(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043329
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】コントローラ、照明システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20230322BHJP
H05B 47/185 20200101ALI20230322BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20230322BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230322BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230322BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230322BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/185
H05B47/18
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150876
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】平内 靖人
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA27
3K273QA31
3K273RA16
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA05
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA53
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA64
3K273UA13
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA27
(57)【要約】
【課題】複数の照明装置のうち制御対象の照明装置のみを制御することができるコントローラ、照明システム及び制御方法を提供する。
【解決手段】コントローラ101は、それぞれが複数の電力線501及び502のいずれかに接続された複数の照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得部111と、取得された複数のID情報に基づいて、複数の照明装置201~204のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知部112と、複数の電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、複数の照明装置201~204を、論理的ネットワークごとに制御する制御部130と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得部と、
取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知部と、
前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、前記複数の照明装置を、前記論理的ネットワークごとに制御する制御部と、を備える
コントローラ。
【請求項2】
前記複数の照明装置のそれぞれが属する前記論理的ネットワークは、当該照明装置が接続される前記電力線に応じて異なる
請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記制御部は、前記論理的ネットワークごとに異なるタイミングで電力線通信を行うことで、前記複数の照明装置を制御する
請求項1又は2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記制御部は、
前記論理的ネットワークごとに異なる通信優先度を決定し、
決定された前記通信優先度に基づいて、前記複数の照明装置を制御する
請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記制御部は、
前記論理的ネットワークごとに異なる通信頻度を決定し、
決定された前記通信頻度に基づいて、前記複数の照明装置を制御する
請求項3又は4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記制御部は、前記論理的ネットワークごとに電力線通信の失敗を許容する回数を決定する
請求項1~5のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のコントローラと、
前記複数の照明装置と、を備える
照明システム。
【請求項8】
複数のコントローラと、
それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置と、を備え、
前記複数のコントローラのうち1つは、
前記複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得部と、
取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知部と、を有し、
前記複数のコントローラのそれぞれは、
前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、複数の前記論理的ネットワークのそれぞれに属する前記複数の照明装置を制御する制御部を有する
照明システム。
【請求項9】
それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得ステップと、
取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知ステップと、
前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、前記複数の照明装置を、前記論理的ネットワークごとに制御する制御ステップと、を含む
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ、それを備える照明システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
