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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043232
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】ガラス板加工システム
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/037 20060101AFI20230322BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20230322BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20230322BHJP
   B24B 7/24 20060101ALI20230322BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20230322BHJP
【FI】
C03B33/037
B28D5/00 Z
B26F3/00 A
B24B7/24 A
B24B41/06 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150723
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
3C060
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB52
3C034BB73
3C034BB83
3C034BB88
3C034DD07
3C034DD08
3C043CC04
3C043CC11
3C043DD05
3C043DD13
3C060AA08
3C060CB07
3C060CB14
3C069AA03
3C069BA04
3C069BB04
3C069BC03
3C069BC06
3C069CA11
3C069CB02
3C069EA01
4G015FA03
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC02
4G015FC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】上下面の面積が小さい小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの加工装置の移動距離を短くすることができ、加工装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供する。
【解決手段】ガラス板加工システム10が、上下面の面積が異なるガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁に、後に加工する面積が異なるガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁を一致させる第1一致手段を有する。ガラス板加工システム10では、第1一致手段によって先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁の位置に後に加工する面積が異なるガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁を一致させ、後に加工する面積が異なるガラス板の加工が行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象のガラス板を搬入する搬入エリアと、前記搬入エリアの前方に位置して前記ガラス板を加工する加工エリアと、前記加工エリアの前方に位置して加工後の前記ガラス板を搬出する搬出エリアと、前記ガラス板を前後方向後方から前方へ向かってそれらエリアに順に搬送する搬送機構とを有するガラス板加工システムにおいて、
前記ガラス板加工システムが、上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させる第1位置決め手段を有し、
前記ガラス板加工システムでは、前記第1位置決め手段によって前記後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前記最外側縁を前記仮想線に位置させて該後に加工するガラス板の位置決めをした後、該後に加工するガラス板の前記加工が行われることを特徴とするガラス板加工システム。
【請求項2】
前記ガラス板加工システムが、前記上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、前記先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、前記後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させる第2位置決め手段を含み、前記ガラス板加工システムでは、前記第2位置決め手段によって前記後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前記中心線を前記先に加工するガラス板の前記中心線に位置させて該後に加工するガラス板の位置決めをした後、該後に加工するガラス板の前記加工が行われる請求項1に記載のガラス板加工システム。
【請求項3】
前記第1位置決め手段と前記第2位置決め手段とが、前記搬入エリアにおいて実施される請求項2に記載のガラス板加工システム。
【請求項4】
前記加工エリアが、前記搬入エリアの前方に位置する切込加工エリアと、前記切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、前記折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアとから形成され、前記切込加工エリアが、前記位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって前記切込加工テーブルに載置された前記ガラス板の縁部に切込みを入れる切込装置とを備え、前記折割加工エリアが、前記切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって前記折割加工テーブルに載置された前記ガラス板の縁部を折割する折割装置とを備え、前記研削加工エリアが、前記折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって前記研削加工テーブルに載置された前記ガラス板の縁部を研削する研削装置とを備え、前記ガラス板加工システムでは、前記第1位置決め手段によって前記後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前記最外側縁を前記仮想線に位置させて該後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、前記第2位置決め手段によって前記後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前記中心線を前記先に加工するガラス板の前記中心線に位置させて該後に加工するガラス板の位置決めをした後、該後に加工するガラス板の前記切込加工と前記折割加工と前記研削加工とが行われる請求項3に記載のガラス板加工システム。
【請求項5】
前記搬入エリアが、前記ガラス板を該搬入エリアの前後方向後方から前方へ搬送する搬入コンベアと、前記搬入コンベアを利用して前記ガラス板を前方へ移動させたときに該ガラス板の前端縁が当接するストッパーと、前記ガラス板の下面に当接して該ガラス板を幅方向へ移動可能に保持する複数のローラーと、それらローラーを上下方向へ昇降させる第1昇降機構と、前記第1昇降機構によって前記ローラーとともに上昇した前記ガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧し、該ガラス板を他方の側縁から一方の側縁に向かうように幅方向へ移動させる第3移動機構とを有し、前記第1位置決め手段が、前記第1昇降機構によって前記ローラーとともに上昇した前記ガラス板の他方の側縁を前記第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、前記ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を前記搬入エリアに前記仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させる請求項1ないし請求項4いずれかに記載のガラス板加工システム。
【請求項6】
前記複数のローラーでは、それらローラーのうちの少なくとも1つの回転抵抗が大きく、前記回転抵抗の大きいローラーによってそれらローラーの上に位置するガラス板の幅方向への自由な移動が阻止される請求項5に記載のガラス板加工システム。
【請求項7】
前記第3移動機構が、前記ガラス板の他方の側縁に当接する当接部材と、前記当接部材を幅方向へ移動させるサーボモータとを備え、前記ガラス板加工システムでは、前記ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じて該ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を前記位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、前記決定した第1移動寸法に基づいて前記サーボモータの軸の回転数を決定する請求項6に記載のガラス板加工システム。
【請求項8】
前記第2位置決め手段が、前記搬入コンベアによって前記ガラス板が前記搬入エリアをその後方から前方へ移動して該ガラス板の前端縁が前記ストッパーに当接した後、前記搬入コンベアによって前記ガラス板を前後方向後方へ移動させることで、前記ガラス板の前記中心線を前記搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、前記第1位置決め手段が、前記第2位置決め手段によって前記ガラス板の前記中心線を前記位置決め第2基準に位置させた後、前記第1昇降機構によって前記ローラーとともに前記ガラス板を上昇させ、上昇した前記ガラス板の他方の側縁を前記第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、前記ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を前記搬入エリアにおける前記位置決め第1基準に位置させる請求項5ないし請求項7いずれかに記載のガラス板加工システム。
【請求項9】
前記ガラス板加工システムでは、前記ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じて該ガラス板の前記中心線を前記位置決め第2基準に位置させるための前記搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、前記第2位置決め手段では、前記ガラス板の前端縁が前記ストッパーに当接した後、前記搬入コンベアが前記決定された第2移動寸法だけ前記ガラス板を前後方向後方へ移動させる請求項8に記載のガラス板加工システム。
【請求項10】
前記第2位置決め手段が、前記ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を前記搬入エリアの位置決め第1基準に位置させた後、前記第1昇降機構によって上昇させた前記ガラス板を降下させ、前記搬入コンベアによって前記ガラス板を前後方向後方へ移動させることで、前記ガラス板の前記中心線を前記搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させる請求項5ないし請求項7いずれかに記載のガラス板加工システム。
【請求項11】
前記ガラス板加工システムでは、前記ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じて該ガラス板の前記中心線を前記位置決め第2基準に位置させるための前記搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、前記第2位置決め手段では、前記ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が前記位置決め第1基準に位置した後、前記搬入コンベアが前記決定された第2移動寸法だけ前記ガラス板を前後方向後方へ移動させる請求項10に記載のガラス板加工システム。
【請求項12】
前記搬送機構が、前記搬入エリアと前記切込加工エリアと前記折割加工エリアと前記研削加工エリアとに位置して前記ガラス板を吸着保持する吸着パッドと、前記ガラス板への吸着力を前記吸着パッドに付与するバキューム機構と、前記吸着パッドをそれらエリアに向かって下降させるとともにそれらエリアから上昇させる第2昇降装置とを含み、前記ガラス板加工システムでは、前記ガラス板の上下面の面積に合わせて前記吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である請求項4ないし請求項11いずれかに記載のガラス板加工システム。
【請求項13】
前記搬送機構が、前後方向又は幅方向へ延びるパッド設置プレートを含み、前記搬送機構では、前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の前記吸着パッドが前記パッド設置プレートに配置され、前記パッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である請求項12に記載のガラス板加工システム。
【請求項14】
前記切込加工エリアに位置する吸着パッドが、前記切込みの内側に延びる前記ガラス板を吸着保持する内側吸着パッドと、前記切込みの外側に延びる前記ガラス板の縁部を吸着保持する外側吸着パッドとから形成され、前記内側吸着パッドが、前記パッド設置プレートに設置され、前記外側吸着パッドが、前記パッド設置プレートの前後端部又は両端部から前後方向又は幅方向へ斜めに延びるパッド設置アームに設置されている請求項13に記載のガラス板加工システム。
【請求項15】
前記パッド設置アームが、前記パッド設置プレートの前端部又は一端部から前後方向前方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第1及び第2アームと、前記パッド設置プレートの後端部又は他端部から前後方向後方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第3及び第4アームとから形成され、前記搬送機構では、前記パッド設置プレートに対する前記第1~第4アームの旋回角度を変更可能であり、前記第1~第4アームにおいて前記外側吸着パッドの設置位置を変更可能である請求項14に記載のガラス板加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓用ガラス板、液晶用ガラス板等のガラス板を加工するガラス板加工システムに関し、更に詳細には、ガラス板を切込加工エリア、折割加工エリア、研削加工エリアに順に送り、ガラス板に切込加工、折割加工、研削加工を施すガラス板加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板を搬入する搬入コンベアと、搬入コンベアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアと、研削加工エリアの前方に位置する搬出コンベアと、ガラス板を搬入コンベアから各加工エリアに搬送する搬送機構と形成されたガラス板加工システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
このガラス板加工システムの切込加工エリアは、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能な切込装置とを有する。切込加工エリアでは、切込装置が切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部の幅方向外方へ向かって前後方向後方へ移動した後、第1移動機構によって切込加工テーブルが切込装置に向かって幅方向へ移動し、切込装置を利用して切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる。折割加工エリアは、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能な折割装置とを有する。折割加工エリアでは、折割装置が折割加工テーブルに向かって前後方向後方へ移動した後、折割装置を利用して折割加工テーブルに載置されたガラス板の切込みが入れられた縁部を折割する。
【0004】
研削加工エリアは、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能な研削装置とを有する。研削加工エリアでは、研削装置が研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部の幅方向外方へ向かって前後方向後方へ移動した後、第2移動機構によって研削加工テーブルが研削装置に向かって幅方向へ移動し、研削装置を利用して研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する。尚、切込加工及び研削加工は同期して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-040877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のガラス板加工システムでは、例えば、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aに対して切込加工、折割加工、研削加工が行われた後、大サイズのガラス板11aよりも上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの加工を行う場合、従来の位置決め基準によって位置決めされたガラス板11a,11bの上面図である図23に示すように、搬入コンベアにおいて大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めし、小サイズのガラス板11bに対して切込加工、折割加工、研削加工が行われる。
【0007】
図23から分かるように、大サイズのガラス板11aに対して切込加工や折割加工、研削加工を行った後、大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めをし、小サイズのガラス板11bに対して切込加工を行う場合、切込装置が切込加工テーブルに載置されたガラス板11a,11bの一方の側縁14の幅方向外方へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向外方に位置した切込装置に向かって切込加工テーブルが幅方向へ移動することで切込加工が行われるが、切込装置が大サイズのガラス板11aの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)に比較し、切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなるとともに、切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなる。従って、切込装置が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間及び切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの戻り時間が長くなり、小サイズのガラス板11bに対する切込加工を迅速に行うことができない。
【0008】
又、大サイズのガラス板11aに対して切込加工や折割加工、研削加工を行った後、大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めをし、小サイズのガラス板11bに対して研削加工を行う場合、研削装置が研削加工テーブルに載置されたガラス板11a,11bの側縁14の幅方向外方へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向外方に位置した研削装置に向かって研削加工テーブルが幅方向へ移動することで研削加工が行われるが、研削装置が大サイズのガラス板11aの一方の側縁14の一方の側縁14に到達するまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)に比較し、研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなるとともに、研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなる。従って、研削装置が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間及び研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの戻り時間が長くなり、小サイズのガラス板11bに対する研削加工を迅速に行うことができない。
【0009】
本発明の目的は、上面及び下面の面積が小さい小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの加工装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの加工装置の移動距離を短くすることができ、加工装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。本発明の他の目的は、上面及び下面の面積が小さい小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの切込装置の移動距離を短くすることができ、切込装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、切込加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。本発明の他の目的は、上面及び下面の面積が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの研削装置の移動距離を短くすることができ、研削装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、研削加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の前提は、加工対象のガラス板を搬入する搬入エリアと、搬入エリアの前方に位置してガラス板を加工する加工エリアと、加工エリアの前方に位置して加工後のガラス板を搬出する搬出エリアと、ガラス板を前後方向後方から前方へ向かってそれらエリアに順に搬送する搬送機構とを有するガラス板加工システムである。
【0011】
前記前提における本発明の特徴は、ガラス板加工システムが、上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させる第1位置決め手段を有し、ガラス板加工システムでは、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われることにある。
【0012】
本発明の一例としては、ガラス板加工システムが、上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させる第2位置決め手段を含み、ガラス板加工システムでは、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われる。
【0013】
本発明の他の一例としては、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが、搬入エリアにおいて実施される。
【0014】
本発明の他の一例としては、加工エリアが、搬入エリアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアとから形成され、切込加工エリアが、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる切込装置とを備え、折割加工エリアが、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって折割加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を折割する折割装置とを備え、研削加工エリアが、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する研削装置とを備え、ガラス板加工システムでは、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工と折割加工と研削加工とが行われる。
【0015】
本発明の他の一例としては、搬入エリアが、ガラス板を搬入エリアの前後方向後方から前方へ搬送する搬入コンベアと、搬入コンベアを利用してガラス板を前方へ移動させたときにガラス板の前端縁が当接するストッパーと、ガラス板の下面に当接してガラス板を幅方向へ移動可能に保持する複数のローラーと、それらローラーを上下方向へ昇降させる第1昇降機構と、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧し、ガラス板を他方の側縁から一方の側縁に向かうように幅方向へ移動させる第3移動機構とを有し、第1位置決め手段が、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させる。
【0016】
本発明の他の一例として、複数のローラーでは、それらローラーのうちの少なくとも1つの回転抵抗が大きく、回転抵抗の大きいローラーによってそれらローラーの上に位置するガラス板の幅方向への自由な移動が阻止される。
【0017】
本発明の他の一例としては、第3移動機構が、ガラス板の他方の側縁に当接する当接部材と、当接部材を幅方向へ移動させるサーボモータとを備え、ガラス板加工システムでは、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定する。
【0018】
本発明の他の一例としては、第2位置決め手段が、搬入コンベアによってガラス板が搬入エリアをその後方から前方へ移動してガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、第1位置決め手段が、第2位置決め手段によってガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させた後、第1昇降機構によってローラーとともにガラス板を上昇させ、上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させる。
【0019】
本発明の他の一例として、ガラス板加工システムでは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段では、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させる。
【0020】
本発明の他の一例としては、第2位置決め手段が、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアの位置決め第1基準に位置させた後、第1昇降機構によって上昇させたガラス板を降下させ、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させる。
【0021】
本発明の他の一例として、ガラス板加工システムでは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段では、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させる。
【0022】
本発明の他の一例としては、搬送機構が、搬入エリアと切込加工エリアと折割加工エリアと研削加工エリアとに位置してガラス板を吸着保持する吸着パッドと、ガラス板への吸着力を吸着パッドに付与するバキューム機構と、吸着パッドをそれらエリアに向かって下降させるとともにそれらエリアから上昇させる第2昇降装置とを含み、ガラス板加工システムでは、ガラス板の上下面の面積に合わせて吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。
【0023】
本発明の他の一例としては、搬送機構が、前後方向又は幅方向へ延びるパッド設置プレートを含み、搬送機構では、前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドが記パッド設置プレートに配置され、パッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。
【0024】
本発明の他の一例としては、切込加工エリアに位置する吸着パッドが、切込みの内側に延びるガラス板を吸着保持する内側吸着パッドと、切込みの外側に延びるガラス板の縁部を吸着保持する外側吸着パッドとから形成され、内側吸着パッドが、パッド設置プレートに設置され、外側吸着パッドが、パッド設置プレートの前後端部又は両端部から前後方向又は幅方向へ斜めに延びるパッド設置アームに設置されている。
【0025】
本発明の他の一例としては、パッド設置アームが、パッド設置プレートの前端部又は一端部から前後方向前方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第1及び第2アームと、パッド設置プレートの後端部又は他端部から前後方向後方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第3及び第4アームとから形成され、搬送機構では、パッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更可能であり、第1~第4アームにおいて外側吸着パッドの設置位置を変更可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るガラス板加工システムによれば、第1位置決め手段によって先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離とが等しくなるとともに、加工装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの加工装置の移動距離を短くすることができ、加工装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの到達時間(非加工時間)や加工装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、小サイズのガラス板に対する加工を迅速に行うことができ、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0027】
上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させる第2位置決め手段を含み、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われるガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させて面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めをするから、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いガラス板の位置決めを容易に行うことができ、位置決めの時間を短縮することで、上面及び下面の面積が異なるガラス板に対する加工を迅速に行うことができるとともに、加工のサイクルタイムを確実に短縮することができる。
【0028】
第1位置決め手段と第2位置決め手段とが搬入エリアにおいて実施されるガラス板加工システムは、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが搬入エリアにおいて実施されることで、搬入エリアの前方(下流)に位置する加工エリアに予め位置決めされた状態のガラス板が載置されるから、ガラス板に対して正確な加工を行うことができるとともに、小サイズのガラス板に対する加工を迅速に行うことができ、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0029】
加工エリアが、搬入エリアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアとから形成され、切込加工エリアが、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる切込装置とを備え、折割加工エリアが、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって折割加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を折割する折割装置とを備え、研削加工エリアが、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する研削装置とを備え、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工と折割加工と研削加工とが行われるガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの切込装置の移動距離を短くすることができ、切込装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの到達時間(非加工時間)や切込装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の研削加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの研削装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの研削装置の移動距離を短くすることができ、研削装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や研削装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、小サイズのガラス板に対する切込加工及び研削加工を迅速に行うことができ、切込加工及び研削加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0030】
搬入エリアが、ガラス板を搬入エリアの前後方向後方から前方へ搬送する搬入コンベアと、搬入コンベアを利用してガラス板を前方へ移動させたときにガラス板の前端縁が当接するストッパーと、ガラス板の下面に当接してガラス板を幅方向へ移動可能に保持する複数のローラーと、それらローラーを上下方向へ昇降させる第1昇降機構と、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧し、ガラス板を他方の側縁から一方の側縁に向かうように幅方向へ移動させる第3移動機構とを有し、第1位置決め手段において、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させるガラス板加工システムは、ローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧移動させてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させるから、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を正確に位置させることができ、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベアやストッパー、ローラー、第1昇降機構、第3移動機構を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0031】
複数のローラーにおいて、それらローラーのうちの少なくとも1つの回転抵抗が大きく、回転抵抗の大きいローラーによってそれらローラーの上に位置するガラス板の幅方向への自由な移動が阻止されるガラス板加工システムは、ローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧したときに、ガラス板がローラーの回転によって幅方向へ惰性で移動することはなく、ガラス板の幅方向への不用意な移動を防ぐことができ、ガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に正確に位置させることができる。
【0032】
第3移動機構が、ガラス板の他方の側縁に当接する当接部材と、当接部材を幅方向へ移動させるサーボモータとを備え、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定するガラス板加工システムは、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定するから、第3移動機構によってガラス板を第1移動寸法だけ幅方向へ正確に移動させることができ、ガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に正確に位置させることができる。
【0033】
第2位置決め手段が、搬入コンベアによってガラス板が搬入エリアをその後方から前方へ移動してガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、第1位置決め手段が、第2位置決め手段によってガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させた後、第1昇降機構によってローラーとともにガラス板を上昇させ、上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させるガラス板加工システムは、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させてガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、更に、第3移動機構によって上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ移動させてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させるから、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を正確に位置させることができ、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を正確に位置させることができる。ガラス板加工システムは、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができ、搬入コンベアを利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができるとともに、第1昇降機構及び第3移動機構を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0034】
ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段において、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させるガラス板加工システムは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための前後方向後方への搬入コンベアの第2移動寸法を決定し、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、決定した第2移動寸法に基づいて搬入コンベアがガラス板を前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベアによってガラス板を第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に正確に位置させることができる。
【0035】
第2位置決め手段が、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアの位置決め第1基準に位置させた後、第1昇降機構によって上昇させたガラス板を降下させ、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の前記中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させるガラス板加工システムは、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させてガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させるから、先に加工するガラス板の中心線に、後に加工する上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を正確に一致させることができ、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベアを利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0036】
ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段において、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させるガラス板加工システムは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を第2位置決め基準に位置させるための前後方向後方への搬入コンベアの第2移動寸法を決定され、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、決定された第2移動寸法に基づいて搬入コンベアがガラス板を前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベアによってガラス板を第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に正確に位置させることができる。
【0037】
搬送機構が、搬入エリアと切込加工エリアと折割加工エリアと研削加工エリアとに位置してガラス板を吸着保持する吸着パッドと、ガラス板への吸着力を吸着パッドに付与するバキューム機構と、吸着パッドをそれらエリアに向かって下降させるとともにそれらエリアから上昇させる第2昇降装置とを含み、ガラス板の上下面の面積に合わせて吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、上下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の場合、吸着パッドを前後方向外方又は幅方向外方へ移動させてそのガラス板の最適な箇所に吸着パッドを位置させることができ、逆に上下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の場合、吸着パッドを前後方向内方又は幅方向内方へ移動させてそのガラス板の最適な箇所に吸着パッドを位置させることができるから、上下面の面積が異なるガラス板を搬送機構によって各加工エリアに確実に搬送することができる。
【0038】
搬送機構が前後方向又は幅方向へ延びるパッド設置プレートを含み、前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドがパッド設置プレートに配置され、パッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、パッド設置プレートに配置された前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドによってガラス板が吸着保持されるから、それら吸着パッドによってガラス板を確実に保持することができる。ガラス板加工システムは、ガラス板の上下面の面積に応じてパッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更することで、上下面の面積が異なるガラス板の最適な位置にそれら吸着パッドを配置することができ、上下面の面積が異なるガラス板を搬送機構によって各加工エリアに確実に搬送することができる。
【0039】
切込加工エリアに位置する吸着パッドが、切込みの内側に延びるガラス板を吸着保持する内側吸着パッドと、切込みの外側に延びるガラス板の縁部を吸着保持する外側吸着パッドとから形成され、内側吸着パッドがパッド設置プレートに設置され、外側吸着パッドがパッド設置プレートの前後端部又は両端部から前後方向又は幅方向へ斜めに延びるパッド設置アームに設置されているガラス板加工システムは、内側吸着パッドによって切込みの内側に延びるガラス板が吸着保持され、外側吸着パッドによって切込みの外側に延びるガラス板の縁部が吸着保持されるから、ガラス板の搬送中に切込みの外側に延びるガラス板の縁部が不用意に脱落することはなく、切込加工後のガラス板を折割加工エリアに安全に搬送することができる。
