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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043452
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】電気機器接続什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20230322BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
A47B13/00 B
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151102
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN01
(57)【要約】
【課題】天板付什器が、電源ケーブル設置による制約を受けることを防止する。
【解決手段】電気機器接続什器1であって、天板付什器の天板上に載置可能であると共に内部に収容空間Kが設けられたベース部2と、ベース部2に支持されると共にバッテリBが取り付け可能なバッテリ取付ユニット4と、バッテリ取付ユニット4と異なる位置にてベース部2に支持されると共に電気機器のプラグが取り付け可能な電源タップ5と、収容空間Kに収容されてバッテリ取付ユニット4と電源タップ5とを接続する内部配線6とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板付什器の天板上に載置可能であると共に内部に収容空間が設けられたベース部と、
前記ベース部に支持されると共にバッテリが取り付け可能なバッテリ取付部と、
前記バッテリ取付部と異なる位置にて前記ベース部に支持されると共に電気機器の外部接続端子が取り付け可能な端子取付部と、
前記収容空間に収容されて前記バッテリ取付部と前記端子取付部とを接続する内部配線と
を備えることを特徴とする電気機器接続什器。
【請求項2】
前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリから出力された直流電力を交流電力に変換する変換器を備えることを特徴とする請求項1記載の電気機器接続什器。
【請求項3】
前記変換器は、前記収容空間に配置されていることを特徴とする請求項2記載の電気機器接続什器。
【請求項4】
前記ベース部に下方から支持されると共に少なくとも上面の一部に作業面が設けられた接続什器用天板を備えることを特徴とする請求項1~3いずれか一項に記載の電気機器接続什器。
【請求項5】
前記バッテリ取付部は、前記バッテリを上下方向に着脱可能な載置トレーを有し、
前記載置トレーは、前記接続什器用天板の上面に隣接配置されている
ことを特徴とする請求項4記載の電気機器接続什器。
【請求項6】
前記接続什器用天板に開口部が形成されており、
前記載置トレーは、前記開口部に配置されている
ことを特徴とする請求項5記載の電気機器接続什器。
【請求項7】
前記バッテリ取付部が前記ベース部の収容空間に配置されており、
前記ベース部の収容空間は、前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリの少なくとも一部を収容する
ことを特徴とする請求項1~4いずれか一項に記載の電気機器接続什器。
【請求項8】
前記ベース部は、
前記収容空間を有するベース部本体と、
前記ベース部本体の下面よりも摩擦係数が小さい低摩擦面を有すると共に前記ベース部本体の前記下面に接続された低摩擦部と
を備えることを特徴とする請求項1~7いずれか一項に記載の電気機器接続什器。
【請求項9】
前記バッテリを備えることを特徴とする請求項1~8いずれか一項に記載の電気機器接続什器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器接続什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス、公共施設及び学校等の執務空間においては、執務者の執務効率を向上させるために天板付什器の使用が一般的である。近年では、執務に電子機器を用いることが一般的である。このため、多くの天板付什器には、電源ケーブルやLAN(Local Area Network)ケーブル等の配線を収容する配線収容部が設けられている。例えば、この配線収容部は、天板下方に位置する什器内部に配置されている。また、電子機器に給電するための電源タップ等は、このような配線収容部の内部に配置される。
【0003】
配線収容部の内部に電源タップ等を配置すると、電源タップ等へのアクセス性が悪くなる。このような電源タップへのアクセス性の悪化を解決するため、例えば、特許文献1及び特許文献2には、天板上にコンセントプラグを差し込むためのコンセントが設置された天板付什器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6173709号公報
【特許文献2】特許第6812735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、ノートパソコンやタブレット端末等の電子機器を含む電気機器に給電するためには、電源タップを配線収容部に収容したり、天板付什器にコンセントプラグを設けたりする必要がある。このため、いずれにせよ外部電源に接続された電源ケーブルを天板付什器に接続する必要がある。したがって、天板付什器の形状や天板付什器の設置位置が外部電源に接続された電源ケーブルによる制約を受けることになる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、天板付什器が、電源ケーブル設置による制約を受けることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第1の態様は、電気機器接続什器であって、天板付什器の天板上に載置可能であると共に内部に収容空間が設けられたベース部と、上記ベース部に支持されると共にバッテリが取り付け可能なバッテリ取付部と、上記バッテリ取付部と異なる位置にて上記ベース部に支持されると共に電気機器の外部接続端子が取り付け可能な端子取付部と、上記収容空間に収容されて上記バッテリ取付部と上記端子取付部とを接続する内部配線とを備えるという構成を採用する。
【0009】
本発明の第1の態様の電気機器接続什器は、天板付什器の天板上に載置されて用いられる什器である。本発明の第1の態様の電気機器接続什器は、バッテリ取付部が設けられており、バッテリが取り付け可能である。また、本発明の第1の態様の電気機器接続什器は、電気機器の外部接続端子が取り付け可能な端子取付部を備え、内部配線を介して、バッテリの電力を電気機器に給電が可能である。つまり、本発明の第1の態様の電気機器接続什器によれば、バッテリから電気機器に電力を供給することができ、天板付什器から電気機器への給電を不要とすることが可能となる。したがって、本発明の第1の態様の電気機器接続什器によれば、天板付什器が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0010】
