(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043451
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】什器ユニット
(51)【国際特許分類】
A47B 83/02 20060101AFI20230322BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
A47B83/02
A47C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151095
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山下 祐治
(72)【発明者】
【氏名】山根 隆雅
(72)【発明者】
【氏名】塩寺 亮義
【テーマコード(参考)】
3B095
3B260
【Fターム(参考)】
3B095AB07
3B095AC02
3B260AB01
3B260AB06
3B260AC01
(57)【要約】
【課題】天板に補強材を設けても、天板の下方の空間が狭くならないようにできる什器ユニットを提供する。
【解決手段】天板付き什器2と、天板付き什器2の前側に配置される椅子3と、を有し、天板付き什器2は、床面11に固定される天板付き什器下部構造体21と、天板付き什器下部構造体21に支持される天板5と、を有し、椅子3は、床面11に固定される椅子下部構造体31と、椅子下部構造体31に支持され、天板5側となる後縁部321aの少なくとも一部が天板5の前端部5aに対して前後方向に移動可能な着座部32と、を有し、天板5は、天板5の下面を構成する下板部51と、下板部51の上方に間隔をあけて配置され天板5の上面を構成する上板部52と、下板部51と上板部52との間隔に設けられ天板5における前後方向と交差する幅方向全体にわたって延びる補強材53と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板付き什器と、
前記天板付き什器の前側に配置される椅子と、を有し、
前記天板付き什器は、
床面に固定される天板付き什器下部構造体と、
前記天板付き什器下部構造体に支持される天板と、を有し、
前記椅子は、前記床面に固定される椅子下部構造体と、
前記椅子下部構造体に前後方向に移動可能に支持される着座部と、を有し、
前記天板は、
前記天板の下面を構成する下板部と、
前記下板部の上方に間隔をあけて配置され前記天板の上面を構成する上板部と、
前記下板部と前記上板部との間隔に設けられ前記天板における前後方向と交差する幅方向全体にわたって延びる補強材と、を有する什器ユニット。
【請求項2】
前記補強材は、前記天板における前後方向の中央位置よりも前側に配置されている請求項1に記載の什器ユニット。
【請求項3】
複数の前記補強材が前後方向に配列されて前記天板に設けられ、
前記複数の補強材のうちの前記天板における前後方向の中央位置よりも前側に配置されている補強材の前後方向の寸法を合わせた値が、前記複数の補強材のうちの前記天板における前後方向の中央位置よりも後側に配置されている補強材の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きくなるように設定されている請求項1に記載の什器ユニット。
【請求項4】
前記天板付き什器下部構造体は、前記床面に接地する接地部と、
前記接地部の上に設けられ、前記天板を支持する天板支持部と、を有し、
前記天板支持部は、前記天板における前後方向の中央位置よりも後側に接続されている請求項2また3に記載の什器ユニット。
【請求項5】
前記下板部は、少なくとも前端部に、上方に延びる起立部が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の什器ユニット。
【請求項6】
前記天板の厚さ寸法が10mm以上15mm以下である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の什器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、教室や講義室などに設置される机(天板付き什器)および椅子を有する什器ユニットとして、机および椅子がそれぞれ床に固定される什器ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような什器ユニットの椅子は、脚部が床に固定され、使用者が着座する着座部がスライドしたり回動したりして、机と対向する方向に移動可能である。椅子を使用しないときには、着座部は机に近づいた状態となる。このため、椅子を使用しないときには、椅子の後方(机と対向する側と反対側)のスペースを広くすることができる。使用者は、着座部に着座するときには、着座部を後方に移動させて着座部を机から離した状態とし、着座部と机との間から着座部に着座する。