【0040】
パッド設置アームが、パッド設置プレートの前端部又は一端部から前後方向前方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第1及び第2アームと、パッド設置プレートの後端部又は他端部から前後方向後方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第3及び第4アームとから形成され、パッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更可能であり、第1~第4アームにおいて外側吸着パッドの設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、ガラス板の上下面の面積に応じてパッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更し、第1~第4アームにおける外側吸着パッドの設置位置を変更することで、上下面の面積が異なるガラス板の切込みの外側に延びる縁部の最適な位置に外側吸着パッドを配置することができ、ガラス板の搬送中に切込みの外側に延びるガラス板の縁部を脱落させることはなく、切込加工後のガラス板を折割加工エリアに安全に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】一例として示すガラス板加工システムの側面図。
図2】ガラス板加工システムの上面図。
図3】搬入エリアの側面図。
図4】搬入エリアの上面図。
図5】搬入エリアの正面図。
図6】一例として示すガラス板第1~第4ホルダーの吸着パッドの上面図。
図7】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの上面図。
図8】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの側面図。
図9】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの移動を説明する図。
図10】切込加工エリアに設置された一例として示す切込装置の側面図。
図11】切込装置の正面図。
図12】切込装置の上面図。
図13】折割加工テーブルの上面図。
図14】折割加工テーブルの側面図。
図15】折割装置の側面図。
図16】折割装置の正面図。
図17】折割装置の上面図。
図18】折割装置の拡大側面図。
図19】研削加工エリアに設置された一例として示す研削装置の側面図。
図20】研削装置の正面図。
図21】研削装置の上面図。
図22】搬入エリアにおいて位置決めされたガラス板の上面図。
図23】従来の位置決め基準によって位置決めされたガラス板の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
一例として示すガラス板加工システム10の側面図ある図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るガラス板加工システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、ガラス板加工システム10の上面図であり、図3は、搬入エリア19の側面図である。図4は、搬入エリア19の上面図であり、図5は、搬入エリア19の正面図である。図6(a)~(d)は、一例として示すガラス板第1~第4ホルダー40a~40dの吸着パッド41,41a,41bの上面図である。図1,2では、前後方向(X軸方向)を矢印X、幅方向(Y軸方向)を矢印Yで示し、上下方向(Z軸方向)を矢印Zで示す。
【0043】
ガラス板加工システム10において加工されるガラス板11a,11bは、所定面積の上面12及び所定面積の下面13を有するとともに、所定の厚みを有し、その平面形状が幅方向へ長い矩形(四角形)に成形されている(図22参照)。ガラス板11a,11bは、幅方向へ離間対向して前後方向へ延びる一方の側縁14及び他方の側縁15と、前後方向へ離間対向して幅方向へ延びる前端縁16及び後端縁17とを有する。ガラス板11a,11bは、その四隅(第1~第4角部18a~18d)が面取りされている。尚、ガラス板は、その平面形状が矩形(四角形)以外の他の多角形に成形される場合もあるとともに、ガラス板の各縁が湾曲したカーブを描くように成形される場合もある。
【0044】
ガラス板加工システム10は、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aから上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bまでの上下面12,13の面積が異なる大きさ違いの加工対象のガラス板11a,11b(板状ガラス)に対し、切込加工、折割加工、研削加工を行う。ガラス板加工システム10は、その制御がコントローラ(制御装置)(図示せず)によって行われる。コントローラは、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ)とを備え、独立したオペレーティングシステム(仮想OS)によって動作するコンピュータであり、大容量ハードディスク(大容量記憶領域)を内蔵している。コントローラには、キーボードやテンキーユニット等の入力装置(図示せず)、モニターやディスプレイ、タッチパネル等の出力装置(図示せず)が接続されている。
【0045】
コントローラの大容量ハードディスク(大容量記憶領域)には、加工対象の各ガラス板11a,11bの名称や品番、加工対象の各ガラス板11a,11bの大きさ(面積)や形状によって異なる各ガラス板11a,11bの複数の座標データ(ガラス板11a,11bの側縁14,15座標や前後端縁16,17の座標、第1~第4角部18a~18dの座標、ガラス板11a,11bの中心の座標等)、加工対象の各ガラス板11a,11bの画像データ(平面画像(6面画像)や立体画像(3D画像))がガラス板11a,11bを特定するガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けられた状態で記憶(格納)されている。ガラス板特定情報は、ガラス板11a,11bの製造番号やシリアル番号等が使用される他、コントローラがガラス板11a,11bを特定するユニークな識別子を生成し、生成した識別子をガラス板特定情報にすることもできる。
【0046】
コントローラは、後記する切込(切断)加工エリア20における切込(切断)加工及び研削加工エリア22における研削加工において、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用して後記する切込装置60及び折割装置79をNC制御する。NC制御においてコントローラは、座標加工(XY平面座標)を開始する位置、加工方向の変更位置を座標によって数値化し、X軸(前後方向)及びY軸(幅方向)の2軸の動作方向、距離、速度を数値化する。命令座標及び軸を数値化した信号を切込装置60及び折割装置79に送信(入力)する。NC制御では、「座標→軸→命令」を繰り返すことにより、加工したい形状を正確に表現する。
【0047】
ガラス板加工システム10は、加工前のガラス板11a,11bを投入する搬入エリア19(加工開始エリア)と、加工後のガラス板11a,11bを搬出する搬出エリア23(加工終了エリア)と、搬入エリア19及び搬出エリア23の間に配置(施設)されてガラス板11a,11bを加工する複数の各加工エリア20~22と、前後方向後方(上流)から前方(下流)に向かってガラス板11a,11bを搬入エリア19やそれら加工エリア20~22、搬出エリア23に順に搬送するとともに、切込装置60及び研削装置108を前後方向移動させる搬送機構24とを有する。各加工エリア20~22は、搬入エリア19と搬出エリア23との間において前後方向へ離間対向しつつ前後方向へ並んでいる。
【0048】
それら加工エリア20~22は、搬入エリア19の前後方向前方(下流)に位置して搬入エリア19から前方へ所定寸法離間する切込加工エリア20と、切込加工エリア20の前後方向前方(下流)に位置して切込加工エリア20から前方へ所定寸法離間する折割加工エリア21と、折割加工エリア21の前後方向前方(下流)に位置して折割加工エリア21から前方へ所定寸法離間する研削加工エリア22とから形成されている。切込加工エリア20や折割加工エリア21、研削加工エリア22は、前後方向へ長い四角形に成形されたシステム台25(機械台)の上に作られている。
【0049】
搬送機構24は、システム台25の後部に位置して上下方向へ延びる一対の第1ピラー26aと、システム台25の前部に位置して上下方向へ延びる一対の第2ピラー26bと、第1及び第2ピラー26a,26bの間に位置して前後方向へ延びる固定フレーム27と、固定フレーム27の一方の側部に形成された第1移動手段28と、固定フレーム27の下部に形成された第2移動手段29とを有する。
【0050】
第1移動手段28は、切込装置60及び研削装置108を前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)させる。第1移動手段28は、第1ガイドフレーム30と、一対の第1ガイドレール31と、第1送りネジ(ボールネジ)(図示せず)と、第1走行フレーム32と、複数の第1スライドブロック(ハウジングナット)(図示せず)と、一対の第1ガイドシュー33と、第1サーボモータ34とから形成されている(図11参照)。第1ガイドフレーム30は、固定フレーム27に設置されて前後方向へ延びている。それら第1ガイドレール31は、上下方向へ離間対向し、所定の固定手段によって第1ガイドフレーム30の一方の側部に固定されて前後方向へ延びている。第1送りネジ(ボールネジ)は、それら第1ガイドレール30の間に位置し、第1ガイドフレーム30の一方の側部に固定された複数の軸受け(図示せず)に回転可能に支持されて前後方向へ延びている。
【0051】
第1走行フレーム32は、第1ガイドフレーム30の一方の側部に位置して前後方向へ延びている。それら第1スライドブロック(ハウジングナット)は、前後方向へ所定間隔離間して並び、第1走行フレーム32の第1ガイドフレーム30に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されている。それら第1ガイドシュー33は、上下方向へ離間対向し、第1走行フレーム32の第1ガイドフレーム30に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されて前後方向へ延びている。
【0052】
第1サーボモータ34は、第1ガイドフレーム30の前端部に位置し、ブラケットを介して第2ピラー26bに連結されている。第1サーボモータ34は、その軸が第1送りネジの他方の端部に連結・固定されている。第1サーボモータ34の発停や回転数を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第1サーボモータ34の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第1サーボモータ34を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第1サーボモータ34の駆動を停止させる。第1サーボモータ34の回転によって第1送りネジが回転し、第1送りネジの回転によって切込装置60及び研削装置108が前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する。
【0053】
第1サーボモータ34の軸が反時計回り方向へ回転すると、第1送りネジが反時計回り方向へ回転し、第1送りネジの反時計回り方向への回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、第1スライドブロックの移動によって第1走行フレーム32が第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動する。逆に、第1サーボモータ34の軸が時計回り方向へ回転すると、第1送りネジが時計回り方向へ回転し、第1送りネジの時計回り方向への回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の後方から前方へ向かって前後方向へ移動し、第1スライドブロックの移動によって第1走行フレーム32が第1ガイドフレーム30の後方から前方へ向かって前後方向へ移動する。
【0054】
第2移動手段29は、後記するガラス板第1~第4ホルダー40a~40dを前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)させる。第2移動手段29は、第2ガイドフレーム35と、一対の第2ガイドレール36と、第2送りネジ(ボールネジ)(図示せず)と、第2走行フレーム37と、複数の第2スライドブロック(ハウジングナット)(図示せず)と、一対の第2ガイドシュー38と、第2サーボモータ39と、ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d(ガラス板第1~第4リフター)とから形成されている(図16参照)。第2ガイドフレーム35は、固定フレーム27に設置されて前後方向へ延びている。それら第2ガイドレール36は、幅方向へ離間対向し、所定の固定手段によって第2ガイドフレーム35の下部に固定されて前後方向へ延びている。第2送りネジ(ボールネジ)は、それら第2ガイドレール36の間に位置し、第2ガイドフレーム35の下部に固定された複数の軸受け(図示せず)に回転可能に支持されて前後方向へ延びている。
【0055】
第2走行フレーム37は、第2ガイドフレーム35の下部に位置して前後方向へ延びている。それら第2スライドブロック(ハウジングナット)は、幅方向へ所定間隔離間して並び、第2走行フレーム37の第2ガイドフレーム35に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されている。それら第2ガイドシュー38は、幅方向へ離間対向し、第2走行フレーム37の第2ガイドフレーム35に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されて前後方向へ延びている。
【0056】
第2サーボモータ39は、第2ガイドフレーム35の後端部に位置し、固定フレーム27に固定されている。第2サーボモータ39は、その軸がタイミングベルト(及び/又はギア)を介して第2送りネジの一方の端部に連結・固定されている。第2サーボモータ39の発停や回転数を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第2サーボモータ39の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第2サーボモータ39を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第2サーボモータ39の駆動を停止させる。第2サーボモータ39の回転によって第2送りネジが回転し、第2送りネジの回転によってガラス板第1~第4ホルダー40a~40dが前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する。
【0057】
第2サーボモータ39の軸が時計回り方向へ回転すると、第2送りネジが時計回り方向へ回転し、第2送りネジの時計回り方向への回転によって第2スライドブロックが第2ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、第2スライドブロックの移動によって第2走行フレーム37(ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d)が第2ガイドフレーム35の後方から前方へ向かって前後方向へ移動する。逆に、第2サーボモータ39の軸が反時計回り方向へ回転すると、第2送りネジが反時計回り方向へ回転し、第2送りネジの反時計回り方向への回転によって第2スライドブロックが第2ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、第2スライドブロックの移動によって第2走行フレーム37(ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d)が第2ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動する。
【0058】
ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、第2走行フレーム37の下部に取り付けられて走行フレーム37から下方へ延在している。ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、ガラス板11a,11bを吸着保持する吸着パッド41と、前後方向へ延びるパッド設置プレート42と、第1~第4アーム43a~43d(第2ホルダー40bのみ)と、バキューム機構(エアー吸引装置)(エアーバキュームポンプ)(図示せず)及びエアシリンダー(第2昇降装置)(図示せず)とを有する。バキューム機構及びエアシリンダーの発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。
【0059】
ガラス板第1ホルダー40a、ガラス板第3ホルダー40c、ガラス板第4ホルダー40dの吸着パッド41は、図5(a)、図5(c)、図5(d)に示すように、2個のそれがパッド設置プレート42に取り付けられている。尚、3つ以上の吸着パッド41がパッド設置プレート42に取り付けられていてもよい。パッド設置プレート42には、前後方向又は幅方向へ延びる第1及び第2スリット44が穿孔され、吸着パッド41が第1及び第2スリット44ハンドルネジ45を介して固定されている。
【0060】
ガラス板第1ホルダー40a、ガラス板第3ホルダー40c、ガラス板第4ホルダー40dのそれら吸着パッド41は、第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。それら吸着パッド41の設置位置を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させて第1及び第2スリット44における吸着パッド41の固定を解除し、吸着パッド41を前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて吸着パッド41を第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)に固定する。
【0061】
ガラス板第2ホルダー40bの吸着パッド41は、図5(b)に示すように、内側吸着パッド41aと外側吸着パッド41bとから形成されている。内側吸着パッド41aは、切込装置60(切込カッターホイール71)によってガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に形成された切込みの内側に延びるガラス板11a,11bを吸着保持する。外側吸着パッド41bは、切込装置60(切込カッターホイール71)によってガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に形成された切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eを吸着保持する。
【0062】
内側吸着パッド41aは、2個のそれがパッド設置プレート42に取り付けられている。尚、3つ以上の内側吸着パッド41aがパッド設置プレート42に取り付けられていてもよい。パッド設置プレート42には、前後方向又は幅方向へ延びる第1及び第2スリット44が穿孔され、内側吸着パッド41aが第1及び第2スリット44にハンドルネジ45を介して固定されている。
【0063】
ガラス板第2ホルダー40bのそれら内側吸着パッド41aは、第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。それら内側吸着パッド41aの設置位置を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させて第1及び第2スリット44における内側吸着パッド41aの固定を解除し、内側吸着パッド41aを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて内側吸着パッド41aを第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)に固定する。
【0064】
ガラス板第2ホルダー40bの第1及び第2アーム43a,43bは、その基端部がパッド設置プレート42の前端部又は一端部に旋回可能に取り付けられ、前後方向又は幅方向に延びるとともに幅方向又は前後方向の一方と他方とへ向かって(パッド設置プレート42の軸線に対して)所定角度で傾斜している。第1及び第2アーム43a,43bは、ハンドルネジ45を介してパッド設置プレート42の前端部又は一端部に固定されている。第1及び第2アーム43a,43bは、パッド設置プレート42の軸線に対してその旋回角度を変更可能である。第1及び第2アーム43a,43bの旋回角度を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてパッド設置プレート42の前端部又は一端部における第1及び第2アーム43a,43bの固定を解除し、第1及び第2アーム43a,43bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて第1及び第2アーム43a,43bをパッド設置プレート42の前端部又は一端部に固定する。
【0065】
第1及び第2アーム43a,43bには、1つの外側吸着パッド41bが取付プレート46を介して取り付けられている。尚、2つ以上の外側吸着パッド41bが第1及び第2アーム43a,43bに取り付けられていてもよい。第1及び第2アーム43a,43bには、前後方向又は幅方向へ延びるスリット47が穿孔され、外側吸着パッド41bがスリット47にハンドルネジ45を介して固定されている。外側吸着パッド41bは、スリット47(第1及び第2アーム43a,43b)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であり、スリット47(第1及び第2アーム43a,43b)において水平方向へ旋回可能である。外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、外側吸着パッド41bを旋回させるには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてスリット47(第1及び第2アーム43a,43b)に対する外側吸着パッド41bの固定を解除し、外側吸着パッド41bを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させ、ハンドルネジ45の軸を中心に取付プレート46とともに外側吸着パッド41bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて外側吸着パッド41bをスリット47(第1及び第2アーム43a,43b)に固定する。
【0066】
ガラス板第2ホルダー40bの第3及び第4アーム43c,43dは、その基端部がパッド設置プレート42の後端部又は他端部に旋回可能に取り付けられ、前後方向又は幅方向に延びるとともに幅方向又は前後方向の一方と他方とへ向かって(パッド設置プレート42の軸線に対して)所定角度で傾斜している。第3及び第4アーム43c,43dは、ハンドルネジ45を介してパッド設置プレート42の後端部又は他端部に固定されている。第3及び第4アーム43c,43dは、パッド設置プレート42の軸線に対してその旋回角度を変更可能である。第3及び第4アーム43c,43dの旋回角度を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてパッド設置プレート42の後端部又は他端部における第3及び第4アーム43c,43dの固定を解除し、第3及び第4アーム43c,43dを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて第3及び第4アーム43c,43dをパッド設置プレート42の後端部又は他端部に固定する。
【0067】
第3及び第4アーム43c,43dには、1つの外側吸着パッド41bが取付プレート46を介して取り付けられている。尚、2つ以上の外側吸着パッド41bが第3及び第4アーム43c,43dに取り付けられていてもよい。第3及び第4アーム43c,43dには、前後方向又は幅方向へ延びるスリット47が穿孔され、外側吸着パッド41bがスリット47にハンドルネジ45を介して固定されている。外側吸着パッド41bは、スリット47(第3及び第4アーム43c,43d)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であり、スリット47(第3及び第4アーム43c,43d)において水平方向へ旋回可能である。外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、外側吸着パッド41bを旋回させるには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてスリット47(第3及び第4アーム43c,43d)に対する外側吸着パッド41bの固定を解除し、外側吸着パッド41bを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させ、ハンドルネジ45の軸を中心に取付プレート46とともに外側吸着パッド41bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて外側吸着パッド41bをスリット47(第3及び第4アーム43c,43d)に固定する。
【0068】
ガラス板加工システム10は、パッド設置プレート42に配置された前後方向又は幅方向へ並ぶ2個の吸着パッド41によってガラス板11a,11bが吸着保持されるから、それら吸着パッド41によってガラス板11a,11bを確実に保持することができる。ガラス板加工システム10は、上下面12,13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの場合、それら吸着パッド41をパッド設置プレート42において前後方向外方又は幅方向外方へ移動させて吸着パッド41の前後方向又は幅方向の離間寸法を大きくし、上下面12,13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの場合、それら吸着パッド41を前後方向内方又は幅方向内方へ移動させて吸着パッド41の前後方向又は幅方向の離間寸法を小さくし、ガラス板11a,11bの上下面12,13の面積に応じてパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の前後方向又は幅方向の設置位置を変更することで、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bの最適な位置にそれら吸着パッド41を配置することができ、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bを搬送機構24によって各加工エリア20~22に確実に搬送することができる。
【0069】
ガラス板加工システム10は、パッド設置プレート42に設置されたそれら内側吸着パッド41aによって切込みの内側に延びるガラス板11a,11bが吸着保持され、第1~第4アーム43a~43dに設置された外側吸着パッド41bによって切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eが吸着保持されるから、ガラス板11a,11bの搬送中に切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eが不用意に脱落することはなく、切込加工後のガラス板11a11bを折割加工エリア21に安全に搬送することができる。
【0070】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの上下面12,13の面積に応じてパッド設置プレート42に対する第1~第4アーム43a~43dの旋回角度を変更し、第1~第4アーム43a~43dにおける外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、更に、第1~第4アーム43a~43dに対して外側吸着パッド41bを水平方向へ旋回させることで、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bの切込みの外側に延びる縁部eの最適な位置に外側吸着パッド41bを配置することができ、ガラス板11a,11bの搬送中に切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eを脱落させることはなく、切込加工後のガラス板11a,11bを折割加工エリア21に安全に搬送することができる。
【0071】
ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dのうちのガラス板第1ホルダー40aは、搬入エリア19と切込加工エリア20との間を前後方向へ往復し、搬入エリア19から切込加工エリア20に向かって前進するとともに、切込加工エリア20から搬入エリア19に向かって後退する。ガラス板第2ホルダー40bは、切込加工エリア20と折割加工エリア21との間を前後方向へ往復し、切込加工エリア20から折割加工エリア21に向かって前進するとともに、折割加工エリア21から切込加工エリア20に向かって後退する。ガラス板第3ホルダー40cは、折割加工エリア21と研削加工エリア22との間を前後方向へ往復し、折割加工エリア21から研削加工エリア22に向かって前進するとともに、研削加工エリア22から折割加工エリア21に向かって後退する。ガラス板第4ホルダー40dは、研削加工エリア22と搬出エリア23との間を前後方向へ往復し、研削加工エリア22から搬出エリア23に向かって前進するとともに、搬出エリア23から研削加工エリア22に向かって後退する。
【0072】
搬入エリア19は、搬入コンベア48と、ストッパー49及びローラー50と、一対の昇降機構51(第1昇降機構)と、移動機構52(第3移動機構)とを有する。搬入エリア19は、システム台25の床面から上方へ延びる脚部によって支持されている。搬入エリア19では、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが実施され、各加工エリア20~22に向かうガラス板11a,11bの位置決めが行われる。
【0073】
搬入エリア19の一方の側縁部53aには、前後方向へ延びる位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)が設定され、幅方向へ延びる位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)が設定されている(図22参照)。位置決め第1基準L1は、大サイズ(大面積)のガラス板11a(先に加工するガラス板)の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ直状に延びる仮想線となる。最外側縁は、例えば、ガラス板11a,11bの一方の側縁14が湾曲したカーブを描く場合、最も幅方向外方に位置する曲線の頂点となる。又、ガラス板11a,11bの一方の側縁14が前後方向へ直状に延びている場合、側縁14が最外側縁となる。
【0074】
位置決め第1基準L1には、ガラス板11a,11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させる。ここで、最外側縁を位置決め第1基準L1に位置させるとは、最外側縁が位置決め第1基準L1に完全に一致する場合の他、最外側縁が位置決め第1基準L1の幅方向内方近傍(直近)に位置する場合、又は、最外側縁が位置決め第1基準L1の幅方向外方近傍(直近)に位置する場合を含む。
【0075】
位置決め第2基準L2には、ガラス板11a,11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置させる。ここで、前後方向中心O1(中心線L2)を位置決め第2基準L2に位置させるとは、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2に完全に一致する場合の他、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2の前後方向前方近傍(直近)に位置する場合、又は、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2の前後方向後方近傍(直近)に位置する場合を含む。
【0076】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用し、各ガラス板11a,11bの幅方向の寸法を算出し、算出したガラス板11a,11bの幅方向(Y軸方向)の寸法の相違に応じてそれらガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)を決定するとともに、決定した第1移動寸法に基づいて第3サーボモータ56の軸の回転数(ガラス板11a,11bを幅方向へ第1移動寸法(第1移動距離)だけ移動させるための軸の回転数)を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した第1移動寸法及び決定した第3サーボモータ56の軸の回転数を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。
【0077】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用し、各ガラス板11a,11bの前後方向(X軸方向)の寸法を算出し、算出した各ガラス板11a,11bの前後方向の寸法の相違に応じてそれらガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1を位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した第2移動寸法を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。
【0078】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、算出した各ガラス板11a,11bの前後方向の寸法に基づいて切込装置60及び研削装置108の前後方向への移動寸法(移動距離)を算出し、算出した移動寸法に基づいて第1サーボモータ34の軸の回転数(切込装置60及び研削装置108を前後方向へ移動寸法(移動距離)だけ移動させる軸の回転数)を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した移動寸法及び決定した第1サーボモータ34の軸の回転数を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。尚、ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dの前後方向への移動寸法(移動距離)が各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けられた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)されている。
【0079】
搬入コンベア48は、図3図5に示すように、前後方向(X方向)へ延びる複数の無限軌道であり、幅方向(Y方向)へ所定間隔離間して並んでいる。それら搬入コンベア48の発停や搬送距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。それら搬入コンベア48は、ガラス板11a11bを搬入エリア19の後端部(搬入口)から前端部(搬出口)に向かって前後方向後方から前方へ搬送する。ストッパー49は、搬入エリア19の前端部に設置されて幅方向へ離間して並んでいる。ストッパー49には、それら搬入コンベア48によって搬入エリア19の後端部から前端部に向かって前方へ移動するガラス板11a,11bの前端縁16が当接する。ストッパー49には、接触センサー(図示せず)が設置されている。接触センサーは、コントローラに接続され、ガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、前端縁16のストッパー49への当接を検出すると、その接触信号をコントローラに送信する。
【0080】
ローラー50は、複数のそれらが前後方向へ延びる軸54に回転可能に取り付けられ、それら軸54とともにそれら搬入コンベア48の間に設置されている。それらローラー50は、前後方向へ所定寸法離間して並ぶとともに幅方向へ所定寸法離間して並んでいる。それらローラー50は、幅方向へ向かって時計回り方向と反時計回り方向とへ回転し、ガラス板11a11bの下面13に当接してガラス板11a,11bを幅方向へ移動可能に保持する。それら軸54は、軸受けを介してその下方に位置する台座に取り付けられている。
【0081】
それらローラー50のうちのローラー50aと軸54との間には、ローラー50aの回転抵抗を増加させる抵抗板(ゴムリング)(図示せず)が取り付けられている。ローラー50aは、抵抗板(ゴムリング)によって軸54との抵抗が増加し、ローラー50aに回転抵抗を超える回転力を与えなければローラー50aが回転することはなく、ローラー50aの自由な回転が抵抗板によって阻止されている。それらローラー50の上にガラス板11a,11bが載置された場合、回転抵抗の大きいローラー50aによってガラス板11a,11bの幅方向への自由な移動が阻止される。尚、それらローラー50のうちの少なくとも1つのローラーと軸54との間に抵抗板(ゴムリング)が取り付けられていればよい。
【0082】
それら昇降機構51(第1昇降機構)は、軸54を取り付けた台座の下方に設置され、幅方向へ所定寸法離間して並んでいる。それら昇降機構51にはエアシリンダーが使用され、エアシリンダーによって台座とともにそれら軸54及びそれらローラー50が上下方向へ昇降する。それらエアシリンダーの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。それらエアシリンダー(昇降機構51)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。エアシリンダー(昇降機構51)の制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダーを昇降させる。
【0083】
尚、搬入コンベア54がガラス板11a,11bを搬送中では、エアシリンダー(昇降機構51)によってそれらローラー50(台座及び軸54)がそれら搬入コンベア54の下方へ下降し、それらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接しない。エアシリンダー(昇降機構51)によってそれらローラー50(台座及び軸54)が上昇すると、ローラー54の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、それらローラー50によってガラス板11a,11bが搬入コンベア48の上方へ持ち上げられる。
【0084】
移動機構52(第3移動機構)は、それら搬入コンベア48及びそれらローラー50の上方に位置するロッド55と、ロッド55に設置(内蔵)された第3サーボモータ56(サーボモータ)と、ロッド55に設置(内蔵)されて第3サーボモータ56の軸に連結された送りネジ(送りネジ機構)(図示せず)と、ロッド55から下方へ延びる移動アーム57と、移動アーム57の下端部に設置された当接部材58とを備えている。第3サーボモータ56(移動機構)の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第3サーボモータ56の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第3サーボモータ56を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。
【0085】
ロッド55は、第1ピラー26aの後面に取り付けられて幅方向へ延びている。移動アーム57は、送りネジに移動可能に設置され、第3サーボモータ56の軸の回転による送りネジの回転によって、ロッド55に沿って幅方向の一方と他方とへ直線移動する。当接部材58は、移動アーム57の幅方向への移動に伴って移動アーム57とともに幅方向の一方と他方とへ直線移動する。当接部材58は、エアシリンダー(昇降機構51)によって上昇したローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態で、ガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、ガラス板11a,11bが幅方向へ移動するようにガラス板11a,11bを幅方向へ押圧する。
【0086】
尚、第3サーボモータ56の他に、リニアモータ(直動モータ)が利用され、リニアモータ(移動機構)がロッド55に設置されていてもよい。ロッド55にリニアモータを設置した場合、リニアモータがロッド55に沿って幅方向の一方と他方とへ移動し、それに伴って移動アーム57及び当接部材58が幅方向の一方と他方とへ移動する。リニアモータ(移動機構)の発停や移動距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続される。
【0087】
図7は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の上面図であり、図8は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の側面図である。図9は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の移動を説明する図であり、図10は、切込加工エリア20に設置された一例として示す切込装置60の側面図である。図11は、切込装置60の正面図であり、図12は、切込装置60の上面図である。
【0088】
切込加工エリア20は、搬入エリア19において位置決めされたガラス板11a,11bを載置する切込加工テーブル59(切込加工台)と、切込加工テーブル59に載置されたガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みを入れる切込装置60(切断装置)とを備えている。図7,8では、前後方向(X軸方向)を矢印X、幅方向(Y軸方向)を矢印Yで示し、上下方向(Z軸方向)を矢印Zで示す。
【0089】
切込加工テーブル59は、システム台25の床面に固定された幅方向へ長いベースレーン61aの上に設置されている。切込加工テーブル59は、第1移動機構62を利用し、位置決めされたガラス板11a,11bを載置した状態で幅方向へ移動する。第1移動機構62は、走行ガイドレール63aと、送りネジ64a(ボールネジ)と、第4サーボモータ65と、ガイドシュー66aと、スライドブロック67a(ハウジングナット)とから形成されている。それら走行ガイドレール63aは、ベースレーン61aの上面に設置されて幅方向へ延びている。送りネジ64a(ボールネジ)は、ベースレーン61aの上面であって走行ガイドレール63aの側方に設置されて幅方向へ延びている。第4サーボモータ65は、ベースレーン61aに設置され、切込加工テーブル59を幅方向へ往復動させる。
【0090】
第4サーボモータ65の軸には、送りネジ64aの他方の端部が連結されている。第4サーボモータ65の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第4サーボモータ65の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第4サーボモータ65を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第4サーボモータ65の駆動を停止させる。
【0091】
送りネジ64aは、ベースレーン61aに固定された軸受け(図示せず)に回転可能に支持されている。ガイドシュー66aは、切込加工テーブル59の下面に取り付けられて幅方向へ延びている。ガイドシュー66aは、走行ガイドレール63aに摺動可能に嵌合している。スライドブロック67a(ハウジングナット)は、切込加工テーブル59の下面であってガイドシュー66aの間に取り付けられている。スライドブロック67aは、送りネジ64aに回転可能に螺着されている。
【0092】
第4サーボモータ65の軸が時計回り方向へ回転すると、送りネジ64aが時計回り方向へ回転し、送りネジ64aの時計回り方向への回転によってスライドブロック67aが切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67aの移動によって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって幅方向へ移動する。逆に、第4サーボモータ65の軸が反時計回り方向へ回転すると、送りネジ64aが反時計回り方向へ回転し、送りネジ64aの反時計回り方向への回転によってスライドブロック67aが切込加工エリアの一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67aの移動によって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって幅方向へ移動する。