親局装置と子局装置との間の通信として、電力線通信を用いるシステムが開示されている(特許文献1)。また、通信装置の一例である複数の照明装置とこの複数の照明装置を制御するコントローラとを備える照明システムにおいても、複数の照明装置とコントローラとの間の通信に、電力線通信が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の照明システムにおいては、複数の照明装置が複数の電力線に分散して接続され、かつ、複数の電力線が隣接して設置される場合がある。この場合、コントローラが、1つの電力線に接続される照明装置を制御対象として、1つの電力線を介して制御信号をこの照明装置に通知すると、この制御信号が他の電力線に伝播することがある。この結果、他の電力線に接続される他の照明装置、つまりは、制御対象以外の照明装置に制御信号が通知されることで、制御対象以外の照明装置が制御されてしまう、という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、複数の照明装置のうち制御対象の照明装置のみを制御することができるコントローラ、照明システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一形態におけるコントローラは、それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得部と、取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知部と、前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、前記複数の照明装置を、前記論理的ネットワークごとに制御する制御部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態における照明システムは、上記記載のコントローラと、前記複数の照明装置と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態における照明システムは、複数のコントローラと、それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置と、を備え、前記複数のコントローラのうち1つは、前記複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得部と、取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知部と、を有し、前記複数のコントローラのそれぞれは、前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、前記複数の論理的ネットワークのそれぞれに属する前記複数の照明装置を制御する制御部を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態における制御方法は、それぞれが複数の電力線のいずれかに接続された複数の照明装置のそれぞれが有する固有のID情報を取得する取得ステップと、取得された複数の前記ID情報に基づいて、前記複数の照明装置のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する通知ステップと、前記複数の電力線を介した電力線通信を行うことにより、前記複数の照明装置を、前記論理的ネットワークごとに制御する制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の照明装置のうち制御対象の照明装置のみを制御することができるコントローラ、照明システム及び制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明システムの第1動作の動作例のフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明システムの第2動作の動作例のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態の変形例に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態1)
[構成]
まず、本実施の形態に係る照明システム1について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る照明システム1の構成を示すブロック図である。
【0016】
照明システム1は、複数の照明装置201~204を電力線通信により制御するシステムである。
【0017】
照明システム1は、コントローラ101と、複数の照明装置として照明装置201~204と、交流電源301及び302と、ブレーカ401及び402と、電力線501及び502と、を備える。
【0018】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、4台の照明装置201~204が図示されているが、照明システム1が備える照明装置の台数は、2台以上であればよい。このことは、実施の形態の変形例でも同様である。
【0019】
照明装置201~204は、照明システム1に用いられる照明装置であり、照明光を発する。また、照明装置201~204のそれぞれは、電力線501及び502のいずれかに接続されている。ここでは、
図1が示すように照明装置201及び202は電力線501に、照明装置203及び204は電力線502に、接続されている。
【0020】
コントローラ101は、複数の照明装置201~204を制御する制御装置である。コントローラ101は、電力線501及び502に接続されている。コントローラ101は、電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、照明装置201~204を制御する。コントローラ101は、照明システム1の専用装置であるが、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などの汎用の装置であってもよい。
【0021】
電力線501及び502は、交流電源301及び302とそれぞれ接続されている。また、電力線501及び502は、隣接して設置されている。交流電源301及び302は、交流電力を電力線501及び502にそれぞれ供給している。つまり、コントローラ101と照明装置201~204とは、電力線501及び502をそれぞれ介して、交流電源301及び302からそれぞれ交流電力の供給を受けている。
【0022】