また、本発明の第1の態様の電気機器接続什器においては、端子取付部を信号伝達用として用いることも可能である。このような場合には、本発明の第1の態様の電気機器接続什器は、電気機器と信号伝達を行う機器を備え、バッテリからの電力を当該機器に供給する。外部の電気機器は、端子取付部を介して当該機器と接続される。このような場合であっても、本発明の第1の態様の電気機器接続什器によれば、電気機器と信号伝達を行う機器に対してバッテリから電力を供給することができ、天板付什器からの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本発明の第1の態様の電気機器接続什器によれば、天板付什器が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記バッテリ取付部に取り付けられた上記バッテリから出力された直流電力を交流電力に変換する変換器を備えるという構成を採用する。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、変換器によってバッテリから出力された直流電力を交流電力に変換して端子取付部に給電することができる。このため、100Vの商用電源から給電可能な一般的な電気機器への給電が可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、上記変換器が、上記収容空間に配置されているという構成を採用する。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、変換器をベース部の収容空間に配置されるため、変換器が外部から視認されることを防止することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様は、上記第1~第3いずれかの態様において、上記ベース部に下方から支持されると共に少なくとも上面の一部に作業面が設けられた接続什器用天板を備えるという構成を採用する。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、接続什器用天板の上面の少なくとも一部に作業面が設けられている。このため、作業者が電気機器接続什器の表面の一部を作業面として用いることが可能となる。したがって、天板付什器の天板上に電気機器接続什器を載置することによって減少した天板付什器の作業面を、接続什器用天板の作業面によって補うことが可能になる。
【0017】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記バッテリ取付部が、上記バッテリを上下方向に着脱可能な載置トレーを有し、上記載置トレーが、上記接続什器用天板の上面に隣接配置されているという構成を採用する。
【0018】
本発明の第5の態様によれば、バッテリ取付部の載置トレーが接続什器用天板の上面に隣接して配置されている。このため、例えば、接続什器用天板の上面にバッテリ取付部から取り外されたバッテリを載置することが可能である。したがって、バッテリの交換作業や取付作業の場合に、一時的にバッテリを接続什器用天板の上面に載置し、また接続什器用天板の上面に載置したバッテリを隣接する載置トレーに対して容易に取り付けることが可能となる。よって、本発明の第5の態様によれば、電気機器接続什器の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0019】
また、本発明の第5の態様によれば、ベース部に下方から支持される接続什器用天板の上面に隣接する高さに載置トレーが配置されている。このため、ベース部を天板付什器の天板上に載置することによって、載置トレーを天板付什器の天板よりも高い位置に配置することができる。したがって、バッテリとバッテリ取付部との接続箇所を、載置トレーを天板付什器の天板から遠ざけることができる。よって、万が一、作業者が天板付什器の天板上で液体をこぼしたような場合であっても、液体がバッテリとバッテリ取付部との接続箇所に到達して故障の原因となることを避けることが可能となる。
【0020】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、上記接続什器用天板に開口部が形成されており、上記載置トレーが、上記開口部に配置されているという構成を採用する。
【0021】
本発明の第6の態様によれば、接続什器用天板に設けられた開口部に載置トレーが配置されているため、載置トレーを囲むように接続什器用天板の上面が配置される。このため、載置トレーの周囲に作業面を形成することができる。したがって、電気機器接続什器の周囲のどの方向からバッテリの交換作業を行う場合であっても、交換用のバッテリを一時的に接続什器用天板の上面に載置することが可能となる。
【0022】
本発明の第7の態様は、上記第1~第4いずれかの態様において、上記バッテリ取付部が上記ベース部の収容空間に配置されており、上記ベース部の収容空間が、上記バッテリ取付部に取り付けられた上記バッテリの少なくとも一部を収容するという構成を採用する。
【0023】
本発明の第7の態様によれば、バッテリの一部がベース部の収容空間に収容されるため、バッテリがベース部から大きく突出することを防止することが可能となる。また、本発明の第7の態様によれば、バッテリとバッテリ取付部との接続箇所を、ベース部の収容空間に配置することができる。したがって、万が一、作業者が天板付什器の天板上で液体をこぼしたような場合であっても、液体がバッテリとバッテリ取付部との接続箇所に到達して故障の原因となることを避けることが可能となる。
【0024】
本発明の第8の態様は、上記第1~第7いずれかの態様において、上記ベース部が、上記収容空間を有するベース部本体と、上記ベース部本体の下面よりも摩擦係数が小さい低摩擦面を有すると共に上記ベース部本体の上記下面に接続された低摩擦部とを備えるという構成を採用する。
【0025】
本発明の第8の態様によれば、低摩擦部の低摩擦面が天板付什器の天板の上面と接触する。このため、ベース部本体が天板付什器の天板の上面と接触している場合と比較して、容易に電気機器接続什器を移動させることが可能となる。また、本発明の第8の態様によれば、電気機器接続什器を移動させた場合に天板付什器の天板の表面が傷つくことを抑止することが可能となる。
【0026】
本発明の第11の態様は、上記第1~第10いずれかの態様において、上記バッテリを備えるという構成を採用する。
【0027】
本発明の第11の態様によれば、バッテリが電気機器接続什器の一部となる。このため、例えば、バッテリを電気機器接続什器の専用に設計等することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、電気機器接続什器であって、天板付什器の天板上に載置可能であると共に内部に収容空間が設けられたベース部と、上記ベース部に支持されると共にバッテリが取り付け可能なバッテリ取付部と、上記バッテリ取付部と異なる位置にて上記ベース部に支持されると共に電気機器の外部接続端子が取り付け可能な端子取付部と、上記収容空間に収容されて上記バッテリ取付部と上記端子取付部とを接続する内部配線とを備える。このため、本発明によれば、天板付什器が、電源ケーブル設置による制約を受けることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態における電気機器接続什器の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態における電気機器接続什器の概略構成を示す分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態における電気機器接続什器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態における電気機器接続什器の概略構成を示す斜視図である。