【0003】
一般的に机の天板は、幅方向(椅子と対向する方向と直交する方向)に長尺である。このため、天板の自重や天板に上方からかかる負荷によって、天板の幅方向の中央部が下方に撓んだり、天板の幅方向の中央部が下方に撓もうとするモーメントが生じたりすることを防止するための補強材を、天板の下に設けることがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-17925号公報
【特許文献2】特許第6763683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
天板の下に補強材が設けられていると、天板の下方の空間が狭くなるという問題がある。
特に、上記のようなユニット什器では、椅子を後方に移動させた場合でも椅子と机との間隔を広く確保する必ことができないため、使用者は、天板の下方に脚を入れるようにして着座部に着座する。天板の下に補強材が設けられて天板の下方の空間が狭いと、着座部に着座しようとする使用者の脚が補強材に接触したり、着座部に着座しようとする使用者が補強材に接触しないように無理な体勢をとり、体に負荷がかかったりする虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、天板に補強材を設けても、天板の下方の空間が狭くならないようにできる什器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る什器ユニットは、天板付き什器と、前記天板付き什器の前側に配置される椅子と、を有し、前記天板付き什器は、床面に固定される天板付き什器下部構造体と、前記天板付き什器下部構造体に支持される天板と、を有し、前記椅子は、前記床面に固定される椅子下部構造体と、前記椅子下部構造体に支持され、前記天板側となる後縁部の少なくとも一部が前記天板の前端部に対して前後方向に移動可能な着座部と、を有し、前記天板は、前記天板の下面を構成する下板部と、前記下板部の上方に間隔をあけて配置され前記天板の上面を構成する上板部と、前記下板部と前記上板部との間隔に設けられ前記天板における前後方向と交差する幅方向全体にわたって延びる補強材と、を有する。
【0008】
本発明では、天板の補強材が下板部と上板部との間隔に設けることにより、天板の下面補強材と取り付ける場合のように補強材が下方に突出することがないため、天板に補強材を設けても天板の下方の空間を狭くならないようにすることができる。
【0009】
また、本発明に係る什器ユニットは、前記補強材は、前記天板における前後方向の中央位置よりも前側に配置されていてもよい。
【0010】
什器ユニットでは、使用者が椅子に着座したり、椅子から立ち上がったりする際に天板における椅子側(前側)の部分に手を置き、天板付き什器に体重をかけることが想定される。天板における椅子側の部分に補強材を配置することにより、天板における椅子側の部分の強度を高めることができ、使用者が上記のように天板付き什器に体重をかけた場合でも天板を安定した状態を維持することができる。
【0011】
また、本発明に係る什器ユニットでは、複数の前記補強材が前後方向に配列されて前記天板に設けられ、前記複数の補強材のうちの前記天板における前後方向の中央位置よりも前側に配置されている補強材の前後方向の寸法を合わせた値が、前記複数の補強材のうちの前記天板における前後方向の中央位置よりも後側に配置されている補強材の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きくなるように設定されていてもよい。
【0012】
什器ユニットでは、使用者が椅子に着座したり、椅子から立ち上がったりする際に天板における椅子側(前側)の部分に手を置き、天板付き什器に体重をかけることが想定される。天板における前側に配置された補強材の前後方向の寸法を合わせた値が、天板の後側(椅子と離れる側)に配置された補強材の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きいことにより、天板における椅子側の部分の強度をより高めることができ、使用者が上記のように天板付き什器に体重をかけた場合でも天板を安定した状態を維持することができる。
【0013】