【0093】
切込装置60は、切込ツール68と、エアシリンダー69及び第5サーボモータ70とを備えている。切込ツール68は、切込カッターホイール71と、切込カッターホルダー72(切込ホルダー)と、カッター昇降軸73と、カッター昇降ガイド74とから形成されている。切込カッターホイール71は、ベアリング(図示せず)を介して切込カッターホルダー72に連結され、介在するベアリングの軸心に沿って自在に回転する。カッターホルダー72に対して3次元に稼働する。切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みを形成する。
【0094】
切込カッターホルダー72は、切込カッターホイール71の直上に位置してカッターホイール71に連結され、カッターホイール71を支持する。カッター昇降軸73は、切込カッターホルダー72の直上に位置してカッターホルダー72に連結され、カッターホルダー72を支持する。カッター昇降ガイド74は、カッター昇降軸73の直上に位置してカッター昇降軸73に連結され、カッター昇降軸73を支持する。切込ツール68(エアシリンダー69を含む)は、エアシリンダー69の直上に位置して切込ツール68を回転可能に支持する支持軸75に連結されている。支持軸75は、その直上に位置するブラケット76に取り付けられている。ブラケット76(切込装置60)は、前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する既述の搬送機構24の第1移動手段28に連結されている。
【0095】
エアシリンダー69は、カッター昇降軸73の直上に設置されている。エアシリンダー69は、切込カッターホイール71(切込カッターホルダー72)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eへの切込線(切線)を形成時にカッターホイール71をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール71に切り圧(下方への押圧力)を加える(付与する)。第5サーボモータ70は、その軸がタイミングベルト77を介して支持軸75に連結されている。第5サーボモータ70は、切込ツール68(切込カッターホイール71)の切込方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。
【0096】
第5サーボモータ70の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第5サーボモータ70の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第5サーボモータ70を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第5サーボモータ70の駆動を停止させる。切込装置60では、コントローラから送信されたNC制御信号に基づいて第5サーボモータ70の制御部がモータ70の軸を回転させ、切込ツール68(切込カッターホイール71)をNC制御し、NC制御に従って切込ツール68(切込カッターホイール71)がガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に加工したい形状どおりの切込みを形成する。
【0097】
図13は、折割加工テーブル78の上面図であり、図14は、折割加工テーブル78の側面図である。図15は、折割装置79の側面図であり、図16は、折割装置の正面図79である。図17は、折割装置79の上面図であり、図18は、折割装置79の拡大側面図である。折割加工エリア21は、搬入エリア19において位置決めされるとともに切込加工エリア20において切込加工が行われたガラス板11a,11bを載置する折割加工テーブル78(折割加工台)と、折割加工テーブル78に載置されたガラス板11a,11bの切込みの外側に位置する縁部e(周縁部)を折割る折割装置79とを備えている。
【0098】
折割加工テーブル78は、幅方向(Y軸方向)へ走行するベルトコンベア80と、ベルトコンベア80を走行させるコンベア駆動モータ81とから形成され、システム台25の床面に固定されたベース盤の上に設置されている。ベルトコンベア80は、幅方向へ延びるベルト82と、ベルト82を支持する複数のプーリ83及びキャリアローラ84と、ベルト82やプーリ83、キャリアローラ84を支持するコンベアフレーム85とから形成されている。ベルトコンベア80には、切込加工後のガラス板11a,11bが載置される。ベルトコンベア80は、折割装置79によって折り割られたガラス板11a,11bの縁部eを幅方向の他方(一方の側縁部53aから他方の側縁部53b)へ搬送し、ガラス板11a,11bの縁部eをダストボックス(図示せず)に廃棄する。
【0099】
コンベア駆動モータ81は、その軸がタイミングベルトによってプーリ83に連結されている。コンベア駆動モータ81の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。コンベア駆動モータ81の軸の回転速度(ベルトの走行速度)は、事前に設定され、回転速度(ベルトの走行速度)がコンベア駆動モータ81の特定情報に関連付けられた状態でコントローラの大容量ハードディスクに記憶(格納)されている。コンベア駆動モータ81の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数で駆動モータ81を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、駆動モータ81の駆動を停止させる。コンベア駆動モータ81の軸が時計回り方向へ回転すると、その回転がタイミングベルトを介してプーリ83に伝達され、プーリ83が時計回り方向へ回転し、プーリ83の回転によってベルト82が幅方向の他方に向かって走行する。
【0100】
折割装置79は、幅方向へ離間する2台の第1折割装置79a及び第2折割装置79bから形成されている。第1及び第2折割装置79a,79bは、懸垂フレーム86に連結されている。懸垂フレーム86は、第2ガイドフレーム35の側部に連結されている。第1折割装置79aは、折割ツール87aと、第1エアシリンダー88a及び第2エアシリンダー89aと、第6サーボモータ90(Z軸サーボモータ)と、第7サーボモータ91(X軸サーボモータ)及びX軸第1アクチュエーター92aと、第8サーボモータ93(Y軸サーボモータ)及びY軸第1アクチュエーター94aと、第1アクチュエーターフレーム95aとを有する。
【0101】
第2折割装置79bは、折割ツール87bと、第3エアシリンダー88b及び第4エアシリンダー89bと、第9サーボモータ96(Z軸サーボモータ)と、第10サーボモータ97(X軸サーボモータ)及びX軸第2アクチュエーター92bと、第11サーボモータ98(Y軸サーボモータ)及びY軸第2アクチュエーター94bと、第2アクチュエーターフレーム95bとを有する。第1アクチュエーターフレーム95aと第2アクチュエーターフレーム95bとは、それらの前端部において一連に繋がっている。
【0102】
第1及び第2折割装置79a,79bの折割ツール87a,87bは、図18に示すように、折割カッターホイール99と、折割カッターホルダー100と、カッター昇降軸101と、押圧ローラー102と、ローラー昇降軸103とから形成されている。折割カッターホイール99は、ベアリング(図示せず)を介して折割カッターホルダー100に連結され、介在するベアリングの軸心に沿って自在に回転する。折割カッターホイール99は、ガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みに沿ってガラス板11a,11bの縁部eを切断(端切り)する。カッター昇降軸101は、折割カッターホルダー100の直上に位置してカッターホルダー100に連結され、カッターホルダー100を支持する。押圧ローラー102は、折割カッターホイール99の近傍であってカッターホイール99の幅方向外方に位置し、ガラス板1a,11bの縁部e(周縁部)を下方に押圧する。ローラー昇降軸103は、押圧ローラー102の直上に位置して押圧ローラー102に連結され、押圧ローラー102を支持する。
【0103】
第1エアシリンダー88aは、カッター昇降軸101の直上に設置され、カッター昇降軸101に連結されている。第1エアシリンダー88aは、その直上に位置して折割ツール87aを回転可能に支持する支持軸104に連結されている。支持軸104は、その直上に位置するブラケット105に取り付けられている。ブラケット105は、第1アクチュエーターフレーム95aに摺動可能に取り付けられている。
【0104】
第1エアシリンダー88aは、第1折割装置79aの折割カッターホイール99(折割カッターホルダー100)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にカッターホイール99をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール99に下方への押圧力を加える(付与する)。第1エアシリンダー88aの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第1エアシリンダー88a(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第1エアシリンダー88aの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダー88aを昇降させる。
【0105】
第2エアシリンダー89aは、第1折割装置79aのローラー昇降軸103の直上であって第1エアシリンダー88aの幅方向外方近傍に設置され、ローラー昇降軸103に連結されている。第2エアシリンダー89aは、第1折割装置79aの押圧ローラー102を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にローラー102をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてローラー102に下方への押圧力を加える(付与する)。第2エアシリンダー89aの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第2エアシリンダー89a(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第2エアシリンダー89aの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダー89aを昇降させる。
【0106】
第6サーボモータ90(Z軸サーボモータ)は、第1エアシリンダー88aの幅方向内方近傍に位置し、ブラケット105の下面に連結・固定されている。第6サーボモータ90は、その軸がタイミングベルト106を介して支持軸104に連結されている。第6サーボモータ90は、第1折割装置79aの折割ツール87a(折割カッターホイール99)の折割方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。第6サーボモータ90の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第6サーボモータ90の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第6サーボモータ90を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第6サーボモータ90の駆動を停止させる。
【0107】
第7サーボモータ91(X軸サーボモータ)は、第1アクチュエーターフレーム95aに設置され、その軸がX軸第1アクチュエーター92aに連結されている。X軸第1アクチュエーター92aは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第7サーボモータ91の軸が時計回り方向へ回転すると、X軸第1アクチュエーター92aのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを前後方向前方に向かって移動し、第7サーボモータ91の軸が反時計回り方向へ回転すると、X軸第1アクチュエーター92aのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを前後方向後方に向かって移動する。第7サーボモータ91の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第7サーボモータ91の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第7サーボモータ91を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第7サーボモータ91の駆動を停止させる。
【0108】
第8サーボモータ93(Y軸サーボモータ)は、Y軸第1アクチュエーターフレーム95aに設置され、その軸がY軸第1アクチュエーター94aに連結されている。Y軸第1アクチュエーター94aは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第8サーボモータ93の軸が時計回り方向へ回転すると、Y軸第1アクチュエーター94aのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを幅方向の一方へ向かって移動し、第8サーボモータ93の軸が反時計回り方向へ回転すると、Y軸第1アクチュエーター94aのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを幅方向の他方へ向かって移動する。第8サーボモータ93の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第8サーボモータ93の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第8サーボモータ93を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第8サーボモータ93の駆動を停止させる。
【0109】
第3エアシリンダー88bは、カッター昇降軸101の直上に設置され、カッター昇降軸101に連結されている。第3エアシリンダー88bは、その直上に位置して折割ツール87bを回転可能に支持する支持軸104に連結されている。支持軸104は、その直上に位置するブラケット105に取り付けられている。ブラケット105は、第2アクチュエーターフレーム95bに摺動可能に取り付けられている。
【0110】
第3エアシリンダー88bは、第2折割装置79bの折割カッターホイール99(折割カッターホルダー100)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にカッターホイール99をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール99に下方への押圧力を加える(付与する)。第3エアシリンダー88bの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第3エアシリンダー88b(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第3エアシリンダー88bの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダー88bを昇降させる。
【0111】
第4エアシリンダー89bは、第2折割装置79bのローラー昇降軸103の直上であって第3エアシリンダー88bの幅方向外方近傍に設置され、ローラー昇降軸103に連結されている。第4エアシリンダー89bは、第2折割装置79bの押圧ローラー102を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にローラー102をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてローラー102に下方への押圧力を加える(付与する)。第4エアシリンダー89bの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第4エアシリンダー89b(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第4エアシリンダー89bの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダー89bを昇降させる。
【0112】
第9サーボモータ96(Z軸サーボモータ)は、第3エアシリンダー88bの幅方向内方近傍に位置し、ブラケット105の下面に連結・固定されている。第9サーボモータ96は、その軸がタイミングベルト106を介して支持軸104に連結されている。第9サーボモータ96は、第2折割装置79bの折割ツール87b(折割カッターホイール99)の折割方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。第9サーボモータ96の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第9サーボモータ96の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第9サーボモータ96を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第9サーボモータ96の駆動を停止させる。
【0113】
第10サーボモータ97(X軸サーボモータ)は、第2アクチュエーターフレーム95bに設置され、その軸がX軸第2アクチュエーター92bに連結されている。X軸第2アクチュエーター92bは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第10サーボモータ97の軸が時計回り方向へ回転すると、X軸第2アクチュエーター92bのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを前後方向前方に向かって移動し、第10サーボモータ97の軸が反時計回り方向へ回転すると、X軸第2アクチュエーター92bのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを前後方向後方に向かって移動する。第10サーボモータ97の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第10サーボモータ97の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第10サーボモータ97を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第10サーボモータ97の駆動を停止させる。
【0114】
第11サーボモータ98(Y軸サーボモータ)は、第2アクチュエーターフレーム95bに設置され、その軸がY軸第2アクチュエーター94bに連結されている。Y軸第2アクチュエーター94bは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第11サーボモータ98の軸が時計回り方向へ回転すると、Y軸第2アクチュエーター94bのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを幅方向の一方に向かって移動し、第11サーボモータ98の軸が反時計回り方向へ回転すると、Y軸第2アクチュエーター94bのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを幅方向の他方に向かって移動する。第11サーボモータ98の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第11サーボモータ98の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第11サーボモータ98を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第11サーボモータ98の駆動を停止させる。
【0115】
図19は、研削加工エリア22に設置された一例として示す研削装置108の側面図であり、図20は、研削装置108の正面図である。図21は、研削装置108の上面図である。研削加工エリア22は、搬入エリア19において位置決めされ、切込加工エリア20において切込加工が行われるとともに折割加工エリア21において折割加工が行われたガラス板11a,11bを載置する研削加工テーブル107(研削加工台)と、研削加工テーブル107に載置されたガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)を研削する研削装置108とを備えている。
【0116】
研削加工テーブル107は、システム台25の床面に固定された幅方向へ長いベースレーン61bの上に設置されている(図7参照)。研削加工テーブル107は、ガラス板11a,11bを吸着保持する複数の吸着パッド124と、それら吸着パッド124を負圧にして吸着パッド124に吸着力を付与するバキューム機構(エアー吸引装置)(エアーバキュームポンプ)(図示せず)とを備えている。バキューム機構の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。
【0117】
研削加工テーブル107は、第2移動機構62bを利用し、位置決めされたガラス板11a,11bを載置した状態で幅方向へ移動する。第2移動機構62bは、走行ガイドレール63bと、送りネジ64b(ボールネジ)と、第12サーボモータ109と、ガイドシュー66bと、スライドブロック67b(ハウジングナット)とから形成されている。それら走行ガイドレール63bは、ベースレーン61bの上面に設置されて幅方向へ延びている。送りネジ64b(ボールネジ)は、ベースレーン61bの上面であって走行ガイドレール63bの側方に設置されて幅方向へ延びている。第12サーボモータ109は、ベースレーン61bに設置され、研削加工テーブル107を幅方向へ往復動させる。
【0118】
第12サーボモータ109の軸には、送りネジ64bの他方の端部が連結されている。第12サーボモータ109の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第12サーボモータ109の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第12サーボモータ109を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第12サーボモータ109の駆動を停止させる。
【0119】
送りネジ64bは、ベースレーン61bに固定された軸受け(図示せず)に回転可能に支持されている。ガイドシュー66bは、研削加工テーブル107の下面に取り付けられて幅方向へ延びている。ガイドシュー66bは、走行ガイドレール63bに摺動可能に嵌合している。スライドブロック67b(ハウジングナット)は、研削加工テーブル107の下面であってガイドシュー66bの間に取り付けられている。スライドブロック67bは、送りネジ64bに回転可能に螺着されている。
【0120】
第12サーボモータ109の軸が時計回り方向へ回転すると、送りネジ64bが時計回り方向へ回転し、送りネジ64bの時計回り方向への回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67bの移動によって研削加工テーブル107が研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって幅方向へ移動する。第12サーボモータ109の軸が反時計回り方向へ回転すると、送りネジ64bが反時計回り方向へ回転し、送りネジ64bの反時計回り方向への回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67bの移動によって研削加工テーブル107が研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって幅方向へ移動する。
【0121】
尚、第12サーボモータ109は、切込加工エリア20の第4サーボモータ65と同期して駆動し、切込加工テーブル59の切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aへの移動に同期して研削加工テーブル107が研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって移動し、又は、切込加工テーブル59の切込加工エリア20の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bへの移動に同期して研削加工テーブル107が研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって移動する。
【0122】
研削装置108は、研削ツール110と、第13サーボモータ111(研削Z軸サーボモータ)と、第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)と、第15サーボモータ113(切込サーボモータ)と、研削ホイール昇降ネジ114と、研削ホイール切込ネジ115とを備えている。研削ツール110は、研削ホイール116と、研削ホルダー117と、カバー118と、スピンドルモータ119とから形成されている。研削ホイール116は、所定の直径を有する円盤状に成形され、その外周面によってガラス板11a,1bの縁部e(周縁部)を研削する。
【0123】
研削ホルダー117は、研削ホイール116の直上に位置して研削ホイール116を回転可能に支持する。カバー118は、研削ホイール116の直下に位置して研削ホイール116全体を包被する。カバー118は、研削ホルダー117に着脱可能に取り付けられている。カバー118には、ガラス板11a,11bの縁部eを挿入するスリット120が形成されている。スピンドルモータ119は、研削ホイール116(研削ホルダー117)の直上に位置し、モータハウジング121に設置・収容されている。スピンドルモータ119は、その軸が研削ホイール116の中心に連結されている。
【0124】
スピンドルモータ119の軸の回転によって研削ホイール116が回転する。モータハウジング121は、ブラケット122を介して走行フレーム32に固定されている。スピンドルモータ119の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。スピンドルモータ119の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度でスピンドルモータ119を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、スピンドルモータ119の駆動を停止させる。
【0125】
第13サーボモータ111(研削Z軸サーボモータ)は、研削ツール110の後方近傍に位置し、ブラケット122を介して走行フレーム32に連結・固定されている。第13サーボモータ111は、その軸がモータハウジング121の支持軸に連結されている。第13サーボモータ111は、研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに平行に当接するように、研削ホイール116の軸方向の姿勢(軸まわりの角度)を微調整する。第13サーボモータ111の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第13サーボモータ111の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第13サーボモータ111を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第13サーボモータ111の駆動を停止させる。
【0126】
第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)は、モータハウジング121(スピンドルモータ119)の幅方向外方近傍に位置し、モータハウジング121に連結・固定されている。第14サーボモータ112は、その軸が研削ホイール昇降ネジ114に連結され、研削ホイール昇降ネジ114を回転させる。第14サーボモータ112は、ガラス板11a,11bの厚み寸法に応じて研削ホイール116(モータハウジング121)を上下動させ、研削ホイール116の高さがガラス板11a,11bの縁部eの高さに一致して研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに当接するように、研削ホイール116の高さを微調整する。第14サーボモータ112の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第14サーボモータ112の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第14サーボモータ112を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第14サーボモータ112の駆動を停止させる。
【0127】
尚、ガラス板11a,11bの加工を開始する初期設定において、研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離がコントローラに入力される。コントローラは、入力された距離に基づいて第14サーボモータ112の軸の回転数を算出し、算出した回転数を第14サーボモータ112の制御部に送信する。第14サーボモータ112の制御部は、コントローラから受信した回転数で第14サーボモー112タの軸を回転させる。第14サーボモータ112の軸が時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール昇降ネジ114が時計回り方向へ回転しつつネジ114が下降し、それによって研削ホイール116(モータハウジング120)が下降する。第14サーボモータ112の軸が反時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール昇降ネジ114が反時計回り方向へ回転しつつネジ114が上昇し、それによって研削ホイール116(モータハウジング120)が上昇する。加工するガラス板11a,11bの厚み寸法が同一である限り、研削ホイール116の高さの微調整を一度設定すれば、それ以降の調整は行われない。
【0128】
第15サーボモータ113(切込サーボモータ)は、第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)の直下であってモータハウジング120(スピンドルモータ119)の幅方向外方近傍に位置し、モータハウジング120に連結・固定されている。第15サーボモータ113は、その軸が研削ホイール切込ネジ115に連結され、研削ホイール切込ネジ115を回転させる。第15サーボモータ113は、ガラス板11a,11bの幅寸法(大きさ)に応じて研削ホイール116(モータハウジング120)を幅方向へ移動させ、研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに当接するように、研削ホイール116の前後方向の位置を微調整する。第15サーボモータ113の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第15サーボモータ113の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第15サーボモータ113を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第15サーボモータ113の駆動を停止させる。
【0129】
尚、ガラス板11a,11bの加工を開始する初期設定において、研削ホイール116の径(直径)がコントローラに入力される。コントローラは、入力された研削ホイール116の径(直径)に基づいて第15サーボモータ113の軸の回転数を算出し、算出した回転数を第15サーボモータ113の制御部に送信する。第15サーボモータ113の制御部は、コントローラから受信した回転数で第15サーボモータ113の軸を回転させる。第15サーボモータ113の軸が時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール切込ネジ115が時計回り方向へ回転しつつネジ115が前後方向後方へ移動し、それによって研削ホイール116(モータハウジング120)が前後方向後方へ移動する。第15サーボモータ113の軸が反時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール切込ネジ115が反時計回り方向へ回転しつつネジ115が前後方向前方へ移動し、それによって研削ホイール116(モータハウジング120)が前後方向前方へ移動する。研削ホイール116の径(直径)が同一である限り、研削ホイール116の前後方向の位置の微調整を一度設定すれば、それ以降の調整は行われない。
【0130】
搬出エリア23には、搬出コンベア113が設置されている。搬出エリア23は、システム台25の床面から上方へ延びる脚部によって支持されている。搬出コンベア23は、前後方向(X方向)へ延びる複数の無限軌道であり、幅方向(Y方向)へ所定間隔離間して並んでいる。それら搬出コンベア23の発停や搬送距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。それら搬出コンベア23は、ガラス板11a,11bを搬出エリア23の後端部(搬入口)から前端部(搬出口)に向かって前後方向後方から前方へ搬送する。
【0131】
以下、ガラス板11a,11bの加工(切込加工、折割加工、研削加工)の一例を説明する。尚、ガラス板第1ホルダー40aのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節され、ガラス板第2ホルダー40bのパッド設置プレート42におけるそれら内側吸着パッド41aの設置位置が調節され、ガラス板第3ホルダー40cのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節されているとともに、ガラス板第4ホルダー40dのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節されている。又、パッド設置プレート42の軸線に対する第1~第4アーム43a~43dの旋回角度が調節され、第1~第4アーム43a~43dに対する外側吸着パッド41bの設置位置が調節されている。加工開始時では、ガラス板第1ホルダー40aが搬入エリア19の上方に待機し、ガラス板第2ホルダー40bが切込加工エリア20の上方に待機しているとともに、ガラス板第3ホルダー40cが折割加工エリア21の上方に待機し、ガラス板第4ホルダー40dが研削加工エリア22の上方に待機している。
【0132】
コントローラに接続されたモニターやディスプレイ、タッチパネル(出力装置)には、各種複数のガラス板画像が出力(表示)される。出力装置に出力(表示)された各種複数のガラス板画像から加工対象の特定のガラス板11a,11bをクリック(タップ)(選択)する。特定のガラス板11a,11bを選択すると、コントローラは、そのガラス板11a,11bに施す加工に対するNC制御プログラムを選択する。コントローラは、研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離の入力エリア、ガラス板11a,11bの前後方向の寸法入力エリア、研削ホイール116の径(直径)入力エリアを出力装置に出力(表示)する。
【0133】
研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離の入力エリアに距離を入力し、研削ホイール116の径(直径)入力エリアに径を入力した後、出力装置に出力(表示)された入力ボタンをクリック(タップ)する。距離、径が入力されると、コントローラは、第14サーボモータ112を駆動して研削ホイール116(モータハウジング120)を上下動させ、研削ホイール116の高さを微調整するとともに、第15サーボモータ113を駆動して研削ホイール116(モータハウジング120)を幅方向へ移動させ、研削ホイール116の前後方向の位置を微調整する。それら微調整が終了した後、コントローラは、加工開始ボタンを出力装置に出力(表示)する。加工開始ボタンをクリック(タップ)すると、ガラス板11a,11bの加工が開始される。
【0134】
選択された加工対象(加工前)のガラス板11a,11bが搬入エリア19に搬入される。尚、搬入エリア19では、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが実施される。加工対象のガラス板11a,11bは、自動供給装置(図示せず)によって搬入エリア19の搬入コンベア48に自動的に供給される。自動供給装置には上面12及び下面13の面積が同一(大きさが同一)の加工対象の複数枚のガラス板11a,11bが上下方向へ積重ねられ、ガラス板11a,11bが1枚毎に自動供給装置から搬入コンベア48へ供給される。
【0135】
搬入エリア19におけるガラス板11a,11bの位置決め手順の一例は、以下のとおりである。コントローラは、搬入コンベア48の制御部に搬送信号(ON信号)を送信し、前進信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させる。搬入エリア19に搬入されたガラス板11a,11bは、その下面13が搬入コンベア48に当接した状態で搬入コンベア48の上に載置される。ガラス板11a,11bは、その一方の側縁14(側縁14が湾曲する(カーブを描く)場合を含む)が搬入エリア19の一方の側縁部53aに並行し、その他方の側縁15が搬入エリア19の他方の側縁部53bに並行する。
【0136】
搬入コンベア48の上に載置されたガラス板11a,11bは、搬入コンベア48によって搬入エリア19の後方から前方へ向かって前後方向前方へ次第に移動する。ガラス板11a,11bが搬入エリア19の後方から前方へ向かって移動し、ガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接すると、ストッパー49に設置された接触センサーがガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、接触信号をコントローラに送信する。
【0137】
接触信号を受信したコントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を搬入コンベア48の制御部に送信するとともに、搬入コンベア48の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。
【0138】
第2移動寸法及び後退信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させ、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させる。搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させると、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)が搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置する(第2位置決め手段)。
【0139】
ガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させた後、コントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、それらエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部は、それらエアシリンダーを上昇させる。エアシリンダーの上昇によってそれらローラー50が上昇し、ローラー50の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、上昇したそれらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態でそれらローラー50がガラス板11a,11bを搬入コンベア48の上方へ持ち上げる。
【0140】
エアシリンダー(第1昇降機構51)の上昇が完了した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための移動機構(第3移動機構52)の幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)から算出した第3サーボモータ56の回転数を第3サーボモータ56の制御部に送信するとともに、第3サーボモータ56の制御部に正回転信号(ON信号)を送信する。第3サーボモータ56の回転数及び正回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ時計回り方向へ回転させる。
【0141】
第3サーボモータ56の軸の時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58がその移動開始点から幅方向の一方へ次第に移動する。幅方向の一方へ移動する当接部材58がガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、当接部材58がガラス板11a,11bを幅方向の他方から一方へ移動させるようにガラス板11a,11bの他方の側部15を幅方向へ押圧する。当接部材58に押圧されたガラス板11a,11bがローラ50上を幅方向の他方から一方へ向かって幅方向へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置する(第1位置決め手段)。
【0142】
当接部材58の幅方向の一方への移動が終了し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置すると、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。第3サーボモータ56の駆動が停止した後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に逆回転信号(ON信号)を送信する。逆回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ反時計回り方向へ回転させる。
【0143】
第3サーボモータ56の軸の反時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58が幅方向の他方へ次第に移動し、当接部材58が移動開始点に戻る。当接部材58が移動開始点に戻った後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、エアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に下降信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させ、下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部は、それらエアシリンダーを下降させる。それらエアシリンダーが下降すると、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされたガラス板11a,11bの下面13が搬送コンベア48に当接する。
【0144】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bが搬入エリア19をその後方から前方へ移動してガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接した後、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2に位置させ、第2位置決め手段によってガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を位置決め第2基準L2に位置させた後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを上昇させ、上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁14を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板11a,11bのガラス板の幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置させるから、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの中心線L2)の位置に、後に加工する上下面12,13の面積が異なるガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの中心線L2)を正確に位置(一致)させることができ、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁の位置に、後に加工する上面12及び下面12の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁を正確に位置(一致)させることができる。