図5】本発明の第3実施形態における電気機器接続什器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
図6】本発明の第4実施形態における電気機器接続什器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
図7】本発明の第5実施形態における電気機器接続什器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明に係る電気機器接続什器の一実施形態について説明する。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の電気機器接続什器1の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の電気機器接続什器1は、取り付けられたバッテリBの電力を電気機器Dに対して供給する什器である。本実施形態の電気機器接続什器1は、図1に示すように、天板付什器50の天板51上に載置された状態で用いられる。
【0032】
なお、本実施形態の電気機器接続什器1を介してバッテリBから電力供給される電気機器Dは特に限定されるものではないが、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータを電気機器Dとして給電することができる。また、電気機器Dの例としては、携帯型タブレット端末、無線通信用ルータ、卓上用電気スタンド、卓上用扇風機、ディスプレイ等が挙げられる。
【0033】
図2は、本実施形態の電気機器接続什器1の概略構成を示す分解斜視図である。この図に示すように、本実施形態の電気機器接続什器1は、ベース部2と、接続什器用天板3と、バッテリ取付ユニット4(バッテリ取付部)と、電源タップ5(端子取付部)と、内部配線6とを備えている。
【0034】
ベース部2は、天板付什器50の天板51上に載置可能であると共に内部に収容空間Kが設けられた部材であり、接続什器用天板3、バッテリ取付ユニット4、電源タップ5及び内部配線6を直接的あるいは間接的に支持する。このベース部2は、ベース部本体2aと、フェルト板2b(低摩擦部)とを有している。
【0035】
ベース部本体2aは、環状の周壁部2cと、周壁部2cを跨ぐように設けられた底板部2dとを有している。周壁部2cは、平面視が略長方形の枠形状に形成されており、2つの長辺部2c1と2つの短辺部2c2とを有している。2つの長辺部2c1は、平行に対向配置されている。また、2つの短辺部2c2は、平行に対向配置されている。これらの長辺部2c1と短辺部2c2とが湾曲して互いに接続されることによって、周壁部2cは、平面視において湾曲した丸角を有する長方形の形状を有する。
【0036】
周壁部2cは、一定の厚さ寸法に形成されている。このような周壁部2cによって囲まれた空間は、内部配線6等を収容する収容空間Kである。つまり、ベース部2は、収容空間Kを有するベース部本体2aを備えている。
【0037】
また、周壁部2cの各々の長辺部2c1には、長辺部2c1を水平方向に貫通して、収容空間Kと周壁部2cの外側とを接続するコンセント用開口2eが設けられている。各々の長辺部2c1には、2つのコンセント用開口2eが長辺部2c1の延伸方向にて隣接して設けられている。これらのコンセント用開口2eは、電源タップ5に設けられたプラグ挿入口5aを露出するための開口である。また、これらのコンセント用開口2eは、底板部2dの上方に配置されている。
【0038】
底板部2dは、周壁部2cの一方の長辺部2c1と他方の長辺部2c1とに接続するように設けられた平板状の部位である。底板部2dは、下面が周壁部2cの下面と面一となるように、周壁部2cの下部に接続されている。
【0039】
このような底板部2dは、バッテリ取付ユニット4を下方から支持する。また底板部2dは、必要に応じて電源タップ5も下方から支持する。例えば、電源タップ5が周壁部2cにねじ等で固定されている場合には、底板部2dは、電源タップ5を支持しなくても良い。
【0040】
底板部2dと周壁部2cの短辺部2c2との間には、図2に示すように、隙間が形成されている。この隙間は、収容空間Kを露出する。つまり、収容空間Kには、底板部2dと短辺部2c2との間の隙間を介して、作業者が手を差し入れたり、物品を出し入れしたりすることが可能である。
【0041】
上述のように周壁部2cの下面と底板部2dとの下面とは、同一高さに配置されることによって面一とされている。ベース部本体2aの下面2a1は、これらの周壁部2cの下面と底板部2dとの下面とによって形成されている。このベース部本体2aの下面2a1は、フェルト板2bの取付け面である。
【0042】
このようなベース部本体2aは、例えばステンレス鋼等の金属材からなる板部材を板金加工することによって形成されている。ただし、ベース部本体2aは、他の材質の材料によって形成することも可能である。
【0043】
フェルト板2bは、フェルトによって形成された板状の部材である。このフェルト板2bは、フェルトが露出した表面の摩擦係数がベース部本体2aの表面の摩擦係数よりも小さい。フェルト板2bは、少なくとも下面にフェルトが露出している。つまり、フェルト板2bの下面は、ベース部本体2aの下面2a1よりも摩擦係数が小さい。
【0044】
フェルト板2bは、ベース部本体2aの下面2a1に対して接着剤等によって接続されている。フェルト板2bは、ベース部本体2aの下面2a1の形状(すなわち周壁部2cの下面と底板部2dとの下面とを合わせた形状)に形成されており、ベース部本体2aの下面2a1の全体を覆っている。
【0045】
このようなフェルト板2bの下面は、ベース部本体2aの下面2a1よりも摩擦係数が小さい低摩擦面2b1とされている。つまり、本実施形態において、ベース部2は、ベース部本体2aの下面2a1よりも摩擦係数が小さい低摩擦面2b1を有すると共にベース部本体2aの下面2a1に接続されたフェルト板2bを備えている。
【0046】
このようなフェルト板2bを備えることによって、ベース部2の下面の摩擦係数は、フェルト板2bを備えない場合よりも摩擦係数が小さい。フェルト板2bの低摩擦面2b1は、天板付什器50の天板51に上方から接触する接触面である。つまり、フェルト板2bの低摩擦面2b1が天板51に接触した状態で、本実施形態の電気機器接続什器1は、天板51上に載置される。
【0047】
なお、フェルト板2bの低摩擦面2b1がフェルトによって形成されていれば、フェルト板2bの他の部位は異なる材料によって形成されていても良い。つまり、フェルトと異なる材料によって形成された剛性が高い基部と、基部に固定されて低摩擦面2b1を形成するフェルトとによってフェルト板2bが形成されていても良い。
【0048】
接続什器用天板3は、ベース部2に下方から支持された板状の部位である。接続什器用天板3は、例えば接着剤や不図示のねじ等によってベース部2に固定されている。接続什器用天板3の上面は、全体が平坦な作業面3aである。この作業面3aは、例えばバッテリBを交換する場合に、交換用のバッテリBや取り外し後のバッテリBを一時的に載置するために用いられる。なお、必ずしも接続什器用天板3の上面の全体が作業面3aである必要はない。接続什器用天板3の上面の一部が平坦な作業面であり、他の部分が作業面と異なる用途で用いられても良い。