また、本発明に係る什器ユニットでは、前記天板付き什器下部構造体は、前記床面に接地する接地部と、前記接地部の上に設けられ、前記天板を支持する天板支持部と、を有し、前記天板支持部は、前記天板における前後方向の中央位置よりも後側に接続されていてもよい。
【0014】
補強材の配置により、天板における前側(椅子側)の部分よりも天板における後側(椅子と離れる側)の部分の強度が低い場合でも、天板付き什器下部構造体が天板の後側の部分の荷重を支持することができる。
【0015】
また、本発明に係る什器ユニットでは、前記下板部は、少なくとも前端部に、上方に延びる起立部が設けられていてもよい。
【0016】
このような構成とすることにより、起立部によって少なくとも天板の前端部の強度を高めることができる。
【0017】
また、本発明に係る什器ユニットでは、前記天板の厚さ寸法が10mm以上15mm以下であってもよい。
【0018】
このような構成とすることにより、天板の強度を確保しつつ、天板の下方の空間を広く確保することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、天板に補強材を設けても、天板の下方の空間が狭くならないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態による什器ユニットの斜視図である。
【
図2】実施形態による什器ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態による什器ユニット1について、
図1-
図6に基づいて説明する。
図1-
図3に示すように、本実施形態による什器ユニット1は、1つの天板付き什器2と、それぞれ天板付き什器2の前側に配置される3つの椅子3と、を有している。
【0022】
以下では、天板付き什器2と椅子3とが対向する水平方向を前後方向(図面の矢印Yの方向)と表記し、前後方向に直交する水平方向を幅方向(図面の矢印Xの方向)と表記する。図面では、上下方向を矢印Zで示す。
前後方向のうち、天板付き什器2に対して椅子3が配置される側を前側と表記し、椅子3に対して天板付き什器2が配置される側を後側と表記する。3つの椅子3は、幅方向に配列されている。什器ユニット1は、例えば、教室や講義室などに幅方向および前後方向に複数配列される。なお、什器ユニット1は、1つのみ設置されてもよい。
【0023】
天板付き什器2は、床面11に固定される一対の天板付き什器下部構造体21,21と、天板付き什器下部構造体21の上に取り付けられ一対の天板付き什器下部構造体21,21に支持される天板5と、を有している。
天板5は、板面が長尺の長方形となる平板状である。天板5は、板面が水平面となり、幅方向に延びる向きに配置される。天板5の詳細については後述する。
【0024】
一対の天板付き什器下部構造体21,21は、幅方向に間隔をあけて配置される。
図1および
図3に示すように、一対の天板付き什器下部構造体21,21は、それぞれ、床面11に接地される接地部22と、接地部22に支持され上下方向に延びる脚部材23(天板支持部)と、を有している。
図1に示すように、一対の天板付き什器下部構造体21,21のうちの一方の天板付き什器下部構造体21は、脚部材23の上端部が天板5の幅方向の一方側かつ後側(椅子3と離れる側)の角部近傍と接続される。他方の天板付き什器下部構造体21は、脚部材23の上端部が天板5の幅方向の他方側かつ後側の角部近傍と接続される。
【0025】
図1および
図3に示すように、椅子3は、床面11に固定される椅子下部構造体31と、椅子下部構造体31に支持される着座部32と、を有している。
椅子下部構造体31は、床面11に接地される接地部33と、接地部33に支持される脚部材34と、脚部材34に固定され着座部32が取り付けられる着座部取付部材35と、を有している。脚部材34は、直線状に延びる柱状または筒状の長尺の部材である。脚部材34は、一方の端部34aが接地部33に設けられた軸部331に回転可能に接続され、他方の端部34bが上方に位置している。軸部331の軸線は幅方向に延びている。脚部材34は、軸部331の軸線回りに所定角度回転可能である。脚部材34は、鉛直方向に延びる状態よりも他方の端部34bが後側かつ下側となる後傾状態から、鉛直に延びる状態よりも他方の端部34bが前側かつ下側となる前傾状態の間を回転可能である。
着座部取付部材35は、脚部材34の他方の端部34bに固定される。
【0026】
