の内部から外部へと延在する搬送部において、払出口15の近傍の側壁に、検出部16を備えている。検出部16は、当該搬送部により、保管装置1の内部から外部へと搬送される薬剤箱を検出する。検出部16により薬剤箱が検出されたときに、制御装置3(例:保管装置制御部3A)は、保管装置1から薬剤箱が払出されたと判定する。検出部16の配置位置は一例であって、例えば、保管装置1の外部における上記搬送部の側壁に設けられていてもよいし、投入箱14に設けられていてもよい。
【0156】
上述したように、条件2の場合、タッチパネル制御部38は、薬剤授受部220にカセットCaが搬送されたときには、追加払出ボタンA91を非アクティブな状態を維持している。その後、保管装置1から薬剤箱が払出されたときに、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91をアクティブな状態とする。
【0157】
そのため、タッチパネル制御部38は、決定部31の決定結果に従った全ての薬剤の搬送が完了し、指定数分の薬剤が存在するかを作業者が確認できる状態となるまでは、追加払出ボタンA91への入力を受付けないようにすることができる。また、タッチパネル制御部38は、待機通知を行うことにより、作業者に、カセットCaから指定数分の薬剤を取出すことができないことと、保管装置1から薬剤箱が払出されることと、を認識させることができる。
【0158】
例えば順次払出モードの場合、薬剤授受部220にカセットCaが順次搬送され、作業者は、カセットCaから順次薬剤を取出すことになる。条件1の場合、作業者は、カセットCaに指定数分の薬剤が収容されているかを確認し、収容されていない場合には、追加払出ボタンA91に触れて、保管装置1から薬剤箱を払出させる。
【0159】
仮に、条件2の場合に、カセットCaが薬剤授受部220に搬送されたときに、待機通知も無く、追加払出ボタンA91がアクティブな状態となる場合を考える。条件1の発生頻度が条件2の発生頻度よりも高い場合、条件1に伴う上記作業が多くなる。そのため、作業者は、カセットCaの薬剤が不足していると判断した場合、不足分の薬剤を補充すべく、決定部31の決定結果に従った保管装置1からの薬剤箱の払出しを待たずに、追加払出ボタンA91に触れて、保管装置1に薬剤箱を払出させる可能性が高い。
【0160】
上述したように、条件2の場合、タッチパネル制御部38は、カセットCaが薬剤授受部220に搬送されたときに、追加払出ボタンA91を非アクティブな状態とし、かつ待機通知を表示する。これにより、条件1に伴う上記作業に慣れた作業者についても、カセットCaから指定数分の薬剤を取出すことができないことを認識させることができ、保管装置1からの薬剤箱の払出が完了するまで、不足と判断することを保留させることができる。
【0161】
なお、タッチパネル制御部38は、画像IM12において、薬剤補充ボタンA94をアクティブな状態とし、第2タッチパネル42の表示を画像IM13に変更したときに、保留ボタンA92及び強制監査ボタンA93をアクティブな状態とする。
【0162】
(払出数入力画像)
図16は、追加払出ボタンA91に対する入力操作を受付けた後の、第2タッチパネル42に表示される画像(画面)の遷移例を示す図である。
【0163】
条件1及び条件2の場合において、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91に対する入力操作を受付けた場合、保管装置1に払出させる薬剤の払出数を入力可能な払出数入力画像IM14を、第2タッチパネル42に表示する。保管装置1に払出させる薬剤は、払出対象の薬剤(画像IM13に表示されている薬剤)である。
【0164】
払出数入力画像IM14において、入力領域A101は、作業者が所望する払出数を入力する入力操作を受付ける領域である。払出ボタンA102は、払出数以上の薬剤を払出すために、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱を保管装置1に払出させる入力操作を受付けるボタンである。
【0165】
タッチパネル制御部38が、入力領域A101において払出数の入力操作を受付けると、制御装置3(例:保管装置制御部3A)は、保管装置1における、払出対象の薬剤の在庫数が、入力された払出数以上であるかを判定する。保管装置制御部3Aが、記憶部30の在庫テーブルTA1を参照し、払出対象の薬剤の在庫数が入力された払出数未満であると判定した場合、タッチパネル制御部38は、保管装置1において当該薬剤の在庫が不足している旨の通知を行う。
【0166】
保管装置制御部3Aは、払出対象の薬剤の在庫数が入力された払出数以上であると判定した場合、当該薬剤を収容した薬剤箱の投入箱14への払出しを開始する。このとき、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、払出数入力画像IM14から画像IM15に変更する。画像IM15は、画像IM11~IM13と同様、払出対象の薬剤に関する情報を表示する画像である。画像IM15は、保管装置1からドラッグステーション2への薬剤箱の搬送中に表示される画像である。そのため、本実施形態では、タッチパネル制御部38は、画像IM15において、薬剤箱の払出しを待機することを通知している。
【0167】
タッチパネル制御部38は、その後、保管装置1から薬剤箱が払出されたときに、画像IM16を表示する。画像IM16も、画像IM15と同様、払出対象の薬剤に関する情報を表示する画像である。
【0168】
ここで、
図15の画像IM13では、タッチパネル制御部38は、決定部31の決定結果に従ったカセットCaの搬送、又は、カセットCa及び薬剤箱の搬送が完了した場合、追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更する。タッチパネル制御部38は、保留ボタンA92、強制監査ボタンA93及び薬剤補充ボタンA94についても、アクティブな状態に変更する。
【0169】
一方、追加払出ボタンA91への入力操作を受付け、作業者が払出数を入力した後の薬剤箱の払出しにおいては、タッチパネル制御部38は以下のように表示を行う。タッチパネル制御部38は、
図16の画像IM15及びIM16に示すように、保留ボタンA92、強制監査ボタンA93及び薬剤補充ボタンA94については、薬剤箱の搬送が完了したときに、非アクティブな状態からアクティブな状態に変更する。一方、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91については、薬剤箱の搬送が完了した場合であっても、非アクティブな状態を維持する。
【0170】
つまり、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91への再度の入力を受付けない。これにより、保管装置1から払出す薬剤の数の入力を複数回受付けることに伴い、薬剤の取出作業に遅延が生じる可能性を低減できる。但し、追加払出ボタンA91への複数回の入力操作を受付可能としてもよい。この場合、タッチパネル制御部38は、規定された回数に達するまでは、画像IM16において、追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更してもよい。
【0171】
(取出された薬剤の数と指定数との一致不一致の判定)
図15の画像IM13が表示された状態では、条件1の場合、決定部31の決定結果に従い、カセットCaが薬剤授受部220に搬送され、作業者がカセットCaから薬剤を取出可能な状態である。またこの状態では、条件2の場合、決定部31の決定結果に従い、カセットCaが薬剤授受部220に搬送されると共に、薬剤箱が投入箱14に搬送され、作業者がカセットCa及び薬剤箱から薬剤を取出可能な状態である。
【0172】
また、
図16の画像IM16が表示された状態においても、条件1又は条件2の薬剤の搬送に加え、作業者の追加的な指示による投入箱14への薬剤箱の搬送が行われ、作業者がカセットCa及び薬剤箱から薬剤を取出可能な状態である。
【0173】
このような状態において、作業者は、上述した薬剤載置台223又はトレイ載置台224に、取出した薬剤を載置する。これにより、制御装置3(例:ドラッグステーション制御部3B)は、作業者が取出した薬剤の数を計数し、計数した薬剤の数が指定数と一致するかを判定する。
【0174】
図17は、判定画像IM17~IM19の一例を示す図である。判定画像IM17~IM19は、計数した薬剤の数と指定数とが一致するか否かの判定結果を表示する画像である。判定画像IM17は、計数した薬剤の数と指定数とが一致したとの判定結果を表示する画像の一例を示す。判定画像IM18及びIM19は、計数した薬剤の数と指定数とが一致していないとの判定結果を表示する画像の一例を示す。
【0175】
