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特開2023-4334検温機能を備えた空調装置および空調システム
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  • 特開-検温機能を備えた空調装置および空調システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004334
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】検温機能を備えた空調装置および空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20230110BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20230110BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230110BHJP
   F24F 11/33 20180101ALI20230110BHJP
   F24F 120/00 20180101ALN20230110BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230110BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/80
F24F11/52
F24F11/33
F24F120:00
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105948
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲尾 大輝
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA25
3L260CA01
3L260CA04
3L260CA12
3L260EA07
3L260EA19
3L260FA03
3L260FA08
3L260FC32
3L260GA17
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】人物を特定して体温を管理することができる空調装置を提供する。
【解決手段】空調装置は、空調を行う空調部と、前記空調部が空調を行う範囲にいる人物を撮影する撮影部と、前記空調部が空調を行う範囲にいる前記人物の体温を測定する検温部と、前記撮影部に撮影された前記人物を特定する情報と前記検温部に測定された前記人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する記憶部と、を備えた。当該特徴を備えることにより、人物を特定して体温を管理することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調を行う空調部と、
前記空調部が空調を行う範囲にいる人物を撮影する撮影部と、
前記空調部が空調を行う範囲にいる前記人物の体温を測定する検温部と、
前記撮影部に撮影された前記人物を特定する情報と前記検温部に測定された前記人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する記憶部と、
を備えた空調装置。
【請求項2】
前記記憶部は、複数の顔の基準情報のうちで前記撮影部に撮影された人物の顔の情報と一致度が高い基準情報に関連付けられた識別情報と前記人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記撮影部と前記検温部と前記記憶部とは、前記空調部が稼働していない場合でも稼働する請求項1または請求項2に記載の空調装置。
【請求項4】
前記空調部は、前記検温部に測定された前記人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、前記人物の周辺における室温を下げるように動作する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空調装置と、
前記空調装置から受信した情報を表示装置に表示させる監視装置と、
を備えた空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本開示は、検温機能を備えた空調装置および空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空調システムを開示する。当該空調システムによれば、発熱者を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-030719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空調システムは、人物の位置を特定するだけである。このため、人物を特定して体温を管理することができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、人物を特定して体温を管理することができる空調装置および空調システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る空調装置は、空調を行う空調部と、前記空調部が空調を行う範囲にいる人物を撮影する撮影部と、前記空調部が空調を行う範囲にいる前記人物の体温を測定する検温部と、前記撮影部に撮影された前記人物を特定する情報と前記検温部に測定された前記人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する記憶部と、を備えた。
【0007】
本開示に係る空調システムは、前記空調装置と、前記空調装置から受信した情報を表示装置に表示させる監視装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、記憶部は、撮影部に撮影された人物を特定する情報と検温部に測定された人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する。このため、人物を特定して体温を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における空調装置が適用される空調システムの構成図である。