【0049】
このような接続什器用天板3の中央部には開口部3bが設けられている。開口部3bは、長方形状に形成されている。開口部3bは、ベース部2の底板部2dの上方に配置されている。このような開口部3bは、底板部2dに載置されたバッテリ取付ユニット4の上部を露出する。開口部3bは、バッテリ取付ユニット4の平面視形状と略同一の形状に形成されている。本実施形態においては、開口部3bは、バッテリ取付ユニット4の上部に設置された後述する載置トレー4bの載置面を露出している。
【0050】
また、接続什器用天板3は、平面視にてベース部2の全体を覆う大きさに形成されている。また、接続什器用天板3は、縁部3cがベース部2の平面視における外縁よりも外側に張り出す大きさに形成されている。つまり、本実施形態において接続什器用天板3は、全周に亘って縁部3cがベース部2の外縁(周壁部2cの外壁面)よりもベース部2の外側に突出した形状を有している。
【0051】
このような縁部3cは、図1に示すように、周壁部2cのコンセント用開口2eに上方から被さるように突出して設けられている。つまり、縁部3cは、コンセント用開口2eに露出される電源タップ5のプラグ挿入口5aの上方に配置されており、プラグ挿入口5aを上方から覆うように突出して設けられている。このような縁部3cは、万が一、接続什器用天板3の作業面3aに液体がこぼれた場合であっても、液体がコンセント用開口2e(すなわちプラグ挿入口5a)に接触することを防止する。
【0052】
また、このような縁部3cは、ベース部2の外縁(周壁部2cの外壁面)よりもベース部2の外側に突出しているため、作業者が把持することが可能である。このため、本実施形態の電気機器接続什器1を移動させる場合に、縁部3cを把持して作業を行うことができる。
【0053】
なお、縁部3cは、全周に亘ってベース部2の外縁(周壁部2cの外壁面)よりもベース部2の外側に突出していなくても良い。例えば、コンセント用開口2eの上方や、本実施形態の電気機器接続什器1を移動させる場合に把持しやすい位置に、局所的にベース部2の外側に突出した縁部を設けるようにしても良い。
【0054】
バッテリ取付ユニット4は、ベース部2に支持されると共にバッテリBが取り付け可能なユニットである。バッテリ取付ユニット4は、バッテリBから出力される直流電力を交流電力に変換し、内部配線6を介して電源タップ5に給電する。このバッテリ取付ユニット4は、ケース4aと、載置トレー4bと、インバータ4cとを備えている。
【0055】
ケース4aは、載置トレー4b及びインバータ4cを支持する容器形状の部材である。このケース4aは、ベース部2の底板部2dに載置されている。なお、ケース4aは、底板部2dに対して接着剤やねじ等によって固定されていても良いが、固定されることなく載置されていても良い。
【0056】
ケース4aは、載置トレー4bが取り外されることによって開放される開口端を有している。開口端は、上方に向けて開口されており、載置トレー4bが上方からケース4aに取り付けられることで載置トレー4bによって閉じられる。また、ケース4aは、内部にインバータ4cを収容している。
【0057】
載置トレー4bは、バッテリBが上下方向に着脱可能に取り付けられる取付凹部4b1が2つ(複数)設けられたトレー部材である。載置トレー4bは、接続什器用天板3の開口部3bを閉塞するように開口部3bと略同一の形状に形成されている。このような載置トレー4bに取付凹部4b1が2つ設けられていることから、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4に対して複数のバッテリBが取り付け可能である。
【0058】
また、この載置トレー4bは、接続什器用天板3の上面(作業面3a)に隣接配置されている。載置トレー4bが、接続什器用天板3の上面(作業面3a)に囲まれるように隣接配置されているため、例えばバッテリBをいずれの方向から交換しようとした場合であっても、交換用のバッテリBを容易に作業面3aに載置することが可能となる。
【0059】
取付凹部4b1は、直径がバッテリBの下部の直径よりも大きく、バッテリBの下部を収容可能とされている。取付凹部4b1には、取付凹部4b1に取り付けられたバッテリBの底部のマイナス端子及びプラス端子との各々に接続された端子部が設けられている。図3は、本実施形態の電気機器接続什器1の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。この図に示すように、バッテリ取付ユニット4において、取付凹部4b1を有する載置トレー4bはインバータ4cと電気的に接続されている。
【0060】
インバータ4cは、バッテリBから出力される直流電力を交流電力に変換する変換器である。図3に示すように、インバータ4cは、内部配線6を介して電源タップ5と接続されている。このようにインバータ4cが直流電力を交流電力に変換することによって、電源タップ5のプラグ挿入口5aからは一般的な商用電源と同様の交流電力が取り出し可能とされる。
【0061】
なお、バッテリ取付ユニット4は、不図示の制御装置を備えていても良い。例えば、複数のバッテリBがバッテリ取付ユニット4に取り付けられた状態において、制御装置によって、電力を消費するバッテリBを選択しても良い。
【0062】
このようなバッテリ取付ユニット4は、上部の載置トレー4bのみが露出されており、他の部位がベース部2の収容空間Kに配置されている。つまり、ケース4aに収容されたインバータ4cは、ベース部2の収容空間Kに配置されている。
【0063】
電源タップ5は、バッテリ取付ユニット4と異なる位置にてベース部2に支持されると共に電気機器DのプラグP(外部接続端子)が取り付け可能な部材である。図2に示すように、本実施形態において電源タップ5は、2つ(複数)設けられている。各々の電源タップ5は、ベース部2の底板部2d上に載置されている。つまり、これらの電源タップ5は、ベース部2の収容空間Kに配置されている。
【0064】
なお、図2に示すように、電源タップ5は底板部2dの端部に配置されており、バッテリ取付ユニット4は底板部2dの中央部に配置されている。つまり、電源タップ5は、バッテリ取付ユニット4と異なる位置にて底板部2dに設置されている。
【0065】
また、各々の電源タップ5は、プラグ挿入口5aを2つ有している。これらのプラグ挿入口5aは、ベース部2のコンセント用開口2eと同ピッチで配列されており、コンセント用開口2eにて露出される位置に配置されている。本実施形態において各々の電源タップ5は、側方に向けてプラグPを抜き差し可能なようにプラグ挿入口5aを側方に向けた姿勢で固定されている。
【0066】
なお、本実施形態において、バッテリ取付ユニット4は、上下方向にバッテリBを着脱可能とされている。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4へのバッテリBの取付け方向と、電源タップ5へのプラグPの取付け方向とが異なる。
【0067】
これらの電源タップ5は、各々が内部配線6を介してバッテリ取付ユニット4に対して接続されている。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4に対して複数の電源タップ5が接続されている。このような本実施形態の電気機器接続什器1においては、単一のバッテリ取付ユニット4から複数の電源タップ5へ給電される。