図15の画像IM13の表示状態において、ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致したと判定した場合、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM13から判定画像IM17に変更する。この変更において、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91を、アクティブな状態から非アクティブな状態に変更する。計数した薬剤の数と指定数とが一致した場合、更に、保管装置1から薬剤箱を払出させる必要が無いためである。
【0176】
なお、
図16の画像IM16の表示状態において、ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致したと判定した場合も、第2タッチパネル42の表示を、画像IM16から判定画像IM17に変更する。
【0177】
図15の画像IM13の表示状態において、ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致していないと判定した場合、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM13から判定画像IM18に変更する。この変更においては、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91のアクティブな状態を維持する。従って、作業者は、決定部31の決定結果に従って搬送された薬剤の数が指定数に満たない場合に、追加払出ボタンA91への入力操作を行うことができる。そのため、不足分の薬剤を保管装置1から払出させることができる。
【0178】
一方、
図16の画像IM16の表示状態において、ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致していないと判定した場合、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM16から判定画像IM19に変更する。この変更においては、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91の状態を、非アクティブな状態に維持する。
図16の画像IM16が表示される場合、タッチパネル制御部38が、追加払出ボタンA91への入力操作を既に受付けているためである。
【0179】
但し、追加払出ボタンA91への複数回の入力操作を受付可能である場合、タッチパネル制御部38は、規定された回数に達するまでは、判定画像IM19において、追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更してもよい。
【0180】
<条件3及び条件4の場合の画像遷移例>
図18及び
図19は、第2タッチパネル42に表示される画像(画面)の遷移例を示す図である。決定部31が、上記払出数及び薬剤数の決定によって、保管装置1のみから薬剤を取出すと決定した場合を、条件3又は条件4と称する。
図18は、条件3の場合における画像の遷移例を示す図である。
図19は、条件4の場合における画像の遷移例を示す図である。
【0181】
(条件3の場合の画像遷移例)
条件3は、ドラッグステーション2に、払出対象の薬剤を収容するカセットCaが存在するが、搬送制御部33が、当該カセットCaを薬剤授受部220に搬送しない場合を指す。この場合、払出対象の薬剤は、保管装置1のみから払出される。
【0182】
例えば、決定部31は、カセットCaに収容された払出対象の薬剤の有効期限又は使用期限が切れている場合に、払出対象の薬剤の全てを保管装置1から払出すものとして決定する。但し、保管装置1に保管された当該薬剤の有効期限又は使用期限が切れていないことが前提となる。この場合、搬送制御部33が払出対象の薬剤を収容するカセットCaの搬送を行わず、払出制御部32が当該薬剤を収容した薬剤箱の搬送を行う。そのため、有効期限又は使用期限が切れている薬剤を患者に受渡さないようにすることができる。ドラッグステーション2において管理する各薬剤の有効期限及び/又は使用期限、及び、保管装置1において管理する各薬剤の有効期限及び/又は使用期限は、それぞれ記憶部30において管理されている。
【0183】
また、記憶部30は、薬剤の製造日に所定期間を加算した日を、薬剤を服用可能な期限として管理してもよい。この場合、決定部31は、カセットCaに収容された払出対象の薬剤の当該期限が切れているかを判定してよい。また、記憶部30が有効期限等を管理しておらず、薬剤の製造日及び所定期間のみを管理している場合、決定部31は、薬剤の製造日に所定期間を加算した日を期限として算出した後、当該期限が切れているかを判定してもよい。
【0184】
また例えば、決定部31は、指定数が薬剤箱の規定数の倍数である場合(例:規定数が100であり、指定数が200(=100(規定数)×2)である場合)、払出対象の薬剤の全てを保管装置1から払出すものとして決定する。この場合も、搬送制御部33が払出対象の薬剤を収容するカセットCaの搬送を行わず、払出制御部32が当該薬剤を収容した薬剤箱の搬送を行う。そのため、取出作業によっては、その手間を削減することが可能となる。また、例えば薬剤シートを取出す場合に、端数シートを作り出さないようにすることができる。上記規定数は、薬剤毎に(又は薬剤箱毎)に、記憶部30において管理されている。
【0185】
条件3の場合、タッチパネル制御部38は、保管装置1により薬剤箱が搬送されている間、画像IM12を第2タッチパネル42に表示する。上述したように、薬剤箱が搬送されている間、タッチパネル制御部38は、画像IM12において、保管装置1からの薬剤箱の払出しを待機することを通知する。また、タッチパネル制御部38は、画像IM12において、追加払出ボタンA91の状態を非アクティブな状態としている。
【0186】
タッチパネル制御部38は、その後、保管装置1から薬剤箱が払出されたときに、第2タッチパネル42の表示を、画像IM12から画像IM20に変更する。画像IM20も、払出対象の薬剤に関する情報を表示する画像である。タッチパネル制御部38は、画像IM20においても、追加払出ボタンA91の状態を非アクティブな状態に維持する。
【0187】
ここで、決定部31が、カセットCaから取出す薬剤数を決定するときに理論在庫数を用いる場合、上述したように、決定部31が決定した薬剤数よりも、カセットCaに実際に収容された薬剤数が少ないという事象が生じる可能性がある。そのため、タッチパネル制御部38が追加払出ボタンA91をアクティブな状態とすることにより、当該事象が生じた場合であっても、作業者の入力操作により、保管装置1から不足分の薬剤を払出させることを可能にしている。
【0188】
一方、保管装置1のみから薬剤箱を払出す場合、決定部31は、理論在庫数を用いることは少ない。そのため、決定部31が決定した、保管装置1から払出す払出数が指定数未満であり、保管装置1から更に不足分の薬剤を払出させるという事象が生じる可能性は極めて低い。従って、保管装置1のみから薬剤箱を払出す場合には、追加払出ボタンA91をアクティブな状態としない。
【0189】
なお、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM12から画像IM20に変更したときに、保留ボタンA92及び強制監査ボタンA93をアクティブな状態とする。
【0190】
(条件4の場合の画像遷移例)
条件4は、ドラッグステーション2に、払出対象の薬剤を収容するカセットCaが存在しないため、搬送制御部33が、当該カセットCaを薬剤授受部220に搬送しない場合を指す。この場合も、払出対象の薬剤は、保管装置1のみから払出される。
【0191】
条件4の場合、タッチパネル制御部38は、保管装置1により薬剤箱が搬送されている間、画像IM21を第2タッチパネル42に表示する。薬剤箱が搬送されている間、タッチパネル制御部38は、画像IM21において、保管装置1からの薬剤箱の払出しを待機することを通知する。また、タッチパネル制御部38は、画像IM21において、追加払出ボタンA91を非アクティブな状態としている。このように、画像IM21は、画像IM12と同一の機能を有する。
【0192】
タッチパネル制御部38は、その後、保管装置1から薬剤箱が払出されたときに、第2タッチパネル42の表示を、画像IM21から画像IM20に変更する。条件4においても、条件3と同様、保管装置1のみから薬剤箱を払出すため、追加払出ボタンA91をアクティブな状態としない。
【0193】
(取出された薬剤の数と指定数との一致不一致の判定)
図18及び
図19の画像IM20が表示された状態では、薬剤箱が投入箱14に搬送され、作業者が薬剤箱から薬剤を取出可能な状態である。この状態において、作業者は、上述した薬剤載置台223又はトレイ載置台224に、取出した薬剤を載置する。これにより、制御装置3(例:ドラッグステーション制御部3B)は、作業者が取出した薬剤の数を計数し、計数した薬剤の数が指定数と一致するかを判定する。
【0194】
ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致したと判定した場合、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM20から判定画像IM17に変更する。ドラッグステーション制御部3Bが、計数した薬剤の数と指定数とが一致していないと判定した場合、タッチパネル制御部38は、第2タッチパネル42の表示を、画像IM20から判定画像IM19に変更する。つまり、何れの判定結果の場合も、タッチパネル制御部38は、判定画像において、引き続き、追加払出ボタンA91の非アクティブ状態を維持する。
【0195】
<変形例>
条件3および4(薬剤の取出先が保管装置1のみである場合)において、タッチパネル制御部38は、決定部31の決定結果に従った薬剤の搬送が完了した場合に、追加払出ボタンA91を非アクティブな状態からアクティブな状態に変更してもよい。仮に保管装置1が理論在庫数で管理されている場合には、決定部31が決定した払出数の分、保管装置1から薬剤箱が払出されない可能性がある。上記のようにアクティブな状態に変更することにより、不足分の薬剤を、追加で保管装置1から払出させることができる。
【0196】
このように、タッチパネル制御部38は、条件1~4の何れの場合であっても、制御装置3による全ての薬剤の搬送が完了した場合に、追加払出ボタンA91を、非アクティブな状態からアクティブな状態に変更してよい。ここで、制御装置3は、薬剤の取出先を、保管装置1、ドラッグステーション2、又は、保管装置1及びドラッグステーション2の何れかに決定すると共に、決定した取出先からの薬剤の搬送を制御するものである。
【0197】
また、上述した条件1~4における処理の流れは、主として順次払出モードに設定されているときの流れであるが、これに限らず、個別払出モードのときにも適用可能である。個別払出モードにおいては、例えば、カセットCaのみが搬送される場合には条件1の処理に準じた処理が行われ、カセットCa及び薬剤箱が搬送される場合には条件2の処理に準じた処理が行われてもよい。また、薬剤箱のみが搬送される場合は条件3又は4の処理に準じた処理となるが、上述したように、タッチパネル制御部38は追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更してもよい。
【0198】
また、本実施形態において、タッチパネル制御部38は、タッチパネル制御装置(表示制御装置)として、制御装置3から独立して構成されてもよい。この場合、タッチパネル制御装置は、制御装置3と通信可能に接続されてよい。
【0199】
また、例えば
図15の画像IM12に示すように、タッチパネル制御部38は、払出対象の薬剤に関する情報を表示する画像の上部表示領域A95に、作業者への指示内容又は計測結果(測定結果)等を表示してよい。このとき、例えば画像IM12に示すように、タッチパネル制御部38は、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱の画像IM100を、上部表示領域A95に表示してもよい。
【0200】
例えば、タッチパネル制御部38は、保管装置1から薬剤箱が払出される場合に表示される画像においては、薬剤箱の画像IM100を表示してもよい。また例えば、タッチパネル制御部38は、保管装置1から薬剤箱が払出されず、ドラッグステーション2のみから薬剤が取出される場合に表示される画像においては、薬剤箱の画像IM100を表示しなくてもよいし、別の画像又はマーク等を表示してよい。
【0201】
また、保管装置1と制御装置3との通信が切断されている場合、保管装置1からの薬剤箱の払出しができない。そのためこの場合、例えば、タッチパネル制御部38は、追加払出ボタンA91をアクティブな状態に変更するタイミングにおいて、非アクティブな状態を維持してもよい。また例えば、タッチパネル制御部38は、保管装置1から薬剤箱を払出すための入力操作を受付けたときに、上記通信が切断されていることを通知してもよい。
【0202】
〔実施形態4〕
薬剤払出システム100は、保管装置1のみを備えていてもよい。この場合、保管装置1に、ドラッグステーション2に保管されていない薬剤が収容された薬剤箱が保管されている場合と同様、保管装置1は、払出指示に示される薬剤の数以上の薬剤を収容する少なくとも1つの薬剤箱を払出すことが可能である。保管装置1は、例えば、保管装置制御部3Aと記憶部30とを備えていてよい。
【0203】
記憶部30には、例えば、保管装置1に保管されている薬剤の在庫数を管理する在庫テーブルTA1が記憶されている。具体的には、在庫テーブルTA1は、保管装置1に保管される薬剤箱毎に、薬剤箱に収容された薬剤の入り数を管理する。入り数は、上述の通り、薬剤箱に収容された薬剤の規定数又は残数を指す。
【0204】
保管装置制御部3Aは、払出対象の薬剤の指定数以上の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を保管装置1から払出す払出制御部32を備える。払出制御部32は、薬剤の払出指示を受け付けると、当該払出指示に含まれる薬剤の指定数と、在庫テーブルTA1とに基づき、指定数以上の薬剤(保管装置1から払出すべき薬剤の数)を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を決定する。そして、払出制御部32は、払出対象として決定した薬剤箱を、保管装置1から払出す。なお、薬剤の払出指示は、上位システムから受付けてもよいし、ユーザ操作によって入力されてもよい。また、指定数は、錠数単位であってよい。
【0205】
払出制御部32は、指定数以上の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの端数箱を、払出対象の薬剤箱として決定してよい。また、払出制御部32は、指定数以上の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの未開封の薬剤箱(規定数の薬剤を収容した薬剤箱)を、払出対象の薬剤箱として決定してよい。これにより、保管装置1は、端数箱及び/又は未開封の薬剤箱を払出すことにより、指定数の薬剤を払出すことができる。
【0206】
また上述したように、払出対象の薬剤箱の決定において、未開封の薬剤箱および端数箱の何れを優先するかについて、例えばユーザ操作により設定可能であってよい。これにより、ユーザが希望する形態の薬剤箱を優先して払出すことができる。なお、このときの払出制御部32による薬剤箱の払出方法は、例えば、上記(保管装置1からの払出方法)において例示した通りであってよい。
【0207】
なお、保管装置制御部3A及び記憶部30は、保管装置1が備えるものとして説明したが、保管装置1とは別の装置として構成されていてもよい。
【0208】
〔実施形態5〕
実施形態2で説明したように、制御装置3が、払出指示に基づき、保管装置1から薬剤箱を払出した場合、作業者は、当該薬剤箱から必要数の薬剤を取出す。このとき、当該薬剤箱から全ての薬剤が取出されず、規定数に満たない数の薬剤(余った薬剤)を収容した端数箱が発生することがある。実施形態2では、作業者が端数箱を保管装置1に再入庫できるように、制御装置3は、端数箱を含む薬剤箱の保管状況を管理している。
【0209】
また例えば、薬剤の種類によっては、保管装置1に保管されているが、ドラッグステーション2では保管対象となっていないという薬剤も存在し得る。この場合、決定部31が、指定数を払出数として決定することにより、保管装置1のみから、払出対象の薬剤を収容した薬剤箱が払出されることになる。また、ドラッグステーション2においては、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットCaが存在しないため、カセットCaの搬送は行われない。
【0210】
端数箱が発生した場合であっても、当該端数箱に収容された薬剤を収容対象とするカセットCaが存在する場合には、当該カセットCaが欠品状態であったとしても、制御装置3は、当該カセットCaを薬剤授受部220に搬送させることができる。従って、この場合には、作業者は、端数箱に収容された薬剤をカセットCaに収容できる。しかし、払出対象の薬剤を収容対象とするカセットCaが存在しない場合、制御装置3はカセットCaを搬送できないため、端数箱に収容された薬剤をドラッグステーション2に保管できない。
【0211】
本発明の一態様は、ドラッグステーション2において保管対象ではない薬剤であっても、ドラッグステーション2での保管を可能とすることを目的とする。具体的には、薬剤箱に収容された薬剤を収容対象とするカセットCa(当該薬剤の取出しが許可された許可カセット)が存在しない場合であっても、当該薬剤のドラッグステーション2での保管を可能とすることを目的とする。
【0212】
<カセットの管理>
本実施形態では、制御装置3は、ドラッグステーション2に保管するカセットCaについて、許可カセット、許可待機カセット、不許可カセット、及び、空きカセットの何れかとして管理する。許可カセットを有効カセットと称することもでき、許可待機カセットを仮カセットと称することもでき、また、不許可カセットを無効カセットと称することもできる。カセットCaを、許可カセット、許可待機カセット、不許可カセット、及び、空きカセットの何れとして管理するかについては、後述する特定部39により特定される。