また、電力線501及び502のそれぞれと、交流電源301及び302のそれぞれとの間には、ブレーカ401及び402がそれぞれ設けられている。ブレーカ401及び402は、例えば、照明システム1のユーザによって操作されることによって、オン状態又はオフ状態が切替えられる。なお、コントローラ101から、ブレーカ401及び402に向けて、無線又は有線通信により、オン状態又はオフ状態を切替えるための信号が通知されてもよい。ブレーカ401及び402は、オン状態又はオフ状態が切替えられることにより、電力線501及び502と交流電源301及び302との間の接続及び遮断をそれぞれ制御する。
【0023】
さらに、照明装置201の詳細について説明する。
【0024】
照明装置201は、制御部210、通信部220、光源部230、及び、記憶部240を備える。なお、本図には、4台の照明装置201~204のうちの照明装置201の構成だけが図示されているが、照明装置202~204についても、照明装置201と同じ構成を備えるので、その図示及び説明を省略する。
【0025】
光源部230は、照明装置201に供給される電力で点灯する光源(つまり、照明光を発する光源)であり、例えば、LED光源である。
【0026】
制御部210は、光源部230などを制御する処理部である。制御部210は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0027】
記憶部240は、制御部210によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部240には、自装置(ここでは照明装置201)の固有のID情報が記憶されている。固有のID情報とは、照明装置201を他の照明装置から識別するための情報である。固有のID情報は、ここでは、MACアドレスであるが、これに限られない。記憶部240は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。なお以下簡単のため、固有のID情報を、単にID情報と記載する場合がある。
【0028】
通信部220は、照明装置201がコントローラ101と、電力線通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。
【0029】
また、コントローラ101の詳細について説明する。
【0030】
コントローラ101は、通信部110、受付部120、制御部130、及び、記憶部140を備える。
【0031】
通信部110は、コントローラ101が照明装置201~204と、電力線通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部110は、取得部111と、通知部112とを含む。取得部111は、照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報(MACアドレス)を取得する。通知部112は、取得された複数のID情報に基づいて、照明装置201~204のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する。例えば、取得部111が照明装置201のMACアドレスを取得し、通知部112が取得された当該MACアドレスを宛先として、当該MACアドレスを有する照明装置(照明装置201)に、自装置(照明装置201)が属する論理的ネットワークを通知する。
【0032】
論理的ネットワークとは、例えば、VLAN(Virtual Local Area Network)である。本実施の形態においては、複数のVLANが設けられ、複数のVLANは第1VLAN及び第2VLANを含む。
【0033】
受付部120は、コントローラ101のユーザからの入力操作を受付ける装置である。受付部120は、例えば、キーボード、マウス、及び、タッチパネルなどの入力装置である。
【0034】
制御部130は、電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、照明装置201~204を制御する。より具体的には、制御部130は、通信部110が制御信号を照明装置201~204へ通知するように制御することで、照明装置201~204を制御する。制御部130は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0035】
また、上記制御信号は、照明装置201~204を制御するための信号である。制御信号は、照明装置201~204の照明光の態様(光量、色温度など)を変化させるための調光信号、及び、照明装置201~204が有する情報を照明装置201~204に応答させるための応答信号の少なくとも一方である。
【0036】
なお、照明装置201~204が有する情報とは、照明装置201~204のそれぞれの累積の点灯時間、及び、照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報などである。
【0037】
ここで、制御部130が行う情報処理について説明する。
【0038】
制御部130は、照明装置201~204のそれぞれが、論理的ネットワークの例である複数のVLANのいずれかに属するように決定する処理を行う。ここでは、ユーザは、受付部120を用いて、照明装置201~204のそれぞれが複数のVLANのうちどのVLANに属するかを示す入力操作を行い、制御部130は、受付部120がユーザから受付けた入力操作に基づいて、上記処理を行う。
【0039】
照明装置201~204のそれぞれが属するVLANの例について以下に示す。表1は、照明装置201~204のそれぞれが属するVLANの第1例を示す表である。表2は、照明装置201~204のそれぞれが属するVLANの第2例を示す表である。
【0040】
【0041】
第1例においては、照明装置201~203で第1VLANが、照明装置204で第2VLANが、構築される。第2例においては、照明装置201及び202で第1VLANが、照明装置203及び204で第2VLANが、構築される。
【0042】
なお、第2例においては、照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークは、自装置が接続される電力線に応じて異なる。つまり、1つの電力線(例えば電力線501)に接続される全ての照明装置(ここでは照明装置201及び202)は、同一の論理的ネットワーク(ここでは第1VLAN)に属する。さらに、他の1つの電力線(例えば電力線502)に接続される全ての照明装置(ここでは照明装置203及び204)は、同一の論理的ネットワーク(ここでは第2VLAN)に属する。換言すると、1つの電力線と1つの論理的ネットワークとが1対1で対応するように複数の論理的ネットワークが構築され、複数の電力線501及び502の数と同じ数の論理的ネットワークが構築されている。
【0043】