【0068】
内部配線6は、バッテリ取付ユニット4と電源タップ5とを接続する配線である。本実施形態において内部配線6は、2本設けられている。1つの内部配線6は、バッテリ取付ユニット4と一方の電源タップ5とを接続している。また、もう1つの内部配線6は、バッテリ取付ユニット4と他方の電源タップ5とを接続している。これらの内部配線6は、ベース部2の収容空間Kに収容されている。つまり、内部配線6は、外部から視認されることがない。
【0069】
各々の内部配線6は、バッテリ取付ユニット4のインバータ4cと、電源タップ5のプラグ挿入口5aとを電気的に接続している。各々の内部配線6は、インバータ4cから出力された交流電力をプラグ挿入口5aに導電する。
【0070】
このような構成の本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4の取付凹部4b1にバッテリBが取り付けられ、電源タップ5のプラグ挿入口5aに電気機器DのプラグPが差し込まれる。バッテリ取付ユニット4は、バッテリBから出力される直流電力をインバータ4cによって交流電力に変換する。インバータ4cで生成された交流電力は、内部配線6を介して電源タップ5に給電され、電源タップ5のプラグ挿入口5aから電気機器Dに供給される。
【0071】
また、例えば、バッテリBを交換する場合には、新たなバッテリBを接続什器用天板3の作業面3aに載置する。この状態で、先にバッテリ取付ユニット4に取り付けられたバッテリBを取付凹部4b1から上方に持ち上げることによってバッテリ取付ユニット4から取り外す。取り外したバッテリBを接続什器用天板3の作業面3aに載置し、新たなバッテリBを取付凹部4b1に対して上方から装着する。
【0072】
以上のような本実施形態の電気機器接続什器1は、ベース部2を備える。ベース部2は、天板付什器50の天板51上に載置可能であると共に内部に収容空間Kが設けられている。また、本実施形態の電気機器接続什器1は、バッテリ取付ユニット4を備えている。バッテリ取付ユニット4は、ベース部2に支持されると共にバッテリBが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1は、電源タップ5を備えている。電源タップ5は、バッテリ取付ユニット4と異なる位置にてベース部2に支持されると共に電気機器DのプラグPが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1は、内部配線6を備えている。内部配線6は、収容空間Kに収容されてバッテリ取付ユニット4と電源タップ5とを接続する。
【0073】
このような本実施形態の電気機器接続什器1は、天板付什器50の天板51上に載置されて用いられる什器である。本実施形態の電気機器接続什器1は、バッテリ取付ユニット4が設けられており、バッテリBが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1は、電気機器DのプラグPが取り付け可能な電源タップ5を備え、内部配線6を介して、バッテリBの電力を電気機器Dに給電が可能である。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1によれば、バッテリBから電気機器Dに電力を供給することができ、天板付什器50から電気機器Dへの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1によれば、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態の電気機器接続什器1は、インバータ4cを備えている。インバータ4cは、バッテリ取付ユニット4に取り付けられたバッテリBから出力された直流電力を交流電力に変換する。
【0075】
このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、インバータ4cによってバッテリBから出力された直流電力を交流電力に変換して電源タップ5に給電することができる。このため、100Vの商用電源から給電可能な一般的な電気機器Dへの給電が可能となる。
【0076】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、インバータ4cが、収容空間Kに配置されている。このように本実施形態の電気機器接続什器1によれば、インバータ4cをベース部2の収容空間Kに配置されるため、インバータ4cが外部から視認されることを防止することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態の電気機器接続什器1は、接続什器用天板3を備えている。接続什器用天板3は、ベース部2に下方から支持されると共に少なくとも上面の一部に作業面3aが設けられている。
【0078】
このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、接続什器用天板3の上面の少なくとも一部に作業面3aが設けられている。このため、作業者が電気機器接続什器1の表面の一部を作業面3aとして用いることが可能となる。したがって、天板付什器50の天板51上に電気機器接続什器1を載置することによって減少した天板付什器50の作業面を、接続什器用天板3の作業面3aによって補うことが可能になる。
【0079】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4が、バッテリBを上下方向に着脱可能な載置トレー4bを有する。さらに、本実施形態の電気機器接続什器1においては、載置トレー4bは、接続什器用天板3の上面に隣接配置されている。
【0080】
このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、バッテリ取付ユニット4の載置トレー4bが接続什器用天板3の上面に隣接して配置されている。このため、例えば、接続什器用天板3の上面にバッテリ取付ユニット4から取り外されたバッテリBを載置することが可能である。したがって、バッテリBの交換作業や取付作業の場合に、一時的にバッテリBを接続什器用天板3の上面に載置し、また接続什器用天板3の上面に載置したバッテリBを隣接する載置トレー4bに対して容易に取り付けることが可能となる。よって、本実施形態の電気機器接続什器1によれば、電気機器接続什器1の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0081】
また、本実施形態の電気機器接続什器1によれば、ベース部2に下方から支持される接続什器用天板3の上面に隣接する高さに載置トレー4bが配置されている。このため、ベース部2を天板付什器50の天板51上に載置することによって、載置トレー4bを天板付什器50の天板51よりも高い位置に配置することができる。したがって、バッテリBとバッテリ取付ユニット4との接続箇所を、載置トレー4bを天板付什器50の天板51から遠ざけることができる。よって、万が一、作業者が天板付什器50の天板51上で液体をこぼしたような場合であっても、液体がバッテリBとバッテリ取付ユニット4との接続箇所に到達して故障の原因となることを避けることが可能となる。