【0145】
搬入エリア19におけるガラス板11a,11bの位置決め手順の他の一例は、以下のとおりである。コントローラは、搬入コンベア48の制御部に前進信号(ON信号)を送信し、前進信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させる。搬入エリア19に搬入されたガラス板11a,11bは、その下面13が搬入コンベア48に当接した状態で搬入コンベア48の上に載置される。搬入コンベア48の上に載置されたガラス板11a,11bは、搬入コンベア48によって搬入エリア19の後方(スタート位置)から前方へ向かって前後方向前方へ次第に移動する。ガラス板11a,11bが搬入エリア19の後方から前方へ向かって移動し、ガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接すると、ストッパー49に設置された接触センサーがガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、接触信号をコントローラに送信する。
【0146】
接触信号を受信したコントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、それらエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、それらエアシリンダーを上昇させる。エアシリンダーの上昇によってそれらローラー50が上昇し、ローラー50の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、上昇したそれらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態でそれらローラー50がガラス板11a,11bを搬入コンベア48の上方へ持ち上げる。
【0147】
エアシリンダーの上昇が完了した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための移動機構(第3移動機構52)の幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)から算出した第3サーボモータ56の回転数を第3サーボモータ56の制御部に送信するとともに、第3サーボモータ56の制御部に正回転信号(ON信号)を送信する。回転数及び正回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ時計回り方向へ回転させる。
【0148】
第3サーボモータ56の軸の時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58がその移動開始点から幅方向の一方(搬入エリア19の側部53a)へ次第に移動する。幅方向の一方へ移動する当接部材58がガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、当接部材58がガラス板11a,11bを幅方向の他方から一方へ移動させるようにガラス板11a,11bの他方の側縁15を幅方向へ押圧する。当接部材58に押圧されたガラス板11a,11bがローラ59上を幅方向の他方から一方へ向かって幅方向へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置する(第1位置決め手段)。
【0149】
当接部材58の幅方向の一方への移動が終了し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14が搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置すると、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。第3サーボモータ56の駆動が停止した後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に逆回転信号(ON信号)を送信する。逆回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ反時計回り方向へ回転させる。
【0150】
第3サーボモータ56の軸の反時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58が幅方向の他方(搬入エリア19の側部53b)へ次第に移動し、当接部材58が移動開始点に戻る。当接部材58が移動開始点に戻った後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、エアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に下降信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させ、下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、それらエアシリンダーを下降させる。それらエアシリンダーが下降すると、ガラス板11a,11bの下面13が搬送コンベア48に当接する。
【0151】
ガラス板11a,11bの下面13が搬送コンベア48に当接した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1を搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を搬入コンベア48の制御部に送信するとともに、搬入コンベア48の制御部に搬送信号(ON信号)を送信する。
【0152】
第2移動寸法及び搬送信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させ、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させる。搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させると、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O2(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)が搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置する(第2位置決め手段)。ガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させた後、コントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。ガラス板11a,11bは、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされる。
【0153】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bが搬入エリア19をその後方から前方へ移動してガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接した後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを上昇させ、上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁14を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置させ、第1位置決め手段によってガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準L1に位置させた後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを下降させ、搬入コンベアによってガラス板が搬入エリアをその後方から前方へ移動してガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2に位置させるから、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁を正確に位置(一致)させることができ、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの中心線L2)の位置に、後に加工する上下面12,13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの中心線L2)を正確に(位置)一致させることができる。
【0154】
図22は、搬入エリア19において位置決めされたガラス板11a,11bの上面図である。ガラス板加工システム10では、上下面12,13の面積が大きい大サイズのガラス板11aと、大サイズのガラス板11aよりも上下面12,13の面積が小さい小サイズのガラス板11bとを第1一致手段及び第2一致手段によって位置決めした場合、図22に示すように、大サイズのガラス板11aの前後方向へ延びる一方の側縁14と小サイズのガラス板11bの前後方向へ延びる一方の側縁14とが搬入エリア19の位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置し、大サイズのガラス板11aの前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1と小サイズのガラス板11bの前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1とが搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置している。
【0155】
図22に示すように、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされた大サイズのガラス板11aと小サイズのガラス板11bとは、それらガラス板11a,11bの一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11a,11bでは、一方の側縁14)が位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)において一致し、それらガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)が位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)において一致している。
【0156】
第1位置決め手段及び第2位置決め手段によってガラス板11a,11bの位置決めが完了した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に下降信号(ON信号)を送信する。下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させる。ガラス板第1ホルダー40aの吸着パッド41がガラス板11a,11bの上面12に当接した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのバキューム機構の制御部に吸引信号(ON信号)を送信する。吸引信号(ON信号)を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構を起動させる。
【0157】
バキューム機構を起動によって、搬入エリア19に位置するガラス板11a,11bが吸着パッド41に吸引される。バキューム機構を起動した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41を上昇させる。搬入エリア19における第1一致手段及び第2一致手段によって位置決めされたガラス板11a,11bは、吸着パッド41に吸着された状態で吸着パッド41とともに上昇する。
【0158】
吸着パッド41(ガラス板11a,11b)が上昇した後、コントローラは、第2サーボモータ39の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。前進信号(ON信号)を受信した第2サーボモータ39の制御部は、第2サーボモータ39を駆動させる。第2サーボモータ39の軸の回転によってスライドブロックが第2ガイドフレームの後方から前方へ向かって前後方向へ移動し、それによってガラス板第1ホルダー40a(吸着パッド41に吸着されたガラス板11a,11b)が搬入エリア19から切込加工エリア20に移動する。尚、スライドブロックの移動により、ガラス板第1ホルダー40aとともにガラス板第2~第4ホルダー40b~40dが前後方向前方へ移動する。
【0159】
ガラス板第1ホルダー40aが切込加工エリア20に移動した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に下降信号(ON信号)を送信する。下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41(ガラス板11a,11b)を切込加工エリア20の切込加工テーブル59の上に下降させる。ガラス板第1ホルダー40aの吸着パッド41に吸着されたガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に当接した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのバキューム機構の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構の起動を停止させる。バキューム機構が停止することで、ガラス板11a,11bに対する吸着パッド41の吸着が解除され、位置決めされたガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に載置される。
【0160】
次に、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に上昇信号(ON信号)を送信し、上昇信号によってガラス板第1ホルダー40a(エアシリンダー)が切込加工テーブル59の上方へ上昇する。ガラス板第1ホルダー40aが上昇した後、コントローラから第2サーボモータ39の制御部に後退信号(ON信号)が送信され、第2サーボモータ39の軸の回転によってガラス板第1ホルダー40aが切込加工エリア20から搬入エリア19に移動し、ガラス板第1ホルダー40aが搬入エリア19の上方で待機する。尚、ガラス板第1ホルダー40aとともにガラス板第2~第4ホルダー40b~40dも前後方向後方へ移動し、ガラス板第2ホルダー40bが切込加工エリア20の上方で待機し、ガラス板第3ホルダー40cが折割加工エリア21の上方で待機するとともに、ガラス板第4ホルダー40dが研削加工エリア22の上方で待機する。
【0161】
切込加工後のガラス板11a,11bのガラス板第2ホルダー40bによる切込加工エリア20から折割加工エリア21への搬送手順、折割加工後のガラス板11a,11bのガラス板第3ホルダー40cによる折割加工エリア21から研削加工エリア21への搬送手順、研削加工後のガラス板11a,11bのガラス板第4ホルダー40dによる研削加工エリア22から搬出エリア23への搬送手順は、ガラス板第1ホルダー40aによるガラス板11a,11bの搬入エリア19から切込加工エリア20へのそれと同一であるから、ガラス板第2~第4ホルダー40b~40dによる搬送手順の説明は省略する。
【0162】
ガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に載置された後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。第1サーボモータ34の軸の回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、それによって第1走行フレーム32とともに切込装置60が切込加工エリア20において前後方向後方へ移動し、切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18a(前側縁16)の幅方向外方(切込加工開始位置)に位置する。
【0163】
切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18aの幅方向外方に位置した後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。第4サーボモータ65の軸の回転によってスライドブロック67aが切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動し、それによって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動し、切込装置60の切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置する。
【0164】
切込装置60の切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置した後、コントローラは、第4サーボモータ65の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、切込装置60のエアシリンダー69及び第5サーボモータ70の制御部に駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を停止させる。駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を受信した切込装置のエアシリンダー69の制御部及び第5サーボモータ70の制御部は、エアシリンダー69及び第5サーボモータ70を駆動し、ガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)に対してNC制御による輪郭制御運動を実施し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)を切込加工する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて切込装置60を切込加工エリア20において前後方向後方へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第1角部18aから第2角部18bに向かって次第に移動する。
【0165】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第2角部18bに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。それによって切込装置60の前後方向後方への移動が停止するとともに、切込加工テーブル59が切込加工エリア20の一方の側縁部53aの側から他方の側縁部53bの側に向かって幅方向へ移動する。切込加工テーブル59の幅方向への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの後端縁17近傍(後端縁部)を切込加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第4サーボモータ65を駆動させて切込加工テーブル59を切込加工エリア20において幅方向へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第2角部18bから第3角部18cに向かって次第に移動する。
【0166】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの後端縁17近傍(後端縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第3角部18cに位置すると、コントローラは、第4サーボモータ65の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65の駆動を停止させ、前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。それによって切込加工テーブル59の幅方向への移動が停止し、切込装置60が前後方向前方へ移動する。切込装置60の前方への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)を切込加工する。前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて切込装置60を切込加工エリア20において前後方向前方へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。
【0167】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第4角部18dに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。それによって切込装置60の前後方向前方への移動が停止するとともに、切込加工テーブル59が切込加工エリア19の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動する。切込加工テーブル59の幅方向への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)を切込加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第4サーボモータ65を駆動させて切込加工テーブル59を切込加工エリア20において幅方向へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第4角部18dから第1角部18aに向かって次第に移動する。切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)の切込加工が終了すると、切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18a(前端縁16)の幅方向外方(切込加工開始位置)に移動し、待機する。
【0168】
切込加工エリア19では、例えば、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))に、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置(一致)させ、上面12及び下面の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する面積が異なるガラス板11bの切込加工を行う場合、大サイズのガラス板11aの側縁14に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置60が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなる。小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離が短くなるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの切込装置60の移動距離が短くなり、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)が短縮するとともに、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮する。
【0169】
ガラス板11a,11bの周縁部に対して切込加工が終了した後、ガラス板第2ホルダー40bによって切込加工後のガラス板11a,11bが切込加工エリア19から折割加工エリア20へ搬送される。切込加工後のガラス板11a,11bが折割加工テーブル78に載置された後、コントローラは、第1折割装置79a及び第2折割装置79bの第1~第4エアシリンダー88a,88b,89a,89b、第1折割装置79a及び第2折割装置79bの第6~第11サーボモータ90,91,93,96,97,98の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。駆動信号(ON信号)を受信したそれらエアシリンダー88a,88b,89a,89bやそれらサーボモータ90,91,93,96,97,98の制御部は、エアシリンダー88a,88b,89a,89b及びサーボモータ90,91,93,96,97,98を駆動する。
【0170】
エアシリンダー88a,89a及びサーボモータ90,91,93が駆動した第1折割装置79aは、その押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第1アクチュエーター92a及びY軸第1アクチュエーター94aによって前後方向及び幅方向へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第1角部18aにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第1角部18aにおける切込の近傍に位置する。エアシリンダー88b,89b及びサーボモータ96,97,98が駆動した第2折割装置79bは、その押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第2アクチュエーター92b及びY軸第2アクチュエーター94bによって前後方向及び幅方向へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第4角部18dにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第4角部18dにおける切込の近傍に位置する。
【0171】
第1折割装置79aの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第1角部18aを切断しつつ、第1折割装置79aの押圧ローラー102が第1角部18aを下方へ押圧するとともに、第2折割装置79bの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第4角部18dを切断しつつ、第2折割装置79bの押圧ローラー102が第4角部18dを下方へ押圧することで、ガラス板11a,11bのうちの切込の外側に延びる周縁部がガラス板11a,11bから切り離される。切り離されたガラス板11a,11bの周縁部は、ベルトコンベア80の上に残存する。
【0172】
次に、第1折割装置79aの押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第1アクチュエーター92a及びY軸第1アクチュエーター94aによって前後方向後方へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第2角部18bにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第2角部18bにおける切込の近傍に位置する。第2折割装置79bの押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第2アクチュエーター92b及びY軸第2アクチュエーター94bによって前後方向後方へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第3角部18cにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第3角部18cにおける切込の近傍に位置する。
【0173】
第1折割装置79aの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第2角部18bを切断しつつ、第1折割装置79aの押圧ローラー102が第2角部18bを下方へ押圧するとともに、第2折割装置79bの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第3角部18cを切断しつつ、第2折割装置79bの押圧ローラー102が第3角部18cを下方へ押圧することで、ガラス板11a,11bのうちの切込の外側に延びる周縁部がガラス板11a,11bから切り離される。切り離されたガラス板11a,11bの周縁部は、ベルトコンベア80の上に残存する。
【0174】
折割加工が終了し、折割加工後のガラス板11a,11bがガラス板第3ホルダー40cによって上方へ持ち上げられた後、コントローラは、コンベア駆動モータ81の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。駆動信号(ON信号)を受信したコンベア駆動モータ81の制御部は、ベルトコンベア80を駆動させる。ベルトコンベア80は、幅方向の一方から他方へ向かって移動する。ベルトコンベア80の幅方向の移動によってベルトコンベア80に残存するガラス板11a,11bの周縁部が幅方向の一方から他方へ向かって次第に移動し、ガラス板11a,11bの周縁部がベルトコンベア80から落下してダストボックス(図示せず)に収容される。
【0175】
ガラス板11a,11bに対して折割加工が終了した後、ガラス板第3ホルダー40cによって折割加工後のガラス板11a,11bが折割加工エリア21から研削加工エリア22へ搬送され、ガラス板11a,11bが研削加工テーブル107に載置される。ガラス板11a,11bが研削加工テーブル107に載置された後、コントローラは、研削加工テーブル107のバキューム機構の制御部に駆動信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。駆動信号を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構を駆動させる。バキューム機構の駆動によってガラス板11a,11bが吸着パッド124(研削加工テーブル107)に吸着保持される。
【0176】
後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。第1サーボモータ34の軸の回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、それによって第1走行フレーム32とともに研削装置108が研削加工エリア22において前後方向後方へ移動し、研削装置108がガラス板11a,11bの第1角部18a(前側縁16)の幅方向外方(研削加工開始位置)に位置する。尚、研削装置108は、切込装置60と同期してガラス板11a,11bの周縁部(側縁14,15、前後端縁16,17)を移動する。
【0177】
研削装置108がガラス板11a,11bの第1角部18aの幅方向外方に位置した後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ102の制御部は、第12サーボモータ102を駆動させる。第12サーボモータ102の軸の回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア23の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動し、それによって研削加工テーブル107が研削加工エリア23の他方の側縁53b部の側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動し、研削装置108の研削ホイール116がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置する。ガラス板11a,11bの第1角部18aは、研削ツール110のカバー118のスリット120に進入する。
【0178】
研削装置108の研削ホイール116がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置した後、コントローラは、第12サーボモータ109の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、研削装置108の第13~第15サーボモータ111~113の制御部及びスピンドルモータ119の制御部に駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を停止させる。
【0179】
駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を受信した研削装置108の第13~第15サーボモータ111~113の制御部は、第13~第15サーボモータ111~113を駆動し、ガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)に対してNC制御による輪郭制御運動を実施し、研削ホイール116がガラス板一方の一方の側縁近傍14を研削加工する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて研削装置108を研削加工エリア23において前後方向後方へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第1角部18aから第2角部18bに向かって次第に移動する。
【0180】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの一方の側縁近傍(一方の側縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第2角部18bに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を駆動させる。それによって研削装置108の前後方向後方への移動が停止するとともに、研削加工テーブル107が研削加工エリア23の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動する。研削加工テーブル107の幅方向への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの後端縁近傍(後端縁部)を研削加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第12サーボモータ109を駆動させて研削加工テーブル107を研削加工エリア23において幅方向へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第2角部18bから第3角部18cに向かって次第に移動する。
【0181】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの後端縁近傍(後端縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第3角部18cに位置すると、コントローラは、第12サーボモータ109の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第12サーボモータ108の制御部は、第12サーボモータ109の駆動を停止させ、前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。それによって研削加工テーブル107の幅方向への移動が停止し、研削装置108が後方向前方へ移動する。研削装置108の後方向前方への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)を研削加工する。前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて研削装置108を研削加工エリア23において前後方向前方へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。
【0182】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(側縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第4角部18dに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を駆動させる。それによって研削装置108の前後方向前方への移動が停止するとともに、研削加工テーブル107が研削加工エリア23の一方の側縁部53aの側から他方の側縁部53bの側に向かって幅方向へ移動する。研削加工テーブル107の幅方向への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)を研削加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第12サーボモータ109を駆動させて研削加工テーブル107を研削加工エリア23において幅方向へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)の研削加工が終了すると、研削装置108がガラス板11a,11bの第1角部18a(前端縁16)の幅方向外方(研削加工開始位置)に移動し、待機する。
【0183】
研削加工エリア23では、例えば、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))に、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する面積が異なるガラス板11bの研削加工を行う場合、大サイズのガラス板11aの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置108が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなる。小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの研削装置108の移動距離が短くなるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの研削装置108の移動距離が短くなり、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)が短縮するとともに、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮する。
【0184】
ガラス板11a,11bに対して研削加工が終了した後、ガラス板第4ホルダー40dによって研削加工後のガラス板11a,11bが研削加工エリア22から搬出エリア23へ搬送される。搬出エリア23では、切込加工、折割加工、研削加工が終了したガラス板11a,11bが搬出コンベア123によって搬出エリア23の後端部から前端部に向かって前方へ移動し、各加工が終了したガラス板11a,11bが搬出エリア23から搬出される。
【0185】
尚、各加工が終了したガラス板11a,11bが搬出エリア23の搬出コンベア123に位置すると、研削加工が終了したガラス板11a,11bが研削加工エリア22の研削加工テーブル110に位置し、折割加工が終了したガラス板11a,11bが折割加工エリア21の折割加工テーブル78に位置するとともに、切込加工が終了したガラス板11a,11bが切込加工エリア20の切込加工テーブル59に位置し、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めが行われた加工前のガラス板11a,11bが搬入エリア19の搬入コンベア48に位置する。このように、ガラス板加工システム10では、複数のガラス板が搬入エリア19から搬出エリア23に向かって順に搬送され、複数のガラス板11a,11bの加工が連続して行われる。
【0186】
ガラス板加工システム10は、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))と、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準(仮想位置決め第2基準線))と、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する小サイズのガラス板11b(面積が異なるガラス板11b)の切込加工が行われるから、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置60が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなり、従来技術のガラス板加工システムと比較し、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離を短くすることができるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの切込装置60の移動距離を短くすることができ、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。
【0187】
ガラス板加工システム10は、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))と、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))と、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する小サイズのガラス板11b(面積が異なるガラス板11b)の研削加工が行われるから、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの最外側縁(側縁14)4に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)と上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置108が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)とが等しくなり、従来技術のガラス板加工システムと比較し、小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離を短くすることができるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの研削装置108の移動距離を短くすることができ、研削装置108が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システム10は、小サイズのガラス板11bに対する切込加工及び研削加工を迅速に行うことができ、切込加工及び研削加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0188】
ガラス板加工システム10は、エアーシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともに上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁15を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させてガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるから、先に加工する上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を正確に位置(一致)させることができ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベア48やストッパー49、ローラー50、第1昇降機構51、第3移動機構52を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0189】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの幅方向の寸法の相違に応じてガラス板11a,11bの一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置決め第1基準L1に位置させるための幅方向へのガラス板11a,11bの第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいて第3サーボモータ56の軸の回転数を決定するから、第3移動機構52によってガラス板11a,11bを第1移動寸法だけ幅方向へ正確に移動させることができ、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に正確に位置させることができる。
【0190】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させてガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるから、先に加工する上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を正確に一致させることができ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベア48を利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0191】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの前後方向の寸法の相違に応じてガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を第2位置決め基準L2に位置させるための前後方向後方への搬入コンベア48の第2移動寸法を決定され、決定された第2移動寸法に基づいて搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第1基準線)に正確に位置させることができる。