また、表1及び表2に示されるように、1つの照明装置は、1つの論理的ネットワークに属する。つまり、1つの照明装置は、複数の論理的ネットワークに亘って属することはない。
【0044】
記憶部140は、制御部130によって実行されるプログラム、及び、上記情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。また、記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0045】
次に、以上のように構成された本実施の形態における照明システム1の制御方法に関する2つの動作について説明する。
【0046】
[動作例]
まずは1つ目の動作は、照明システム1が施工される際に行われる論理的ネットワークが構築される動作(以下第1動作)である。この第1動作は、いわゆる、論理的ネットワークが設定される際の動作である。
【0047】
図2は、本実施の形態に係る照明システム1の第1動作の動作例のフローチャートである。なお、
図2には、主にコントローラ101についての動作が図示されている。
【0048】
通知部112は、制御信号として、応答信号の一例であるID情報応答信号を、電力線501及び502に接続される全ての照明装置(つまり照明装置201~204)に通知する(ステップS10)。
【0049】
ID情報応答信号は、このID情報応答信号を取得した照明装置に、自装置が有する固有のID情報を示す信号を、コントローラ101へ通知(応答)させるための信号である。このため、ID情報応答信号を取得した照明装置201~204のそれぞれが有する通信部220は、自装置が有する固有のID情報であるMACアドレスを示す信号を、コントローラ101に通知することで応答する。
【0050】
次に、取得部111は、照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報を取得する(ステップS12)。より具体的には、取得部111は、照明装置201~204のそれぞれによって通知されたMACアドレスを示す信号を取得する。
【0051】
なお、ステップS10で、通知部112がID情報応答信号を通知する場合に、ブレーカ401又はブレーカ402の一方がオン状態であり、他方がオフ状態であってもよい。
【0052】
例えば、表2が示す第2例においてブレーカ401がオン状態、かつ、ブレーカ402がオフ状態である場合には、電力線501に接続される照明装置(つまりは照明装置201及び202)のみから、固有のID情報を示す信号が通知される。このとき、コントローラ101は、ステップS12で取得された固有のID情報を有する照明装置(ここでは照明装置201及び202)が電力線501に接続されていることを識別することができる。
【0053】
また、例えば、表2が示す第2例においてブレーカ401がオフ状態、かつ、ブレーカ402がオン状態である場合には、電力線502に接続される照明装置(つまりは照明装置203及び204)のみから、固有のID情報を示す信号が通知される。このとき、コントローラ101は、ステップS12で取得された固有のID情報を有する照明装置(ここでは照明装置203及び204)が電力線502に接続されていることを識別することができる。
【0054】
さらに、制御部130は、照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークを決定する(ステップS14)。
【0055】
制御部130は、例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークを決定するとよい。このとき、受付部120は、照明装置201~204のそれぞれと照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークとが紐づけられたことを示す入力操作を受付ける。第1例の場合は、この入力操作は、照明装置201~203が第1VLANに、照明装置204が第2VLANに属することを示す。第2例の場合は、この入力操作は、照明装置201及び202が第1VLANに、照明装置203及び204が第2VLANに属することを示す。
【0056】
さらに、通知部112は、取得された複数のID情報に基づいて、照明装置201~204のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する(ステップS16)。つまり、通知部112は、取得されたMACアドレスを宛先として、当該MACアドレスを有する照明装置(照明装置201~204のそれぞれ)に、自装置が属する論理的ネットワークを通知する。
【0057】
ここで、自装置が属する論理的ネットワークが通知された照明装置(例えば、照明装置201)は、以下の処理を行う。照明装置201においては、通知された当該論理的ネットワークを示す情報が記憶部240に記憶される。つまり、照明装置201~204は、記憶部240に記憶された論理的ネットワークに基づいて、自装置が属する論理的ネットワークを識別することができる。
【0058】
次に2つ目の動作は、論理的ネットワークが構築された後に照明装置201~204がコントローラ101によって制御される動作(第2動作)である。ここでは、制御部130は、電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、照明装置201~204を、論理的ネットワークごとに制御する。
【0059】
図3は、本実施の形態に係る照明システム1の第2動作の動作例のフローチャートである。
【0060】
ここでは、論理的ネットワークの一例である第2VLANに属する照明装置が制御対象の照明装置であるとして第2動作を説明する。つまり、第1VLANに属する照明装置は、制御対象以外の照明装置である。なお、第2VLANに属する照明装置とは、表1が示す第1例では、照明装置204であり、表2が示す第2例では、照明装置203及び204である。
【0061】
まず、コントローラ101は、制御信号を通知する(ステップS20)。より具体的には、制御部130は、通知部112が例えばブロードキャストで第2VLANに属する照明装置に制御信号を通知するように制御する。なお、表1及び表2が示す第1例及び第2例ではいずれも、第2VLANに属する照明装置は、電力線502に接続されているため、通知部112は、電力線502を介して制御信号を通知する。
【0062】
ここでは制御信号は、当該制御信号を取得した照明装置の発光態様を制御するための信号である。
【0063】
また、制御信号には、当該制御信号によって制御される照明装置(つまりは、制御対象の照明装置)が属する論理的ネットワークを示す情報が含まれている。ここでは、この論理的ネットワークは、第2VLANである。