【0082】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、接続什器用天板3に開口部3bが形成されている。また、載置トレー4bが、開口部3bに配置されている。このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、接続什器用天板3に設けられた開口部に載置トレー4bが配置されているため、載置トレー4bを囲むように接続什器用天板3の上面が配置される。このため、載置トレー4bの周囲に作業面3aを形成することができる。したがって、電気機器接続什器1の周囲のどの方向からバッテリBの交換作業を行う場合であっても、交換用のバッテリBを一時的に接続什器用天板3の上面に載置することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、ベース部2が、ベース部本体2aとフェルト板2bとを備えている。ベース部本体2aは、収容空間Kを有する。フェルト板2bは、ベース部本体2aの下面2a1よりも摩擦係数が小さい低摩擦面2b1を有すると共にベース部本体2aの下面2a1に接続されている。
【0084】
このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、フェルト板2bの低摩擦面2b1が天板付什器50の天板51の上面と接触する。このため、ベース部本体2aが天板付什器50の天板51の上面と接触している場合と比較して、容易に電気機器接続什器1を移動させることが可能となる。また、電気機器接続什器1を移動させた場合に天板付什器50の天板51の表面が傷つくことを抑止することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4が、複数のバッテリBが取り付け可能である。このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、バッテリ取付ユニット4に対して複数のバッテリBが取り付け可能であるため、例えばいずれかのバッテリBを交換する場合に、他のバッテリBから電気機器Dへの給電等を継続することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態の電気機器接続什器1においては、バッテリ取付ユニット4に対して複数の電源タップ5が接続されている。このような本実施形態の電気機器接続什器1によれば、バッテリ取付ユニット4に対して複数の電源タップ5が接続されているため、バッテリ取付ユニット4に取り付けされたバッテリBから複数の電気機器Dに給電等を行うことが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態においては、バッテリ取付ユニット4に対して2つのバッテリBが取り付け可能な構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、バッテリ取付ユニット4に対して取り付け可能なバッテリBが1つあるいは3つ以上であっても良い。
【0088】
また、本実施形態においては、バッテリ取付ユニット4に対して2つの電源タップ5が接続された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、バッテリ取付ユニット4に対して1つあるいは3つ以上の電源タップ5を接続する構成を採用しても良い。
【0089】
また、本実施形態においては、ベース部2にフェルト板2bが設けられた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。ベース部2がフェルト板2bを有していない構成を採用することも可能である。例えば、電気機器接続什器が天板付什器の天板に設けられた取付部に固定されるような場合には、ベース部2にフェルト板2bを設ける必要はない。
【0090】
また、上記実施形態においては、接続什器用天板3の中央部に開口部3bが設けられた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、接続什器用天板3の縁部3cを切欠くように、バッテリ取付ユニット4を露出する開口部が設けられる構成を採用しても良い。
【0091】
上述のように、本実施形態の電気機器接続什器1によれば、天板付什器50から電気機器Dへの給電を不要とすることが可能となる。このため、天板51に対して、配線ダクトやプラグ挿入口を設置する必要がない。図1に示すように、本実施形態の電気機器接続什器1が載置される天板付什器50は、天板51と、脚部52とを備えている。本実施形態の電気機器接続什器1によれば天板51に対して配線ダクトやプラグ挿入口を設置する必要がないことから天板51の上面51aは、全体が隙間や凹凸が設けられていない水平な平滑面とされている。つまり、天板付什器50は、上面51aの全体が水平な平滑面とされた天板51を備えている。
【0092】
このような天板51を備える天板付什器50によれば、天板51の上面51aの全体の凹凸を無くすことが可能となる。さらに、天板51の上面51aの全体が水平な平滑面であるため、天板51の上面51a上を本実施形態の電気機器接続什器1を容易に移動させることが可能となる。また、天板付什器50によれば、天板51に対して配線ダクトを設ける必要がないことから、天板51の下方の空間(作業者の下肢空間)を広く確保することが可能となる。
【0093】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0094】
図4は、本実施形態の電気機器接続什器1Aの概略構成を示す斜視図である。上記第1実施形態の電気機器接続什器1においてはバッテリBを上下方向に着脱する構成を採用した。これに対して、本実施形態の電気機器接続什器1Aにおいては、図4に示すように、バッテリBを水平方向に着脱する構成を採用している。
【0095】
本実施形態においてベース部本体2aの周壁部2cには挿通開口2fが設けられている。この挿通開口2fは、バッテリBを挿通するための開口である。この挿通開口2fは、周壁部2cの短辺部2c2に形成されており、ベース部本体2aの収容空間Kと外部とを接続している。挿通開口2fは、周壁部2cを水平方向に貫通して形成されている。
【0096】
また、本実施形態において接続什器用天板3には、上記第1実施形態における開口部3bが設けられていない。本実施形態において接続什器用天板3は、上記第1実施形態における開口部3bが設けられた部位が塞がれており、この塞がれた部位の上面も作業面3aの一部となっている。つまり、本実施形態においては、上記第1実施形態と接続什器用天板3の外形が同一であるが、上記第1実施形態と比較して作業面3aが拡大している。
【0097】
また、本実施形態においては、上記第1実施形態のバッテリ取付ユニット4に換えて、バッテリ取付ユニット10を備えている。このバッテリ取付ユニット10は、ベース部2に支持されると共にバッテリBが取り付け可能なユニットである。バッテリ取付ユニット10は、バッテリBから出力される直流電力を交流電力に変換し、内部配線6を介して電源タップ5に給電する。
【0098】
バッテリ取付ユニット10は、全体がベース部2の収容空間Kに収容されている。このようなバッテリ取付ユニット10は、上述のベース部本体2aの周壁部2cに設けられた挿通開口2fに向けられたバッテリ接続部を有している。つまり、本実施形態においては、バッテリBがバッテリ取付ユニット10に対して水平方向から着脱される。
【0099】