【0213】
許可カセットは、薬剤授受部220において払出対象の薬剤の取出しが許可されているカセットである。具体的には、許可カセットは、カセットCaを識別するカセット識別情報に、当該カセットCaが収容対象とする薬剤を識別する薬剤識別情報と、当該カセットCaにおける薬剤の収容数を示す収容数情報とが対応付けられて管理されている状態のカセットである。許可カセットは、制御装置3が、収容対象とする薬剤の種類及び数を管理している状態のカセットである。
【0214】
不許可カセットは、薬剤授受部220において払出対象の薬剤の取出しが許可されていないカセットである。具体的には、不許可カセットは、カセット識別情報に薬剤識別情報が対応付けられて管理されているが、カセットCaへの薬剤の収容前(充填前)であるために、当該カセット識別情報に収容数情報が対応付けて管理されていない状態のカセットである。不許可カセットは、制御装置3が、収容対象とする薬剤の種類を管理しているが、カセットCaへの薬剤の収容前であるために、薬剤の数を管理できていない状態のカセットである。
【0215】
許可待機カセットは、許可カセットとして特定されることを待機しているカセットである。具体的には、許可待機カセットは、カセット識別情報に薬剤識別情報が対応付けられて管理されており、かつカセットCaに薬剤が収容された状態であるが、当該カセット識別情報に収容数情報が対応付けて管理されていない状態のカセットである。許可待機カセットは、制御装置3が、収容対象とする薬剤の種類を管理しており、カセットCaに薬剤が収容された状態又は収容可能(充填可能)な状態であるが、薬剤の数を管理できていない状態のカセットである。許可待機カセットも、不許可カセットと同様、払出対象の薬剤の取出しが許可されていないカセットである。許可待機カセットは、薬剤が収容された状態又は収容可能な状態となっている点で、不許可カセットとは異なる。
【0216】
空きカセットは、カセット識別情報に薬剤識別情報が対応付けられておらず、かつ薬剤が収容されていないカセットである。空きカセットは、薬剤の収容先として特定されていないカセットであり、カセット識別情報に、薬剤識別情報も収容数情報も対応付けて管理されていない状態のカセットである。空きカセットも、不許可カセットと同様、払出対象の薬剤の取出しが許可されていないカセットである。本実施形態では、ドラッグステーション2に、空きトレイが少なくとも1つ存在する。
【0217】
払出対象の薬剤を収容するカセットCaが許可カセットとして特定されている場合、搬送制御部33は、薬剤の払出指示を受付けたときに、カセット搬送部23を制御することにより、当該薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部220に搬送する。搬送制御部33は、薬剤の払出指示を受付けたときに、当該薬剤の種類及び数を管理している状態のカセットCaを、薬剤授受部220に搬送する。
【0218】
一方、カセットCaが許可カセットとして特定されていない場合、搬送制御部33は、薬剤の払出指示を受付けたときに、カセットCaを薬剤授受部220に搬送しない。搬送制御部33は、収容対象である薬剤の種類及び/又は数を管理していない状態のカセットについては、薬剤が収容されているとしても、又は、薬剤が収容可能な状態となっているとしても、カセットCaを薬剤授受部220に搬送しない。
【0219】
<制御装置>
図2に示すように、本実施形態の制御装置3は、例えば、決定部31、保管装置制御部3A、管理部3C、ドラッグステーション制御部3B、出力制御部35及びタッチパネル制御部38に加え、特定部39及び取得部40を備える。本実施形態の制御装置3は、少なくとも、後述する処理を実行可能な機能及び部材を有していればよく、
図2に示す全ての機能及び部材を備えている必要は必ずしもない。
【0220】
特定部39は、ドラッグステーション2に保管されたカセットCaについて、許可カセット、許可待機カセット、不許可カセット、及び、空きカセットの何れかに特定する。特定部39は、薬剤がカセットCaに収容されていない初期状態において、カセットCaを空きカセットとして特定している。
【0221】
ドラッグステーション2に初めて薬剤を収容する場合、又は新たに薬剤を収容する場合、当該薬剤は空きカセットに収容される。この場合、例えば、作業者は、バーコードリーダ222を介して、空きカセットに収容する薬剤に付されたバーコードを読取らせると共に、第1タッチパネル41を介して、空きカセットのカセット番号を入力する。これにより、特定部39は、空きカセットのカセット識別情報と、当該空きカセットに収容する薬剤の薬剤識別情報とを対応付けて、記憶部30に記憶できる。薬剤を収容するために、新たなカセットCa(空きカセット)をドラッグステーション2に保管する場合についても同様である。そして、特定部39は、上記の対応付けを行った空きカセットを、不許可カセットとして特定する。
【0222】
例えば充填モードにおいて、タッチパネル制御部38が、第1タッチパネル41に表示した充填画像を介して、薬剤の収容先(充填先)として、不許可カセットとして特定されたカセットCaを選択する入力操作を受付けた場合を考える。この場合、例えば、タッチパネル制御部38が、不許可カセットに収容される薬剤の名称の入力操作を受付けることにより、搬送制御部33は、当該不許可カセットを薬剤授受部220に搬送する。
【0223】
不許可カセットが薬剤授受部220に搬送された後、シャッタ制御部34がシャッタ221を開いた状態において、作業者は、不許可カセットに薬剤を充填し、充填した薬剤の数(充填数)を、充填画像を介して入力する。このとき入力される薬剤の数は、カセットCaに収容されている薬剤の総数(カセットCaにおける薬剤の収容数)となる。そのため、特定部39は、入力された薬剤の数を示す収容数情報をカセット識別情報に対応付けて記憶部30に記憶すると共に、不許可カセットを許可カセットとして特定する。
【0224】
これにより、新たに薬剤を収容したカセットCaについて、当該薬剤の払出指示を受付けたときに、薬剤授受部220への搬送が可能となり、当該カセットCaからの薬剤の取出しが可能となる。
【0225】
また特定部39は、空きカセットのカセット識別情報に、薬剤授受部220において空きカセットに収容される薬剤を識別する薬剤識別情報を対応付けることにより、空きカセットを許可待機カセットとして特定する。これにより、制御装置3は、カセットCaに収容される薬剤の数を取得することを条件として許可カセットとすることが可能なカセットCaの特定が可能となる。
【0226】
例えば、払出対象の薬剤を収容対象とする許可カセットが存在しない場合、決定部31は、指定数の当該薬剤の取出先を保管装置1のみと決定し、指定数の当該薬剤を払出すことができる薬剤箱の数を決定する。払出制御部32は、決定部31の決定結果に従い、保管装置1から薬剤箱を払出す。またこの場合、本実施形態では、搬送制御部33は空きカセットを薬剤授受部220に搬送する。
【0227】
上述したように、保管装置1から払出された薬剤箱から全ての薬剤が取出されず、端数箱が発生したときに、カセットCaが薬剤授受部220に搬送されている場合には、当該カセットCaに端数箱に収容された薬剤を収容することも可能である。しかし、カセットCaが薬剤授受部220に搬送されない場合には、当該薬剤をドラッグステーション2に保管できない。このような場合、実施形態2で説明したように、作業者は、端数箱を保管装置1に再入庫できるが、端数箱に収容された薬剤をドラッグステーション2に保管したい作業者の要望に応じることはできない。
【0228】
搬送制御部33が空きカセットを薬剤授受部220に搬送することにより、作業者がドラッグステーション2に保管したい薬剤を収容対象とするカセットCa(許可カセット)が存在しない場合であっても、当該薬剤を空きカセットに収容できる。そのため、当該場合であっても、作業者は、ドラッグステーション2に薬剤を保管できる。従って、ドラッグステーション2において保管対象ではない薬剤であっても、ドラッグステーション2に薬剤を保管できる。
【0229】
また、端数箱に収容された薬剤を全てドラッグステーション2に保管させて、端数箱を保管装置1に再入庫させないようにすることが可能となる。そのため、例えば、使用すると予測される薬剤を全て保管装置1に保管しておき、保管装置1から払出され、ドラッグステーション2に保管された薬剤を採用薬として取扱うことが可能となる。また、保管装置1に保管された薬剤箱は、未開封の薬剤箱のみである。そのため、保管装置1に薬剤の有効期限又は使用期限を超えない範囲で所定期間保管されたままの薬剤については採用薬でないと判断し、当該薬剤を収容した薬剤箱を、薬剤の納入業者への返品対象とすることができる。
【0230】