【0064】
ここで、上記の通り、電力線501及び電力線502の間において、一方の電力線に通知された制御信号が他方の電力線に伝播することがある。つまり、電力線502を介して通知された制御信号が、電力線501に伝播する場合がある。この場合においては、制御信号は、制御対象の照明装置である第2VLANに属する照明装置と、制御対象以外の照明装置である第1VLANに属する照明装置と、に通知される。つまり、制御信号は、全ての照明装置(照明装置201~204)に通知される。
【0065】
よって、照明装置201~204は、通知された制御信号を取得する(ステップS22)。
【0066】
上記の通り、制御信号が伝播するため、制御対象の照明装置と、制御対象以外の照明装置との両方が制御信号を取得する。
【0067】
ここで、照明装置201~204のそれぞれは、取得された制御信号が示す論理的ネットワークが、自装置が属する論理的ネットワークか否かを判断する(ステップS24)。より具体的には、照明装置201~204のそれぞれは、自装置の記憶部240に記憶されている論理的ネットワークと、取得された制御信号が示す論理的ネットワーク(ここでは第2VLAN)とが一致するか否かを判断する。
【0068】
例えば、表1が示す第1例では、第2VLANに属する照明装置204においては、制御信号が示す論理的ネットワーク(第2VLAN)が、自装置が属する論理的ネットワーク(第2VLAN)であると判断する。
【0069】
また、例えば、表1が示す第1例では、第1VLANに属する照明装置201~203においては、制御信号が示す論理的ネットワーク(第2VLAN)が、自装置が属する論理的ネットワーク(第1VLAN)でないと判断する。
【0070】
つまり、ステップS24では、照明装置201~204のそれぞれは、自装置が制御信号によって制御される制御対象であるかを判断する。
【0071】
さらに、取得された制御信号が示す論理的ネットワークが、自装置が属する論理的ネットワークである場合(ステップS24でYes)、つまりは、自装置が制御対象である場合に、ついて説明する。
【0072】
この場合、照明装置は、取得された制御信号に従って制御される(ステップS26)。なお、取得された制御信号に従って制御される照明装置は、第1例においては、照明装置204であり、第2例においては、照明装置203及び204である。
【0073】
さらに、取得された制御信号が示す論理的ネットワークが、自装置が属する論理的ネットワークでない場合(ステップS24でNo)、つまりは、自装置が制御対象ではない場合に、ついて説明する。
【0074】
この場合、照明装置は、取得された制御信号を破棄する(ステップS28)。つまり、この照明装置は、取得された制御信号に従って制御されることはない。取得された制御信号を破棄する照明装置は、第1例においては、照明装置201~203であり、第2例においては、照明装置201及び202である。
【0075】
以上のように、本実施の形態においては、制御対象である第2VLANに属する照明装置のみが制御信号によって制御される。一方、第1VLANに属する照明装置は、電力線501及び電力線502の間の制御信号の伝播により、制御信号を取得しても制御信号を破棄するため、制御されない。このように、本実施の形態においては、制御部130は、照明装置201~204を、論理的ネットワーク(ここではVLAN)ごとに制御する。
【0076】
電力線501及び電力線502の間において、制御信号の伝播が起こった場合でも、本実施の形態に係るコントローラ101は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0077】
また、第2例においては、照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークは、自装置が接続される電力線に応じて異なる。つまり、複数の電力線501及び502の数と同じ数の論理的ネットワークが構築されている。よって、複数の照明装置(ここでは照明装置201~204)は、論理的ネットワークごと、つまりは1つの電力線に接続された複数の照明装置ごとに、コントローラ101によって制御される。
【0078】
この場合においても、本実施の形態に係るコントローラ101は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0079】
また、ステップS20で、コントローラ101が制御信号を通知する際に以下の第1~第4処理が行われるとよい。第1~第4処理では、上記の表2が示す第2例である場合について説明する。また、コントローラ101(より具体的には、制御部130)は、第1VLANに属する照明装置(第2例では照明装置201及び202)と、第2VLANに属する照明装置(第2例では照明装置203及び204)との双方を制御する。
【0080】
まず第1処理について説明する。第1処理では、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なるタイミングで電力線通信を行うことで、照明装置201~204を制御するとよい。
【0081】
例えば、制御部130は、第1VLANに属する照明装置201及び202を制御する制御信号を第1タイミングで通知部112に通知させる。さらに、制御部130は、第2VLANに属する照明装置203及び204を制御する制御信号を第1タイミングとは異なる第2タイミングで通知部112に通知させる。なお、照明装置201及び202を制御する制御信号には、制御対象である照明装置201及び202が属する論理的ネットワークである第1VLANを示す情報が含まれている。同様に、照明装置203及び204を制御する制御信号には、制御対象である照明装置203及び204が属する論理的ネットワークである第2VLANを示す情報が含まれている。
【0082】
これにより、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することが抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性が向上する。
【0083】
また第2処理について説明する。第2処理では、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なる通信優先度を決定し、決定された通信優先度に基づいて、照明装置201~204を制御するとよい。
【0084】