【符号の説明】
【0192】
10 ガラス板加工システム
11a 大サイズのガラス板
11b 小サイズのガラス板
12 上面
13 下面
14 一方の側縁
15 他方の側縁
16 前端縁
17 後端縁
18a~18d 第1~第4角部
19 搬入エリア
20 切込加工エリア
21 折割加工エリア
22 研削加工エリア
23 搬出エリア
24 搬送機構
25 システム台
26a,26b 第1及び第2ピラー
27 固定フレーム
28 第1移動手段
29 第2移動手段
30 第1ガイドフレーム
31 第1ガイドレール
32 第1走行フレーム
33 第1ガイドシュー
34 第1サーボモータ
35 第2ガイドフレーム
36 第2ガイドレール
37 第2走行フレーム
38 ガイドシュー
39 第2サーボモータ
40a~40d ガラス板第1~第4ホルダー
41 吸着パッド
41a 内側吸着パッド
41b 外側吸着パッド
42 パッド設置プレート
43a,43b 第1及び第2アーム
44 スリット
45 ハンドルネジ
46 取付プレート
47 スリット
48 搬入コンベア
49 ストッパー
50 ローラー
50a ローラー
51 昇降機構(第1昇降機構)
52 移動機構(第3移動機構)
53a 一方の側縁部
53b 他方の側縁部
54 軸
55 ロッド
56 第3サーボモータ
57 移動アーム
58 当接部材
59 切込加工テーブル
60 切込装置
61a,61b ベースレーン
62 第1移動機構
63a,63b 走行ガイドレール
64a,64b 送りネジ
65 第4サーボモータ
66a,66b ガイドシュー
67a,67b スライドブロック(ハウジングナット)
68 切込ツール
69 エアシリンダー
70 第5サーボモータ
71 切込カッターホイール
72 切込カッターホルダー
73 カッター昇降軸
74 カッター昇降ガイド
75 支持軸
76 ブラケット
77 タイミングベルト
78 折割加工テーブル
79 折割装置
80 ベルトコンベア
81 コンベア駆動モータ
82 ベルト
83 プーリ
84 キャリアローラ
85 コンベアフレーム
86 懸垂フレーム
87a,87b 折割ツール
88a 第1エアシリンダー
88b 第3エアシリンダー
89a 第2エアシリンダー
89b 第4エアシリンダー
90 第6サーボモータ(Z軸サーボモータ)
91 第7サーボモータ(X軸サーボモータ)
92a X軸第1アクチュエーター
92b X軸第2アクチュエーター
93 第8サーボモータ(Y軸サーボモータ)
94a Y軸第1アクチュエーター
94b Y軸第2アクチュエーター
95a 第1アクチュエーターフレーム
95b 第2アクチュエーターフレーム
96 第9サーボモータ(Z軸サーボモータ)
97 第10サーボモータ(X軸サーボモータ)
98 第11サーボモータ(Y軸サーボモータ)
99 折割カッターホイール
100 折割カッターホルダー
101 カッター昇降軸
102 押圧ローラー
103 ローラー昇降軸
104 支持軸
105 ブラケット
106 タイミングベルト
107 研削加工テーブル
108 研削装置
109 第12サーボモータ
110 研削ツール
111 第13サーボモータ(研削Z軸サーボモータ)
112 第14サーボモータ(昇降サーボモータ)
113 第15サーボモータ(切込サーボモータ)
114 研削ホイール昇降ネジ
115 研削ホイール切込ネジ
116 研削ホイール
117 研削ホルダー
118 カバー
119 スピンドルモータ
120 スリット
121 モータハウジング
122 ブラケット
123 搬出コンベア
124 吸着パッド
e 縁部(周縁部)
L1 位置決め第1基準(仮想位置決め第1基準線)
L2 位置決め第2基準(仮想位置決め第2基準線)(中心線)
O1 側縁の前後方向中心
O2 側縁の前後方向中心


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓用ガラス板、液晶用ガラス板等のガラス板を加工するガラス板加工システムに関し、更に詳細には、ガラス板を切込加工エリア、折割加工エリア、研削加工エリアに順に送り、ガラス板に切込加工、折割加工、研削加工を施すガラス板加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板を搬入する搬入コンベアと、搬入コンベアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアと、研削加工エリアの前方に位置する搬出コンベアと、ガラス板を搬入コンベアから各加工エリアに搬送する搬送機構と形成されたガラス板加工システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
このガラス板加工システムの切込加工エリアは、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能な切込装置とを有する。切込加工エリアでは、切込装置が切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部の幅方向外方へ向かって前後方向後方へ移動した後、第1移動機構によって切込加工テーブルが切込装置に向かって幅方向へ移動し、切込装置を利用して切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる。折割加工エリアは、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能な折割装置とを有する。折割加工エリアでは、折割装置が折割加工テーブルに向かって前後方向後方へ移動した後、折割装置を利用して折割加工テーブルに載置されたガラス板の切込みが入れられた縁部を折割する。
【0004】
研削加工エリアは、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能な研削装置とを有する。研削加工エリアでは、研削装置が研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部の幅方向外方へ向かって前後方向後方へ移動した後、第2移動機構によって研削加工テーブルが研削装置に向かって幅方向へ移動し、研削装置を利用して研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する。尚、切込加工及び研削加工は同期して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-040877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のガラス板加工システムでは、例えば、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aに対して切込加工、折割加工、研削加工が行われた後、大サイズのガラス板11aよりも上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの加工を行う場合、従来の位置決め基準によって位置決めされたガラス板11a,11bの上面図である図23に示すように、搬入コンベアにおいて大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めし、小サイズのガラス板11bに対して切込加工、折割加工、研削加工が行われる。
【0007】
図23から分かるように、大サイズのガラス板11aに対して切込加工や折割加工、研削加工を行った後、大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めをし、小サイズのガラス板11bに対して切込加工を行う場合、切込装置が切込加工テーブルに載置されたガラス板11a,11bの一方の側縁14の幅方向外方へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向外方に位置した切込装置に向かって切込加工テーブルが幅方向へ移動することで切込加工が行われるが、切込装置が大サイズのガラス板11aの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)に比較し、切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなるとともに、切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなる。従って、切込装置が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間及び切込装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの戻り時間が長くなり、小サイズのガラス板11bに対する切込加工を迅速に行うことができない。
【0008】
又、大サイズのガラス板11aに対して切込加工や折割加工、研削加工を行った後、大サイズのガラス板11aの中心点O2に小サイズのガラス板11bの中心点O2を一致させて小サイズのガラス板11bの位置決めをし、小サイズのガラス板11bに対して研削加工を行う場合、研削装置が研削加工テーブルに載置されたガラス板11a,11bの側縁14の幅方向外方へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向外方に位置した研削装置に向かって研削加工テーブルが幅方向へ移動することで研削加工が行われるが、研削装置が大サイズのガラス板11aの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)に比較し、研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14に到達するまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなるとともに、研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)がL3だけ長くなる。従って、研削装置が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間及び研削装置が小サイズのガラス板11bの一方の側縁14からガラス板11bの幅方向外方に戻るまでの戻り時間が長くなり、小サイズのガラス板11bに対する研削加工を迅速に行うことができない。
【0009】
本発明の目的は、上面及び下面の面積が小さい小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの加工装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの加工装置の移動距離を短くすることができ、加工装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。本発明の他の目的は、上面及び下面の面積が小さい小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの切込装置の移動距離を短くすることができ、切込装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、切込加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。本発明の他の目的は、上面及び下面の面積が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの研削装置の移動距離を短くすることができ、研削装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や小サイズのガラス板の側縁からそのガラス板の幅方向外方に戻るまでの戻り時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、研削加工のサイクルタイムを短縮することができるガラス板加工システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の前提は、加工対象のガラス板を搬入する搬入エリアと、搬入エリアの前方に位置してガラス板を加工する加工エリアと、加工エリアの前方に位置して加工後のガラス板を搬出する搬出エリアと、ガラス板を前後方向後方から前方へ向かってそれらエリアに順に搬送する搬送機構とを有するガラス板加工システムである。
【0011】
前記前提における本発明の特徴は、ガラス板加工システムが、上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させる第1位置決め手段を有し、ガラス板加工システムでは、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われることにある。
【0012】
本発明の一例としては、ガラス板加工システムが、上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させる第2位置決め手段を含み、ガラス板加工システムでは、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われる。
【0013】
本発明の他の一例としては、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが、搬入エリアにおいて実施される。
【0014】
本発明の他の一例としては、加工エリアが、搬入エリアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアとから形成され、切込加工エリアが、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる切込装置とを備え、折割加工エリアが、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって折割加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を折割する折割装置とを備え、研削加工エリアが、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する研削装置とを備え、ガラス板加工システムでは、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工と折割加工と研削加工とが行われる。
【0015】
本発明の他の一例としては、搬入エリアが、ガラス板を搬入エリアの前後方向後方から前方へ搬送する搬入コンベアと、搬入コンベアを利用してガラス板を前方へ移動させたときにガラス板の前端縁が当接するストッパーと、ガラス板の下面に当接してガラス板を幅方向へ移動可能に保持する複数のローラーと、それらローラーを上下方向へ昇降させる第1昇降機構と、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧し、ガラス板を他方の側縁から一方の側縁に向かうように幅方向へ移動させる第3移動機構とを有し、第1位置決め手段が、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させる。
【0016】
本発明の他の一例として、複数のローラーでは、それらローラーのうちの少なくとも1つの回転抵抗が大きく、回転抵抗の大きいローラーによってそれらローラーの上に位置するガラス板の幅方向への自由な移動が阻止される。
【0017】
本発明の他の一例としては、第3移動機構が、ガラス板の他方の側縁に当接する当接部材と、当接部材を幅方向へ移動させるサーボモータとを備え、ガラス板加工システムでは、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定する。
【0018】
本発明の他の一例としては、第2位置決め手段が、搬入コンベアによってガラス板が搬入エリアをその後方から前方へ移動してガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、第1位置決め手段が、第2位置決め手段によってガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させた後、第1昇降機構によってローラーとともにガラス板を上昇させ、上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させる。
【0019】
本発明の他の一例として、ガラス板加工システムでは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段では、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させる。
【0020】
本発明の他の一例としては、第2位置決め手段が、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアの位置決め第1基準に位置させた後、第1昇降機構によって上昇させたガラス板を降下させ、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させる。
【0021】
本発明の他の一例として、ガラス板加工システムでは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段では、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させる。
【0022】
本発明の他の一例としては、搬送機構が、搬入エリアと切込加工エリアと折割加工エリアと研削加工エリアとに位置してガラス板を吸着保持する吸着パッドと、ガラス板への吸着力を吸着パッドに付与するバキューム機構と、吸着パッドをそれらエリアに向かって下降させるとともにそれらエリアから上昇させる第2昇降装置とを含み、ガラス板加工システムでは、ガラス板の上下面の面積に合わせて吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。
【0023】
本発明の他の一例としては、搬送機構が、前後方向又は幅方向へ延びるパッド設置プレートを含み、搬送機構では、前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドがパッド設置プレートに配置され、パッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。
【0024】
本発明の他の一例としては、切込加工エリアに位置する吸着パッドが、切込みの内側に延びるガラス板を吸着保持する内側吸着パッドと、切込みの外側に延びるガラス板の縁部を吸着保持する外側吸着パッドとから形成され、内側吸着パッドが、パッド設置プレートに設置され、外側吸着パッドが、パッド設置プレートの前後端部又は両端部から前後方向又は幅方向へ斜めに延びるパッド設置アームに設置されている。
【0025】
本発明の他の一例としては、パッド設置アームが、パッド設置プレートの前端部又は一端部から前後方向前方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第1及び第2アームと、パッド設置プレートの後端部又は他端部から前後方向後方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第3及び第4アームとから形成され、搬送機構では、パッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更可能であり、第1~第4アームにおいて外側吸着パッドの設置位置を変更可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るガラス板加工システムによれば、第1位置決め手段によって先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離とが等しくなるとともに、加工装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの加工装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの加工装置の移動距離を短くすることができ、加工装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの到達時間(非加工時間)や加工装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、小サイズのガラス板に対する加工を迅速に行うことができ、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0027】
上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板を加工する場合、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させる第2位置決め手段を含み、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の加工が行われるガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を位置させて面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めをするから、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いガラス板の位置決めを容易に行うことができ、位置決めの時間を短縮することで、上面及び下面の面積が異なるガラス板に対する加工を迅速に行うことができるとともに、加工のサイクルタイムを確実に短縮することができる。
【0028】
第1位置決め手段と第2位置決め手段とが搬入エリアにおいて実施されるガラス板加工システムは、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが搬入エリアにおいて実施されることで、搬入エリアの前方(下流)に位置する加工エリアに予め位置決めされた状態のガラス板が載置されるから、ガラス板に対して正確な加工を行うことができるとともに、小サイズのガラス板に対する加工を迅速に行うことができ、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0029】
加工エリアが、搬入エリアの前方に位置する切込加工エリアと、切込加工エリアの前方に位置する折割加工エリアと、折割加工エリアの前方に位置する研削加工エリアとから形成され、切込加工エリアが、位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第1移動機構を有する切込加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって切込加工テーブルに載置されたガラス板の縁部に切込みを入れる切込装置とを備え、折割加工エリアが、切込加工後の位置決めされたガラス板を載置する折割加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって折割加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を折割する折割装置とを備え、研削加工エリアが、折割加工後の位置決めされたガラス板を載置した状態で幅方向へ移動する第2移動機構を有する研削加工テーブルと、前後方向へ移動可能であって研削加工テーブルに載置されたガラス板の縁部を研削する研削装置とを備え、第1位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工と折割加工と研削加工とが行われるガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の切込加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離(切込加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの切込装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの切込装置の移動距離を短くすることができ、切込装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの到達時間(非加工時間)や切込装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、第1位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の最外側縁を仮想線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって後に加工する上面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を先に加工するガラス板の中心線に位置させて後に加工するガラス板の位置決めをした後、後に加工するガラス板の研削加工が行われるから、上面及び下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)と大サイズ(大面積)のガラス板よりも上面及び下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の側縁に到達するまでの研削装置の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置が大サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなり、小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)に到達するまでの研削装置の移動距離や小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの研削装置の移動距離を短くすることができ、研削装置が小サイズのガラス板の側縁に到達するまでの到達時間(非加工時間)や研削装置が小サイズのガラス板の最外側縁(側縁)からそのガラス板の幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システムは、小サイズのガラス板に対する切込加工及び研削加工を迅速に行うことができ、切込加工及び研削加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0030】
搬入エリアが、ガラス板を搬入エリアの前後方向後方から前方へ搬送する搬入コンベアと、搬入コンベアを利用してガラス板を前方へ移動させたときにガラス板の前端縁が当接するストッパーと、ガラス板の下面に当接してガラス板を幅方向へ移動可能に保持する複数のローラーと、それらローラーを上下方向へ昇降させる第1昇降機構と、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧し、ガラス板を他方の側縁から一方の側縁に向かうように幅方向へ移動させる第3移動機構とを有し、第1位置決め手段において、第1昇降機構によってローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させるガラス板加工システムは、ローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ押圧移動させてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアに仮想線として前後方向へ延びる位置決め第1基準に位置させるから、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を正確に位置させることができ、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベアやストッパー、ローラー、第1昇降機構、第3移動機構を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0031】
複数のローラーにおいて、それらローラーのうちの少なくとも1つの回転抵抗が大きく、回転抵抗の大きいローラーによってそれらローラーの上に位置するガラス板の幅方向への自由な移動が阻止されるガラス板加工システムは、ローラーとともに上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧したときに、ガラス板がローラーの回転によって幅方向へ惰性で移動することはなく、ガラス板の幅方向への不用意な移動を防ぐことができ、ガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に正確に位置させることができる。
【0032】
第3移動機構が、ガラス板の他方の側縁に当接する当接部材と、当接部材を幅方向へ移動させるサーボモータとを備え、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定するガラス板加工システムは、ガラス板の幅方向の寸法の相違に応じてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準に位置させるための幅方向への第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいてサーボモータの軸の回転数を決定するから、第3移動機構によってガラス板を第1移動寸法だけ幅方向へ正確に移動させることができ、ガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に正確に位置させることができる。
【0033】
第2位置決め手段が、搬入コンベアによってガラス板が搬入エリアをその後方から前方へ移動してガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、第1位置決め手段が、第2位置決め手段によってガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させた後、第1昇降機構によってローラーとともにガラス板を上昇させ、上昇したガラス板の他方の側縁を第3移動機構によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させるガラス板加工システムは、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させてガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させ、更に、第3移動機構によって上昇したガラス板の他方の側縁を幅方向へ移動させてガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアにおける位置決め第1基準に位置させるから、先に加工するガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を正確に位置させることができ、先に加工するガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ延びる仮想線に、後に加工する面積が異なる大きさ違いのガラス板の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を正確に位置させることができる。ガラス板加工システムは、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができ、搬入コンベアを利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができるとともに、第1昇降機構及び第3移動機構を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0034】
ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段において、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させるガラス板加工システムは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための前後方向後方への搬入コンベアの第2移動寸法を決定し、ガラス板の前端縁がストッパーに当接した後、決定した第2移動寸法に基づいて搬入コンベアがガラス板を前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベアによってガラス板を第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に正確に位置させることができる。
【0035】
第2位置決め手段が、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリアの位置決め第1基準に位置させた後、第1昇降機構によって上昇させたガラス板を降下させ、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させることで、ガラス板の前記中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させるガラス板加工システムは、搬入コンベアによってガラス板を前後方向後方へ移動させてガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に位置させるから、先に加工するガラス板の中心線に、後に加工する上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の中心線を正確に一致させることができ、上面及び下面の面積が異なる大きさ違いのガラス板の位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベアを利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0036】
ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の中心線を位置決め第2基準に位置させるための搬入コンベアの前後方向後方への第2移動寸法を決定し、第2位置決め手段において、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、搬入コンベアが決定された第2移動寸法だけガラス板を前後方向後方へ移動させるガラス板加工システムは、ガラス板の前後方向の寸法の相違に応じてガラス板の前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線を第2位置決め基準に位置させるための前後方向後方への搬入コンベアの第2移動寸法を決定され、ガラス板の幅方向の一方の側縁のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が位置決め第1基準に位置した後、決定された第2移動寸法に基づいて搬入コンベアがガラス板を前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベアによってガラス板を第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板の中心線を搬入エリアにおける位置決め第2基準に正確に位置させることができる。
【0037】
搬送機構が、搬入エリアと切込加工エリアと折割加工エリアと研削加工エリアとに位置してガラス板を吸着保持する吸着パッドと、ガラス板への吸着力を吸着パッドに付与するバキューム機構と、吸着パッドをそれらエリアに向かって下降させるとともにそれらエリアから上昇させる第2昇降装置とを含み、ガラス板の上下面の面積に合わせて吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、上下面の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板の場合、吸着パッドを前後方向外方又は幅方向外方へ移動させてそのガラス板の最適な箇所に吸着パッドを位置させることができ、逆に上下面の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板の場合、吸着パッドを前後方向内方又は幅方向内方へ移動させてそのガラス板の最適な箇所に吸着パッドを位置させることができるから、上下面の面積が異なるガラス板を搬送機構によって各加工エリアに確実に搬送することができる。
【0038】
搬送機構が前後方向又は幅方向へ延びるパッド設置プレートを含み、前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドがパッド設置プレートに配置され、パッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、パッド設置プレートに配置された前後方向又は幅方向へ並ぶ少なくとも2個の吸着パッドによってガラス板が吸着保持されるから、それら吸着パッドによってガラス板を確実に保持することができる。ガラス板加工システムは、ガラス板の上下面の面積に応じてパッド設置プレートにおけるそれら吸着パッドの前後方向又は幅方向の設置位置を変更することで、上下面の面積が異なるガラス板の最適な位置にそれら吸着パッドを配置することができ、上下面の面積が異なるガラス板を搬送機構によって各加工エリアに確実に搬送することができる。
【0039】
切込加工エリアに位置する吸着パッドが、切込みの内側に延びるガラス板を吸着保持する内側吸着パッドと、切込みの外側に延びるガラス板の縁部を吸着保持する外側吸着パッドとから形成され、内側吸着パッドがパッド設置プレートに設置され、外側吸着パッドがパッド設置プレートの前後端部又は両端部から前後方向又は幅方向へ斜めに延びるパッド設置アームに設置されているガラス板加工システムは、内側吸着パッドによって切込みの内側に延びるガラス板が吸着保持され、外側吸着パッドによって切込みの外側に延びるガラス板の縁部が吸着保持されるから、ガラス板の搬送中に切込みの外側に延びるガラス板の縁部が不用意に脱落することはなく、切込加工後のガラス板を折割加工エリアに安全に搬送することができる。
【0040】
パッド設置アームが、パッド設置プレートの前端部又は一端部から前後方向前方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第1及び第2アームと、パッド設置プレートの後端部又は他端部から前後方向後方又は幅方向外方へ斜めに延びるとともに、幅方向又は前後方向へ旋回する第3及び第4アームとから形成され、パッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更可能であり、第1~第4アームにおいて外側吸着パッドの設置位置を変更可能であるガラス板加工システムは、ガラス板の上下面の面積に応じてパッド設置プレートに対する第1~第4アームの旋回角度を変更し、第1~第4アームにおける外側吸着パッドの設置位置を変更することで、上下面の面積が異なるガラス板の切込みの外側に延びる縁部の最適な位置に外側吸着パッドを配置することができ、ガラス板の搬送中に切込みの外側に延びるガラス板の縁部を脱落させることはなく、切込加工後のガラス板を折割加工エリアに安全に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】一例として示すガラス板加工システムの側面図。
図2】ガラス板加工システムの上面図。
図3】搬入エリアの側面図。
図4】搬入エリアの上面図。
図5】搬入エリアの正面図。
図6】一例として示すガラス板第1~第4ホルダーの吸着パッドの上面図。
図7】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの上面図。
図8】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの側面図。
図9】切込加工テーブル及び研削加工テーブルの移動を説明する図。
図10】切込加工エリアに設置された一例として示す切込装置の側面図。
図11】切込装置の正面図。
図12】切込装置の上面図。
図13】折割加工テーブルの上面図。
図14】折割加工テーブルの側面図。
図15】折割装置の側面図。
図16】折割装置の正面図。
図17】折割装置の上面図。
図18】折割装置の拡大側面図。
図19】研削加工エリアに設置された一例として示す研削装置の側面図。
図20】研削装置の正面図。
図21】研削装置の上面図。
図22】搬入エリアにおいて位置決めされたガラス板の上面図。
図23】従来の位置決め基準によって位置決めされたガラス板の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
一例として示すガラス板加工システム10の側面図ある図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るガラス板加工システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、ガラス板加工システム10の上面図であり、図3は、搬入エリア19の側面図である。図4は、搬入エリア19の上面図であり、図5は、搬入エリア19の正面図である。図6(a)~(d)は、一例として示すガラス板第1~第4ホルダー40a~40dの吸着パッド41,41a,41bの上面図である。図1,2では、前後方向(X軸方向)を矢印X、幅方向(Y軸方向)を矢印Yで示し、上下方向(Z軸方向)を矢印Zで示す。
【0043】
ガラス板加工システム10において加工されるガラス板11a,11bは、所定面積の上面12及び所定面積の下面13を有するとともに、所定の厚みを有し、その平面形状が幅方向へ長い矩形(四角形)に成形されている(図22参照)。ガラス板11a,11bは、幅方向へ離間対向して前後方向へ延びる一方の側縁14及び他方の側縁15と、前後方向へ離間対向して幅方向へ延びる前端縁16及び後端縁17とを有する。ガラス板11a,11bは、その四隅(第1~第4角部18a~18d)が面取りされている。尚、ガラス板は、その平面形状が矩形(四角形)以外の他の多角形に成形される場合もあるとともに、ガラス板の各縁が湾曲したカーブを描くように成形される場合もある。
【0044】
ガラス板加工システム10は、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aから上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bまでの上下面12,13の面積が異なる大きさ違いの加工対象のガラス板11a,11b(板状ガラス)に対し、切込加工、折割加工、研削加工を行う。ガラス板加工システム10は、その制御がコントローラ(制御装置)(図示せず)によって行われる。コントローラは、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ)とを備え、独立したオペレーティングシステム(仮想OS)によって動作するコンピュータであり、大容量ハードディスク(大容量記憶領域)を内蔵している。コントローラには、キーボードやテンキーユニット等の入力装置(図示せず)、モニターやディスプレイ、タッチパネル等の出力装置(図示せず)が接続されている。
【0045】
コントローラの大容量ハードディスク(大容量記憶領域)には、加工対象の各ガラス板11a,11bの名称や品番、加工対象の各ガラス板11a,11bの大きさ(面積)や形状によって異なる各ガラス板11a,11bの複数の座標データ(ガラス板11a,11bの側縁14,15座標や前後端縁16,17の座標、第1~第4角部18a~18dの座標、ガラス板11a,11bの中心の座標等)、加工対象の各ガラス板11a,11bの画像データ(平面画像(6面画像)や立体画像(3D画像))がガラス板11a,11bを特定するガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けられた状態で記憶(格納)されている。ガラス板特定情報は、ガラス板11a,11bの製造番号やシリアル番号等が使用される他、コントローラがガラス板11a,11bを特定するユニークな識別子を生成し、生成した識別子をガラス板特定情報にすることもできる。
【0046】
コントローラは、後記する切込(切断)加工エリア20における切込(切断)加工及び研削加工エリア22における研削加工において、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用して後記する切込装置60及び折割装置79をNC制御する。NC制御においてコントローラは、座標加工(XY平面座標)を開始する位置、加工方向の変更位置を座標によって数値化し、X軸(前後方向)及びY軸(幅方向)の2軸の動作方向、距離、速度を数値化する。命令座標及び軸を数値化した信号を切込装置60及び折割装置79に送信(入力)する。NC制御では、「座標→軸→命令」を繰り返すことにより、加工したい形状を正確に表現する。
【0047】