搬送制御部33が空きカセットを薬剤授受部220に搬送するときに、例えば、作業者は、バーコードリーダ222を介して、空きカセットに収容する薬剤に付されたバーコード(例えば端数箱に付されたバーコード)を読取らせる。これにより、特定部39は、薬剤授受部220に搬送された空きカセットのカセット識別情報と、当該空きカセットに収容する薬剤の薬剤識別情報とを対応付けて、記憶部30に記憶できる。そして、特定部39は、この対応付けを行った空きカセットを、許可待機カセットとして特定する。
【0231】
バーコードリーダ222は、搬送制御部33が薬剤授受部220に搬送する空きカセットを特定した後であれば、どのタイミングでバーコードを読取ってもよい。例えば、制御装置3は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送した後(シャッタ制御部34がシャッタ221を開いた後)に、バーコードリーダ222をバーコード読取可能な状態としてもよい。また例えば、制御装置3は、搬送制御部33が薬剤授受部220に搬送する空きカセットを特定したとき、又は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送している途中に、バーコードリーダ222をバーコード読取可能な状態としてもよい。
【0232】
また、特定部39が、薬剤授受部220に搬送される空きカセットを、許可待機カセットとして特定すると共に、作業者は、薬剤授受部220において、ドラッグステーション2において保管対象となっていない薬剤を、空きカセットに充填する。そのため、制御装置3は、空きカセットに薬剤を収容した状態のカセットCaを、許可待機カセットとして管理できる。
【0233】
搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送する場合、例えば以下の(1)~(4)に示すように、所定の条件を満たす空きカセットを、薬剤授受部220への搬送対象として特定してもよい。
【0234】
(1)例えば、搬送対象とする空きカセットの大きさが予め設定されている場合、搬送制御部33は、予め設定されている大きさの空きカセットを、薬剤授受部220へ搬送してもよい。例えば、カセットCaの大きさがS,M,Lの3種類であり、LのカセットCaが搬送対象とする空きカセットとして特定されている場合、搬送制御部33は、Lの空きカセットを薬剤授受部220に搬送する。搬送対象とする空きカセットの大きさは、作業者により設定されていてよく、適宜変更可能であってよい。
【0235】
(2)例えば、搬送制御部33は、収容される薬剤が特殊な薬剤であるかによって、空きカセットとして搬送するカセットCaを特定してもよい。本体ユニット21において、特殊な薬剤を収容対象とするカセットCaを保管する第1保管領域と、特殊ではない薬剤を収容対象とするカセットCaを保管する第2保管領域と、が設定されていてもよい。この場合、本体ユニット21には、第1保管領域に保管された空きカセットと、第2保管領域に保管された空きカセットと、が存在することになる。
【0236】
搬送制御部33は、収容される薬剤が特殊な薬剤である場合には、第1保管領域から空きカセットを搬送し、収容される薬剤が特殊でない薬剤である場合には、第2保管領域から空きカセットを搬送する。これにより、空きカセットに薬剤が収容される場合であっても、特殊な薬剤と特殊でない薬剤との保管位置を分けて、薬剤をドラッグステーション2に保管できる。つまり、ドラッグステーション2に設定された薬剤の保管位置に則して、空きカセットに薬剤を収容した状態の許可待機カセットを、ドラッグステーション2に保管できる。
【0237】
薬剤識別情報には、特殊な薬剤であるかを示す特殊薬剤情報が対応付けられている。また、制御装置3は、払出指示を受付けたときに、払出対象の薬剤の種類を特定できる。つまり、制御装置3は、保管装置1から払出された薬剤箱(端数箱)に収容されている薬剤の種類を特定している。そのため、搬送制御部33は、空きカセットに収容される薬剤が特殊な薬剤であるかを特定できる。
【0238】
また、特殊な薬剤は、例えば、法律上取扱いが厳格に決められている薬剤であってよい。特殊な薬剤としては、例えば、劇薬、麻薬又は向精神薬が挙げられる。特殊な薬剤を纏めて管理することにより、法律上の規定を順守しやすい。
【0239】
(3)例えば、搬送制御部33は、薬剤の種類に従って、空きカセットを搬送するかを決定してもよい。薬剤識別情報には、薬剤を空きカセットに収容するかを示す収容可否情報が対応付けられていてよい。収容可否情報は、作業者により設定されていてよく、適宜変更可能であってよい。
【0240】
端数箱に収容された薬剤の薬剤識別情報に、空きカセットに収容することを示す収容可否情報が対応付けられている場合には、搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送する。一方、端数箱に収容された薬剤の薬剤識別情報に、空きカセットに収容しないことを示す収容可否情報が対応付けられている場合には、搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送しない。この場合、作業者は、端数箱を保管装置1に再入庫する。
【0241】
(4)例えば、搬送制御部33は、作業者の入力操作に従って、空きカセットを搬送するかを決定してもよい。例えば、タッチパネル制御部38は、払出対象の薬剤を収容対象とする許可カセットが存在しないと判定した場合、第1タッチパネル41を介して、空きカセットを搬送するかを作業者に問合わせてもよい。搬送制御部33は、当該問合わせに対する入力操作に従って、空きカセットを搬送するかを決定してもよい。
【0242】
払出対象の薬剤を収容対象とする許可カセットが存在しない場合に、搬送制御部33が自動的に空きカセットを薬剤授受部220に搬送する第1搬送モードと、当該空きカセットの搬送を作業者の入力操作に従って行う第2搬送モードと、が設定可能であってよい。第1搬送モード及び第2搬送モードは、作業者により設定されていてよく、適宜変更可能であってよい。第2搬送モードに設定されている場合、搬送制御部33は、作業者の入力操作に従って、空きカセットを搬送するかを決定する。
【0243】
搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容対象とする許可カセットが存在しない場合で、かつ、払出対象の薬剤を収容した許可待機カセットが存在する場合には、空きカセットに代えて、当該許可待機カセットを、薬剤授受部220に搬送してもよい。この場合、作業者は、既に薬剤を収容したカセットCaに、端数箱に収容されている薬剤を収容できる。既に薬剤を収容したカセットCaが存在する場合には、空きカセットに薬剤を収容させないため、空きカセットを有効活用できる。
【0244】
搬送制御部33は、空きカセットに代えて許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送する場合、例えば、作業者の入力操作に従って、許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送するかを決定してもよい。例えば、タッチパネル制御部38は、払出対象の薬剤を収容対象とする許可カセットが存在しないと判定した場合、第1タッチパネル41を介して、当該薬剤を収容した許可待機カセットを搬送するかを作業者に問合わせてもよい。搬送制御部33は、当該問合わせに対する入力操作に従って、許可待機カセットを搬送するかを決定してもよい。搬送制御部33は、許可待機カセットを搬送しないと決定した場合、空きカセットを搬送してもよい。
【0245】
取得部40は、カセットCaにおける薬剤の収容数を示す収容数情報を取得する。特定部39は、当該カセットCaのカセット識別情報に、取得部40が取得した収容数情報を対応付けて記憶部30に記憶すると共に、当該カセットCaを許可カセットとして特定する。
【0246】
上述したように、例えば充填モードでは、作業者は、不許可カセットに薬剤を充填したときに、充填画像を介して、充填した薬剤の数を入力する。また上述したように、不許可カセットは、カセット識別情報に、カセットCaが収容対象とする薬剤の薬剤識別情報が対応付けられているが、カセットCaに薬剤が収容されていない状態である。そのため、不許可カセットに充填した薬剤の数は、不許可カセットに収容された薬剤の総数を示す。従って、取得部40は、入力された薬剤の数を、不許可カセットに収容されている薬剤の数を示す収容数情報として取得する。そして、特定部39は、取得部40が取得した収容数情報をカセット識別情報に対応付けて記憶部30に記憶すると共に、不許可カセットを許可カセットとして特定する。
【0247】
また例えば、タッチパネル制御部38は、作業者により棚卸モードが選択された場合に、許可待機カセットとして特定されているカセットCaの一覧を、第1タッチパネル41に表示してもよい。この場合、作業者が、当該一覧の中から1のカセットCaを選択したときに、搬送制御部33が当該カセットCaを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34はシャッタ221を開く。この状態において、作業者は、当該カセットCaに薬剤を収容されている薬剤の数を、第1タッチパネル41を介して入力する。