制御部130は、例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、論理的ネットワークごとに異なる通信優先度を決定するとよい。このとき、受付部120は、複数の論理的ネットワークのそれぞれと複数の論理的ネットワークのそれぞれの通信優先度とが紐づけられたことを示す入力操作を受付ける。
【0085】
ここで、一例として、第1VLANの通信優先度は、第2VLANの通信優先度よりも高いとする。照明装置201~204の全てが制御される場合に、第1VLANに属する照明装置201及び202を制御する制御信号は、第2VLANに属する照明装置203及び204を制御する制御信号に比べ、より早いタイミングである第1タイミングで通知される。その後、第2VLANに属する照明装置203及び204を制御する制御信号は、第1タイミングよりも遅い第2タイミングで通知される。
【0086】
これにより、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0087】
また第3処理について説明する。第3処理では、例えば、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なる通信頻度を決定し、決定された通信頻度に基づいて、照明装置201~204を制御するとよい。
【0088】
制御部130は、例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、論理的ネットワークごとに異なる通信頻度を決定するとよい。このとき、受付部120は、複数の論理的ネットワークのそれぞれと複数の論理的ネットワークのそれぞれの通信頻度とが紐づけられたことを示す入力操作を受付ける。
【0089】
通信頻度について、本実施の形態に係る照明システム1がトンネルなどに用いられた場合について説明する。この場合、照明装置201~204のそれぞれの設置位置がトンネルの出入口に近いほど、太陽光などの外光の変化に応じて点灯状態の制御が頻繁に行われることがある。つまりは、照明装置201~204のそれぞれの設置位置がトンネルの出入口に近いほど、通信頻度が高くなりやすいことがある。
【0090】
ここで、一例として、第1VLANの通信頻度は、第2VLANの通信頻度よりも高いとする。この場合、制御部130は、以下の処理を行う。制御部130は、より高い通信頻度のVLANに属する照明装置を制御するための制御信号を第1タイミングで、より低い通信頻度のVLANに属する照明装置を制御するための制御信号を第1タイミングよりも遅い第2タイミングで通知部112に通知させる。換言すると、より高い通信頻度のVLANの通信優先度は、より低い通信頻度のVLANの通信優先度よりも、高い。
【0091】
これにより、例えば表2が示す第2例において、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0092】
また第4処理について説明する。第4処理では、制御信号として応答信号が通知される場合に、制御部130は、論理的ネットワークごとに電力線通信の失敗を許容する回数を決定するとよい。
【0093】
例えば、制御部130は、例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、論理的ネットワークごとに電力線通信の失敗を許容する回数を決定するとよい。このとき、受付部120は、複数の論理的ネットワークのそれぞれと複数の論理的ネットワークのそれぞれの電力線通信の失敗を許容する回数とが紐づけられたことを示す入力操作を受付ける。
【0094】
通知部112から応答信号が通知されると、照明装置201~204のそれぞれは応答信号に基づいて照明装置201~204のそれぞれが有する情報を、コントローラ101に通知して応答する。なお、コントローラ101への応答がない照明装置がある場合には、再度応答信号が当該照明装置に通知される。しかし、再度通知された応答信号についても応答がない場合などに、コントローラ101による応答信号の通知が延々と繰り返され、制御信号(応答信号)の量が増加し、制御信号同士が衝突して消滅してしまうことがある。
【0095】
そこで、ここでは、制御部130は、通知部112に応答信号を通知させたが、所定の期間内に応答がない照明装置がある場合には、当該照明装置について電力線通信の失敗があったと判断する。そして、電力線通信の失敗の回数が、電力線通信の失敗を許容する回数を超えた場合には、制御部130は、通知部112に、制御信号(応答信号)を再度通知することを行わない。
【0096】
これにより、電力線通信において、制御信号同士が衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0097】
[効果など]
本実施の形態に係るコントローラ101は、取得部111と通知部112と制御部130とを備える。取得部111は、それぞれが複数の電力線501及び502のいずれかに接続された複数の照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報を取得する。通知部112は、取得された複数のID情報に基づいて、複数の照明装置201~204のそれぞれに、照明装置が属する論理的ネットワークを通知する。制御部130は、複数の電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、複数の照明装置201~204を、論理的ネットワークごとに制御する。
【0098】
これにより、本実施の形態においては、ステップS16の処理が行われることで、照明装置201~204は、自装置が属する論理的ネットワークを識別することができる。
【0099】
さらに、制御部130は、
図3で示すように、複数の照明装置(照明装置201~204)を、論理的ネットワークごとに制御する。本実施の形態においては、制御部130は、通信部110が制御信号を照明装置201~204に通知するように制御することで、照明装置201~204を制御する。制御信号には、制御部130は、制御信号の制御対象の照明装置が属する論理的ネットワークを示す情報が含まれている。一例として、表1が示す第1例において第2VLANに属する照明装置204が制御対象の照明装置である場合には、制御信号には、照明装置204が属する論理的ネットワーク(第2VLAN)を示す情報が含まれる。さらに、この場合、第2VLANに属する照明装置は、電力線502に接続されているため、通知部112は、電力線502を介して制御信号を通知する。
【0100】