ガラス板加工システム10は、加工前のガラス板11a,11bを投入する搬入エリア19(加工開始エリア)と、加工後のガラス板11a,11bを搬出する搬出エリア23(加工終了エリア)と、搬入エリア19及び搬出エリア23の間に配置(施設)されてガラス板11a,11bを加工する複数の各加工エリア20~22と、前後方向後方(上流)から前方(下流)に向かってガラス板11a,11bを搬入エリア19やそれら加工エリア20~22、搬出エリア23に順に搬送するとともに、切込装置60及び研削装置108を前後方向移動させる搬送機構24とを有する。各加工エリア20~22は、搬入エリア19と搬出エリア23との間において前後方向へ離間対向しつつ前後方向へ並んでいる。
【0048】
それら加工エリア20~22は、搬入エリア19の前後方向前方(下流)に位置して搬入エリア19から前方へ所定寸法離間する切込加工エリア20と、切込加工エリア20の前後方向前方(下流)に位置して切込加工エリア20から前方へ所定寸法離間する折割加工エリア21と、折割加工エリア21の前後方向前方(下流)に位置して折割加工エリア21から前方へ所定寸法離間する研削加工エリア22とから形成されている。切込加工エリア20や折割加工エリア21、研削加工エリア22は、前後方向へ長い四角形に成形されたシステム台25(機械台)の上に作られている。
【0049】
搬送機構24は、システム台25の後部に位置して上下方向へ延びる一対の第1ピラー26aと、システム台25の前部に位置して上下方向へ延びる一対の第2ピラー26bと、第1及び第2ピラー26a,26bの間に位置して前後方向へ延びる固定フレーム27と、固定フレーム27の一方の側部に形成された第1移動手段28と、固定フレーム27の下部に形成された第2移動手段29とを有する。
【0050】
第1移動手段28は、切込装置60及び研削装置108を前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)させる。第1移動手段28は、第1ガイドフレーム30と、一対の第1ガイドレール31と、第1送りネジ(ボールネジ)(図示せず)と、第1走行フレーム32と、複数の第1スライドブロック(ハウジングナット)(図示せず)と、一対の第1ガイドシュー33と、第1サーボモータ34とから形成されている(図11参照)。第1ガイドフレーム30は、固定フレーム27に設置されて前後方向へ延びている。それら第1ガイドレール31は、上下方向へ離間対向し、所定の固定手段によって第1ガイドフレーム30の一方の側部に固定されて前後方向へ延びている。第1送りネジ(ボールネジ)は、それら第1ガイドレール3の間に位置し、第1ガイドフレーム30の一方の側部に固定された複数の軸受け(図示せず)に回転可能に支持されて前後方向へ延びている。
【0051】
第1走行フレーム32は、第1ガイドフレーム30の一方の側部に位置して前後方向へ延びている。それら第1スライドブロック(ハウジングナット)は、前後方向へ所定間隔離間して並び、第1走行フレーム32の第1ガイドフレーム30に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されている。それら第1ガイドシュー33は、上下方向へ離間対向し、第1走行フレーム32の第1ガイドフレーム30に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されて前後方向へ延びている。
【0052】
第1サーボモータ34は、第1ガイドフレーム30の前端部に位置し、ブラケットを介して第2ピラー26bに連結されている。第1サーボモータ34は、その軸が第1送りネジの他方の端部に連結・固定されている。第1サーボモータ34の発停や回転数を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第1サーボモータ34の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第1サーボモータ34を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第1サーボモータ34の駆動を停止させる。第1サーボモータ34の回転によって第1送りネジが回転し、第1送りネジの回転によって切込装置60及び研削装置108が前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する。
【0053】
第1サーボモータ34の軸が反時計回り方向へ回転すると、第1送りネジが反時計回り方向へ回転し、第1送りネジの反時計回り方向への回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、第1スライドブロックの移動によって第1走行フレーム32が第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動する。逆に、第1サーボモータ34の軸が時計回り方向へ回転すると、第1送りネジが時計回り方向へ回転し、第1送りネジの時計回り方向への回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の後方から前方へ向かって前後方向へ移動し、第1スライドブロックの移動によって第1走行フレーム32が第1ガイドフレーム30の後方から前方へ向かって前後方向へ移動する。
【0054】
第2移動手段29は、後記するガラス板第1~第4ホルダー40a~40dを前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)させる。第2移動手段29は、第2ガイドフレーム35と、一対の第2ガイドレール36と、第2送りネジ(ボールネジ)(図示せず)と、第2走行フレーム37と、複数の第2スライドブロック(ハウジングナット)(図示せず)と、一対の第2ガイドシュー38と、第2サーボモータ39と、ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d(ガラス板第1~第4リフター)とから形成されている(図16参照)。第2ガイドフレーム35は、固定フレーム27に設置されて前後方向へ延びている。それら第2ガイドレール36は、幅方向へ離間対向し、所定の固定手段によって第2ガイドフレーム35の下部に固定されて前後方向へ延びている。第2送りネジ(ボールネジ)は、それら第2ガイドレール36の間に位置し、第2ガイドフレーム35の下部に固定された複数の軸受け(図示せず)に回転可能に支持されて前後方向へ延びている。
【0055】
第2走行フレーム37は、第2ガイドフレーム35の下部に位置して前後方向へ延びている。それら第2スライドブロック(ハウジングナット)は、幅方向へ所定間隔離間して並び、第2走行フレーム37の第2ガイドフレーム35に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されている。それら第2ガイドシュー38は、幅方向へ離間対向し、第2走行フレーム37の第2ガイドフレーム35に対向する対向面に所定の固定手段によって固定されて前後方向へ延びている。
【0056】
第2サーボモータ39は、第2ガイドフレーム35の後端部に位置し、固定フレーム27に固定されている。第2サーボモータ39は、その軸がタイミングベルト(及び/又はギア)を介して第2送りネジの一方の端部に連結・固定されている。第2サーボモータ39の発停や回転数を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第2サーボモータ39の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第2サーボモータ39を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第2サーボモータ39の駆動を停止させる。第2サーボモータ39の回転によって第2送りネジが回転し、第2送りネジの回転によってガラス板第1~第4ホルダー40a~40dが前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する。
【0057】
第2サーボモータ39の軸が時計回り方向へ回転すると、第2送りネジが時計回り方向へ回転し、第2送りネジの時計回り方向への回転によって第2スライドブロックが第2ガイドフレーム35の方から方へ向かって前後方向へ移動し、第2スライドブロックの移動によって第2走行フレーム37(ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d)が第2ガイドフレーム35の後方から前方へ向かって前後方向へ移動する。逆に、第2サーボモータ39の軸が反時計回り方向へ回転すると、第2送りネジが反時計回り方向へ回転し、第2送りネジの反時計回り方向への回転によって第2スライドブロックが第2ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、第2スライドブロックの移動によって第2走行フレーム37(ガラス板第1~第4ホルダー40a~40d)が第2ガイドフレーム35の前方から後方へ向かって前後方向へ移動する。
【0058】
ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、第2走行フレーム37の下部に取り付けられて走行フレーム37から下方へ延在している。ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dは、ガラス板11a,11bを吸着保持する吸着パッド41と、前後方向へ延びるパッド設置プレート42と、第1~第4アーム43a~43d(第2ホルダー40bのみ)と、バキューム機構(エアー吸引装置)(エアーバキュームポンプ)(図示せず)及びエアシリンダー(第2昇降装置)(図示せず)とを有する。バキューム機構及びエアシリンダーの発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。
【0059】
ガラス板第1ホルダー40a、ガラス板第3ホルダー40c、ガラス板第4ホルダー40dの吸着パッド41は、図(a)、図(c)、図(d)に示すように、2個のそれがパッド設置プレート42に取り付けられている。尚、3つ以上の吸着パッド41がパッド設置プレート42に取り付けられていてもよい。パッド設置プレート42には、前後方向又は幅方向へ延びる第1及び第2スリット44が穿孔され、吸着パッド41が第1及び第2スリット44ハンドルネジ45を介して固定されている。
【0060】
ガラス板第1ホルダー40a、ガラス板第3ホルダー40c、ガラス板第4ホルダー40dのそれら吸着パッド41は、第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。それら吸着パッド41の設置位置を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させて第1及び第2スリット44における吸着パッド41の固定を解除し、吸着パッド41を前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて吸着パッド41を第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)に固定する。
【0061】
ガラス板第2ホルダー40bの吸着パッド41は、図5(b)に示すように、内側吸着パッド41aと外側吸着パッド41bとから形成されている。内側吸着パッド41aは、切込装置60(切込カッターホイール71)によってガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に形成された切込みの内側に延びるガラス板11a,11bを吸着保持する。外側吸着パッド41bは、切込装置60(切込カッターホイール71)によってガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に形成された切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eを吸着保持する。
【0062】
内側吸着パッド41aは、2個のそれがパッド設置プレート42に取り付けられている。尚、3つ以上の内側吸着パッド41aがパッド設置プレート42に取り付けられていてもよい。パッド設置プレート42には、前後方向又は幅方向へ延びる第1及び第2スリット44が穿孔され、内側吸着パッド41aが第1及び第2スリット44にハンドルネジ45を介して固定されている。
【0063】
ガラス板第2ホルダー40bのそれら内側吸着パッド41aは、第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能である。それら内側吸着パッド41aの設置位置を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させて第1及び第2スリット44における内側吸着パッド41aの固定を解除し、内側吸着パッド41aを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて内側吸着パッド41aを第1及び第2スリット44(パッド設置プレート42)に固定する。
【0064】
ガラス板第2ホルダー40bの第1及び第2アーム43a,43bは、その基端部がパッド設置プレート42の前端部又は一端部に旋回可能に取り付けられ、前後方向又は幅方向に延びるとともに幅方向又は前後方向の一方と他方とへ向かって(パッド設置プレート42の軸線に対して)所定角度で傾斜している。第1及び第2アーム43a,43bは、ハンドルネジ45を介してパッド設置プレート42の前端部又は一端部に固定されている。第1及び第2アーム43a,43bは、パッド設置プレート42の軸線に対してその旋回角度を変更可能である。第1及び第2アーム43a,43bの旋回角度を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてパッド設置プレート42の前端部又は一端部における第1及び第2アーム43a,43bの固定を解除し、第1及び第2アーム43a,43bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて第1及び第2アーム43a,43bをパッド設置プレート42の前端部又は一端部に固定する。
【0065】
第1及び第2アーム43a,43bには、1つの外側吸着パッド41bが取付プレート46を介して取り付けられている。尚、2つ以上の外側吸着パッド41bが第1及び第2アーム43a,43bに取り付けられていてもよい。第1及び第2アーム43a,43bには、前後方向又は幅方向へ延びるスリット47が穿孔され、外側吸着パッド41bがスリット47にハンドルネジ45を介して固定されている。外側吸着パッド41bは、スリット47(第1及び第2アーム43a,43b)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であり、スリット47(第1及び第2アーム43a,43b)において水平方向へ旋回可能である。外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、外側吸着パッド41bを旋回させるには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてスリット47(第1及び第2アーム43a,43b)に対する外側吸着パッド41bの固定を解除し、外側吸着パッド41bを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させ、ハンドルネジ45の軸を中心に取付プレート46とともに外側吸着パッド41bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて外側吸着パッド41bをスリット47(第1及び第2アーム43a,43b)に固定する。
【0066】
ガラス板第2ホルダー40bの第3及び第4アーム43c,43dは、その基端部がパッド設置プレート42の後端部又は他端部に旋回可能に取り付けられ、前後方向又は幅方向に延びるとともに幅方向又は前後方向の一方と他方とへ向かって(パッド設置プレート42の軸線に対して)所定角度で傾斜している。第3及び第4アーム43c,43dは、ハンドルネジ45を介してパッド設置プレート42の後端部又は他端部に固定されている。第3及び第4アーム43c,43dは、パッド設置プレート42の軸線に対してその旋回角度を変更可能である。第3及び第4アーム43c,43dの旋回角度を変更するには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてパッド設置プレート42の後端部又は他端部における第3及び第4アーム43c,43dの固定を解除し、第3及び第4アーム43c,43dを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて第3及び第4アーム43c,43dをパッド設置プレート42の後端部又は他端部に固定する。
【0067】
第3及び第4アーム43c,43dには、1つの外側吸着パッド41bが取付プレート46を介して取り付けられている。尚、2つ以上の外側吸着パッド41bが第3及び第4アーム43c,43dに取り付けられていてもよい。第3及び第4アーム43c,43dには、前後方向又は幅方向へ延びるスリット47が穿孔され、外側吸着パッド41bがスリット47にハンドルネジ45を介して固定されている。外側吸着パッド41bは、スリット47(第3及び第4アーム43c,43d)における前後方向又は幅方向の設置位置を変更可能であり、スリット47(第3及び第4アーム43c,43d)において水平方向へ旋回可能である。外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、外側吸着パッド41bを旋回させるには、ハンドルネジ45を反時計回り方向へ回転させてスリット47(第3及び第4アーム43c,43d)に対する外側吸着パッド41bの固定を解除し、外側吸着パッド41bを前後方向又は幅方向へ移動(設置位置変更)させ、ハンドルネジ45の軸を中心に取付プレート46とともに外側吸着パッド41bを旋回させた後、ハンドルネジ45を時計回り方向へ回転させて外側吸着パッド41bをスリット47(第3及び第4アーム43c,43d)に固定する。
【0068】
ガラス板加工システム10は、パッド設置プレート42に配置された前後方向又は幅方向へ並ぶ2個の吸着パッド41によってガラス板11a,11bが吸着保持されるから、それら吸着パッド41によってガラス板11a,11bを確実に保持することができる。ガラス板加工システム10は、上下面12,13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの場合、それら吸着パッド41をパッド設置プレート42において前後方向外方又は幅方向外方へ移動させて吸着パッド41の前後方向又は幅方向の離間寸法を大きくし、上下面12,13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの場合、それら吸着パッド41を前後方向内方又は幅方向内方へ移動させて吸着パッド41の前後方向又は幅方向の離間寸法を小さくし、ガラス板11a,11bの上下面12,13の面積に応じてパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の前後方向又は幅方向の設置位置を変更することで、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bの最適な位置にそれら吸着パッド41を配置することができ、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bを搬送機構24によって各加工エリア20~22に確実に搬送することができる。
【0069】
ガラス板加工システム10は、パッド設置プレート42に設置されたそれら内側吸着パッド41aによって切込みの内側に延びるガラス板11a,11bが吸着保持され、第1~第4アーム43a~43dに設置された外側吸着パッド41bによって切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eが吸着保持されるから、ガラス板11a,11bの搬送中に切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eが不用意に脱落することはなく、切込加工後のガラス板11a11bを折割加工エリア21に安全に搬送することができる。
【0070】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの上下面12,13の面積に応じてパッド設置プレート42に対する第1~第4アーム43a~43dの旋回角度を変更し、第1~第4アーム43a~43dにおける外側吸着パッド41bの設置位置を変更し、更に、第1~第4アーム43a~43dに対して外側吸着パッド41bを水平方向へ旋回させることで、上下面12,13の面積が異なるガラス板11a,11bの切込みの外側に延びる縁部eの最適な位置に外側吸着パッド41bを配置することができ、ガラス板11a,11bの搬送中に切込みの外側に延びるガラス板11a,11bの縁部eを脱落させることはなく、切込加工後のガラス板11a,11bを折割加工エリア21に安全に搬送することができる。
【0071】
ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dのうちのガラス板第1ホルダー40aは、搬入エリア19と切込加工エリア20との間を前後方向へ往復し、搬入エリア19から切込加工エリア20に向かって前進するとともに、切込加工エリア20から搬入エリア19に向かって後退する。ガラス板第2ホルダー40bは、切込加工エリア20と折割加工エリア21との間を前後方向へ往復し、切込加工エリア20から折割加工エリア21に向かって前進するとともに、折割加工エリア21から切込加工エリア20に向かって後退する。ガラス板第3ホルダー40cは、折割加工エリア21と研削加工エリア22との間を前後方向へ往復し、折割加工エリア21から研削加工エリア22に向かって前進するとともに、研削加工エリア22から折割加工エリア21に向かって後退する。ガラス板第4ホルダー40dは、研削加工エリア22と搬出エリア23との間を前後方向へ往復し、研削加工エリア22から搬出エリア23に向かって前進するとともに、搬出エリア23から研削加工エリア22に向かって後退する。
【0072】
搬入エリア19は、搬入コンベア48と、ストッパー49及びローラー50と、一対の昇降機構51(第1昇降機構)と、移動機構52(第3移動機構)とを有する。搬入エリア19は、システム台25の床面から上方へ延びる脚部によって支持されている。搬入エリア19では、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが実施され、各加工エリア20~22に向かうガラス板11a,11bの位置決めが行われる。
【0073】
搬入エリア19の一方の側縁部53aには、前後方向へ延びる位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)が設定され、幅方向へ延びる位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)が設定されている(図22参照)。位置決め第1基準L1は、大サイズ(大面積)のガラス板11a(先に加工するガラス板)の幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を基準に仮想された前後方向へ直状に延びる仮想線となる。最外側縁は、例えば、ガラス板11a,11bの一方の側縁14が湾曲したカーブを描く場合、最も幅方向外方に位置する曲線の頂点となる。又、ガラス板11a,11bの一方の側縁14が前後方向へ直状に延びている場合、側縁14が最外側縁となる。
【0074】
位置決め第1基準L1には、ガラス板11a,11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置させる。ここで、最外側縁を位置決め第1基準L1に位置させるとは、最外側縁が位置決め第1基準L1に完全に一致する場合の他、最外側縁が位置決め第1基準L1の幅方向内方近傍(直近)に位置する場合、又は、最外側縁が位置決め第1基準L1の幅方向外方近傍(直近)に位置する場合を含む。
【0075】
位置決め第2基準L2には、ガラス板11a,11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置させる。ここで、前後方向中心O1(中心線L2)を位置決め第2基準L2に位置させるとは、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2に完全に一致する場合の他、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2の前後方向前方近傍(直近)に位置する場合、又は、前後方向中心O1(中心線L2)が位置決め第2基準L2の前後方向後方近傍(直近)に位置する場合を含む。
【0076】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用し、各ガラス板11a,11bの幅方向の寸法を算出し、算出したガラス板11a,11bの幅方向(Y軸方向)の寸法の相違に応じてそれらガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)を決定するとともに、決定した第1移動寸法に基づいて第3サーボモータ56の軸の回転数(ガラス板11a,11bを幅方向へ第1移動寸法(第1移動距離)だけ移動させるための軸の回転数)を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した第1移動寸法及び決定した第3サーボモータ56の軸の回転数を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。
【0077】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、大容量ハードディスクに記憶した各ガラス板11a,11bの座標データを利用し、各ガラス板11a,11bの前後方向(X軸方向)の寸法を算出し、算出した各ガラス板11a,11bの前後方向の寸法の相違に応じてそれらガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1を位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した第2移動寸法を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。
【0078】
コントローラ(ガラス板加工システム10)は、算出した各ガラス板11a,11bの前後方向の寸法に基づいて切込装置60及び研削装置108の前後方向への移動寸法(移動距離)を算出し、算出した移動寸法に基づいて第1サーボモータ34の軸の回転数(切込装置60及び研削装置108を前後方向へ移動寸法(移動距離)だけ移動させる軸の回転数)を決定する。コントローラ(ガラス板加工システム10)は、決定した移動寸法及び決定した第1サーボモータ34の軸の回転数を各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)する。尚、ガラス板第1~第4ホルダー40a~40dの前後方向への移動寸法(移動距離)が各ガラス板11a,11bのガラス板特定情報(ガラス板特定識別子)に関連付けられた状態で大容量ハードディスクに記憶(格納)されている。
【0079】
搬入コンベア48は、図3図5に示すように、前後方向(X方向)へ延びる複数の無限軌道であり、幅方向(Y方向)へ所定間隔離間して並んでいる。それら搬入コンベア48の発停や搬送距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。それら搬入コンベア48は、ガラス板11a、11bを搬入エリア19の後端部(搬入口)から前端部(搬出口)に向かって前後方向後方から前方へ搬送する。ストッパー49は、搬入エリア19の前端部に設置されて幅方向へ離間して並んでいる。ストッパー49には、それら搬入コンベア48によって搬入エリア19の後端部から前端部に向かって前方へ移動するガラス板11a,11bの前端縁16が当接する。ストッパー49には、接触センサー(図示せず)が設置されている。接触センサーは、コントローラに接続され、ガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、前端縁16のストッパー49への当接を検出すると、その接触信号をコントローラに送信する。
【0080】
ローラー50は、複数のそれらが前後方向へ延びる軸54に回転可能に取り付けられ、それら軸54とともにそれら搬入コンベア48の間に設置されている。それらローラー50は、前後方向へ所定寸法離間して並ぶとともに幅方向へ所定寸法離間して並んでいる。それらローラー50は、幅方向へ向かって時計回り方向と反時計回り方向とへ回転し、ガラス板11a11bの下面13に当接してガラス板11a,11bを幅方向へ移動可能に保持する。それら軸54は、軸受けを介してその下方に位置する台座に取り付けられている。
【0081】
それらローラー50のうちのローラー50aと軸54との間には、ローラー50aの回転抵抗を増加させる抵抗板(ゴムリング)(図示せず)が取り付けられている。ローラー50aは、抵抗板(ゴムリング)によって軸54との抵抗が増加し、ローラー50aに回転抵抗を超える回転力を与えなければローラー50aが回転することはなく、ローラー50aの自由な回転が抵抗板によって阻止されている。それらローラー50の上にガラス板11a,11bが載置された場合、回転抵抗の大きいローラー50aによってガラス板11a,11bの幅方向への自由な移動が阻止される。尚、それらローラー50のうちの少なくとも1つのローラーと軸54との間に抵抗板(ゴムリング)が取り付けられていればよい。
【0082】
それら昇降機構51(第1昇降機構)は、軸54を取り付けた台座の下方に設置され、幅方向へ所定寸法離間して並んでいる。それら昇降機構51にはエアシリンダーが使用され、エアシリンダーによって台座とともにそれら軸54及びそれらローラー50が上下方向へ昇降する。それらエアシリンダーの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。それらエアシリンダー(昇降機構51)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。エアシリンダー(昇降機構51)の制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、エアシリンダーを昇降させる。
【0083】
尚、搬入コンベア48がガラス板11a,11bを搬送中では、エアシリンダー(昇降機構51)によってそれらローラー50(台座及び軸54)がそれら搬入コンベア48の下方へ下降し、それらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接しない。エアシリンダー(昇降機構51)によってそれらローラー50(台座及び軸54)が上昇すると、ローラー5の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、それらローラー50によってガラス板11a,11bが搬入コンベア48の上方へ持ち上げられる。
【0084】
移動機構52(第3移動機構)は、それら搬入コンベア48及びそれらローラー50の上方に位置するロッド55と、ロッド55に設置(内蔵)された第3サーボモータ56(サーボモータ)と、ロッド55に設置(内蔵)されて第3サーボモータ56の軸に連結された送りネジ(送りネジ機構)(図示せず)と、ロッド55から下方へ延びる移動アーム57と、移動アーム57の下端部に設置された当接部材58とを備えている。第3サーボモータ56(移動機構)の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第3サーボモータ56の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第3サーボモータ56を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。
【0085】
ロッド55は、第1ピラー26aの後面に取り付けられて幅方向へ延びている。移動アーム57は、送りネジに移動可能に設置され、第3サーボモータ56の軸の回転による送りネジの回転によって、ロッド55に沿って幅方向の一方と他方とへ直線移動する。当接部材58は、移動アーム57の幅方向への移動に伴って移動アーム57とともに幅方向の一方と他方とへ直線移動する。当接部材58は、エアシリンダー(昇降機構51)によって上昇したローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態で、ガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、ガラス板11a,11bが幅方向へ移動するようにガラス板11a,11bを幅方向へ押圧する。
【0086】
尚、第3サーボモータ56の他に、リニアモータ(直動モータ)が利用され、リニアモータ(移動機構)がロッド55に設置されていてもよい。ロッド55にリニアモータを設置した場合、リニアモータがロッド55に沿って幅方向の一方と他方とへ移動し、それに伴って移動アーム57及び当接部材58が幅方向の一方と他方とへ移動する。リニアモータ(移動機構)の発停や移動距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続される。
【0087】
図7は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の上面図であり、図8は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の側面図である。図9は、切込加工テーブル59及び研削加工テーブル107の移動を説明する図であり、図10は、切込加工エリア20に設置された一例として示す切込装置60の側面図である。図11は、切込装置60の正面図であり、図12は、切込装置60の上面図である。
【0088】
切込加工エリア20は、搬入エリア19において位置決めされたガラス板11a,11bを載置する切込加工テーブル59(切込加工台)と、切込加工テーブル59に載置されたガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みを入れる切込装置60(切断装置)とを備えている。図7,8では、前後方向(X軸方向)を矢印X、幅方向(Y軸方向)を矢印Yで示し、上下方向(Z軸方向)を矢印Zで示す。
【0089】
切込加工テーブル59は、システム台25の床面に固定された幅方向へ長いベースレーン61aの上に設置されている。切込加工テーブル59は、第1移動機構62を利用し、位置決めされたガラス板11a,11bを載置した状態で幅方向へ移動する。第1移動機構62は、走行ガイドレール63aと、送りネジ64a(ボールネジ)と、第4サーボモータ65と、ガイドシュー66aと、スライドブロック67a(ハウジングナット)とから形成されている。それら走行ガイドレール63aは、ベースレーン61aの上面に設置されて幅方向へ延びている。送りネジ64a(ボールネジ)は、ベースレーン61aの上面であって走行ガイドレール63aの側方に設置されて幅方向へ延びている。第4サーボモータ65は、ベースレーン61aに設置され、切込加工テーブル59を幅方向へ往復動させる。
【0090】
第4サーボモータ65の軸には、送りネジ64aの他方の端部が連結されている。第4サーボモータ65の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第4サーボモータ65の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第4サーボモータ65を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第4サーボモータ65の駆動を停止させる。
【0091】
送りネジ64aは、ベースレーン61aに固定された軸受け(図示せず)に回転可能に支持されている。ガイドシュー66aは、切込加工テーブル59の下面に取り付けられて幅方向へ延びている。ガイドシュー66aは、走行ガイドレール63aに摺動可能に嵌合している。スライドブロック67a(ハウジングナット)は、切込加工テーブル59の下面であってガイドシュー66aの間に取り付けられている。スライドブロック67aは、送りネジ64aに回転可能に螺着されている。
【0092】
第4サーボモータ65の軸が時計回り方向へ回転すると、送りネジ64aが時計回り方向へ回転し、送りネジ64aの時計回り方向への回転によってスライドブロック67aが切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67aの移動によって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって幅方向へ移動する。逆に、第4サーボモータ65の軸が反時計回り方向へ回転すると、送りネジ64aが反時計回り方向へ回転し、送りネジ64aの反時計回り方向への回転によってスライドブロック67aが切込加工エリア20の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67aの移動によって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって幅方向へ移動する。
【0093】
切込装置60は、切込ツール68と、エアシリンダー69及び第5サーボモータ70とを備えている。切込ツール68は、切込カッターホイール71と、切込カッターホルダー72(切込ホルダー)と、カッター昇降軸73と、カッター昇降ガイド74とから形成されている。切込カッターホイール71は、ベアリング(図示せず)を介して切込カッターホルダー72に連結され、介在するベアリングの軸心に沿って自在に回転する。切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みを形成する。
【0094】
切込カッターホルダー72は、切込カッターホイール71の直上に位置してカッターホイール71に連結され、カッターホイール71を支持する。カッター昇降軸73は、切込カッターホルダー72の直上に位置してカッターホルダー72に連結され、カッターホルダー72を支持する。カッター昇降ガイド74は、カッター昇降軸73の直上に位置してカッター昇降軸73に連結され、カッター昇降軸73を支持する。切込ツール68(エアシリンダー69を含む)は、エアシリンダー69の直上に位置して切込ツール68を回転可能に支持する支持軸75に連結されている。支持軸75は、その直上に位置するブラケット76に取り付けられている。ブラケット76(切込装置60)は、前後方向(X軸方向)へ前進後退(直線移動)する既述の搬送機構24の第1移動手段28に連結されている。
【0095】
エアシリンダー69は、カッター昇降軸73の直上に設置されている。エアシリンダー69は、切込カッターホイール71(切込カッターホルダー72)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eへの切込線(切線)形成時にカッターホイール71をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール71に切り圧(下方への押圧力)を加える(付与する)。第5サーボモータ70は、その軸がタイミングベルト77を介して支持軸75に連結されている。第5サーボモータ70は、切込ツール68(切込カッターホイール71)の切込方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。
【0096】
第5サーボモータ70の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第5サーボモータ70の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第5サーボモータ70を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第5サーボモータ70の駆動を停止させる。切込装置60では、コントローラから送信されたNC制御信号に基づいて第5サーボモータ70の制御部がモータ70の軸を回転させ、切込ツール68(切込カッターホイール71)をNC制御し、NC制御に従って切込ツール68(切込カッターホイール71)がガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に加工したい形状どおりの切込みを形成する。
【0097】
図13は、折割加工テーブル78の上面図であり、図14は、折割加工テーブル78の側面図である。図15は、折割装置79の側面図であり、図16は、折割装置79の正面図である。図17は、折割装置79の上面図であり、図18は、折割装置79の拡大側面図である。折割加工エリア21は、搬入エリア19において位置決めされるとともに切込加工エリア20において切込加工が行われたガラス板11a,11bを載置する折割加工テーブル78(折割加工台)と、折割加工テーブル78に載置されたガラス板11a,11bの切込みの外側に位置する縁部e(周縁部)を折割る折割装置79とを備えている。
【0098】
折割加工テーブル78は、幅方向(Y軸方向)へ走行するベルトコンベア80と、ベルトコンベア80を走行させるコンベア駆動モータ81とから形成され、システム台25の床面に固定されたベース盤の上に設置されている。ベルトコンベア80は、幅方向へ延びるベルト82と、ベルト82を支持する複数のプーリ83及びキャリアローラ84と、ベルト82やプーリ83、キャリアローラ84を支持するコンベアフレーム85とから形成されている。ベルトコンベア80には、切込加工後のガラス板11a,11bが載置される。ベルトコンベア80は、折割装置79によって折り割られたガラス板11a,11bの縁部eを幅方向の他方(一方の側縁部53aから他方の側縁部53b)へ搬送し、ガラス板11a,11bの縁部eをダストボックス(図示せず)に廃棄する。
【0099】
コンベア駆動モータ81は、その軸がタイミングベルトによってプーリ83に連結されている。コンベア駆動モータ81の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。コンベア駆動モータ81の軸の回転速度(ベルトの走行速度)は、事前に設定され、回転速度(ベルトの走行速度)がコンベア駆動モータ81の特定情報に関連付けられた状態でコントローラの大容量ハードディスクに記憶(格納)されている。コンベア駆動モータ81の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数で駆動モータ81を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、駆動モータ81の駆動を停止させる。コンベア駆動モータ81の軸が時計回り方向へ回転すると、その回転がタイミングベルトを介してプーリ83に伝達され、プーリ83が時計回り方向へ回転し、プーリ83の回転によってベルト82が幅方向の他方に向かって走行する。
【0100】
折割装置79は、幅方向へ離間する2台の第1折割装置79a及び第2折割装置79bから形成されている。第1及び第2折割装置79a,79bは、懸垂フレーム86に連結されている。懸垂フレーム86は、第2ガイドフレーム35の側部に連結されている。第1折割装置79aは、折割ツール87aと、第1エアシリンダー88a及び第2エアシリンダー89aと、第6サーボモータ90(Z軸サーボモータ)と、第7サーボモータ91(X軸サーボモータ)及びX軸第1アクチュエーター92aと、第8サーボモータ93(Y軸サーボモータ)及びY軸第1アクチュエーター94aと、第1アクチュエーターフレーム95aとを有する。
【0101】
第2折割装置79bは、折割ツール87bと、第3エアシリンダー88b及び第4エアシリンダー89bと、第9サーボモータ96(Z軸サーボモータ)と、第10サーボモータ97(X軸サーボモータ)及びX軸第2アクチュエーター92bと、第11サーボモータ98(Y軸サーボモータ)及びY軸第2アクチュエーター94bと、第2アクチュエーターフレーム95bとを有する。第1アクチュエーターフレーム95aと第2アクチュエーターフレーム95bとは、それらの前端部において一連に繋がっている。
【0102】
第1及び第2折割装置79a,79bの折割ツール87a,87bは、図18に示すように、折割カッターホイール99と、折割カッターホルダー100と、カッター昇降軸101と、押圧ローラー102と、ローラー昇降軸103とから形成されている。折割カッターホイール99は、ベアリング(図示せず)を介して折割カッターホルダー100に連結され、介在するベアリングの軸心に沿って自在に回転する。折割カッターホイール99は、ガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)に切込みに沿ってガラス板11a,11bの縁部eを切断(端切り)する。カッター昇降軸101は、折割カッターホルダー100の直上に位置してカッターホルダー100に連結され、カッターホルダー100を支持する。押圧ローラー102は、折割カッターホイール99の近傍であってカッターホイール99の幅方向外方に位置し、ガラス板1a,11bの縁部e(周縁部)を下方に押圧する。ローラー昇降軸103は、押圧ローラー102の直上に位置して押圧ローラー102に連結され、押圧ローラー102を支持する。
【0103】