【0248】
上述したように、許可待機カセットは、カセット識別情報に、カセットCaが収容対象とする薬剤の薬剤識別情報が対応付けられており、カセットCaに薬剤が収容されている状態である。そのため、入力される薬剤の数は、カセットCaに収容されている薬剤の総数を示す。従ってこの場合も、取得部40は、入力された薬剤の数を、許可待機カセットに収容されている薬剤の数を示す収容数情報として取得する。そして、特定部39は、取得部40が取得した収容数情報をカセット識別情報に対応付けて記憶部30に記憶すると共に、許可待機カセットを許可カセットとして特定する。
【0249】
また、特定部39が許可待機カセットとして特定したカセットCaが1つでも存在する場合には、タッチパネル制御部38は、例えば第1タッチパネル41に、許可待機カセットが存在する旨を通知する表示を行ってもよい。この場合、制御装置3は、許可待機カセットを許可カセットに変更するために、作業者に、許可待機カセットに収容された薬剤の数を入力する操作を促すことができる。
【0250】
記憶部30には、カセットCaを識別するカセット識別情報に、当該カセットCaが収容対象とする薬剤の薬剤識別情報と、当該カセットCaにおける薬剤の収容数を示す収容数情報と、を対応付けて記憶できる。また、記憶部30には、カセット識別情報に、特定部39が特定したカセットの情報(許可カセット、不許可カセット、許可待機カセット及び空きカセットの何れかを示す情報)を対応付けて記憶できる。
【0251】
その他、記憶部30には、予め設定された、空きカセットとして搬送可能なカセットCaの種類(大きさ)を示す搬送可否情報が記憶されていてもよい。また、記憶部30には、薬剤識別情報に、劇薬、麻薬又は向精神薬等の特殊な薬剤であるかを示す特殊薬剤情報、及び/又は、空きカセットに収容するかを示す収容可否情報が対応付けて記憶されていてもよい。また、記憶部30には、カセットCaの保管位置に、第1配置領域であるか第2配置領域であるかを示す配置領域情報が対応付けて記憶されていてもよい。
【0252】
また、記憶部30には、保管装置1に保管されている薬剤及び薬剤箱の在庫数、及び、ドラッグステーション2に保管されている薬剤の在庫数が、薬剤の種類毎に記憶されている。ドラッグステーション2に保管されている薬剤の在庫数は、当該薬剤を収容対象とする少なくとも1つの許可カセットに収容されている薬剤の総数であってよい。
【0253】
<制御装置における処理の流れ>
(カセットの搬送)
図20は、カセットCaの搬送に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローにおいては、ドラッグステーション2に、空きカセット、又は、払出対象の薬剤を収容する許可待機カセットの何れかが保管されているものとする。
【0254】
図20に示すように、決定部31は、薬剤の払出指示を受付けると(S1)、払出対象の薬剤を収容する許可カセットが、本体ユニット21のカセット棚211に保管されているかを判定する(S2)。決定部31は、払出指示に含まれる薬剤の薬剤識別情報に対応付けられたカセット識別情報を参照することにより、当該薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21に保管されているかを判定する。
【0255】
決定部31は、払出対象の薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21に保管されていると判定した場合(S2でYES)、保管装置1から払出す払出数と、ドラッグステーション2から取出す薬剤数と、を決定する。また、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容する許可カセットを、本体ユニット21から薬剤授受部220へと搬送する(S3)。決定部31が決定した払出数が1以上である場合には、払出制御部32は、払出対象の薬剤を当該払出数分払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を、保管装置1から払出す。
【0256】
払出対象の薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21に保管されている場合であっても、当該許可カセットに収容されている薬剤の総数(当該薬剤の在庫数)が上記薬剤数未満である場合を考える。この場合、決定部31は、例えば、薬剤数を0とし、払出数を指定数として、薬剤数及び払出数を決定してもよい。この場合、払出制御部32は、払出対象の薬剤を指定数分払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を、保管装置1から払出す。また、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容する許可カセットを、本体ユニット21から薬剤授受部220へと搬送してもよい。
【0257】
決定部31は、払出対象の薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21に保管されていないと判定した場合(S2でNO)、薬剤数を0とし、払出数を指定数として、薬剤数及び払出数を決定する。そのため、払出制御部32は、払出対象の薬剤を指定数分払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を、保管装置1から払出す。
【0258】
また、S2でNOの場合、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容する許可待機カセットが本体ユニット21に保管されているかを判定する(S4)。搬送制御部33は、払出指示に含まれる薬剤の薬剤識別情報に対応付けられたカセット識別情報を参照することにより、当該薬剤を収容する許可待機カセットが本体ユニット21に保管されているかを判定する。
【0259】
搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容する許可待機カセットが本体ユニット21に保管されていると判定した場合(S4でYES)、当該許可待機カセットを、本体ユニット21から薬剤授受部220へと搬送する(S5)。
【0260】
一方、搬送制御部33は、払出対象の薬剤を収容する許可待機カセットが本体ユニット21に保管されていないと判定した場合(S4でNO)、空きカセットを、本体ユニット21から薬剤授受部220へと搬送可能であるかを判定する(S6)。搬送制御部33は、例えば搬送可否情報又は収容可否情報を参照することにより、空きカセットを薬剤授受部220に搬送可能であるかを判定してもよい。また、搬送制御部33は、作業者の入力操作によって、空きカセットを薬剤授受部220に搬送可能であるかを判定してもよい。
【0261】
搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送可能であると判定した場合(S6でYES)、空きカセットを薬剤授受部220に搬送する(S7)。搬送制御部33は、例えば特殊薬剤情報及び配置領域情報を参照することにより、第1配置領域及び第2配置領域の何れから空きカセットを搬送するかを決定してもよい。
【0262】
搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送不可であると判定した場合(S6でNO)、本フローを終了する。この場合、端数箱が発生したとしても、端数箱に収容された薬剤はドラッグステーション2に保管されず、当該端数箱は保管装置1への再入庫の対象となる。このように、本実施形態の制御装置3は、端数箱が発生した場合に、端数箱に収容された薬剤を、ドラッグステーション2又は保管装置1に、選択的に収容できる。
【0263】
S6でYESの場合、特定部39は、薬剤授受部220に搬送される空きカセットのカセット識別情報に、払出対象の薬剤の薬剤識別情報を対応付けたデータを作成する(S8)。そして、特定部39は、当該空きカセットを許可待機カセットとして特定する(S9)。特定部39は、当該空きカセットのカセット識別情報に対応付けられたカセットの情報を、空きカセットを示す情報から許可待機カセットを示す情報に書換える。S8及びS9の処理は、S6でYESと判定された後に実行されればよい。S8の処理は、例えば、端数箱、又は端数箱から取出した薬剤に付されたバーコードを読取ったときに実行されてよい。
【0264】
搬送制御部33が、許可カセット、許可待機カセット又は空きカセットを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く(S10)。
【0265】