また、電力線501及び電力線502の間において、制御信号が伝播する場合がある。この伝播が起こった場合でも、制御対象の照明装置(第1例では照明装置204)は、制御信号が示す論理的ネットワークが自装置が属する論理的ネットワークであるため制御信号に従って制御される。また、この伝播が起こった場合でも、制御対象以外の照明装置(第1例では照明装置201~203)は、取得された制御信号が示す論理的ネットワークが、自装置が属する論理的ネットワークでないため制御信号を破棄する。つまり、制御対象以外の照明装置は、取得された制御信号に従って制御されることはない。
【0101】
このように、電力線501及び電力線502の間において、制御信号の伝播が起こった場合でも、本実施の形態に係るコントローラ101は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0102】
また、本実施の形態においては、複数の照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークは、当該照明装置が接続される電力線に応じて異なる。
【0103】
この場合においても、本実施の形態に係るコントローラ101は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0104】
また、本実施の形態においては、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なるタイミングで電力線通信を行うことで、複数の照明装置201~204を制御する。
【0105】
これにより、例えば表2が示す第2例において、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することが抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性が向上する。
【0106】
また、本実施の形態においては、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なる通信優先度を決定し、決定された通信優先度に基づいて、複数の照明装置201~204を制御する。
【0107】
これにより、例えば表2が示す第2例において、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0108】
また、本実施の形態においては、制御部130は、論理的ネットワークごとに異なる通信頻度を決定し、決定された通信頻度に基づいて、複数の照明装置201~204を制御する。
【0109】
これにより、例えば表2が示す第2例において、照明装置201及び202を制御する制御信号と、照明装置203及び204を制御する制御信号とが、電力線通信において、衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0110】
また、本実施の形態においては、制御部130は、論理的ネットワークごとに電力線通信の失敗を許容する回数を決定する。
【0111】
これにより、電力線通信において、制御信号同士が衝突して消滅することがより抑制される。このため、本実施の形態に係るコントローラ101による電力線通信の通信安定性がより向上する。
【0112】
また、本実施の形態においては、照明システム1は、コントローラ101と、複数の照明装置201~204と、を備える。
【0113】
電力線501及び電力線502の間において、制御信号の伝播が起こった場合でも、コントローラ101を備える照明システム1は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0114】
また、本実施の形態においては、コントローラ101による制御方法は、取得ステップと、通知ステップと、制御ステップとを含む。取得ステップは、それぞれが複数の電力線501及び502のいずれかに接続された複数の照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報を取得する。通知ステップは、取得された複数のID情報に基づいて、複数の照明装置201~204のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する。制御ステップは、複数の電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、複数の照明装置201~204を、論理的ネットワークごとに制御する。
【0115】
電力線501及び電力線502の間において、制御信号の伝播が起こった場合でも、このような制御方法は、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0116】
(変形例)
以下、変形例に係る照明システム1aの構成について説明する。
【0117】
図4は、本実施の形態の変形例に係る照明システム1aの構成を示すブロック図である。
【0118】
照明システム1aは、2つのコントローラ101a及び102aを備える点を除いて、照明システム1と同じ構成である。つまり、照明システム1aは、コントローラ101a及び102aと、複数の照明装置として照明装置201~204と、交流電源301及び302と、ブレーカ401及び402と、電力線501及び502と、を備える。
【0119】
なお、本変形例においては、照明装置201~204のそれぞれが属するVLANは、第2例で示される通りである。
【0120】
図4には、2台のコントローラ101a及び102aのうちのコントローラ101aの構成だけが図示されているが、コントローラ102aについても、コントローラ101aと同じ構成を備えるので、その図示及び説明を省略する。
【0121】
コントローラ101a及び102aは、電力線501及び502に接続されている。
【0122】
本変形例に係るコントローラ101a及び102aのそれぞれは、複数の論理的ネットワークのそれぞれに属する照明装置を制御する制御部130aを有する。上記の実施の形態に係る制御部130は、複数の照明装置を論理的ネットワークごとに制御し、換言すると、複数の論理的ネットワークに属する照明装置を制御したが、本変形例に係る制御部130aは、1つの論理的ネットワークに属する照明装置を制御する。
【0123】
つまり、本実施の形態においては、1つの論理的ネットワークと1つのコントローラとが1対1で対応するようにコントローラ101a及び102aが設けられている。コントローラ101a及び102aのそれぞれは、対応する1つの論理的ネットワークに属する照明装置を制御する。
【0124】
例えば、コントローラ101aが有する制御部130aは第1VLANに属する照明装置201及び202を制御し、コントローラ102aが有する制御部130aは第2VLANに属する照明装置203及び204を制御する。
【0125】