着座部32は、使用者が着座する座部321と、座部321と連続する背もたれ部323と、を有している。座部321は、着座部取付部材35に取り付けられる。背もたれ部323は、座部321の前縁部から上方に延びている。座部321の後縁部321a(天板付き什器2側の縁部)が着座部32の後縁部に相当している。以下では、座部321の後縁部321aを着座部32の後縁部321aと表記することがある。着座部32は、脚部材34とともに軸部331の軸線回りに所定角度回転する。着座部32は、脚部材34が後傾状態となると後側に配置され、脚部材34が前傾状態となると前側に配置される。着座部32は、天板5に対して前後方向に移動可能となるように椅子下部構造体31に支持されている。着座部32が前後方向に移動すると、着座部32の後縁部321aが天板5の前端部5a(椅子3側の端部)に対して前後方向に近接・離間するように移動する。
【0027】
図3に示すように、着座部32は、脚部材34が前傾状態となり前側に配置されると、座部321の上面が略水平となり、背もたれが座部321の前縁部から上側に向かってやや前側に向かう斜め方向に延びる姿勢となる。着座部32が前側に配置されると、背もたれ部323は、下側から上側に向かって漸次前側に向かう斜め姿勢となり、後側の面(天板付き什器2側の面)が天板5の前端部5a(椅子3側の端部)と離間する。着座部32が前側に配置されると、使用者は背もたれ部323と天板5の前端部5aとの間に入り込み、座部321に着座可能となる。
【0028】
図1に示す手前側の2つの椅子3のように、着座部32は、脚部材34が後傾状態となり後側に配置されると、座部321は前側から後側に向かって漸次下側に向かう斜め姿勢となり、天板5の下方に入り込んだ状態となる。着座部32が後側に配置されると、背もたれ部323は、下側から上側に向かって漸次後側に向かう斜め姿勢となり、後側の面(天板付き什器2側の面)が天板5の前端部5a(椅子3側の端部)と近接する。着座部32が後側に配置されると、着座部32が天板付き什器2に近づき、座部321が天板5の下側に収容された座部収容状態となる。座部収容状態の着座部32には、使用者は着座しない。
【0029】
脚部材34が後傾状態、すなわち座部収容状態となると、着座部32の前側(背後側)のスペースが広くなる。例えば、什器ユニット1が前後方向に配列され、椅子3の前方に隣接する什器ユニット1の天板付き什器2が配置される場合に、脚部材34が後傾状態となり着座部32が前側に移動すると、着座部32と着座部32の前側(背後側)の天板付き什器2とのスペースが広くなり、このスペースを人が通ることができる。
【0030】
本実施形態では、座部321の後縁部321a(天板付き什器2側の縁部)は、座部収容状態よりも着座可能状態の方が上方に配置され、天板の下面に近づいている。
【0031】
天板5は、鋼材で形成されている。
図3に示すように、天板5は、天板5の下面を構成する下板部51と、下板部51の上方に位置し天板5の上面を構成する上板部52と、下板部51と上板部52との間に設けられ天板5の幅方向全体にわたって延びる複数の補強材53と、を有している。
下板部51および上板部52は、鋼板を加工して製作されている。
上板部52は、下板部51より平面視形状が大きく形成されている。
【0032】
図4、
図5および
図6に示すように、下板部51は、天板5の下面に沿って配置される下板部本体54と、下板部本体54の縁部から上側に突出する起立部55(
図4および
図6参照)と、を有している。起立部55は、下板部本体54の縁部から上方に突出する第1起立板部551と、第1起立板部551の上端部から内側(平面視で天板5の中央に向かう側)に延びる第2起立板部552と、を有している。
【0033】
上板部52は、天板5の上面に沿って配置される上板部本体56と、上板部本体56の縁部から下方に突出する突出部57と、上板部本体56の上面に沿って設けられ天板5の上面を構成する表面材591と、を有している。突出部57は、上板部本体56の端部から下方に突出する第1突出板部571と、第1突出板部571の下端部から内側に延びる第2突出板部572と、第1突出板部571を前側から覆う端部カバー材592と、を有している。第1突出板部571は、第1起立板部551よりも上下方向の寸法が小さい。
なお、本実施形態では、上板部本体56の上面に沿って表面材591が設けられているが、表面材591が設けられず上板部本体56の上面が天板5の上面を構成していてもよい。
【0034】