第1エアシリンダー88aは、カッター昇降軸101の直上に設置され、カッター昇降軸101に連結されている。第1エアシリンダー88aは、その直上に位置して折割ツール87aを回転可能に支持する支持軸104に連結されている。支持軸104は、その直上に位置するブラケット105に取り付けられている。ブラケット105は、第1アクチュエーターフレーム95aに摺動可能に取り付けられている。
【0104】
第1エアシリンダー88aは、第1折割装置79aの折割カッターホイール99(折割カッターホルダー100)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にカッターホイール99をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール99に下方への押圧力を加える(付与する)。第1エアシリンダー88aの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第1エアシリンダー88a(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第1エアシリンダー88aの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、第1エアシリンダー88aを昇降させる。
【0105】
第2エアシリンダー89aは、第1折割装置79aのローラー昇降軸103の直上であって第1エアシリンダー88aの幅方向外方近傍に設置され、ローラー昇降軸103に連結されている。第2エアシリンダー89aは、第1折割装置79aの押圧ローラー102を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にローラー102をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてローラー102に下方への押圧力を加える(付与する)。第2エアシリンダー89aの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第2エアシリンダー89a(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第2エアシリンダー89aの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、第2エアシリンダー89aを昇降させる。
【0106】
第6サーボモータ90(Z軸サーボモータ)は、第1エアシリンダー88aの幅方向内方近傍に位置し、ブラケット105の下面に連結・固定されている。第6サーボモータ90は、その軸がタイミングベルト106を介して支持軸104に連結されている。第6サーボモータ90は、第1折割装置79aの折割ツール87a(折割カッターホイール99)の折割方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。第6サーボモータ90の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第6サーボモータ90の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第6サーボモータ90を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第6サーボモータ90の駆動を停止させる。
【0107】
第7サーボモータ91(X軸サーボモータ)は、第1アクチュエーターフレーム95aに設置され、その軸がX軸第1アクチュエーター92aに連結されている。X軸第1アクチュエーター92aは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第7サーボモータ91の軸が時計回り方向へ回転すると、X軸第1アクチュエーター92aのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを前後方向前方に向かって移動し、第7サーボモータ91の軸が反時計回り方向へ回転すると、X軸第1アクチュエーター92aのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを前後方向後方に向かって移動する。第7サーボモータ91の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第7サーボモータ91の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第7サーボモータ91を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第7サーボモータ91の駆動を停止させる。
【0108】
第8サーボモータ93(Y軸サーボモータ)は、Y軸第1アクチュエーターフレーム95aに設置され、その軸がY軸第1アクチュエーター94aに連結されている。Y軸第1アクチュエーター94aは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第8サーボモータ93の軸が時計回り方向へ回転すると、Y軸第1アクチュエーター94aのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを幅方向の一方へ向かって移動し、第8サーボモータ93の軸が反時計回り方向へ回転すると、Y軸第1アクチュエーター94aのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第1折割装置79aの折割ツール87aが第1アクチュエーターフレーム95aを幅方向の他方へ向かって移動する。第8サーボモータ93の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第8サーボモータ93の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第8サーボモータ93を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第8サーボモータ93の駆動を停止させる。
【0109】
第3エアシリンダー88bは、カッター昇降軸101の直上に設置され、カッター昇降軸101に連結されている。第3エアシリンダー88bは、その直上に位置して折割ツール87bを回転可能に支持する支持軸104に連結されている。支持軸104は、その直上に位置するブラケット105に取り付けられている。ブラケット105は、第2アクチュエーターフレーム95bに摺動可能に取り付けられている。
【0110】
第3エアシリンダー88bは、第2折割装置79bの折割カッターホイール99(折割カッターホルダー100)を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にカッターホイール99をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてカッターホイール99に下方への押圧力を加える(付与する)。第3エアシリンダー88bの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第3エアシリンダー88b(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第3エアシリンダー88bの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、第3エアシリンダー88bを昇降させる。
【0111】
第4エアシリンダー89bは、第2折割装置79bのローラー昇降軸103の直上であって第3エアシリンダー88bの幅方向外方近傍に設置され、ローラー昇降軸103に連結されている。第4エアシリンダー89bは、第2折割装置79bの押圧ローラー102を上下方向(Z軸方向)へ上下動させ、ガラス板11a,11bの縁部eの折割時にローラー102をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させてローラー102に下方への押圧力を加える(付与する)。第4エアシリンダー89bの上昇寸法や下降寸法は、事前に設定されている。第4エアシリンダー89b(昇降機構)の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第4エアシリンダー89bの制御部は、コントローラから昇降信号を受信すると、第4エアシリンダー89bを昇降させる。
【0112】
第9サーボモータ96(Z軸サーボモータ)は、第3エアシリンダー88bの幅方向内方近傍に位置し、ブラケット105の下面に連結・固定されている。第9サーボモータ96は、その軸がタイミングベルト106を介して支持軸104に連結されている。第9サーボモータ96は、第2折割装置79bの折割ツール87b(折割カッターホイール99)の折割方向の向きを(XY平面に直交する軸まわりの角度)を微調整する。第9サーボモータ96の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第9サーボモータ96の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第9サーボモータ96を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第9サーボモータ96の駆動を停止させる。
【0113】
第10サーボモータ97(X軸サーボモータ)は、第2アクチュエーターフレーム95bに設置され、その軸がX軸第2アクチュエーター92bに連結されている。X軸第2アクチュエーター92bは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第10サーボモータ97の軸が時計回り方向へ回転すると、X軸第2アクチュエーター92bのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを前後方向前方に向かって移動し、第10サーボモータ97の軸が反時計回り方向へ回転すると、X軸第2アクチュエーター92bのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを前後方向後方に向かって移動する。第10サーボモータ97の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第10サーボモータ97の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第10サーボモータ97を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第10サーボモータ97の駆動を停止させる。
【0114】
第11サーボモータ98(Y軸サーボモータ)は、第2アクチュエーターフレーム95bに設置され、その軸がY軸第2アクチュエーター94bに連結されている。Y軸第2アクチュエーター94bは、ネジ部とガイド部とを有する(図示せず)。第11サーボモータ98の軸が時計回り方向へ回転すると、Y軸第2アクチュエーター94bのネジ部が時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを幅方向の一方に向かって移動し、第11サーボモータ98の軸が反時計回り方向へ回転すると、Y軸第2アクチュエーター94bのネジ部が反時計回り方向へ回転し、ネジ部が反時計回り方向へ回転すると、ブラケット105とともに第2折割装置79bの折割ツール87bが第2アクチュエーターフレーム95bを幅方向の他方に向かって移動する。第11サーボモータ98の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第11サーボモータ98の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第11サーボモータ98を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第11サーボモータ98の駆動を停止させる。
【0115】
図19は、研削加工エリア22に設置された一例として示す研削装置108の側面図であり、図20は、研削装置108の正面図である。図21は、研削装置108の上面図である。研削加工エリア22は、搬入エリア19において位置決めされ、切込加工エリア20において切込加工が行われるとともに折割加工エリア21において折割加工が行われたガラス板11a,11bを載置する研削加工テーブル107(研削加工台)と、研削加工テーブル107に載置されたガラス板11a,11bの縁部e(周縁部)を研削する研削装置108とを備えている。
【0116】
研削加工テーブル107は、システム台25の床面に固定された幅方向へ長いベースレーン61bの上に設置されている(図7参照)。研削加工テーブル107は、ガラス板11a,11bを吸着保持する複数の吸着パッド124と、それら吸着パッド124を負圧にして吸着パッド124に吸着力を付与するバキューム機構(エアー吸引装置)(エアーバキュームポンプ)(図示せず)とを備えている。バキューム機構の発停を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。
【0117】
研削加工テーブル107は、第2移動機構62bを利用し、位置決めされたガラス板11a,11bを載置した状態で幅方向へ移動する。第2移動機構62bは、走行ガイドレール63bと、送りネジ64b(ボールネジ)と、第12サーボモータ109と、ガイドシュー66bと、スライドブロック67b(ハウジングナット)とから形成されている。それら走行ガイドレール63bは、ベースレーン61bの上面に設置されて幅方向へ延びている。送りネジ64b(ボールネジ)は、ベースレーン61bの上面であって走行ガイドレール63bの側方に設置されて幅方向へ延びている。第12サーボモータ109は、ベースレーン61bに設置され、研削加工テーブル107を幅方向へ往復動させる。
【0118】
第12サーボモータ109の軸には、送りネジ64bの他方の端部が連結されている。第12サーボモータ109の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第12サーボモータ109の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第12サーボモータ109を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第12サーボモータ109の駆動を停止させる。
【0119】
送りネジ64bは、ベースレーン61bに固定された軸受け(図示せず)に回転可能に支持されている。ガイドシュー66bは、研削加工テーブル107の下面に取り付けられて幅方向へ延びている。ガイドシュー66bは、走行ガイドレール63bに摺動可能に嵌合している。スライドブロック67b(ハウジングナット)は、研削加工テーブル107の下面であってガイドシュー66bの間に取り付けられている。スライドブロック67bは、送りネジ64bに回転可能に螺着されている。
【0120】
第12サーボモータ109の軸が時計回り方向へ回転すると、送りネジ64bが時計回り方向へ回転し、送りネジ64bの時計回り方向への回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67bの移動によって研削加工テーブル107が研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって幅方向へ移動する。第12サーボモータ109の軸が反時計回り方向へ回転すると、送りネジ64bが反時計回り方向へ回転し、送りネジ64bの反時計回り方向への回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動するとともに、スライドブロック67bの移動によって研削加工テーブル107が研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって幅方向へ移動する。
【0121】
尚、第12サーボモータ109は、切込加工エリア20の第4サーボモータ65と同期して駆動し、切込加工テーブル59の切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aへの移動に同期して研削加工テーブル107が研削加工エリア22の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって移動し、又は、切込加工テーブル59の切込加工エリア20の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bへの移動に同期して研削加工テーブル107が研削加工エリア22の一方の側縁部53aから他方の側縁部53bに向かって移動する。
【0122】
研削装置108は、研削ツール110と、第13サーボモータ111(研削Z軸サーボモータ)と、第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)と、第15サーボモータ113(切込サーボモータ)と、研削ホイール昇降ネジ114と、研削ホイール切込ネジ115とを備えている。研削ツール110は、研削ホイール116と、研削ホルダー117と、カバー118と、スピンドルモータ119とから形成されている。研削ホイール116は、所定の直径を有する円盤状に成形され、その外周面によってガラス板11a,1bの縁部e(周縁部)を研削する。
【0123】
研削ホルダー117は、研削ホイール116の直上に位置して研削ホイール116を回転可能に支持する。カバー118は、研削ホイール116の直下に位置して研削ホイール116全体を包被する。カバー118は、研削ホルダー117に着脱可能に取り付けられている。カバー118には、ガラス板11a,11bの縁部eを挿入するスリット120が形成されている。スピンドルモータ119は、研削ホイール116(研削ホルダー117)の直上に位置し、モータハウジング121に設置・収容されている。スピンドルモータ119は、その軸が研削ホイール116の中心に連結されている。
【0124】
スピンドルモータ119の軸の回転によって研削ホイール116が回転する。モータハウジング121は、ブラケット122を介して走行フレーム32に固定されている。スピンドルモータ119の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。スピンドルモータ119の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度でスピンドルモータ119を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、スピンドルモータ119の駆動を停止させる。
【0125】
第13サーボモータ111(研削Z軸サーボモータ)は、研削ツール110の後方近傍に位置し、ブラケット122を介して走行フレーム32に連結・固定されている。第13サーボモータ111は、その軸がモータハウジング121の支持軸に連結されている。第13サーボモータ111は、研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに平行に当接するように、研削ホイール116の軸方向の姿勢(軸まわりの角度)を微調整する。第13サーボモータ111の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第13サーボモータ111の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第13サーボモータ111を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第13サーボモータ111の駆動を停止させる。
【0126】
第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)は、モータハウジング121(スピンドルモータ119)の幅方向外方近傍に位置し、モータハウジング121に連結・固定されている。第14サーボモータ112は、その軸が研削ホイール昇降ネジ114に連結され、研削ホイール昇降ネジ114を回転させる。第14サーボモータ112は、ガラス板11a,11bの厚み寸法に応じて研削ホイール116(モータハウジング121)を上下動させ、研削ホイール116の高さがガラス板11a,11bの縁部eの高さに一致して研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに当接するように、研削ホイール116の高さを微調整する。第14サーボモータ112の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第14サーボモータ112の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第14サーボモータ112を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第14サーボモータ112の駆動を停止させる。
【0127】
尚、ガラス板11a,11bの加工を開始する初期設定において、研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離がコントローラに入力される。コントローラは、入力された距離に基づいて第14サーボモータ112の軸の回転数を算出し、算出した回転数を第14サーボモータ112の制御部に送信する。第14サーボモータ112の制御部は、コントローラから受信した回転数で第14サーボモー112の軸を回転させる。第14サーボモータ112の軸が時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール昇降ネジ114が時計回り方向へ回転しつつネジ114が下降し、それによって研削ホイール116(モータハウジング12)が下降する。第14サーボモータ112の軸が反時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール昇降ネジ114が反時計回り方向へ回転しつつネジ114が上昇し、それによって研削ホイール116(モータハウジング12)が上昇する。加工するガラス板11a,11bの厚み寸法が同一である限り、研削ホイール116の高さの微調整を一度設定すれば、それ以降の調整は行われない。
【0128】
第15サーボモータ113(切込サーボモータ)は、第14サーボモータ112(昇降サーボモータ)の直下であってモータハウジング12(スピンドルモータ119)の幅方向外方近傍に位置し、モータハウジング12に連結・固定されている。第15サーボモータ113は、その軸が研削ホイール切込ネジ115に連結され、研削ホイール切込ネジ115を回転させる。第15サーボモータ113は、ガラス板11a,11bの幅寸法(大きさ)に応じて研削ホイール116(モータハウジング12)を幅方向へ移動させ、研削ホイール116の外周面がガラス板11a,11bの縁部eに当接するように、研削ホイール116の前後方向の位置を微調整する。第15サーボモータ113の発停や回転数、回転速度を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。第15サーボモータ113の制御部は、コントローラから駆動信号を受信すると、所定の回転数及び回転速度で第15サーボモータ113を駆動させ、コントローラから停止信号を受信すると、第15サーボモータ113の駆動を停止させる。
【0129】
尚、ガラス板11a,11bの加工を開始する初期設定において、研削ホイール116の径(直径)がコントローラに入力される。コントローラは、入力された研削ホイール116の径(直径)に基づいて第15サーボモータ113の軸の回転数を算出し、算出した回転数を第15サーボモータ113の制御部に送信する。第15サーボモータ113の制御部は、コントローラから受信した回転数で第15サーボモータ113の軸を回転させる。第15サーボモータ113の軸が時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール切込ネジ115が時計回り方向へ回転しつつネジ115が前後方向後方へ移動し、それによって研削ホイール116(モータハウジング12)が前後方向後方へ移動する。第15サーボモータ113の軸が反時計回り方向へ所定の回転数で回転すると研削ホイール切込ネジ115が反時計回り方向へ回転しつつネジ115が前後方向前方へ移動し、それによって研削ホイール116(モータハウジング12)が前後方向前方へ移動する。研削ホイール116の径(直径)が同一である限り、研削ホイール116の前後方向の位置の微調整を一度設定すれば、それ以降の調整は行われない。
【0130】
搬出エリア23には、搬出コンベア13が設置されている。搬出エリア23は、システム台25の床面から上方へ延びる脚部によって支持されている。搬出コンベア23は、前後方向(X方向)へ延びる複数の無限軌道であり、幅方向(Y方向)へ所定間隔離間して並んでいる。それら搬出コンベア23の発停や搬送距離を制御する制御部は、インターフェイス(有線又は無線)(図示せず)を介してコントローラに接続されている。それら搬出コンベア23は、ガラス板11a,11bを搬出エリア23の後端部(搬入口)から前端部(搬出口)に向かって前後方向後方から前方へ搬送する。
【0131】
以下、ガラス板11a,11bの加工(切込加工、折割加工、研削加工)の一例を説明する。尚、ガラス板第1ホルダー40aのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節され、ガラス板第2ホルダー40bのパッド設置プレート42におけるそれら内側吸着パッド41aの設置位置が調節され、ガラス板第3ホルダー40cのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節されているとともに、ガラス板第4ホルダー40dのパッド設置プレート42におけるそれら吸着パッド41の設置位置が調節されている。又、パッド設置プレート42の軸線に対する第1~第4アーム43a~43dの旋回角度が調節され、第1~第4アーム43a~43dに対する外側吸着パッド41bの設置位置が調節されている。加工開始時では、ガラス板第1ホルダー40aが搬入エリア19の上方に待機し、ガラス板第2ホルダー40bが切込加工エリア20の上方に待機しているとともに、ガラス板第3ホルダー40cが折割加工エリア21の上方に待機し、ガラス板第4ホルダー40dが研削加工エリア22の上方に待機している。
【0132】
コントローラに接続されたモニターやディスプレイ、タッチパネル(出力装置)には、各種複数のガラス板画像が出力(表示)される。出力装置に出力(表示)された各種複数のガラス板画像から加工対象の特定のガラス板11a,11bをクリック(タップ)(選択)する。特定のガラス板11a,11bを選択すると、コントローラは、そのガラス板11a,11bに施す加工に対するNC制御プログラムを選択する。コントローラは、研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離の入力エリア、ガラス板11a,11bの前後方向の寸法入力エリア、研削ホイール116の径(直径)入力エリアを出力装置に出力(表示)する。
【0133】
研削ホイール116の取付基準面から溝の中心までの距離の入力エリアに距離を入力し、研削ホイール116の径(直径)入力エリアに径を入力した後、出力装置に出力(表示)された入力ボタンをクリック(タップ)する。距離、径が入力されると、コントローラは、第14サーボモータ112を駆動して研削ホイール116(モータハウジング12)を上下動させ、研削ホイール116の高さを微調整するとともに、第15サーボモータ113を駆動して研削ホイール116(モータハウジング12)を幅方向へ移動させ、研削ホイール116の前後方向の位置を微調整する。それら微調整が終了した後、コントローラは、加工開始ボタンを出力装置に出力(表示)する。加工開始ボタンをクリック(タップ)すると、ガラス板11a,11bの加工が開始される。
【0134】
選択された加工対象(加工前)のガラス板11a,11bが搬入エリア19に搬入される。尚、搬入エリア19では、第1位置決め手段と第2位置決め手段とが実施される。加工対象のガラス板11a,11bは、自動供給装置(図示せず)によって搬入エリア19の搬入コンベア48に自動的に供給される。自動供給装置には上面12及び下面13の面積が同一(大きさが同一)の加工対象の複数枚のガラス板11a,11bが上下方向へ積重ねられ、ガラス板11a,11bが1枚毎に自動供給装置から搬入コンベア48へ供給される。
【0135】
搬入エリア19におけるガラス板11a,11bの位置決め手順の一例は、以下のとおりである。コントローラは、搬入コンベア48の制御部に搬送信号(ON信号)を送信し、前進信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させる。搬入エリア19に搬入されたガラス板11a,11bは、その下面13が搬入コンベア48に当接した状態で搬入コンベア48の上に載置される。ガラス板11a,11bは、その一方の側縁14(側縁14が湾曲する(カーブを描く)場合を含む)が搬入エリア19の一方の側縁部53aに並行し、その他方の側縁15が搬入エリア19の他方の側縁部53bに並行する。
【0136】
搬入コンベア48の上に載置されたガラス板11a,11bは、搬入コンベア48によって搬入エリア19の後方から前方へ向かって前後方向前方へ次第に移動する。ガラス板11a,11bが搬入エリア19の後方から前方へ向かって移動し、ガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接すると、ストッパー49に設置された接触センサーがガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、接触信号をコントローラに送信する。
【0137】
接触信号を受信したコントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を搬入コンベア48の制御部に送信するとともに、搬入コンベア48の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。
【0138】
第2移動寸法及び後退信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させ、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させる。搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させると、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)が搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置する(第2位置決め手段)。
【0139】
ガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させた後、コントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、それらエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部は、それらエアシリンダーを上昇させる。エアシリンダーの上昇によってそれらローラー50が上昇し、ローラー50の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、上昇したそれらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態でそれらローラー50がガラス板11a,11bを搬入コンベア48の上方へ持ち上げる。
【0140】
エアシリンダー(第1昇降機構51)の上昇が完了した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための移動機構(第3移動機構52)の幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)から算出した第3サーボモータ56の回転数を第3サーボモータ56の制御部に送信するとともに、第3サーボモータ56の制御部に正回転信号(ON信号)を送信する。第3サーボモータ56の回転数及び正回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ時計回り方向へ回転させる。
【0141】
第3サーボモータ56の軸の時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58がその移動開始点から幅方向の一方へ次第に移動する。幅方向の一方へ移動する当接部材58がガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、当接部材58がガラス板11a,11bを幅方向の他方から一方へ移動させるようにガラス板11a,11bの他方の側部15を幅方向へ押圧する。当接部材58に押圧されたガラス板11a,11bがローラ50上を幅方向の他方から一方へ向かって幅方向へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置する(第1位置決め手段)。
【0142】
当接部材58の幅方向の一方への移動が終了し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置すると、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。第3サーボモータ56の駆動が停止した後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に逆回転信号(ON信号)を送信する。逆回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ反時計回り方向へ回転させる。
【0143】
第3サーボモータ56の軸の反時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58が幅方向の他方へ次第に移動し、当接部材58が移動開始点に戻る。当接部材58が移動開始点に戻った後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、エアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に下降信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させ、下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部は、それらエアシリンダーを下降させる。それらエアシリンダーが下降すると、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされたガラス板11a,11bの下面13が搬コンベア48に当接する。
【0144】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bが搬入エリア19をその後方から前方へ移動してガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接した後、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2に位置させ、第2位置決め手段によってガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を位置決め第2基準L2に位置させた後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを上昇させ、上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁1を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板11a,11bのガラス板の幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置させるから、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの中心線L2)の位置に、後に加工する上下面12,13の面積が異なるガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの中心線L2)を正確に位置(一致)させることができ、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁の位置に、後に加工する上面12及び下面1の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁を正確に位置(一致)させることができる。
【0145】
搬入エリア19におけるガラス板11a,11bの位置決め手順の他の一例は、以下のとおりである。コントローラは、搬入コンベア48の制御部に前進信号(ON信号)を送信し、前進信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させる。搬入エリア19に搬入されたガラス板11a,11bは、その下面13が搬入コンベア48に当接した状態で搬入コンベア48の上に載置される。搬入コンベア48の上に載置されたガラス板11a,11bは、搬入コンベア48によって搬入エリア19の後方(スタート位置)から前方へ向かって前後方向前方へ次第に移動する。ガラス板11a,11bが搬入エリア19の後方から前方へ向かって移動し、ガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接すると、ストッパー49に設置された接触センサーがガラス板11a,11bの前端縁16のストッパー49への当接を検出し、接触信号をコントローラに送信する。
【0146】
接触信号を受信したコントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。次に、コントローラは、それらエアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、それらエアシリンダーを上昇させる。エアシリンダーの上昇によってそれらローラー50が上昇し、ローラー50の周縁部の一部がそれら搬入コンベア48の上方へ露出し、上昇したそれらローラー50がガラス板11a,11bの下面13に当接した状態でそれらローラー50がガラス板11a,11bを搬入コンベア48の上方へ持ち上げる。
【0147】
エアシリンダーの上昇が完了した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14を位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるための移動機構(第3移動機構52)の幅方向への第1移動寸法(第1移動距離)から算出した第3サーボモータ56の回転数を第3サーボモータ56の制御部に送信するとともに、第3サーボモータ56の制御部に正回転信号(ON信号)を送信する。回転数及び正回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ時計回り方向へ回転させる。
【0148】
第3サーボモータ56の軸の時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58がその移動開始点から幅方向の一方(搬入エリア19の側部53a)へ次第に移動する。幅方向の一方へ移動する当接部材58がガラス板11a,11bの他方の側縁15に当接し、当接部材58がガラス板11a,11bを幅方向の他方から一方へ移動させるようにガラス板11a,11bの他方の側縁15を幅方向へ押圧する。当接部材58に押圧されたガラス板11a,11bがローラ5上を幅方向の他方から一方へ向かって幅方向へ移動し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁が搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置する(第1位置決め手段)。
【0149】
当接部材58の幅方向の一方への移動が終了し、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14が搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置すると、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させる。第3サーボモータ56の駆動が停止した後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に逆回転信号(ON信号)を送信する。逆回転信号(ON信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56を駆動させ、第3サーボモータ56の軸を所定の回転数だけ反時計回り方向へ回転させる。
【0150】
第3サーボモータ56の軸の反時計回り方向への回転による送りネジの回転によって移動アーム57とともに当接部材58が幅方向の他方(搬入エリア19の側部53b)へ次第に移動し、当接部材58が移動開始点に戻る。当接部材58が移動開始点に戻った後、コントローラは、第3サーボモータ56の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、エアシリンダー(第1昇降機構51)の制御部に下降信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第3サーボモータ56の制御部は、第3サーボモータ56の駆動を停止させ、下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、それらエアシリンダーを下降させる。それらエアシリンダーが下降すると、ガラス板11a,11bの下面13が搬コンベア48に当接する。
【0151】
ガラス板11a,11bの下面13が搬送コンベア48に当接した後、コントローラは、ガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1を搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるための搬入コンベア48の前後方向後方への第2移動寸法を搬入コンベア48の制御部に送信するとともに、搬入コンベア48の制御部に搬送信号(ON信号)を送信する。
【0152】
第2移動寸法及び搬送信号(ON信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48を駆動させ、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させる。搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させると、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)が搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置する(第2位置決め手段)。ガラス板11a,11bを前後方向後方へ第2移動寸法移動させた後、コントローラは、搬入コンベア48の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、停止信号(OFF信号)を受信した搬入コンベア48の制御部は、それら搬入コンベア48の駆動を停止させる。ガラス板11a,11bは、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされる。
【0153】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bが搬入エリア19をその後方から前方へ移動してガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接した後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを上昇させ、上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁14を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を搬入エリア19における位置決め第1基準L1に位置させ、第1位置決め手段によってガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁を位置決め第1基準L1に位置させた後、エアシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともにガラス板11a,11bを下降させ、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bが搬入エリア19をその後方から前方へ移動してガラス板11a,11bの前端縁16がストッパー49に当接した後、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させることで、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2に位置させるから、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最外側縁を正確に位置(一致)させることができ、先に加工するガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの中心線L2)の位置に、後に加工する上下面12,13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの中心線L2)を正確に(位置)一致させることができる。