薬剤授受部220に許可待機カセット又は空きカセットが搬送されている状態において、作業者は、端数箱が発生した場合に、端数箱に収容された薬剤を、許可待機カセット又は空きカセットに充填できる。これにより、端数箱に収容された薬剤を収容する許可カセットが存在しない場合であっても、ドラッグステーション2に当該薬剤を保管できる。
【0266】
例えば、作業者は、シャッタ221が開いた状態で、バーコードリーダ222に、端数箱、又は端数箱から取出した薬剤に付されたバーコードを読取らせた後に、空きカセットに薬剤を充填する。従ってこの場合、S8の処理は、S10の処理後に実行されてよい。
【0267】
また、薬剤授受部220に許可カセットが搬送されている状態において、作業者は、決定部31が決定した薬剤数分の薬剤の取出しが可能である。この状態においても、作業者は、端数箱が発生した場合に、端数箱に収容された薬剤を、許可カセットに充填できる。この場合、作業者は、
図8に示す確認画像IM2の薬剤補充ボタンA21を押して、
図11に示す充填作業画像IM5を表示させることにより、充填した薬剤の数を入力できる。そのため、制御装置3は、当該薬剤の在庫数を更新できる。
【0268】
S10の処理後、シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたか(閉ボタン225への操作を受付けたか)を判定する(S11)。シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されるまで、閉ボタン225の押下を待機する(S11でNOの場合)。シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたと判定した場合(S11でYES)、シャッタ221を閉じる(S12)。その後、搬送制御部33は、許可カセット、許可待機カセット又は空きカセットを、薬剤授受部220から本体ユニット21へと搬送する(S13)。
【0269】
なお、S4でYESの場合、搬送制御部33は、例えば、作業者の入力操作に従って、許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送するかを判定してもよい。搬送制御部33は、許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送しないと判定した場合、S6の処理を実行するか、本フローを終了してもよい。
【0270】
(許可カセットの特定)
図21は、許可カセットの特定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローは、特定部39が、空きカセットを許可待機カセットとして特定した後の処理の流れの一例を示すものである。
【0271】
タッチパネル制御部38は、許可待機カセットが選択されたかを判定する(S21)。例えば、作業者が第1タッチパネル41を介して棚卸モードを選択した場合、タッチパネル制御部38は、第1タッチパネル41に、特定部39が特定した許可待機カセットの一覧を表示する。タッチパネル制御部38は、当該一覧から1の許可待機カセットを選択する入力操作を受付けたかを判定する。タッチパネル制御部38は、棚卸モードである間、当該入力操作を受付けるまで、当該入力操作の受付けを待機する(S21でNOの場合)。
【0272】
タッチパネル制御部38が、許可待機カセットが選択されたと判定した場合(S21でYES)、許可待機カセットを、本体ユニット21から薬剤授受部220へと搬送する(S22)。搬送制御部33が、許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く(S23)。
【0273】
S23の処理後、タッチパネル制御部38は、選択された許可待機カセットにおける薬剤の収容数の入力を受付けたかを判定する(S24)。タッチパネル制御部38は、例えば、第1タッチパネル41に、選択された許可待機カセットに収容されている薬剤の数を入力可能な画像を表示する。作業者は、薬剤授受部220に搬送された許可待機カセットに収容されている薬剤の数を計数し、当該画像を介して、計数した薬剤の数を入力した後、確認ボタンを押す。これにより、タッチパネル制御部38は、上記収容数の入力を受付けたと判定する。タッチパネル制御部38は、上記画像を他の画像に切替える入力操作を受付けない限り、上記収容数の入力を受付けるまで、当該入力の受付けを待機する(S24でNOの場合)。
【0274】
タッチパネル制御部38が、上記収容数の入力を受付けたと判定した場合(S24でYES)、取得部40は、上記収容数を示す収容数情報を取得する(S25)。特定部39は、選択された許可待機カセットのカセット識別情報に、取得部40が取得した収容数情報を対応付ける(S26)。そして、特定部39は、当該許可待機カセットを許可カセットとして特定する(S27)。特定部39は、許可待機カセットのカセット識別情報に対応付けられたカセットの情報を、許可待機カセットを示す情報から許可カセットを示す情報に書換える。これにより、空きカセットに収容された薬剤について、払出指示を受付けたときに、カセットCaからの取出しが可能となる。
【0275】
S23の処理後、シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたかを判定する(S28)。シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されるまで、閉ボタン225の押下を待機する(S28でNOの場合)。シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたと判定した場合(S28でYES)、シャッタ221を閉じる(S29)。その後、搬送制御部33は、S27で許可カセットとして特定されたカセットCaを、薬剤授受部220から本体ユニット21へと搬送する(S30)。S28~S30の処理は、S23の処理後に実行されればよく、S24の開始前に実行されてもよいし、S24~S27の処理と並行して実行されてもよい。
【0276】
(許可カセットの特定方法の変形例)
上記では、制御装置3が、薬剤授受部220に搬送した空きカセットを許可待機カセットとして特定した後、許可待機カセットに収容されている薬剤の収容数情報を取得したことを条件として、許可待機カセットを許可カセットとして特定することを説明した。これに限らず、制御装置3は、薬剤授受部220に搬送した空きカセットについて、空きカセットに収容されている薬剤の収容数情報を取得したことを条件として、空きカセットを許可カセットとして特定してもよい。
【0277】
図22は、カセットCaの搬送に関する処理の流れの別例を示すフローチャートである。本フローにおいては、ドラッグステーション2に、空きカセットが保管されているものとする。また、本フローの説明において、
図20と同様の処理内容については、説明を適宜割愛する。
【0278】
図22に示すように、決定部31が、払出指示に含まれる薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21のカセット棚211に保管されていると判定した場合(S2でYES)、搬送制御部33は、当該許可カセットを薬剤授受部220に搬送する(S3)。決定部31が決定した払出数が1以上である場合には、払出制御部32は、払出対象の薬剤を当該払出数分払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を、保管装置1から払出す。
【0279】
搬送制御部33が許可カセットを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く(S10)。これにより、許可カセットに対する薬剤の取出し又は充填が可能となる。S10の処理後、シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたと判定した場合(S11でYES)、シャッタ221を閉じる(S12)。その後、搬送制御部33は、許可カセットを本体ユニット21に搬送する(S13)。
【0280】
決定部31が、払出指示に含まれる薬剤を収容する許可カセットが本体ユニット21に保管されていないと判定した場合(S2でNO)、空きカセットを薬剤授受部220に搬送可能であるかを判定する(S6)。
【0281】
本フローでは、後述のように、空きカセットを許可カセットとして特定する。そのため、空きカセットを許可待機カセットとして特定する処理がない点で、
図20に示すフローとは異なる。また、当該処理が実行されないため、本体ユニット21には許可待機カセットが存在しない。そのため、許可待機カセットを薬剤授受部220に搬送する処理がない点で、
図20に示すフローとは異なる。
【0282】
搬送制御部33は、空きカセットを薬剤授受部220に搬送可能であると判定した場合(S6でYES)、空きカセットを薬剤授受部220に搬送する(S7)。またこの場合、特定部39は、薬剤授受部220に搬送される空きカセットのカセット識別情報に、払出対象の薬剤の薬剤識別情報を対応付けたデータを作成する(S8)。そして、特定部39は、当該空きカセットを許可カセットとして特定する処理を実行する(S41)。