下板部51の上に上板部52が配置されると、上板部52の突出部57が下板部51の起立部55の外側(平面視で天板5の外方に向かう側)に配置される。上板部本体56が第2起立板部552の上に重なり、第1突出板部571が第1起立板部551の外側に間隔をあけて配置され、第2突出板部572が下板部51よりも上側となる位置で第1起立板部551の外側に配置される。第2突出板部572の内側の端部は、第1起立板部551の上下方向の中間部に外側から接触している。第1起立板部551は、下部側が露出している。
【0035】
天板5の下面には、下板部本体54、第1起立板部551、第2突出板部572が形成する段差58が形成されている。下板部本体54の下面は、第2突出板部572の下面よりも下側に配置される。
天板5の厚さ寸法(上下方向の寸法)は、例えば、10mm以上15mm以下である。
【0036】
補強材53は、断面形状がC字形状の長尺の鋼材である。補強材53は、断面形状C字形が上側に開口する向きで、天板5の幅方向全体に延びる姿勢に配置される。
補強材53は、天板5の強度を高めるために設けられている。上述しているように、本実施形態の天板5は、幅方向に延びる長尺形状である。このため、使用者が天板5に手をついたり、天板5に物品が載置されたりすると、天板5の幅方向の中央部分が下方に撓むよう変形しようとする。補強材53が天板の幅方向全体に延びるように配置されることにより、天板5の強度が高まり、上記のような変形を抑えることができる。
【0037】
補強材53は、下板部51の上面に沿って配置される底板部531と、底板部531の後側の端部から上側に延びる第1側板部532と、第1側板部532の上端部から前側に延びる第1折り返し板部533と、底板部531の前側の端部から上側に延びる第2側板部534と、第2側板部534の上端部から後側に延びる第2折り返し板部535と、を有している。第1折り返し板部533および第2折り返し板部535の上には、上板部本体56が載置されている。
【0038】
補強材53は、天板5に前後方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態では、3つの補強材53が設けられている。3つの補強材のうちの1つの補強材53Aは、
図3および
図4に示すように、天板5の前端部5a(椅子3側の端部)の近傍に設けられている。他の2つの補強材53B,53Cは、
図3および
図5に示すように、天板5の前後方向の中間部に配置されている。下板部51と上板部52との間で補強材53が設けられていない部分には、樹脂部材593が設けられている。
【0039】
図2および
図3に示すように、3つの補強材53のうちの天板5の前後方向の中央位置5bよりも前側(椅子3側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法を合わせた値が、3つの補強材53のうちの天板5の前後方向の中央位置5bよりも後側(椅子3と離れる側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きくなるように設定されている。
【0040】
本実施形態による什器ユニット1では、天板5の補強材53が下板部51と上板部52との間に設けられ、天板5の下面よりも下方に突出しないため、天板5に補強材53を設けても天板5の下方の空間を狭くならないようにすることができる。
【0041】
また、本実施形態による什器ユニット1では、補強材53は、天板5における前後方向の中央位置5bよりも前側(椅子3側)に配置されている。
什器ユニット1では、使用者が椅子3に着座したり、椅子3から立ち上がったりする際に天板5における椅子3側の部分に手を置き、天板付き什器2に体重をかけることが想定される。天板5における椅子3側の部分に補強材53を配置することにより、天板5における椅子3側の部分の強度を高めることができ、使用者が上記のように天板付き什器2に体重をかけた場合でも天板5を安定した状態を維持することができる。
【0042】
また、本実施形態による什器ユニット1では、3つの補強材53のうちの天板5の前後方向の中央位置5bよりも前側(椅子3側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法を合わせた値が、3つの補強材53のうちの天板5の前後方向の中央位置5bよりも後側(椅子3と離れる側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きくなるように設定されている。
什器ユニット1では、使用者が椅子3に着座したり、椅子3から立ち上がったりする際に天板5における椅子3側の部分に手を置き、天板付き什器2に体重をかけることが想定される。天板5における椅子3側の部分配置された補強材53の前後方向の寸法を合わせた値が天板5の椅子3と離れる側に配置された補強材53の前後方向の寸法を合わせた値よりも大きいことにより、天板5における椅子3側の部分の強度をより高めることができ、使用者が上記のように天板付き什器2に体重をかけた場合でも天板5を安定した状態を維持することができる。