コントローラ101aにとっては、照明装置201~204のうち第1VLANに属する照明装置201及び202が制御対象である。コントローラ102aにとっては、照明装置201~204のうち第2VLANに属する照明装置203及び204が制御対象である。
【0126】
また、コントローラ101a及び102aのうち、いずれかが主機であり、他のいずれかが副機であるとよい。ここでは、コントローラ101aが主機である。
【0127】
本変形例に係る照明システム1aでは、第1動作及び第2動作において、以下の点が照明システム1と異なる。
【0128】
まず第1動作においては、以下の通りである。
【0129】
ステップS10では、主機であるコントローラ101aの通知部112がID情報応答信号を照明装置201~204に通知する。また、ステップS12では、主機であるコントローラ101aの取得部111が固有のID情報を取得する。
【0130】
ステップS14では、主機であるコントローラ101aの制御部130aが照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークを決定する。また、ステップS14では、主機であるコントローラ101aの制御部130aが、コントローラ101a及び102aのそれぞれが対応する1つの論理的ネットワークを決定する。
【0131】
なお、コントローラ101aの制御部130aは、例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、照明装置201~204のそれぞれが属する論理的ネットワークを決定するとよい。
【0132】
同様に、コントローラ101aの制御部130aは、受付部120がユーザから当該入力操作を受付けることで、コントローラ101a及び102aのそれぞれが対応する1つの論理的ネットワークを決定するとよい。この入力操作には、コントローラ101a及び102aのそれぞれと、コントローラ101a及び102aのそれぞれが対応する1つの論理的ネットワークとが示されている。例えばこの入力操作には、コントローラ101aが第1VLANに対応し、コントローラ102aが第2VLANに対応することが示されている。
【0133】
ステップS16では、コントローラ101aの通知部112が取得された複数のID情報に基づいて、照明装置201~204のそれぞれに、当該照明装置が属する論理的ネットワークを通知する。
【0134】
このとき、主機であるコントローラ101aの通知部112は、副機であるコントローラ102aの取得部111に、コントローラ102aが対応する1つの論理的ネットワーク(ここでは第2VLAN)を通知する。
【0135】
さらに、副機であるコントローラ102aにおいては、通知された当該論理的ネットワークを示す情報が記憶部140に記憶される。同様に、主機であるコントローラ101aにおいては、決定されたコントローラ101aが対応する論理的ネットワーク(ここでは第1VLAN)を示す情報が記憶部140に記憶される。
【0136】
さらに第2動作においては、以下の通りである。
【0137】
本変形例においては、コントローラ101a及び102aのそれぞれが、
図3に示される第2動作の処理を行う。なお、コントローラ101aの通知部112から通知される制御信号には、制御対象である照明装置201及び202が属する論理的ネットワークである第1VLANを示す情報が含まれている。この制御信号を取得した照明装置201及び202は、この制御信号に従って、制御される。また、コントローラ102aの通知部112から通知される制御信号には、制御対象である照明装置203及び204が属する論理的ネットワークである第2VLANを示す情報が含まれている。この制御信号を取得した照明装置203及び204は、この制御信号に従って、制御される。
【0138】
以上のように、本実施の形態においては、照明システム1aは、それぞれが電力線501及び502のいずれかに接続された複数のコントローラ101a及び102aと、複数の照明装置201~204と、を備える。複数のコントローラ101a及び102aのうちコントローラ101aは、取得部111と、通知部112と、を有する。また、複数のコントローラ101a及び102aのそれぞれは、複数の電力線501及び502を介した電力線通信を行うことにより、複数の論理的ネットワークのそれぞれに属する複数の照明装置201~204を制御する制御部130aを有する。
【0139】
これにより、電力線501及び電力線502の間において、制御信号の伝播が起こった場合でも、コントローラ101a及び102aを備える照明システム1aは、複数の照明装置(照明装置201~204)のうち制御対象の照明装置のみを制御することができる。
【0140】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0141】
なお、本実施の形態においては、ステップS10で通知部112がID情報応答信号を出力することで、ステップS12で取得部111が照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報を取得したが、これに限られない。例えば、受付部120がユーザから入力操作を受付けることで、取得部111が固有のID情報を取得してもよい。このとき、受付部120は、照明装置201~204のそれぞれと照明装置201~204のそれぞれが有する固有のID情報とが紐づけられたことを示す入力操作を受付ける。
【0142】
また、上記実施の形態及び変形例において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0143】
また、上記実施の形態及び変形例のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0144】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0145】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0146】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0147】
例えば、本発明は、コンピュータによって実行される制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0148】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0149】
1 照明システム
101 コントローラ
111 取得部
112 通知部
130 制御部
201、202、203、204 照明装置
501、502 電力線