【0154】
図22は、搬入エリア19において位置決めされたガラス板11a,11bの上面図である。ガラス板加工システム10では、上下面12,13の面積が大きい大サイズのガラス板11aと、大サイズのガラス板11aよりも上下面12,13の面積が小さい小サイズのガラス板11bとを第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めした場合、図22に示すように、大サイズのガラス板11aの前後方向へ延びる一方の側縁14と小サイズのガラス板11bの前後方向へ延びる一方の側縁14とが搬入エリア19の位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置し、大サイズのガラス板11aの前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1と小サイズのガラス板11bの前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1とが搬入エリア19の位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置している。
【0155】
図22に示すように、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされた大サイズのガラス板11aと小サイズのガラス板11bとは、それらガラス板11a,11bの一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11a,11bでは、一方の側縁14)が位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)において一致し、それらガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)が位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)において一致している。
【0156】
第1位置決め手段及び第2位置決め手段によってガラス板11a,11bの位置決めが完了した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に下降信号(ON信号)を送信する。下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41をガラス板11a,11bの上面12に向かって下降させる。ガラス板第1ホルダー40aの吸着パッド41がガラス板11a,11bの上面12に当接した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのバキューム機構の制御部に吸引信号(ON信号)を送信する。吸引信号(ON信号)を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構を起動させる。
【0157】
バキューム機構を起動によって、搬入エリア19に位置するガラス板11a,11bが吸着パッド41に吸引される。バキューム機構を起動した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に上昇信号(ON信号)を送信する。上昇信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41を上昇させる。搬入エリア19における第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めされたガラス板11a,11bは、吸着パッド41に吸着された状態で吸着パッド41とともに上昇する。
【0158】
吸着パッド41(ガラス板11a,11b)が上昇した後、コントローラは、第2サーボモータ39の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。前進信号(ON信号)を受信した第2サーボモータ39の制御部は、第2サーボモータ39を駆動させる。第2サーボモータ39の軸の回転によってスライドブロックが第2ガイドフレームの後方から前方へ向かって前後方向へ移動し、それによってガラス板第1ホルダー40a(吸着パッド41に吸着されたガラス板11a,11b)が搬入エリア19から切込加工エリア20に移動する。尚、スライドブロックの移動により、ガラス板第1ホルダー40aとともにガラス板第2~第4ホルダー40b~40dが前後方向前方へ移動する。
【0159】
ガラス板第1ホルダー40aが切込加工エリア20に移動した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に下降信号(ON信号)を送信する。下降信号(ON信号)を受信したエアシリンダーの制御部は、エアシリンダーによって吸着パッド41(ガラス板11a,11b)を切込加工エリア20の切込加工テーブル59の上に下降させる。ガラス板第1ホルダー40aの吸着パッド41に吸着されたガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に当接した後、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのバキューム機構の制御部に停止信号(OFF信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構の起動を停止させる。バキューム機構が停止することで、ガラス板11a,11bに対する吸着パッド41の吸着が解除され、位置決めされたガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に載置される。
【0160】
次に、コントローラは、ガラス板第1ホルダー40aのエアシリンダーの制御部に上昇信号(ON信号)を送信し、上昇信号によってガラス板第1ホルダー40a(エアシリンダー)が切込加工テーブル59の上方へ上昇する。ガラス板第1ホルダー40aが上昇した後、コントローラから第2サーボモータ39の制御部に後退信号(ON信号)が送信され、第2サーボモータ39の軸の回転によってガラス板第1ホルダー40aが切込加工エリア20から搬入エリア19に移動し、ガラス板第1ホルダー40aが搬入エリア19の上方で待機する。尚、ガラス板第1ホルダー40aとともにガラス板第2~第4ホルダー40b~40dも前後方向後方へ移動し、ガラス板第2ホルダー40bが切込加工エリア20の上方で待機し、ガラス板第3ホルダー40cが折割加工エリア21の上方で待機するとともに、ガラス板第4ホルダー40dが研削加工エリア22の上方で待機する。
【0161】
切込加工後のガラス板11a,11bのガラス板第2ホルダー40bによる切込加工エリア20から折割加工エリア21への搬送手順、折割加工後のガラス板11a,11bのガラス板第3ホルダー40cによる折割加工エリア21から研削加工エリア21への搬送手順、研削加工後のガラス板11a,11bのガラス板第4ホルダー40dによる研削加工エリア22から搬出エリア23への搬送手順は、ガラス板第1ホルダー40aによるガラス板11a,11bの搬入エリア19から切込加工エリア20へのそれと同一であるから、ガラス板第2~第4ホルダー40b~40dによる搬送手順の説明は省略する。
【0162】
ガラス板11a,11bが切込加工テーブル59に載置された後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。第1サーボモータ34の軸の回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム3の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、それによって第1走行フレーム32とともに切込装置60が切込加工エリア20において前後方向後方へ移動し、切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18a(前側縁16)の幅方向外方(切込加工開始位置)に位置する。
【0163】
切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18aの幅方向外方に位置した後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。第4サーボモータ65の軸の回転によってスライドブロック67aが切込加工エリア20の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64aを幅方向へ移動し、それによって切込加工テーブル59が切込加工エリア20の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動し、切込装置60の切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置する。
【0164】
切込装置60の切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置した後、コントローラは、第4サーボモータ65の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、切込装置60のエアシリンダー69及び第5サーボモータ70の制御部に駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を停止させる。駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を受信した切込装置60のエアシリンダー69の制御部及び第5サーボモータ70の制御部は、エアシリンダー69及び第5サーボモータ70を駆動し、ガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)に対してNC制御による輪郭制御運動を実施し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)を切込加工する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて切込装置60を切込加工エリア20において前後方向後方へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第1角部18aから第2角部18bに向かって次第に移動する。
【0165】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第2角部18bに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。それによって切込装置60の前後方向後方への移動が停止するとともに、切込加工テーブル59が切込加工エリア20の一方の側縁部53aの側から他方の側縁部53bの側に向かって幅方向へ移動する。切込加工テーブル59の幅方向への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの後端縁17近傍(後端縁部)を切込加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第4サーボモータ65を駆動させて切込加工テーブル59を切込加工エリア20において幅方向へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第2角部18bから第3角部18cに向かって次第に移動する。
【0166】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの後端縁17近傍(後端縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第3角部18cに位置すると、コントローラは、第4サーボモータ65の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65の駆動を停止させ、前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。それによって切込加工テーブル59の幅方向への移動が停止し、切込装置60が前後方向前方へ移動する。切込装置60の前方への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)を切込加工する。前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて切込装置60を切込加工エリア20において前後方向前方へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。
【0167】
切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)の切込加工が終了し、切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの第4角部18dに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第4サーボモータ65の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、第4サーボモータ65を駆動させる。それによって切込装置60の前後方向前方への移動が停止するとともに、切込加工テーブル59が切込加工エリア20の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動する。切込加工テーブル59の幅方向への移動に伴って切込カッターホイール71がガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)を切込加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第4サーボモータ65の制御部は、切込加工と同期し(切込加工中)、第4サーボモータ65を駆動させて切込加工テーブル59を切込加工エリア20において幅方向へ移動させる。切込装置60の切込カッターホイール71は、ガラス板11a,11bの第4角部18dから第1角部18aに向かって次第に移動する。切込装置60の切込カッターホイール71によってガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)の切込加工が終了すると、切込装置60がガラス板11a,11bの第1角部18a(前端縁16)の幅方向外方(切込加工開始位置)に移動し、待機する。
【0168】
切込加工エリア20では、例えば、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))に、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する面積が異なるガラス板11bの切込加工を行う場合、大サイズのガラス板11aの側縁14に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置60が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなる。小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離が短くなるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの切込装置60の移動距離が短くなり、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)が短縮するとともに、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮する。
【0169】
ガラス板11a,11bの周縁部に対して切込加工が終了した後、ガラス板第2ホルダー40bによって切込加工後のガラス板11a,11bが切込加工エリア20から折割加工エリア2へ搬送される。切込加工後のガラス板11a,11bが折割加工テーブル78に載置された後、コントローラは、第1折割装置79a及び第2折割装置79bの第1~第4エアシリンダー88a,88b,89a,89b、第1折割装置79a及び第2折割装置79bの第6~第11サーボモータ90,91,93,96,97,98の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。駆動信号(ON信号)を受信したそれらエアシリンダー88a,88b,89a,89bやそれらサーボモータ90,91,93,96,97,98の制御部は、エアシリンダー88a,88b,89a,89b及びサーボモータ90,91,93,96,97,98を駆動する。
【0170】
エアシリンダー88a,89a及びサーボモータ90,91,93が駆動した第1折割装置79aは、その押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第1アクチュエーター92a及びY軸第1アクチュエーター94aによって前後方向及び幅方向へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第1角部18aにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第1角部18aにおける切込の近傍に位置する。エアシリンダー88b,89b及びサーボモータ96,97,98が駆動した第2折割装置79bは、その押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第2アクチュエーター92b及びY軸第2アクチュエーター94bによって前後方向及び幅方向へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第4角部18dにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第4角部18dにおける切込の近傍に位置する。
【0171】
第1折割装置79aの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第1角部18aを切断しつつ、第1折割装置79aの押圧ローラー102が第1角部18aを下方へ押圧するとともに、第2折割装置79bの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第4角部18dを切断しつつ、第2折割装置79bの押圧ローラー102が第4角部18dを下方へ押圧することで、ガラス板11a,11bのうちの切込の外側に延びる周縁部がガラス板11a,11bから切り離される。切り離されたガラス板11a,11bの周縁部は、ベルトコンベア80の上に残存する。
【0172】
次に、第1折割装置79aの押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第1アクチュエーター92a及びY軸第1アクチュエーター94aによって前後方向後方へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第2角部18bにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第2角部18bにおける切込の近傍に位置する。第2折割装置79bの押圧ローラー102と折割カッターホイール99とがX軸第2アクチュエーター92b及びY軸第2アクチュエーター94bによって前後方向後方へ移動し、押圧ローラー102がガラス板11a,11bの第3角部18cにおける切込の外側に位置する縁部に位置し、折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第3角部18cにおける切込の近傍に位置する。
【0173】
第1折割装置79aの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第2角部18bを切断しつつ、第1折割装置79aの押圧ローラー102が第2角部18bを下方へ押圧するとともに、第2折割装置79bの折割カッターホイール99がガラス板11a,11bの第3角部18cを切断しつつ、第2折割装置79bの押圧ローラー102が第3角部18cを下方へ押圧することで、ガラス板11a,11bのうちの切込の外側に延びる周縁部がガラス板11a,11bから切り離される。切り離されたガラス板11a,11bの周縁部は、ベルトコンベア80の上に残存する。
【0174】
折割加工が終了し、折割加工後のガラス板11a,11bがガラス板第3ホルダー40cによって上方へ持ち上げられた後、コントローラは、コンベア駆動モータ81の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。駆動信号(ON信号)を受信したコンベア駆動モータ81の制御部は、ベルトコンベア80を駆動させる。ベルトコンベア80は、幅方向の一方から他方へ向かって移動する。ベルトコンベア80の幅方向の移動によってベルトコンベア80に残存するガラス板11a,11bの周縁部が幅方向の一方から他方へ向かって次第に移動し、ガラス板11a,11bの周縁部がベルトコンベア80から落下してダストボックス(図示せず)に収容される。
【0175】
ガラス板11a,11bに対して折割加工が終了した後、ガラス板第3ホルダー40cによって折割加工後のガラス板11a,11bが折割加工エリア21から研削加工エリア22へ搬送され、ガラス板11a,11bが研削加工テーブル107に載置される。ガラス板11a,11bが研削加工テーブル107に載置された後、コントローラは、研削加工テーブル107のバキューム機構の制御部に駆動信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。駆動信号を受信したバキューム機構の制御部は、バキューム機構を駆動させる。バキューム機構の駆動によってガラス板11a,11bが吸着パッド124(研削加工テーブル107)に吸着保持される。
【0176】
後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。第1サーボモータ34の軸の回転によって第1スライドブロックが第1ガイドフレーム30の前方から後方へ向かって前後方向へ移動し、それによって第1走行フレーム32とともに研削装置108が研削加工エリア22において前後方向後方へ移動し、研削装置108がガラス板11a,11bの本体の第1角部18a(前側縁16)の幅方向外方(研削加工開始位置)に位置する。尚、研削装置108は、切込装置60と同期してガラス板11a,11bの本体の周縁部(側縁14,15、前後端縁16,17)を移動する。
【0177】
研削装置108がガラス板11a,11bの第1角部18aの幅方向外方に位置した後、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ10の制御部は、第12サーボモータ10を駆動させる。第12サーボモータ10の軸の回転によってスライドブロック67bが研削加工エリア23の他方の側縁部53bから一方の側縁部53aに向かって送りネジ64bを幅方向へ移動し、それによって研削加工テーブル107が研削加工エリア2の他方の側縁53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動し、研削装置108の研削ホイール116がガラス板11a,11bの本体の第1角部18aに位置する。ガラス板11a,11bの本体の第1角部18aは、研削ツール110のカバー118のスリット120に進入する。
【0178】
研削装置108の研削ホイール116がガラス板11a,11bの第1角部18aに位置した後、コントローラは、第12サーボモータ109の制御部に停止信号(OFF信号)を送信し、研削装置108の第13~第15サーボモータ111~113の制御部及びスピンドルモータ119の制御部に駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に後退信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を停止させる。
【0179】
駆動信号(ON信号)及びNC制御信号を受信した研削装置108の第13~第15サーボモータ111~113の制御部は、第13~第15サーボモータ111~113を駆動し、ガラス板11a,11bの一方の側縁14近傍(一方の側縁部)に対してNC制御による輪郭制御運動を実施し、研削ホイール116がガラス板一方の一方の側縁14近傍を研削加工する。後退信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて研削装置108を研削加工エリア23において前後方向後方へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第1角部18aから第2角部18bに向かって次第に移動する。
【0180】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの一方の側縁近傍(一方の側縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第2角部18bに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を駆動させる。それによって研削装置108の前後方向後方への移動が停止するとともに、研削加工テーブル107が研削加工エリア23の他方の側縁部53bの側から一方の側縁部53aの側に向かって幅方向へ移動する。研削加工テーブル107の幅方向への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの後端縁近傍(後端縁部)を研削加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第12サーボモータ109を駆動させて研削加工テーブル107を研削加工エリア23において幅方向へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第2角部18bから第3角部18cに向かって次第に移動する。
【0181】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの後端縁近傍(後端縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第3角部18cに位置すると、コントローラは、第12サーボモータ109の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第1サーボモータ34の制御部に前進信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第12サーボモータ10の制御部は、第12サーボモータ109の駆動を停止させ、前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34を駆動させる。それによって研削加工テーブル107の幅方向への移動が停止し、研削装置108が後方向前方へ移動する。研削装置108の後方向前方への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(他方の側縁部)を研削加工する。前進信号(ON信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第1サーボモータ34を駆動させて研削装置108を研削加工エリア23において前後方向前方へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。
【0182】
研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの他方の側縁15近傍(側縁部)の研削加工が終了し、研削ホイール116がガラス板11a,11bの第4角部18dに位置すると、コントローラは、第1サーボモータ34の制御部に停止信号(OFF信号)を送信するとともに、第12サーボモータ109の制御部に駆動信号(ON信号)を送信する。停止信号(OFF信号)を受信した第1サーボモータ34の制御部は、第1サーボモータ34の駆動を停止させ、駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、第12サーボモータ109を駆動させる。それによって研削装置108の前後方向前方への移動が停止するとともに、研削加工テーブル107が研削加工エリア23の一方の側縁部53aの側から他方の側縁部53bの側に向かって幅方向へ移動する。研削加工テーブル107の幅方向への移動に伴って研削ホイール116がガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)を研削加工する。駆動信号(ON信号)を受信した第12サーボモータ109の制御部は、研削加工と同期し(研削加工中)、第12サーボモータ109を駆動させて研削加工テーブル107を研削加工エリア23において幅方向へ移動させる。研削装置108の研削ホイール116は、ガラス板11a,11bの第3角部18cから第4角部18dに向かって次第に移動する。研削装置108の研削ホイール116によってガラス板11a,11bの前端縁16近傍(前端縁部)の研削加工が終了すると、研削装置108がガラス板11a,11bの第1角部18a(前端縁16)の幅方向外方(研削加工開始位置)に移動し、待機する。
【0183】
研削加工エリア23では、例えば、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))に、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を位置(一致)させ、上面12及び下面13の面積が異なるガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する面積が異なるガラス板11bの研削加工を行う場合、大サイズのガラス板11aの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブルの幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置108が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離とが等しくなる。小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの研削装置108の移動距離が短くなるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラスの幅方向外方へ戻るまでの研削装置108の移動距離が短くなり、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)が短縮するとともに、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮する。
【0184】
ガラス板11a,11bに対して研削加工が終了した後、ガラス板第4ホルダー40dによって研削加工後のガラス板11a,11bが研削加工エリア22から搬出エリア23へ搬送される。搬出エリア23では、切込加工、折割加工、研削加工が終了したガラス板11a,11bが搬出コンベア123によって搬出エリア23の後端部から前端部に向かって前方へ移動し、各加工が終了したガラス板11a,11bが搬出エリア23から搬出される。
【0185】
尚、各加工が終了したガラス板11a,11bが搬出エリア23の搬出コンベア123に位置すると、研削加工が終了したガラス板11a,11bが研削加工エリア22の研削加工テーブル11に位置し、折割加工が終了したガラス板11a,11bが折割加工エリア21の折割加工テーブル78に位置するとともに、切込加工が終了したガラス板11a,11bが切込加工エリア20の切込加工テーブル59に位置し、第1位置決め手段及び第2位置決め手段によって位置決めが行われた加工前のガラス板11a,11bが搬入エリア19の搬入コンベア48に位置する。このように、ガラス板加工システム10では、複数のガラス板が搬入エリア19から搬出エリア23に向かって順に搬送され、複数のガラス板11a,11bの加工が連続して行われる。
【0186】
ガラス板加工システム10は、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))と、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))と、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する小サイズのガラス板11b(面積が異なるガラス板11b)の切込加工が行われるから、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、切込装置60が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(切込加工テーブル59の幅方向への移動距離)とが等しくなり、従来技術のガラス板加工システムと比較し、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの切込装置60の移動距離を短くすることができるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの切込装置60の移動距離を短くすることができ、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの到達時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、切込装置60が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。
【0187】
ガラス板加工システム10は、第1位置決め手段によって先に加工する上面12及び下面13の面積の大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11aでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))と、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)の位置(位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをするとともに、第2位置決め手段によって先に加工する大サイズのガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))と、後に加工する小サイズのガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置(位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線))とを一致させ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めをした後、後に加工する小サイズのガラス板11b(面積が異なるガラス板11b)の研削加工が行われるから、上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの最外側縁(側縁14)に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)と上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの最外側縁(側縁14)に到達するまでの研削装置108の移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)とが等しくなるとともに、研削装置108が大サイズのガラス板11aの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11aの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)と小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの移動距離(研削加工テーブル107の幅方向への移動距離)とが等しくなり、従来技術のガラス板加工システムと比較し、小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの研削装置108の移動距離を短くすることができるとともに、小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの研削装置108の移動距離を短くすることができ、研削装置108が小サイズのガラス板11bの側縁14に到達するまでの到達時間(非加工時間)を短縮することができるとともに、研削装置108が小サイズのガラス板11bの最外側縁(側縁14)からそのガラス板11bの幅方向外方へ戻るまでの戻り時間を短縮することができる。ガラス板加工システム10は、小サイズのガラス板11bに対する切込加工及び研削加工を迅速に行うことができ、切込加工及び研削加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0188】
ガラス板加工システム10は、エアーシリンダー(第1昇降機構51)によってローラー50とともに上昇したガラス板11a,11bの他方の側縁15を第3移動機構52によって幅方向へ押圧移動させてガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に位置させるから、先に加工する上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11では、一方の側縁14)の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を正確に位置(一致)させることができ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベア48やストッパー49、ローラー50、第1昇降機構51、第3移動機構52を利用して第1位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0189】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの幅方向の寸法の相違に応じてガラス板11a,11bの一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を位置決め第1基準L1に位置させるための幅方向へのガラス板11a,11bの第1移動寸法を決定し、決定した第1移動寸法に基づいて第3サーボモータ56の軸の回転数を決定するから、第3移動機構52によってガラス板11a,11bを第1移動寸法だけ幅方向へ正確に移動させることができ、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14のうちの最も幅方向外方に位置する最外側縁(図示のガラス板11bでは、一方の側縁14)を搬入エリア19における位置決め第1基準L1(仮想位置決め第1基準線)に正確に位置させることができる。
【0190】
ガラス板加工システム10は、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させてガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第2基準線)に位置させるから、先に加工する上面12及び下面13の面積が大きい大サイズ(大面積)のガラス板11aの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11aの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)の位置に、後に加工する上面12及び下面13の面積が小さい小サイズ(小面積)のガラス板11bの幅方向の一方において前後方向へ延びる一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を正確に一致させることができ、上面12及び下面13の面積が異なる大きさ違いのガラス板11a,11bの位置決めを確実に行うことができるとともに、搬入コンベア48を利用して第2位置決め手段を人手を介さず自動で行うことができる。
【0191】
ガラス板加工システム10は、ガラス板11a,11bの前後方向の寸法の相違に応じてガラス板11a,11bの一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を第2位置決め基準L2に位置させるための前後方向後方への搬入コンベア48の第2移動寸法を決定され、決定された第2移動寸法に基づいて搬入コンベア48がガラス板11a,11bを前後方向後方へ移動させるから、搬入コンベア48によってガラス板11a,11bを第2移動寸法だけ前後方向後方へ正確に移動させることができ、ガラス板11a,11bの幅方向の一方の側縁14の前後方向中心O1(ガラス板11a,11bの前後方向の寸法を二分して幅方向へ延びる中心線L2)を搬入エリア19における位置決め第2基準L2(仮想位置決め第1基準線)に正確に位置させることができる。
【符号の説明】
【0192】
10 ガラス板加工システム
11a 大サイズのガラス板
11b 小サイズのガラス板
12 上面
13 下面
14 一方の側縁
15 他方の側縁
16 前端縁
17 後端縁
18a~18d 第1~第4角部
19 搬入エリア
20 切込加工エリア
21 折割加工エリア
22 研削加工エリア
23 搬出エリア
24 搬送機構
25 システム台
26a,26b 第1及び第2ピラー
27 固定フレーム
28 第1移動手段
29 第2移動手段
30 第1ガイドフレーム
31 第1ガイドレール
32 第1走行フレーム
33 第1ガイドシュー
34 第1サーボモータ
35 第2ガイドフレーム
36 第2ガイドレール
37 第2走行フレーム
38 第2ガイドシュー
39 第2サーボモータ
40a~40d ガラス板第1~第4ホルダー
41 吸着パッド
41a 内側吸着パッド
41b 外側吸着パッド
42 パッド設置プレート
43a,43b 第1及び第2アーム
44 スリット
45 ハンドルネジ
46 取付プレート
47 スリット
48 搬入コンベア
49 ストッパー
50 ローラー
50a ローラー
51 昇降機構(第1昇降機構)
52 移動機構(第3移動機構)
53a 一方の側縁部
53b 他方の側縁部
54 軸
55 ロッド
56 第3サーボモータ
57 移動アーム
58 当接部材
59 切込加工テーブル
60 切込装置
61a,61b ベースレーン
62 第1移動機構
62b 第2移動機構
63a,63b 走行ガイドレール
64a,64b 送りネジ
65 第4サーボモータ
66a,66b ガイドシュー
67a,67b スライドブロック(ハウジングナット)
68 切込ツール
69 エアシリンダー
70 第5サーボモータ
71 切込カッターホイール
72 切込カッターホルダー
73 カッター昇降軸
74 カッター昇降ガイド
75 支持軸
76 ブラケット
77 タイミングベルト
78 折割加工テーブル
79 折割装置
80 ベルトコンベア
81 コンベア駆動モータ
82 ベルト
83 プーリ
84 キャリアローラ
85 コンベアフレーム
86 懸垂フレーム
87a,87b 折割ツール
88a 第1エアシリンダー
88b 第3エアシリンダー
89a 第2エアシリンダー
89b 第4エアシリンダー
90 第6サーボモータ(Z軸サーボモータ)
91 第7サーボモータ(X軸サーボモータ)
92a X軸第1アクチュエーター
92b X軸第2アクチュエーター
93 第8サーボモータ(Y軸サーボモータ)
94a Y軸第1アクチュエーター
94b Y軸第2アクチュエーター
95a 第1アクチュエーターフレーム
95b 第2アクチュエーターフレーム
96 第9サーボモータ(Z軸サーボモータ)
97 第10サーボモータ(X軸サーボモータ)
98 第11サーボモータ(Y軸サーボモータ)
99 折割カッターホイール
100 折割カッターホルダー
101 カッター昇降軸
102 押圧ローラー
103 ローラー昇降軸
104 支持軸
105 ブラケット
106 タイミングベルト
107 研削加工テーブル
108 研削装置
109 第12サーボモータ
110 研削ツール
111 第13サーボモータ(研削Z軸サーボモータ)
112 第14サーボモータ(昇降サーボモータ)
113 第15サーボモータ(切込サーボモータ)
114 研削ホイール昇降ネジ
115 研削ホイール切込ネジ
116 研削ホイール
117 研削ホルダー
118 カバー
119 スピンドルモータ
120 スリット
121 モータハウジング
122 ブラケット
123 搬出コンベア
124 吸着パッド
e 縁部(周縁部)
L1 位置決め第1基準(仮想位置決め第1基準線)
L2 位置決め第2基準(仮想位置決め第2基準線)(中心線)
O1 側縁の前後方向中心
O2 側縁の前後方向中心
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正の内容】
図18