【0043】
また、本実施形態による什器ユニット1では、天板付き什器下部構造体21の脚部材(天板支持部)は、天板5における前後方向の中央位置5bよりも後側(椅子3と離れる側)に接続されている。
補強材53の配置により、天板5における椅子3側の部分よりも天板5における椅子3と離れる側の部分の強度が低い場合でも、天板付き什器下部構造体21が天板5における椅子3と離れる側の部分の荷重を支持することができる。
【0044】
また、本実施形態による什器ユニット1では、下板部51は、椅子3側の端部に、上方に延びる起立部55が設けられている。
このような構成とすることにより、起立部55によって少なくとも天板5の椅子3側の端部の強度を高めることができる。
【0045】
また、本実施形態による什器ユニット1では、天板5の厚さ寸法が10mm以上15mm以下である。
このような構成とすることにより、天板5の強度を確保しつつ、天板5の下方の空間を広く確保することができる。
【0046】
以上、本発明による什器ユニット1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、椅子3の着座部32は、椅子下部構造体31の脚部材34が幅方向に軸部331の軸線回り回転することで、天板5に対して前後方向に移動可能に構成されている。これに対し、着座部32が天板5に対して前後方向にスライド可能に構成されていてもよい。例えば、着座部32と脚部材34とが一体化され、一体化された着座部32および脚部材34が床面11に固定された接地部33に前後方向にスライド可能に支持されていてもよい。また、接地部33と脚部材34とが一体化され、着座部32が一体化された接地部33および脚部材34に前後方向にスライド可能に支持されていてもよい。
また、着座部32は、上下方向に延びる軸線回りに回転可能に支持されていてもよい。例えば、着座部32が、床面に支持された上下方向に延びる支柱部(椅子下部構造体)の上に取り付けられ、支柱部の軸線回りに所定角度回転可能に構成されていてもよい。このような場合、支柱部が着座部32の幅方向の中央部を支持している。着座部32が支柱部の軸線回りに回転することで、着座部32の座部321の後縁部321a(天板付き什器2側の縁部)における支柱部よりも幅方向のいずれか一方側が天板5に対して前側に移動し、他方が後側に移動する。換言すると、着座部32が支柱部の軸線回りに回転することで、着座部32の後縁部321aにおける支柱部よりも幅方向のいずれか一方側が天板5の前端部5aに対して離間し、他方が近接する。
【0047】
上記の実施形態では、1つの天板付き什器2に対して3つの椅子3が設けられているが、椅子3の数が適宜設定されてよい。
天板5の厚さ寸法などの各部材の寸法は適宜設定されてよい。
【0048】
上記の実施形態では、補強材53は、天板5における前後方向の中央位置5bよりも前側(椅子3側)に配置されているが、補強材53が配置される位置は下板部51と上板部52との間あれば他の位置でもよい。また、天板5の前後方向の中央位置5bよりも前側(椅子3側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法が、天板5の前後方向の中央位置5bよりも後側(椅子3と離れる側)に配置されている補強材53の前後方向の寸法よりも大きくなるようにしなくてもよい。
すなわち補強材53の数や前後方向の配置は上記以外でもよい。
【0049】
また、本実施形態による什器ユニット1では、天板付き什器下部構造体21の脚部材(天板支持部)は、天板5における前後方向の中央位置5bよりも後側(椅子3側)に接続されていてもよい。
【0050】
上記の実施形態では、下板部51の端部は、上方に延びる起立部55が設けられているが設けられていなくてもよい。また、下板部51の前側(椅子3側)の端部のみに起立部55が設けられていてもよい。起立部55を設ける場合は、下板部51の端部の任意の位置に設けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 什器ユニット
2 天板付き什器
3 椅子
5 天板
5b 中央位置
11 床面
21 天板付き什器下部構造体
22 接地部
23 脚部材(天板支持部)
31 椅子下部構造体
32 着座部
51 下板部
52 上板部
53 補強材
55 起立部
321 座部
321a 後縁部