図2】実施の形態1における空調装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態1における空調装置が適用される空調システムの監視装置のハードウェア構成図である。
図4】実施の形態2における空調装置が適用される空調システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における空調装置が適用される空調システムの構成図である。
【0012】
図1の空調システムにおいて、空調装置1は、図示されない建物の内部に設けられる。空調装置1は、空調部2と送受信部3と撮影部4と顔認識部5と検温部6と記憶部7と制御部8とを備える。
【0013】
空調部2は、建物の内部の空調を行い得るように設けられる。
【0014】
送受信部3は、外部の装置との間で情報を送受信し得るように設けられる。
【0015】
撮影部4は、空調部2が空調を行う範囲にいる人物を撮影し得るように設けられる。
【0016】
顔認識部5は、撮影部4が撮影した画像を解析することで画像の中における人物の顔の情報を認識し得るように設けられる。
【0017】
検温部6は、建物の内部の温度帯を赤外線により測定し得るように設けられる。検温部6は、空調部2が空調を行う範囲にいる人物の体温を測定し得るように設けられる。
【0018】
記憶部7は、送受信部3が受信した情報を記憶し得るように設けられる。記憶部7は、撮影部4が撮影した画像の情報を記憶し得るように設けられる。記憶部7は、顔認識部5に認識された人物の顔の情報を記憶し得るように設けられる。記憶部7は、検温部6が測定した人物の体温を記憶し得るように設けられる。
【0019】
制御部8は、空調部2と送受信部3と撮影部4と顔認識部5と検温部6と記憶部7とを全体的に制御し得るように設けられる。
【0020】
例えば、制御部8は、検温部6に測定された建物の内部の温度帯に基づき、空調部2に対して方向に応じて気流を変更させる。制御部8は、建物の内部の温度のムラがなくなるように空調部2に対して気流を変更させる。
【0021】
例えば、制御部8は、空調部2が稼働していない場合でも送受信部3と撮影部4と顔認識部5と検温部6と記憶部7とを稼働させる。
【0022】
例えば、制御部8は、撮影部4に撮影された人物を特定する情報として、顔認識部5に認識された人物の顔の情報を用いる。制御部8は、顔認識部5に認識された人物の顔の情報と検温部6に測定された人物の体温の情報とを関連付けて記憶部7に記憶させる。制御部8は、人物の顔の情報と人物の体温の情報とを関連付けた情報を送受信部3に送信させる。
【0023】
例えば、監視装置9は、空調装置1を備えた建物の内部に設けられる。例えば、監視装置9は、空調装置1が設けられた建物から離れた場所に設けられる。
【0024】
監視装置9は、送受信部3との間で情報を送受信し得るように設けられる。監視装置9は、送受信部3からの情報に基づいて建物の内部の状態を監視し得るように設けられる。
【0025】
例えば、監視装置9は、人物の顔の情報と人物の体温情報とを関連付けて表示装置Aに表示させる。例えば、人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、監視装置9は、当該人物の体温があらかじめ設定された温度を超えていること示す情報を当該建物に入居する会社の事務所の管理者の端末に送信する。例えば、監視装置9は、顔認識部5に認識された人物の顔の情報と検温部6が測定した人物の体温情報とを関連付けた情報を事務所の管理者の端末に送信する。
【0026】
次に、図2を用いて、空調装置1の動作の概要を説明する。
図2は実施の形態1における空調装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0027】
ステップS1では、制御部8は、建物の内部にいる複数の人物を撮影部4に撮影させる。その後、制御部8は、ステップS2の動作を行う。ステップS2では、制御部8は、撮影部4に撮影された画像から複数の人物の顔の情報を顔認識部5に認識させる。制御部8は、撮影部4に撮影された画像の情報を記憶部7に記憶させる。
【0028】
その後、制御部8は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、制御部8は、複数の人物の体温を検温部6に測定させる。制御部8は、検温部6が測定した複数の人物の体温の情報を記憶部7に記憶させる。その後、制御部8は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、制御部8は、顔認識部5に認識された複数の人物の顔の情報と検温部6が測定した複数の人物の体温の情報とをそれぞれ関連付けて記憶部7に記憶させる。
【0029】
その後、制御部8は、ステップS5の動作を行う。ステップS5では、制御部8は、複数の人物の顔の情報と複数の人物の体温の情報とそれぞれ関連付けた情報を監視装置9に向けて送受信部3に送信させる。
【0030】
以上で説明した実施の形態1によれば、記憶部7は、撮影部4に撮影された人物を特定する情報と検温部6に測定された人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶する。このため、人物を特定して体温を管理することができる。その結果、建物の内部にいる人物の個別の検温作業を不要とすることができる。
【0031】
また、空調部2が稼働していない場合でも、送受信部3と撮影部4と顔認識部5と検温部6と記憶部7とは稼働する。このため、いつでも検温機能を稼働させることができる。その結果、毎日の検温を不要とすることができる。
【0032】
なお、送受信部3と撮影部4と顔認識部5と検温部6と記憶部7とは予め設定された時間帯に稼働してもよい。この場合、人物が建物にいる時間帯に限って検温機能を稼働させることができる。
【0033】
また、人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、制御部8は、当該人物の周辺における室温を下げるように空調部2を稼働させてもよい。この場合、当該人物の快適性を高めることができる。この際、当該人物に向けて空調が制御される。このため、空調装置1の消費電力を抑制することができる。
【0034】