【0283】
図23は、許可カセットの特定に関する処理(S41の許可カセット特定処理)の流れの別例を示すフローチャートである。
【0284】
図22のS7において、搬送制御部33が空きカセットを薬剤授受部220に搬送した後、シャッタ制御部34は、シャッタ221を開く(S51)。これにより、作業者は、端数箱が発生した場合に、端数箱に収容されている薬剤を空きカセットに収容できる。なお、S8の処理は、S51の処理後に実行されてもよい。
【0285】
S51の処理後、タッチパネル制御部38は、薬剤授受部220に搬送された空きカセットにおける薬剤の収容数の入力を受付けたかを判定する(S52)。タッチパネル制御部38は、例えば、第1タッチパネル41又は第2タッチパネル42に、空きカセットに収容される薬剤の数を入力可能な画像を表示する。作業者は、空きカセットに充填する(又は充填した)薬剤の数を計数する。作業者は、当該画像を介して、計数した薬剤の数を入力した後、確認ボタンを押す。これにより、タッチパネル制御部38は、上記収容数の入力を受付けたと判定する。タッチパネル制御部38は、上記画像を他の画像に切替える入力操作を受付けない限り、上記収容数の入力を受付けるまで、当該入力の受付けを待機する(S52でNOの場合)。
【0286】
タッチパネル制御部38が、上記収容数の入力を受付けたと判定した場合(S52でYES)、取得部40は、上記収容数を示す収容数情報を取得する(S53)。特定部39は、薬剤授受部220に搬送された空きカセットのカセット識別情報に、取得部40が取得した収容数情報を対応付ける(S54)。そして、特定部39は、当該空きカセットを許可カセットとして特定する(S55)。特定部39は、空きカセットのカセット識別情報に対応付けられたカセットの情報を、空きカセットを示す情報から許可カセットを示す情報に書換える。
【0287】
図22に戻り、S41の許可カセット特定処理が実行された後、シャッタ制御部34は、閉ボタン225が押されたと判定した場合(S11でYES)、シャッタ221を閉じる(S12)。その後、搬送制御部33は、S41で許可カセットとして特定されたカセットCaを、本体ユニット21に搬送する(S13)。
【0288】
<カセット識別情報の変形例>
上記では、カセット識別情報に、薬剤識別情報及び収容数情報等が対応付けられるものとして説明したが、カセット識別情報に代えて、カセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報に、薬剤識別情報及び収容数情報が対応付けられてもよい。この場合、上述したカセット識別情報について、収容位置情報に読み替えればよい。
【0289】
例えば、許可カセットは、収容位置情報に、カセットCaに設定された収容位置に収容する薬剤を識別する薬剤識別情報と、当該収容位置における薬剤の収容数を示す収容数情報とが対応付けられて管理されている状態のカセットであってよい。不許可カセットは、収容位置情報に薬剤識別情報が対応付けられて管理されているが、当該収容位置情報が示す収容位置への薬剤の収容前であるために、当該収容位置情報に収容数情報が対応付けて管理されていない状態のカセットであってよい。
【0290】
また、許可待機カセットは、収容位置情報に薬剤識別情報が対応付けられて管理されており、かつ、当該収容位置情報が示す収容位置に薬剤が収容された状態であるが、当該収容位置情報に収容数情報が対応付けて管理されていない状態のカセットであってよい。空きカセットは、収容位置情報に薬剤識別情報が対応付けられておらず、かつ薬剤が収容されていない状態のカセットであってよい。
【0291】
このように、収容位置毎に、許可カセット、不許可カセット、許可待機カセット及び空きカセットの何れかが特定されている。従って、1つのカセットに複数の収容位置が設定されている場合、1つのカセットについて、許可カセット、不許可カセット、許可待機カセット及び空きカセットのうちの少なくとも2つが特定されている場合がある。その場合、制御装置3は、払出対象の薬剤を収容する収容位置が、許可カセット、不許可カセット、許可待機カセット及び空きカセットの何れとして特定されているかによって、上述した処理を実行すればよい。
【0292】
<実施形態5まとめ>
本開示の態様Aに係る制御装置は、薬剤を収容するカセットを保管する第1保管装置と、薬剤を収容する薬剤箱を保管する第2保管装置と、を制御する制御装置であって、前記第1保管装置は、前記カセットからの前記薬剤の取出し、又は前記カセットへの薬剤の投入を可能とする薬剤授受部を備え、前記第1保管装置に、払出対象の薬剤の取出しが許可された許可カセットが存在しない場合に、前記払出指示において払出すべき薬剤の数として指定された指定数の薬剤を払出すことができる少なくとも1つの薬剤箱を、前記第2保管装置から払出す払出制御部と、前記第1保管装置に前記許可カセットが存在しない場合に、前記カセットを識別するカセット識別情報又は前記カセットにおける収容位置を示す収容位置情報に、薬剤を識別する薬剤識別情報が対応付けられておらず、かつ薬剤が収容されていない空きカセットを、前記薬剤授受部へと搬送する搬送制御部と、を備える。
【0293】
本開示の態様Bに係る制御装置は、態様Aにおいて、前記薬剤授受部に搬送される前記空きカセットの前記カセット識別情報又は前記収容位置情報に、前記空きカセットに収容される薬剤を識別する薬剤識別情報を対応付けることにより、前記空きカセットを、前記許可カセットとして特定されることを待機する許可待機カセットとして特定する特定部を備える。
【0294】
本開示の態様Cに係る制御装置は、態様Bにおいて、前記空きカセットにおける薬剤の収容数を示す収容数情報を取得する取得部を備え、前記特定部は、前記取得部が取得した前記収容数情報を、前記許可待機カセットを識別するカセット識別情報又は前記許可待機カセットにおける収容位置を示す収容位置情報を対応付けることにより、前記許可待機カセットを前記許可カセットとして特定する。
【0295】
本開示の態様Dに係る制御装置は、態様AからCの何れかにおいて、前記許可カセットが存在しない場合に、前記搬送制御部は、前記空きカセットに代えて、前記払出対象の薬剤を収容した前記許可待機カセットを、前記薬剤授受部へと搬送する。
【0296】
本開示の態様Eに係る制御装置は、態様Aにおいて、前記空きカセットにおける薬剤の収容数を示す収容数情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記収容数情報を、前記空きカセットを識別するカセット識別情報又は前記空きカセットにおける収容位置を示す収容位置情報を対応付けることにより、前記空きカセットを、前記払出指示に対する前記払出対象の薬剤の取出しを許可する許可カセットとして特定する特定部と、を備える。
【0297】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置3(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。当該プログラムは、制御プログラム又は管理プログラムの一例である。
【0298】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0299】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1又は複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0300】
また、上記各制御ブロックの機能の一部又は全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0301】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータ又はクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0302】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0303】
100 薬剤払出システム
1 保管装置(第2保管装置)
11 保管棚
12 受入部
13 搬送部
14 投入箱
2 ドラッグステーション(第1保管装置、カセット保管装置)
21 本体ユニット
22 ピッキングユニット
3 制御装置
3A 保管装置制御部
3B ドラッグステーション制御部
3C 管理部(管理装置)
30 記憶部
31 決定部
32 払出制御部
33 搬送制御部
34 シャッタ制御部
35 出力制御部
36 情報管理部
37 報知制御部
38 タッチパネル制御部(表示制御装置)
4 表示部
41 第1タッチパネル
42 第2タッチパネル(表示装置)
5 ラベル出力装置
121 読取部
211 カセット棚
220 薬剤授受部(取出口)
221 シャッタ
222 バーコードリーダ
223 薬剤載置台
224 トレイ載置台
A91 追加払出ボタン(払出ボタン)