このような本実施形態においては、バッテリBが側方から挿通開口2fを介してベース部2の収容空間Kに差し入れられる。収容空間Kに差し入れられたバッテリBは、収容空間Kの内部にてバッテリ取付ユニット10に取り付けられる。つまり、本実施形態においては、バッテリ取付ユニット10に取り付けられたバッテリBの一部は収容空間Kに収容される。
【0100】
以上のような本実施形態の電気機器接続什器1Aは、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様にベース部2を備える。ベース部2は、天板付什器50の天板51上に載置可能であると共に内部に収容空間Kが設けられている。また、本実施形態の電気機器接続什器1Aは、バッテリ取付ユニット10を備えている。バッテリ取付ユニット10は、ベース部2に支持されると共にバッテリBが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1Aは、電源タップ5を備えている。電源タップ5は、バッテリ取付ユニット10と異なる位置にてベース部2に支持されると共に電気機器DのプラグPが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1Aは、内部配線6を備えている。内部配線6は、収容空間Kに収容されてバッテリ取付ユニット10と電源タップ5とを接続する。
【0101】
このような本実施形態の電気機器接続什器1Aは、天板付什器50の天板51上に載置されて用いられる什器である。本実施形態の電気機器接続什器1Aは、バッテリ取付ユニット10が設けられており、バッテリBが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1Aは、電気機器DのプラグPが取り付け可能な電源タップ5を備え、内部配線6を介して、バッテリBの電力を電気機器Dに給電が可能である。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1Aによれば、バッテリBから電気機器Dに電力を供給することができ、天板付什器50から電気機器Dへの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1Aによれば、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様に、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態の電気機器接続什器1Aにおいては、バッテリ取付ユニット10がベース部2の収容空間Kに配置されている。また、ベース部2の収容空間Kは、バッテリ取付ユニット10に取り付けられたバッテリBの少なくとも一部を収容している。
【0103】
このような本実施形態の電気機器接続什器1Aによれば、バッテリBの一部がベース部2の収容空間Kに収容されるため、バッテリBがベース部2から大きく突出することを防止することが可能となる。また、本実施形態の電気機器接続什器1Aによれば、バッテリBとバッテリ取付ユニット10との接続箇所を、ベース部2の収容空間Kに配置することができる。したがって、万が一、作業者が天板付什器50の天板51上で液体をこぼしたような場合であっても、液体がバッテリBとバッテリ取付ユニット10との接続箇所に到達して故障の原因となることを避けることが可能となる。
【0104】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図5を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0105】
図5は、本実施形態の電気機器接続什器1Bの電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。本実施形態の電気機器接続什器1Bは、バッテリ20を一部として備えている。
【0106】
バッテリ20は、バッテリ取付ユニット4に対して着脱可能とされている。例えば、バッテリ20は、バッテリ取付ユニット4から取り外され、外部の充電器によって充電可能とされている。
【0107】
このような本実施形態の電気機器接続什器1Bは、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様に、天板付什器50の天板51上に載置されて用いられる什器である。本実施形態の電気機器接続什器1Bは、バッテリ取付ユニット4が設けられており、バッテリ20が取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1Bは、電気機器DのプラグPが取り付け可能な電源タップ5を備え、内部配線6を介して、バッテリ20の電力を電気機器Dに給電が可能である。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1Bによれば、バッテリ20から電気機器Dに電力を供給することができ、天板付什器50から電気機器Dへの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1Bによれば、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様に、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0108】
また、本実施形態の電気機器接続什器1Bにおいては、バッテリ20を備えている。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1Bでは、バッテリ20が電気機器接続什器1Bの一部となる。このため、例えば、バッテリ20を電気機器接続什器1Bの専用に設計等することが可能となる。
【0109】
なお、本実施形態においては、バッテリ20がバッテリ取付ユニット4に対して着脱可能である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、バッテリ20がバッテリ取付ユニット4に対して固定されていても良い。このような場合には、例えば、必要に応じて電気機器接続什器1Bのバッテリ20に対して不図示の充電器を接続してバッテリ20に対して充電を行う。このバッテリ20への充電は、電気機器接続什器1Bを天板付什器50の天板51上から移動させて行うことが可能である。
【0110】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0111】
図6は、本実施形態の電気機器接続什器1Cの電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態の電気機器接続什器1Cにおいてバッテリ取付ユニット4は、インバータ4cを備えていない。本実施形態においてバッテリ取付ユニット4は、インバータ4cに換えてDCDCコンバータ4dを備えている。
【0112】
DCDCコンバータ4dは、バッテリBから出力された直流電力の電圧を変換して出力する。このDCDCコンバータ4dは、例えばケース4aの内部に収容されている。このようなDCDCコンバータ4dは、バッテリBの電圧を変化させて電源タップ5に供給する。
【0113】
また、本実施形態において電源タップ5は、直流電力を出力するためのプラグ挿入口5bを複数備えている。これらのプラグ挿入口5bは、例えば、直流電力を出力するためのUSB(Universal Serial Bus)ポートからなる。
【0114】