また、建物の内部の室温が予め定められた温度を超えた場合、制御部8は、室温を下げるように空調部2を稼働させてもよい。この場合、建物の内部にいる人物の快適性を高めることができる。例えば、建物の内部の気温が30度以上になった場合、制御部8は、冷房運転を行うように空調部2を稼働させてもよい。この場合、建物の内部にいる人物のマスクによる熱中症に対して対策を施すことができる。また、空調装置1を動作させること忘れたり空調装置1を動作させることを嫌がったりする高齢者に対しても、熱中症対策を施すことができる。
【0035】
また、人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、制御部8は、当該人物が認識された時間に近い時間帯において検温部6の検知エリアに入退出した人物を特定する情報と当該人物の体温の情報とを関連付けた情報を体温があらかじめ設定された温度を超えている人物を特定する情報と関連付けて記憶部7に記憶させてもよい。この場合、体温があらかじめ設定された温度を超えている人物と接触した可能性が高い人物を特定することができる。
【0036】
また、検温部6が測定した人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合にのみ、制御部8は、当該人物の体温があらかじめ設定された温度を超えていることを示す情報または異常を示す情報を監視装置9に送信してもよい。
【0037】
また、監視装置9は、人物の顔の情報と人物の体温情報とを関連付けて表示装置Aに表示させる。このため、当該人物の体調管理をより確実に行うことができる。
【0038】
また、人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、監視装置9は、当該人物の体温があらかじめ設定された温度を超えていることを示す情報を当該建物に入居する会社の事務所の管理者の端末に送信する。このため、当該人物の体調管理をより確実に行うことができる。
【0039】
なお、空調装置1は、エレベーターのかごに設けられてもよい。この場合、人物が建物の各階に到着する前に当該人物の体温を検温することができる。
【0040】
なお、空調装置1は、ルームエアコンとして設けられてもよい。この場合、検温部6に測定された人物の体温があらかじめ設定された温度を超えている場合、送受信部3は、居住者があらかじめ登録した連絡先に対して当該情報を送信すればよい。この場合、当該人物の体調管理をより確実に行うことができる。
【0041】
なお、空調装置1は、商業施設に設けられてもよい。
【0042】
次に、図3を用いて、監視装置9の例を説明する。
図3は実施の形態1における空調装置が適用される空調システムの監視装置のハードウェア構成図である。
【0043】
監視装置9の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0044】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、監視装置9の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、監視装置9の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0045】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、監視装置9の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、監視装置9の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0046】
監視装置9の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、監視装置9の一部の機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、監視装置9のその他の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0047】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで監視装置9の各機能を実現する。
【0048】
実施の形態2.
図4は実施の形態2における空調装置が適用される空調システムの構成図である。
【0049】
図4の空調システムにおいて、空調装置1は、実施の形態1における空調装置1に対して特定部10が付加された装置である。
【0050】
特定部10は、顔認識部5に認識された顔の情報から当該人物の識別情報を特定する。具体的には、特定部10は、記憶部7に記憶された複数の顔の基準情報のうちで顔認識部5に認識された顔の情報と一致度が高い基準情報を抽出する。特定部10は、記憶部7において当該基準情報に関連付けられた識別情報を特定する。
【0051】
制御部8は、特定部10に特定された識別情報と当該人物の体温の情報とを関連付けた情報を記憶部7に記憶させる。
【0052】
以上で説明した実施の形態2によれば、記憶部7は、特定部10に記憶された識別情報と当該人物の体温の情報とを関連付けて記憶する。このため、顔認識部5に顔を認識された人物の体温管理を容易に行うことができる。
【0053】
また、送受信部3は、当該人物の携帯端末のアプリケーションに対して当該人物の体温の情報を送信してもよい。この場合、当該人物が自ら健康管理を行うことができる。
【0054】
なお、記憶部7において、顔の基準情報と識別情報との関連付けは、外部からの操作により行えばよい。例えば、スマートフォン等の携帯端末のアプリケーションによって、顔の基準情報と識別情報とを関連付けてもよい。この際、制御部8は、当該人物に対してあらかじめ設定された動作を空調部2に行わせてもよい。この場合、当該人物の快適性を高めることができる。例えば、男女の体感温度差を考慮して、当該人物の快適性を高めることができる。
【0055】
また、記憶部7において、入退室管理のためにカードリーダーから読み込まれた入館証の顔写真の情報と識別情報とを関連付けた情報を顔の基準情報と識別情報とを関連付けた情報としてもよい。この場合、顔の基準情報と識別情報とを容易に関連付けることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 空調装置、 2 空調部、 3 送受信部、 4 撮影部、 5 顔認識部、 6 検温部、 7 記憶部、 8 制御部、 9 監視装置、 10 特定部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
図2
図3
図4