このような本実施形態の電気機器接続什器1Cは、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様に、天板付什器50の天板51上に載置されて用いられる什器である。本実施形態の電気機器接続什器1Cは、バッテリ取付ユニット4が設けられており、バッテリBが取り付け可能である。また、本実施形態の電気機器接続什器1Cは、電気機器DのプラグPが取り付け可能な電源タップ5を備え、内部配線6を介して、バッテリBの電力を電気機器Dに給電が可能である。つまり、本実施形態の電気機器接続什器1Cによれば、バッテリBから電気機器Dに電力を供給することができ、天板付什器50から電気機器Dへの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1Cによれば、上記第1実施形態の電気機器接続什器1と同様に、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0115】
また、本実施形態の電気機器接続什器1Cにおいては、プラグ挿入口5bから直流電力を電気機器Dに供給することが可能である。このため、例えばUSBケーブル等によって電気機器Dへの給電が可能となる。
【0116】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図7を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0117】
図7は、本実施形態の電気機器接続什器1Dの電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態の電気機器接続什器1Dは、2つの電源タップ5に換えて、2つの信号線接続タップ7を備えている。また、本実施形態の電気機器接続什器1Dは、無線通信用ルータ30を備えている。
【0118】
信号線接続タップ7は、無線通信用ルータ30と内部配線8を介して接続されている。信号線接続タップ7には、信号伝達用のプラグ挿入口7aが例えば2つずつ設けられている。これらのプラグ挿入口7aは、例えば、信号伝達用のUSBポートからなる。
【0119】
図7には示されていないが、信号線接続タップ7は、上記第1実施形態の電源タップ5と同様に、ベース部2の底板部2d上に載置されており、ベース部2の収容空間Kに配置されている。信号線接続タップ7は底板部2dの端部に配置されており、バッテリ取付ユニット4は底板部2dの中央部に配置されている。つまり、信号線接続タップ7は、バッテリ取付ユニット4と異なる位置にて底板部2dに設置されている。
【0120】
内部配線8は、無線通信用ルータ30を介して、バッテリ取付ユニット4と信号線接続タップ7とを接続する配線である。本実施形態において内部配線8は、2本設けられている。1つの内部配線8は、バッテリ取付ユニット4と一方の信号線接続タップ7とを接続している。また、もう1つの内部配線8は、バッテリ取付ユニット4と他方の信号線接続タップ7とを接続している。これらの内部配線8は、図7には示されていないが、ベース部2の収容空間Kに収容されている。つまり、内部配線8は、外部から視認されることがない。
【0121】
各々の内部配線8は、バッテリ取付ユニット4と、無線通信用ルータ30とを電気的に接続しており、バッテリBの電力を無線通信用ルータ30に供給する。また、各々の内部配線8は、無線通信用ルータ30と信号線接続タップ7とを電気的に接続しており、無線通信用ルータ30と信号線接続タップ7に接続された電気機器Dとを信号接続する。
【0122】
このような本実施形態の電気機器接続什器1Dにおいては、端子取付部である信号線接続タップ7を信号伝達用として用いている。また、本実施形態の電気機器接続什器1Dでは、電気機器Dと信号伝達を行う無線通信用ルータ30を備え、バッテリBからの電力を無線通信用ルータ30に供給する。外部の電気機器Dは、信号線接続タップ7を介して無線通信用ルータ30と接続される。このような場合であっても、本実施形態の電気機器接続什器1Dによれば、無線通信用ルータ30に対してバッテリBから電力を供給することができ、天板付什器50からの給電を不要とすることが可能となる。したがって、本実施形態の電気機器接続什器1Dによれば、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。
【0123】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図1を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0124】
本実施形態の什器システムは、天板付什器50と、上記第1実施形態の電気機器接続什器1とを備えている。
【0125】
本実施形態の什器システムの電気機器接続什器1によれば、天板付什器50が、電源ケーブルが設けられることによる制約を受けることを防止することが可能となる。また、天板付什器50によれば、天板51の上面51aの全体の凹凸を無くすことが可能となる。さらに、天板51の上面51aの全体が水平な平滑面であるため、天板51の上面51a上を本実施形態の電気機器接続什器1を容易に移動させることが可能となる。また、天板付什器50によれば、天板51に対して配線ダクトを設ける必要がないことから、天板51の下方の空間(作業者の下肢空間)を広く確保することが可能となる。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0127】
また、上記第1実施形態においては、ベース本体部2aの下面2a1に対してフェルト板2bを設けた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フェルト板2bに換えて、滑り止め部材を設ける構成を採用することもできる。滑り止め部材としては、例えばゴム板等を用いることができる。このような滑り止め部材を設けることによって、電気機器接続什器1が天板付什器50の天板51上で移動することを防止することができる。このため、例えば電源タップ5に電気機器DのプラグPを抜き差しする場合に、電気機器接続什器1が移動することを防止することができる。なお、上記第1実施形態と異なる他の実施形態においても、フェルト板2bに換えて、滑り止め部材を設ける構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0128】
1……電気機器接続什器、1A……電気機器接続什器、1B……電気機器接続什器、1C……電気機器接続什器、1D……電気機器接続什器、2……ベース部、2a……ベース部本体、2a1……下面、2b……フェルト板(低摩擦部)、2b1……低摩擦面、2c……周壁部、2d……底板部、3……接続什器用天板、3a……作業面、3b……開口部、3c……縁部、4……バッテリ取付ユニット(バッテリ取付部)、4a……ケース、4b……載置トレー、4b1……取付凹部、4c……インバータ(変換器)、4d……DCDCコンバータ、5……電源タップ(端子取付部)、5a……プラグ挿入口、5b……プラグ挿入口、6……内部配線、7……信号線接続タップ(端子取付部)、7a……プラグ挿入口、8……内部配線、10……バッテリ取付ユニット(バッテリ取付部)、20……バッテリ、30……無線通信用ルータ、50……天板付什器、51……天板、51a……上面、52……脚部、B……バッテリ、D……電気機器、K……収容空間、P……プラグ(外部接続端子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7